JP6803143B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ランフラットタイヤに関する。
下記特許文献1には、パンクなどで内圧が低下した状態でも一定距離を安全に走行可能にするランフラットタイヤとして、タイヤサイド部を補強ゴム層(タイヤ補強層)で補強したサイド補強型のランフラットタイヤが開示されている。
特開2009−126262号公報
ところで、サイド補強型のランフラットタイヤでは、内圧が低下した状態での走行時(ランフラット走行時)に、車両が旋回するなどしてSA(スリップアングル)が入力されつつ、過酷な走行条件が重なると、リム外れを生じやすくなる。このリム外れを抑制する手段としては、サイド補強ゴムの厚みを大きくしたりサイド補強ゴムの端部をタイヤ赤道面寄りに延長したりしてタイヤサイド部の剛性を大きくする方法がある。しかし、過剰にサイド補強ゴムの厚みを大きくしたり端部を延長したりすると、タイヤの剛性が高くなり乗り心地が悪くなるなど、走行性能に影響を与える可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮して、ランフラットタイヤにおいて、リム外れを抑制しつつ走行性能の低下を抑制することを目的とする。
本発明の第1態様のランフラットタイヤは、一対のビード部間に跨るカーカスと、タイヤサイド部に設けられ、前記カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されたベルト層と、を備え、前記ベルト層のタイヤ幅方向に沿った長さをBとした場合、前記サイド補強ゴム層と前記ベルト層とのタイヤ径方向から見た重なり幅がタイヤ赤道面の片側で0.06B以上とされ、前記ベルト層のタイヤ幅方向端部での前記サイド補強ゴム層の厚みが3.0mm以上5.5mm以下とされ、前記ベルト層のタイヤ幅方向端部でのタイヤ外周面位置と、前記タイヤ赤道面におけるタイヤ外周面位置とのタイヤ径方向に沿った距離が15mm以下とされている、タイヤ断面高さが113mm以上のランフラットタイヤである。
本発明の第1態様のランフラットタイヤによると、ベルト層のタイヤ幅方向に沿った長さをBとした場合、サイド補強ゴム層とベルト層とのタイヤ径方向から見た重なり幅が0.06B以上とされている。この重なり幅が0.060Bより小さいと、タイヤがリムから外れやすくなる。
また、ベルト層のタイヤ幅方向端部でのサイド補強ゴム層の厚みが3.0mm以上5.5mm以下とされている。この厚みが3.0mmより小さいと、リムから外れやすくなる。また、5.5mmを超えると、低内圧走行時の耐久性が低くなる。
また、ベルト層のタイヤ幅方向端部でのタイヤ外周面位置と、タイヤ赤道面におけるタイヤ外周面位置とのタイヤ径方向に沿った距離、すわなち、荷重をかけた状態でベルト層の端部におけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置が路面から離れている距離が15mm以下とされている。この距離が15mmを超えるとランフラット走行時の耐久性が低くなる。
このように、本発明の第1態様のランフラットタイヤによると、リム外れを抑制しつつ、走行性能の低下を抑制することを目的とする。
本発明の第2態様のランフラットタイヤは、第1態様のランフラットタイヤにおいて、前記ベルト層はタイヤ径方向に重なり合う複数枚のベルトプライによって形成され、前記長さBはタイヤ幅方向に沿った長さが最も大きい前記ベルトプライのタイヤ幅方向に沿った長さとされ、タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さい前記ベルトプライの端部位置での前記サイド補強ゴム層の厚みが3.0mm以上5.5mm以下とされ、タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さい前記ベルトプライの端部におけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置と、タイヤ赤道面におけるタイヤ外周面位置とのタイヤ径方向に沿った距離が15mm以下とされている。
本発明の第2態様のランフラットタイヤは、ベルト層が複数枚のベルトプライにより形成される。このため、ベルト層が1層の場合と比較して、旋回時の接地面形状の歪みが抑制される。このため、SA(スリップアングル)入力時のリム外れを抑制することができる。
本発明の第3態様のランフラットタイヤは、第1態様又は第2態様のランフラットタイヤにおいて、前記タイヤサイド部のタイヤ外周面から突出し、タイヤが取付けられるリムよりもタイヤ幅方向外側で前記タイヤ外周面に沿って頂面が形成されたリムガードを備えている。
本発明の第3態様のランフラットタイヤによると、また、頂面がタイヤ外周面に沿って形成されるため、例えば頂面が形成されないリムガードと比較して、タイヤサイド部の外側の剛性が高くなる。このためタイヤの形状安定性が高められ、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
