JP2001303903A - ガスタービン翼の補修方法 - Google Patents

ガスタービン翼の補修方法

Info

Publication number
JP2001303903A
JP2001303903A JP2000122131A JP2000122131A JP2001303903A JP 2001303903 A JP2001303903 A JP 2001303903A JP 2000122131 A JP2000122131 A JP 2000122131A JP 2000122131 A JP2000122131 A JP 2000122131A JP 2001303903 A JP2001303903 A JP 2001303903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas turbine
turbine blade
base material
coating layer
cracks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000122131A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Hamada
孝浩 浜田
Daizo Saito
大蔵 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000122131A priority Critical patent/JP2001303903A/ja
Publication of JP2001303903A publication Critical patent/JP2001303903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P6/00Restoring or reconditioning objects
    • B23P6/002Repairing turbine components, e.g. moving or stationary blades, rotors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P6/00Restoring or reconditioning objects
    • B23P6/04Repairing fractures or cracked metal parts or products, e.g. castings
    • B23P6/045Repairing fractures or cracked metal parts or products, e.g. castings of turbine components, e.g. moving or stationary blades, rotors, etc.

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン翼の再コーティング作業と基材
のクラック補修作業を効率良く実施するとともに、補修
時におこり得る基材への損傷を少なくし、かつ、信頼性
の高いガスタービン翼の補修方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 基材にコーティング層を施したガスター
ビン翼の基材に発生したクラックまたは劣化相を除去す
るガスタービン翼の補修方法において、コーティング層
を溶融薬品を用いずに除去する第一の工程と、基材に発
生したクラックまたは劣化相の部位を切削する第二の工
程と、を連続的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、コーティング層
を有する発電用ガスタービン翼における基材にクラック
または劣化相が発生した場合の補修方法に係り、特にコ
ーティング層の除去、基材に発生したクラックの除去お
よび再コーティングの一連の工程を連続して行うガスタ
ービン翼の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ガスタービンはエネルギー資源の
有効利用の点から、ガスタービンの高効率化に関する研
究開発が積極的に行われている。ガスタービンにおいて
は燃焼器出口ガス温度が高いほど発電効率が向上するこ
とから、ガスタービン入口温度の高温化が推進されてい
る。しかし、ガスタービンを構成する高温部品用材料に
とっては極めて過酷な環境となっており、高温における
強度低下や、著しい高温腐食及び高温酸化が問題となっ
ている。
【0003】これまでのガスタービン翼、特に動翼材料
としては、高温強度に優れた析出強化型合金であるIN73
8またはGTD111(Ni基)が適用されており、製造プロセ
スにおいては一方向凝固(DS)合金や単結晶(SC)合金
が主流となりつつある。同時に、コーティングについて
の研究も進められており、最近では耐食性および耐酸化
性の向上を目的としたMCrAlYコーティングやAlコーティ
ングが施されている。また、より高温化が進む将来的な
ガスタービン翼においては、ボンドコートとして耐食性
に優れたMCrAlY合金層、トップコートとして遮熱性能に
優れたセラミック層を有する遮熱コーティング(TBC)
の適用が検討されている。そこで、動翼の損傷解析や補
修に関する研究開発も進められ、動翼の補修に関する特
許も提案され始めてきた(特願平9-269537、特願平9-17
6772)。
【0004】これまでのガスタービン翼では、コーティ
ング層にクラックが発生したり、コーティング層の材料
