JP2007153853A - エステル化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不飽和カルボン酸と、エポキシ化合物との反応において、反応中にゲル及び副反応生成物が生成しにくい製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、不飽和カルボン酸(アクリル酸等)とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備える。このエポキシ化合物の添加速度は、酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分である。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、不飽和カルボン酸(アクリル酸等)とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備える。このエポキシ化合物の添加速度は、酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、不飽和カルボン酸と、エポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法に関し、副反応生成物の含有割合の少ないエステル化物の製造方法に関する。
近年、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸と、エポキシ化合物とを反応させて得られた不飽和カルボン酸エステルは、各種コーティング剤、接着剤、シーリング剤、インキ、塗料等に広く用いられている。
上記反応は、通常、原料成分を一括して反応容器に収容して、加熱下で行われている(例えば、特許文献1、2、3等)。
特開平5−320312号公報
特開平8−3275号公報
特開2002−293876号公報
上記反応は、通常、原料成分を一括して反応容器に収容して、加熱下で行われている(例えば、特許文献1、2、3等)。
不飽和カルボン酸と、エポキシ化合物とを反応させて不飽和カルボン酸エステルを製造する際には、原料である不飽和カルボン酸が重合しやすく、これにより、反応中にゲルが生成する、副反応生成物等の混在により粘度が異常上昇する、目的生成物の酸価が高い、着色する等の不具合を招くことが知られている。
本発明は、不飽和カルボン酸と、エポキシ化合物との反応において、反応中にゲル及び副反応生成物が生成しにくい製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、不飽和カルボン酸と、エポキシ化合物との反応において、反応中にゲル及び副反応生成物が生成しにくい製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討した結果、不飽和カルボン酸及びエポキシ化合物の共存下に反応を開始するのではなく、不飽和カルボン酸の存在下にエポキシ化合物を添加しながらエステル化反応を行うことにより、反応中にゲル及び副反応生成物が生成しにくい所望のエステル化物(不飽和カルボン酸エステル)を高い操業性をもって製造することができることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
1.不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備えることを特徴とするエステル化物の製造方法。
2.上記エポキシ化合物の添加速度が、酸成分100gに対して0.1〜100g/分である上記1に記載のエステル化物の製造方法。
3.反応温度が40〜160℃である上記1又は2に記載のエステル化物の製造方法。
4.上記不飽和カルボン酸が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方である上記1乃至3のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
5.上記酸成分が、飽和多塩基酸及び酸無水物の少なくとも一方を含む上記1乃至4のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
6.上記反応が、重合禁止剤及び触媒の少なくとも一方の存在下に行われる上記1乃至5のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
1.不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備えることを特徴とするエステル化物の製造方法。
2.上記エポキシ化合物の添加速度が、酸成分100gに対して0.1〜100g/分である上記1に記載のエステル化物の製造方法。
3.反応温度が40〜160℃である上記1又は2に記載のエステル化物の製造方法。
4.上記不飽和カルボン酸が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方である上記1乃至3のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
5.上記酸成分が、飽和多塩基酸及び酸無水物の少なくとも一方を含む上記1乃至4のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
6.上記反応が、重合禁止剤及び触媒の少なくとも一方の存在下に行われる上記1乃至5のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
本発明によれば、反応中にゲル及び副反応生成物が生成しにくいため、所期のエステル化物を効率よく製造することができる。
本発明により得られたエステル化物は、副反応生成物の含有割合が少ないため、粘度及び酸価が所期の範囲にあり、紫外線、電子線、α線、γ線、中性子線等の活性エネルギー線を用いた硬化用の組成物の成分として好適である。
本発明により得られたエステル化物は、副反応生成物の含有割合が少ないため、粘度及び酸価が所期の範囲にあり、紫外線、電子線、α線、γ線、中性子線等の活性エネルギー線を用いた硬化用の組成物の成分として好適である。
以下、本発明を詳しく説明する。尚、「(メタ)アクリル」なる表記は、アクリル及びメタクリルの両方を意味するものとする。
本発明のエステル化物の製造方法は、不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備えることを特徴とする。
