JP2019098830A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドウォール部にサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、ビード部の構造を改善して、タイヤ重量の軽減しながら、嵌合圧と耐リム外れ性を良好にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】子午線断面におけるビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形をビードコア5の外郭形状としたとき、外郭形状がタイヤ径方向外側に単一の頂点51を有するようにし、この頂点51を挟む2辺が成す内角θ1を鋭角にし、外郭形状の底辺52をタイヤ幅方向に対して2°〜9°の範囲で傾斜させ、カーカス層4を各ビード部3においてビードコア5の周縁に沿って屈曲しながら折り返し、ビードコア5のタイヤ径方向外側端の位置からカーカス層4の折り返し部4Bを本体部4Aに接触させながら各サイドウォール部2側に向かって延在させる。【選択図】図2

Description

本発明は、サイドウォール部にサイド補強層を備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ビード部の構造を改善して、タイヤ重量を軽減しながら、優れた耐リム外れ性と低い嵌合圧とをバランスよく両立した空気入りタイヤに関する。
一般的に、空気入りタイヤのビード部には、ビードコアとビードフィラーが埋設される。更に、パンクが発生しても一定距離を安全に走行可能にした空気入りタイヤ(所謂ランフラットタイヤ)では、パンク時に車両の負荷荷重を支えるためのサイド補強層(横断面形状が三日月状の硬質ゴムからなる層)がサイドウォール部に設けられる。このようなタイヤでは、サイド補強層のタイヤ径方向内側端部がビード部近傍まで到達する場合があり、ビード部近傍が肉厚になってタイヤ重量が増大し易い傾向がある。近年、タイヤ重量の軽減が強く求められており、上記のようなランフラットタイヤにおいても軽量化が検討されている。例えば、特許文献1では、断面三日月状のサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、ビードコアの形状を工夫することで、ビードフィラーを排除してタイヤ重量を軽減することが提案されている。
一方で、ランフラットタイヤでは、サイド補強層が存在することでリムフランジが当接する部位の近傍が高剛性になるため、ランフラット走行時に、リムフランジが当接する部位を支点としてビード部がタイヤ内側方向に向かって回転する力が生じてしまい、この回転力に起因するリム外れが誘発され易い傾向がある。また、リム外れに関して、耐リム外れ性を高めることは嵌合圧の増大に繋がり易く、リム組み性の低下を招く虞がある。上述の引用文献1のタイヤでは、ある程度の耐リム外れ性は得られるものの、上述のリムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れは考慮されておらず、このようなリム外れについては充分に防止することはできなかった。また、嵌合圧についても充分に低減していなかった。以上のことから、ランフラットタイヤにおいて、優れた耐リム外れ性と低い嵌合圧とをバランスよく両立しながらタイヤ重量を軽減するための更なる対策が求められている。
特開2002‐301915号公報
本発明の目的は、サイドウォール部にサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、ビード部の構造を改善して、タイヤ重量を軽減しながら、優れた耐リム外れ性と低い嵌合圧とをバランスよく両立した空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部に設けられたビードコアと、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層と、前記サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に設けられた断面三日月状のサイド補強層とを有する空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアは、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤからなり、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しており、子午線断面における前記ビードワイヤの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形を前記ビードコアの外郭形状としたとき、前記外郭形状はタイヤ径方向外側に単一の頂点を有し、この頂点を挟む2辺が成す内角が鋭角であり、且つ、前記外郭形状はタイヤ径方向内側にタイヤ幅方向に対して傾斜して延在する底辺を有し、前記底辺がタイヤ幅方向に対して成す角度が2°〜9°であり、前記カーカス層は、前記トレッド部から各サイドウォール部を経て各ビード部に至る本体部と、各ビード部において前記ビードコアの周縁に沿って屈曲しながら折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向外側端の位置から前記本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部とからなることを特徴とする。
