JP2020131873A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビード部の構造を改善して、軽量化および低転がり抵抗化と、操縦安定性、乗心地性、耐カット性とを両立することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】一対のビード部3のそれぞれに外形側楔形状のビードコア5を設け、一対のビード部3間にカーカス層4を装架し、カーカス層4をトレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る本体部4Aと、各ビード部3においてビードコア5の周縁に沿って屈曲しながら折り返された折り返し部4Bとで構成し、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとで形成された閉鎖領域の面積に占めるゴム占有率を0.1%〜15%にし、カーカス層4の巻き上げ高さHをタイヤ断面高さSH1/4以下にし、カーカス層4の本体部4Aのタイヤ幅方向外側に、有機繊維の糸で構成されてカーカス層4の本体部4Aに沿って延在する補強層8を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、ビード部の構造を改善してタイヤ重量の軽減を図った空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、カーカス層の端部への応力集中に起因する故障を防止し、且つ、サイドウォール部における剛性低下を抑制し、軽量化および低転がり抵抗化と、操縦安定性、乗心地性、耐カット性とを両立することを可能にした空気入りタイヤに関する。
一般的な空気入りタイヤのビード部には、ビードコアとそのタイヤ径方向外側にビードフィラーが設けられて、これらビードコアおよびビードフィラーの周囲にカーカス層が折り返されている。このような構造の従来のタイヤにおいて、カーカス層の折り返された端部がビードフィラーの近傍に配置されると、タイヤがリム組された際に、カーカス層の端部がリムフランジの近傍に位置することになり、カーカス層の端部に応力が集中して故障が発生する虞れがあった。
一方で、近年、タイヤ重量の軽減が強く求められており、ビードコアの形状を工夫して、ビードフィラーを使用しないタイヤが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このようなタイヤでは、従来のビードフィラーを有さずに特定の形状のビードコアが用いられているため、ビード部からサイドウォール部に亘る領域を薄肉化することができ、タイヤ重量の軽減を図ることができる。また、カーカス層の端部は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカス層の本体部に沿った位置に配置されるので、従来のタイヤに比べれば応力集中による故障も防止することができると推測される。
しかしながら、この構造であっても、カーカス層の端部はビード部やサイドウォール部の外表面の近傍に配置されるため、応力集中による故障を必ずしも充分に防止することはできなかった。また、サイドウォール部の薄肉化に起因する耐ピンチカット性の低下や、サイドウォール部の剛性低下に起因する操縦安定性や乗心地性の低下が懸念されるという問題があった。そのため、ビード部の構造(ビードコアの形状)によってタイヤ重量の軽減や低転がり抵抗化を図るにあたって、カーカス層の端部への応力集中に起因する故障や、操縦安定性や乗心地性能低下や、サイドウォール部におけるピンチカットの発生を抑制するための更なる対策が求められている。
特開2015‐020741号公報
本発明の目的は、ビード部の構造を改善してタイヤ重量を軽減しながら、カーカス層の端部への応力集中に起因する故障を防止し、且つ、サイドウォール部における剛性低下を抑制し、軽量化および低転がり抵抗化と、操縦安定性、乗心地性、耐カット性とを両立することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部に設けられたビードコアと、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層とを有する空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアは、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤからなり、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しており、子午線断面における前記ビードワイヤの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形を前記ビードコアの外郭形状としたとき、前記外郭形状は、前記外郭形状の最大幅位置よりもタイヤ径方向外側において前記カーカス層に接する前記外郭形状の2辺が鋭角を成す先細り形状を有しており、前記カーカス層は、前記トレッド部から各サイドウォール部を経て各ビード部に至る本体部と、各ビード部において前記ビードコアの周縁に沿って屈曲しながら折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向外側端の位置から前記本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部とからなり、前記カーカス層の前記本体部と前記折り返し部とで形成された閉鎖領域の面積に対する前記閉鎖領域内に存在するゴムの総面積の比率が0.1%〜15%であり、ビードヒールから前記カーカス層の折り返し部の端部までの高さHがタイヤ断面高さSHに対してH≦1/4×SHの関係を満たし、前記カーカス層の本体部のタイヤ幅方向外側に、有機繊維の糸で構成されて前記カーカス層の本体部に沿って延在する補強層を備えることを特徴とする。