劣化に伴う耐食性および耐酸化性の低下が認められたこ
とから、規定時間運転後のガスタービン翼については、
クラック補修を行い、再度実機に適用していた。図9に
従来法によるガスタービン翼1の補修方法を示す。ガス
タービン翼1は、コーティング層2が基材3に施された
ものであり、このコーティング層2(1層もしくは2層
以上)により、図示しない燃焼器から放出された高温・
高圧ガスから基材3を保護する構成となっている。ガス
タービン翼1を溶融薬品4に浸すことにより、コーティ
ング層2を化学的に除去した後、基材3の表面上にプラ
ズマ溶射法を用いて再コーティング層5を形成すること
によって、ガスタービン翼の補修作業を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
過酷な条件により運転されるガスタービンで用いられる
動翼に発生するクラックは、コーティング層だけにとど
まらず、コーティング層により被覆されている基材の内
部にまで進展しているケースが多い。従って、図9に示
した従来法を用いてガスタービン翼1の補修を行った場
合には、コーティング層2を除去した後、ブレンドもし
くは溶接等による補修作業が必要となることから、工程
が長くなるともにコスト高が生じていた。また、溶融薬
品4を使用することから基材3の表面へのダメージが大
きく、腐食による局所的な基材3の減肉や孔の生成によ
って基材3の強度低下を招く恐れがある。さらに溶融薬
品4を使用した場合では、基材3の腐食量を制御するこ
とが難しく、必要以上に基材3の減肉を引き起す恐れが
あった。
【0006】また、高温化が進む将来的なガスタービン
翼においては、拡散層近傍での基材劣化が激しくなるこ
とが予想され、短時間の使用においても脆化相が析出す
ることが予測される。この脆化相は破壊の起点となり易
いことから、基材の著しい強度低下を招くことが予想さ
れるが、従来の補修作業では脆化相への対処は不適当で
ある。
【0007】本発明の目的は、ガスタービン翼の再コー
ティング作業と基材のクラック補修作業を効率良く実施
するとともに、補修時におこり得る基材への損傷を少な
くし、かつ、信頼性の高いガスタービン翼の補修方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン翼
の補修方法は、基材にコーティング層を施したガスター
ビン翼の基材に発生したクラックまたは劣化相を除去す
るガスタービン翼の補修方法において、コーティング層
を溶融薬品を用いずに除去する第一の工程と、基材に発
生したクラックまたは劣化相の部位を切削する第二の工
程と、を連続的に行うことを特徴とする。
【0009】これにより、基材に施されたコーティング
を溶融薬品を用いずに除去する第一の工程と、基材にま
で達したクラック補修またはガスタービン翼の使用に伴
って基材に発生した劣化相補修のための第二の工程とを
分けずに、これらの工程を連続的に行うことによって、
補修工程を簡略化することができ、低コスト化を図るこ
とができる。また、第一の工程においてコーティング層
を化学的に溶融させる溶融薬品を使用しないことから、
腐食による局所的な基材の減肉や孔の形成を防ぐことが
できる。
【0010】さらにクラックの深さや、基材の拡散層近
傍にクラック発生因子となる劣化相の深さに合わせて切
削深さを調節することができるので、基材の減肉量を最
小限に抑えることができる。
【0011】本発明の請求項2に係るガスタービン翼の
補修方法は、少なくとも第二の工程は、補修対象となる
クラックまたは劣化相の発生した部位のみ行う事を特徴
とする。
【0012】この発明において、切削位置をクラックま
たは劣化相が発生した箇所に限定することによって、基
材の必要以上の減肉を防ぐことができる。また、基材の
機械加工量を少なくすることができることから、切削を
主とする補修の工程を短縮化することができ、低コスト
化を図ることができる。
【0013】本発明の請求項3に係るガスタービン翼の
補修方法は、第一の工程または第二の工程は、ブラスト
装置を用いたことを特徴とする。
【0014】これにより、コーティング層や基材に発生
したクラックまたは劣化相を連続的に除去する際に、木
片や氷片を吹付けて吹付け面の切削研磨を行うブラスト
装置を用いることによって、他の切削装置を用いるより
も、作業後の表面を均一かつ平坦に仕上げることができ
る。基材表面の凹凸および減肉は、強度低下の要因とな
ることから、ブラスト装置を用いることで、基材の強度
を十分に維持することが可能となる。また、ブラスト装
置を使用することによって、他の研削装置を用いて切削
作業を行った場合に比べて短時間での作業が可能とな
る。
【0015】本発明の請求項4に係るガスタービン翼の
補修方法は、第一の工程および第二の工程の後、基材に
MCrAlY層(MはNi、Co、Feの少なくとも1種)をコーテ
ィングすることを特徴とする。
【0016】これにより、基材に生じたクラックや劣化
相を除去した後、翼基材表面に耐酸化性および耐食性に
優れたMCrAlY合金層(MはNi、Co、Feの少なくとも1
種)をコーティングすることによって、耐酸化性および
耐食性に優れたガスタービン翼を提供することができ
る。
【0017】本発明の請求項5に係るガスタービン翼の
補修方法は、基材にコーティング層を施したガスタービ
ン翼の基材に発生したクラックまたは劣化相を除去する
ガスタービン翼の補修方法において、基材を冷却しなが
ら、コーティング層または基材に発生したクラックもし
くは劣化相の部位を切削することを特徴とする。
【0018】これにより、例えば空気や不活性なガス等
の冷却媒体を用いて、基材を冷却しながらコーティング
