JP2009133240A - 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン - Google Patents

遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン Download PDF

Info

Publication number
JP2009133240A
JP2009133240A JP2007309106A JP2007309106A JP2009133240A JP 2009133240 A JP2009133240 A JP 2009133240A JP 2007309106 A JP2007309106 A JP 2007309106A JP 2007309106 A JP2007309106 A JP 2007309106A JP 2009133240 A JP2009133240 A JP 2009133240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal barrier
layer
barrier coating
gas turbine
zirconia
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007309106A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5091642B2 (ja
Inventor
Masahito Shida
雅人 志田
Taiji Torigoe
泰治 鳥越
Ikuo Okada
郁生 岡田
Takayuki Yamashita
孝幸 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2007309106A priority Critical patent/JP5091642B2/ja
Publication of JP2009133240A publication Critical patent/JP2009133240A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5091642B2 publication Critical patent/JP5091642B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T50/00Aeronautics or air transport
    • Y02T50/60Efficient propulsion technologies, e.g. for aircraft

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 減耗度を簡便に確認できる遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービンを提供するものである。
【解決手段】 本発明にかかる遮熱コーティング21は、部分安定化ジルコニアで構成されるセラミックス層25を有する遮熱コーティング21であって、このセラミックス層25は、厚さ方向に隣り合う層で色が異なる複数の分割層である表層27、第2層29および第3層31によって構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービンに関するものである。
たとえば、ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒あるいは分割環などの高温部品は、高温環境下にて使用されるため、一般に、その表面に遮熱コーティングが施されている(特許文献1参照)。
従来、遮熱コーティングは、動翼等の基材上にMCrAlY合金(Mは、NiやCoやFe等の単独元素またはそれらの2種類以上の元素の組み合わせ)よりなる金属結合層が積層され、さらにその上にトップコートとして、たとえば、イットリア部分安定化ジルコニア(ZrO2・8Y)等の部分安定化ジルコニアで形成されたセラミックス層、が積層された構成となっている。
タービンが高温で長時間運転されると、高温部品の表面に施された遮熱コーティングは熱的損傷を受ける。また、たとえば、高炉ガス焚きガスタービンでは、燃焼ガス中に酸化鉄などの粒子が含まれているので、この粒子が飛来し遮熱コーティングに当接し機械的損傷を与える。
これらにより、遮熱コーティングには摩耗したり、剥離したりして、厚さが薄くなる部分が発生する。このように遮熱コーティングの厚さが薄くなると、所定の遮熱効果を発揮できなくなり、高温部品に高温が作用するようになるので、高温部品が熱的に損傷する可能性は大きくなる。
このため、ガスタービンでは、たとえば、所定運転時間毎に遮熱コーティングの厚さ、すなわち、減耗の程度を測定し、その結果によって補修するあるいは再コーティングする時期を決めている。
従来、遮熱コーティングの厚さは、高温部品を取出し、それを切断して測定されるか、あるいは、切断せず、たとえば、渦電流探傷法等を用いて測定されている。
