JP3872632B2 - 遮熱コーティング材、それを適用したガスタービン部材およびガスタービン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮熱コーティング材、ガスタービン部材およびガスタービンに関し、例えば産業用ガスタービンの動翼、静翼または燃焼器などの高温環境下で使用される部品の遮熱コーティングに適用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒などの高温部品は、高温環境下にて使用されるため、一般に、その表面に遮熱コーティングが施されている。
図3は、従来の遮熱コーティング膜の構成を示す断面図である。
従来、遮熱コーティング膜は、動翼等の母材11上に金属結合層12が積層され、さらにその上にセラミックス層13が積層された構成となっている。
【0003】
金属結合層12は、母材11とセラミックス層13との熱膨張係数の差を小さくして熱応力の緩和を図り、それによってセラミックス層13が剥離するのを防ぐために設けられる。金属結合層12は、一般に、高温での耐食性および耐酸化性に優れたMCrAlY合金系(Mは、NiやCoやFe等の単独元素または2種類以上の元素の組み合わせ)により構成される。金属結合層12の積層方法として、低圧プラズマ溶射法または電子ビーム物理蒸着法が用いられる。
【0004】
セラミックス層13は遮熱のために設けられる。セラミック層13は、一般に、熱伝導率が低く、かつ靭性が高い部分安定化ZrO2 系セラミックスで構成される。安定化剤としてはY2 O3 が用いられる。つまり、セラミック層13はZrO2 ・6〜8wt%Y2 O3 でできている。セラミックス層3は大気圧プラズマ溶射法または電子ビーム物理蒸着法により積層される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近時、ガスタービンのタービン入口温度がより高温になってきており、そのため、次のような問題点が生じるおそれがある。
すなわち、セラミックス層13と母材11との熱膨張差に起因する繰り返し熱応力によりセラミックス層13にき裂が発生し、それが伝播していく。また、セラミックス層13の表層付近が著しい高温にさらされることによって相変態や焼結に起因する物性変化が起こり、ヤング率の増大や線膨張係数の低下が起こる。それによって、熱応力がさらに増加し、き裂の発生および伝播が加速されることになり、遮熱コーティングの寿命が短くなってしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、より耐熱性に優れ、より高温での耐久性に優れた遮熱コーティング材を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、より耐熱性に優れ、より高温での耐久性に優れた遮熱コーティング材を適用したガスタービン部材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、遮熱コーティング膜の最外層に、高温での相安定性に優れる高温相安定セラミックス層を配置し、その下に、強度および靭性の高い高強度・高靭性セラミックス層を配置して熱応力を緩和する構成とすれば、高温で十分な耐久性が得られると考えた。また、安定化剤としてDy2 O3 を用いたセラミックスを用いれば、より耐熱性に優れ、より高温で十分な耐久性が得られると考え、鋭意研究を重ねた結果、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明にかかる遮熱コーティング材は、母材の上に金属結合層を積層し、前記金属結合層の上に結晶構造が準安定正方晶となる部分安定化ジルコニアよりなる高強度・高靭性セラミックス層を積層し、前記高強度・高靭性セラミックス層の上に結晶構造が立方晶となる完全安定化ジルコニアよりなる高温相安定セラミックス層を積層したことを特徴とする。この発明において、前記高強度・高靭性セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させた部分安定化ジルコニアにより構成されていてもよいし、また、高温相安定セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させた完全安定化ジルコニアにより構成されていてもよい。あるいは、前記高強度・高靭性セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化させた部分安定化ジルコニアにより構成されていてもよいし、また、高温相安定セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化させた完全安定化ジルコニアにより構成されていてもよい。
【0009】
