JP3655718B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法 Download PDF

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/14Esterification

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化型樹脂の新規な製造方法に関し、詳細には電子部品等に誤作動等の致命的欠陥を引き起こすクロル化合物等の夾雑物を実質的に含有しない活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
活性エネルギー線硬化型樹脂は、その作業性の良さなどから、塗料、印刷インキ等をはじめ、電子部品製造用レジスト、刷版材の分野等の多種多様な分野で使用されており、該活性エネルギー線硬化型樹脂としては、多くの場合、不飽和基含有アクリル系樹脂が使用されている。
【0003】
従来、不飽和基含有アクリル系樹脂の製造方法としては、カルボキシル基含有アクリル系樹脂にグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマーを開環付加する方法や、エポキシ基含有アクリル系樹脂に(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマーを開環付加する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、上記の従来の不飽和基含有アクリル系樹脂の製造方法においては、エポキシ基含有不飽和モノマーあるいはエポキシ基含有アクリル系樹脂がエピクロルヒドリンを出発原料として製造されるために、生成するエポキシ基含有不飽和モノマー中に微量のクロル化合物が夾雑物として残存し、電子部品等に使用された場合には、誤作動等の致命的欠陥を引き起こすという問題点がある。この問題点を解決するために、エピクロルヒドリンを用いないエポキシ基含有不飽和モノマーの製造方法が開発されているが、コストが非常に高いという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は電子部品等に誤作動等の致命的欠陥を引き起こす夾雑物を実質的に含有しない活性エネルギー線硬化型樹脂の新規な製造方法を開発することを目的としてなされたものである。
【0006】
本発明者等は、前記従来技術の諸欠点を解消すべく鋭意研究を重ねた。その結果、オキセタン基とカルボキシル基との開環付加反応を用いることにより前記従来技術の諸欠点が解消されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
しかして、本発明によると、
カルボキシル基を含有する樹脂(A)に、下記一般式(I)
【0008】
【化3】
Figure 0003655718
【0009】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチェニル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す)
で表わされるオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)を開環付加することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法(以下、本製造方法を「製造方法(1)」という。)が提供される。
【0010】
本発明によれば、また、
下記一般式(II)
【0011】
【化4】
Figure 0003655718
【0012】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチェニル基を示す)
で表わされるオキセタン官能基を含有する樹脂(C)に、カルボキシル基含有不飽和モノマー(D)を開環付加することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法(以下、本製造方法を「製造方法(2)」という。)が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法(1)について以下に説明する。
【0014】
本発明の製造方法(1)は、カルボキシル基を含有する樹脂(A)に、一般式(I)で表わされるオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)を開環付加することを特徴とするものである。
【0015】
カルボキシル基を含有する樹脂(A):
本発明の方法に用いるカルボキシル基を含有する樹脂(A)は、カルボキシル基を有する樹脂であり、通常、酸価が50〜500mgKOH/g 、好ましくは80〜300mgKOH/g のものである。
【0016】
樹脂(A)の酸価が50mgKOH/g よりも小さくなると得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の感光性が低くなり、又酸価が500mgKOH/g よりも大きくなると溶剤に溶けにくくなるので、いずれも好ましくない。樹脂(A)としては、例えば、下記の(A−1)〜(A−4)が挙げられる。
【0017】
(A−1)酸無水基をハーフエステル化してなる基を有するビニル系重合体:
樹脂(A−1)は、1分子中に酸無水物基をハーフエステル化してなる基を有するビニル系重合体樹脂である。ここで、酸無水基をハーフエステル化してなる基とは、酸無水基に脂肪族モノアルコールを付加して開環して(即ちハーフエステル化して)得られるカルボキシル基とカルボン酸エステル基とからなる基を意味する。以下、この基を単にハーフエステル基ということがある。
【0018】
樹脂(A−1)は、ハーフエステル基を有するビニルモノマー及びその他のビニルモノマーを、常法により共重合させることによって容易に得ることができる。また、ハーフエステル基を有するビニルモノマーに代えて、酸無水基を有するビニルモノマーを用いて、同様に共重合した後、該酸無水基をハーフエステル化することによっても、容易に得られる。
【0019】
酸無水基を有するビニルモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を有するものが挙げられる。また、ハーフエステル基を有するビニルモノマーとしては、上記酸無水基を有するビニルモノマーの酸無水基をハーフエステル化して得たものが挙げられる。
【0020】
