〔第1の実施形態〕
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、住宅が平屋建てとされており、その住宅が複数の建物ユニットが互いに組み合わされて構築されるユニット式住宅となっている。図1は、その住宅の外観を示す外観図である。図2は、住宅の間取りを示す平面図である。
図1及び図2に示すように、敷地11内には住宅10が設けられている。住宅10は、基礎12上に設けられた建物本体13と、その建物本体13の上方に配設された屋根部14とを備える。建物本体13は、水平方向に並設された複数の建物ユニット20により構成されている。なお、建物本体13が建物本体部に相当する。また、図2では便宜上、各建物ユニット20の4隅に配置される柱21のみを図示している。
図3は、建物ユニット20の構成を示す斜視図である。同図3に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備える。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。
図1及び図2の説明に戻り、建物本体13は、平面視にて略H字状をなしており、その外周部には外壁部16が設けられている。建物本体13は、大きく分けて3つの建物部31〜33を有する。これら各建物部31〜33のうち、第1建物部31と第2建物部32とはいずれも同じ方向(東西方向)に延びており、その平面視短手方向(南北方向)に互いに離間して配置されている。
第3建物部33は、第1建物部31と第2建物部32との間に配置され、それら各建物部31,32を互いに連結している。第3建物部33は、各建物部31,32の長手方向における長さが各建物部31,32よりも短くなっており、上記長手方向において各建物部31,32の中間部詳しくは中央部に位置している。
第1建物部31は、その長手方向における両側にそれぞれ第3建物部33よりも張り出した一対の張出部31a,31bを有している。また、第2建物部32は、その長手方向における両側にそれぞれ第3建物部33よりも張り出した一対の張出部32a,32bを有している。この場合、各建物部31,32の張出部31a,32aが互いに対向しており、各建物部31,32の張出部31b,32bが互いに対向している。なお、本実施形態では、第1建物部31及び第2建物部32のうち、第1建物部31が北側、第2建物部32が南側に位置している。また、これら各建物部31,32の張出部31a,32aが西側に位置し、張出部31b,32bが東側に位置している。
各建物部31,32の張出部31a,32aの間には凹状部35が形成されている。凹状部35は、建物本体13の西面13aにて開口し当該西面13aよりも屋内側に向けて袋状に凹んでいる。また、各建物部31,32の張出部31b,32bの間には凹状部36が形成されている。凹状部36は、建物本体13の東面13bにて開口し当該東面13bよりも屋内側に向けて袋状に凹んでいる。なお、これら各凹状部35,36のうち、凹状部35が、特許請求の範囲に記載された「凹状部」に相当する。また、建物本体13の西面13aが「建物本体部における所定の側面」に相当する。
屋根部14は、切り妻式の屋根となっている。屋根部14は、建物本体13に合わせて、平面視にて略H字状に形成されている。詳しくは、屋根部14は、平面視において建物本体13よりも一周り大きい略H字状をなしている。屋根部14において外壁部16よりも屋外側に張り出した部分は軒部18となっている。軒部18は、外壁部16の全域に亘って連続して形成されている。なお、図2では便宜上、屋根部14の外縁つまり軒部18の軒先を仮想線(二点鎖線)で示している。
住宅10(詳しくは建物本体13)には、外壁部16により囲まれた内側に複数の屋内空間が設けられている。屋内空間としては、玄関41と、リビング42と、ダイニングキッチン43と、和室44と、寝室45と、脱衣室46と、浴室47と、トイレ48と、廊下49とが設けられている。
玄関41は、第2建物部32の張出部32bに設けられている。玄関41には、玄関口51が設けられ、その玄関口51は住宅10の南面にて開口している。したがって、本住宅10では、住宅10の南面が住宅正面となっている。なお、住宅10の正面側(南面側)には、敷地11に隣接して道路Rが設けられ、敷地11内には、その道路Rから玄関41へ延びるアプローチ53が設けられている。また、張出部32bには、玄関41に加え、和室44が設けられ、その和室44と玄関41とが廊下54を介して通じている。
リビング42は、第2建物部32の張出部32aに設けられている。また、ダイニングキッチン43は、第2建物部32と第3建物部33とに跨がって設けられている。ダイニングキッチン43は、ダイニング空間43aとキッチン空間43bとを有し、それら各空間43a,43bが互いに連続した連続空間となっている。ダイニング空間43aは第2建物部32に設けられ、キッチン空間43bは第3建物部33に設けられている。この場合、ダイニング空間43aはリビング42の東側に隣接しており、そのリビング42とダイニング空間43a(ひいてはダイニングキッチン43)とは互いに連続した連続空間となっている。
寝室45は、第1建物部31の張出部31bに設けられている。また、脱衣室46と浴室47とは、第1建物部31の張出部31aに設けられている。脱衣室46は、洗濯機が設けられたランドリースペースとしても利用されている。また、寝室45と脱衣室46とは廊下49を介して通じており、その廊下49の南側にはキッチン空間43bが隣接している。
