JP2017020421A - タービン部品の補修方法およびタービン部品 - Google Patents

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秀幸 前田
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Abstract

【課題】摩耗損傷を受けたタービン部品の摩耗部に補修材を拡散熱処理技術を用いて拡散ろう付けで一体接合させて補修する。
【解決手段】タービン部品の損傷検査を行なう受入検査工程11と、タービン部品の表面に形成されたコーティング層および酸化層を除去し、摩耗損傷部を研削してタービン部品の基材に摩耗成形部を成形するコーティング・酸化層除去および成形加工工程12と、タービン部品の表面を洗浄する洗浄工程13と、タービン部品の摩耗成形部に、Niベースのペーストを用いて補修材を装填する補修材装填工程14と、補修材を装填したタービン部品を真空熱処理炉に装入し、1000℃〜1200℃の高温で拡散熱処理を行なう拡散熱処理工程15と、タービン部品を摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形するために、表面仕上げ工程16とを有し、摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形して補修する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、タービン部品の補修技術に関する。
ガスタービン発電プラントでは、ガスタービンと同軸に設けられた圧縮機の駆動によって圧縮された圧縮空気を燃焼器に導入して燃焼器ライナの燃焼室内で燃料とともに燃焼させる。燃焼によって生成された高温の燃焼ガスは、トランジションピースを経て、静翼および動翼からなるタービン部へ導入され、膨張して動翼を回転駆動させる。ガスタービン発電プラントでは、動翼の回転駆動による運動エネルギを利用して、発電機などが回転駆動させて発電を行っている。
ガスタ−ビンのタービン高温部品である燃焼器ライナ、トランジションピ−ス、静翼および動翼にはNi基超耐熱合金またはCo基超耐熱合金が用いられているが、ガスタ−ビンの運転とともに種々の損傷がみられる。まず、高温の燃焼ガス雰囲気下で運転されるため、タービン(高温)部品について材質劣化が生じる。さらに、タービン動翼については、高速回転により遠心応力でクリープ損傷が蓄積される。また、ガスタ−ビンの起動時にはタービン部品は比較的低温環境域から高温環境域に運転がシフトされ、停止時には逆に高温環境域から低温環境域に推移する段階で熱疲労が生じ、疲労損傷が蓄積する。その結果、タービン高温部品は、これらの損傷が重畳して蓄積され、き裂が生じている。
ところで、ガスタ−ビン高温部品の保守管理は機器の設計段階で決まるクリ−プあるいは疲労寿命と、実機の運転や立地上の環境により設定される寿命をもとに、同一機種あるいは同一運転形態をとるガスタ−ビンを分類し、分類された各グル−プの先行機の実績を用いて設計寿命を補正し、後続機の保守管理を行っている。
近年では、ガスタ−ビン高温部品の劣化、損傷診断を効率的に精度良く予測する保守管理方法がなされつつある。しかしながら、いずれの保守管理方法にしても、タービン高温部品を必要に応じて定検毎に補修を繰返して管理寿命に到達した後、一律に廃却となり、非常に高価な新しいタービン部品と交換している。タービン高温部品を構成する動翼の定検毎の補修においても、ガスタービンの運転(使用)により摩耗が発生した場合は摩耗部を成形して、耐摩耗部材を溶接にて肉盛補修している。
特開2009−68400号公報 特開2013−7342号公報 特開平10−293049号公報
従来、タービン動翼の溶接による肉盛補修では、入熱量にもよるが、肉盛補修の際、溶接部は周辺部分との間で温度勾配が大きく、大きな温度勾配に起因して溶接後にき裂が発生し易い。一旦発生したき裂は除去しながら、き裂がなくなるまで肉盛補修を繰り返している。そのため、タービン動翼の補修コストが増大したり、肉盛補修の繰返し作業が増加する課題があった。
また、タービン動翼では、互いに隣り合う動翼が接触する部位で摩擦による摩耗が生じるため凹凸が生じる。凹凸が生じた摩耗部は酸化したり、摩耗損傷による減肉が発生し、タービン動翼は摩耗損傷によるガタ付きの発生原因となって、タービン効率を低下させたり、従来の溶接による肉盛補修で生じていたき裂が発生する問題があった。
さらに、タービン部品では、燃焼器ライナやトランジションピース、タービン静翼でも、隣接するタービン部品と接合する接触部位で、タービン動翼と同様に、摩耗損傷により、き裂が発生する。このため、タービン部品の摩耗損傷部を合理的に補修することが困難であった。
本発明の実施形態は、上述した事情を考慮してなされたもので、タービン部品に生じている摩耗損傷を拡散熱処理技術を用いて摩耗損傷前の部品形状に成形して補修するタービン部品の補修方法およびタービン部品を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の他の目的は、摩耗損傷を受けたタービン部品を、耐摩耗性耐熱材料の補修材を用いて拡散ろう付け技術により一体接合して摩耗損傷前の部品形状に修復でき、耐摩耗性や耐熱性に富むタービン部品として再使用することができるタービン部品の補修方法およびタービン部品を提供するにある。
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するために、摩耗損傷を受けたタービン部品を補修するタービン部品の補修方法において、前記タービン部品を受け入れてタービン部品の損傷検査を行なう受入検査工程と、受入検査工程後、前記タービン部品の表面に形成されたコーティング層および酸化層を除去し、タービン部品の摩耗損傷部を研削して前記タービン部品の基材に摩耗成形部を成形するコーティング・酸化層除去および成形加工工程と、この成形加工後、前記タービン部品の表面を洗浄する洗浄工程と、前記タービン部品の摩耗成形部に、Niベースのペーストを用いて補修材を装填する補修材装填工程と、前記補修材を装填したタービン部品を真空熱処理炉に装入し、1000℃〜1200℃の高温で拡散熱処理を行なう拡散熱処理工程と、拡散熱処理後、前記タービン部品を前記摩耗損傷を受ける前の部品形状に、表面仕上げを行なう表面仕上げ工程とを有し、摩耗損傷を受けた前記タービン部品を摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形して補修することを特徴とするタービン部品の補修方法である。
また、本発明の実施形態は、上述した課題を解決するために、摩耗損傷を受けたタービン部品の摩耗損傷部を除去して成形されるタービン部品の摩耗成形部と、前記タービン部品の基材の摩耗成形部にNiベースのペーストを用いて装填される補修材とを備え、前記タービン部品の摩耗成形部に装填された前記補修材を、拡散熱処理により拡散ろう付けされ、拡散ろう付けされたタービン部品の補修材を、摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形されることを特徴とする補修されたタービン部品である。