本発明では、ビードコアが上述の先細り形状を有するため、タイヤ径方向外側で適度にビードワイヤの巻き数が減少するので、ビードコアとして充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤの使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図り、転がり抵抗を低減することができる。また、この形状のビードコアに沿ってカーカス層が屈曲しながら折り返されるので、カーカス層の本体部と折り返し部とで囲まれた閉鎖領域内には実質的にビードコアのみが存在するようになり、ビードコア近傍のゴム量を削減してタイヤ重量を軽減し、転がり抵抗を低減することもできる。更に、カーカス層の折り返し部の端部がタイヤ断面高さSHに対して低い位置に配置されているので、カーカス層の使用量が抑制されて、これによってもタイヤ重量の軽減と転がり抵抗の低減を達成することができる。その一方で、カーカス層の本体部のタイヤ幅方向外側に、有機繊維の糸で構成されてカーカス層の本体部に沿って延在する補強層が設けられているので、サイドウォール部の剛性が過度に低下したり、サイドウォール部の耐久性が損なわれることを防止することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を充分に確保することができる。
本発明では、ビードヒールから補強層のタイヤ径方向内側端部までの高さLaが、タイヤ断面高さSHに対して、La≦1/2×SHの関係を満たすことが好ましい。このように補強層の端部位置を設定することで、より効果的にサイドウォール部の剛性を補填することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上するには有利になる。
本発明では、ビードヒールから補強層のタイヤ径方向外側端部までの高さLbが、タイヤ断面高さSHに対して、1/4×SH≦Lb≦3/4×SHの関係を満たすことが好ましい。このように補強層の端部位置を設定することで、より効果的にサイドウォール部の剛性を補填することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上するには有利になる。
本発明では、補強層のタイヤ径方向に沿って測定される長さLcが30mm≦Lc≦50mmの関係を満たすことが好ましい。このように適度な大きさの補強層を設けることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。
本発明では、補強層の最大厚さGaが0.5mm≦Ga≦1.5mmの関係を満たすことが好ましい。このように適度な厚さの補強層を設けることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。
本発明では、補強層を構成する有機繊維の糸がナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、アラミドからなる群から選ばれる1種で構成されることが好ましい。このように、ゴムシートや他の有機繊維に比べて質量が小さく低発熱性である材料を用いることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。
本発明では、補強層が、総繊度が300dtex〜800dtexである有機繊維からなる平織シートで構成されていることが好ましい。このように、ゴムシートからなる補強層や他の構造の有機繊維補強層に比べて質量が小さく低発熱性である前述の平織シートを用いることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。
本発明において、各種寸法は、タイヤを正規リムにリム組みして、正規内圧を充填した状態で測定する。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線半断面図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤのビード部を示す断面図である。 本発明の別の実施形態からなるビードコアの模式図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤのビード部を示す断面図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤのビード部を示す断面図である。 従来例および比較例のビード構造を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。また、子午線断面図における他のタイヤ構成部材についても、特に断りがない限り、タイヤ周方向に延在して環状を成している。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。以降の説明では、トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分を本体部4A、各ビード部3においてビードコア5の廻りに折り返されて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分を折り返し部4Bという。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層6が埋設されている。各ベルト層6は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含む。この補強コードは層間で補強コードどうしが互いに交差するように配列されている。