本発明のエステル化物の製造方法は、不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備えることを特徴とする。
上記酸成分は、不飽和カルボン酸を含む。この不飽和カルボン酸としては、不飽和結合を1つ以上有し且つカルボキシル基を1つ以上有する化合物であれば、特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸(3−フェニルアクリル酸)、2−フェニルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、アコニット酸、グルタコン酸等のほか、(メタ)アクリル酸エステルの多塩基酸変性物等を用いることができる。この(メタ)アクリル酸エステルの多塩基酸変性物としては、(ジ)ペンタエリスリトール及びそのアルキレングリコール変性(メタ)アクリレートの多塩基酸変性物、(ジ)トリメチロールプロパン及びそのアルキレングリコール変性(メタ)アクリレートの多塩基酸変性物、アルキレングリコール(メタ)アクリレートの多塩基酸変性物、ネオペンチルグリコール及びそのアルキレングリコール変性(メタ)アクリレートの多塩基酸変性物等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
上記不飽和カルボン酸は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
上記酸成分は、更に、飽和カルボン酸、酸無水物等を含んでもよい。
飽和カルボン酸としては、1つ以上のカルボキシル基を有する一塩基酸を用いてよいし、2つ以上のカルボキシル基を有する多塩基酸を用いてもよい。また、一塩基酸及び多塩基酸を組み合わせて用いることもできる。
飽和カルボン酸としては、1つ以上のカルボキシル基を有する一塩基酸を用いてよいし、2つ以上のカルボキシル基を有する多塩基酸を用いてもよい。また、一塩基酸及び多塩基酸を組み合わせて用いることもできる。
上記の一塩基酸及び多塩基酸としては、いずれも、脂肪族、脂環族及び芳香族のカルボン酸を用いることができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸等が挙げられる。
脂環族モノカルボン酸としては、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロパン酸、サリチル酸、没食子酸等が挙げられる。
また、下記のジカルボン酸のモノエステル等を用いることもできる。
脂環族モノカルボン酸としては、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロパン酸、サリチル酸、没食子酸等が挙げられる。
また、下記のジカルボン酸のモノエステル等を用いることもできる。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等が挙げられる。
また、芳香族トリカルボン酸としては、トリメリット酸等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等が挙げられる。
また、芳香族トリカルボン酸としては、トリメリット酸等が挙げられる。
また、本発明に係る飽和カルボン酸としては、上記例示したカルボン酸において、構成する炭素原子に結合する水素原子が、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基等に置換された化合物を用いることもでき、例えば、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸、サリチル酸等を用いることもできる。
酸無水物としては、上記飽和カルボン酸として例示したジカルボン酸の酸無水物、トリカルボン酸の無水物や、重合性不飽和結合を有する酸無水物を用いることができる。これらの例としては、無水マロン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水クエン酸等が挙げられる。
上記酸成分として、不飽和カルボン酸と、飽和カルボン酸、酸無水物等とを併用する場合には、飽和カルボン酸、酸無水物等の使用量は、上記酸成分の全量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜99質量%、より好ましくは1〜90質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
次に、上記エポキシ化合物としては、1つ以上のエポキシ基を有するものであれば、脂肪族化合物、脂環族化合物及び芳香族化合物のいずれでもよい。これらは単独で用いてよいし、2種又は3種の組み合わせで用いてもよい。また、このエポキシ化合物の沸点は、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは160℃以上である。更に、このエポキシ化合物のエポキシ当量は、好ましくは60〜1,000g/eq、より好ましくは80〜500g/eq、更に好ましくは90〜300g/eqである。尚、上記エポキシ化合物は、飽和化合物及び不飽和化合物のいずれでもよいが、飽和化合物であることが好ましい。
上記エポキシ化合物としては、エポキシ基以外の官能基を有さない脂環式化合物(又はオレフィン酸化型化合物)、グリシジルエーテル型化合物、グリシジルエステル型化合物、グリシジルアミン型化合物等を用いることができる。
脂環式化合物としては、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン(シクロヘキセンオキサイド)、1,4−エポキシシクロヘキサン等が挙げられる。
グリシジルエーテル型化合物のうち、エポキシ基を1つ有する化合物としては、エチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル等のアルキルフェニルモノグリシジルエーテル;ブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ブロモメチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモメチルフェニルグリシジルエーテル等のハロゲン化フェニルグリシジルエーテル;アルキルアルコールモノグリシジルエーテル;フェノールモノグリシジルエーテル;アルキルフェノールモノグリシジルエーテル;グリセロールグリシジルエーテル等のポリアルコールモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式化合物としては、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン(シクロヘキセンオキサイド)、1,4−エポキシシクロヘキサン等が挙げられる。
