ここで例示する実施形態は、添付の図面を参照することで、より完全に説明されるであろう。
図1を参照すると、手術室10内において、外科医などのユーザ12は、患者14に対して処置を施すことができる。上記処置を施すことにおいて、ユーザ12は、処置を実施するための、患者14の画像データを取得する撮像システム16を使用することができる。モデルは、画像データを使用して生成され、表示装置20に画像データ18として表示される。表示装置20は、キーボードなどの入力装置24と、処理システム22に組み込まれている1つまたは複数のプロセッサ、またはマイクロプロセッサを含むプロセッサ26とを含む処理システム22の一部であってもよい。接続28は、画像データ18を描画するように表示装置20を動作させることを可能にするデータ通信のために、プロセッサ26と表示装置20との間に設けられる。
撮像システム16は、アメリカのコロラド州ルイビルにあるメドトロニックナビゲーション社によって販売されている、O−ARM(登録商標)撮像システムを含んでもよい。また、選択された処置で使用される、O−ARM(登録商標)撮像システム、または、他の適切な撮像システムを含む上記撮像システム16は、引用することによって内容が本願明細書に組み込まれたものとする米国特許出願12/465,206(2009年5月13日出願)に記載されている。
O−ARM(登録商標)撮像システム16は、コントロールパネルまたはコントロールシステム32を含む可動カート30と、ソースユニット36および検出器38が配置された撮像ガントリ34とを含む。可動カート30は、ある手術室から別の手術室へ移動させることができる。また、ここでさらに議論するように、ガントリ34は、カート30に対して移動可能である。これにより、撮像システム16は、固定された撮像システムのためだけの資本支出またはスペースを必要とせず、複数の場所、および複数の手術に使用できるような可動性を得ることになる。
ソースユニット36は、患者14を通過して検出器38によって検出されるX線を照射できる。当業者ならば理解できるように、ソース36によって照射された上記X線は、円錐状に照射され、検出器38によって検出される。通常、ソースユニット36と検出器ユニット38とは、ガントリ34の内側にて、正反対に向かい合うように位置する。通常、検出器38は、ガントリ34内で、ソース36と180度の角度で対向する位置を保ちながら、患者14の周囲を360度回転して動くことが可能である。また、通常、ガントリ34は、患者支持台またはテーブル15上に位置している被験体14に対して、図1に描かれている矢印40の方向に等角に相対的に移動可能である。また、ガントリ34は、矢印42に示すように、患者14に対して相対的に傾けることもできる。また、ガントリ34は、直線44に沿って、患者14の長手方向の中心線14Lおよびカート30に対して、縦方向に移動させることもできる。また、通常、ガントリ34は、直線46に沿って、患者14の横軸上に、カート30に対して、上下に移動させることもできる。これらにより、患者14に対してソース36および検出器38を配置できる。患者14の正確な画像データを生成するために、O−ARM(登録商標)撮像装置16は、患者14に対するソース36および検出器38の相対的な移動を正確に制御することができる。撮像装置16は、有線あるいは無線接続、または、撮像システム16からプロセッサ26への物理的なメディアの移動を含む接続50を介して、プロセッサ26と接続される。このようにして、撮像システム16を用いて収集された画像データは、ナビゲーション、表示、再構築などのために処理システム22に転送される。
簡単に言えば、各実施形態によれば、撮像システム16は、非ナビゲーション処置またはナビゲーション処置において使用できる。ナビゲーション処置では、患者14に対する相対的なナビゲーション領域の内部で、フィールドを生成するために、あるいは信号を送受信するために、光学ローカライザ60および電磁ローカライザ62のうち少なくとも1つを含むローカライザが使用できる。患者14に対する相対的なナビゲーション空間またはナビゲーション領域は、画像データ18に登録できる。これにより、ナビゲーション領域内にて定義されるナビゲーション空間と、画像データ18により定義される画像空間とを登録することができる。患者トラッカーまたは、動的参照フレーム64は、患者14に接続できる。これにより、画像データ18へ患者14を動的に登録し、登録を維持することができる。
その後、患者追跡装置または動的登録装置64、および器具66は、患者14に対して相対的に追跡される。これにより、ナビゲーション処置が可能となる。器具66は、光学追跡装置68および電磁追跡装置70のうち、少なくとも1つを含む。これにより、光学ローカライザ60および電磁ローカライザ62のうち少なくとも1つを用いた、器具66の追跡が可能となる。器具66は、ナビゲーションインターフェース装置74に接続する通信線72を含む。同様に、ナビゲーションインターフェース装置74は、電磁ローカライザ62に接続する通信線76、および、光学ローカライザ60に接続する通信線78のうち、少なくとも1つを含んでもよい。さらに、通信線74および78をそれぞれ用いることで、プローブインターフェース74は、通信線80を介してプロセッサ26と通信できる。通信線28、50、76、78、または80のいずれにおいても、有線または無線による通信、物理的なメディアの搬送もしくは移動、またはその他の適切な通信が利用できることは、理解されるであろう。いずれにせよ、それぞれのローカライザを備える適切な通信システムが提供される。これにより、患者14に対して器具66を相対的に追跡することができ、処置を行うための画像データ18に、器具66の追跡位置を描画することができる。
器具66は、心室もしくは血管ステント、突起状インプラント、神経ステントもしくは神経スティミュレータ、または、切除装置などのうち、適切な器具であることは理解されるであろう。器具66は、挿入器具であってもよく、または埋め込み型の装置を含んでもよく、もしくは埋め込み型の装置そのものであってもよい。上記器具66を相対的に追跡することで、患者14内の器具66を直接視認せずとも、登録された画像データ18を利用して、患者14に対する器具66の位置を視認することができる。
また、ガントリ34は、光学ローカライザ60または電磁ローカライザ62によってそれぞれ追跡される、光学追跡装置82または電磁追跡装置84を含んでいてもよい。その結果、撮像装置16は、器具66と同様に、患者14に対して相対的に追跡され得る。これにより、画像データ18に対して、患者14の新規登録、自動登録、または継続登録を行うことができる。登録およびナビゲーション処置は、上記引用された米国特許出願12/465,206に記載されている。
図2を参照すると、各実施形態によれば、ソース36は、スイッチ102に接続されている単一のX線管100を備える。スイッチ102は、X線管100とともに、電源A104および電源B106と相互に接続している。通常、X線は、検出器38に向けて円錐形状108にて照射される。また、通常、X線は、ベクトル110の方向に照射される。スイッチ102は、異なる電圧およびアンペア数の供給をX線管100に行うために、電源A104および電源B106の間の切り替えを行うことができる。これにより、通常、検出器38に向けて、ベクトル110の方向に、異なるエネルギーのX線を照射することができる。しかしながら、スイッチ102は、異なる2つの電源A104および電源B106に接続されているものではなく、異なる電圧およびアンペア数の供給を行うことができる単一の電源に接続されていてもよい。また、スイッチ102は、単一の電源において、異なる電圧およびアンペア数の間での切り替えを行うスイッチであってもよい。患者14は、円錐状のX線108内に位置している。これにより、検出器38に向けたベクトル110の方向へのX線の照射に基づいた患者14の画像データを得ることができる。
電源A104および電源B106は、ソース筐体36内に備えられていてもよく、ソース36から分離し、第1ケーブル(ワイヤ)112および第2ケーブル(ワイヤ)114のような適切な電気的接続を経由して、スイッチ102と単純に接続されていてもよい。
スイッチ102は適切な速度で電源A104と電源B106とを切り替えることができる。これにより、ここでさらに議論するように、様々な撮像手術を受ける患者14を通過する、異なる2つのエネルギーのX線を照射することができる。異なるエネルギーは、物質の分離および物質の再構築の促進のうち少なくとも1つ、または、患者14の撮像のために利用される。スイッチ102の切り替え速度は、約1ミリ秒から1秒ごと、望ましくは約10ミリ秒から500ミリ秒ごと、さらに望ましくは約50ミリ秒ごとである。また、電圧A104および電圧B106は、選択されたコントラスト強調要件に基づき、異なる電圧およびアンペア数を含む、異なる電源特性を備えている。例えば、ここでさらに議論するように、患者14における軟組織(例えば、筋肉や血管系)と硬組織(例えば、骨)とのコントラストを強調したり、または、患者14に挿入された造影剤と患者14における挿入された造影剤以外の部分とのコントラストを強調したりすることを選択できる。