これらベルト層6において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層6の外周側にはベルト補強層7が設けられている。特に、図示の例では、ベルト層6の全幅を覆うフルカバー層とベルト補強層7の両端部のみをそれぞれ覆うエッジカバー層の2層が設けられている。ベルト補強層7は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層7において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明のビードコア5は、図2に拡大して示すように、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤ5Aからなり、ビードワイヤ5Aの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成している。本発明では、子午線断面において上記のようにビードワイヤ5Aの複数の周回部分が列と層を形成していれば、単一のビードワイヤ5Aを連続的に巻回した所謂一本巻き構造であっても、複数本のビードワイヤ5Aを引き揃えた状態で巻回した所謂層巻き構造であってもよい。図1,2の例では、タイヤ径方向最内側から順に3列の周回部分を含む層、4列の周回部分を含む層、3列の周回部分を含む層、2列の周回部分を含む層の計4層が積層された構造を有する。尚、以降の説明では、この構造を「3+4+3+2構造」という。同様に、以降の説明では、ビードワイヤ5Aの積層構造を、各層に含まれる列の数をタイヤ径方向最内側の層から順に「+」で繋いだ同様の形式で表現する。図示の例のビードコア5では、ビードコア5Aが俵積み状に積層されている。尚、「俵積み」とは、互いに接している3つの周回部分の中心が略正三角形を形成する積み方であり、六方充填配置と呼称されることもある充填率の高い積層構造である。
このとき、各ビードコア5について、子午線断面におけるビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形をビードコア5の外郭形状(図中の破線)とすると、この外郭形状は、その最大幅位置よりもタイヤ径方向外側においてカーカス層に接する2辺(L1,L2)が成す角度θ1が鋭角になっており、ビードコア5全体としては最大幅となる部位からタイヤ径方向外側に向かって徐々に幅が狭まる先細り形状を有している(以下、この形状を指して「外径側楔形状」という場合がある)。図示の例の外郭形状は上述の3+4+3+2構造を有するため全体として六角形状を有しており、前述のカーカス層に接する2辺が鋭角を成す点(カーカス層に接する2辺の延長線の交点Q)に対向する位置でタイヤは幅方向に伸びる底辺(L3)を有している。
このような構造のビードコア5では、径方向外側に向かってビードワイヤ5Aの巻き数が減少するので、ビードコア5として充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤ5Aの使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図ることができる。尚、外郭形状内に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の本数が同一であっても、従来の直列積み(タイヤ径方向に隣接する周回部分どうしが、周回部分の各層に対して垂直に積層された構造)と比べれば、本発明の外径側楔形状では、ビードワイヤ5Aの周回部分が密に配されて、ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴムや複数のビードワイヤ5Aの隙間を埋めるゴムの量を減少することができ、タイヤ重量の軽減を図ることができる。例えば、図1,2に示されるの3+4+3+2構造と従来の直列積みの4+4+4構造(図6を参照)とでは、ビードワイヤ5Aの周回部分の本数は同一であるが、上述のゴム量などによって軽量化を図ることができる。
カーカス層4は、上記のようにビードコア5の廻りに折り返されるものであるが、本発明のビードコア5は上述のように特殊な先細り形状(外径側楔形状)を有するため、カーカス層4はビードコア5の周縁に沿って屈曲する。例えば、図示の例では、ビードコア5が上述の設定を満たす結果、外郭形状が六角形状であり、カーカス層4はその周縁に沿って屈曲しながら延在している。尚、図示の例では、ビードコア5のタイヤ径方向外側(本体部4Aと折り返し部4Bとが接触する点の付近)では、折り返し部4Bが激しく屈曲することを避けるため、ビードコア5の六角形状に対して、カーカス層4は略五角形状に屈曲している。更に、カーカス層4の折り返し部4Bのビードコア5のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側の部分は、カーカス層4の本体部4Aに接触しながらカーカス層4の本体部4Aに沿って各サイドウォール部2側に向かって延在している。その結果、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって、ビードコア5を囲む閉鎖領域が形成されている。
この閉鎖領域には、実質的にビードコア5のみが存在しており、従来の空気入りタイヤで用いられるようなビードフィラーまたはそれに類するタイヤ構成部材(ビードコア5のタイヤ径方向外側に配置されてカーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって包み込まれてビード部3からサイドウォール部2にかけての剛性を高める部材)は配置されない。即ち、ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴムや、ビードコア5とカーカス層4との間に形成される僅かな隙間を埋めるゴムは存在しても、従来の空気入りタイヤのような大きな体積を有するビードフィラーは用いられない。そのため、ビードコア5近傍のゴム量を削減してタイヤ重量を軽減することもできる。更に、カーカス層4が屈曲しながら折り返されるにあたって、ビードコア5が前述の外径側楔形状を有するため、カーカス層4が急激に屈曲して耐久性等に影響が出ることを回避することもできる。