この遮熱コーティング材によれば、最外層に高温相安定セラミックス層が設けられるため、高温環境下での遮熱コーティング材の劣化が抑制される。また、高温相安定セラミックス層と母材との間に高強度・高靭性セラミックス層が設けられることにより、母材とセラミックス層の線膨張係数差に起因する熱応力に耐えることができるので、セラミックス層の剥離が防止される。したがって、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性が得られ、遮熱コーティング材の寿命が短くなるのを防ぐことができる。
さらに、セラミックス材の安定化剤としてDy2 O3 を用いた場合、Dy2 O3 はY2 O3 よりも熱伝導率が低いため、より耐熱性に優れるとともに、より高温であっても十分な耐久性が得られる。
【0010】
また、本発明にかかるガスタービン部材は、母材の上に金属結合層が積層され、前記金属結合層の上に結晶構造が準安定正方晶となる部分安定化ジルコニアよりなる高強度・高靭性セラミックス層が積層され、前記高強度・高靭性セラミックス層の上に結晶構造が立方晶となる完全安定化ジルコニアよりなる高温相安定セラミックス層が積層されてなる遮熱コーティング膜で被覆されていることを特徴とする。この発明において、前記高強度・高靭性セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させた部分安定化ジルコニアにより構成されていてもよいし、また、高温相安定セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させた完全安定化ジルコニアにより構成されていてもよい。あるいは、前記高強度・高靭性セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化させた部分安定化ジルコニアにより構成されていてもよいし、また、高温相安定セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化させた完全安定化ジルコニアにより構成されていてもよい。
【0011】
このガスタービン部材によれば、遮熱コーティング膜の最外層に高温相安定セラミックス層が設けられるため、高温環境下での遮熱コーティング膜の劣化が抑制される。また、高温相安定セラミックス層と母材との間に高強度・高靭性セラミックス層が設けられることにより、母材とセラミックス層の線膨張係数差に起因する熱応力に耐えることができるので、遮熱コーティング膜のセラミックス層の剥離が防止される。したがって、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部材を得ることができる。
さらに、セラミックス材の安定化剤としてDy2 O3 を用いた場合、Dy2 O3 はY2 O3 よりも熱伝導率が低いため、より耐熱性に優れるとともに、より高温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部材を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる遮熱コーティングの実施の形態について説明する。
図1は、本発明にかかる遮熱コーティング材を適用した遮熱コーティング膜の構成を示す断面図である。
遮熱コーティング膜は、ガスタービンの動翼等を構成する母材21の上に、耐食性および耐酸化性に優れた金属結合層22、強度および靭性は高いが1100℃以上の温度で相変態や焼結を生じて物性が変化する可能性のある高強度・高靭性セラミックス層23を順次積層し、最外層に強度および靭性は低いが高温での相安定性に優れる高温相安定セラミックス層24を積層した構成となっている。
【0013】
金属結合層22は、母材21とセラミックス層23,24との熱膨張係数の差を小さくして熱応力を緩和する機能を有し、セラミックス層23,24が母材21から剥離するのを防いでいる。金属結合層22は、従来同様、MCrAlY合金系(Mは、NiやCoやFe等の単独元素または2種類以上の元素の組み合わせ)により構成される。金属結合層22の厚さは、0.01〜0.3mmであるのが適当である。その理由は、母材とセラミックス層との線膨張係数差を緩和するため、および母材に耐酸化性を付与するためである。
【0014】
高強度・高靭性セラミックス層23は部分安定化ZrO2 系セラミックスで構成される。安定化剤としてY2 O3 を用いる場合には、高強度・高靭性セラミックス層23はZrO2 ・6〜12wt%Y2 O3 でできている。Y2 O3 の割合が6〜12wt%である理由は、この範囲の安定化剤の添加量の場合には、結晶構造が準安定正方晶となり、この場合、ZrO2 セラミックスは高い強度と靭性を有することが知られているからである。この場合、高強度・高靭性セラミックス層23の厚さは、0.05〜0.45mmであるのが適当である。その理由は、比較的温度が低く、かつ、線膨張係数差による歪みが大きいと考えられる領域に、この高強度、高靭性セラミックスを配置し、セラミックス層の剥離を防止するためである。
【0015】