特開2002−37665号公報
ところで、高温部品を取出し切断して測定するものでは、対象となった高温部材は再度利用できず、新しいものと交換する必要があるので、経済的でない。
また、渦電流探傷法等を用いて測定するものでは、測定装置を用いて測定する必要があるので、ガスタービン設置場所で、短時間で、かつ、簡便に測定することができない。
本発明は、上記課題に鑑み、減耗度を簡便に確認できる遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービンを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる遮熱コーティングは、部分安定化ジルコニアで構成される遮熱層を有する遮熱コーティングであって、該遮熱層は、厚さ方向に隣り合う層で色が異なる複数の分割層によって構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、遮熱層は、厚さ方向に隣り合う層で色が異なる複数の分割層によって構成されているので、たとえば、表面の分割層が減耗して次層の分割層が表面に現れる部分があるとその部分の色が他の部分と異なる色となる。さらに、下の層が表面に現れるとまた、周囲と色が異なることになる。
したがって、遮熱コーティングの色を目視で観察することによって遮熱コーティングの減耗度を判断できるので、遮熱コーティングの減耗度を簡便に確認することができる。
なお、分割層の数は、適宜数とされるが、遮熱コーティングを補修するあるいは再コーティングする時期を決めるためであれば、2〜3層で十分である。
上記発明において、前記分割層は、全て色が異なっていることが好ましい。
たとえば、表面の分割層と表から3番目の分割層が同じ色であれば、遮熱コーティングが減耗して表から3番目の分割層が現れている場合でも、それが表面の分割層と判断される可能性があるが、この発明のように全て色が異なる分割層としていれば、この誤判断を防止することができる。
上記発明において、前記部分安定化ジルコニアは、安定化材として酸化イットリウム(Y)を用い、前記各分割層に用いられるジルコニアは、その純度が変化させられているようにしてもよい。
酸化イットリウムを安定化材として用いたイットリア部分安定化ジルコニアは、ジルコニアの色になる。ジルコニアの色は、その純度、特に、不純物として含まれる二酸化ケイ素(SiO)の量によって色が白色から黄色に変化する。すなわち、ジルコニアは純度が低くなり、二酸化ケイ素の量が多くなる程黄色となる。
たとえば、二酸化ケイ素が0.05%以下の超高純度グレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアは白色となる。二酸化ケイ素が0.3wt%を越える通常グレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアは黄色となる。二酸化ケイ素が0.1wt%前後の高純度グレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアはやや黄色となる。言い換えると、二酸化ケイ素が0.05wt%を越え0.03%wt以下のグレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアはやや黄色となる。
したがって、ジルコニアの純度を変化させて分割層を形成することによって、分割層の色を層毎に変化させることができる。しかも、市販のジルコニアで、所定純度のものを用いるだけでよいので、調整が容易である。
この場合、判断の容易さを考えると、表面からグレードのよい順あるいは悪い順に、順次変化するようにするのが好ましい。
また、遮熱コーティングの強度を考えると、最下層に超高純度グレードのジルコニアを用いるようにするのが好ましい。
上記発明において、前記分割層は、色の異なる安定化材を用いて形成されていてもよい。
部分安定化ジルコニアは、安定化材によって特異な色となるものがある。少なくとも隣り合う分割層でこの特異な色となる安定化材を用いることによって、色の異なる分割層を形成することができる。
この場合、前記分割層は、前記色の異なる安定化材を混合して用いるようにしてもよい。
このようにすると、色が混合して異なる色を形成することができる。これにより、色の種類を多様化できる。
このとき、混合比を変えて、混合した色を変えるようにしてもよい。このようにすると、色の多様化を一層はかることができる。
また、上記発明において、前記色の異なる安定化材は、酸化イットリウム(Y)、酸化エルビウム(Er)、酸化ネオジム(Nd)、酸化ジスプロジウム(Dy)、酸化サマリウム(Sm)から成る群より選択されることとしてもよい。
超高純度のジルコニアを用いた場合、これらの安定化材を用いた部分安定化ジルコニアは、特有な色を持つので、異なる色を持つ分割層を容易に形成することができる。
