JP2004190602A - 遮熱コーティング補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスタービン翼の如きガスタービン用高温部材に施した遮熱コーティングを、全面再コーティングすることなく、剥離損傷部のみを部分的に補修できる手段の提供を課題とする。
【解決手段】まず、遮熱コーティング13の剥離損傷部13aのみをブラストにより除去し、これにより部分的に露出したアンダーコート層12の表面12a上の残留グリット15をブラシで除去し、このアンダーコート層12aの露出表面上に新たに遮熱コーティング13'を再び施す遮熱コーティング補修方法を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】まず、遮熱コーティング13の剥離損傷部13aのみをブラストにより除去し、これにより部分的に露出したアンダーコート層12の表面12a上の残留グリット15をブラシで除去し、このアンダーコート層12aの露出表面上に新たに遮熱コーティング13'を再び施す遮熱コーティング補修方法を採用した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンにおいて、高温にさらされる高温部材、特にガスタービン翼の遮熱コーティング補修方法に関し、より詳細には、遮熱コーティングを全面再コーティングすることなく、剥離損傷部のみを部分的に補修する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高性能ガスタービン翼(動翼・静翼)には、高温の燃焼ガスから翼材を保護するために遮熱コーティングが施されている。図2は、ガスタービン動翼1の一例(コンベクション冷却式空冷翼)を示し、その内部には冷却空気を流すための複数の通路2が形成され、翼材3の外面全体に断熱性の高いセラミックスから成る遮熱コーティング4が施されている。
【0003】
図3は、このようなガスタービン動翼1の如きガスタービン用高温部材に施される遮熱コーティングの詳細を示しており、Ni基合金からなる母材11の表面にMCrAlY(Mは、Co,Ni等)からなる50μm〜100μm程度のアンダーコート層12が施され、このアンダーコート層12の表面にZrO2,MgO等から成るセラミックスからなる300μm程度の遮熱コーティング(トップコート層)13が施されている。
【0004】
ガスタービンは、高性能化を目的として、今後更なる高温化が予想されることから、特にガスタービン翼における遮熱コーティングの健全性を保つことが、ガスタービンの信頼性向上に繋がるものと考えられている。しかしながら、運転後のガスタービン翼は、図4の符号13aで示すように、局部的に遮熱コーティング13の表面が剥離して損傷する場合がある。
【0005】
この剥離が、例え小面積の剥離であっても、ガスタービンの運用上問題となる虞がある場合には、従来では、遮熱コーティングを全面除去して再コーティングする補修方法が採用されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−212783号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では遮熱コーティングを全面除去した上に全面再コーティングを施しているが、遮熱コーティングを除去する際にはブラストで取り除くことが行われている。しかし、そのアンダーコート層は延性が高いためにブラストでは取れにくいので、一般的に酸洗剥離で除去する方法が採用されている。しかし、この酸洗剥離の作業は、アンダーコート層を完全に取り除くようにすると母材を痛めてしまう危険がある(アンダーコート層を取り除くためには、長時間、酸に浸けておく必要がある。)。また表面に残っている金属がアンダーコート層か、それとも母材金属かを判断するためにヒートティ(バーナで焼いて色の差を付けて確認)を行い、アンダーコート層が残っている場合にはブレンディングにて除去する作業を繰り返し行う必要がある。更に、酸洗剥離の前処理として、ガスタービン翼の残留応力を除去する熱処理等も行うケースもある。したがって、遮熱コーティングを全面除去して全面再コーティングする従来の補修方法は、作業時間が非常に長くかかるとともに、莫大な費用がかかっている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガスタービン翼の如きガスタービン用高温部材に施された遮熱コーティングを、全面再コーティングすることなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法は、ガスタービン用の高温部材に施した遮熱コーティングを補修する方法において、前記遮熱コーティングの剥離損傷部のみをブラストにより除去し、これにより部分的に露出したアンダーコート層の表面上の残留グリットをブラシで除去し、その後、アンダーコート層の露出表面上に新たに遮熱コーティングを施すことを特徴とする。
上記請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法によれば、局部的に剥離損傷した遮熱コーティングを全面除去して全面再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。
【0010】
