JP2005163185A - ガスタービン、遮熱コーティング材、その製造方法及びタービン部材 - Google Patents

ガスタービン、遮熱コーティング材、その製造方法及びタービン部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材及びこの遮熱コーティング材により被覆されたタービン部材並びにガスタービンを提供する。
【解決手段】 本発明の遮熱コーティング材は、高温用耐熱合金基材21の耐熱性を高めるために、前記基材21上に形成されたセラミックス層23を含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層23は、金属結合層として積層されたボンドコート層22を介して積層され、安定化剤としてYbを添加されたZrOから構成されている。前記セラミックス層23には複数の縦割れ23Aを導入することが好ましい。本発明に係るタービン部材及びガスタービンは、上記遮熱コーティング材により表面を被覆されて構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、耐久性に優れた遮熱コーティング材及びタービン部材並びにガスタービンに係り、特に、遮熱コーティング材のトップコートとして用いられるセラミックス層の構成に関するものである。
近年、省エネルギー対策の一つとして、火力発電の熱効率を高めることが検討されている。発電用ガスタービンの発電効率を向上させるためには、ガス入口温度を上昇させることが有効であり、その温度は1500℃程度とされる場合もある。そして、このように発電装置の高温化を実現するためには、ガスタービンを構成する静翼や動翼、あるいは燃焼器の壁材などを耐熱部材で構成する必要がある。しかし、タービン翼の材料は耐熱金属であるが、それでもこのような高温には耐えられないために、この耐熱金属の基材上に金属結合層を介して溶射等の成膜方法によって酸化物セラミックスからなるセラミックス層を積層した遮熱コーティング材(Thermal Barrier Coating,TBC)を形成して高温から保護することが行われており、そのセラミックス層としてはZrO系の材料、特にYで部分安定化又は完全安定化したZrOであるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)が、セラミックス材料の中では比較的低い熱伝導率と比較的高い熱膨張率を有しているためによく用いられている(特許文献1参照)。
米国特許第4,055,705号明細書
しかしながら、上記YSZからなるセラミックス層を備えた遮熱コーティング材によりガスタービンの動翼や静翼などを被覆した場合、ガスタービンの種類によってはタービンの入口温度が1500℃を越える温度に上昇することが考えられるが、このような高温で運転された場合、過酷な運転条件の下ではガスタービンの運転中に上記セラミックス層の一部が剥離し、耐熱性が損なわれるおそれがあった。また、近年環境対策の関係から、二酸化炭素回収対応のクローズド型ガスタービンの開発が進められているが、この種のガスタービンではタービンの入口温度が1700℃にも達すると考えられており、タービン翼の表面温度は1300℃もの高温になることが予想される。従って、タービン翼の遮熱コーティングには、更に高い耐熱性が要求される状況にある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材を提供することを目的の一つとする。
また本発明は、上記遮熱コーティング材により被覆されたタービン部材並びにガスタービンを提供することを目的の一つとする。
上記YSZからなるセラミックス層の剥離の問題は、高温環境下におけるYSZの結晶安定性が十分でなく、また大きな熱応力に対して十分な耐久性を有していないことによるものである。そこで本発明者は、上記の目的を達成するために、遮熱コーティング材のセラミックス層の高温での結晶安定性及び熱サイクル耐久性を高めるための遮熱コーティング材の構成について鋭意研究を重ね、Ybで安定化したZrO又はYbとErで安定化したZrOによりセラミックス層を構成することで、遮熱コーティング材の耐久性を高められることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る遮熱コーティング材は、高温用耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層が、安定化剤として15重量%以上20重量%以下(ただし、15重量%を除く)のYbを添加されたZrOからなることを特徴とする。係る構成の遮熱コーティング材によれば、従来のYSZからなるセラミックス層に比して高温での優れた結晶安定性を得ることができ、これにより優れた熱サイクル耐久性を得ることができる。
また、本発明に係る遮熱コーティング材としては、高温用耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層が、安定化剤としてYbと、Erとを添加されたZrOからなることを特徴とする構成も適用することができる。
従来、タービン部材などの高温部品にYSZからなるセラミックス層を有する遮熱コーティング材を用いる場合には、長時間高温に曝されるためにYSZ内部に相変態が生じ、遮熱特性が低下したり、この相変態に起因する体積変化によりセラミックス層に応力が作用して亀裂が発生することが問題となっていた。これは、タービン部材の表面等に溶射法により形成されるYSZ層は、溶融又は半溶融状態から急冷されて形成された準安定正方晶相(t’相)であるが、このt’相のYSZが長時間高温環境に曝されると、YSZ層内部で準安定のt’相からt相(正方晶相)への相変態が生じ、このt相は高温相であるため、例えばタービンを停止させることによりYSZ層の温度が低下すると、m相(単斜晶相)へ変化して体積が変化するためである。このt相からm相への変化は、大きな体積変化を伴うためにYSZ層に大きな応力が作用し、亀裂を発生させる。この亀裂の進展によりYSZ層の一部が剥離し、遮熱コーティング材の遮熱特性を低下させる原因となると考えられる。
これに対して、本発明の採用したYbを安定化剤として添加されたZrOからなるセラミックス層、又はYbとErとが安定化剤として添加されたセラミックス層によれば、優れた結晶安定性を備えているため、YSZを用いたセラミックス層に比して上記の相変態が起こりにくく、従って相変態に起因する応力の発生も抑制することができる。これにより、本発明に係る遮熱コーティング材は、優れた熱サイクル耐性を実現している。
本発明に係る遮熱コーティング材においては、前記セラミックス層のYb添加量が、20重量%以下とされることが更に好ましい。