一例として、電源A104は、約75kVの電圧および約50mAのアンペア数を有し、電源B106は、電源Aとは異なり、約125kVの電圧および約20mAのアンペア数を有していてもよい。そして、選択された電圧およびアンペア数は、通常、ベクトル110の方向に、患者14を通過して検出器38に適切なX線を照射するために、X線管100に電力を供給するためのスイッチ102によって切り替えられる。ここで、電圧範囲は約40kVから140kV(好ましくは40kVから120kV、さらに好ましくは50kVから80kV)であり、アンペア数は約10mAから500mAであることが理解されるだろう。通常、第1電源A104と第2電源B106との電源特性の差は、約40kVから60kV、および、20mAから150mAである。
2つの電源により、X線管100によって照射されるX線は2つのエネルギーを有することができる。上述したように、2つのエネルギーのX線により、患者14から得られる画像データに基づいた、患者14のモデルの強調および動的コントラストの再構築を行うことができる。通常、反復処理または代数処理が、得られた画像データに基づいた、患者14の少なくとも一部分のモデルの再構築に利用できる。しかしながら、適切な電源の数または切り替え可能性であればよいことが、ここで理解されるであろう。なお、「2」という数字はこの議論において明確化にのみ利用されるにすぎない数字である。
電源は、選択された患者14の一部分、または、任意の興味深い区域、領域、もしくは容積における、患者14の二次元(2D)X線画像を生成するためにX線管100に電力を供給する。ここで議論されるように、二次元X線画像は、選択された患者14の一部分、または、任意の興味深い区域、領域、もしくは容積における、患者14の三次元X線画像の生成および表示のうち少なくとも1つを行うために再構築される。また、ここで議論されるように、二次元X線画像は、三次元容積測定モデルが生成される間または画像データをかたどる間に、撮像システム16によって得られた画像データである。
適切な代数的技術とは、通常、当業者によって理解されるものであり、例えば、期待値最大化法(EM)、順序部分集合EM(OS−EM)、連立代数再構築技術(SART)、および全変動最小化法(TVM)が挙げられる。二次元画像に基づいた三次元容積測定再構築を実行するためのアプリケーションにより、効果的かつ完全な容積測定再構築が行われる。通常、代数的技術は、画像データ18として表示される患者14の再構築を実行するための反復処理を含む。例えば、「理論的な」患者のアトラスまたは様式化されたモデルに基づく、または上記モデルから生成される、純粋なまたは理論的な画像データの投影は、得られた患者14の二次元投影画像データにマッチするまで繰り返し変化する。そして、様式化されたモデルは、選択された患者14から得られた二次元投影画像データの三次元容積測定再構築モデルとして適切に変化し、ナビゲーション、診断、または計画などの手術における様々なフェーズで利用される。理論的なモデルは、理論的なモデルを構築するための理論的な画像データと関連付けられている。このようにして、撮像装置16によって得られた患者14の画像データに基づいて、モデルまたは画像データ18が得られる。
二次元投影画像データは、患者14の周囲をソース36および検出器38が、ほぼ環状の移動、または360度の移動を行うことによって、ソース36および検出器38の位置が患者14の周囲を最適に移動することで得られる。また、ガントリ34の移動によって、検出器が真円状に移動するのではなく、らせん状、または患者14に対して相対的に他の環状式の移動を行うことができる。また、ガントリ34および検出器38を含む撮像装置16の移動に基づいて、経路は非対称および非直線形のうちの少なくとも1つとなる。換言すれば、経路は、継続性を必要としない。すなわち、以下に示す最適な経路として、検出器38およびガントリ34は停止し、今来た方向へ逆走(例えば、往復)などしてもよい。すなわち、検出器38は、患者14の周囲において、完全な360度の運動を行う必要は全くない。ガントリ34は傾いてもよく、またはその他の移動を行ってもよい。さらに、検出器38は停止し、既に通過した方向に逆走してもよい。
検出器38にて得られた画像データにおいて、通常、2つのエネルギーのX線は、組織の特性または患者14内の造影剤、およびX線管100によって照射された2つのX線のエネルギーそれぞれに基づいて、組織および患者14内の造影剤のうち少なくとも1つと相互作用する。例えば、患者14の軟組織は、電源B106によって生成されたエネルギーを有するX線よりも、電源A104によって生成されたエネルギーを有するX線を吸収または散乱する。同様に、ヨウ素などの造影剤は、電源B106によって生成されたエネルギーを有するX線とは違って、電源A104によって生成されたエネルギーを有するX線を吸収または散乱する。電源A104と電源B106とを切り替えることにより、物質特性(例えば、解剖学的構造の硬軟)の違い、または、患者内の造影剤もしくは埋没物(インプラント)などを特定することができる。電源A104と電源B106との切り替えること、および、電源A104および電源B106がX線の生成に使用された時間を知ることによって、検出器38にて検出された情報が、解剖学的構造の違い、または撮像される造影剤を特定するため、または分離するために利用される。
タイマは、第1電源A104および第2電源B106が使用される時間を特定するために使用される。これにより、画像に索引をつけることができ、さらに、生成された患者14ごとの異なるモデルを分離することができる。また、タイマは、システムから分離していてもよく、撮像システム16またはプロセッサシステム26に含まれていてもよい。そして、ここで議論されるように、タイマは、患者14に注入される造影剤によって生成される画像データに索引をつけるために使用される。
図3Aを参照すると、電源104からX線管100に電力が供給されることにより得られる画像データが概略的に描かれている。図3Aによれば、画像データは、血管系152を取り囲む周辺組織150のような軟組織の画像データを含み得る。図3Aによれば、電源A104は、X線管100によるX線を生成し、当該X線は、血管系に使用されるヨウ素などの造影剤152がたとえ存在しても、血管系152と周辺組織150との間にはわずかなコントラストしか生まない。しかしながら、図3Bを参照すると、第2電源B106は、血管系152’に対応する周辺組織150’が描画された画像データを得るための、第2のエネルギーを有するX線の生成に使用される。これにより、患者14に注入される造影剤が強調される。当業者ならば理解できるように、2つのX線強度のレベルは、患者内の物質に基づいて異なる減衰を示す。この減衰の違いは、例えば血管系152と周辺組織150といった、患者14内の物質を区別するために使用される。
図3Aおよび図3Bに描かれた画像データの取得により、再構築の際に、患者14の血管系152を、患者14の周辺組織150から分離して、明確に特定することができる。2つのエネルギーシステムは、患者14の周辺組織150から血管系152を区別するための、患者14の血管系152のモデルの再構築のために使用される。血管系152を特定することによって、O−ARM(登録商標)撮像システムを含む撮像システム16は、手術中に手術室で患者14の血管系152を効果的に撮像するために使用される。上記手術は、例えば、弁交換手術、ステント手術、異物除去手術、または血管形成手術である。
少なくとも、X線管100が、撮像システム16のような、移動可能な撮像システムであるので、X線管100は、患者14に対して相対的に移動させることができる。すなわち、X線管100のエネルギーが第1電源104と第2電源106との間で切り替えられる間に、X線管100が患者14に対して相対的に移動してもよい。すなわち、患者14の姿勢または位置は、第1電源104によって得られる画像と第2電源106によって得られる画像とにおいて同じでなくてもよい。また一方で、モデルが、患者14内における単一の位置を形成するために求められる、または選択されるものである場合、第1電源104で投影がなされた時間と第2電源106で投影がなされた時間との間のX線管100の移動量に基づいて、様々な挿入技術がモデルを生成するために使用される。
電源104および電源106によってX線管100から照射されたX線の2つのエネルギーにより、患者14の血管系152と周辺組織150とを、十分効果的かつ強調されたコントラストの区別によって特定することができる。さらに、電源A104と電源B106とをスイッチ102によって切り替えることにより、ソース36を2つの異なるエネルギーを有するX線を生成する単一のX線管100を有するものとすることができるので、ソース36を効率的に構築することができる。また、X線が2つの異なるエネルギーを有することにより、造影剤を注入された患者14の血管系のモデリングをはじめとする、患者14のモデリングにおいて、コントラストを強調する、または動的なコントラストを実現することができる。
また、造影剤の注入に基づいた患者14の画像データの取得を制御することによって、造影剤を注入された患者14を撮像することができる。各実施形態によれば、ヨウ素などの造影剤は、撮像システム16によって得られた患者14の画像データにさらなるコントラストをつけるために、患者14に注入される。しかしながら、画像の取得中に、造影剤が患者14の血管系を、動脈から静脈に向かって通過してしまう。例えば、造影剤が動脈に注入されると、当該造影剤は患者14の血管系を流れていく。そして当該造影剤は、患者14の心臓に向かったり、心臓を通過したり、静脈系を通過して肺に向かったり、血管系における動脈の一部へ出ていったりする。
