JP2020158859A - 遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法 - Google Patents

遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法 Download PDF

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妻鹿 雅彦
Masahiko Mega
雅彦 妻鹿
秀次 谷川
Hidetsugu Tanigawa
秀次 谷川
匠 坊野
Takumi Bono
匠 坊野
裕貴 小室
Hirotaka Komuro
裕貴 小室
鳥越 泰治
Taiji Torigoe
泰治 鳥越
芳史 岡嶋
Yoshifumi Okajima
芳史 岡嶋
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Abstract

【課題】遮熱コーティングの耐久性を向上することを目的とする。【解決手段】本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングは、基材を熱から保護するための遮熱コーティングであって、前記基材側に設けられ、第1セラミックスを含む第1層と、前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に設けられ、第2セラミックスを含む第2層とを備え、前記第1層は、前記第2層よりも気孔率が高く、前記第2層は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、遮熱コーティング、タービン部材、ガスタービン及び遮熱コーティングの製造方法に関する。
産業用ガスタービンの分野では、翼の形状や翼に設けられた冷却構造を変えずに、耐熱部材への熱負荷を低減することができる遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating,TBC)が知られている。
例えば、特許文献1には、高い遮熱性と熱サイクル耐久性を両立するために、所定の粒度分布を有する溶射粒子を溶射することでセラミックス層を形成する遮熱コーティングの製造方法が開示されている。
特許第5602156号公報
例えば油燃料を使用する油焚きガスタービンのように、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる場合がある。このような場合、腐食性物質が遮熱コーティングのセラミックス層の気孔からセラミックス層に浸透してセラミックス層を劣化させる場合があることが知られている。そのため、燃焼ガスに含まれる腐食性物質によって遮熱コーティングの耐久性が低下することがある。
そこで、例えば、遮熱コーティングのセラミックス層の気孔率を低減することで腐食性物質がセラミックス層に浸透することを抑制することが考えられる。しかし、セラミックス層の気孔率を低減させると、セラミックス層の熱伝導率が上昇してしまうため、遮熱コーティングの遮熱性が低下してしまう。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、遮熱コーティングの耐久性を向上することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングは、
基材を熱から保護するための遮熱コーティングであって、
前記基材側に設けられ、セラミックスを含む第1層と、
前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に設けられ、セラミックスを含む第2層とを備え、
前記第1層は、前記第2層よりも気孔率が高く、
前記第2層は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である。
上記(1)の構成によれば、第2層よりも気孔率が高い第1層と、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である第2層とを備え、該第2層が第1層を挟んで基材とは反対側に設けられているので、第1層によって遮熱コーティングの熱伝導率の上昇を抑制しつつ、第2層によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
すなわち、腐食性物質の浸透を抑制する観点から、第2層における気孔率は小さい方が望ましく、5.0%以下であるとよいことが分かった。また、腐食性物質の浸透を抑制するためには、最大気孔径が小さい方が望ましく、最大気孔径が20μm以下であるとよいことが分かった。したがって、上記(1)の構成によれば、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても遮熱コーティングの耐久性を向上できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記第2層の厚さは、前記第1層の厚さと前記第2層の厚さとの厚さの合計値に対して0.1以上0.3以下の比率となる値を有する。
例えば第2層の厚さが第1層の厚さと第2層の厚さとの厚さの合計値の0.1未満の比率となる値であると、例えば第1層の厚さと第2層の厚さとの厚さの合計値を0.5mmとすると、第2層の厚さが0.05mm(50μm)未満となるため、局所的に層の厚さが薄い場所があると、気孔が第2層を貫通するおそれがある。一方、例えば第2層の厚さが第1層の厚さと第2層の厚さとの厚さの合計値の0.3を超える比率となる値であると、第2層の気孔率が第1層よりも低く熱伝導率が高いため、遮熱コーティングにおける遮熱効果が不十分となるおそれがある。
その点、上記(2)の構成によれば、第2層の厚さが第1層の厚さと第2層の厚さとの厚さの合計値に対して0.1以上0.3以下の比率となる値を有するので、遮熱性を確保しつつ、腐食性物質の浸透を抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記第2層のセラミックスの材質は、前記第1層のセラミックスの材質と同じである。
上記(3)の構成によれば、第2層が第1層と同じ材質で構成されるので、同じ組成の材料で第1層と第2層との成膜条件の急変をなくすことができ、第1層と第2層との界面の密着性が高い。また、第1層と第2層とで、高温環境下における線膨張係数や相安定性等が同じになるので、高温環境下における遮熱コーティングの品質劣化を抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、前記第2層のセラミックスの材質は、イットリア安定化ジルコニア、又は、イッテルビア安定化ジルコニアである。