Ybを安定化剤として添加されたZrOからなるセラミックス層のYb添加量を上記範囲とすることで、より優れた結晶安定性と、熱サイクル耐久性を備えた遮熱コーティング材とすることができる。尚、本発明者は上記Yb添加量の範囲が適切であることを実験的に検証しており、その詳細は(実施例)において述べる。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材のうち、安定化剤としてYbとErとを添加された遮熱コーティング材においては、前記セラミックス層のYb添加量が、0.1重量%以上25重量%以下とされ、前記Er添加量が、0.1重量%以上25重量%以下とされ、前記Yb添加量と、Er添加量との合計が、10重量%以上30重量%以下とされることが好ましい。
YbとErの両方を安定化剤として添加されたZrOをセラミックス層に用いる場合に、それぞれの添加割合を上記範囲とすることで、より耐剥離性に優れるセラミックス層を得ることができ、熱サイクル耐久性に優れた遮熱コーティング材を得ることができる。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材は、前記セラミックス層に微細な気孔が形成されており、該気孔の前記セラミックス層に対する占有率が、8%以上15%以下とされたことを特徴とする。すなわち、本発明に係る遮熱コーティング材において、セラミックス層に含まれる気孔の占有率(本明細書ではこれを気孔率と定義する。)が、上記範囲に制御されているならば、上記気孔によるセラミックス層の遮熱特性を向上させることができるとともに、熱サイクルに伴いセラミックス層に高い熱応力が作用した場合にもその応力を緩和することができるので、耐熱サイクル耐久性に優れた遮熱コーティング材とすることができる。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材は、前記セラミックス層に、その膜厚方向に延在する縦割れが導入された構成とすることができる。このようなセラミックス層の膜厚方向の縦割れを意図的に導入することで、基材に比して熱膨張率が小さく、また延性に乏しいセラミックス層に対して作用する応力を緩和し、より剥離しにくいセラミックス層とすることができる。より具体的には、遮熱コーティング材が加熱された場合には、熱膨張による寸法変化はセラミックス層よりも基材の方が大きくなるため、セラミックス層には、面方向へ伸長させる応力が作用する。このような応力が作用した際に、セラミックス層に縦割れが導入されていれば、縦割れが広がることで、セラミックス層自体に作用する応力は大幅に小さくなり、セラミックス層を剥離させ得る面方向の亀裂が生じるのを効果的に防止することができる。
また、本発明に係る遮熱コーティング材は、耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層が、安定化剤として8重量%以上27重量%以下のYb23を添加されたZrO2からなり、前記セラミックス層に、その膜厚方向に延在する縦割れが導入されたものであってもよい。
尚、この意図的に導入される縦割れは、熱サイクルによる結晶相の変化に伴って生じた亀裂とは異なり、その周辺にm相を生じることがないため、熱サイクル中にセラミックス層内で体積変化が起こることがなく、熱サイクルに伴う温度変化により縦割れが進展することはほとんどなく、この縦割れの導入によりセラミックス層の寿命が短くなることはないものと考えられる。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材においては、前記セラミックス層の縦割れの延在方向が、膜面の法線に対して±40°以内とされることが好ましい。セラミックス層の面方向の亀裂は、セラミックス層の剥離を引き起こしやすくするため、上記縦割れの延在する方向は、可能な限りセラミックス層の膜面の法線方向と平行とされるのがよい。しかしながら、全ての縦割れの延在方向を膜面の法線方向とすることは不可能であり、また、本発明者が実験により検証したところ、法線方向に対して±40°以内の傾きであれば、この縦割れがセラミックス層の剥離の原因となることはないことが確認されたため、縦割れの延在方向の好ましい範囲を上記に設定した。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材においては、前記セラミックス層の隣接する縦割れの間隔が、前記セラミックス層の膜厚の0.05倍以上1倍以下とされることが好ましい。すなわち、セラミックス層の膜厚を0.5mmとするならば、前記縦割れ同士の間隔は、0.025mm以上0.5mm以下の範囲とすることが好ましい。このような間隔でセラミックス層に縦割れを導入することで、耐剥離性に優れたセラミックス層を備えた遮熱コーティング材を得ることができる。前記ピッチが、膜厚の0.05倍未満の場合には、柱状晶と基材(又は後述する金属結合層)との接着面積が小さく、接着強度が低下する傾向にあり、十分な強度が得られない場合がある。また、1倍を越えると、亀裂先端での剥離方向の特異応力が非常に高くなり、剥離を助長する場合がある。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材は、前記縦割れの導入されたセラミックス層上に、セラミックス層と同材の腐食成分浸透防止層を備えた構成とすることができる。
また、上記遮熱コーティング材においては、前記腐食成分浸透防止層の膜厚が、5μm以上50μm以下とされ、その気孔率が4%以上20%以下とされることが好ましい。
前記セラミックス層に縦割れを導入した場合に、厳しい腐食環境で使用すると、この縦割れに環境から腐食成分が浸透する懸念がある。上記構成では、このような腐食成分の浸透を、セラミックス層と同材の腐食成分浸透防止層をセラミックス層上に形成することで、効果的に防止し、遮熱コーティング材の耐食性を高めている。この腐食成分浸透防止層の膜厚が5μm未満の場合、上記腐食成分の浸透を防止する効果が十分でなく、また50μmを越えて成膜すると、腐食成分の浸透は十分に防止できるが、皮膜のヤング率が大きくなり剥離耐性を低下させる傾向にある。また、気孔率が4%未満では、腐食成分浸透防止層25に亀裂が生じやすくなり、気孔率が20%を越えると、腐食成分の浸透を防止する効果が十分に得られない場合がある。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材においては、前記セラミックス層が、ZrO粉末及びYb粉末、又はZrO粉末、Yb粉末及びEr粉末を、バインダー又は分散剤と共にスラリー状にしたものを、スプレードライヤーにより粒状にして乾燥させ、1200〜1600℃に加熱して作製された溶射粉末を用いて、溶射法で形成されたセラミックス層であることが好ましい。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材においては、前記基材と、前記セラミックス層との間に耐酸化性に優れた金属結合層を備えることが好ましい。係る構成とするならば、通常、金属材料で構成される基材と、セラミックス層との線膨張係数の差に起因する応力を、この金属結合層により緩和することができるので、より優れた熱サイクル耐久性を得ることができる。また、この金属結合層は、基材とセラミックス層とをより強固に接合させ、遮熱コーティング材の強度の向上にも寄与するものである。この金属結合層としては、多孔質のセラミックス層が耐食性に乏しいため、基材の高温酸化、高温腐食を防止するために、耐酸化性、耐食性に優れた材料を用いることが好ましい。また、セラミックス層に作用する応力を効率よく緩和するために、延性に優れた材料を用いることが好ましい。
