JP2010229496A - 遮熱コーティング材 - Google Patents

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一郎 永野
Taiji Torigoe
泰治 鳥越
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一剛 森
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郁生 岡田
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靖彦 水流
Masahito Shida
雅人 志田
Katsumi Nanba
克実 難波
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Abstract

【課題】高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材を提供する。
【解決手段】高温用耐熱合金基材の耐熱性を高めるために、前記基材上に形成されたセラミックス層を含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層が、安定化剤としてTaとM(Mは、希土類元素)とを添加されたZrOからなることを特徴とする遮熱コーティング材を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性に優れた遮熱コーティング材に係り、特に、遮熱コーティング材のトップコートとして用いられるセラミックス層の構成に関するものである。
近年、省エネルギー対策の一つとして、火力発電の熱効率を高めることが検討されている。発電用ガスタービンの発電効率を向上させるためには、ガス入口温度を上昇させることが有効であり、その温度は1500℃程度とされる場合もある。そして、このように発電装置の高温化を実現するためには、ガスタービンを構成する静翼や動翼、あるいは燃焼器の壁材などを耐熱部材で構成する必要がある。しかし、タービン翼の材料は耐熱金属であるが、それでもこのような高温には耐えられないために、この耐熱金属の基材上に金属結合層を介して溶射等の成膜方法によって酸化物セラミックスからなるセラミックス層を積層した遮熱コーティング材(Thermal Barrier Coating,TBC)を形成して高温から保護することが行われており、そのセラミックス層としてはZrO系の材料、特にYで部分安定化又は完全安定化したZrOであるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)が、セラミックス材料の中では比較的低い熱伝導率と比較的高い熱膨張率を有しているためによく用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
米国特許第7351482号明細書
しかしながら、上記YSZからなるセラミックス層を備えた遮熱コーティング材によりガスタービンの動翼や静翼などを被覆した場合、ガスタービンの種類によってはタービンの入口温度が1500℃を越える温度に上昇することが考えられるが、このような高温で運転された場合、過酷な運転条件の下ではガスタービンの運転中に上記セラミックス層の一部が剥離し、耐熱性が損なわれるおそれがあった。また、近年環境対策の関係から、二酸化炭素回収対応のクローズド型ガスタービンの開発が進められているが、この種のガスタービンではタービンの入口温度が1700℃にも達すると考えられており、タービン翼の表面温度は1300℃もの高温になることが予想される。従って、タービン翼の遮熱コーティングには、更に高い耐熱性が要求される状況にある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材を提供することを目的とする。
上記YSZからなるセラミックス層の剥離の問題は、熱遮蔽効果の向上を目的として添加されたM(Mは、希土類元素)により、セラミックス層の破壊靭性値が低下することによるものである。そこで本発明者は、上記の目的を達成するために、高靭性と低熱伝導性とを両立するための遮熱コーティング材の構成について鋭意研究を重ね、M(Mは、希土類元素)と共にTaを添加したZrOによりセラミックス層を構成することで、遮熱コーティング材の高靭性と低熱伝導性とを両立することを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る遮熱コーティング材は、高温用耐熱合金基材の耐熱性を高めるために、前記基材上に形成されたセラミックス層を含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層が、安定化剤としてTaとM(Mは、希土類元素)とを添加されたZrOからなることを特徴とする。
