JP5320352B2 - 遮熱コーティング部材及びその製造方法ならびに遮熱コート材料、ガスタービン及び焼結体 - Google Patents
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Description
また、本発明の参考例は、一般式A”2Ce2O7(但し、A”はLa、Sm又はYbのいずれかを表す)で表される酸化物を含んでなる遮熱コート材料を提供する。前記酸化物は、熱伝導率を下げるためにパイロクロア型結晶構造を有することが好ましい。
また、本発明の参考例は、耐熱基材と、該耐熱基材上に形成されたボンドコート層と、該ボンドコート層上に形成されたセラミックス層とを含んでなる遮熱コーティング部材であって、該セラミックス層が一般式A”2Ce2O7(但し、A”はLa、Sm又はYbのいずれかを表す)で表される酸化物を含む遮熱コーティング部材を提供する。前記酸化物は、熱伝導率を下げるためにパイロクロア型結晶構造を有することが好ましい。
あるいは、上記いずれかの遮熱コーティング部材において、前記セラミックス層が、その厚さ方向に、前記耐熱基材上のボンドコート層以外の全層の厚さの5%以上100%以下の間隔で縦割れを有することが望ましい。
あるいは、上記いずれかの遮熱コーティング部材において、前記セラミックス層が柱状晶であったほうが望ましい。
あるいは、上記の遮熱コーティング部材において、上記ボンドコート層と上記セラミックス層との間にジルコニア含有層が更に設けられ、該ジルコニア含有層が、その厚さ方向に、上記耐熱基材上のボンドコート層以外の全層の厚さの5%以上100%以下の間隔で縦割れを有したほうが望ましい。
また、本発明の参考例は、一般式A”2Ce2O7(但し、A”はLa、Sm又はYbのいずれかを表す)で表される酸化物を含んでなる焼結体を提供する。前記酸化物は、熱伝導率を下げるためにパイロクロア型結晶構造を有することが好ましい。
また、本発明は、耐熱基材上にボンドコート層を形成するステップと、該ボンドコート層上に一般式A”2Ce2O7(但し、A”はLa、Sm又はYbのいずれかを表す)で表される酸化物を含むセラミックス層を形成するステップとを含む遮熱コーティング部材の製造方法を提供する。前記酸化物は、熱伝導率を下げるためにパイロクロア型結晶構造を有することが好ましい。
あるいは、上記ジルコニア含有層形成ステップは、前記ジルコニア含有層に厚さ方向の縦割れを導入する段階を含んでいてもよい。
あるいは、上記いずれかの遮熱コーティング部材の製造方法において、上記セラミックス層形成ステップが、前記セラミックス層に厚さ方向の縦割れを導入する段階を含んでいてもよい。
また、本発明の参考例は、耐熱基材上にボンドコート層を形成するステップと、該ボンドコート層の上に電子ビーム物理蒸着法を用いて、一般式A”2Ce2O7(但し、A”はLa、Sm又はYbのいずれかを表す)で表される酸化物を含む柱状晶を有するセラミックス層を形成するステップとを含む遮熱コーティング部材の製造方法を提供する。前記酸化物は、熱伝導率を下げるためにパイロクロア型結晶構造を有することが好ましい。
ボンドコート層は、高い耐酸化性を有するとともに、耐熱基材とセラミックス層、又は耐熱基材とジルコニア含有層との熱膨張係数差を小さくして熱応力を緩和することができる。従って、高い耐酸化性による長時間耐久性と優れた熱サイクル耐久性を得ることができ、セラミックス層やジルコニア含有層のボンドコート層からの剥離を防止できる。また、ボンドコート層は、耐熱基材とセラミックス層、又は耐熱基材とジルコニア含有層をより強固に接合させ、遮熱コーティング材の強度の向上にも寄与できる。
ボンドコート層としては、耐食性及び耐酸化性に優れたMCrAlY合金(「M」は金属元素を表す。)が好ましい。「M」は、好ましくは、NiやCo、Fe等の単独の金属元素又はこれらのうち2種以上の組み合わせである。
ボンドコート層の形成方法は、特に限定されず、低圧プラズマ溶射法や、電子ビーム物理蒸着法等を用いることができる。
前記一般式A2Zr2O7で表される酸化物に、5モル%以上30モル%以下のCaO及び5モル%以上30モル%以下のMgOの少なくとも一方を添加してなる酸化物は、前記セラミックス層に10体積%以上含まれていることが好ましい。このセラミックス層は、10体積%以上のパイロクロア型結晶構造を有することにより、低熱伝導率を実現している。
前記一般式A’1B1Zr2O7で表される酸化物は、前記セラミックス層に10体積%以上含まれていることが好ましい。この一般式A’1B1Zr2O7で表される酸化物は、セラミックス層の熱伝導率を下げるために、パイクロア構造をとることが好ましい。
前記一般式A”2Ce2O7で表される酸化物は、前記セラミックス層に10体積%以上含まれていることが好ましい。この一般式A”2Ce2O7で表される酸化物は、セラミックス層の熱伝導率を下げるために、パイクロア型結晶構造をとることが好ましい。