ハーフエステル化は、上記の通り、共重合反応の前後のいずれにしても良い。ハーフエステル化に使用される脂肪族モノアルコールとしては、低分子量のモノアルコール類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。ハーフエステル化の反応は、通常の方法に従い、通常室温から80℃程度の温度で、必要ならば3級アミンを触媒として用いて行なうことができる。
【0021】
その他のビニルモノマーとしては、例えば、水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルエーテル及びアリールエーテル;オレフィン系化合物及びジエン化合物;炭化水素環含有不飽和単量体;含窒素不飽和単量体等を挙げることができる。
【0022】
水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;無水マレイン酸や無水イタコン酸のような酸無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とのモノエステル化物又はジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコール等;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;α,β−不飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル石油化学(株)製、商品名)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物;上記水酸基含有モノマーとラクトン類(例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物等を挙げることができる。
【0023】
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert- ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル等が挙げられる。
【0024】
ビニルエーテル及びアリールエーテルとしては、例えば、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、トリビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル類等が挙げられる。
【0025】
オレフィン系化合物及びジエン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0026】
炭化水素環含有不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、p−tert−ブチル−安息香酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとのエステル化物、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
含窒素不飽和単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアモド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等の芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル;アリルアミン等が挙げられる。
【0028】
共重合手法は、一般的なビニルモノマーの重合法を用いることができるが、汎用性やコスト等を考慮して、有機溶剤中における溶液型ラジカル重合法が最も適している。即ち、キシレン、トルエン等の芳香族溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤;n−ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等の溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の重合開始剤の存在下、60〜150℃程度の範囲内で共重合反応を行なうことによって、容易に目的の重合体を得ることができる。
【0029】
ハーフエステル基又は酸無水基を有するビニルモノマー及びその他のビニルモノマーの各モノマーの共重合量は、通常、全モノマー中、次のような割合とするのが適当である。即ち、ハーフエステル基又は酸無水基を有するビニルモノマーは、硬化性と貯蔵安定性の観点から、5〜40重量%程度、好ましくは10〜30重量%であるのが良い。また、その他のビニルモノマーは、60〜95重量%程度、好ましくは70〜90重量%であるのが適当である。尚、酸無水基を有するビニルモノマーを使用した場合は、重合後に、ハーフエステル化することは、前記の通りである。
【0030】
また、樹脂(A−1)は、数平均分子量2,000〜20,000の範囲内のアクリル系重合体であるのが好ましい。数平均分子量が2,000より小さいと硬化塗膜の物性が低下する傾向にあり、20,000を越えるとオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)との相溶性が低下する傾向にあるので、いずれも好ましくない。
【0031】
(A−2)カルボキシル基含有ビニル系重合体:
樹脂(A−2)は1分子中にカルボキシル基を有するビニル系重合体樹脂である。樹脂(A−2)の数平均分子量は2,000〜20,000の範囲内であるのが好ましい。数平均分子量が2,000より小さいと硬化塗膜の物性が低下する傾向にあり、20,000を越えるとオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)との相溶性が低下する傾向にあるので、いずれも好ましくない。
【0032】
樹脂(A−2)は、カルボキシル基を有するビニルモノマー及びその他のビニルモノマーを、前記樹脂(A−1)の場合と同様の常法により共重合させることによって容易に得ることができる。
【0033】
カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0034】
その他のビニルモノマーとしては、前記樹脂(A−1)で例示した(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエーテル及びアリールエーテル、オレフィン系化合物及びジエン化合物、炭化水素環含有不飽和単量体、含窒素不飽和単量体等を挙げることができる。