患者14の血管系の特定または再構築のために患者14の画像データを取得するときに、画像データが造影剤の注入のタイミングを基準として、どのタイミングで得られたかを知ることにより、患者14の組織を通過する造影剤の既知の移動に基づいた、様々なフェーズでの再構築を行うことができる。換言すれば、通常、造影剤は上述した既知の速度、または一般的によく知られた速度で患者14を通過することが理解される。図3Bに示すように、電源A104および電源B106に基づいたX線管100によって生成されたX線の2つのエネルギーは、患者14の血管系の一部の画像データを生成するために使用される。
さらに、画像データの取得は、患者14内への造影剤の注入に対応して制御される。例えば、図1に示すように、撮像システム16の制御部32は、通信172を通じて、患者14内に造影剤を注入するためのポンプ170の制御部と結びつき、通信している。ポンプ170と撮像装置の制御部32との間の通信172は、有線、無線、またはその他の通信システムから適切なものが選択される。また、ポンプの制御部170は、撮像システム16またはプロセッサシステム26の制御部32に組み込まれていてもよい。
各実施形態によれば、撮像システム16の制御システム32は、患者14内に造影剤の注入を開始するためのポンプ170を制御する。そして、撮像システム16は、患者14の動脈と静脈との違いを特定するための期間を設定したうえで、患者14の画像データを取得する。例えば、撮像システムは、造影剤を注入するためにポンプ170を制御し、注入後約10秒から20秒間、好ましくは約13秒間の画像データを取得する。画像システム16は、画像データの第1部位を特定または分離する。上記第1部位は、例えば、動脈における約5秒から7秒間、望ましくは6秒間の部分である。また、画像システム16は、画像データの第2部分を特定または分離する。上記第2部位は、例えば、静脈における約6秒から8秒間、望ましくは7秒間の部分である。換言すれば、制御システム32、または他の適切なプロセッサシステムは、いつ画像データが得られたかを決定するための画像データの索引をつける。また、画像データは2つのエネルギーによって得られることは理解されるだろう。すなわち、電源104および電源106がX線管100に電力を供給するために使用されることに基づいて、制御部32、または他の適切なプロセッサシステム(例えば、タイマ)は、画像データの索引をつけることができる。
画像データの取得および画像データ取得時間の分離の決定の後、患者14の血管系の再構築は、患者14の動脈および静脈それぞれを描画もしくは特定させる、すなわち再構築を行う。その結果、コントローラ32によって制御される撮像システム16は、単一の画像データ取得走査中または期間中に、患者の静脈および動脈両方の画像データを取得するために使用される。換言すれば、患者14の血管系の動脈および静脈におけるフェーズの決定および再構築は、患者14の単一画像データ取得フェーズに基づいている。さらに、単一画像データ取得フェーズのみを要求することによって、X線管100から照射されるX線に患者14および手術室のスタッフが曝されることを最小化または制限する。しかしながら、患者14によっては、複数の画像データ取得フェーズがあってもよいことは理解されるだろう。
撮像システム16の制御システム32は、ポンプ170のタイミングに加え、画像データの取得を制御するために使用される。例えば、心臓の拡張期の間に、患者14の血管系の画像データを取得することを選択してもよい。通常、患者14の心臓の拡張期の間に、心臓は運動せず、また、血管系中の血液も、比較的静止している。その結果、患者14の心臓の運動に対応する画像データの取得を制御することによって、患者14の画像データが得られる。X線管100によるX線の生成がスイッチ102によって切り替えられることにより、X線管100からのX線の照射時間を選択することができる。
画像データは、X線がX線管100から照射されない期間とX線がX線管100から照射される、異なる期間または第2の期間とが十分に連続的である、X線管100からのX線の照射によって得られる。ある期間からもう1つの期間の間に照射されるX線のエネルギーは、電源A104と電源B106とのどちらかによるエネルギーである。これにより、複数の時間をX線管100からX線が照射されない時間とし、その他の時間をX線管100から、選択されたエネルギーのX線が照射される時間とすることができる。
X線の照射または非照射のために撮像システムを制御することができるので、画像データの取得は、患者14の生理学的事象に関連した制御とすることができる。画像の取得の制御は、患者14の呼吸、患者14の身体的な運動、およびその他の生理学的事象に基づくものであることが、さらに理解されるだろう。また、制御システム32は、画像データに、生理学的事象の間に得られた画像か否かという点での索引をつけるために使用される。生理学的事象は、心電図、または通常の画像取得速度に基づいた適切なシステムを用いて特定される(例えば、心拡張は患者14内で約2秒間発生する)。
また、患者14に対応して相対的に撮像システム16を制御することによって、患者14に対応して検出器38の速度を制御するために、制御システム32は撮像システム16の制御に使用される。上述したように、撮像システム16のガントリ34内にある撮像システムの検出器38は、患者14の画像データを取得するために、その位置を相対的に変える。また、上述したように、患者14の画像データは、心拡張といった、選択された生理学的事象のみの間に、取得が選択される。少なくとも、患者14の一部の三次元モデルの生成または形成のために、患者14の画像の中で、選択された量の分離が行われる。
選択された生理学的事象の間に画像の適切な分離を保証するために、選択された速度での移動、および速度の変更が行われる。心収縮などの第1の生理学的事象の間に、第1の速度で検出器38は移動する。そして、選択された生理学的事象の間に患者14の画像の取得の適切な分離を保証するために、心拡張の間に、例えばより速い第2の速度で、検出器38は移動する。
上述したように、モデルの形成のための三次元容積測定再構築において、上記モデルは、生理作用および解剖学的位置の第1フェーズ、並びに、生理作用および解剖学的位置の第2フェーズを描画するために、選択された患者の一部を描画するための複数のフェーズを有してもよい。すなわち、上記モデル、または複数のモデルは、患者14の第1フェーズ(例えば、動脈のフェーズ)を描画するため、および第2フェーズ(例えば、静脈のフェーズ)を描画するために使用される。また、検出器38の制御および移動によって、画像データを取得する間の検出器38の第1の位置および第2の位置が、患者14の生理作用の複数のフェーズを描画するための第1のモデルおよび第2のモデルを生成するために使用される。また、患者14の解剖学的構造および生理機能は、三次元再構築に使用される。例えば、患者14の骨の構造、または患者14の心拍のフェーズは、モデル再構築における援助のために、演繹的知識として使用される。
また、撮像システム16のコントローラ32は、「巻き戻し」、すなわち、検出器38が横切った経路と同じ経路を、検出器38が逆走するために使用される。単一の経路または方向が選択されて移動する場合でも、例えば、選択された位置で追加の画像データ(例えば、X線投影図)の制御および取得のために、検出器38は停止と発進を行う。これにより、コントローラ32は、適切な再構築のための患者14に関する選択された画像の分離を行うため、または、要求された画像データに基づく患者14の選択されたモデルを得るために、撮像システム16を制御する。
画像データまたは未加工の画像データに基づく再構築は、患者14の手術を行うために使用される。上述したように、選択されたナビゲーションまたは追跡システムは、撮像システム16に関連付けられている。これにより、患者14は画像データに登録され、ナビゲーション手術が行われる。ナビゲーション手術は、患者14の心臓、脳、もしくはその他の血管系におけるステントの配置、除去手術、血管形成手術、インプラントの配置、または骨の切除を含む。ナビゲーションは、外科手術中において、患者における空間などの選択された参照フレームに対応するナビゲーション領域に配置された器具の位置を追跡すること、または自動的に決定することを含む。器具66の位置は、画像データもしくは再構築モデル上に重ねあわされるアイコン174または画像データ18とともに表示装置20に描画される。
患者14の細胞学的構造などの被験体においては、様々な構造が存在する。いくつかの構造は、例えば、O−ARM(登録商標)撮像装置16などのX線撮像手段のような、様々な撮像手段によって撮像される。いくつかの構造は、患者14の血管系152を含む。通常、血管系152は、患者14に注入される造影剤を使用せずに撮像することはできない。また、血管系152は、いくつかのフェーズまたは部位を含む。ここでより詳細に議論するように、血管系は、動脈を含む動脈フェーズ、および静脈を含む静脈フェーズを含む。上記2つのフェーズは、血管系の特定部位の目的によって区別される。要するに、上記2つのフェーズは、動脈フェーズにおける、肺に広がることによって酸素を豊富に含んだ血液、および、静脈フェーズにおける、肺に送られるために心臓に戻される血液という点において、相互に関連している。
