JP2002138702A - 建物及び建物の設計方法 - Google Patents

建物及び建物の設計方法

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JP2002138702A JP2000338011A JP2000338011A JP2002138702A JP 2002138702 A JP2002138702 A JP 2002138702A JP 2000338011 A JP2000338011 A JP 2000338011A JP 2000338011 A JP2000338011 A JP 2000338011A JP 2002138702 A JP2002138702 A JP 2002138702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建てた後でも、間取り変更を容易に行うこと
ができ、かつ、耐力壁を有しない間取り自由空間を備え
た建物を提供する。 【解決手段】 本発明に係る建物は、一対の耐力壁列群
60,61を、南北の両外寄り位置に配して、それら2
組の耐力壁列群60,61の間を、住居30としての屋
内領域にした。従って、この建物は、各住居30の内部
に、耐力壁列群60,61と並行した耐力壁を設けなく
ても、建築基準法に規定した強度以上を確保することが
できる。しかも、区画壁19及び妻側外壁18にて仕切
られた各住居30の内部を、耐力壁を一切有しない間取
り自由空間にしたから、例えば、建物の設計の初期段階
で、間取りが確定していなくても、躯体部の設計を進め
ることができ、設計の自由度が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐力壁を有した建
物に関する。
【0002】
【従来の技術】耐力壁を有した従来の建物の一例とし
て、図6に示したものは、横長に延びた外壁1,1に複
数の窓(図に明記せず)を備えて、日射しを多く屋内に
取り込める構造になっている。同図において太線は耐力
壁を示しており、前記横長の外壁1には、複数の耐力壁
2Aが窓を避けるように、間隔を開けて配列されてい
る。また、この建物は、屋内を複数の部屋に仕切ってあ
り、間取りを変更しないことを前提にして、各仕切壁に
耐力壁2Bを配して建物の強度を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リフォーム
なる言葉が定着した昨今では、住宅を建ててから数年後
に、間取り変更を求められる場合が増えてきている。具
体的には、例えば、夫婦とその子供とが同居していた場
合には、複数の部屋を備えた間取りが好まれるが、子供
が独立し、高齢になった老夫婦だけが住むようになった
場合には、複数の部屋の隔壁を取り除いて、車椅子でも
自由に移動できる広い居住空間を設けた間取りが好まれ
る。また、少子高齢化が進むと共に、身障者に優しい住
宅が求められている今日では、所謂、バリヤフリーをコ
ンセプトとして、大部屋を備えた建物の要望が高い。
【0004】ところが、前記図6に例示した従来の建物
では、窓を避けて耐力壁2Aを外壁1に散在させたた
め、外壁だけで所定の強度を確保することができず、屋
内にも耐力壁2Bを設けなければならない。そして、こ
れら耐力壁2Bの位置は容易に変更できないため、間取
り変更が困難である。
【0005】一方、屋内から耐力壁を減らす構造とし
て、一般に、柱を太くして強度アップを図ったものが知
られている。ところが、このものは、単に、柱を太くし
ただけであるから、壁面から柱が突出して、意匠上、好
ましくなくなり、家具等の配置の自由度も低くなる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、建てた後でも、間取り変更を容易に行うことがで
き、かつ、耐力壁を有しない間取り自由空間を備えた建
物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】<請求項