グリシジルエーテル型化合物のうち、エポキシ基を1つ有する化合物としては、エチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル等のアルキルフェニルモノグリシジルエーテル;ブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ブロモメチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモメチルフェニルグリシジルエーテル等のハロゲン化フェニルグリシジルエーテル;アルキルアルコールモノグリシジルエーテル;フェノールモノグリシジルエーテル;アルキルフェノールモノグリシジルエーテル;グリセロールグリシジルエーテル等のポリアルコールモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエーテル型化合物のうち、エポキシ基を2つ以上有する化合物としては、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル化合物、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物等の脂環式ジグリシジルエーテル化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテルや、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物;ハイドロキノンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のフェニルジグリシジルエーテル;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物;フェノールノボラック型エポキシ化合物;クレゾールノボラック型エポキシ化合物;水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等の水素化ビスフェノール型エポキシ化合物;臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂等のハロゲン化ビスフェノール型エポキシ化合物;ビフェノール型エポキシ樹脂;ポリサルファイドジグリシジルエーテル等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのポリグリシジルエーテル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
グリシジルエステル型化合物としては、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエート、フタル酸グリシジル、ジヒドロフタル酸グリシジル、テトラヒドロフタル酸グリシジル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
グリシジルアミン型化合物としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、ジグリシジルトリブロモアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジエン重合体等を用いることもできる。
その他、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジエン重合体等を用いることもできる。
上記エポキシ化合物は、エポキシ樹脂として入手されるものもあり、その種類によっては、分子量分布を有するものがある。
上記エポキシ化合物の使用量は、エポキシ基の数、エポキシ当量等によるが、上記酸成分のカルボキシル基1モルに対し、通常、エポキシ化合物のエポキシ基0.01〜2.0モルとなる量であり、好ましくは0.05〜1.5モル、より好ましくは0.1〜1.2モルである。エポキシ化合物の使用量が多すぎると、得られるエステル化物が貯蔵中に重合したり、増粘したりする場合がある。一方、エポキシ化合物の使用量が少ない場合は、部分エステル化物が得られる。
本発明は、不飽和カルボン酸とエポキシ化合物との反応において、酸成分の存在下に、エポキシ化合物を添加する工程を備えるものである。即ち、撹拌手段、温度調整手段、原料供給手段、圧力調整手段等を備える反応容器に、不飽和カルボン酸を含む酸成分等を収容した後、必要に応じて加熱し、エポキシ化合物を添加することにより反応させるものである。
反応容器に予め収容される成分は、反応に関わる不飽和カルボン酸及びエポキシ化合物の種類、目的とするエステル化物の構造等により選択される。即ち、反応は、溶媒、触媒、重合禁止剤等の存在下で行う場合と、これらを用いずに行う場合とがある。
溶媒としては、通常、炭化水素、ケトン等が用いられる、炭化水素としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。また、ケトンとしては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記溶媒を用いる場合、その使用量は、上記酸成分100質量部に対して、好ましくは5〜100,000質量部、より好ましくは10〜10,000質量部、更に好ましくは100〜5,000質量部である。
上記溶媒を用いる場合、その使用量は、上記酸成分100質量部に対して、好ましくは5〜100,000質量部、より好ましくは10〜10,000質量部、更に好ましくは100〜5,000質量部である。
上記触媒としては、4級アンモニウム塩、3級アミン、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、ハロゲン化リチウム、トリフルオロホウ素錯塩等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、エチルトリオクチルアンモニウムクロライド、エチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、エチルトリオクチルアンモニウムクロライド、エチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(N,N−ジエチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、N,N−ジメチルベンジルアミン等が挙げられる。