また、前記一般式A’1B1Zr2O7で表される酸化物としては、La1Ce1Zr2O7又はSm1Yb1Zr2O7が、低熱伝導率であり、かつYSZと同等の線膨張係数を有するので特に好ましい。
また、前記一般式A”2Ce2O7で表される酸化物としては、La2Ce2O7が、低熱伝導率であり、かつYSZと同等の線膨張係数を有するので特に好ましい。
前記一般式A2Zr2O7、一般式A’1B1Zr2O7または一般式A”2Ce2O7で表される酸化物を粉として合成する方法としては、粉末混合法、共沈法、アルコキシド法等が知られている。粉末混合法は、A2O3粉及びZrO2粉、またはA’2O3粉、B2O3粉及びZrO2粉、またはA”2O3粉及びCeO2粉をスラリー状態でボールミル等を使用して混合し、スラリーを乾燥した後、粉を熱処理して固相反応法により一般式A2Zr2O7、一般式A’1B1Zr2O7、または一般式A”2Ce2O7で表される酸化物を合成し、粉砕してA2Zr2O7粉、A’1B1Zr2O7粉、または一般式A”2Ce2O7粉を得る方法である。共沈法は、A及びZrの塩溶液、またはA’、B及びZrの塩溶液、またはA”及びCeの塩溶液にアンモニア等の中和剤を添加して水和物沈殿を得た後、熱処理して反応させ、一般式A2Zr2O7、一般式A’1B1Zr2O7、または一般式A”2Ce2O7で表される酸化物とした後、粉砕してA2Zr2O7粉、A’1B1Zr2O7粉、または一般式A”2Ce2O7粉を得る方法である。アルコキシド法は、A及びZr、またはA’、B及びZr、またはA”及びCeのアルコキシド有機溶媒に水を添加して水和物沈殿を得た後、熱処理して反応させ一般式A2Zr2O7、一般式A’1B1Zr2O7、または一般式A”2Ce2O7で表される酸化物とした後、粉砕してA2Zr2O7粉、A’1B1Zr2O7粉、または一般式A”2Ce2O7粉を得る方法である。
A2Zr2O7粉にCaO及びMgOの少なくとも一方を添加する方法としては、例えば、前記粉末混合法で示した原料(A2O3粉及びZrO2粉)に、CaO及びMgOの少なくとも一方を主体とする粉末を加えて原料とし、前記粉末混合法に従って酸化物を合成してもよい。
前記一般式A2Zr2O7に5モル%以上30モル%以下のCaO及び5モル%以上30モル%以下のMgOの少なくとも一方が添加されてなる酸化物、一般式A’1B1Zr2O7で表される酸化物、または一般式A”2Ce2O7で表される酸化物をインゴットとして合成する場合は、所定の組成を有する原料を焼結又は電融固化してインゴットを得る方法が採用される。
なお、以下において、前記一般式A2Zr2O7で表される酸化物に、5モル%以上30モル%以下のCaO及び5モル%以上30モル%以下のMgOの少なくとも一方が添加されてなる酸化物を「CaO/MgOドープA2Zr2O7」ともいう。また、CaO/MgOドープA2Zr2O7は化学式ではA2CaxMgyZr2O7(x=0かつ0.05≦y≦0.30、又は0.05≦x≦0.30かつy=0、又は0.05≦x≦0.30かつ0.05≦y≦0.30)となる。前記一般式A’1B1Zr2O7で表される酸化物を単に「A’1B1Zr2O7」ともいう。
CaO/MgOドープA2Zr2O7又はA’1B1Zr2O7を含んでなる遮熱コート材料は、施工法として溶射法を用いる場合には、好ましくは10μm以上200μm以下の粒径に分級し、溶射に適した粒度に調整して用いる。また、電子ビーム物理蒸着法を用いる場合には、焼結インゴットをターゲット材料に用いることができる。
大気圧プラズマ溶射法を用いてCaO/MgOドープA2Zr2O7層又はA’1B1Zr2O7層を形成する方法として、例えば、スルザーメテコ社製溶射ガン(例えばF4ガン)を用いて、上述の溶射法に用いる粉末を溶射電流600(A)、溶射距離150(mm)、粉末供給量60(g/min)、Ar/H2量;35/7.4(l/min)の代表的条件により成膜することが可能である。
電子ビーム物理蒸着法を用いてCaO/MgOドープA2Zr2O7層又はA’1B1Zr2O7層を形成する方法として、例えば、アルデンヌ社製電子ビーム蒸着装置(例えば、TUBA150)を用いて、上述のインゴットをターゲット材料に用い、電子ビーム出力50kW、雰囲気10−4torrの減圧環境、耐熱基材1,000℃の代表的条件で成膜することが可能である。
柱状晶は、ボンドコート表面上で核生成した結晶が優先結晶成長方向に、単結晶状態で成長したもので、耐熱基材に歪が作用した場合にも、結晶が互いに分離することから、高い耐久性を示す。
セラミックス層としてSm2Zr2O7にCaO及びMgOをそれぞれ10モル%ずつ添加したCaO/MgOドープA2Zr2O7層を用いる場合は、XRDパターンが主にSm1.8Ca0.1Mg0.1Zr2O7であるパイロクロア型となっており、熱伝導率が低下することから膜厚を下げることができる。S.Bose,Journal of Thermal Spray Technology,vol.6(1), Mar.1997 pp.99-104には、膜厚が下がると熱サイクル耐久性が向上すると報告されており、同じ遮熱効果を保持しながら薄膜化できる該CaO/MgOドープA2Zr2O7層の高い熱サイクル耐久性を裏付けるものである。このように、該CaO/MgOドープA2Zr2O7層は低い熱伝導性だけでなく、高い熱サイクル耐久性の点からも好ましい。
