JP6499271B2 - 遮熱コーティングおよび発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、高温・高圧の条件下で利用されるタービン機器と、その構成部材などに施すことができる遮熱コーティングおよびその遮熱コーティングを有する発電システムに関するものである。
従来、高温条件下で使用される機器の表面には、それらの機器が高温条件で損傷を受けにくくすることを目的に、遮熱コーティングが付与されることが考えられている。例えば発電用ガスタービンのような機器において、燃焼器、動翼、静翼等の、高温条件に付される部品の外面には、セラミックなどからなる遮熱コーティングを施すことで、遮熱性または耐酸化性を改善している。このような遮熱コーティングの耐久性を改善することは、これらの部品そのものの耐久性と信頼性を維持するために重要な要素である。
一般的に遮熱コーティングの材料には、金属と比べて熱伝導率の低いセラミックスを主成分とする多孔質材料が選択される。これらの多孔質材料は、タービン運転中の高温条件下では、焼結による変質、表裏面の温度差に起因する割れ、金属との熱膨張差による剥離などの問題を引き起こす可能性がある。そのため、遮熱コーティングの耐久性を向上させる種々の検討と提案がなされている。
一方、発電の効率化の観点から、発電用タービンの運転条件を高温高圧化するニーズが高まっている。このような目的に超臨界COタービンを用いることが検討されている。超臨界COタービンは、天然ガス等の燃料、酸素、およびCOを混合し、高圧で燃焼器に注入して燃焼させ、発生した高温高圧の燃焼ガスでタービンを回転させて発電する。超臨界COタービンは、燃焼により生成するCOをそのまま回収することができるので、COを有効活用できるうえ、NOを排出しないことから、地球環境保護の観点からも注目されている。
しかしながら、超臨界COタービンなどでは、従来の蒸気タービンに比較して非常に高い温度の燃焼ガスに曝される。このため、タービン機器に施された遮熱コーティングも従来のコーティングよりも過酷な条件に置かれることとなる。この結果、遮熱コーティングの変質や剥離が生じやすいことが問題となってきている。
特開2012−172610号公報
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、高温かつ高圧の条件下で使用されても劣化や剥離が少なく、耐久性に優れた遮熱コーティングを提供しようとするものである。
実施形態による遮熱コーティングは、基材の表面に結合層を介して形成されたセラミックス層を含ものであって、前記セラミックス層の前記結合層側界面の近傍の気孔率が、前記セラミックス層の前記結合層と反対側界面の近傍の気孔率よりも低いことを特徴とするものである。
また、実施形態による発電システムは、
二酸化炭素が混合された燃料を燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
前記燃焼ガスにより発電を行うCOタービン発電機と
を具備する発電システムであって、前記COタービンが、前記の遮熱コーティングを表面に有する構成部材を含むものであることを特徴とするものである。
実施形態によれば、超臨界COタービンをはじめとする高温・高圧条件下で使用されるシステムの部材に利用することができる、耐久性が高い遮熱コーティングが提供される。このような遮熱コーティングにより、タービンなどの信頼性及び運転効率を高めることができる。
実施形態による遮熱コーティングの断面模式図。 実施形態による遮熱コーティングの、結合層側界面から表面側界面までの気孔率の変化を示す図。 実施形態による他の遮熱コーティングの、結合層側界面から表面側界面までの気孔率の変化を示す図。 実施形態による他の遮熱コーティングの、結合層側界面から表面側界面までの気孔率の変化を示す図。 別の実施形態による遮熱コーティングの断面模式図。
本発明の実施の形態を図面により説明すると以下の通りである。
図1は、実施形態に関わる遮熱コーティングの断面模式図である。
基材1は金属などからなるものである。実施形態による遮熱コーティングは高い温度条件下で使用されることが意図されているため、基材も一般的には耐熱性の材料が用いられる。具体的には、発電機などに用いられるタービンなどの構成部材が基材となる。これらの基材の材料は特に制限されるものではないが、金属類、特にタービン運転時の高温条件に耐えうる、ニッケルやコバルトの含有率が高い超合金などが一般的である。