3級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
4級ホスホニウム塩としては、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヨーダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリブチルホスホニウムヨーダイド、メチルトリオクチルホスホニウムクロライド、メチルトリオクチルホスホニウムブロマイド、エチルトリオクチルホスホニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニウムブロマイド、デシルトリブチルホスホニウムクロライド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニウムクロライド等が挙げられる。
4級ホスホニウム塩としては、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヨーダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリブチルホスホニウムヨーダイド、メチルトリオクチルホスホニウムクロライド、メチルトリオクチルホスホニウムブロマイド、エチルトリオクチルホスホニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニウムブロマイド、デシルトリブチルホスホニウムクロライド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニウムクロライド等が挙げられる。
上記触媒を用いる場合、その使用量は、上記酸成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。尚、この触媒は、予め、反応容器に収容しておいてよいし、エポキシ化合物の添加と同時に添加してもよい。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、エチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンメチルエーテル、ハイドロキノンエチルエーテル、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、カテコール、tert−ブチルカテコール等のフェノール化合物;フェノチアジン、ジフェニルアミン等の含窒素化合物;塩化第二銅、硫酸銅等の金属銅化合物等が挙げられる。
上記重合禁止剤の使用量は、最終のエステル化物100質量部に対して、通常、0.01〜1質量部である。尚、この重合禁止剤は、予め、反応容器に収容しておいてよいし、エポキシ化合物の添加と同時又はそれ以降に添加してもよい。
上記重合禁止剤の使用量は、最終のエステル化物100質量部に対して、通常、0.01〜1質量部である。尚、この重合禁止剤は、予め、反応容器に収容しておいてよいし、エポキシ化合物の添加と同時又はそれ以降に添加してもよい。
反応容器に収容された成分は、不飽和カルボン酸及びエポキシ化合物の種類、並びに溶媒の種類を考慮し、40〜160℃に温度調整される。その後、必要に応じて、反応系の雰囲気を調整したり、反応温度を再調整したりした後、エポキシ化合物が添加される。エポキシ化合物は、液状である場合には、そのまま用いることができるが、固体である場合には、有機溶媒に溶解させた溶液を用いるか、あるいは、加熱して液状としてから用いることができる。
上記エポキシ化合物の添加方法は、連続添加、間欠添加及びランダム添加のいずれでもよく、終始同じ添加方法であってよいし、反応中に変更してもよい。
上記エポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは1〜50g/分、更に好ましくは5〜20g/分である。尚、エポキシ化合物を有機溶媒に溶解して用いる場合については、エポキシ化合物の絶対量とする。上記範囲の添加速度とすることにより、反応中にゲル及び副反応生成物の生成を抑制することができる。上記エポキシ化合物の添加速度は、終始一定であってよいし、上記範囲内で変化させながら行ってもよい。
上記エポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは1〜50g/分、更に好ましくは5〜20g/分である。尚、エポキシ化合物を有機溶媒に溶解して用いる場合については、エポキシ化合物の絶対量とする。上記範囲の添加速度とすることにより、反応中にゲル及び副反応生成物の生成を抑制することができる。上記エポキシ化合物の添加速度は、終始一定であってよいし、上記範囲内で変化させながら行ってもよい。
尚、エポキシ化物の製造装置において、エポキシ化合物のエポキシ当量をB〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数をU〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積をAave〔m2〕、設定した反応温度をT1、反応容器の冷却可能温度をT2とした場合、上記エポキシ化合物の添加速度(下記式(1)の中辺)は、下記式(1)を満たすように、反応容器の材質、使用する原料の種類及び量、反応温度等を適宜設定することで調整することができる。
上記式(1)において、(X1)の下限値は、好ましくは0.1g/分、より好ましくは1g/分、更に好ましくは5g/分である。また、(X2)の上限値は、好ましくは100g/分であり、より好ましくは50g/分であり、更に好ましくは20g/分である。
上記式(1)において、(X1)の下限値は、好ましくは0.1g/分、より好ましくは1g/分、更に好ましくは5g/分である。また、(X2)の上限値は、好ましくは100g/分であり、より好ましくは50g/分であり、更に好ましくは20g/分である。
上記添加速度が100g/分を超えると、又は、エポキシ化合物の全量を、不飽和カルボン酸と併存させて反応させると、初期に生成した、目的のエステル化物に含まれるヒドロキシル基が、更に未反応のエポキシ化合物と反応し、副反応生成物が生成する場合がある。
例えば、アクリル酸と、エチレングリコールジグリシジルエーテルとを反応させ、下記式(2)のエステル化物を製造する場合、上記添加速度が大きすぎると、又は、エポキシ化合物の全量を、不飽和カルボン酸と併存させて反応させると、徐々に生成する下記式(2)の化合物におけるヒドロキシル基が、エチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ基と反応した化合物が得られ、この化合物が下記式(2)のエステル化物と混在することとなる。