気孔率が1%未満では、緻密であるためヤング率が高くなり、熱応力が高くなった場合に剥離が生じやすくなる。また、気孔率が30%を超えると、ボンドコート又はジルコニア含有層との密着性が不足し、耐久性が低下する場合がある。
溶射電流は、例えば、通常の600(A)から400(A)に低下することにより気孔率を5%程度から8%程度にまで増加できる。また、電流を増加することにより気孔率を低下することもできる。
プラズマガス流は、例えば、通常のAr/H2量である35/7.4(l/min)から37.3/5.1(l/min)に水素流量割合を増加することにより、気孔率を5%程度から8%程度にまで増加できる。また、水素量を増加すると、気孔率を低下することができる。
溶射距離は、例えば、通常の150mmから210mmに増加させることにより、気孔率を5%程度から8%にまで増加できる。また、溶射距離を短くすることにより、気孔率を低下させることも可能である。更に、これらの組み合わせにより、気孔率を1%程度から最大30%程度の気孔率まで可変することができる。
耐熱基材やボンドコート層に比して熱膨張係数の小さいセラミックス層は、タービンの発停等に伴う熱サイクルが印加された際に、耐熱基材やボンドコート層との熱膨張係数の差による応力が作用するが、セラミックス層に作用する応力を、縦割れがその幅を拡大又は縮小することにより緩和するようになっている。
従って、熱サイクルに伴う膨張収縮による応力はセラミックス層自体にはほとんど作用せず、セラミックス層の剥離が極めて起こり難くなり、熱サイクル耐久性に優れる。
セラミックス層に生じた亀裂は、従来の構成の遮熱コーティング材においては、セラミックス層に剥離を生じさせる原因となっていたが、本発明よるセラミックス層に導入された縦割れは、剥離の原因とはならない。これは、縦割れと、熱サイクルにより生じたセラミックス層の亀裂とでは、その周辺の結晶構造が異なることによる。すなわち、熱サイクルにより生じる亀裂は、高温中でZrO2の結晶相がt’相(準安定正方晶相)からt相(正方晶相)及びC相(立方晶)へ変化し、遮熱コーティング材の温度が低下した場合に高温相で安定であるt相が温度の低下によりm相(単斜晶相)及びC相(立方晶)となり、m相が生成される際に体積変化が生じる。この体積変化により形成された亀裂の周辺部には、m相が観測される。従って、熱サイクルによりm相とt相との相転移が繰り返されるため、亀裂は徐々に進展し、最終的にはセラミックス層を剥離させる。
これに対して、本発明によりセラミックス層に導入される縦割れにおいては、その周辺部にm相がほとんど存在しないため、熱サイクル中にセラミックス層内で相転移に伴う体積変化がほとんどなく、熱サイクルに伴う温度変化により縦割れが進展することはほとんどない。従って、この縦割れの導入によりセラミックス層の寿命が短くなることはないものと考えられる。
縦割れの延在方向のより好ましい範囲は、セラミックス層の膜面の法線方向に対して±20°以下の範囲である。
ピッチが5%未満であると、下地のボンドコート層又はジルコニア含有層と接着面積が小さくなり、密着力が不足して剥離しやすくなる場合がある。間隔が100%を超えると、亀裂先端での剥離方向への特異応力が増大して剥離を誘発する場合がある。
溶射法により縦割れを備えたセラミックス層を形成する場合、溶射距離(溶射ガンと耐熱基材との距離)を従来ジルコニア層の成膜に用いられていた溶射距離の1/4程度から2/3程度にまで近づけるか、あるいは、溶射距離は従来と同程度とし、溶射ガンに入力する電力を従来用いられていた電力の2倍程度から25倍程度にまで高めることによりセラミックス層に縦割れを導入することができる。すなわち、溶射によりボンドコート層又はジルコニア含有層を有する耐熱基材に飛来する溶融又は半溶融状態の粒子の温度を高くすることで、耐熱基材上で急冷凝固される際の温度勾配を大きくし、凝固時の収縮により縦割れを導入することができる。この方法によれば、溶射距離及び/又は溶射ガンへの入力電力を調整することで、容易に縦割れの間隔や頻度(縦割れの面積密度)を制御することができ、所望の特性を備えたセラミックス層を形成することができる。これにより、優れた耐剥離性、熱サイクル耐久性を備えた遮熱コーティング部材を容易に形成することができる。
電子ビーム物理蒸着法により縦割れを備えたセラミックス層を形成する場合、例えば、アルデンヌ社製電子ビーム蒸着装置(例えば、TUBA150)を用いて、上述のインゴットをターゲット材料に用い、電子ビーム出力50kW、雰囲気10−4torrの減圧環境、耐熱基材温度1,000℃の代表的条件で、縦割れを備えたセラミック層を容易に形成することができる。
