JP2019052273A - 部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法 Download PDF

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【課題】安全かつ簡便に、貯蔵安定性に優れた、部分エステル化エポキシ樹脂を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】触媒を用いて、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、前記エポキシ基1当量に対し10〜90当量%の(メタ)アクリル酸とを反応させるに際して、該反応の前又は同時に有機スルホン酸化合物を添加することを特徴とする部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。【選択図】図1

Description

本願は、部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法に関する。
エポキシ樹脂は、接着剤や塗料のためのベース剤の原材料として汎用されている。エポキシ樹脂の一部のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を開環付加させた部分エステル化エポキシ樹脂は、ベース剤の原材料のみならず、成形材料として、また高感度、高解像性、耐エッチング性等の優れた特性が求められる印刷用原盤、プリント基板のレジスト用保護膜、プリント基板用の層間絶縁膜等を形成する樹脂の原材料としても用いることができる。
一方、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、保管時に経時的に分子量が増大して短期間のうちに増粘又はゲル化する等、安定性が悪いという問題を抱えていた。また、合成時にも、反応が進行し過ぎた場合には急激に増粘が進行してゲル化に至ることもある。これらの要因は、カルボン酸とエポキシ基との反応の際に添加する触媒が影響して、(メタ)アクリルの2重結合、残存エポキシ基等の作用により、常温において架橋反応が進行するためであると考えられている。
そこで、反応後触媒を除去(例えば、特許文献1)、固体触媒を用いること(例えば、特許文献2)が提案されている。しかし、有機溶剤での希釈、繰り返し水洗、高粘度の反応生成物からの固体触媒の除去等、操作が煩雑であり生産性が低下する。
また、触媒の失活方法としては、触媒の酸化処理又はイオン交換樹脂を使用する方法(例えば、特許文献3及び4)、強酸性添加材としてスルホン酸又はリン酸使用を使用する方法(例えば、特許文献5及び6)が提案されている。しかし、何れの方法においても、煩雑な操作は免れず、また、部分エステル化エポキシ樹脂の増粘により劣化する、生成物中に添加材成分が残存するという問題がある。
さらに、いずれの方法についても、保管時には経時安定性良好でも、合成時において反応が進行し過ぎた場合に急激に増粘が進行してゲル化に至ることが依然として生じ、より安定な品質で、安全かつ簡便に部分エステル化エポキシ樹脂を製造することができる方法が待望されている。
特開平5−295087号公報 WO2011/078113号公報 特開平5−320312号公報 特開平11−012345号公報 特開2002−145984号公報 特開2013−103950号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、従来のエポキシ樹脂とエポキシアクリレート樹脂との反応系での問題点を解消し、安全かつ簡便に、貯蔵安定性に優れた、部分エステル化エポキシ樹脂を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本願は、以下の発明を含む。
(1)触媒を用いて、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、前記エポキシ基1当量に対し10〜90当量%の(メタ)アクリル酸とを反応させるに際して、該反応の前又は同時に有機スルホン酸化合物を添加することを特徴とする部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。
(2)前記触媒が、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン誘導体及び第3級アミン誘導体からなる群から選択される1以上である上記に記載の部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。
(3)前記有機スルホン酸化合物が、フェノールスルホン酸又はスルホサリチル酸である上記に記載の部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。
本発明によれば、安全かつ簡便に、貯蔵安定性に優れた、部分エステル化エポキシ樹脂を製造することができる。
また、この方法によって得られた安全で高品質の部分エステル化エポキシ樹脂を用いることにより、高品質な液晶用シール材を提供することができる。
合成例1及び2、比較合成例2の60℃での粘度経時変化を示したグラフである。 合成例3及び比較合成例3の反応時の粘度経時変化を示したグラフである。
本願の部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法は、触媒を用いて、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、前記エポキシ基1当量に対し10〜90当量%の(メタ)アクリル酸とを反応させるに際して、その反応の前又は同時に有機スルホン酸化合物を添加する工程を含む。
