JP6323316B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、複数の縫製線が十字又はT字などの交差状に配置するシートカバーを備えた乗物用シートに関する。
この種のシートカバーは、典型的に複数の表皮ピースを縫合して形成されており、隣り合う表皮ピースの間に縫製線が形成されて表面に現れる。そして乗物用シートの分野では、シートカバーの意匠性向上の観点から、複数の縫製線を交差状に形成することがある。例えば一対の表皮ピースを、これらの端部に形成された縫代部同士で縫い合わせてシートカバーの一部をなす第一部位を形成しつつ、これら表皮ピースの間に一方向に延びる縫製線を形成する。また同様に一対の別の表皮ピースを、これらの端部に形成された縫代部同士で縫い合わせてシートカバーの他部をなす第二部位を形成しつつ、これら別の表皮ピースの間に一方向に延びる縫製線を形成する。そして第一部位と第二部位を縫い合わせて、これら各部の間に、一方向に延びる縫製線に対して交差状に他の縫製線を形成する。このとき例えば第一部位の縫代部を倒して縫製線を露出させ、それを目印として他の縫製線を各縫製線に対して直交状に形成する。こうして各縫製線と他の縫製線が十字状に交差しつつシートカバーの表面に現れることとなる。
そしてシートカバーを、乗員を弾性的に支持するシートパッドに被せる。このとき各縫代部を基点として、隣り合う表皮ピースを面状に展開させてシートパッドを覆うことで、各表皮ピースの縫代部がシートパッド側に向けて突出する。この種の構成では、シートの着座性を考慮して、縫代部の突出寸法をできる限り小さくすることが望まれる。例えば特許文献1に記載のミシンを使用して、各表皮ピースの縫合と同時に縫代部を裁断して短くする。こうしてシートパッド側に突出する縫代部を短くすることで、シートの着座性の悪化を極力抑えることができる。
特開2003−181178号公報
ところで公知技術では、第一部位と第二部位を縫い合わせる際に、第一部位の縫代部を倒して縫製線を露出させ、それを目印として他の縫製線を形成する。しかしシートの着座性を考慮して縫代部を短くした場合には、縫代部をうまく倒すことができず縫製線の露出が不十分となり、他の縫製線を意匠性良く交差状に形成できないことがあった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーを性能良く縫い合わせることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを備える。またシートカバーが、一対の表皮ピースを備えた第一部位と、単数又は一対の他の表皮ピースを備えた第二部位と、第一部位に形成された縫製線と、第一部位と第二部位の間に形成された他の縫製線とを有する。本発明では、縫製線が、一対の表皮ピースの端部にそれぞれ設けた縫代部同士を縫い合わせることで形成され、他の縫製線が、第一部位の端部と第二部位の端部にそれぞれ設けた他の縫代部同士を縫い合わせることで形成される。そしてシートカバーを展開させてシートパッドに被覆した状態において、縫製線と他の縫製線が交差状に配置されるとともに、各縫代部が、シートパッド側に突出して配置される。この種のシート構成では、シートカバーを性能良く(特に意匠性や着座性良く)縫い合わせることが望ましい。
そこで本発明では、各縫代部に、それぞれ突出寸法が短くなるように途中で裁断されてなる短寸部位が設けられ、各縫代部の少なくとも一方に、短寸部位に比して突出寸法の長い長寸部位が設けられる。そして長寸部位を、他の縫代部の形成される縫代部の端部側に設けるとともに、縫製線から離れる向きに倒すことでそれを露出可能とした。本発明では、縫代部に短寸部位を設けてその突出寸法を短くすることでシートの着座性をより向上させることができる。さらに比較的長寸で倒しやすい長寸部位を、他の縫代部の形成される縫代部の端部側に設けることで、縫製線を好適に露出させつつ他の縫製線を形成することが可能となる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートであって、他の縫製線が、縫製線から離れる向きに倒された長寸部位を横断して形成される。本発明では、倒された状態の長寸部位が他の縫製線にて第一部位に縫合されることにより、シートの良好な着座性を好適に維持することができる。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、長寸部位が、他の縫代部の形成される縫代部の端部の末端まで形成される。本発明では、縫代部の末端まで長寸部位を形成することで、縫製線を適所で露出させることが可能となり、他の縫製線を更に意匠性良く形成することができる。
