JP2019173592A - 遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法 - Google Patents

遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮熱コーティングの耐久性を向上する。【解決手段】遮熱コーティングは、母材上に積層されるボンドコート層と、前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層と、前記セラミックス層上に積層された気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法に関する。
産業用ガスタービンの分野では、翼の形状や翼に設けられた冷却構造を変えずに、耐熱部材への熱負荷を低減することができる遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating,TBC)が知られている。
例えば、特許文献1には、高い遮熱性と熱サイクル耐久性を両立するために、所定の粒度分布を有する溶射粒子を溶射することでセラミックス層を形成する遮熱コーティングの製造方法が開示されている。
特許第5602156号公報
例えば油燃料を使用する油焚きガスタービンのように、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる場合がある。このような場合、腐食性物質が遮熱コーティングのセラミックス層の気孔からセラミックス層に浸透してセラミックス層を劣化させる場合があることが知られている。そのため、燃焼ガスに含まれる腐食性物質によって遮熱コーティングの耐久性が低下することがある。
そこで、例えば、遮熱コーティングのセラミックス層の気孔率を低減することで腐食性物質がセラミックス層に浸透することを抑制することが考えられる。しかし、セラミックス層の気孔率を低減させると、セラミックス層の熱伝導率が上昇してしまうため、遮熱コーティングの遮熱性が低下してしまう。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、遮熱コーティングの耐久性を向上することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングは、
母材上に積層されるボンドコート層と、
前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層と、
前記セラミックス層上に積層された気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層と、を備える。
石油を燃料とした油焚きガスタービンでは、燃焼ガスに含まれる腐食性物質には、例えば硫酸ナトリウム(NaSO)が含まれる。
発明者らが鋭意検討した結果、セラミックス層の上に酸化アルミニウム(Al)の層を形成すると、燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムのナトリウム分が酸化アルミニウムと反応することで二酸化ナトリウムアルミニウム(NaAlO)が生成され、この生成された二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層の気孔を封止することを見出した。そして、発明者らは、二酸化ナトリウムアルミニウムによって気孔が封止された酸化アルミニウム層が酸化アルミニウム層よりも下の層への腐食性物質の浸透を抑制することを見出した。
上記(1)の構成によれば、セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層が積層されているので、酸化アルミニウム層の酸化アルミニウムと燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムのナトリウム分とが反応して二酸化ナトリウムアルミニウムが生成され、この生成された二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層の気孔を封止する。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層への浸透を酸化アルミニウム層が抑制するので、遮熱コーティングの耐食性を向上して、遮熱コーティングの耐久性を向上できる。また、腐食性物質のセラミックス層への浸透が抑制されるので、セラミックス層の気孔率を大きくしてセラミックス層における熱伝導率を下げることができ、遮熱コーティングの遮熱性を向上できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記酸化アルミニウム層は、大気プラズマ溶射によって生成された溶射層である。
例えば化学蒸着法や物理蒸着法によって酸化アルミニウム層を生成する場合や、例えば減圧プラズマ溶射によって酸化アルミニウム層を生成する場合には、チャンバを備える大掛かりな装置が必要となり、装置の費用が高額になる他、段取り等の準備等を含めた工数が多くなりがちである。
その点、上記(2)の構成によれば、酸化アルミニウム層を大気プラズマ溶射によって生成することで、例えば化学蒸着法や物理蒸着法、減圧プラズマ溶射等によって酸化アルミニウム層を生成する場合と比べて、装置構成が簡素であるので、装置の費用を安価にできる他、段取り等の準備等を含めた工数を削減でき、タクトタイムを短縮できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記酸化アルミニウム層上に積層された二酸化ナトリウムアルミニウム層をさらに備える。
上記(3)の構成によれば、二酸化ナトリウムアルミニウム層を酸化アルミニウム層上に予め積層させる過程で二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層の気孔を封止することが期待できる。これにより、二酸化ナトリウムアルミニウムによって気孔が封止された酸化アルミニウム層により、燃焼ガスに含まれる腐食性物質がセラミックス層へ浸透することを抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記セラミックス層の厚さは、400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であり、
前記酸化アルミニウム層の厚さは、30マイクロメートル以上100マイクロメートル以下である。
上記(4)の構成によれば、セラミックス層の厚さが400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であるので、セラミックス層の厚さを必要以上に厚くすることなく必要な遮熱性を確保できる。酸化アルミニウム層の厚さが30マイクロメートル以上であるので、例えば溶射によって安定的に被膜を形成できる。また、例えば母材が金属製である場合、母材に比べて熱膨張率が低い酸化アルミニウム層の厚さが厚いと、熱サイクル耐久性が低下するおそれがあるが、酸化アルミニウム層の厚さが100マイクロメートル以下であるので、熱サイクル耐久性の低下を抑制できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、前記遮熱コーティングは、入口ガス温度が1300度以上、且つ、油燃料を使用するガスタービンにおけるタービン部材に施工される。
上記(5)の構成によれば、遮熱コーティングが上記(1)の構成を有するので、遮熱コーティングの耐久性や遮熱性を向上できる。したがって、上記(4)の構成によれば、入口ガス温度が1300度以上、且つ、油燃料を使用するガスタービンにおけるタービン部材に施工される遮熱コーティングとして適している。
