WO2017188409A1 - ランフラットラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

ランフラットラジアルタイヤは、一対のビード部間に跨るカーカスと、タイヤサイド部に設けられ、カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴムと、を備え、タイヤ周方向に沿った方向から見て、リムに組み付ける前のビード部間距離がリムに組み付けた後のビード部間距離よりも大きく形成され、タイヤ断面高さSHが145mm以上とされている。

Description

ランフラットラジアルタイヤ
 本開示は、ランフラットラジアルタイヤに関する。
 特開2013-95369号公報には、タイヤサイド部をサイド補強ゴムで補強し、ランフラット走行時(空気圧が低下した異常走行時)の耐久性を確保したサイド補強型のランフラットラジアルタイヤが開示されている。
 上述した特開2013-95369号公報に示されるように、近年、タイヤ断面高さが比較的大きいランフラットラジアルタイヤが求められている。このようなランフラットラジアルタイヤにおいてランフラット走行時の耐久性を確保する場合、サイド補強ゴムの厚みを大きくすることが考えられる。しかし、サイド補強ゴムの厚みを大きくした場合、タイヤの重量が過剰に大きくなる場合がある。また、製造コストが増える。
 本開示は、上記事実を考慮して、ランフラットラジアルタイヤにおいて、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することを目的とする。
 本開示の第1態様のランフラットラジアルタイヤは、一対のビード部間に跨るカーカスと、タイヤサイド部に設けられ、前記カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴムとを備え、標準リムに組み付ける前のタイヤ幅方向に沿ったビード間隔が標準リム幅よりも大きく形成され、タイヤ断面高さが145mm以上とされている。
 本開示の第1態様のランフラットラジアルタイヤは、標準リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅よりも大きく形成されているため、タイヤを標準リムに組み付ける際に、ビード部が近づく方向にタイヤが変形する。このとき、カーカスの内面に沿って設けられたサイド補強ゴムが、圧縮される。なお、標準リム幅は、標準リムに組み付けた後のビード間隔と略一致する寸法である。
 非圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤと圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤとを比較すると、圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤが、非圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤよりも、タイヤの空気圧が無い、あるいは低い状態において、同じ負荷荷重に対する縦たわみが小さくなり、サイド補強ゴムの発熱が減少する。
 このため、例えばサイド補強ゴムの厚みを大きくするなどしてタイヤ重量を増加させることなく、ランフラット走行時の耐久性を高めることができる。したがって、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することができる。
 本開示の第2態様のランフラットラジアルタイヤは、第1態様のランフラットラジアルタイヤにおいて、前記標準リムに組み付ける前の前記ビード間隔と前記標準リム幅との差を前記タイヤ断面高さで除した値が0.06よりも大きく、2.00よりも小さい。
 本開示の第2態様のランフラットラジアルタイヤは、タイヤ断面高さに対する標準リムに組み付け前後のビード間隔の変化の割合が6%よりも大きい。このため、タイヤ断面高さに対する標準リムに取付け前後のビード間隔の変化の割合が6%以下のタイヤと比較して、標準リム組み付け後のサイド補強ゴムは、より大きな圧縮力をうける。したがって、ランフラット走行時の耐久性が向上する。なお、標準リムに組み付けた後の前記ビード間隔と標準リム幅とは略一致する。
 また、タイヤ断面高さに対する標準リムに組み付け前後のビード間隔の変化の割合が200%よりも小さい。このため、タイヤ断面高さに対する標準リムに取付け前後のビード間隔の変化の割合が200%以上のタイヤと比較して、必要な性能を維持する内圧時形状を確保しやすい。
 本開示の第3態様のランフラットラジアルタイヤは、第1態様又は第2態様のランフラットラジアルタイヤにおいて、前記標準リムに組み付ける前の前記ビード間隔が前記標準リム幅の105%以上270%未満とされている。
 本開示の第3態様のランフラットラジアルタイヤは、標準リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の前記ビード間隔の105%以上とされている。このため、標準リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の105%未満とされているタイヤと比較して、リム組み付け後のサイド補強ゴムは、より大きな圧縮力をうける。したがって、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
 また、標準リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の前記ビード間隔の270%未満とされている。このため、標準リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の270%以上とされているタイヤと比較して、必要な性能を維持する内圧時形状を確保しやすい。
 本開示の第4態様のランフラットラジアルタイヤは、第1態様~第3態様の何れか1態様のランフラットラジアルタイヤにおいて、前記カーカスのタイヤ径方向外側にベルト層を備え、前記標準リムに組み付け、標準空気圧を付与し、無負荷の状態において、タイヤ最大幅位置からタイヤ幅方向に沿って引いた直線と前記カーカスとが交差する基準点から、前記ベルト層の端部までの、前記カーカスに沿った長さをHとした場合、前記サイド補強ゴムの厚みが最大となる位置が、前記基準点から前記カーカスに沿って0.1H~0.7Hの範囲に配置されている。
 タイヤを標準リムに組み付ける際にビード部が近づく方向にタイヤを変形させた場合、基準点から0.1H~0.7Hの範囲、すなわちタイヤサイド部のショルダーよりの部分が、他の部分と比較して圧縮応力が大きくなる。
 本開示の第4態様のランフラットラジアルタイヤは、この圧縮応力が大きくなる部分においてサイド補強ゴムの厚みが最大になるようにサイド補強ゴムを形成している。このため、サイド補強ゴムの厚みが最大となる位置が、基準点からカーカスに沿って0.1H~0.7Hの範囲以外に配置されているタイヤと比較して、圧縮応力が大きい部分の体積が大きい。したがって、支持荷重が大きくなり、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