本発明に係る遮熱コーティング材においては、前記Taの添加量が、1原子%以上16原子%以下であり、上記Mの添加量が、8原子%以上16原子%以下であることが好ましい。また、前記Taに換えて、Nbを用いても良い。さらに、前記Mが、Sm及びYbの一方又は両方であることが好ましい。
また、本発明に係る遮熱コーティング材は、高温用耐熱合金基材の耐熱性を高めるために、前記基材上に形成されたセラミックス層を含む遮熱コーティング材であって、前記セラミックス層が、SmYbTaZr(1−x−y−z)((4−x−y+z)/2)(但し、0.433z+8≦x+y≦0.433z+10、16≦z≦1)の組成を有することを特徴とする。
本発明の遮熱コーティング材によれば、従来のYSZに安定化剤としてSmやYb等を添加したセラミックス層に比して高靭性とすることができる。これにより、高靭性と低熱伝導性とを両立することができるため、高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材を得ることができる。
従来、YSZに安定化剤としてSmやYb等を添加したコーティング材は、熱伝導性を低下することができるため、高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材とされていた。しかし、このSmやYb等の添加により、遮熱コーティング材の破壊靭性値が低下して、高温用耐熱合金基材とセラミックス層との剥離が問題となっていた。
これに対して、本発明の採用したTaとM(Mは、希土類元素)とを同時に添加されたZrOからなるセラミックス層によれば、Taが破壊靭性値を低下させる効果を備えているため、高靭性と低熱伝導性とを両立することができる。これにより、本発明に係る遮熱コーティング材は、高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を実現することができる。
セラミックス層のTaの添加量と、M(Mは、希土類元素)の添加量とを上記範囲とすることで、破壊靭性値が4(MPa・m1/2)以上であり、熱伝導率が2.5(kcal/m・h・℃)以下の遮熱コーティング材とすることができる。
本発明に係る遮熱コーティング材を適用した遮熱コーティング膜の断面構造を模式的に示す図である。 本発明に係る遮熱コーティング材の、添加剤の組成と破壊靭性値との関係を示す図である。 本発明に係る遮熱コーティング材の、添加剤の組成と熱伝導率との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る遮熱コーティング材を適用した遮熱コーティング膜の断面構造を模式的に示す図である。この遮熱コーティング膜は、動翼等の高温用耐熱合金基材21上に、耐食性及び耐酸化性に優れた金属結合層としてXCrAlY合金などからなるボンドコート層22が積層され、さらにその上にトップコートとして、TaとM(Mは、希土類元素)とを添加されたZrOからなるセラミックス層23が積層された構成とされている。ここで、上記ボンドコート層22を構成するXCrAlY合金の「X」は、金属元素を示し、例えばNiやCo、Fe等の単独の金属元素又はこれらのうち2種以上の組み合わせを示している。
ボンドコート層22は、基材21とセラミックス層23との熱膨張係数差を小さくして熱応力を緩和する機能を有し、セラミックス層23がボンドコート層22から剥離するのを防止している。このボンドコート層22は、低圧プラズマ溶射法や、電子ビーム物理蒸着法等により形成することができる。
セラミックス層23は、TaとMとを添加されたZrOから構成されている。ここで、Mは、原子番号57番のランタン(La)から71番のルテチウム(Lu)までのランタノイド(ランタン系列元素)と原子番号21番のスカンジウムと原子番号39番のイットリウム(Y)を加えた計17種類の希土類元素のいずれかである。また、上記Mは、希土類元素を1以上含んでいれば良い。特に、Mは、Sm及びYbの一方又は両方であることが好ましい。
また、Taに換えて、Nbを用いても良い。
本実施形態の遮熱コーティング材は、高温下での使用の際の剥離を抑制するために、4(MPa・m1/2)以上の破壊靭性値を有することが好ましい。なお、従来のYSZの靭性値は、約4(MPa・m1/2)程度である。
破壊靭性値の測定は、例えば、「JIS R1607 ファインセラミックスの破壊靭性試験方法」に指定されている圧子圧入法(IF法)により、ビッカース硬度計にて試料にくぼみをつけたときのくぼみの大きさと、亀裂の長さから破壊靭性値(Kc)を求めることができる。
図2に、本実施形態に係る遮熱コーティング材の、添加剤の組成と破壊靭性値(Kc)との関係を示す。図2に示すように、破壊靭性値(Kc)の値が4(MPa・m1/2)以上とするために、Taの添加量が約0原子%以上16原子%以下かつM(希土類元素)の添加量が約8原子%以上16%以下であることを要する。
また、本実施形態の遮熱コーティング材は、高い熱遮蔽効果を実現するために、2.5(kcal/m・h・℃)以下の熱伝導率を有することが好ましい。
