JP3976906B2 - 無機物高充填発泡体シートの製造方法 - Google Patents

無機物高充填発泡体シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂に難燃剤として無機物を高充填して発泡させた高発泡倍率の発泡体シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂発泡体は軽量性、断熱性、衝撃吸収性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的強度などの諸特性に優れていることから、建材、家電、自動車、エネルギー分野など、広い分野で好適に使用されている。ポリオレフィン系樹脂発泡体は易燃性であるため、難燃性が要求される用途分野に使用する場合には各種難燃剤、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を配合して難燃性を付与することが行われている。
【0003】
ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法として、発泡剤と有機過酸化物を配合した樹脂組成物を押出機等で成形した後、加熱して架橋発泡を行う方法がある。ところが、このような方法で水酸化アルミニウムを高充填した発泡体を製造すると、表面荒れが生じたり、高発泡倍率品を製造するのが難しいという問題があった。また、厚物の発泡体では圧縮硬さや圧縮復元性が不足するという問題があった。
【0004】
このような問題は、特開平6−228355号にも指摘されているように、水酸化アルミニウムが200℃以上で脱水反応を起こして水を生じ、その水が架橋を阻害するために起きるとされている。したがって、比較的高い難燃性を有する高発泡倍率の発泡体を製造する際には、水酸化アルミニウムの配合量を減らしその分、相対的に高価な水酸化マグネシウムを主体に配合しなければならずコスト低減の妨げとなっていた。
【0005】
一方、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、発泡剤を配合した樹脂組成物を押出機等で成形した後、電離性放射線を照射して架橋させてから加熱して発泡させる方法もある。この製造方法では架橋は発泡に先立ち電離性放射線を照射することによって行われるので、水酸化アルミニウムが多く配合されていても架橋が阻害されることはなく、表面が滑らかで美麗な発泡体を得ることができる。
【0006】
しかし、得ようとする発泡体の厚みが大きくなると電離性放射線が内部にまで到達しにくく厚さ方向への架橋が均一に行いにくいという問題があり、厚物の製造には不向きであった。加速電圧を大きくするという方法もあるが、設備の導入、維持にコストがかさみ、実用的ではない。
【0007】
また、化学架橋と電子線架橋を併用した発泡体の製造方法が特開昭63−251438号公報に開示されているが、難燃剤として水酸化アルミニウムを主体的に使用した時に生じる問題点や解決方法は指摘されていない。しかも、酢酸ビニル含量50〜90%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いているために得られた発泡体は圧縮硬さ、圧縮復元性が悪いという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、難燃剤として水酸化アルミニウムを高充填しても、高発泡倍率で、圧縮硬さ、圧縮復元性、表面外観に優れる難燃性の無機物高充填発泡体シートの製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明においては、酢酸ビニル含有量5〜46重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチルアクリレート含有量5〜46重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体を主成分とするベース樹脂100重量部に対して、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムからなる無機充填剤30〜250重量部、1分間半減期温度が145〜195℃、かつ、1分間半減期温度の差が5〜50℃である有機過酸化物2種をそれぞれ少なくとも0.1重量部を配合し全体で0.3〜2.5重量部、および発泡剤を配合した樹脂組成物を押出成形後、加速電圧が100〜500keVの電子線を照射し、前記有機過酸化物の分解温度以上に加熱して架橋発泡させることを特徴とする無機物高充填発泡体シートの製造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるベース樹脂は、酢酸ビニル含有量5〜46重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体および/またはエチルアクリレート含有量5〜46重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体を主成分とする。極性基の含有量を5〜46重量%とすると、発泡加工時の熱劣化・着色等のトラブルがなく、圧縮硬さ、圧縮復元性に優れた発泡体シートとなる。酢酸ビニル、エチルアクリレート等の極性基の含有量が少なすぎると難燃剤の高充填が困難になり、反対に多すぎると圧縮硬さ、圧縮復元性に劣る。特に好ましい極性基の含有量は、10〜25重量%である。