本発明に係る第1発明によれば、シートカバーを性能良く縫い合わせることができる。また第2発明によれば、シートカバーを更に着座性良く縫い合わせることができる。そして第3発明によれば、シートカバーを更に意匠性良く縫い合わせることができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートパッドの斜視図である。 シートカバーの斜視図である。 第一部位の一部を裏返して示す斜視図である。 縫合後の第一部位と第二部位の一部を裏返して示す斜視図である。 実施例2に係る縫合後の第一部位と第二部位の一部を裏返して示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図6を参照して説明する。各図には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DW、乗物用シート右方に符号R、乗物用シート左方に符号Lを付す。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。本実施例では、シートクッション4の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結するとともに、起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配設される。
<実施例1>
そしてシートクッション4は、図1〜図3を参照して、シートカバー4Sを、シートフレーム4F(図示省略)上のシートパッド4P(詳細後述)に被覆することで形成される。ここでシートフレーム4Fは、典型的に略矩形の枠体であり、剛性に優れる素材(金属や硬質樹脂など)にて形成できる。またシートカバー4S(詳細後述)は、図3を参照して、後述する複数の表皮ピースSP1〜SP14を縫合して形成されており、隣り合う表皮ピースの間に縫製線L1〜L5等が形成されて表面に現れる。本実施例では、シートカバー4Sの意匠性向上の観点から、一部の縫製線(例えば縫製線L1・L3とL5)同士が交差状に形成されるのであるが、この種の構成では、シートカバー4Sを性能良く(特に意匠性や着座性良く)縫い合わせることが望ましい。そこで本実施例では、後述の構成にて、シートカバー4Sを性能良く縫い合わせることとした。以下、各構成について詳述する。
[シートパッド]
シートパッド4Pは、図2を参照して、シート外形をなして乗員を弾性的に支持する部材であり、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜40kg/m3)等の発泡樹脂で形成できる。本実施例のシートパッド4Pは、上面視で略矩形状をなしており、天板メイン部4aと、天板サイド部4bを有する。天板メイン部4aは、シート幅方向におけるシートパッド4P中央の部位であり乗員の着座が可能である。この天板メイン部4aは、着座面側が略平坦とされるとともに、着座面から前面にかけての角部4cに相当する部分が凸曲面状をなす。また天板サイド部4bは、天板メイン部4aの側方に配置する凸部位であり、例えばコーナリング走行時に乗員の側部を支持できる。
[シートカバー]
シートカバー4Sは、図3を参照して、複数の表皮ピースSP1〜SP14と、複数の縫製線L1〜L5等と、後述の構成(第一部位11,第二部位12,各縫代部21〜26等,短寸部位31,長寸部位32)を有する。ここで各表皮ピースSP1〜SP14の素材として、天然繊維又は合成繊維からなる布帛(織物,編物,不職布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を例示できる。なおシートカバー4Sの周端には、フック部材(符号省略)が直接又は他の布材(符号省略)を介して設けられており、このフック部材を介してシートカバー4Sの周端がシートフレーム等に係止される。