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係るタービン部材は、上記構成(1)乃至(5)の何れかの遮熱コーティングを有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもタービン部材の耐久性を向上できる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、上記構成(6)のタービン部材を有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもガスタービンにおけるタービン部材の耐久性を向上できる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、
母材上にボンドコート層を積層させる工程と、
前記ボンドコート層上にセラミックス層を積層させる工程と、
前記セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させる工程と、
を含む。
上記(8)の方法によれば、セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させることができる。これにより、酸化アルミニウム層の酸化アルミニウムと燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムのナトリウム分とが反応して二酸化ナトリウムアルミニウムが生成され、この生成された二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層の気孔を封止する。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層への浸透を酸化アルミニウム層が抑制するので、遮熱コーティングの耐食性を向上して、遮熱コーティングの耐久性を向上できる。また、腐食性物質のセラミックス層への浸透が抑制されるので、セラミックス層の気孔率を大きくしてセラミックス層における熱伝導率を下げることができ、遮熱コーティングの遮熱性を向上できる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、
母材上に積層されたボンドコート層と、前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層とを有する既設コーティング層に対し、前記セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させる工程、
を含む。
上記(9)の方法によれば、ボンドコート層とボンドコート層上に積層されたセラミックス層とを有する既設コーティング層に対して気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させることができる。これにより、酸化アルミニウム層を有していない既設コーティング層に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させることができる。
積層された酸化アルミニウム層の気孔は、上述したようにして生成された二酸化ナトリウムアルミニウムによって封止される。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層への浸透を酸化アルミニウム層が抑制するので、既設コーティング層の耐久性を向上できる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、
母材上に積層されたボンドコート層と、前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層と、前記セラミックス層上に積層された酸化アルミニウム層とを有する既設遮熱コーティング層に対し、前記酸化アルミニウム層を除去する工程と、
前記酸化アルミニウム層を除去した後の前記既設遮熱コーティング層に対し、前記セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させる工程と、
を含む。
上記(10)の方法によれば、既設遮熱コーティング層の酸化アルミニウム層を除去して新たに気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させることができる。したがって、既設遮熱コーティング層における酸化アルミニウム層が劣化した場合などに、酸化アルミニウム層を新たに積層させることが可能となる。
新たに積層された酸化アルミニウム層の気孔は、上述したようにして生成された二酸化ナトリウムアルミニウムによって封止される。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層への浸透を酸化アルミニウム層が抑制するので、既設遮熱コーティング層の耐久性を向上できる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)の何れかの方法において、
前記セラミックス層の厚さを確認する工程と、
前記ボンドコート層及び前記セラミックス層を積層させた前記母材を時効熱処理する工程と、
前記時効熱処理を行った後、前記セラミックス層の表面を研磨する工程と、
をさらに含み、
前記酸化アルミニウム層を積層させる工程は、前記セラミックス層の表面を研磨する工程の後に実施される。
上記(11)の方法によれば、セラミックス層の表面を研磨する工程の後で酸化アルミニウム層を積層させるので、酸化アルミニウム層を研磨しないで済み、酸化アルミニウム層の厚さを確保できる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)の何れかの方法において、
前記セラミックス層の厚さを確認する工程と、
前記ボンドコート層及び前記セラミックス層を積層させた前記母材を時効熱処理する工程と、
前記時効熱処理を行った後、前記セラミックス層の表面を研磨する工程と、
をさらに含み、
前記酸化アルミニウム層を積層させる工程は、前記セラミックス層の厚さを確認する工程の後、且つ、前記母材を時効熱処理する工程の前に実施される。
上記(12)の方法によれば、ボンドコート層上にセラミックス層を積層させる工程において溶射によってボンドコート層上にセラミックス層を積層させ、セラミックス層の厚さを確認した後、酸化アルミニウム層を積層させる工程において溶射によってセラミックス層上に酸化アルミニウム層を積層させることができる。これにより、溶射によって層を形成する2つの工程を連続的に実施できるので、効率的である。
(13)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)の何れかの方法において、
前記セラミックス層の厚さを確認する工程と、
前記ボンドコート層及び前記セラミックス層を積層させた前記母材を時効熱処理する工程と、
前記時効熱処理を行った後、前記セラミックス層の表面を研磨する工程と、
をさらに含み、
前記酸化アルミニウム層を積層させる工程は、前記時効熱処理する工程の後、且つ、前記セラミックス層の表面を研磨する工程の前に実施される。
上記(13)の方法によれば、時効熱処理する工程の後で酸化アルミニウム層を積層させるので、酸化アルミニウム層が時効熱処理の影響を受けずに済む。また、研磨工程により、酸化アルミニウム層の膜厚調整及び表面粗度をより精度高く制御できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、遮熱コーティングの耐久性を向上できる。