【0011】
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体は、メルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/minであるものを用いると発泡シートの押出成形性に優れ、しかも高発泡倍率の発泡体が得られるという点で好ましい。
【0012】
本発明においては上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体を主成分とするベース樹脂に、特性を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂をブレンドすることができる。ブレンドできる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられ、配合量はベース樹脂の50重量%未満、好ましくは30重量%以下である。
【0013】
なお、酢酸ビニル、エチルアクリレート、アクリル酸等の極性基を有する樹脂をブレンドする場合には、極性基が樹脂成分全体の5〜46重量%、特に好ましくは10〜25重量%となるよう配合することが望ましい。
【0014】
本発明における樹脂組成物には、難燃剤として水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムからなる無機充填剤をベース樹脂100重量部に対して、30〜250重量部配合する。無機充填剤の配合量が少なすぎると難燃性向上の効果が小さく、配合量が多すぎると樹脂への混練が困難になったり、高発泡化が難しくなる。無機充填剤の配合量を80〜180重量部とすると、難燃剤の混練性、発泡倍率、難燃性、圧縮硬さ、圧縮復元性のバランスが比較的よい発泡体を得ることができる。無機充填剤の配合量を90〜130重量部とするとさらによい。
【0015】
水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの量比は特に制限はないが、水酸化アルミニウムは水酸化マグネシウムに比べて安価であるため、水酸化アルミニウムを多く配合する方がコスト的に有利である。
【0016】
無機充填剤の粒径は小さすぎると樹脂中への均一な分散が困難になり、大きすぎると発泡体シートの肌荒れが生じたり、発泡倍率が低下したりするので、水酸化アルミニウムは1〜10μm、より好ましくは2〜6μm程度、水酸化マグネシウムは0.2〜3μm程度とするとよい。特に水酸化アルミニウムの場合、粒径をこの範囲に制御することによって、架橋、発泡時の脱水反応が抑制できるので好ましい。
【0017】
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムは、樹脂との相溶性を高めるために、シランカップリング処理、チタネート処理、脂肪酸処理、脂肪酸塩処理などの表面処理が施されていることが好ましい。表面処理が施されていることにより、樹脂への相溶性が良好となり、分散性が高まるので、難燃性や発泡性、発泡体の表面性が良好となる。
【0018】
また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムはできるだけ高純度のものが好ましく、純度95%以上のものを用いれば難燃性、発泡性が良好な発泡体シートを得ることができる。
【0019】
有機過酸化物は、分子内に−O−O−結合を有しており、加熱すると分解して遊離ラジカルを生じ、樹脂の水素を引き抜き架橋反応を引き起こす化合物である。本発明においては、1分間半減期温度が145〜195℃であり、かつ、1分間半減期温度の差が5〜50℃である有機過酸化物を2種類用いることを必須とする。有機過酸化物の1分間半減期温度とはもとの有機過酸化物が分解して生成する活性酸素(−O−)の量が1分間で1/2になる時の温度である。
このような有機過酸化物を組み合わせて用いた場合に限って、高倍率で、圧縮硬さ、圧縮復元性に優れた無機物高充填発泡シートを得ることができる。
【0020】
有機過酸化物の1分間半減期温度の差が5℃未満では実質的に1分間半減期温度の異なる有機過酸化物を2種類配合した効果が得られず、特に難燃剤として水酸化アルミニウムを用いた場合に圧縮硬さ、圧縮復元性に劣る発泡体となってしまう。一方、1分間半減期温度の差が50℃を越えると、低い方の1分間半減期温度と樹脂の融点が接近しすぎて、樹脂と有機過酸化物を混練する時に有機過酸化物の分解が始まってしまい、また、高い方の1分間半減期温度と発泡剤の分解温度が接近しすぎているため架橋が不十分なままに発泡剤の分解が始まってしまい連続気泡化したり、発泡倍率が低下するといった問題がある。