前記溶射粉末の作製は、ZrO粉末及びYb粉末、又はZrO粉末、Yb粉末及びEr粉末を、バインダー又は分散剤と共にスラリー状にする工程と、スプレードライヤーにより粒状にして乾燥させる工程と、その後1200〜1600℃に加熱する工程とを含む構成とすることができる。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材の製造方法は、Yb粉末と、ZrO粉末とを混合して前記Yb23粉末が15重量%以上25重量%以下(ただし、15重量%を除く)の溶射粉末を作製し、前記溶射粉末を用いた溶射法により耐熱合金基材上にセラミックス層を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る遮熱コーティング材の製造方法としては、Yb粉末と、Er粉末と、ZrO粉末とを混合して溶射粉末を作製し、前記溶射粉末を用いた溶射法により耐熱合金基材上にセラミックス層を形成することを特徴とする構成であってもよい。
係る製造方法によれば、結晶安定性に優れ、耐剥離性に優れたセラミックス層を備えた遮熱コーティング材を容易に歩留まり良く製造することができる。
次に、本発明に係る遮熱コーティング材の製造方法においては、前記溶射粉末を用いて溶射を行う際に、形成されるセラミックス層に縦割れを導入することができる。
また、本発明に係る遮熱コーティング材の製造方法は、Yb23粉末と、ZrO2粉末とを混合して前記Yb23粉末が8重量%以上27重量%以下の溶射粉末を作製し、前記溶射粉末を用いた溶射法により耐熱合金基材上にセラミックス層を形成し、前記溶射粉末を用いて溶射を行う際に、形成されるセラミックス層に縦割れを導入する方法であってもよい。
溶射法による成膜は、粉末を溶融又半溶融状態として基材上に噴射し、基材表面で急速に冷却凝固させることにより行われる。本発明に係る製造方法では、この基材表面で凝固される際の温度変化を大きくし、成膜されるセラミックス層に意図的に凝固割れを生じさせることで、セラミックス層に縦割れを導入している。このような方法により導入された縦割れは、セラミックス層の剥離の原因とはならない。これは、仮に縦割れのないセラミックス層を形成した後、セラミックス層に応力を加えて亀裂を生じさせて縦割れを導入した場合には、このような亀裂の周辺に安定化ジルコニアの応力誘起変態によりm相が生成されるため、熱サイクル中で体積変化を起こし、亀裂を進展させてセラミックス層の剥離の原因となる可能性があるが、本発明に係るセラミックス層の縦割れ周辺にはm相がほとんど含まれないため、熱サイクルによる相転移に伴う体積変化がほとんどなく、上記セラミックス層の剥離が極めて起こりにくくなっているからである。
次に、本発明は、上記課題を解決するために、先のいずれかに記載の遮熱コーティング材を備えたことを特徴とするタービン部材及びこれを備えたガスタービンを提供する。係る構成のタービン部材によれば、優れた耐熱性と、熱サイクル耐久性を備えたタービン部材とすることができ、より信頼性に優れたガスタービンを構成することができる。
本発明の遮熱コーティング材は、トップコートとしてのセラミックス層が、従来のYSZよりも結晶安定性に優れるYbで安定化されたZrO、あるいはYbとErで安定化されたZrOで構成されていることで、長時間高温に曝された場合にもセラミックス層の相変態を起こり難いセラミックス層を構成することができる。これにより、使用される温度環境が従来より高温であっても十分な耐久性を有する遮熱コーティング材を得ることができる。
また、本発明に係る遮熱コーティング材において、セラミックス層に適切な範囲の間隔を有する縦割れを導入することで、優れた熱サイクル耐久性を備える本発明の遮熱コーティング材の耐久性をさらに高めることができる。
また、本発明に係るガスタービン部材は、トップコートとしてのセラミックス層が、従来のYSZよりも結晶安定性に優れる、Ybで安定化されたZrO、又はYbとErで安定化されたZrOで構成された遮熱コーティング膜により表面を被覆されていることで、温度環境が従来より高温であっても充分な耐久性を示すものである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(遮熱コーティング膜)
図1は、本発明に係る遮熱コーティング材を適用した遮熱コーティング膜の断面構造を模式的に示す図である。この遮熱コーティング膜は、動翼等の高温用耐熱合金基材21上に、耐食性及び耐酸化性に優れた金属結合層としてMCrAlY合金などからなるボンドコート層22が積層され、さらにその上にトップコートとして、Ybで部分安定化させたZrO(以下、YbSZと称する)からなるセラミックス層23が積層された構成とされている。ここで、上記ボンドコート層22を構成するMCrAlY合金の「M」は、金属元素を示し、例えばNiやCo、Fe等の単独の金属元素又はこれらのうち2種以上の組み合わせを示している。
ボンドコート層22は、基材21とセラミックス層23との熱膨張係数差を小さくして熱応力を緩和する機能を有し、セラミックス層23がボンドコート層22から剥離するのを防止している。このボンドコート層22は、低圧プラズマ溶射法や、電子ビーム物理蒸着法等により形成することができる。また、このボンドコート層22は、基材21の高温酸化や、高温腐食を防止する保護層としても機能する。
上記YbSZにより構成されるセラミックス層23において、安定化剤であるYbの添加割合は、Ybの添加量が2重量%以上となることで、後述の熱サイクル耐久性が向上し始め、この効果は添加量35重量%直前まで有効に作用する。この熱サイクル耐久性からみたYbの有効な添加量は4重量%以上30重量%以下である。更に8重量%以上27重量%以下のYbの添加量範囲とされているならば、本実施形態の遮熱コーティング材は、より優れた熱サイクル耐久性を発揮することができる。Yb添加量が上記範囲を超える場合には、熱サイクル耐久性が低下するが、これは、上記添加量が8重量%未満の場合には、セラミックス層23に単斜晶相(m相)が残存する量が増えるために耐久性が低下し、25重量%を越える場合には、セラミックス層23が正方晶となり易く、耐久性に優れるt’相の割合が低下するために耐久性が低下するからである。
