JP2013007043A - 樹脂組成物および射出成形体 - Google Patents

樹脂組成物および射出成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性および耐熱性を有する射出成形体を提供する。
【解決手段】本発明の射出成形体は、乳酸系樹脂(A)および、乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)とを配合してなる樹脂組成物を用いてなる射出成形体である。ただし、乳酸系樹脂(A)、難燃剤(B)および熱可塑性樹脂(C)中に占める難燃剤(B)の割合は1質量%以上、20質量%以下であり、熱可塑性樹脂(C)の樹脂組成物中に占める割合は10質量%以上、40質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳酸系樹脂を含有する樹脂組成物および射出成形体に関し、特に、難燃性を有する樹脂組成物と射出成形体に関するものである。
プラスチックは今や日常生活、産業等のあらゆる分野において広く浸透しており、全世界のプラスチックの年間生産量が約1億トンにも達している。この生産されたプラスチックの大半は使用後廃棄されており、これが地球環境を乱す原因の一つとして認識されるようになった。そのため、廃棄されても地球環境に悪影響を与えない材料が求められている。
また、通常のプラスチックの原料である石油等は枯渇性資源であるので、再生可能資源の活用が求められている。例えば、植物原料プラスチックは、再生可能な非枯渇性資源を利用して得られるので、石油等枯渇性資源の節約を図ることができ、しかも、使用後は生分解して自然に戻り、優れたリサイクル性を備えている。
植物原料プラスチックの中でも乳酸系樹脂は、澱粉の発酵により得られる乳酸を原料とし、化学工学的に量産可能であり、かつ、透明性、剛性、耐熱性等に優れている。そのため、特に乳酸系樹脂は、ポリスチレンやABS樹脂の代替材料として、フィルム包装材や、家電、OA機器、自動車部品等の射出成形分野において注目されている。
家電、OA機器、自動車部品等の用途に用いられる射出成形体には火災防止のため耐熱性が要求される。
乳酸系樹脂は、ポリスチレンやABS樹脂と同様に燃焼しやすい材料であるため、難燃剤を配合する必要がある。しかしながら、難燃剤として金属水酸化物を配合すると、金属水酸化物中のアルカリイオンによって、樹脂混練時に乳酸系樹脂が分解して分子量の低下が生じ、機械強度が低下する。また、金属水酸化物を配合して充分な難燃性を付与するためには、多量の金属水酸化物を配合しなければならず、更なる機械強度の低下が生じる。
また、特開2003−192925号公報、特開2003−192929号公報、特開2004−190025号公報、特開2004−190026号公報、特開2005−89546号公報、特開2005−162872号公報、および特開2005−248032号公報には、リン系化合物を配合することにより難燃性を付与する手法が開示されており、特開2005−248032号公報には乳酸系樹脂にリン系化合物と金属水酸化物とを配合することにより難燃性を付与する手法が開示されているが問題点を含んだものであった。すなわち、リン系化合物はアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル等の難燃剤として広く使用されており、ポリエステルである乳酸系樹脂の難燃化には好適であるが、一方、リン系化合物は可塑剤としても作用するため、これらの樹脂の耐熱性を著しく低下させることが知られている。ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートと比較して耐熱性の低い乳酸系樹脂では、リン系化合物を配合することによる耐熱性の低下は致命的である。このため、従来の技術では乳酸系樹脂からなる成形体を、難燃性、耐熱性が共に要求される家電、OA機器、自動車部品等の用途に用いることは非常に困難であった。
特開2003−192925号公報 特開2003−192929号公報 特開2004−190025号公報 特開2004−190026号公報 特開2005−89546号公報 特開2005−162872号公報 特開2005−248032号公報 特開2005−162871号公報
このように、乳酸系樹脂にリン系化合物を配合することによって難燃性を付与する従来の方法では、難燃性を向上させることはできるが、耐熱性が損なわれてしまっていた。
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、乳酸系樹脂の耐熱性が損なわれることなく、難燃性が付与された樹脂組成物および射出成形体を提供することにある。
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、効果の高い本発明を完成するに至った。
本発明の射出成形体は、乳酸系樹脂(A)および、該乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)とを配合してなる樹脂組成物を用いてなる射出成形体であり、該乳酸系樹脂(A)、該難燃剤(B)および該熱可塑性樹脂(C)中に占める該難燃剤(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下であり、該熱可塑性樹脂(C)の該樹脂組成物中に占める割合が10質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする。
