JP3163551B2 - 応力除去型耐酸化コーティング施工方法 - Google Patents

応力除去型耐酸化コーティング施工方法

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JP3163551B2
JP3163551B2 JP21887393A JP21887393A JP3163551B2 JP 3163551 B2 JP3163551 B2 JP 3163551B2 JP 21887393 A JP21887393 A JP 21887393A JP 21887393 A JP21887393 A JP 21887393A JP 3163551 B2 JP3163551 B2 JP 3163551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度および耐熱・耐酸
化性に優れていることが要求される主構造部材または補
助構造部材ないしは熱防護材等の高強度・耐熱・耐酸化
性部材として好適に利用されるC/C基材(炭素繊維/
炭素複合材)に関し、特に、熱サイクルないしは熱衝撃
によるC/C基材の酸化,耐酸化コーティング(SiC
層)の割れないしは剥離,さらにはC/C基材の割れ等
の発生を従来以上に有効に防止するのに適用されるC/
C基材用応力除去型耐酸化コーティング施工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維/炭素複合材(C/C材)は、
繊維強化樹脂(FRP)を焼成しそして炭素成分を補給
して炭化および緻密化するC/C化工程を経て製造さ
れ、高強度で且つ耐熱性,耐食性に優れた軽量材料とし
て、宇宙航空関連や化学装置関連等の分野において適し
た材料である。
【0003】しかしながら、このC/C材は、耐酸化性
に劣るため、従来より種々の耐酸化コーティングが施工
されている。
【0004】図6は、従来のC/C基材に対する耐酸化
コーティング施工技術の一例を示すものであって、C/
C基材11の表面(一部ないしは全面)にSiC−拡散
処理層12およびSiC−CVD層13を順次形成し、
さらにクラックシーリング14を施した構造をなしてい
る。
【0005】このようなC/C基材11に対する耐酸化
コーティングは、まず、繊維強化樹脂(FRP)を20
00〜2800℃で焼成しそしてピッチ等の炭素成分を
補給して炭化および緻密化することにより得たC/C基
材11に対して、1900〜2000℃でSiC−拡散
処理(気相もしくは固相拡散処理)を行うことによって
SiC−拡散処理層(SiC傾斜層)12を形成し、次
いで、1200〜1300℃でSiC−CVD処理を行
うことによって、強固で且つ緻密なSiC−CVD層1
3を形成し、さらに、C/C基材11とSiCとの熱膨
張差(C/C基材の熱膨脹係数は1×10−7,SiC
の熱膨脹係数は3×10−6)により発生しているマイ
クロクラック15を埋めるためのシーリング処理を行う
ことによってクラックシーリング14を施すことにより
なされる。
【0006】ここで、SiC−拡散処理層12は、C/
C基材11とSiCとの熱膨張差により発生する応力の
緩和層として、また、SiC−CVD層13が剥離した
時においてC/C基材11の耐酸化性能を確保するため
の耐酸化層として機能する。
【0007】また、SiC−CVD層13は、耐酸化性
があまり良くないC/C基材11においてその耐酸化性
能を向上させるための耐酸化層として機能する。
【0008】さらに、クラックシーリング14は、C/
C基材11とSiCとの熱膨張差により発生したマイク
ロクラック15を埋め、使用温度付近(例えば、170
0℃付近)で溶融して酸素アタックを防止する機能を有
し、シーリング材としては、ジルコン系(SiO−Z
rO系)のものやムライト系(Al−SiO
系)のものなどが使用される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな耐酸化コーティングを施したC/C基材11におい
ては、最終熱処理温度が、SiC−CVD処理時におけ
る1200〜1300℃であるため、それ以上の温度環
境に曝された場合に、C/C基材11とSiCとの熱膨
張差によって発生したマイクロクラック15が1200
〜1300℃で閉じそしてさらに温度が上昇して熱膨張
することによりマイクロクラック15の閉じた部分で圧