住宅10には、上述した各屋内空間41〜49に加えて、外壁部16の屋外側に隣接してテラス空間56,57が設けられている。これらのテラス空間56,57はいずれも屋外にデッキ56a,57aが敷設されることにより形成された床上空間となっている。このため、各テラス空間56,57では、その床面が地上面よりも高い位置に設定されている。また、各テラス空間56,57の床面は、屋内空間41〜49の床面と略同じ高さ位置に設定されている。なお、屋外に敷設される床部としてはデッキ以外に、タイルやコンクリート床等を用いてもよい。
各テラス空間56,57のうち、テラス空間56は、建物本体13の凹状部36に形成されている。テラス空間56は、張出部31b内の寝室45と外壁部16を隔てて隣接しており、その外壁部16には寝室45からテラス空間56へ出入りするための出入口58が形成されている。また、テラス空間56は、張出部32b内の廊下54と外壁部16を隔てて隣接しており、その外壁部16には廊下54からテラス空間56へ出入りするための出入口59が形成されている。
続いて、テラス空間57周辺の構成について図4に基づいて説明する。図4は、テラス空間57周辺を拡大して示す平面図である。なお、テラス空間57が「半屋外空間」に相当する。
図4に示すように、外壁部16には、建物本体13の西面13aを形成する外壁部16aと、建物本体13の南面13cを形成する外壁部16bとが含まれている。これら各外壁部16a,16bは平面視にてL字状をなすよう配置され、それら各外壁部16a,16bにより当該外壁部16の出隅61が形成されている。なお、この場合、外壁部16aが第1外壁部に相当し、外壁部16bが第2外壁部に相当する。
外壁部16aは、凹状部35を挟んだ両側に配置された一対の外壁部分62,63を有している。これら各外壁部分62,63のうち、外壁部分62が第1建物部31の張出部31aに設けられ、外壁部分63が第2建物部32の張出部32aに設けられている。各外壁部分62,63は、壁幅方向に並んで配置され、互いの外壁面が同一平面上に位置している。また、各外壁部分62,63のうち、外壁部分63が外壁部16bとともに出隅61を形成している。なお、本実施形態では、各外壁部分62,63の壁幅がいずれも同じとされている。
外壁部16には、上記各外壁部分62,63を繋ぐ外壁部16cがさらに含まれている。この外壁部16cは、平面視にて凹状部35をコ字状に囲むようにして形成されている。
テラス空間57は、建物本体13の西側と南側とに跨がって形成されている。テラス空間57は、建物本体13の西側において外壁部16aの各外壁部分62,63と外壁部16cとに跨がって形成されている。この場合、テラス空間57は、その一部が凹状部35に入り込んだ入り込み空間64となっている。この入り込み空間64では、その3方が外壁部16cにより囲まれている。また、テラス空間57は、建物本体13の南側において外壁部16bに隣接し、リビング42とダイニングキッチン43(ダイニング空間43a)とに跨がって設けられている。
テラス空間57は、外壁部16aの外壁部分62を隔てて脱衣室46と隣接している。外壁部分62には、脱衣室46からテラス空間57への出入りを可能とする出入口66が設けられ、この出入口66には出入口扉67が設けられている。
テラス空間57において入り込み空間64は、外壁部16cを隔てて脱衣室46及び廊下49にそれぞれ隣接している。また、入り込み空間64は、外壁部16cを隔ててダイニングキッチン43(キッチン空間43b)と隣接している。外壁部16cには、ダイニングキッチン43から入り込み空間64への出入りを可能とする出入口73が設けられ、その出入口73にはガラス戸74が設けられている。
テラス空間57は、外壁部16a〜16cを隔ててリビング42と隣接している。この場合、リビング42は、その3方が各外壁部16a〜16cにより囲まれている。各外壁部16a〜16cにはそれぞれテラス空間57とリビング42とを連通する窓部76〜78が設けられている。これら各窓部76〜78のうち、窓部76は外壁部16a(詳しくは外壁部分63)に設けられ、窓部77は外壁部16bに設けられ、窓部78は外壁部16cに設けられている。これら各窓部76〜78のうち、窓部76には窓ガラス81が嵌め込まれており、窓部77,78にはガラス戸82,83が設けられている。このように、リビング42では、その3面に窓部76〜78が設けられ、それら各窓部76〜78からそれぞれテラス空間57を見通すことが可能となっている。また、各窓部76〜78のうち、窓部77,78はいわゆる掃き出し窓とされ、その窓部77,78を介してリビング42からテラス空間57への出入りが可能となっている。したがって、以下においては、これらの窓部77,78を出入口77,78ともいう。
テラス空間57は、外壁部16bを隔ててダイニングキッチン43(ダイニング空間43a)と隣接している。外壁部16bには、ダイニングキッチン43からテラス空間57への出入りを可能とする出入口85が設けられ、その出入口85にはガラス戸86が設けられている。
外壁部16aの屋外側には、その外壁部16aと離間しかつ対向する対向壁部88が設けられている。以下、この対向壁部88について図4に加え図5を用いて説明する。図5は、テラス空間57の外観を示す外観図である。
