JP4909056B2 - X線ct装置およびその制御方法並びにプログラム - Google Patents

X線ct装置およびその制御方法並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、X線CT(computed tomography)装置およびその制御方法並びにそのためのプログラム(program)に関し、さらに詳しくは、被検体の同一断面について、X線管の管電圧や管電流を切り換えることにより、管電圧や管電流がそれぞれ異なる第1のスキャン(scan)と第2のスキャンを順次行う、X線CT装置およびその制御方法並びにそのためのプログラムに関するものである。
従来、X線CT装置のスキャン方法として、例えば、被検体を構成する組織の種類に応じてコントラスト(contrast)の現れ方が異なる、被検体の同一断面を表す2種類の断層像を取得し、これら2種類の画像間で減算処理を行い、特定の組織が強調されたり除去されたりした差分画像を得ることを目的として、X線管の管電圧がそれぞれ異なる、すなわち、X線のエネルギー(energy)分布がそれぞれ異なる2種類のX線を同一の被検体に照射してスキャンする方法が知られている。
上記2種類の画像を取得するスキャン方法としては、例えば、特許文献1等に記載されているような、X線CT装置に、X線管とX線検出器を1組のデータ収集系として複数組のデータ収集系を設置し、各X線管に互いに異なる管電圧を設定して、被検体の同一断面について同時にスキャンする方法が考えられる(第1のスキャン方法)。また、例えば、特許文献2等に記載されているような、被検体の同一断面について、X線管の管電圧を切り換えることにより、管電圧がそれぞれ異なる第1のスキャンと第2のスキャンを順次行う方法が考えられる(第2のスキャン方法)。
上記2種類の画像を比較する場合には、同一の被検体の略同位置について互いに異なる2種類の管電圧でスキャンして得られた2つの断層像において、被検体における造影剤の流量変化や心拍・呼吸などによる体動が少ない方が望ましい。
上記第1のスキャン方法によれば、被検体を2種類のX線で同時にスキャンするので、取得された2種類の画像において、被検体における造影剤の流量変化や心拍・呼吸などによる体動が全くない。したがって、上記の観点からすれば、上記第1のスキャン方法は理想的なスキャン方法と言える。他方、X線管とX線検出器からなるデータ収集系を1組しか持たない既存のX線CT装置には適用できない、あるいは、比較的高価であるX線管とX線検出器からなるデータ収集系を2組以上設置することで大幅なコストアップ(cost up)につながるといった不都合な点もある。
これに対し、上記第2のスキャン方法によれば、X線管とX線検出器からなるデータ収集系を1組しか持たない既存のX線CT装置であっても適用することができ、ハード(hard)面での改造をほとんど必要としない、コストアップにつながらないと言った利点がある。最近では、1回のスキャンに要する時間が最速で約0.35秒とスキャン時間の高速化が進んでおり、上記のような、被検体における造影剤の流量変化や体動を少なくしたいという要望についても、スキャンを2回に分け非同時にスキャンすることによる影響は、ほとんど考える必要がなくなってきている。
特開2006−187453号公報 特開2006−006531号公報
ところで、一般的には、X線管の管電圧や管電流を切り換える場合は、スキャン全体を制御するスキャン制御装置が、スキャンを行っていない状態で、X線管の管電圧や管電流を制御するX線管制御装置と所定の通信を行って、設定すべき管電圧や管電流等の制御パラメータ(parameter)の信号をX線管制御装置に送信し、X線管制御装置が、その制御パラメータに基づいてX線管の管電圧や管電流を設定する。
しかしながら、このような通信に要する時間は、1回のスキャンに要する時間に対して比較的長い。例えば、上記データ収集系が設置された、走査ガントリ(gantry)の回転部の回転速度を0.35(秒/回転)程度として、1回のハーフスキャン(half scan)の所要時間は0.35×(2/3)=0.23秒程度であるのに対し、通信の所要時間は少なくとも0.15〜0.20秒程度と見積もることができる。すなわち、上記第2のスキャン方法において、上記の一般的なシーケンスによって管電圧や管電流を切り換えようとすると、第1のスキャン終了から第2のスキャン開始までに、無視できない程度の通信時間が存在することになる。そのため、実際には、撮影対象である被検体は、実験用の静止している物体や非常に動きの少ない臓器等に限られるという問題がある。
また、スキャンによって得られたX線投影データを効率よく処理する観点から、走査ガントリの回転部を無駄に回転させずに、かつ、第2のスキャンを第1のスキャンのスキャン開始角度と同じ角度で開始するためには、第1のスキャン終了から第2のスキャン開始までに許される時間が、上記の例で言えば、0.35−0.23=0.12秒程度となる。このため、スキャン制御装置とX線管制御装置とが、第1のスキャンと第2のスキャンとの間で通信を行って管電圧の設定等を行うという一般的なシーケンスでは、第1のスキャン終了後、走査ガントリの回転部を無駄に回転させずに第2のスキャンを開始することができない。