部分安定化ジルコニアとしては、好ましくは、Yb2O3とY2O3とDy2O3とEr2O3からなる選ばれる一以上で安定化されたジルコニアである。
Yb2O3で安定化されたジルコニアの場合、安定化剤であるYb2O3の含有量は、熱サイクル耐久性の点から、好ましくは8質量%以上27質量%以下である。
Yb2O3とEr2O3とで安定化されたジルコニアの場合、好ましくは、安定化剤であるYb2O3含有量は0.1質量%以上25質量%以下、安定化剤であるEr2O3含有量は0.1質量%以上25質量%以下であり、Yb2O3とEr2O3の含有量の合計が10質量%以上30質量%以下である。
また、ジルコニア含有層の成膜法として電子ビーム物理蒸着法を用いる場合には、所定の組成を有する原料を焼結又は電融固化して得られるインゴットを使用する。
また、Yb2O3及びEr2O3により安定化されたジルコニアを用いる場合には、ZrO2粉末と、所定の添加割合のYb2O3粉、及びEr2O3粉を用意し、上記と同様の方法でZrO2−(Yb2O3+Er2O3)複合粉を作製し、この複合粉を用いて溶射又は電子ビーム物理蒸着を行うことで、ボンドコート層上にYb2O3及びEr2O3により安定化されたジルコニア層を形成することができる。
気孔率が1%未満では、緻密であるためヤング率が高くなり、熱応力が高くなった場合に剥離が生じやすくなる。また、気孔率が30%を超えると、ボンドコートとの密着性が不足し、耐久性が低下する場合がある。
溶射電流は、例えば、通常の600(A)から400(A)に低下することにより気孔率を5%程度から8%程度にまで増加できる。また、電流を増加することにより気孔率を低下することもできる。
プラズマガス流は、例えば、通常のAr/H2量である35/7.4(l/min)から37.3/5.1(l/min)に水素流量割合を増加することにより、気孔率を5%程度から8%程度にまで増加できる。また、水素量を増加すると、気孔率を低下することができる。
溶射距離は、例えば、通常の150mmから210mmに増加させることにより、気孔率を5%程度から8%程度にまで増加できる。また、溶射距離を短くすることにより、気孔率を低下させることも可能である。更に、これらの組み合わせにより、気孔率を1%程度から最大30%程度の気孔率まで可変することができる。
耐熱基材やボンドコート層に比して熱膨張係数の小さいジルコニア含有層は、タービンの発停等に伴う熱サイクルが印加された際に、耐熱基材やボンドコート層との熱膨張係数の差による応力が作用するが、縦割れがその幅を拡大又は縮小することによりジルコニア含有層に作用する応力を緩和するようになっている。
従って、熱サイクルに伴う膨張収縮による応力はジルコニア含有層自体にはほとんど作用せず、部分安定化ジルコニア含有層の剥離が極めて起こり難くなり、熱サイクル耐久性に優れる。
ジルコニア含有層に生じた亀裂は、従来の構成の遮熱コーティング材においては、ジルコニア含有層に剥離を生じさせる原因となっていたが、本発明によるジルコニア含有層に導入された縦割れは、剥離の原因とはならない。これは、縦割れと、熱サイクルにより生じたジルコニア含有層の亀裂とでは、その周辺の結晶組織が異なることによる。すなわち、熱サイクルにより生じる亀裂は、高温中でZrO2の結晶相がt’相(準安定正方晶相)からt相(正方晶相)及びC相(立方晶)へ変化し、遮熱コーティング材の温度が低下した場合に高温相において安定であるt相が温度の低下によりm相(単斜晶相)及びC相(立方晶)となり、m相が生成される際に体積変化が生じる。この体積変化により形成された亀裂の周辺部には、m相が観測される。従って、熱サイクルによりm相とt相との相転移が繰り返されるため、亀裂は徐々に進展し、最終的にはジルコニア含有層を剥離させる。
これに対して、本発明によりジルコニア含有層に導入される縦割れにおいては、その周辺部にm相がほとんど存在しないため、熱サイクル中にジルコニア含有層内で相転移に伴う体積変化がほとんどなく、熱サイクルに伴う温度変化により縦割れが進展することはほとんどない。従って、この縦割れの導入によりジルコニア含有層の寿命が短くなることはないものと考えられる。
縦割れの延在方向のより好ましい範囲は、ジルコニア含有層の膜面の法線方向に対して±20°以内の範囲である。
溶射法により縦割れを備えたジルコニア含有層を形成する場合、溶射距離(溶射ガンと耐熱基材との距離)を従来ジルコニア含有層の成膜に用いられていた溶射距離の1/4程度から2/3程度にまで近づけるか、あるいは、溶射距離は従来と同程度とし、溶射ガンに入力する電力を従来用いられていた電力の2倍程度から25倍程度にまで高めることによりジルコニア含有層に縦割れを導入することができる。すなわち、溶射によりボンドコート層を有する耐熱基材に飛来する溶融又は半溶融状態の粒子の温度を高くすることで、耐熱基材上で急冷凝固される際の温度勾配を大きくし、凝固時の収縮により縦割れを導入することができる。この方法によれば、溶射距離及び/又は溶射ガンへの入力電力を調整することで、容易に縦割れの間隔や頻度(縦割れの面積密度)を制御することができ、所望の特性を備えたジルコニア含有層を形成することができる。これにより、優れた耐剥離性、熱サイクル耐久性を備えた遮熱コーティング部材を容易に形成することができる。