基材1の表面には結合層2が形成されている。結合層2は、セラミックス層3と基材1との密着性、基材1の高温条件下における腐食耐性や酸化耐性を改善するために設けられている。結合層2はクロムまたはアルミニウムの濃度の高い金属材料からなるものが好ましく、特に高温での耐食耐性および酸化耐性に優れるMCrAlY合金(MはNiおよびCoから選ばれる少なくとも一方)からなるものが好ましい。結合層の厚さは、必要に応じて調整されるが、平均厚さが一般に0.1〜0.2mmであることが好ましい。
実施形態において、遮熱コーティング3は結合層2の上に形成されている。図1において遮熱コーティング3はセラミックス層4とその上に形成された難焼結層5とを含んでいるが、後述するように難焼結層5は必ずしも必須ではない。そして、実施形態においては、このセラミックス層の結合層側界面(以下、簡単のために下側界面ということがある)の近傍の気孔率が、セラミックス層の結合層と反対側界面(以下、簡単のために上側界面ということがある)の近傍の気孔率よりも低いという特徴を有している。
一般的に、セラミックス層が形成される場合、その層の特性はおおよそ均一になることが多い。例えば前駆体組成物を塗布して焼成することによってセラミックス層を形成させる場合や、単純な溶射方法によってセラミックス層を形成させる場合が相当する。
このような均一なセラミックス層を遮熱コーティングとして用いると、高温・高圧の環境下では、セラミックス層4の表裏面間の温度差が大きくなり、熱膨張差に起因する割れが発生しやすくなる。
これに対して、実施形態による遮熱コーティングにおいて、セラミックス層の気孔率は下側界面から上側界面に向かって高くなる構造となっている。ここで上側界面は、後述する難焼結層が設けられている場合にはセラミックス層と難焼結層との界面であり、設けられていない場合は、外気に露出されたセラミックス層の表面である。高温・高圧の環境下では、セラミックス層3の上側界面と下側界面の間、言い換えると表裏面間、の温度差が大きくなる。この結果、上側界面の熱膨張による伸びは下側界面よりも大きくなり、熱膨張差に起因する割れが発生しやすくなるのが一般的である。しかしながら、実施形態による遮熱コーティングでは、高温となる上側界面に対し、比較的低温となる下側界面の近傍を低気孔率となっている。この結果、上側界面近傍は気孔率が高いために熱膨張による伸びが小さくなる、上側界面と下側界面との間に発生する熱膨張差を小さくすることができ、その結果、割れの発生を抑制することができる。
ここで、金属材料を含む結合層とセラミックス層とは熱膨張係数が異なるのが一般的である。このため、遮熱コーティングが高温高圧条件に付された場合、結合層とセラミックス層とで熱膨張による寸法変化量が異なることによってせん断応力が作用し、下側界面で剥離が起こる可能性も否定できない。しかし、遮熱コーティングが高温高圧条件に付された場合であっても、遮熱コーティング3全体の平均温度が上昇する。このため、下側界面における熱膨張差またはそれに起因する熱応力は、温度がより高くなっても顕著に増大することはない。また、セラミックス層の下側界面近傍における気孔率を従来の遮熱コーティングと同等にすることが可能である。このため、遮熱コーティングが超臨界COタービンのような、極めて厳しい条件に用いられた場合であっても、通常のガスタービンの運転条件に用いられた場合と比較して、割れや剥離が起こりやすくなることはない。そして、実施形態のように結合層に接触しているセラミックス層の気孔率が相対的に低い場合であっても同様である。
セラミックス層4は、上記したとおり気孔率の異なる部分を含んでいる。ここで、気孔率はセラミックス層の断面の写真を撮影し、その写真の画像解析によって測定することができる。ここで、セラミックス層の結合層側界面(下側界面)の近傍、およびセラミックス層の結合層と反対側界面(上側界面)の近傍についての気孔率が重要となる。そして、実施形態においては、理想的には、下側界面または上側界面の気孔率が求められることが望ましい。しかしながら、気孔率は一定体積中に存在する空隙の体積の割合であるため、界面の気孔率を求めることは困難である。このため、実施形態においては、セラミックス層の下側界面の近傍とは、セラミックス層の下側界面から、セラミックス層全体の厚さの1/3までの領域をいう。同様に、セラミックス層の上側界面の近傍とは、セラミックス層の上側界面から、セラミックス層の全体の厚さの1/3領域をいう。
実施形態において、セラミックス層の上側界面の近傍の気孔率が、下側界面の近傍の気孔率よりも高いことが必要であるが、その間の気孔率は特に限定されない。しかし、セラミックス層の気孔率の分布は、以下のパターンをとることが好ましい。
(i)気孔率が低い層と、気孔率が高い層とが積層されている場合