すなわち、酸化イットリウムは白色、酸化エルビウムはピンク色、酸化ネオジムは青色、酸化ジスプロジウムおよび酸化サマリウムは黄色の部分安定化ジルコニアを形成する。
また、本発明にかかるガスタービン部品は、上記の遮熱コーティングが施されていることを特徴とする。
このように、減耗した部分があるとその部分の色が他の部分と異なる色となる遮熱コーティングが施されているので、ガスタービン部品は目視するだけ、すなわち、非破壊で遮熱コーティングの減耗状態を確認することができる。
このため、ガスタービン設置場所で、遮熱コーティングの減耗度を短時間で、かつ、簡便に判定することができる。また、その結果を遮熱コーティングの補修あるいは再コーティングの時期の決定に反映できるので、ガスタービン部品の信頼性を向上させることができる。
また、本発明にかかるガスタービンは、上記のガスタービン部品を用いていることを特徴とする。
このように信頼性の高いガスタービン部品を用いているので、ガスタービンの信頼性を向上させることができる。
このガスタービンによれば、排気ガスから塵芥を分離回収する集塵装置が備えられていることが好ましい。
このようにすると、ガスタービン部品に施された遮熱コーティングが運転中に磨耗あるいは剥離した際に発生する皮膜粉塵が塵芥として集塵装置によって分離回収される。
この回収された皮膜粉塵を目視し、色合いを見ることによって遮熱コーティングの減耗の度合いを推定することができる。なお、皮膜粉塵を組成分析するようにしてもよい。
このように、運転中に定期的に行われる、たとえば、フィルタ交換時に遮熱コーティングの減耗の度合いを推定できるので、ガスタービンを停止することなく遮熱コーティングの減耗状態を監視することができる。
本発明によれば、遮熱層は、厚さ方向に隣り合う層で色が異なる複数の分割層によって構成されているので、遮熱コーティングの減耗度を簡便に確認することができる。
本発明の一実施形態にかかる遮熱コーティングについて、図面を参照して説明する。
なお、本発明は以下に示す実施形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
図1は、遮熱コーティングの構成を示す断面図である。図2は、この遮熱コーティングが施された高温部品を用いているガスタービンの全体概略構成を示すブロック図である。
ガスタービン1には、圧縮機3と、燃焼器5と、タービン7と、とが備えられている。
圧縮機3の回転部とタービン7の回転部とは回転軸9によって連結されており、一体となって回転される。
回転軸9は、タービン7の回転動力を伝達するものであり、例えば、発電機11に連結されて電力を発生することができるようになっている。
タービン7には、図示は省略するが、回転軸9の周囲から外方に向けて突出する多数の動翼と、略円筒形状をなすケーシングから内方に向けて突出する多数の静翼とが備えられている。
圧縮機3は、吸入した空気を連続的に圧縮し、この圧縮空気の大部分を燃焼器5に送るものである。
燃焼器5は、圧縮機3から供給される圧縮空気と図示しない供給源から供給される燃料とを混合・燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを生成する。燃焼器5は、この燃焼ガスをタービン7に供給する。
燃焼器5からタービン7に供給された高温高圧の燃焼ガスは各静翼によって膨張し圧力降下させられ、排気ガスとして排気される。これにより発生した運動エネルギーは、回転軸9に取付けられた各動翼を介して回転トルクに変換される。そして、発生した回転トルクは、回転軸9に伝達され、発電機11が駆動される。
排気ガスが排気される排気ダクトには、排気ガス処理の一貫として排気ガス中の粉塵を捕集する集塵機13が備えられている。
集塵機13としては、電気集塵機、遠心力集塵装置、慣性力集塵装置等適宜の形式のものが用いられる。
ガスタービン1を構成する部品(ガスタービン部品)の内、高温高圧の燃焼ガスに接触する燃焼器5の内筒および尾筒等ならびにタービン7の動翼、静翼および分割環等は、特に、高温部品と称される。
これらの高温部品には、図1に示される本実施形態にかかる遮熱コーティング21が施されている。
たとえば、動翼の基材19の表面に施された遮熱コーティング21は、アンダーコートとしての金属結合層23と、トップコートとしてのセラミックス層(遮熱層)25とで構成されている。
金属結合層23は、耐食性および耐酸化性に優れたMCrAlY合金(Mは、NiやCoやFe等の単独元素またはそれらの2種類以上の元素の組み合わせ)によって形成されている。
金属結合層23は、基材19とセラミックス層25との熱膨張係数の差を小さくして熱応力を緩和する機能を有し、セラミックス層25が基材19から剥離するのを防ぐ機能を有している。
金属結合層23は、たとえば、低圧プラズマ溶射法または電子ビーム物理蒸着法(EP−PVD)を用いて、たとえば、0.1mmの厚さに成膜されて形成される。
セラミックス層25は、酸化イットリウム(Y)を安定化材として用いた部分安定化ジルコニアであるイットリア部分安定化ジルコニアによって形成されている。酸化イットリウムは、たとえば、8wt%の割合で添加されている。
