JP2004098207A - セラミック皮膜研磨方法及びガスタービン用タービンブレード製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術を提供する。
【解決手段】本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,
セラミック皮膜(3)の表面に顔料を含む塗料(4)を塗布し,前記顔料を前記セラミック皮膜(3)に浸透させる塗布工程と,前記塗布工程の後,前記セラミック皮膜(3)を研磨する研磨工程とを備えている。塗料(4)に含まれる顔料がセラミック皮膜(3)に浸透されることにより,セラミック皮膜(3)は,その研磨量に応じた色彩を呈する。セラミック皮膜(3)の色彩が,セラミック皮膜(3)の研磨量に応じて変化することにより,セラミック皮膜(3)の研磨量が可視化される。セラミック皮膜(3)の研磨量の可視化は,セラミック皮膜(3)を高精度に,且つ,効率的に研磨することを可能にする。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,
セラミック皮膜(3)の表面に顔料を含む塗料(4)を塗布し,前記顔料を前記セラミック皮膜(3)に浸透させる塗布工程と,前記塗布工程の後,前記セラミック皮膜(3)を研磨する研磨工程とを備えている。塗料(4)に含まれる顔料がセラミック皮膜(3)に浸透されることにより,セラミック皮膜(3)は,その研磨量に応じた色彩を呈する。セラミック皮膜(3)の色彩が,セラミック皮膜(3)の研磨量に応じて変化することにより,セラミック皮膜(3)の研磨量が可視化される。セラミック皮膜(3)の研磨量の可視化は,セラミック皮膜(3)を高精度に,且つ,効率的に研磨することを可能にする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,セラミック皮膜研磨方法に関する。本発明は,特に,ガスタービン用タービンブレードの製造において特に好適に使用されるセラミック皮膜研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温環境で使用されるガスタービン用タービンブレードは,耐熱性の向上のために熱遮蔽コーティング(TBC)によって被覆される。TBCは,典型的には,セラミック皮膜によって形成される。高い断熱性を有するセラミック皮膜は,タービンブレードを高温環境から有効に保護する。TBCの形成方法は,例えば,下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】
特許第3051395号公報
【0003】
タービンブレードのセラミック皮膜の厚さは,タービンブレードの寿命に大きな影響を及ぼす。セラミック皮膜が厚いほど,高温環境からの断熱性は高くなる。しかし,セラミック皮膜が厚いと,セラミック皮膜の表面と内部との温度差が大きくなることによる熱応力増大により,セラミック皮膜が剥離する可能性が増大する。これは,タービンブレードの耐久性を減少させる点で好ましくない。一方で,セラミック皮膜が薄いことは,タービンブレードの耐熱性を減少させる。このように,タービンブレードのセラミック皮膜の厚さは,適切に調節される必要がある。
【0004】
セラミック皮膜の形成は,一般に,セラミック溶射によって行われる。しかし,セラミック溶射は,ガスタービン用タービンブレードのセラミック皮膜の形成において以下に述べられるような難点を有する。第1に,セラミック溶射によって形成されたセラミック皮膜の膜厚バラツキは,タービンブレードの場所によっては,セラミック皮膜の厚さの設計膜厚公差を大きく上回る。動翼前縁部やフィレットR部など,凹凸がある形状を有する部分では,セラミック皮膜の厚さに対して厳しい膜厚公差が要求される。しかし,セラミック溶射では,このような厳しい膜厚公差を満足することは実質的に不可能である。
【0005】
第2に,セラミック溶射は,ガスタービン用タービンブレードに形成されるセラミック皮膜として好適な膜厚のセラミック皮膜よりも厚いセラミック皮膜の形成しかできない場合がある。タービンブレードには,セラミック皮膜の厚さが300〜400μmであることが要求される箇所が存在するが,セラミック溶射では,その形状により最も薄くても500μmのセラミック皮膜しか形成できない場所が存在する。
【0006】
このため,タービンブレードのセラミック皮膜の形成は,セラミック溶射によるセラミック皮膜の成膜と,該セラミック皮膜の研磨との2つの工程で行われることがある。まず,セラミック溶射により,厚いセラミック皮膜が形成される。続いて,セラミック皮膜が所望の厚さに研磨される。
【0007】
しかし,必要とされる膜厚公差を遵守するようにセラミック皮膜を所望の膜厚に研磨することは,極めて困難な作業であり,更に,多大な工数を要する作業である。特に,動翼前縁部など,タービンブレードのうちの形状に凹凸がある部分では,研磨の困難性は大きい。形状に凹凸がある部分では,回転式の研磨工具の使用は非常に困難であるため,かかる部分の研磨は,手作業に頼らざるを得ない。しかし,その一方で,形状に凹凸がある部分では,厳しい膜厚公差が要求される。手作業による研磨では,研磨量が把握しにくいため,セラミック皮膜の膜厚の検査を頻繁にしながら研磨を行う必要がある。このため,形状に凹凸がある部分の研磨には,極めて多くの工数が必要である。更に,形状に凹凸がある部分を,手作業によって均一に研磨することは,極めて高度な技能を必要とする作業であり,このため,セラミック皮膜の削り過ぎが発生しがちである。セラミック皮膜が薄すぎることはタービンブレードの耐熱性を劣化させるため,セラミック皮膜を削り過ぎた場合には,該セラミック皮膜を除去した後,再び,セラミック溶射と研磨とが行われる。このように,形状に凹凸がある部分の研磨の困難性は,タービンブレードの製造に必要な工数を大きく増大させる。
【0008】
また,セラミック皮膜を施工した後は,表面粗度を向上させるために表面研磨を行うことがある。この表面研磨は,ガスタービンの効率を有効に向上し,更に,熱伝達率低減による遮熱性向上をもたらす。従来は,手作業による研磨が行われていたため,減耗量に部位によるバラツキが生じ,最終的な膜厚のバラツキにつながることにある。減耗量分を予め増やしておく方法も考えられるが減耗量が均一でないため,改善とは成り難い。
【0009】
セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術の提供が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は,セラミック皮膜を高精度に,且つ,効率的に研磨することにより,タービンブレードの製造をより効率化するための技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に,[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて,課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は,[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されている。但し,付加された番号・符号は,[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,
セラミック皮膜(3)の表面に顔料を含む塗料(4)を塗布し,顔料をセラミック皮膜(3)に浸透させる塗布工程と,
塗布工程の後,セラミック皮膜(3)を研磨する研磨工程
とを備えている。塗料(4)に含まれる顔料がセラミック皮膜(3)に浸透されることにより,セラミック皮膜(3)は,その研磨量に応じた色彩を呈する。セラミック皮膜(3)の色彩が,セラミック皮膜(3)の研磨量に応じて変化することにより,セラミック皮膜(3)の研磨量が可視化される。セラミック皮膜(3)の研磨量の可視化は,セラミック皮膜(3)を高精度に,且つ,効率的に研磨することを可能にする。本発明は,高精度の削り代を得ることを可能にし,したがって,回転工具などを組み合せて効率的に研磨しても,削り過ぎが生じず大幅な作業時間短縮が期待できる。また,表面研磨時にも塗料(4)を用いることで全面の減耗量を均一にすることが可能である。
【0014】
研磨工程は,顔料が実質的に観察されなくなったときセラミック皮膜(3)の研磨を停止する工程を含むことが好ましい。顔料が実質的に観察されなくなったときセラミック皮膜(3)の研磨を停止することにより,顔料が浸透して拡散された顔料拡散領域(3a)がセラミック皮膜(3)から除去される。顔料拡散領域(3a)の厚さは,セラミック皮膜(3)と塗料(4)との物理的性質によって定まるから,顔料が実質的に観察されなくなったときセラミック皮膜(3)の研磨を停止することにより,一定の厚さだけセラミック皮膜(3)を研磨することが可能である。
【0015】
このようなセラミック皮膜研磨方法は,セラミック皮膜(3)の形成が,セラミック溶射によって行われる場合に特に好適に使用される。
【0016】
塗料(4)が,熱硬化性樹脂を含み,当該セラミック皮膜研磨方法が,塗布工程の後,且つ,研磨工程が行われる前に,セラミック皮膜を熱処理することによって熱硬化性樹脂を硬化する熱処理工程を含むことが好ましい。熱処理によって熱硬化性樹脂を硬化することにより,研磨工程の間に発生し得る,望ましくない顔料の拡散が防止され,高精度にセラミック皮膜(3)を研磨することが可能になる。
【0017】
熱硬化性樹脂を含む代わりに,塗料(4)は,常温で揮発性である溶剤を含むことも効果的である。常温で揮発性である溶剤を使用することは,塗料(4)の乾燥のための熱処理を不要にする。
【0018】
顔料は,酸素と化合して気体になる材料で形成されていることが好ましい。上述のセラミック皮膜研磨方法では,セラミック皮膜(3)に,顔料が残存しやすい。顔料が残存すると,輻射率が増大するため,その後の熱処理においてセラミック皮膜の過剰な上昇が起こり得る。酸素と化合して気体になる材料で形成されている顔料は,酸素雰囲気における熱処理によって容易に除去可能である。
【0019】
典型的には,顔料は,黒鉛を含むことが好ましい。黒鉛は,酸素と化合して二酸化炭素になるため,酸素雰囲気での熱処理によって容易に除去可能である。ガスタービン燃焼ガスは大気雰囲気のため,800℃,2時間程度の運転により顔料を構成する黒鉛は,全て気化されて除去される。
【0020】
塗料(4)の材料としては,以下の要求を満足することが好適である。
・季節による温度差による浸透量が均一であること。
・塗布から乾燥までの時間の違いが浸透量に影響しないこと。
・塗布時に塗り広げやすく,垂れ難いこと。
塗布方法は,例えば,スプレー,ハケ塗りなどが使用可能である。
【0021】
本発明によるタービンブレード製造方法は,
タービンブレードを被覆するセラミック皮膜(3)を成膜する形成工程と,
セラミック皮膜(3)に顔料を含む塗料(4)を塗布し,顔料をセラミック皮膜(3)に浸透させる塗布工程と,
セラミック皮膜(3)を研磨する研磨工程
とを備えている。塗料(4)に含まれる顔料がセラミック皮膜(3)に浸透されることにより,セラミック皮膜(3)の研磨量が可視化され,セラミック皮膜(3)を高精度に,且つ,効率的に研磨することが可能になる。
【0022】
本発明によるセラミック皮膜研磨装置は,セラミック皮膜(3)を研削する研削装置(7,8)と,セラミック皮膜(3)を撮像して撮像画像(11)を生成する撮像装置(10)と,撮像画像(11)からセラミック皮膜(3)の表面の色彩を検知し,該色彩に応じて研削装置(7,8)を制御する制御装置(9)とを備えている。当該セラミック皮膜研磨装置は,上述のセラミック皮膜研磨方法及びタービンブレード製造方法において好適に使用される。
【0023】
セラミック皮膜(3)に,顔料を含む塗料(4)が塗布される場合,制御装置(9)は,撮影画像(11)に基づいてセラミック皮膜(3)における顔料の存在の有無を検知し,顔料が実質的にセラミック皮膜(3)から除去されたとき,セラミック皮膜(3)の研磨を停止するように研削装置(7,8)を制御することが好ましい。これにより,セラミック皮膜(3)を所望の膜厚だけ自動的に研磨することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照しながら,本発明によるセラミック皮膜研磨方法の実施の一形態を説明する。
【0025】
本実施の形態では,本発明によるセラミック皮膜研磨方法がタービンブレードの製造に適用されている。当該タービンブレード製造方法は,図1に示されているように,ニッケル基合金で形成されたガスタービン用タービンブレードの母材1(以下,単に「タービンブレード母材1」という。)に,耐酸化性を向上するための金属コーティング2を被覆する工程で開始される。金属コーティング2は,アルミニウムを多量に含む。アルミニウムを含む金属コーティング2は,酸化雰囲気において,その表面にアルミナ皮膜を形成し,タービンブレード母材1を有効に保護する。
