JP2007107012A - 射出成形体とその製造方法、並びに、射出成形体に用いられるペレット - Google Patents

射出成形体とその製造方法、並びに、射出成形体に用いられるペレット Download PDF

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Abstract

【課題】植物由来原料を主成分とし、耐熱性を有し、結晶化速度の早い射出成形体を提供すること。
【解決手段】本発明の射出成形体は、(A)乳酸系樹脂、及び、(B)セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含有する天然繊維、を含む樹脂組成物であって、(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維とを質量比で99:1〜70:30の割合で含有し、かつ、(A)乳酸系樹脂が、L乳酸:D乳酸=100:0〜97:3、又は、L乳酸:D乳酸=0:100〜3:97である樹脂組成物を用いてなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来原料を主成分とし、結晶化速度が速く、また、耐熱性を有する射出成形体に関するものである。
プラスチックは今や日常生活、産業等のあらゆる分野において広く浸透しており、全世界のプラスチックの年間生産量が約1億トンにも達している。この生産されたプラスチックの大半は使用後廃棄されており、これが地球環境を乱す原因の一つとして認識されるようになった。そのため、廃棄されても地球環境に悪影響を与えない材料が求められている。
また、通常のプラスチックの原料である石油等は枯渇性資源であるので、再生可能資源の活用が求められている。例えば、植物原料プラスチックは、再生可能な非枯渇性資源を利用して得られるので、石油等枯渇性資源の節約を図ることができ、しかも、使用後は生分解して自然に戻り、優れたリサイクル性を備えている。
植物原料プラスチックの中でも乳酸系樹脂は、澱粉の発酵により得られる乳酸を原料とし、化学工学的に量産可能であり、かつ、透明性、剛性、耐熱性等に優れている。そのため、特に乳酸系樹脂は、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの代替材料として、フィルム包装材や、家電、OA機器、自動車部品等の射出成形分野において注目されている。
家電、OA機器、自動車部品等の用途に用いられる射出成形体には火災防止のため耐熱性が要求される。ところが、乳酸系樹脂はガラス転移温度が低く、ABS樹脂、フィラー充填ポリプロピレン樹脂等と比較して耐熱性が乏しい材料である。そのため、家電、OA機器、自動車部品等の用途に用いることは困難であった。
生分解性樹脂の耐熱性を向上させるために、生分解性樹脂と天然繊維とを複合化させた複合材料が知られている。例えば、特開平9−169897号公報には、天然繊維等が脂肪族ポリエステル樹脂に分散状態で結合している生分解性繊維強化成形体が開示されており、特開2002−146219号公報には、天然繊維と微粒子状生分解性樹脂とを混合し、熱プレス成形によって生分解性複合材料を製造することが開示されている。
しかしながら、これらの複合材料では耐熱性が未だ十分ではなく、実用上問題を生じることがあった。
特開平9−169897号公報 特開2002−146219号公報
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、植物由来原料を主成分とし、耐熱性に優れ、かつ、結晶化速度の早い射出成形体を提供することにある。
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、効果の高い本発明を完成するに至った。
本発明の射出成形体は、(A)乳酸系樹脂、及び、(B)セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含有する天然繊維、を含む樹脂組成物であって、(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維とを質量比で99:1〜70:30の割合で含有し、かつ、前記(A)乳酸系樹脂が、L乳酸:D乳酸=100:0〜97:3、又は、L乳酸:D乳酸=0:100〜3:97である樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
ここで、前記樹脂組成物の結晶化熱量ピーク温度(Tc)は100℃以上であることが好ましい。
また、射出成形体の荷重たわみ温度は133℃以上であることができる。
本発明の射出成形体は、前記(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸(浸漬)させた被覆物と、(A)乳酸系樹脂とを混練した後、形成されることができる。
あるいは、引き抜き成形によって前記(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸(浸漬)させた被覆物と、(A)乳酸系樹脂とを混練した後、形成されてもよい。
本発明のペレットは、(A)乳酸系樹脂、及び、(B)セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含有する天然繊維、を含む樹脂組成物であって、(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維とを質量比で99:1〜70:30の割合で含有し、かつ、前記(A)乳酸系樹脂が、L乳酸:D乳酸=100:0〜97:3、又は、L乳酸:D乳酸=0:100〜3:97である樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