縮応力を集中的に発生し、この圧縮応力に耐えることが
できなくなったときにSiC−CVD層13の欠けや剥
離を生じたりし、SiC−CVD層13の欠けや剥離と
共にクラックシーリング14も飛ばされてC/C基材1
1が露出した状態となり、C/C基材11自体に亀裂な
いしは剥離を生じたり酸化消耗したりすることがあると
いう問題点があった。
【0010】そしてこの場合、1200〜1300℃以
上の使用温度(例えば、1700℃)への昇温速度が遅
い時には、まず、1200〜1300℃の温度におい
て、図7の(a)に示すように、SiC−CVD層13
に形成されているマイクロクラック15がほぼ閉じてク
ラックシーリング14のシーリング材14aが表面に押
し出されると共に、SiC−拡散処理層12に形成され
ているマイクロクラック15は完全に閉じていない状態
となり、次に、温度が1700℃までゆっくりと上昇す
ると、図7の(b)に示すように、SiC−CVD層1
3に形成されているマイクロクラック15が完全に閉
じ、このとき、熱膨張による圧縮応力は昇温速度が遅い
ためにSiC−CVD層13の昇温過程で応力除去がな
されるため剥離は発生しないものの、応力除去によって
むしろマイクロクラック15が広がり、C/C基材11
が酸化されうる状態となって、その後1700℃から常
温へと降下する際には、図7の(c)に示すように、マ
イクロクラック15の部分が開くために、C/C基材1
1が酸化雰囲気に曝されることとなって、酸化消耗を発
生することがあった。
【0011】また、1200〜1300℃以上の使用温
度(例えば、1700℃)への昇温速度が早いときに
は、まず、1200〜1300℃の温度において、図8
の(a)に示すように、SiC−CVD層13に形成さ
れているマイクロクラック15がほぼ閉じてクラックシ
ーリング14のシーリング材14aが表面に押し出され
ると共に、SiC−拡散処理層12に形成されているマ
イクロクラック15は完全には閉じていない状態とな
り、次に、温度が1700℃まで急速に上昇すると、図
8の(b)に示すように、SiC−CVD層13の急激
な熱膨張による急速な圧縮応力の発生に耐えることがで
きなくなってSiC−CVD層13により大きな亀裂な
いしは剥離を生じたりさらにはC/C基材11の亀裂な
いしは剥離11aを生じたりし、その後1700℃から
常温へと降下する際には、図8の(c)に示すように、
C/C基材11の一部が酸化消耗すると共にC/C基材
11の亀裂ないしは剥離発生による強度低下や形状破壊
を生じることがあった。
【0012】したがって、SiC−CVD処理時の温度
である1200〜1300℃を超える温度に曝されたと
きでも、SiCコーティング層の割れや剥離そしてまた
C/C基材自体の酸化や強度低下,形状破壊等を生じが
たいものとすることが可能であるC/C基材用の耐酸化
コーティング施工技術の開発が望まれているという課題
があった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、C/C基材に対するSi
C−CVD処理時の例えば1200〜1300℃を超え
る例えば1700℃程度の高い温度に曝されたときで
も、SiCコーティング層の割れや剥離等の不具合を生
じがたく、C/C基材の酸化や割れ等による強度低下,
形状破壊などの不具合を生じない耐熱・耐酸化性の優れ
た主構造部材または補助構造部材ないしは熱防護材を提
供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる応力除去
型耐酸化コーティング施工方法は、C/C基材にSiC
−拡散処理を行ってSiC−拡散処理層を形成したの
ち、SiC−CVD処理を行ってSiC−CVD層を形
成し、次いで、使用温度ないしはそれ以上の温度で且つ
不活性なガス雰囲気中で応力除去焼成処理を行ってC/
C基材とSiCとの熱膨張差により生じるマイクロクラ
ックを故意的に広げないしは新たなマイクロクラックを
生じさせ、その後、マイクロクラックを埋めるシーリン
グ処理を行ってクラックシーリングを施し、使用温度で
の熱膨張差による表面コーティング層での圧縮応力の発
生を減少させないしはなくすようにしたことを特徴とし
ており、また、必要に応じて採用される実施態様におい
ては、不活性なガスとしてNを使用し、Nガス雰囲
気中で応力除去焼成処理を行ってSiC−CVD層の表