さらに、将来的には、X線管の管電圧だけでなく管電流を第1のスキャンと第2のスキャンとで変える手法も実施される可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑み、被検体の同一断面について、X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも一方を切り換えることにより、管電圧および管電流のうち少なくとも一方がそれぞれ異なる第1のスキャンと第2のスキャンを順次行う際に、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔をより短くすることが可能なX線CT装置およびX線CT装置の制御方法並びにそのためのプログラムを提供することを目的とするものである。
第1の観点では、本発明は、被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管と該X線管から照射されたX線を検出するX線検出器とを含み、前記X線管と前記X線検出器とが前記空洞の周りを回転する回転部と、前記X線管の管電圧および管電流を制御するX線管制御手段と、前記回転部および前記X線管制御手段を制御して、前記空洞の撮影空間における同一断面について、前記X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも1つの制御パラメータが互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行うスキャン制御手段とを備えたX線CT装置であって、前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャン中に、前記X線管制御手段に対して、前記第2のスキャンに対応した前記少なくとも1つの制御パラメータの送信を開始するものであることを特徴とするX線CT装置を提供する。
第2の観点では、本発明は、前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャンの終了と略同時に、前記第2のスキャンに対応した管電流を得るための、前記X線管のフィラメント(filament)の予熱を開始させるものであることを特徴とする上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第3の観点では、本発明は、前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャンと前記第2のスキャンにおける前記回転部のスキャン開始角度を同一にさせるものであることを特徴とする上記第1の観点または第2の観点のX線CT装置を提供する。
第4の観点では、本発明は、前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャンと前記第2のスキャンにおけるスキャン開始時期を前記被検体の心拍の同位相に同期させるものであることを特徴とする上記第1の観点または第2の観点のX線CT装置を提供する。
第5の観点では、本発明は、被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管と該X線管から照射されたX線を検出するX線検出器とを含み、前記X線管と前記X線検出器とが前記空洞の周りを回転する回転部と、前記X線管の管電圧および管電流を制御するX線管制御手段とを制御して、前記空洞の撮影空間における同一断面について、前記X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも1つの制御パラメータが互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行わせる、X線CT装置の制御方法であって、前記第1のスキャン中に、前記X線管制御手段に対して、前記第2のスキャンに対応した前記少なくとも1つの制御パラメータの送信を開始するステップ(step)を有するものであることを特徴とするX線CT装置の制御方法を提供する。
第6の観点では、本発明は、コンピュータ(computer)を、被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管と該X線管から照射されたX線を検出するX線検出器とを含み、前記X線管と前記X線検出器とが前記空洞の周りを回転する回転部と、前記X線管の管電圧および管電流を制御するX線管制御手段とを制御して、前記空洞の撮影空間における同一断面について、前記X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも1つの制御パラメータが互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行うスキャン制御手段として機能させるためのプログラムであって、前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャン中に、前記X線管制御手段に対して、前記第2のスキャンに対応した前記少なくとも1つの制御パラメータの送信を開始するものであることを特徴とするプログラムを提供する。