実施形態に係る遮熱コーティングを備えるタービン部材の断面の模式図である。 実施形態に係る遮熱コーティングを備えるタービン部材の断面の模式図である。 遮熱コーティング層を有する試験片への腐食性物質の浸透状態を分析した結果を示す図であり、図1に示す一実施形態と同様に、酸化アルミニウム層を有する試験片について、その断面におけるナトリウム分の濃度をEPMAにより分析した結果を示す図である。 遮熱コーティング層を有する試験片への腐食性物質の浸透状態を分析した結果を示す図であり、酸化アルミニウム層を有さない試験片について、その断面におけるナトリウム分の濃度をEPMAにより分析した結果を示す図である。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 ガスタービン動翼の構成例を示す斜視図である。 ガスタービン静翼の構成例を示す斜視図である。 分割環の構成例を示す斜視図である。 一実施形態係るガスタービンの部分断面構造を模式的に示す図である。 既設コーティング層を備えるタービン部材の断面の模式図である。 既設コーティング層に対して酸化アルミニウム層を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 既設遮熱コーティング層を備えるタービン部材の断面の模式図である。 既設遮熱コーティング層の古い酸化アルミニウム層を除去して新たな酸化アルミニウム層を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 酸化アルミニウム層除去工程において古い酸化アルミニウム層を除去した後のタービン部材の断面の模式図である。 遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真の一例である。 遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真を2値化した画像の一例である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(遮熱コーティング)
図1及び図2は、実施形態に係る遮熱コーティングを備えるタービン部材の断面の模式図である。図1及び図2に示すように、幾つかの実施形態では、タービンの動翼、静翼などの耐熱基材(母材)11上に、遮熱コーティングとして金属結合層(ボンドコート層)12及びトップコート層(セラミックス層)14が順に形成される。即ち、図1及び図2に示すように、幾つかの実施形態では、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating : TBC)層10は、ボンドコート層12及びセラミックス層14を含んでいる。
ボンドコート層12は、MCrAlY合金(Mは、Ni,Co,Fe等の金属元素またはこれらのうち2種類以上の組合せを示す)などで構成される。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層14は、YbSZ(イッテルビア安定化ジルコニア)、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、SmYbZr、DySZ(ジスプロシア安定化ジルコニア)、ErSZ(エルビア安定化ジルコニア)などの何れかで構成される。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層14は、遮熱性を確保するため、気孔16を含むポーラスな組織とされる。セラミックス層14の気孔率及び厚さは、要求される熱伝導性に応じて適宜設定される。幾つかの実施形態では、セラミックス層14の気孔率は、例えば10%以上15%以下とされる。
なお、気孔率は、遮熱コーティング層10の断面における気孔の面積の割合として定義され、気孔の面積を断面の面積で除した値を百分率で表した値である。具体的には、次のようにして気孔率を求める。例えば、遮熱コーティング層10の断面を研磨して光学顕微鏡で観察される像を撮影する。そして、撮影によって得られた写真(例えば図16)に対して二値化処理を行うことで、気孔部(空隙部)と被膜部とを別々に抽出可能とする。そして、二値化した画像(例えば図17)から気孔部の面積と被膜部の面積を算出し、気孔部の面積を気孔部と被膜部の面積の和、すなわち断面の面積で除して気孔率を算出する。または、二値化した画像から気孔部の面積と断面の面積を算出し、気孔部の面積を断面の面積で除して気孔率を算出する。セラミックス層14の気孔率を算出する場合、上述のようにして求めたセラミックス層14における気孔16の面積をセラミックス層14の断面の面積で除すことでセラミックス層14の気孔率を求める。
なお、図16は、遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真の一例である。また、図17は、遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真を2値化した画像の一例である。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層14上に酸化アルミニウム層15が積層される。幾つかの実施形態の酸化アルミニウム層15の気孔率は、0.5%以上10%以下である。
また、図2に示した一実施形態では、遮熱コーティング、すなわち遮熱コーティング層10は、酸化アルミニウム層15上に積層された二酸化ナトリウムアルミニウム層17をさらに備える。
以下、幾つかの実施形態における酸化アルミニウム層15の機能について説明する。
(酸化アルミニウム層15について)
例えば油燃料を使用する油焚きガスタービンのように、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる場合がある。具体的には、例えば重油等の石油を燃料とした油焚きガスタービンでは、燃焼ガスに含まれる腐食性物質には、例えば硫酸ナトリウム(NaSO)や硫酸カルシウム(CaSO)等が含まれる。
燃焼ガスに腐食性物質が含まれる場合、腐食性物質が遮熱コーティング層10のセラミックス層14の気孔16からセラミックス層14に浸透してセラミックス層14を劣化させてしまい、遮熱コーティング層10の耐久性を低下させるおそれがあることが分かってきた。
そこで、例えば、遮熱コーティング層10のセラミックス層14の気孔率を低減することで腐食性物質がセラミックス層14に浸透することを抑制することが考えられる。しかし、セラミックス層14の気孔率を低減させると、セラミックス層14の熱伝導率が上昇してしまうため、遮熱コーティング層10の遮熱性が低下してしまう。
発明者らが鋭意検討した結果、セラミックス層14の上に酸化アルミニウム(Al)の層を形成すると、以下の式(1)のように、燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムのナトリウム分が酸化アルミニウムと反応することで二酸化ナトリウムアルミニウム(NaAlO)が生成され、この生成された二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層の気孔を封止することを見出した。
NaSO+Al=2NaAlO+SO+0.5O ・・・(1)
そして、発明者らは、二酸化ナトリウムアルミニウムによって気孔が封止された酸化アルミニウム層15が酸化アルミニウム層15よりも下の層への腐食性物質の浸透を抑制することを見出した。