また、Yb添加量は、より好ましくは10重量%以上25重量%以下であり、12重量%以上20重量%以下とすることが最も好ましい。これらの範囲に添加量を制御することで、さらに熱サイクル耐久性に優れる遮熱コーティング材とすることができる。
また、上記セラミックス層23の気孔率(セラミックス層23内に形成された気孔のセラミックス層23に対する体積占有率)は、8%以上15%以下とされることが好ましい。気孔率が8%未満では、緻密であるためヤング率が高くなり、熱応力が高くなった場合に剥離が生じやすくなる。また、15%を越える場合には、ボンドコートとの密着性が不足し、耐久性が低下する。また、セラミックス層23の膜厚は、0.1〜1.5mmの範囲とすることが好ましい。0.1mm未満では遮熱性が十分でなくなる傾向があり、1.5mmを越えると剥離し易くなり耐久性が低下する傾向にある。
以上の構成の本実施形態の遮熱コーティング膜によれば、セラミックス層をYb2O3で安定化されたZrOで構成したことにより、セラミックス層23の結晶安定性が向上し、タービン等の高温部品に用いた場合にも熱サイクル中でセラミックス層23の結晶相が変化し難く、相変態による亀裂及びその進展を防止することができる。従って、優れた耐剥離性を備え、熱サイクル耐久性に優れた、高温部品に用いて好適な遮熱コーティング膜とされている。
上記実施の形態では、セラミックス層23の構成材料としてYbで安定化されたZrOを用いた場合について説明したが、本発明に係る遮熱コーティング膜としては、上記YbSZに代えて、YbとErとを安定化剤として用いたZrOもセラミックス層の構成材料として適用することができる。この場合にも、上記YbSZからなるセラミックス層を備えた遮熱コーティング膜と同様の効果を得ることができ、熱サイクル耐久性に優れた遮熱コーティング膜を実現することができる。
(遮熱コーティング膜の製造方法)
以下、図1に示す遮熱コーティング膜の製造方法について図2を参照して以下に説明する。図2は、本発明に係る遮熱コーティング膜の製造に用いる溶射粉末の製造工程を、その工程順に並べて示す説明図である。
図1に示すセラミックス層23は、ZrO−Yb複合粉末を用いて、大気圧プラズマ溶射法若しくは電子ビーム物理蒸着法により積層することができ、大気圧プラズマ溶射において使用されるZrO−Yb複合粉末は、以下の手順により製造することができる。
まず、図2に示すように、ZrO粉末と所定の添加割合のYb粉末を用意し、これらの粉末を適当なバインダーや分散剤とともにボールミル中で混合してスラリー状にする。次に、これをスプレードライヤーにより粒状にして乾燥させ、次いで1200〜1600℃に加熱する拡散熱処理により固溶化させて、Ybが均一に拡散されたZrO−Ybの複合粉末を得る。
そして、この複合粉末をボンドコート層22上に溶射することによりYbSZからなるセラミックス層を得ることができる。また、セラミックス層23の成膜法として電子ビーム物理蒸着法を用いる場合には、所定の組成を有する原料を焼結又は電融固化して得られるインゴットを使用する。
また、セラミックス層23の構成材料としてYb及びErにより安定化されたZrOを用いる場合には、ZrO粉末と、所定の添加割合のYb微細粉末、及びEr微細粉末を用意し、上記と同様の方法でZrO−(Yb+Er)複合粉末を作製し、この複合粉末を用いて溶射又は電子ビーム物理蒸着を行うことで、ボンドコート層上にYb及びErにより安定化されたZrOからなるセラミックス層を形成することができる。
本発明に係る製造方法によれば、セラミックス層23の構成材料に含まれるYb又は、Yb+Erの添加割合を、上記ZrO−Yb複合粉末又はZrO−(Yb+Er)複合粉末を作製する際の粉末の混合割合により容易に制御することができるので、適切な添加割合のYb、又はYb+Erを含むセラミックス層を容易に形成することができ、所望の耐剥離性を備えた遮熱コーティング膜を容易に形成することができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、セラミックス層23の気孔率(セラミックス層23に形成される微細な気孔のセラミックス層23に対する体積率)を、溶射電流や溶射距離を調節することで容易に制御することができ、適切な気孔率を備えたセラミックス層23を容易に形成することができる。これにより、さらに耐剥離性に優れた遮熱コーティング膜を形成することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図3を参照して以下に説明する。図3は、本発明に係る第2の実施形態である遮熱コーティング膜の模式断面図であり、耐熱合金基材21上にボンドコート層22が形成され、このボンドコート層22上にセラミックス層23が積層された構成である。図3に示す各構成要素は、図1に示す構成要素と同様の構成であるので、各部の詳細な説明はここでは省略する。
本実施形態に係る遮熱コーティング膜が図1に示す遮熱コーティング膜と異なる点は、図3に示すようにセラミックス層23にその膜厚方向に延在する縦割れ23Aが複数導入されている点にある。この縦割れ23Aは、セラミックス層23の耐剥離性を向上させるためにセラミックス層23の成膜時に意図的に導入されている。耐熱合金で構成される基材21やボンドコート層22に比して熱膨張係数の小さいセラミックス層23には、タービンの発停等に伴う熱サイクルが印加された際に、基材21やボンドコート層22との熱膨張係数の差による応力が作用するが、本発明に係る遮熱コーティング膜においては、セラミックス層23に作用する応力を、縦割れ23Aがその幅を拡大又は縮小することにより緩和するようになっている。従って、熱サイクルに伴う膨張収縮による応力はセラミックス層23自体にはほとんど作用せず、セラミックス層23の剥離が極めて起こり難い、熱サイクル耐久性に優れた遮熱コーティング膜を実現することができる。
セラミックス層に生じた亀裂は、従来の構成の遮熱コーティング材においては、セラミックス層に剥離を生じさせる原因となっていたが、本発明に係るセラミックス層23に導入された縦割れ23Aは、このようなセラミックス層の剥離の原因とはならない。これは、縦割れ23Aと、熱サイクルにより生じたセラミックス層の亀裂とでは、その周辺の結晶組織が異なることによる。すなわち、熱サイクルにより生じる亀裂は、高温中でセラミックス層を構成するZrOの結晶相がt’相(準安定正方晶相)からt相(正方晶相)へ変化し、遮熱コーティング材の温度が低下した場合に高温相であるt相が温度の低下によりm相(単斜晶相)へ変化する際の体積変化により生じるものであるため、このようにして形成された亀裂の周辺部には、m相が観測される。これに対して本発明に係るセラミックス層23に導入される縦割れ23Aにおいては、その周辺部にほとんどm相が観測されない。従って周辺部にm相が生成された亀裂を有する遮熱コーティング材においては、熱サイクルによりm相とt相との相転移が繰り返されるため、亀裂は徐々に進展し、最終的にはセラミックス層を剥離させるが、縦割れ23Aの周辺部ではm相がほとんど存在しないため、このような亀裂の進展が起こらない構造となっている。