セラミックス層25は、たとえば、低圧プラズマ溶射法を用いて、たとえば、0.3mmの厚さに成膜されて形成されている。
なお、セラミックス層25は、厚さに比例して遮熱効果が大きくなるが、厚さが過大になると剥離を生じやすくなる。一方、逆に薄いと遮熱効果が低くなるため、その厚さは0.25〜0.7mmの範囲とすることが好適である。より好ましい厚さの範囲は0.3〜0.5mmである。
セラミックス層25は、表面側から相互に色が異なる表層(分割層)27、第2層(分割層)29および第3層(分割層)31の3層に分割されている。これらは、次のようにして形成されている。
低圧プラズマ溶射法によってセラミックス層25を略0.3mmの厚さに成膜する場合、溶射のパス数は、たとえば、9回程度である。
本実施形態では、溶射のパス数が3回毎に、原料となるジルコニア(ZrO)のグレードを変化させている。
すなわち、金属結合層23の上に、まず、不純物として含まれる二酸化ケイ素(SiO)が0.05%以下である超高純度グレードのジルコニアの粉末に、たとえば、8wt%の酸化イットリウムの粉末を混合し、それを低圧プラズマ溶射法によって3パスの溶射を行い、第3層31を形成する。
次いで、第3層31の上に、不純物として含まれる二酸化ケイ素(SiO)が0.1%程度である高純度グレードのジルコニアの粉末に、たとえば、8wt%の酸化イットリウムの粉末を混合し、それを低圧プラズマ溶射法によって3パスの溶射を行い、第2層29を形成する。
次いで、第2層29の上に、不純物として含まれる二酸化ケイ素(SiO)が0.3%を越える通常グレードのジルコニアの粉末に、たとえば、8wt%の酸化イットリウムの粉末を混合し、それを低圧プラズマ溶射法によって3パスの溶射を行い、表層27を形成する。
これにより、それぞれ略0.1mmの厚さを持つ、表層27、第2層29および第3層31が形成され、合わせて略0.3mmのセラミックス層25が形成される。
このとき、酸化イットリウムは白色であるので、イットリア部分安定化ジルコニアは、ジルコニアの色によって決定される。ジルコニアの色は、その純度、特に、不純物として含まれる二酸化ケイ素(SiO)の量によって色が白色から黄色に変化する。
すなわち、二酸化ケイ素の含有量が0.05wt%以下の超高純度グレードのジルコニアは白色であり、二酸化ケイ素の含有量が0.3wt%を越える通常グレードのジルコニアは黄色である。
このように、ジルコニアは純度が低くなり、二酸化ケイ素の量が多くなる程黄色となる。このため、二酸化ケイ素の含有量が0.05wt%を越え0.03wt%以下のジルコニアは二酸化ケイ素の含有量に応じた色調の黄色を帯びる。
したがって、二酸化ケイ素が0.05wt%以下の超高純度グレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアで形成された第3層31は白色となる。二酸化ケイ素が0.1wt%程度の高純度グレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアで形成された第2層29はやや黄色となる。二酸化ケイ素が0.3wt%を越える通常グレードのジルコニアを用いたイットリア部分安定化ジルコニアで形成された表層27は黄色となる。
このように、ジルコニアの純度を変化させて表層27、第2層29および第3層31を形成することによって、表層27、第2層29および第3層31の色を層毎に変化させることができる。しかも、市販のジルコニアで、所定純度のものを用いるだけでよいので、調整が容易である。
また、最下層である第3層31に超高純度グレードのジルコニアを用いるようにするのが遮熱コーティング21の強度の面からみると好ましい。
なお、表層27に超高純度グレードを用い、第2層29および第3層31に向かい純度の低いグレードのものを用いるようにしてもよい。
この遮熱コーティング21が施された高温部品を用いたガスタービン1が高温で長時間運転されると、高温部品の表面に施された遮熱コーティング21は熱的損傷および機械的損傷を受けるので、遮熱コーティング21は摩耗したり、剥離したりして、厚さが薄くなる部分が発生する。
このとき、表層27が減耗して第2層が表面に現れる部分があるとその部分の色は他の部分の黄色よりも薄い黄色となる。さらに、第3層が表面に現れると、その部分の色は周囲の黄色に対して白色となる。
定期点検等で、ガスタービン1の運転を停止した機会に、たとえば、スコープ等で高温部品を目視により観察する、あるいは、一部分解して高温部品を取出して目視により観察すると、減耗した部分の色が他の部分と異なる色となるので、遮熱コーティング21の減耗状態を確認することができる。