ここで、「X線管」としては、例えば、陰極であるフィラメントと陽極であるターゲット(target)とを有し、フィラメントから放出された熱電子を、両電極間に印加した管電圧によって発生する電界で加速し、ターゲットに衝突させてX線を発生させるものを考えることができる。フィラメントおよびターゲットは、例えば、タングステン(tungsten)等により構成される。なお、ターゲットは回転式、非回転式のいずれであってもよい。
また、「X線検出器」としては、例えば、X線検出素子が回転部の回転方向および被検体の体軸方向あるいは搬送方向に2次元的に並んだマトリクス(matrix)構造のX線検出器、すなわちマルチスライス(multi slice)用の検出器を考えることができるが、X線検出素子が回転部の回転方向にのみ並んだ単一列X線検出器、すなわちシングルスライス(single slice)用の検出器であってもよい。
また、「スキャン」とは、X線を撮影空間に照射しながら回転部を回転させて、各ビュー(view)角度毎のX線検出器の出力信号を検出し、各ビュー角度におけるX線投影データ(data)を収集する処理を意味するものである。この「スキャン」としては、第1のスキャンと第2のスキャンの時間間隔を短縮化する観点からすれば、例えば、X線管から照射されるX線ビーム(beam)のファン(fan)角をαとして、回転部を180°+α回転させて各ビュー角度におけるX線投影データを収集するハーフスキャン(half scan)が望ましいが、画質を優先して、回転部を360°回転させて各ビュー角度におけるX線投影データを収集するフルスキャン(full scan)であってもよい。また、「スキャン」は、被検体を停止させた状態でスキャンするアキシャルスキャン(axial scan)であってもよいし、被検体を移動させながらスキャンするヘリカルスキャン(helical scan)であってもよい。
なお、ヘリカルスキャンの場合において、「被検体の同一断面について、・・・第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行う」とは、被検体の同一断面に対応する断層像を画像再構成するために必要なX線投影データを収集することを意味する。
「前記第1のスキャンの終了と略同時に・・・」の「略同時」は、例えば、0.02秒程度までのずれを許容するものである。
「前記第2のスキャンに対応した管電流を得るための、前記X線管のフィラメントの予熱を開始させる」とは、第2のスキャンで目的とする管電流が得られるように、すなわち、X線管のフィラメントからその管電流に対応した容量の熱電子が放出されるように、そのフィラメントを所定の温度に設定すべく、フィラメントに流す電流の制御を開始することを意味するものである。
「スキャン開始角度」とは、回転部を回転させて被検体をスキャンし始めるときのビュー角度を意味するものである。
「スキャン開始時期」とは、回転部を回転させて被検体をスキャンし始めるときのタイミング(timing)を意味するものである。
なお、「被検体の心拍」の位相は、例えば、心電計で測定することができる。
本発明のX線CT装置によれば、被検体の同一断面について、X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも一方を切り換えることにより、管電圧および管電流のうち少なくとも一方がそれぞれ異なる第1のスキャンと第2のスキャンを順次行う際に、スキャン制御手段が、第1のスキャン終了を待たず、第1のスキャン中に、X線管制御手段に対して、第2のスキャンに対応した、上記少なくとも一方の制御パラメータの送信を開始するので、第1のスキャンが終了した後、続く第2のスキャンに対応した管電圧および管電流をより早期に設定することができ、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔をより短くすることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態によるX線CT装置1の構成ブロック(block)図である。なお、図1では、X線CT装置1を構成する各部間の接続関係の詳細については図示を省略している。
X線CT装置1は、図1に示すように、走査ガントリ2、撮影テーブル(table)4および操作コンソール(console)6を備えている。
走査ガントリ2は、X線管20、コリメータ(collimator)22、X線検出器24、データ収集部26、X線コントローラ(controller)28、コリメータコントローラ30、回転部34、回転コントローラ36およびスキャンコントローラ38を有する。
X線管20は、陰極であるフィラメントと陽極であるターゲットとを有し、フィラメントから放出された熱電子を、両電極間に発生する電界により加速させ、ターゲットに衝突させてX線を発生させるものである。また、X線管20は、フィラメントとターゲットとの間にグリッド電極を有し、このグリッド(grid)電極に印加する電圧を切り換えることでX線の発生を制御するものである。なお、X線管20は、本発明におけるX線管の一例である。