 非圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤと圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤとを比較すると、圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤが、非圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤよりも、タイヤの空気圧が無い、あるいは低い状態において、同じ負荷荷重に対する縦たわみが小さくなる。換言すると、圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤと、非圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤとが同じだけたわんだ場合、圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤが、非圧縮状態のサイド補強ゴムが適用されたタイヤよりも、支持できる荷重が大きくなる。
 このため、例えばサイド補強ゴムの厚みを大きくするなどしてタイヤ重量を増加させることなく、ランフラット走行時の耐久性を高めることができる。したがって、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することができる。
 タイヤの空気圧が無い、あるいは低いランフラット時において、「縦たわみ/タイヤ断面高さ」を「たわみ率」とすると、このたわみ率は、ランフラット耐久性との相関性が高い。
 このランフラットラジアルタイヤでは、タイヤ断面高さが145mm以上であり、比較的タイヤサイズが大きい。このようにタイヤ断面高さの高いタイヤにおいて、縦たわみの絶対値が小さい領域(すなわち、通常内圧時)でのタイヤの縦剛性に対して、サイド補強ゴムのタイヤ最大幅位置が大きく寄与する。したがって、サイド補強ゴムの厚みが最大となる位置を、基準点からカーカスに沿って0.1H~0.7Hの範囲に配置して、サイド補強ゴムのタイヤ最大幅位置の厚みを抑制することで、縦剛性の増加を抑制し、通常内圧時の乗り心地を維持できる。
 一方、縦たわみの絶対値が大きい領域(すなわち、ランフラット時)では、タイヤの縦剛性に対して、サイド補強ゴムのうちタイヤ最大幅位置からベルト層のタイヤ幅方向端までの間が大きく寄与する。したがって、この部分の厚みを大きくして縦剛性を高めることにより、縦たわみを抑制してたわみ率も抑制し、ランフラット耐久性を高めることが可能となる。
 タイヤ断面高さが145mm未満では、145mm以上の場合と比較して、ランフラット耐久性に必要なたわみ率が同じであっても、縦たわみの絶対値が小さくなる。そうすると、縦剛性に対して、通常内圧時及びランフラット時の何れであっても、サイド補強ゴムのタイヤ最大幅位置近傍の寄与が大きくなる。
 本開示の第5態様のランフラットラジアルタイヤは、第4態様に係るランフラットラジアルタイヤにおいて、前記サイド補強ゴムは、前記ベルト層とタイヤ径方向に重なる位置まで延びており、前記タイヤ最大幅位置での前記サイド補強ゴムのゲージをGとし、前記ベルト層のタイヤ幅方向端の位置における前記カーカスに対する法線方向での前記サイド補強ゴムのゲージをG1とすると、G1≦0.8Gである。
 このランフラットラジアルタイヤでは、サイド補強ゴムがベルト層とタイヤ径方向に重なる位置まで延びているので、ベルト層のタイヤ幅方向端付近におけるタイヤの曲げ剛性を高めて、リム外れを生じ難くさせることができる。また、ベルト層のタイヤ幅方向端でのサイド補強ゴムの厚みを適切に設定することにより、ランフラット耐久性を向上させることができる。G1>0.8Gであると、ベルト層のタイヤ幅方向端の位置におけるサイド補強ゴムの耐久性の低下を招く。
 本開示の第6態様のランフラットラジアルタイヤは、、第4態様又は第5態様に係るランフラットラジアルタイヤにおいて、前記基準点から、前記ビード部に設けられたビードコアまでの前記カーカスに沿った長さをBとして、前記基準点から0.2Bの位置での前記カーカスに対する法線方向での前記サイド補強ゴムのゲージをG2とすると、0.5G≦G2≦0.9Gである。
 このランフラットラジアルタイヤでは、タイヤ最大幅位置よりビード部側のサイド補強ゴムの厚みを適切に設定することにより、ランフラット耐久性を向上させることができる。この範囲の下限を下回ると、カーカスに沿ってビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーの端部での故障が懸念される。この範囲の上限を上回ると、縦剛性が増加して乗り心地が悪化する。
 本開示のランフラットラジアルタイヤは、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することができる。
本開示の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤを、リムに組み付ける前の状態においてタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面の片側を示す半断面図である。 本開示の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤを、リムに組み付けた後の状態においてタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面の片側を示す半断面図である。 トレッドの踏面の構成を示す部分展開図である。 本開示の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤをリムに組み付けた後の内部応力状態を示す応力分布図である。 本開示の実施形態に係る予圧縮されたランフラットラジアルタイヤと、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤとの、それぞれの縦たわみと支持荷重との関係を示したグラフである。 本開示の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤをリムに組み付けた後の支持荷重の増分の寄与を示す密度分布図である。 本開示の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤのランフラット耐久性の変化率と転がり抵抗の低減率を示したグラフである。
 以下、本開示のランフラットラジアルタイヤの一実施形態を図面に基づき説明する。図1、図2には、本実施形態のランフラットラジアルタイヤ(以下、「タイヤ10」と称する。)のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面(すなわち、タイヤ周方向に沿った方向から見た断面)の片側が示されている。なお、図中矢印AWはタイヤ10の幅方向(タイヤ幅方向)を示し、矢印ARはタイヤ10の径方向(タイヤ径方向)を示す。ここでいうタイヤ幅方向とは、タイヤ10の回転軸と平行な方向を指している。また、タイヤ径方向とは、タイヤ10の回転軸と直交する方向をいう。また、符号CLはタイヤ10の赤道面(タイヤ赤道面)を示している。
 また、本実施形態では、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸に近い側を「タイヤ径方向内側」、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸から遠い側を「タイヤ径方向外側」と記載する。一方、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「タイヤ幅方向内側」、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLから遠い側を「タイヤ幅方向外側」と記載する。
 タイヤ10の各部寸法については、タイヤ10を標準リム(例えばリム30)に組み付け、標準空気圧を付与し、無負荷の状態で測定される。
(タイヤ)