そして第一表皮ピースSP1〜第六表皮ピースSP6(いずれも詳細後述)は、天板メイン部4aの着座面を被覆する表皮ピースである。また第七表皮ピースSP7は、天板メイン部4aの前面を被覆する表皮ピースであり、第八表皮ピースSP8は、天板メイン部4aの後面を被覆する表皮ピースである。これら第七表皮ピースSP7と第八表皮ピースSP8は、シート幅方向に長尺とされて天板メイン部4aを横断可能な幅寸法を有する。また第九表皮ピースSP9〜第十四表皮ピースSP14は、それぞれ各天板サイド部4bを被覆する表皮ピースであり、シート前後方向に長尺である。そして各表皮ピースSP1〜SP14は、これらの端部で互いに縫合されており、隣り合う表皮ピースの間に後述する縫製線L1〜L5等が形成される(なお図1及び図3では、便宜上、天板メイン部4aに現れる縫製線にのみ符号を付す)。
[第一部位]
本実施例では、図3を参照して、天板メイン部4aをなすシートカバー部分を、第一部位11と、第二部位12に区分けできる。第一部位11は、天板メイン部4aの前部をなす部位であり、シート前後方向に長尺な略矩形状である。この第一部位11は、シート幅方向で見て、幅狭で略矩形の第一表皮ピースSP1と、幅広で略矩形の第二表皮ピースSP2と、幅狭で略矩形の第三表皮ピースSP3がこの順で配置する。そして第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2(本発明に係る表皮ピースの一例)の間に、シート前後方向に延びる第一縫製線L1(本発明に係る縫製線の一例)が形成される。さらに図3〜図5を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の端部には、各々、後述する縫代部21,22(本発明に係る縫代部の一例)と、短寸部位31と、長寸部位32が形成される。また同様に第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の間に、シート前後方向に延びる第二縫製線L2が形成される。
[第二部位]
また第二部位12は、図3を参照して、天板メイン部4aの後部をなす部位であり、シート前後方向に短尺な略矩形状である。この第二部位12は、シート幅方向で見て、幅狭で略矩形の第四表皮ピースSP4と、幅広で略矩形の第五表皮ピースSP5と、幅狭で略矩形の第六表皮ピースSP6がこの順で配置する。そして第四表皮ピースSP4と第五表皮ピースSP5(本発明に係る他の表皮ピースの一例)の間に、シート前後方向に延びる第三縫製線L3が形成される。また同様に第五表皮ピースSP5と第六表皮ピースSP6の間に、シート前後方向に延びる第四縫製線L4が形成される。本実施例では、後述のシートカバー4Sの被覆時において、第三縫製線L3が、第一縫製線L1に連なりながらシート前後方向に延び、第四縫製線L4が、第二縫製線L2に連なりながらシート前後方向に延びる。
そして第一部位11と第二部位12の間には、図3を参照して、シート幅方向に延びる第五縫製線L5(本発明に係る他の縫製線の一例)が形成される。この第五縫製線L5は、シートカバー4Sを横断しつつ、第一縫製線L1及び第三縫製線L3と、第二縫製線L2及び第四縫製線L4にそれぞれ直交状に交差する。さらに図5を参照して、第一部位11と第二部位12の端部には、各々、後述する縫代部25,26(本発明に係る他の縫代部の一例)が形成される。こうして後述のシートカバー4Sの被覆時において、第五縫製線L5と、第一縫製線L1及び第三縫製線L3が十字に交差しつつシートカバー4Sの着座面右側に現れる。また同様に第五縫製線L5と、第二縫製線L2及び第四縫製線L4が十字に交差しつつシートカバー4Sの着座面左側に現れる。
[シートカバーの形成]
図3を参照して、複数の表皮ピースSP1〜SP14を適宜縫合して、シートカバー4Sを形成する。ここでシートカバー4Sの形成方法である個々の表皮ピースの縫合方法は略同一である。また第一部位11において、第一表皮ピースSP1と第三表皮ピースSP3は略同一構成であり、また第一縫製線L1と第二縫製線L2は略同一構成である。また第二部位12において、第四表皮ピースSP4と第六表皮ピースSP6は略同一構成であり、また第三縫製線L3と第四縫製線L4は略同一構成である。そこで以下に、シートカバー4Sの形成方法を、第一部位11と第二部位12を一例として説明する。このとき第一部位11の形成方法を、第一表皮ピースSP1及び第二表皮ピースSP2と第一縫製線L1を例にとって説明する。また同様に第二部位12の形成方法を、第四表皮ピースSP4及び第五表皮ピースSP5と第三縫製線L3を例にとって説明する。
[第一部位の形成(縫代部の形成)]