1の発明>上記目的を達成すべくなされた請求項1の発
明に係る建物は、鉄骨ブレース構造の建物であって、複
数の耐力壁が所定の間隔を空けて直列してなる耐力壁列
を、複数列、並行させて耐力壁列群を構成し、耐力壁列
群を、建物のうち対向した両外寄り位置にそれぞれ偏在
させたから、それら2組の耐力壁列群に挟まれた屋内領
域において、耐力壁の数を少なくしても、或いは、耐力
壁をなくしても、建築基準法に規定された強度以上を確
保することができる。
【0008】これにより、前記した屋内領域の間取り設
計の自由度が高まると共に、一度、所定の間取りで建て
て、各部屋間に仕切壁を設けても、それら仕切壁を耐力
壁以外で構成することができるから、仕切壁を容易に撤
去することが可能になり、建てた後に、間取り変更を容
易に行うことができる。また、屋内領域全体を、一つの
大部屋にすることも可能になる。さらに、耐力壁列群で
強度を確保したから、柱を壁部から突出するほど太くし
なくてもよく、意匠的にも優れかつ屋内領域を、シンプ
ルな形状にすることができる。その上、鉄骨ブレース構
造であるから、例えば、鉄筋コンクリート構造のものに
比べて、耐力壁の壁厚を薄くすることができ、屋内領域
を広く有効利用することが可能になる。
【0009】<請求項2の発明>請求項2の発明は、請
求項1に記載の建物において、耐力壁列群同士の間に差
し渡した区画壁にて、屋内領域を、内部に耐力壁を有し
ない複数の間取り自由空間に区画すると共に、区画壁
は、耐力壁と非耐力壁とを繋げて構成されたところに特
徴を有する。
【0010】この構成によれば、屋内領域を、複数の間
取り自由空間に区画し、各間取り自由空間毎に、間取り
を自由に設定することができるから、間取りのニーズの
多様化に対応することができる。また、区画壁を、耐力
壁と非耐力壁とを繋げて構成したから、その非耐力壁の
部分を切除して、隣り合った間取り自由空間同士を連通
させることも可能になる。
【0011】<請求項3の発明>請求項3の発明は、平
断面形状が概ね矩形をなす建物であって、一対の耐力壁
を直角に突き合わせてなるコーナー壁を四隅に配して、
それらコーナー壁の内側に、耐力壁を有しない間取り自
由空間を備えると共に、コーナー壁の外側に、コーナー
壁が並ぶ縦横の両方向で、四隅のコーナー壁のそれぞれ
に対向した複数の外側耐力壁を設けて、これら外側耐力
壁及びコーナー壁で、建物の所定の強度を上回るように
構成したところに特徴を有する。
【0012】この構成によれば、一対の耐力壁を直角に
接合したコーナー壁と、そのコーナー壁に対して縦横の
両方向で対向する外側耐力壁とで、縦横の両方向の強度
がバランスよく確保される。そして、これらコーナー壁
及び外側耐力壁を四隅に配置したことで、複数の耐力壁
を散在させた従来の建物に比べて、間取り自由空間を、
広く設定することができる。また、コーナー壁及び外側
耐力壁で、所定の強度を確保したから、コーナー壁同士
の間を、壁がない開放状態にして、通風性、採光性を向
上させることができる。
【0013】なお、この請求項3の発明と、次述の請求
項4及び5の発明において、コーナー壁は、一対の耐力
壁を直角に突き合わせてあれば、それら耐力壁同士を結
合したものであってもよく、或いは、耐力壁同士を離し
て配置したものであってもよい。
【0014】<請求項4及び請求項5の発明>請求項4
の発明に係る建物は、複数の建物構成体を組み合わせて
構成した建物であって、建物構成体は、一対の耐力壁を
直角に突き合わせてなるコーナー壁を、四隅に配して、
それらコーナー壁の内側に、耐力壁を有しない間取り自
由空間を備えると共に、コーナー壁の外側に、コーナー
壁が並ぶ縦横のいずれか一方向で、四隅のコーナー壁の
それぞれに対向した複数の外側耐力壁を設けて、これら
外側耐力壁及びコーナー壁で、建物構成体が、所定の強
度を上回るように構成し、前記一方向と直交する方向
で、建物構成体を所望数連続させたところに特徴を有す
る。