【0035】
(A−3)カルボキシル基含有ポリエステル系重合体:
樹脂(A−3)はカルボキシル基含有ポリエステル系重合体である。
【0036】
使用するカルボキシル基含有ポリエステル系重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、通常、1,500〜2,000程度であるのが適当である。
【0037】
カルボキシル基含有ポリエステル系重合体は、エチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の多価カルボン酸との縮合反応によって容易に得ることができる。例えば、多価カルボン酸のカルボキシル基過剰の配合条件下で1段階の反応により、カルボキシル基含有ポリエステル系重合体を得られるし、又逆に多価アルコールの水酸基過剰の配合条件下でまず水酸基末端のポリエステル系重合体を合成した後、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸等の酸無水基含有化合物を後付加させることによってもカルボキシル基含有ポリエステル系重合体を得ることができる。
【0038】
(A−4)ポリオールと1,2−酸無水物との付加反応により生成するハーフエステル:
樹脂(A−4)はポリオールと1,2−酸無水物との反応により生成するハーフエステルであり、その数平均分子量は、特に限定されないが、通常、400〜1,000程度の低分子量である。
【0039】
該ハーフエステルはポリオールと1,2−酸無水物とを、酸無水物の開環反応が起こり、実質上ポリエステル化反応が起こらないのに十分な条件下で反応することにより得られる。そのような反応生成物は低分子量でありかつ狭い分子量分布を有している。また、それらは組成物中において低い揮発性有機物含有量を示し、しかも得られた塗膜中において優れた特性を付与する。
【0040】
該ハーフエステル化はポリオールと1,2−酸無水物とを不活性雰囲気、例えば窒素雰囲気下に、溶剤の存在下に行われる。好適な溶剤の例としては、例えば、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;または他の有機溶剤、例えばジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0041】
反応温度は、150℃程度以下の低い温度が好ましい。具体的には、通常70〜150℃程度が好ましく、90〜120℃程度がより好ましい。150℃を越える温度ではポリエステル化反応が起こり望ましくない。また、70℃より低い温度では十分な反応速度が得られず好ましくない。
【0042】
反応時間は基本的には反応温度に多少依存して変化するが、通常、10分〜24時間程度である。
【0043】
酸無水物:ポリオールの当量比は、酸無水物を単官能として計算して、約0.8:1〜1.2:1の範囲内で所望のハーフエステルを最大限に得ることができる。
【0044】
所望のハーフエステルの調製に用いられる酸無水物は酸部分の炭素原子を除いて炭素原子数約2〜30を有するものである。そのようなものの例としては脂肪族、環状脂肪族、オレフィン系および環状オレフィン系酸無水物および芳香族酸無水物が挙げられる。置換脂肪族および置換芳香酸無水物はその置換基が酸無水物の反応性または得られたハーフエステルの特性に悪影響を与えない限りにおいて、前記脂肪族および芳香族酸無水物の中に含まれる。置換基の例としては、クロロ、アルキル基およびアルコキシ基が挙げられる。酸無水物の例としてはコハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキルヘキサヒドロフタル酸無水物(例えばメチルヘキサヒドロフタル酸無水物)、テトラフルオロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、クロレンド酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびマレイン酸無水物が挙げられる。
【0045】
使用し得るポリオールは炭素数約2〜20を有するものである。好ましくはジオール類、トリオール類およびそれらの混合物が挙げられる。そのようなものの例としては、炭素数2〜20を有するポリオールが挙げられる。好適なものの例としては脂肪族ポリオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセロール、1,2,3−ブタントリオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ペンタエリスリトールおよび1,2,3,4−ブタンテトラオールが挙げられる。芳香族ポリオール、例えばビスフェノールAおよびビス(ヒドロキシメチル)キシレンを用いてもよい。
【0046】
オキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B):
本発明の方法に用いるオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)は、下記一般式(I)
【0047】
【化5】
Figure 0003655718
【0048】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチェニル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す)
で表わされるモノマーである。
【0049】
一般式(I)において、R1である「炭素数1〜6のアルキル基」は直鎖状又は分岐状のものであってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル等が挙げられる。「炭素数1〜6のフルオロアルキル基」は上記アルキル基の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子で置換された基であり、例えば、フルオロプロピル、フルオロブチル、トリフルオロプロピル等が挙げられる。「アリール基」としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基等が挙げられる。「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。R1の中でも特にメチル、エチル等の炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましい。
【0050】
該オキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)の具体例としては、3−(メタ)アクリロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−(メタ)アクリロキシメチル−3−エチルオキセタン等が挙げられる。
【0051】
本発明の製造方法(1)では、前記カルボキシル基を含有する樹脂(A)と、前記オキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)との開環付加反応により目的とする活性エネルギー線硬化型樹脂を製造する。該開環付加反応は、通常、開環触媒を用い、好ましくは熱重合を抑制するために熱重合禁止剤の存在下、常温〜120℃の範囲内の反応温度で系中に空気を吹き込みながら行なう。反応粘度が高い場合には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等の溶剤中で反応を行なってもよい。開環触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。これらの内、4級塩触媒が好適である。また、熱重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン等が挙げられる。
【0052】
カルボキシル基を含有する樹脂(A)とオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)との配合比率は、モノマー(B)の当量が樹脂(A)の当量を上回らない限り特に制限されず、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の特性に応じて任意に決定することができる。
【0053】
本発明の製造方法(2)について以下に説明する。
【0054】
本発明の製造方法(2)は、オキセタン官能基を含有する樹脂(C)に、カルボキシル基含有不飽和モノマー(D)を開環付加することを特徴とするものである。
【0055】
オキセタン官能基を含有する樹脂(C):
本発明の方法に用いるオキセタン官能基を含有する樹脂(C)は、下記一般式(II)
【0056】
【化6】
Figure 0003655718
【0057】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチェニル基を示す)
で表わされるオキセタン官能基を含有する樹脂である。
【0058】
一般式(II)において、R1である「炭素数1〜6のアルキル基」は直鎖状又は分岐状のものであってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル等が挙げられる。「炭素数1〜6のフルオロアルキル基」は上記アルキル基の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子で置換された基であり、例えば、フルオロプロピル、フルオロブチル、トリフルオロプロピル等が挙げられる。「アリール基」としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基等が挙げられる。「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。R1の中でも特にメチル、エチル等の炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましい。
【0059】
該オキセタン官能基は、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合等の酸素を含有する結合又はこれらの1種以上の結合を含む炭化水素基を介してオキセタン官能基を含有する樹脂(C)の側鎖又は主鎖に結合したものを使用することが好ましい。
【0060】
上記したオキセタン官能基を含有する樹脂(C)は、オキセタン官能基の数が1分子中に平均約2個以上、好ましくは平均約2〜10個の範囲内であり、またその平均分子量は約300〜20,000、好ましくは約500〜10,000の範囲内が好適である。オキセタン官能基の数が1分子中に平均約2個未満であると、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の活性エネルギー線硬化性が悪い。また、平均分子量が約300を下回ると塗膜の物性等が低下し、一方、平均分子量が約20,000を上回ると塗装作業性が劣るので好ましくない。
【0061】
オキセタン官能基を含有する樹脂(C)は、1分子中にオキセタン官能基を平均約2個以上含有するものであれば、特に制限なしに使用することができる。具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂及びこれらの変性樹脂等が包含される。
【0062】
上記した樹脂にオキセタン官能基を導入する方法について、代表例を以下に例示する。
【0063】
▲1▼多塩基酸(例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸等)と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等)、及び必要に応じて1塩基酸の混合物をエステル化触媒の存在下でエステル化反応させてポリカルボン酸ポリエステル樹脂を製造し、次いで得られた樹脂をトリメチロールプロパン等のトリオール成分でエステル化反応させてポリエステル樹脂中にトリオール成分に由来する下記式
【0064】
【化7】
Figure 0003655718
【0065】
で示される1,3−ジオール残基を生成させ、続いて該残基と炭酸ジエチルとを反応させて環状ポリカーボネートを有するポリエステル樹脂を製造し、続いてこのものを脱炭酸させたもの。
【0066】
▲2▼トリメチロールプロパン等のトリオールと炭酸ジエチルを反応させて水酸基含有環状カーボネートを製造した後、脱炭酸して、片末端に水酸基及びもう一方の末端にオキセタン官能基を有する3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを製造し、次いで該オキセタンの水酸基と相補的に反応し、かつオキセタン官能基とは実質的に反応しない相補性官能基(例えば、イソシアネート基、メチルエステル基等)を有する樹脂(例えば、イソシアネート基を含有するアクリル樹脂、メチルエステル基を含有するポリエステル樹脂等)を反応させたもの。
【0067】