面をSi化するようにしたことを特徴としてい
る。
【0015】図1は、本発明に係わる応力除去型耐酸化
コーティング方法を実施した耐酸化コーティングC/C
基材を示すものであって、C/C基材1の表面(一部な
いしは全面)にSiC−拡散処理層2およびSiC−C
VD層3を順次形成し、さらにクラックシーリング4を
施した構造をなしている。
【0016】このようなC/C基材1に対する耐酸化コ
ーティングは、まず、繊維強化樹脂(FRP)を200
0〜2800℃で焼成しそしてピッチ等の炭素成分を補
給して炭化および緻密化することにより得たC/C基材
1に対して、SiC−拡散処理(気相もしくは固相拡散
処理)を行うことによってSiC−拡散処理層(SiC
傾斜層)2を形成し、次いで、1200〜1300℃で
SiC−CVD処理を行うことによって、強固で且つ緻
密なSiC−CVD層3を形成し、さらに、使用温度
(例えば、1700℃)ないしはそれ以上の温度でかつ
不活性なガス雰囲気中で応力除去焼成処理を行ってC/
C基材1とSiCとの熱膨張差により生じるマイクロク
ラック5を故意的に広げないしは新たなマイクロクラッ
クを生じさせた後、シーリング材を用いてマイクロクラ
ック5を埋めるクラックシーリング4を施し、使用温度
(例えば、1700℃)でのC/C基材11とSiCと
の熱膨張差による表面コーティング層での圧縮応力の発
生を減少させないしはなくすようにする。
【0017】ここで、SiC−拡散処理層2は、C/C
基材1とSiCとの熱膨張差により発生する応力の緩和
層として、また、SiC−CVD層13がもし剥離した
時においてC/C基材1の耐酸化性を確保するための耐
酸化層として機能する。
【0018】このSiC−拡散処理は、1900〜20
00℃の温度で、C/C基材1を一酸化珪素と次式のご
とく反応させることによって、耐熱性,耐摩耗性,耐熱
衝撃性,耐剥離性に優れかつまた化学的に安定な炭化珪
素で拡散層を形成する。
【0019】2C+SiO=SiC+CO
【0020】また、このほか、例えば、1050〜12
50℃に加熱したC/C基材1の表面にHとSiCl
との混合ガスを流し、SiClがHにて還元され
てSiがC/C基材1の表面に沈着するようにしたCV
D法によってSiの被覆層を形成し、次いで、Siの溶
融温度付近(1400〜1450℃)で熱処理すること
によってSiとC/C基材1とを反応させてSiCの拡
散層であるSiC−拡散処理層2を形成することもでき
る。
【0021】また、SiC−CVD層3は、耐酸化性が
あまり良くないC/C基材1においてその耐酸化性能を
向上させるための耐酸化層として機能する。
【0022】このSiC−CVD層3の形成に際して
は、金属ハライドを用いて、 SiCl(g)+CxHy(g)+H(g)→Si
C(s)+HCl(g)+[C,H](g) の反応によりCVD処理することによってSiC−拡散
処理層2の表面にSiC−CVD層3を形成させるよう
になすことが可能である。
【0023】また、加熱基体表面における熱分解を利用
して、 CHSiCl(g)→SiC(s)+3HCl
(g) の分解によりSiC−拡散処理層2の表面にSiC−C
VD層3を形成させるようになすことも可能である。
【0024】このようにして、SiC−拡散処理層2の
表面にSiC−CVD層3を形成したのち、使用温度
(例えば、1700℃)ないしはそれ以上の温度でかつ
不活性なガス雰囲気中で応力除去焼成処理を行って、C
/C基材1とSiCとの熱膨張差により生じるマイクロ
クラック5を故意的に広げないしは新たなマイクロクラ
ックを生じさせるが、この場合、使用温度までの昇温速
度は、C/C基材1等に熱衝撃が付加されない程度の昇
温パターンとし、例えば、図3に示すように、約600
℃/Hr以下の昇温速度で加熱することが望ましい。
【0025】また、このような応力除去焼成処理に際し
ての保持時間は、いったん温度を上げ下げすれば先に述
べた効果が発生するため、基本的には保持時間をもたせ
る必要はないが、C/C基材全体の温度分布等を考慮し
て30〜60分程度の保持を行うことも場合によっては
望ましい。
【0026】さらに、焼成処理後の降温速度は、例えば
炉冷等によって、約100℃/Hr以下とすることが望
ましい。
【0027】そして、このようにマイクロクラック5を
故意に広げないしは新たなマイクロクラックを形成した