タービン部品の補修方法およびタービン部品では、摩耗損傷を受けたタービン部品の摩耗部にNiベースのペーストを用いて補修材を装填して拡散熱処理により均一に加熱されて拡散ろう付けで一体接合して補修されるので、補修されたタービン部品はき裂を生じさせることなく、修復することができる。
摩耗損傷を受けるタービン部品は、摩耗損傷部位が補修材で合理的に補修され、耐摩耗性および耐熱性に優れたタービン部品として修復させることができる。
摩耗損傷を受けるタービン部品の補修方法の実施形態を示すフロー図。 タービン部品として代表的なガスタービンのタービン動翼を示す斜視図。 図2に示されたタービン動翼の翼頂部を示す要部拡大斜視図。 タービン部品として代表的なタービン動翼の補修技術の第1の実施形態を示す補修手順の説明図。 (A)および(B)は、図4のA部およびB部をそれぞれ拡大して示す断面図。 タービン部品として代表的なタービン動翼の補修技術の第2の実施形態を示す補修手順の説明図。 タービン部品として代表的なタービン動翼の補修技術の第3の実施形態を示す補修手順の説明図。 タービン部品として代表的なタービン動翼の補修技術の第4の実施形態を示す補修手順の説明図。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態は、ガスタービンのタービン部品に生じている摩耗損傷を、拡散熱処理技術を用いて修復し、摩耗損傷前、例えばタービン部品製作時のタービン部品形状に成形して補修するタービン部品の補修方法および補修されたタービン部品に関するものである。
対象とするタービン部品には、ガスタービンの高温部品である燃焼器ライナ、トランジションピース、タービン静翼およびタービン動翼がある。本実施形態の対象は、特にタービンの運転に伴って摩擦接触し、摩耗損傷を受けて減肉され、寿命に到達したタービン部品、もしくは、寿命には未到達であるが、所要以上の摩耗損傷が進展したタービン部品である。タービン部品には、Ni基超耐熱合金またはCo基超耐熱合金やNi−Fe基超耐熱合金の超合金材料が用いられる。
これらのタービン部品の摩耗損傷を受ける部位には、例えば燃焼器ライナの出口側とトランジションピース入口側とが嵌り合う接合部や、トランジションピース出口側とタービン1段静翼とが接続される接合部の各接触部位、さらにタービン動翼の互いに隣り合う翼同士が接触する部位がある。これらタービン部品の接触部位は、タービン運転により、高温の燃焼ガスに晒され、燃焼ガスの流動や回転運動に伴って振動の影響を受ける。タービン部品の各接触部位は、摩擦接触が繰り返され、擦られて摩耗が進展し、摩耗損傷による凹凸が発生する。凹凸が生じたタービン部品の摩耗部は高温燃焼ガスに晒されて酸化したり、摩耗損傷によって減肉される。
タービン部品の摩耗損傷は、ガタ付きの発生原因となったり、き裂発生の原因となって燃焼ガス洩れを起こし、タービン効率に悪影響を与える虞がある。タービン部品に生じた接触部位の摩耗損傷部は、摩耗損傷の程度を検査し、摩耗損傷が所要以上に進展している場合には、タービン部品の接触部位の摩耗損傷部を補修して、タービン部品摩耗損傷部を摩耗損傷を受ける前の部品形状に修復し、再使用に供される。
摩耗損傷を受けたタービン部品の補修方法は、図1に示すように実施される。
初めに、受入検査工程11で摩耗損傷を受けたタービン部品を受け入れてタービン部品の接触部位の摩耗損傷状態の検査を実施する。
受入検査工程11後、タービン部品の基材表面に形成されたコーティング層および酸化層を除去し、コーティング・酸化層除去および成形加工工程12でタービン部品の摩耗損傷部を溝加工等で研削し、基材表面に摩耗成形部を成形加工する。
タービン部品の摩耗損傷部を研削して摩耗成形部を成形した後、タービン部品の表面を洗浄工程13で蒸気あるいは有機溶剤を用いて洗浄する。
タービン部品の洗浄後、補修材装填工程14にてバインダを配合したNiベースのペーストを用いてタービン部品の摩耗成形部に補修材を装填し、装着させる。補修材はタービン部品の接触部位の部品形状に予め成形されたものが用いられる。
ここにおいて、タービン部品が燃焼器ライナであるとき、燃焼器ライナの基材には、Ni基超耐熱合金やNi−Fe基超耐熱合金が用いられる。このとき、Ni基超耐熱合金製のタービン部品の燃焼器ライナはNiを主成分とし、ライナ基材の化学成分は、重量比で表1に一例を示すように表わされる。
Figure 2017020421
また、補修材にはCo基超耐熱合金が用いられる。補修材の化学成分は、重量比で表2に一例を示すように表わされる。
Figure 2017020421
さらに、バインダを配合したNiベースのペーストは、低融点のNi基合金粉末と高融点のNi基合金粉末を配合したものに、バインダをさらに配合したペーストである。低融点のNi基合金粉末としてJIS Z3265で規定されている材料BNi−1,BNi−1A,BNi−2〜BNi−7,またはNi−Cr−W−Fe−Si−B系,Ni−Si−B系,Ni−Co−Cr−Mo−Fe−B系,Ni−Cr−B系,Ni−Co−Si−B系がある。高融点のNi基合金粉末として、Nimonic263,Hastelloy x,IN617,IN740,IN738LC,GTD111(いずれも登録商標)がある。
しかして、補修材装填工程14で補修材がNiベースのペーストを用いて装填されたタービン部品を真空加熱炉に装入し、拡散熱処理を施した。拡散熱処理工程15では、タービン部品の摩耗成形部に補修材を装填した状態で、拡散熱処理の温度は1000℃〜1200℃の高温で均一加熱し、保持時間は20分〜1時間の間、真空加熱炉内で拡散熱処理される。拡散熱処理を施すことにより、低融点のNi基合金粉末のみが溶融し、タービン部品の例えば燃焼器ライナの基材と補修材およびNiベースのペーストに含まれるボロン(B)やシリコン(Si)等の金属が相互に拡散し、拡散ろう付けされて、補修材はタービン部品の摩耗成形部に強固に一体接合される。
拡散熱処理により、補修材はタービン部品の摩耗成形部に拡散接合される一体接合技術は拡散ろう付け技術である。タービン部品の摩耗成形部に補修材が拡散ろう付けで強固に一体接合され、基材の接触部位が補修される。
タービン部品の摩耗成形部の補修材をNiベースのペーストを用いて装填した状態で真空加熱炉に装入し、拡散熱処理を行なうと、拡散熱処理時に補修材は重力により落下しない接合形状に構成される。補修材は基材の摩耗成形部に拡散ろう付けされて強固に一体接合される。
補修材をタービン部品の摩耗成形部に拡散ろう付けした後、一体接合されたタービン部品の補修材は、表面仕上げ工程16にて表面が研削工具等で研削されて表面仕上げされる。補修されたタービン部品の補修材の表面仕上げにより、補修されたタービン部品は摩耗損傷を受ける前、例えばタービン部品の初期製作時の部品形状に修復される。
表面仕上げ工程16後に補修されたタービン部品は摩耗損傷を受ける接触部位を除いて、リコーディング工程17にてタービン部品の表面は、高温の燃焼ガスから基材を保護するために耐酸化または遮熱コーティングが施され、リコーディングされる。
リコーディングされたタービン部品は摩耗損傷を受ける前の部品形状に修復され、出荷前検査工程18にて検査を受け、合格すれば再使用に供される。補修されたタービン部品の摩耗損傷を受ける接触部位は、基材のNi基超耐熱合金より硬度が高い、例えばビッカース硬度で100程度大きい耐摩耗性材料であるCo基超耐熱合金の補修材で補修されているので、摩耗損傷を受ける接触部位は耐摩耗性や耐熱性に優れた補修部品となって再使用される。