部分安定化ZrO2 系セラミックスの安定化剤としてDy2 O3 を用いる場合には、高強度・高靭性セラミックス層23はZrO2 ・8〜16wt%Dy2 O3 でできている。Dy2 O3 の割合が8〜16wt%である理由は、この範囲の安定化剤の添加量の場合には、結晶構造が準安定正方晶となり、この場合、ZrO2 セラミックスは高い強度と靭性を有することが知られているからである。この場合、高強度・高靭性セラミックス層23の厚さは、0.05〜0.45mmであるのが適当である。その理由は、比較的温度が低く、かつ、線膨張係数差による歪みが大きいと考えられる領域に、この高強度、高靭性セラミックスを配置し、セラミックス層の剥離を防止するためである。
【0016】
高温相安定セラミックス層24は完全安定化ZrO2 系セラミックスで構成される。安定化剤としてY2 O3 を用いる場合には、高温相安定セラミックス層24はZrO2 ・15〜20wt%Y2 O3 でできている。Y2 O3 の割合が15〜20wt%である理由は、この範囲の安定剤の添加量の場合には、結晶構造が立方晶となり、この場合、ZrO2 セラミックスは高温でも安定なものとなることが知られているからである。この場合、高温相安定セラミックス層24の厚さは、0.05〜0.45mmであるのが適当である。その理由は、最も温度が高くなる最表層部に、この高温相安定セラミックスを配置し、表面付近の物性変化を防止するためである。
【0017】
完全安定化ZrO2 系セラミックスの安定化剤としてDy2 O3 を用いる場合には、高温相安定セラミックス層24はZrO2 ・16〜20wt%Dy2 O3 でできている。Dy2 O3 の割合が16〜20wt%である理由は、この範囲の安定剤の添加量の場合には、結晶構造が立方晶となり、この場合、ZrO2 セラミックスは高温でも安定なものとなることが知られているからである。この場合、高温相安定セラミックス層24の厚さは、0.05〜0.45mmであるのが適当である。その理由は、最も温度が高くなる最表層部に、この高温相安定セラミックスを配置し、表面付近の物性変化を防止するためである。
【0018】
金属結合層22は低圧プラズマ溶射法または電子ビーム物理蒸着法により積層される。高強度・高靭性セラミックス層23および高温相安定セラミックス層24は大気圧プラズマ溶射法または電子ビーム物理蒸着法により積層される。
【0019】
上述した構成の遮熱コーティング材は、産業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒、分割環などの高温部品に適用して有用である。また、産業用ガスタービンに限らず、車やジェット機などのエンジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用できる。
【0020】
図4および図5は、それぞれ上述した実施の形態にかかる遮熱部材を適用可能なタービン翼を示す斜視図である。
図4に示すガスタービン動翼4は、デイスク側に固定されるダブテイル41、プラットフォーム42、翼部43等を備えている。
また、図5に示すガスタービン静翼5は、内シュラウド51、外シュラウド52、翼部53等を備えており、翼部53には、シールフィン冷却孔54、スリット55等が形成されている。
これらガスタービン動翼4およびガスタービン静翼5は、いずれも図6に示すガスタービンに適用可能なものである。
【0021】
図6に示すガスタービンについて簡単に説明する。
このガスタービン6は、互いに直結された圧縮機61とタービン62とを備える。圧縮機61は例えば軸流圧縮機として構成されており、大気または所定のガスを吸込口から作動流体として吸い込んで昇圧させる。この圧縮機61の吐出口には、燃焼器63が接続されており、圧縮機61から吐出された作動流体は、燃焼器63によって所定のタービン入口温度まで加熱される。そして所定温度まで昇温された作動流体は、タービン62に供給される。図6に示すように、タービン62のケーシング内部には、上述したガスタービン静翼4が数段(図では4段)固定されている。また、上述したガスタービン動翼5が各静翼4と一組の段を形成するように主軸64に取り付けられている。主軸64の一端は、圧縮機61の回転軸65に接続されており、その他端には、図示しない発電機の回転軸に接続されている。
【0022】
このような構成により、燃焼器63からタービン62のケーシング内に高温高圧の作動流体を供給すれば、ケーシング内で作動流体が膨張することにより、主軸64が回転し、図示しない発電機が駆動される。すなわち、ケーシングに固定されている各静翼4によって圧力降下させられ、これにより発生した運動エネルギは、主軸65に取付けられた各動翼5を介して回転トルクに変換される。そして、発生した回転トルクは、主軸64に伝達され、発電機が駆動される。
【0023】
一般に、ガスタービン動翼に用いられる材料は、耐熱合金(たとえば、CM247LC=キャノン マスケゴン社の市販の合金材料)であり、ガスタービン静翼に用いられる材料は、同様に耐熱合金(たとえばIN939=インコ社の市販の合金材料)である。すなわち、タービン翼を構成する材料は、本発明による遮熱部材において基材として採用可能な耐熱合金が使用されている。したがって、本発明による遮熱部材をタービン翼へ被覆すれば、遮熱効果と耐剥離性の高いタービン翼を得ることができ、温度環境をより高くしかも耐久性の良いものとなり、ロングライフ化が可能となる。また、作動流体の温度を高めることにより、ガスタービン効率を向上させることも可能となる。