【0015】また、請求項5の発明に係る建物の設計方
法は、耐力壁を有しない矩形の間取り自由空間の四隅
に、一対の耐力壁を直角に突き合わせてなるコーナー壁
を配置すると共に、コーナー壁の外側に、コーナー壁が
並ぶ縦横のいずれか一方向で、四隅のコーナー壁のそれ
ぞれに対向する複数の外側耐力壁を設けて、これら外側
耐力壁及びコーナー壁を備えた建物構成体を設定し、建
物構成体が、外側耐力壁及びコーナー壁にて、所定の強
度を上回るようにすると共に、一方向と直交する方向
で、建物構成体を所望数連続させて1つの建物にすると
ころに特徴を有する。
【0016】これら請求項4及び請求項5の発明によれ
ば、1つの建物構成体に対する強度計算を行い、これと
同じ建物構成体を所望数連続させればよいから、設計工
数が簡略され、設計効率が向上する。ここで、建物構成
体の連続方向では、それら建物構成体同士が相互に補強
し合い、連続方向と直交する方向では、外側耐力壁が補
強の役目を果たすから、コーナー壁に囲まれた内側に、
耐力壁を有しない間取り自由空間を広く設定することが
できる。しかも、建物構成体は、コーナー壁と外側耐力
壁とで、所定の強度を上回る構成にしたから、コーナー
壁の間を開放して、隣り合った建物構成体同士の間取り
自由空間を繋げる場合と、コーナー壁の間を閉塞して、
間取り自由空間を仕切る場合とを選択することができ、
設計の自由度が高まる。また、コーナー壁の間を開放す
ることで、通風性、採光性を向上させることができる。
【0017】なお、隣り合った建物構成体の境界部分で
は、コーナー壁の一部の耐力壁を共有させてもよいし、
コーナー壁の一部の耐力壁を二重に重ね合わせてもよ
い。ここで、本発明では、建物構成体の連続方向と直交
する方向で、外側耐力壁が補強の役目を果たすから、コ
ーナー壁の一部の耐力壁を、隣り合った建物構成体で共
有させても、その壁厚を薄くすることができ、間取り自
由空間を広く有効利用することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】<第1実施形態>以下、本発明に
係る第1実施形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
本実施形態の建物は、2階建て構造をなすと共に、けた
行方(図1の左右方向)で4分割されて、上下に4世
帯、計8世帯の住居30を連ねた集合住宅になってい
る。以下、説明の便宜のために、本実施形態では、建物
のけた行き方向が、例えば東西方向を向いているものと
するが、勿論、本発明に係る建物は、東西南北のいかな
る方向を向いていてもよい。
【0019】建物のうち南北の平側外壁10,11に
は、上下の各階に、それぞれバルコニー12,13が形
成されている。これらバルコニー12,13の外縁部に
は、住居30同士の戸界部分に対応させて、後述する耐
力壁54,58が配されると共に、これら耐力壁54,
58以外の部分に、手摺14を設けてある。また、北側
バルコニー12を通って、各階の所望の住居30に行く
ことができる。
【0020】各住居30のうち北向きの平側外壁10の
ほぼ中央部分には、それぞれ玄関ドア31が設けられ、
その横には小窓32が形成されている。一方、各住居3
0の南向きの平側外壁11には、南側バルコニー13
に、出入り可能な大窓33が、2つずつ設けられてい
る。なお、この建物は、図1に示すように、全住居30
が同じ間取りになっていて、同じように所定の仕切壁3
5が縦横に延びて、複数の小部屋が形成されている。
【0021】さて、本実施形態の建物は、鉄骨構造をな
しており、建物の各壁部の内部に、複数の鉄骨が配され
て、図2に示した躯体50が構成されている。そして、
躯体50の所定の箇所には、柱と梁とで複数の矩形枠部
が形成され、それら矩形枠部の対角線上に筋交いを設け
て、ブレース構造の耐力壁51,52,54,56,5
8が形成されている。
【0022】これら耐力壁は、図1において太線で示さ
れており、建物の梁間方向(図1の上下方向)に延びた