図2は、結合層の上に気孔率が低い層が設けられ、その上に気孔率が高い層が設けられた積層構造を有するセラミックス層の、下側界面から上側界面までの気孔率の変化を示す図である。ここで、結合層の直上に形成された層の気孔率はpであり、その上に積層された層の気孔率はpである。ここでp>pの関係となっている。なお、図2には気孔率が異なる層が二つ積層された場合の例が示されているが、3層以上が積層されていてもよい。
このような構造は、下側の層の上に、気孔率の高い上側の層を積層することにより形成させることができるので、容易に製造することができる。また、このような構造をとると、下側の層と上側の層との間に界面が形成されるため、その界面における熱抵抗が生じるので好ましい。
(ii)気孔率が下側界面から上側界面に向かって連続的に増加する場合
図3は、セラミックス層の気孔率が下側界面から上側界面に向かって単調に増加する場合の、下側界面から上側界面までの気孔率の変化を示す図である。この図には気孔率が一次関数的に増加していく例が示されているが、これに限定されない。すなわち、気孔率変化の傾きが変化してもよく、一部で気孔率変化がない(傾きがゼロである)部分があってもよい。
このような構造は、結合層の上に、溶射条件などの形成条件を変化させながらセラミックス層を形成させていく方法により製造することができる。このような構造をとると、セラミックス層の内部に界面が形成されないので、剥離などのリスクを下げることができる。
(iii)上記(i)および(ii)の組み合わせ
図4は、上側界面近傍、および下側界面近傍では気孔率が変化せず、セラミックス層の内部で連続的に気孔率が変化する場合の下側界面から上側界面までの気孔率の変化を示す図である。このような構造は、上記した(i)および(ii)の組み合わせであるといえる。
このような構造は、結合層の上に気孔率の低い層を形成させた後、溶射条件を変化させながら下側から上側へ気孔率が変化する層を形成させ、さらに気孔率の相対的に高い層を積層する方法で製造することができる。また、結合層の上に気孔率の低い層を形成させた後、上側の層を形成させるときに相互の層をインターミキシングさせることでも製造することができる。
これらの構造において、また、気孔率が高い部分(例えばpA)の気孔率は15〜30%であることが好ましい。気孔率の高い部分の気孔率が15%以上であると、熱伝導率が低くなり、遮熱コーティングの遮熱効果が高くなる。一方で、気孔率の高い部分の気孔率が30%以下であることにより、遮熱コーティングの物理的強度を高く維持することができる。
一方気孔率の低い部分(例えばpB)の気孔率は5〜15%であることが好ましい。気孔率が低い部分の気孔率が15%以下であることにより、遮熱コーティング層の表裏面の温度差に起因する熱膨張の差を十分に緩和することができる。そして、上記の気孔率の高い部分の気孔率範囲を考慮すると、気孔率が低い部分の気孔率は5%以上であることが好ましい。
セラミックス層の厚さは、遮熱コーティングとして基材を保護し、また十分な遮熱が可能となるように設定される。セラミックス層の厚さは、一般に0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmとされる。
このようなセラミックス層を形成させるためのセラミックス材料は特に限定されないが、例えば、アルミナ、マグネシア、ジルコニアなどから選択できる。ただし、タービンのような回転機器に適用する遮熱コーティングには、酸化ジルコニウムを選択することが好ましく、特に酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化イットリウムなどの安定化材を含む酸化ジルコニウムを選択することが好ましい。安定化材を含む酸化ジルコニウムは高温での結晶相の相変態に伴う遮熱コーティングの割れが起こりにくいためである。
また一般的なニッケルを主成分とする超合金の室温での熱伝導率が10W/(m/K)以下であることから、セラミックス層の室温での熱伝導率が5W/(m/K)以下であることが好ましい。この点からも、酸化ジルコニウムから形成されたセラミックス層であれば、遮熱コーティングとして必要な熱伝導率を確保することができるので好ましい。