【0026】
続いて,図2に示されているように,金属コーティング2の上に,セラミック溶射によってセラミック皮膜3を成膜する工程が行われる。タービンブレードがセラミック皮膜3によって被覆される。セラミック皮膜3としては,YSZ(イットリア安定化ジルコニア)が使用される。YSZで形成されるセラミック皮膜3は,白色を呈する。
【0027】
既述の通り,セラミック溶射によって成膜されたセラミック皮膜3は,所望の膜厚よりも厚い膜厚を有している。このため,以下の工程により,セラミック皮膜3は,研磨によって所望の膜厚に調節される。
【0028】
セラミック皮膜3の形成に続いて,セラミック皮膜3の厚さが計測される。セラミック皮膜3の厚さの計測結果から,除去すべきセラミック皮膜3の厚さが算出される。
【0029】
続いて,図3に示されているように,成膜されたセラミック皮膜3に塗料4が塗布される。塗布される塗料4は,顔料と熱硬化性樹脂とを含む。顔料としては,黒鉛が使用される。顔料として黒鉛を含む塗料4は,黒色を呈する。塗料4の塗布により,顔料が,セラミック皮膜3の表面から内部に,ある程度の厚さだけ拡散して浸透する。図3では,顔料が拡散されている領域が,顔料拡散領域3aとして図示されている。
【0030】
塗料4の組成は,セラミック皮膜3を除去しようとする厚さだけ顔料が拡散するように調整される。セラミック皮膜3の気孔率が高ければ浸透量が上がり易く,気孔率が低ければその逆となる。このため,顔料を希釈する材料が浸透量に応じて変更される。シリコン樹脂を主成分とした塗料4として使用することは,浸透量の調整に有効である。また,顔料を希釈する材料をエタノール,キシレン等にすることが浸透量の調整を容易化するために有効である。水による希釈は浸透量に大きな影響を及ぼさない。
【0031】
続いて,塗料4を乾燥し,硬化するために,該タービンブレードが熱処理される。熱処理の温度及び時間は,塗料4に含まれる熱硬化性樹脂が硬化するように選ばれる。熱硬化性樹脂が硬化されることにより,顔料の拡散は実質的に完全に停止する。
【0032】
続いて,図4に示されているように,セラミック皮膜3が研磨される。該研磨により,塗料4の皮膜も同時に除去される。セラミック皮膜3の研磨には,典型的には,ダイヤモンドペーパや,回転工具が使用される。
【0033】
セラミック皮膜3の研磨は,セラミック皮膜3の色彩を観察しながら行われる。顔料拡散領域3aは,顔料が拡散されていることによって黒色を呈する。一方,セラミック皮膜3のうち顔料が拡散されていない部分は,YSZの本来の色である白色を呈する。セラミック皮膜3の研磨が進むについて,該セラミック皮膜の色は黒色から白色に変化する。即ち,セラミック皮膜3の色彩は,研磨量を示しており,セラミック皮膜3の研磨量は,視覚によって把握可能である。
【0034】
セラミック皮膜3が概ね白色になり,顔料が実質的に観察されなくなったときにセラミック皮膜3の研磨は停止される。これにより,顔料拡散領域3aが除去された時点で,セラミック皮膜3の研磨は停止される。顔料拡散領域3aの厚さは,セラミック皮膜3と塗料4との物理的性質によって定まる一定値であり,除去されるべきセラミック皮膜3の厚さに調整されている。セラミック皮膜3が概ね白色を呈する状態になったときに,セラミック皮膜3の研磨を停止することにより,所望の厚さのセラミック皮膜3の除去が可能である。
【0035】
現実的には,顔料が拡散した痕跡がセラミック皮膜3にうっすらと残る。これは、顔料が拡散した痕跡が研磨工程が完了した後も,セラミック皮膜3には,顔料として使用される黒鉛が微少に残存することを意味する。従って,色見本との対比により,セラミック皮膜3の研磨を停止すべきか否かの判断が行われることが好ましい。
【0036】
塗料4に熱硬化性樹脂が使用されることは,セラミック皮膜3の研磨のときに塗料4の皮膜を効果的に除去可能にする点で好ましい。硬化された熱硬化性樹脂は展性に乏しく,セラミック皮膜3の研磨の際にぱらぱらと剥がれる。このような特性は,セラミック皮膜3の研磨の間に顔料がセラミック皮膜3に拡散することを防ぎ,所望の厚さだけセラミック皮膜3を研磨することを容易にする。
【0037】
続いて,タービンブレードを熱処理する熱処理工程が行われる。該熱処理工程では,タービンブレードは,アルゴン置換雰囲気中で,850℃で,24時間加熱される。該熱処理工程は,金属コーティング2をタービンブレード母材1に馴染ませる。アルゴン置換雰囲気での熱処理では,セラミック皮膜3に微少に残存する黒鉛は除去されない。
【0038】
微少に残存する黒鉛は,800℃,2時間程度の大気中での熱処理により,除去可能である。大気中での熱処理により,微少に残存する黒鉛は,不純物として含まれる酸素と化合して気体である二酸化炭素となり,セラミック皮膜3から離脱する。顔料として黒鉛が使用されることは,酸素雰囲気での熱処理工程によって該顔料の除去を可能にする点で好ましい。
【0039】
その後もセラミック皮膜3に残存する黒鉛は,該タービンブレードが組み込まれたガスタービンを試運転するときに,該試運転によって該タービンブレードがさらされる高温酸化雰囲気によって実質的に完全に除去される。顔料として黒鉛が使用されることは,試運転のときに顔料をより完全に除去することを可能にする点で好ましい。
【0040】
本実施の形態のガスタービン用タービンブレードの製造方法は,セラミック皮膜の研磨量を視覚によって把握することを可能にする。セラミック皮膜の研磨量の調節のために職人的な勘は必要とされない。本実施の形態のガスタービン用タービンブレードの製造方法は,セラミック皮膜の研磨量を可視化することにより,セラミック皮膜を高精度に研磨することを容易化し,セラミック皮膜の研磨の作業効率を効果的に向上する。
【0041】
本実施の形態において,セラミック皮膜3に塗布される塗料として,顔料と揮発性の溶剤とを含んで構成される油性インクが使用され得る。溶剤が揮発性である油性インクの使用は,塗料4を乾燥するための熱処理を行う(ステップS05)工程の省略を可能にする点で好ましい。但し,油性インクが使用される場合,顔料がセラミック皮膜3の深い位置まで拡散するため,顔料拡散領域3aの厚さを薄くし,セラミック皮膜3を薄く研磨することは難しくなる。セラミック皮膜3を研磨すべき研磨量が小さい場合には,顔料と熱硬化性樹脂とを含む塗料4の使用が好適である。