層と基材に発生したクラックや劣化相を連続的に除去す
ることによって、基材の温度上昇を防ぐことができる。
最近のガスタービン翼では、一方向凝固(DS)合金が適
用されているが、機械加工によって翼すなわち基材の表
面温度が著しく上昇した場合には、翼表面部が再結晶を
起こし、基材強度の著しい低下を引き起こすことが予測
される。そこで、冷却媒体を用いて基材を冷却すること
によって、翼表面の温度上昇を防ぐことができ、基材強
度の著しい低下を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によるガスタービン用翼の
補修方法の第1の実施の形態を説明する。ガスタービン
の運転に伴って図1に示すようなクラックが生じ、これ
を補修する場合について考える。図1に示すように、コ
ーティング層2を施した翼基材3で構成されたガスター
ビン翼1を機械加工を用いることにより、コーティング
層2および翼基材3に発生したクラックを連続的に削り
込んでいく。クラックについては、目視検査またはザイ
グロ検査により、クラックが認められなくなるまで削り
込みを行い、クラックを除去後に、再コーティング作業
を実施し、翼基材3上に再コーティング層5を形成させ
る。
【0020】本実施の形態によれば、コーティング除去
工程とクラック補修工程を分けずに、機械加工を用いる
ことによってコーティング層と翼基材に発生したクラッ
クおよび劣化相を連続的に除去することによって、補修
工程を簡略化することができ、低コスト化を図ることが
できる。また、コーティング除去作業において溶融薬品
を使用しないことから、腐食による局所的な基材の減肉
や孔の形成を防ぐことができる。さらにクラック深さに
併せて切削深さを制御することができるので、基材の減
肉量を最小限に抑えることができるのである。
【0021】このような本実施の形態において、図2に
示す以下の実施例について組織評価を実施した。実施例
1では、Ni基合金にプラズマ溶射法を用いてCoCrAlY層
をコーティングした試験材について、加熱試験を実施す
ることによってクラックを発生させた後、コーティング
層および基材に発生したクラックをグラインダー等の加
工装置を用いることによって連続的に切削除去した。さ
らに、実施例2は、Ni基合金にプラズマ溶射法を用いて
CoCrAlY層をコーティングした試験材について、加熱試
験を実施することによってクラックを発生させた後、溶
融薬品に浸すことによってコーティング層を除去した
後、基材3に発生したクラックをグラインダーによって
切削除去した。
【0022】こうして得られた実施例1および実施例2
の翼について、光学顕微鏡を用いて組織観察を実施し
た。従来法である実施例2については、基材3表面上に
溶融薬品の使用が原因と考えられる孔が形成され、これ
らの部位で孔食が認められた。これらの孔等を補修する
ためには、さらなる基材の減肉が必要と考えられる。
【0023】一方、本発明である実施例1については、
基材表面は非常に平坦であり、基材切削量をクラックの
最大深さと規定することによって、必要以上の基材減肉
を防ぐことができた。
【0024】本発明の第2の実施の形態は、第1の実施
の形態と類似しているが、コーティング層2の除去、ク
ラックや劣化相の除去はクラックが発生した部位のみに
行う点で異なる。
【0025】図3に示すように、クラックが生じたガス
タービン翼1を目視検査またはザイグロ検査によりクラ
ックが発生した部位を確認し、その発生した部位のコー
ティング層2や基材3を連続的に削り込んでいく。クラ
ックについては、上述で確認したように目視検査または
ザイグロ検査の方法により、クラックが認められなくな
るまで削り込みを行い、クラックを除去後に、再コーテ
ィング作業を実施し、翼基材3上に再コーティング層5
を作製する。劣化相の除去についても同様とする。
【0026】本実施の形態によれば、切削箇所をクラッ
クや劣化相が発生した箇所に限定することによって、基
材の必要以上の減肉を防ぐことが可能となり、また、基
材の機械加工量を少なくすることができることから、補
修工程を短縮することができ、低コスト化を図ることが
できる。
【0027】また、この実施の形態の変形例として次の
方法も考えられる。すなわち、コーティング層に発生し
たクラックをコーティング層の厚さに相当する規定量を
切削し、基材に残存するクラックを溶接等によって修復
させる。これにより、クラック除去に必要な切削する量
を最小限にすることで、基材の著しい減肉を抑えること
ができる。基材に進展したクラックが深い場合には、ク
ラックを全て除去すると基材の減肉量が大きくなり、著
しい強度低下を引き起こす要因となり得る。そこで、ク
ラックが深い場合には、クラックを規定量まで除去した
後、クラックを溶接補修することによって、強度低下を
抑制することができる。このとき、残存するクラックに
ついては、図4のように、肉盛溶接(肉盛溶接部6)を
行い、さらに、肉盛溶接後、翼基材3上に再コーティン
グ層5を施し補修する。
【0028】本発明の第3の実施の形態は、第2の実施
の形態と類似しているが、コーティング層2の除去、ク
ラックや劣化相の除去はブラスト装置を用いて行う点で
異なる。
【0029】図1に示すように、ガスタービン翼1の運
転に伴ってコーティング層2や基材3に発生したクラッ
クを、ブラスト装置を用いることによって、コーティン
グ層2および翼基材3に発生したクラックを連続的に削
り込んでいく。クラックについては、目視検査またはザ
イグロ検査により、クラックが認められなくなるまで削
り込みを行い、クラックを除去後に、再コーティング作
業を実施し、翼基材3上に再コーティング層5を形成す