図4及び図5に示すように、対向壁部88は、その壁幅方向に所定の間隔をおいて複数(具体的には2つ)配置されている。これら各対向壁部88のうち、一方の対向壁部88(以下、この符号にaを付す)は外壁部16aの外壁部分62と対向して設けられ、他方の対向壁部88(以下、この符号にbを付す)は外壁部分63と対向して設けられている。
対向壁部88aは、その壁幅(壁幅方向の長さ)が外壁部分62の壁幅と同じとなっており、壁幅方向において外壁部分62と同じ位置に配置されている。詳しくは、対向壁部88aの壁幅は、対向壁部88aと外壁部分62との間の間隔よりも大きくされており、より詳しくは当該間隔の2倍以上とされている。
これと同様に、対向壁部88bも、その壁幅が外壁部分63の壁幅と同じとされ、壁幅方向において外壁部分63と同じ位置に配置されている。詳しくは、対向壁部88bの壁幅は、対向壁部88bと外壁部分63との間の間隔よりも大きくされ、より詳しくは当該間隔の2倍以上とされている。なお、本実施形態では、各対向壁部88a,88bがいずれも同じ壁幅とされ、かつその厚みが同じとされている。
各対向壁部88a,88bの間には、壁間開口部89が形成されている。この壁間開口部89は、その開口幅、つまり対向壁部88a,88bの壁幅方向における長さが凹状部35(換言すると入り込み空間64)の同方向の長さと同じとされている。この場合、壁間開口部89は、上記壁幅方向において凹状部35と同じ位置に設定されている。
各対向壁部88a,88bはいずれもテラス空間57の周縁部に沿って立設されている。各対向壁部88a,88bは屋根部14の軒部18の下方に配置され、上端部が軒部18と接続されている。これにより、各対向壁部88a,88bはいずれも屋根部14と一体とされている。また、この場合、軒部18が各対向壁部88a,88bにより下方から支持された状態となっている。
テラス空間57は、その一部が軒部18の下方に形成された軒下空間91となっている。以下、この軒下空間91について説明する。
軒下空間91は、各外壁部16a〜16cの屋外側に隣接しており、それら各外壁部16a〜16cに跨がって連続して形成されている。軒下空間91は、外壁部16a(詳しくは両外壁部分62,63)及び外壁部16cに隣接して設けられた第1軒下空間92と、外壁部16bに隣接して設けられた第2軒下空間93とを有している。この場合、第1軒下空間92は、建物本体13の西側に設けられ、第2軒下空間93は、建物本体13の南側に設けられている。
第1軒下空間92は、外壁部16aの外壁部分62と対向壁部88aとの間の空間である第1壁間空間部95と、外壁部16aの外壁部分63と対向壁部88bとの間の空間である第2壁間空間部96と、それら各壁間空間部95,96を繋ぐ繋ぎ空間部97とを有している。図4では便宜上、これら各空間部95〜97の外縁をそれぞれ点線の枠で示している。また、これと同様に、第2軒下空間93の外縁も点線の枠で示している。
第1壁間空間部95は、対向壁部88aの壁幅方向における両側がそれぞれ開口しており、通り抜け可能とされている。これと同様に、第2壁間空間部96も、対向壁部88bの壁幅方向における両側がそれぞれ開口しており、通り抜け可能とされている。繋ぎ空間部97は、外壁部16cに沿った平面視コ字状をなしており、その両端部においてそれぞれ第1壁間空間部95及び第2壁間空間部96と連続している。この場合、繋ぎ空間部97は、その一部が入り込み空間64に含まれている。
第1壁間空間部95と第2壁間空間部96との間には、デッキ57aが設定されていない庭空間99が設けられている。デッキ57aには、各壁間空間部95,96の間において建物本体13側に凹んだ凹部101が形成されている。この凹部101は、屋外側(建物本体13側とは反対側)に向けて開口しており、その凹部101(全域)を利用して庭空間99が形成されている。そして、この庭空間99には、植栽としての樹木Sが植え込まれている。この樹木Sは、第1壁間空間部95と第2壁間空間部96とを互いに仕切るようにして設けられている。
庭空間99についてより詳しくは、庭空間99は、各壁間空間部95,96の並ぶ並び方向(換言すると対向壁部88の壁幅方向)における長さが、各壁間空間部95,96の間の離間距離よりも短くされており、詳しくは当該離間距離の1/3程度とされている。庭空間99は、各壁間空間部95,96の間の略中央部に配置されている。また、庭空間99は、対向壁部88の壁厚み方向における長さが各壁間空間部95,96よりも大きくされている。この場合、庭空間99は、上記壁厚み方向において、各壁間空間部95,96の全域に亘るよう配置されている。
上記のように、第1壁間空間部95と第2壁間空間部96との間に庭空間99が設けられている関係で、繋ぎ空間部97は、庭空間99を迂回するようにして凹状部35に入り込んでいる。この場合、繋ぎ空間部97は、平面視にて庭空間99をコ字状に囲むように形成されている。
また、第1軒下空間92は、各外壁部16a,16bに形成されたすべての出入口66,73,78に隣接している。これにより、第1軒下空間92を通じてそれら各出入口66,73,78にそれぞれ移動することが可能となっている。
第2軒下空間93は、外壁部16bに沿って延びるように形成され、当該外壁部16bに設けられた各出入口77,85にそれぞれ隣接している。第2軒下空間93は、その延びる方向(換言すると、外壁部16bの壁幅方向)において外壁部16aよりも延出しており、その延出した部分が第1軒下空間92の第2壁間空間部96と連続している。これにより、第2壁間空間部96と第2軒下空間93とにより平面視L字状をなすL字空間部98が形成されている。なお、第2壁間空間部96が、特許請求の範囲に記載された「壁間空間部」に相当する。