あと、使用温度付近で溶融してマイクロクラック5を満
たしそしてまた酸素アタックを防止するためのシーリン
グ処理を行って、表面およびマイクロクラック5中にク
ラックシーリング4を施す。
【0028】このとき、シーリング材としては、ジルコ
ン系(SiO−ZrO系)のものやムライト系(A
−SiO系)のものなどが使用される。
【0029】そして、不活性なガス雰囲気としては、ア
ルゴンを用いることにより、クラックシーリング4の下
層にSiC−CVD層3が形成されていることとなり、
このSiCは、分解融点:2830±40℃で、200
0℃で昇華分解し始め、2200℃で昇華し、900℃
付近から酸化雰囲気でSiOを形成し、900℃以上
1700℃付近までにおいて優れた耐酸化性能を発揮す
る。
【0030】他方、前記応力除去焼成処理に際して、雰
囲気ガスとして窒素ガスを使用した場合には、SiC−
CVD層3の表面がSiとなる。
【0031】このように、不活性なガス雰囲気として窒
素を用いることにより、クラックシーリング4の下層に
表面がSi化したSiC−CVD層3が形成され
ていることとなり、このSiは、1900℃で分
解し、分解温度以下の酸化雰囲気中でSiOを形成し
て十分な耐酸化性能を発揮する。
【0032】このようにして、C/C基材1に対して上
記した応力除去型耐酸化コーティング施工を行った耐熱
・耐酸化性主構造部材または補助構造部材ないしは熱防
護材等において、例えば、図2の(a)に示すように、
1300℃程度の環境にある場合、応力除去焼成処理に
よって故意に拡大されそしてクラックシーリング4が施
されたマイクロクラック5は、SiC−CVD層3およ
びSiC−拡散処理層2の両方において完全には閉じて
いないものとなり、シーリング材4aが若干上方に押し
出される状態となる。
【0033】そして、温度がさらに上昇し、例えば、図
2の(b)に示すように、1700℃程度となったと
き、SiCコーティング層(2,3)はさらに膨張する
が、このときにもマイクロクラック5は、SiC−CV
D層3およびSiC−拡散処理層2においていずれも完
全には閉じないこととなり、したがって、圧縮応力が発
生しないか減少することとなって、SiCコーティング
層(2,3)には剥離が生じないものとなる。
【0034】さらに、1700℃から常温への降温時に
おいても、図2の(c)に示すように、表面にはクラッ
クシーリング4が形成された状態となっているため、C
/C基材1が酸化されるようなことはない。
【0035】
【発明の作用】本発明に係わるC/C基材1に対する応
力除去型耐酸化コーティング施工方法では、図4にも示
すように、まず、図4の(a)工程において、C/C基
材1を用意し、次いで、図4の(b)工程において、1
900〜2000℃でSiC−拡散処理を行ってSiC
−拡散処理層2を形成し(このとき、C/C基材1は熱
膨張している。)、次いで、図4の(c)工程において
常温に戻すと、C/C基材1とSiCとの熱膨張差によ
ってSiC−拡散処理層2にマイクロクラック5が発生
し、次いで、図4の(d)工程において、1200〜1
300℃でSiC−CVD処理を行ってSiC−CVD
層3を形成し(このとき、CVD−拡散処理層2のマイ
クロクラック5は再び小さくなるが、閉じはしな
い。)、次いで、図4の(e)工程においてC/C基材
1を常温に戻すとC/C基材1とSiCとの熱膨張差に
よってSiC−CVD層3にもマイクロクラック5が発
生する。
【0036】次いで、図4の(f)工程において、使用
温度(例えば、1700℃)で且つ不活性なガス雰囲気
中で応力除去焼成処理を行ってC/C基材1とSiCと
の熱膨張差により生じたマイクロクラック5をSiCの
熱膨張によって故意に破壊を生じさせてマイクロクラッ
ク5を広げないしは常温に戻した際に新たなマイクロク
ラック5を生じさせ、次いで、図4の(g)工程におい
て、クラックシーリング処理することによりクラックシ
ーリング4を施すことによって耐酸化コーティングを終
了するようにしているので、図4の(h)に示すよう
に、1300〜1700℃の温度で使用したときでも、
マイクロクラック5が完全には閉じないこととなり、し
たがってSiCコーティング層(2,3)にはマイクロ
クラック5が完全に閉じたときにおけるような圧縮応力
が発生しないか発生するとしても減少することとなり、
SiCコーティング層(2,3)に剥離が生じないこと