る。劣化相の除去についても同様とする。
【0030】本実施の形態によれば、ブラスト装置を使
用することによって、他の研削装置よりも短時間での作
業が可能となる。また、ブラスト装置を用いることによ
って、翼基材表面を均一かつ平坦に仕上げることができ
る。
【0031】本発明の第4の実施の形態は、これまでの
実施の形態で述べた方法により補修した際の再コーティ
ング層を特徴づけるその組成、被覆方法について述べて
いる。なお、図1において、前述のように、コーティン
グ層2および基材3から成るガスタービン翼1におい
て、ブラスト装置等を用いることによって、コーティン
グ層2および基材3に発生したクラックを連続的に削り
込んでいく。クラックや劣化相を除去した後の再コーテ
ィング層5の組成として、基材3上にMCrAlY合金層(M
はNi、Co、Feの少なくとも1種)をコーティングする。
【0032】本実施の形態によれば、基材3の表面に、
優れた耐酸化性および耐食性を有するMCrAlY合金層(M
はNi、Co、Feの少なくとも1種)をコーティングするこ
とによって、耐酸化性および耐食性に優れたガスタービ
ン翼を提供することができる。
【0033】ここでの実施の形態においては、以下の実
施例について酸化試験を実施した。図5で云うところの
実施例3は、Ni基合金にプラズマ溶射法を用いてCoCrAl
Y層をコーティングした試験材について、加熱試験を実
施することによってクラックを発生させた後、コーティ
ング層および基材に発生したクラックをブラストによっ
て連続的に切削除去する。クラック除去後の試験材につ
いて、プラズマ溶射法を用いてCoCrAlY層をコーティン
グしたものである。
【0034】また、実施例4は、Ni基合金にプラズマ溶
射法を用いてCoCrAlY層をコーティングした試験材につ
いて、加熱試験を実施することによってクラックを発生
させた後、コーティング層および基材に発生したクラッ
クをブラストによって連続的に切削除去したものを試験
材としたものである。
【0035】そして、これらの実施例3および実施例4
の試験材について、高温酸化試験(試験温度:900℃)
を実施し、酸化試験後の試験片の重量変化を測定し、こ
れを図5に高温酸化試験結果として示している。高温酸
化試験の結果、本発明における実施例3の試験材は耐酸
化性に優れており、本発明を用いることによって耐酸化
性に優れたガスタービン翼を提供されることが確認でき
る。
【0036】また、この実施の形態の第一の変形例とし
て次の方法も考えられる。すなわち、ガスタービン翼に
生じたクラックや劣化相を除去した後、図6に示す如
く、基材3上にMCrAlY合金層(MはNi、Co、Feの少なく
とも1種)7をコーティングし、さらにMCrAlY合金層7
の表面にアルミナイズド層8をコーティングする。
【0037】これにより、耐酸化性に優れたアルミナイ
ズド層8を外表面にコーティング、つまり、MCrAlY合金
層7との2層コーティングとすることによって、耐酸化
性および耐食性に優れたガスタービン翼を提供すること
ができる。
【0038】この変形例では、以下の手順で試験片を作
成している。Ni基合金にプラズマ溶射法を用いてCoCrAl
Y層をコーティングした試験材について、加熱試験を実
施することによってクラックを発生させた後、コーティ
ング層および基材に発生したクラックをブラスト装置等
によって連続的に切削除去する。クラック除去後の試験
材について、プラズマ溶射法を用いてCoCrAlY層をコー
ティングした後、再表面にパック法によりアルミナイズ
ド層をコーティングした。
【0039】こうして作成した実施例5の試験材と、比
較材としての先の実施例3および実施例4の試験材につ
いて、高温酸化試験(試験温度:900℃)を実施し、酸
化試験後の試験片の重量変化を測定し、高温酸化試験結
果を図5に示す。その結果、この変形例における実施例
5の試験材は耐酸化性に優れており、この方法を用いる
ことによって耐酸化性に優れたガスタービン翼を提供さ
れることが確認できた。
【0040】次に、以下の方法として考えられるこの実
施の形態の第二の変形例を説明する。すなわち、図6を
参照すれば、コーティング層2および基材3から成るガ
スタービン翼1において、ブラスト装置等を用いること
によって、コーティング層2および翼基材3に発生した
クラックを連続的に削り込んでいく。クラックを除去し
た後、翼基材3上にボンドコートとしてMCrAlY合金層
(MはNi、Co、Feの少なくとも1種)7をコーティング
し、さらにトップコートとしてジルコニアを主成分とす
るセラミック層を、アルミナイズド層8に替えてコーテ
ィングする。
【0041】この第二の変形例によれば、ガスタービン
翼基材表面にボンドコートとしてMCrAlY合金層(MはN
i、Co、Feの少なくとも1種)をコーティングした後、
熱伝導率の低いジルコニアを主成分とするトップコート
を施すことによって、コーティング層が遮熱効果を発揮
し、基材表面への熱伝達を抑制するという作用から、ガ
スタービン運転時のガスタービン翼基材の表面温度を低
下させることができるので、より耐熱性に優れたガスタ
ービン翼を提供することができる。
【0042】本実施の形態においては、以下について機
械的試験を実施した。すなわち、図7で云う実施例6の
試験材は、Ni基一方向凝固合金にプラズマ溶射法によっ
てCoCrAlY層をコーティングした試験材について、加熱
試験を実施することによってクラックを発生させた後、
冷却水を噴射することによって試験材を冷却しながら、
コーティング層および基材に発生したクラックをブラス
トによって連続的に切削除去した。