壁部に関しては、耐力壁は、各住居30間の戸界壁19
(本発明の「区画壁」に相当する)と妻側外壁18とに
組み込まれ、それら以外で、建物の梁間方向に延びた壁
部には、耐力壁が用いられていない。また、戸界壁19
及び妻側外壁18は、平側外壁10,11寄りの両端部
に耐力壁51,51を備え、これら耐力壁51,51の
間を、非耐力壁で繋いた構成になっている。
【0023】建物のけた行方向に延びた壁部に関して
は、耐力壁は、南北の平側外壁10,11及びバルコニ
ー12,13の外縁部に配されており、それら以外で建
物のけた行方向に延びた壁部には、耐力壁が用いられて
いない。換言すると、建物のけた行方向に延びた壁部に
関しては、耐力壁は、建物のうち南北の両外寄り位置に
偏在されている。
【0024】詳細には、南側の平側外壁11には、前記
妻側外壁18及び戸界壁19との交差部分に配した柱2
0(図2参照)と、前記した両大窓33,33(図1参
照)の両外側の外縁部に沿って配した柱21(図2参
照)との間に、耐力壁52が形成されている。従って、
建物全体としてみると、南向きの平側外壁11の全体に
亘って、所定の間隔を開けて複数の耐力壁52が一直線
上に配列されて第1耐力壁列53をなすと共に、隣接し
た住居30同士の間では、耐力壁52同士が隣接した構
造になっている。
【0025】また、南側バルコニー13の縁部には、前
記第1耐力壁列53との対向部分に、複数の耐力壁54
が形成され、これら複数の耐力壁54が一直線上に並ん
で第2耐力壁列55をなし、これら第1及び第2の耐力
壁列53,55にて、南側の耐力壁列群60が構成され
ている。
【0026】一方、建物の北側では、平側外壁11のう
ち前記第1耐力壁列53との対向部分に、複数の耐力壁
56が形成されて、第1耐力壁列57をなすと共に、北
側バルコニー12の縁部のうち前記第1耐力壁列57と
の対向部分に、複数の耐力壁58が形成されて、第2耐
力壁列59をなしている。そして、これら第1及び第2
の耐力壁列57,59にて、北側の耐力壁列群61が構
成されている。
【0027】ここで、図1及び図2に示すように、耐力
壁列群60,61同士の対向方向で、それら耐力壁列群
60,61に挟まれの居住空間の全長をAとし、北側の
耐力壁列群61の幅をBとし、南側の耐力壁列群60の
幅をCとしたとき、A>B+C、の関係をなすように設
定されている。
【0028】換言すると、両耐力壁列群60,61の外
側の耐力壁列55,59の間幅をDとすると、A>D×
50%の関係を有している。より具体的には、例えば、
A/D=75%(>50%)に設定されている。なお、
本実施形態では、北側の耐力壁列群60の幅Bは、南側
の耐力壁列群60の幅Cより、若干広くなっている。
【0029】以上、耐力壁に関する構成をまとめると、
本実施形態の建物では、南北に偏在させた2つの耐力壁
列群60,61同士の間が、耐力壁を備えた戸界壁19
及び妻側外壁18にて、4つの住居30に区画され、各
住居30を、内部に耐力壁を有しない間取り自由空間に
した構成になっている。
【0030】次に、本実施形態の建物に関する作用効果
について説明する。本実施形態の建物では、一対の耐力
壁列群60,61を、南北の両外寄り位置に配して、そ
れら2組の耐力壁列群60,61の間を、住居30とし
ての屋内領域にしたから、各住居30の内部に、耐力壁
列群60,61と並行した耐力壁を設けなくても、建築
基準法に規定された強度以上を確保することができる。
しかも、戸界壁19及び妻側外壁18にて仕切られた各
住居30の内部を、耐力壁を一切有しない間取り自由空
間にしたから、例えば、建物の設計の初期段階で、間取
りが確定していなくても、躯体部の設計を進めることが
でき、設計の自由度が高まる。これにより、例えば、集
合住宅を販売するにあたり、各住居30の入居者が確定
してから、その入居者の要望に応じて、間取りを決める
という販売形態を採ることもできる。つまり、間取りの
ニーズの多様化に対応することができる。
【0031】また、図1に示すように、全住居30を同