ここで、ペレットは構成成分が外見上均一に分散していることができる。
本発明のペレットは、引き抜き成形によって前記(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸(浸漬)させた被覆物と、(A)乳酸系樹脂とを混練して形成されることができる。
本発明のペレットの製造方法は、(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸(浸漬)させる工程と、前記含浸(浸漬)させる工程によって得られたものに更に(A)乳酸系樹脂を添加して混練する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明のペレットの別の製造方法は、引き抜き成形によって(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸(浸漬)させた後、被覆物ペレットを形成する工程と、前記被覆物ペレットに更に(A)乳酸系樹脂を添加して混練する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の射出成形体の製造方法は、引き抜き成形によって(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸(浸漬)させた後、被覆物ペレットを形成する工程と、該被覆物ペレットに更に(A)乳酸系樹脂を添加して混練してペレットを形成する工程と、該ペレットを用いて射出成形体を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、乳酸系樹脂等に、リグニンを所定量含有する天然繊維を配合した樹脂組成物を用いることにより、植物由来原料を主成分とし、耐熱性に優れ、かつ、結晶化速度の早い射出成形体を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明について説明する。
本発明の射出成形体は、(A)乳酸系樹脂、及び、(B)セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含有する天然繊維、を含む樹脂組成物を用いてなる。ただし、(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維とを質量比で、(A)乳酸系樹脂:(B)天然繊維=99:1〜70:30の割合で含有することが必要であり、95:5〜80:20の割合で含有することが好ましい。(B)天然繊維の含有量が1質量%より下回ると、耐熱性、結晶化速度の向上効果が乏しく、一方、30質量%より上回ると、得られる射出成形体の耐衝撃性が低下するため実用上問題を生じる。
本発明に用いられる(B)セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含む天然繊維としては、例えば、セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含む、ケナフ、タケ、バガス等の天然繊維が挙げられる。このようにセルロース及びリグニンを含む天然繊維を配合することによって、セルロース、リグニンによる結晶化促進効果、及び、結晶化による弾性率向上と繊維補強の相乗効果により優れた耐熱性を発現することができる。セルロースが40質量%未満またはリグニンが10質量%未満である場合には、繊維補強による耐熱性向上効果は望めるが結晶化は促進することができず、実用上十分な耐熱性を得ることができない。また、セルロースが60質量%より上回る場合には、押出機中で繊維が熱劣化を起こし、変色や強度低下を発生し、リグニンが30質量%を上回る場合には、低分子量物の吹き出し等による外観不良が発生する。
本発明に用いられる(A)乳酸系樹脂は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)や、これらの混合体である。ここで、乳酸系樹脂のD乳酸(D体)とL乳酸(L体)の構成比は、L体:D体=100:0〜97:3、もしくは、L体:D体=0:100〜3:97である。L体とD体の構成比がかかる範囲外では、成形体の耐熱性が得られにくく、用途が制限されることがある。なお、入手の容易性等を考慮すると、L体:D体=99.5:0.5〜97:3、もしくは、L体:D体=0.5:99.5〜3:97であることが好ましい。
乳酸系樹脂の重合法としては、縮合重合法、開環重合法等の公知の方法を採用することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸又はD−乳酸、あるいはこれらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
また、開環重合法では、適当な触媒を選択し、必要に応じて重合調整剤も用いて、乳酸の環状二量体であるラクチドから乳酸系樹脂を得ることができる。ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
さらに、耐熱性を向上させる等の必要に応じて、少量の共重合成分を添加することができ、少量の共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオール等を用いることができる。
さらにまた、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を使用することもできる。