イットリア安定化ジルコニアやイッテルビア安定化ジルコニアは、セラミックス材料の中では比較的低い熱伝導率と比較的高い熱膨張率を有している。そのため、イットリア安定化ジルコニアやイッテルビア安定化ジルコニアを遮熱コーティングの材料として用いた場合、高い遮熱性を確保できるとともに、基材が金属製であっても基材との熱膨張率の差を小さくすることができる。したがって、上記(4)の構成によれば、遮熱コーティングが例えば金属製基材の遮熱用途に適したものとなる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、前記第2層は、積算粒度10%粒径が1μm以上10μm以下とされ、積算粒度50%粒径が5μm以上15μm以下とされ、積算粒度90%粒径が10μm以上30μm以下とされる粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を溶射して形成されている。
発明者らが鋭意検討した結果、上記粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を溶射して第2層を形成することで、第2層の気孔率を低下させて腐食性物質の浸透を抑制できることが判明した。すなわち、上記粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を用いることで、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である第2層を形成できることができることが判明した。
したがって、上記(5)の構成によれば、第2層によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係るタービン部材は、上記構成(1)乃至(5)の何れかの遮熱コーティングを有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもタービン部材の耐久性を向上できる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、上記構成(6)のタービン部材を有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもガスタービンにおけるタービン部材の耐久性を向上できる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、
基材を熱から保護するための遮熱コーティングの製造方法であって、
前記基材側にセラミックスを含む第1層を積層させる工程と、
前記第1層を挟んで前記基材とは反対側にセラミックスを含む第2層を積層させる工程と、
を備え、
前記第1層を積層させる工程は、前記第2層よりも気孔率が高くなるように前記第1層を積層させ、
前記第2層を積層させる工程は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように前記第2層を積層させる。
上記(8)の方法によれば、第1層を挟んで基材とは反対側に0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となる第2層を形成できる。これにより、第2層によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
このように、上記(8)の方法によれば、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても遮熱コーティングの耐久性を向上できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の方法において、前記第2層を積層させる工程は、積算粒度10%粒径が1μm以上10μm以下とされ、積算粒度50%粒径が5μm以上15μm以下とされ、積算粒度90%粒径が10μm以上30μm以下とされる粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を溶射して前記第2層を積層させる。
上述したように、上記粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を溶射して第2層を形成することで、第2層の気孔率を低下させて腐食性物質の浸透を抑制できることが判明した。すなわち、上記粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を用いることで、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である第2層を形成できることができることが判明した。
したがって、上記(9)の方法によれば、第2層によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、
基材を熱から保護するための遮熱コーティングの製造方法であって、
セラミックスを含み前記基材側に設けられた第1層を挟んで前記基材とは反対側にセラミックスを含む第2層を積層させる工程、
を備え、
前記第2層を積層させる工程は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように前記第2層を積層させる。
上記(10)の方法によれば、例えば第1層を備える既設の遮熱コーティングに対して、上述した第2層を積層させる工程によって、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となる第2層を形成できる。これにより、第2層によって腐食性物質の浸透を抑制できる。したがって、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても既設の遮熱コーティング層の耐久性を向上できる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、
セラミックスを含み基材側に設けられた第1層と、前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に設けられ、セラミックスを含む第2層とを備える既設遮熱コーティング層に対し、前記第2層を除去する工程と、
前記第2層を除去した後の前記既設遮熱コーティング層に対し、前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に前記セラミックスを含む第2層を積層させる工程と、
を備え、
前記第2層を積層させる工程は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように前記第2層を積層させる。
上記(11)の方法によれば、既設遮熱コーティング層の第2層を除去して新たに0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となる第2層を形成できる。したがって、既設遮熱コーティング層における第2層が劣化した場合などに、第2層を新たに積層させることが可能となる。これにより、新たに積層させた第2層によって腐食性物質の浸透を抑制できる。したがって、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても既設遮熱コーティング層の耐久性を向上できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、遮熱コーティングの耐久性を向上できる。