【0024】
上述した実施の形態によれば、最外層に高温相安定セラミックス層24が設けられ、その下に高強度・高靭性セラミックス層23が設けられているため、高温環境下で遮熱コーティング材が劣化するのが抑制されるとともに、母材とセラミックス相の線膨張係数差に起因する熱応力に耐えることができることから、セラミックス層23,24の剥離が防止される。したがって、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性が得られ、遮熱コーティング材の寿命が短くなるのを防ぐことができる。また、セラミックスの安定化剤として、Y2 O3 よりも熱伝導率が低いDy2 O3 を用いた場合には、より耐熱性に優れるという効果が得られる。
また、ガスタービンの高温部品をこの遮熱コーティング材で被覆することによって、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部材を得ることができる。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明の特徴とするところを明らかとする。
以下の各実施例および各比較例では、母材である耐熱合金としてNi基合金(Ni−16Cr−8.5Co−1.7Mo−2.6W−1.7Ta−0.9Nb−3.4Al−3.4Ti)を用いた。母材のサイズは30mm角で厚さ5mmとした。また、金属結合層はCoNiCrAlY(Co−32Ni−21Cr−8Al−0.5Y)とした。
【0026】
実施例1.
以下に示すNo.1〜16の試料を作製した。No.1〜16の試料では、高強度・高靭性セラミックス層はZrO2 ・8wt%Y2 O3 とし、高温相安定セラミックス層はZrO2 ・17wt%Y2 O3 とした。
【0027】
(試料No.1)
母材の表面をAl2 O3 粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態にした。ついで、金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.2)
No.1の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0028】
(試料No.3)
No.1の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.4)
No.1の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0029】
(試料No.5)
母材の表面をAl2 O3 粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態にした。ついで、金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、金属結合層の表面を研磨して電子ビーム物理蒸着に適した状態にした後、高強度・高靭性セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.6)
No.5の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0030】
(試料No.7)
No.5の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.8)
No.5の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0031】
(試料No.9)
母材の表面を研磨して電子ビーム物理蒸着に適した状態にした。ついで、金属結合層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.10)
No.9の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0032】
(試料No.11)
No.9の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.12)
No.9の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0033】
(試料No.13)
母材の表面を研磨して電子ビーム物理蒸着に適した状態にした。ついで、金属結合層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.14)
No.13の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0034】
(試料No.15)
No.13の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.16)
No.13の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0035】
比較例1.