乳酸系樹脂は、さらに、乳酸及び/又は乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸等の他のヒドロキシカルボン酸単位との共重合体であっても、脂肪族ジオール及び/又は脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
他のヒドロキシカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
乳酸系樹脂に共重合される脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられる。
共重合体の構造としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられ、何れの構造でもよいが、特に耐衝撃性改良効果、透明性の点からブロック共重合体が好ましい。ポリ乳酸セグメントをA、例えばジオールジカルボン酸セグメントをBとすると、典型的なABAブロック共重合体とすることにより、透明性及び耐衝撃性を具備したポリマーとすることができる。この場合、Bのセグメントのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが、耐衝撃性の発現の観点から好ましい。
本発明に使用される乳酸系樹脂は、重量平均分子量が5万〜40万の範囲であることが好ましく、更に好ましくは10万〜25万である。乳酸系樹脂の重量平均分子量が5万より小さい場合には、機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、40万より大きい場合には、溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣ることがある。
本発明に好ましく使用される乳酸系樹脂の代表的なものとしては、カーギル・ダウ社製の「Nature Works」シリーズ等が商業的に入手されるものとして挙げられる。
本発明においては、乳酸系樹脂に、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である脂肪族ポリエステル、及び/又は、芳香族脂肪族ポリエステルを混合することができる。これらの混合量は、乳酸系樹脂100質量部に対して5〜50質量部の範囲内であることが好ましい。このように、Tgが0℃以下である脂肪族ポリエステル等を混合することによって、乳酸系樹脂に耐衝撃性を付与することができる。なお、混合される脂肪族ポリエステルのガラス転移温度が0℃を超えると、耐衝撃性の改良効果が乏しくなる。
本発明に用いられるTgが0℃以下の脂肪族ポリエステルとしては、例えば、乳酸系樹脂を除く脂肪族ポリエステル、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
上記の「脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル」としては、以下に示す脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸との中から、それぞれ1種類以上を選んで縮合することにより得られるものが挙げられる。また、必要に応じて、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等でジャンプアップして所望のポリマー(高分子)を得ることもできる。本発明においては、かかる脂肪族ポリエステルは生分解性であることが好ましい。ここで用いられる脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を代表的なものとして挙げることができ、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等を代表的なものとして挙げることができる。
上記の「環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステル」としては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状モノマーの中から、1種類以上を選んで重合して得られるものが挙げられる。
本発明に用いられる芳香族脂肪族ポリエステルとしては、脂肪族鎖の間に芳香環を導入することによって結晶性を低下させたものを用いることができる。例えば、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、及び脂肪族ジオール成分を縮合して得られる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。また、脂肪族ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、及び脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いてもよい。
本発明において、最も好適に用いられる芳香族ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分はアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分は1,4−ブタンジオールである。