実施形態に係る遮熱コーティングを備えるタービン部材の断面の模式図である。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材の構成例としてのガスタービン動翼を示す斜視図である。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材の構成例としてのガスタービン静翼を示す斜視図である。 幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材としての分割環の構成例を示す斜視図である。 一実施形態係るガスタービンの部分断面構造を模式的に示す図である。 第1層と同様の第1層とが積層された既設コーティング層を備えるタービン部材の断面の模式図である。 既設コーティング層に対して第2層を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 既設遮熱コーティング層を備えるタービン部材の断面の模式図である。 既設遮熱コーティング層の古い第2層を除去して新たな第2層を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。 第2層除去工程において古い第2層を除去した後のタービン部材の断面の模式図である。 遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真の一例である。 遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真を2値化した画像の一例である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(遮熱コーティング)
図1は、実施形態に係る遮熱コーティングを備えるタービン部材の断面の模式図である。幾つかの実施形態では、タービンの動翼、静翼などの耐熱性の母材(基材)11上に、遮熱コーティングとして金属結合層(ボンドコート層)12及びセラミックス層13が順に形成される。即ち、図1に示すように、幾つかの実施形態では、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating : TBC)層10は、ボンドコート層12及びセラミックス層13を含んでいる。
ボンドコート層12は、MCrAlY合金(Mは、Ni,Co,Fe等の金属元素またはこれらのうち2種類以上の組合せを示す)などで構成される。
図1に示した幾つかの実施形態では、セラミックス層13は、基材11側に設けられ、セラミックスを含む第1層14と、第1層14を挟んで基材11とは反対側に設けられ、セラミックスを含む第2層15とを含んでいる。幾つかの実施形態における第2層15に含まれるセラミックス(以下、第2セラミックス)の材料は、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、又は、YbSZ(イッテルビア安定化ジルコニア)である。
イットリア安定化ジルコニアやイッテルビア安定化ジルコニアは、セラミックス材料の中では比較的低い熱伝導率と比較的高い熱膨張率を有している。そのため、イットリア安定化ジルコニアやイッテルビア安定化ジルコニアを遮熱コーティングの材料として用いた場合、高い遮熱性を確保できるとともに、基材11が金属製であっても基材11との熱膨張率の差を小さくすることができる。したがって、遮熱コーティング層10が金属製の基材11の遮熱用途に適したものとなる。
図1に示した幾つかの実施形態では、第2セラミックスの材質は、第1層14に含まれるセラミックス(以下、第1セラミックス)の材質と同じであってもよい。
これにより、第2層15が第1層14と同じ材質で構成されるので、同じ組成の材料で第1層14と第2層15との成膜条件の急変をなくすことができ、第1層14と第2層15との界面の密着性が高い。また、第1層14と第2層15とで、高温環境下における線膨張係数や相安定性等が同じになるので、高温環境下における遮熱コーティング層10の品質劣化を抑制できる。
なお、第1層14及び第2層15は、SmYbZr、DySZ(ジスプロシア安定化ジルコニア)、ErSZ(エルビア安定化ジルコニア)などの何れかで構成されていてもよい。
図1に示した幾つかの実施形態では、第1層14は、気孔16を多く含むポーラスな組織とされる。ここでいう「多く含む」とは、第2層15と比較して気孔率(体積%)が高いことを意味する。第1層14の気孔率及び厚さは、要求される熱伝導性に応じて適宜設定される。幾つかの実施形態では、後述するように、第1層14の気孔率は、10%以上15%以下とされる。
なお、気孔率は、遮熱コーティング層10の断面における気孔の面積の割合として定義され、気孔の面積を断面の面積で除した値を百分率で表した値である。具体的には、次のようにして気孔率を求める。例えば、遮熱コーティング層10の断面を研磨して光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察される像を撮影する。本明細書では、気孔率を求めるにあたり、観察倍率を100倍とし、異なる3箇所の像を撮影する。観察視野1箇所あたりの面積は約0.5平方ミリメートルである。そして、撮影によって得られた異なる3箇所の組織の写真(例えば図12)のそれぞれに対して二値化処理を行うことで、気孔部(空隙部)と被膜部とを別々に抽出可能とする。そして、異なる3箇所の像を二値化した画像(例えば図13)のそれぞれから気孔部の面積と被膜部の面積を算出し、気孔部の面積を気孔部と被膜部の面積の和、すなわち断面の面積で除して気孔率をそれぞれ算出する。または、二値化した画像のそれぞれから気孔部の面積と断面の面積を算出し、気孔部の面積を断面の面積で除して気孔率をそれぞれ算出する。このようにして求めた3箇所の気孔率の平均値を、その組織の気孔率とする。
第1層14の気孔率を算出する場合、上述のようにして求めた第1層14における気孔16の面積を第1層14の断面の面積で除すことで第1層14の気孔率を求める。すなわち、観察された3箇所の領域における気孔率の平均値を第1層14全体の気孔率と見なす。同様に、第2層15の気孔率を算出する場合、上述のようにして求めた第2層15における気孔16の面積を第2層15の断面の面積で除すことで第2層15の気孔率を求める。すなわち、観察された3箇所の領域における気孔率の平均値を第2層15全体の気孔率と見なす。
なお、図12は、遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真の一例である。また、図13は、遮熱コーティング層の気孔率を算出するにあたっての皮膜断面の光学顕微鏡写真を2値化した画像の一例である。
また、本明細書では、後述する気孔径を次のようにして求めることとする。例えば、遮熱コーティング層10の断面を研磨して光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察される像を撮影する。本明細書では、気孔径を求めるにあたり、観察倍率を500倍とする。そして、撮影によって得られた写真に対して二値化処理を行うことで、気孔部(空隙部)を抽出可能とする。そして、二値化した画像から気孔部の径を算出する。