また、発明者らは、硫酸ナトリウムの場合と同様に、燃焼ガスに含まれる硫酸カルシウムと酸化アルミニウムとの反応生成物が酸化アルミニウム層15の気孔を封止して、酸化アルミニウム層15よりも下の層への腐食性物質の浸透を抑制することを見出した。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層14上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15が積層されているので、酸化アルミニウム層15の酸化アルミニウムと燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムや硫酸カルシウム等との反応生成物が酸化アルミニウム層15の気孔を封止する。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層14への浸透を酸化アルミニウム層15が抑制するので、遮熱コーティング層10の耐食性を向上して、遮熱コーティング層10の耐久性を向上できる。また、腐食性物質のセラミックス層14への浸透が抑制されるので、セラミックス層14の気孔率を大きくしてセラミックス層14における熱伝導率を下げることができ、遮熱コーティング層10の遮熱性を向上できる。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングは、例えば、タービン入口温度が1300度以上、且つ、油燃料を使用するガスタービンにおけるタービン部材に施工される。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングでは、遮熱コーティング層10の耐久性や遮熱性を向上できる。したがって、図1及び図2に示した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングは、入口ガス温度が1300度以上、且つ、油燃料を使用するガスタービンにおけるタービン部材に施工される遮熱コーティングとして適している。
図3A及び図3Bは、遮熱コーティング層を有する試験片への腐食性物質の浸透状態を分析した結果を示す図である。なお、図3Aは、図1に示す一実施形態と同様に、母材11上に、ボンドコート層12とセラミックス層14と酸化アルミニウム層15とを順に形成した試験片について、その断面におけるナトリウム分の濃度をEPMAにより分析した結果を示す図である。また、図3Bは、従来の遮熱コーティングと同様に、母材11上に、ボンドコート層12とセラミックス層14とを順に形成し、酸化アルミニウム層15を有さない試験片について、その断面におけるナトリウム分の濃度をEPMAにより分析した結果を示す図である。なお、図3A及び図3Bにおいて、図示の都合上、ナトリウム分の濃度が所定の濃度以上の場所をハッチングで示し、所定の濃度未満の場所を空白として表すこととしている。
図3Aに示すように、セラミックス層14上に酸化アルミニウム層15が積層された試験片では、酸化アルミニウム層15にナトリウム分が蓄積されているが、セラミックス層14にはほとんどナトリウム分が浸透していないことが分かる。
これに対し、図3Bに示すように、セラミックス層14上に酸化アルミニウム層15が積層されていない試験片では、セラミックス層14にナトリウム分が浸透していることが分かる。
このように、図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、腐食性物質のナトリウム分を酸化アルミニウム層15の酸化アルミニウムと反応させて犠牲防食させることにより、腐食性物質がセラミックス層14に浸透することを抑制している。すなわち、酸化アルミニウム層15の表面で優先的に酸化アルミニウムと腐食性物質のナトリウム分とを反応させて、反応生成物である二酸化ナトリウムアルミニウムで酸化アルミニウム層15の気孔を封孔することで、腐食性物質のセラミックス層14への浸透が効果的に抑制される。
発明者らが鋭意検討した結果、酸化アルミニウム層15の気孔率が10%以下であれば、腐食性物質のセラミックス層14への浸透を効果的に抑制できることを見出した。
このように、酸化アルミニウム層15に気孔率が10%以下となる気孔16の存在が許容されるため、酸化アルミニウム層15を必要以上に緻密な層に形成する必要がないので、酸化アルミニウム層15の形成が容易となる。
なお、酸化アルミニウム層15に微細な亀裂が仮に存在したとしても、その微細な亀裂に浸透した腐食性物質のナトリウム分が酸化アルミニウムと反応し、反応生成物である二酸化ナトリウムアルミニウムが該亀裂を封止する。
酸化アルミニウム層15の気孔率を0.5%未満にするためには、例えば化学蒸着法によるコーティングのように、チャンバを備える大掛かりな装置が必要となる。
その点、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、酸化アルミニウム層15の気孔率の下限が0.5%であるので、例えば大気プラズマ溶射のように、チャンバが不要な形成方法によって酸化アルミニウム層15を形成できるので、腐食性物質の浸透抑制を容易に実現できる。
なお、腐食性物質の浸透抑制の観点からは、酸化アルミニウム層15の気孔率は、0.5%未満であってもよい。
反応生成物である二酸化ナトリウムアルミニウムは、その融点が約1800度であるので、ボイラの運転環境下でも安定した生成物である。したがって、一度、二酸化ナトリウムアルミニウムが生成されると、腐食性物質のセラミックス層14への浸透が安定的に抑制される。
図2に示した一実施形態では、上述したように、遮熱コーティング層10は、酸化アルミニウム層15上に積層された二酸化ナトリウムアルミニウム層17をさらに備える。
これにより、二酸化ナトリウムアルミニウム層17を酸化アルミニウム層15上に予め積層させる過程で二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層15の気孔を封止することが期待できる。これにより、二酸化ナトリウムアルミニウムによって気孔16が封止された酸化アルミニウム層15により、燃焼ガスに含まれる腐食性物質がセラミックス層14へ浸透することを抑制できる。
なお、二酸化ナトリウムアルミニウム層17は、酸化アルミニウム層15上に予め積層されていてもよく、タービン部材の使用中に、酸化アルミニウム層15の酸化アルミニウムと燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムのナトリウム分とが反応して、酸化アルミニウム層15上に二酸化ナトリウムアルミニウム層17が事後的に生成されてもよい。
(セラミックス層14及び酸化アルミニウム層15の厚さについて)
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層14の厚さは、400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であり、酸化アルミニウム層15の厚さは、30マイクロメートル以上100マイクロメートル以下である。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層14の厚さが400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であるので、セラミックス層14の厚さを必要以上に厚くすることなく必要な遮熱性を確保できる。
図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、酸化アルミニウム層15の厚さが30マイクロメートル以上であるので、例えば溶射によって安定的に酸化アルミニウム層15を形成できる。また、例えば母材11が金属製である場合、母材11に比べて熱膨張率が低い酸化アルミニウム層15の厚さが厚いと、熱サイクル耐久性が低下するおそれがあるが、図1及び図2に示した幾つかの実施形態では、酸化アルミニウム層15の厚さが100マイクロメートル以下であるので、熱サイクル耐久性の低下を抑制できる。
(遮熱コーティングの製造方法について)