【0042】
セラミック皮膜3の研磨は,セラミック皮膜研磨装置の使用によって自動化され得る。図5は,研磨の自動化のために使用されるセラミック皮膜研磨装置を示している。当該セラミック皮膜研磨装置は,セラミック皮膜3が形成されたタービンブレード5を保持する保持機構6と,研削ヘッド7とを備えている。研削ヘッド7は,回転砥石をセラミック皮膜3に接触させ,セラミック皮膜3を研磨する。研削ヘッド7は,多軸ロボット8に接続されている。多軸ロボット8は,研削ヘッド7の位置及び姿勢が,所望の位置及び姿勢にあるように,研削ヘッド7を移動して保持する。研削ヘッド7と多軸ロボット8は,制御装置9に接続され,制御装置9によって制御される。制御装置9は,撮像カメラ10に接続される。撮像カメラ10は,タービンブレード5を撮像して撮像画像11を制御装置9に送る。制御装置9は,撮像画像11に対して画像処理を行い,該画像処理により,セラミック皮膜3の色彩を検知する。制御装置9は,セラミック皮膜3の色彩に応答して研削ヘッド7と多軸ロボット8とを制御する。
【0043】
当該セラミック皮膜研磨装置は,以下の動作により,セラミック皮膜3を研磨する。研削ヘッド7と多軸ロボット8とが制御装置9によって制御され,セラミック皮膜3の研磨が開始される。セラミック皮膜3の研磨の間,撮像カメラ10によってタービンブレード5が逐次に撮像され,撮像画像11が制御装置9に送られる。タービンブレード5のセラミック皮膜3は,既述のように塗料4が塗布されるため,セラミック皮膜3の研磨量に応じてその色彩が黒色から白色に変化していく。制御装置9は,撮像画像11をある閾値を用いて2値化して2値化画像を生成する。制御装置9は,該2値化画像に基づいて,セラミック皮膜3の全体が白色になったか否かを検知する。制御装置9は,研削ヘッド7と多軸ロボット8とを制御して,セラミック皮膜3の全体が白色になるように,セラミック皮膜3を研磨する。セラミック皮膜3の実質的に全体が白色になったとき,制御装置9は,顔料がセラミック皮膜3から実質的に完全に除去されたと判断し,セラミック皮膜3の研磨を停止する。セラミック皮膜3のうちの顔料拡散領域3aが除去される。上述の当該セラミック皮膜研磨装置の動作は,セラミック皮膜3を所望の研磨量だけ自動的に研磨することを可能にする。
【0044】
セラミック皮膜3の研磨量は,撮像画像11に現れたセラミック皮膜3の各部分の色の濃さによってコントロールすることも可能である。制御装置9は,撮像画像11に現れたセラミック皮膜3の各部分の色の濃さから,セラミック皮膜3を研磨すべき研磨量を把握する。制御装置9は,セラミック皮膜3を該研磨量だけ研磨するように研削ヘッド7と多軸ロボット8とを制御する。
【0045】
上述の本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,タービンブレードの製造以外にも,薄いセラミック皮膜を,高精度に形成する必要がある他の用途にも適用可能である。但し,本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,厳しい設計公差が求められるガスタービン用タービンブレードの製造に特に好適に使用される。
【0046】
【実施例】
アロンセラミックC(東亜化学の登録商標)に,顔料として黒鉛が混合されて調製された塗料が,塗料4として使用された。アロンセラミックCと黒鉛の重量比は,50:2であった。
【0047】
アロンセラミックCは,シリカと無機ポリマーとを主成分とし,加熱により硬化する無機系接着剤である。アロンセラミックCは,耐熱性に優れ,1200〜1300℃の高温に耐える。アロンセラミックCの使用は,仮に,アロンセラミックCがセラミック皮膜3に残存しても,タービンブレードの耐久性に何らの影響もない点で好適である。アロンセラミックCは,その粘度が70,000cpsであり,密度が,1.9g/cm3である。
【0048】
塗料4には,その粘度の調整のために,水が添加された。アロンセラミックCと水との重量比は,50:5であった。
【0049】
YSZによって形成されたセラミック皮膜3に,上述の組成を有する塗料4が塗布され,顔料である黒鉛がセラミック皮膜3に浸透された。150℃,1時間の熱処理により,塗料4は硬化された。塗料4が硬化された後,セラミック皮膜3が研磨された。セラミック皮膜3が概ね白色を呈するようになった状態で研磨が停止された。
【0050】
セラミック皮膜3の研磨量は,概ね120μm〜170μmであった。セラミック皮膜3の研磨量は,作業環境の温度による影響を受けず安定していた。
【0051】
【発明の効果】
本発明により,セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術が提供される。
【0052】
また,本発明により,セラミック皮膜を高精度に,且つ,効率的に研磨することにより,タービンブレードの製造を効率化するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図2は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図3】図3は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図4】図4は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図5】図5は,本発明によるセラミック皮膜研磨方法及びタービンブレード製造方法において好適に使用されるセラミック皮膜研磨装置を示す。
【符号の説明】
1:タービンブレード母材
2:金属コーティング
3:セラミック皮膜
3a:顔料拡散領域
4:塗料
5:タービンブレード
6:保持機構
7:研削ヘッド
8:多軸ロボット
9:制御装置
10:撮像カメラ
11:撮像画像
【発明の属する技術分野】
本発明は,セラミック皮膜研磨方法に関する。本発明は,特に,ガスタービン用タービンブレードの製造において特に好適に使用されるセラミック皮膜研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温環境で使用されるガスタービン用タービンブレードは,耐熱性の向上のために熱遮蔽コーティング(TBC)によって被覆される。TBCは,典型的には,セラミック皮膜によって形成される。高い断熱性を有するセラミック皮膜は,タービンブレードを高温環境から有効に保護する。TBCの形成方法は,例えば,下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】