このとき、子午線断面における閉鎖領域の面積Aに対する閉鎖領域内に存在するゴムの総面積aの比率(a/A×100%)を閉鎖領域のゴム占有率とすると、このゴム占有率は0.1%〜15%に設定されている。閉鎖領域のゴム占有率が15%よりも大きいと、実質的に従来の空気入りタイヤのビードフィラーが存在する場合と同等になり、タイヤ重量の軽減効果を更に高めることは難しくなる。尚、ビードコア5に関して通常用いられるゴム(ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴム等)を考慮すると、閉鎖領域のゴム占有率は基本的に0.1%未満になることはない。
前述のようにカーカス層4がビードコア5の廻りに折り返されるにあたって、カーカス層4の折り返し部4Bの端部は、タイヤ断面高さSHに対して低い位置に配置されている。具体的には、ビードヒールからカーカス層4の折り返し部4Bの端部までの高さHがタイヤ断面高さSHに対してH≦1/4×SH、好ましくは1/8×SH≦H≦1/4×SHの関係を満たしている。これによりカーカス層4の使用量も減少することができ、タイヤ重量の軽減を図るには有利になる。これら高さがH>1/4×SHの関係であると、カーカス層4の使用量を減少することができず、タイヤ重量の軽減効果を更に高めることは難しくなる。
本発明のビード部3では、ビードコア5よりもタイヤ径方向外側であってカーカス層4の本体部4Aのタイヤ幅方向外側に有機繊維の糸で構成された補強層8が設けられる。この補強層8は、カーカス層4の本体部4Bに沿って延在している。このように補強層8を設けることで、サイドウォール部の剛性が過度に低下したり、サイドウォール部の耐久性が損なわれることを防止することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を充分に確保することができる。このとき、補強層8が有機繊維の糸で構成されているので、補強層8を追加することによるタイヤ重量の増加は低く抑えることができる。
尚、本発明において、「有機繊維の糸」としては、繊維を撚り合わせて構成されるヤーン(単糸)、複数本のヤーンを撚り合わせて構成されるストランド(小縄)、複数本のストランドを撚り合わせて構成されるコードやロープが想定されるが、なかでもヤーン(単糸)を好適に用いることができる。即ち、これら有機繊維の糸(特にヤーン)で構成されていれば、補強層8は例えばゴムシートと比較して質量が小さく低発熱性になるので、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。各種有機繊維の中でも、特に、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミドからなる群から選ばれる1種は、他の有機繊維に比べて質量が小さく低発熱性であるので好適に用いることができる。
また、補強層8は総繊度が300dtex〜800dtexである有機繊維の糸からなる平織シートで構成されていることが好ましい。このように、ゴムシートからなる補強層や他の構造の有機繊維補強層に比べて質量が小さく低発熱性である前述の平織シートを用いることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。このように、補強層8として平織シートを用いる場合、この平織シートを構成する有機繊維の糸がタイヤ周方向に対して40°〜70°の範囲で傾斜するように平織シートを貼り付けることが好ましい。
このように、本発明では、ビードコア5が上述の先細り形状(外径側楔形状)を有するため、タイヤ径方向外側で適度にビードワイヤ5Aの巻き数が減少するので、ビードコア5として充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤ5Aの使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図り、転がり抵抗を低減することができる。また、この形状のビードコア5に沿ってカーカス層4が屈曲しながら折り返されるので、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとで囲まれた閉鎖領域内には実質的にビードコア5のみが存在するようになり、ビードコア5近傍のゴム量を削減してタイヤ重量を軽減し、転がり抵抗を低減することもできる。更に、カーカス層4の折り返し部4Bの端部がタイヤ断面高さSHに対して低い位置に配置されているので、カーカス層4の使用量が抑制されて、これによってもタイヤ重量の軽減と転がり抵抗の低減を達成することができる。その一方で、カーカス層4の本体部4Aのタイヤ幅方向外側に、有機繊維の糸で構成されてカーカス層4の本体部4Aに沿って延在する補強層8が設けられているので、サイドウォール部2の剛性が過度に低下したり、サイドウォール部の耐久性が損なわれることを防止することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を充分に確保することができる。これらの協働により、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。