本発明のランフラットタイヤによると、リム外れを抑制しつつ走行性能の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るランフラットタイヤを、リムに組み付けた後の状態においてタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面の片側を示す半断面図である。 本発明の実施形態に係るランフラットタイヤを、リムに組み付けた後の状態においてタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面の一部分を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るランフラットタイヤのトレッド部の踏面の構成を示す部分展開図である。 本発明の実施形態に係るランフラットタイヤ及び比較例に係るランフラットタイヤの性能を示す表である。
以下、本発明のランフラットタイヤの一実施形態を図面に基づき説明する。
図1には、本実施形態のランフラットタイヤ10(以下、「タイヤ10」と称する。)のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面(タイヤ周方向に沿った方向から見た断面)の片側が示されている。なお、図中矢印AWはタイヤ10の幅方向(タイヤ幅方向)を示し、矢印ARはタイヤ10の径方向(タイヤ径方向)を示す。ここでいうタイヤ幅方向とは、タイヤ10の回転軸と平行な方向を指している。また、タイヤ径方向とは、タイヤ10の回転軸と直交する方向をいう。また、符号CLはタイヤ10の赤道面(タイヤ赤道面)を示している。
また、本実施形態では、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸に近い側を「タイヤ径方向内側」、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸から遠い側を「タイヤ径方向外側」と記載する。一方、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「タイヤ幅方向内側」、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLから遠い側を「タイヤ幅方向外側」と記載する。
(タイヤ)
図1は、リム30に組み付けて標準空気圧を充填したときのタイヤ10を示している。リム30は標準リムとされている。なお、ここでいう「標準リム」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2014年度版規定のリムを指す。また、上記標準空気圧とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2015年度版の最大負荷能力に対応する空気圧である。
なお、本発明の説明において、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)のことである。規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book ”で、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”で、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book”にて規定されている。
図1に示されるように、タイヤ10は、左右一対のビード部12(図1では、片側のビード部12のみ図示)と、一対のビード部12間をトロイド状に跨るカーカス14と、カーカス14よりもタイヤ径方向外側に設けられた傾斜ベルト層16及び補強コード層18と、補強コード層18よりもタイヤ径方向外側に設けられてタイヤ10の外周部を構成するトレッド部20と、ビード部12とトレッド部20とを連結するタイヤサイド部22と、タイヤサイド部22に設けられたサイド補強ゴム層24と、を備えている。なお、本実施形態のタイヤサイド部22は、ビード部12側のサイドウォール部22Aと、トレッド部20側のショルダー部22Bとで構成されている。
また、本実施形態のタイヤ10は、タイヤ断面高さ(セクションハイト)SHが113mm以上に設定されている。なお、ここでいう「タイヤ断面高さSH」とは、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるタイヤ外径とリム径との差の1/2の長さを指す。さらに、「タイヤ外径」はトレッド部20の踏面のタイヤ赤道面CL上での点P(図2参照)から、タイヤ軸に対して線対称に配置される同様の点Pまでの距離であり、「リム径」とは、リム30においてビード部12が接触する部分のタイヤ幅方向内側端REから、タイヤ軸に対して線対称に配置される同様のタイヤ幅方向内側端REまでの距離である。
なお、本実施形態においては、タイヤ10をリム30に組み付けた状態においては、リム30においてビード部12が接触する部分のタイヤ幅方向内側端REと、ビード部12のタイヤ幅方向内側端BEは略一致している。
また、本実施形態では、タイヤ10のタイヤサイズを235/65R17としているが、本発明の実施形態はこれに限られず、例えば255/55R19、245/50R20、235/55R17、225/55R17、235/55R19、245/60R18、235/60R18、225/60R18、255/65R18、235/65R18、215/70R16等としてもよい。これらのタイヤサイズはタイヤ断面高さ(セクションハイト)SHが113mm以上とされている。
(ビード部)