請求項2に記載の遮熱コーティング補修方法は、請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法において、前記高温部材が、ガスタービン翼であることを特徴とする。
上記請求項2に記載の遮熱コーティング補修方法によれば、ガスタービン用の高温部品の中でもとりわけ遮熱コーティングが局部的に剥離損傷し易いガスタービン翼(特に動翼)の遮熱コーティングを全面除去して再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳述する。
図1は、ガスタービン翼の如きガスタービン用の高温部材に施した遮熱コーティングを部分的に補修する方法の手順を示す。まず、図1の(A)に示すように、遮熱コーティング(セラミックスから成るトップコート層)13の剥離損傷部13aを開口させた鉄板(トタン)のマスキングをし、損傷部と開口部の隙間にマスキングテープを目張りする。
【0012】
それから、図1(B)に示すように、遮熱コーティング13の剥離損傷部13aのみをブラストにより除去し、これによりアンダーコート層(Co基合金から成る)12の一部分12aを露出させる。このアンダーコート層12の全表面は、遮熱コーティング13の施工前に予めブラストされているので、その露出表面12aが粗い凹凸形状になっており、また遮熱コーティング13の内部露出表面13bが剥離損傷部除去のためのブラストにより粗い凹凸形状となるので、それぞれ密着性が良いものとなっている。
【0013】
このブラストでは、遮熱コーティング13の剥離損傷部13aを徐々に取り除き、アンダーコート層12の表面の凹凸形状を大きく傷つけることないようように、換言すれば、アンダーコート層12がなくなってしまわないようにする。そのためには、アンダーコート層12の膜厚は通常は50〜100μmであるが、本補修方法を考慮して元厚を150〜300μmに増やしておくことが望ましく、又ブラスト条件はゆるやかにする必要があり、一具体例としてはブラスト材として粒径が小さくて高い硬度である細かい粒径(例えば36番)の炭化珪素(SiC)を用い、ブラストの圧力はあまり表面を傷つけないような低圧(例えば、吸引式5kgf/cm2[直圧式2kgf/cm2に相当])とし、アンダーコート層12の表面の粗度が低下しないように(9〜15Raを保持する)充分注意をして作業をし、かつ遮熱コーティング13の剥離損傷部の除去後に、必要に応じて新品のブラスト材に交換して、アンダーコート層12の表面をブラストする。
なお、母材11の全表面もアンダーコート層12の施工前に予めブラストされて粗い凹凸形状とされているため、アンダーコート層12との結合が強められているものである。
【0014】
それから、図1(C)にアンダーコート層12の露出表面(ブラスト面)12aの一部を拡大して示すように、アンダーコート層12が母材11に比べて柔らかいためにブラストによる残留グリット15が残りやすいので、ブラシで表面を軽く擦るなどして、表面に付着している残留グリット15を除去する。
【0015】
それから、図1(D)に示すように、残留グリット15を除去したアンダーコート層の露出表面12a上に、新たに遮熱コーティング13'を部分的に再び施して補修する。これにより、従来のように遮熱コーティングを全面除去/全面再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。この場合、前述したように、アンダーコート層12の露出表面12a及び遮熱コーティング13の内部露出表面13bは、ブラストにより粗い凹凸形状となって密着性が良いものとなっているので、古い遮熱コーティング13と新しい遮熱コーティング13'との結合力は強く、剥離等の問題は生じない。
【0016】
なお、本発明はガスタービン翼に限らず、他のガスタービン用の高温部材、例えば、シュラウド、燃焼器尾筒等に施されている遮熱コーティングの補修方法にも適用できることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の本発明によれば、局部的に剥離損傷した遮熱コーティングを全面除去・全面再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。したがって補修時間を大幅に短縮できると共に、補修費用を大幅に低減できる。また、ブラストだけのマスキングなので、溶射マスキングと比べて小さなスペースで済み、かつ、アンダーコート層を部分的に一緒に除去して再コーティングするものではないので、母材を傷つける心配がないと共に、アンダーコート層の再コーティングにより再遮熱コーティングの表面が凹凸になったり、剥離する等の問題も心配する必要がない。
【0018】
請求項2に記載の本発明によれば、ガスタービン用の高温部品の中でもとりわけ遮熱コーティングが局部的に剥離損傷し易いガスタービン翼(特に、回転体である動翼)の遮熱コーティングを全面除去して再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービン用高温部材に施した遮熱コーティングを部分的に補修する本発明方法の手順を示す図である。
【図2】遮熱コーティングが施されているガスタービン動翼の一例を示す断面図である。
【図3】ガスタービン動翼の如きガスタービン用高温部材に施されている遮熱コーティングの詳細を示す断面図である。
【図4】図3の遮熱コーティングが局部的に剥離損傷した一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ガスタービン動翼(高温部材,ガスタービン翼)