後述するように、第2層15の最大気孔径を算出する場合、遮熱コーティング層10を複数箇所で切断し、複数の切断面のそれぞれに対して複数の領域で気孔径を求めることで最大気孔径を算出することが望ましい。
なお、第2層15の全ての領域の気孔を観察することは困難である。また、第2層15における大多数の気孔の分布から外れた大きな気孔が僅かに含まれることも考えられる。そこで、例えば、上述のようにして複数領域で観察した気孔についての気孔径の累積頻度が気孔の個数を基準として99%となる気孔径を第2層15における最大気孔径としてもよい。
図1に示した幾つかの実施形態では、第2層15は、第1層14よりも緻密な組織とされ、第1層14上に形成されている。ここでいう「緻密な組織」とは、具体的には、第1層14やボンドコート層12、基材11への腐食成分(腐食性物質)の浸透を抑制することができる気孔率を有する組織のことである。
第2層15の気孔率、最大気孔径及び厚さは、腐食性物質の浸透を抑制する効果(以下、浸透抑制効果と呼ぶ)、及びセラミックス層13としたときに要求される熱伝導性などを考慮して適宜設定される。幾つかの実施形態では、後述するように、第2層15の気孔率は、0.1%以上5.0%以下とされ、最大気孔径は20μm以下とされる。
なお、セラミックス層13の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上1mm以下などとされる。
なお、幾つかの実施形態に係る第2層15は、第1層14上に直接、すなわち他の層を介さずに形成されていてもよく、第1層14上に形成された他の層の上に形成されていてもよい。ここで、他の層とは、例えば、第1層14又は第2層15の少なくとも一方とは気孔率や材質、厚さ等が異なる層であってもよい。
また、幾つかの実施形態に係る第2層15は、遮熱コーティング層10の最外層であるり、第2層15の表面には他の層は形成されていない。しかし、第2層15の表面に他の層が形成されていてもよい。
すなわち、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングは、基材11を熱から保護するための遮熱コーティングであって、上述した第1層14と、第2層15とを備える。
幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングによれば、第2層15よりも気孔率が高い第1層14と、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である第2層15とを備え、該第2層15が第1層14を挟んで基材11とは反対側に設けられているので、第1層14によって遮熱コーティングの熱伝導率の上昇を抑制しつつ、第2層15によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
すなわち、腐食性物質の浸透を抑制する観点から、第2層15における気孔率は小さい方が望ましく、5.0%以下であるとよいことが分かった。また、腐食性物質の浸透を抑制するためには、最大気孔径が小さい方が望ましく、最大気孔径が20μm以下であるとよいことが分かった。したがって、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングによれば、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても遮熱コーティング層10の耐久性を向上できる。
幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、以下で述べる理由から、第1層14の気孔率は、10%以上15%以下にするとよい。
すなわち、第1層14の気孔率が小さくなると第1層14における熱伝導率が上昇するので、第1層14の気孔率が10%未満になると、遮熱性能が不十分になるおそれがある。また、第1層14の気孔率が大きくなるとボンドコート層12との密着性が低下する傾向にあるので、第1層14の気孔率が15%を超えると、ボンドコート層12との密着性が不十分になるおそれがある。
そこで、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、第1層14の気孔率が10%以上15%以下とすることで、第1層14の耐久性を確保しつつ、第1層14の熱伝導率の上昇を抑制できる。
(第1層14及び第2層15の厚さについて)
第1層14及び第2層15の厚さは、例えば大気プラズマ溶射によって生成する場合、安定した被膜を得るために30μm以上とすることが望ましい。
なお、第2層15の厚さが50μm未満になる場合、局所的に層の厚さが薄い場所が存在すると、気孔が第2層15を貫通するおそれがあるため、腐食性物質の浸透抑制の観点からは、第2層15の厚さは50μm以上とすることが望ましい。
また、第2層15の厚さが100μmを超えると、セラミックス層13全体の熱サイクル耐久性が低下するおそれがあるため、第2層15の厚さは100μm以下とすることが望ましい。
例えば第2層15の厚さが第1層14の厚さと第2層15の厚さとの厚さの合計値、すなわちセラミックス層13の厚さの0.1未満の比率となる値であると、例えばセラミックス層13の厚さを0.5mmとすると、第2層15の厚さが0.05mm(50μm)未満となるため、局所的に層の厚さが薄い場所があると、気孔が第2層15を貫通するおそれがある。一方、例えば第2層15の厚さがセラミックス層13の厚さの0.3を超える比率となる値であると、第2層15の気孔率が第1層14よりも低く熱伝導率が高いため、遮熱コーティングにおける遮熱効果が不十分となるおそれがある。
したがって、第2層15の厚さは、第1層14の厚さと第2層15の厚さとの厚さの合計値(セラミックス層13の厚さ)に対して0.1以上0.3以下の比率となる値を有することが望ましい。
これにより、遮熱性を確保しつつ、腐食性物質の浸透を抑制できる。
なお、上述したように、第2層15の厚さは、50μm以上100μm以下とすること、及び、セラミックス層13の厚さに対して0.1以上0.3以下の比率となる値を有することが望ましい。
一方、第1層14の厚さは、セラミックス層13に要求される遮熱性能を満たすように設定されることが望ましい。すなわち、上述したように第2層15の熱伝導率が第1層14の熱伝導率よりも高いが、第2層15を有するセラミックス層13が要求される遮熱性能を満たすように、第1層14の厚さを設定する。具体的には、例えば、第2層15の熱伝導率と厚さ、及び、第1層14の熱伝導率に基づいて、必要とされる遮熱性能から第1層14の厚さを求めるとよい。なお、第1層14の厚さは、例えば400μm以上500μm以下の厚さに設定することができる。
なお、例えばセラミックス層13の厚さを0.5mmとした場合、第2層15の厚さをその下限値である50μmとすると、第2層15の厚さは、セラミックス層13の厚さに対して0.1の比率となる。また、例えばセラミックス層13の厚さを0.5mmとした場合、第2層15の厚さをその上限値である100μmとすると、第2層15の厚さは、セラミックス層13の厚さに対して0.2の比率となる。