本発明では、ビードコアが上述の構造を有するため、外郭形状の頂点側ではビードワイヤの巻き数が減少する一方で、外郭形状の底辺側ではビードワイヤの巻き数が充分に確保されるので、ビードコアとして充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤの使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図ることができる。また、この形状のビードコアに沿ってカーカスが屈曲しながら折り返されるので、カーカス層の本体部と折り返し部とで囲まれた閉鎖領域内には実質的にビードコアのみが存在するようになるので、従来のビードフィラーを有するタイヤよりもタイヤ重量を軽減することができる。また、ビードフィラーが存在しないことで剛性が適度に抑制されて、リムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを防止することができる。このとき、カーカス層が屈曲しながら折り返されるにあたって、ビードコアが前述の単一の頂点を有する形状であるため、カーカス層が急激に屈曲することを回避することもできる。更に、カーカス層の折り返し部が本体部に接触しているので、折り返し部の終端における応力集中に起因する故障を防止することができる。これに加えて、外郭形状の底辺が適度に傾斜していることで嵌合圧を低減してリム組み性を良好にすることができる。
本発明では、外郭形状の底辺に接するカーカス層の部分よりもタイヤ径方向内側に位置するゴム層をコア下マテリアルとしたとき、外郭形状の頂点から底辺に下した垂線L2上で測定されるコア下マテリアルのリム組み前の厚さHと前記垂線L2上で測定されるコア下マテリアルのリム組み後の厚さH′とから下記(1)式で算出されるコア下マテリアル圧縮率Cmが10%〜60%であることが好ましい。このようにコア下マテリアル圧縮率Cmを適度な範囲に設定することで、優れた耐リム外れ性を発揮しながら嵌合圧を低減するには有利なる。
Cm=(H−H′)/H×100 (1)
本発明では、ビード部におけるビードトウとビードヒールとの間の部位をビードベース部としたとき、子午線断面におけるビードベース部の輪郭線が屈曲して2種類のテーパー角を有することが好ましい。これにより、リムに当接するビードベース部の形状が良好になるため、優れた耐リム外れ性を発揮しながら嵌合圧を低減するには有利なる。
本発明では、外郭形状の頂点から底辺に下した垂線L2とビードコアのタイヤ径方向内側に位置するカーカス層の外表面との交点P2からビードベース部の輪郭線の屈曲点までのタイヤ径方向に沿った長さαと、交点P2から前記ビードトウまでのタイヤ径方向に沿った長さβとが、0.3≦α/β≦0.8の関係を満たすことが好ましい。これにより、ビード部を構成する各要素の位置関係が良好になり、優れた耐リム外れ性を発揮しながら嵌合圧を低減するには有利なる。
本発明では、外郭形状の底辺の両端に位置する角部のうち少なくとも一方の内角が90°以上であることが好ましい。これにより、加硫時にビードワイヤの配列が乱れることを防止して加硫後のビードコアの形状を良好にすることができ、優れた剛性を確保しながらタイヤ重量を軽減するには有利になる。
本発明では、子午線断面においてビードワイヤの複数の周回部分のうちタイヤ軸方向最内側に位置する周回部分のタイヤ軸方向内側に接してタイヤ径方向に伸びる直線L3とカーカス層の外表面との交点をP4、直線L3とビードベース部の輪郭線との交点をP5としたとき、これら交点P4,P5間の距離Tが3.1mm以上4.0mm以下であることが好ましい。これにより、ビード部を構成する各要素の位置関係が良好になり、優れた耐リム外れ性を発揮しながら嵌合圧を低減するには有利なる。
本発明では、子午線断面において、ビードトウからタイヤ径方向外側に向かって20mm離間してタイヤ径方向に平行に延在する直線L1とサイドウォール部の外表面の輪郭線との交点P1を通り前記カーカス層に対して垂直な補助線A1と、ビードコアの重心を通って外郭形状の底辺の傾斜方向に沿って延長する補助線A2とを引いたとき、補助線A1上におけるタイヤ断面幅T1と補助線A2上におけるタイヤ断面幅T2とが、0.7≦T1/T2≦1.5の関係を満たすことが好ましい。これにより、リムフランジが当接する部位の近傍の剛性を適度に抑えることができ、リムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを抑制することができ、耐リム外れ性を高めるには有利になる。
本発明では、カーカス層を1層のみ備えることが好ましい。これにより、カーカス層の使用量を抑えることができ、タイヤ重量を軽減するには有利になる。