コリメータ22は、X線管20から放射されたX線を、コーン(corn)状のX線ビームすなわちコーンビームX線となるように成形する。コーンビームX線はX線検出器24に照射される。
X線検出器24は、コーンビームX線の広がりに合わせて2次元アレイ(array)状に配列された複数の検出素子を有し、個々の検出素子は検出したX線の強度に応じた検出信号を出力する、いわゆる多列X線検出器である。X線検出器24は、例えば、シンチレータ(scintillator)とフォトダイオード(photo diode)の組合せによって構成される。なお、これに限るものではなく、例えばカドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体X線検出素子、あるいは、キセノン(Xe)ガス(gas)を利用した電離箱型のX線検出素子であってよい。なお、X線検出器24は、本発明におけるX線検出器の一例である。
図2は、X線管20、コリメータ22およびX線検出器24の相互関係を示す図である。図2(a)は走査ガントリ2の正面から見た状態を示す図、図2(b)は側面から見た状態を示す図である。同図に示すように、X線管20から放射されたX線は、コリメータ22によりコーンビームX線401となるように成形されてX線検出器24に照射される。
図2(a)では、コーンビームX線401におけるひとつの方向の広がりを示し、この方向を幅方向ともいう。コーンビームX線401の幅方向は、X線検出器24におけるチャンネルの配列方向に一致する。図2(b)ではコーンビームX線401における他の方向の広がりを示し、この方向をコーンビームX線401の厚み方向ともいう。コーンビームX線401の厚み方向は、X線検出器24における複数の検出素子列の並設方向に一致する。
データ収集部26は、X線検出器24と接続されており、X線検出器24を構成する個々の検出素子の検出信号をデジタルデータ(digital data)として収集する。検出素子の検出信号は、X線による被検体の投影を表す信号となり、以下、これをX線投影データという。
X線コントローラ28は、後述のスキャンコントローラ38から送信された制御パラメータの信号に基づいて、主に、X線管20の管電圧および管電流、X線の照射を制御するものである。X線コントローラ28は、X線管20が有する、フィラメント、ターゲットおよびグリッド電極とそれぞれ接続されている。X線コントローラ28は、目的とする管電流が得られるように、すなわち、フィラメントからその管電流に対応した容量の熱電子が放出されるように、そのフィラメントを所定の温度に設定すべく、フィラメントに流す電流を制御する。また、X線コントローラ28は、目的とする管電圧が得られるように、フィラメントおよびターゲットに印加する電圧を制御する。また、X線コントローラ28は、目的とするタイミングと時間でX線照射が行われるように、主にグリッド電極に印加するバイアス(bias)電圧を制御する。すなわち、フィラメントからの電子線を発生させるか否かを制御することにより、X線を照射するか否かを制御する。より具体的には、X線コントローラ28は、グリッド電極に供給するバイアス電圧を、不図示のスイッチによって、0Vと所定の負電圧の2段階に切り換える。この負電圧はフィラメントとターゲットの間の電子線を阻止できる値を持っており、このスイッチの切換えにより電子線を発生させるか否かを制御することができる。ここでは、以下、フィラメントからの電子線を発生させてX線を照射することを、X線照射をオン(on)するといい、フィラメントからの電子線を発生させないでX線を照射しないことを、X線照射をオフ(off)するという。なお、X線コントローラ28は、本発明におけるX線管制御手段の一例である。
コリメータコントローラ30は、スキャンコントローラ38からの制御信号に基づいて、所定の広がりを持つコーンビームX線が得られるように、コリメータ22の開口を制御する。
回転部34は、被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管20とX線管20から照射されたX線を検出するX線検出器24とを含み、X線管20とX線検出器24とが上記空洞の周りを回転するものである。なお、回転部34には、上記のX線管20からコリメータコントローラ30までのものが搭載されており、場合によっては、スキャンコントローラ38の一部も搭載される。なお、回転部34は、本発明における回転部の一例である。
回転コントローラ36は、後述のスキャンコントローラ38から送信される制御信号に基づいて、回転部34の回転を制御するものである。
スキャンコントローラ38は、走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36を制御して、上記空洞の撮影空間における同一断面について、X線管20の管電圧が互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行うものである。したがって、上記空洞に被検体を搬入して、このようなスキャンを行うことにより、被検体の各断面位置毎に、X線管20の管電圧が異なる複数のスキャンを行うことができる。なお、スキャンコントローラ38は、本発明におけるスキャン制御手段の一例である。