外壁部16bの第2軒下空間93側(屋外側)には、当該外壁部16bと対向する対向壁部が設けられていない。詳しくは、外壁部16bの壁幅方向における第2軒下空間93の全域において、外壁部16bよりも第2軒下空間93側には壁部が一切設けられていない。このため、第2軒下空間93は、その全域が屋外に向けて開放された開放空間となっている。
ここで、上述した軒下空間91を利用する場合の利用例について説明する。
軒下空間91において、第1壁間空間部95は、風を伴う降雨時等にも雨が入り込みにくい空間となっている。このため、第1壁間空間部95では、例えば洗濯物を陰干しする等、ユーティリティスペースとして利用することが可能となる。特に、第1壁間空間部95は、脱衣室46から出入口66を介して出入り可能となっているため、洗濯物を干す上では好都合である。また、第1壁間空間部95は、通風性や採光性の面でも良好といえ、その点からも洗濯干しスペースに適しているといえる。さらに、第1壁間空間部95は、道路Rから離れた空間となっているため、外部からの視線が気になりにくく、このようなプライベートな目的での利用に適しているといえる。
繋ぎ空間部97では、例えば庭空間99を見ながら読書したりする等、くつろぎのスペースとして利用することが可能となる。繋ぎ空間部97では、住宅外部からの視線が特に届きにくく、プライベートな目的での利用に適している。
第2壁間空間部96は、第1壁間空間部95と同様、雨が入り込みにくい空間となっているため、天候に関わらず利用することができる。また、第2軒下空間93は、屋外に開放された開放空間となっているため、来客を招いてパブリックな目的で利用することが可能である。特に、第2軒下空間93は、リビング42やダイニングキッチン43から出入り可能となっているため、パブリックな目的で利用する際には好都合である。さらに、第2軒下空間93と第2壁間空間部96とを含めたL字空間部98として利用することも可能である。
ここで、本ユニット式住宅10では、テラス空間57(軒下空間91)の一部が建物ユニット20の内部空間を用いて形成されている。そこで、以下においては、その点に関する構成ついて説明する。
本住宅10では、軒下空間91の第1軒下空間92及び第2軒下空間93のうち、第1軒下空間92が建物ユニット20の内部空間を用いて形成されている。具体的には、第1軒下空間92の各空間部95〜97のうち、第1壁間空間部95及び第2壁間空間部96が建物ユニット20の内部空間を用いて形成されている。
第1壁間空間部95は、横並びに設けられた複数(具体的には2つ)の建物ユニット20(以下、建物ユニット20aという)の内部空間を用いて形成されている。これら各建物ユニット20aは、その(平面視)長手方向を対向壁部88aの壁厚み方向(東西方向)に向けた状態で、対向壁部88aの壁幅方向(南北方向)に並んで配置されている。そして、第1壁間空間部95は、これら各建物ユニット20aの内部に跨がって形成されている。なお、図4では、各建物ユニット20aを他の建物ユニット20と区別するため、それら各建物ユニット20aの柱21を黒塗りして示している。
各建物ユニット20aの短辺側の側面部には、それら両ユニット20aに跨がって対向壁部88aが形成されている。対向壁部88aは、当該側面部を構成する柱21、天井大梁22及び床大梁23を利用して形成されている。また、各建物ユニット20aの内部には、両ユニット20aに跨がって外壁部16aの外壁部分62が形成されている。
第2壁間空間部96は、横並びに設けられた複数(具体的には2つ)の建物ユニット20(以下、建物ユニット20bという)の内部空間を用いて形成されている。これら各建物ユニット20bは、その(平面視)長手方向を対向壁部88bの壁厚み方向(東西方向)に向けた状態で、対向壁部88bの壁幅方向(南北方向)に並んで配置されている。そして、第2壁間空間部96は、これら各建物ユニット20bの内部に跨がって形成されている。なお、図4では、各建物ユニット20bを他の建物ユニット20と区別するため、それら各建物ユニット20bの柱21を黒塗りして示している。
各建物ユニット20bの短辺側の側面部には、それら両ユニット20bに跨がって対向壁部88bが形成されている。対向壁部88bは、当該側面部を構成する柱21、天井大梁22及び床大梁23を利用して形成されている。また、各建物ユニット20bの内部には、両ユニット20bに跨がって外壁部16aの外壁部分63が形成されている。
建物ユニット20aと建物ユニット20bとはいずれも(平面視)長手方向の長さが同じとされ、同方向において同じ位置に配置されている。また、建物ユニット20aと建物ユニット20bとの間は、建物ユニット20が設けられていない非ユニット空間となっている。この非ユニット空間には繋ぎ空間部97が形成されている。また、この非ユニット空間を利用して凹状部35が形成されている。この場合、各建物ユニット20a,20bの間の間隔は凹状部35の幅と同じとなっている。また、建物ユニット20a,20bの長手方向の長さは、同方向における凹状部35の(平面視)底面位置から対向壁部88a,88bの外面までの距離と同じとなっている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