本発明において、各種寸法は、タイヤを正規リムにリム組みして、正規内圧を充填した状態で測定する。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線半断面図である。 図1のビード部近傍を拡大して示す説明図である。 図2のビードコアを拡大して示す説明図である。 本発明の別の実施形態からなるビードコアの模式図である。 図1のビード部近傍を拡大して示す説明図である。 図1のビード部近傍を拡大して示す説明図である。 従来例および比較例のビード構造を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。尚、図1において、CLはタイヤ赤道を示す。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。以降の説明では、トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分を本体部4A、各ビード部3においてビードコア5の廻りに折り返されて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分を4Bという。尚、本発明では、後述のビード部3の構造によって耐リム外れ性等の基本性能を確保することができるので、カーカス層4を複数層設けることでこれら基本性能を得る必要はなく、カーカス層4の層数を低減することができる。特に、図示のようにカーカス層4を1層のみ設けることが好ましい。
ビードコア5は、図2,3に拡大して示すように、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤ5Aからなり、ビードワイヤ5Aの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成している。本発明では、子午線断面において上記のようにビードワイヤ5Aの複数の周回部分が列と層を形成していれば、単一のビードワイヤ5Aを連続的に巻回した所謂一本巻き構造であっても、複数本のビードワイヤ5Aを引き揃えた状態で巻回した所謂層巻き構造であってもよい。図示の例では、タイヤ径方向最内側から順に3列の周回部分を含む層、4列の周回部分を含む層、3列の周回部分を含む層、2列の周回部分を含む層、1列の周回部分を含む層の計5層が積層された構造を有する。尚、以降の説明では、この構造を「3+4+3+2+1構造」という。同様に、以降の説明では、ビードワイヤ5Aの積層構造を、各層に含まれる列の数をタイヤ径方向最内側の層から順に「+」で繋いだ同様の形式で表現する。更に、図示の例のビードコア5では、ビードコア5Aが俵積み状に積層されている。尚、「俵積み」とは、互いに接している3つの周回部分の中心が略正三角形を形成する積み方であり、六方充填配置と呼称されることもある充填率の高い積層構造である。
このとき、各ビードコア5について、子午線断面におけるビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形をビードコア5の外郭形状(図中の破線)とすると、この外郭形状はタイヤ径方向外側に単一の頂点51を有すると共に、タイヤ径方向内側にこの頂点51と対向するように底辺52を有している。特に、図示の例のビードコア5は、上述の3+4+3+2+1構造を有するため五角形の外郭形状を有している。本発明では、頂点51を挟む2辺が成す内角θ1が必ず鋭角であり、ビードコア5全体としては最大幅となる部位からタイヤ径方向外側に向かって徐々に幅が狭まる先細り形状を有している(以下、この形状を指して「外径側楔形状」という場合がある)。また、本発明では、底辺52がタイヤ幅方向に対して傾斜して延在しており、ビードコア5が全体として傾斜したような構造となっている。より具体的には、底辺52はタイヤ幅方向内側から外側に向かってタイヤ幅方向に対してタイヤ径方向外側へ傾斜している。このとき、底辺52がタイヤ幅方向に対して成す角度θ2は2°〜9°に設定される。
カーカス層4は、上記のようにビードコア5の廻りに折り返されるものであるが、本発明のビードコア5は上述のように特殊な形状(外径側楔形状)を有するため、カーカス層4はビードコア5の周縁に沿って屈曲する。例えば、図示の例では、ビードコア5が上述の設定を満たす結果、断面形状が略五角形になっているため、その周縁に沿って延在するカーカス層4も略五角形状に屈曲している。更に、カーカス層4の折り返し部4Bのビードコア5のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側の部分は、カーカス層4の本体部4Aに接触しながらカーカス層4の本体部4Aに沿って各サイドウォール部2側に向かって延在している。その結果、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって、ビードコア5を囲む閉鎖領域が形成されている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層6が埋設されている。各ベルト層6は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含む。この補強コードは層間で補強コードどうしが互いに交差するように配列されている。これらベルト層6において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層6の外周側にはベルト補強層7が設けられている。特に、図示の例では、ベルト層6の全幅を覆うフルカバー層とベルト補強層7の両端部のみをそれぞれ覆うエッジカバー層の2層が設けられている。ベルト補強層7は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層7において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