【0043】一方、実施例7の試験材は、Ni基一方向凝
固合金にプラズマ溶射法によってCoCrAlY層をコーティ
ングした試験材について、加熱試験を実施することによ
ってクラックを発生させた後、試験材を冷却すること無
く、コーティング層および基材に発生したクラックをブ
ラスト装置等によって連続的に切削除去した。
【0044】こうして得られた実施例6および実施例7
の試験材についてのクリープ試験を行い、その結果を図
5に示す。実施例6に比較して、実施例7のクリープ強
度が全般的に低いことが確認された。ここでの強度低下
は、切削作業時に試験材が加熱された際の再結晶が原因
であると考えられる。このことから、本実施の形態で述
べたように、試験材すなわち基材を冷却することによっ
て再結晶を防止し、最終的には強度低下を抑制可能なガ
スタービン翼が得られる補修方法が提供できる。
【0045】第6の実施の形態では、クラックや劣化相
を除去し、翼基材上にコーティングを施した後、拡散熱
処理を実施することを特徴としている。これにより、基
材とコーティング層の密着性に優れたガスタービン翼を
提供することができる。耐酸化性および耐食性に優れた
コーティング層が剥離することは、ガスタービン翼その
ものの耐酸化性および耐食性の低下を意味しており、基
材とコーティング層の密着性を向上させることによっ
て、コーティング層の剥離を抑制することができる。
【0046】ここでは、以下の実施例について熱サイク
ル試験を実施した。すなわち、図8で云う実施例8の試
験材は、Ni基合金にプラズマ溶射法を用いてCoCrAlY層
をコーティングした試験材について、加熱試験を実施す
ることによってクラックを発生させた後、コーティング
層および基材に発生したクラックをブラストによって連
続的に切削除去する。さらにクラック除去後の試験材に
ついて、プラズマ溶射法を用いてCoCrAlY層をコーティ
ングした後に、拡散熱処理を実施した。一方、実施例9
の試験材は、実施例8によるものと同様だが、最後の拡
散処理を省略したものとした。
【0047】こうして作成した実施例8および9の試験
材について、熱サイクル試験(試験温度:900℃)を実
施した結果を図8に示している。その結果、本実施の形
態による実施例8の試験材は、拡散熱処理を施すことに
よって、CoCrAlY層と基材間での合金元素の拡散(移
動)を利用して、非常に優れた密着性を得ることができ
るという作用から、熱サイクル特性に優れており、本発
明を用いることによって熱サイクル特性に優れたガスタ
ービン翼を提供することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明におけるガ
スタービン翼の補修方法を用いることによって、ガスタ
ービン翼の再コーティング作業と基材のクラック補修作
業を効率良く実施するとともに、補修時におこり得る基
材への損傷を少なくし、かつ、信頼性の高いガスタービ
ン翼の補修方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン翼の補修方法を示す概念
図。
【図2】本発明により得られた基材の断面図(実施例1)
および従来法による基材の断面図(実施例2)。
【図3】本発明のガスタービン翼の補修方法を示す概念
図。
【図4】本発明のガスタービン翼の補修方法を示す概念
図。
【図5】本発明により得られた試験材の高温酸化試験結
果を示す特性図。
【図6】本発明のガスタービン翼の補修方法を示す概念
図。
【図7】本発明により得られた試験材のクリープ試験結
果を示す特性図。
【図8】本発明により得られた試験材の熱サイクル試験
結果を示す特性図。
【図9】従来法によるガスタービン用翼の補修方法を示
す概念図。
【符号の説明】
1…ガスタービン翼 2…コーティング層 3…翼基材 4…溶融薬品 5…再コーティング層 6…肉盛溶接部 7…MCrAlY合金層(MはNi、Co、Feの少なくとも1種) 8…アルミナイズド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G002 BA02 BA06 BA10 BB04 BB05 4K031 AA02 AA08 AB02 AB08 AB09 BA08 CB08 CB22 CB26 CB27 DA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材にコーティング層を施したガスター
    ビン翼の前記基材に発生したクラックまたは劣化相を除
    去するガスタービン翼の補修方法において、前記コーテ
    ィング層を溶融薬品を用いずに除去する第一の工程と、
    前記基材に発生したクラックまたは劣化相の部位を切削
    する第二の工程と、を連続的に行うことを特徴とするガ
    スタービン翼の補修方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記第二の工程は、補修対象
    となるクラックまたは劣化相の発生した部位のみ行う事
    を特徴とする請求項1に記載のガスタービン翼の補修方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第一の工程または前記第二の工程
    は、ブラスト装置を用いたことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のガスタービン翼の補修方法。
  4. 【請求項4】 前記第一の工程および前記第二の工程の
    後、前記基材にMCrAlY層(MはNi、Co、Feの少なくとも
    1種)をコーティングすることを特徴とした請求項1か