上記乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステルとして、コハク酸と1,4−ブタンジオールとアジピン酸との共重合体、芳香族脂肪族ポリエステルとして、テトラメチレンアジペートとテレフタレートとの共重合体、ポリブチレンアジペートとテレフタレートとの共重合体等が挙げられる。乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル、及び、芳香族脂肪族ポリエステルの具体例として、コハク酸と1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを重合して得られる昭和高分子(株)製の「ビオノーレ」シリーズ、ε−カプロラクトンを開環縮合して得られるダイセル化学工業(株)製の「セルグリーン」シリーズ、イレケミカル社製の「Enpole」、テトラメチレンアジペートとテレフタレートとの共重合体として、Eastman Chemicals社製の「Eastar Bio」、ポリブチレンアジペートとテレフタレートとの共重合体として、BASF社製の「Ecoflex F」等を商業的に入手することができる。
上述したように、本発明の射出成形体の形成に用いられる樹脂組成物は、乳酸系樹脂とジオール及びジカルボン酸との共重合体等を含んでもよいし、乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル及び/又は芳香族脂肪族ポリエステルを含んでもよい。
本発明においては、(A)乳酸系樹脂と、(B)天然繊維とを、質量比で99:1〜70:30の範囲内で混合することが必要であるが、乳酸系樹脂としては、上記共重合体や、脂肪族ポリエステル及び/又は芳香族脂肪族ポリエステルも含めて考えるものとする。すなわち、ガラス転移温度が0℃以下の脂肪族ポリエステル、及び/又は、芳香族脂肪族ポリエステルを混合する場合には、これらの質量を含めたものが乳酸系樹脂の質量となり、この質量が(A)乳酸系樹脂の混合量の範囲内となるようにすることが必要である。
本発明においては、引き抜き成形によって天然繊維に乳酸系樹脂を含浸させた被覆物に、更に乳酸系樹脂を混合し、混練した後、射出成形に供することが好ましい。ここで、天然繊維に乳酸系樹脂を含浸させた被覆物はペレット化されて被覆物ペレットを形成していることが好ましい。また、ここでは、この被覆物ペレットと乳酸系樹脂とを混練した後、ペレット化してペレットを形成しておくことが好ましい。このペレットは構成成分が均一に分散しているように肉眼では見える。混練は、例えば同方向二軸押出機によることができる。
ところで、射出成形体は長期間保存される場合には、空気中の水蒸気や外部からの水分によって加水分解を起こし、機械物性の低下を招くことがあった。
本発明においては、射出成形体の耐久性を向上させるために、さらに加水分解防止剤(C)を配合することができる。ここで、加水分解防止剤(C)の配合量は、乳酸系樹脂(A)と天然繊維(B)との合計質量が100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましい。加水分解防止剤の添加量が0.1質量部以上、5.0質量部以下であれば、十分な耐久性を付与することができ、生分解性が損なわれることがなく、また、加水分解防止剤がブリードアウトせず、外観不良や、可塑化による機械物性の低下が生じない。
本発明に用いられる加水分解防止剤としては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、酸無水物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物等が挙げられるが、これらの中ではカルボジイミド化合物を用いることが好ましい。
本発明に用いられるカルボジイミド化合物としては、下記一般式に示す基本構造を有するものが特に好ましいものとして挙げられる。

−(N=C=N−R−)n−

ただし、式中、Rは有機系結合単位を示し、例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族であることができる。nは1以上の整数を示し、通常は1〜50の間で適宜決められる。nが2以上の場合に、2以上のRは同一でも異なっていてもよい。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体がカルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独、又は、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるカルボジイミド化合物としては、芳香族カルボジイミド化合物であることが好ましい。脂肪族カルボジイミド化合物でも耐加水分解性付与効果は十分にあるが、芳香族カルボジイミド化合物の方がより効果的に耐加水分解性を付与することができる。
カルボジイミド化合物の具体例としては、ラインケミー社製の「スタバクゾール」、日清紡(株)製の「カルボジライト」等を挙げることができる。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、核剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤等の添加剤を処方することができる。
本発明において結晶化熱量ピーク温度(Tc)とは、示差走査熱量測定により、試料を200℃で2分間保持した後、10℃/minの条件で40℃まで降温させたときに降温過程において結晶化ピークが出現したときの温度をいう。本発明においては、射出成形体を形成する樹脂組成物の結晶化熱量ピーク温度(Tc)は100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることが更に好ましい。結晶化熱量ピーク温度が100℃以上であれば、結晶化速度が早く、射出成形時に型内において短時間で結晶化を行うことができ、また、成形後に金型から取り出した後に結晶化を行う場合にも短時間で行うことができ、効率的に射出成形体を得ることが可能となる。