サイドウォール部2におけるカーカス層4のタイヤ幅方向内側には断面三日月形状のサイド補強層8が配設されている。このサイド補強層8は、サイドウォール部2を構成する他のゴムよりも硬いゴムで構成される。具体的には、サイド補強層8を構成するゴムは、JIS‐A硬度が例えば70〜80、100%伸長時のモジュラスが例えば9.0MPa〜10.0MPaである。このような物性のサイド補強層8は、その剛性に基づいてパンク時に荷重を支持してランフラット走行を可能にする。
本発明では、ビードコア5が上述のように特殊な形状(外径側楔形状)を有するため、外郭形状の頂点51側ではビードワイヤ5Aの巻き数が減少する一方で、外郭形状の底辺52側ではビードワイヤの巻き数が充分に確保されるので、ビードコア5として充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤ5Aの使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図ることができる。また、この形状のビードコア5に沿ってカーカス層4が屈曲しながら折り返されるので、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとで囲まれた閉鎖領域内には実質的にビードコア5のみが存在するようになるので、従来のビードフィラーを有するタイヤよりもタイヤ重量を軽減することができる。また、ビードフィラーが存在しないことで剛性が適度に抑制されて、リムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを防止することができる。このとき、カーカス層4が屈曲しながら折り返されるにあたって、ビードコア5が前述の単一の頂点51を有する形状であるため、カーカス層4が急激に屈曲することを回避することもできる。更に、カーカス層4の折り返し部4Bが本体部4Aに接触しているので、折り返し部4Bの終端における応力集中に起因する故障を防止することができる。これに加えて、外郭形状の底辺52が適度に傾斜していることで嵌合圧を低減してリム組み性を良好にすることができる。
上述の構造において、内角θ1が鈍角であると、カーカス層4をビードコア5の廻りに適切に折り返すためには、ビードコア5のタイヤ径方向外側にビードフィラーを配する必要が生じるため、タイヤ重量を効果的に低減することが難しくなる。底辺52の角度θ2が2°未満であると嵌合圧を充分に低減することができない。底辺52の角度θ2が9°を超えると耐リム外れ性を向上することができない。
各ビードコア5は、図3に示すように、ビードコア5の最大幅をW0、タイヤ径方向最内側の層の幅をW1、タイヤ径方向最外側の層の幅をW2とすると、これら幅がW1>W2かつW2≦0.5×W0の関係を満たしているとよい。また、ビードコア5を構成する複数の層のうち最大幅W0となる層がビードコア5のタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側に位置しているとよい。尚、幅W0〜W2はいずれも、図示のように、各層のタイヤ幅方向両外側の周回部分のタイヤ幅方向外側端間のタイヤ幅方向に沿った長さである。幅W0、W1、W2が上述の関係を満たさないとビードコア5の形状が不適当になりビード部3の形状を安定させることができない。特に、W1≦W2やW2>0.5×W0という関係であると、ビードコア5の上端の幅が大きくなるため、リムフランジが当接する部位の近傍の剛性が高まってリムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを抑制することが難しくなり耐リム外れ性が低下する。
ビードコア5の具体的な形状は、上述の関係を満たしていれば、特に限定されない。例えば、図4に示す形状を採用することができる。図4の例は、いずれも上述の関係を満たすので、本発明の「外径楔形状」に該当するものである。詳述すると、図4(a)は
俵積みの5+4+3+2+1構造を有し、図4(b)は俵積みの4+4+3+2+1構造を有し、図4(c)はタイヤ径方向最内側の層とそのタイヤ径方向内側に隣接する層とが俵積みではなく直列積み(タイヤ径方向に隣接する周回部分どうしがタイヤ幅方向に垂直に積層される積み方)になった4+4+3+2+1構造を有する。