これにより、ガスタービン1の設置場所で、遮熱コーティング21の減耗度を短時間で、かつ、簡便に判定することができる。また、その結果を遮熱コーティング21の補修あるいは再コーティングの時期の決定に反映できるので、遮熱コーティング21は本来の機能を奏し、高温部品の基材19に高温が作用することを抑制できる。これにより、高温部品、ひいてはガスタービンの信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態のように排気ガスが排気される排気ダクトに、排気ガス中の粉塵を捕集する集塵機13が備えられていると、高温部品に施された遮熱コーティング21が運転中に磨耗あるいは剥離した際に発生する皮膜粉塵が塵芥として集塵装置13によって分離回収される。
この回収された塵芥を目視し、色合いを見ることによって遮熱コーティング21の減耗の度合いを推定することができる。なお、この場合、より正確さを求めると、皮膜粉塵の組成を分析するようにしてもよい。
このように、運転中に定期的に行われる、たとえば、フィルタ交換時に遮熱コーティングの減耗の度合いを推定できるので、ガスタービン1の運転を停止することなく遮熱コーティング21の減耗状態を監視することができる。
なお、本実施形態では、表層27、第2層29および第3層31が、原料となるジルコニアのグレードを変えたイットリア部分安定化ジルコニアで形成されるようにしているが、これは色の異なる安定化材を用いた部分安定化ジルコニアで形成されるようにしてもよい。
すなわち、図3に示されるように、金属結合層23の上に、まず、超高純度グレードのジルコニアの粉末に、たとえば、8wt%の酸化ネオジム(Nd)の粉末を混合し、それを低圧プラズマ溶射法によって3パスの溶射を行い、ネオジア部分安定化ジルコニアの第3層31を形成する。
次いで、第3層31の上に、超高純度グレードのジルコニアの粉末に、たとえば、8wt%の酸化エルビウム(Er)の粉末を混合し、それを低圧プラズマ溶射法によって3パスの溶射を行い、エルビア部分安定化ジルコニアの第2層29を形成する。
次いで、第2層29の上に、超高純度グレードのジルコニアの粉末に、たとえば、8wt%の酸化イットリウムの粉末を混合し、それを低圧プラズマ溶射法によって3パスの溶射を行い、イットリア部分安定化ジルコニアの表層27を形成する。
これにより、それぞれ略0.1mmの厚さを持つ、表層27、第2層29および第3層31が形成され、合わせて略0.3mmのセラミックス層25が形成される。
このとき超高純度グレードのジルコニアは白色であるので、表層27は酸化イットリウムの白色に、第2層は酸化エルビウムのピンク色に、第3層は酸化ネオジムの青色を帯びることになる。
すなわち、表層27、第2層29および第3層31は、厚さ方向で隣り合う層の色が異なり、かつ、全ての層の色が異なるように形成される。
このような安定化材としては、黄色の酸化ジスプロジウム(Dy)および酸化サマリウム(Sm)を用いるようにしてもよい。
このとき、前記した色の異なる安定化材を混合して用いるようにしてもよい。たとえば、酸化エルビウムと酸化ネオジムとを混合すると紫色の層を形成することができる。これにより、色の種類を多様化できる。
このとき、混合比を変えて、混合した色を変えるようにしてもよい。このようにすると、色の多様化を一層はかることができる。
この遮熱コーティング21が施された高温部品を用いたガスタービン1が高温で長時間運転されると、高温部品の表面に施された遮熱コーティング21は熱的損傷および機械的損傷を受けるので、遮熱コーティング21は摩耗したり、剥離したりして、厚さが薄くなる部分が発生する。
このとき、表層27が減耗して第2層が表面に現れる部分があるとその部分の色は他の部分の白色と異なるピンク色となる。さらに、第3層31が表面に現れると、その部分の色は周囲の白色あるいはピンク色と異なる青色となる。
定期点検等で、ガスタービン1の運転を停止した機会に、たとえば、スコープ等で高温部品を目視により観察する、あるいは、一部分解して高温部品を取出して目視により観察すると、減耗した部分の色が他の部分と異なる色となるので、遮熱コーティング21の減耗状態を確認することができる。
これにより、ガスタービン1の設置場所で、遮熱コーティング21の減耗度を短時間で、かつ、簡便に判定することができる。また、その結果を遮熱コーティング21の補修あるいは再コーティングの時期の決定に反映できるので、遮熱コーティング21は本来の機能を奏し、高温部品の基材19に高温が作用することを抑制できる。これにより、高温部品、ひいてはガスタービンの信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、セラミックス層25は、表層27、第2層29および第3層31の3層に分割されているが、この分割の数はこれに限らず、目的に応じて適宜数としてよい。
本発明の一実施形態にかかる遮熱コーティングの構成を示す断面図である。 本発明の遮熱コーティングが施された高温部品を用いているガスタービンの全体概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる遮熱コーティングの別の実施形態の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 ガスタービン
13 集塵装置
21 遮熱コーティング
25 セラミックス層
27 表層
29 第2層
31 第3層