例えば、アクリル酸と、エチレングリコールジグリシジルエーテルとを反応させ、下記式(2)のエステル化物を製造する場合、上記添加速度が大きすぎると、又は、エポキシ化合物の全量を、不飽和カルボン酸と併存させて反応させると、徐々に生成する下記式(2)の化合物におけるヒドロキシル基が、エチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ基と反応した化合物が得られ、この化合物が下記式(2)のエステル化物と混在することとなる。
上記のように、不飽和カルボン酸及びエポキシ化合物の種類、並びに溶媒の種類により、反応温度は選択される。反応温度によっては、沸騰状態の溶媒中で反応させる場合がある。減圧下で反応させる場合には、適宜、反応容器の内圧が調整される。
不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であり、エポキシ化合物が、上記脂環式化合物等の、エポキシ基を1つ有する化合物の1種以上である場合には、反応温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは50〜150℃、更に好ましくは60〜140℃である。この場合のエポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは0.5〜30g/分、更に好ましくは1〜15g/分である。
また、不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であり、エポキシ化合物が、エポキシ基を2つ以上有する化合物の1種以上である場合には、反応温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは60〜150℃、更に好ましくは75〜140℃である。この場合のエポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは1〜40g/分、更に好ましくは3〜25g/分である。
更に、不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であり、更に、飽和カルボン酸及び/又は酸無水物を用い、エポキシ化合物が、エポキシ基を2つ以上有する化合物の1種以上である場合には、反応温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは50〜150℃、更に好ましくは60〜140℃である。この場合のエポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは1〜40g/分、更に好ましくは2〜20g/分である。
上記いずれの場合においても、反応温度が低すぎると、反応中に、ゲルや副反応生成物の生成が抑制されるが、反応速度が低下して、反応時間が長くなり効率的でなく、一方、反応温度が高すぎると、反応熱の除熱を制御することが困難となる場合、付加反応が突然進行し、重合が開始してしまう場合がある。また、その付加反応により不純物が多量に発生する場合がある。
不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であり、エポキシ化合物が、上記脂環式化合物等の、エポキシ基を1つ有する化合物の1種以上である場合には、反応温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは50〜150℃、更に好ましくは60〜140℃である。この場合のエポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは0.5〜30g/分、更に好ましくは1〜15g/分である。
また、不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であり、エポキシ化合物が、エポキシ基を2つ以上有する化合物の1種以上である場合には、反応温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは60〜150℃、更に好ましくは75〜140℃である。この場合のエポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは1〜40g/分、更に好ましくは3〜25g/分である。
更に、不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であり、更に、飽和カルボン酸及び/又は酸無水物を用い、エポキシ化合物が、エポキシ基を2つ以上有する化合物の1種以上である場合には、反応温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは50〜150℃、更に好ましくは60〜140℃である。この場合のエポキシ化合物の添加速度は、反応容器中の酸成分100gに対して、好ましくは0.1〜100g/分であり、より好ましくは1〜40g/分、更に好ましくは2〜20g/分である。
上記いずれの場合においても、反応温度が低すぎると、反応中に、ゲルや副反応生成物の生成が抑制されるが、反応速度が低下して、反応時間が長くなり効率的でなく、一方、反応温度が高すぎると、反応熱の除熱を制御することが困難となる場合、付加反応が突然進行し、重合が開始してしまう場合がある。また、その付加反応により不純物が多量に発生する場合がある。
反応は、(i)溶媒の存在下で行い、脱水反応を伴う場合には、水の留出が終了した時点、又は、エポキシ化合物に対して、酸成分の転化率が90%以上になった時点で終了する。また、(ii)溶媒の非存在下で行う場合には、反応途中において、反応液の酸価を測定し、エポキシ化合物に対して、酸成分の転化率が90%以上になった時点で終了する。上記酸成分の転化率は、例えば、反応液の酸価を測定することにより求められる。
上記(i)及び(ii)の場合には、通常、反応後、所期のエステル化物を含有する反応液に対し、必要に応じて、未反応の酸成分、触媒等を除去するための洗浄工程及び/又は中和工程に進む。これらの工程の方法は、特に限定されないが、塩基性水溶液で中和を行い、その後、エステル化物の分解を抑制するために、水あるいは塩化ナトリウム等の中性塩の水溶液を用いて洗浄することが好ましい。
反応液を洗浄した後、溶媒を留去する溶媒除去工程に進む。この溶媒除去工程は、通常、常圧下又は減圧下、溶媒の沸点を考慮した加熱により行う。この留去温度が高すぎると、エステル化物の重合体(二量体等)が生成する場合がある。尚、加熱の際には、エステル化物の重合を防止するために、微量の酸素又は空気を吹き込むことができる。