このような様々な形状のビードコア5のなかでも、外郭形状の底辺52の両端に位置する角部の内角θ3が好ましくは90°以上、より好ましくは100°以上150°以下であるとよい。即ち、図4の例の中では、図4(b)および図4(c)の構造が好ましい。このように内角θ3を設定することで、加硫時にビードワイヤ5Aの配列が乱れることを防止して加硫後のビードコア5の形状を良好にすることができ、優れた剛性を確保しながらタイヤ重量を軽減するには有利になる。内角θ3が90°未満であるとビードワイヤ5Aの巻き数を充分に減少することができずタイヤ重量の軽減効果が低下する。また、内角θ3が90°未満であると外郭形状の底辺52の両端に位置するビードワイヤ5Aが加硫時のゴム流れの影響を受け易くなり、加硫後のビードコア5の形状を良好に維持することが難しくなる。
図4に示したいずれの構造も、少なくとも一部が俵積み状に積層されているため、全体が直列積みで積層された構造のビードワイヤよりも、ビードワイヤ5Aを密に配してビードワイヤ5Aの充填率を高めることができる。その結果、ビード部3の剛性や耐圧性能を良好に確保して走行性能を維持しながら、タイヤ重量を軽減し、これら性能をバランスよく発揮することができる。ビードワイヤ5Aの充填率に着目すると、図4(a)および図4(b)のようにすべてのビードワイヤ5Aが俵積み状に積層されることが好ましい。
また、ビードコア5の形状に関して、ビードコア5全体の形状の安定性を高めるには、ビードコア5全体の形状をビードコア5のタイヤ幅方向中心に対して線対称にすることが好ましい。この観点からは、図4(a)および図4(c)のような形状が好ましい。
これら様々なビードコア5の形状は、上述の様々な観点に基づいて、空気入りタイヤ全体の構造や重視する特性等を考慮して適宜選択することができる。
ビードワイヤ5A自体の構造については特に限定されないが、タイヤ重量の軽減と耐リム外れ性の向上を両立すること鑑みると、平均直径を好ましくは0.8mm〜1.8mm、より好ましくは1.0mm〜1.6mm、更に好ましくは1.1mm〜1.5mmにするとよい。また、ビードワイヤ5Aの総断面積(各ビードコア5の子午線断面に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の断面積の総和)を好ましくは10mm2 〜50mm2 、より好ましくは15mm2 〜48mm2 、更に好ましくは20mm2 〜45mm2 にするとよい。ビードワイヤ5Aの平均直径が0.8mmよりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、ビードワイヤ5Aの平均直径が1.8よりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。ビードワイヤ5Aの総断面積が10mm2 よりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、ビードワイヤ5Aの総断面積が50mm2 よりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。
上述のように、本発明では、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって形成された閉鎖領域には、実質的にビードコア5のみが存在しており、従来の空気入りタイヤで用いられるようなビードフィラーまたはそれに類するタイヤ構成部材(ビードコア5のタイヤ径方向外側に配置されてカーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって包み込まれてビード部3からサイドウォール部2にかけての剛性を高める部材)は配置されない。即ち、ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴムや、ビードコア5とカーカス層4との間に形成される僅かな隙間を埋めるゴムは存在しても、従来の空気入りタイヤのような大きな体積を有するビードフィラーは用いられない。このような実質的なビードフィラーレス構造によって、タイヤ重量を効果的に軽減することができる。このとき、子午線断面における閉鎖領域の面積Aに対する閉鎖領域内に存在するゴムの総面積aの比率(a/A×100%)を閉鎖領域のゴム占有率とすると、このゴム占有率が0.1%〜15%であることが好ましい。閉鎖領域のゴム占有率が15%よりも大きいと、実質的に従来の空気入りタイヤのビードフィラーが存在する場合と同等になり、タイヤ重量の軽減効果を更に高めることは難しくなる。尚、タイヤ構造上、ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴム等は必ず存在するため、基本的に閉鎖領域のゴム占有率が0.1%未満になることはない。