比較として、つぎのNo.17〜18の試料を作製した。No.17〜18の試料では、高強度・高靭性セラミックス層はZrO2 ・8wt%Y2 O3 とし、高温相安定セラミックス層はZrO2 ・17wt%Y2 O3 とした。No.17の試料は従来の遮熱コーティング膜と同じ構成である。
【0036】
(試料No.17)
母材上に金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜した。
(試料No.18)
母材上に金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高温相安定セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜した。
【0037】
上述したNo.1〜18の試料の金属結合層、高強度・高靭性セラミックス層および高温相安定セラミックス層の材質、積層方法および厚さを表1に示す。
【表1】
【0038】
つぎに、上述したNo.1〜18の試料について、図2に示す燃焼ガス式熱サイクル試験による耐久性評価試験を実施した。この装置では、燃焼ガスバーナ31により試験片32の遮熱コーティング膜33の表面を約1200℃以上に加熱するとともに、金属結合層と高強度・高靭性セラミックス層との界面の温度を800〜900℃と、実機ガスタービンと同様の温度条件に設定することができる。
【0039】
耐久性評価試験では、各試料について、遮熱コーティング膜33の表面温度を1400℃とし、金属結合層と高強度・高靭性セラミックス層との界面温度を900℃に設定した。加熱パターンは、室温から1400℃まで5分間で昇温させ、1400℃で5分間保持し、その後、燃焼ガスを止めて10分間冷却するパターンを1サイクルとした。冷却時の試験片の温度は100℃以下である。この熱サイクル試験でセラミックス層に剥離が生じるまでの回数により耐久性を評価した。また、耐久性評価試験の前後に、X線回折法により、遮熱コーティング膜33の表面のセラミックス層の構造解析を行った。
【0040】
試験結果および構造解析結果を表2に示す。
【表2】
【0041】
表2より明らかなように、実施例1の各試料No.1〜16は、いずれも1500回の熱サイクルでは剥離しなかった。また、熱サイクル試験の前後の結晶構造はいずれも100%の立方晶であり、安定していることが確認された。それに対して、比較例1の試料No.17は475回、試料No.18は400回の熱サイクルで剥離した。
【0042】
実施例2.
以下に示すNo.19〜34の試料を作製した。No.19〜34の試料では、高強度・高靭性セラミックス層はZrO2 ・10wt%Dy2 O3 とし、高温相安定セラミックス層はZrO2 ・20wt%Dy2 O3 とした。
【0043】
(試料No.19)
母材の表面をAl2 O3 粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態にした。ついで、金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.20)
No.19の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0044】
(試料No.21)
No.19の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.22)
No.19の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0045】
(試料No.23)
母材の表面をAl2 O3 粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態にした。ついで、金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、金属結合層の表面を研磨して電子ビーム物理蒸着に適した状態にした後、高強度・高靭性セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.24)
No.23の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0046】
(試料No.25)
No.23の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.26)
No.23の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0047】
(試料No.27)
母材の表面を研磨して電子ビーム物理蒸着に適した状態にした。ついで、金属結合層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.28)
No.27の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0048】
(試料No.29)
No.27の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.30)
No.27の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0049】
(試料No.31)
母材の表面を研磨して電子ビーム物理蒸着に適した状態にした。ついで、金属結合層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.1mmの厚さで成膜した。最後に、高温相安定セラミックス層を電子ビーム物理蒸着法により0.4mmの厚さで成膜した。
(試料No.32)
No.31の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.2mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.3mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0050】
(試料No.33)
No.31の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.3mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.2mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
(試料No.34)
No.31の試料と同様にして、母材上に厚さ0.1mmの金属結合層、厚さ0.4mmの高強度・高靭性セラミックス層、厚さ0.1mmの高温相安定セラミックス層を順次積層した。
【0051】
比較例2.