一対のビード部12には、複数のワイヤを互いに接触するように複数列及び複数段に整列させて形成されたビードコア26がそれぞれ埋設されている。これらのビードコア26には、カーカス14が跨っている。ビードコア26は、断面が円形や多角形状など、空気入りタイヤにおけるさまざまな構造を採用することができる。多角形としては例えば六角形を採用することができる。また、ビード部12には補強等を目的としてゴム層・コード層等をさらに設けてもよく、このような追加部材はカーカス14やビードフィラー28に対してさまざまな位置に設けることができる。
なお、本実施形態においてビードコア26は、24本のワイヤを用いて形成されている。このため、24本より少ないワイヤを用いて形成されたビードコアを備える一方で他の構成が同様のタイヤと比較して、ビード部の剛性が高められ、リム外れ性が向上している。
(リムガード)
サイドウォール部22Aの外周面には、サイドウォール部22Aの外周面から突出するリムガード34が設けられている。リムガード34は、ビード部12の外周面からタイヤサイド部22のタイヤ幅方向端部22Cに亘る部分を底辺として断面略台形状に形成されており、サイドウォール部22Aの外周面と略平行に形成された頂面34Aから側面34Bが裾野状に広がっている。リムガード34の頂面34Aは、リム30よりもタイヤ幅方向外側に形成され、リムを外的損傷から保護している。また、リムガード34は、タイヤ周方向に沿って延設されている。このため、リムガード34は、タイヤ径方向及びタイヤ表面に沿った方向から加えられる力に対する剛性が高められ、ランフラット走行時の耐久性を向上している。なお、リムガード34は、求められるランフラット走行時の耐久性や他の仕様に応じて、適宜省略することもできる。
(カーカス)
カーカス14は、2枚のカーカスプライ14A、14B(タイヤ赤道面CLにおいてタイヤ径方向外側に配置されるカーカスプライをカーカスプライ14A、内側に配置されるカーカスプライをカーカスプライ14Bとする)によって構成されており、カーカスプライ14A、14Bはそれぞれ、複数本のコードを被覆ゴムで被覆して形成されている。
このようにして形成されたカーカス14が一方のビードコア26から他方のビードコア26へトロイドル状に延びてタイヤの骨格を構成している。また、カーカス14の端部側はビードコア26に係止されている。具体的には、カーカス14は、端部側がビードコア26周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されて係止されている。また、カーカス14の折り返された端部(端部14AE、14BE)は、タイヤサイド部22に配置されている。カーカスプライ14Aの端部14AEは、カーカスプライ14Bの端部14BEよりもタイヤ径方向内側に配置されている。
なお、本実施形態では、カーカス14の端部をタイヤサイド部22に配置する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、例えばカーカス14の端部をトレッド部20に配置する構成としてもよい。また、カーカス14の端部側を折り返さず、複数のビードコア26で挟みこんだり、ビードコア26に巻きつけた構造を採用することもできる。
なお、カーカス14の幅が最大となるタイヤ径方向位置は、ビード部12寄りに形成してもよいし、トレッド部20寄りに形成してもよい。例えば、カーカス14の幅が最大となるタイヤ径方向位置は、図1に示すビード部12のタイヤ幅方向内側端BEからタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さSH対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
なお、本実施形態においてカーカス14はラジアルカーカスとされているが、バイアスカーカスとすることも可能である。また、本実施形態においてカーカス14はレーヨンプライにより構成されているが、カーカス14の材質は特に限定されず、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。なお、軽量化の点からは、有機繊維コードが好ましい。また、カーカスの打ち込み数は20〜60本/50mmの範囲とされているが、この範囲に限定されるのもではない。
ビード部12のカーカス14で囲まれた領域には、ビードコア26からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラー28が埋設されている。このビードフィラー28は、タイヤ径方向外側に向けて厚みが減少している。なお、ビードフィラー28を設けない構造とすることもできる。
(フリッパー)
ビードフィラー28とカーカスプライ14Bとの間には、ビードコア26をタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返して被覆するフリッパー32が配置されている。
フリッパー32は、複数本の高弾性の有機繊維コードを並べてゴムコーティングしたものである。本実施形態のフリッパー32に用いられている有機繊維コードは、芳香族ポリアミドコードであり、タイヤ径方向に対する角度が40°〜55°の範囲内に設定されている。なお、フリッパー32に用いるコードの素材は、特に限定されない。