図4〜図6を参照して、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法について説明する。図4〜6は、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。
図4〜図6に示す幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、ボンドコート層積層工程S10と、セラミックス層積層工程S20と、酸化アルミニウム層積層工程S60とを含む。また、図4〜図6に示す幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、膜厚確認工程S30と、時効熱処理工程S40と、研磨工程S50とを含む。
ボンドコート層積層工程S10は、母材11上にボンドコート層12を積層させる工程である。ボンドコート層積層工程S10では、例えば、前述のMCrAlY合金等の溶射粉を母材11の表面に溶射することでボンドコート層12を形成する。
セラミックス層積層工程S20は、ボンドコート層12上にセラミックス層14を積層させる工程である。セラミックス層積層工程S20では、例えば、YSZの溶射粒子を大気プラズマ溶射によってボンドコート層12の表面に溶射することでセラミックス層14を形成する。
なお、セラミックス層積層工程S20において、例えばゾルゲル法でセラミックス層14を設けた場合、セラミックス層14の焼成が必要となる。
これに対して、幾つかの実施形態では、セラミックス層14の焼成が不要であり、セラミックス層積層工程S20を簡素化できる。
膜厚確認工程S30は、セラミックス層積層工程S20でボンドコート層12の表面に形成したセラミックス層14の厚さを確認する工程である。
図4に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14の厚さが所定範囲内であれば、研磨表面の粗度の調整のためにセラミックス層14の表面を研磨して、次の時効熱処理工程S40へ進む。なお、該所定範囲は、後述する時効熱処理工程S40の後、研磨工程S50においてセラミックス層14の厚さを所望の厚さにすることができるように設定された、セラミックス層14の厚さの範囲である。
膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14の厚さが所定範囲を下回れば、セラミックス層積層工程S20に戻り、さらにYSZの溶射粒子を大気プラズマ溶射によって溶射することでセラミックス層14の厚さを増やす。
膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14の厚さが所定範囲を上回れば、セラミックス層14の厚さが400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下となるようにセラミックス層14の表面が研磨される。
時効熱処理工程S40は、ボンドコート層12及びセラミックス層14を積層させた母材11を時効熱処理する工程である。
図4に示す実施形態では、時効熱処理工程S40の後、研磨工程S50を実施する。研磨工程S50は、セラミックス層14の表面を研磨することで、セラミックス層14の厚さを所望の厚さ、すなわち400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下に調整する工程である。
酸化アルミニウム層積層工程S60は、セラミックス層14上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させる工程である。
図4に示す実施形態では、酸化アルミニウム層積層工程S60は研磨工程S50の後に実施される。
図4に示す実施形態では、研磨工程S50の後で酸化アルミニウム層15を積層させるので、酸化アルミニウム層15を研磨しないで済み、酸化アルミニウム層15の厚さを確保できる。
なお、酸化アルミニウム層積層工程S60では、例えば、酸化アルミニウムの溶射粒子を大気プラズマ溶射によってセラミックス層14の表面に溶射することで酸化アルミニウム層15を形成する。すなわち、酸化アルミニウム層15は、大気プラズマ溶射によって生成された溶射層である。
例えばゾルゲル法によって酸化アルミニウム層15を形成した場合には、酸化アルミニウム層15の焼成が必要となる。
これに対し、酸化アルミニウム層積層工程S60において、例えば、大気プラズマ溶射によって酸化アルミニウム層15を形成することにより、酸化アルミニウム層15の焼成が不要となり、酸化アルミニウム層積層工程S60を簡素化できる。
また、酸化アルミニウム層積層工程S60において、例えば、大気プラズマ溶射によって酸化アルミニウム層15を形成することにより、例えばゾルゲル法によって酸化アルミニウム層15を形成した場合と比べて、セラミックス層14に対する酸化アルミニウム層15の密着性を高めることができる。
酸化アルミニウムの溶射粒子をセラミックス層14の表面に溶射する際、溶射ガンをタービン部材から離すことで、溶射作業をし易くなるが、酸化アルミニウム層15の緻密性は低下する。しかし、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、酸化アルミニウム層15の気孔率が10%以下であればよく、酸化アルミニウム層15の緻密性が多少低くても大丈夫なので、溶射作業を行い易い。
幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、酸化アルミニウム層15の気孔率が10%以下であればよいので、化学蒸着法や物理蒸着法によって緻密な酸化アルミニウム層15を生成する必要がない。
例えば化学蒸着法や物理蒸着法によって酸化アルミニウム層15を生成する場合や、例えば減圧プラズマ溶射によって酸化アルミニウム層15を生成する場合には、チャンバを備える大掛かりな装置が必要となり、装置の費用が高額になる他、段取り等の準備等を含めた工数が多くなりがちである。
その点、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、酸化アルミニウム層15を大気プラズマ溶射によって生成することで、例えば化学蒸着法や物理蒸着法、減圧プラズマ溶射等によって酸化アルミニウム層15を生成する場合と比べて、装置構成が簡素であるので、装置の費用を安価にできる他、段取り等の準備等を含めた工数を削減でき、タクトタイムを短縮できる。
このように、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法によれば、セラミックス層14上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させることができる。これにより、酸化アルミニウム層15の酸化アルミニウムと燃焼ガスに含まれる硫酸ナトリウムのナトリウム分とが反応して二酸化ナトリウムアルミニウムが生成され、この生成された二酸化ナトリウムアルミニウムが酸化アルミニウム層15の気孔を封止する。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層14への浸透を酸化アルミニウム層15が抑制するので、遮熱コーティング層10の耐食性を向上して、遮熱コーティング層10の耐久性を向上できる。また、腐食性物質のセラミックス層14への浸透が抑制されるので、セラミックス層14の気孔率を大きくしてセラミックス層14における熱伝導率を下げることができ、遮熱コーティング層10の遮熱性を向上できる。
なお、酸化アルミニウム層積層工程S60では、溶射粒子として例えば平均粒径が20マイクロメートル以下の酸化アルミニウムの溶射粒子を用い、溶射距離を例えば100mm以下の近距離に設定して、大気プラズマ溶射によって酸化アルミニウム層15を形成してもよい。溶射粒子の平均粒径、及び、溶射距離を上記条件に設定することで、緻密な酸化アルミニウム層15を形成することができる。