図4を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2を中表状に重ね合わせて隣り合う端部同士で縫い合わせたのち、これら表皮ピースを面状となるように展開させる。このとき第一表皮ピースSP1のシート前後方向に延びる端部が第一縫代部21(本発明の縫代部)となり、第二表皮ピースSP2のシート前後方向に延びる端部が第二縫代部22(本発明の縫代部)となる。そして第一縫代部21と第二縫代部22を互いに縫い合わせることで、シート前後方向に延びる第一縫製線L1が形成される。本実施例では、後述するシートカバー4Sの被覆時において、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2が、各縫代部21,22を基点として面状に展開した状態となる。この展開状態においては第一縫代部21と第二縫代部22が、シートパッドを覆う第一部位部分から屈曲しつつシートパッド側に向けて突出することとなる。
[短寸部位の形成]
そして図4を参照して、第一縫代部21と第二縫代部22に、各々、短寸部位31と、後述の長寸部位32を設ける。短寸部位31は、各縫代部21,22の突出寸法が短くなるように途中で裁断されてなる部位である。この短寸部位31は、特許文献1に開示のミシンを用いて形成することができ、また一般的なミシンで第一部位11を形成したのちに各縫代部21,22を裁断することでも形成できる。ここで短寸部位31の形成位置(範囲)は、シート構成に応じて設定可能である。例えば本実施例の短寸部位31は、図3及び図4を参照して、後述する長寸部位32の形成位置を除く各縫代部21,22の略全長にわたって連続的に形成される(図3では、便宜上、短寸部位の形成位置を太線で現すとともに後述の長寸部位の形成位置を細線で現す)。なお短寸部位31の突出寸法は特に限定しないが、可能な限り短くすることが好ましい。
[長寸部位の形成]
また長寸部位32は、図4を参照して、短寸部位31に比して突出寸法の長い部位である。本実施例の長寸部位32は、各縫代部21,22を裁断することなくそのまま残すことで形成できる。ここで長寸部位32の突出寸法は、シート構成に応じて設定可能であり、第一縫製線L1から離れる向きに人為的に倒すことのできる寸法であることが好ましい。そして各長寸部位32を、図3及び図5を参照して、後述する第五縫代部25(他の縫代部)の形成される第一縫代部21と第二縫代部22の端部側に設ける。ここで各長寸部位32は、本実施例のように、後述する第五縫代部25(他の縫代部)内で且つ第五縫製線L5の形成位置を前後方向に横断して形成されることが望ましい。さらに図4を参照して、各長寸部位32を、後述する第五縫代部25の形成される各縫代部21,22の端部の末端(E)まで形成することが好ましい。
[第二部位の形成]
本実施例では、上述の第一部位11と同様の手法にて第二部位12を形成できる。すなわち図5を参照して、第四表皮ピースSP4と第五表皮ピースSP5を中表状に重ね合わせて隣り合う端部同士で縫い合わせたのち、これら表皮ピースを面状となるように展開させる。このとき第四表皮ピースSP4のシート前後方向に延びる端部が第三縫代部23となり、第五表皮ピースSP5のシート前後方向に延びる端部が第四縫代部24となる。そして第三縫代部23と第四縫代部24を互いに縫い合わせることで、シート前後方向に延びる第三縫製線L3が形成される。そして本実施例では、図3及び図5を参照して、第一部位11と同様に、第三縫代部23と第四縫代部24に、それぞれ短寸部位31と長寸部位32を設けることができる。
[第一部位と第二部位の縫製(他の縫製線の形成)]
つぎに図5を参照して、第一部位11と第二部位12を中表状に重ね合わせて隣り合う端部同士で縫い合わせる。このとき第一部位11と第二部位12が、シート前後方向で見て第一縫製線L1と第三縫製線L3を位置合わせした状態で重ね合わされる。そして第一部位11のシート幅方向に延びる端部が第五縫代部25となり、第二部位12のシート幅方向に延びる端部が第六縫代部26となる。そこで第五縫代部25と第六縫代部26を縫い合わせることで、シート幅方向に延びる第五縫製線L5を形成しつつ、第一縫製線L1及び第二縫製線L2に対して直交状に交差させる。この種の構成では、第五縫製線L5を、第一縫製線L1及び第二縫製線L2に対して意匠性よく交差状に形成できることが望ましい。