造影剤は、血液の流れによって、血管系を通って移動する。そして、撮像装置14は、時間の経過とともに、造影剤が移動するにつれて、画像フレームとして画像を記録する。造影剤は、患者の細胞学的構造および生理機能によって定義されたあるフェーズから別のフェーズに、次々に移動する。すなわち、連続する画像は、それぞれの画像フレームのあるフェーズにのみ関連する、あるいはほぼ関連する画像を含む。換言すれば、造影剤が動脈内にあるときに画像が取得される場合、上記画像は、動脈フェーズの画像である。同様に、造影剤が静脈内にあるときに画像が取得される場合、上記画像は、静脈フェーズの画像である。
取得された画像データは、様々なフェーズの三次元容積測定モデルを含むモデルの再構築に使用される。画像データおよび再構築されたモデルは、ナビゲーションおよび追跡の要求または使用がされない手術の計画、または上記手術の結果の確認に使用される。画像データは、インプラントの配置などの手術を援助するために取得される。また、画像データは、患者14の血管系の閉塞原因を特定するために使用される。すなわち、ナビゲーションおよび追跡は、手術において画像データを使用するために必要とされるものではない。また、画像データは、被験体における複数の異なるフェーズに関するものである。上記異なるフェーズは、動脈フェーズ(すなわち、血管系152の動脈部)または静脈フェーズ(すなわち、血管系152の静脈部)を含む。
図4を参照すると、フローチャート200は、患者14のような被験体の画像データの取得方法を描画している。これにより、患者14の様々な部分の複数のフェーズの再構築が可能となる。ここで議論するように、血管系152は、様々なフェーズを含み、造影剤を用いた特別な撮像を行う。しかしながら、その他のフェーズが、解剖学的構造の領域と、解剖学的構造の異なる部分またはフェーズの表示要求とに基づいて決定されてもよいことは理解されるだろう。
各実施形態によれば、撮像装置16は、選択された方法によって患者14の画像データを取得するべく操作できる。例えば、画像獲得部は、通常は円形状、またはつる巻き状、渦巻状、およびその他患者14に関連する構造で患者の周囲を相対的に移動する。しかしながら、患者14の血管系152を通って流れる物質の速度によっては、造影剤が患者14において選択された1つのフェーズにある間(例えば、ここで議論される動脈フェーズ)に、撮像システム16が、患者14の周囲に全円を作るように動く必要はない。以上により、画像フレームのような、選択された画像データの一部のフェーズは、患者14において取得される上記画像データの一部のフェーズを特定するために選択される。
フローチャート200によれば、患者14の特定のフェーズは、取得された画像データに基づいて決定または再構築される。通常、フェーズの数は、ユーザ12のようなユーザ、および時間の経過による患者14内における造影剤の位置によって決定される。造影剤によって得られた画像データにより、患者14、または患者14の一部の再構築のために区別、または使用できる画像データを得ることができる。例えば、通常、造影剤なしでは、信頼できる撮像手段を使用しても、様々な軟組織の一部、または血管系は区別ができない。再構築は、容積測定、または患者14の三次元再構築もしくはモデルである。ここで議論するように、三次元モデルは、患者14に対応する器具(例えば、除去用カテーテル)の位置を描画するなど、様々な目的のために使用される。
引き続き図4を参照すると、フローチャート200はブロック202から開始する。ブロック204において、被験体が撮像のために配置される。その上で、患者14は、ナビゲーション手術のために、同じ、またはほぼ同じ位置を維持される。図1に示すように、患者14を含む被験体は、撮像システム16に対して相対的に配置される。患者14は、テーブル15上に配置され、ストラップ、またはその他の固定器具で当該位置に固定される。なお、必ずしも患者をテーブル15に固定する、または、患者14に特別な補助を提供する必要は無い。ここで議論されるように、撮像装置16は患者の画像データを取得する。選択された画像取得方法は、患者14に対して選択された空間上の点、および選択された時間上の点にて画像データのフレームを取得することを含む。画像フレームは、通常、画像取得のための単一の要求に関し、また、画像フレームは、時間の経過とともに複数の画像フレームが収集される、患者14の画像データの収集部位を形成する。換言すれば、画像フレームは、選択されたある時間および位置における、撮像システム16による全体図を含む。
ブロック204において、患者14が撮像システム16に対して相対的に配置されると、ブロック206において、造影剤がポンプ170を用いて注入される。上記造影剤は、ヨウ素またはその他の造影剤を含む適切な造影剤であり、上記造影剤を使用できることにより、患者14の血管系152と、患者14における周辺組織150とを対比することができる。通常、軟組織は、X線を用いた画像データ取得のとき、十分に不透明なものとならない。すなわち、適切な軟組織、または血管系の画像データを得るために、造影剤を用いることにより、血管系152を十分に不透明なものとすることができる。造影剤は、血液循環によって運ばれ、血管系152を通過する。上記血管系の不透明さは、X線画像取得のための、軟組織周辺に対する適切なコントラストを生み出す。ポンプ170は、患者14に造影剤を注入するために使用される。そして、造影剤は、時間の経過とともに、血管系の各フェーズを通過して移動することで、患者14の血管系152に浸透する。
上述したように、ポンプ170は、患者14に造影剤を注入するために、撮像システム16を用いて直接、またはプロセッサ28を用いてのどちらかによって、撮像装置16に関連して制御される。通信172は、造影剤の注入のためのポンプ170を制御するために使用される。さらに、造影剤の注入時間は、ブロック208にて決定される。造影剤の注入時間は、絶対時間(例えば、特定の時間、分、および秒)が選択されてもよいし、画像データの取得に対する時間であってもよい。例えば、ブロック210において、画像データとしては、注入された造影剤を用いて、被験体の画像データが選択されてもよい。これにより、ブロック208における注入された時間の決定は、ブロック210における患者の画像取得の開始に対応することになる。換言すれば、造影剤の注入開始は、撮像システム16を用いて得られた最初の画像フレームに関する時間T0で行われる。また、造影剤の注入開始の命令も、時間T0で行われる。そして、時間は、画像データ取得のために先に選択された間隔(1秒、2秒など)、および造影剤注入の開始からの時間にて進行する。さらに、ブロック208における造影剤の注入時間は、相対時間(例えば、画像データの取得に関する時間)または絶対時間として決定される。加えて、画像データの取得時間も決定される。
詳細な議論については後述するが、造影剤が患者14に注入されることにより、患者14の血管系の画像に対して、適切なコントラストを付すことができる。上述したように、図3に示すことには、通常、血管系152は、X線イメージングなどの各撮像手段を使用しても、血管系152の周囲の軟組織150との区別がつかない。しかしながら、手術室10におけるX線画像の取得は、コスト、画像データ取得の効率、ユーザの選択などに基づいて選択される。しかしながら、1回の注入および画像データの取得のサイクルの間に、必要な画像データのほぼすべてを取得することによって、患者14への造影剤の注入を最小限とするよう試みることができる。
しかしながら、図5A〜図5Cに示すように、通常、造影剤は、血管系の異なるフェーズ(動脈フェーズおよび静脈フェーズ)を洗浄する、または通過するので、選択されたフェーズにおいて収集された360度すべての画像は、選択されたフェーズの三次元再構築を行うために使用される。撮像装置16が患者14に対して十分に速く回転することで、造影剤が単一のフェーズにある間に360度すべての回転が可能である場合、その後、患者14に対する360度すべての回転から得られる画像データの1セットは、図5A〜図5Cに示すように、複数のフェーズを含む。これにより、フェーズ、ピークに関してのパラメータ、および選択されたフェーズによる画素強度の減少に、フレームが属することを含む入力パラメータ、並びに患者14に対する撮像装置16の相対的な位置を含むその他のパラメータは、適切な三次元再構築の決定のために使用される。
上述したように、三次元再構築は、選択された再構築アルゴリズムに基づいたものである。上述したように、上記再構築アルゴリズムは、モデルの生成、および取得した画像データに基づいた投影と理想的なモデルの投影との間のエラーの低減を含む。通常、上記再構築は、取得した画像に基づいた理論的な投影を決定するために得られた二次元画像データを使用する。エラーは、得られた画像データに基づいて、理論的な投影と、選択された精度で再構築するためのモデル投影との間で低減される。
造影剤の注入後に一旦選択された、あるいは選択中の画像データは、患者14における造影剤の注入時間と還流時間とを相関させる。関連付けは、画像フレームと、ブロック212に示される注入以降の時間との間で行われる。注入以降の時間と画像フレームとの関連付けは、ブロック208における注入時間の決定と、ブロック214における画像取得の開始の決定とに基づく。例えば、画像は、約1秒ごとといった、各時間間隔にて収集される。さらに、撮像システム16を用いて収集された画像フレームのタイムラインは、画像のシリーズにおいて決定された還流時間(例えば、造影剤の注入以降の時間)と相関している。還流時間にそれぞれの画像フレームを相関させることは、画像が選択されるフェーズを決定するために使用され、当該画像は、上記フェーズにおいて患者14に注入された造影剤を用いた画像データを含む。これにより、30秒後、あるいは約30フレーム後に得られた画像フレームは、選択された画像データのシリーズにおけるその他の各フレームとともに特定される。換言すれば、各フレームは、特定の時間または造影剤の注入に関連する時間と相関している。タイマは、撮像時間および還流時間に関連する時間を記録するために、ポンプおよび撮像装置16に備えられる。