上記したセラミックス層4の上側表面に、そのセラミックス層よりも不純物含有率の低い、難焼結層5を形成させることができる。高温高圧のタービンでは、最表面の温度が高くなるため、焼結による熱伝導率の低下や剥離などの問題が大きくなる。難焼結層はこのような問題の発生を抑制するために設けられることが好ましい。難焼結層の材料として、セラミックス層を構成する材料よりも低融点の酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの不純物が少ない材料を用いることができる。具体的には、上記したセラミックス層の不純物含有率は、一般に1.0〜3.0質量%であるが、難焼結層の材料の不純物含有率は、0.5質量%以下であることが好ましい。また、焼結の抑制や高温下におけるセラミックスの結晶相を安定化する目的で、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ジスプロシウム、酸化イッテルビウムなどの希土類元素(ここでは、これら希土類元素は不純物には含めない)を含んだ酸化ジルコニウムなどのセラミックス材料を用いることもできる。
難焼結層5の気孔率は、前述の通り遮熱コーティング3の表裏面の熱膨張差を緩和する目的で、15〜30%とすることが好ましい。また、難焼結層の厚さは目的に応じて変化するが、一般に、0.01〜0.05mmとされる。
なお、表面の焼結を抑制することを目的とすれば、セラミックス層の一部または全部を不純物含有率の低い材料で形成させることもできる。この場合には、難焼結層をさらに形成させる必要は無い。
また、難焼結層5には、熱膨張を緩和する目的で、図5に示すように層を厚さ方向に貫通する微細な縦割れ6が形成されていてもよい。微細な縦割れを導入することで表面の熱膨張により生じる応力を緩和することができて、遮熱コーティングの表裏面の熱膨張差も緩和する効果を得ることができる。
実施形態による遮熱コーティングの形成方法について説明すると以下の通りである。
まず、遮熱コーティングを施す基材1を用意する。
基材1の材料は、特に限定されず、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タングステン、酸化クロム、酸化ガリウム、酸化ニッケル、酸化マグネシウムもしくはムライトなどのセラミックス、またはニッケル、コバルト、鉄、クロム、アルミニウム、亜鉛、チタン、銅、イットリウムもしくはこれらの合金からなるものであってもよい。これらの基材は、各種の用途に応じて成形されているのが一般的である。実施形態による遮熱コーティングは、任意の基材に施すことができるが、高温高圧の条件に付される材料、たとえば蒸気タービンや超臨界COタービンなどの構成部材を基材とすることが好ましい。より具体的には、動翼、静翼、シュラウドセグメント、またはトランジションピースなどを基材とすることができる。
次に基材の表面に結合層2を形成させる。結合層2は溶射法、電子ビーム蒸着法等により、例えばMCrAlY合金(MはNiおよびCoから選ばれる少なくとも一方)等の金属層構成材の粒子、クラスター、または分子を一様な被膜状に被着させることで形成させることができる。
次いで結合層2の上にセラミックス層4を形成させる。セラミックス層4も結合層と同様に、溶射法、電子ビーム蒸着法等によって、セラミックス材料の粒子、クラスター、または分子等を投入して一様な被膜状に被着させることで形成させることができる。セラミックス層の気孔率は、溶射法、電子ビーム蒸着法等の形成方法の種類を適宜選択するとともに、例えば溶射法では、フレーム温度、溶射距離、溶射に使用する粉末の粒径等を適宜選択することにより調整することができる。また、厚さは、溶射法、電子ビーム蒸着法等による形成時間の調整により行うことができる。
セラミックス層4の上に難焼結層5を形成させる場合には、セラミックス層よりも不純物含有率の低い材料を用いて、セラミックス層の形成条件と同一または近似した条件で形成させることができる。
また、難焼結層に縦割れ6を形成させる場合、従来知られている任意の方法で形成させることができる。たとえば溶射法を用いて難焼結層を形成させる場合では、溶射温度や粉末の粒径、及びセラミックス層形成時に冷却を加えるなどして形成させることができる。電子ビーム物理蒸着を用いて難焼結層を形成させる場合は、成膜時の基材の回転や角度を調整する事で縦割れ構造を得ることができる。
基板上にMCrAlY合金からなる結合層(厚さ0.1mm)を形成させ、そのうえに酸化ジルコニウムを材料として溶射によりセラミックス層を形成させた。
まず、単一の条件でセラミックス層(厚さ0.2mm)を形成させた(比較例1)。このセラミックス層の気孔率は、結合層の近傍と、表面の近傍とでいずれも20%であった。
次に、セラミックス層の形成の際に、途中で溶射条件を変更して、2層構造のセラミックス層を形成させた。厚さは比較例1と同じとした。このセラミックス層の気孔率は、結合層の近傍では10%であり、表面の近傍では20%であった。