 図1は、リム30に組み付ける(換言すると、装着する)前のタイヤ10を示しており、図2は、リム30に組み付けて標準空気圧を充填したときのタイヤ10を示している。リム30は標準リムとされている。なお、ここでいう「標準リム」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2015年度版規定のリムを指す。また、上記標準空気圧とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2015年度版の最大負荷能力に対応する空気圧である。
 なお、以下の説明において、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(すなわち、最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(すなわち、最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)のことである。規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book ”で、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”で、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book”にて規定されている。
 図1,図2に示されるように、タイヤ10は、一対のビード部12間に跨るカーカス14と、タイヤサイド部22に設けられ、カーカス14の内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴム24と、カーカス14のタイヤ径方向外側に設けられたベルト層16と、を備えている。なお、図1,図2では、片側のビード部12のみが図示されている。
 ベルト層16のタイヤ径方向外側には、補強コード層18が設けられている。補強コード層18よりもタイヤ径方向外側には、タイヤ10の外周部を構成するトレッド20が設けられている。タイヤサイド部22は、ビード部12側のサイドウォール下部22Aと、トレッド20側のサイドウォール上部22Bとで構成され、ビード部12とトレッド20とを連結している。
 タイヤ10のタイヤ断面高さ(すなわち、セクションハイト)SHは、145mm以上500mm以下に設定されている。このタイヤ断面高さSHは、250mm以下とされていることが更に好適である。なお、ここでいう「タイヤ断面高さSH」とは、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるタイヤ外径とリム径D2との差の1/2の長さを指す。更に、「タイヤ外径」はトレッド20の踏面のタイヤ赤道面CL上での点P(図2参照)から、タイヤ軸に対して線対称に配置される同様の点Pまでの距離であり、「リム径」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2015年度版規定のリム径である。
 また、タイヤ10のタイヤサイズは、例えば235/65R17であるが、これに限られず、例えば245/60R18、255/65R18、235/65R18、215/70R16等としてもよい。
(ビード部)
 図2に示されるように、一対のビード部12には、ビードコア26がそれぞれ埋設されている。これらのビードコア26には、カーカス14が跨っている。ビードコア26は、断面が円形や多角形状など、空気入りタイヤにおけるさまざまな構造を採用することができる。多角形としては例えば六角形を採用することができる。
 ビード部12のカーカス14で囲まれた領域には、ビードコア26からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラー28が埋設されている。このビードフィラー28は、タイヤ径方向外側に向けて厚みが減少している。
 なお、ビードフィラー28を設けない構造とすることもできる。また、ビード部12には補強等を目的としてゴム層・コード層等を更に設けてもよく、このような追加部材はカーカス14やビードフィラー28に対してさまざまな位置に設けることができる。
 タイヤ周方向に沿った方向から見て、リム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2よりも大きく形成されている。このビード間隔WB1とビード間隔WB2の差をタイヤ断面高さSHで除した値は、0.06よりも大きく、2.00よりも小さい。つまり、次の(1)式を満たす。
 0.06<(WB1-WB2)/SH<2.00             (1)
 なお、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2は、タイヤ10をリム組みし、標準空気圧を充填した状態で、リムフランジ部30Fにおいてタイヤ径方向に延びる直線部分(すなわち、タイヤ幅方向と垂直な直線部分)の中間点をBEとしたときに、タイヤ赤道面CLを挟んで対向する中間点BE間距離であり、標準リム幅RWと略一致する。ここで、リムフランジ部30Fは、図2において、フランジ径D1で示される部分とリム径D2で示される部分の間の、タイヤ径方向の幅がD3で示される部分である。
 また、タイヤ10のリム組み前において中間点BEに相当する点が位置する場所を点BE1としたときに、リム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、タイヤ赤道面CLを挟んで対向する点BE1間距離である。
 さらに、WB1はWB2の105%以上270%未満とされている。すなわち、(2)式を満たす。
 1.05WB2≦WB1<2.70WB2                (2)
なお、本実施形態においては(1)式及び(2)式が何れも成り立つ構成とされている。具体的には、WB1=218mm、WB2=178、SH=152.4とされ、0.06<(WB1-WB2)/SH=0.26<2.00であり(1)式が成り立つ。また、1.05WB2=186.9≦WB1=218<2.70WB2=480.6であり(2)式が成り立つ。
 本実施形態においては、上述した通り、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2は、標準リム幅RWと略一致する。よって、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、標準リム幅RWよりも大きく形成されている。
 なお、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、タイヤ成形後、タイヤ軸方向が鉛直方向となる状態で標準状態下(すなわち、標準温度23±2℃、標準湿度50±10%、標準空気圧86~106kPa)に平置きされた状態で、3日間以上放置した状態で測定される。
(カーカス)
 カーカス14は、2枚のカーカスプライ14A、14Bによって構成されている。カーカスプライ14Aは、タイヤ赤道面CLにおいてタイヤ径方向外側に配置されるカーカスプライであり、カーカスプライ14Bは、タイヤ径方向内側に配置されるカーカスプライである。カーカスプライ14A、14Bは、それぞれ複数本のコードを被覆ゴムで被覆して形成されている。
 このようにして形成されたカーカス14が、一方のビードコア26から他方のビードコア26へトロイド状に延びてタイヤの骨格を構成している。また、カーカス14の端部側は、ビードコア26に係止されている。具体的には、カーカス14は、端部側がビードコア26周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されて係止されている。また、カーカス14の折り返された端部(端部14AE、14BE)は、タイヤサイド部22に配置されている。カーカスプライ14Aの端部14AEは、カーカスプライ14Bの端部14BEよりもタイヤ径方向内側に配置されている。