関心領域は、ブロック214にて決定される。関心領域は、画像データの獲得または任意の選択された時間に先立って決定される。関心領域は、頭部領域、腹部領域、心臓領域、末梢領域、またはその他患者14の適切な領域を含む。通常、上記領域は、患者14の一部のような、関心領域内の血管系の画像データを獲得するために撮像される被験体の一部に関連する。
ブロック214にて関心領域が決定された後、ブロック216にて関心領域のフェーズが決定される。また、関心領域のフェーズは、画像データの獲得中、または獲得後に先立って決定される。上記フェーズは、数の決定、および、患者14の血管系152内の造影剤の位置の決定または特定のうち、少なくとも1つを含む。例えば、上述したように、動脈フェーズおよび静脈フェーズは、血管系の2つのフェーズである。しかしながら、動脈フェーズの前後および静脈フェーズの前後が、その他のフェーズとして決定されてもよいことは理解されるだろう。その結果、フェーズが決定されることにより、動脈フェーズのみおよび静脈フェーズのみの再構築、または動脈の前後のフェーズの再構築といった、選択されたフェーズの再構築を行うことができる。また、フェーズの選択は、再構築のためのフェーズの決定、および再構築のための画像フレームの関連付け後の支援のために使用される。
関心領域のフェーズの数は、画像データの獲得速度および患者14に対する撮像装置16の相対的な位置などの撮像システム16のパラメータに基づいて決定される。撮像装置16の速度について、患者14中に造影剤の注入がされ、撮像装置16が1秒ごとに10フレームのみの収集が可能である場合、多数のフェーズを再構築するために十分な画像データを収集することは不可能である。しかしながら、撮像装置16が、1秒に30から40フレームを収集することができる場合、より多くのフェーズを再構築することが可能となる。
通常、選択された精度の角度で三次元モデルを再構築するために、上記角度は、単一のフェーズにおいて、少なくとも150度から230度であり、好ましくは180度から210度であり、さらに好ましくは200度である円弧を少なくとも含む画像データを獲得するために選択される。これにより、患者14に対する撮像装置16の相対的な移動速度もまた、撮像されるフェーズの数を制限する、または、決定するために使用される。例えば、撮像装置16が、造影剤が動脈フェーズにある間に患者14に対して相対的に少なくとも200度の円弧にて、イメージ画像を獲得するために移動した場合、動脈フェーズは再構築される。しかしながら、撮像装置16が動脈フェーズ中に360度の円弧にて移動可能である場合、少なくとも、動脈フェーズの前後のフェーズのような、動脈フェーズの2つのフェーズが作成される。
撮像システム16、または、プロセッサシステム26のようなその他の処理システムは、上述したように、再構築を行うために使用される。フレームにおける造影剤の注入時間と相関する、ブロック218の画像フレームにおいて、関心領域および再構築フェーズの数は、選択されたプロセッサに入力される。基本的には、画像データのフレームは、造影剤注入に関する相対時間、および、その他のパラメータまたは制限(再構築のための領域および再構築のための領域におけるフェーズを含む)とともに、適切なプロセッサシステムに提供される。決定されたフェーズのパラメータおよび制限は、記憶システムから読み出されてもよいし、ブロック220にて入力されてもよい。
パラメータまたは制限は、特定のフェーズが撮像のために存在している造影剤を有する時間に関して、時間制限を含む。例えば、動脈フェーズでは、第1時点と第2時点との間の画像フレームが制限されてもよい。これにより、相関した画像フレームは、選択されたフェーズに関する特定の時間フレームに入り込む。さらに、コントラストをつけるタイミングは、上記コントラストが、画像データにおいて、あるフェーズから別のフェーズに移動するときに決定される。フェーズの数もまた制限され、上記フェーズが属するフレームの決定に使用される。さらに、選択されたフェーズ画素240およびフェーズ画素242によって描画されるように、選択された領域を通る造影剤の還流または洗浄は、上記画素が造影剤の存在についての強度を有することの決定に使用される。上記還流は、血管系を通る、造影剤を運ぶ物質(例えば血液)の流れに基づく。
決定されたパラメータの入力は、ユーザ12によって手術中に、入力装置24を用いて入力される、または、決定された関心領域および関心フェーズに基づいて、選択された記憶システムから読み出されることによって行われる。上記パラメータにより、画像取得フェーズ中に、収集された患者14の複数の画像フレームに基づいた、三次元容積測定再構築を行うことができる。
モデルは、ブロック222にて、患者14にて取得された画像データ、およびブロック220からのパラメータの入力に基づいた再構築が行われる。図5A〜図5Cに典型例として示すように、画像データのフレームは、患者14にて収集される。上述したように、患者14の血管系152は、患者14内の異なる身体的な解剖学的位置を示す各フェーズを含む。典型的なフェーズとしては、前部動脈フェーズ230および後部動脈フェーズ232、並びに前部静脈フェーズ234および後部静脈フェーズ236を含む。上述したように、異なるフェーズの前後の位置は、画像データを用いた区別ができない。しかし、システムに入力された各パラメータの例として、この後の議論のためにここに図示する。撮像装置16は、動脈フェーズおよび静脈フェーズといった特定のフェーズの前後のフェーズの両方を決定または再構築可能な適切な速度で画像データを取得する必要がある。
図5Aに示すように、動脈画素(領域)240は、動脈フェーズ内で選択または決定される。さらに、静脈画素(領域)242は静脈領域内で選択または決定される。図5Aにおいてクロスハッチングによって示すように、造影剤は、前部動脈フェーズ230内にあり、図5Aには、血管系152における造影剤の存在により撮像可能となる画像データが描画されている。図5Bにおいては、造影剤が後部動脈フェーズ232を通過しており、後部動脈フェーズ232がクロスハッチングにて示されている。また、図5Bに示すように、造影剤が上記動脈フェーズ234にて移動し始めている様子が描画されている。また、造影剤が、上記静脈フェーズ234にてドット領域によって描画されている。
動脈フェーズにおける動脈画素240は、造影剤注入後に、特定の時間でコントラストのピーク(または、画像強度のピークもしくは黒色部分)を有することが予測されるパラメータとして入力される。これにより、動脈フェーズでの時間のパラメータにて選択された領域における高いコントラストを含む画像フレームが、動脈フェーズの再構築のために含まれることになる。換言すれば、動脈画素240は、動脈フェーズ中に高いコントラストを有する。すなわち、動脈フェーズにおける選択された時間、または選択された画像フレーム中の、高いコントラストを有する画像データにおける任意の画素は、動脈フェーズの再構築に使用されるだろう。動脈フェーズにおける動脈領域240は、コントラストもしくは位置パラメータを満たす再構築の決定に先立って、または、再構築の決定中のどちらかにおいて選択される単一画素、または画素グループであることは理解されるだろう。また、各パラメータは、洗浄速度、または患者14の血管系152を通る造影剤の既知の移動速度に基づいた動脈画素240などの選択された領域の強度の変化を含む。すなわち、動脈画素の強度の変化は、動脈画素240のような画素が、動脈の特定のフェーズのブロック222にて、再構築されるために選択されるはずであるということを確認するために使用される。
別の入力されるパラメータとしては、選択されたフェーズに関する画像フレームの制限が含まれる。例えば、撮像装置16の画像取得速度および移動速度に基づいた画像フレームのシリーズである画像フレーム5から画像フレーム95には、動脈フェーズが含まれる。特に、他のフレームと比較したときに、画素がこれらのフレームにおいて高いコントラストを示す場合、画素(例えば、動脈画素240)は、動脈フェーズにあるものとして決定される。これにより、造影剤の注入時間、および、造影剤注入後に収集されたフレームの時間が、選択されたフレームにおいて撮像されたフェーズの決定に使用され、この決定は、上記フェーズが当該フレームからの画像データを用いて再構築されるはずであることを決定するために使用される。
同様に、静脈フェーズ画素242は、静脈画素242が静脈フェーズに含まれることを決定する、同様の洗浄パラメータまたは選択された洗浄パラメータを有する。選択されたフレームの洗浄パラメータは、患者14における造影剤の移動速度に基づいている。例えば、取得された画像データの画像フレームであり、フレームのシリーズである画像フレーム110から画像フレーム220は、患者14の血管系152を通る造影剤の洗浄速度に基づいた静脈フェーズに対して決定される。時間の経過とともに発生する、画像データ内における静脈画素242の強度の変化は、静脈フェーズを特定するために使用される。後部静脈フェーズ236においてドット部分で図5Cに示すように、造影剤は静脈画素242を通って洗浄している、または通り過ぎている。図5Cに示す画像フレームと関連付けられるタイミングは、造影剤(および造影剤の存在による画像データ)が静脈フェーズまたは静脈フェーズの一部内にあることを特定するために使用される。