フリッパー32のタイヤ幅方向内側の端部32E1はビードフィラー48のタイヤ径方向外側端28Eよりもタイヤ径方向内側に配置され、フリッパー32のタイヤ幅方向外側の端部32E2はフリッパー32のタイヤ幅方向内側の端部32E1よりもタイヤ径方向内側で、かつカーカスプライ14Bの端部14BEよりもタイヤ径方向内側に配置されている。
なお、本実施形態においてはフリッパー32を設けているが、これは適宜省略することもできる。
(傾斜ベルト層)
カーカス14のタイヤ径方向外側には、傾斜ベルト層16が配設されている。この傾斜ベルト層16は、2枚のベルトプライ16A、16B(タイヤ径方向外側に配置されるベルトプライをベルトプライ16A、内側に配置されるベルトプライをベルトプライ16Bとする)によって構成されている。このベルトプライ16A、16Bはそれぞれ、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。ベルトプライ16A、16Bを構成するコードは、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びている。コードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対して15°以上とすることが好ましい。さらに、20°以上30°以下がさらに好ましい。なお、ベルトプライ16Aは、タイヤ幅方向に沿った幅(長さ)がベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)よりも狭く(短く)されている。なお、本実施形態のベルトプライ16Bは、本発明における「タイヤ幅方向に沿った長さが最も大きいベルトプライ」の一例である。また、本実施形態のベルトプライ16Aは、本発明における「タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さいベルトプライ」の一例である。
なお、傾斜ベルト層16は1層のみの構成とすることもできる。この場合、この一層のみで構成された傾斜ベルト層16が、本発明における「タイヤ幅方向に沿った長さが最も大きいベルトプライ」かつ「タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さいベルトプライ」となる。但し、狭幅大径サイズの乗用車用ラジアルタイヤにおいては、傾斜ベルト層が1層のみの場合、旋回時の接地面形状がゆがみやすいため、2層以上の互いのコードが交錯する方向に延在する傾斜ベルト層とすることが好ましい。乗用車用空気入りラジアルタイヤとしては、2層のベルト層が交錯層を形成する構成が好適である。
なお、ベルトプライ16A、16Bのコードとして金属コードを用いる場合は、スチールコードを用いるのが最も一般的である。スチールコードはスチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。
また、コードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコードを用いることができる。撚り構造も種々の設計が採用可能であり、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接するフィラメント同士の距離も様々なものが使用できる。さらには異なる材質のフィラメントを縒り合せたコードを採用することもで、断面構造としても特に限定されず、単撚り、層撚り、複撚りなど様々な撚り構造を取ることができる。
(補強コード層)
傾斜ベルト層16のタイヤ径方向外側には、補強コード層18が設けられている。この補強コード層18は、2枚の補強プライ18A、18B(タイヤ径方向外側に配置される補強プライを補強プライ18A、内側に配置される補強プライを補強プライ18Bとする)によって構成されている。補強プライ18A、18Bはタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)が略同一とされ、傾斜ベルト層16の全体を覆っている。また、この補強プライ18A、18Bはそれぞれ、タイヤ周方向に対して角度が0〜10度の範囲内であるコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を複数本平行に並べて形成されている。
なお、補強コード層18には、破断強度を高めるために波状のコードを用いてもよい。同様に破断強度を高めるために、ハイエロンゲーションコード(例えば破断時の伸びが4.5〜5.5%)を用いてもよい。
また、本実施形態では、一例として、補強コード層18を構成するコードとしてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いているが、このコードは種々の材質が採用可能であり、例えばレーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。なお、軽量化の点からは、有機繊維コードが特に好ましい。
また、コードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを縒り合せたコード、さらには異なる材質のフィラメントを縒り合せたハイブリッドコードを採用することもできる。コードの打ち込み数は20〜60本/50mmの範囲とされているが、この範囲に限定されるのもではない。