4・・・遮熱コーティング
13a・・・剥離損傷部
12・・・アンダーコート層
15・・・残留グリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンにおいて、高温にさらされる高温部材、特にガスタービン翼の遮熱コーティング補修方法に関し、より詳細には、遮熱コーティングを全面再コーティングすることなく、剥離損傷部のみを部分的に補修する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高性能ガスタービン翼(動翼・静翼)には、高温の燃焼ガスから翼材を保護するために遮熱コーティングが施されている。図2は、ガスタービン動翼1の一例(コンベクション冷却式空冷翼)を示し、その内部には冷却空気を流すための複数の通路2が形成され、翼材3の外面全体に断熱性の高いセラミックスから成る遮熱コーティング4が施されている。
【0003】
図3は、このようなガスタービン動翼1の如きガスタービン用高温部材に施される遮熱コーティングの詳細を示しており、Ni基合金からなる母材11の表面にMCrAlY(Mは、Co,Ni等)からなる50μm〜100μm程度のアンダーコート層12が施され、このアンダーコート層12の表面にZrO2,MgO等から成るセラミックスからなる300μm程度の遮熱コーティング(トップコート層)13が施されている。
【0004】
ガスタービンは、高性能化を目的として、今後更なる高温化が予想されることから、特にガスタービン翼における遮熱コーティングの健全性を保つことが、ガスタービンの信頼性向上に繋がるものと考えられている。しかしながら、運転後のガスタービン翼は、図4の符号13aで示すように、局部的に遮熱コーティング13の表面が剥離して損傷する場合がある。
【0005】
この剥離が、例え小面積の剥離であっても、ガスタービンの運用上問題となる虞がある場合には、従来では、遮熱コーティングを全面除去して再コーティングする補修方法が採用されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−212783号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では遮熱コーティングを全面除去した上に全面再コーティングを施しているが、遮熱コーティングを除去する際にはブラストで取り除くことが行われている。しかし、そのアンダーコート層は延性が高いためにブラストでは取れにくいので、一般的に酸洗剥離で除去する方法が採用されている。しかし、この酸洗剥離の作業は、アンダーコート層を完全に取り除くようにすると母材を痛めてしまう危険がある(アンダーコート層を取り除くためには、長時間、酸に浸けておく必要がある。)。また表面に残っている金属がアンダーコート層か、それとも母材金属かを判断するためにヒートティ(バーナで焼いて色の差を付けて確認)を行い、アンダーコート層が残っている場合にはブレンディングにて除去する作業を繰り返し行う必要がある。更に、酸洗剥離の前処理として、ガスタービン翼の残留応力を除去する熱処理等も行うケースもある。したがって、遮熱コーティングを全面除去して全面再コーティングする従来の補修方法は、作業時間が非常に長くかかるとともに、莫大な費用がかかっている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガスタービン翼の如きガスタービン用高温部材に施された遮熱コーティングを、全面再コーティングすることなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法は、ガスタービン用の高温部材に施した遮熱コーティングを補修する方法において、前記遮熱コーティングの剥離損傷部のみをブラストにより除去し、これにより部分的に露出したアンダーコート層の表面上の残留グリットをブラシで除去し、その後、アンダーコート層の露出表面上に新たに遮熱コーティングを施すことを特徴とする。
上記請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法によれば、局部的に剥離損傷した遮熱コーティングを全面除去して全面再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。
【0010】
請求項2に記載の遮熱コーティング補修方法は、請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法において、前記高温部材が、ガスタービン翼であることを特徴とする。
上記請求項2に記載の遮熱コーティング補修方法によれば、ガスタービン用の高温部品の中でもとりわけ遮熱コーティングが局部的に剥離損傷し易いガスタービン翼(特に動翼)の遮熱コーティングを全面除去して再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳述する。
図1は、ガスタービン翼の如きガスタービン用の高温部材に施した遮熱コーティングを部分的に補修する方法の手順を示す。まず、図1の(A)に示すように、遮熱コーティング(セラミックスから成るトップコート層)13の剥離損傷部13aを開口させた鉄板(トタン)のマスキングをし、損傷部と開口部の隙間にマスキングテープを目張りする。
【0012】