特許第3051395号公報
【0003】
タービンブレードのセラミック皮膜の厚さは,タービンブレードの寿命に大きな影響を及ぼす。セラミック皮膜が厚いほど,高温環境からの断熱性は高くなる。しかし,セラミック皮膜が厚いと,セラミック皮膜の表面と内部との温度差が大きくなることによる熱応力増大により,セラミック皮膜が剥離する可能性が増大する。これは,タービンブレードの耐久性を減少させる点で好ましくない。一方で,セラミック皮膜が薄いことは,タービンブレードの耐熱性を減少させる。このように,タービンブレードのセラミック皮膜の厚さは,適切に調節される必要がある。
【0004】
セラミック皮膜の形成は,一般に,セラミック溶射によって行われる。しかし,セラミック溶射は,ガスタービン用タービンブレードのセラミック皮膜の形成において以下に述べられるような難点を有する。第1に,セラミック溶射によって形成されたセラミック皮膜の膜厚バラツキは,タービンブレードの場所によっては,セラミック皮膜の厚さの設計膜厚公差を大きく上回る。動翼前縁部やフィレットR部など,凹凸がある形状を有する部分では,セラミック皮膜の厚さに対して厳しい膜厚公差が要求される。しかし,セラミック溶射では,このような厳しい膜厚公差を満足することは実質的に不可能である。
【0005】
第2に,セラミック溶射は,ガスタービン用タービンブレードに形成されるセラミック皮膜として好適な膜厚のセラミック皮膜よりも厚いセラミック皮膜の形成しかできない場合がある。タービンブレードには,セラミック皮膜の厚さが300〜400μmであることが要求される箇所が存在するが,セラミック溶射では,その形状により最も薄くても500μmのセラミック皮膜しか形成できない場所が存在する。
【0006】
このため,タービンブレードのセラミック皮膜の形成は,セラミック溶射によるセラミック皮膜の成膜と,該セラミック皮膜の研磨との2つの工程で行われることがある。まず,セラミック溶射により,厚いセラミック皮膜が形成される。続いて,セラミック皮膜が所望の厚さに研磨される。
【0007】
しかし,必要とされる膜厚公差を遵守するようにセラミック皮膜を所望の膜厚に研磨することは,極めて困難な作業であり,更に,多大な工数を要する作業である。特に,動翼前縁部など,タービンブレードのうちの形状に凹凸がある部分では,研磨の困難性は大きい。形状に凹凸がある部分では,回転式の研磨工具の使用は非常に困難であるため,かかる部分の研磨は,手作業に頼らざるを得ない。しかし,その一方で,形状に凹凸がある部分では,厳しい膜厚公差が要求される。手作業による研磨では,研磨量が把握しにくいため,セラミック皮膜の膜厚の検査を頻繁にしながら研磨を行う必要がある。このため,形状に凹凸がある部分の研磨には,極めて多くの工数が必要である。更に,形状に凹凸がある部分を,手作業によって均一に研磨することは,極めて高度な技能を必要とする作業であり,このため,セラミック皮膜の削り過ぎが発生しがちである。セラミック皮膜が薄すぎることはタービンブレードの耐熱性を劣化させるため,セラミック皮膜を削り過ぎた場合には,該セラミック皮膜を除去した後,再び,セラミック溶射と研磨とが行われる。このように,形状に凹凸がある部分の研磨の困難性は,タービンブレードの製造に必要な工数を大きく増大させる。
【0008】
また,セラミック皮膜を施工した後は,表面粗度を向上させるために表面研磨を行うことがある。この表面研磨は,ガスタービンの効率を有効に向上し,更に,熱伝達率低減による遮熱性向上をもたらす。従来は,手作業による研磨が行われていたため,減耗量に部位によるバラツキが生じ,最終的な膜厚のバラツキにつながることにある。減耗量分を予め増やしておく方法も考えられるが減耗量が均一でないため,改善とは成り難い。
【0009】
セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術の提供が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は,セラミック皮膜を高精度に,且つ,効率的に研磨することにより,タービンブレードの製造をより効率化するための技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に,[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて,課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は,[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されている。但し,付加された番号・符号は,[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,
セラミック皮膜(3)の表面に顔料を含む塗料(4)を塗布し,顔料をセラミック皮膜(3)に浸透させる塗布工程と,
塗布工程の後,セラミック皮膜(3)を研磨する研磨工程
とを備えている。塗料(4)に含まれる顔料がセラミック皮膜(3)に浸透されることにより,セラミック皮膜(3)は,その研磨量に応じた色彩を呈する。セラミック皮膜(3)の色彩が,セラミック皮膜(3)の研磨量に応じて変化することにより,セラミック皮膜(3)の研磨量が可視化される。セラミック皮膜(3)の研磨量の可視化は,セラミック皮膜(3)を高精度に,且つ,効率的に研磨することを可能にする。本発明は,高精度の削り代を得ることを可能にし,したがって,回転工具などを組み合せて効率的に研磨しても,削り過ぎが生じず大幅な作業時間短縮が期待できる。また,表面研磨時にも塗料(4)を用いることで全面の減耗量を均一にすることが可能である。
【0014】
研磨工程は,顔料が実質的に観察されなくなったときセラミック皮膜(3)の研磨を停止する工程を含むことが好ましい。顔料が実質的に観察されなくなったときセラミック皮膜(3)の研磨を停止することにより,顔料が浸透して拡散された顔料拡散領域(3a)がセラミック皮膜(3)から除去される。顔料拡散領域(3a)の厚さは,セラミック皮膜(3)と塗料(4)との物理的性質によって定まるから,顔料が実質的に観察されなくなったときセラミック皮膜(3)の研磨を停止することにより,一定の厚さだけセラミック皮膜(3)を研磨することが可能である。
【0015】