これらのセラミックス層(遮熱コーティング)を表面温度1100℃、表裏面の温度差250℃となるまで加熱し、引き続いて室温まで冷却する処理を繰り返して行い、セラミックス層の耐久性を評価した。比較例1のセラミックス層はサイクル数50回で層中に割れが発生したのに対し、実施例1のセラミックス層は50回のサイクルにおいても剥離や割れが発生していなかった。得られた結果は表1に示したとおりであった。
Figure 0006499271
最後に、実施形態による遮熱コーティングを適用した、COタービンなどの高温高圧条件下で使用されるタービンについて説明する。例えば超臨界COタービンの構成部材、例えば動翼、静翼、シュラウドセグメント、またはトランジションピースは、1000℃を超えるような高温、30MPaを超えるような高圧の燃焼ガスに曝される。そして、その燃焼ガスのフローに対して、遮熱コーティングの結合層側には直接燃焼ガスが衝突しないため、表裏面の温度差も非常に大きくなる。
このような過酷な条件に付されるタービンの構成部材に対して、実施形態による遮熱コーティングを適用すると、遮熱コーティングの割れや剥離が抑制されているので部材が直接高温高圧に付されることがない。この結果、部材の破損などが防止されて部材の信頼性が向上し、その結果運転効率の向上も図ることができる。このような実施形態による効果は、特に作動流体が空気よりも密度の高い、COタービンにおいては、顕著に発揮される。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、高温高圧条件下で使用される部材の信頼性を向上させ、装置またはシステムの運転効率を効果的に改善することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 基材
2 結合層
3 遮熱コーティング
4 セラミックス層
5 難焼結層

Claims (12)

  1. 基材の表面に結合層を介して形成されたセラミックス層を含む遮熱コーティングであって、前記セラミックス層の前記結合層側界面の近傍の気孔率が、前記セラミックス層の前記結合層と反対側界面の近傍の気孔率よりも低く、
    前記セラミックス層の前記結合層と反対側界面の近傍または界面上に、前記セラミックス層よりも不純物含有率の低いセラミックス材料からなり、気孔率が15〜30%である難焼結層を有する、遮熱コーティング。
  2. 前記セラミックス層の前記結合層側界面の近傍の気孔率が5〜15%であり、前記セラミックス層の前記結合層と反対側界面の近傍の気孔率が15〜30%である、請求項1に記載の遮熱コーティング。
  3. 前記セラミックス層の気孔率が層厚方向で変化するものであり、前記結合層界面から反対側界面まで連続的に変化している、請求項1または2に記載の遮熱コーティング。
  4. 前記セラミックス層が、気孔率の異なる2層以上のセラミックス層が積層された構造を有している、請求項1または2に記載の遮熱コーティング。
  5. 前記セラミックス層が二酸化ジルコニウムを含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱コーティング。
  6. 前記二酸化ジルコニウムが安定化材をさらに含むものである、請求項5に記載の遮熱コーティング。
  7. 前記難焼結層が亀裂を複数有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮熱コーティング。
  8. 前記難焼結層が、希土類元素を含む二酸化ジルコニウムを含むものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮熱コーティング。
  9. 前記基材が、タービンの構成部材である、請求項1〜のいずれか1項に記載の遮熱コーティング。
  10. 前記タービンが超臨界COタービンである、請求項に記載の遮熱コーティング。
  11. 二酸化炭素が混合された燃料を燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
    前記燃焼ガスにより発電を行うCOタービン発電機と
    を具備する発電システムであって、前記COタービンが、請求項1〜10のいずれか1項に記載の遮熱コーティングを表面に有する構成部材を含むものであることを特徴とする、発電システム。
  12. 前記構成部材が、動翼、静翼、シュラウドセグメント、およびトランジションピースからなる群から選択される、請求項11に記載の発電システム。
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