また、酸化アルミニウム層積層工程S60では、上述のようにして形成した酸化アルミニウム層15を高速レーザスキャニングすることで酸化アルミニウム層15の表層付近を溶融することで、表層付近の気孔率を低減させてもよい。
また、酸化アルミニウム層積層工程S60では、コールドスプレー法やエアロゾルデポジション法によって、低温で酸化アルミニウム層15を形成するようにしてもよい。
図5に示す実施形態では、酸化アルミニウム層積層工程S60は、膜厚確認工程S30の後、且つ、時効熱処理工程S40の前に実施される。そして、図5に示す実施形態では、酸化アルミニウム層積層工程S60を実施した後、時効熱処理工程S40及び研磨工程S50を順次実施する。
図5に示す実施形態では、セラミックス層積層工程S20において溶射によってボンドコート層12上にセラミックス層14を積層させ、膜厚確認工程S30でセラミックス層14の厚さを確認した後、酸化アルミニウム層積層工程S60において溶射によってセラミックス層14上に酸化アルミニウム層15を積層させることができる。これにより、溶射によって層を形成する2つの工程を連続的に実施できるので、効率的である。
なお、セラミックス層積層工程S20において、例えばゾルゲル法でセラミックス層14を設けた場合、上述したように、セラミックス層14の焼成が必要となる。
これに対して、図5に示す実施形態では、セラミックス層14の焼成が不要なので、例えば大気プラズマ溶射によってセラミックス層14と酸化アルミニウム層15を連続的に形成することが可能である。
図6に示す実施形態では、酸化アルミニウム層積層工程S60は、時効熱処理工程S40の後、且つ、研磨工程S50の前に実施される。
図6に示す実施形態では、時効熱処理工程S40の後で酸化アルミニウム層15を積層させるので、酸化アルミニウム層15が時効熱処理の影響を受けずに済む。また、研磨工程により、酸化アルミニウム層の膜厚調整及び表面粗度をより精度高く制御できる。
(タービン部材及びガスタービン)
上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングは、産業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒、分割環などの高温部品に適用して有用である。また、産業用ガスタービンに限らず、自動車やジェット機などのエンジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用することができる。これらの部材に上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを設けることで、耐食性及び熱サイクル耐久性に優れるガスタービン翼や高温部品を構成することができる。
図7乃至9は、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材の構成例を示す斜視図である。図10は、一実施形態係るガスタービン6の部分断面構造を模式的に示す図である。上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材の構成例として、図7に示すガスタービン動翼4や、図8に示すガスタービン静翼5、図9に示す分割環7、及び図10に示すガスタービン6の燃焼器8を挙げることができる。図7に示すガスタービン動翼4は、ディスク側に固定されるタブテイル41、プラットフォーム42、翼部43等を備えて構成されている。また、図8に示すガスタービン静翼5は、内シュラウド51、外シュラウド52、翼部53等を備えて構成されており、翼部53にはシールフィン冷却孔54、スリット55等が形成されている。
図9に示す分割環7は、環状の部材を周方向に分割した部材であり、ガスタービン動翼4の外側に複数配置され、タービン62のケーシングに保持される。図9に示す分割環7には冷却孔71が形成されている。図10に示すガスタービン6が備える燃焼器8は、ライナとして内筒81と尾筒82とを有する。
次に、上述したタービン部材を適用可能なガスタービンについて図10を参照して以下に説明する。図10は、一実施形態係るガスタービンの部分断面構造を模式的に示す図である。このガスタービン6は、互いに直結された圧縮機61とタービン62とを備える。圧縮機61は、例えば軸流圧縮機として構成されており、大気又は所定のガスを吸込口から作動流体として吸い込んで昇圧させる。この圧縮機61の吐出口には、燃焼器8が接続されており、圧縮機61から吐出された作動流体は、燃焼器8によって所定のタービン入口温度まで加熱される。そして所定温度まで昇温された作動流体がタービン62に供給されるようになっている。図10に示すように、タービン62のケーシング内部には、上述したガスタービン静翼5が、複数段設けられている。また、上述したガスタービン動翼4が、各静翼5と一組の段を形成するように主軸64に取り付けられている。主軸64の一端は、圧縮機61の回転軸65に接続されており、その他端には、図示しない発電機の回転軸が接続されている。
このような構成により、燃焼器8からタービン62のケーシング内に高温高圧の作動流体を供給すれば、ケーシング内で作動流体が膨張することにより、主軸64が回転し、このガスタービン6と接続された図示しない発電機が駆動される。即ち、ケーシングに固定された各静翼5によって圧力降下させられ、これにより発生した運動エネルギは、主軸64に取り付けられた各動翼4を介して回転トルクに変換される。そして、発生した回転トルクは、主軸64に伝達され、発電機が駆動される。
一般に、ガスタービン動翼に用いられる材料は、耐熱合金(例えばIN738LC=インコ社の市販の合金材料)であり、ガスタービン静翼に用いられる材料は、同様に耐熱合金(例えばIN939=インコ社の市販の合金材料)である。即ち、タービン翼を構成する材料は、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングにおいて母材11として採用可能な耐熱合金が使用されている。従って、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを、これらのタービン翼に適用すれば、遮熱効果と、耐食性及び耐久性に優れたタービン翼を得ることができるので、より高い温度環境で使用することができ、長寿命のタービン翼を実現することができる。また、より高い温度環境において適用可能であることは、作動流体の温度を高められることを意味し、これによりガスタービン効率を向上させることも可能となる。
このように、幾つかの実施形態に係るタービン部材であるタービン翼4,5は、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもタービン部材の耐久性を向上できる。
また、幾つかの実施形態に係るガスタービン6は、上記タービン部材であるタービン翼4,5を有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもガスタービン6におけるタービン部材の耐久性を向上できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、ボンドコート層積層工程S10と、セラミックス層積層工程S20と、酸化アルミニウム層積層工程S60とを含む。しかし、既にボンドコート層12及びセラミックス層14が形成された母材11に対して、上述した酸化アルミニウム層積層工程S60によってセラミックス層14の表面側に酸化アルミニウム層15を形成するようにしてもよい。
これにより、例えば、セラミックス層14と同様の層を有する従来のタービン部材に対して、酸化アルミニウム層15を形成できる。