じ間取りにして、各住居30の内部を複数の部屋に仕切
ったとしても、それら仕切壁35を、非耐力壁で構成し
たから、仕切壁35を容易に撤去することができる。従
って、建てた後に、間取り変更を容易に行うことができ
る。しかも、戸界壁19は、耐力壁51と非耐力壁とを
繋げてなるから、その非耐力壁の部分を切除して、隣り
合った住居30を連通させることも可能になる。
【0032】さらに、耐力壁列群60,61で強度を確
保したから、柱を壁部から突出するほど太くしなくても
よく、意匠的にも優れかつ屋内空間をシンプルな形状に
することができる。その上、鉄骨ブレース構造であるか
ら、例えば、鉄筋コンクリート構造のものに比べて、耐
力壁の壁厚を小さくすることができると共に、耐力壁の
配置の自由度も高くなり、屋内領域を広く有効利用する
ことが可能になる。
【0033】また、各耐力壁列53,55,57,59
を、それぞれ別々の柱に固定することで、耐力壁列同士
の間の空間を、所望の大きさに設定して、例えば、バル
コニー12,13として有効利用することができる。
【0034】さらに、本実施形態では、耐力壁列群6
0,61同士の対向方向で、住居30の全長をAとし、
一方の耐力壁列群61の幅をBとし、他方の耐力壁列群
60の幅をCとしたときに、A>B+C、の関係をなす
ように構成したから、建物全体に対して半分以上を占め
る広い居住空間が確保される。
【0035】次に、本実施形態に係る建物の設計方法の
一例について説明する。本実施形態では、上記した住居
30の1つを、本発明に係る建物構成体とし、その建物
構成体に関して強度計算した上で、所望数の建物構成体
を連続させて、1つの集合住宅を完成させるという設計
方法を採っている。
【0036】その建物構成体の1つは、図3に示されて
おり、一対の耐力壁51,56(51,52)を直角に
接合してコーナー壁95を形成し、そのコーナー壁95
を四隅に配して、内側に耐力壁を有しない間取り自由空
間96を備えた構成になっている。
【0037】そこで、本実施形態の建物を設計するに
は、まず、前記した間取り自由空間96を所望の広さに
設定してから、その間取り自由空間96の四隅に、前記
コーナー壁95を配置する。
【0038】次いで、コーナー壁95の外側に、図3に
おける上下方向で、各コーナー壁95のそれぞれに対向
する外側の耐力壁54,58を設ける。そして、これら
耐力壁54,58及びコーナー壁95だけで、建物構成
体が所定の強度を上回るように、建材の肉厚等を設定す
る。ここで、本実施形態では、隣り合った建物構成体
が、コーナー壁95の一部の耐力壁51を共有している
が、このような共有部分には、2つの建物構成体に対応
した力がかかるという前提で、強度計算を行う。なお、
隣り合った建物構成体の間で、コーナー壁の一部の耐力
壁を共有させずに、単に、二重に重ねた構成にしてもよ
い。また、本実施形態の建物は、2階建て構造だから、
建物構成体を2層に重ねたもので強度計算を行う。
【0039】次いで、前記外側の耐力壁54,58が、
間取り自由空間96を挟む方向と直行する方向(図3に
おける左右方向)で、建物構成体を所望数連続させる。
このとき、隣り合った建物構成体の間を、本実施形態の
ように戸界壁19にて閉塞してもよいし、或いは、戸界
壁を無くして、隣り合った建物構成体同士の間取り自由
空間96を連通させてもよい。
【0040】このように、本実施形態に係る設計方法に
よれば、1つの建物構成体に対する強度計算を行い、こ
れと同じ建物構成体を所望数連続させればよいから、設
計工数が簡略され、設計効率が向上する。しかも、建物
構成体は、コーナー壁95と外側の耐力壁54,58と
で、所定の強度を上回る構成にしたから、コーナー壁9
5の間を開放して、隣り合った建物構成体同士の間取り
自由空間を繋げる場合と、コーナー壁の間を閉塞して、
間取り自由空間を仕切る場合とを選択することができ、
設計の自由度が高まる。また、コーナー壁95の間を開
放することで、通風性、採光性を向上させることができ