反応溶媒を留去後、濾過等により、夾雑物を除去し、所期のエステル化物を得る。
上記(i)及び(ii)の場合には、通常、反応後、所期のエステル化物を含有する反応液に対し、必要に応じて、未反応の酸成分、触媒等を除去するための洗浄工程及び/又は中和工程に進む。これらの工程の方法は、特に限定されないが、塩基性水溶液で中和を行い、その後、エステル化物の分解を抑制するために、水あるいは塩化ナトリウム等の中性塩の水溶液を用いて洗浄することが好ましい。
反応液を洗浄した後、溶媒を留去する溶媒除去工程に進む。この溶媒除去工程は、通常、常圧下又は減圧下、溶媒の沸点を考慮した加熱により行う。この留去温度が高すぎると、エステル化物の重合体(二量体等)が生成する場合がある。尚、加熱の際には、エステル化物の重合を防止するために、微量の酸素又は空気を吹き込むことができる。
反応溶媒を留去後、濾過等により、夾雑物を除去し、所期のエステル化物を得る。
本発明の方法によると、ゲル、副反応生成物(重合体を含む)等の不純物の含有割合が少ないため、粘度上昇、着色等の抑制されたエステル化物を得ることができる。
このエステル化物が、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルである場合には、熱、光等により重合しやすい性質を有することから、熱硬化性組成物、光硬化性組成物等の原料として用いることができる。特に、紫外線、電子線、α線、γ線、中性子線等の活性エネルギー線を用いた硬化性組成物として好適である。エステル化物において、上記不純物の含有割合が少ないことから、各種組成物を調製しやすく、性能低下の抑制された製品を得ることができる。このような組成物としては、インキ、塗料、接着剤、ポッティング剤、シーリング剤、成形材料等として多用される。
このエステル化物が、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルである場合には、熱、光等により重合しやすい性質を有することから、熱硬化性組成物、光硬化性組成物等の原料として用いることができる。特に、紫外線、電子線、α線、γ線、中性子線等の活性エネルギー線を用いた硬化性組成物として好適である。エステル化物において、上記不純物の含有割合が少ないことから、各種組成物を調製しやすく、性能低下の抑制された製品を得ることができる。このような組成物としては、インキ、塗料、接着剤、ポッティング剤、シーリング剤、成形材料等として多用される。
以下に例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、下記記載において、「%」は、特に断らない限り質量基準である。
また、製造した不飽和カルボン酸エステルの純度及び粘度の測定方法を、以下に示す。
(1)純度
下記条件でGPC測定を行い、クロマトグラムにおける、所定のエステル化物のRI面積%から純度を算出した。
[測定条件]
装 置 ; 高速液体クロマトグラフ装置「LC−6A」(島津製作所社製)
カラム ; Shim−pack GPC−802 + GPC−803(島津製作所社製)
〔ガードカラムGPC−800P(島津製作所社製)を使用〕
カラム温度; 40℃
移動相 ; THF
流 量 ; 0.75ミリリットル/分
検出器 ; 示差屈折率計
試料注入量; 25マイクロリットル
(2)粘度
E型粘度計を用い、25℃で測定した。
(3)酸価
JIS K0070に準じて測定した。
また、製造した不飽和カルボン酸エステルの純度及び粘度の測定方法を、以下に示す。
(1)純度
下記条件でGPC測定を行い、クロマトグラムにおける、所定のエステル化物のRI面積%から純度を算出した。
[測定条件]
装 置 ; 高速液体クロマトグラフ装置「LC−6A」(島津製作所社製)
カラム ; Shim−pack GPC−802 + GPC−803(島津製作所社製)
〔ガードカラムGPC−800P(島津製作所社製)を使用〕
カラム温度; 40℃
移動相 ; THF
流 量 ; 0.75ミリリットル/分
検出器 ; 示差屈折率計
試料注入量; 25マイクロリットル
(2)粘度
E型粘度計を用い、25℃で測定した。
(3)酸価
JIS K0070に準じて測定した。
実施例1
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸288gと、ハイドロキノン1.4gと、テトラブチルアンモニウムブロミド8.4gと、トルエン1,950gとを仕込み、常圧で、75℃まで加熱した。その後、反応系を75〜85℃を保持させながら、シクロヘキセンオキサイド441gを、添加速度6.6g/分で連続添加した。全量添加後、75〜85℃で12時間、反応を継続した。
次いで、反応液中に余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
尚、この反応装置において、上記式(1)に係るエポキシ化合物のエポキシ当量B〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数U〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積Aave〔m2〕、設定した反応温度T1、反応容器の冷却可能温度T2の各値は、下記の通りである。
B=98
U=45
Aave=0.084
T1=80
T2=60
0.5×(X1)=2.87
2×(X2)=11.5
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸288gと、ハイドロキノン1.4gと、テトラブチルアンモニウムブロミド8.4gと、トルエン1,950gとを仕込み、常圧で、75℃まで加熱した。その後、反応系を75〜85℃を保持させながら、シクロヘキセンオキサイド441gを、添加速度6.6g/分で連続添加した。全量添加後、75〜85℃で12時間、反応を継続した。
次いで、反応液中に余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
尚、この反応装置において、上記式(1)に係るエポキシ化合物のエポキシ当量B〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数U〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積Aave〔m2〕、設定した反応温度T1、反応容器の冷却可能温度T2の各値は、下記の通りである。
B=98
U=45
Aave=0.084
T1=80