【0021】
また、いずれの有機過酸化物もベース樹脂100重量部に対して少なくとも0.1重量部以上配合するものとし、その総和は0.3〜2.5重量部とする。
ずれかの有機過酸化物の配合量が0.1重量部未満であると1分間半減期温度 異なる有機過酸化物を2種類配合した効果が得られない。有機過酸化物2種の 計配合量が0.3重量部未満であると架橋発泡に必要な樹脂の粘弾性が得られ いために発泡倍率が低下し、良好な発泡体が得られない。反対に有機過酸化物 種の配合量が2.5重量部以上であると必要以上に樹脂の粘弾性が増加し、気 泡の膨張が妨げられて発泡倍率が低下したり、ボイドや亀裂が生じたりする。
【0022】
1分間半減期温度が145〜195℃である有機過酸化物としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(1分間半減期温度:149.0℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(1分間半減期温度:147.1℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:153.8℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン(1分間半減期温度:152.9℃)、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(1分間半減期温度:172.5℃)、ジクミルパーオキサイド(1分間半減期温度:175.2℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1分間半減期温度:179.8℃)、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(1分間半減期温度:175.4℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(1分間半減期温度:173.3℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(1分間半減期温度:185.9℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3(1分間半減期温度:194.3℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(1分間半減期温度:158.2℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度:160.3℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度:166.8℃)、ジーt−ブチルパーオキシイソフタレート(1分間半減期温度:167.1℃)等が挙げられる。
【0023】
なお、本発明においては、3種以上の有機過酸化物を配合してもよいが、1分間半減期温度はいずれも145〜195℃とし、1分間半減期温度順に並べた時に隣り合ういずれかの有機過酸化物の組で、その1分間半減期温度の差が5℃以上あるようにすればよい。
【0024】
本発明における発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジアゾアミノベンゼン、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロテレフタルアミド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらは単独または2種以上で用いることができ、配合量は樹脂成分100重量部に対して、10〜40重量部が望ましい。
【0025】
さらに、本発明における樹脂組成物には必要に応じて、ハロゲン系難燃剤や三酸化アンチモンなどの難燃助剤、赤燐、酸化チタン等のノンハロ系難燃剤、架橋助剤、発泡助剤、滑剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、造核剤、界面活性剤等を配合しても良い。
【0026】
上記の材料を配合した樹脂組成物を、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等汎用の混練装置を使用して、実質的に有機過酸化物と熱分解型発泡剤が分解しない温度(100〜130℃)で混練してペレット化した後、押出機(樹脂温度が100〜130℃程度)にて所望の厚さと幅の母材シートを押出成形し、この母材シートの片面または両面に電子線を照射し、約180〜230℃に調整した加熱発泡炉に投入して発泡体シートを製造する。
【0027】