画像データが造影剤の注入とともに収集されると、画像データが相関し、上述するように、血管系の再構築が行われる。使用される再構築の方法とは関係なく、選択された血管系のフェーズは、図6Aおよび6Bに示すように、表示装置20に表示される。上記再構築は、容積測定再構築、または三次元再構築である。特定のフェーズおよび上述したパラメータの決定によって、再構築アルゴリズムは、分離および識別可能な解剖学的フェーズの再構築に使用される。例えば、前部動脈フェーズ230および後部動脈フェーズ234は、撮像装置の限界を含む、上述されたパラメータに基づいて、単一の動脈フェーズ245としてともに描画される。動脈フェーズモデル245は、ブロック214において選択された関心領域内における、動脈フェーズ全体の領域測定表示を含む。さらに、図6Bに示すように、静脈フェーズモデルは、上記静脈フェーズ234および後期静脈フェーズ236を含み、単一の静脈フェーズモデル247として描画される。さらに、フェーズの数は、ユーザ12によって選択されてもよいし、撮像装置16の限界に基づいてもよい。それにもかかわらず、表示装置20は、フェーズのどちらかもしくは両方、または関心領域から選択された任意のフェーズを表示する。
モデルの再構築がブロック222にて行われると、再構築されたモデルがブロック260にて表示され、手術するか否かがブロック266にて決定される。手術が行われない場合、「NO」の経路268に入り、終了のブロック270に達する。手術が行われないとき、ブロック222にて再構築されたモデルを含む画像データは患者14の分析に使用されてもよい。例えば、血管系の構造は、任意の閉塞、塞栓症などを含む三次元モデルに基づいて決定されてもよい。
ブロック266において、手術が行われることが決定した場合、「YES」の経路276に入り、ブロック278にて被験体の三次元モデルの登録を行う。ブロック278における被験体のモデルの登録は、上述した登録技術に基づいて行われる。例えば、画像データは、撮像システム16を用いて取得され、患者14に対する撮像装置16の相対的な位置は、患者14に対する撮像装置の相対的な移動、および、撮像装置および患者14の追跡のうち少なくとも1つに基づいて判明する。判明した患者14に対する撮像装置16の相対的な位置は、判明した位置で取得された患者の画像データフレームを用いて生成されるモデルの登録に使用される。さらに、参照装置または基準装置は、生成されるモデルに関する判明した位置の登録を決定するために、患者14に配置される。
画像データおよびモデルが登録されると、ブロック280にて、器具が追跡される。上記器具は、切除カテーテルまたはその他の選択された器具といった、適切な器具であれあればよい。アイコン284は、ブロック282にて、図7に示すように、モデルに対する器具の位置を表すために、表示装置22に表示される。アイコン284は、例えば、動脈フェーズ230、動脈フェーズ232のような、選択されたフェーズの再構築に関する追跡される器具の位置を描画する。その結果、患者14内の器具の追跡がなされ、表示装置に表示される。これにより、ユーザ12は、患者14の血管系152に対する器具の位置を決定することができる。手術はブロック284にて実施され、その後、容積の再構築方法は、ブロック270にて終了する。上記手術は、心臓付近の切除、ステントの設置、塞栓症の修復などといった適切な手術であればよい。
その結果、上述したように、患者14の血管系152の各フェーズの再構築は、画像データ取得のために選択されたパラメータ、および患者14内の造影剤に基づいてなされる。これにより、様々な撮像手段に基づいた、通常区別できない、あるいは区別が容易ではない患者14の一部の再構築を行うことができる。これにより、三次元容積測定モデルを含むモデルの再構築を、患者14において取得された、連続的な画像フレームに基づいて行うことができる。患者14内の造影剤の還流および撮像装置16の特性のパラメータは、画像データのフレームおよび再構築されたフェーズの一部の決定および選択に使用される。すなわち、単一のフェーズが、患者14に対する撮像装置の360度全体の相対的な回転によって撮像されないとしても、単一のフェーズは、パラメータおよび上述した制限を使用して再構築される。上記再構築は、時間、造影剤の移動などのパラメータに基づいており、一部の取得された画像データに基づいた三次元再構築を、十分な容量分析で行う。
前述した実施形態の記載は、図および言葉による説明を目的として提供されている。すなわち、発明を削る、限定するといったことを意図しているものではない。特定の実施形態における個々の要素および構成は、通常、特定の実施形態に限定されるものではなく、特に図示および記載していなくとも、適用可能な位置において、互換性があり、選択された実施形態で使用可能である。また、上記要素および構成は、多くの方法によって変化させてもよい。このようなバリエーションは、発明からの逸脱ではなく、すべてのこのような変化が、発明の範囲に含まれることを意図している。
一致する参照番号は、いくつかの図面の記載を通じて一致する部材を示す。
(付記事項)
本開示に記載の発明は、以下のように表現することもできる。
各実施形態によれば、造影イメージングを用いる撮像システムを用いて患者の画像データを取得するシステムは、第1エネルギーパラメータに基づく第1エネルギーソース、および、第2エネルギーパラメータに基づく第2エネルギーソースを有する撮像システムを含む。また、上記撮像システムは、命令に従って上記患者造影剤を注入するように動作可能なポンプを含む。また、コントローラが、上記撮像システムおよび上記ポンプと通信可能に接続されている。上記撮像システムは、上記患者に造影剤を注入するタイミングに関して上記コントローラを介して上記ポンプと通信することができるとともに、上記造影剤を注入するタイミングおよび臨床処置のうちの少なくとも1つに基づいて、画像データを取得するように動作可能である。
また、本開示に記載の発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の態様1に係るシステムは、被験体の複数のフェーズを再構築するためのシステムであって、選択された方向にX線を照射する操作可能なX線ソースと、上記X線ソースに第1電力を供給する第1電源と、上記X線ソースに第2電力を供給する第2電源と、照射されたエネルギーを検出するために上記X線ソースと対向する位置に配置された検出器と、上記検出器および上記X線ソースが撮像システムへの命令に応答して、自装置内で上記被験体の周囲を移動可能なように上記被験体の周囲に配置されるように形成された環状ガントリと、を備える撮像システムと、命令に応答して上記被験体内に造影剤を注入するために操作可能なポンプと、上記撮像システムへの上記命令および上記ポンプへの上記命令を供給する、操作可能な上記撮像システムおよび上記ポンプと通信するコントローラと、を備え、上記コントローラは、上記被験体内への上記造影剤の注入のタイミングの制御に基づいて、上記撮像システムを用いた画像データの取得のタイミングの制御または記録を実行可能であり、さらに、上記コントローラは、上記造影剤の注入の上記タイミングに基づいて上記画像データを取得するよう操作可能である。
本発明の態様2に係るシステムは、上記態様1において、上記ポンプによって上記造影剤の上記注入の開始から経過した時間量を決定するために操作可能なポンプタイマと、上記ポンプによって上記造影剤の上記注入の開始から経過した時間量および上記画像データのための索引時間を生成した時間量を決定するために操作可能な撮像システムタイマと、をさらに備えてもよい。
本発明の態様3に係るシステムは、上記態様2において、上記画像データが、時間の経過とともに収集された上記被験体の複数の画像データフレームおよび上記撮像システムタイマによって付された上記索引時間を含み、上記画像データの選択部位が、上記画像データの索引付き時間および入力制限のうち少なくとも1つに基づいた第1解剖学的フェーズまたは第2解剖学的フェーズに関係するかどうかを決定するための命令を実行するように操作可能である画像データインデクサをさらに備えてもよい。
本発明の態様4に係るシステムは、上記態様3において、上記被験体の生理学的予備知識、上記被験体の解剖学的構造、および解剖学的フェーズの数に基づいた上記画像データインデクサに入力される上記入力制限を記憶する記憶システムをさらに備えてもよい。
本発明の態様5に係るシステムは、上記態様3において、上記第1解剖学的フェーズの第1モデルおよび上記第2解剖学的フェーズの第2モデルの両方を再構築するための命令を実行するように操作可能である三次元モデル再構築システムをさらに備えてもよい。
本発明の態様6に係るシステムは、上記態様5において、ナビゲーション空間において器具を追跡するように操作可能である追跡システムと、上記第1解剖学的フェーズの上記第1モデルまたは上記第2解剖学的フェーズの上記第2モデルのうち少なくとも1つ、および、上記ナビゲーション空間における上記フェーズに対応する上記器具の位置を示す器具アイコンを表示するように操作可能である表示装置と、をさらに備えてもよい。