撮影テーブル4は、当該テーブル上に載置された被検体を、X線管20とX線検出器24の間にある上記空洞の撮影空間に搬入する。
操作コンソール6は、データ処理装置60、制御インターフェース(interface)62、データ収集バッファ(buffer)64、記憶装置66、表示装置68および操作装置70を有する。
データ処理装置60は、例えばコンピュータ(computer)等によって構成される。データ処理装置60には、制御インターフェース62が接続され、制御インターフェース62には、走査ガントリ2と撮影テーブル4が接続されている。
データ処理装置60は、制御インターフェース62を通じて、走査ガントリ2のスキャンコントローラ38と撮影テーブル4を制御するものである。データ処理装置60には、データ収集バッファ64が接続されており、データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。これにより、データ収集部26で収集されたX線投影データが、データ収集バッファ64を通じてデータ処理装置60に入力される。また、データ処理装置60には、記憶装置66が接続されている。記憶装置66には、データ収集バッファ64および制御インターフェース62を通じてそれぞれデータ処理装置60に入力されたX線投影データが記憶される。記憶装置66には、また、データ処理装置60用のプログラムが記憶される。データ処理装置60がそのプログラムを実行することにより、本X線CT装置1の動作が遂行される。
データ処理装置60は、データ収集バッファ64を通じて記憶装置66に収集した複数ビューのX線投影データを用いて画像再構成を行うものである。したがって、被検体の同一断面位置に対して行われた第1のスキャンと第2のスキャンの各々について、収集されたX線投影データを用いて画像再構成を行うことにより、被検体の同一断面における、X線管20の管電圧が異なる2種類の断層像を得ることができる。また、データ処理装置60は、このようにして得られた2種類の断層像において、互いに対応する各画素間で減算処理を行うことにより差分画像を生成する。差分画像は、断層像のうち所定の物質を表す画像部分、例えば、被検体を構成する軟組織や骨部を表す画像部分のみを強調したり削除したりして、これら2種類の断層像間の比較を可能にした画像となる。
なお、画像再構成には、例えばフェルドカンプ・アルゴリズム(Feldkamp algorithm)等のコーンビーム画像再構成アルゴリズムが用いられ、いわゆる3次元画像再構成が行われる。画像再構成アルゴリズムについては、例えば、非特許文献である、放射線技術学シリーズ「CT撮影技術学」,日本放射線技術学会
監修,辻岡勝美・花井耕造 共編,オーム社,平成17年2月25日初版発行,p20、あるいは、非特許文献である、アルゴリズムシリーズ2「画像処理アルゴリズム」,斉藤恒雄
著,近代科学社,1993年3月10日初版発行,p167〜171等に詳しく記載されている。
データ処理装置60には、表示装置68および操作装置70が接続されている。表示装置68は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作装置70はポインティングデバイス(pointing device)、キーボード(keyboard)等で構成される。
表示装置68は、データ処理装置60から出力される再構成画像すなわち被検体の断層像やその他の情報を表示する。操作装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等をデータ処理装置60に入力する。操作者は表示装置68および操作装置70を使用してインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
走査ガントリ2は、内部にX線管20およびX線検出器24を包含する構造、例えば筒状の構造になっている。X線照射空間は、走査ガントリ2の筒状構造の内側空間に形成される。コーンビームX線401は被検体8を透過してX線検出器24に入射し、X線検出器24によって、透過X線の2次元的な強度分布が検出される。
次に、X線CT装置1の動作について説明する。
操作者が、操作コンソール6の操作装置70を用いて、撮影に必要な情報、例えば、X線管の管電圧および管電流、スライス厚、スキャン方式の別(アキシャル/ヘリカル)等を入力し、撮影を指示する操作を行うと、データ処理装置60は、その操作に応答して、撮影のための制御信号を、走査ガントリ2のスキャンコントローラ38および撮影テーブル4に対して、制御インターフェース62を介して送信する。
撮影テーブル4は、データ処理装置60からの制御信号に基づいて、撮影対象である被検体が載置されたテーブルの天板を移動させることにより、被検体を走査ガントリ2の空洞の撮影空間、すなわち、X線照射空間に搬入する。なお、天板は、スキャン方式がアキシャルスキャンである場合には、移動と停止が繰り返され、スキャン方式がヘリカルスキャンである場合には、所定の速度で連続的に移動する。