また、補強コード層18は、タイヤ10の仕様に応じて、タイヤ幅方向に剛性・材質・層数・打ち込み密度等の分布を持たせることもでき、例えば本実施形態では、補強プライ18A、18Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)を略同一としているが、本発明はこの構成に限定されず、例えば補強プライ18Aを、補強プライ18Bよりも狭く(短く)あるいは広く(長く)してもよい。また、タイヤ幅方向端部のみ層数を増やすこともでき、一方でセンター部のみ層数を増やすこともできる。さらに、補強コード層18を省略してもよい。
また、補強コード層18は、傾斜ベルト層16よりも幅広または幅狭に設計することもできる。例えば、傾斜ベルト層16のうち幅の最も大きい最大幅傾斜ベルト層(本実施形態ではベルトプライ16B)の90%〜110%の幅とすることができる。また、補強コード層18は、単一のコードもしくは複数本のコードからなるバンドをタイヤ幅方向にスパイラル状に巻き付けることにより構成することが好ましい。
(トレッド部)
傾斜ベルト層16及び補強コード層18のタイヤ径方向外側には、トレッド部20が設けられている。トレッド部20は、走行中に路面に接地する踏面であり、図2の拡大図に示すように、傾斜ベルト層16のベルトプライ16Aの端部16AEにおけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置Nと、トレッド部20の踏面のタイヤ赤道面CL上での点Pとのタイヤ径方向の距離NHが、15mm以下とされている。
図3には、トレッド部20の踏面の構成が部分展開図として示されている。図示するトレッドパターンは、車両に対して装着する方向が指定されている、いわゆる装着方向指定パターンであり、図3では車両装着外側を矢印OUT、車両装着内側を矢印INで示している。
タイヤ10においては、タイヤ赤道面CLを境とする一対のトレッド半幅領域のうち、少なくとも一方のトレッド半幅領域の踏面、図示する例では車両装着外側のトレッド半幅領域の踏面に、タイヤ周方向に延びる最外側周方向溝51a(以下の記載では単に周方向溝51aと記載することがある)、周方向溝51bと、タイヤ周方向に延びるショルダー部周方向サイプ52a、内側周方向サイプ52bと、が設けられている。
ショルダー部周方向サイプ52aは、トレッド接地端TEと最外側周方向溝51aとにより区画されたショルダー陸部53aに配置され、内側周方向サイプ52bは、最外側周方向溝51aのタイヤ幅方向内側に隣接する内側陸部53bに配置されている。なお、本発明においてサイプとは、接地した際に閉じることが可能な幅を有する細い溝を意味し、例えば幅2mm以下である。
このように、本実施形態においては、ショルダー陸部53aと内側陸部53bとにそれぞれ周方向サイプを設けることで、タイヤ幅方向の入力に対するエッジ効果が高められ、雪上旋回性能の向上が図られている。
また、本実施形態においては、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ幅が、内側周方向サイプ52bよりも大きく、かつ、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ深さが、内側周方向サイプ52bよりも小さく形成されている。すなわち、図2に示されるように、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ幅をws、サイプ深さをds、内側周方向サイプ52bのサイプ幅をwi、サイプ深さをdiとしたとき、ws>wi、かつ、ds<diが成り立っている。
なお、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ幅wsと内側周方向サイプ52bのサイプ幅wiは、1.7<ws/wi<2.1を満足することが好ましく、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ深さdsと内側周方向サイプ52bのサイプ深さdiは、1.6<di/ds<1.9を満足することが好ましい。サイプ幅およびサイプ深さの比をこの範囲とすることで、雪上性能と摩耗性能とをバランスよく得ることができる。
また、図3で図示するパターンにおいては、トレッド部20にタイヤ周方向に延びる4本の周方向溝51a〜51dが配設されており、これら4本の周方向溝51a〜51d及びトレッド接地端TEにより区画されて、5つの陸部53a〜53eが設けられている。図示するパターンにおいて、タイヤ赤道面CL上には、周方向溝は存在しない。周方向溝51bからは、タイヤ幅方向両側に、ラグ溝54a、54bが延びており、周方向溝51cからは、タイヤ幅方向両側に、ラグ溝54c、54dが延びており、ラグ溝54dは、最外側周方向溝51dに連通している。さらに、最外側周方向溝51aからは、タイヤ幅方向外側に、横溝55aが延びており、最外側周方向溝51dからは、タイヤ幅方向外側に、横溝55bが延びている。なお、符号56a〜56eは、各周方向溝に連通して配置されたサイプを示す。
また、図2に示すように、タイヤ幅方向断面において、サイド補強ゴム層24の上端部24Bは、ショルダー部周方向サイプ52aよりもタイヤ幅方向内側に位置している。サイド補強ゴム層24とショルダー陸部53aとがタイヤ幅方向に重複する領域において、特に接地圧が大きくなりやすいことから、この領域にショルダー部周方向サイプ52aを設けることで、エッジ効果をより大きく得ることができる。