ここで、前記乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)は、ホスファゼン系化合物、もしくは、リン酸エステルアミド系化合物であることができる。
本発明においては、前記乳酸系樹脂(A)の相対結晶化度χc(A)と、前記乳酸系樹脂(A)の結晶化熱量ΔHc(A)と、前記乳酸系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHm(A)とが下記式を満たすように60℃以上、130℃以下の範囲で結晶化処理が施されていることが好ましい。

χc(A)={ΔHm(A)−ΔHc(A)}/ΔHm(A)≧0.90
本発明の樹脂組成物は、乳酸系樹脂(A)および、該乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)とを配合してなる樹脂組成物であり、該乳酸系樹脂(A)、該難燃剤(B)および該熱可塑性樹脂(C)中に占める該難燃剤(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下であり、該熱可塑性樹脂(C)の該樹脂組成物中に占める割合が10質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする。
ここで、前記乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)は、ホスファゼン系化合物、もしくは、リン酸エステルアミド系化合物であることができる。
本発明によれば、乳酸系樹脂に、特定の難燃剤と特定の熱可塑性樹脂とを配合することにより、乳酸系樹脂の耐熱性が損なわれることなく、難燃性が付与された樹脂組成物を提供することができる。また、この樹脂組成物を用いて、難燃性及び耐久性に優れた射出成形体を提供することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明の樹脂組成物は、乳酸系樹脂(A)および、該乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)とを配合してなる樹脂組成物である。乳酸系樹脂(A)および、乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物に対して、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)を配合することにより、難燃剤(B)が結晶性の高い乳酸系樹脂へ移行せずに結晶性の低い熱可塑性樹脂(C)中に留まることができるので、得られる成形体の耐熱性を低下させることなく難燃性を付与することができる。
(可塑化効果を有する難燃剤)
本発明に用いられる可塑化効果を有する難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート等のリン酸エステル系化合物、1,3−フェニレンビス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、テトラフェニル(m−フェニレン)ビスホスフェート、ビス(ジトリル)イソプロピリデン−ジ−p−フェニレンホスフェート等の縮合リン酸エステル系化合物、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリルアミドフェニル)メタン等のリン酸エステルアミド系化合物、ホスホニトリル酸フェニルエステル等のホスファゼン系化合物を挙げることができる。これらの中でも特に、難燃効果、耐加水分解性の点からリン酸エステルアミド系化合物、あるいは、ホスファゼン系化合物を用いることが好ましい。リン酸エステルアミド系化合物の具体例としては、四国化成工業(株)製のSP−670、SP−703等が挙げられ、ホスファゼン系化合物の具体例としては、ケミプロ化成(株)製のKEMIDANT 302S、(株)伏見製薬所製のFP−100等が挙げられる。
(ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂)
本発明に用いられるΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/グリコール共重合体、ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、塩化ビニル、ポリカボネート等の非晶性熱可塑性樹脂、あるいは、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート等の低結晶性樹脂が挙げられる。本発明において、ΔHmは0J/g以上、30J/g以下であり、好ましくは、0J/g以上、20J/g以下であり、特に好ましくは0J/gである。熱可塑性樹脂のΔHmが0J/gであると難燃剤(B)が熱可塑性樹脂(C)中でより安定に留まることができる。また、ΔHmが30J/gを超えると、難燃剤(B)が乳酸系樹脂(A)へ移行するため、乳酸系樹脂(A)の可塑化が生じて得られる成形体の耐熱性は著しく低下することとなる。
(乳酸系樹脂)
本発明に用いられる(A)乳酸系樹脂は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)や、これらの混合体である。ここで、乳酸系樹脂のD乳酸(D体)とL乳酸(L体)の構成比は、L体:D体=99.9:0.1〜97:3であることが好ましく、L体:D体=99.5:0.5〜98:2であることがさらに好ましい。D乳酸の割合が0.1%未満では、生産性が低下することがあり、3%を超える場合には射出成形体の耐熱性が得られにくくなることがあって用途が制限されることがある。