このように、ガスタービンの運転により摩耗損傷を受けたタービン部品は、耐摩耗性に優れ、基材のビッカース硬度より大きなCo基超耐熱合金製の補修材でタービン部品の摩耗成形部に装填される。Niベースのペーストを用いて補修材を装填したタービン部品は拡散熱処理により拡散ろう付けされ、強固に一体接合されて補修される。補修されたタービン部品は、表面仕上げやリコーディングにより摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形され、修復されて再使用に供される。
タービン部品の補修方法は、耐摩耗部材の補修材を用いてタービン部品の摩耗部を合理的に補修することができる。摩耗損傷を受けるタービン部品の摩耗部の補修は、Niベースのペーストを用いて、タービン部品の基材硬度より硬度の大きな耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金製補修材を拡散熱処理により拡散ろう付けし、真空熱処理炉内でタービン部品を回転保持することが不要で、強固に一体接合させるものである。しかも、補修されるタービン部品は摩耗損傷を受ける前(タービン部品製造時)の部品形状に修復されて再使用に供されるので、摩耗損傷を受ける接触部位の剛性が大きく、耐熱性、耐摩耗性に富んだ補修タービン部品となる。
[第1の実施形態]
タービン部品の代表例として、摩耗損傷を受けるタービン動翼の補修技術の第1の実施形態を図2ないし図5を参照して説明する。
図2は、タービン部品を構成するガスタービンのタービン動翼20を示す構成図である。タービン動翼20は、図示しないタービンロータ部の周方向に順次多数本、例えば92本が放射状に植設されてディスク状に構成される。タービン動翼20は、タービンロータ部に植設される基部側の植込部21と、この植込部21に隣接するプラットフォーム部22と、プラットフォーム部22から放射方向外方に延びる羽根部23と、羽根部23の先端に設けられた翼頂部24とを有する。タービン動翼20の翼頂部24には互いに隣り合う翼同士が接触する接触面25が回転方向前方側およびその後方側にそれぞれ形成される。翼頂部24の接触面25は、図3に示すように、タービン動翼20の回転運動に伴い振動で摩擦接触し、摩擦接触で擦れて摩耗し、減肉による凹凸が生じる。翼頂部24の接触面25は、タービン動翼20の回転運動に伴って互いに隣り合う翼同士が摩擦接触して摩耗し、図4に示すように、基材27に摩耗損傷を受ける接触部位28を局所的に構成している。
タービン動翼20は、回転運動に伴い互いに隣り合う翼同士の接触部位28(接触面25)が振動による摩擦接触で擦れて摩耗が発生し、減肉が生ずる。タービン動翼20の摩耗損傷を受ける接触部位28は、摩耗による減肉の進展により図4に示すように摩耗損傷部28aに凹凸が生じる。
タービン動翼20は、ガスタービンの運転中高温の燃焼ガスに晒されている。タービン動翼20では、高温の燃焼ガスから保護するために、タービン動翼20の表面は翼頂部24の接触面25を除いて耐酸化または遮熱コーティングが施されている。
ところで、タービン動翼20の基材27には、Ni基超耐熱合金が用いられる。このタービン動翼20の基材27の化学成分は、Niを主成分としたもので、重量比では表3に示す組成を有する。
Figure 2017020421
また、タービン動翼20の隣り合う翼同士の接触部位28、例えば図2および図3に示す翼頂部24の接触面25は、摩耗による摩耗損傷を受ける基材27の接触部位である。摩耗損傷を受けたタービン動翼20は図1に示されるタービン部品の補修方法が実施されて補修される。このタービン動翼の補修方法の実施により、摩耗損傷を受けたタービン動翼20は摩耗損傷を受ける前、例えばタービン部品20の製作時の部品形状に補修される。
第1の実施形態では、図4に実タービンプラントでNi基超耐熱合金製のタービン動翼20を寿命に到達する前に補修する例を示している。タービン動翼20は、実機使用前、例えばタービン部品製作時にはタービン部品の摩耗損傷を受ける接触部位28が基材27に肉盛溶接にて一体接合されている。
基材27の接触部位28は肉盛溶接で構成されるため、肉盛溶接部は溶接時の局所的入熱量が大きく、周辺と大きな温度差が生じるためき裂が発生し易い。タービン動翼20の接触部位28にき裂が生じると、従来技術では、修復のために接触部位28は最初から肉盛溶接をやり直してき裂発生前の部品形状に復帰させているため後戻り工程が多くなる。肉盛溶接は、作業員個々の手作業であるため、個人差が生じており、寸法にバラツキがある。
接触部位28が肉盛溶接で構成されたタービン動翼20は、ガスタービンの運転により互いに隣り合う翼同士が摩擦接触し、振動により擦れて摩耗し、減肉される。タービン動翼20の摩耗損傷を受ける(翼頂部24の)接触部位28は、図4に示すように、摩耗損傷部28aが減肉されて凹凸ができる。翼頂部24の接触部位28は、摩耗損傷を受けて減肉されるため、数年例えば2〜3年に一度、実機使用後、コーティング・酸化層除去および成形加工工程12(図1参照)により、研削加工や溝加工により摩耗損傷部28aが削除され、成形加工される。タービン動翼20の接触部位28には、摩耗損傷部28aが研削等で削除され、成形加工された摩耗成形部29が基材27の表面に形成される。
成形加工後、タービン動翼20は表面が蒸気や有機溶剤を用いて洗浄され、この洗浄後、(タービン動翼20の)基材27の摩耗成形部29に補修材30をNiベースのペースト31を用いて装填し、装着させる。
補修材30は、耐摩耗性材料であるCo基超耐熱合金の材料を用いて、予めタービン動翼20の摩耗損傷を受ける接触部位28の部品形状、実際には接触部位28より若干大きい肉厚の部品形状に予め成形されている。
補修材30は、Coを主成分とし、その化学成分に重量比で表4に示される組成が構成される。
Figure 2017020421
また、タービン動翼20の摩耗成形部29への補修材30の装填は、Niベースのペースト31を用いて補修材30を摩耗成形部29に押し付けて接着される。Niベースのペースト31は、図5(A)に示すように低融点のNi基合金粉末32と高融点のNi基合金粉末33とを配合したものに、バインダをさらに配合して液状(ペースト状)に構成される。低融点のNi基合金粉末32は高融点のNi基合金粉末33より粒径の小さい粉末である。Niベースのペースト31は、基材27の表面に、0.1mm未満〜0.3mm程度の膜厚tで塗布される。
Niベースのペースト31を構成する低融点のニッケル基合金粉末32としてJIS Z3265で規定されているBNi−1,BNi−1A,BNi−2,BNi−3,BNi−4,BNi−5,BNi−6,BNi−7またはNi−Cr−W−Fe−Si−B系,Ni−Si−B系,Ni−Co−Cr−Mo−Fe−B系,Ni−Cr−B系,Ni−Co−Si−B系がある。高融点のニッケル基合金粉末33として、Nimonic263,IN617,IN740,IN738LC,GTD111(いずれも登録商標)などがある。ここでは、低融点のニッケル基合金粉末32にはBNi−5が、高融点のニッケル基合金粉末33にはGTD111が用いられる。