 なお、本実施形態では、カーカス14の端部をタイヤサイド部22に配置する構成としているが、本開示はこの構成に限定されず、例えばカーカス14の端部をトレッド20に配置する構成としてもよい。また、カーカス14の端部側を折り返さず、複数のビードコア26で挟み込んだり、ビードコア26に巻き付けた構造を採用したりすることもできる。
 なお、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態においてカーカス14の幅が最大となるタイヤ径方向位置(基準点O)は、ビード部12寄りに形成してもよいし、トレッド20寄りに形成してもよい。例えば、カーカス14の幅が最大となるタイヤ径方向位置は、図2に示すビードベース部12Bからタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さSH対比で50%~90%の範囲に設けることができる。なお、ビードベース部12Bは、リム径D2の位置に対応している。
 なお、本実施形態においてカーカス14はラジアルカーカスとされている。また、カーカス14の材質は特に限定されず、レーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。なお、軽量化の点からは、有機繊維コードが好ましい。また、カーカスの打ち込み数は20~60本/50mmの範囲とされているが、この範囲に限定されるのもではない。
(ベルト層)
 カーカス14のタイヤ径方向外側には、ベルト層16が配設されている。このベルト層16は、2枚のベルトプライ16A、16Bによって構成されている。ベルトプライ16Aは、ベルト層16においてタイヤ径方向外側に配置されている。ベルトプライ16Bは、ベルトプライ16Aのタイヤ径方向内側に配置されている。このベルトプライ16A、16Bはそれぞれ、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。ベルトプライ16A、16Bを構成するコードは、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びている。コードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対して10°以上とすることが好ましい。なお、ベルトプライ16Aは、タイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)がベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)よりも狭く(短く)されている。
 なお、最も幅の大きい最大幅傾斜ベルト層、すなわちベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)をBWとした場合、BWは、トレッド幅TWの90%以上115%以下であるが、100%以上105%以下とするのが更に好ましい。
 なお、ベルト層16は1層のみの構成とすることもできる。但し、狭幅大径サイズの乗用車用ラジアルタイヤにおいては、傾斜ベルト層が1層のみの場合、旋回時の接地面形状がゆがみやすいため、2層以上の互いのコードが交錯する方向に延在する傾斜ベルト層とすることが好ましい。乗用車用空気入りラジアルタイヤとしては、2層のベルト層が交錯層を形成する構成が好適である。
 なお、ベルトプライ16A、16Bのコードとして金属コードを用いる場合は、スチールコードを用いるのが最も一般的である。スチールコードはスチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。
 また、コードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコードを用いることができる。撚り構造も種々の設計が採用可能であり、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接するフィラメント同士の距離も様々なものが使用できる。更には異なる材質のフィラメントを縒り合せたコードを採用することもで、断面構造としても特に限定されず、単撚り、層撚り、複撚りなど様々な撚り構造を取ることができる。
(補強コード層)
 ベルト層16のタイヤ径方向外側には、補強コード層18が設けられている。この補強コード層18は、2枚の補強プライ18A、18Bによって構成されている。補強プライ18Aは、補強コード層18においてタイヤ径方向外側に配置されている。補強プライ18Bは、補強プライ18Aのタイヤ径方向内側に配置されている。補強プライ18Aは、補強プライ18Bよりもタイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)が小さく形成され、ベルト層16の全体を覆っている。また、この補強プライ18A、18Bはそれぞれ、タイヤ周方向に対して角度がほぼ平行なコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を複数本平行に並べて形成されている。なお、補強プライ18Aは、補強プライ18Bよりもタイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)が大きく形成されていてもよい。何れの場合においても、トレッド20端部の剛性変化がなだらかになり、局所的な破壊が抑制される。
 なお、補強コード層18には、破断強度を高めるために波状のコードを用いてもよい。同様に破断強度を高めるために、ハイエロンゲーションコード(例えば破断時の伸びが4.5~5.5%)を用いてもよい。
 また、本実施形態では、一例として、補強コード層18を構成するコードとしてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いているが、このコードは種々の材質が採用可能であり、例えばレーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。なお、軽量化の点からは、有機繊維コードが特に好ましい。
 また、コードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを縒り合せたコード、更には異なる材質のフィラメントを縒り合せたハイブリッドコードを採用することもできる。コードの打ち込み数は20~60本/50mmの範囲とされているが、この範囲に限定されるものではない。
 また、補強コード層18は、タイヤ10の仕様に応じて、タイヤ幅方向に剛性・材質・層数・打ち込み密度等の分布を持たせることもでき、例えば本実施形態では、補強プライ18A、18Bのタイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)を略同一としているが、本開示はこの構成に限定されず、例えば補強プライ18Aを、補強プライ18Bよりも狭く(すなわち、短く)あるいは広く(すなわち、長く)してもよい。また、タイヤ幅方向端部のみ層数を増やすこともでき、一方でセンター部のみ層数を増やすこともできる。更に、補強コード層18を省略してもよい。
 また、補強コード層18は、ベルト層16よりも幅広または幅狭に設計することもできる。例えば、補強コード層18の幅を、ベルト層16のうち幅の最も大きい最大幅傾斜ベルト層(本実施形態ではベルトプライ16B)の幅Bの90%~110%とすることができる。なお、補強コード層18を、ベルト層16のタイヤ幅方向の両端部(すなわち、トレッド20のショルダー部に対応する部位)のみに設けてもよい。