このような方法を用いることで、エポキシ基とアクリル酸との反応超過時、言い換えると、反応が終了してアクリル酸がなくなった後もそのまま継続して反応させた場合でも樹脂が急激に増粘することなく、また長期にわたって、高い貯蔵安定性を有する部分エステル化エポキシ樹脂、例えば、エステル化率10〜90mol%を合成することが可能となる。その結果、反応中、反応直後及び長期間、安定した粘度を維持することができ、得られた部分エステル化エポキシ樹脂のポットライフを確保することができる。
この製造方法で使用される触媒は、通常カルボン酸とエポキシ基との反応で用いられ、その反応速度を向上させるものであればよい。例えば、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン誘導体、第3級アミン誘導体等が挙げられる。
4級オニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニムブロマイドなどが挙げられる。
3級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン;トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリシクロアルキルホスフィン;トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどトリアルキルホスフィンなどが挙げられる。
3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン;ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミンなどのジアルキルアリールアミン;トリエタノールアミンなどが挙げられる。
これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの触媒は、(メタ)アクリル酸1モルに対して、0.0001〜1.0モルで用いることが好ましく、0.001〜0.1モルで用いることがより好ましい。
なお、本願の製造方法では、多官能エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応において、ハイドロキノン、フェノチアジン等の重合禁止剤を上述した触媒とともに存在させ、反応系を安定化させることが好ましい。
多官能エポキシ樹脂はオキシラン環を二つ以上有するエポキシ樹脂である。ここで多官能とは2以上の官能基を有することをいう。例えば、脂肪族系多官能液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールの誘導体エポキシ樹脂、ナフタレン骨格又は脂環式骨格含有ノボラック系エポキシ樹脂等が挙げられ、オキシラン環がグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂であれば、適用可能である。
本願において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の双方を指す。(メタ)アクリル酸は、多官能エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1当量に対し10〜90当量%で反応させることが好ましい。このように、反応させる多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数に対して、(メタ)アクリル酸を、それよりも少ない量で反応させることにより、エポキシ基を一部残存した状態とすることができる。これによって、エポキシ基とアクリル基とを同時に有する化合物となり、エポキシ基及びアクリル基のそれぞれ単独又は両方を活用した重合が可能な部分エステル化エポキシ樹脂を得ることができ、その用途が広がる。
上述した製造方法で反応の前又は同時に添加される有機スルホン酸化合物としては、アルキルスルホン酸、ヒドロキシアルキルスルホン酸、カルボキシアルキルスルホン酸、フェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸、カルボキシフェニルスルホン酸等が挙げられる。アルキルスルホン酸としては、メタンスルホン酸が挙げられ、ヒドロキシアルキルスルホン酸としては、ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸等が挙げられ、カルボキシアルキルスルホン酸としては、カルボキシエチルスルホン酸、カルボキシプロピルスルホン酸等が挙げられ、フェニルスルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等が挙げられ、フェノールスルホン酸としては、o、m又はp−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸等が挙げられ、カルボキシフェニルスルホン酸としては、o、m又はp−スルフォ安息香酸、スルフォイソフタル酸等が挙げられる。なかでも、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等が好ましく、反応時にエポキシと結合を形成できる点で、カルボニル基を有しているスルホサリチル酸であることがより好ましい。
言い換えると、上述した製造方法における反応系に、特にカルボニル基、フェノール性水酸基を有するようなスルホン酸を使用した場合には、(メタ)アクリル酸とエポキシの反応と同時に、それらの官能基とエポキシ樹脂との反応が同時に進行することとなる。従って、有機スルホン酸化合物におけるこれらの官能基を樹脂骨格に結合させて、取り込ませることができる。また、得られた部分エステル化樹脂中の原料(メタ)アクリル酸を極めて低いレベルまで反応で消費させることが可能となる。これによって、得られた部分エステル化エポキシ樹脂を用いた場合においても、有機スルホン酸化合物、(メタ)アクリル酸に起因する汚染物質が浸出することを防止することができる。その結果、電気/電子回路等、さらには液晶を備えるような、液晶シール材として使用することが可能となる。