外壁部16aの屋外側に隣接させてテラス空間57を設け、その外壁部16aの屋外側には当該外壁部16aと離間対向する対向壁部88を設けた。この場合、テラス空間57で過ごす際、その対向壁部88により住宅外部からの視線を遮ることができる。そのため、テラス空間57において一定のプライバシ性を確保することができる。
また、対向壁部88を、その壁幅方向に所定の間隔をおいて複数配置することで、隣り合う対向壁部88の間に壁間開口部89を形成した。この場合、テラス空間57において開放感が損なわれるのを抑制しながら、プライバシ性の確保を図ることができる。
さらに、各対向壁部88をいずれも、その上端部において屋根部14の軒部18に接続した。この場合、各対向壁部88について屋根部14との一体感を高めることができ、ひいては住宅10との一体感を高めることができる。これにより、住宅10の外観が損なわれるのを抑制しながら、テラス空間57を好適に利用することが可能となる。
テラス空間57の一部を、軒部18の下方に形成された軒下空間91とし、その軒下空間91を各対向壁部88に跨がって連続して形成した。この場合、建物本体13の西側に連続した軒下空間を形成することができる。また、軒下空間91の一部が、各対向壁部88により屋外側から覆われることになるため、軒下空間91においてプライバシ性の確保を図ることが可能となる。また、この場合、住宅10側部の空間を有効に利用することも可能となる。
軒下空間91を、外壁部16aに隣接する第1軒下空間92と、外壁部16bに隣接する第2軒下空間93とを有して形成したため、建物本体13の2面(西面13a及び南面13c)に跨がる連続した軒下空間を形成することができる。また、第1軒下空間92は、対向壁部88によりプライバシ性が確保された空間となっている一方で、外壁部16bの第2軒下空間93側(屋外側)には壁部を設けず、第2軒下空間93を屋外側に広く開放された開放空間とした。これにより、第1軒下空間92をプライベートな目的で利用したり第2軒下空間93を友人等を招いてパブリックな目的で利用したりする等、軒下空間91を種々の用途で利用することが可能となる。
第2壁間空間部96と第2軒下空間93とにより平面視L字状のL字空間部98を形成した。また、第2壁間空間部96に隣接する対向壁部88bについては、その壁幅を対向壁部88bと外壁部16a(詳しくは外壁部分63)との間の間隔よりも大きくした。この場合、第2壁間空間部96では、対向壁部88bの壁幅が比較的長くされているため、風を伴う降雨時等においても、雨が入り込むのを抑制することができる。また、第2軒下空間93は、上述したように、開放感にあふれた空間とされているため、この場合、L字空間部98を、開放感あふれる空間としながら、天候に大きく左右されることなく利用することが可能となる。
建物本体13に、その西面13aにて開口する凹状部35を形成し、テラス空間57の一部をその凹状部35に入り込ませて入り込み空間64とした。そして、その入り込み空間64を軒下空間91の一部(詳しくは繋ぎ空間部97)を含んで形成した。この場合、凹状部35においては外部からの視線を届きにくくすることができる。特に、凹状部35を建物本体13の張出部32aを挟んで道路Rとは反対側に配置したため、道路R側からの視線を遮ることができる。そのため、(凹状部35内の)軒下空間91で過ごす際には、より一層プライバシ性の確保を図ることが可能となる。
隣り合う対向壁部88の間の壁間開口部89を、対向壁部88の壁幅方向において凹状部35と同じ位置に設定したため、(凹状部35内の)軒下空間91で過ごすに際し、開放感が著しく損なわれるのを抑制しながら、より一層プライバシ性の確保を図ることが可能となる。
壁間空間部として、互いに離間した位置に第1壁間空間部95及び第2壁間空間部96を設けたため、それら各壁間空間部95,96をそれぞれ異なる目的で同時に利用することが可能となる。例えば、第1壁間空間部95を住宅の居住者がプライベートな目的で利用し、第2壁間空間部96を別の居住者が来客を招いてパブリックな目的で利用するといったことが可能となる。
また、各壁間空間部95,96を繋ぎ空間部97を介して繋ぐことで、それら各空間部95〜97が連続した第1軒下空間92を形成した。そして、こうした構成にあって、各壁間空間部95,96の間に、デッキ57aが設定されていない庭空間99を設けた。この場合、その庭空間99により各壁間空間部95,96を互いに分離できるため、上記のように各壁間空間部95,96を異なる目的で利用する上で好都合となる。
さらに、庭空間99には、植栽として樹木Sを植えたため、その樹木Sにより各壁間空間部95,96の間で相互に視線を遮ることが可能となる。このため、各壁間空間部95,96それぞれにおいてプライバシ性を高めることが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態における住宅の構成について図6及び図7に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態における住宅の外観を示す外観図であり、図7は、その住宅の間取りを示す平面図である。本実施形態では、住宅が、上記第1の実施形態と同様、平屋建てのユニット式住宅とされている。なお、図7では便宜上、各建物ユニット20の4隅に配置される柱21のみを図示している。
図6及び図7に示すように、敷地111内には住宅110が設けられている。住宅110は、基礎112上に設けられた建物本体113と、その建物本体113の上方に配設された屋根部114とを備える。建物本体113は、水平方向に並設された複数の建物ユニット20により構成されている。建物本体113は、平面視において略矩形形状をなしており、その外周部には外壁部116が設けられている。なお、建物本体113が建物本体部に相当する。また、敷地111の南側には道路Rが隣接している。