このようなセラミック皮膜研磨方法は,セラミック皮膜(3)の形成が,セラミック溶射によって行われる場合に特に好適に使用される。
【0016】
塗料(4)が,熱硬化性樹脂を含み,当該セラミック皮膜研磨方法が,塗布工程の後,且つ,研磨工程が行われる前に,セラミック皮膜を熱処理することによって熱硬化性樹脂を硬化する熱処理工程を含むことが好ましい。熱処理によって熱硬化性樹脂を硬化することにより,研磨工程の間に発生し得る,望ましくない顔料の拡散が防止され,高精度にセラミック皮膜(3)を研磨することが可能になる。
【0017】
熱硬化性樹脂を含む代わりに,塗料(4)は,常温で揮発性である溶剤を含むことも効果的である。常温で揮発性である溶剤を使用することは,塗料(4)の乾燥のための熱処理を不要にする。
【0018】
顔料は,酸素と化合して気体になる材料で形成されていることが好ましい。上述のセラミック皮膜研磨方法では,セラミック皮膜(3)に,顔料が残存しやすい。顔料が残存すると,輻射率が増大するため,その後の熱処理においてセラミック皮膜の過剰な上昇が起こり得る。酸素と化合して気体になる材料で形成されている顔料は,酸素雰囲気における熱処理によって容易に除去可能である。
【0019】
典型的には,顔料は,黒鉛を含むことが好ましい。黒鉛は,酸素と化合して二酸化炭素になるため,酸素雰囲気での熱処理によって容易に除去可能である。ガスタービン燃焼ガスは大気雰囲気のため,800℃,2時間程度の運転により顔料を構成する黒鉛は,全て気化されて除去される。
【0020】
塗料(4)の材料としては,以下の要求を満足することが好適である。
・季節による温度差による浸透量が均一であること。
・塗布から乾燥までの時間の違いが浸透量に影響しないこと。
・塗布時に塗り広げやすく,垂れ難いこと。
塗布方法は,例えば,スプレー,ハケ塗りなどが使用可能である。
【0021】
本発明によるタービンブレード製造方法は,
タービンブレードを被覆するセラミック皮膜(3)を成膜する形成工程と,
セラミック皮膜(3)に顔料を含む塗料(4)を塗布し,顔料をセラミック皮膜(3)に浸透させる塗布工程と,
セラミック皮膜(3)を研磨する研磨工程
とを備えている。塗料(4)に含まれる顔料がセラミック皮膜(3)に浸透されることにより,セラミック皮膜(3)の研磨量が可視化され,セラミック皮膜(3)を高精度に,且つ,効率的に研磨することが可能になる。
【0022】
本発明によるセラミック皮膜研磨装置は,セラミック皮膜(3)を研削する研削装置(7,8)と,セラミック皮膜(3)を撮像して撮像画像(11)を生成する撮像装置(10)と,撮像画像(11)からセラミック皮膜(3)の表面の色彩を検知し,該色彩に応じて研削装置(7,8)を制御する制御装置(9)とを備えている。当該セラミック皮膜研磨装置は,上述のセラミック皮膜研磨方法及びタービンブレード製造方法において好適に使用される。
【0023】
セラミック皮膜(3)に,顔料を含む塗料(4)が塗布される場合,制御装置(9)は,撮影画像(11)に基づいてセラミック皮膜(3)における顔料の存在の有無を検知し,顔料が実質的にセラミック皮膜(3)から除去されたとき,セラミック皮膜(3)の研磨を停止するように研削装置(7,8)を制御することが好ましい。これにより,セラミック皮膜(3)を所望の膜厚だけ自動的に研磨することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照しながら,本発明によるセラミック皮膜研磨方法の実施の一形態を説明する。
【0025】
本実施の形態では,本発明によるセラミック皮膜研磨方法がタービンブレードの製造に適用されている。当該タービンブレード製造方法は,図1に示されているように,ニッケル基合金で形成されたガスタービン用タービンブレードの母材1(以下,単に「タービンブレード母材1」という。)に,耐酸化性を向上するための金属コーティング2を被覆する工程で開始される。金属コーティング2は,アルミニウムを多量に含む。アルミニウムを含む金属コーティング2は,酸化雰囲気において,その表面にアルミナ皮膜を形成し,タービンブレード母材1を有効に保護する。
【0026】
続いて,図2に示されているように,金属コーティング2の上に,セラミック溶射によってセラミック皮膜3を成膜する工程が行われる。タービンブレードがセラミック皮膜3によって被覆される。セラミック皮膜3としては,YSZ(イットリア安定化ジルコニア)が使用される。YSZで形成されるセラミック皮膜3は,白色を呈する。
【0027】
既述の通り,セラミック溶射によって成膜されたセラミック皮膜3は,所望の膜厚よりも厚い膜厚を有している。このため,以下の工程により,セラミック皮膜3は,研磨によって所望の膜厚に調節される。
【0028】
セラミック皮膜3の形成に続いて,セラミック皮膜3の厚さが計測される。セラミック皮膜3の厚さの計測結果から,除去すべきセラミック皮膜3の厚さが算出される。
【0029】
続いて,図3に示されているように,成膜されたセラミック皮膜3に塗料4が塗布される。塗布される塗料4は,顔料と熱硬化性樹脂とを含む。顔料としては,黒鉛が使用される。顔料として黒鉛を含む塗料4は,黒色を呈する。塗料4の塗布により,顔料が,セラミック皮膜3の表面から内部に,ある程度の厚さだけ拡散して浸透する。図3では,顔料が拡散されている領域が,顔料拡散領域3aとして図示されている。
【0030】
塗料4の組成は,セラミック皮膜3を除去しようとする厚さだけ顔料が拡散するように調整される。セラミック皮膜3の気孔率が高ければ浸透量が上がり易く,気孔率が低ければその逆となる。このため,顔料を希釈する材料が浸透量に応じて変更される。シリコン樹脂を主成分とした塗料4として使用することは,浸透量の調整に有効である。また,顔料を希釈する材料をエタノール,キシレン等にすることが浸透量の調整を容易化するために有効である。水による希釈は浸透量に大きな影響を及ぼさない。
【0031】
続いて,塗料4を乾燥し,硬化するために,該タービンブレードが熱処理される。熱処理の温度及び時間は,塗料4に含まれる熱硬化性樹脂が硬化するように選ばれる。熱硬化性樹脂が硬化されることにより,顔料の拡散は実質的に完全に停止する。
【0032】
続いて,図4に示されているように,セラミック皮膜3が研磨される。該研磨により,塗料4の皮膜も同時に除去される。セラミック皮膜3の研磨には,典型的には,ダイヤモンドペーパや,回転工具が使用される。
【0033】