また、図2に示すように、タイヤ幅方向断面において、サイド補強ゴム層24の上端部24Bは、最外側周方向溝51aよりもタイヤ幅方向外側に位置している。すなわち、サイド補強ゴム層24が最外側周方向溝51aの溝底のタイヤ径方向内側に存在しないものとすることで、ランフラット走行時に最外側周方向溝の溝底を起点としてトレッド部がタイヤ幅方向に折れ曲がったとしても、このトレッド部の折れ曲がりに伴う入力がサイド補強ゴム層24に作用することを抑制できる。これにより、ランフラット走行時におけるサイド補強ゴム層24の耐久性を向上して、長期にわたりサイドウォール部22Aにバックリング現象が発生するのを抑制することができる。また、タイヤの重量増加を抑制する効果も得ることができる。なお、このようなサイドウォール部のバックリング現象は、タイヤ断面高さの高いタイヤにおいて、発生しやすい傾向にある。
なお、本実施形態においてトレッド部20に用いられるトレッドゴムはハイシリカトップゴムとされ、単層構成とされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えばトレッドゴムはタイヤ径方向に異なる複数のゴム層で形成されていても良い。この複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ径方向の厚みの比率は、タイヤ幅方向に変化していてもよく、また周方向溝底のみ等をその周辺と異なるゴム層とすることもできる。
さらに、トレッドゴムはタイヤ幅方向に異なる複数のゴム層で形成されていても良い。この複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ幅方向の長さの比率は、タイヤ径方向に変化していてもよく、また周方向溝近傍のみ、トレッド端近傍のみ、ショルダー陸部のみ、センター陸部のみといった限定された一部の領域のみをその周囲とは異なるゴム層とすることもできる。
(タイヤサイド部)
図1に示すように、タイヤサイド部22は、タイヤ径方向に延びてビード部12とトレッド部20とをつなぎ、ランフラット走行時にタイヤ10に作用する荷重を負担できるように構成されている。タイヤサイド部22のタイヤ幅方向端部22Cは、ビードのタイヤ幅方向内側端BEからタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さSH対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
なお、タイヤサイド部22には乱流発生用突起を設けることもできる。この場合、乱流発生用突起によって発生した乱流により、タイヤサイド部22が冷却されランフラット走行性能をさらに向上させることができる。乱流発生用突起はタイヤサイド部のうち、タイヤ外表面、タイヤ内表面の何れかに設けることもできる。また、タイヤ外表面、タイヤ内表面の双方に設けることもできるし、装着方向指定のタイヤの場合に、一対のタイヤサイド部の内、片側のサイド部にのみ乱流発生用突起を設けることも可能である。さらに、タイヤサイド部にディンプルを設けて、表面積を増やして放熱を高めることにより、ランフラット走行性能をさらに向上させることもできる。
(サイド補強ゴム層)
タイヤサイド部22には、カーカス14のタイヤ幅方向内側にタイヤサイド部22を補強するサイド補強ゴム層24が設けられている。サイド補強ゴム層24は、パンクなどでタイヤ10の内圧が減少した場合に車両及び乗員の重量を支えた状態で所定の距離を走行させるための補強ゴムである。
本実施形態では、サイド補強ゴム層24を1種類のゴム材で形成しているが、本発明の実施形態はこれに限られず、複数のゴム材で形成してもよい。このサイド補強ゴム層24は、ゴム材が主成分であれば、他にフィラー、短繊維、樹脂等の材料を含んでもよい。さらに、ランフラット走行時の耐久力を高めるため、サイド補強ゴム層24を構成するゴム材として、硬さが70〜85のゴム材を含んでもよい。さらに、粘弾性スペクトロメータ(例えば、東洋精機製作所製スペクトロメータ)を用いて周波数20Hz、初期歪み10%、動歪み±2%、温度60℃の条件で測定した損失係数tanδが0.10以下の物性を有するゴム材を含んでもよい。なお、ここでいうゴムの硬さとは、JIS K6253(タイプAデュロメータ)で規定される硬さを指す。
また、本実施形態では、本発明のサイド補強層の一例として、ゴムを主成分とするサイド補強ゴム層24を用いているが、これに限らず、ゴム様の弾性を有する他の材料(例えば、熱可塑性樹脂等)を主成分とするサイド補強層を用いてもよい。
サイド補強ゴム層24は、カーカス14の内面に沿ってビード部12側からトレッド部20側へタイヤ径方向に延びている。また、サイド補強ゴム層24は、中央部分からビード部12側及びトレッド部20側に向かうにつれて厚みが減少する形状、例えば、略三日月形状とされている。なお、ここでいうサイド補強ゴム層24の厚みとは、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるカーカス14の法線に沿った長さを指す。
サイド補強ゴム層24は、ビード部12側の下端部24Aがカーカス14を挟んでビードフィラー28とタイヤ幅方向から見て重なっており、トレッド部20側の上端部24Bがカーカス14を挟んで傾斜ベルト層16とタイヤ径方向から見て重なっている。具体的には、サイド補強ゴム層24の上端部24Bは、カーカス14を挟んでベルトプライ16A、16Bと重なっている。すなわち、図2に示すようにサイド補強ゴム層24の上端部24Bは、ベルトプライ16Aの端部16AEよりもタイヤ幅方向内側に位置している。
ベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)をB[mm]とした場合、サイド補強ゴム層24の上端部24Bがベルトプライ16Bと重なっている重なり幅BRは、一方のタイヤ幅方向の端部側で0.06B[mm]以上とされている。換言すると、傾斜ベルト層16とサイド補強ゴム層24をタイヤ径方向から見たときの重なり幅は、傾斜ベルト層16のタイヤ幅方向に沿った長さの6%以上とされている。
なお、重なり幅BRとは、ベルトプライ16Bの端部16BEからカーカス14に引いた法線とサイド補強ゴム層24のタイヤ幅方向外側の外周面とが交差する基準点Mから、サイド補強ゴム層24の上端部24Bまでの、タイヤ幅方向に沿った長さのことである。
また、ベルトプライ16Aの端部16AEからカーカス14に引いた法線に沿ったサイド補強ゴム層24の厚みTは、3.0mm以上5.5mm以下とされている。
すなわち、ベルトプライ16Aの端部16AEのタイヤ径方向内側部分にはサイド補強ゴム層24が存在している。つまり、本実施形態のタイヤ10においては、タイヤ幅方向外側からベルトプライ16Bの端部16BE、ベルトプライ16Aの端部16AE、サイド補強ゴム層24の上端部24Bの順に配置されている。このため、トレッド部20におけるタイヤ10の剛性変化がなだらかになり、局所的な破壊が抑制される。
タイヤ10の内面には、一方のビード部12から他方のビード部12に亘ってインナーライナー25が配設されている。本実施形態では、一例として、ブチルゴムを主成分とするインナーライナー25を配設しているが、これに限らず、他のゴム材や、樹脂を主成分とするフィルム層のインナーライナーを配設してもよい。なお、タイヤ10の内面の内、少なくともタイヤサイド部22の内側は、サイド補強ゴム層24により、空気透過性が低く形成されているため、インナーライナー25を設けないこともできる。
さらに、タイヤ10の内面には、空洞共鳴音を低減するために、多孔質部材を配置したり、静電植毛加工を行うこともできる。また、タイヤ10の内面には、パンク時の空気の漏れを防ぐためのシーラント部材を備えることもできる。
(作用・効果)
次に、本実施形態のタイヤ10の作用及び効果について説明する。本発明に係るランフラットタイヤの効果を確かめるために、以下の実施例1〜3のランフラットタイヤと、本発明に含まれない比較例1〜5のランフラットタイヤを用意して試験を実施した。
まず、試験に用いた実施例1〜3のランフラットタイヤ及び比較例1〜5のランフラットタイヤについて説明する。実施例1〜3及び比較例1〜5のランフラットタイヤは、図1に示されるタイヤ10と同じ構造を採用したタイヤ断面高さSHが113mmのタイヤである。これらの供試ランフラットタイヤは、ベルトプライ(16B)のタイヤ幅方向に沿った長さB[mm]に対するサイド補強ゴム層(24)の上端部(24B)がベルトプライ(16B)と重なっている重なり幅BR[mm]の割合Y[%]、ベルトプライ(16A)の端部(16AE)からカーカス(14)に引いた法線に沿ったサイド補強ゴム層(24)の厚みT[mm]及びベルトプライ(16A)の端部(16AE)におけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置Nとトレッド部(20)の踏面のタイヤ赤道面CL上での点Pとのタイヤ径方向の距離NH[mm]の組合せがそれぞれ異なる。なお、実施例1〜3及び比較例1〜5の各数値は、図4に示した表1に記された通りである。
試験では、供試ランフラットラジアルタイヤをJATMA規格の標準リムに組み付け、車両又はドラムに装着し所定の速度で走行した。この試験により得られた各種の測定値から「リム外れ性」、「ランフラット耐久性」、「低内圧走行時耐久性」、「内圧充填時縦バネ性」、「対標準タイヤ比重」を指標として示した値が表1に記されている。なお、表1における「リム外れ指標」、「ランフラット耐久性」、「低内圧走行時耐久性」、「内圧充填時縦バネ性」、「対標準タイヤ比重」の各指標は、基準値を(100)として、値が大きいほど良好な結果を示している。
表1の比較例1に示されるように、ベルトプライ(16B)のタイヤ幅方向に沿った長さB[mm]に対するサイド補強ゴム層(24)の上端部(24B)がベルトプライ(16B)と重なっている重なり幅BR[mm]の割合Y[%]が6%よりも小さいと、SA(スリップアングル)の入力時に、ベルト端部付近の変形が大きくなり、リム外れを起こしやすくなる。
表1の比較例4に示されるように、ベルトプライ(16B)のタイヤ幅方向に沿った長さB[mm]に対するサイド補強ゴム層(24)の上端部(24B)がベルトプライ(16B)と重なっている重なり幅BR[mm]の割合Y[%]が25%以上だと、空気充填走行時(通常使用時)の耐久性が低下し、また、タイヤの重量が増え、縦バネが悪化する。
これらの比較例1、4と比較して、実施例1〜3は、ベルトプライ(16B)のタイヤ幅方向に沿った長さB[mm]に対するサイド補強ゴム層(24)の上端部(24B)がベルトプライ(16B)と重なっている重なり幅BR[mm]の割合Y[%]が6%以上25%未満とされているため、SA(スリップアングル)の入力時に、ベルト端部付近の変形が大きくならず、リム外れを抑制できる。また、空気充填走行時(通常使用時)の耐久性の低下が抑制され、また、タイヤの重量増加及び縦バネが悪化を抑制できる。