屋根部114は、寄せ棟式の屋根となっている。屋根部114において外壁部116よりも屋外側に張り出した部分は軒部118となっている。軒部118は、外壁部116の全域に亘って連続して形成されている。なお、図7では便宜上、屋根部114の外縁つまり軒部118の軒先を仮想線(二点鎖線)で示している。
建物本体113には、外壁部116により囲まれた内側に複数の屋内空間が設けられている。屋内空間としては、玄関121と、LDK122と、寝室123と、和室124と、主寝室125と、浴室126と、トイレ127とが設けられている。
また、住宅10には、上述した各屋内空間121〜127に加え、外壁部116の屋外側に隣接してテラス空間131が設けられている。テラス空間131は屋外にデッキ131aが敷設されることにより形成された床上空間となっている。このため、テラス空間131では、その床面が地上面よりも高い位置に設定されている。また、テラス空間131の床面は、屋内空間121〜127の床面と略同じ高さ位置に設定されている。なお、屋外に敷設される床部としてはデッキ以外に、タイルやコンクリート床等を用いてもよい。
続いて、テラス空間131周辺の構成について図8に基づいて説明する。図8は、テラス空間131周辺を拡大して示す平面図である。なお、テラス空間131が「半屋外空間」に相当する。
図8に示すように、外壁部116には、建物本体113の北面113aを形成する外壁部116aと、建物本体113の西面113bを形成する外壁部116bと、建物本体113の南面113cを形成する外壁部116cとが含まれている。この場合、外壁部116aと外壁部116bとが平面視にてL字状をなして配置され、それら各外壁部116a,116bにより出隅133が形成されている。また、外壁部116bと外壁部116cとが平面視にてL字状をなして配置され、それら各外壁部116b,116cにより出隅134が形成されている。なお、この場合、外壁部116bが第1外壁部に相当し、各外壁部116a,116cがそれぞれ第2外壁部に相当する。また、建物本体113の西面113bが、「建物本体部における所定の側面」に相当する。
建物本体113には、各外壁部116a〜116cにより囲まれた内側に、屋内空間として、LDK122と和室124とが設けられている。LDK122と和室124とのうち、和室124が北側、LDK122が南側に配置されている。和室124は、その2面が各外壁部116a,116bに隣接しており、LDK122は、その2面が各外壁部116b,116cに隣接している。詳しくは、LDK122は、リビング空間122aとダイニングキッチン空間122bとを有しており、それら各空間122a,122bが互いに連続した連続空間となっている。この場合、リビング空間122aが南側、ダイニングキッチン空間122bが北側に配置されている。なお、LDK122と和室124とが「隣接空間」に相当する。
テラス空間131は、建物本体113の北面113a,西面113b,南面113cに跨がって平面視コ字状に形成されている。テラス空間131は、外壁部116aを隔てて和室124と隣接しているとともに、外壁部116bを隔てて和室124と隣接している。各外壁部116a,116bにはそれぞれ和室124からテラス空間131への出入りを可能とする出入口136,137が設けられ、それら出入口136,137にはそれぞれガラス戸138,139が設けられている。
テラス空間131は、外壁部116bを隔ててLDK122と隣接しているとともに、外壁部116cを隔ててLDK122と隣接している。外壁部116bには、LDK122(詳しくはダイニングキッチン空間122b)とテラス空間131とを連通する窓部141が設けられ、その窓部141にはガラス戸143が設けられている。また、外壁部116bには、LDK122(詳しくはリビング空間122a)からテラス空間131への出入りを可能とする出入口142が設けられ、その出入口142にはガラス戸144が設けられている。また、外壁部116cには、LDK122(詳しくはリビング空間122a)からテラス空間131への出入りを可能とする出入口146が設けられ、その出入口146にはガラス戸147が設けられている。
なお、外壁部116bに設けられた各出入口137,142及び窓部141が、「隣接空間と半屋外空間とを連通する複数の窓部」に相当する。
外壁部116bの屋外側には、その外壁部116bに離間しかつ対向する対向壁部148が設けられている。対向壁部148は、その壁幅方向に所定の間隔をおいて複数(具体的には4つ)配置されている。これら各対向壁部148において隣り合う各対向壁部148の間には壁間開口部149が形成されている。本実施形態では、この壁間開口部149が複数(具体的には3つ)設定されている。各壁間開口部149のうち、壁間開口部149aは、出入口137と対向する位置に配置され、壁間開口部149bは、窓部141と対向する位置に配置され、壁間開口部149cは、出入口142と対向する位置に配置されている。