本発明において荷重たわみ温度は133℃以上であることが好ましく、140℃以上であることが更に好ましい。荷重たわみ温度が133℃以上であれば、耐熱性が所望される日用品や食品容器等に好ましく使用することができ、140℃を越えると電気電子部品、自動車部品等にも好適に使用することができる。
本発明の射出成形体は、80℃における曲げ弾性率が800MPa以上であることが好ましく、860MPa以上であることが更に好ましい。(A)乳酸系樹脂に、(B)成分、すなわち、セルロース40〜60質量%とリグニン10〜30質量%とを含む天然繊維を適量配合することによって、射出成形体の曲げ弾性率を向上させることができ、耐熱性が要求される用途にも使用できるようになる。
次に、本発明の射出成形体の成形方法について説明する。
本発明の射出成形体は、まず、引き抜き成形によって、天然繊維に乳酸系樹脂を含浸させたものから被覆物ペレットを形成し、この被覆物ペレットと、乳酸系樹脂と、必要に応じて、その他の添加剤等を、二軸押出機を用いてストランド形状に押出してペレットを作製しておき、このペレットを再度射出成形機に入れて射出成形することにより形成することができる。あるいは、乳酸系樹脂及び天然繊維等を、二軸押出機等に投入し、直接混練して射出成形することにより射出成形体を得ることもできる。本発明においては、前者の方法、すなわち、引き抜き成形によって被覆物ペレットを形成した後、乳酸系樹脂と混練して成形する方法を用いることが好ましい。引き抜き成形によって天然繊維に乳酸系樹脂を含浸させることによって、繊維の嵩密度が高いことにより起因するフィード不良が緩和され、二軸押出機で混練する際に、天然繊維の分散性が更に向上し、耐熱性、結晶化速度の向上効果を最大限に発揮することができる。なお、乳酸系樹脂は、溶融成形時に加水分解を起こしやすいので、あらかじめ乾燥するか、真空ベント押出工程を経ることが好ましい。
射出成形方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を成形する場合に一般的に採用される射出成形法、ガスアシスト成形法、射出圧縮成形法等の射出成形法を採用することができる。また、その他目的に合わせて、上記の方法以外でもインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法、PUSH−PULL、SCORIM等を採用することもできる。ただし、射出成形法はこれらに限定されるものではない。
用いられる射出成形装置は、一般的な射出成形機、ガスアシスト成形機、射出圧縮成形機等と、これらの成形機に用いられる成形用金型及び付帯機器、金型温度制御装置、原料乾燥装置等から構成される。成形条件は射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度が170℃〜210℃の範囲で成形することが好ましい。
射出成形体を非晶状態で得る場合は、成形サイクル(型閉〜射出〜保圧〜冷却〜型開〜取出)の冷却時間を短くするために、金型温度はできるだけ低温とすることが好ましい。金型温度は、一般的には15℃〜55℃であることが好ましく、チラーを用いることも望ましい。ただし、後結晶化時の成形体の収縮、反り、及び、変形を抑えるためには、金型温度をこの範囲でも高温側に設定することが有利である。
射出成形によって得られる成形体に、熱処理を行い結晶化させてもよい。このように成形体を結晶化させることにより、成形体の耐熱性をさらに向上させることができる。結晶化処理は、成形時の金型内、及び/又は、金型から取り出した後に行うことができる。生産性の面からは、射出成形体を形成する樹脂組成物の結晶化速度が遅い場合には、金型から取り出した後に結晶化処理を行うことが好ましく、一方、結晶化速度が早い場合には、金型内で結晶化処理を行ってもよい。金型内で結晶化させる場合には、加熱した金型内に溶融樹脂を充填し、その後、一定時間、金型内で保持する。金型温度は80〜130℃であることが好ましく、更に好ましくは90〜120℃であり、冷却時間は1〜300秒であることが好ましく、更に好ましくは5〜30秒である。かかる温度範囲内、冷却時間内で結晶化処理を行うことにより、射出成形体の耐熱性を更に向上させることができる。
金型から成形体を取り出した後に結晶化処理を行う場合、熱処理温度は60〜130℃の範囲であることが好ましく、70〜90℃の範囲であることが更に好ましい。熱処理温度が60℃未満では、成形工程において結晶化が進行しないことがあり、130℃より高いと、成形体を冷却する際に変形や収縮が生じることがある。加熱時間は射出成形体を構成する樹脂の組成、及び熱処理温度によって適宜決められるが、例えば、熱処理温度が70℃の場合には15分〜5時間熱処理を行う。また、熱処理温度が130℃の場合には10秒〜30分間熱処理を行う。
結晶化させる方法としては、予め所定温度まで加熱された金型を用いて射出成形し、そのまま金型内で結晶化させる方法、射出成形後に金型の温度を上げ金型内で結晶化させる方法、あるいは、射出成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーター等で結晶化させる方法等が挙げられる。結晶化の際、射出成形体を固定しなくてもよいが、成形体の変形を防止するために、金型、樹脂型等で固定することが好ましい。また、生産性を考慮に入れて、梱包した状態で熱処理を行うこともできる。