そこで本実施例では、図5を参照して、第一部位11と第二部位12の縫い合わせに際して、例えば第一部位11の長寸部位32(持ち手)を、第一縫製線L1から離れる向きに人為的に倒しながらそれを露出させる。こうして第一縫製線L1を目印として、第一部位11と第二部位12を縫い合わせることにより、第五縫製線L5を、第一縫製線L1及び第二縫製線L2に対して意匠性よく交差状に形成できる。このとき長寸部位32が、第五縫代部25の形成される各縫代部21,22の端部の末端(E)まで形成されるため、第一縫製線L1を適所で露出させることができる。そして第五縫製線L5が、倒された状態の長寸部位32を横断して形成される。こうして倒された状態の長寸部位32が第五縫製線L5にて第一部位11の裏面に縫合されることにより、シートパッド側への長寸部位32の突出を極力抑えて、シートの良好な着座性を好適に維持できる。
[シートクッションの形成及び使用]
図1〜図3を参照して、シートカバー4Sを展開させつつ、シートフレーム4F上のシートパッド4Pに被覆する。このとき第一部位11にて天板メイン部4aの前部を被覆するとともに、第二部位12にて天板メイン部4aの後部を被覆する。このとき図5を参照して、各部位11,12の縫代部21〜24が、シートパッドを覆う各表皮ピース部分から曲がりながらシートパッド側に向けて突出して配置することから、シートの着座性の悪化が懸念される。そこで本実施例では、図3〜図5を参照して、第一部位11と第二部位12の各縫代部21〜24に、これらの略全長にわたって短寸部位31が形成されてその突出寸法が小さくされる。このため本実施例のシートカバー4Sでは、シートパッド4P側に過度に各縫代部21〜24が突出せず、乗員に異物感を与えるなどの不具合が極力生じないため、着座性に優れるシート構成となる。
さらに天板メイン部4aでは、図2を参照して、着座面の前端から前面にかけての角部4cに相当する部分が凸曲面状をなす。このため図3及び図4を参照して、天板メイン部4aの角部4c(凸曲面部分)で第一部位11の縫代部21,22が過度に突出する場合には、着座面に現れる各縫製線L1,L2がよたるなどして見栄えが悪化することがある。そこで本実施例では、上述の通り、第一部位11の各縫代部21,22に短寸部位31が形成されてその突出寸法が小さくされる。こうして天板メイン部4aの角部4c(凸曲面部分)における縫代部21,22の突出を極力抑えることで、当該部分においても各縫製線L1,L2を見栄え良く配置できる。
以上説明したとおり本実施例では、第一縫代部21と第二縫代部22に短寸部位31を設けてその突出寸法を短くすることでシートの着座性をより向上させることができる。さらに比較的長寸で倒しやすい長寸部位32を、第五縫代部25の形成される第一縫代部21と第二縫代部22の端部側に設けることで、第一縫製線L1を好適に露出させつつ第五縫製線L5を形成することが可能となる。また本実施例では、倒された状態の長寸部位32が第五縫製線L5にて第一部位11に縫合されることにより、シートの良好な着座性を好適に維持することができる。そして本実施例では、第一縫代部21と第二縫代部22の末端(E)まで長寸部位32を形成することで、第一縫製線L1を適所で露出させることが可能となり、第五縫製線L5を更に意匠性良く形成することができる。このため本実施例によれば、シートカバー4Sを性能良く縫い合わせることができる。
<実施例2>
本実施例のシートカバー4SAは、実施例1のシートカバー4Sとほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造は対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。図6を参照して、本実施例のシートカバー4SAでは、第一部位11(実施例1と同一構成)と、単一の表皮ピースSPEからなる第二部位12Aとを有する。そして表皮ピースSPEは、シート幅方向に延びる端部に形成された第七縫代部27と、位置決め部40を有する。この位置決め部40は、第一部位11に対する第二部位12Aの位置決めをなす部位であり、第七縫代部27のシート幅方向の延びる端部を、上面視で三角状に切り欠くことで形成される。
そこで第一部位11と第二部位12Aの縫い合わせに際して、第一部位11の第一縫製線L1を、第二部位12Aの位置決め部40に重ね合わせる。この状態で第一部位11の長寸部位32を、第一縫製線L1から離れる向きに倒しながらそれを露出させる。こうして第一縫製線L1を目印として、第一部位11と第二部位12Aを縫い合わせることにより、第五縫製線L5を、第一縫製線L1に対して意匠性よく交差状に形成できる。そして本実施例では、第五縫製線L5を第一縫製線L1の後端で直交状に形成することにより、これら各縫製線をT字状に配置させることができる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。例えば本実施形態では、短寸部位31と長寸部位32の構成(形状,寸法、形成位置,形成数など)を例示したが、これら各部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば短寸部位は、第一部位と第二部位の少なくとも一方でその適所(例えば角部4cのみ)に設けることができる。なお短寸部位は、第五縫代部と第六縫代部に設けることもできる。