具体的には、例えば図11に示すように、母材11上にボンドコート層12とセラミックス層14と同様のセラミックス層14Aとが積層された既設コーティング層10Aに対して、図12に示す遮熱コーティングの製造工程において、酸化アルミニウム層15を形成できる。なお、図11は、セラミックス層14と同様のセラミックス層14Aとが積層された既設コーティング層10Aを備えるタービン部材の断面の模式図である。図12は、既設コーティング層10Aに対して酸化アルミニウム層15を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。
図12に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、酸化アルミニウム層積層工程S60を含む。また、図12に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、膜厚確認工程S30と、時効熱処理工程S40と、研磨工程S50とを含む。図12に示す実施形態に係る酸化アルミニウム層積層工程S60、膜厚確認工程S30、時効熱処理工程S40、及び研磨工程S50は、上述した図4〜図6に示す幾つかの実施形態に係る酸化アルミニウム層積層工程S60、膜厚確認工程S30、時効熱処理工程S40、及び研磨工程S50と同じである。
図12に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、まず、膜厚確認工程S30において、上述した図4における膜厚確認工程S30と同様に、図11に示した既設コーティング層10Aのセラミックス層14Aの厚さを確認する。
図12に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14Aの厚さが所定範囲内であれば、研磨表面の粗度の調整のためにセラミックス層14Aの表面を研磨して、次の時効熱処理工程S40へ進む。なお、該所定範囲は、上述したように時効熱処理工程S40の後、研磨工程S50においてセラミックス層14Aの厚さを所望の厚さにすることができるように設定された、セラミックス層14Aの厚さの範囲である。
図12に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14Aの厚さが所定範囲を下回れば、図12において不図示のセラミックス層積層工程、すなわち、図4に示す実施形態に係るセラミックス層積層工程S20と同様の工程に戻り、YSZの溶射粒子を大気プラズマ溶射によって溶射することでセラミックス層14Aの厚さを増やす。
図12に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14Aの厚さが所定範囲を上回れば、セラミックス層14Aの厚さが400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下となるようにセラミックス層14Aの表面が研磨される。
膜厚確認工程S30の実施後、図4における実施形態と同様に、図12に示す時効熱処理工程S40、研磨工程S50、及び酸化アルミニウム層積層工程S60を実施する。
すなわち、図12に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、母材11上に積層されたボンドコート12層と、ボンドコート層12上に積層されたセラミックス層14Aとを有する既設コーティング層10Aに対し、セラミックス層14A上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させる酸化アルミニウム層積層工程S60を含む。
これにより、上述した既設コーティング層10Aに対して気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させることができる。これにより、酸化アルミニウム層15を有していない既設コーティング層10Aに気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させることができる。
積層された酸化アルミニウム層15の気孔は、上述したようにして生成された二酸化ナトリウムアルミニウムによって封止される。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層への浸透を酸化アルミニウム層15が抑制するので、既設コーティング層10Aの耐久性を向上できる。
上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、ボンドコート層積層工程S10と、セラミックス層積層工程S20と、酸化アルミニウム層積層工程S60とを含む。しかし、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10を有するタービン部材のメンテナンスに際し、古い酸化アルミニウム層15を除去した後に新たな酸化アルミニウム層15を形成できる。
具体的には、例えば図13に示すように、母材11上に積層されたボンドコート12層と、ボンドコート層12上に積層されたセラミックス層14と、セラミックス層14上に積層された酸化アルミニウム層15Bとを有する既設遮熱コーティング層10Bに対し、図14に示す遮熱コーティングの製造工程において、古い酸化アルミニウム層15Bを除去して新たな酸化アルミニウム層15を形成できる。なお、図13は、既設遮熱コーティング層10Bを備えるタービン部材の断面の模式図である。図14は、既設遮熱コーティング層10Bの古い酸化アルミニウム層15Bを除去して新たな酸化アルミニウム層15を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。
図14に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、酸化アルミニウム層除去工程S80と、酸化アルミニウム層積層工程S60を含む。また、図14に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、膜厚確認工程S30と、時効熱処理工程S40と、研磨工程S50とを含む。図14に示す実施形態に係る酸化アルミニウム層積層工程S60、膜厚確認工程S30、時効熱処理工程S40、及び研磨工程S50は、上述した図4〜図6に示す幾つかの実施形態に係る酸化アルミニウム層積層工程S60、膜厚確認工程S30、時効熱処理工程S40、及び研磨工程S50と同じである。
図14に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、まず、酸化アルミニウム層除去工程S80において、図13に示す既設遮熱コーティング層10Bの古い酸化アルミニウム層15Bを除去する。酸化アルミニウム層除去工程S80では、例えばブラスト処理などによって、古い酸化アルミニウム層15Bを除去する。図15は、酸化アルミニウム層除去工程S80において古い酸化アルミニウム層15Bを除去した後のタービン部材の断面の模式図である。
次いで、膜厚確認工程S30において、上述した図4における膜厚確認工程S30と同様に、酸化アルミニウム層除去工程S80で古い酸化アルミニウム層15Bを除去した後の既設遮熱コーティング層10Bのセラミックス層14の厚さを確認する。
図14に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14の厚さが所定範囲内であれば、研磨表面の粗度の調整のためにセラミックス層14の表面を研磨して、次の時効熱処理工程S40へ進む。なお、該所定範囲は、上述したように時効熱処理工程S40の後、研磨工程S50においてセラミックス層14の厚さを所望の厚さにすることができるように設定された、セラミックス層14の厚さの範囲である。