本発明のビードコア5の外径側楔形状は、図2に示すように、ビードコア5の最大幅をW0、タイヤ径方向最内側の層の幅をW1、タイヤ径方向最外側の層の幅をW2としたとき、これら幅がW1>W2かつW2≦0.5×W0の関係を満たす形状である。また、ビードコア5を構成する複数の層のうち最大幅W0となる層がビードコア5のタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側に位置するものである。尚、幅W0〜W2はいずれも、図示のように、各層のタイヤ幅方向両外側の周回部分のタイヤ幅方向外側端間のタイヤ幅方向に沿った長さである。幅W0、W1、W2が上述の関係を満たさないとビードコア5の形状が不適当になりビード部3の形状を安定させることができない。特に、W1≦W2やW2>0.5×W0という関係であると、ビードコア5の上端の幅が大きくなるため、リムフランジが当接する部位の近傍の剛性が高まってリムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを抑制することが難しくなり耐リム外れ性が低下する。
ビードコア5の具体的な形状は、上述の関係を満たしていれば、特に限定されない。例えば、図3に示す形状を採用することができる。図3の例は、いずれも上述の関係を満たすので、本発明の「外径楔形状」に該当するものである。詳述すると、図3(a)は俵積みの5+4+3+2+1構造を有し、図3(b)は俵積みの4+5+4+3+2+1構造を有し、図3(c)は俵積みの3+4+4+3+2+1構造を有し、図3(d)はタイヤ径方向最内側から2番目の層とそのタイヤ径方向内側に隣接する層とが俵積みではなく直列積みになった3+4+4+3+2+1構造を有する。
このような様々な形状のビードコア5のなかでも、外郭形状の底辺の両端に位置する角部の内角θ2が好ましくは90°以上、より好ましくは100°以上150°以下であるとよい。即ち、図3の例の中では、図3(b)〜(d)の構造が好ましい。このように内角θ2を設定することで、加硫時にビードワイヤ5Aの配列が乱れることを防止して加硫後のビードコア5の形状を良好にすることができ、優れた剛性を確保しながらタイヤ重量を軽減するには有利になる。内角θ2が90°未満であるとビードワイヤ5Aの巻き数を充分に減少することができずタイヤ重量の軽減効果が低下する。また、内角θ2が90°未満であると外郭形状の底辺の両端に位置するビードワイヤ5Aが加硫時のゴム流れの影響を受け易くなり、加硫後のビードコア5の形状を良好に維持することが難しくなる。
図3に示したいずれの構造も、少なくとも一部が俵積み状に積層されているため、全体が直列積みで積層された構造のビードワイヤよりも、ビードワイヤ5Aを密に配してビードワイヤ5Aの充填率を高めることができる。その結果、ビード部3の剛性や耐圧性能を良好に確保して走行性能を維持しながら、タイヤ重量を軽減し、これら性能をバランスよく発揮することができる。ビードワイヤ5Aの充填率に着目すると、図3(a)〜(c)のようにすべてのビードワイヤ5Aが俵積み状に積層されることが好ましい。
また、ビードコア5の形状に関して、ビードコア5全体の形状の安定性を高めるには、ビードコア5全体の形状をビードコア5のタイヤ幅方向中心に対して線対称にすることが好ましい。この観点からは、図3(a),(b),(d)のような形状が好ましい。
これら様々なビードコア5の形状は、上述の様々な観点に基づいて、空気入りタイヤ全体の構造や重視する特性等を考慮して適宜選択することができる。
ビードワイヤ5A自体の構造については特に限定されないが、タイヤ重量の軽減と耐リム外れ性の向上を両立すること鑑みると、平均直径を好ましくは0.8mm〜1.8mm、より好ましくは1.0mm〜1.6mm、更に好ましくは1.1mm〜1.5mmにするとよい。ビードワイヤ5Aの平均直径が0.8mmよりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、ビードワイヤ5Aの平均直径が1.8mmよりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。
補強層8は、カーカス層4の本体部4Aのタイヤ幅方向外側で、カーカス層4の本体部4Bに沿って延在するものであるが、ビードヒールから補強層8のタイヤ径方向内側端部までの高さLaが、タイヤ断面高さSHに対して、好ましくはLa≦1/2×SH、より好ましくは1/8×SH≦La≦1/2×SHの関係を満たすとよい。このように補強層8の端部位置を設定することで、より効果的にサイドウォール部2の剛性を補填することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上するには有利になる。これら高さの関係がLa>1/2×SHであると、補強層8が適切な位置を被覆できなくなり、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上する効果が充分に得られない。
また、ビードヒールから補強層8のタイヤ径方向外側端部までの高さLbが、タイヤ断面高さSHに対して、好ましくは1/4×SH≦Lb≦3/4×SH、より好ましくは3/8×SH≦Lb≦3/4×SHの関係を満たすとよい。このように補強層8の端部位置を設定することで、より効果的にサイドウォール部の剛性を補填することができ、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上するには有利になる。これら高さの関係が1/4×SH>Lbであると、補強層8が被覆できる範囲が小さくなり、サイドウォール部2の剛性を充分に向上できず、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上する効果が充分に得られない。これら高さの関係がLb>3/4×SHであると、補強層8が被覆する範囲が過大になり、上述のタイヤ重量の軽減効果を損なう虞がある。