乳酸系樹脂の重合法としては、縮合重合法、開環重合法等の公知の方法を採用することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸又はD−乳酸、あるいはこれらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
また、開環重合法では、適当な触媒を選択し、必要に応じて重合調整剤も用いて、乳酸の環状二量体であるラクチドから乳酸系樹脂を得ることができる。ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
さらに、耐熱性を向上させる等の必要に応じて、乳酸系樹脂の本質的な性質を損なわない範囲で、例えば、乳酸系樹脂成分を90質量%以上含有する範囲内で、少量の共重合成分を添加することができる。少量の共重合成分としては、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオール等を用いることができる。
さらにまた、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を使用することもできる。
乳酸系樹脂は、さらに、乳酸及び/又は乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸等の他のヒドロキシカルボン酸単位との共重合体であっても、脂肪族ジオール及び/又は脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
他のヒドロキシカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
乳酸系樹脂に共重合される脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられる。
本発明に使用される乳酸系樹脂は、重量平均分子量が5万〜40万の範囲であることが好ましく、更に好ましくは10万〜25万である。乳酸系樹脂の重量平均分子量が5万より小さい場合には、機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、40万より大きい場合には、溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣ることがある。
本発明に好ましく使用される乳酸系樹脂の代表的なものとしては、三井化学(株)製の「レイシア」シリーズ、Nature Works社製の「Nature Works」シリーズ等が商業的に入手されるものとして挙げられる。
本発明においては、乳酸系樹脂(A)と、乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)との配合量は、乳酸系樹脂(A)、難燃剤(B)、および熱可塑性樹脂(C)の混合物中に占める難燃剤(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下であり、5質量%以上、18質量%以下であることが好ましく、8質量%以上、15質量%以下であることがさらに好ましい。上記混合物中に占める難燃剤(B)の割合が1質量%未満である場合には、乳酸系樹脂に難燃性を付与することが難しくなることがあり、20質量%を超える場合には、乳酸系樹脂に難燃剤が移行して耐熱性を損なうことがある。
また、熱可塑性樹脂(C)の上記混合物中に占める割合は、10質量%以上、40質量%以下であり、15質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。上記混合物中に占める熱可塑性樹脂(C)の割合が10質量%未満では、難燃剤(B)が乳酸系樹脂(A)に移行してしまい、40質量%を超える場合には、射出成形体の耐溶剤性が低下するため、使用時に射出成形体の外観不良や、溶剤によるクラック等を生じる。
本発明においては、上記熱可塑性樹脂(C)のガラス転移温度は乳酸系樹脂(A)のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。熱可塑性樹脂(C)のガラス転移温度が乳酸系樹脂(A)よりも高い場合には、乳酸系樹脂(A)の耐熱性向上効果が発現することがある。
可塑化効果を有する難燃剤(B)として使用されるホスファゼン系化合物またはリン酸エステルアミド系化合物は乳酸系樹脂の難燃化に適しており、かつ、耐加水分解性に優れているため、長期間使用によっても難燃性の低下が生じない成形体が得られる。
本発明においては、得られる成形体の耐熱性をさらに向上させるために、さらにカルボジイミド化合物を配合することが好ましい。
本発明に用いられるカルボジイミド化合物としては、下記一般式に示す基本構造を有するものが好ましいものとして挙げられる。

−(N=C=N−R−)n−

ただし、式中、Rは有機系結合単位を示し、例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族であることができる。nは1以上の整数を示し、通常は1〜50の間で適宜決められる。nが2以上の場合に、2以上のRは同一でも異なっていてもよい。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体がカルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独、又は、2種以上組み合わせて用いてもよい。