基材27の摩耗成形部29に、補修材30を装填後、タービン動翼20は補修材30を装填した基材27を軽く抑えて真空熱処理炉(図示省略)内に装入し、拡散熱処理を実施した。拡散熱処理は1000℃〜1200℃の高温で、保持時間は20分〜1時間の間で行なわれた。
補修材30を基材27の摩耗成形部29に装填した状態で、拡散熱処理を施すことにより、Niベースのペースト31は低融点のNi基合金粉末32のみが1000℃未満の温度で溶融し、図5(B)に示すように、基材27と補修材30とNiベースのペースト31に含まれる金属、例えばBやSiが相互拡散して強固に接合される。補修材30は(タービン動翼20の翼頂部24を構成する)基材27の摩耗成形部29に拡散ろう付けされ、強固に接合される。高融点のNi基合金粉末33は拡散熱処理温度で溶融されることなく、粒状形状が保たれる。
タービン動翼20の基材27の摩耗成形部29にNiベースのペースト31を用いて補修材30を押し付けて装填し、接合させる。補修材30を装填したタービン動翼20を真空熱処理炉に装入して拡散熱処理させる。拡散熱処理時に補修材30は重力により落下しない接合形状に構成され、保たれる。補修材30は基材27の摩耗成形部29に拡散ろう付けにより強固に一体接合される。
拡散熱処理により補修材30が基材27に強固に一体接合されたタービン動翼20は、拡散熱処理後、タービン動翼20を摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形するため、補修材30が表面研削されて表面仕上げされる。表面仕上げされたタービン動翼20は、リコーディング工程17にて、耐酸化や遮熱コーティングが施されてリコーディングされ、摩耗損傷を受ける前の部品形状に補修される。摩耗損傷を受けた接触部位28は修復され、タービン動翼20は再使用に供される。
その際、補修されたタービン部品のタービン動翼20は、摩耗損傷を受ける接触部位28がCo基超耐熱合金製の補修材30で構成される。補修材30は、ビッカース硬度が500程度で、Ni基超耐熱合金製の基材27よりビッカース硬度で100程度硬い、耐摩耗性部材である。したがって、補修されたタービン動翼20は耐熱性や耐摩耗性に優れたものとなる。
しかも、摩耗損傷を受けるタービン動翼20は、摩耗損傷を受ける接触部位28が、耐摩耗性材料であるCo基超耐熱合金製の補修材30を用いて補修される。摩耗損傷を受けた接触部位28の補修は、基材27の摩耗成形部29にNiベースのペースト31を用いて補修材30を押し付けて装填し、補修材30が装填されたタービン動翼20は真空熱処理炉内で拡散熱処理により拡散ろう付けで強固に一体接合される。補修材30を装填した基材27は、拡散熱処理により局所加熱ではなく、タービン動翼20全体が均一に加熱されるので、従来の肉盛溶接と異なり、溶接による肉厚補修で生じていたき裂発生問題も解決される。
[第1の実施形態の効果]
第1の実施形態では、摩耗損傷を受けたタービン動翼20は、基材27の摩耗成形部29にNiベースのペースト31を用いて補修材30を押し付けて装填し、補修材30を装填したタービン動翼20を拡散熱処理で均一温度に全体が加熱されて拡散ろう付けして一体接合されるので、タービン動翼20は補修材30を用いてき裂等を生じることなく、強固に一体接合されて補修される。
また、摩耗損傷を受けるタービン動翼20は、Co基超耐熱合金製の補修材30を用いて摩耗損傷を受ける接触部位がCo基の耐摩耗性材料で拡散熱処理により補修されるので、タービン動翼20の摩耗損傷を受ける接触部位が耐摩耗性材料の補修材30で合理的に補修することができ、耐摩耗性、耐熱性に優れたタービン動翼を提供することができる。
さらに、補修されたタービン動翼20は、摩耗損傷を受ける基材27の接触部位28が、予め成形された耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金製補修材を用いて拡散熱処理により拡散ろう付けで強固に一体接合される。したがって、摩耗損傷を受ける基材27の接触部位が基材硬度より硬いCo基超耐熱合金製補修材で覆われ、補修されたタービン動翼20は、摩耗損傷を受けにくい接触部位を提供できる。
加えて、タービン動翼20の基材27の摩耗成形部にNiベースのペースト31を用いて補修材30が押し付けられて装填される。補修材30を装填したタービン動翼20は拡散熱処理時に、補修材30の重力により落下しない接合形状に保たれるので、拡散熱処理による拡散ろう付けを困難性を伴わずにスムーズに実現することができる。
[第2の実施形態]
次に、タービン動翼の補修技術の第2の実施形態を図6を参照して説明する。
第2の実施形態は、実タービンプラントでNi基超耐熱合金製タービン動翼が、寿命に到達する前に補修される摩耗部の補修技術を示すもので、第1の実施形態に示されるタービン動翼20の補修技術と同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略ないし簡素化する。
第2の実施形態に示すタービン動翼およびタービン動翼の補修方法において、タービン動翼20の構成は図2および図3に示すものと同じで、異ならない。タービン動翼20の基材27には、第1の実施形態の表3に示されたNi基超耐熱合金が用いられる。
摩耗損傷を受けるタービン動翼の補修方法では、図1に示されたタービン部品の補修方法が実施される。図6に示された摩耗損傷を受けたタービン動翼20では、基材27の接触部位28の摩耗損傷部28aが切削除去されるが、摩耗損傷部28aを除去して成形加工される加工形状が第1の実施形態とは相違する。図6では、摩耗損傷を受けたタービン動翼20は翼表面から劣化したコーティング層を除去する。基材27の接触部位28は摩耗により摩耗損傷部28aに凹凸が生じており、凹凸が生じた摩耗損傷部28aの表面は酸化している。摩耗損傷部28aの表面酸化層は、耐摩耗性材料の補修材30Aを装填するために研削等で除去し、成形加工される。劣化したコーティング層や摩耗層の除去および成形加工はコーティング・酸化層除去および成形加工工程12(図1参照)で行なわれる。
成形加工では、図6に示すように、摩耗により生じたタービン動翼20の摩耗損傷部28aの凹凸を研削加工により除去し、成形された凹凸面が得られるように溝加工で成形される。この溝加工により、タービン動翼20の基材27は基材表面に成形された凹凸断面の摩耗成形部29Aが形成される。基材27表面の摩耗成形部29Aには、断面で矩形形状もしくは台形形状の溝が設けられる。
タービン動翼20は、溝(成形)加工により、基材表面に凹凸断面の摩耗成形部29Aが成形された後、タービン動翼20の翼表面は洗浄される。この翼表面の洗浄後、補修材の装填工程14(図1参照)で補修材30Aが基材27の摩耗成形部29AにNiベースのペースト31を用いて押し付けられて装填され、凹凸接合される。
補修材30Aの接合部は、基材27の摩耗成形部29Aに対向する補形形状をなして嵌め合され、凹凸接合するように予め成形されている。補修材30Aは、第1の実施形態の補修材30と同様、耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金で構成される。補修材30Aを基材27の摩耗成形部29Aに押し付けて装填させるNiベースのペースト31は、0.1mm未満〜0.3mm程度の膜厚を有する。Niベースのペースト31も、第1の実施形態に示されたNiベースのペーストと同じペーストが用いられる。Niベースのペースト31は低融点のNi基合金粉末と高融点のNi基合金粉末とを配合したものに、さらにバインダを配合したペーストで構成される。このNiベースのペースト31で補修材31Aが基材27の摩耗成形部29Aに嵌り合って接合され、接着される。