詳しくは、壁間開口部149aは、その開口幅が出入口137の開口幅と同じとされており、開口幅方向において出入口137と同じ位置に配置されている。また、壁間開口部149bは、その開口幅が窓部141の開口幅と同じとされ、開口幅方向において窓部141と同じ位置に配置されている。また、壁間開口部149cは、その開口幅が出入口142の開口幅と同じとされ、開口幅方向において出入口142と同じ位置に配置されている。なお、本実施形態では、各出入口137,142の開口幅と窓部141の開口幅とがいずれも同じ大きさに設定されている。
各対向壁部148は、いずれも屋根部114の軒部118の下方に配置され、上端部が軒部118と接続されている。これにより、各対向壁部148はいずれも屋根部114と一体化されている。各対向壁部148は、その壁厚み方向においてテラス空間131の中間部詳しくは中央部に配置されている。したがって、テラス空間131は、上記壁厚み方向において各対向壁部148を挟んだ両側に拡がって形成されている。
また、各対向壁部148には、それら対向壁部148の並ぶ並び方向における両端に配置された対向壁部148a,148bと、それら各対向壁部148a,148bの間に配置された対向壁部148c,148dとが含まれている。両端の各対向壁部148a,148bのうち、対向壁部148aは、その壁幅方向において、外側(北側)の端部が外壁部116の出隅133と同じ位置に設定され、対向壁部148bは、その壁幅方向において、外側(南側)の端部が外壁部116の出隅134と同じ位置に設定されている。これら両端の対向壁部148a,148bは、その壁幅が中間部の対向壁部148c,148dよりも短くされている。詳しくは、これら両端の対向壁部148a,148bは、その壁幅が壁厚の2倍(程度)に設定された上下に細長い柱状の壁となっている。
テラス空間131は、その一部が軒部118の下方に形成された軒下空間151となっている。軒下空間151は、外壁部116bに隣接して設けられた第1軒下空間152と、外壁部116aに隣接して設けられた第2軒下空間153と、外壁部116cに隣接して設けられた第3軒下空間154とを有している。図8では便宜上、これら各軒下空間152〜154の外縁をそれぞれ点線の枠で示している。なお、第2軒下空間153及び第3軒下空間154がそれぞれ特許請求の範囲に記載された「第2軒下空間」に相当する。
第1軒下空間152は、各対向壁部148に跨がって連続して形成されている。各対向壁部148に接続された屋根部114の軒部118は各対向壁部148よりも屋外側に張り出して設けられている。そのため、その軒部118の下方の第1軒下空間152は、対向壁部148の壁厚み方向において各対向壁部148を挟んだ両側に拡がって形成されている。
第2軒下空間153は、外壁部116bに沿って延びるように形成されている。第2軒下空間153は、その延びる方向(換言すると、外壁部116bの壁幅方向)において外壁部116aよりも延出しており、その延出した部分が第1軒下空間152と連続している。
外壁部116bの第2軒下空間153側(屋外側)には、当該外壁部116bと対向する対向壁部が設けられていない。詳しくは、外壁部116bの壁幅方向における第2軒下空間153の全域において、外壁部116bよりも第2軒下空間153側には壁部が一切設けられていない。このため、第2軒下空間153は、その全域が屋外に向けて開放された開放空間となっている。
第3軒下空間154は、外壁部116cに沿って延びるように形成されている。第3軒下空間154は、その延びる方向(換言すると、外壁部116cの壁幅方向)において外壁部116aよりも延出しており、その延出した部分が第1軒下空間152と連続している。これにより、軒下空間151は、第1軒下空間152と第2軒下空間153と第3軒下空間154とが平面視コ字状をなして連続する連続空間となっている。
外壁部116cの第3軒下空間154側(屋外側)には、当該外壁部116cと対向する対向壁部が設けられていない。詳しくは、外壁部116cの壁幅方向における第3軒下空間154の全域において、外壁部116cよりも第3軒下空間154側には壁部が一切設けられていない。このため、第3軒下空間154は、その全域が屋外に向けて開放された開放空間となっている。
続いて、軒下空間151を利用する際の利用例について説明する。
軒下空間151のうち、第1軒下空間152では、対向壁部148が部分的に設けられているため、外部からの視線を適度に遮ることができ、プライベートな目的で利用することが可能となる。また、第2軒下空間153は、屋外に開放された開放空間となっており、北側の小庭を望むプライベート空間として利用することが可能である。特に、第2軒下空間153は、建物本体113を挟んで道路Rとは反対側に設けられているため、住宅外部からの視線を気にすることなく利用することが可能となる。
また、第3軒下空間154は、屋外に開放された開放空間となっているため、来客を招いてパブリックな目的で利用することが可能である。特に、第3軒下空間154は、LDK122(リビング空間122a)から出入り可能となっているため、パブリックな目的で利用する際には好都合である。また、第3軒下空間154と第1軒下空間152とを含めたL字空間として利用することも可能である。
ここで、上述した軒下空間151は、複数の建物ユニット20を用いて形成されている。その点に関する構成について説明すると、軒下空間151を構成する第1〜第3軒下空間152〜154のうち、第1軒下空間152は、横並びに設けられた複数の建物ユニット20(以下、建物ユニット20cという)の内部空間を用いて形成されている。各建物ユニット20cは、その(平面視)長手方向を外壁部116bの壁厚み方向に向けた状態で、外壁部116bの壁幅方向に並べて配置されている。そして、第1軒下空間152は、これら各建物ユニット20cの内部に跨がって形成されている。なお、図8では、各建物ユニット20cを他の建物ユニット20と区別するため、それら各建物ユニット20cの柱21を黒塗りして示している。