本発明の態様7に係るシステムは、上記態様2において、上記撮像システムは、上記環状ガントリ並びに、上記環状ガントリに取り付けられた上記検出器およびソースを、第1手術室から第2手術室まで移動させることを可能とする1組のホイールを備えたカートをさらに含んでもよい。
本発明の態様8に係る方法は、被験体内の造影剤が、上記被験体の解剖学的構造におけるX線散乱パターンと異なるX線散乱パターンを有し、選択された開始時間に上記被験体内に上記造影剤を有する上記被験体の複数のフェーズを再構築する方法であって、選択された撮像開始時間において検出器によって検出されるX線を照射するためのX線ソースに電力を供給するステップと、上記被験体の周囲に配置されるように形成された環状ガントリ内で上記被験体に対する上記X線ソースおよび上記検出器を移動するステップと、時間の経過とともに取得され、上記環状ガントリ内での上記X線ソースおよび上記検出器の移動に基づいた上記被験体に対する相対的な異なる位置を有する、上記被験体の複数の画像フレームを含む画像データであって、X線ソースおよび検出器の移動の間に、時間の経過とともに上記被験体の選択部位の上記画像データを取得するステップと、時間の経過とともに上記被験体内の上記造影剤の位置に上記複数の画像フレームを相関させるステップと、上記被験体の生理学的および解剖学的特徴に関する上記被験体の第1フェーズを選択するステップと、上記被験体における上記第1フェーズに関連する上記複数の画像フレームのうちの第1フェーズの複数の画像フレームを決定するステップと、上記複数の画像フレームのうちの上記決定された第1フェーズの複数の画像フレームに基づいた、上記被験体の上記第1フェーズのモデルの再構築を行うステップと、を含む。
本発明の態様9に係る方法は、上記態様8において、選択された手術室内の上記被験体に対する相対的な第1選択位置に単一のX線ソース管を移動するステップをさらに含んでもよい。
本発明の態様10に係る方法は、上記態様9において、上記被験体の上記第1フェーズのモデルの再構築を行うステップは、上記複数の画像フレームのうちの上記決定された複数の第1フェーズのモデルを決定するためのプロセッサを用いた命令を実行するステップを含んでもよい。
本発明の態様11に係る方法は、上記態様10において、上記被験体の第2フェーズを選択するステップと、上記被験体の上記第2フェーズに対する上記複数の画像フレームのうちの複数の第2フェーズを決定するステップと、上記複数の画像フレームのうちの上記決定された複数の第2フェーズに基づいた、上記被験体の上記第2フェーズのモデルの再構築を行うステップと、を含んでもよい。
本発明の態様12に係る方法は、上記態様11において、上記被験体の上記選択部位のモデルの再構築を行うためのプロセッサを用いた命令を実行するステップは、上記第1フェーズおよび上記第2フェーズの両方を含む上記被験体の上記選択部位の複数のフェーズのモデルの再構築を行うステップを含んでもよい。
本発明の態様13に係る方法は、上記態様12において、上記被験体の上記選択部位の複数のフェーズのモデルの再構築を行うステップは、生理作用および解剖学的位置の第1フェーズ並びに生理作用および解剖学的位置の第2フェーズを描画するための上記複数のフェーズのモデルを構築するステップを含んでもよい。
本発明の態様14に係る方法は、被験体の複数のフェーズを再構築する方法であって、再構築のための上記被験体の第1フェーズを選択するステップと、上記第1フェーズと異なる、再構築のための上記被験体の第2フェーズを選択するステップと、画像データが時間の経過とともに上記被験体の選択部位の複数の画像フレームを含み、造影剤が上記被験体の上記選択部位を通って移動する間に、時間の経過とともに上記被験体の上記選択部位の上記画像データを受信するステップと、上記被験体内の上記造影剤の位置に複数の画像フレームのそれぞれを相関させるステップと、上記被験体の選択された第1フェーズに関する上記複数の画像フレームのうちの第1フェーズの複数の画像フレームを決定するステップと、上記決定された第1フェーズの複数の画像フレームに基づいた、上記被験体の上記選択された第1フェーズの第1フェーズモデルを再構築するステップと、上記被験体の選択された第2フェーズに関する上記複数の画像フレームのうちの第2フェーズの複数の画像フレームを決定するステップと、上記決定された第2フェーズの複数の画像フレームに基づいた、上記被験体の上記選択された第2フェーズの第2フェーズモデルを再構築するステップと、上記再構築された第1フェーズまたは上記再構築された第2フェーズのうち選択された少なくとも一方を表示するステップと、を含む。
本発明の態様15に係る方法は、上記態様14において、上記受信した画像データは、上記被験体に関する異なる視点の画像フレームを含み、上記再構築された第1フェーズまたは上記再構築された第2フェーズのうち選択された少なくとも一方を表示するステップは、上記再構築された第1フェーズ、および上記再構築された第2フェーズの両方を表示することを含んでもよい。
本発明の態様16に係る方法は、上記態様15において、上記選択された第1フェーズに関してプロセッサシステムに制限を入力するステップと、上記被験体における上記選択された第1フェーズに関する上記複数の画像フレームのうちの上記第1フェーズの複数の画像フレームを決定するステップを実行するための上記プロセッサシステムを用いた命令を実行するステップと、上記決定された第1フェーズの複数の画像フレームに基づいた上記第1フェーズモデルを再構築するための上記プロセッサシステムを用いた命令を実行するステップと、を含んでもよい。
本発明の態様17に係る方法は、上位態様16において、上記入力する制限は、時間の制限、フェーズの数の制限、上記造影剤を運ぶタイミング、および還流速度の制限を含んでもよい。
本発明の態様18に係る方法は、上記態様16において、上記受信した画像データの上記複数の画像フレームの初期画像フレーム取得に関する、上記被験体内への造影剤の輸送時間を決定するステップをさらに含んでもよい。
本発明の態様19に係る方法は、上記態様14において、上記選択された第1フェーズおよび上記選択された第2フェーズの両方に関するプロセッサシステムに制限を入力するステップをさらに含んでもよい。
本発明の態様20に係る方法は、上記態様14において、選択された第1フェーズは上記被験体の動脈フェーズであり、選択された第2フェーズは上記被験体の静脈フェーズであってもよい。
本発明の態様21に係る方法は、上記態様20において、上記被験体の上記動脈フェーズまたは上記被験体の上記静脈フェーズのうち少なくとも1つに関する器具を追跡するステップと、上記再構築された第1フェーズモデルまたは上記再構築された第2フェーズモデルのうち少なくとも1つに重ねられた表示装置上の器具アイコンとして、上記被験体の上記動脈フェーズまたは上記静脈フェーズのうち少なくとも1つに関する器具の追跡位置を表示するステップと、を含んでもよい。
本発明の態様22に係る方法は、上記態様14において、第1フェーズを選択するステップは、上記第1フェーズモデルとしての再構築のために、上記被験体の上記選択部位内における上記被験体の血管系全体未満の上記被験体の血管系の部位を選択するステップを含んでもよい。
本発明の態様23に係る方法は、上記態様14において、上記造影剤が上記選択された第1フェーズにある間に、上記被験体の360度全体未満で収集可能な速度にて上記被験体に対する撮像装置の撮像部を回転移動するステップをさらに含んでもよい。
本発明の態様24に係るシステムは、造影イメージングを用いた撮像システムを利用して患者の画像データを取得するシステムであって、単一のX線ソース管と、上記単一のX線ソース管に選択的に電力を供給するための1つまたは複数の第1エネルギーパラメータを含む第1エネルギーソース、および、1つまたは複数の第2エネルギーパラメータを含む第2エネルギーソースと、上記単一のX線ソース管、上記第1エネルギーソース、および上記第2エネルギーソースが自装置内で上記患者に対して相対的に移動する環状ガントリと、を有する撮像システムと、命令に応答して上記患者に造影剤を注入するように動作可能なポンプと、上記撮像システムおよび上記ポンプと通信可能に接続されたコントローラとを備え、上記撮像システムは、上記患者に上記造影剤を注入するタイミングに関して上記ポンプと上記コントローラを介して通信するように動作可能であるとともに、上記造影剤を注入する上記タイミングおよびソース経路に基づいて、画像データを取得するように動作可能である。
本発明の態様25に係るシステムは、上記態様24において、上記ポンプによって上記造影剤が注入され始めてから経過した時間を計測するように動作可能なタイマをさらに備え、上記撮像システムは、上記タイマによって計測された経過した時間に基づいて、上記患者の画像データを取得する時刻を決定する撮像システムコントローラを含んでもよい。
本発明の態様26に係るシステムは、上記態様25において、画像データインデクサをさらに備え、上記患者の上記画像データは、所定の期間に取得されるとともに、上記タイマによってタイムスタンプが付されており、上記画像データインデクサは、上記画像データのインデクスされた時間、上記患者に対する生理学的な事前知識、および、上記患者の解剖学的構造のうちの少なくとも1つに基づいて、上記画像データの選択された領域が、第1解剖学的フェーズに関するものであるか第2解剖学的フェーズに関するものであるかを決定する命令を実行可能であってもよい。