一方、スキャンコントローラ38は、データ処理装置60からの制御信号に基づいて、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36の各々に対して制御信号を送り、X線管20の管電圧および管電流、X線照射タイミングと照射時間、回転部34の回転等を間接的に制御する。
このような撮影テーブル4とスキャンコントローラ38に対する制御によりスキャンが行われる。例えば、撮影テーブル4を停止させた状態で回転部34を回転させることにより、アキシャルスキャンが行われる。あるいは、回転部34の回転に並行して、撮影テーブル4の天板を被検体8の体軸方向に連続的に移動させることにより、回転部34に設置されたX線管20およびX線検出器24は、被検体に対して相対的に、被検体を包囲する螺旋状の軌道に沿って旋回することになり、いわゆるヘリカルスキャンが行われる。スキャンは、上述の通り、被検体の同一断面について、X線管の管電圧が互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとが順次行われる。なお、このように互いに異なる管電圧としては、例えば、80kVと140kV等が考えられる。
スキャン1回転当たりに複数(例えば1000程度)のビューのX線投影データが収集される。X線投影データの収集は、X線検出器24−データ収集部26−データ収集バッファ64の系列によって行われる。
ここで、スキャンにおけるシーケンス(sequence)について説明する。なお、理解を容易にするため、本実施形態のシーケンスと比較例のシーケンスとを比較して説明する。
図3は、比較例のシーケンス、図4は、本実施形態のシーケンスを表す図である。
(比較例のシーケンス)
比較例のシーケンスの場合、スキャンコントローラ38は、第1のスキャンが終了した後に、X線コントローラ28に対して、第2のスキャンに対応した管電圧および管電流を含む制御パラメータの送信を開始する。
順を追って説明すると、スキャンコントローラ38が、X線コントローラ28に対して、第1のスキャンに対応する管電圧および管電流を含む制御パラメータを送信する(S1)。X線コントローラ28は、その制御パラメータに基づいて、第1のスキャンに対応した管電圧がX線管20の電極に印加されるように、電圧発生器の制御を開始するとともに、第1のスキャン時に第1のスキャンに対応した管電流が流れるように、X線管20のフィラメントの予熱を開始する(S2)。なお、この予熱のことを、以下、プリヒート(pre heat)ともいう。
X線管20の電極に印加された電圧が、目的とする所定電圧に達して安定し、かつ、フィラメントの温度が、目的とする所定温度に達して安定すると、X線コントローラ28は、管電圧設定およびプリヒートが完了した旨の信号をスキャンコントローラ38に送り返す(S3)。
スキャンコントローラ38は、当該信号を受けて、X線照射準備の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S4)。
その後、スキャンコントローラ38は、ハードウェア信号により、X線照射開始の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S5)。X線コントローラ28は、当該指令信号を受けて、X線管20のグリッド電極に印加する電圧を切り換えることにより、フィラメントからの電子線を発生させてX線照射をオンする(S6)。これにより、第1のスキャンが開始される。
X線照射をオンしてから目的とする照射時間が経過すると、スキャンコントローラ38は、ハードウェア(hardware)信号により、X線照射終了の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S7)。X線コントローラ28は、当該指令信号を受けて、X線管20のグリッド電極に印加する電圧を切り換えることにより、フィラメントからの電子線を切ってX線照射をオフする(S8)。これにより、第1のスキャンが終了する。
そして、X線コントローラ28は、次の制御を受ける準備が整うと、準備完了の信号をスキャンコントローラ38に送信する(S9)。以上により、第1のスキャンに係る一連のシーケンス処理が終了する。
第1のスキャンに係るシーケンス処理が終了すると、続いて、スキャンコントローラ38が、X線コントローラ28に対して、第2のスキャンに対応する管電圧および管電流を含む制御パラメータを送信し、以降、第1のスキャンのときと同様な、第2のスキャンに係る一連のシーケンス処理(S10〜S18)が行われる。
(本実施形態のシーケンス)
一方、本実施形態のシーケンスの場合、スキャンコントローラ38は、第1のスキャン中に、X線コントローラ28に対して、第2のスキャンに対応した管電圧および管電流を含む制御パラメータの送信を開始する。