(トレッド)
 ベルト層16及び補強コード層18のタイヤ径方向外側には、トレッド20が設けられている。トレッド20は、走行中に路面に接地する部位であり、トレッド20の踏面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝51a,51bが複数本形成されている。また、トレッド20には、周方向溝51a,51bを連通し、タイヤ幅方向に延びる図示しない幅方向溝が複数形成されている。周方向溝51a,51b及び幅方向溝の形状や本数は、タイヤ10に要求される排水性や操縦安定性等の性能に応じて適宜設定される。このため、幅方向溝はサイプやリブ状陸部内で終端する横溝とすることもできるし、これらを組み合わせて構成することもできる。
 また、本実施形態においては、タイヤ赤道面CLを境とした車両装着方向内側と車両装着方向外側のタイヤ半部においてネガティブ率は同一とされているが、本開示の実施形態はこれに限られない。例えば装着方向指定のタイヤの場合には、タイヤ赤道面CLを境とした車両装着方向内側と車両装着方向外側のタイヤ半部で、ネガティブ率に差を設けてもよい。
 また、リブ状陸部のうち、タイヤ幅方向最外側の周方向溝51aとトレッド20のタイヤ幅方向端部(すなわち、踏面外端部20E)により区分されるショルダーリブ状陸部に関しては、さまざまな構成を採用することができる。例えば、車両装着方向が指定されるタイヤおいて、装着方向外側と内側におけるショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向長さを変えることもできる。なお、操縦安定性を考慮した場合には装着方向外側のショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向長さを装着方向内側のショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向長さよりも大きくすることが好ましい。
 また、タイヤ10では、トレッド20のタイヤ幅方向外側の踏面外端部20Eと、トレッド20の踏面のタイヤ赤道面CL上での点Pとのタイヤ径方向の距離を落ち高THとしたときに、落ち高THをトレッド幅TWの4.5%以下になるように設定することが好ましい。TH/TWをこの範囲とすることにより、タイヤのクラウン部がフラット化(すなわち、平坦化)し、接地面積が増大して、路面からの入力(すなわち、圧力)を緩和して、タイヤ径方向のたわみ率を低減し、タイヤの耐久性及び耐磨耗性を向上させることができる。
 なお、本実施形態においてトレッド20に用いられるトレッドゴムは単層構成とされているが、本開示の実施形態はこれに限られない。例えばトレッドゴムはタイヤ径方向に異なる複数のゴム層で形成されていても良い。この複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ径方向の厚みの比率は、タイヤ幅方向に変化していてもよく、また周方向溝底のみ等をその周辺と異なるゴム層とすることもできる。
 更に、トレッドゴムはタイヤ幅方向に異なる複数のゴム層で形成されていても良い。この複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ幅方向の長さの比率は、タイヤ径方向に変化していてもよく、また周方向溝近傍のみ、トレッド端近傍のみ、ショルダー陸部のみ、センター陸部のみといった限定された一部の領域のみをその周囲とは異なるゴム層とすることもできる。
(トレッドパターン)
 図3には、トレッド20の踏面の構成が部分展開図として示されている。タイヤ10は、車両に対して装着する方向が指定されている、いわゆる装着方向指定パターンであり、図3では車両装着外側を矢印OUT、車両装着内側を矢印INで示している。
 タイヤ10においては、タイヤ赤道面CLを境とする一対のトレッド半幅領域のうち、少なくとも一方のトレッド半幅領域の踏面、図示する例では車両装着外側のトレッド半幅領域の踏面に、タイヤ周方向に延びる最外側周方向溝51a(以下の記載では単に周方向溝51aと記載することがある)、周方向溝51bと、タイヤ周方向に延びるショルダー部周方向サイプ52a、内側周方向サイプ52bと、が設けられている。
 ショルダー部周方向サイプ52aは、トレッド接地端TEと最外側周方向溝51aとにより区画されたショルダー陸部53aに配置され、内側周方向サイプ52bは、最外側周方向溝51aのタイヤ幅方向内側に隣接する内側陸部53bに配置されている。なお、本実施形態においてサイプとは、接地した際に閉じることが可能な幅を有する細い溝を意味し、例えば幅2mm以下である。
 このように、本実施形態においては、ショルダー陸部53aと内側陸部53bとにそれぞれ周方向サイプを設けることで、タイヤ幅方向の入力に対するエッジ効果が高められ、雪上旋回性能の向上が図られている。
 また、本実施形態においては、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ幅が、内側周方向サイプ52bよりも大きく、かつ、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ深さが、内側周方向サイプ52bよりも小さく形成されている。すなわち、図2に示されるように、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ幅をws、サイプ深さをds、内側周方向サイプ52bのサイプ幅をwi、サイプ深さをdiとしたとき、ws>wi、かつ、ds<diが成り立っている。
 なお、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ幅wsと内側周方向サイプ52bのサイプ幅wiは、1.7<ws/wi<2.1を満足することが好ましく、ショルダー部周方向サイプ52aのサイプ深さdsと内側周方向サイプ52bのサイプ深さdiは、1.6<di/ds<1.9を満足することが好ましい。サイプ幅およびサイプ深さの比をこの範囲とすることで、雪上性能と摩耗性能とをバランスよく得ることができる。
 また、図3で図示するパターンにおいては、トレッド20にタイヤ周方向に延びる4本の周方向溝51a~51dが配設されており、これら4本の周方向溝51a~51d及びトレッド接地端TEにより区画されて、5つの陸部53a~53eが設けられている。図示するパターンにおいて、タイヤ赤道面CL上には、周方向溝は存在しない。周方向溝51bからは、タイヤ幅方向両側に、ラグ溝54a、54bが延びており、周方向溝51cからは、タイヤ幅方向両側に、ラグ溝54c、54dが延びており、ラグ溝54dは、最外側周方向溝51dに連通している。更に、最外側周方向溝51aからは、タイヤ幅方向外側に、横溝55aが延びており、最外側周方向溝51dからは、タイヤ幅方向外側に、横溝55bが延びている。なお、符号56a~56eは、各周方向溝に連通して配置されたサイプを示す。
 また、図2に示すように、タイヤ幅方向断面において、サイド補強ゴム24の上端部24Bは、ショルダー部周方向サイプ52aよりもタイヤ幅方向内側に位置している。サイド補強ゴム24とショルダー陸部53aとがタイヤ幅方向に重複する領域において、特に接地圧が大きくなりやすいことから、この領域にショルダー部周方向サイプ52aを設けることで、エッジ効果をより大きく得ることができる。
 また、図2に示すように、タイヤ幅方向断面において、サイド補強ゴム24の上端部24Bは、最外側周方向溝51aよりもタイヤ幅方向外側に位置している。すなわち、サイド補強ゴム24が最外側周方向溝51aの溝底のタイヤ径方向内側に存在しないものとすることで、ランフラット走行時に最外側周方向溝の溝底を起点としてトレッドがタイヤ幅方向断面内に折れ曲がったとしても、このトレッドの折れ曲がりに伴う入力がサイド補強ゴム24に作用することを抑制できる。これにより、ランフラット走行時におけるサイド補強ゴム24の耐久性を向上する。