    ら請求項3に記載のガスタービン翼の補修方法。
  5. 【請求項5】 基材にコーティング層を施したガスター
    ビン翼の前記基材に発生したクラックまたは劣化相を除
    去するガスタービン翼の補修方法において、前記基材を
    冷却しながら、前記コーティング層または前記基材に発
    生したクラックもしくは劣化相の部位を切削することを
    特徴とする請求項1から請求項3に記載のガスタービン
    翼の補修方法。
JP2000122131A 2000-04-24 2000-04-24 ガスタービン翼の補修方法 Pending JP2001303903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122131A JP2001303903A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 ガスタービン翼の補修方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122131A JP2001303903A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 ガスタービン翼の補修方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001303903A true JP2001303903A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18632647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000122131A Pending JP2001303903A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 ガスタービン翼の補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001303903A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005147149A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 General Electric Co <Ge> 被覆部品を補修する方法
JP2007040303A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 General Electric Co <Ge> タービン構成要素の一部を回復させる方法
JP2007182776A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Hitachi Ltd タービン翼の補修方法及びタービン翼
JP2007191780A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Toshiba Corp 溶射装置及びその方法
JP2014092112A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Hitachi Ltd ガスタービン部材の表面検査方法
JP2015513606A (ja) * 2012-02-09 2015-05-14 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション 表面
WO2021094042A1 (de) * 2019-11-14 2021-05-20 Siemens Energy Global GmbH & Co. KG Reparatur von beschichteten bauteilen mittels designanpassung
CN113874610A (zh) * 2019-06-05 2021-12-31 三菱动力株式会社 燃气轮机的叶片的修补方法以及燃气轮机的叶片
CN115415732A (zh) * 2022-07-22 2022-12-02 国能锅炉压力容器检验有限公司 一种深度调峰煤电机组引风叶片材质劣化治理办法
WO2023026761A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 三菱重工業株式会社 翼の補修方法及び翼

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4643231B2 (ja) * 2003-11-13 2011-03-02 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 被覆部品を補修する方法
JP2005147149A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 General Electric Co <Ge> 被覆部品を補修する方法
JP2007040303A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 General Electric Co <Ge> タービン構成要素の一部を回復させる方法
JP2007182776A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Hitachi Ltd タービン翼の補修方法及びタービン翼
JP4680067B2 (ja) * 2006-01-05 2011-05-11 株式会社日立製作所 タービン翼の補修方法及びタービン翼