Claims (9)

  1. 部分安定化ジルコニアで構成される遮熱層を有する遮熱コーティングであって、
    該遮熱層は、厚さ方向に隣り合う層で色が異なる複数の分割層によって構成されていることを特徴とする遮熱コーティング。
  2. 前記各分割層は、全て色が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の遮熱コーティング。
  3. 前記部分安定化ジルコニアは、安定化材として酸化イットリウム(Y)を用い、
    前記各分割層に用いられるジルコニアは、その純度が変化させられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遮熱コーティング。
  4. 前記分割層は、色の異なる安定化材を用いて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遮熱コーティング。
  5. 前記分割層は、前記色の異なる安定化材を混合して用いることを特徴とする請求項4に記載の遮熱コーティング。
  6. 前記色の異なる安定化材は、酸化イットリウム(Y)、酸化エルビウム(Er)、酸化ネオジム(Nd)、酸化ジスプロジウム(Dy)、酸化サマリウム(Sm)から成る群より選択されることを特徴とする請求項4または5に記載の遮熱コーティング。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の遮熱コーティングが施されていることを特徴とするガスタービン部品。
  8. 請求項7に記載のガスタービン部品を用いていることを特徴とするガスタービン。
  9. 排気ガスから塵芥を分離回収する集塵装置が備えられていることを特徴とする請求項8に記載のガスタービン。
JP2007309106A 2007-11-29 2007-11-29 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン Expired - Fee Related JP5091642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007309106A JP5091642B2 (ja) 2007-11-29 2007-11-29 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007309106A JP5091642B2 (ja) 2007-11-29 2007-11-29 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012028475A Division JP5638548B2 (ja) 2012-02-13 2012-02-13 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009133240A true JP2009133240A (ja) 2009-06-18
JP5091642B2 JP5091642B2 (ja) 2012-12-05