熱伝導率の測定は、例えば、ファインセラミックスのレーザフラッシュ法による熱拡散率、比熱、熱伝導率試験法:JIS R 1611−1997などにより求めることができる。
図3に、本実施形態に係る遮熱コーティング材の、添加剤の組成と熱伝導率との関係を示す。図3に示すように、熱伝導率が2.5(kcal/m・h・℃)以下とするために、Taの添加量は1原子%以上であることを要する。
セラミックス層23において、上記破壊靭性値と上記熱伝導率とを両立させるためには、図2及び図3に示すように、Taの添加量は1原子%以上16原子%以下であり、Mの添加量は8原子%以上16原子%以下である。Ta及びMの添加量がこのような範囲とされていることで、本実施形態の遮熱コーティング材は、4(MPa・m1/2)以上の高い破壊靭性値と、2.5(kcal/m・h・℃)以下の低い熱伝導率とを同時に達成することができる。
また、図2及び図3の結果から、セラミックス層23の組成は、SmYbTaZr(1−x−y−z)((4−x−y+z)/2)(但し、0.433z+8≦x+y≦0.433z+10、16≦z≦1)であることを要する(図2中の点線で囲まれた領域)。上記組成を有する遮熱コーティング材は、4(MPa・m1/2)以上の高い破壊靭性値と、2.5(kcal/m・h・℃)以下の低い熱伝導率とを同時に達成することができる。
上述のセラミックス層23は、Ta−M−ZrO粉末を用いて、大気圧プラズマ溶射法若しくは電子ビーム物理蒸着法により積層することができ、大気圧プラズマ溶射において使用されるTa−M−ZrO粉末は、以下の手順により製造することができる。まず、ZrO粉末と所定の添加割合のTa及びM粉末を用意し、これらの粉末を適当なバインダーや分散剤とともにボールミル中で混合してスラリー状にする。次に、これをスプレードライヤーにより粒状にして乾燥させた後、拡散熱処理により固溶化させ、Ta−M−ZrOの複合粉末を得る。そして、この複合粉末をボンドコート層22上に溶射することによりErSZからなるセラミックス層を得ることができる。また、セラミックス層23の成膜法として電子ビーム物理蒸着法を用いる場合には、所定の組成を有する原料を焼結又は電融固化して得られるインゴットを使用する。
上述した構成の遮熱コーティング材は、産業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒などの高温部品に適用して有用である。また、産業用ガスタービンに限らず、自動車やジェット機などのエンジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用することができる。これらの部材に本発明に係る遮熱コーティング材を被覆することで、熱サイクル耐久性に優れるガスタービン部材や高温部品を構成することができる。
以上説明したように、本実施形態の遮熱コーティング材によれば、従来のYSZに安定化剤としてSmやYb等を添加したセラミックス層に比して高靭性とすることができる。これにより、高靭性と低熱伝導性とを両立することができるため、高温下での使用の際の剥離を抑制でき、しかも高い熱遮蔽効果を有する遮熱コーティング材を得ることができる。特に、遮熱コーティング材の組成を、Taの添加量が1原子%以上16原子%以下、Mの添加量が8原子%以上16原子%以下とすることで、4(MPa・m1/2)以上の高い破壊靭性値と、2.5(kcal/m・h・℃)以下の低い熱伝導率とを同時に達成することができる。
21・・・基材
22・・・ボンドコート層
23・・・セラミックス層

Claims (5)

  1. 高温用耐熱合金基材の耐熱性を高めるために、前記基材上に形成されたセラミックス層を含む遮熱コーティング材であって、
    前記セラミックス層が、安定化剤としてTaとM(Mは、希土類元素)とを添加されたZrOからなることを特徴とする遮熱コーティング材。
  2. 前記Taの添加量が、1原子%以上16原子%以下であり、
    上記Mの添加量が、8原子%以上16原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱コーティング材。
  3. 前記Taに換えて、Nbを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮熱コーティング材。
  4. 前記Mが、Sm及びYbの一方又は両方であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遮熱コーティング材。
  5. 高温用耐熱合金基材の耐熱性を高めるために、前記基材上に形成されたセラミックス層を含む遮熱コーティング材であって、
    前記セラミックス層が、SmYbTaZr(1−x−y−z)((4−x−y+z)/2)(但し、0.433z+8≦x+y≦0.433z+10、16≦z≦1)の組成を有することを特徴とする遮熱コーティング材。
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