カルボジイミド化合物の具体例としては、ラインケミー社製の「スタバクゾール」シリーズ、日清紡績(株)製の「カルボジライト」シリーズ等を挙げることができる。
カルボジイミド化合物の配合量は、射出成形体を形成するための樹脂組成物100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上、5質量部以下であることがさらに好ましい。カルボジイミド化合物の配合量が0.1質量部以上であれば、耐久性の向上効果が得られ、10質量%以下であればカルボジイミド化合物による軟質化が生じることがなく、あるいは、過度の分子量向上による粘度上昇が生じることがないので、成形性に問題が生じることがない。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、熱安定剤、抗酸化剤、核剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
次に、本発明の樹脂組成物を用いて射出成形体を形成する方法について説明する。
乳酸系樹脂(A)、乳酸系樹脂に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下の熱可塑性樹脂(C)、および、必要に応じて、カルボジイミド化合物や、その他の添加剤等の各原料を、同一の射出成形機に投入して直接混練し、射出成形することにより射出成形体を形成することができる。あるいは、ドライブレンドした原料を、二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを作製しておき、このペレットを再度射出成形機に入れて射出成形することにより成形体を形成することができる。なお、乳酸系樹脂は、溶融成形時に加水分解を起こしやすいので、あらかじめ乾燥するか、真空ベント押出工程を経ることが好ましい。
いずれの方法を採用するにしても、原料の分解による分子量の低下を考慮する必要があるが、各原料を均一に混合させるためには後者を選択することが好ましい。例えば、乳酸系樹脂、難燃剤、及び、熱可塑性樹脂、また、必要に応じて、カルボジイミド化合物、及び、その他の添加剤等を、十分に乾燥させて水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作製する。なお、乳酸系樹脂はL−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化すること、乳酸系樹脂、難燃剤、熱可塑性樹脂との混合割合によって樹脂組成物の融点が変化すること等を考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。実際には180℃〜230℃の温度範囲が通常選択される。
上記方法によって作成されたペレットを十分に乾燥させて水分を除去した後、下記に示す方法を用いて射出成形体が形成される。
射出成形方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を成形する場合に一般的に採用される射出成形法、ガスアシスト成形法、射出圧縮成形法等の射出成形法を採用することができる。また、その他目的に合わせて、上記の方法以外でもインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法等を採用することもできる。ただし、射出成形法はこれらに限定されるものではない。
用いられる射出成形装置は、一般的な射出成形機、ガスアシスト成形機、射出圧縮成形機等と、これらの成形機に用いられる成形用金型及び付帯機器、金型温度制御装置、原料乾燥装置等から構成される。成形条件は射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度が180℃〜210℃の範囲で成形することが好ましい。
本発明の射出成形体は、乳酸系樹脂(A)の相対結晶化度χc(A)と、乳酸系樹脂(A)の結晶化熱量ΔHc(A)と、乳酸系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHm(A)とが下記式を満たすことが好ましい。すなわち、本発明においては、成形体の乳酸系樹脂(A)が下記式を満たすことが好ましく、本発明の射出成形体は下記式の関係を満たすように60℃以上、130℃以下の範囲で結晶化処理が施されていることが好ましい。このように結晶化処理が施されると、成形体の収縮、変形等を最小限に抑制しつつ、さらなる耐熱性を付与することができる。

χc(A)={ΔHm(A)−ΔHc(A)}/ΔHm(A)≧0.90
結晶化処理の方法としては、成形時の金型内で、または/および、金型から取り出した後に結晶化処理を施すことが有効である。生産性の面からは、射出成形体を形成する樹脂の結晶化速度が遅い場合には金型から取り出した後に結晶化処理を施すことが好ましく、結晶化速度が速い場合には金型内で結晶化処理を施すことが好ましい。