上記縦割れ23Aは、セラミックス層23の膜面の法線方向(図示上下方向)と平行に延在するようにセラミックス層23に導入するのが最も好ましいが、前記法線方向から±40°の範囲内であれば、上記セラミックス層23の剥離を防止する効果を十分に得ることができ、また、縦割れ23Aの延在方向を上記の範囲内とすれば、この縦割れ23Aがセラミックス層23の剥離の原因とならない。縦割れ23Aの延在方向の好ましい範囲は、セラミックス層23の膜面の法線方向に対して±20°以下の範囲である。
また、図3に示すセラミックス層23における上記縦割れ23Aどうしの間隔Pは、セラミックス層23の膜厚tの0.05倍〜1倍の範囲とすることが好ましい。間隔Pが0.05倍未満であると、下地のボンドコート層22との密着力が不足するため、剥離しやすくなる傾向にあり、また間隔Pが1倍を越えると、亀裂先端での剥離方向への特異応力が増大することとなり、逆に剥離を誘発する場合があるからである。
以上の構成の本実施形態の遮熱コーティング膜によれば、セラミックス層23に導入された縦割れ23Aにより、熱サイクルに伴う遮熱コーティング膜の膨張収縮による応力が緩和され、より優れた耐剥離性を得ることができる。
上記実施の形態では、セラミックス層23の構成材料としてYbで安定化されたZrOを用いた場合について説明したが、上記第1の実施形態の遮熱コーティング膜と同様に、上記YbSZに代えて、YbとErとを安定化剤として用いたZrOもセラミックス層の構成材料として適用することができるのは勿論であり、この場合にも、上記縦割れ23Aが導入されたセラミックス層23を備えた遮熱コーティング膜と同様の効果を得ることができ、熱サイクル耐久性に優れた遮熱コーティング膜を実現することができる。
また、上記縦割れ23Aを有する本実施形態の遮熱コーティング膜においては、セラミックス層23上に、このセラミックス層23と同材の腐食成分浸透防止層25が設けられている。縦割れ23Aを導入した場合には、膨張収縮による膜の剥離を効果的に防止できる反面、特に厳しい腐食環境において、この縦割れ23Aを介して腐食成分が浸透し、ボンドコート層22や基材21を腐食させるおそれがあるが、上記腐食成分浸透防止層25を設けることで、腐食成分の浸透を効果的に防止し、遮熱コーティング膜の耐食性を高めることができる。
上記腐食成分浸透防止層25の膜厚は、5〜50μmの範囲とすることが好ましく、またその気孔率は4〜20%の範囲とすることが好ましい。これは、膜厚が5μm未満では、腐食成分の浸透を防止する効果が十分に得られない場合があり、50μmを越えると、膜のヤング率が大きくなり耐剥離性が低下する傾向にあるからである。また、気孔率が4%未満では、腐食成分浸透防止層25に亀裂が生じやすくなり、気孔率が20%を越えると、腐食成分の浸透を防止する効果が十分に得られない場合がある。
(遮熱コーティング膜の製造方法)
次に、本実施形態の遮熱コーティング膜の製造方法を説明する。本実施形態に係る製造方法において、ZrO−Yb複合粉末あるいはZrO−(Yb+Er)複合粉末の作製工程は上記第1の実施形態に係る製造方法と同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施形態の遮熱コーティング膜の製造方法の特徴的な点は、縦割れ23Aを備えたセラミックス層23を容易に成膜することができる点にある。すなわち、溶射法又は電子ビーム物理蒸着法によるセラミックス層23の成膜時に縦割れ23Aを形成することができる。具体的には、例えば溶射法により縦割れ23Aを備えたセラミックス層23を形成する場合、溶射距離(溶射ガンと基材との距離)を従来セラミックス層の成膜に用いられていた溶射距離の1/4〜2/3程度にまで近づけるか、あるいは、溶射距離は従来と同程度とし、溶射ガンに入力する電力を従来用いられていた電力の2倍〜25倍程度にまで高めることによりセラミックス層23に縦割れ23Aを導入することが可能となる。すなわち、溶射により基材21(ボンドコート層22)に飛来する溶融又は半溶融状態の粒子の温度を高くすることで、基材21上で急冷凝固される際の温度勾配を大きくし、凝固時の収縮により縦割れ23Aを導入するものである。この方法によれば、溶射距離及び/又は溶射ガンへの入力電力を調整することで、容易に縦割れ23Aの間隔や頻度(縦割れ23Aの面積密度)を制御することができ、所望の特性を備えたセラミックス層23を形成することができる。これにより、優れた耐剥離性、熱サイクル耐久性を備えた遮熱コーティング膜を容易に形成することができる。
(タービン部材及びガスタービン)
上述した構成の本発明に係る遮熱コーティング膜は、産業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒などの高温部品に適用して有用である。また、産業用ガスタービンに限らず、自動車やジェット機などのエンジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用することができる。これらの部材に本発明に係る遮熱コーティング膜を被覆することで、熱サイクル耐久性に優れるガスタービン部材や高温部品を構成することができる。
図4及び図5は、上述した実施の形態に係る遮熱コーティング膜を適用可能なタービン翼(タービン部材)の構成例を示す斜視図である。
図4に示すガスタービン動翼4は、ディスク側に固定されるタブテイル41、プラットフォーム42、翼部43等を備えて構成されている。また、図5に示すガスタービン静翼5は、内シュラウド51、外シュラウド52、翼部53等を備えて構成されており、翼部53にはシールフィン冷却孔54、スリット55等が形成されている。
次に、図4,5に示すタービン翼4,5を適用可能なガスタービンについて図6を参照して以下に説明する。図6は、本発明に係るガスタービンの部分断面構造を模式的に示す図である。