本発明の態様27に係るシステムは、上記態様26において、上記第1解剖学的フェーズにおける第1解剖学的構造の第1モデル、および、上記第2解剖学的フェーズにおける第2解剖学的構造の第2モデルを再構築する命令を実行可能である3次元モデル再構築システムをさらに備え、上記第1モデルおよび上記第2モデルは、反復処理、代数処理によって生成されてもよい。
本発明の態様28に係るシステムは、上記態様27において、上記撮像システムは、ソースの反対側に配置された検出器を含み、上記環状ガントリは、上記検出器および上記単一のX線ソース管が上記患者に対して相対的に移動可能となるように、上記検出器および上記ソースに取り付けられており、上記検出器は、上記造影剤を注入するタイミングに関する上記コントローラからの信号に基づいて、上記患者に対して相対的に移動可能であってもよい。
本発明の態様29に係るシステムは、上記態様28において、上記ソースは、上記単一のX線ソース管と上記第1エネルギーソースおよび上記第2エネルギーソースの両方とを相互に接続する単一のスイッチとをさらに含み、上記スイッチは、上記第1エネルギーソースおよび上記第2エネルギーソースのいずれか一方を用いて、上記単一のX線ソース管に電力を選択的に供給することによって、上記単一のX線ソースの電力を変化させるように動作可能であり、上記スイッチは、選択された撮像装置の位置において、上記第1エネルギーソースおよび上記第2エネルギーソースの両方を用いて、略同時に画像データを取得可能とするために、上記第1エネルギーソースと上記第2エネルギーソースとを切り替えるように動作可能であってもよい。
本発明の態様30に係るシステムは、上記態様28において、上記撮像システムは、上記環状ガントリと取り付けられた上記検出器とソースとを、第1手術室から第2手術室まで移動させることを可能とする1組のホイールを備えたカートをさらに含んでもよい。
本発明の態様31に係るシステムは、上記態様28において、上記撮像システムは、上記患者の上記画像データを略自動的に取得するために、上記環状ガントリと上記検出器とソースとのうちの少なくとも1つを移動させる命令を実行可能なコントローラをさらに含んでもよい。
本発明の態様32に係る方法は、造影剤による造影イメージングを用いた撮像システムを利用して患者の画像データを取得する方法であって、上記患者に対する相対的な第1選択位置においてX線を放射するために、第1電源を用いて、単一のX線ソース管に第1電力を供給するステップと、上記患者に対する相対的な上記第1選択位置においてX線を放射するために、第2電源を用いて、上記単一のX線ソース管に上記第1電力とは異なる第2電力を供給するステップと、上記患者に対して相対的に配置された環状ガントリ内で上記単一のX線ソース管を移動させるステップを含む、上記第1電力および上記第2電力の両方において上記第1選択位置にて上記患者の選択された部位の画像データを取得するステップと、上記患者の上記画像データにおける血管系と周辺組織との違いを含む、上記患者内の物質の違いによる2つのX線強度レベルの減衰の違いに基づく上記画像データの違いであって、少なくとも決定された上記画像データの違いに基づいて、上記第1選択位置における第1領域および上記第1選択位置における第2領域を描画することを含む、上記患者の上記第1選択位置のモデルの再構築を行うためにプロセッサを用いて命令を実行するステップと、を含み、上記画像データを取得するステップでは、上記造影剤が上記患者の解剖学的構造のX線散乱パターンとは異なる上記X線散乱パターンを有している。
本発明の態様33に係る方法は、上記態様32において、上記第1電力は、約40kVから約180kVである第1電圧および約10mAから約500mAである第1アンペア数に設定されていてもよい。
本発明の態様34に係る方法は、上記態様33において、上記第2電力は、上記第1電圧と異なり、約40kVから約60kVである第2電圧および、上記第1アンペア数と異なり、約20mAから約150mAである第2アンペア数に設定されていてもよい。
本発明の態様35に係る方法は、上記態様33において、選択された手術室にて上記患者に対する相対的な上記第1選択位置に上記単一のX線ソース管を移動させるステップをさらに含んでもよい。
本発明の態様36に係る方法は、上記態様35において、上記第1電力を用いて取得された上記画像データと上記第2電力を用いて取得された上記画像データとの違いを決定するためにプロセッサを用いて命令を実行するステップをさらに含み、上記モデルの再構築は、決定された上記画像データの違い、撮像された上記患者の解剖学的構造、上記患者の上記第1選択位置、解剖学的関心領域、上記患者の身体的タイミングおよびリズムにさらに基づいてもよい。
本発明の態様37に係る方法は、上記態様36において、上記患者の上記第1選択位置のモデルの再構築を行うために上記プロセッサを用いて命令を実行するステップは、上記患者の上記第1選択位置の複数のフェーズのモデルの再構築を行うステップを含んでもよい。
本発明の態様38に係る方法は、上記態様37において、上記患者の上記第1選択位置の複数のフェーズのモデルの再構築を行うステップは、生理作用および解剖学的位置の第1フェーズ、並びに、生理作用および解剖学的位置の第2フェーズを描画するために上記複数のフェーズを構築するステップを含み、上記第1フェーズは上記患者の動脈の一部を含み、上記第2フェーズは上記患者の静脈の一部を含んでもよい。
本発明の態様39に係る方法は、造影剤による造影イメージングを用いた撮像システムを利用して患者の画像データを取得する方法であって、単一のX線ソース管および対応する検出器を含む筐体を選択された手術室および上記患者に対応する相対的な位置に移動するステップと、上記単一のX線ソース管および対応する検出器を上記患者に対する相対的な第1選択位置に移動するステップと、を含み、上記単一のX線ソース管および対応する検出器を上記患者に対する相対的な上記第1選択位置に移動するステップの後に、上記患者を通過する第1の円錐状にX線を照射するための第1電力によって上記単一のX線ソース管に電力を供給するステップと、上記患者を通過する第2の円錐状にX線を照射するための、上記第1電力と異なる第2電力によって上記単一のX線ソース管に電力を供給するステップと、第1期間中に上記第1電力および上記第2電力の両方によって第1画像データを取得するステップと、をさらに含み、上記第1期間の後に、上記患者を通過する第3の円錐状にX線を照射するための第1電力によって上記単一のX線ソース管に電力を供給するステップと、上記患者を通過する第4の円錐状にX線を照射するための、上記第1電力と異なる第2電力によって上記単一のX線ソース管に電力を供給するステップと、第2期間中に上記第1電力および上記第2電力の両方によって第2画像データを取得するステップと、をさらに含み、上記第1画像データの使用に基づいて上記患者の第1モデルを生成するステップと、上記第2画像データの使用に基づいて上記患者の第2モデルを生成するステップと、上記生成された第1モデルおよび上記生成された第2モデルを用いて、ナビゲーション空間で器具を追跡して、上記生成された第1モデルおよび上記生成された第2モデルを自動的に記録するように、上記第1画像データおよび上記第2画像データの取得中に、少なくとも上記筐体を追跡するステップと、をさらに含み、上記造影剤は、上記患者の解剖学的構造のX線散乱パターンまたは吸収パターンとは異なる、上記X線散乱パターンまたは上記吸収パターンのうち少なくとも1つを有する。
本発明の態様40に係る方法は、上記態様39において、上記第1電力は、約40kVから約180kVである第1電圧および約10mAから約500mAである第1アンペア数に設定されていてもよい。
本発明の態様41に係る方法は、上記態様40において、上記第2電力は、上記第1電圧と異なり、約40kVから約60kVである第2電圧および、上記第1アンペア数と異なり、約20mAから約150mAである第2アンペア数に設定されていてもよい。
本発明の態様42に係る方法は、上記態様41において、上記第1モデルおよび上記第2モデルは、上記第1電力および上記第2電力によって上記造影剤および上記患者の解剖学的構造におけるX線の減衰の違いに基づいてコントラストを強調させたモデルであってもよい。
本発明の態様43に係る方法は、上記態様42において、上記第1モデルは、上記患者の動脈の一部のモデルであり、上記第2モデルは、上記患者の静脈の一部のモデルであってもよい。
本発明の態様44に係る方法は、上記態様43において、上記第1期間の後、上記第2期間の前に、上記患者に対する相対的な第1選択位置から第2選択位置へと上記単一のX線ソース管および上記対応する検出器を移動させるステップをさらに含み、上記第1画像データは、第1位置にて収集され、上記第2画像データは、上記第1位置と異なる第2位置にて収集されてもよい。
本発明の態様45に係る方法は、上記態様44において、上記第1位置および上記第2位置は、上記患者の生理作用の1つ以上のフェーズを描画するための上記第1モデルの生成および上記第2モデルの生成に使用されてもよい。
本発明の態様46に係る方法は、上記態様37において、上記患者の上記第1選択位置のモデルの再構築を行うために上記プロセッサを用いて命令を実行するステップは、反復処理または代数処理に基づいて上記モデルを再構築するステップを含んでもよい。
本発明の態様47に係る方法は、上記態様43において、上記第1モデルおよび上記第2モデルを表示装置に表示するステップと、表示された第1モデルまたは表示された第2モデルの少なくとも一方に関する器具の追跡位置を描画するステップと、をさらに含んでもよい。