(第1層14及び第2層15の形成方法について)
幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、第1層14及び第2層15は、大気プラズマ溶射によって生成された溶射層であるとよい。
例えば化学蒸着法や物理蒸着法によって第1層14及び第2層15を生成する場合や、例えば減圧プラズマ溶射によって第1層14及び第2層15を生成する場合には、チャンバを備える大掛かりな装置が必要となり、装置の費用が高額になる他、段取り等の準備等を含めた工数が多くなりがちである。
その点、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、第1層14及び第2層15を大気プラズマ溶射によって生成することで、例えば化学蒸着法や物理蒸着法、減圧プラズマ溶射等によって第1層14及び第2層15を生成する場合と比べて、装置構成が簡素であるので、装置の費用を安価にできる他、段取り等の準備等を含めた工数を削減でき、タクトタイムを短縮できる。
(第2層15の形成に用いる溶射粒子について)
従来は、平均粒径10μmから150μmの範囲、一般には10μmから100μmで正規分布に近い粒度分布を有する溶射粒子を用いてセラミックス層を形成することが一般的であった。
発明者らが鋭意検討した結果、従来のセラミックス層の形成に用いた溶射粒子よりも、大径粒子の割合を低減し、比較的小さい粒子を主とする溶射粒子を用いて第2層15を形成することで、第2層15の気孔率を低下させて腐食性物質の浸透を抑制できることが判明した。すなわち、積算粒度10%粒径が1μm以上10μm以下とされ、積算粒度50%粒径が5μm以上15μm以下とされ、積算粒度90%粒径が10μm以上30μm以下とされる粒度分布を有する第2セラミックスの溶射粒子を用いることで、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である第2層15を形成できることができることが判明した。
従来のセラミックス層の形成に用いた溶射粒子を用いた場合、第2層15の気孔率を例えば0.5%未満にするためには、例えば化学蒸着法によるコーティングのように、チャンバを備える大掛かりな装置が必要であった。
その点、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、上述した粒度分布を有する第2セラミックスの溶射粒子を用いることで、溶射によって第2層15の気孔率を0.1%にまで低減できる。
したがって、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10では、上記粒度分布を有する第2セラミックスの溶射粒子を溶射して第2層15を形成することで、第2層15によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
(第1層14の形成に用いる溶射粒子について)
発明者らが鋭意検討した結果、従来のセラミックス層の形成に用いた溶射粒子よりも、小径粒子の割合を低減し、比較的大きい粒子を主とする溶射粒子を用いて第1層14を形成することで、気孔率が上昇して遮熱コーティング層10の遮熱性が向上するとともに、層状欠陥の発生が抑制されて遮熱コーティング層10の熱サイクル耐久性が向上することを見出した。
すなわち、発明者らが鋭意検討した結果、第1層14を溶射によって形成するにあたり、例えば積算粒度10%粒径が30μm以上150μm以下とされる粒度分布を有する溶射粒子を用いることで、第1層14の熱サイクル耐久性が向上することを見出した。すなわち、該溶射粒子を用いることで、第1層14における気孔率を10%以上15%以下とすることができ、第1層14の耐久性を確保しつつ、第1層14の遮熱性を向上できる。
(実施例1について)
以下、遮熱コーティング層10の実施例1について説明する。
実施例1に係る遮熱コーティング層10のサンプルでは、ガスタービン高温部品の代表的基材であるNi基超合金基材に、MCrAlY合金によるボンドコート層12を約0.1mmの厚さで形成した。
実施例1に係るサンプルでは、第1層14は、積算粒度10%粒径が30μm以上150μm以下とされる粒度分布を有するイッテルビア安定化ジルコニアの溶射粒子を用いて、大気プラズマ溶射によって生成した。実施例1に係るサンプルでは、第1層14の厚さは、約400μmである。
実施例1に係るサンプルでは、第2層15は、イットリア安定化ジルコニアを溶融して固化させた後粉砕して得られた粉末を溶射粒子として用いて、大気プラズマ溶射によって生成した。実施例1に係るサンプルでは、該溶射粒子は、積算粒度10%粒径が2.4μmとされ、積算粒度50%粒径が10μmとされ、積算粒度90%粒径が20μmとされる粒度分布を有する。実施例1に係るサンプルでは、第2層15の厚さは、約100μmである。したがって、第2層15の厚さは、セラミックス層13の厚さに対して約0.2の比率となる。
実施例1に係るサンプルでは、第2層15における気孔径の範囲は、0.4μm〜14.8μmであり、気孔率は1.0%である。
上述のようにして作成した実施例1に係るサンプルに対し、ガスタービンの実機を模した燃焼環境において、一定時間NaSOを注入して、実施例1に係るサンプルに腐食ダメージを付与した。
その後、タービンの実機を模して湿分を付与した後、基材とボンドコート層12との界面の温度が900℃となり、第2層15の表面温度が1600℃となるようにレーザ加熱による熱サイクル試験(加速試験)を実施した。この熱サイクル試験における加熱と冷却の繰り返し回数は、1000回とした。
その結果、実施例1に係るサンプルでは、基材と遮熱コーティング層10との間、及び遮熱コーティング層10内において剥離は認められなかった。
実施例1に係るサンプルにおける遮熱性は、実施例1に係るサンプルと同様の第1層14を厚さ500μmで生成し、第2層15を有さない比較例と略同等であった。具体的には、該比較例の熱伝導率に対して、実施例1に係るサンプルの熱伝導率の増分は10%以下であった。
実施例1に係るサンプルにおける溶融塩の浸透量は、該比較例における溶融塩の浸透量の10%以下であった。
(実施例2について)
以下、遮熱コーティング層10の実施例2について説明する。
実施例2に係る遮熱コーティング層10のサンプルでは、上述した実施例1に係る遮熱コーティング層10のサンプルとは、第2層15だけが異なっている。すなわち、実施例2に係る遮熱コーティング層10のサンプルでは、ガスタービン高温部品の代表的基材であるNi基超合金基材に、MCrAlY合金によるボンドコート層12を約0.1mmの厚さで形成した。
実施例2に係るサンプルでは、第1層14は、積算粒度10%粒径が30μm以上150μm以下とされる粒度分布を有するイッテルビア安定化ジルコニアの溶射粒子を用いて、大気プラズマ溶射によって生成した。実施例2に係るサンプルでは、第1層14の厚さは、約400μmである。