T2=60
0.5×(X1)=2.87
2×(X2)=11.5
得られたアクリル酸エステルの粘度(25℃)は136mPa・sであった。また、GPCにより、所望のアクリル酸エステル75.4%(GPCクロマトグラムの面積%)と、その2量化物24.6%とを含有していることが分かった。
比較例1
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、シクロヘキセンオキサイド441gと、ハイドロキノン1.4gと、テトラブチルアンモニウムブロミド8.4gと、トルエン1,950gとを仕込み、常圧で、75℃まで加熱した。その後、反応系を75〜85℃を保持させながら、アクリル酸288gを、添加速度6.6g/分で連続添加した。全量添加後、75〜85℃で12時間、反応を継続した。
次いで、反応液中に余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、シクロヘキセンオキサイド441gと、ハイドロキノン1.4gと、テトラブチルアンモニウムブロミド8.4gと、トルエン1,950gとを仕込み、常圧で、75℃まで加熱した。その後、反応系を75〜85℃を保持させながら、アクリル酸288gを、添加速度6.6g/分で連続添加した。全量添加後、75〜85℃で12時間、反応を継続した。
次いで、反応液中に余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
得られたアクリル酸エステルの粘度(25℃)は164mPa・sであった。また、GPCにより、所望のアクリル酸エステル63.8%(GPCクロマトグラムの面積%)と、その2量化物36.2%とを含有していることが分かった。
実施例2
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸668gと、無水クエン酸200gと、ハイドロキノン2gと、トリフェニルホスフィン23gとを仕込み、常圧で、90℃まで加熱した。その後、反応系を90〜100℃を保持させながら、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−850」、ナガセ化成社製)1,500gを、添加速度8.3g/分で連続添加した。全量添加後、90〜100℃で10時間、反応を継続し、アクリル酸エステルを得た。
尚、この反応装置において、上記式(1)に係るエポキシ化合物のエポキシ当量B〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数U〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積Aave〔m2〕、設定した反応温度T1、反応容器の冷却可能温度T2の各値は、下記の通りである。
B=121
U=45
Aave=0.062
T1=95
T2=60
0.5×(X1)=4.58
2×(X2)=18.3
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸668gと、無水クエン酸200gと、ハイドロキノン2gと、トリフェニルホスフィン23gとを仕込み、常圧で、90℃まで加熱した。その後、反応系を90〜100℃を保持させながら、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−850」、ナガセ化成社製)1,500gを、添加速度8.3g/分で連続添加した。全量添加後、90〜100℃で10時間、反応を継続し、アクリル酸エステルを得た。
尚、この反応装置において、上記式(1)に係るエポキシ化合物のエポキシ当量B〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数U〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積Aave〔m2〕、設定した反応温度T1、反応容器の冷却可能温度T2の各値は、下記の通りである。
B=121
U=45
Aave=0.062
T1=95
T2=60
0.5×(X1)=4.58
2×(X2)=18.3
得られたアクリル酸エステルについて、色相(APHA)は300、酸価は5.6mgKOH/g、粘度(25℃)は6,500mPa・s、GPCによる数平均分子量は980であった。
比較例2
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸668gと、無水クエン酸200gと、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−850」、ナガセ化成社製)1,500gと、ハイドロキノン2gと、を仕込み、常圧で、60℃まで加熱した。その後、トリフェニルホスフィン23gを添加したが、15分経過後、反応系が170℃以上に上昇してゲル化し、エステル化物が得られなかった。
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸668gと、無水クエン酸200gと、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−850」、ナガセ化成社製)1,500gと、ハイドロキノン2gと、を仕込み、常圧で、60℃まで加熱した。その後、トリフェニルホスフィン23gを添加したが、15分経過後、反応系が170℃以上に上昇してゲル化し、エステル化物が得られなかった。
比較例3
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−850」、ナガセ化成社製)1,500gと、無水クエン酸200gと、ハイドロキノン2gと、トリフェニルホスフィン23gとを仕込み、常圧で、90℃まで加熱した。その後、反応系を90〜100℃を保持させながら、アクリル酸668gを、添加速度3.3g/分で連続添加した。全量添加後、90〜100℃で10時間、反応を継続し、アクリル酸エステルを得た。
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−850」、ナガセ化成社製)1,500gと、無水クエン酸200gと、ハイドロキノン2gと、トリフェニルホスフィン23gとを仕込み、常圧で、90℃まで加熱した。その後、反応系を90〜100℃を保持させながら、アクリル酸668gを、添加速度3.3g/分で連続添加した。全量添加後、90〜100℃で10時間、反応を継続し、アクリル酸エステルを得た。
得られたアクリル酸エステルについて、色相(APHA)は900、酸価は26.5mgKOH/g、粘度(25℃)は9,090mPa・s、GPCによる数平均分子量は1,130であった。