また長寸部位は、第一縫代部と第二縫代部(第三縫代部と第四縫代部)の少なくとも一つの縫代部に設けることができる。また長寸部位は、例えば第一縫代部と第二縫代部の端部の末端に至る途中で途切れていてもよく、他の縫製線にて縫合されない位置に形成することもできる。また長寸部位は、作業者自身の手で倒してもよく、工具を用いて倒すこともできる。そして長寸部位は、各表皮ピースとは別体の部材(布材やシート材)を用いて形成することもできる。
また本実施形態では、第一部位11と第二部位12の構成(形状,寸法、形成位置など)を例示したが、同部位の構成を限定する趣旨ではない。なお第一部位は、少なくとも一対の表皮ピースを有しておればよい。また第一縫製線〜第四縫製線は、シート前後方向やシート幅方向などの適宜の向きに形成でき、それに応じて第五縫製線の向きを設定できる。なお縫製線の形成数は、各部位を形成する表皮ピースの数に応じて設定される。
また実施例2では、位置決め部40の構成(形状,寸法、形成位置,形成数など)を例示したが、同部の構成を限定する趣旨ではない。なお位置決め部は、縫代部自体に設けた切欠きや孔部や凹凸部で形成されていてもよく、マーキングを付して形成されていてもよい。
また本実施形態では、専らシートクッションを一例に説明したが、本実施例の構成は、シートバックなどの各種シート構成部材のシートカバーに適用でき、適用されるシートカバーの位置(天板メイン部,天板サイド部、前面,側面,後面等)も適宜変更可能である。また本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
11 第一部位
12 第二部位
21 第一縫代部(本発明の縫代部)
22 第二縫代部(本発明の縫代部)
23 第三縫代部
24 第四縫代部
25 第五縫代部(本発明の他の縫代部)
26 第六縫代部(本発明の他の縫代部)
27 第七縫代部
31 短寸部位
32 長寸部位
L1 第一縫製線(本発明の縫製線)
L2 第二縫製線
L3 第三縫製線
L4 第四縫製線
L5 第五縫製線(本発明の他の縫製線)
SP1〜SP14 表皮ピース

Claims (3)

  1. 乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートパッドを被覆するシートカバーとを備え、前記シートカバーが、一対の表皮ピースを備えた第一部位と、単数又は一対の他の表皮ピースを備えた第二部位と、前記第一部位に形成された縫製線と、前記第一部位と前記第二部位の間に形成された他の縫製線とを有し、
    前記縫製線が、前記一対の表皮ピースの端部にそれぞれ設けた縫代部同士を縫い合わせることで形成され、前記他の縫製線が、前記第一部位の端部と前記第二部位の端部にそれぞれ設けた他の縫代部同士を縫い合わせることで形成され、
    前記シートカバーを展開させて前記シートパッドに被覆した状態において、前記縫製線と前記他の縫製線が交差状に配置されるとともに、前記各縫代部が、それぞれ前記シートパッド側に突出して配置される乗物用シートにおいて、
    前記各縫代部に、それぞれ突出寸法が短くなるように途中で裁断されてなる短寸部位が設けられ、前記各縫代部の少なくとも一方に、前記短寸部位に比して突出寸法の長い長寸部位が設けられ、
    前記長寸部位を、前記他の縫代部の形成される前記縫代部の端部側に設けるとともに、前記縫製線から離れる向きに倒すことでそれを露出可能とした乗物用シート。
  2. 前記他の縫製線が、前記縫製線から離れる向きに倒された前記長寸部位を横断して形成される請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記長寸部位が、前記他の縫代部の形成される前記縫代部の端部の末端まで形成される請求項1又は2に記載の乗物用シート。
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