電子ビーム物理蒸着法により縦割れを備えたジルコニア含有層を形成する場合は、例えば、アルデンヌ社製電子ビーム蒸着装置(例えば、TUBA150)を用いて、上述のインゴットをターゲット材料に用い、電子ビーム出力50kW、雰囲気10−4torrの減圧環境、耐熱基材温度1,000℃の代表的条件で、縦割れを備えたジルコニア含有層を容易に形成することができる。
第1の参考実施形態は、耐熱基材上にボンドコート層とCaO/MgOドープA2Zr2O7を含むセラミックス層とを順次含む遮熱コーティング部材である。ボンドコート層の厚さは0.01mm以上1mm以下であり、セラミックス層の厚さは0.1mm以上1mm以下である。ボンドコート層は、MCrAlY合金(「M」は金属元素を表し、好ましくは、NiやCo、Fe等の単独の金属元素又はこれらのうち2種以上の組み合わせである)を原料として、低圧プラズマ溶射法や、電子ビーム物理蒸着法等によって形成される。CaO/MgOドープA2Zr2O7を含むセラミックス層は、CaO/MgOドープA2Zr2O7粉を溶射粉末材料として用いる溶射法や、CaO/MgOドープA2Zr2O7の焼結インゴットをターゲット材料に用いる蒸着法によって形成される。一般式A2Zr2O7で表される酸化物としては、Sm2Zr2O7が好ましい。後述の実験例に示す様に熱伝導率が低いためである。遮熱コーティング部材は、好ましくはガスタービン部品に用いられる。
CaO/MgOドープA2Zr2O7を用いることにより、YSZと略同等な線膨張率でありながら、YSZに比べて低熱伝導率となる。例えば、YSZ溶射被膜の熱伝導率は0.74W/mK以上2.02W/mK以下である(実験値より)。
A’1B1Zr2O7を用いることにより、YSZと略同等な線膨張率でありながら、YSZに比べて低熱伝導率となる。例えば、YSZ溶射被膜の熱伝導率は0.74W/mK以上2.02W/mK以下であるが、A’1B1Zr2O7では、通常0.3W/mK以上1.5W/mK以下である。
第2の実施形態によれば、低熱伝導の遮熱コーティング膜を備えた遮熱コーティング部材が得られる。従って、耐熱基材21の信頼性を向上することができる。また、セラミックス層24に関して、耐熱基材21の延性又は曲げに対する追従性はYSZと同等となる。
第3の実施形態によれば、気孔を有するジルコニア含有層とセラミックス層により、低熱伝導でかつ耐久性の良い遮熱コーティング膜を備えた遮熱コーティング部材が得られる。従って、耐熱基材21の信頼性を向上することができる。また、低コストで遮熱コーティング部材を製造できる。
第4の実施形態によれば、気孔を有するセラミックス層により遮熱の効果が得られ、ジルコニア含有層の縦割れ組織により熱サイクル耐久性が得られる。従って、耐熱基材21の信頼性を向上することができる。また、低コストで遮熱コーティング部材を製造できる。
第5の実施形態によれば、セラミックス層の縦割れ組織により熱サイクル耐久性が向上される。
第6の実施形態によれば、ジルコニア含有層とセラミックス層の縦割れ組織により熱サイクル耐久性が向上される。
第7の実施形態によれば、セラミックス層の柱状組織の存在により熱サイクル耐久性を向上できる。この場合、熱伝導率は溶射コーティングに比べ劣るが、EB−PVDによって得られるYSZに比べると、20%以上熱伝導率を低減できる。
本発明の遮熱コーティング部材は、ガスタービンに限らず、ディーゼルエンジンのピストンクラウンや、ジェットエンジン部品等にも適用可能である。
この焼結体は、CaO/MgOドープA2Zr2O7を用いることにより、YSZに比べて低熱伝導率となる。
この焼結体は、A’1B1Zr2O7を用いることにより、YSZに比べて低熱伝導率となる。
第3の参考実施形態は、一般式A”2Ce2O7で表される酸化物を用いて焼結体を作成するものである。一般式A”2Ce2O7で表される酸化物としては、La2Ce2O7が好ましい。低熱伝導率であり、かつYSZと同等の線膨張係数を有するからである。焼結体は、宇宙船用セラミックスタイルなどに用いることができる。
この焼結体は、A”2Ce2O7を用いることにより、YSZに比べて低熱伝導率となる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(組成例1)
Sm2Zr2O7にMgOを10mol%添加した組成を組成例1とする。この組成を得るために、ZrO2粉(日本イットリウム製、微粉TZ−0であるZrO2)とともにSm2O3粉(日本イットリウム製、微粉99.9%純度Sm2O3粉)、MgO粉(タテホ化学製、炭酸マグネシウムを、MgOに換算)を原料として用いた。