なお、補修材30Aは、全体として摩耗損傷を受けるタービン動翼20の(基材27の)接触部位28の部品形状に予め製作される。実際には、補修材30Aは接触部位28の部品形状より若干大きな肉厚を有し、基材27の摩耗成形部29Aに対向する補形形状の接合部を備えた部品形状に予め成形されている。基材27の摩耗成形部29Aに装填される補修材30Aの接合部は、互いに補形形状に成形されて嵌め合されて接触(接合)される。ここに、補形形状とは、一方の部材が他方の部材に相互に接触して接合される補完形状の形状関係を意味する。具体的には、補形形状は、(基材27の摩耗成形部29Aの)凹凸形状に対向する(補修材30Aの接合部の)凹凸形状のように、相互に嵌り合う対をなす補完形状をなし、相互に補完し合う一方と他方との嵌り合い形状を意味する。
タービン動翼20の基材27には第1の実施形態に示されたNi基超耐熱合金が用いられ、補修材30AやNiベースのペースト31にも第1の実施形態にそれぞれ使用されたCo基超耐熱合金や、低融点のNi基合金粉末と高融点のNi基合金粉末とを配合したものにバインダをさらに配合したペーストが用いられる。Niベースのペースト31を用いて基材27の摩耗成形部29Aに、補修材30Aの接合部を装填し、嵌め合せ接合させる。
補修材30Aを基材27の摩耗成形部29Aに装填した後に、タービン動翼20を真空熱処理炉内に装入し、拡散熱処理を施す。拡散熱処理の温度は1000℃〜1200℃で、保持する時間は20分〜1時間の間で行なわれる。
拡散熱処理を施すことにより、第1の実施形態に示されたタービン動翼と同様に、タービン動翼20は低融点のNi基合金粉末のみが、図5(A),(B)に示すように溶融し、基材27と補修材30AおよびNiベースのペーストに含まれるボロン(B)やシリコン(Si)等の金属が相互に拡散して、強固に一体接合される。タービン動翼20は拡散熱処理により、補修材30Aが基材27の摩耗成形部29Aに、Niベースのペースト31を用いて全体が均一温度で拡散ろう付けされ、強固に一体接合される。
摩耗材として使用される耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金製の補修材30Aは、基材27の摩耗成形部29AにNiベースのペースト31を用いて装填されて嵌め合せ、拡散ろう付けにて一体接合される。基材27の摩耗成形部29Aと補修材30AはNiベースのペースト31を用いて拡散ろう付けで一体接合されるので、真空熱処理炉内での拡散熱処理時に、補修材30Aは、重力による落下が生じることはなかった。
中でも、摩耗損傷を受けるタービン動翼20は、基材27の接触部位28を研削・溝加工し、摩耗損傷部28aを矩形形状あるいは台形形状の溝を有する凹凸形状の摩耗成形部29Aが成形される。基材27の凹凸形状の摩耗成形部29Aに、予め成形加工されている補形形状の補修材30Aの接合部が装填して接合される。補修材30Aの接合部は基材27の摩耗成形部29Aに、Niベースのペースト31を用いて装填して嵌め合され、凹凸接合されるので、接触面積を大きく取ることができ、補修材30Aは基材27の摩耗成形部29Aに安定的に保持される。
したがって、Co基の耐摩耗性材料の補修材30Aは、拡散熱処理時、摩耗材(補修材30A)が重力により落下しない接合形状に保持され、Niベースのペースト31を用いた拡散ろう付けにより強固に一体接合される。
基材27の摩耗成形部29Aに装填された補修材30は、拡散熱処理後に、補修材30Aを研削して表面仕上げが施され、タービン動翼20は、実機使用前、すなわち、摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形して補修される。補修されたタービン動翼20では、表面仕上げされた補修材30Aに実機使用前の接触部位28の接触面25に相当する接触面25Aが形成される。
補修されたタービン動翼20は実機使用前、すなわち摩耗損傷を受ける前のタービン動翼と同じ寸法形状に修復され、再使用に供される。補修されたタービン動翼20は、接触部位がCo基超耐熱合金製の補修材30Aで成形され、ビッカース硬度で基材27の硬度より100程度硬いCo基の耐摩耗性材料で製作される。したがって、補修されたタービン動翼20は耐熱性や耐摩耗性に優れた補修部品となって再利用に供される。
第2の実施形態においても、タービン動翼20を図1に示すタービン部品の補修方法を実施して補修することにより、拡散熱処理時、補修材30Aが重力により落下が生じることなく、拡散熱処理を施すことにより、低融点のNi基合金粉末のみが溶融し、基材27と補修材30AおよびNiベースのペースト31に含まれる金属が相互に拡散して、強固に一体接合される。
[第2の実施形態の効果]
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した作用効果を奏する他、タービン動翼20の基材27の表面に凹凸断面を有する摩耗成形部29Aが形成され、この摩耗成形部29Aに対向する耐摩耗性材料の補修材30Aの接合部は予め補形形状に成形されている。そして、基材27の摩耗成形部29AにNiベースのペースト31を用いて補修材30Aの接合部が装填されて嵌り合い接合される。補修材30Aは基材27の摩耗成形部29Aに界面張力が働く嵌り合い形状となって装填され、保持される。
基材27の摩耗成形部29AにNiベースのペースト31を用いて装填された補修材30Aは、真空熱処理炉に装入されて所要時間1000℃〜1200℃の高温で拡散熱処理される。したがって、拡散熱処理時に、補修材30Aは基材27の摩耗成形部29Aから補修材30Aが重力により落下しない接合形状に保持され、拡散ろう付けで強固に一体接合させることができる。
[第3の実施形態]
タービン動翼の補修技術の第3の実施形態を図7を参照して説明する。
第3の実施形態は、実タービンプラントで摩耗損傷を受けたタービン動翼が寿命に到達する前に補修される摩耗部の補修技術を示すもので、第1の実施形態に示されるタービン動翼の補修技術と同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略ないし簡素化する。
第3の実施形態に示すタービン動翼およびその補修方法において、タービン動翼20の構成は図2および図3に示すものと同じで異ならない。タービン動翼20の基材27には、第1の実施形態の表3に示されたNi基超耐熱合金が用いられる。
タービン動翼の補修方法では、摩耗損傷を受けた(タービン動翼20の)接触部位28の摩耗損傷部28aを切削除去して成形加工されるが、図7に示すようにタービン動翼20の摩耗部の成形加工形状が第1の実施形態とは相違する。図7では、実機使用後に摩耗損傷を受けたタービン動翼20は翼表面から劣化したコーティング層が除去される。基材27の接触部位28は、摩耗により摩耗損傷部28aに凹凸が生じている。基材27の摩耗損傷部28aの表面は酸化しており、摩耗損傷部28a表面酸化層は耐摩耗性材料の補修材30Bを装填するために研削等で除去し、溝加工等の成形加工を実施する。劣化したコーティング層や酸化層を除去し、研削する成形加工はコーティング・酸化層除去および成形加工工程12(図1参照)で行なわれる。この成形加工により基材27に波形形状あるいはジグザグ状(山型形状)の凹凸断面を有する摩耗成形部29Bが構成される。