尚、上述のように閉鎖領域内に実質的にビードコア5のみが存在する場合、タイヤサイズや所望する性能によっては、サイドウォール部2におけるカーカス層4(本体部4Aおよび折り返し部4B)のタイヤ幅方向外側にフィラー層(不図示)を設けてもよい。このフィラー層とは従来の空気入りタイヤにおいてカーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとの間に設けられるビードフィラーとは異なり、前述のサイド補強層8と共働してサイドウォール部2の剛性を確保するものである。このフィラー層は従来のビードフィラー層に替えて設けられる部材に過ぎないので、フィラー層を設けても従来のビードフィラー層を備えたタイヤよりタイヤ重量が増大することにはならない。尚、タイヤ重量をより効果的に軽減するには、フィラー層の構造等をサイド補強層8と関連付けるとよく、例えば、サイド補強層8の断面積S1および硬度H1に対してフィラー層の断面積S2および硬度H2が0.15≦(S2×H2)/(S1×H1)≦0.60の関係を満たすとよい。これによりフィラー層9の使用量を抑制してタイヤ重量への影響を抑えながら、フィラー層9による補強効果を適度に得ることが可能になる。
上述のように、サイド補強層8を備えた空気入りタイヤでは、リムフランジが当接する部位の近傍が高剛性になった場合に、ランフラット走行時にリムフランジが当接する部位を支点としてビード部がタイヤ内側方向に向かって回転する力が生じてリム外れが誘発される虞がある。そのため、リムフランジが当接する部位の近傍の構造を最適化することが耐リム外れ性を高めるには有効である。即ち、子午線断面において、図2に示すように、ビードトウからタイヤ径方向外側に向かって20mm離間してタイヤ径方向に平行に延在する直線L1とサイドウォール部2の外表面の輪郭線との交点P1を通り前記カーカス層4に対して垂直な補助線A1と、ビードコア5の重心を通って外郭形状の底辺52の傾斜方向に沿って延長する補助線A2とを引いたとき、補助線A1上におけるタイヤ断面幅T1と補助線A2上におけるタイヤ断面幅T2とが、好ましくは0.7≦T1/T2≦1.5、より好ましくは0.8≦T1/T2≦1.0の関係を満たすとよい。これにより、リムフランジが当接する部位の近傍の剛性を適度に抑えることができ、リムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを抑制することができ、耐リム外れ性を高めるには有利になる。このときT1/T2が1.5を超えるとリムフランジが当接する部位の近傍の剛性が高まり、リムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを抑制する効果が充分に得られなくなる。T1/T2が0.7未満であると充分なランフラット耐久性を維持することが難しくなる。
ビード部3において、ビードトウとビードヒールとの間の部位をビードベース部とすると、図2に示すように、子午線断面におけるビードベース部の輪郭線は屈曲して2種類のテーパー角を有することが好ましい。ビードトウ側のタイヤ幅方向に対するテーパー角をθ4、ビードヒール側のタイヤ幅方向に対するテーパー角をθ5とすると、これらテーパー角はθ4>θ5の関係を満たすとよい。これらテーパー角は特に限定されないが、θ4を例えば15°〜25°、θ5を例えば5°〜10°にすることができる。このような構造にすることで、リムに当接するビードベース部の形状が良好になるため、嵌合圧を低減してリム組み性を良好にしながら、耐リム外れ性を向上するには有利になる。
このとき、図5に示すように、外郭形状の頂点51から底辺52に下した垂線L2とビードコア5のタイヤ径方向内側に位置するカーカス層4の外表面との交点P2からビードベース部の輪郭線の屈曲点P3までのタイヤ径方向に沿った長さをα、交点P2からビードトウまでのタイヤ径方向に沿った長さをβとすると、これら長さα,βが、好ましくは0.3≦α/β≦0.8、より好ましくは0.45≦α/β≦0.65の関係を満たすとよい。これにより、ビード部3を構成する各要素の位置関係が良好になり、嵌合圧を低減してリム組み性を良好にしながら、耐リム外れ性を向上するには有利になる。α/βが0.3未満であるとリム締め付け力が増加し、α/βが0.8を超えると嵌合圧が高くなる。
また、図6に示すように、子午線断面においてビードワイヤ5Aの複数の周回部分のうちタイヤ軸方向最内側に位置する周回部分のタイヤ軸方向内側に接してタイヤ径方向に伸びる直線L3とカーカス層4の外表面との交点をP4、直線L3とビードベース部の輪郭線との交点をP5としたとき、これら交点P4,P5間の距離Tが好ましくは3.1mm以上4.0mm以下であるとよい。これにより、ビード部3を構成する各要素の位置関係が良好になり、嵌合圧を低減してリム組み性を良好にしながら、耐リム外れ性を向上するには有利になる。特に、距離Tが3.1mm以上であることで規格値から外れた公差範囲内でずれたリムにビード部3が嵌合された場合であっても、リムの締め付け力の適正値からのずれを抑制することができる。距離Tが上述の範囲から外れると、ビード部3を構成する各要素の位置関係を最適化することができず、嵌合圧を低減してリム組み性を良好にする効果と耐リム外れ性を向上する効果とをバランスよく両立することが難しくなる。