Sm2Zr2O7にMgOを20mol%添加した組成を組成例2とする。この組成を得るために、MgOの添加量を変えた以外は組成例1と同じ原料を用いた。
Sm2Zr2O7にCaOを10mol%添加した組成を組成例3とする。この組成を得るために、MgOをCaOに変えた以外は組成例1と同じ原料を用いた。但し、CaOの原料としては、和光純薬製、試薬炭酸カルシウムを、CaOに換算して使用した。
Sm2Zr2O7にCaOを20mol%添加した組成を組成例4とする。この組成を得るために、CaOの添加量を変えた以外は組成例3と同じ原料を用いた。
Sm2Zr2O7にCaOを10mol%およびMgOを10mol%添加した組成を組成例5とする。この組成を得るために、ZrO2粉(日本イットリウム製、微粉TZ−0であるZrO2)とともにSm2O3粉(日本イットリウム製、微粉99.9%純度Sm2O3粉)、MgO粉(タテホ化学製、高純度マグネシア)及び炭酸カルシウム(和光純薬製、試薬炭酸カルシウム、CaOに換算)を原料として用いた。
Sm1Yb1Zr2O7の組成を組成例6とする。この組成を得るために、ZrO2粉(日本イットリウム製微粉TZ−0であるZrO2)とともにSm2O3粉(日本イットリウム製、微粉99.9%純度Sm2O3粉)、Yb2O3粉(日本イットリウム製、99.9%純度Yb2O3粉)を原料として用いた。
La1Ce1Zr2O7の組成を組成例7とする。この組成を得るために、ZrO2粉(日本イットリウム製微粉TZ−0であるZrO2)とともにLa2O3粉(日本イットリウム製、水酸化ランタンをLa2O3に換算)、Ce2O3粉(日本イットリウム製、99.9%純度Ce2O3粉)を原料として用いた。
La2Ce2O7の組成を組成例8とする。この組成を得るために、La2O3粉(日本イットリウム製、水酸化ランタンをLa2O3に換算)及びCe2O3粉(日本イットリウム製、99.9%純度Ce2O3粉)を原料として用いた。
Y2O3を8質量%含有するYSZを比較組成例1とする。この組成を得るために、スルザーメテコ社製204NS−G(8質量%イットリアと92質量%ジルコニアの配合比)を原料として用いた。
Sm2Zr2O7を比較組成例2とする。この組成を得るために、ZrO2粉(日本イットリウム製、微粉TZ−0であるZrO2)とともにSm2O3粉(日本イットリウム製、微粉99.9%純度Sm2O3粉)を原料として用いた。
前記組成例1〜組成例5、組成例6、組成例7〜8、比較組成例1及び比較組成例2の組成をそれぞれ有する参考実施例1〜参考実施例5、実施例1、参考実施例6〜参考実施例7、比較例1及び比較例2の焼結体を、前記組成例1〜組成例8、比較組成例1及び比較組成例2に記載の原料をそれぞれ用いて、常圧焼結法により、焼結温度1700℃、焼結時間を4時間として製作した。実施例1、参考実施例1〜参考実施例6、比較例1及び比較例2の各焼結体の熱伝導率を図10に示す。
また、参考実施例5、実施例1、参考実施例7及び比較例1については、800℃における熱伝導率を表1に示す。
なお、熱伝導率は、JIS R 1611に規定されるレーザーフラッシュ法により測定した。
前記組成例1〜組成例5、組成例6、組成例7〜組成例8、比較組成例1及び比較組成例2の組成をそれぞれ有するセラミックス層(トップコート層)を以下の方法で形成し、参考実施例8〜参考実施例12、実施例2、参考実施例13〜参考実施例14、比較例3及び比較例4の試料を作製した。
耐熱基材としてNi基耐熱合金を用いたが、その合金組成は、16質量%のCr、8.5質量%のCo、1.75質量%のMo、2.6質量%のW、1.75質量%のTa、0.9質量%のNb、3.4質量%のAl、3.4質量%のTi、及び残部Niであった。耐熱基材の寸法は、厚さ2mm、幅3mm、長さ26mmの直方体とした。
耐熱基材の表面をAl2O3粒でグリットブラストした後、その上に32質量%のNi、21質量%のCr、8質量%のAl、0.5質量%のY、及び残部Coからなる組成のCoNiCrAlY合金からなるボンドコート層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで形成した。
以上により得られた各試料について熱伝導率の測定を行った。熱伝導率は、JIS R
1611に規定されるレーザーフラッシュ法により測定した。
図12は、熱サイクル耐久性の評価に用いたレーザ式熱サイクル試験装置の模式断面図である。この図に示すレーザ式熱サイクル試験装置は、本体部133上に配設された試料ホルダ132に、耐熱基材131A上に遮熱コーティング膜131Bが形成された試料131を、遮熱コーティング膜131Bが外側となるように配置し、この試料131に対して炭酸ガスレーザ装置130からレーザ光Lを照射することで試料131を、遮熱コーティング膜131B側から加熱するようになっている。また、レーザ装置130による加熱と同時に本体部133を貫通して本体部133の内部の試料131裏面側と対向する位置に配設された冷却ガスノズル134の先端から吐出されるガス流Fにより試料131をその裏面側から冷却するようになっている。