金型内で結晶化させる場合には、加熱した金型内に溶融樹脂を充填した後、所定時間金型内で保持する。この場合、金型温度は60℃以上、130℃以下であることが好ましく、90℃以上、120℃以下であることがさらに好ましい。結晶化処理時間は樹脂組成物等の組成、熱処理温度等によって適宜設定されることが好ましいが、例えば、結晶化処理時間は1秒以上、300秒以下であることが好ましく、10秒以上、100秒以下であることがさらに好ましい。上記範囲内の温度、および結晶化処理時間で結晶化処理を行うことにより、得られる成形体の耐熱性をさらに向上させることができる。
また、金型から成形体を取り出した後に結晶化処理を施す場合には、熱処理温度は60℃以上、130℃以下の範囲内であることが好ましく、70℃以上、100℃以下の範囲内であることがさらに好ましい。熱処理温度が60℃未満では成形工程において結晶化が進行しないことがあり、130℃より高いと成形体を冷却するときに変形や収縮が生じることがある。
結晶化処理時間は樹脂組成物の組成、熱処理温度等に応じて適宜設定されることが好ましいが、例えば、熱処理温度が70℃の場合には結晶化処理時間が15分以上、5時間以下であることが好ましく、1時間以上、4時間以下であることがより好ましく、2時間以上、3時間以下であることが特に好ましい。また、熱処理温度が130℃の場合には結晶化処理時間が10秒以上、30分以下であることが好ましく、1分以上、20分以下であることがより好ましく、5分以上、10分以下であることが特に好ましい。
結晶化処理の方法としては、予め金型温度を上昇させておき金型内で結晶化させる方法、あるいは、射出成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーター等で結晶化させる方法が挙げられる。結晶化処理を施す際には成形体を固定しないで行ってもよいが、成形体の変形を防止するためには、金型、樹脂型等で固定して行うことが好ましい。また、生産性を考慮して、梱包した状態で熱処理を行ってもよい。
このように、本発明の樹脂組成物を用いて形成された成形体は、優れた難燃性及び耐熱性を備えているので、難燃性、耐熱性等が必要とされる家電、自動車用途に広く使用することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、各実施例及び各比較例は以下に示す方法で評価を行った。
(1)難燃性
長さ135mm×幅13mm×厚さ3mmの試験片を用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験の手順に基づき、n=5にて燃焼試験を実施した。UL94垂直燃焼試験(UL94V)の判定基準に基づき判定を行い、V−2、V−1、V−0規格に準ずるものを合格とした。
(2)耐熱性(荷重たわみ温度)
JIS K7191に基づいて、長さ120mm×幅11mm×厚さ3mmの試験片を作成し、東洋精器(株)製のS−3Mを用いて荷重たわみ温度の測定を行った。測定は、エッジワイズ方向、試験片に加える荷重1.82MPaの条件で行った。荷重たわみ温度が55℃以上を合格とした。
(3)ブリードアウト
長さ100mm×幅100mm×厚さ3mmの試験片を射出成形し、得られた試験片を80℃、80%RH雰囲気下に150時間静置した。その後、試験片表面への難燃剤のブリードアウトを目視により評価した。難燃剤がブリードアウトして表面が白化しているものを記号「×」、白化が認められないものを記号「○」で表示した。
(4)ΔHc、ΔHmの測定方法
日本工業規格JIS K−7121に基づき、射出成形体、樹脂ペレットから約10mgのサンプルを削り出し、パーキンエルマー社製の「DSC−7」を用い、10℃/分の速度で30℃から200℃まで昇温測定を行い、得られたサーモグラムより結晶化熱量(ΔHc)、結晶融解熱量(ΔHm)を読み取った。
(実施例1)
乳酸系樹脂としてNatur Works社製のNature Works 4032D(L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4、重量平均分子量20万)を用い、乳酸系樹脂に対して可塑化効果を有する難燃剤として四国化成工業(株)製のSP−670(リン酸エステルアミド系化合物)を用い、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂としてBASFジャパン社製のエコフレックス F(ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ΔHm:18J/g)を用いた。Nature Works 4032Dと、SP−670と、エコフレックス Fとを質量比で、80:5:15の割合でドライブレンドした後、三菱重工(株)製の40mmφの小型同方向二軸押出機を用いて200℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械(株)製の射出成形機「IS50E」(スクリュー径25mm)を用い、難燃性評価の試験片として、長さ135mm×幅13mm×厚さ3mmの試験片を、耐熱性の評価の試験片として、長さ120mm×幅11mm×厚さ3mmの試験片を、難燃剤の成形体へのブリードアウトの評価の試験片として、長さ100mm×幅100mm×厚さ3mmの試験片を射出成形して得た。ただし、主な成形条件は以下に示すとおりである。
・ 温度条件:シリンダー温度(200℃) 金型温度(40℃)
・ 射出条件:射出圧力(115MPa) 保持圧力(55MPa)
・ 計量条件:スクリュー回転数(65rpm) 背圧(15MPa)
得られた射出成形体(試験片)について、難燃性、耐熱性、ブリードアウトの評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