る。
【0041】<第2実施形態>本実施形態は、図4に示
されており、一戸建て住宅に、本発明を適用したもので
ある。この住宅は、同図における上側に玄関70を備
え、同図における下側の縁側に廊下71を備える。そし
て、廊下71の両端部を挟むように設けた一対の耐力壁
72,72により、同図の左右方向に延びた2列の耐力
壁列73A,73Bが形成されて、これらが第1の耐力
壁列群75をなす。
【0042】一方、玄関70側の外壁76には、間隔を
開けた3カ所に、耐力壁77が配されて、耐力壁列79
Aが形成されている。また、その外壁76と並行した内
壁74のうち耐力壁77との対向位置に配した耐力壁7
8にて、耐力壁列79Bが形成されている。そして、こ
れら両耐力壁列79A,79Bでもって、第2の耐力壁
列群80が構成されている。さらに、両耐力壁列群7
5,80の端部同士の間に差し渡された外側壁81に
は、間隔を開けて複数の耐力壁82が配されている。な
お、本実施形態においても、耐力壁列群75,80同士
の間の全長をAとし、一方の耐力壁列群60,61の幅
をBとし、他方の耐力壁列群60,61の幅をCとした
ときに、A>B+C、の関係をなすように構成されてい
る。
【0043】本実施形態の建物によれば、前記第1実施
形態と同様に、耐力壁列群75,80で強度を確保した
から、広い間取り自由空間を確保することができる。ま
た、両耐力壁列73A,73Bの間を廊下71として有
効利用することができる。
【0044】<第3実施形態>本実施形態は、図5に示
されており、一戸建て住宅に、本発明を適用したもので
ある。この住宅は、平断面形状が概ね矩形をなす建物で
あり、内側壁部83と外側壁部84とを備えた二重壁構
造をなす。
【0045】内側壁部83は、全体が角筒状をなし、四
隅にコーナー壁85を備える。このコーナー壁85は、
一対の耐力壁86,86を直角に接合して形成されてい
る。また、内側壁部83のうち同図における右側に位置
した部分は、コーナー壁85同士の間が非耐力壁87に
て閉塞され、それ以外の部分は、引き戸等を備えて開放
可能になっている。
【0046】一方、外側壁部84は、全体的には、内側
壁部83を囲む角筒状をなしており、内側壁部83と外
側壁部84との間の空間には、例えば、玄関、洗面所、
風呂場、廊下等が設けられている。そして、外側壁部8
4のうちコーナー壁85に対して縦横の両方向で対向す
る位置に、それぞれ外側耐力壁91が配され、これら外
側耐力壁91及びコーナー壁85で、建物の所定の強度
を上回るように構成してある。
【0047】本実施形態の建物によれば、一対の耐力壁
86を直角に接合したコーナー壁85と、そのコーナー
壁85に対して縦横の両方向で対向する外側耐力壁91
とで、縦横の両方向の強度がバランスよく確保される。
そして、これらコーナー壁85及び外側耐力壁91を四
隅に配置したことで、複数の耐力壁を散在させた従来の
建物(図6参照)に比べて、間取り自由空間を広く設定
することができる。また、コーナー壁85と外側耐力壁
91とで強度を確保したから、コーナー壁85同士の間
を、壁がない開放状態にして、通風性、採光性を向上さ
せることもできる。
【0048】<他の実施形態>本発明は、前記実施形態
に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するよ
うな実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、
下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実
施することができる。
【0049】(1)前記第1〜3の実施形態では、屋内
領域の内側には、耐力壁が設けられていなかったが、一
部に耐力壁を備えてもよい。即ち、大部分の耐力壁が、
建物の両側に偏在していれば、屋内領域の内側の一部に
耐力壁を備えても、間取り変更に優位になり、このよう
なものも本発明に含まれる。例えば、将来、間取り変更