このガスタービン6は、互いに直結された圧縮機61とタービン62とを備える。圧縮機61は、例えば軸流圧縮機として構成されており、大気又は所定のガスを吸込口から作動流体として吸い込んで昇圧させる。この圧縮機61の吐出口には、燃焼器63が接続されており、圧縮機61から吐出された作動流体は、燃焼器63によって所定のタービン入口温度まで加熱される。そして所定温度まで昇温された作動流体がタービン62に供給されるようになっている。図6に示すように、タービン62のケーシング内部には、上述したガスタービン静翼4が、数段(図6では4段)設けられている。また、上述したガスタービン動翼4が、各静翼5と一組の段を形成するように主軸64に取り付けられている。主軸64の一端は、圧縮機61の回転軸65に接続されており、その他端には、図示しない発電機の回転軸が接続されている。
このような構成により、燃焼器63からタービン62のケーシング内に高温高圧の作動流体を供給すれば、ケーシング内で作動流体が膨張することにより、主軸64が回転し、このガスタービン6と接続された図示しない発電機が駆動される。すなわち、ケーシングに固定された各静翼5によって圧力降下させられ、これにより発生した運動エネルギは、主軸65に取り付けられた各動翼4を介して回転トルクに変換される。そして、発生した回転トルクは、主軸64に伝達され、発電機が駆動される。
一般に、ガスタービン動翼に用いられる材料は、耐熱合金(例えばCM247L=キャノン マスケゴン社の市販の合金材料)であり、ガスタービン静翼に用いられる材料は、同様に耐熱合金(例えばIN938=インコ社の市販の合金材料)である。すなわち、タービン翼を構成する材料は、本発明による遮熱コーティング材において基材として採用可能な耐熱合金が使用されている。従って、本発明に係る遮熱コーティング膜を、これらのタービン翼に被覆すれば、遮熱効果と、耐剥離性に優れたタービン翼を得ることができるので、より高い温度環境で使用することができ、また耐久性に優れ、長寿命のタービン翼を実現することができる。また、より高い温度環境において適用可能であることは、作動流体の温度を高められることを意味し、これによりガスタービン効率を向上させることも可能となる。
[実施例]
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するとともに本発明の効果をより明らかにする。
(実施例1)
本例では、Ybの添加量による熱サイクル寿命の変化を検証するために、ZrOへのYb添加量を種々に変化させたYbSZ層を備える試料を形成し、熱サイクル寿命の測定を行った。各試料の作製において用いた基材は、Ni基耐熱合金とし、その合金組成は、Ni−16Cr−8.5Co−1.7Mo−2.6W−1.7T−0.9Nb−3.4Al−3.4Tiとした。そして、この基材の表面をAl粒でグリッドブラストした後、その上に金属結合層としてCo−32Ni−21Cr−8Al−0.5Yなる組成のCoNiCrAlY合金からなるボンドコート層を低圧プラズマ溶射法により形成し、このCoNiCrAlYのボンドコート層上に大気圧プラズマ溶射法によりセラミックス層(YbSZ層)を積層して遮熱コーティング膜を形成した。尚、YbSZ層の溶射に用いたZrO−Yb複合粉末を作製する際の拡散熱処理温度は1450℃とした。
各試料のセラミックス層におけるYb添加量を表1に示す。(試料No.1〜13)
尚、各試料においてボンドコート層(CoNiCrAlY)の厚さは0.1mm、セラミックス層(YbSZ)の厚さは0.5mmで共通とした。
次に、比較試料として、セラミックス層にYSZを用いた試料を作製した。このYSZからなるセラミックス層におけるYの添加量は、8重量%とし、その気孔率は10%とした。(試料No.13)
尚、このYSZからなるセラミックス層が形成された試料No.13は、従来ガスタービンの動翼や静翼などに用いられてきた構成の遮熱コーティング膜である。
以上により得られた各試料について熱サイクル耐久性の評価を行った。図7は、本実施例において熱サイクル耐久性の評価に用いたレーザ式熱サイクル試験装置の模式断面図である。この図に示すレーザ式熱サイクル試験装置は、本体部33上に配設された試料ホルダ32に、基材31A上に遮熱コーティング膜31Bが形成された試料31を、遮熱コーティング膜31Bが外側となるように配置し、この試料31に対してCOレーザ装置30からレーザ光Lを照射することで試料31を、遮熱コーティング膜31B側から加熱するようになっている。また、レーザ装置30による加熱と同時に本体部33を貫通して本体部33の内部の試料31裏面側と対向する位置に配設された冷却ガスノズル34の先端から吐出されるガス流Fにより試料31をその裏面側から冷却するようになっている。
以上の構成のレーザ式熱サイクル試験装置によれば、容易に試料31内部に温度勾配を形成することができ、ガスタービン部材などの高温部品に適用された場合の使用環境に即した評価を行うことができる。図8(a)は、図7に示す装置により熱サイクル試験に供された試料の温度変化を模式的に示すグラフである。この図に示す曲線A〜Cは、それぞれ図8(b)に示す試料31における温度測定点A〜Cに対応している。図8に示すように、図7に示す装置によれば試料31の遮熱コーティング膜31B表面(A)、遮熱コーティング膜31Bと基材31Aとの界面(B)、基材31Aの裏面側(C)の順に温度が低くなるように加熱することができる。従って例えば、遮熱コーティング膜31Bの表面を1200℃以上の高温とし、遮熱コーティング膜31Bと基材31Aとの界面の温度を800〜900℃とすることで、実機ガスタービンと同様の温度条件とすることができる。尚、本試験装置による加熱温度と温度勾配は、レーザ装置30の出力とガス流Fとを調整することで、容易に所望の温度条件とすることができる。
本例では、図7に示す熱サイクル試験装置を用い、最高表面温度(遮熱コーティング膜表面の最高温度)を1300℃とし、最高界面温度(遮熱コーティング膜と基材との界面の最高温度)を950℃とする繰り返しの加熱を行った。その際、加熱時間3分、冷却時間3分の繰り返しとした(冷却時の表面温度は100℃以下になるように設定)。この熱サイクル試験において遮熱コーティング膜に剥離が生じた時点でのサイクル数を熱サイクル寿命として表1に併記する。
表1に示すように、Yb添加量が8重量%〜27重量%の範囲とされたNo.5〜12の試料は、従来の構成であるYSZのセラミックス層を用いたNo.14の試料に比して優れた熱サイクル耐久性を備えていることが確認された。また、Yb添加量が10重量%〜25重量%の範囲とされたNo.6〜11の試料は900サイクル以上の熱サイクル寿命であり、より優れた熱サイクル耐久性を備えていた。さらに、Yb添加量が15重量%〜20重量%とされたNo.7〜10の試料は2000サイクル以上の寿命であり、極めて優れた耐久性を備えていた。
Figure 2005163185
(実施例2)