順を追って説明すると、スキャンコントローラ38が、X線コントローラ28に対して、第1のスキャンに対応する管電圧および管電流を含む制御パラメータを送信する(S21)。X線コントローラ28は、その制御パラメータに基づいて、第1のスキャンに対応した管電圧がX線管20の電極に印加されるように、電圧発生器の制御を開始するとともに、第1のスキャン時に第1のスキャンに対応した管電流が流れるように、X線管20のフィラメントのプリヒートを開始する(S22)。
X線管20の電極に印加された電圧が、目的とする所定電圧に達して安定し、かつ、フィラメントの温度が、目的とする所定温度に達して安定すると、X線コントローラ28は、管電圧設定およびプリヒートが完了した旨の信号をスキャンコントローラ38に送り返す(S23)。
スキャンコントローラ38は、当該信号を受けた後、X線照射準備の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S24)。
その後、スキャンコントローラ38は、ハードウェア信号により、X線照射開始の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S25)。X線コントローラ28は、当該指令信号を受けて、X線管20のグリッド電極に印加する電圧を切り換えることにより、フィラメントからの電子線を発生させてX線照射をオンする。これにより、第1のスキャンが開始される(S26)。
ここまでは、比較例のシーケンスと同じであるが、本実施形態のシーケンスでは、これより先のシーケンスに特徴がある。
スキャンコントローラ38は、この第1のスキャン中に、すなわち、第1のスキャンの終了を待たずに、X線コントローラ28に対して、第2のスキャンに対応する管電圧および管電流を含む制御パラメータの送信を開始する(S27)。
そして、制御パラメータの送信は程なく完了し、X線照射をオンしてから目的とする照射時間が経過すると、スキャンコントローラ38は、ハードウェア信号により、X線照射終了の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S28)。X線コントローラ28は、当該指令信号を受けて、X線管20のグリッド電極に印加する電圧を切り換えることにより、フィラメントからの電子線を切ってX線照射をオフする。これにより、第1のスキャンが終了する(S29)。X線コントローラ28は、その直後、すなわち、第1のスキャンの終了と略同時に、第1のスキャン中に事前に受け取った制御パラメータに基づいて、第2のスキャンに対応した管電圧がX線管20の電極に印加されるように、電圧発生器の制御を開始するとともに、第2のスキャン時に第2のスキャンに対応した管電流が流れるように、X線管20のフィラメントのプリヒートを開始する(S30)。
X線管20の電極に印加された電圧が、目的とする所定電圧に達して安定し、かつ、フィラメントの温度が、目的とする所定温度に達して安定すると、X線コントローラ28は、管電圧設定およびプリヒートが完了した旨の信号をスキャンコントローラ38に送り返す(S31)。
その後、スキャンコントローラ38は、ハードウェア信号により、X線照射開始の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S32)。X線コントローラ28は、当該指令信号を受けて、X線管20のグリッド電極に印加する電圧を切り換えることにより、フィラメントからの電子線を発生させてX線照射をオンする。これにより、第2のスキャンが開始される(S33)。
そして、X線照射をオンしてから目的とする照射時間が経過すると、スキャンコントローラ38は、ハードウェア信号により、X線照射終了の指令信号をX線コントローラ28に送信する(S34)。X線コントローラ28は、当該指令信号を受けて、X線管20のグリッド電極に印加する電圧を切り換えることにより、フィラメントからの電子線を切ってX線照射をオフする。これにより、第2のスキャンが終了する(S35)。
X線コントローラ28は、次の制御を受ける準備が整うと、準備完了の信号をスキャンコントローラ38に送信する(S36)。
上記の各スキャンにおいては、X線管20は、設定された管電圧および管電流でX線を照射し、X線検出器24は、各ビュー毎に、被検体を透過したコーンビームX線を検出する。データ収集部26は、各ビュー毎に、そのコーンビームX線によるX線投影データを収集する。データ収集部26により収集されたX線投影データは、データ収集バッファ64に入力され記憶装置66に記憶される。
データ処理装置60は、記憶装置66に記憶された、各ビューのX線投影データを含む多数のX線投影データに基づいて3次元画像再構成を行い、撮影空間の断層像を生成する。
データ処理装置60は、被検体の同一断面についての、第1のスキャンによる断層像と第2のスキャンによる断層像とを生成すると、これら2種類の断層像間で減算処理を行い、所定の組織が強調された、あるいは所定の組織が除去された差分画像を得る。
表示装置68は、これらの断層像あるいはこれらの断層像から得られた差分画像等を画面に表示する。