各ビード部3において、ビードコア5の外郭形状の底辺52に接するカーカス層4の部分よりもタイヤ径方向内側に位置するゴム層をコア下マテリアルとしたとき、外郭形状の頂点51から底辺52に下した垂線L2上で測定されるコア下マテリアルのリム組み前の厚さHと外郭形状の頂点から底辺に下した垂線L2上で測定されるコア下マテリアルのリム組み後の厚さH′とから下記(1)式で算出されるコア下マテリアル圧縮率Cmが、好ましくは10%〜60%、より好ましくは15%〜50%、更に好ましくは20%〜45%であるとよい。このようにコア下マテリアル圧縮率Cmを適度な範囲に設定することで、嵌合圧を低減してリム組み性を良好にしながら、耐リム外れ性を向上するには有利なる。このときコア下マテリアル圧縮率Cmが10%未満であると締め付け力が不充分になり、コア下マテリアル圧縮率Cmが60%を超えると嵌合圧が高くなる。
Cm=(H−H′)/H×100 (1)
上述の各部の構造は適宜組み合わせて採用することができる。いずれにしても、上述の構造を有する空気入りタイヤでは、ビード部3の構造が改善されるので、タイヤの耐久性を維持しながらタイヤ重量を軽減し、且つ、嵌合圧と耐リム外れ性を改善することができる。
タイヤサイズが205/55R16であり、図1に示す基本構造を有し、ビードコアの構造、ビードフィラーの有無、ビードコアの外郭形状の頂点を挟む2辺が成す内角θ1、ビードコアの外郭形状の底辺がタイヤ幅方向に対して成す角度θ2、コア下マテリアル圧縮率Cm、ビードベース部の輪郭線のテーパー角を種類、外郭形状の頂点から底辺に下した垂線とビードコアのタイヤ径方向内側に位置するカーカス層の外表面との交点P2からビードベース部の輪郭線の屈曲点までのタイヤ径方向に沿った長さαと交点P2からビードトウまでのタイヤ径方向に沿った長さβとの比α/β、ビードコアの外郭形状の底辺の両端に位置する角部の内角θ3、タイヤ軸方向最内側に位置するビードワイヤの周回部分のタイヤ軸方向内側に接してタイヤ径方向に伸びる直線Lとカーカス層の外表面との交点P1と直線Lとビードベース部の輪郭線との交点P2との間の距離T、ビードトウからタイヤ径方向外側に向かって20mm離間してタイヤ径方向に平行に延在する直線とサイドウォール部の外表面の輪郭線との交点を通りカーカス層に対して垂直な補助線A1状に置けるタイヤ断面幅T1とビードコアの重心を通って外郭形状の底辺の傾斜方向に沿って延長する補助線A2状に置けるタイヤ断面幅T2との比T1/T2、カーカス枚数を表1〜3のように設定して、従来例1、比較例1〜4、実施例1〜22の27種類の空気入りタイヤを作製した。
表1〜3の「ビードコア構造」の欄については、対応する図面の番号を示した。尚、従来例1は、従来の一般的なビードコアを用いた例であり、ビードコアは図7(a)に示すように直列積みに積層された5+5+5構造を有する。比較例1のビードコアは図7(b)に示すように直列積みに積層された5+5+4+3+2+1構造を有する。比較例2のビードコアは図7(c)に示すように俵積み状に積層された8+7+6+4+2構造を有する。また「θ3」の欄には、ビードワイヤの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の両端に位置する各角部の内角θ3を併記した。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、タイヤ質量、嵌合圧、耐リム外れ性を評価し、その結果を表1〜3に併せて示した。
タイヤ質量
各試験タイヤについて5本の質量を測定し、その平均値を求めた。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどタイヤ質量が小さいことを意味する。
嵌合圧
各試験タイヤをリムサイズ16×7.0Jのリムに組み付け、空気圧230kPaを充填するにあたって、このタイヤのビード部がリムのハンプを乗り越えるときの圧力(嵌合圧)を測定した。嵌合圧の測定はタイヤ毎に10回ずつ行い、その平均値を求めた。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど嵌合圧が低いことを意味する。
耐リム外れ性
各試験タイヤをリムサイズ16×7.0Jのホイールに組み付けて、空気圧を0kPaにした状態で、排気量2.0Lの試験車両に装着し、速度20km/hで5kmの慣らし走行をした後、所定の侵入速度で曲率半径25mの旋回路に侵入して、この旋回路の1/3周の位置で停止することを2回連続で行う試験(Jターン試験)を繰り返し実施した。このJターン試験を繰り返し実施するにあたって、侵入速度を2km/hずつ増加させて、試験タイヤのビード部がリム(リムのハンプ)から外れたときの旋回加速度を測定し、耐リム外れ性の評価とした。評価結果は旋回加速度の測定値を用い、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐リム外れ性が良好であることを意味する。尚、指数値が「96」以上であれば、従来レベルと同等またはそれ以上の良好な耐リム外れ性を発揮したことを意味する。
Figure 2019098830
Figure 2019098830
Figure 2019098830