セラミック皮膜3の研磨は,セラミック皮膜3の色彩を観察しながら行われる。顔料拡散領域3aは,顔料が拡散されていることによって黒色を呈する。一方,セラミック皮膜3のうち顔料が拡散されていない部分は,YSZの本来の色である白色を呈する。セラミック皮膜3の研磨が進むについて,該セラミック皮膜の色は黒色から白色に変化する。即ち,セラミック皮膜3の色彩は,研磨量を示しており,セラミック皮膜3の研磨量は,視覚によって把握可能である。
【0034】
セラミック皮膜3が概ね白色になり,顔料が実質的に観察されなくなったときにセラミック皮膜3の研磨は停止される。これにより,顔料拡散領域3aが除去された時点で,セラミック皮膜3の研磨は停止される。顔料拡散領域3aの厚さは,セラミック皮膜3と塗料4との物理的性質によって定まる一定値であり,除去されるべきセラミック皮膜3の厚さに調整されている。セラミック皮膜3が概ね白色を呈する状態になったときに,セラミック皮膜3の研磨を停止することにより,所望の厚さのセラミック皮膜3の除去が可能である。
【0035】
現実的には,顔料が拡散した痕跡がセラミック皮膜3にうっすらと残る。これは、顔料が拡散した痕跡が研磨工程が完了した後も,セラミック皮膜3には,顔料として使用される黒鉛が微少に残存することを意味する。従って,色見本との対比により,セラミック皮膜3の研磨を停止すべきか否かの判断が行われることが好ましい。
【0036】
塗料4に熱硬化性樹脂が使用されることは,セラミック皮膜3の研磨のときに塗料4の皮膜を効果的に除去可能にする点で好ましい。硬化された熱硬化性樹脂は展性に乏しく,セラミック皮膜3の研磨の際にぱらぱらと剥がれる。このような特性は,セラミック皮膜3の研磨の間に顔料がセラミック皮膜3に拡散することを防ぎ,所望の厚さだけセラミック皮膜3を研磨することを容易にする。
【0037】
続いて,タービンブレードを熱処理する熱処理工程が行われる。該熱処理工程では,タービンブレードは,アルゴン置換雰囲気中で,850℃で,24時間加熱される。該熱処理工程は,金属コーティング2をタービンブレード母材1に馴染ませる。アルゴン置換雰囲気での熱処理では,セラミック皮膜3に微少に残存する黒鉛は除去されない。
【0038】
微少に残存する黒鉛は,800℃,2時間程度の大気中での熱処理により,除去可能である。大気中での熱処理により,微少に残存する黒鉛は,不純物として含まれる酸素と化合して気体である二酸化炭素となり,セラミック皮膜3から離脱する。顔料として黒鉛が使用されることは,酸素雰囲気での熱処理工程によって該顔料の除去を可能にする点で好ましい。
【0039】
その後もセラミック皮膜3に残存する黒鉛は,該タービンブレードが組み込まれたガスタービンを試運転するときに,該試運転によって該タービンブレードがさらされる高温酸化雰囲気によって実質的に完全に除去される。顔料として黒鉛が使用されることは,試運転のときに顔料をより完全に除去することを可能にする点で好ましい。
【0040】
本実施の形態のガスタービン用タービンブレードの製造方法は,セラミック皮膜の研磨量を視覚によって把握することを可能にする。セラミック皮膜の研磨量の調節のために職人的な勘は必要とされない。本実施の形態のガスタービン用タービンブレードの製造方法は,セラミック皮膜の研磨量を可視化することにより,セラミック皮膜を高精度に研磨することを容易化し,セラミック皮膜の研磨の作業効率を効果的に向上する。
【0041】
本実施の形態において,セラミック皮膜3に塗布される塗料として,顔料と揮発性の溶剤とを含んで構成される油性インクが使用され得る。溶剤が揮発性である油性インクの使用は,塗料4を乾燥するための熱処理を行う(ステップS05)工程の省略を可能にする点で好ましい。但し,油性インクが使用される場合,顔料がセラミック皮膜3の深い位置まで拡散するため,顔料拡散領域3aの厚さを薄くし,セラミック皮膜3を薄く研磨することは難しくなる。セラミック皮膜3を研磨すべき研磨量が小さい場合には,顔料と熱硬化性樹脂とを含む塗料4の使用が好適である。
【0042】
セラミック皮膜3の研磨は,セラミック皮膜研磨装置の使用によって自動化され得る。図5は,研磨の自動化のために使用されるセラミック皮膜研磨装置を示している。当該セラミック皮膜研磨装置は,セラミック皮膜3が形成されたタービンブレード5を保持する保持機構6と,研削ヘッド7とを備えている。研削ヘッド7は,回転砥石をセラミック皮膜3に接触させ,セラミック皮膜3を研磨する。研削ヘッド7は,多軸ロボット8に接続されている。多軸ロボット8は,研削ヘッド7の位置及び姿勢が,所望の位置及び姿勢にあるように,研削ヘッド7を移動して保持する。研削ヘッド7と多軸ロボット8は,制御装置9に接続され,制御装置9によって制御される。制御装置9は,撮像カメラ10に接続される。撮像カメラ10は,タービンブレード5を撮像して撮像画像11を制御装置9に送る。制御装置9は,撮像画像11に対して画像処理を行い,該画像処理により,セラミック皮膜3の色彩を検知する。制御装置9は,セラミック皮膜3の色彩に応答して研削ヘッド7と多軸ロボット8とを制御する。
【0043】
当該セラミック皮膜研磨装置は,以下の動作により,セラミック皮膜3を研磨する。研削ヘッド7と多軸ロボット8とが制御装置9によって制御され,セラミック皮膜3の研磨が開始される。セラミック皮膜3の研磨の間,撮像カメラ10によってタービンブレード5が逐次に撮像され,撮像画像11が制御装置9に送られる。タービンブレード5のセラミック皮膜3は,既述のように塗料4が塗布されるため,セラミック皮膜3の研磨量に応じてその色彩が黒色から白色に変化していく。制御装置9は,撮像画像11をある閾値を用いて2値化して2値化画像を生成する。制御装置9は,該2値化画像に基づいて,セラミック皮膜3の全体が白色になったか否かを検知する。制御装置9は,研削ヘッド7と多軸ロボット8とを制御して,セラミック皮膜3の全体が白色になるように,セラミック皮膜3を研磨する。セラミック皮膜3の実質的に全体が白色になったとき,制御装置9は,顔料がセラミック皮膜3から実質的に完全に除去されたと判断し,セラミック皮膜3の研磨を停止する。セラミック皮膜3のうちの顔料拡散領域3aが除去される。上述の当該セラミック皮膜研磨装置の動作は,セラミック皮膜3を所望の研磨量だけ自動的に研磨することを可能にする。
【0044】