(タイヤサイド部)
 タイヤサイド部22は、タイヤ径方向に延びてビード部12とトレッド20とをつなぎ、ランフラット走行時にタイヤ10に作用する荷重を負担できるように構成されている。タイヤサイド部22のタイヤ幅方向両端部22Cは、ビードベース部12Bからタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さSH対比で50%~90%の範囲に設けることができる。
 なお、タイヤサイド部22には乱流発生用突起(図示せず)を設けることもできる。この場合、乱流発生用突起によって発生した乱流により、タイヤサイド部22が冷却されるため、ランフラット走行性能を更に向上させることができる。乱流発生用突起はタイヤサイド部22のうち、タイヤ外表面、タイヤ内表面の何れかに設けることもできる。また、装着方向指定のタイヤの場合に、一対のタイヤサイド部22のうち、片側のタイヤサイド部22にのみ乱流発生用突起を設けることも可能である。更に、タイヤサイド部22にディンプル(図示せず)を設けて、表面積を増やして放熱を高めることにより、ランフラット走行性能を更に向上させることもできる。
(サイド補強ゴム)
 タイヤサイド部22におけるカーカス14のタイヤ幅方向内側には、該タイヤサイド部22を補強するサイド補強ゴム24が設けられている。サイド補強ゴム24は、パンクなどでタイヤ10の内圧が減少した場合に、車両及び乗員の重量を支えた状態で所定の距離を走行させるための補強ゴムである。
 本実施形態では、サイド補強ゴム24を1種類のゴム材で形成しているが、本開示の実施形態はこれに限られず、複数のゴム材で形成してもよい。このサイド補強ゴム24は、ゴム材が主成分であれば、他にフィラー、短繊維、樹脂等の材料を含んでもよい。更に、ランフラット走行時の耐久力を高めるため、サイド補強ゴム24を構成するゴム材として、硬さが70~85のゴム材を含んでもよい。ここでいうゴムの硬さとは、JIS K6253(タイプAデュロメータ)で規定される硬さを指す。更に、粘弾性スペクトロメータ(例えば、東洋精機製作所製スペクトロメータ)を用いて周波数20Hz、初期歪み10%、動歪み±2%、温度60℃の条件で測定した損失係数tanδが0.10以下の物性を有するゴム材を含んでもよい。
 また、本実施形態では、本開示のサイド補強層の一例として、ゴムを主成分とするサイド補強ゴム24を用いているが、これに限らず、ゴム様の弾性を有する他の材料(例えば、熱可塑性樹脂等)を主成分とするサイド補強層を用いてもよい。
 サイド補強ゴム24は、カーカス14の内面に沿ってビード部12側からトレッド20側へタイヤ径方向に延びている。また、サイド補強ゴム24は、中央部分からビード部12側及びトレッド20側に向かうにつれて厚みが減少する形状、例えば、略三日月形状とされている。なお、ここでいうサイド補強ゴム24の厚みとは、カーカス14の法線に沿った長さを指す。
 タイヤ10において、リム30に組み付け、標準空気圧を付与し、無負荷の状態において、タイヤ最大幅位置(すなわち、タイヤサイド部22のタイヤ幅方向両端部22C)からタイヤ幅方向に沿って引いた直線WLとカーカス14とが交差する基準点Oから、ベルト層16のタイヤ幅方向端までの、カーカス14に沿った長さをHとする。この場合において、サイド補強ゴム24の厚みが最大となる位置は、基準点Oからカーカス14に沿って0.1H~0.7Hの範囲(すなわち、領域A)に配置されている。
 サイド補強ゴム24のビード部12側の下端部24Aは、カーカス14を挟んでビードフィラー28とタイヤ幅方向から見て重なっている。サイド補強ゴム24のトレッド20側の上端部24Bは、ベルト層16とタイヤ径方向に重なる位置まで延びている。具体的には、サイド補強ゴム24の上端部24Bは、カーカス14を挟んでベルトプライ16Bと重なっている。換言すれば、サイド補強ゴム24の上端部24Bは、ベルトプライ16Bの端部16BEよりもタイヤ幅方向内側に位置している。なお、ベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(すなわち、長さ)をBWとした場合、サイド補強ゴム24の上端部24Bがベルトプライ16Bと重なっている重なり幅は、一方のタイヤ幅方向の端部側で0.15BW以上とされている。
 タイヤ最大幅位置でのサイド補強ゴム24のゲージをGとし、ベルト層16のタイヤ幅方向端(すなわち、ベルトプライ16Bの端部16BE)の位置におけるカーカス14に対する法線方向でのサイド補強ゴム24のゲージをG1とすると、G1≦0.8Gである。
 ここで、G1>0.8Gであると、ベルト層16のタイヤ幅方向端の位置におけるサイド補強ゴム24の耐久性の低下を招く。
 基準点Oから、ビード部12に設けられたビードコア26までのカーカス14に沿った長さをBとして、基準点Oから0.2Bの位置でのカーカス14に対する法線方向でのサイド補強ゴム24のゲージをG2とすると、0.5G≦G2≦0.9Gである。
 なお、この範囲の下限を下回ると、カーカス14に沿ってビードコアからタイヤ径方向外側に延びるビードフィラーの端部での故障が懸念される。この範囲の上限を上回ると、縦剛性が増加して乗り心地が悪化する。「ビードコア26まで」とは、ビードコア26の中心までを意味する。
 タイヤ10の内面には、一方のビード部12から他方のビード部12に亘ってインナーライナー25が配設されている。本実施形態では、一例として、ブチルゴムを主成分とするインナーライナー25を配設しているが、これに限らず、他のゴム材や、樹脂を主成分とするフィルム層のインナーライナー25を配設してもよい。なお、タイヤ10の内面のうち、少なくともタイヤサイド部22の内側は、サイド補強ゴム24により、空気透過性が低く形成されているため、インナーライナー25を設けないこともできる。
 更に、タイヤ10の内面には、空洞共鳴音を低減するために、多孔質部材を配置したり、静電植毛加工を行ったりすることもできる。また、タイヤ10の内面には、パンク時の空気の漏れを防ぐためのシーラント部材を備えることもできる。
 なお、本実施形態では、タイヤ断面高さSHが高いタイヤ10を対象としているため、リムガード(すなわち、リムプロテクション)を設けていないが、これに限定されず、リムガードを設けてもよい。
(作用・効果)
 次に、本実施形態のタイヤ10の作用及び効果について説明する。タイヤ10の空気圧が無い、あるいは低いランフラット時における「縦たわみ/タイヤ断面高さ」を「たわみ率」とすると、このたわみ率は、ランフラット耐久性との相関性が高い。
 このタイヤ10では、タイヤ断面高さSHが145mm以上であり、比較的タイヤサイズが大きい。このようにタイヤ断面高さSHの高いタイヤにおいて、縦たわみの絶対値が小さい領域(すなわち、通常内圧時)でのタイヤ10の縦剛性に対して、サイド補強ゴム24のタイヤ最大幅位置(すなわち、タイヤサイド部22のタイヤ幅方向両端部22C)近傍が大きく寄与する。したがって、サイド補強ゴム24の厚みが最大となる位置を、基準点Oからカーカス14に沿って0.1H~0.7Hの範囲に配置して、サイド補強ゴム24のタイヤ最大幅位置の厚みを抑制することで、タイヤ10の通常内圧時の縦剛性の増加を抑制し、通常内圧時の乗り心地を維持できる。
 一方、縦たわみの絶対値が大きい領域(すなわち、ランフラット時)では、タイヤ10の縦剛性に対して、サイド補強ゴム24のうちタイヤ最大幅位置からベルト層16のタイヤ幅方向端(すなわち、ベルトプライ16Bの端部16BE)までの間が大きく寄与する。したがって、この部分の厚みを大きくして縦剛性を高めることにより、縦たわみを抑制してたわみ率も抑制し、ランフラット耐久性を高めることが可能となる。