図14に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14の厚さが所定範囲を下回れば、図14において不図示のセラミックス層積層工程、すなわち、図4に示す実施形態に係るセラミックス層積層工程S20と同様の工程に戻り、YSZの溶射粒子を大気プラズマ溶射によって溶射することでセラミックス層14の厚さを増やす。
図14に示す実施形態では、膜厚確認工程S30において確認されたセラミックス層14の厚さが所定範囲を上回れば、セラミックス層14の厚さが400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下となるようにセラミックス層14の表面が研磨される。
膜厚確認工程S30の実施後、図4における実施形態と同様に、図14に示す時効熱処理工程S40、研磨工程S50、及び酸化アルミニウム層積層工程S60を実施する。
すなわち、図14に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、母材11上に積層されたボンドコート12層と、ボンドコート層12上に積層されたセラミックス層14と、セラミックス14層上に積層された酸化アルミニウム層15Bとを有する既設遮熱コーティング層10Bに対し、酸化アルミニウム層15Bを除去する酸化アルミニウム層除去工程S80を含む。また、図14に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、酸化アルミニウム層15Bを除去した後の既設遮熱コーティング層10Bに対し、セラミックス層14上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させる酸化アルミニウム層積層工程S60を含む。
これにより、既設遮熱コーティング層10Bの酸化アルミニウム層15Bを除去して新たに気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層15を積層させることができる。したがって、既設遮熱コーティング層10Bにおける酸化アルミニウム層15Bが劣化した場合などに、酸化アルミニウム層15を新たに積層させることが可能となる。
新たに積層された酸化アルミニウム層15の気孔は、上述したようにして生成された二酸化ナトリウムアルミニウムによって封止される。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性物質のセラミックス層への浸透を酸化アルミニウム層15が抑制するので、既設遮熱コーティング層10Bの耐久性を向上できる。
4 ガスタービン動翼
5 ガスタービン静翼
6 ガスタービン
7 分割環
8 燃焼器
10 遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating : TBC)層
11 耐熱基材(母材)
12 金属結合層(ボンドコート層)
14 トップコート層(セラミックス層)
15 酸化アルミニウム層
17 二酸化ナトリウムアルミニウム層

Claims (13)

  1. 母材上に積層されるボンドコート層と、
    前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層と、
    前記セラミックス層上に積層された気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層と、を備える
    遮熱コーティング。
  2. 前記酸化アルミニウム層は、大気プラズマ溶射によって生成された溶射層である
    請求項1に記載の遮熱コーティング。
  3. 前記酸化アルミニウム層上に積層された二酸化ナトリウムアルミニウム層をさらに備える
    請求項1又は2に記載の遮熱コーティング。
  4. 前記セラミックス層の厚さは、400マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であり、
    前記酸化アルミニウム層の厚さは、30マイクロメートル以上100マイクロメートル以下である、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の遮熱コーティング。
  5. 前記遮熱コーティングは、入口ガス温度が1300度以上、且つ、油燃料を使用するガスタービンにおけるタービン部材に施工される
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の遮熱コーティング。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の前記遮熱コーティングを有するタービン部材。
  7. 請求項6に記載の前記タービン部材を有するガスタービン。
  8. 母材上にボンドコート層を積層させる工程と、
    前記ボンドコート層上にセラミックス層を積層させる工程と、
    前記セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させる工程と、
    を含む
    遮熱コーティングの製造方法。
  9. 母材上に積層されたボンドコート層と、前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層とを有する既設コーティング層に対し、前記セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させる工程、
    を含む
    遮熱コーティングの製造方法。
  10. 母材上に積層されたボンドコート層と、前記ボンドコート層上に積層されたセラミックス層と、前記セラミックス層上に積層された酸化アルミニウム層とを有する既設遮熱コーティング層に対し、前記酸化アルミニウム層を除去する工程と、
    前記酸化アルミニウム層を除去した後の前記既設遮熱コーティング層に対し、前記セラミックス層上に気孔率が0.5%以上10%以下の酸化アルミニウム層を積層させる工程と、
    を含む
    遮熱コーティングの製造方法。
  11. 前記セラミックス層の厚さを確認する工程と、
    前記ボンドコート層及び前記セラミックス層を積層させた前記母材を時効熱処理する工程と、
    前記時効熱処理を行った後、前記セラミックス層の表面を研磨する工程と、
    をさらに含み、
    前記酸化アルミニウム層を積層させる工程は、前記セラミックス層の表面を研磨する工程の後に実施される
    請求項8乃至10の何れか一項に記載の遮熱コーティングの製造方法。
  12. 前記セラミックス層の厚さを確認する工程と、
    前記ボンドコート層及び前記セラミックス層を積層させた前記母材を時効熱処理する工程と、
    前記時効熱処理を行った後、前記セラミックス層の表面を研磨する工程と、
    をさらに含み、
    前記酸化アルミニウム層を積層させる工程は、前記セラミックス層の厚さを確認する工程の後、且つ、前記母材を時効熱処理する工程の前に実施される
    請求項8乃至10の何れか一項に記載の遮熱コーティングの製造方法。
  13. 前記セラミックス層の厚さを確認する工程と、
    前記ボンドコート層及び前記セラミックス層を積層させた前記母材を時効熱処理する工程と、
    前記時効熱処理を行った後、前記セラミックス層の表面を研磨する工程と、
    をさらに含み、
    前記酸化アルミニウム層を積層させる工程は、前記時効熱処理する工程の後、且つ、前記セラミックス層の表面を研磨する工程の前に実施される
    請求項8乃至10の何れか一項に記載の遮熱コーティングの製造方法。
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