母材シートに照射する電子線の加速電圧は100〜500kV、より好ましくは120〜250keVとする。電子線の加速電圧をこの範囲とすると母材シート表面付近が架橋されるため、平滑な表面を有する発泡体シートを得ることができる。電子線照射を行わない場合には、発泡体表面に孔が生じやすく、特に水酸化アルミニウムの配合割合を大きくした場合に孔が多くできる。発泡体表面に孔が生じると、例えば屋根の断熱材として金属板に接着剤で発泡体シートを貼合する場合に多量の接着剤を必要とするなどの不都合が生じるが、本発明では電子線を照射した面で孔の発生を抑制することができるため、接着剤塗布面に電子線を照射して発泡体シートを製造すれば、基板に接着剤によって貼合する用途に好適な発泡体シートとなる。
【0028】
一方、電子線照射による架橋のみで発泡体シートを製造しようとする場合には、良好な発泡が可能な温度範囲が狭いため母板シートの温度調整が難しく粘弾性の過多から亀裂が生じたり、粘弾性の不足から連続気泡化したりという問題が生じやすく、特に厚物発泡体シートの製造は難しいが、本発明では電子線照射による架橋はシート表面近傍に限られ、シート全体の架橋は発泡とほぼ同時に行われるので温度管理もしやすく、厚物発泡体シートの製造も容易に行うことができる。また、照射する電子線の加速電圧は比較的小さいので特別な電子線照射機を必要とせず経済的である。さらに、電子線照射のみの架橋で得られる発泡体シートは表面に皺が生じやすく、接着剤の均一な塗布がしにくかったり、長尺シート保管時の巻き皺がとれにくいという問題があるが、本発明の製造方法により得られた発泡体シートは電子線照射により架橋されているのは表面近傍だけなので、表面に皺が生じにくく、接着剤の塗布も均一に行いやすい。
【0029】
電子線の照射量は、材料の組成やシートの厚み、電子線の加速電圧に応じて決めればよいが、加速電圧が100〜150keVの場合は4〜20Mrad、150〜500keVの場合は0.5〜15Mradを目安とするとよい。
【0030】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
(実施例1〜43)(比較例1〜12)(従来例1〜3)
表1〜7に示す通りに各材料を配合して、これらを溶融混練した後、表1〜7に示す出来上がり発泡体厚みに応じた厚みの母材シートを押出成形した。次いで母材シートに表1〜7に示す加速電圧で電子線を照射した後、220℃に調整した熱風炉に投入して架橋、発泡させ、実施例1〜43、比較例1〜12、および、従来例1〜3の発泡体シートを作製した。
【0031】
なお、発泡体シートの製造中に押出直後の母材シートの表面を観察し、樹脂組成物の混練性を評価した。表面平滑でブツがないものを◎、表面に鮫肌状の凹凸や、配合剤のブツが少々生じたものを△、著しく生じたものを×とし、結果を表1に示す。
【0032】
本実施例で用いた樹脂組成物の詳細は以下の通りである。
【0033】
[樹脂成分]
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)
酢酸ビニル含有量46wt%、MFR=2.5g/10min
(商品名エバフレックスEV45LX、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(B)
酢酸ビニル含有量28wt%、MFR=1g/10min
(商品名エバフレックスEV270、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)
酢酸ビニル含有量25wt%、MFR=2.4g/10min
(商品名ウルトラセン635、東ソー(株)製)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(D)
酢酸ビニル含有量19wt%、MFR=2.5g/10min
(商品名エバフレックスEV460、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(E)
酢酸ビニル含有量15wt%、MFR=2.0g/10min
(商品名ノバテックEVALV440、日本ポリケム(株)製)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(F)
酢酸ビニル含有量10wt%
(商品名ウルトラセン540、東ソー(株)製)、MFR=3.0g/10min
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(e)
酢酸ビニル含有量5wt%、MFR=3.0g/10min
(商品名ノバテックEVA LV250、日本ポリケム(株)製)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(X)
酢酸ビニル含有量61wt%、MFR=30〜150g/10min
(商品名エバスレン450−P、大日本インキ化学工業(株)製)
・LDPE
(商品名ノバテックLD ZF33、日本ポリケム(株)製)
・LLDPE
(商品名ジェイレクスLL 108J、日本ポリオレフィン(株)製)
・HDPE
(商品名チッソポリエチM680、チッソ(株)製)