実施例3
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸577gと、ハイドロキノン1gと、ヒドロキノンモノメチルエーテル1gと、トリフェニルホスフィン18gとを仕込み、常圧で、80℃まで加熱した。その後、反応系を80〜90℃を保持させながら、1,6−ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル1,200gを、添加速度13.3g/分で連続添加した。全量添加後、80〜90℃で8時間、反応を継続した。
次いで、反応液にトルエン1,800gを添加し、余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
尚、この反応装置において、上記式(1)に係るエポキシ化合物のエポキシ当量B〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数U〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積Aave〔m2〕、設定した反応温度T1、反応容器の冷却可能温度T2の各値は、下記の通りである。
B=157
U=45
Aave=0.050
T1=85
T2=60
0.5×(X1)=3.42
2×(X2)=13.7
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、アクリル酸577gと、ハイドロキノン1gと、ヒドロキノンモノメチルエーテル1gと、トリフェニルホスフィン18gとを仕込み、常圧で、80℃まで加熱した。その後、反応系を80〜90℃を保持させながら、1,6−ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル1,200gを、添加速度13.3g/分で連続添加した。全量添加後、80〜90℃で8時間、反応を継続した。
次いで、反応液にトルエン1,800gを添加し、余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
尚、この反応装置において、上記式(1)に係るエポキシ化合物のエポキシ当量B〔g/eq〕、反応容器の総括伝熱係数U〔kcal/(m2・hr・℃)〕、エポキシ化合物の添加前及び添加後の反応容器の平均伝熱面積Aave〔m2〕、設定した反応温度T1、反応容器の冷却可能温度T2の各値は、下記の通りである。
B=157
U=45
Aave=0.050
T1=85
T2=60
0.5×(X1)=3.42
2×(X2)=13.7
得られたアクリル酸エステルについて、粘度(25℃)は550mPa・s、GPCによる数平均分子量は430であった。
比較例4
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、1,6−ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル1,200gと、ハイドロキノン1gと、ヒドロキノンモノメチルエーテル1gと、トリフェニルホスフィン18gとを仕込み、常圧で、80℃まで加熱した。その後、反応系を80〜90℃を保持させながら、アクリル酸577gを、添加速度10g/分で連続添加した。全量添加後、80〜90℃で8時間、反応を継続した。
次いで、反応液にトルエン1,800gを添加し、余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
撹拌手段及び加熱手段を備える4つ口フラスコに、1,6−ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル1,200gと、ハイドロキノン1gと、ヒドロキノンモノメチルエーテル1gと、トリフェニルホスフィン18gとを仕込み、常圧で、80℃まで加熱した。その後、反応系を80〜90℃を保持させながら、アクリル酸577gを、添加速度10g/分で連続添加した。全量添加後、80〜90℃で8時間、反応を継続した。
次いで、反応液にトルエン1,800gを添加し、余剰のアクリル酸を、10%水酸化ナトリウム水溶液により中和除去した。その後、蒸留水を用いて、アクリル酸エステルを洗浄するとともに、水酸化ナトリウム及び不純物を除去した。この操作を数回繰り返した。
その後、80℃の湯浴中、7×102Pa以下に減圧しながら、脱水共沸溶剤であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルを回収した。
得られたアクリル酸エステルについて、粘度(25℃)は730mPa・s、GPCによる数平均分子量は490であった。
本発明の製造方法により得られたエステル化物は、使用する原料の種類により、可溶な媒体が水又は有機溶媒であり、広い用途に好適である。特に、このエステル化物は、不飽和結合を有するため、各種硬化用の組成物に有用であり、なかでも、紫外線、電子線、α線、γ線、中性子線等の活性エネルギー線を用いた硬化性組成物として好適である。このような組成物としては、インキ、塗料、接着剤、ポッティング剤、シーリング剤、成形材料等として多用される。
Claims (6)
- 不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とを反応させてエステル化物を製造する方法において、
上記不飽和カルボン酸を含む酸成分の存在下に、上記エポキシ化合物を添加する工程を備えることを特徴とするエステル化物の製造方法。 - 上記エポキシ化合物の添加速度が、酸成分100gに対して0.1〜100g/分である請求項1に記載のエステル化物の製造方法。
- 反応温度が40〜160℃である請求項1又は2に記載のエステル化物の製造方法。
- 上記不飽和カルボン酸が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方である請求項1乃至3のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
- 上記酸成分が、更に、飽和多塩基酸及び酸無水物の少なくとも一方を含む請求項1乃至4のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
- 上記反応が、重合禁止剤及び触媒の少なくとも一方の存在下に行われる請求項1乃至5のいずれかに記載のエステル化物の製造方法。
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