比較として、つぎのNo.35の試料を作製した。このNo.35の試料は従来の遮熱コーティング膜と同じ構成である。
(試料No.35)
母材上に金属結合層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、高強度・高靭性セラミックス層としてZrO2 ・8wt%Y2 O3 を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜した。
【0052】
上述したNo.19〜35の試料の金属結合層、高強度・高靭性セラミックス層および高温相安定セラミックス層の材質、積層方法および厚さを表3に示す。
【表3】
【0053】
つぎに、上述したNo.19〜35の試料について、図2に示す燃焼ガス式熱サイクル試験による耐久性評価試験を実施例1と同じ条件で実施した。また、実施例1と同様に、耐久性評価試験の前後に、X線回折法により、遮熱コーティング膜33の表面のセラミックス層の構造解析を行った。
【0054】
試験結果および構造解析結果を表4に示す。
【表4】
【0055】
表4より明らかなように、実施例2の各試料No.19〜34は、いずれも1500回の熱サイクルでは剥離しなかった。また、熱サイクル試験の前後の結晶構造はいずれも100%の立方晶であり、安定していることが確認された。それに対して、比較例2の試料No.35は、475回の熱サイクルで剥離した。
【0056】
【発明の効果】
本発明にかかる遮熱コーティング材によれば、最外層に高温相安定セラミックス層が設けられ、その下に高強度・高靭性セラミックス層が設けられているため、高温環境下で遮熱コーティング材が劣化するのが抑制されるとともに、母材とセラミックス層との線膨張係数差に起因する熱応力に耐えることができることによりセラミックス層の剥離が防止される。したがって、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性が得られ、遮熱コーティング材の寿命が短くなるのを防ぐことができる。
また、セラミックスの安定化剤として、Y2 O3 よりも熱伝導率が低いDy2 O3 を用いた場合には、より耐熱性に優れるという効果が得られる。
【0057】
また、本発明にかかるガスタービン部材によれば、遮熱コーティング膜の最外層に高温相安定セラミックス層が設けられ、その下に高強度・高靭性セラミックス層が設けられているため、高温環境下で遮熱コーティング膜が劣化するのが抑制されるとともに、熱応力の緩和により遮熱コーティング膜のセラミックス層の剥離が防止される。したがって、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部材を得ることができる。
また、セラミックスの安定化剤として、Y2 O3 よりも熱伝導率が低いDy2 O3 を用いた場合には、より耐熱性に優れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる遮熱コーティング膜の構成を示す断面図である。
【図2】実施例および比較例について実施した燃焼ガス式熱サイクル試験の概略を示す図である。
【図3】従来の遮熱コーティング膜の構成を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる遮熱コーティング膜を適用したガスタービン動翼の斜視図である。
【図5】本発明にかかる遮熱コーティング膜を適用したガスタービン静翼の斜視図である。
【図6】本発明にかかる遮熱コーティング膜を適用したガスタービンを示す概略構成図である。
【符号の説明】
21 母材
22 金属結合層
23 高強度・高靭性セラミックス層
24 高温相安定セラミックス層
4 静翼
5 動翼
6 ガスタービン
61 圧縮機
62 タービン
63 燃焼器
Claims (11)
- 母材の上に金属結合層を積層し、前記金属結合層の上に結晶構
造が準安定正方晶となる部分安定化ジルコニアよりなる高強度・高靭性セラミック
ス層を積層し、前記高強度・高靭性セラミックス層の上に結晶構造が立方晶となる
完全安定化ジルコニアよりなる高温相安定セラミックス層を積層したことを特徴と
する遮熱コーティング材。 - 前記高強度・高靭性セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させ
た部分安定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項1に記載の遮熱コーティ
ング材。 - 高温相安定セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させた完全安
定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項1または2に記載の遮熱コーティ
ング材。 - 前記高強度・高靭性セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化さ
せた部分安定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項1に記載の遮熱コーテ
ィング材。 - 高温相安定セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化させた完全
安定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項1または4に記載の遮熱コーテ
ィング材。 - 母材の上に金属結合層が積層され、前記金属結合層の上に結晶
構造が準安定正方晶となる部分安定化ジルコニアよりなる高強度・高靭性セラミッ
クス層が積層され、前記高強度・高靭性セラミックス層の上に結晶構造が立方晶と
なる完全安定化ジルコニアよりなる高温相安定セラミックス層が積層されてなる遮
熱コーティング膜で被覆されていることを特徴とするガスタービン部材。 - 前記高強度・高靭性セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させ
た部分安定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項6に記載のガスタービン
部材。 - 高温相安定セラミックス層は、Y2 O3 で安定化させた完全安
定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項6または7に記載のガスタービン
部材。 - 前記高強度・高靭性セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化さ
せた部分安定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項6に記載のガスタービ
ン部材。 - 高温相安定セラミックス層は、Dy2 O3 で安定化させた完
全安定化ジルコニアよりなることを特徴とする請求項6または9に記載のガスター
ビン部材。 - 圧縮機で圧縮された後、燃焼器で燃焼させた流体をタービン
の静翼と動翼とで膨張させることによって動力を発生するガスタービンにおいて、
請求項6ないし請求項10のいずれかに記載のガスタービン部材を組み込んだこと
を特徴とするガスタービン。
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