▲3▼上記3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと、相補的に反応する上記官能基及びラジカル重合性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等)を含有する不飽和モノマーとを反応させて、片末端にラジカル重合性不飽和基及びもう一方の末端にオキセタン官能基を有する不飽和モノマーを製造し、次いで該不飽和モノマーと、その他のラジカル重合性不飽和モノマー[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル類;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー類;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマー類;スチレン等の芳香族不飽和モノマー類;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート等の含フッ素不飽和モノマー類;(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類等]とをラジカル(共)重合させたもの。
【0068】
▲4▼上記水酸基含有環状カーボネートと上記相補的に反応する官能基を有する樹脂を反応させて樹脂中に環状カーボネートを導入した後、環状カーボネートを脱炭酸してオキセタン官能基に変換したもの。
【0069】
▲5▼上記水酸基含有環状カーボネートと上記相補的に反応する官能基及びラジカル重合性不飽和基を含有する不飽和モノマーとを反応させて、片末端にラジカル重合性不飽和基及びもう一方の末端に環状カーボネートを有する不飽和モノマーを製造し、次いで、該不飽和モノマーと上記その他のラジカル重合性不飽和モノマーとをラジカル(共)重合させて(共)重合体中に環状カーボネートを導入し、次いで該環状カーボネートを脱炭酸してオキセタン官能基に変換したもの。
【0070】
カルボキシル基含有不飽和モノマー(D):
本発明の方法に用いるカルボキシル基含有不飽和モノマー(D)は、分子内にカルボキシル基を含有するそれ自体既知の不飽和モノマーであり、具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0071】
本発明の製造方法(2)では、前記オキセタン官能基を含有する樹脂(C)と、カルボキシル基含有不飽和モノマー(D)との開環付加反応により、目的とする活性エネルギー線硬化型樹脂を製造する。該開環付加反応は、前記製造方法(1)で説明したのと全く同じ方法により、行なうことができる。
【0072】
オキセタン官能基を含有する樹脂(C)とカルボキシル基含有不飽和モノマー(D)との配合比率は、カルボキシル基含有不飽和モノマー(D)の当量が樹脂(C)の当量を上回らない限り特に制限されず、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の特性に応じて任意に決定することができる。
【0073】
本発明の方法によって得られる活性エネルギー線硬化型樹脂は、電子線および紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって硬化せしめることができる。紫外線照射によって硬化させる場合には、該樹脂に光重合開始剤をあらかじめ添加しておく必要がある。光重合開始剤としては、紫外線の照射により励起されてラジカルを発生させるタイプの通常の光重合開始剤が用いられ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェニルジスルフィド、2−ニトロフルオレン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン1、2,4,6−トリチオフォスフィルオキサイド、ジエチルチオキサントン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独でもしくは2種以上を混合して使用でき、その配合量は上記活性エネルギー線硬化型樹脂量を基準にして0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0074】
また、これらの光重合開始剤による光重合反応を促進させるために、光増感促進剤を光重合開始剤と併用してもよい。併用し得る光増感促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン系;トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系;β−チオジグリコール等のチオエーテル系の光増感促進剤等が挙げられる。これらの光増感促進剤はそれぞれ単独でもしくは2種以上を混合して使用でき、その配合量は上記活性エネルギー線硬化型樹脂量を基準にして0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0075】
一方、電子線照射を用いる場合には、本発明の方法によって得られる活性エネルギー線硬化型樹脂に上記の如き光重合開始剤や光増感促進剤を配合する必要はない。
【0076】
電子線の照射により上記活性エネルギー線硬化型樹脂を硬化させる場合の電子線発生源としては、コッククロフト型、コッククロフトワルトン型、バン・デ・グラーフ型、共振変圧器型、変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダイナミトロン型、リニアフィラメント型および高周波型などの電子線発生装置を用いることができる。その際の電子線の照射条件は、本発明の方法によって得られる活性エネルギー線硬化型樹脂の形状、厚さ等により異なるが、一般には1〜20メガラッドの範囲内の線量が適している。
【0077】
また、紫外線照射源としては、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハイトランプ、太陽光などを用いることができる。紫外線の照射条件は特に制限されないが、150〜450nmの範囲内の紫外線を含む光線を空気中もしくは不活性ガス雰囲気下で、数秒間以上照射することが好ましい。特に、空気中で照射する場合は、高圧水銀灯を用いることが好ましい。
【0078】
【発明の効果】
本発明の方法によって得られる活性エネルギー線硬化型樹脂は、前記の如き特徴及び利点を有しており、塗料、印刷インキ、接着剤、粘着剤、レジスト剤、成型材料などに特に有用である。
【0079】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。「部」及び「%」はそれぞれ重量基準である。