次に、セラミックス層23に縦割れ23Aを導入する効果について検証するために、溶射距離を変化させることで、表2に示す間隔の縦割れ23Aを有するセラミックス層23を備えた遮熱コーティング材を作製した。本例において作製した試料のセラミックス層に、表2に示す添加量のYbを添加したZrOを用い、溶射距離を変化させた以外は上記実施例1と同様にして作製した。また、作製された試料のセラミックス層の気孔率を測定したところ、縦割れを含めた気孔率は約8%であった。
表2に示すように、縦割れ23Aが導入された本実施例の試料は、縦割れ23Aが導入されていない実施例1の各試料に比して、同じYb添加量であってもより高い熱サイクル寿命を示し、適切な範囲の間隔を有する縦割れ23Aをセラミックス層23に導入することで、熱サイクル耐久性を格段に高められることが確認された。
Figure 2005163185
(実施例3)
次に、YbSZからなるセラミックス層におけるYbSZの気孔率による耐久性の変化を検証するために、表3に示す気孔率を有するセラミックス層を備えた遮熱コーティング膜を基材上に形成して各試料を作製した。これらの試料のセラミックス層の気孔率は、溶射条件の溶射電流や溶射距離を調整することにより所定の気孔率が得られるようにした。また、前記気孔率の調整と、Yb添加量を18重量%とした以外は、上記実施例1と同様にして各試料を作製した。
表3に示すように、セラミックス層の気孔率が、8〜15%とされたNo.31〜33の試料において、表1に示す従来のYSZからなるセラミックス層を有する遮熱コーティング膜よりも優れた熱サイクル耐久性を示すことが確認された。
Figure 2005163185
(実施例4)
本例では、遮熱コーティング膜のセラミックス層に用いる安定化ジルコニアの安定化剤の種類を種々に変化させて遮熱コーティング膜を作製し、熱サイクル試験を行った。本例の各試料の作製方法は、溶射粉末の調製に用いる安定化剤粉末の種類を変更した以外は、上記実施例1の試料No.8(16重量%Yb添加)と同様とした。Yb以外の安定化剤としては、Er、Dy、Gd、Sm、Nd、Yを用い、その添加量は、Y以外は、16重量%のYbに相当するモル濃度(5.6モル%)とし、Yについてのみ、従来安定化剤として用いられている最も一般的な添加量である8重量%(4.5モル%)とした。
また、熱サイクル試験については、上記実施例1と同様の熱サイクル試験装置を用い、加熱時の最高表面温度を1420℃として各試料の測定を行った。
図9に、各試料を最高表面温度1420℃の熱サイクル試験により測定した結果を示す。図9に示すグラフの縦軸は、最高表面温度1420℃の熱サイクル試験における熱サイクル寿命を示し、横軸はそれぞれの安定化剤に用いた主元素のイオン半径と、Zrイオンのイオン半径との差を示している。また図9に示すグラフ中、5.6YbSZは、5.6モル%(16重量%)のYbを安定化剤として添加されたZrOをセラミックス層に用いた遮熱コーティング膜を示している。同様に、5.6ErSZは5.6モル%のErを添加したZrO、5.6DySZは5.6モル%のDyを添加したZrO、5.6GdSZは5.6モル%のGdを添加したZrO、5.6SmSZは5.6モル%のSmを添加したZrO、5.6NdSZは5.6モル%のNdを添加したZrO、4.5YSZは4.5モル%(8重量%)のYを添加したZrOをそれぞれセラミックス層の構成材料として用いた試料であることを示している。
図9のグラフに示すように、重希土類元素であるEr,Dy.Gd,Sm,Ndを含む安定化剤を添加された試料は、Zrイオンとのイオン半径差が小さいほど熱サイクル寿命が長くなる傾向にある。ただし、本発明に係るセラミックス層の構成材料として用いたYbSZは、本例で用いた安定化剤の中でも最もイオン半径がZrイオンに近く、より優れた熱サイクル耐久性を示すことが予想されたが、そのサイクル耐久性は上記重希土類元素の傾向からは外れ、他の元素を含む安定化剤を添加されたものよりも大幅に優れた10000回を超える(テストは10000回で停止した。)熱サイクル耐久性を示した。
次に、上記各試料の結晶安定性を検証するために、上記にて作製された試料を1200℃×1000時間、1300℃×1000時間、1400℃×1000時間の3条件で加熱し、それぞれの試料について加熱後の遮熱コーティング膜のセラミックス層における単斜晶相(m相)の生成量を測定した。このm相量の測定は、加熱後の試料のX線回折パターンを測定し、その結果を基にSurface and Coating Technology 82(1996) 70-76, R. L. Jones et al.に記載されている以下の式1を用いて算出したものである。
式1: %monoclinic=%destabilyaim
(脱安定化割合)

=100×m(111)/{m(111)+t'(111)}
ただし、m(111)はm相の(111)面のX線回折ピークの面積、t'(111)は、t’相の(111)面のX線回折ピークの面積を示している。尚、本明細書においては、結晶学的な面指数(111)に対し、原点を介して反対側にある面を(111)と表記することとする。
測定結果を図10に示す。図10のグラフの縦軸は、単斜晶相の生成量を示し、横軸は加熱温度を示している。
図10に示すように、加熱温度が高くなるほど各試料の単斜晶相の生成量も増加する傾向にあるが、セラミックス層にYbSZを用いた本発明に係る遮熱コーティング膜は、より高温に加熱された場合にも単斜晶相の生成量が最も少なく、最も優れた結晶安定性を備えていることが確認された。また、図10においてErSZはYbSZに次ぐ結晶安定性を示しており、安定化剤としてYbとErとを添加することによっても、優れた結晶安定性が得られることが示唆される。
図1は、本発明の第1の実施形態である遮熱コーティング膜の模式断面図である。 図2は、本発明に係るセラミックス層の形成に用いる溶射粉末の製造工程を示す説明図である。 図3は、本発明の第2の実施形態である遮熱コーティング膜の模式断面図である。 図4は、本発明に係るタービン部材の一例である動翼を示す斜視図である。 図5は、本発明に係るタービン部材の一例である静翼を示す斜視図である。 図6は、図4及び図5に示すガスタービン部材を備えたガスタービンの一例を示す部分断面図である。 図7は、本発明の実施例において用いたレーザ式熱サイクル試験装置の模式断面図である。 図8(a)は、図7に示す熱サイクル試験装置による熱サイクル試験時の試料の温度履歴を示すグラフであり、図8(b)は、図8(a)の各曲線に対応する試料上の測定点を示す説明図である。 図9は、本発明の実施例4に係る、セラミックス層に用いる材料の安定化剤の種類と、熱サイクル寿命との関係を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例4に係る、セラミックス層に用いる安定化剤の種類と、セラミックス層における加熱後の単斜晶相の生成量との関係を示すグラフである。
符号の説明
21 基材
22 ボンドコート層(金属結合層)