補強層8は、タイヤ径方向に沿って測定される長さLcが好ましくは30mm≦Lc≦50mm、より好ましくは35mm≦Lc≦45mmの関係を満たすとよい。このように適度な大きさの補強層8を設けることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。長さLcが30mm未満であると、補強層8が小さすぎて、サイドウォール部2の剛性を充分に向上できず、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上する効果が充分に得られない。長さLcが50mmを超えると、補強層8が大きすぎて、上述のタイヤ重量の軽減効果を損なう虞がある。
補強層8は、タイヤ中における最大厚さGaが好ましくは0.5mm≦Ga≦1.5mmの関係を満たすとよい。このように適度な厚さの補強層8を設けることで、タイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果を良好に発揮しながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。最大厚さGaが0.5mm未満であると、補強層8が薄すぎて、サイドウォール部2の剛性を充分に向上できず、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上する効果が充分に得られない。最大厚さGaが1.5mmを超えると、補強層8が厚すぎて、上述のタイヤ重量の軽減効果を損なう虞がある。
上述の端部位置等を満足する補強層8は、図1および図4〜5に示すように、様々な配置をすることができる。図4の例では、補強層8の下端がビードコア5の近傍まで達しており、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとが重複する領域においては、補強層8は本体部4Aおよび折り返し部4Bの両方のタイヤ幅方向外側において、本体部4Aおよび折り返し部4Bの両方に沿って延在し、且つ、カーカス層4の本体部4Aのみが存在する領域においては、補強層8は本体部4Aのタイヤ幅方向外側で本体部4Aに沿って延在している。また、図5の例では、補強層8の下端がビードコア5の近傍まで達しているが、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとが重複する領域においては、補強層8は本体部4Aおよび折り返し部4Bの間に挟まれるように延在し、且つ、カーカス層4の本体部4Aのみが存在する領域においては、補強層8は本体部4Aのタイヤ幅方向外側で本体部4Aに沿って延在している。一方、図1の例では、補強層8の下端がカーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとが重複する領域まで達していないため、補強層8はカーカス層4の本体部4Aタイヤ幅方向外側で本体部4Aに沿って延在している。いずれの構造においても、補強層8を追加することによるタイヤ重量の軽減効果や転がり抵抗の低減効果への影響を抑えながら、効果的にサイドウォール部の剛性を補填して、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を向上することができる。
タイヤサイズが155/65R14であり、図1に示す基本構造を有し、ビードコアの構造、ビードフィラーの有無、カーカス層の本体部と折り返し部とで形成された閉鎖領域の面積に対する閉鎖領域内に存在するゴムの総面積の比率(ゴム占有率)、補強層の有無、有機繊維の種類、補強層を構成する有機繊維の糸の繊度、補強層の構造、ビードヒールからカーカス層の折り返し部の端部までの高さ(タイヤ断面高さに対する比率H/SH)、ビードヒールから補強層のタイヤ径方向内側端部までの高さ(タイヤ断面高さに対する比率La/SH)、ビードヒールから補強層のタイヤ径方向外側端部までの高さ(タイヤ断面高さに対する比率Lb/SH)、補強層のタイヤ径方向に沿って測定される長さLc、補強層の最大厚さGaを表1〜2のように設定して、従来例1、比較例1〜2、実施例1〜15の18種類の空気入りタイヤを作製した。
尚、表1〜2の「ビードコアの構造」の欄については、対応する図面の番号を示した。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、タイヤ質量、低転がり抵抗性、操縦安定性、乗心地性、耐カット性を評価し、その結果を表1〜2に併せて示した。
タイヤ質量
各試験タイヤについて5本の質量を測定し、その平均値を求めた。評価結果は、従来例1の値の逆数を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどタイヤ質量が小さいことを意味する。
低転がり抵抗性
各試験タイヤを、リムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付け、ISO28580に準拠して、ドラム径1707.6mmのドラム試験機を用い、空気圧240kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件で転がり抵抗を測定した。評価結果は、従来例1の測定値の逆数を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が低いことを意味する。
操縦安定性
各試験タイヤを、リムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付け、空気圧を240kPaとして、試験車両に装着し、舗装路面において操縦安定性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、それぞれ従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。尚、指数値が「96」以上であれば、ビードフィラーを有する従来例1と同等の良好な操縦安定性を維持したことを意味する。