実施例2に係るサンプルでは、第2層15は、イッテルビア安定化ジルコニアを造粒後に焼結して得られた粉末を溶射粒子として用いて、大気プラズマ溶射によって生成した。実施例2に係るサンプルでは、該溶射粒子は、積算粒度10%粒径が8.2μmとされ、積算粒度50%粒径が14.3μmとされ、積算粒度90%粒径が24.6μmとされる粒度分布を有する。実施例2に係るサンプルでは、第2層15の厚さは、約100μmである。したがって、第2層15の厚さは、セラミックス層13の厚さに対して約0.2の比率となる。
実施例2に係るサンプルでは、第2層15における気孔径の範囲は、0.51μm〜7.3μmであり、気孔率は1.2%である。
上述のようにして作成した実施例2に係るサンプルに対し、ガスタービンの実機を模した燃焼環境において、一定時間NaSOを注入して、実施例2に係るサンプルに腐食ダメージを付与した。
その後、タービンの実機を模して湿分を付与した後、基材とボンドコート層12との界面の温度が900℃となり、第2層15の表面温度が1600℃となるようにレーザ加熱による熱サイクル試験(加速試験)を実施した。この熱サイクル試験における加熱と冷却の繰り返し回数は、1000回とした。
その結果、実施例2に係るサンプルでは、基材と遮熱コーティング層10との間、及び遮熱コーティング層10内において剥離は認められなかった。
実施例2に係るサンプルにおける遮熱性は、上述した比較例と略同等であった。具体的には、該比較例の熱伝導率に対して、実施例2に係るサンプルの熱伝導率の増分は10%以下であった。
実施例2に係るサンプルにおける溶融塩の浸透量は、該比較例における溶融塩の浸透量の50%以下であった。
上述した実施例1、2から明らかなように、幾つかの実施形態に係る第1層14及び第2層15を有するセラミックス層13では、熱サイクル耐久性、熱伝導率、及び溶融塩浸透量の点で、従来のセラミックス層の形成に用いた溶射粒子によって形成された従来のセラミックス層よりも優れた特性を有する。
(遮熱コーティングの製造方法について)
図2を参照して、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法について説明する。図2は、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。
幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、ボンドコート層積層工程S10と、第1層積層工程S20と、第2層積層工程S30とを含む。
ボンドコート層積層工程S10は、基材11上にボンドコート層12を積層させる工程である。ボンドコート層積層工程S10では、例えば、前述のMCrAlY合金等の溶射粉を基材11の表面に溶射することでボンドコート層12を形成する。
第1層積層工程S20は、ボンドコート層12上に、第1セラミックスを含む第1層14を積層させる工程である。第1層積層工程S20では、例えば、積算粒度10%粒径が30μm以上150μm以下とされる粒度分布を有する第1セラミックスの溶射粒子を大気プラズマ溶射によってボンドコート層12の表面に溶射することで第1層14を形成する。第1層積層工程S20では、第2層15よりも気孔率が高くなるように第1層14を積層させる。
第2層積層工程S30は、第1層14を挟んで基材11とは反対側に第2セラミックスを含む第2層15を積層させる工程である。第2層積層工程S30では、例えば、積算粒度10%粒径が1μm以上10μm以下とされ、積算粒度50%粒径が5μm以上15μm以下とされ、積算粒度90%粒径が10μm以上30μm以下とされる粒度分布を有する第2セラミックスの溶射粒子を大気プラズマ溶射によって第1層14の表面に溶射することで第2層15を形成する。第2層積層工程S30では、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように第2層15を積層させる。
幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、ボンドコート層12上に、10%以上15%以下の気孔率を有する第1層14を形成できる。これにより、第1層14の耐久性を確保しつつ、第1層14の熱伝導率の上昇を抑制できる。
また、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、第1層14を挟んで基材11とは反対側に0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となる第2層15を形成できる。これにより、第2層15によって腐食性物質の浸透を抑制できる。
このように、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても遮熱コーティング層10の耐久性を向上できる。
また、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、上記粒度分布を有する第2セラミックスの溶射粒子を溶射して第2層15を形成することで、第2層15の気孔率を低下させて腐食性物質の浸透を抑制できる。すなわち、上記粒度分布を有する第2セラミックスの溶射粒子を用いることで、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である第2層15を形成できる。
(タービン部材及びガスタービン)
上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングは、産業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒や尾筒、分割環などの高温部品に適用して有用である。また、産業用ガスタービンに限らず、自動車やジェット機などのエンジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用することができる。これらの部材に上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを設けることで、耐食性及び熱サイクル耐久性に優れるガスタービン翼や高温部品を構成することができる。
図3乃至5は、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材の構成例を示す斜視図である。図6は、一実施形態係るガスタービン6の部分断面構造を模式的に示す図である。上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを適用可能なタービン部材の構成例として、図3に示すガスタービン動翼4や、図4に示すガスタービン静翼5、図5に示す分割環7、及び図6に示すガスタービン6の燃焼器8を挙げることができる。図3に示すガスタービン動翼4は、ディスク側に固定されるタブテイル41、プラットフォーム42、翼部43等を備えて構成されている。また、図4に示すガスタービン静翼5は、内シュラウド51、外シュラウド52、翼部53等を備えて構成されており、翼部53にはシールフィン冷却孔54、スリット55等が形成されている。