これらのスルホン酸は、触媒と相互作用することにより、部分エステル化エポキシ樹脂が長期保存中に架橋することを抑制できる。
有機スルホン酸化合物は、ヒドロキシアルキルスルホン酸、カルボキシアルキルスルホン酸、フェノールスルホン酸、カルボキシフェニルスルホン酸のいずれかであり、水酸基又はカルボキシル基の極性基を有していることがさらに好ましい。部分エステル化エポキシ樹脂を重合させたとき、これらの極性基の極性部位と重合物の極性部位とが静電的に引寄せられ、さらに熱重合を併用する場合はこれら極性基がエポキシ基と反応して共有結合を形成するため、有機スルホン酸の溶出を抑制することができる。そのため、得られた部分エステル化エポキシ樹脂で形成されたプリント基板のレジスト用保護膜等、接触する金属を腐食しない。また、得られた部分エステル化エポキシ樹脂で形成されたプリント基板用層間絶縁膜は、優れた絶縁性を有している。
この反応では、有機スルホン酸化合物は、触媒の重量の0.5〜3倍の重量で用いることが適しており、1〜2倍の重量で用いることが好ましい。
本発明の製造方法では、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。特に固形エポキシ樹脂を反応させる場合には、エポキシ基と(メタ)アクリル酸とを溶媒に溶解させた後、70〜120℃で反応させることが好ましい。
上述した製造方法では、有機スルホン酸は、反応前に、(メタ)アクリル酸に予め溶解させておくことが好ましい。これにより、反応に用いる多官能エポキシ樹脂との相溶性を図ることができ、部分エステル化エポキシ樹脂を十分に安定化させることができ、急激な増粘が進行することを防止することができる。
多官能エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応においては、これらと、触媒及び有機スルホン酸とを含む混合物を、例えば、60〜120℃で、5〜20時間反応させることにより、全ての(メタ)アクリル酸が、エポキシ基へ開環反応し、エポキシ基が一部残存した状態で、(メタ)アクリル酸によって部分的にエステル化されたエポキシ樹脂を得ることができる。このような部分エステル化エポキシ樹脂は、このような方法とは異なる方法で製造された、同一骨格の樹脂と比較して、分子量、粘度、その他の物性が、室温下でも、長時間ほとんど変化しない、つまり増粘及びゲル化することなく、非常に経時安定性に優れたものである。その結果、様々な分野での応用展開が可能となる。
例えば、部分エステル化エポキシ樹脂は、分子中に残存するエポキシ基及び/又は(メタ)アクリル酸の付加により生じた水酸基に、さらに、種々の化学修飾を施して、新たな機能を付与するための中間体としても有用である。
また、得られた部分エステル化エポキシ樹脂を含有する組成物において、部分エステル化エポキシ樹脂を、活性エネルギー線及び/又は熱により架橋させて、シート状、テープ状等種々の形状に成形して用いることができる。特に、UV硬化及び熱硬化の併用が可能であり、例えば、UVによるプレキュアーの後、熱によるアフターキュアーを利用して、接着剤、塗料関係等のベースレジンとして広く活用することができる。
そして、このような成形/硬化物は、低粘度、高ガラス転移温度、低吸水率、低硬化収縮率、低色数等の優れた特性を発揮する。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例1)ビスフェノールA型50%部分アクリル化エポキシの合成
液状のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量182)250部(1.374当量)に、アクリル酸48部(0.667当量)と、トリフェニルホスフィン0.90部と、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.09部とを加えるとともに、フェノールスルホン酸0.90部を添加し、80℃〜90℃で10時間反応させた。得られた生成物を、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定したところ、酸価が0.2KOHmg/gであることを確認した。
(合成例2)ビスフェノールA型50%部分メタクリル化エポキシの合成
液状のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量182)300部(1.650当量)に、メタクリル酸69.5部(0.808当量)と、トリフェニルホスフィン1.10部と、ハイドロキノンモノエチルエーテル0.07部とを加えるとともに、フェノールスルホン酸1.10部を添加し、80℃〜90℃で10時間反応させた。得られた生成物を、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定したところ、酸価が0.2KOHmg/gであることを確認した。
(合成例3)ビスフェノールA型25%部分アクリル化エポキシの合成
液状のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量182)40部(0.220当量)に、アクリル酸3.88部(0.054当量)と、トリフェニルホスフィン0.132部と、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0132部とを加えるとともに、フェノールスルホン酸0.132部を添加し、80℃〜90℃で8時間反応させた。得られた生成物を、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定したところ、酸価が0.2KOHmg/gであることを確認した。
(比較合成例1)ビスフェノールA型50%部分アクリル化エポキシの合成