Family

ID=40865357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007309106A Expired - Fee Related JP5091642B2 (ja) 2007-11-29 2007-11-29 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5091642B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013113208A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd タービン翼及びタービン
US8739612B2 (en) 2012-02-24 2014-06-03 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Wear control apparatus and wind turbine blade monitoring system including wind turbine blade
JP2015157994A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 日本ゼオン株式会社 グラビア塗工装置
EP2962844A3 (en) * 2014-07-03 2016-04-13 Rolls-Royce Corporation Visual indicator of coating thickness
WO2019039479A1 (ja) * 2017-08-22 2019-02-28 岡田 益男 陶磁器製容器に収容された液体構成成分の蒸発を制御する方法、および陶磁器製容器
US20210254222A1 (en) * 2018-04-27 2021-08-19 Applied Materials, Inc. Protection of components from corrosion
US11326469B2 (en) 2020-05-29 2022-05-10 Rolls-Royce Corporation CMCs with luminescence environmental barrier coatings

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62207885A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Toshiba Corp 高温耐熱部材
JPH08109834A (ja) * 1994-10-13 1996-04-30 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ジェットエンジン用樹脂部品
JPH08254530A (ja) * 1994-12-19 1996-10-01 Hitachi Ltd セラミックス部材の非破壊による寿命推定法及び寿命推定システム
JP2002003747A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Osaka Gas Co Ltd コーティング材及びそれを用いた耐熱部材
JP2004098207A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd セラミック皮膜研磨方法及びガスタービン用タービンブレード製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62207885A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Toshiba Corp 高温耐熱部材
JPH08109834A (ja) * 1994-10-13 1996-04-30 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ジェットエンジン用樹脂部品
JPH08254530A (ja) * 1994-12-19 1996-10-01 Hitachi Ltd セラミックス部材の非破壊による寿命推定法及び寿命推定システム
JP2002003747A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Osaka Gas Co Ltd コーティング材及びそれを用いた耐熱部材
JP2004098207A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd セラミック皮膜研磨方法及びガスタービン用タービンブレード製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013113208A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd タービン翼及びタービン
US8739612B2 (en) 2012-02-24 2014-06-03 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Wear control apparatus and wind turbine blade monitoring system including wind turbine blade
JP2015157994A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 日本ゼオン株式会社 グラビア塗工装置
EP2962844A3 (en) * 2014-07-03 2016-04-13 Rolls-Royce Corporation Visual indicator of coating thickness
US9556743B2 (en) 2014-07-03 2017-01-31 Rolls-Royce Corporation Visual indicator of coating thickness
US10550711B2 (en) 2014-07-03 2020-02-04 Rolls Royce Corporation Visual indicator of coating thickness
JP2019038702A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 岡田 益男 陶磁器製容器に収容された液体構成成分の蒸発を制御する方法、および陶磁器製容器
WO2019039479A1 (ja) * 2017-08-22 2019-02-28 岡田 益男 陶磁器製容器に収容された液体構成成分の蒸発を制御する方法、および陶磁器製容器
US20210254222A1 (en) * 2018-04-27 2021-08-19 Applied Materials, Inc. Protection of components from corrosion
US20210262099A1 (en) * 2018-04-27 2021-08-26 Applied Materials, Inc. Protection of components from corrosion
US11753726B2 (en) * 2018-04-27 2023-09-12 Applied Materials, Inc. Protection of components from corrosion
US11761094B2 (en) * 2018-04-27 2023-09-19 Applied Materials, Inc. Protection of components from corrosion
US11326469B2 (en) 2020-05-29 2022-05-10 Rolls-Royce Corporation CMCs with luminescence environmental barrier coatings

Also Published As

Publication number Publication date
JP5091642B2 (ja) 2012-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5091642B2 (ja) 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン
JP5638548B2 (ja) 遮熱コーティングならびにこれを用いたガスタービン部品およびガスタービン
US11174557B2 (en) Thermal barrier coating system compatible with overlay
US10808308B2 (en) Thermal barrier coating, turbine member, and gas turbine
JP4166977B2 (ja) 耐高温腐食合金材、遮熱コーティング材、タービン部材、及びガスタービン
CN101125753B (zh) 可磨耗的氧化镝稳定的氧化锆
RU2464175C2 (ru) Керамический порошок, керамический слой и многослойная система с пирохлорной фазой и оксидами
CN105443165B (zh) 可磨耗密封件及用于形成可磨耗密封件的方法
UA80723C2 (en) Chipping-resistant metal article (variants), method for reduction of chipping in metal articles
US8685545B2 (en) Thermal barrier coating system with porous tungsten bronze structured underlayer
JP2010241610A (ja) ガドリニウム混晶パイロクロア相と酸化物とを有するセラミック粉末、セラミック層及び層組織
KR20110119800A (ko) 파이로클로르 상을 갖는 2층의 다공성 층 시스템
US20180030584A1 (en) Thermal barrier coating, turbine member, gas turbine, and manufacturing method for thermal barrier coating
US20090123722A1 (en) Coating system
JP2021191899A (ja) 基材上に高温保護層を接合するための付着促進層、並びにそれの製造方法
EP2540973A1 (en) Seal system for a gas turbine
US8252601B2 (en) Method for designating a component having a heat insulation layer and for determining its operating time
JP7258500B2 (ja) 遮熱コーティング破砕検出システム
JP2005163185A (ja) ガスタービン、遮熱コーティング材、その製造方法及びタービン部材
JPH08246901A (ja) 耐酸化性に優れた遮熱コーティング膜
JP5905355B2 (ja) 発電用ガスタービン翼の製造方法
JP6976406B2 (ja) ガスタービン用の自立セラミックシール及び、その形成方法
EP3077565B1 (en) A coating system for a component of a turbomachine and a method for generating a coating system
JP2022134211A (ja) 耐熱部材および発電システム
KR20230117656A (ko) 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120821

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120914

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5091642

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees