JP2019131057A - 表皮 - Google Patents

表皮 Download PDF

Info

Publication number
JP2019131057A
JP2019131057A JP2018015385A JP2018015385A JP2019131057A JP 2019131057 A JP2019131057 A JP 2019131057A JP 2018015385 A JP2018015385 A JP 2018015385A JP 2018015385 A JP2018015385 A JP 2018015385A JP 2019131057 A JP2019131057 A JP 2019131057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
design
section
planar shape
fold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018015385A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7035573B2 (ja
Inventor
智 秋葉
Satoshi Akiba
智 秋葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2018015385A priority Critical patent/JP7035573B2/ja
Priority to EP19153639.0A priority patent/EP3530519B1/en
Publication of JP2019131057A publication Critical patent/JP2019131057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7035573B2 publication Critical patent/JP7035573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/58Seat coverings
    • B60N2/5891Seat coverings characterised by the manufacturing process; manufacturing seat coverings not otherwise provided for
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06CFINISHING, DRESSING, TENTERING OR STRETCHING TEXTILE FABRICS
    • D06C23/00Making patterns or designs on fabrics

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】より意匠性に優れた幾何学模様を付与した表皮を提供することにある。【解決手段】表皮(SP1)の外面には、幾何学的な平面形状を備えた意匠表皮部10と、意匠表皮部10の裏側に差し込まれている表皮部分(20a)を備えた一般表皮部20とが配置関係を保った状態で設けられており、外面とは反対の表皮(SP1)の裏面には、意匠表皮部10を囲むように線状の山折り部位と線状の谷折り部位とが設けられているとともに、一般表皮部20は、表皮(SP1)を裏面側から見た場合に山折り部位に沿って表皮(SP1)を山折り状態とし且つ谷折り部位に沿って表皮(SP1)を谷折り状態とすることで構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、部材の外観を構成可能な表皮に関し、より具体的には、幾何学的な平面形状を備えた意匠表皮部が外面に設けられている表皮に関する。
この種の表皮は、典型的に布帛や皮革製の面材であり、乗物用シートなどの部材の外観を構成している。そして表皮は、部材に対して優れた意匠性を付与する観点などから、エンボス加工やステッチ加工などの凹凸処理が施されて幾何学的な模様を有していることがある。例えば特許文献1に開示の乗物用シートでは、表皮となる生地の外面に、線状の縫目であるステッチをヒシクロス(菱格子)状に縫い付けており、生地の外面が、複数の菱形状の区画に区分けされている。そしてステッチの縫い付け力で生地が引き締められて区画内の生地が山なりに盛り上がることにより、生地の外面に、複数の菱形の模様を立体的に表現することが可能となる。
特開2015−143067号公報
しかしステッチ加工を施した生地(表皮)は、凹凸グラフィックが一定で立体感に乏しくなりがちであり、またエンボス加工によっても同様の問題が生じていた。このため表皮の更なる意匠性向上の観点などから、従来の凹凸処理に代わる処理が切望されており、特に表皮の幾何学模様により優れた立体感を出すことが望まれていた。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、より意匠性に優れた幾何学模様を付与した表皮を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の表皮は、部材の外観を構成可能な表皮である。この種の表皮は、より意匠性に優れた幾何学模様を付与されていることが望ましい。そこで本発明の表皮の外面には、幾何学的な平面形状を備えた意匠表皮部と、意匠表皮部の裏側に差し込まれている表皮部分を備えた一般表皮部とが配置関係を保った状態で設けられている。そして外面とは反対の表皮の裏面には、意匠表皮部を囲むように線状の山折り部位と線状の谷折り部位とが設けられているとともに、一般表皮部は、表皮を裏面側から見た場合に山折り部位に沿って表皮を山折り状態とし且つ谷折り部位に沿って表皮を谷折り状態とすることで構成されている。本発明では、表皮自体に対して多層的且つ平坦状に折る平坦折り処理(特にねじり折りなどの平織り処理)を施すことにより、表皮の外面に意匠表皮部と一般表皮部とを設けている。すなわち表皮の裏面側に設けられている山折り部位と谷折り部位にて一般表皮部を折製し、この一般表皮部の少なくとも一部を意匠表皮部の裏側に差込んでおくことで、意匠表皮部の幾何学的な平面形状をより意匠性良く表現することが可能となっている。
第2発明の表皮は、第1発明の表皮において、意匠表皮部は、一般表皮部に持ち上げられた状態で表皮の外面側に配置されている。本発明では、一般表皮部に対して意匠表皮部が持ち上げられた状態となることで、意匠表皮部に対してより適切な立体感を付与することが可能となる。
第3発明の表皮は、第1発明又は第2発明の表皮において、表皮の外面には、共通の多角形状の平面形状を備えた複数の意匠表皮部が設けられている。そして共通の多角形状の平面形状内でその中心を通る一本の仮想直線を想定し、仮想直線の向きを平面形状の向きとした場合、複数の意匠表皮部は、平面形状の向きを揃えて配置されている。本発明では、同形の複数の意匠表皮部を、これらの向きを揃えて配置することにより、表皮の意匠性を更に向上させることが可能となる。
第4発明の表皮は、第1発明又は第2発明の表皮において、表皮の外面には、共通の多角形状の平面形状を備えた複数の意匠表皮部が設けられている。そして共通の多角形状の平面形状内でその中心を通る一本の仮想直線を想定し、仮想直線の向きを平面形状の向きとした場合、複数の意匠表皮部の中で少なくとも一対の意匠表皮部は、互いに平行移動の関係とならないように平面形状の向きを異ならせて配置されている。本発明では、少なくとも一対の意匠表皮部を、これらの向きを外観が異なるように不揃いで配置することにより、表皮の意匠性を更に向上させることが可能となる。
第5発明の表皮は、第1発明又は第2発明の表皮において、表皮の外面には、少なくとも一対の意匠表皮部が設けられているとともに、一方の意匠表皮部の平面形状は、一方とは異なる他方の意匠表皮部の平面形状と同形又は異形の多角形状である。本発明では、各意匠表皮部の平面形状を同形とするか又は異形とするかのいずれかを選択することが可能となり、表皮に設けられる幾何学模様のバリエーションを増やすことが可能となる。
第6発明の表皮は、第1発明〜第5発明のいずれかの表皮において、山折り部位と谷折り部位は、各々、表皮の裏面に設けられた線状の溝で構成されているとともに、溝の延長方向に直交する方向の寸法を溝の幅寸法とした場合に、谷折り部位をなす溝の幅寸法と、山折り部位をなす溝の幅寸法とが異なっている。本発明では、山折り部位と谷折り部位の幅寸法を異ならせてより明確に区別することにより、各表皮部をより適切に設けておくことが可能となる。
本発明に係る第1発明によれば、より意匠性に優れた幾何学模様を付与した表皮を提供することができる。また第2発明によれば、更に意匠性に優れた幾何学模様を付与した表皮を提供することができる。また第3発明によれば、より意匠性に優れた幾何学模様を複数付与した表皮を提供することができる。また第4発明によれば、より意匠性に優れた幾何学模様を複数付与した表皮を提供することができる。また第5発明によれば、更に意匠性に優れた幾何学模様を複数付与した表皮を提供することができる。そして第6発明によれば、幾何学模様をより適切に付与した表皮を提供することができる。
乗物用シートの正面図である。 シートカバー一部の外面図である。 展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 図3のIV‐IV線断面に相当するシートカバーの断面図である。 図2のV‐V線断面に相当するシートカバーの断面図である。 図2に示すシートカバーの裏面図である。 別例1のシートカバーの外面図である。 別例1の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 別例2のシートカバーの外面図である。 別例2の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 別例2のシートカバーの裏面図である。 別例3のシートカバーの外面図である。 別例3の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 実施例2の乗物用シートの斜視図である。 実施例2のシートカバー一部の外面図である。 実施例2の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 実施例2のシートカバーの裏面図である。 別例4のシートカバーの外面図である。 別例4の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 別例5のシートカバーの外面図である。 別例5の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 変形例1のシートカバーの外面図である。 変形例1の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 別例6のシートカバーの外面図である。 別例6の展開状態とされたシートカバーの裏面図である。 変形例2のシートカバーの外面図である。 変形例3のシートカバーの外面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図27を参照して説明する。図1及び図14には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。また図2〜図13及び図15〜図27では、表皮としてのシートカバーが乗物用シートに配置されている場合を基準として、前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。また図3〜図5、図8、図16及び図21では、山折り部位に符号Lm及び谷折り部位に符号Lvを付し、その他のシートカバー展開時の図では、便宜上、山折り部位を実線で示して符号を省略し、谷折り部位を破線で示して符号を省略する。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結され、シートバック6の上部にヘッドレスト8が設けられている。
[シートバック]
図1のシートバック6は、乗員の背凭れとなる正面視で略矩形の部材であり、上述の基本構成6F,6P,6Sを有している(各部材の詳細は適宜後述)。このシートバック6では、シートフレーム6F上のシートパッド6Pがシートカバー6Sで被覆され、このシートカバー6Sによってシートの外観が構成されている。そしてシートカバー6Sには、幾何学的模様(後述する意匠表皮部10)が複数設けられており、これら幾何学的模様は、シートカバー6Sに後述する所定の処理を施すことで形成できる(図1では、便宜上、一つの意匠表皮部にのみ符号を付している)。そしてこの種の幾何学模様の形成に際しては、ステッチ加工やエンボス加工等に代わる処理が切望されており、特にシートカバー6Sの幾何学模様に優れた立体感を出すことが望まれている。そこで本実施例では、後述する構成(複数の意匠表皮部10,複数の一般表皮部20)によって、より意匠性に優れた幾何学模様を付与したシートカバー6Sを提供することとした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
ここでシートフレーム6F(図示省略)は、典型的に正面視で略矩形又はアーチ状の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。またシートパッド6P(図示省略)は、シートバック6の外形形状をなす部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このシートパッド6Pの着座面には、図1を参照して、着座部6aと、左右の土手部6bとが形成されている。着座部6aは、シート幅方向中央に形成された乗員の着座が可能な部位である。また左右の土手部6bは、着座部6aの側方で相対的に前方に向けて山なりに盛り上がっている部位である。
[シートカバー(表皮)]
そしてシートカバー6Sは、本発明の表皮に相当する面材であり、複数の表皮ピースSP1〜SP3等を縫合することで形成されている(図1では、便宜上、特定の表皮ピースのみ図示している)。例えばシートカバー6Sの着座面は、着座部6aを被覆するメイン表皮ピースSP1と、左右の土手部6bを被覆する一対のサイド表皮ピースSP2、SP3とを縫合することで形成されている。これら各表皮ピースSP1〜SP3の素材として、シートの意匠面を構成可能な各種の面材を用いることができ、例えば皮革(天然皮革,合成皮革)や布帛(織物,編物,不織布)を適宜選択して用いることができる。
ここで後述する幾何学的な模様を付すべきシートカバー6S部分には適度な剛性を有する面材を用いることが好ましく、この種の面材として、図4に示すパッド材PM付きの布帛や皮革(図示省略)を例示できる。本実施例においては、メイン表皮ピースSP1の素材として、比較的剛性に優れて適度な保形性を備えているパッド材PM付きの布帛を用いている。このパッド材PM付きの布帛は、布帛の裏面にパッド材PMを一体化した面材であり、この種のパッド材PMは、ウレタンラミなどの弾性的に伸縮可能な発泡樹脂製のマット材で形成できる。なおその他の表皮ピースの素材は、メイン表皮ピースSP1の素材と同一でもよく、異なっていてもよい。
[メイン表皮ピース(平坦折り処理の概要)]
そしてメイン表皮ピースSP1には、例えば図1を参照して、幾何学的な平面形状を備えた複数の意匠表皮部10と、一般表皮部20とが設けられている(各表皮部の詳細は後述することとし、図1では、各表皮部の一部にのみ符号を付している)。これら意匠表皮部10と一般表皮部20とは、メイン表皮ピースSP1自体を多層的且つ平坦状に折る平坦折り処理を施すことで形成されており、以下に示す各実施例等では、主にねじり折り処理などの平織り処理を用いている。そして例えば図3に示す展開状態のメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、平坦折りの際の折り線となる山折り部位Lmと谷折り部位Lvが設けられている(各折り部位の詳細は後述することとし、図3では、山折り部位Lmを実線で図示し、谷折り部位Lvを破線で図示している)。これら山折り部位Lmと谷折り部位Lvは線状の溝であり、メイン表皮ピースSP1の裏面RSには、両折り部位で構成された多角形が一定規則で敷き詰められて平面充填されている。そしてメイン表皮ピースSP1を、山折り部位Lmと谷折り部位Lvで折製することにより、後述する意匠表皮部10と一般表皮部20を形成できる。ここでメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、平坦折りを可能とする規則性で各種の多角形を平面充填でき、この種の充填パターン(タイリングパターン)は無数に存在し、必要に応じてボロノイ図を用いることもできる。そして以下に示す各実施例等においては、特定のタイリングパターンと、それに基づいて形成された意匠表皮部10と一般表皮部20の構成を例示している。
[実施例1(意匠表皮部)]
実施例1のメイン表皮ピースSP1には、図1及び図2を参照して、複数の意匠表皮部10と、一般表皮部20(詳細後述)とが設けられている。本実施例(及び後述の別例1〜3)では、各意匠表皮部10が、四角形を基調とする平面形状を備え、本実施例では、各意匠表皮部10の平面形状として、正面視で共通の長方形状(幾何学模様の一例)が用いられている。また隣り合う意匠表皮部10同士は、互いに平行移動の関係とならないように平面形状の向きを異ならせて配置されている。すなわち本実施例では、共通の長方形状の平面形状内で、その中心となる重心を通って長辺に平行な一本の仮想直線VL1を想定し、この仮想直線VL1の向きを平面形状の向きとする。そして図2で概ね中央に配置する特定の意匠表皮部10の仮想直線VL1は、左側に向かうにつれて次第に下方に傾斜している。また特定の意匠表皮部10の上下左右に隣接している別の意匠表皮部10の仮想直線VL1は、左側に向かうにつれて次第に上方に傾斜して、特定の意匠表皮部10の仮想直線VL1と直交状に配置されている(図2では、便宜上、一つの他方の意匠表皮部10にのみ仮想直線VL1を図示している)。こうして仮想直線VL1同士を直交状に配置して、隣り合う一対の意匠表皮部10を互いに交差状に配置することにより、メイン表皮ピースSP1の外面OSが平織り(三原組織の一つ)の織物のような外観を呈して意匠性に優れる構成となっている。なお平面形状が長方形状で且つ上述の配置関係の場合、特定の意匠表皮部10を、隣接する別の意匠表皮部10に向けて平行移動しても、これらは完全に一致しないため平行移動の関係ではない。
[一般表皮部]
一般表皮部20は、図2を参照して、意匠表皮部10を除くメイン表皮ピースSP1部分であり、差込部位20aと、充填部位20bとで構成されている。この一般表皮部20をなす各部位20a,20bは、メイン表皮ピースSP1自体を、図3及び図4に示す山折り部位Lm及び谷折り部位Lv(詳細後述)を基に平坦折りすることで形成されている。そして差込部位20aは、図2及び図5を参照して、意匠表皮部10の周囲に設けられている台形状の表皮部分であり、隣接する意匠表皮部10の長辺裏側に向けて内折りされて差し込まれている。また充填部位20bは、差込部位20aの周縁から逆向きに折り返されている菱形状の部分であり、各意匠表皮部10同士の間を埋めるように配置されている。そして本実施例においては、一般表皮部20において、充填部位20bの上に差込部位20aが配置され、さらに差込部位20aが、対応する意匠表皮部10の裏側に差し込まれた状態となっている。このため各意匠表皮部10は、一般表皮部20の差込部位20aによって充填部位20bから持ち上げられた状態となり、この充填部位20bに比して一段高い(図5で前側に向けて一段高い)外面OS側の位置に配置されている。
[山折り部位,谷折り部位]
そして図2の一般表皮部20の差込部位20aと充填部位20bは、ねじり折り処理(詳細後述)によって、メイン表皮ピースSP1を特定の箇所で山折り又は谷折りすることで形成できる。このため図3に示す展開状態のメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、ねじり折りの際の折り線となる山折り部位Lmと谷折り部位Lvが設けられている。ここで山折り部位Lmと谷折り部位Lvとは、各々、図4に示すようにメイン表皮ピースSP1の裏面RSに設けられている溝であり、適宜の向きに直線的(線分的)又は湾曲的に延びている。すなわち山折り部位Lmと谷折り部位Lvは、メイン表皮ピースSP1がパッド材PM付き布帛の場合にはパッド材PM側に設けられている溝であり、皮革の場合には床革(又はその代替えとなる層)側に設けられている溝である。ここで各折り部位Lm,Lvの溝の延びている方向に直交する方向の寸法を幅寸法とした場合、山折り部位Lmの幅寸法W1と、谷折り部位Lvの幅寸法W2とは同一でもよく異なっていてもよい。本実施例においては、山折り部位Lmの幅寸法W1を、谷折り部位Lvの幅寸法W2よりも小さくしている。こうすることで山折り部位Lmと谷折り部位Lvの区別が容易となり、一般表皮部20をより正確な箇所で山折り及び谷折りすることが可能となる。なお山折り部位Lmと谷折り部位Lvの形成手法は特に限定しないが、例えばエンボス加工などの各種の凹凸処理を例示でき、床革やパッド材PMを部分的に除去又は非配置状態とすることでも形成できる。
[第一のタイリングパターン]
そしてメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、図3を参照して、山折り部位Lmと谷折り部位Lvで構成された複数種類の多角形の区画が第一のタイリングパターンで配置されている。本実施例では、複数の区画30〜36からなる第一基本模様BP1(図3の一点破線で囲まれた部分を参照)が設けられ、さらに第一基本模様BP1が、後述の所定規則でメイン表皮ピースSP1の裏面RSに充填配置されている。そして各第一基本模様BP1は同一の構成を有していることから、以下に、一つの第一基本模様BP1を一例にその詳細を説明する。この第一基本模様BP1は、三種類の四角形の区画からなり、長方形状の中央区画30と、四つの正方形の角区画31〜34と、台形状の一対の側方区画35,36とで構成されている。そして各区画31〜36の辺は、山折り部位Lmと谷折り部位Lvのいずれかで形成されている。
ここで図2及び図3を参照して、中央区画30は、意匠表皮部10となる長方形状の区画であり、一対の長辺が谷折り部位Lvで形成され、一対の短辺が山折り部位Lmで形成されている(各角区画との関係は後述)。この中央区画30は、長辺が左側に向かうにつれて次第に下側を向く傾斜状態となっている。また一対の側方区画35,36は、それぞれ一般表皮部20の差込部位20aをなす台形状の区画であり、中央区画30の各長辺の外側にそれぞれ隣接して設けられている。これら各側方区画35,36は、各々、中央区画30の長辺をなす谷折り部位Lvを下底とした台形状をなしている。そして各側方区画35(36)の傾斜辺及び上底は、後述する各角区画31,33(32,34)にて形成された山折り部位Lmで構成されている(各角区画との関係は後述)。
そして図2及び図3を参照して、四つの角区画(第一角区画31,第二角区画32,第三角区画33,第四角区画34)は、それぞれ一般表皮部20の充填部位20bを構成する正方形の区画である。これら各角区画31〜34は、中央区画30の対応する角に隣接配置されており、各々、後述するねじり折りの際に所定の方向に回転させることができる。第一角区画31は、意匠表皮部10の右角に配置されており、第二角区画32は、意匠表皮部10の上角に配置されている。また第三角区画33は、意匠表皮部10の下角に配置されており、第四角区画34は、意匠表皮部10の左角に配置されている。そして第一角区画31と第二角区画32は、中央区画30の上側の短辺で対をなして配置され、第三角区画33と第四角区画34は、中央区画30の下側の短辺で対をなして配置されている。また第一角区画31と第三角区画33は、中央区画30の下側の長辺で対をなして配置され、第二角区画32と第四角区画34は、中央区画30の上側の長辺で対をなして配置されている。そして各角区画31〜34は、概ね同一の基本構成を有しているとともに、対をなす区画同士は鏡像関係となっている。そこで以下に、専ら第一角区画31を一例にその詳細を説明する。
図3に示す第一角区画31は、山折り部位Lmで形成された菱形の区画であり、四つの頂点から、山折り部位Lmと谷折り部位Lvが放射状に延びている。すなわち第一角区画31の各頂点から直線状の山折り部位Lmがそれぞれ延びており、これら各山折り部位Lmは、第一角区画31の重点を中心に十字状に配置されている。さらに第一角区画31の各頂点からは湾曲状の谷折り部位Lvが延びているとともに、谷折り部位Lvは、同一頂点から延びている山折り部位Lmに対して時計回りに略90°傾いて配置されている。そしてこの第一角区画31に対して、中央区画30の所定位置に第二角区画32と第三角区画33がそれぞれ対をなして配置されている。これら第二角区画32と第三角区画33は、第一角区画31と鏡像関係にあり、放射状に配置された山折り部位Lmと谷折り部位Lvを逆にする(鏡像反転する)ことで形成されている。さらに第一角区画31の対向位置に第四角区画34が配置され、この第四角区画34は、第一角区画31と同一の配置関係で放射状の山折り部位Lmと谷折り部位Lvとが形成されている。
そして図3に示す中央区画30は、各角区画31〜34から放射状に延びている山折り部位Lmと谷折り部位Lvで構成されている。すなわち第一角区画31と第二角区画32の向かい合う頂点同士を結ぶ山折り部位Lmが中央区画30の上側の短辺をなしている。また第三角区画33と第四角区画34の向かい合う頂点同士を結ぶ山折り部位Lmが中央区画30の下側の短辺をなしている。また第一角区画31と第三角区画33の内側の頂点同士を結ぶ谷折り部位Lvが中央区画30の下側の長辺をなしている。また第二角区画32と第四角区画34の内側の頂点同士を結ぶ谷折り部位Lvが中央区画30の上側の長辺をなしている。また下側の側方区画35は、中央区画30の下側の長辺で対をなす角区画31,33の間に形成されている。そして第一角区画31と第三角区画33の向かい合う頂点同士を結ぶ山折り部位Lmが下側の側方区画35の上底をなし、両角区画31,33の向かい合う各辺が下側の側方区画35の傾斜辺をなしている。また同様に上側の側方区画36は、中央区画30の上側の長辺で対をなす角区画32,34の間に形成されている。そして第二角区画32と第四角区画34の向かい合う頂点同士を結ぶ山折り部位Lmが上側の側方区画36の上底をなし、両角区画32,34の向かい合う各辺が上側の側方区画36の傾斜辺をなしている。
そして図3のメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、上述の第一基本模様BP1が複数組み合された状態となって充填配置されている。すなわち一つの第一基本模様BP1(図3の一点破線で囲まれた部分を参照)を中心として、その周囲に別の第一基本模様BP1が4つX字状に配置されている。そして隣り合う第一基本模様BP1同士は、これらの間に配置された一対の角区画を共有することで連結されている。また一つの第一基本模様BP1の中央区画30に対して、別の第一基本模様BP1の中央区画30は90°回転した状態(交差状)で配置されている。すなわちメイン表皮ピースSP1の裏面RSに、各第一基本模様BP1の中央区画30を交差状に設けておくことで、図2に示す配置関係の各意匠表皮部10を形成することが可能となる。
[メイン表皮ピースの折製(意匠表皮部と一般表皮部の形成)]
図3及び図6を参照して、メイン表皮ピースSP1の裏面RSを、山折り部位Lmに沿って山折り状態とし且つ谷折り部位Lvに沿って谷折り状態とする。このとき第一基本模様BP1中の各角区画31〜34を基準として、各メイン表皮ピースSP1をねじり折りしていくことが可能である。例えば本実施例では、図6に示すように第一角区画31と第四角区画34を反時計回りにθ1の二倍だけ回転させながら、周囲のメイン表皮ピースSP1部分を、谷折りと山折りの順に折製しつつ折り重ねていく。また同時に第二角区画32と第三角区画33を時計回りに同量回転させながら、周囲のメイン表皮ピースSP1部分を、山折り部位Lmと谷折り部位Lvの順に折製しつつ折り重ねていく。こうしてねじり折りにおいては、各角区画31〜34を回転中心として、その周囲のメイン表皮ピースSP1部分を折り重ねて面方向に縮小していくことができる。
こうしてメイン表皮ピースSP1を、部分的に回転させながら面方向に縮小することにより、図2に示すメイン表皮ピースSP1の外面OSに各中央区画30が折り出され、各中央区画30にて対応する意匠表皮部10が形成される。また意匠表皮部10の長辺側には、各側方区画35,36が互いに近づく向きに折られて形成された各差込部位20aが差し込まれ、さらに各角区画31〜34によって充填部位20bが形成される。そして充填部位20bは、隣り合う意匠表皮部10の間に配置されてこれらの隙を埋めている。こうして折製後のメイン表皮ピースSP1の外面OSに、複数の意匠表皮部10と、一般表皮部20とを形成することができる。さらに各意匠表皮部10は、図5に示すように差込部位20aにて持ち上げられることで、充填部位20bよりも外面OS側に浮き上がった状態となっている。
[保持部]
そして本実施例においては、各意匠表皮部10と一般表皮部20の位置関係を保持部40によって保持しておくことができる。この種の保持部40は、接着剤や接着材(ホットメルト材やテープ材)等で構成された接着層や、ステープルや縫合などの物理的な部材で構成することが可能である。本実施例においては、折製後のメイン表皮ピースSP1の裏面RSに、面状の接着材からなる保持部40を重ねておく。そして保持部40を、加熱したのち固化させてメイン表皮ピースSP1の裏面RSに固着しておくことで、各意匠表皮部10と各一般表皮部20の配置位置を保持することが可能となる。なお保持部40は、メイン表皮ピースSP1の裏面RSのほか、一般表皮部20をなす差込部位20aと充填部位20bの間にも配置することも可能である。
[シートバックの形成]
図1のシートバック6の形成においては、シートフレーム6F上のシートパッド6Pをシートカバー6Sで被覆し、このシートカバー6Sによってシートの意匠面を構成する。そしてシートカバー6Sに、シートの意匠性を向上させる観点などから複数の意匠表皮部10を設け、これら複数の意匠表皮部10によって幾何学模様を表現している。この種の構成では、シートカバー6Sの幾何学模様の意匠性を向上させることが望まれており、特に幾何学模様に優れた立体感を出すことが望まれている。
そこで本実施例のメイン表皮ピースSP1の外面OSには、図2を参照して、幾何学的な平面形状を備えた意匠表皮部10と、意匠表皮部10の裏側に差し込まれている差込部位20aを備えた一般表皮部20とが配置関係を保った状態で設けられている。また図3を参照して、メイン表皮ピースSP1の裏面RSには、意匠表皮部10を囲むように線状の山折り部位Lmと線状の谷折り部位Lvとが設けられている。そして一般表皮部20は、メイン表皮ピースSP1を裏面RS側から見た場合に、山折り部位Lmに沿ってメイン表皮ピースSP1を山折り状態とし且つ谷折り部位Lvに沿ってメイン表皮ピースSP1を谷折り状態とすることで構成されている。
すなわち本実施例では、図2及び図5を参照して、メイン表皮ピースSP1の裏面RS側に山折り部位Lmと谷折り部位Lvを設け、これら各折り部位Lm,Lvを基にメイン表皮ピースSP1に平坦折り処理を施している。そして一般表皮部20の差込部位20aを意匠表皮部10の裏側に差込んでおくことで、各意匠表皮部10は、差込部位20aにて持ち上げられて、メイン表皮ピースSP1の外面OS側に浮き上がった状態となっている。こうして意匠表皮部10を持ち上げて浮き上がった状態とすることで、意匠表皮部10に対して優れた立体感を付与することが可能となっている。そして本実施例では、各意匠表皮部10に、共通の平面形状(同形同寸の長方形状)を採用し、さらに隣り合う意匠表皮部10同士を交差状に配置している。このためメイン表皮ピースSP1の外面OSが平織りの織物のような外観を呈して意匠性に優れる構成となっている。
また乗員が着座する際には、主としてシートカバー6Sのメイン表皮ピースSP1部分で乗員を支持する。このときメイン表皮ピースSP1では、各意匠表皮部10で乗員を受止めるのであるが、これら各意匠表皮部10は、それぞれ均一な厚みを備えた平面形状を有している。このため各意匠表皮部10によって乗員を面的に支持することが可能となり、シートの乗り心地をより向上させることができる。また各意匠表皮部10とその裏側の一般表皮部20(差込部位20a)とで乗員を支持することができるため、支持性能の向上に資する構成ともなっている。さらに各意匠表皮部10と差込部位20aとは弾性的に伸縮可能であるため、乗員の動き(例えば前後動)に合わせて伸縮して追従することが可能となる。
以上説明した通り本実施例では、メイン表皮ピースSP1(表皮の一部)自体に対してねじり折り処理を施すことにより、メイン表皮ピースSP1の外面OSに意匠表皮部10と一般表皮部20とを設けている。すなわちメイン表皮ピースSP1の裏面RS側に設けられている山折り部位Lmと谷折り部位Lvにて一般表皮部20を形成し、この一般表皮部20の少なくとも一部を意匠表皮部10の裏側に差込んでおくことで、意匠表皮部10の幾何学的な平面形状をより意匠性良く表現することが可能となっている。また本実施例では、意匠表皮部10を持ち上げて浮き上がった状態とすることで、意匠表皮部10に対してより適切な立体感を付与することが可能となる。また本実施例では、少なくとも一対の意匠表皮部10を、これらの向きを外観が異なるように不揃いで配置することにより、メイン表皮ピースSP1の意匠性を更に向上させることが可能となる。また本実施例では、山折り部位Lmと谷折り部位Lvの幅寸法を異ならせてより明確に区別することにより、各表皮部をより適切に設けておくことが可能となる。このため本実施例によれば、より意匠性に優れた幾何学模様を付与したシートカバー6Sを提供することができる。
[別例1]
ここで意匠表皮部同士の配置関係は、上述の配置関係のほか、各種の配置関係を取り得る。例えば図7に示す別例1のメイン表皮ピースSP1は、実施例1と概ね同一の基本構成を有しているが、意匠表皮部10同士を相対的に大きく離間配置した点が実施例と異なっている。そして本別例では、図8に示すように第一のタイリングパターンを実施例1から若干変更している。すなわちメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、実施例1と概ね同一の基本模様が設けられているが、第一角区画31と第三角区画33(第二角区画32と第四角区画34)は、実施例1に比して互いに近づく向きにやや倒れた状態となっている。これにより各角区画31〜34にて隣り合っている山折り部位Lmと谷折り部位Lvの角度θ2(θ2<図3のθ1)が狭小となり、ねじり折り時の各角区画31〜34の回転量が少なくなっている。こうして本別例では、各角区画31〜34の回転量を少なくして、面方向の縮小量を少なくする(例えば差込部位20aの面積を小さくする)ことで、意匠表皮部10同士を相対的に疎に配置することが可能となる。
[別例2]
また別例2のメイン表皮ピースSP1では、図9を参照して、複数の意匠表皮部10の平面形状として、正面視で共通の正方形状が用いられている。そして本別例では、複数の意匠表皮部10が平面形状の向きを揃えた状態で等間隔で配置されている点が実施例1と異なっている。すなわち本別例では、共通の正方形状の平面形状内で、その重心を通る対角線としての仮想直線VL2を想定し、この仮想直線VL2の向きを平面形状の向きとする。そして図9で概ね中央に配置する特定の意匠表皮部10の仮想直線VL2は、左側に向かうにつれて次第に上方に向けて傾斜している。また特定の意匠表皮部10の上下左右に隣接している別の意匠表皮部10の仮想直線VL2も、同様に左側に向かうにつれて次第に上方に傾斜している(図9では、便宜上、一つの別の意匠表皮部にのみ仮想直線VL2を図示している)。こうして各意匠表皮部10の向きを揃えておくことで、各意匠表皮部10が整列して配置された外観を呈し、より意匠性に優れる構成となっている。なお各仮想直線VL2同士の配置関係は、完全に平行状態となっていることが望ましいが、外観上概ね同一平行とみなせるならば若干の向きの誤差は許容される。そして各意匠表皮部10を除くメイン表皮ピースSP1部分は一般表皮部20となっている。この一般表皮部20は、実施例1と概ね同一の基本構成を有しており、差込部位20aと、充填部位20bとで構成されている。
[第二のタイリングパターン]
上述の各意匠表皮部10は、図10に示す第二のタイリングパターンをメイン表皮ピースSP1の裏面RSに形成し、意匠表皮部10をなす区画を大きく離間配置し且つ向きを揃えておくことにより形成できる。そして本別例のメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、複数の第二基本模様BP2が充填配置されている。各第二基本模様BP2は、菱形の中央区画30aと、四つの正方形の角区画(第一角区画31a〜第四角区画34a)と、平行四辺形状の一対の側方区画35a,36aとで構成され、各区画の配置関係自体は実施例1と概ね同一である。
そして本別例の第二基本模様BP2では、図10に示すように各区画の形が異なっているとともに、第一角区画31aと第二角区画32a(第三角区画33aと第四角区画34a)とが山谷反転状態で連結されている点が実施例1の基本模様と異なっている。すなわち第二角区画32aと第三角区画33aは、実施例1の第二角区画32aと同一構成となっている。そして第一角区画31aは、第二角区画32aの山折り部位と谷折り部位を反転した状態で形成されており、第四角区画34aは、第三角区画33aの山折り部位と谷折り部位を反転した状態で形成されている。これら第一角区画31aと第四角区画34aは、それぞれ本別例の意匠表皮部10を構成する区画であり、同形同寸の正方形で且つ同方向を向いている。こうして本別例では、山谷反転状態で各角区画を連結することで、意匠表皮部となる第一角区画31aと第四角区画34aとを、中央区画30aの対角位置に配置して相対的に大きく離間させることができる。
そしてメイン表皮ピースSP1の折製に際しては、図10及び図11を参照して、第二基本模様BP2の第二角区画32aと第三角区画33aを回転中心としてねじり折りすることができる。すなわち図11に示すように第二角区画32aと第三角区画33aを時計回りに回転させながら、周囲のメイン表皮ピースSP1部分を、谷折りと山折りの順に折製しつつ折り重ねていく。このとき本別例では、第二角区画32a(第三角区画33a)と、第一角区画31a(第四角区画34a)とが山谷反転状態となっている。このため第一角区画31aと第四角区画34aは、図11に示すように外面側で反時計回りに回転しており、これら角区画31a,34aの裏面側では、周囲のメイン表皮ピースSP1部分(側方区画に相当する部分)が折り重ねられて集まっていく。こうして本別例では、第一角区画31aと第四角区画34aが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、図9に示す意匠表皮部10をそれぞれ構成することとなる。さらに意匠表皮部10の裏側には、側方区画35a,36aの一部で構成されている差込部位20aが差し込まれている。そして本別例では、意匠表皮部10の裏側に、第二基本模様BP2の側方区画35a(36a)と、隣接している別の第二基本模様の3つの側方区画38x(38y)とが十字状に折り重なって差し込まれることで、これら4つの各側方区画の一部によって差込部位20aがそれぞれ構成される。そして残りの区画部分(30a等)によって充填部位20bが形成されている。こうして本別例では、一般表皮部20を挟んで同形同寸の意匠表皮部10が並んで配置されることとなる。そして各意匠表皮部10を、これらの向きを揃えて整列配置することで、シートカバー6Sの意匠性を更に向上させることができる。
[別例3]
また別例3のメイン表皮ピースSP1の外面OSは、図12に示すように実施例1と同様の外観を有しているが、隣り合う意匠表皮部10同士が鈍角状(交差角度θa>90°)で交差配置されている点が実施例1と異なっている。そして本別例においても、図13に示すようにメイン表皮ピースSP1の裏面RSのタイリングパターンを実施例1から若干変更している。すなわち本別例の各意匠表皮部10は、意匠表皮部10をなす中央区画30b同士を鈍角状に交差配置することで形成できる。そして隣り合う中央区画30b同士の関係性を保持するように、各側方区画35b,36bの形状は上底側が短尺となっている。さらに第一角区画31bと第四角区画34bは概ね上下に長尺な菱形状となっており、第二角区画32bと第三角区画33bは概ね左右に長尺な菱形状となっている。そして本別例のメイン表皮ピースSP1を、実施例1と同様の手順でねじり折りすることにより、図12に示す意匠表皮部10を形成することができる。
[実施例2]
実施例2の乗物用シート2Aでは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。そして図14に示す実施例2の乗物用シート2Aは、実施例1と同一の基本構成(4,6,8)を有しているが、シートバック6のシートカバー6Sには、実施例1と異なる幾何学的な平面形状の意匠表皮部10Aが設けられている。すなわち本実施例(及び後述の別例4、5)では、シートカバー6Sを構成するメイン表皮ピースSP1に、図14及び図15を参照して、三角形状を基調とする意匠表皮部10Aが複数設けられている。
[意匠表皮部]
そして本実施例のメイン表皮ピースSP1においても、後述するねじり折り処理により、複数の意匠表皮部10Aと、一般表皮部21(詳細後述)をメイン表皮ピースSP1の外面OSに設けることができる。ここで本実施例では、各意匠表皮部10Aの平面形状として、正面視で共通の正三角形(幾何学模様の一例)が用いられているとともに、各意匠表皮部10Aは向きを揃えて配置されている。そして各意匠表皮部10Aは、一つの頂点を上に向け且つ底辺を下に向けて配置されており、さらに各意匠表皮部10Aの3つの頂点は、隣り合っている別の意匠表皮部10Aの辺側に重複して隠されている。このためメイン表皮ピースSP1を正面から見た場合、各意匠表皮部10Aは、概ね六角形状のような外観を呈している。
[一般表皮部]
また一般表皮部21は、意匠表皮部10Aを除くメイン表皮ピースSP1部分であり、差込部位20aと充填部位20bとで構成されている。差込部位20aは、意匠表皮部10Aの各辺の周囲に設けられている二等辺三角形の部分であり、隣接する意匠表皮部10Aの各辺裏側に向けて内折りされて差し込まれている。また充填部位20bは、差込部位20aの周縁から逆向きに折り返されている正三角形の部分であり、各意匠表皮部10A同士の間を埋めるように配置されている。そして本実施例においても、一般表皮部21において、充填部位20bの上に差込部位20aが配置され、さらに差込部位20aが、対応する意匠表皮部10Aの裏側に差し込まれた状態となっている。このため各意匠表皮部10Aは、一般表皮部21の差込部位20aによって充填部位20bから持ち上げられた状態となり、この充填部位20bに比して一段高い外面OS側の位置に配置されている。
[第三のタイリングパターン]
そして図16に示すメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、山折り部位Lmと谷折り部位Lvで構成された複数種類の三角形の区画が第三のタイリングパターンで配置されている。本実施例では、複数の区画30b〜39bからなる第三基本模様BP3(図3の二点破線で囲まれた部分を参照)が設けられ、さらに第三基本模様BP3が、後述の所定規則でメイン表皮ピースSP1の裏面RSに充填配置されている。そして各第三基本模様BP3は同一の構成を有していることから、以下に、一つの第三基本模様BP3を一例にその詳細を説明する。この第三基本模様BP3は、三種類の三角形の区画からなり、正三角形の中央区画30bと、六つの正三角形の周辺区画31b〜36bと、三つの二等辺三角形の側方区画37b〜39bとで構成されている。そして各区画31b〜39bの辺は、山折り部位Lmと谷折り部位Lvのいずれかで形成されている。
ここで中央区画30bは、意匠表皮部10Aとなる正三角形の区画であり、3つの辺が全て谷折り部位Lvで形成されている。また三つの側方区画37b〜39bは、それぞれ一般表皮部21の差込部位20aとなる二等辺三角形の区画であり、中央区画30bの各辺の外側にそれぞれ隣接して設けられている。これら各側方区画37b〜39bでは、各々、中央区画30bの辺をなす谷折り部位Lvが底辺となり、各側方区画37b〜39bの各斜辺は山折り部位Lmで構成されている。そして本実施例では、各側方区画37b〜39bの斜辺が六角形の輪郭をなすように配置されている。この六角形の輪郭は、中央区画30bと重点を共通としているとともに、六角形の輪郭の頂点が一つ飛びで中央区画30bの頂点に接している。また六つの周辺区画(第一周辺区画31b,第二周辺区画32b,第三周辺区画33b,第四周辺区画34b,第五周辺区画35b,第六周辺区画36b)は、それぞれ一般表皮部21の充填部位20bとなる正三角形の区画である。これら各周辺区画31b〜36bは、いずれも山折り部位Lmで各辺が構成されているとともに、六角形の輪郭の外側に等間隔で隣接配置されており、本実施例では番号順で時計回りに配置されている。すなわち各周辺区画31b〜36bは、六角形の輪郭の各辺(各側方区画の斜辺)をなす山折り部位Lmで底辺が形成され且つ頂点が外方を向いている。
そして図16のメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、上述の第三基本模様BP3が複数組み合された状態となって充填配置されている。すなわち一つの第三基本模様BP3(図16の概ね中央の第三基本模様)を中心として、その周囲に別の第三基本模様BP3が6つ配置されている。そして隣り合う第三基本模様BP3同士は、これらの間に配置された一対の周辺区画を共有することで連結されている。そして各第三基本模様BP3の中央区画30bは同じ向きで配置されている。こうしてメイン表皮ピースSP1の裏面RSに、各中央区画30bを同じ向きで設けておくことで、図15に示す配置関係の各意匠表皮部10Aを形成することが可能となる。
[メイン表皮ピースの折製(意匠表皮部と一般表皮部の形成)]
図16及び図17を参照して、メイン表皮ピースSP1の裏面RSを、山折り部位Lmに沿って山折り状態とし且つ谷折り部位Lvに沿って谷折り状態とする。このとき第三基本模様BP3中の各周辺区画31b〜36bを基準として、各メイン表皮ピースSP1をねじり折りしていくことが可能である。そして本実施例では、中央区画10bの各辺を臨むように対向している一対の周辺区画を対として考える。すなわち第三基本模様BP3には、第一周辺区画31bと第二周辺区画32bの対、第三周辺区画33bと第四周辺区画34bの対、第五周辺区画35bと第六周辺区画36bの対が設けられている。そして第一周辺区画31bを時計回りにθ3の二倍だけ回転させ、同時に第二周辺区画32bを反時計回りに同量回転させながら、周囲のメイン表皮ピースSP1部分を、谷折りと山折りの順に折製しつつ折り重ねていく。また同様に第三周辺区画33bを時計回りに且つ第四周辺区画34bを反時計回りに回転させ、第五周辺区画35bを時計回りに且つ第六周辺区画36bを反時計回りに回転させていく。こうして本実施例のねじり折りにおいても、各周辺区画31b〜36bを回転中心として、その周囲のメイン表皮ピースSP1部分を折り重ねて面方向に縮小していくことができる。
こうしてメイン表皮ピースSP1を、図16に示すように部分的に回転させながら面方向に縮小することにより、図15〜図17を参照して、外面OS側に各中央区画30bが折り出され、各中央区画30にて対応する意匠表皮部10Aが形成される。また意匠表皮部10Aの各辺側には、対応する側方区画37b〜39bによって形成された差込部位20aが差し込まれ、さらに各周辺区画31b〜36bによって充填部位20bが形成される。こうして本実施例においても、折製後のメイン表皮ピースSP1の外面OSに複数の意匠表皮部10Aと一般表皮部20とを形成し、これらの位置関係を図示しない保持部で保持しておくことができる。
そして図15に示すメイン表皮ピースSP1の外面OSでは、三角形状の意匠表皮部10Aが、比較的密に配置されて概ね六角形状のような外観を呈している。このとき各意匠表皮部10Aの向きを揃えておくことで、各意匠表皮部10Aが整列して密に配置された外観を呈し、より意匠性に優れる構成となっている。さらに各意匠表皮部10Aは、差込部位20aにて持ち上げられることで、充填部位20bよりも外面OS側に浮き上がった状態となっている。このため本実施例によっても、より意匠性に優れた幾何学模様を付与したシートカバー6Sを提供できる。
[別例4]
ここで意匠表皮部10A同士の配置関係は、上述の配置関係のほか、各種の配置関係を取り得る。例えば図18に示す別例4のメイン表皮ピースSP1は、実施例2と概ね同一の基本構成を有しているが、意匠表皮部10A同士を相対的に大きく離間配置した点が実施例と異なっている。そして本別例では、図19に示すように第三のタイリングパターンを実施例2から若干変更している。すなわちメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、実施例2と概ね同一の基本模様が設けられているが、第一周辺区画31bと第二角区画32bは、実施例1に比して互いに近づく向きにやや倒れた状態となっている。またほかの周辺区画の対(33bと34bの対、35bと36bの対)も、互いに近づく向きにやや倒れた状態となっている。これにより各周辺区画31b〜36bにて隣り合っている山折り部位Lmと谷折り部位Lvの角度θ4(θ4<図16のθ3)が狭小となり、ねじり折り時の各周辺区画31b〜36bの回転量が少なくなっている。こうして本別例では、各周辺区画31b〜36bの回転量を少なくして、面方向の縮小量を少なくする(例えば差込部位20aの面積を小さくする)ことで、意匠表皮部10A同士を相対的に疎に配置することが可能となる。
[別例5]
また別例5のメイン表皮ピースSP1では、図20を参照して、複数の意匠表皮部10Aが、正三角形の平面形状の向きを揃えた状態で等間隔で離間配置されている点が実施例2と異なっている。こうして各意匠表皮部10Aの向きを揃え且つ離間配置しておくことで、三角形の外観をなす各意匠表皮部10Aが整列して配置された外観を呈し、より意匠性に優れる構成となっている。そして各意匠表皮部10Aを除くメイン表皮ピースSP1部分は一般表皮部21となっており、この一般表皮部21によって各意匠表皮部10A同士の隙が埋められている(図20では、便宜上、一部の一般表皮部にのみ符号を付す)。そして一般表皮部21は、実施例2と概ね同一の基本構成を有しており、差込部位20aと、充填部位20bとで構成されている。
[第四のタイリングパターン]
そして上述の各意匠表皮部10Aは、図21に示す第四のタイリングパターンをメイン表皮ピースSP1の裏面RSに形成し、意匠表皮部10Aをなす区画を大きく離間配置し且つ向きを揃えておくことにより形成できる。そして本別例のメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、複数の第四基本模様BP4と二種類の周辺区画34c,35cが充填配置されている。各第四基本模様BP4は、底辺を下に向けた概ね正三角形の輪郭をなしており、メイン表皮ピースの裏面RSで上下に列をなして配置されている。さらに第四基本模様BP4の列の左右にも、上下に半分ずれた状態で別の第四基本模様BP4の列が並列している。そして隣り合う第四基本模様BP4同士は、逆正三角形の周辺区画34cと、正六角形の周辺区画35cとで連結されている。
そして第四基本模様BP4は、中央に配置する正三角形の中央区画30cと、3つの平行四辺形の側方区画31c〜33cを有している。中央区画30cは、意匠表皮部10Aをなす谷折り部位Lvの正三角形の区画であり、第四基本模様BP4と重点を共通にし且つ辺の長さが半分となっている。そして中央区画30cの各頂点からは、山折り部位Lmと谷折り部位Lvが放射状に延びている。すなわち中央区画30cの各頂点から直線状の谷折り部位Lvがそれぞれ輪郭側の頂点に延びており、これら各谷折り部位Lvは、中央区画30cの重点を中心に十字状に配置されている。さらに中央区画30cの各頂点からは直線状の山折り部位Lmが輪郭側の辺に延びているとともに、各山折り部位Lmは、同一頂点から延びている谷折り部位Lvに対して時計回りに略120°傾いて配置されている。そして中央区画30cの各辺には、それぞれ側方区画31c〜33cが隣接して設けられている。各側方区画31c〜33cの短辺(傾辺)は、中央区画30cの各辺で平行に延びている山折り部位Lmと谷折り部位Lvで形成されている。また各側方区画31c〜33cの長辺は、中央区画30cの各辺をなす谷折り部位Lvと、第四基本模様BP4の輪郭に重複して延びている山折り部位Lmとで形成されている。
そして隣り合う第四基本模様BP4同士は、逆正三角形の周辺区画34cと、正六角形の周辺区画35cとで連結されており、各周辺区画34c,35cは、一般表皮部21の充填部位20bを構成する区画である。例えば紙面左上の第四基本模様BP4を一例に周辺区画の位置関係を説明すると、逆正三角形の周辺区画34cは、第四基本模様BP4の底辺右側に設けられている。この逆正三角形の周辺区画34cは、山折り部位Lmで構成された区画であり、その底辺は、下側の側方区画33cの長辺をなす山折り部位Lmで構成されている。そして逆三角形の周辺区画34cは、ねじり折りの際に回転する部分であり、中央区画30cに対して山谷反転の関係にある。また正六角形の周辺区画35cは、第四基本模様BP4の右斜辺の下側に設けられており、周辺区画35cの各辺は、山折り部位Lmと谷折り部位Lv(各側方区画の斜辺)が交互に配置されて構成されている。
そしてメイン表皮ピースSP1の折製に際しては、図21を参照して、逆正三角形の周辺区画34cを回転中心としてねじり折りすることができる。すなわち逆正三角形の周辺区画34cを時計回りに回転させながら、周囲のメイン表皮ピースSP1部分を、谷折りと山折りの順に折製しつつ折り重ねていく。このとき本別例では、逆三角形の周辺区画34cと中央区画30cとは山谷反転の関係にある(実施例1の別例2と同様の関係にある)。このため中央区画30cは、外面側で反時計回りに回転しており、中央区画30cの裏面側では、周囲のメイン表皮ピースSP1部分(側方区画31c〜33cに相当する部分)が折り重ねられて集まっていく(実施例1の別例2の図11を参照)。こうして本別例では、中央区画30cが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、図20に示す意匠表皮部10Aを構成することとなる。さらに意匠表皮部10Aの裏側には、側方区画31c〜33cの一部で構成されている差込部位21aが差し込まれている。そして各周辺区画35c,36cによって基準充填部位20bが形成されている。こうして本別例では、一般表皮部21を挟んで同形同寸の意匠表皮部10Aが並んで配置されることとなる。そして各意匠表皮部10Aを、これらの向きを揃えて離間配置することにより、シートカバー6Sの意匠性を更に向上させることが可能となる。
[変形例1]
ここで各意匠表皮部の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図22に示す変形例1のメイン表皮ピースSP1には、菱形の複数の意匠表皮部10Bが設けられているとともに、3つの意匠表皮部10Bが集まって六角形状をなしている。すなわち本変形例では、共通の菱形の平面形状内で、その重心を通る対角線(鋭角同士を結ぶ対角線)としての仮想直線VL3を想定し、この仮想直線VL3の向きを平面形状の向きとする。そして3つの仮想直線VL3によって正三角形を形成するように3つ意匠表皮部10Bを配置する。このような配置関係で菱形の意匠表皮部10Bを3つ組み合わせることにより、意匠表皮部10B全体として六角形状の外観を呈するように配置することが可能である。
[第五のタイリングパターン]
そして上述の各意匠表皮部10Bは、図23に示す第五のタイリングパターンをメイン表皮ピースSP1の裏面RSに形成し、意匠表皮部10Bをなす区画(中央区画D)を所定の向きで配置することにより形成できる。このメイン表皮ピースSP1の裏面RSには、実施例1と概ね同一の区画配置を備えた3つの第五基本模様BP5が設けられており、上側と右下側と左下側に配置されている。例えば上側に配置する第五基本模様BP5には、平行四辺形の中央区画Dと、2つの台形の側方区画E(E)と、四つの角区画A(A),B(B)が設けられている。そして第一角区画と第四角区画に相当する角区画B(B)が正六角形となっており、第二角区画(第三角区画)に相当する角区画A(A)が正三角形(逆正三角形)となっている。さらに上側と右下側と左下側の第五基本模様BP5は、これらの間に配置する角区画を共通にして連結されている。すなわち本別例では、逆三角形の角区画Aを中心に各第五基本模様BP5を連結し、さらに各第五基本模様BP5の中央区画Dを、逆三角形の角区画Aを中心として、概ね三角形状をなすように配置しておく。そして本変形例のメイン表皮ピースSP1を、各角区画A(A),B(B)を回転させながら、実施例1と同様の手順でねじり折りすることにより、図22に示す意匠表皮部10Bを形成することができる。
[別例6]
変形例1では、3つの意匠表皮部にて特定の幾何学模様(六角形)を構成したが、4つ以上の意匠表皮部を集めて特定の幾何学模様を構成することもできる。例えば図24に示す別例6のメイン表皮ピースSP1には、菱形の複数の意匠表皮部10Cが設けられているとともに、6つの意匠表皮部10Cが集まって六角形状をなしている。そして各意匠表皮部10Cは、図24に示す第六のタイリングパターンを用いて、意匠表皮部10Cとなる区画(中央区画D)を所定の配置関係としておくことで形成することができる。この第六のタイリングパターンでは、6つの第六基本模様BP6を用いており、各第六基本模様BP6は、図23に示す第五基本模様と概ね同一区画配置とされている。そして各第六基本模様BP6では、三角形の角区画Aと、正六角形の角区画Bと、一対の菱形の角区画C,Cと、中央区画Dと、各側方区画E(E)が用いられている。さらに6つの第六基本模様BP6は、正六角形の角区画Bを共通にして連結されている。すなわち本別例では、正六角形の角区画Bを中心に各第六基本模様BP6を連結し、さらに各第六基本模様BP6の中央区画Dを、正六角形の角区画Bの各頂点に配置しておく。そして本変形例のメイン表皮ピースSP1を、各角区画A(A),B(B)を回転させながら、実施例1と同様の手順でねじり折りすることにより、図24に示す意匠表皮部10Cを形成することができる。
[変形例2]
ここで上述の各タイリングパターンでは、山折り部位と谷折り部位を逆に配置した(山谷反転した)としても意匠表皮部と一般表皮部とを形成することが可能である。この場合には、各実施例及び各別例で示したメイン表皮ピースの裏面が外面となり、ねじり折りの際の基点となる区画が意匠表皮部を構成することとなる。例えば図26に示す変形例2のメイン表皮ピースSP1には、図13に示すタイリングパターン(実施例1の別例3)の山谷反転を利用して、複数の菱形の意匠表皮部11が形成されている。そして紙面中央で上下に配置されている一対の意匠表皮部11は、鋭角部分が上下に向いた状態となって縦長な外観を呈している。また紙面左右に配置されている一対の意匠表皮部11は、鋭角部分が左右に向いた状態となって横長な外観を呈している。
そして上述の各意匠表皮部11は、図13に示すタイリングパターン(実施例1の別例3)において、山折り部位と谷折り部位とを逆に配置することで形成されている。このように山谷反転状態としたタイリングパターンにおいては、各角区画31b〜34bが、外面側で時計回り(又は反時計回り)に回転して、これら角区画31a〜34aの裏面側では、周囲のメイン表皮ピースSP1部分が折り重ねられて集まっていく。こうして本変形例では、第一角区画31bと第四角区画34bが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、例えば図26に示す縦長の意匠表皮部11をそれぞれ構成する。また同様に第二角区画32bと第三角区画33bが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、例えば図26に示す横長の意匠表皮部11をそれぞれ構成する。
こうして本変形例では、一つのタイリングパターンにおいて、山折り部位と谷折り部位とを逆に配置する(山谷逆転する)ことにより、各意匠表皮部の配置関係等を変更することが可能となる。すなわち通常の図13に示すタイリングパターンによれば、図12に示すように意匠表皮部10を密集させて配置することができる。また図13に示すタイリングパターンを山谷逆転することで、図26に示すように意匠表皮部11同士を離して配置することができる。そして各実施例及び別例においても、対応するタイリングパターンの山谷逆転により、各意匠表皮部の配置関係等を変更することが可能となる(図6、図11、図17を参照)。
[変形例3]
さらに一つのタイリングパターンにおいて、山折り部位と谷折り部位を逆に配置することで、通常の山谷関係とは全く異なる平面形状を持った意匠表皮部を形成することも可能である。例えば図27に示す変形例3のメイン表皮ピースSP1には、三角形の意匠表皮部11Aと、六角形の意匠表皮部11Bと、四角形の意匠表皮部11Cとが設けられている。そして上述の各意匠表皮部11A〜11Cは、図25に示す第六のタイリングパターン(変形例1の別例6)において、山折り部位と谷折り部位とを逆に配置することで形成されている。このように山谷反転状態としたタイリングパターンにおいては、各角区画A〜Cが、外面側で時計回り(又は反時計回り)に回転して、これら角区画A〜Cの裏面側では、周囲のメイン表皮ピースSP1部分が折り重ねられて集まっていく。こうして本変形例では、三角形の角区画Aが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、図27に示す三角形の意匠表皮部11Aを構成することとなる。また同様に六角形の意匠表皮部11Bが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、図27に示す正六角形の角区画Bを構成することとなる。また同様に四角形の意匠表皮部11Cが、メイン表皮ピースSP1の外面側に折り出されて、図27に示す四角形の意匠表皮部11Cを構成することとなる。
こうして本変形例では、一つのタイリングパターンにおいて、山谷逆転を利用することにより、各意匠表皮部の平面形状を同形又は異形とすることが可能となる。すなわち通常の図25に示すタイリングパターンによれば、図24に示すように概ね同形の平面形状を備えた意匠表皮部10Cを設けることができる。また図25に示すタイリングパターンを山谷逆転することで、図27に示すように異形の平面形状を備えた意匠表皮部11A〜11Cを設けることができる。このため各意匠表皮部の平面形状を同形とするか又は異形とするかのいずれかを選択することが可能となり、メイン表皮ピースSP1に設けられる幾何学模様のバリエーションを増やすことが可能となる。
本実施形態のシートカバー6S(表皮)は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、意匠表皮部10等と一般表皮部20等の構成(平面形状,寸法,配置位置,配置数など)を例示したが、これら各表皮部の構成を限定する趣旨ではない。例えば意匠表皮部の平面形状として、平坦折りで実現可能な各種の幾何学模様を採用することができ、例えば三角形や四角形や六角形のほか各種の多角形状を採用することが可能である。また幾何学模様は、直線的な外周縁を有していてもよく、曲線的な外周縁を有していてもよい。また複数の意匠表皮部を組み合わせて全体として特定の幾何学模様を表す場合、この特定の幾何学模様は、多角形のほか、各種の幾何学模様(例えば特定の文字や花柄や星形など)を採用することが可能である。また本実施形態では、複数の意匠表皮部を表皮の外面に形成する例を説明したが、単数の意匠表皮部を表皮の外面に形成することもできる。そして意匠表皮部の構成に応じて一般表皮部の構成を適宜変更可能であり、これら表皮部の形成手法は、ねじり折りのほか、各種の平坦折りの手法を採用できる。また各タイリングパターンを組み合わせて用いることも可能である。
また本実施形態では、山折り部位Lmと谷折り部位Lvの構成を例示したが、各折り部位の構成も適宜変更可能である。例えば山折り部位と谷折り部位の幅寸法は、区画毎に異なっていてもよく、山折り部位の幅寸法を相対的に大きくしてもよく、両折り部位の幅寸法を同一としてもよい。また山折り部位と谷折り部位は、溝のほか、線状又は破線状の切れ目で構成することができ、複数の孔部を並列して構成することもできる。
また本実施形態では、表皮として乗物用シート2等のシートカバー6Sを例示したが、本実施例の構成は、各種の部材の表皮に適用することができる。すなわちこの種の表皮を備える部材として、乗物内装品や、家庭用の内装品や、バッグやカバンなどの被服雑貨を例示できる。なお乗物内装品として、乗物用シートのほか、ドア部やインストルメントパネルや天井部やコンソールなどの各種部材を例示でき、本実施例の構成は、特に車両や航空機や電車や船舶などの乗物に搭載される乗物内装品に好適に適用できる。また乗物用シートにおいては、シートバックのほか、シートクッションやヘッドレストやアームレスト等の各種シート構成部材のシートカバーに本実施形態の構成を適用できる。また本実施形態の構成は、表皮が複数の表皮ピースで構成されている場合には複数の表皮ピースの少なくとも一つ(全部又は一部)に適用でき、例えば本実施例では、メイン表皮ピースとサイド表皮ピースを含む複数の表皮ピースの少なくとも一つ(全部又は一部)に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6F シートフレーム
6P シートパッド
6a 着座部
6b 土手部
6S シートカバー(本発明の表皮)
SP1 メイン表皮ピース
SP2,SP3 サイド表皮ピース
OS メイン表皮ピースの外面(本発明の表皮の外面)
RS メイン表皮ピースの裏面(本発明の表皮の裏面)
10 意匠表皮部
20 一般表皮部
20a 差込部位
20b 充填部位
BP1 第一基本模様(第一のタイリングパターンの基本模様)
30 中央区画
31〜34 角区画
35,36 側方区画
BP2 第二基本模様(第二のタイリングパターンの基本模様)