このように、本発明の射出成形体は、優れた耐熱性、結晶化速度を備えており、耐熱性が必要とされる電気電子機器部品、自動車部品、日用品、食品容器、その他の一般的な射出成形品として好適である。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、各実施例及び各比較例は以下に示す方法で評価を行った。
(1)荷重たわみ温度(耐熱性)
日本工業規格 JIS K−7191に基づいて、長さ(L)が120mm、幅(W)が11mm、厚さ(t)が3mmの試験片を作製し、この試験片について、(株)東洋精機製作所製の「S−3M」を用いて荷重たわみ温度(HDT)の測定を行った。ただし、測定は、フラットワイズ方向、試験片に加える曲げ応力は45.1N/cmの条件で行った。
(2)曲げ弾性率(剛性)
日本工業規格 JIS K−7171に基づいて、長さ(L)が80mm、幅(W)が10mm、厚さ(t)が4mmの試験片を作製し、この試験片について、(株)インテスコ製の精密万能材料試験機「MODEL2010」を用いて、80℃における曲げ弾性率の測定を行った。
(3)結晶化熱量ピーク温度
射出成形体から約10mgの鱗片状片を削り出して試験片とした。この試験片を、パーキンエルマー社製の示差走査熱量計「DSC−7」を用い、日本工業規格 JIS K−7121に基づいて降温測定を行った。射出成形体試験片を、200℃で2分間加熱して融解させ、その後、10℃/minの条件下で降温し、測定を行った。この降温過程で結晶化ピークが出現した温度を結晶化熱量ピーク温度とした。
(実施例1)
乳酸系樹脂としてカーギル・ダウ社製のNature Works 4032D(L−乳酸/D−乳酸=99/1、重量平均分子量20万)を用い、天然繊維として、オージー株式会社製のケナフ繊維(セルロースの含有量が53質量%、リグニンの含有量が18質量%、平均直径が17mm)を用いた。引き抜き成形用クロスヘッドダイを連結したシリコ−プラ工業社製の30mmφ単軸押出機に、乳酸系樹脂を供給した。また、一方で、この単軸押出機のクロスヘッドダイのホールにケナフ繊維を通して、樹脂温度が180℃でケナフ繊維を乳酸系樹脂に含浸させて樹脂被覆を行い、水槽で冷却した後、ペレカッターを通して被覆物ペレットを作製した。得られた被覆物ペレットの平均直径は1.5mmであり、平均長さは3mmであった。また、被覆物ペレット中の乳酸系樹脂に対するケナフ繊維の割合は、(A)乳酸系樹脂:(B)ケナフ繊維=70:30(質量%)であった。
次に、得られた被覆物ペレットと上記乳酸系樹脂(Nature Works 4032D)とを、乳酸系樹脂とケナフ繊維の割合が質量比で、(A)乳酸系樹脂:(B)ケナフ繊維=95:5となるように調合し、三菱重工(株)製の25mmφ小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。得られたペレットを東芝機械(株)製の射出成形機「IS50E」(スクリュー径25mm)を用い、射出成形して板材を得た。板材は、L100mm×W100mm×t3mmの板材、L120mm×W11mm×t3mmの板材と、L100mm×W100mm×t4mmの板材、L80mm×W10mm×t4mmの板材を作製した。すなわち、2種類の異なる厚さの板材を作製した。ただし、主な成形条件は以下の通りである。
1)温度条件:シリンダー温度(195℃) 金型温度(20℃)
2)射出条件:射出圧力(115MPa) 保持圧力(55MPa)
3)計量条件:スクリュー回転数(65rpm) 背圧(15MPa)
得られた射出成形体(板材)を大栄科学精機製作所製のベーキング試験装置(DKS−5S)内に静置し、70℃で3.5時間熱処理を行い、結晶化を促進させた。得られた射出成形体(板材)について、荷重たわみ温度、曲げ弾性率(曲げ強さ)、及び、結晶化熱量ピーク温度の測定(評価)を行った。また、得られた評価に基づいて総合評価も行った。ただし、記号「◎」は特に優れたものであることを示し、記号「〇」は全ての評価項目をバランス良く満たしており優れたものであることを示し、記号「×」は劣っており、十分な耐熱性や剛性等を必要とする射出成形体への適用は不可能であることを示す。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、射出成形体の形成に用いられるペレットの(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維との含有割合を、Nature Works 4032D:ケナフ繊維=90:10(質量%)となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)の作製を行った。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、射出成形体の形成に用いられるペレットの(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維との含有割合を、Nature Works 4032D:ケナフ繊維=80:20(質量%)となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)の作製を行った。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、天然繊維をオージー(株)製のタケ繊維(セルロース含有量が53%、リグニン含有量が27%、平均直径10mm)に変更し、(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維との割合を、Nature Works 4032D:タケ繊維=90:10(質量%)となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)の作製を行った。