・エチレン−エチルアクリレート共重合体(V)
エチルアクリレート含有量23wt%
(商品名NUCコポリマーNUC−6510、日本ユニカー(株)製)
・エチレン−エチルアクリレート共重合体(W)
エチルアクリレート含有量15wt%
(商品名NUCコポリマーDPDJ−6182、日本ユニカー(株)製)
【0034】
[有機過酸化物]
・有機過酸化物(I)
1分間半減期温度175.2℃
化合物名ジクミルパーオキサイド
・有機過酸化物(J)
1分間半減期温度149.2℃
化合物名1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン
・有機過酸化物(K)
1分間半減期温度158.2℃
化合物名2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン
・有機過酸化物(L)
1分間半減期温度167.1℃
化合物名ジーt−ブチルパーオキシイソフタレート
・有機過酸化物(M)
1分間半減期温度194.3℃
化合物名2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3
・有機過酸化物(N)
1分間半減期温度160.3℃
化合物名t−ヘキシルパーオキシベンゾエート
・有機過酸化物(O)
1分間半減期温度185.9℃
化合物名ジ−t−ブチルパーオキサイド
・有機過酸化物(P)
1分間半減期温度153.8℃
化合物名1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
・有機過酸化物(Q)
1分間半減期温度147.1℃
化合物名1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
・有機過酸化物(a)
1分間半減期温度172.5℃
化合物名n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート
(商品名パーヘキサ)
・有機過酸化物(b)
1分間半減期194.3℃
化合物名2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3
(商品名パーヘキシン25B)
・有機過酸化物(d)
1分間半減期温度136.1℃
化合物名t−ブチルパーオキシイソブチレート
(商品名パーブチルIB)
【0035】
[無機充填剤]
・水酸化マグネシウム(G)
(商品名キスマ5A 協和化学工業(株)製)
脂肪酸処理
・水酸化アルミニウム(H)
(商品名B303S アルコア化成(株)製)
脂肪酸処理
・水酸化マグネシウム(R)
(商品名ZEROGEN50 HUBER(株)製)
シランカップリング処理
・水酸化マグネシウム(S)
(商品名ZEROGEN35 HUBER(株)製)
チタネート処理
・水酸化アルミニウム(T)
(商品名B703ST 日本軽金属(株)製)
シランカップリング処理
・水酸化アルミニウム(U)
(商品名ハイジライトH42T 昭和電工(株)製)
チタネート処理
・水酸化マグネシウム(Y)
(商品名スターブランド200 神島化学(株)製)
未処理
・水酸化アルミニウム(Z)
(商品名B303 アルコア化成(株)製)
未処理
【0036】
・架橋助剤
トリメチロールプロパントリメタクリレート
・発泡剤
アゾジカルボンアミド
(商品名ビニホールAC#1L 永和化成工業(株)製)
【0037】
[その他の難燃剤]
・ハロゲン系難燃剤
デカブロモジフェニルエーテル
(商品名フレームカット、東ソー(株)製)
・赤燐
(商品名ノーバレッド120、燐化学工業(株)製)
【0038】
得られた発泡体シートについて以下の項目で測定、評価を行った。
(発泡体見掛け密度)
得られた発泡体シートから、10×10cmの大きさの試験シートを切り出し、発泡体の質量を体積で徐して見掛け密度を求めた。見掛け密度が小さいほど、発泡倍率が高く、発泡性も良好である。
【0039】
(酸素指数)
JIS K 7201に準じて測定した。値が大きいほど、難燃性が良好と判断できる。
【0040】
(圧縮硬さ)
JIS K 6767に準じて測定した。値が大きいほど、良好と判断できる。
【0041】
(圧縮復元性)
得られた発泡体シートから、10×10cmも大きさの試験シートを切り出し、その試験シートの厚さ方向に0.5kg/cm2 で24時間荷重を加え、(荷重後の試験シート厚み)/(荷重前の試験シート厚み)を計算して、試験シートの厚みの変化率を算出して、圧縮復元性の評価を行った。変化率7%以下を◎、7〜10%を○、10〜15%を△、15%以上を×とした。
【0042】
(表面性)
得られた発泡体シートの表皮を肉眼で観察し、孔、凹凸、皺、亀裂がないものを◎、孔、凹凸、皺のいずれかがあってもごく少ないものを○、孔、凹凸、皺、亀裂のいずれかが有るものを△、孔、凹凸、皺、亀裂が著しくあるものを×とした。
結果を表1〜7に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003976906