乗心地性
各試験タイヤを、リムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付け、空気圧を240kPaとして、試験車両に装着し、舗装路面において乗心地性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、それぞれ従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。尚、指数値が「95」以上であれば、ビードフィラーを有する従来例1と同等の良好な乗心地性を維持したことを意味する。
耐カット性
各試験タイヤを、リムサイズ14×4.5Jのホイールに組み付け、空気圧を240kPaとして、試験車両に装着し、速度10km/hで高さ110mmの縁石に対して30°の角度で進入させて、この縁石を乗り越したときのタイヤサイドウォール部の損傷(ピンチカット)の程度(損傷の長さおよび深さ)を評価した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、損傷の長さおよび深さが小さく、耐カット性が良好であることを意味する。尚、指数値が「97」以上であれば、ビードフィラーを有する従来例1と同等の良好な耐カット性を維持したことを意味する。
Figure 2020131873
Figure 2020131873
表1〜2から明らかなように、実施例1〜15はいずれも、従来例1に対して、タイヤ質量を軽減すると共に転がり抵抗を低減し、操縦安定性、乗心地性、および耐カット性をビードフィラーを有する従来例1以上に良好に維持または改善した。一方、比較例1は、補強層を有さないため、操縦安定性、乗心地性、耐カット性が悪化した。比較例2は、カーカス層の巻き上げ高さが高いため、従来例1と同等の操縦安定性、乗心地性、耐カット性は確保できたが、タイヤ質量が増大し、低転がり抵抗性が悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
4A 本体部
4B 折り返し部
5 ビードコア
6 ベルト層
7 ベルト補強層
8 補強層
CL タイヤ赤道

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部に設けられたビードコアと、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードコアは、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤからなり、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しており、
    子午線断面における前記ビードワイヤの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形を前記ビードコアの外郭形状としたとき、前記外郭形状は、前記外郭形状の最大幅位置よりもタイヤ径方向外側において前記カーカス層に接する前記外郭形状の2辺が鋭角を成す先細り形状を有しており、
    前記カーカス層は、前記トレッド部から各サイドウォール部を経て各ビード部に至る本体部と、各ビード部において前記ビードコアの周縁に沿って屈曲しながら折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向外側端の位置から前記本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部とからなり、前記カーカス層の前記本体部と前記折り返し部とで形成された閉鎖領域の面積に対する前記閉鎖領域内に存在するゴムの総面積の比率が0.1%〜15%であり、
    ビードヒールから前記カーカス層の折り返し部の端部までの高さHがタイヤ断面高さSHに対してH≦1/4×SHの関係を満たし、
    前記カーカス層の本体部のタイヤ幅方向外側に、有機繊維の糸で構成されて前記カーカス層の本体部に沿って延在する補強層を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. ビードヒールから前記補強層のタイヤ径方向内側端部までの高さLaが、タイヤ断面高さSHに対して、La≦1/2×SHの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. ビードヒールから前記補強層のタイヤ径方向外側端部までの高さLbが、タイヤ断面高さSHに対して、1/4×SH≦Lb≦3/4×SHの関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層のタイヤ径方向に沿って測定される長さLcが30mm≦Lc≦50mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強層の最大厚さGaが0.5mm≦Ga≦1.5mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記補強層を構成する有機繊維の糸がナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、アラミドからなる群から選ばれる1種で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記補強層が、総繊度が300dtex〜800dtexである有機繊維の糸からなる平織シートで構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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