表1から明らかなように、実施例1〜22はいずれも、従来例1に対して、タイヤ質量を低減しながら、嵌合圧およびリム外れ性を良好にし、これら性能をバランスよく両立した。一方、比較例1は、ビードコアの形状が不適切であるため、嵌合圧を低減する効果が得られなかった。比較例2は、ビードコアの形状が不適切であるため、タイヤ質量が悪化し、また嵌合圧が増大した。比較例3はθ2が小さ過ぎるため嵌合圧を充分に低減できなかった。比較例4はθ2が大き過ぎるため耐リム外れ性を向上することができなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
7 ベルト補強層
8 サイド補強層
CL タイヤ赤道

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部に設けられたビードコアと、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層と、前記サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に設けられた断面三日月状のサイド補強層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードコアは、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤからなり、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しており、
    子午線断面における前記ビードワイヤの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形を前記ビードコアの外郭形状としたとき、前記外郭形状はタイヤ径方向外側に単一の頂点を有し、この頂点を挟む2辺が成す内角が鋭角であり、且つ、前記外郭形状はタイヤ径方向内側にタイヤ幅方向に対して傾斜して延在する底辺を有し、前記底辺がタイヤ幅方向に対して成す角度が2°〜9°であり、
    前記カーカス層は、前記トレッド部から各サイドウォール部を経て各ビード部に至る本体部と、各ビード部において前記ビードコアの周縁に沿って屈曲しながら折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向外側端の位置から前記本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部とからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記外郭形状の底辺に接する前記カーカス層の部分よりもタイヤ径方向内側に位置するゴム層をコア下マテリアルとしたとき、前記外郭形状の頂点から底辺に下した垂線L2上で測定される前記コア下マテリアルのリム組み前の厚さHと前記垂線L2上で測定される前記コア下マテリアルのリム組み後の厚さH′とから下記(1)式で算出されるコア下マテリアル圧縮率Cmが10%〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
    Cm=(H−H′)/H×100 (1)
  3. 前記ビード部におけるビードトウとビードヒールとの間の部位をビードベース部としたとき、子午線断面における前記ビードベース部の輪郭線が屈曲して2種類のテーパー角を有することを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記外郭形状の頂点から底辺に下した垂線L2と前記ビードコアのタイヤ径方向内側に位置する前記カーカス層の外表面との交点P2から前記ビードベース部の輪郭線の屈曲点までのタイヤ径方向に沿った長さαと、前記交点P2から前記ビードトウまでのタイヤ径方向に沿った長さβとが、0.3≦α/β≦0.8の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記外郭形状の底辺の両端に位置する角部のうち少なくとも一方の内角が90°以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分のうちタイヤ軸方向最内側に位置する周回部分のタイヤ軸方向内側に接してタイヤ径方向に伸びる直線L3と前記カーカス層の外表面との交点をP4、前記直線L3とビードベース部の輪郭線との交点をP5としたとき、これら交点P4,P5間の距離Tが3.1mm以上4.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 子午線断面において、ビードトウからタイヤ径方向外側に向かって20mm離間してタイヤ径方向に平行に延在する直線L1と前記サイドウォール部の外表面の輪郭線との交点P1を通り前記カーカス層に対して垂直な補助線A1と、前記ビードコアの重心を通って前記外郭形状の底辺の傾斜方向に沿って延長する補助線A2とを引いたとき、前記補助線A1上におけるタイヤ断面幅T1と前記補助線A2上におけるタイヤ断面幅T2とが、0.7≦T1/T2≦1.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記カーカス層を1層のみ備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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