を行う場合に、風呂場、トイレ等の水回りは変更しない
と判断し、前記第1実施形態の風呂場、トイレを画する
仕切壁35A(図1参照)を耐力壁で構成してもよい。
【0050】(2)また、耐力壁列群を構成する列の数
は、必ずしも、2列でなくてもよく、それ以上の複数列
で耐力壁列群が構成されていてもよい。
【0051】(3)前記第1実施形態は、2階建ての建
物に本発明を適用した例を示したが、1階建て、或い
は、3階建て以上の建物に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る建物の平断面図
【図2】建物の骨組みを示した斜視図
【図3】建物構成体を示した平断面図
【図4】第2実施形態の建物の平断面図
【図5】第3実施形態の建物の平断面図
【図6】従来の建物の平断面図
【符号の説明】
30…住居 19…戸界壁(区画壁) 53,55,57,59,73A,73B,79A,7
9B…耐力壁列 60,61,75,80…耐力壁列群 51,52,54,56,58…耐力壁 85,95…コーナー壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨ブレース構造の建物であって、複数
    の耐力壁が所定の間隔を空けて直列してなる耐力壁列
    を、複数列、並行させて耐力壁列群を構成し、 前記耐力壁列群を、建物のうち対向した両外寄り位置に
    それぞれ偏在させて、それら2組の耐力壁列群に挟まれ
    た屋内領域を形成したことを特徴とする建物。
  2. 【請求項2】 前記耐力壁列群同士の間に差し渡した区
    画壁にて、前記屋内領域を、内部に耐力壁を有しない複
    数の間取り自由空間に区画すると共に、 前記区画壁は、耐力壁と非耐力壁とを繋げて構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 【請求項3】 平断面形状が概ね矩形をなす建物であっ
    て、一対の耐力壁を直角に突き合わせてなるコーナー壁
    を四隅に配して、それらコーナー壁の内側に、耐力壁を
    有しない間取り自由空間を備えると共に、前記コーナー
    壁の外側に、前記コーナー壁が並ぶ縦横の両方向で、前
    記四隅のコーナー壁のそれぞれに対向した複数の外側耐
    力壁を設けて、これら外側耐力壁及びコーナー壁で、建
    物の所定の強度を上回るように構成したことを特徴とす
    る建物。
  4. 【請求項4】 複数の建物構成体を組み合わせて構成し
    た建物であって、 前記建物構成体は、一対の耐力壁を直角に突き合わせて
    なるコーナー壁を、四隅に配して、それらコーナー壁の
    内側に、耐力壁を有しない間取り自由空間を備えると共
    に、前記コーナー壁の外側に、前記コーナー壁が並ぶ縦
    横のいずれか一方向で、前記四隅のコーナー壁のそれぞ
    れに対向した複数の外側耐力壁を設けて、これら外側耐
    力壁及びコーナー壁で、前記建物構成体が、所定の強度
    を上回るように構成し、 前記一方向と直交する方向で、前記建物構成体を所望数
    連続させたことを特徴とする建物。
  5. 【請求項5】 耐力壁を有しない矩形の間取り自由空間
    の四隅に、一対の耐力壁を直角に突き合わせてなるコー
    ナー壁を配置すると共に、前記コーナー壁の外側に、前
    記コーナー壁が並ぶ縦横のいずれか一方向で、前記四隅
    のコーナー壁のそれぞれに対向する複数の外側耐力壁を
    設けて、これら外側耐力壁及びコーナー壁を備えた建物
    構成体を設定し、 前記建物構成体が、前記外側耐力壁及びコーナー壁に
    て、所定の強度を上回るようにすると共に、 前記一方向と直交する方向で、前記建物構成体を所望数
    連続させて1つの建物にすることを特徴とする建物の設
    計方法。
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