タービン動翼20では、基材27に凹凸断面の摩耗損傷部28bが成形された後、図1に示すタービン部品の補修方法が実施され、タービン動翼20の翼表面は洗浄工程13で洗浄される。翼表面の洗浄後、補修材の装填工程14で基材27の摩耗成形部29Bに補修材30Bが装填される。補修材30Bは基材27の摩耗成形部29BにNiベースのペースト31を用いて押し付けて装填され、突き合されて凹凸接合される。
補修材30Bの接合部は、基材27の摩耗成形部29Bと補形形状をなして対向し、基材27の摩耗成形部29Bに接触して凹凸接合するように予め成形されている。補修材30Bは第1の実施形態の補修材30と同様、耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金で構成される。補修材30Bを基材27の摩耗成形部29Bに装填させるNiベースのペースト31は0.1mm〜0.3mm程度の膜厚を有する。Niベースのペースト31も第1の実施形態に示されたNiベースのペーストと同じペーストが用いられる。このNiベースのペースト31を用いて補修材30Bは基材27の摩耗成形部29Bに突き合されて装填されて接着される。
なお、補修材30Bは、全体として摩耗損傷を受けるタービン動翼20の(基材27の)接触部位28の部品形状に予め構成されている。実際には、補修材30Bは、接触部位28の部品形状より若干大きな肉厚を有し、基材27の摩耗成形部29Bに対向する接合部を備えた部品形状に予め成形されている。基材27の摩耗成形部29Bに装填される補修材30Bの接合部は、摩耗成形部29Bとは補形形状に予め成形されており、補修材30Bは基材27の摩耗成形部29Bに嵌め合されて接触(接合)される。ここに、補形形状とは、第2の実施形態で示されたものと同様、相互に補完し合う一方と他方との嵌り合い形状を意味する。
タービン動翼20の基材27には、第1の実施形態に示されたNi基超耐熱合金が用いられ、補修材30BやNiベースのペースト31にも第1の実施形態にそれぞれ示されたCo基超耐熱合金や、低融点のNi基合金粉末と高融点のNi基合金粉末とを配合したものにバインダをさらに配合したペーストが用いられる。Niベースのペースト31を用いて基材27の摩耗成形部29Bに、補修材30Bの接合部を装填して接合される。
補修材30Bを基材27の摩耗成形部29Bに押し付けて装填した後に、タービン動翼20を真空熱処理炉内に装入して、拡散熱処理を施す。拡散熱処理の温度は1000℃〜1200℃で、保持する時間は20分〜1時間の間で行なわれる。
拡散熱処理を施すことにより、第1の実施形態に示されたタービン動翼と同様に、タービン動翼20は低融点のNi基合金粉末のみが、図5(A)および(B)に示すように溶融し、基材27と補修材30BおよびNiベースのペースト31に含まれるNi,Co等の金属が相互に拡散して、強固に一体接合される。タービン動翼20は、拡散熱処理により補修材30Bが基材27の摩耗成形部29BにNiベースのペースト31を用いて拡散ろう付けされ、強固に一体接合される。
摩耗材として使用される耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金製の補修材30Bは、基材27の摩耗成形部29BにNiベースのペースト31を用いて装填され、拡散ろう付けにて一体接合される。基材27の摩耗成形部29Bと補修材30Bは、Niベースのペースト31を用いて拡散ろう付けされ、一体接合されるので、真空熱処理炉内での拡散熱処理時に、補修材30Bは、重力による落下が生じない接合形状に保持される。
中でも、摩耗損傷を受けるタービン動翼20は基材27の接触部位28を研削・溝加工し、摩耗損傷部28bを波形形状あるいは山型形状に成形して凹凸形状の摩耗成形部29Bが構成される。基材27の摩耗成形部29Bに、予め成形加工された補形形状(凹凸形状)の補修材30Bの接合部が装填して凹凸形状に嵌め合され、接合される。補修材30Bの接合部は基材27の摩耗成形部29Bに、Niベースのペースト31を用いて装填して嵌め合され、凹凸接合されるので、接触面積を大きくとることができ、補修材30Bは、基材27の摩耗成形部29Bに安定的に保持される。
したがって、耐摩耗性材料の補修材30Bは、拡散熱処理時、摩耗材(補修材30B)が重力により落下しない接合形状に保持され、Niベースのペースト31を用いた拡散ろう付けにより強固に一体接合される。
基材27の摩耗成形部29Bに装填された補修材30Bは、拡散熱処理後に、補修材30Bを研削して表面仕上げが施され、タービン動翼20は、実機使用前、すなわち、摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形して補修される。補修されたタービン動翼20は、摩耗損傷を受ける前の部品形状に修復される。しかも、表面仕上げされたタービン動翼20の補修材30Bには、実機使用前の接触部位28の接触面25に相当する耐摩耗性材料の接触面25Bが形成される。
補修されたタービン動翼20は、実機使用前、すなわち、摩耗損傷を受ける前のタービン動翼と同じ寸法形状に修復され、再使用に供される。補修されたタービン動翼20は、接触部位28がCo基耐熱合金製の補修材30Bで成形され、ビッカース硬度で基材27の硬度より100程度硬いCo基の耐摩耗性材料で製作される。したがって、補修されたタービン動翼20は耐熱性や耐摩耗性に優れた補修部品となって再使用に供される。
第3の実施形態において、タービン動翼20を図1に示すタービン部品の補修方法を実施して補修することにより、拡散熱処理時に補修材30Bが重力により落下が生じない接合形状に安定的に保持され、拡散ろう付け処理で低融点のNi基合金粉末のみが溶融し、基材27と補修材30BおよびNiベースのペースト31に含まれる金属が相互に拡散して、強固に一体接合される。
[第3の実施形態の効果]
第3の実施形態では、第1の実施形態で説明した作用効果を奏する他、タービン動翼20の基材27の表面に波形形状あるいはジグザグ形状の凹凸断面を有する摩耗成形部29Bが形成され、この摩耗成形部29Bに対向する耐摩耗性材料の補修材30Bの接合部は摩耗成形部29Bと補形形状をなすように予め成形されている。そして、基材27の摩耗成形部29BにNiベースのペースト31を用いて補修材30Bの接合部が装填されて嵌り合い接合される。
基材27の摩耗成形部29BにNiベースのペースト31を用いて装填された補修材30Bは、真空熱処理炉に装入されて所要時間1000℃〜1200℃の高温で拡散熱処理される。したがって、拡散熱処理時に、補修材30Bは基材27の摩耗成形部29Bから補修材30Bが重力により落下しない接合形状に安定的に保たれ、拡散ろう付けで強固に一体接合させることができる。
[第4の実施形態]
タービン動翼の補修技術の第4の実施形態を図8を参照して説明する。