 タイヤ断面高さSHが145mm未満では、145mm以上の場合と比較して、ランフラット耐久性に必要なたわみ率が同じであっても、縦たわみの絶対値が小さくなる。そうすると、縦剛性に対して、通常内圧時及びランフラット時に何れであっても、サイド補強ゴム24のタイヤ最大幅位置近傍の寄与が大きくなる。
 タイヤ10では、サイド補強ゴム24がベルト層16とタイヤ径方向に重なる位置まで延びているので、ベルト層16のタイヤ幅方向端付近、例えば、該タイヤ軸方向端からタイヤ断面高さSHの14%だけタイヤ軸方向内側の位置におけるタイヤ10の曲げ剛性を高めて、リム外れを生じ難くさせることができる。また、ベルト層16のタイヤ幅方向端(すなわち、ベルトプライ16Bの端部16BE)でのサイド補強ゴム24の厚み(すなわち、ゲージG1)を適切に設定することにより、ランフラット耐久性を向上させることができる。
 更に、タイヤ10では、タイヤ最大幅位置(すなわち、タイヤサイド部22のタイヤ幅方向両端部22C)よりビード部12側のサイド補強ゴム24の厚み(すなわち、ゲージG2)を適切に設定することにより、ランフラット耐久性を向上させることができる。
 次に、本実施形態のタイヤ10は、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード部12間距離であるビード間隔WB1(すなわち、図2におけるタイヤ赤道面CLを挟んで対向する点BE1間距離)は、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2(すなわち、中間点BE間距離)よりも大きく形成されている。すなわちタイヤ10は、タイヤ幅方向に変形させてリム30に組み付けられる。このとき、図4に示すように、タイヤサイド部22に圧縮応力が発生する。図4に示したハッチングの濃度は、圧縮応力の大きさを示しており、濃度が高いほど圧縮応力が大きいことを示す。なお、以下の説明では、このように荷重がかかる前に予めタイヤに圧縮力が加えられ、タイヤの内部応力として圧縮応力が発生している状態を指して、「予圧縮がある」と称す。または、「予圧縮されている」等とも称す。
 図4に示すように、タイヤ10をリム30に組み付けた状態では、タイヤサイド部22のトレッド20側のサイドウォール上部22Bに圧縮応力が集中する。具体的には、サイド補強ゴム24の、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H~0.7Hで示される領域A(図2参照)において、圧縮応力が大きい部分が集中している。
 ここで、ランフラット走行時のタイヤの支持荷重Fzは、タイヤ内部の応力σとの関係で、概略が(3)式のように表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 (3)式において(dε/dz)はタイヤの縦たわみ変化あたりの歪み変化を示しており、Vはタイヤの体積を示している。したがって、(3)式の右辺は、タイヤを微小部位ごとに分解し、それぞれの部位について「応力」と「単位縦たわみあたりの歪み変化」と「体積」を掛け合わせ、これらをタイヤ全体について足し合わせた値を示している。なお、縦たわみとは、タイヤに対して縦方向(すなわち、タイヤをリムに組み付けて標準空気圧を充填したときの上下方向)に沿って荷重を加えたときにタイヤが上下方向に沿って変形する変形量のことを示す。
 (3)式に示されるように、タイヤの内部の圧縮応力σの絶対値が大きくなれば、ランフラット走行時の支持荷重Fzは大きくなる。本実施形態のタイヤ10は、リム30に組み付けた状態でタイヤ幅方向に変形させられることにより、サイド補強ゴムに予め圧縮力が加えられ(すなわち、予圧縮され)内部の圧縮応力σの絶対値が大きくなっている。このためランフラット走行時の支持荷重Fzは、支持荷重への寄与が大きいサイド補強ゴムの圧縮応力と圧縮歪みにおいて、予め圧縮力が加えられていない(すなわち、予圧縮がない)タイヤと比較して大きい。
 図5には、予め圧縮力が加えられていない(すなわち、予圧縮がない)タイヤの縦たわみと支持荷重の関係が点線で示されている。また、予め圧縮力が加えられた(すなわち、予圧縮がある)タイヤの縦たわみと支持荷重の関係が、実線で示されている。
 予圧縮がないタイヤと予圧縮があるタイヤとを比較すると、予圧縮があるタイヤが、予圧縮がないタイヤよりも、同じ縦たわみに対する支持荷重が大きい。換言すると、予圧縮がないタイヤと予圧縮があるタイヤとを比較すると、予圧縮があるタイヤが、予圧縮がないタイヤよりも、同じ支持荷重に対する縦たわみが小さい。
 また、本実施形態においては、タイヤ10のタイヤ断面高さSHは145mm以上とされ、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量(WB1-WB2)と、タイヤ断面高さSHとの間に、(1)式が成り立っている。また、リム30に対するタイヤ10の組み付け前のビード間隔WB1とリム30に対するタイヤ10の組み付け後のビード間隔WB2との間に(2)式が成り立っている。
 すなわち、一般的なランフラットラジアルタイヤと比較してタイヤ断面高さSHが大きいランフラットラジアルタイヤであるタイヤ10において、リム30への組み付け前後のタイヤ幅方向への変形量が大きく構成されている。このため、ランフラット走行時の耐久性が特に必要とされるタイヤ断面高さSHが大きいランフラットラジアルタイヤにおいて、ランフラット走行時の耐久性が向上している。
 また、一般的なランフラットラジアルタイヤでは、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量(WB1-WB2)が大きい場合は、リム組みがし難くなる場合があるが、タイヤ10はタイヤ断面高さSHが145mm以上とされているため、比較的変形しやすく、容易にリム組みできる。
 なお、本実施形態においては、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量(WB1-WB2)と、タイヤ断面高さSHとの間に(1)式が成り立ち、WB1とWB2との間に(2)式が成り立っているが、本開示の実施形態はこれに限られない。例えば(1)式、(2)式のうち何れか一方のみが成り立つように構成することもできる。又は、(1)式の左側すなわち以下に示す(4)式のみが成り立つ構成、(2)式の左側すなわち以下に示す(4)式のみが成り立つ構成、(5)式と(4)式が共に成り立つ構成などとすることができる。
(WB1-WB2)/SH>0.06                   (4)
WB1≧1.05WB2                         (5)
 あるいは、(1)式~(5)式の何れも成り立たない場合において、必要とされるランフラット走行時の耐久性に応じて(6)式のみが成り立つように構成することもできる。
0<(WB1-WB2)                         (6)
 このように、タイヤ10を、(6)式が成り立つ構成とすれば、タイヤ10は、タイヤ幅方向に変形させてリム30に組み付けられるので、タイヤサイド部22に圧縮応力が発生し、ランフラット走行時の耐久性が向上する。また、タイヤ10をリム30に組みつけ易くなる。
 なお、タイヤ10を予圧縮してビード間隔を変化させるとタイヤサイド部22の曲率が変化する。この曲率変化量に応じて、タイヤサイド部22に生じる圧縮応力は変化する。曲率変化量は(WB1-WB2)/(SH)に比例するので、タイヤ断面高さSHが大きくなると、曲率変化量が小さくなり圧縮応力も小さくなる(相関関係100)。