となって、C/C基材1が露出することによる耐酸化性
の低下が防止されることとなる。
【0037】これに対して、従来のC/C基材11に対
する耐酸化コーティング施工方法では、図5にも示すよ
うに、まず、図5の(a)工程において、C/C基材1
1を用意し、次いで、図5の(b)工程において、19
00〜2000℃でSiC拡散処理を行ってSiC−拡
散処理層12を形成し(このとき、C/C基材1は熱膨
張している。)、次いで、図5の(c)工程において常
温に戻すと、C/C基材1とSiCとの熱膨張差によっ
てSiC−拡散処理層12にマイクロクラック15が発
生し、次いで、図5の(d)工程において、1200〜
1300℃でSiC−CVD処理を行ってSiC−CV
D層13を形成し(このとき、CVD−拡散処理層12
のマイクロクラック15は再び小さくなるが、閉じはし
ない。)、次いで、図5の(e)工程においてC/C基
材11を常温に戻すとC/C基材11とSiCとの熱膨
張差によってSiC−CVD層13にもマイクロクラッ
ク15が発生する。
【0038】次いで、図5の(f)工程においてシーリ
ング処理することによって表面およびマイクロクラック
15にクラックシーリング14を施して耐酸化コーティ
ングを終了するようにしているので、図5の(g)に示
すように、1300〜1700℃の温度で使用されたと
きには、SiC−CVD層13のマイクロクラック15
が完全に閉じ、さらに、温度が上昇してSiC−CVD
層13が熱膨張することによって圧縮応力がマイクロク
ラック15の閉じた部分に集中して発生し、SiC−C
VD層13が欠けたり剥離したり、SiC−CVD層1
3と共にクラックシーリング14が飛ばされて、図5の
(h)に示すようにC/C基材11が酸化消耗するおそ
れがあった。
【0039】
【実施例】繊維強化樹脂(FRP;繊維として炭素繊
維,樹脂としてエポキシ樹脂を使用したもの)を焼成し
そしてピッチ等の炭素成分を補給し炭化および緻密化す
ることにより得たC/C基材1に対し、1900℃で一
酸化珪素(SiO)を接触させることによって、表面に
SiC−拡散処理層2を形成したのち、金属ハライド
(SiCl)を用いたCVD処理によって、SiC−
拡散処理層2の表面にSiC−CVD層3を形成した。
【0040】次いで、図3に示すように、Ar不活性ガ
ス中において、600℃/Hr以下の加熱速度で使用温
度(ここでは、1700℃)まで温度上昇させたのち、
30〜60分保持し、その後、炉中において100℃/
Hr以下の冷却速度で冷却する応力除去処理を行った。
【0041】次いで、ムライト系(Al−SiO
の2成分系)シーリング材を用いてシーリング処理す
ることにより、SiC−CVD層3の表面にクラックシ
ーリング4を施すと共にマイクロクラック5中にシーリ
ング材を充填して、本発明実施例による応力除去型耐酸
化コーティングを行った供試材を得た。
【0042】一方、比較のために、上記応力除去焼成処
理を行うことなくSiC−CVD層13の表面にクラッ
クシーリング14を施すと共にマイクロクラック15中
にシーリング材を充填した従来例による耐酸化コーティ
ングを行った供試材を得た。
【0043】次いで、各供試材に対して熱サイクル試験
(1700℃×1100秒×10サイクル(常温→17
00℃;5〜6秒,1700℃→200℃:10分)の
熱サイクル試験)を行って、重量減少率ならびにC/C
基材(1,11)およびコーティング層(2,3,1
2,13)の剥離の有無を調べたところ、表1に示す結
果であった。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示したように、応力除去型耐酸化コ
ーティングを行った発明例1,2では、初期の重量減少
率が少なく、サイクル数の増大にしたがって重量減少率
が増加するとしてもC/C基材1およびSiCコーティ
ング層(2,3)の剥離は生じないものとなっていた。
【0046】これに対して、従来の耐酸化コーティング
を行った比較例では、初期の重量減少率が多いと共に1
サイクルで早くもC/C基材11およびSiCコーティ
ング層(12,13)に剥離が認められた。
【0047】
【発明の効果】本発明に係わるC/C基材に対する応力
除去型耐酸化コーティング施工方法では、C/C基材に
SiC−拡散処理を行ってSiC−拡散処理層を形成し
たのち、SiC−CVD処理を行ってSiC−CVD層