JP2007191780A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Toshiba Corp 溶射装置及びその方法
JP2015513606A (ja) * 2012-02-09 2015-05-14 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション 表面
JP2014092112A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Hitachi Ltd ガスタービン部材の表面検査方法
CN113874610A (zh) * 2019-06-05 2021-12-31 三菱动力株式会社 燃气轮机的叶片的修补方法以及燃气轮机的叶片
WO2021094042A1 (de) * 2019-11-14 2021-05-20 Siemens Energy Global GmbH & Co. KG Reparatur von beschichteten bauteilen mittels designanpassung
US11724343B2 (en) 2019-11-14 2023-08-15 Siemens Energy Global GmbH & Co. KG Repair of coated components using design adaptation
WO2023026761A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 三菱重工業株式会社 翼の補修方法及び翼
CN115415732A (zh) * 2022-07-22 2022-12-02 国能锅炉压力容器检验有限公司 一种深度调峰煤电机组引风叶片材质劣化治理办法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4344885B2 (ja) 部品の表面孔内のセラミック皮膜堆積物を除去する方法
JP4667714B2 (ja) セラミック皮膜の除去方法
US5972424A (en) Repair of gas turbine engine component coated with a thermal barrier coating
EP1304446A1 (en) Method for replacing a damaged TBC ceramic layer
EP0808913B1 (en) Method for repairing a thermal barrier coating
CA2330218C (en) Method of removing a thermal barrier coating
US20050178750A1 (en) Repair of article by laser cladding
JP2010126812A (ja) Tbc被覆タービン構成部品のための補修方法
JP2008031999A (ja) 金属構成要素の補修方法
JP4942926B2 (ja) 耐環境性ボンド皮膜を使用して部品を補修する方法及びその結果得られた補修した部品
JP2005147149A (ja) 被覆部品を補修する方法
JP2007224920A (ja) タービンエンジン部品の熱遮蔽被覆の局所修理方法
US20070170150A1 (en) Process for removing a layer
US20120164376A1 (en) Method of modifying a substrate for passage hole formation therein, and related articles
US6544346B1 (en) Method for repairing a thermal barrier coating
JP2006177363A (ja) 補修翼端の再コーティングを行わないガスタービン翼端の補修方法
JP2006207030A (ja) 超合金部品の補修及び再分類
JP2005194623A (ja) NiAlボンディングコートを使用して被覆部品を補修する方法
JP2002235557A (ja) 超合金物品の蒸着修理
JP2001303903A (ja) ガスタービン翼の補修方法
EP2549062B1 (en) Repair of coated turbine vanes installed in module
US8252376B2 (en) Method for restoring the microstructure of a textured article and for refurbishing a gas turbine blade or vane
US7249412B2 (en) Method for repairing a damaged blade of a Blisk
US20170369981A1 (en) Treated gas turbine components and processes of treating gas turbine systems and gas turbine components
US20100326971A1 (en) Thermal barrier coating removal via shockwave stresses

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050414

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606