 一方で、タイヤ断面高さSHが大きいタイヤはサイド補強ゴム24の厚みが大きくなるので、同じ曲率変化に対して大きな圧縮応力が発生する。すなわちタイヤ断面高さSHが大きくなると、圧縮応力は大きくなる(相関関係200)。
 本実施形態のタイヤ10においては、このタイヤ断面高さSHと圧縮応力に関する相関関係100及び200を考慮して、(1)式、(4)式、(6)式のように、予圧縮効果の指標として(WB1-WB2)/SHや(WB1-WB2)を用いている。
 図6には、タイヤ10をリム30に組み付けた後の、支持荷重の増分の寄与が示されている。図6に示したハッチングの濃度は、支持荷重の増分の大きさを示しており、濃度が高いほど支持荷重の増分が大きいことを示す。タイヤ10をリム30に組み付けた状態では、タイヤサイド部22のトレッド20側のサイドウォール上部22Bで、支持荷重の増分が大きくなっている。具体的には、サイド補強ゴム24の、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H~0.7Hで示される領域A(図2参照)において、支持荷重の増分が大きくなっている。
 また、本実施形態においては、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H[mm]~0.7H[mm]で示される領域Aにおいて、サイド補強ゴム24の厚みが最大となる。すなわち、タイヤ10のサイド補強ゴム24は、予圧縮が与えられることにより支持荷重の増分が大きくされた部位の厚みが大きく形成されている。これにより、支持荷重が大きい部分の体積が大きくなり、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
 なお、サイド補強ゴム24の厚みが最大となる位置は、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.2H[mm]~0.6H[mm]にすることが望ましく、0.3H[mm]~0.5H[mm]にすると更に好適である。
 また、サイド補強ゴム24の厚みが最大となる位置は、タイヤ10の仕様によっては、領域A以外の部分であってもよい。サイド補強ゴム24の厚みが最大となる位置が領域A以外の部分であっても、サイド補強ゴム24は予圧縮されるので、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
 また、タイヤ10は、ベルトプライ16Bとサイド補強ゴム24が、0.15B[mm]以上の幅で重なり合っている。これにより、トレッド20の幅方向端部からサイドウォール上部22Bにかけての剛性が向上しているので、タイヤサイド部22のバックリングを抑制し、リム外れ性を向上できる。
 さらに、サイド補強ゴム24には予め圧縮力が加えられている(すなわち、予圧縮がある)ため、予圧縮がない場合と比較して、荷重がかけられた際のタイヤ10の縦たわみが少ない。このため、ランフラット走行に至る前の通常走行時の転がり抵抗が低下している。また、縦たわみが少ないことにより、ランフラット走行時にサイドゴムの発熱が低減され、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
 図7には、上述したタイヤ10の実施形態と同様に予圧縮された複数のランフラットラジアルタイヤについて、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤと性能を比較したグラフが示されている。図7に示すように、予圧縮されたランフラットラジアルタイヤは、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤと比較して、ランフラット耐久性が、約4%~52%、平均約27%向上している。また、予圧縮されたランフラットラジアルタイヤは、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤと比較して、通常走行時の転がり抵抗が、約2%~5.3%、平均約3.1%低減している。このため、通常走行時の燃費が向上している。このように、本開示の実施形態におけるタイヤ10は、ランフラット走行時の耐久性が向上するとともに、通常走行時の走行性能が向上している。なお、ランフラット走行時の耐久性は、ISO条件に従うランフラット耐久ドラムの走行距離により測定される。また、通常走行時の転がり抵抗は、ISO18164に準拠しスムースドラム、フォース式にて測定される。
[他の実施形態]
 上記実施形態では、タイヤ最大幅位置でのサイド補強ゴム24のゲージGと、ベルト層16のタイヤ幅方向端でのサイド補強ゴム24のゲージG1について、G1≦0.8Gであるものとしたが、ゲージG1の大きさはこれに限られない。
 また、基準点Oからビード部12側に0.2Bの位置でのカーカス14に対する法線方向でのサイド補強ゴム24のゲージG2について、0.5G≦G2≦0.9Gであるものとしたが、ゲージG2の大きさはこれに限られない。
 2016年4月28日に出願された日本国特許出願2016-091477号及び2016年5月27日に出願された日本国特許出願2016-106507号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (6)

  1.  一対のビード部間に跨るカーカスと、
     タイヤサイド部に設けられ、前記カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴムとを備え、
     標準リムに組み付ける前のタイヤ幅方向に沿ったビード間隔が標準リム幅よりも大きく形成され、タイヤ断面高さが145mm以上とされたランフラットラジアルタイヤ。
  2.  前記標準リムに組み付ける前の前記ビード間隔と前記標準リム幅との差を前記タイヤ断面高さで除した値が0.06よりも大きく、2.00よりも小さい、請求項1に記載のランフラットラジアルタイヤ。
  3.  前記標準リムに組み付ける前の前記ビード間隔が前記標準リム幅の105%以上270%未満とされた、請求項1又は請求項2に記載のランフラットラジアルタイヤ。
  4.  前記カーカスのタイヤ径方向外側にベルト層を備え、
     前記標準リムに組み付け、標準空気圧を付与し、無負荷の状態において、タイヤ最大幅位置からタイヤ幅方向に沿って引いた直線と前記カーカスとが交差する基準点から、前記ベルト層の端部までの、前記カーカスに沿った長さをHとした場合、
     前記サイド補強ゴムの厚みが最大となる位置が、前記基準点から前記カーカスに沿って0.1H~0.7Hの範囲に配置されている、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のランフラットラジアルタイヤ。
  5.  前記サイド補強ゴムは、前記ベルト層とタイヤ径方向に重なる位置まで延びており、
     前記タイヤ最大幅位置での前記サイド補強ゴムのゲージをGとし、前記ベルト層のタイヤ幅方向端の位置における前記カーカスに対する法線方向での前記サイド補強ゴムのゲージをG1とすると、G1≦0.8Gである請求項4に記載のランフラットラジアルタイヤ。
  6.  前記基準点から、前記ビード部に設けられたビードコアまでの前記カーカスに沿った長さをBとして、前記基準点から0.2Bの位置での前記カーカスに対する法線方向での前記サイド補強ゴムのゲージをG2とすると、0.5G≦G2≦0.9Gである請求項4又は請求項5に記載のランフラットラジアルタイヤ。
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