従って、例えば、遮熱コーティング膜131Bの表面を1200℃以上の高温とし、遮熱コーティング膜131Bと耐熱基材131Aとの界面の温度を800〜1000℃とすることで、実機ガスタービンと同様の温度条件とすることができる。なお、本試験装置による加熱温度と温度勾配は、レーザ装置130の出力とガス流Fとを調整することで、容易に所望の温度条件とすることができる。
前記組成例5、組成例6、及び組成例8の組成をそれぞれ有するセラミックス層(トップコート層)を以下の方法で形成し、参考実施例15、実施例3、参考実施例16の試料を作製した。
実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の原材料を用いて同様の方法により、耐熱基材上にボンドコート層を形成した。
このボンドコート層上にジルコニア含有層(YSZ)を気孔率が10%の多孔組織となるように、大気プラズマ溶射法により0.25mmの厚さで成膜した。なお、大気圧プラズマ溶射法は、スルザーメテコ社製溶射ガン(F4ガン)を使用し、スルザーメテコ社製204NS−Gの溶射粉末を用いて溶射電流600(A)、溶射距離150(mm)、粉末供給量60(g/min)、Ar/H2量;35/7.4(l/min)の条件により、気孔が含まれた成膜を行った。
このジルコニア含有層上に、前記組成例5、組成例6及び組成例8の各組成のセラミックス層(トップコート層)を、実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の方法により形成した。但し、セラミックス層(トップコート層)の厚さは0.25mmとした。
前記組成例5、組成例6及び組成例8の組成をそれぞれ有するセラミックス層(トップコート層)を以下の方法で形成し、参考実施例17、実施例4、参考実施例18の試料を作製した。
実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の原材料を用いて同様の方法により、耐熱基材上にボンドコート層を形成した。
このジルコニア含有層上に、前記組成例5、組成例6及び組成例8の各組成のセラミックス層(トップコート層)を、実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の方法により形成した。但し、セラミックス層(トップコート層)の厚さは0.25mmとした。
前記組成例5、組成例6、組成例8及び比較組成例1の組成をそれぞれ有するセラミックス層(トップコート層)を以下の方法で形成し、参考実施例19、実施例5、参考実施例20及び比較例5の試料を作製した。
実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の原材料を用いて同様の方法により、耐熱基材上にボンドコート層を形成した。
このボンドコート層上に、前記組成例5、組成例6、組成例8及び比較組成例1の各組成のセラミックス層(トップコート層)を縦割れ組織(縦割れ間隔:約150μm)となるように、大気プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜した。なお、大気圧プラズマ溶射法は、スルザーメテコ社製溶射ガン(F4ガン)を使用し、前記組成例5、組成例6、組成例8及び比較組成例1のそれぞれに示す原料から粉末混合法により合成した溶射粉末を用いて粉末供給量60(g/min)、Ar/H2量;35/7.4(l/min)の条件により、縦割れが形成されるように行った。縦割れの導入は、溶射距離(溶射ガンと耐熱基材との距離)を従来ジルコニア含有層の成膜に用いられていた溶射距離の150mmから100mmに近づけるか、あるいは、溶射距離は従来と同程度とし、溶射ガン電流を600Aから650Aに高めることにより行った。
前記組成例5、組成例6及び組成例8の組成をそれぞれ有するセラミックス層(トップコート層)を以下の方法で形成し、参考実施例21、実施例6、参考実施例22の試料を作製した。
実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の原材料を用いて同様の方法により、耐熱基材上にボンドコート層を形成した。
このボンドコート層上に、前記実施例4、参考実施例17〜参考実施例18と同様の材料及び方法により縦割れ組織を有するジルコニア含有層を形成した。
このジルコニア含有層上に、前記実施例5、参考実施例19〜参考実施例20と同様の材料及び方法により、縦割れ組織を有するセラミックス層(トップコート層)を形成した。
前記組成例5、組成例6、組成例8及び比較組成例1の組成をそれぞれ有するセラミックス層(トップコート層)を以下の方法で形成し、参考実施例23、実施例7、参考実施例24及び比較例6の試料を作製した。