各建物ユニット20cの短辺側の側面部には、対向壁部148が形成されている。各対向壁部148a〜148dはいずれも、当該側面部を構成する柱21を利用して形成されている。この場合、両端の対向壁部148a,148bについては、一の柱21のみを利用して形成されているのに対し、中間部の対向壁部148c,148dについては、隣り合う建物ユニット20cの各柱21を利用して形成されている。また、各建物ユニット20cの内部には、それら各建物ユニット20cに跨がって外壁部116bが形成されている。
第1軒下空間152を形成する各建物ユニット20cを挟んだ両側は建物ユニット20の設けられていない非ユニット空間とされている。これら各非ユニット空間を利用して第2軒下空間153及び第3軒下空間154が形成されている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
外壁部116bの屋外側に隣接させてテラス空間131を設け、その外壁部116bの屋外側には対向壁部148を設けたため、テラス空間131で過ごす際、対向壁部148により住宅外部からの視線を遮ることができる。また、対向壁部148を、その壁幅方向に複数配置して、隣り合う対向壁部148の間に壁間開口部149を形成したため、テラス空間131において開放感が損なわれるのを抑制しながら、プライバシ性の確保を図ることができる。さらに、各対向壁部148をいずれも屋根部114の軒部118に接続したため、各対向壁部148について屋根部114との一体感を高めることができ、ひいては住宅110との一体感を高めることができる。これにより、住宅110の外観が損なわれるのを抑制しながら、テラス空間131を好適に利用することが可能となる。
テラス空間131の一部を軒下空間151とし、その軒下空間151を各対向壁部148に跨がって連続して形成した。この場合、建物本体113の西側に連続した軒下空間を形成することができる。また、軒下空間151の一部が、各対向壁部148により屋外側から覆われることになるため、軒下空間151においてプライバシ性の確保を図ることが可能となる。
軒下空間151を、外壁部116bに隣接する第1軒下空間152と、外壁部116aに隣接する第2軒下空間153と、外壁部116cに隣接する第3軒下空間154とを有して形成したため、建物本体113の3面(北面113a、西面113b及び南面113c)に跨がる連続した軒下空間を形成することができる。これにより、住宅110周りの空間について有効活用を図ることができる。
また、第1軒下空間152は、対向壁部148によりプライバシ性が確保された空間となっている一方で、外壁部116aの第2軒下空間153側(屋外側)には壁部を設けず、また外壁部116cの第3軒下空間154側(屋外側)には壁部を設けないことで、第2軒下空間153及び第3軒下空間154を屋外に向けて広く開放された開放空間とした。これにより、例えば第1軒下空間152や第2軒下空間153をプライベートな目的で利用したり、第3軒下空間154を友人等を招いてパブリックな目的で利用したりする等、軒下空間151を種々の用途で利用することが可能となる。
また、第2軒下空間153と第3軒下空間154とを建物本体113を挟んで反対側に配置したため、それら各軒下空間153,154を同時に利用する際にも、相互にプライバシの確保を図ることが可能となる。
隣り合う対向壁部148の間の各壁間開口部149a〜149cをそれぞれ外壁部116bに設けられた各出入口137,142及び窓部141と対向させて配置した。この場合、互いに対向する出入口137及び壁間開口部149aを介して和室124が住宅外部に開放される。また、互いに対向する窓部141及び壁間開口部149bを介してLDK122が住宅外部に開放されるとともに、互いに対向する出入口142及び壁間開口部149cを介してLDK122が住宅外部に開放される。これにより、外壁部116bの屋外側に対向壁部148が複数設けられた構成にあって、和室124及びLDK122において開放感が損なわれるのを抑制することができる。
〔他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記第1の実施形態では、テラス空間57を建物本体13の二面に跨がって形成し、上記第2の実施形態では、テラス空間131を建物本体113の三面に跨がって形成したが、これを変更して、テラス空間を建物本体13,113の一面のみ(例えば西面13a,113bのみ)に隣接する空間としてもよい。
・上記各実施形態では、本発明の住宅を平屋建て(一階建て)としたが、二階建て以上の住宅としてもよい。例えば、二階建ての住宅であれば、建物本体の二階部分の上方に屋根部が設けられる。このため、対向壁部を、一階部分と二階部分とに跨がる高さで形成し、その上端部を上記屋根部の軒部に接続することになると考えられる。
・上記各実施形態では、半屋外空間をテラス空間57,131としたが、半屋外空間を縁側空間とする等、テラス空間以外の空間としてもよい。また、半屋外空間を床部の設定されていない空間としてもよい。
・上記各実施形態では、本発明の住宅をユニット式住宅としたが、鉄骨軸組工法や在来木造工法等、他の工法で構築された住宅としてもよい。