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、乳酸系樹脂として、Nature Works 4032Dの替わりに、Nature Works 5040D(L−乳酸/D−乳酸=97.7/2.3、重量平均分子量が20万)を用いた以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)を作製した。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、(B)天然繊維を使用せずに、乳酸系樹脂であるNature Works 4032Dのみを用いた以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)を作製した。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、(B)天然繊維の替わりに、日本板硝子(株)製のガラス繊維(平均厚さ5mm、平均長さ2mm)を用い、乳酸系樹脂とガラス繊維との割合が、Nature Works 4032D:ガラス繊維=90:10(質量%)となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)の作製を行った。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、(B)天然繊維の替わりに、帝国繊維(株)製の亜麻繊維(セルロース含有量が80質量%、リグニン含有量が1質量%、平均直径が20mm)を用い、乳酸系樹脂と亜麻繊維との割合が、Nature Works 4032D:亜麻繊維=90:10(質量%)となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)の作製を行った。
得られた板材について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1で使用したケナフ繊維を、亜塩素酸ナトリウム、氷酢酸、蒸留水の混合溶液を用い、70〜80℃で加熱還流したもの(リグニン含有量が8.5質量)を天然繊維として用いた。すなわち、実施例1において、天然繊維として、セルロース含有量が58質量%、リグニン含有量が8.5質量%)を用い、乳酸系樹脂と天然繊維との割合が、Nature Works 4032D:天然繊維=90:10(質量%)となるように変更した以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)の作製を行った。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、乳酸系樹脂として、Nature Works 4032Dの替わりに、Nature Works 4050D(L−乳酸/D−乳酸=95.0/5.0、重量平均分子量が18万)を用いた以外は実施例1と同様にして、射出成形体(板材)を作製した。
得られた射出成形体(板材)について、実施例1と同様の評価(測定)を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2007107012
表1から明らかなように、実施例1〜5の射出成形体は、荷重たわみ温度が133℃以上であり耐熱性に優れており、また、80℃における曲げ弾性率が大きくて剛性に優れたものであることが分かった。さらにまた、実施例1〜5の射出成形体(樹脂組成物)は、結晶化熱量ピーク温度が100℃以上であり、結晶化速度が早いことが分かった。
一方、比較例1〜5の射出成形体は、荷重たわみ温度が132℃以下であり、曲げ弾性率も低く、結晶化熱量ピーク温度は96℃以下であることが分かった。
すなわち、所定の乳酸系樹脂に、セルロース含有量が40〜60質量%、リグニン含有量が10〜30質量%の天然繊維を配合することによって、結晶化促進効果に優れ、かつ、結晶化促進と繊維補強の相乗効果による耐熱性の向上を同時に実現することができた。

Claims (5)

  1. (A)乳酸系樹脂、及び、(B)セルロース40質量%〜60質量%とリグニン10質量%〜30質量%とを含有する天然繊維、を含む樹脂組成物であって、(A)乳酸系樹脂と(B)天然繊維とを質量比で99:1〜70:30の割合で含有し、かつ、前記(A)乳酸系樹脂が、L乳酸:D乳酸=100:0〜97:3、又は、L乳酸:D乳酸=0:100〜3:97である樹脂組成物を用いてなることを特徴とする射出成形体。
  2. 前記樹脂組成物の結晶化熱量ピーク温度(Tc)が100℃以上であることを特徴とする請求項1記載の射出成形体。
  3. 射出成形体の荷重たわみ温度が133℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形体。
  4. 前記(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸させた被覆物と、(A)乳酸系樹脂とを混練した後、形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の射出成形体。
  5. 引き抜き成形によって前記(B)天然繊維を(A)乳酸系樹脂に含浸させた被覆物と、(A)乳酸系樹脂とを混練した後、形成されることを特徴とする請求項4記載の射出成形体。
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