液状のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量182)250部(1.374当量)に、アクリル酸48部(0.667当量)と、トリフェニルホスフィン0.90部と、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.09部とを加えた後、80℃〜90℃で10時間反応させた。得られた生成物を、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定したところ、酸価が2.0KOHmg/gであることを確認した。
(比較合成例2)ビスフェノールA型50%部分アクリル化エポキシの合成
液状のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量182)250部(1.374当量)に、アクリル酸48部(0.667当量)と、トリフェニルホスフィン0.90部と、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.09部とを加えた後、80℃〜90℃で8時間反応させた。その後、40℃まで冷却してからフェノールスルホン酸を0.90部添加して1時間撹拌した。得られた生成物を、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定したときの酸価が3.5KOHmg/gであることを確認した。
(比較合成例3)ビスフェノールA型25%部分アクリル化エポキシの合成
液状のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量182)40部(0.220当量)に、アクリル酸3.88部(0.054当量)と、トリフェニルホスフィン0.132部と、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0132部とを加えた後、80℃〜90℃で8時間反応させた。得られた生成物を、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定したところ、酸価が0.1KOHmg/gであることを確認した。
(実施例1)
合成例1、2および比較合成例1により得た部分エポキシアクリレート化エポキシ樹脂の60℃における粘度(Pa・s、25℃)の経時変化を調べた。結果を表1および図1に示す。
粘度は、ビスメトロンE型粘度計を用いて、25℃にて測定した。
表1および図1に示した通り、合成例1および2については、長期間にわたり高い経時安定性を示し、貯蔵安定性に優れていることがわかる。
一方、比較合成例1の部分エポキシアクリレート化エポキシ樹脂は非常に早く増粘し、60℃にて1日でゲル化し、それ以降の粘度測定が不可能であった。
また、フェノールスルホン酸を反応後に投入するという従来技術にて合成した比較合成例2については、長期間にわたり高い経時安定性を示す一方で、測定初期に増粘傾向が見られることが確認できる。
(実施例2)
合成例3および比較合成例3により得た部分エポキシアクリレート化エポキシ樹脂の合成方法に関して、反応時の1時間ごとの粘度変化について測定した結果を表2および図2に示す。
粘度の測定にはビスメトロンE型粘度計を用いて、25℃にて測定を実施した。
表2および図2に示した通り、比較合成例3の部分エポキシアクリレート化エポキシ樹脂の合成方法では、反応終点に到達すると著しく増粘が観察される一方で、合成例3の合成方法では、反応終点に達してもほとんど増粘が観察されないことがわかる。
このように、表1及び図1の結果から、合成例1〜2の部分(メタ)アクリレート化エポキシ樹脂は、60℃においても長期間にわたり高い経時安定性を示し、貯蔵安定性に優れていることがわかる。また、表2および図2の結果から、本発明の合成方法を行うことにより、反応超過時でも樹脂が急激に増粘することなく、安定的に所望の部分エポキシアクリレート化エポキシ樹脂を得ることができることが確認された。
さらに、反応系中のアクリル酸およびメタクリル酸を極めて同じ程度まで消費できることから、エポキシ基と反応可能な官能基を有する有機スルホン酸化合物を併せて用いることにより、低分子量不純物を低減できるため、液晶シール材としても好ましく使用できる。
本願の部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法は、高品質の部分エステル化エポキシ樹脂を得られることから、粘着剤及び塗料のベース剤、印刷用原盤を形成する構造材料、レジスト用保護膜及びプリント基板層間絶縁膜等を形成する機能材料として使用される部分エステル化エポキシ樹脂の製造に好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 触媒を用いて、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、前記エポキシ基1当量に対し10〜90当量%の(メタ)アクリル酸とを反応させるに際して、該反応の前又は同時に有機スルホン酸化合物を添加することを特徴とする部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。
  2. 前記触媒が、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン誘導体及び第3級アミン誘導体からなる群から選択される1以上である請求項1に記載の部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。
  3. 前記有機スルホン酸化合物が、フェノールスルホン酸又はスルホサリチル酸である請求項1又は2に記載の部分エステル化エポキシ樹脂の製造方法。
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