第4の実施形態は、実タービンプラントで摩耗損傷を受けたタービン動翼が、寿命に到達する前に補修される摩耗部の補修技術を示すもので、第1の実施形態に示されたタービン動翼20の補修技術と同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略ないし簡素化する。
第4の実施形態に示すタービン動翼およびその補修方法において、タービン動翼20の構成は、図2および図3に示すものと同じで異ならない。タービン動翼20の基材27には、第1の実施形態の表3に示されたNi基超耐熱合金が使用される。
タービン動翼の補修方法では、摩耗損傷を受けた(タービン動翼20の)接触部位28の摩耗損傷部28aを切削し、除去して摩耗成形部29Cが成形加工される。基材27表面は、図8に示すようにタービン動翼20の摩耗部の成形加工形状が第1の実施形態とは相違する。図8では、実機使用後に摩耗損傷を受けたタービン動翼20は、劣化したコーティング層が翼表面から除去される一方、摩耗を受けた凹凸形状の摩耗損傷部28aが基材27より研削されて摩耗成形部29Cが成形加工される。
基材27の接触部位28は、隣り合う翼同士の摩擦接触による摩耗で摩耗損傷部28aに凹凸が生じており、凹凸が生じた摩耗損傷部28aは酸化により酸化層が形成されている。したがって、図1に示すコーティング・酸化層除去および成形(溝)加工工程12で、翼表面のコーティング層、酸化層を除去し、摩耗損傷部28aを研削して成形加工する。この成形加工により、基材27の表面に摩耗成形部29Cが成形される。摩耗成形部29Cは成形形状を断面で見ると、円筒形や多角形の穴(溝)形状を複数備えた成形形状に構成される。
タービン動翼20の基材27は、基材27の表面に摩耗成形部29Cが成形された後、図1に示す洗浄工程13で洗浄され、この洗浄後、補修材の装填工程14で基材27の損傷成形部29Cに基材27の接合部が装填され、接合される。
補修材30Cは、全体として摩耗損傷を受けるタービン動翼20の(基材の)接触部位の部品形状に予め構成されている。実際には、補修材30Cは接触部位28の部品形状より若干大きな肉厚を有し、基材27の摩耗成形部29Cに対向する補形形状の接合部を備えた部品形状に予め成形されている。基材27の摩耗成形部29Cに装填される補修材30Cの接合部は、摩耗成形部29Cに対向する補形形状に予め成形されており、補修材30Cの接合部は基材27の摩耗成形部29Cに装填することに突き合され、嵌め合されて接合される。ここに、補形形状とは、第2の実施形態で示されたものと同様、相互に補完し合う一方と他方との嵌り合い形状を意味する。
タービン動翼20の基材27には、第1の実施形態に示されたNi基超耐熱合金が用いられ、補修材30CやNiベースのペースト31にも第1の実施形態にそれぞれ示されたCo基超耐熱合金や、低融点のNi基合金粉末と高融点のNi基合金粉末とを配合したものにバインダをさらに配合したペーストが用いられる。Niベースのペースト31を用いて基材27の摩耗成形部29Cに、補修材30Cの接合部を装填して接合される。
基材27の摩耗成形部29Cに補修材30Cを装填した後に、タービン動翼20を真空熱処理炉内に装入し、拡散熱処理を施す。拡散熱処理の温度は1000℃〜1200℃で、保持する時間は20分〜1時間の間で行なわれる。
補修されたタービン動翼20に拡散熱処理を施すことにより、第1の実施形態に示されたタービン動翼と同様に、タービン動翼20は低融点のNi基合金粉末のみが、図5(A)および(B)に示すように溶融し、基材27と補修材30CおよびNiベースのペースト31に含まれるNi,Co等の金属が相互に拡散して、強固に一体接合される。タービン動翼20は、拡散熱処理により補修材30Cが基材27の摩耗成形部29CにNiベースのペースト31を用いて拡散ろう付けされ、強固に一体接合される。
摩耗材として使用される耐摩耗性材料のCo基超耐熱合金製の補修材30Cは、基材27の摩耗成形部29CにNiベースのペースト31を用いて装填され、拡散ろう付けにて一体接合される。拡散ろう付けで基材27の摩耗成形部29Cと補修材30Cは、一体接合されるので、真空熱処理炉内での拡散熱処理時に、補修材30Cは、重力による落下が生じない接合形状に安定的に保たれる。
中でも、摩耗損傷を受けるタービン動翼20は基材27の接触部位28を研削・穴(溝)加工し、摩耗損傷部28aを円筒形状の凹部を備えた摩耗成形部29Cに成形して、基材27の表面に摩耗成形部29Cが構成される。基材27の摩耗成形部29Cに、予め成形加工された補形形状の補修材30Cの接合部が装填して接合される。補修材30Cの接合部は基材27の摩耗成形部29Cに、Niベースのペースト31を用いて装填して嵌め合され、凹凸接合されるので、接触面積を大きくとることができ、補修材30Cは、基材27の摩耗成形部29Cに安定的に保持される。
したがって、耐摩耗性材料の補修材30Cは、拡散熱処理時、摩耗材(補修材30C)が重力により落下しない形状に安定的に保持され、Niベースのペースト31を用いた拡散ろう付けにより強固に一体接合される。
基材27の摩耗成形部29Cに装填された補修材30Cは、拡散熱処理後に、補修材30Cを研削して表面仕上げが施され、タービン動翼20は、実機使用前、すなわち、摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形して補修される。補修されたタービン動翼20は、摩耗損傷を受ける前の部品形状に補修され、しかも、表面仕上げされたタービン動翼20の補修材30Cには、実機使用前の接触部位28の接触面25に相当するCo基の耐摩耗性材料の接触面25Cが形成される。
補修されたタービン動翼20は、実機使用前、すなわち、摩耗損傷を受ける前のタービン動翼と同じ寸法形状に修復されて再使用に供される。補修されたタービン動翼20は、接触部位28がCo基耐熱合金製の補修材30Cで成形され、ビッカース硬度で基材27の硬度より100程度硬いCo基の耐摩耗性材料で製作される。したがって、補修されたタービン動翼20は耐熱性や耐摩耗性に優れた補修部品となって再使用に供される。
第4の実施形態において、タービン動翼20を図1に示すタービン部品の補修方法を実施して補修することにより、拡散熱処理時に補修材30Cが重力により落下が生じることなく、拡散ろう付け処理で低融点のNi基合金粉末のみが溶融し、基材27と補修材30CおよびNiベースのペースト31に含まれる金属が相互に拡散して、強固に一体接合される。
[第4の実施形態の効果]
第4の実施形態では、第1の実施形態で説明した作用効果を奏する他、タービン動翼20の基材27の表面に円筒形や多角形の溝もしくは穴形状の凹凸断面を有する摩耗成形部29Cが形成され、この摩耗成形部29Cに対向するCo基の耐摩耗性材料の補修材30Cの接合部は予め補形形状に成形されている。そして、基材27の摩耗成形部29CにNiベースのペースト31を用いて補修材30Cの接合部が装填されて嵌り合い接合される。
基材27の摩耗成形部29CにNiベースのペースト31を用いて装填された補修材30Cは、真空熱処理炉に装入されて所要時間1000℃〜1200℃の高温で拡散熱処理される。したがって、拡散熱処理時に、補修材30Cは基材27の摩耗成形部29Cから補修材30Cが重力により落下しない接合形状に安定的に保持され、拡散ろう付けで強固に一体接合させることができる。
第1の実施形態ないし第4の実施形態では、タービン部品としてガスタービンのタービン動翼の例を説明したが、ガスタービン部品の燃焼器ライナ、トランジションピースおよび静翼にも同様の補修を行なうことができる。
また、タービン部品の補修技術は、ガスタービンのタービン部品だけでなく、蒸気タービンのタービン部品に適用することができる。
さらに、各実施形態では、摩耗損傷を受けるタービン動翼の接触部位の基材に摩耗成形部を成形し、基材の摩耗成形部にNiベースのペーストを塗布して補修材を押し付けて装填したものにおいて、補修材を基材の摩耗成形部に拡散熱処理にて拡散ろう付けし、一体接合させる例を示した。この一体接合技術は、タービン部品の基材と補修材との拡散ろう付けに限定されない。一方の部材を他方の部材に、両部材に関連する金属ベースのペーストを用いて拡散熱処理により拡散ろう付けして一体接合する場合に応用することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能である。発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…受入検査工程、12…コーティング・酸化層除去および成形(溝)加工工程、13…洗浄工程、14…補修材の装填工程、15…拡散型処理工程、16…表面仕上げ工程、17…リコーディング工程、18…出荷前検査工程、20…タービン動翼(タービン部品)、21…植込部、22…プラットフォーム部、23…羽根部、24…翼頂部、25,25A,25B,25C…接触面(接触部位)、27…基材、28…接触部位、28a,28b,28c…摩耗損傷部、29,29A,29B,29C…摩耗成形部(成形部)、30,30A,30B,30C…補修材、31…Niベースのペースト、32…低融点のNi基合金粉末、33…高融点のNi基合金粉末。

Claims (16)

  1. 摩耗損傷を受けたタービン部品を補修するタービン部品の補修方法において、
    前記タービン部品を受け入れてタービン部品の損傷検査を行なう受入検査工程と、
    受入検査工程後、前記タービン部品の表面に形成されたコーティング層および酸化層を除去し、タービン部品の摩耗損傷部を研削して前記タービン部品の基材に摩耗成形部を成形するコーティング・酸化層除去および成形加工工程と、
    この成形加工後、前記タービン部品の表面を洗浄する洗浄工程と、
    前記タービン部品の摩耗成形部に、Niベースのペーストを用いて補修材を装填する補修材装填工程と、
    前記補修材を装填したタービン部品を真空熱処理炉に装入し、1000℃〜1200℃の高温で拡散熱処理を行なう拡散熱処理工程と、
    拡散熱処理後、前記タービン部品を前記摩耗損傷を受ける前の部品形状に、表面仕上げを行なう表面仕上げ工程とを有し、
    摩耗損傷を受けた前記タービン部品を摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形して補修することを特徴とするタービン部品の補修方法。
  2. 前記タービン部品は、摩耗損傷を受けて寿命に到達し、または摩耗損傷を受けて寿命に未到達であるタービン動翼またはタービン静翼、燃焼器ライナ、トランジションピースの少なくとも一部材である請求項1に記載のタービン部品の補修方法。
  3. 前記拡散熱処理工程は、Niベースのペーストを用いて拡散ろう付けを実施する請求項1に記載のタービン部品の補修方法。
  4. 前記拡散熱処理工程では、低融点のニッケル基合金粉末と高融点のニッケル基合金粉末とを配合したNiベースのペーストを用いて、補修材を前記タービン部品の摩耗成形部に装填したタービン部品を拡散ろう付けする請求項3に記載のタービン部品の補修方法。
  5. 前記タービン部品は、拡散熱処理時に補修材が基材の摩耗成形部に重力により落下しない接合形状に形成する請求項1に記載のタービン部品の補修方法。
  6. 前記拡散熱処理時に補修材が重力により落下しない形状は、タービン部品の摩耗成形部に矩形あるいは台形の溝を成形し、前記摩耗成形部に対向する補修材の接合部は前記摩耗成形部と補形形状に予め成形して構成される請求項5に記載のタービン部品の補修方法。
  7. 前記拡散熱処理時に前記補修材が重力により落下しない形状は、前記タービン部品の摩耗成形部に波形形状あるいはジグザグ形状の溝を成形し、前記摩耗成形部に対向する前記補修材の接合部は前記摩耗成形部と補形形状に予め成形して構成される請求項5に記載のタービン部品の補修方法。
  8. 前記拡散熱処理時に前記補修材が重力により落下しない形状は、前記タービン部品の摩耗成形部に円筒形状あるいは多角形状の溝を成形し、前記タービン部品の摩耗成形部に対向する前記補修材の接合部は前記摩耗成形部と補形形状に予め成形して構成される請求項5に記載のタービン部品の補修方法。
  9. 前記補修材は、耐摩耗性材料を用いる請求項1に記載のタービン部品の補修方法。
  10. 前記補修材は、Co基の耐摩耗性材料を用いる請求項9に記載のタービン部品の補修方法。
  11. 前記補修材は、Co基の耐摩耗性材料を用い、タービン部品の基材より硬度が高い請求項9に記載のタービン部品の補修方法。
  12. 前記補修材は、Co基の耐摩耗性材料を用い、前記補修材の化学成分は、重量比で炭素(C)が0.7〜1.0%,クロム(Cr)が26〜30%,ニッケル(Ni)が4.0〜6.0%,タングステン(W)とモリブデン(Mo)の総量が18〜21%,硼素(B)が0.005〜0.1%,バナジウム(V)が0.75〜1.25%および不可避的な元素を含み、残部がコバルト(Co)である請求項9に記載のタービン部品の補修方法。
  13. 摩耗損傷を受けたタービン部品の摩耗損傷部を除去して成形されるタービン部品の摩耗成形部と、
    前記タービン部品の基材の摩耗成形部にNiベースのペーストを用いて装填される補修材とを備え、
    前記タービン部品の摩耗成形部に装填された前記補修材を、拡散熱処理により拡散ろう付けされ、
    拡散ろう付けされたタービン部品の補修材を、摩耗損傷を受ける前の部品形状に成形されることを特徴とする補修されたタービン部品。
  14. 前記タービン部品は、ガスタービンプラントまたは蒸気タービンプラントの摩耗損傷を受ける接触部位を備えたタービン部品である請求項13に記載の補修されたタービン部品。
  15. 前記タービン部品は、タービン動翼またはタービン静翼、燃焼器ライナ、トランジションピースである請求項13または14に記載の補修されたタービン部品。
  16. 前記タービン部品の基材にNiベースのペーストを用いて補修材が装填され、
    前記補修材の化学成分は、炭素(C)が0.7〜1.0wt%,クロム(Cr)が26〜30wt%,ニッケル(Ni)が4.0〜6.0wt%,タングステン(W)およびモリブデン(Mo)の総量が18〜21wt%,硼素(B)が0.005〜0.1wt%,バナジウム(V)が0.75〜1.25wt%および不可避的な元素を含み、残部がコバルト(Co)であり、
    前記Niベースのペーストは、低融点のNi基合金粉末と高融点のNi基合金粉末とを配合したものにバインダをさらに配合したペーストが用いられる請求項13ないし15のいずれか1項に記載の補修されたタービン部品。
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