図5に示す分割環7は、環状の部材を周方向に分割した部材であり、ガスタービン動翼4の外側に複数配置され、タービン62のケーシングに保持される。図5に示す分割環7には冷却孔71が形成されている。図6に示すガスタービン6が備える燃焼器8は、ライナとして内筒81と尾筒82とを有する。
次に、上述したタービン部材を適用可能なガスタービンについて図6を参照して以下に説明する。図6は、一実施形態係るガスタービンの部分断面構造を模式的に示す図である。このガスタービン6は、互いに直結された圧縮機61とタービン62とを備える。圧縮機61は、例えば軸流圧縮機として構成されており、大気又は所定のガスを吸込口から作動流体として吸い込んで昇圧させる。この圧縮機61の吐出口には、燃焼器8が接続されており、圧縮機61から吐出された作動流体は、燃焼器8によって所定のタービン入口温度まで加熱される。そして所定温度まで昇温された作動流体がタービン62に供給されるようになっている。図6に示すように、タービン62のケーシング内部には、上述したガスタービン静翼5が、複数段設けられている。また、上述したガスタービン動翼4が、各静翼5と一組の段を形成するように主軸64に取り付けられている。主軸64の一端は、圧縮機61の回転軸65に接続されており、その他端には、図示しない発電機の回転軸が接続されている。
このような構成により、燃焼器8からタービン62のケーシング内に高温高圧の作動流体を供給すれば、ケーシング内で作動流体が膨張することにより、主軸64が回転し、このガスタービン6と接続された図示しない発電機が駆動される。即ち、ケーシングに固定された各静翼5によって圧力降下させられ、これにより発生した運動エネルギは、主軸64に取り付けられた各動翼4を介して回転トルクに変換される。そして、発生した回転トルクは、主軸64に伝達され、発電機が駆動される。
一般に、ガスタービン動翼に用いられる材料は、耐熱合金(例えばIN738LC=インコ社の市販の合金材料)であり、ガスタービン静翼に用いられる材料は、同様に耐熱合金(例えばIN939=インコ社の市販の合金材料)である。即ち、タービン翼を構成する材料は、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングにおいて基材11として採用可能な耐熱合金が使用されている。従って、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを、これらのタービン翼に適用すれば、遮熱効果と、耐食性及び耐久性に優れたタービン翼を得ることができるので、より高い温度環境で使用することができ、長寿命のタービン翼を実現することができる。また、より高い温度環境において適用可能であることは、作動流体の温度を高められることを意味し、これによりガスタービン効率を向上させることも可能となる。
このように、幾つかの実施形態に係るタービン部材であるタービン翼4,5は、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもタービン部材の耐久性を向上できる。
また、幾つかの実施形態に係るガスタービン6は、上記タービン部材であるタービン翼4,5を有するので、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であってもガスタービン6におけるタービン部材の耐久性を向上できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、ボンドコート層積層工程S10と、第1層積層工程S20と、第2層積層工程S30とを含む。しかし、既にボンドコート層12及び第1層14が形成された基材11に対して、上述した第2層積層工程S30によって第1層14の表面側に第2層15を形成するようにしてもよい。
これにより、例えば、第1層14と同様の層を有する従来のタービン部材に対して、第2層15を形成できる。
具体的には、例えば図7に示すように、基材11上にボンドコート層12及び第1層14と同様の第1層14Aとが積層された既設コーティング層10Aに対して、図8に示す遮熱コーティングの製造工程において、第2層15を形成できる。なお、図7は、第1層14と同様の第1層14Aとが積層された既設コーティング層10Aを備えるタービン部材の断面の模式図である。図8は、既設コーティング層10Aに対して第2層15を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。
図8に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、第2層積層工程S30を含む。図8に示す実施形態に係る第2層積層工程S30は、上述した図2に示す幾つかの実施形態に係る第2層積層工程S30と同じである。
図8に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、例えば、ガスタービン6の運転に供された、第2層15が形成されていないタービン部材や、第2層15が形成されていない未使用品のタービン部材に対し、第2層積層工程S30において、第1層14Aの表面に第2層15を形成する。すなわち、図8に示す実施形態に係る第2層積層工程S30では、第1セラミックスを含み基材11側に設けられた第1層14Aを挟んで基材11とは反対側に第2セラミックスを含む第2層15を積層させる。図8に示す実施形態に係る第2層積層工程S30では、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように第2層15を積層させる。
これにより、ボンドコート層12とボンドコート層12上に積層された第1層14Aとを有する既設コーティング層10Aに対して、第2層積層工程S30によって、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように第2層15を形成できる。これにより、第2層15によって腐食性物質の浸透を抑制できる。したがって、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても既設コーティング層10Aの耐久性を向上できる。
上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、ボンドコート層積層工程S10と、第1層積層工程S20と、第2層積層工程S30とを含む。しかし、上述した幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング層10を有するタービン部材のメンテナンスに際し、古い第2層15を除去した後に新たな第2層15を形成できる。
具体的には、例えば図9に示すように、基材11上に積層されたボンドコート12層と、ボンドコート層12上に積層された第1層14と、第1層14上に積層された第2層15Bとを有する既設遮熱コーティング層10Bに対し、図10に示す遮熱コーティングの製造工程において、古い第2層15Bを除去して新たな第2層15を形成できる。なお、図9は、既設遮熱コーティング層10Bを備えるタービン部材の断面の模式図である。図10は、既設遮熱コーティング層10Bの古い第2層15Bを除去して新たな第2層15を形成する遮熱コーティングの製造工程についてのフローチャートである。