23 セラミックス層
23A 縦割れ
25 腐食成分浸透防止層
4 動翼(タービン部材)
5 静翼(タービン部材)
6 ガスタービン
61 圧縮機
62 タービン
63 燃焼器

Claims (22)

  1. 耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材を有するガスタービン部材を備えたガスタービンであって、
    前記セラミックス層が、安定化剤として15重量%以上25重量%以下(ただし、15重量%を除く)のYbを添加されたZrOからなることを特徴とするガスタービン。
  2. 耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材を有するガスタービン部材を備えたガスタービンであって、
    前記セラミックス層が、安定化剤としてYb及びErを添加されたZrOからなることを特徴とするガスタービン。
  3. 耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材を有するガスタービン部材を備えたガスタービンであって、
    前記セラミックス層が、安定化剤として8重量%以上27重量%以下のYb23を添加されたZrO2からなり、
    前記セラミックス層に、その膜厚方向に延在する縦割れが導入されたことを特徴とするガスタービン。
  4. 耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材であって、
    前記セラミックス層が、安定化剤として15重量%以上25重量%以下(ただし、15重量%を除く)のYbを添加されたZrOからなることを特徴とする遮熱コーティング材。
  5. 耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材であって、
    前記セラミックス層が、安定化剤としてYb及びErを添加されたZrOからなることを特徴とする遮熱コーティング材。
  6. 前記セラミックス層のYb添加量が、20重量%以下とされたことを特徴とする請求項4に記載の遮熱コーティング材。
  7. 前記セラミックス層のYb添加量が、0.1重量%以上25重量%以下とされ、前記Er添加量が、0.1重量%以上25重量%以下とされ、
    前記Yb添加量と、Er添加量との合計が、10重量%以上30重量%以下とされたことを特徴とする請求項5に記載の遮熱コーティング材。
  8. 前記セラミックス層に、その膜厚方向に延在する縦割れが導入されたことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材。
  9. 耐熱合金基材と、該基材の耐熱性を高めるために前記基材上に形成されたセラミックス層とを含む遮熱コーティング材であって、
    前記セラミックス層が、安定化剤として8重量%以上27重量%以下のYb23を添加されたZrO2からなり、
    前記セラミックス層に、その膜厚方向に延在する縦割れが導入されたことを特徴とする遮熱コーティング材。
  10. 前記セラミックス層の縦割れの延在方向が、膜面の法線に対して±40°以内とされたことを特徴とする請求項8又は9に記載の遮熱コーティング材。
  11. 前記セラミックス層の隣接する縦割れの間隔が、前記セラミックス層の膜厚の0.05倍以上1倍以下とされたことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材。
  12. 前記縦割れの導入されたセラミックス層上に、セラミックス層と同材の腐食成分浸透防止層を備えたことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材。
  13. 前記腐食成分浸透防止層の膜厚が、5μm以上50μm以下とされ、その気孔率が4%以上20%以下とされたことを特徴とする請求項12に記載の遮熱コーティング材。
  14. 前記セラミックス層に微細な気孔が形成されており、該気孔の前記セラミックス層に対する占有率が、8%以上15%以下とされたことを特徴とする請求項4ないし13のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材。
  15. 前記基材と、前記セラミックス層との間に金属結合層を備えたことを特徴とする請求項4ないし14のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材。
  16. 前記セラミックス層が、ZrO粉末及びYb粉末、又はZrO粉末、Yb粉末及びEr粉末を、バインダー又は分散剤と共にスラリー状にしたものを、スプレードライヤーにより粒状にして乾燥させ、1200〜1600℃に加熱して作製された溶射粉末を用いて、溶射法で形成されたセラミックス層である請求項4ないし15のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材。
  17. Yb粉末と、ZrO粉末とを混合して前記Yb23粉末が15重量%以上25重量%以下(ただし、15重量%を除く)の溶射粉末を作製し、
    前記溶射粉末を用いた溶射法により耐熱合金基材上にセラミックス層を形成することを特徴とする遮熱コーティング材の製造方法。
  18. Yb粉末と、Er粉末と、ZrO粉末とを混合して溶射粉末を作製し、
    前記溶射粉末を用いた溶射法により耐熱合金基材上にセラミックス層を形成することを特徴とする遮熱コーティング材の製造方法。
  19. 前記溶射粉末を用いて溶射を行う際に、形成されるセラミックス層に縦割れを導入することを特徴とする請求項17又は18に記載の遮熱コーティング材の製造方法。
  20. Yb23粉末と、ZrO2粉末とを混合して前記Yb23粉末が8重量%以上27重量%以下の溶射粉末を作製し、
    前記溶射粉末を用いた溶射法により耐熱合金基材上にセラミックス層を形成し、
    前記溶射粉末を用いて溶射を行う際に、形成されるセラミックス層に縦割れを導入することを特徴とする遮熱コーティング材の製造方法。
  21. 前記溶射粉末の作製が、ZrO粉末及びYb粉末、又はZrO粉末、Yb粉末及びEr粉末を、バインダー又は分散剤と共にスラリー状にする工程と、スプレードライヤーにより粒状にして乾燥させる工程と、その後1200〜1600℃に加熱する工程とを含む請求項17ないし20のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材の製造方法。
  22. 請求項4ないし16のいずれか1項に記載の遮熱コーティング材を備えたことを特徴とするタービン部材。
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