30a 中央区画
31a〜34a 角区画
35a,36a 側方区画
38x,38y 別の基本模様の側方区画
2A 実施例2の乗物用シート
10A 実施例2の意匠表皮部
21 実施例2の一般表皮部
BP3 第三基本模様(第三のタイリングパターンの基本模様)
30b 中央区画
31b〜36b 周辺区画
37b〜39b 側方区画
BP4 第四基本模様(第四のタイリングパターンの基本模様)
30c 中央区画
31c〜33c 側方区画
34c,35c 周辺区画
10B 変形例1の意匠表皮部
BP5 第五基本模様(第五のタイリングパターンの基本模様)
A,B 角区画
D 中央区画
E 側方区画
10C 変形例2の意匠表皮部
C 角区画(第五のタイリングパターンの基本模様の角区画)
11 変形例3の意匠表皮部
11A〜11C 変形例3の意匠表皮部
40 保持部
Lm 山折り部位
Lv 谷折り部位
VL1〜VL3 仮想直線

Claims (6)

  1. 部材の外観を構成可能な表皮において、
    前記表皮の外面には、幾何学的な平面形状を備えた意匠表皮部と、前記意匠表皮部の裏側に差し込まれている表皮部分を備えた一般表皮部とが配置関係を保った状態で設けられており、
    前記外面とは反対の前記表皮の裏面には、前記意匠表皮部を囲むように線状の山折り部位と線状の谷折り部位とが設けられているとともに、前記一般表皮部は、前記表皮を裏面側から見た場合に前記山折り部位に沿って前記表皮を山折り状態とし且つ前記谷折り部位に沿って前記表皮を谷折り状態とすることで構成されている表皮。
  2. 前記意匠表皮部は、前記一般表皮部に持ち上げられた状態で前記表皮の外面側に配置されている請求項1に記載の表皮。
  3. 前記表皮の外面には、共通の多角形状の平面形状を備えた複数の意匠表皮部が設けられているとともに、
    前記共通の多角形状の平面形状内でその中心を通る一本の仮想直線を想定し、前記仮想直線の向きを平面形状の向きとした場合、複数の意匠表皮部は、前記平面形状の向きを揃えて配置されている請求項1又は2に記載の表皮。
  4. 前記表皮の外面には、共通の多角形状の平面形状を備えた複数の意匠表皮部が設けられているとともに、
    前記共通の多角形状の平面形状内でその中心を通る一本の仮想直線を想定し、前記仮想直線の向きを平面形状の向きとした場合、前記複数の意匠表皮部の中で少なくとも一対の意匠表皮部は、互いに平行移動の関係とならないように前記平面形状の向きを異ならせて配置されている請求項1又は2に記載の表皮。
  5. 前記表皮の外面には、少なくとも一対の意匠表皮部が設けられているとともに、一方の意匠表皮部の平面形状は、前記一方とは異なる他方の意匠表皮部の平面形状と同形又は異形の多角形状である請求項1又は2に記載の表皮。
  6. 前記山折り部位と前記谷折り部位は、各々、前記表皮の裏面に設けられた線状の溝で構成されているとともに、前記溝の延長方向に直交する方向の寸法を溝の幅寸法とした場合に、前記谷折り部位をなす溝の幅寸法と、前記山折り部位をなす溝の幅寸法とが異なっている請求項1〜5のいずれか一項に記載の表皮。
JP2018015385A 2018-01-31 2018-01-31 表皮 Active JP7035573B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015385A JP7035573B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 表皮
EP19153639.0A EP3530519B1 (en) 2018-01-31 2019-01-25 Cover with geometric pattern

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015385A JP7035573B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 表皮

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019131057A true JP2019131057A (ja) 2019-08-08
JP7035573B2 JP7035573B2 (ja) 2022-03-15

Family

ID=65234461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018015385A Active JP7035573B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 表皮

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3530519B1 (ja)
JP (1) JP7035573B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021171275A1 (ja) * 2020-02-25 2021-09-02 デルタ工業株式会社 シート

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015132476A1 (fr) * 2014-03-05 2015-09-11 Faurecia Sieges D'automobile Coiffe de siege automobile
JP2017047847A (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2019031221A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 トヨタ紡織株式会社 乗物用トリムカバー

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3890026C2 (ja) * 1987-01-23 1993-04-15 Tachi-S Co., Ltd., Akishima, Tokio/Tokyo, Jp
JP2015143067A (ja) 2014-01-31 2015-08-06 株式会社タチエス 車両用シートおよび車両用シートの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015132476A1 (fr) * 2014-03-05 2015-09-11 Faurecia Sieges D'automobile Coiffe de siege automobile
JP2017047847A (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2019031221A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 トヨタ紡織株式会社 乗物用トリムカバー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021171275A1 (ja) * 2020-02-25 2021-09-02 デルタ工業株式会社 シート
JP7440824B2 (ja) 2020-02-25 2024-02-29 デルタ工業株式会社 シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP7035573B2 (ja) 2022-03-15
EP3530519A1 (en) 2019-08-28
EP3530519B1 (en) 2020-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN210258119U (zh) 交通工具座椅
JP2019131057A (ja) 表皮
JP6323316B2 (ja) 乗物用シート
JP7063112B2 (ja) 乗物用シート
JP6981193B2 (ja) 乗物用シート及び乗物用シートのシートカバーの作成方法
JP2016101871A (ja) 表皮材及びそれを用いた車両用天井材
KR101287869B1 (ko) 에어백 쿠션 구조
JP6531575B2 (ja) 乗物用シート
JPH08209503A (ja) 編物カバー、編みパターン及び編み方法
JP6939593B2 (ja) 乗物用シートのシートカバー
JP6895050B2 (ja) 表皮の固定構造
JP6450976B2 (ja) 乗物用シート
JP6878969B2 (ja) 表皮及び表皮の製造方法
JP6980541B2 (ja) 皮革製品
JP6711191B2 (ja) 乗物内装品の表皮の製造方法
JP5869543B2 (ja) 乗物内装品
JP2018016212A (ja) 乗物内装品の表皮
JP6457059B1 (ja) 皮革製品
US10040380B2 (en) Seat cover for vehicle seat
JP7053237B2 (ja) 皮革製品
JP2018030392A (ja) 乗物用シート
CN210047375U (zh) 交通工具用座椅的座椅罩
JP2017065598A (ja) 乗物用シート
JP2021090679A (ja) 構造体
JP6607100B2 (ja) 乗物内装品の表皮の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7035573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151