それから、図1(B)に示すように、遮熱コーティング13の剥離損傷部13aのみをブラストにより除去し、これによりアンダーコート層(Co基合金から成る)12の一部分12aを露出させる。このアンダーコート層12の全表面は、遮熱コーティング13の施工前に予めブラストされているので、その露出表面12aが粗い凹凸形状になっており、また遮熱コーティング13の内部露出表面13bが剥離損傷部除去のためのブラストにより粗い凹凸形状となるので、それぞれ密着性が良いものとなっている。
【0013】
このブラストでは、遮熱コーティング13の剥離損傷部13aを徐々に取り除き、アンダーコート層12の表面の凹凸形状を大きく傷つけることないようように、換言すれば、アンダーコート層12がなくなってしまわないようにする。そのためには、アンダーコート層12の膜厚は通常は50〜100μmであるが、本補修方法を考慮して元厚を150〜300μmに増やしておくことが望ましく、又ブラスト条件はゆるやかにする必要があり、一具体例としてはブラスト材として粒径が小さくて高い硬度である細かい粒径(例えば36番)の炭化珪素(SiC)を用い、ブラストの圧力はあまり表面を傷つけないような低圧(例えば、吸引式5kgf/cm2[直圧式2kgf/cm2に相当])とし、アンダーコート層12の表面の粗度が低下しないように(9〜15Raを保持する)充分注意をして作業をし、かつ遮熱コーティング13の剥離損傷部の除去後に、必要に応じて新品のブラスト材に交換して、アンダーコート層12の表面をブラストする。
なお、母材11の全表面もアンダーコート層12の施工前に予めブラストされて粗い凹凸形状とされているため、アンダーコート層12との結合が強められているものである。
【0014】
それから、図1(C)にアンダーコート層12の露出表面(ブラスト面)12aの一部を拡大して示すように、アンダーコート層12が母材11に比べて柔らかいためにブラストによる残留グリット15が残りやすいので、ブラシで表面を軽く擦るなどして、表面に付着している残留グリット15を除去する。
【0015】
それから、図1(D)に示すように、残留グリット15を除去したアンダーコート層の露出表面12a上に、新たに遮熱コーティング13'を部分的に再び施して補修する。これにより、従来のように遮熱コーティングを全面除去/全面再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。この場合、前述したように、アンダーコート層12の露出表面12a及び遮熱コーティング13の内部露出表面13bは、ブラストにより粗い凹凸形状となって密着性が良いものとなっているので、古い遮熱コーティング13と新しい遮熱コーティング13'との結合力は強く、剥離等の問題は生じない。
【0016】
なお、本発明はガスタービン翼に限らず、他のガスタービン用の高温部材、例えば、シュラウド、燃焼器尾筒等に施されている遮熱コーティングの補修方法にも適用できることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の本発明によれば、局部的に剥離損傷した遮熱コーティングを全面除去・全面再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。したがって補修時間を大幅に短縮できると共に、補修費用を大幅に低減できる。また、ブラストだけのマスキングなので、溶射マスキングと比べて小さなスペースで済み、かつ、アンダーコート層を部分的に一緒に除去して再コーティングするものではないので、母材を傷つける心配がないと共に、アンダーコート層の再コーティングにより再遮熱コーティングの表面が凹凸になったり、剥離する等の問題も心配する必要がない。
【0018】
請求項2に記載の本発明によれば、ガスタービン用の高温部品の中でもとりわけ遮熱コーティングが局部的に剥離損傷し易いガスタービン翼(特に、回転体である動翼)の遮熱コーティングを全面除去して再コーティングするのではなく、剥離損傷部のみを部分的に補修することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービン用高温部材に施した遮熱コーティングを部分的に補修する本発明方法の手順を示す図である。
【図2】遮熱コーティングが施されているガスタービン動翼の一例を示す断面図である。
【図3】ガスタービン動翼の如きガスタービン用高温部材に施されている遮熱コーティングの詳細を示す断面図である。
【図4】図3の遮熱コーティングが局部的に剥離損傷した一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ガスタービン動翼(高温部材,ガスタービン翼)
4・・・遮熱コーティング
13a・・・剥離損傷部
12・・・アンダーコート層
15・・・残留グリット
Claims (2)
- ガスタービン用の高温部材に施した遮熱コーティングを補修する方法において、
前記遮熱コーティングの剥離損傷部のみをブラストにより除去し、これにより部分的に露出したアンダーコート層の表面上の残留グリットをブラシで除去し、その後、アンダーコート層の露出表面上に新たに遮熱コーティングを施すことを特徴とする遮熱コーティング補修方法。 - 請求項1に記載の遮熱コーティング補修方法において、