表1の比較例2に示されるように、ベルトプライ(16A)の端部(16AE)からカーカス(14)に引いた法線に沿ったサイド補強ゴム層(24)の厚みT[mm]が3.0mmより小さいと、SA(スリップアングル)の入力時に、ベルト端部付近の変形が大きくなり、リム外れを起こしやすくなる。
表1の比較例3に示されるように、ベルトプライ(16A)の端部(16AE)からカーカス(14)に引いた法線に沿ったサイド補強ゴム層(24)の厚みT[mm]が5.5mmより大きいと、「低内圧走行時耐久性」が悪い。すなわち、内圧が十分に入っている状態(通常使用時)の走行距離が短くなる。
これらの比較例2、3と比較して、実施例1〜3は、ベルトプライ(16A)の端部(16AE)からカーカス(14)に引いた法線に沿ったサイド補強ゴム層(24)の厚みT[mm]が3.0mm以上5.5mm以下とされているため、内圧が十分に入っている状態(通常使用時)の走行距離が長く、SA(スリップアングル)の入力時にタイヤがリムから外れにくい。
表1の比較例5に示されるように、ベルトプライ(16A)の端部(16AE)におけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置Nとトレッド部(20)の踏面のタイヤ赤道面CL上での点Pとのタイヤ径方向の距離NH[mm]が15mmより大きいと、「ランフラット耐久性」が悪い。すなわち、ランフラット走行時の走行可能距離が短い。
この比較例5と比較して、実施例1〜3は、ベルトプライ(16A)の端部(16AE)におけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置Nとトレッド部(20)の踏面のタイヤ赤道面CL上での点Pとのタイヤ径方向の距離NH[mm]が15mm以下とされているため、ランフラット走行時の走行可能距離が長い。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るタイヤ10によれば、リム外れを抑制しつつ走行性能の低下を抑制することができる。
10 タイヤ(ランフラットタイヤ)、 12 ビード部、 14 カーカス、
16 傾斜ベルト層(ベルト層)、
16A ベルトプライ(タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さいベルトプライ)、
16B ベルトプライ(タイヤ幅方向に沿った長さが最も大きいベルトプライ)、
22 タイヤサイド部、 24 サイド補強ゴム層、 30リム、
34 リムガード

Claims (3)

  1. 一対のビード部間に跨るカーカスと、
    タイヤサイド部に設けられ、前記カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴム層と、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置された傾斜ベルト層と、
    複数の補強プライによって形成されると共に、前記複数の補強プライがそれぞれ前記傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されて前記傾斜ベルト層の全体を覆う補強コード層と、
    を備え、
    前記傾斜ベルト層のタイヤ幅方向に沿った長さをBとした場合、前記サイド補強ゴム層と前記傾斜ベルト層とのタイヤ径方向から見た重なり幅がタイヤ赤道面の片側で0.06B以上0.202B以下とされ、
    前記傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部での前記サイド補強ゴム層の厚みが3.0〜5.5mmとされ、
    前記傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部でのタイヤ外周面位置と、前記タイヤ赤道面におけるタイヤ外周面位置とのタイヤ径方向に沿った距離が15mm以下とされている、タイヤ断面高さが113mm以上のランフラットタイヤ。
  2. 前記傾斜ベルト層はタイヤ径方向に重なり合う複数枚のベルトプライによって形成され、
    前記長さBはタイヤ幅方向に沿った長さが最も大きい前記ベルトプライのタイヤ幅方向に沿った長さとされ、
    タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さい前記ベルトプライの端部位置での前記サイド補強ゴム層の厚みが3.0mm以上5.5mm以下とされ、
    タイヤ幅方向に沿った長さが最も小さい前記ベルトプライの端部におけるタイヤ径方向外側のタイヤ外周面位置と、タイヤ赤道面におけるタイヤ外周面位置とのタイヤ径方向に沿った距離が15mm以下とされている、請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記タイヤサイド部のタイヤ外周面から突出し、
    タイヤが取付けられるリムよりもタイヤ幅方向外側で前記タイヤ外周面に沿って頂面が形成されたリムガードを備えた、請求項1又は請求項2に記載のランフラットタイヤ。
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