を形成し、次いで、使用温度ないしはそれ以上の温度で
且つ不活性なガス雰囲気中で応力除去焼成処理を行って
C/C基材とSiCとの熱膨張差により生じるマイクロ
クラックを故意的に広げないしは新たなマイクロクラッ
クを生じさせ、その後、マイクロクラックを埋めるシー
リング処理を行ってクラックシーリングを施し、使用温
度での熱膨張差による表面コーティング層での圧縮応力
の発生を減少させないしはなくす構成としたから、C/
C基材に対するSiC−CVD処理時の例えば1200
〜1300℃を超える例えば1700℃程度の高い温度
に曝されたときでも、SiCコーティング層に熱膨張差
による圧縮応力が減少しないしは発生しなくなり、Si
Cコーティング層の割れや剥離等の不具合を生じがたく
なって、C/C基材の酸化や割れ等を生じない耐熱・耐
酸化ならびに耐熱衝撃性に優れたC/C材料よりなる主
構造部材または補助構造部材ないしは熱保護材を得るこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる応力除去型耐酸化コーティング
の実施態様を示すC/C基材および耐酸化コーティング
層の模型的構造(図1の(a))および断面構造(図1
の(b))を示す説明図である。
【図2】図1に示す応力除去型耐酸化コーティングを行
ったC/C基材において、1300℃(図2の
(a)),1700℃(図2の(b))および1700
℃から常温に降下したとき(図2の(c))での断面構
造の変化を示す説明図である。
【図3】応力除去焼成処理時の時間−温度パターンを示
すグラフである。
【図4】本発明に係わる応力除去型耐酸化コーティング
を行ったC/C基材において、耐酸化コーティングを行
う初期から耐酸化コーティング後に1300℃以上の温
度に曝されるときまでの断面構造の変化を作用と共に順
次示す説明図である。
【図5】従来例の耐酸化コーティングを行ったC/C基
材において耐酸化コーティングを行う初期から耐酸化コ
ーティング後に1300℃以上の温度に曝されるときま
での断面構造の変化を作用と共に順次示す説明図であ
る。
【図6】従来例により耐酸化コーティングを行ったC/
C基材および耐酸化コーティング層の模型的構造(図6
の(a))および断面構造(図6の(b))を示す説明
図である。
【図7】図6に示す耐酸化コーティングを行ったC/C
基材において、昇温速度が遅いときにおける1300℃
(図7の(a)),1700℃(図7の(b))および
1700℃から常温に降下したとき(図7の(c))で
の断面構造の変化を示す説明図である。
【図8】図6に示す耐酸化コーティングを行ったC/C
基材において、昇温速度が速いときにおける1300℃
(図8の(a)),1700℃(図8の(b))および
1700℃から常温に降下したとき(図8の(c))で
の断面構造の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 C/C基材 2 SiC−拡散処理層 3 SiC−CVD層 4 クラックシーリング 5 マイクロクラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/80 - 41/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C/C基材にSiC−拡散処理を行って
    SiC−拡散処理層を形成したのち、SiC−CVD処
    理を行ってSiC−CVD層を形成し、次いで、使用温
    度ないしはそれ以上の温度で且つ不活性なガス雰囲気中
    で応力除去焼成処理を行ってC/C基材とSiCとの熱
    膨張差により生じるマイクロクラックを故意的に広げな
    いしは新たなマイクロクラックを生じさせ、その後、マ
    イクロクラックを埋めるシーリング処理を行ってクラッ
    クシーリングを施すことを特徴とするC/C基材用応力
    除去型耐酸化コーティング施工方法。
  2. 【請求項2】 不活性なガスとしてNを使用し、N
    ガス雰囲気中で応力除去焼成処理を行ってSiC−CV
    D層の表面をSi化することを特徴とする請求項
    1に記載のC/C基材用応力除去型耐酸化コーティング
    施工方法。
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