射出成形体の形成に用いられるペレットの乳酸系樹脂(A)と難燃剤(B)と熱可塑性樹脂(C)との配合割合を、質量比で、Nature Works 4032D:SP−670:エコフレックス F=75:10:15となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
射出成形体の形成に用いられるペレットの乳酸系樹脂(A)と難燃剤(B)と熱可塑性樹脂(C)との配合割合を、質量比で、Nature Works 4032D:SP−670:エコフレックス F=70:15:15となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
射出成形体の形成に用いられるペレットの乳酸系樹脂(A)と難燃剤(B)と熱可塑性樹脂(C)との配合割合を、質量比で、Nature Works 4032D:SP−670:エコフレックス F=65:20:15となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
乳酸系樹脂(A)としてNatur Works社製のNature Works 4032Dを用い、難燃剤(B)として四国化成工業(株)製のSP−670を用い、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)として三菱エンジニアリングプラスチックス社製のユーピロン S3000(ポリカーボネート、ΔHm:0J/g)を用い、Nature Works 4032Dと、SP−670と、ユーピロン S3000とを質量比で、70:15:15となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)を旭化成株式会社製のアサフレックス T−420(スチレン/ブタジエン共重合体、ΔHm:0J/g)に変更し、Nature Works 4032Dと、SP−670と、アサフレックス T−420とを質量比で、70:15:15となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)をイーストマンケミカル社製のcopolyester 6763(ポリエチレンテレフタレート/グリコール共重合体、ΔHm:0J/g)に変更し、Nature Works 4032Dと、SP−670と、copolyester 6763とを質量比で、70:15:15となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
射出成形体の形成に用いられるペレットの乳酸系樹脂(A)と難燃剤(B)と熱可塑性樹脂(C)との配合割合を、質量比で、Nature Works 4032D:SP−670:ユーピロン S3000=55:15:30となるように変更した以外は実施例5と同様にして、射出成形体(試験片)の作製を行った。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
難燃剤(B)と熱可塑性樹脂(C)とを使用せずに、乳酸系樹脂(A)としてNature Workd 4032Dのみを使用した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例2)
熱可塑性樹脂(C)を使用せずに、乳酸系樹脂(A)としてNature Workd 4032Dを、難燃剤(B)としてSP−670を使用し、かつ、Nature Workd 4032と、SP−670とを質量比で95:5の割合となるように変更した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
熱可塑性樹脂(C)を使用せずに、乳酸系樹脂(A)としてNature Workd 4032Dを、難燃剤(B)としてSP−670を使用し、かつ、Nature Workd 4032と、SP−670とを質量比で90:10の割合となるように変更した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例4)
熱可塑性樹脂(C)を使用せずに、乳酸系樹脂(A)としてNature Workd 4032Dを、難燃剤(B)としてSP−670を使用し、かつ、Nature Workd 4032と、SP−670とを質量比で85:15の割合となるように変更した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例5)
熱可塑性樹脂(C)の代わりに三菱化学株式会社製のGSPla AZ91T(ポリブチレンサクシネート、ΔHm:50J/g)を用い、Nature Workd 4032と、SP−670と、GSPla AZ91Tとを質量比で70:15:15の割合となるように変更した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例6)
熱可塑性樹脂(C)の代わりに三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のノバデュラン 5010R5(ポリブチレンテレフタレート、ΔHm:54J/g)を用い、Nature Workd 4032と、SP−670と、ノバデシュラン 5010R5とを質量比で70:15:15の割合となるように変更した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例7)