【0044】
【表2】
Figure 0003976906
【0045】
【表3】
Figure 0003976906
【0046】
【表4】
Figure 0003976906
【0047】
【表5】
Figure 0003976906
【0048】
【表6】
Figure 0003976906
【0049】
【表7】
Figure 0003976906
【0050】
表1〜7より明らかなように、実施例1〜43の発泡体シートは、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを難燃剤として用いても、発泡体見掛け密度が低く、難燃性、圧縮硬さ、圧縮復元性、表面性のいずれの特性にも優れた無機物高充填架橋発泡体シートとなっている。
比較例1の発泡体シートは酢酸ビニル含有量が多すぎるエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いたため、圧縮硬さ、圧縮復元性に劣るものであった。比較例2の発泡体シートはエチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体を用いずに低密度ポリエチレンのみを樹脂成分とする樹脂組成物を用いたため、樹脂組成物の混練が十分に行えず、圧縮硬さ、圧縮復元性、表面性に劣るものであった。比較例3〜6は有機過酸化物が1種類しか配合されていないために、圧縮硬さ、圧縮復元性、表面性に劣り、例え比較例5、6のように電子線照射加速電圧を大きくしても圧縮硬さと圧縮復元性は多少改善されるものの発泡体シート表面に皺が生じる不具合が発生した。比較例7、8の発泡体シートは電子線照射加速電圧が大きすぎるため、表面性に劣るものとなった。
比較例9の発泡体シートは水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの配合量が多すぎるため樹脂組成物への混練を十分に行うことができず、発泡が不十分となった。
比較例10の発泡体シートは有機過酸化物が1種類しか配合されておらず、電子線未照射であるために圧縮復元性に劣り、表面性に劣るものとなった。
比較例11の発泡体シートは有機過酸化物の1分間半減期温度の差が小さすぎるため、圧縮復元性、表面性に劣るものとなった。比較例12の発泡体シートは有機過酸化物の1分間半減期温度の差が大きすぎるため、圧縮復元性、表面性に劣るものとなった。
従来例1〜3の発泡体シートは有機過酸化物を配合せずに電子線照射のみで架橋を行って製造したものである。表面性、圧縮復元性に劣り、特に厚物の発泡体シートほどその傾向が顕著である。
【0051】
【発明の効果】
本発明の無機物高充填発泡体シートの製造方法によれば、難燃剤として水酸化アルミニウムを高充填しても、圧縮硬さ、圧縮復元性、表面外観に優れる難燃性の無機物高充填発泡体シートを製造することができる。特に高発泡倍率、厚物の発泡体シートの製造に好適である。

Claims (2)

  1. 酢酸ビニル含有量5〜46重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチルアクリレート含有量5〜46重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体を主成分とするベース樹脂100重量部に対して、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムからなる無機充填剤30〜250重量部、1分間半減期温度が145〜195℃、かつ、1分間半減期温度の差が5〜50℃である有機過酸化物2種をそれぞれ少なくとも0.1重量部を配合し全体で0.3〜2.5重量部、および発泡剤を配合した樹脂組成物を押出成形後、加速電圧が100〜500keVの電子線を照射し、前記有機過酸化物の分解温度以上に加熱して架橋発泡させることを特徴とする無機物高充填発泡体シートの製造方法。
  2. 酢酸ビニル含有量10〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはエチルアクリレート含有量10〜25重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体を主成分とするベース樹脂100重量部に対して、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムからなる無機充填剤80〜180重量部、1分間半減期温度が145〜195℃、かつ、1分間半減期温度の差が5〜50℃である有機過酸化物2種をそれぞれ少なくとも0.1重量部を配合し全体で0.3〜2.5重量部、および発泡剤を配合した樹脂組成物を押出成形後、加速電圧が100〜500keVの電子線を照射し、前記有機過酸化物の分解温度以上に加熱して架橋発泡させることを特徴とする無機物高充填発泡体シートの製造方法。
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