セラミック皮膜3の研磨量は,撮像画像11に現れたセラミック皮膜3の各部分の色の濃さによってコントロールすることも可能である。制御装置9は,撮像画像11に現れたセラミック皮膜3の各部分の色の濃さから,セラミック皮膜3を研磨すべき研磨量を把握する。制御装置9は,セラミック皮膜3を該研磨量だけ研磨するように研削ヘッド7と多軸ロボット8とを制御する。
【0045】
上述の本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,タービンブレードの製造以外にも,薄いセラミック皮膜を,高精度に形成する必要がある他の用途にも適用可能である。但し,本発明によるセラミック皮膜研磨方法は,厳しい設計公差が求められるガスタービン用タービンブレードの製造に特に好適に使用される。
【0046】
【実施例】
アロンセラミックC(東亜化学の登録商標)に,顔料として黒鉛が混合されて調製された塗料が,塗料4として使用された。アロンセラミックCと黒鉛の重量比は,50:2であった。
【0047】
アロンセラミックCは,シリカと無機ポリマーとを主成分とし,加熱により硬化する無機系接着剤である。アロンセラミックCは,耐熱性に優れ,1200〜1300℃の高温に耐える。アロンセラミックCの使用は,仮に,アロンセラミックCがセラミック皮膜3に残存しても,タービンブレードの耐久性に何らの影響もない点で好適である。アロンセラミックCは,その粘度が70,000cpsであり,密度が,1.9g/cm3である。
【0048】
塗料4には,その粘度の調整のために,水が添加された。アロンセラミックCと水との重量比は,50:5であった。
【0049】
YSZによって形成されたセラミック皮膜3に,上述の組成を有する塗料4が塗布され,顔料である黒鉛がセラミック皮膜3に浸透された。150℃,1時間の熱処理により,塗料4は硬化された。塗料4が硬化された後,セラミック皮膜3が研磨された。セラミック皮膜3が概ね白色を呈するようになった状態で研磨が停止された。
【0050】
セラミック皮膜3の研磨量は,概ね120μm〜170μmであった。セラミック皮膜3の研磨量は,作業環境の温度による影響を受けず安定していた。
【0051】
【発明の効果】
本発明により,セラミック皮膜を,高精度に,且つ,効率的に研磨するための技術が提供される。
【0052】
また,本発明により,セラミック皮膜を高精度に,且つ,効率的に研磨することにより,タービンブレードの製造を効率化するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図2は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図3】図3は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図4】図4は,本発明によるタービンブレード製造方法の実施の一形態を示す断面図である。
【図5】図5は,本発明によるセラミック皮膜研磨方法及びタービンブレード製造方法において好適に使用されるセラミック皮膜研磨装置を示す。
【符号の説明】
1:タービンブレード母材
2:金属コーティング
3:セラミック皮膜
3a:顔料拡散領域
4:塗料
5:タービンブレード
6:保持機構
7:研削ヘッド
8:多軸ロボット
9:制御装置
10:撮像カメラ
11:撮像画像
Claims (12)
- セラミック皮膜の表面に顔料を含む塗料を塗布し,前記顔料を前記セラミック皮膜に浸透させる塗布工程と,
前記塗布工程の後,前記セラミック皮膜を研磨する研磨工程
とを備えた
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記研磨工程は,前記セラミック皮膜の研磨量を,前記セラミック皮膜が前記顔料に起因して呈する色彩に基づいて把握する研磨量把握工程を含む
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記研磨工程は,前記顔料が実質的に観察されなくなったとき前記セラミック皮膜の研磨を停止する工程を含む
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記セラミック皮膜の形成は,セラミック溶射によって行われる
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
更に,
前記塗布工程の後,且つ,前記研磨工程が行われる前に,前記セラミック皮膜を熱処理する熱処理工程を含み,
前記塗料は,前記熱処理工程によって硬化する熱硬化性樹脂を含む
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記塗料は,常温で揮発性である溶剤を含む
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記顔料は,酸素と化合して気体になる材料で形成されている
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項1に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記顔料は,黒鉛を含む
セラミック皮膜研磨方法。 - 請求項7又は請求項8に記載のセラミック皮膜研磨方法において,
前記研磨工程の後,前記タービンブレードを酸素を含む雰囲気で熱処理する他の熱処理工程を含む
セラミック皮膜研磨方法。 - ガスタービン用タービンブレードを被覆するセラミック皮膜を成膜する形成工程と,
前記セラミック皮膜の表面に顔料を含む塗料を塗布し,前記顔料を前記セラミック皮膜に浸透させる塗布工程と,
前記セラミック皮膜を研磨する研磨工程
とを備えた
ガスタービン用タービンブレード製造方法。 - セラミック皮膜を研削する研削装置と,
前記セラミック皮膜を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と,
前記撮像画像から前記セラミック皮膜の表面の色彩を検知し,前記色彩に応じて前記研削装置を制御する制御装置
とを備えた
セラミック皮膜研磨装置。 - 請求項11に記載のセラミック皮膜研磨装置において,
前記セラミック皮膜には,顔料を含む塗料が塗布され,
前記制御装置は,前記撮影画像に基づいて前記セラミック皮膜における前記顔料の存在の有無を検知し,前記顔料が実質的に前記セラミック皮膜から除去されたとき,前記セラミック皮膜の研磨を停止するように前記研削装置を制御する
セラミック皮膜研磨装置。
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