図10に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法は、第2層除去工程S50と、第2層積層工程S30とを含む。図10に示す実施形態に係る第2層積層工程S30は、上述した図2に示す幾つかの実施形態に係る第2層積層工程S30と同じである。
図10に示す実施形態に係る遮熱コーティングの製造方法では、まず、第2層除去工程S50において、図9に示す既設遮熱コーティング層10Bの古い第2層15Bを除去する。すなわち、第2層除去工程S50では、第1セラミックスを含み基材11側に設けられた第1層14と、第1層14を挟んで基材11とは反対側に設けられ、第2セラミックスを含む第2層15Bとを備える既設遮熱コーティング層10Bに対し、第2層15Bを除去する。第2層除去工程S50では、例えばブラスト処理などによって、古い第2層15Bを除去する。図11は、第2層除去工程S50において古い第2層15Bを除去した後のタービン部材の断面の模式図である。
次いで、第2層積層工程S30において、第2層除去工程S50において古い第2層15Bを除去した後の既設遮熱コーティング層10Bに対し、第1層14を挟んで基材11とは反対側に第2セラミックスを含む第2層15を積層させる。該第2層積層工程S30では、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように第2層15を積層させる。
これにより、既設遮熱コーティング層10Bの第2層15Bを除去して新たに0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となる第2層15を形成できる。したがって、既設遮熱コーティング層10Bにおける第2層15Bが劣化した場合などに、第2層15を新たに積層させることが可能となる。これにより、新たに積層させた第2層15によって腐食性物質の浸透を抑制できる。したがって、燃焼ガスに腐食性物質が含まれる環境下であっても既設遮熱コーティング層10Bの耐久性を向上できる。
4 ガスタービン動翼
5 ガスタービン静翼
6 ガスタービン
7 分割環
8 燃焼器
10 遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating : TBC)層
11 母材(基材)
12 金属結合層(ボンドコート層)
13 セラミックス層
14 第1層
15 第2層

Claims (11)

  1. 基材を熱から保護するための遮熱コーティングであって、
    前記基材側に設けられ、セラミックスを含む第1層と、
    前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に設けられ、セラミックスを含む第2層とを備え、
    前記第1層は、前記第2層よりも気孔率が高く、
    前記第2層は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下である
    遮熱コーティング。
  2. 前記第2層の厚さは、前記第1層の厚さと前記第2層の厚さとの厚さの合計値に対して0.1以上0.3以下の比率となる値を有する
    請求項1に記載の遮熱コーティング。
  3. 前記第2層のセラミックスの材質は、前記第1層のセラミックスの材質と同じである
    請求項1又は2に記載の遮熱コーティング。
  4. 前記第2層のセラミックスの材質は、イットリア安定化ジルコニア、又は、イッテルビア安定化ジルコニアである
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の遮熱コーティング。
  5. 前記第2層は、積算粒度10%粒径が1μm以上10μm以下とされ、積算粒度50%粒径が5μm以上15μm以下とされ、積算粒度90%粒径が10μm以上30μm以下とされる粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を溶射して形成されている
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の遮熱コーティング。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の前記遮熱コーティングを有するタービン部材。
  7. 請求項6に記載の前記タービン部材を有するガスタービン。
  8. 基材を熱から保護するための遮熱コーティングの製造方法であって、
    前記基材側にセラミックスを含む第1層を積層させる工程と、
    前記第1層を挟んで前記基材とは反対側にセラミックスを含む第2層を積層させる工程と、
    を備え、
    前記第1層を積層させる工程は、前記第2層よりも気孔率が高くなるように前記第1層を積層させ、
    前記第2層を積層させる工程は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように前記第2層を積層させる
    遮熱コーティングの製造方法。
  9. 前記第2層を積層させる工程は、積算粒度10%粒径が1μm以上10μm以下とされ、積算粒度50%粒径が5μm以上15μm以下とされ、積算粒度90%粒径が10μm以上30μm以下とされる粒度分布を有するセラミックスの溶射粒子を溶射して前記第2層を積層させる
    請求項8に記載の遮熱コーティングの製造方法。
  10. 基材を熱から保護するための遮熱コーティングの製造方法であって、
    セラミックスを含み前記基材側に設けられた第1層を挟んで前記基材とは反対側にセラミックスを含む第2層を積層させる工程、
    を備え、
    前記第2層を積層させる工程は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように前記第2層を積層させる
    遮熱コーティングの製造方法。
  11. セラミックスを含み基材側に設けられた第1層と、前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に設けられ、セラミックスを含む第2層とを備える既設遮熱コーティング層に対し、前記第2層を除去する工程と、
    前記第2層を除去した後の前記既設遮熱コーティング層に対し、前記第1層を挟んで前記基材とは反対側に前記セラミックスを含む第2層を積層させる工程と、
    を備え、
    前記第2層を積層させる工程は、0.1%以上5.0%以下の気孔率を有し、かつ、最大気孔径が20μm以下となるように前記第2層を積層させる
    遮熱コーティングの製造方法。
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KR102469908B1 (ko) * 2021-05-18 2022-11-23 국방과학연구소 대기 플라즈마 용사를 이용한 단계적 이트리아 안정화 지르코니아 열차폐 코팅 방법 및 이에 의해 증착된 열차폐 코팅

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