【0080】
実施例1
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、キシレン553部及び3−メトキシブチルアセテート414部を仕込み、電熱マントルで125℃まで加熱し、その温度にて、下記モノマー組成の混合物を均等に4時間かけて滴下した。尚、p-tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートは重合開始剤である。
【0081】
無水マレイン酸のメタノールハーフエステル化物 288部(20%)
n−ブチルアクリレート 864部(60%)
スチレン 288部(20%)
p-tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 72部
次いで、30分間熟成したあと、更に3−メトキシブチルアセテート277部及びp-tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート14.4部の混合物を2時間かけて滴下して、その後2時間熟成して、最終重合率98%のアクリル系重合体の溶液を得た。
【0082】
得られた重合体液のポリマー固形分は55%、ガードナー粘度(25℃)Mであった。この重合体の数平均分子量は3,500であった。また、この重合体の酸価は86mgKOH/g であった。
【0083】
このアクリル系重合体液181.8部(固形分100部)に3−メタクリロキシメチル−3−エチルオキセタン22.6部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.5部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が18になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−1)を得た。
【0084】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は60%、ガードナー粘度(25℃)Pであった。この樹脂の数平均分子量は4,100であった。
【0085】
実施例2
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、キシレン553部及び3−メトキシブチルアセテート414部を仕込み、電熱マントルで125℃まで加熱し、その温度にて、下記モノマー組成の混合物を均等に4時間かけて滴下した。尚、p-tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートは重合開始剤である。
【0086】
n−ブチルメタクリレート 432部(30%)
イソブチルメタクリレート 346部(24%)
ラウリルメタクリレート 360部(25%)
スチレン 72部 (5%)
メタクリル酸 86部 (6%)
アクリル酸 144部(10%)
p-tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 72部
次いで、30分間熟成したあと、更に3−メトキシブチルアセテート277部及びp-tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート14.4部の混合物を2時間かけて滴下して、その後2時間熟成して、最終重合率98%のアクリル系重合体の溶液を得た。
【0087】
得られた重合体液のポリマー固形分は55%、ガードナー粘度(25℃)Vであり、この重合体の数平均分子量は3,000であった。また、この重合体の酸価は117mgKOH/g であった。
【0088】
このアクリル系重合体液181.8部(固形分100部)に3−メタクリロキシメチル−3−エチルオキセタン30.7部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.6部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が25になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−2)を得た。
【0089】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は61.5%、ガードナー粘度(25℃)
であった。この樹脂の数平均分子量は3,600であった。
【0090】
実施例3
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール236部、トリメチロールプロパン134部、ヘキサヒドロ無水フタル酸1078部およびキシレン780部を仕込み、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、反応させた。反応混合物をこの温度に4時間保った後に冷却し、固形分65%、ガードナー粘度(25℃)R、酸価271mgKOH/g のハーフエステルの溶液を得た。
【0091】
このハーフエステル溶液153.8部(固形分100部)に3−メタクリロキシメチル−3−エチルオキセタン71部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.8部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が60になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−3)を得た。
【0092】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は76%、ガードナー粘度(25℃)Xであった。この樹脂の数平均分子量は2,000であった。
【0093】
実施例4
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、キシレン450部を仕込み、電熱マントルで100℃まで加熱し、その温度にて、下記モノマー組成の混合物を均等に3時間かけて滴下した。尚、アゾビスイソブチロニトリルは重合開始剤である。
【0094】
3−メタクリロキシメチル−3−エチルオキセタン 184部
n−ブチルメタクリレート 244部
アゾビスイソブチロニトリル 12部
次いで、30分間熟成したあと、更にアゾビスジメチルバレロニトリル4部及びキシレン50部の混合物を1時間かけて滴下して、その後30分間熟成して、最終重合率98%のアクリル系重合体の溶液を得た。