前記高温部材が、ガスタービン翼であることを特徴とする遮熱コーティング補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002360993A JP2004190602A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 遮熱コーティング補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002360993A JP2004190602A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 遮熱コーティング補修方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004190602A true JP2004190602A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32759894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002360993A Pending JP2004190602A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 遮熱コーティング補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004190602A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2012154197A (ja) * | 2011-01-24 | 2012-08-16 | Toshiba Corp | トランジションピースの損傷補修方法およびトランジションピース |
JP2015533987A (ja) * | 2012-10-03 | 2015-11-26 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | タービンエンジンで使用する部材の修理方法 |
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JP2016519733A (ja) * | 2013-03-13 | 2016-07-07 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | 超合金部品の修復 |
JP2019173592A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 三菱重工業株式会社 | 遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法 |
CN112739498A (zh) * | 2018-09-20 | 2021-04-30 | 西门子能源美国公司 | 清洁具有热障涂层的部件的方法 |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002360993A patent/JP2004190602A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011507791A (ja) * | 2007-12-20 | 2011-03-10 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 障壁コーティングを補修する方法 |
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US9149881B2 (en) | 2011-01-24 | 2015-10-06 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Damage-repairing method of transition piece and transition piece |
JP2015533987A (ja) * | 2012-10-03 | 2015-11-26 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | タービンエンジンで使用する部材の修理方法 |
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KR101836400B1 (ko) * | 2013-03-13 | 2018-03-09 | 지멘스 에너지, 인코포레이티드 | 초합금 구성요소의 수리 |
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JP7045236B2 (ja) | 2018-03-27 | 2022-03-31 | 三菱重工業株式会社 | 遮熱コーティング、タービン部材及びガスタービン |
CN112739498A (zh) * | 2018-09-20 | 2021-04-30 | 西门子能源美国公司 | 清洁具有热障涂层的部件的方法 |
CN112739498B (zh) * | 2018-09-20 | 2023-08-15 | 西门子能源美国公司 | 清洁具有热障涂层的部件的方法 |
US11839951B2 (en) | 2018-09-20 | 2023-12-12 | Siemens Energy, Inc. | Method of cleaning a component having a thermal barrier coating |
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