実施例2、参考実施例8〜参考実施例14、比較例3及び比較例4と同様の原材料を用いて同様の方法により、耐熱基材上にボンドコート層を形成した。
このボンドコート層上に、それぞれ前記組成例5、組成例6、組成例8及び比較組成例1に記載の原料からなる焼結インゴットをターゲット材料に用いて、電子ビーム物理蒸着法(EB−PVD)により0.5mmの厚さのセラミックス層(トップコート層)を形成した。電子ビーム物理蒸着法は、アルデンヌ社製電子ビーム蒸着装置(例えば、TUBA150)を用いて、前記焼結インゴットをターゲット材料に用い、電子ビーム出力50kW、雰囲気10−4torrの減圧環境、耐熱基材温度1,000℃の条件で行った。
22 ボンドコート層
24 セラミックス層
24P 気孔
31 耐熱基材
32 ボンドコート層
33 ジルコニア含有層
33P 気孔
34 セラミックス層
34P 気孔
41 耐熱基材
42 ボンドコート層
43 ジルコニア含有層
43C 縦割れ
44 セラミックス層
44P 気孔
51 耐熱基材
52 ボンドコート層
54 セラミックス層
54C 縦割れ
61 耐熱基材
62 ボンドコート層
63 ジルコニア含有層
63C 縦割れ
64 セラミックス層
64C 縦割れ
71 耐熱基材
72 ボンドコート層
74 セラミックス層
74L 柱状晶
140 動翼(タービン部材)
141 タブテイル
142 プラットフォーム
143 翼部
150 静翼(タービン部材)
151 内シュラウド
152 外シュラウド
153 翼部
154 冷却孔
155 スリット
160 ガスタービン
161 圧縮機
162 タービン
163 燃焼器
164 主軸
165 回転軸
Claims (16)
- 一般式Sm 1 Yb 1Zr2O 7 で表される酸化物を含んでなる遮熱コート材料。
- 耐熱基材上に溶射又は蒸着され、前記耐熱基材がガスタービン用部品に用いられる基材である請求項1に記載の遮熱コート材料。
- 耐熱基材と、
該耐熱基材上に形成されたボンドコート層と、
該ボンドコート層上に形成されたセラミックス層と
を含んでなる遮熱コーティング部材であって、
該セラミックス層が一般式Sm 1 Yb 1Zr2O 7 で表される酸化物を含み、
前記ボンドコート層と前記セラミックス層との間にジルコニア含有層を更に含み、該ジルコニア含有層は前記ボンドコート層と接触して設けられる遮熱コーティング部材。 - 前記セラミックス層が気孔率1%以上30%以下の気孔を有する請求項3に記載の遮熱コーティング部材。
- 前記セラミックス層が、その厚さ方向に、前記耐熱基材上のボンドコート層以外の全層の厚さの5%以上100%以下の間隔で縦割れを有する請求項3または請求項4に記載の遮熱コーティング部材。
- 前記セラミックス層が柱状晶である請求項3に記載の遮熱コーティング部材。
- 前記ジルコニア含有層が気孔率1%以上30%以下の気孔を有する請求項3に記載の遮熱コーティング部材。
- 前記ジルコニア含有層が、その厚さ方向に、上記耐熱基材上のボンドコート層以外の全層の厚さの5%以上100%以下の間隔で縦割れを有する請求項3または請求項7に記載の遮熱コーティング部材。
- 請求項3から請求項8のいずれかに記載の遮熱コーティング部材を備えたガスタービン。
- 一般式Sm 1 Yb 1Zr2O 7 で表される酸化物を含んでなる焼結体。
- 耐熱基材上にボンドコート層を形成するステップと、
前記ボンドコート層上に、前記ボンドコート層と接触するように、ジルコニア含有層を形成するステップと、
該ジルコニア含有層上に一般式Sm 1 Yb 1Zr2O 7 で表される酸化物を含むセラミックス層を形成するステップと
を含む遮熱コーティング部材の製造方法。 - 上記ジルコニア含有層形成ステップが、前記ジルコニア含有層に気孔を導入する段階を含む請求項11に記載の遮熱コーティング部材の製造方法。
- 上記ジルコニア含有層形成ステップが、前記ジルコニア含有層に厚さ方向の縦割れを導入する段階を含む請求項11または請求項12に記載の遮熱コーティング部材の製造方法。
- 上記セラミックス層形成ステップが、前記セラミックス層に気孔を導入する段階を含む請求項11から請求項13のいずれかに記載の遮熱コーティング部材の製造方法。
- 上記セラミックス層形成ステップが、前記セラミックス層に厚さ方向の縦割れを導入する段階を含む請求項11から請求項14のいずれかに記載の遮熱コーティング部材の製造方法。
- 耐熱基材上にボンドコート層を形成するステップと、
前記ボンドコート層上に、前記ボンドコート層と接触するように、ジルコニア含有層を形成するステップと、
該ジルコニア含有層の上に電子ビーム物理蒸着法を用いて、一般式Sm 1 Yb 1Zr2O 7 で表される酸化物を含む柱状晶を有するセラミックス層を形成するステップと
を含む遮熱コーティング部材の製造方法。
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