【0095】
得られた重合体液のポリマー固形分は45%、ガードナー粘度(25℃)Kであった。この重合体の数平均分子量は6,200であった。
【0096】
このアクリル系重合体液944部(固形分428部)にアクリル酸72部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド2.5部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が0になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−4)を得た。
【0097】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は49%、ガードナー粘度(25℃)Nであった。この樹脂の数平均分子量は約7,000であった。
【0098】
実施例5
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、キシレン450部を仕込み、電熱マントルで100℃まで加熱し、その温度にて、下記モノマー組成の混合物を均等に3時間かけて滴下した。尚、アゾビスイソブチロニトリルは重合開始剤である。
【0099】
3−メタクリロキシメチル−3−エチルオキセタン 184部
n−ブチルメタクリレート 230部
アゾビスイソブチロニトリル 12部
次いで、30分間熟成したあと、更にアゾビスジメチルバレロニトリル4部及びキシレン50部の混合物を1時間かけて滴下して、その後30分間熟成して、最終重合率98%のアクリル系重合体の溶液を得た。
【0100】
得られた重合体液のポリマー固形分は44.5%、ガードナー粘度(25℃)Kであった。この重合体の数平均分子量は6,000であった。
【0101】
このアクリル系重合体液930部(固形分414部)にメタクリル酸86部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド2.5部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が0になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−5)を得た。
【0102】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は49%、ガードナー粘度(25℃)Lであった。この樹脂の数平均分子量は約7,000であった。
【0103】
比較例1
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、キシレン450部を仕込み、電熱マントルで100℃まで加熱し、その温度にて、下記モノマー組成の混合物を均等に3時間かけて滴下した。尚、アゾビスイソブチロニトリルは重合開始剤である。
【0104】
グリシジルメタクリレート 184部
n−ブチルメタクリレート 244部
アゾビスイソブチロニトリル 13部
次いで、30分間熟成したあと、更にアゾビスジメチルバレロニトリル4部及びキシレン50部の混合物を1時間かけて滴下して、その後30分間熟成した後、アクリル酸72部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド5部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が0になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−6)を得た。
【0105】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は49%、ガードナー粘度(25℃)Lであった。この樹脂の数平均分子量は約7,000であった。
【0106】
比較例2
撹拌機、温度計、冷却管を装備した5リットルのガラス製フラスコに、キシレン450部を仕込み、電熱マントルで100℃まで加熱し、その温度にて、下記モノマー組成の混合物を均等に3時間かけて滴下した。尚、アゾビスイソブチロニトリルは重合開始剤である。
【0107】
アクリル酸 72部
n−ブチルメタクリレート 244部
アゾビスイソブチロニトリル 9.5部
次いで、30分間熟成したあと、更にアゾビスジメチルバレロニトリル3部及びキシレン50部の混合物を1時間かけて滴下して、その後30分間熟成した後、グリシジルメタクリレート144部及びテトラエチルアンモニウムブロマイド5部を添加し、100℃で約1時間反応した。樹脂酸価が0になったところで、反応を停止し、樹脂溶液(a−7)を得た。
【0108】
得られた樹脂溶液のポリマー固形分は47%、ガードナー粘度(25℃)Mであった。この樹脂の数平均分子量は約7,000であった。
【0109】
実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた樹脂溶液(a−1)〜(a−7)中の塩素イオン濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0110】
塩素イオン濃度は東ソー(株)社製イオンクロマトシステムを用いて通常の方法で測定した。
【0111】
【表1】
Figure 0003655718

Claims (2)

  1. カルボキシル基を含有する樹脂(A)に、下記一般式(I)
    Figure 0003655718
    (式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチェニル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す)
    で表わされるオキセタン基含有(メタ)アクリルモノマー(B)を開環付加することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法。
  2. 下記一般式(II)
    Figure 0003655718
    (式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチェニル基を示す)
    で表わされるオキセタン官能基を含有する樹脂(C)に、カルボキシル基含有不飽和モノマー(D)を開環付加することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂の製造方法。
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