熱可塑性樹脂(C)の代わりにデュポン社製のBiomax 6926(ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ΔHm:38J/g)を用い、Nature Workd 4032と、SP−670と、Biomax 6926とを質量比で70:15:15の割合となるように変更した以外は実施例1と同様にして射出成形体を作製した。
得られた射出成形体(試験片)について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2013007043
Figure 2013007043
表1から明らかなように、実施例1〜8の樹脂組成物は、UL94垂直燃焼試験に基づく難燃性がV−2、もしくは、V−0の基準を満たすものであり、難燃性に優れていることが分かった。また、実施例1〜8の樹脂組成物は、加重たわみ温度が55℃以上であり、耐熱性に優れ、かつ、ブリードアウトも生じていないものであることが分かった。
すなわち、本発明の樹脂組成物は耐熱性の低下を生じずに難燃性が付与されることが可能であり、また、この樹脂組成物を用いて形成された成形体は耐熱性および難燃性共に優れたものであった。
一方、表2から明らかなように、比較例1の樹脂組成物はUL94垂直燃焼試験に基づく難燃性が規格外のレベルであり、難燃性に劣ったものであることが分かった。乳酸系樹脂に難燃剤を配合した比較例2〜4の樹脂組成物は、UL94垂直燃焼試験に基づく難燃性の評価がV−2を満たすものの、荷重たわみ温度が55℃未満であり、耐熱性に劣ったものであることが、また、この樹脂組成物から得られた射出成形体はブリードアウトが生じることが分かった。比較例5〜7の樹脂組成物は耐熱性に劣っており、かつ、得られる成形体はブリードアウトが生じるものであることが分かった。
上記実施例1〜8と同様にして、難燃剤(B)の種類をホスファゼン系化合物に変更して射出成形体を作製したところ、耐熱性の低下を生じずに優れた難燃性を付与することができることが確認された。
また、上記実施例1〜8の樹脂組成物の100質量部に対して、更にカルボジイミド化合物を3質量部添加して射出成形体を作製したところ、得られた全ての射出成形体は優れた耐加水分解性を示した。
また、上記実施例1〜8の樹脂組成物を用いて形成された射出成形体に結晶化処理を施して、乳酸系樹脂がχc(A)≧0.90を満たすものを得た。この射出成形体は更に優れた耐熱性を示すものであった。
本発明の樹脂組成物は、難燃性および/または耐熱性を必要とする用途に広く利用することができ、例えば、家電製品、自動車用製品等に利用することができる。また、これ以外にも、電気電子機器部品、日用品、食品容器、その他の一般的な射出成形品としても利用することができる。

Claims (5)

  1. 乳酸系樹脂(A)および、前記乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)とを配合してなる樹脂組成物を用いてなる射出成形体であり、前記乳酸系樹脂(A)、前記難燃剤(B)および前記熱可塑性樹脂(C)中に占める前記難燃剤(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下であり、前記熱可塑性樹脂(C)の前記樹脂組成物中に占める割合が10質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする射出成形体。
  2. 前記乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)が、ホスファゼン系化合物、もしくは、リン酸エステルアミド系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形体。
  3. 前記乳酸系樹脂(A)の相対結晶化度χc(A)と、前記乳酸系樹脂(A)の結晶化熱量ΔHc(A)と、前記乳酸系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHm(A)とが下記式を満たすように60℃以上、130℃以下の範囲で結晶化処理が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形体。

    χc(A)={ΔHm(A)−ΔHc(A)}/ΔHm(A)≧0.90
  4. 乳酸系樹脂(A)および、前記乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)の混合物と、ΔHmが0J/g以上、30J/g以下である熱可塑性樹脂(C)とを配合してなる樹脂組成物であり、前記乳酸系樹脂(A)、前記難燃剤(B)および前記熱可塑性樹脂(C)中に占める前記難燃剤(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下であり、前記熱可塑性樹脂(C)の前記樹脂組成物中に占める割合が10質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  5. 前記乳酸系樹脂(A)に対して可塑化効果を有する難燃剤(B)が、ホスファゼン系化合物、もしくは、リン酸エステルアミド系化合物であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
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