このように、本実施形態によれば、被検体の同一断面について、X線管20の管電圧を切り換えることにより、管電圧がそれぞれ異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行う際に、スキャンコントローラ38が、第1のスキャン終了を待たず、第1のスキャン中に、X線コントローラ28に対して、第2のスキャンに対応した管電圧および管電流を含む制御パラメータの送信を開始するので、第1のスキャンが終了した後、続く第2のスキャンに対応した管電圧および管電流をより早期に設定することができ、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔をより短くすることが可能となる。
また、本実施形態によれば、スキャンコントローラ38が、第1のスキャンの終了と略同時に、第2のスキャンに対応した管電流を得るための、X線管20のフィラメントのプリヒートを開始させるものであるから、フィラメントの温度が目的とする所定温度に安定する時期がより早くなり、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔の短縮化に有利である。
なお、本実施形態においては、説明を容易にするため、第1のスキャンと第2のスキャンとで切り換える制御パラメータについて、管電圧のみに言及して説明したが、例えば、このような制御パラメータを、管電流のみ、あるいは、管電圧と管電流の組合せとしてももちろん構わない。
また、本実施形態においては、スキャンコントローラ38は、スキャンを開始するときの回転部34の回転角度を特に制御していないが、例えば、第1のスキャンと第2のスキャンにおけるスキャン開始角度を同一にさせるよう制御するものであってもよい。このようにすれば、X線投影データのデータ配列上の位置と、その位置にあるデータ値に対応したビュー角度および投影面上の位置との対応関係が、第1のスキャンによるX線投影データと第2のスキャンによるX線投影データとで同じになる。これにより、第1のスキャンによる断層像と第2のスキャンによる断層像との間の差分画像を生成する際に、これら2種類の断層像に対応する、画像再構成前の2種類のX線投影データ(ROWデータとも言う)において、データ配列上の位置が互いに対応するデータ間で減算処理を行ってX線投影データの差分データを得、この差分データを用いて画像再構成することにより、目的の差分画像を生成することができる。すなわち、比較的処理に時間が掛かる画像再構成という処理を1回行うだけでよいため、データ処理装置60の演算処理量を大幅に低減することができ、データ処理装置60への負担軽減、処理の高速化につながる。例えば、スキャンと略同時に断層像を生成して表示する、いわゆるリアルタイム(real time)処理を行う場合に有利である。
なお、このように、第1のスキャンと第2のスキャンにおけるスキャン開始角度を同一にさせる制御を行う場合、上記の一般的なシーケンスを実行すると、第1のスキャンを終えて第2のスキャンを行おうとするとき、回転部34がある特定のスキャン開始角度に戻ってきたにも拘わらず、スキャン開始の準備が間に合わず、回転部34がさらに回転して再び特定のスキャン開始角度に戻ってくるまで、第2のスキャンを待たなければならない場合が生じる。したがって、第1のスキャン中に、X線コントローラ28に対して、第2のスキャンに対応した管電圧および管電流を含む制御パラメータの送信を開始する制御と、第1のスキャンと第2のスキャンにおけるスキャン開始角度を同一にさせる制御とを組み合せて行う場合には、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔を短縮する上で効果が大きい。
また、本実施形態においては、スキャンコントローラ38は、第1のスキャンと第2のスキャンにおいて、スキャンを開始するタイミングを何かに同期させる制御は行っていないが、例えば、スキャンコントローラ38が、第1のスキャンと第2のスキャンにおけるスキャン開始時期を、被検体の心拍の同位相に同期させるよう制御するものであってもよい。このようにすれば、第1のスキャンと第2のスキャンとで、被検体の心臓の拡縮運動による心臓の変形および被検体の体動をより少なくすることができる。
また、本実施形態においては、撮影空間の同一断面について、互いに異なる管電圧を2種類としてスキャンを2回行うようにしているが、もちろん、管電圧を3種類以上としてスキャンをその種類に応じた回数行うようにしてもよい。
なお、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔の短縮化という観点から、第1のスキャンに対応する管電流I1と第2のスキャンに対応する管電流I2との関係は、I2≧I1であることが望ましい。X線管のフィラメントは冷めにくく、フィラメントの温度は上昇させる場合よりも下降させる場合の方が、より長い時間が掛かる傾向にある。そのため、第1のスキャンから第2のスキャンへの移行時は、フィラメントの温度を上昇させる方が、第1のスキャンと第2のスキャンとの間の時間間隔の短縮化に有利である。
また、同様の観点から、第1のスキャンに対する管電圧V1と第2のスキャンに対応する管電圧V2との関係は、V2≧V1であることが望ましい。X線管の電極に電圧を印加する電圧発生器は、キャパシタ(capacitor)に電荷をチャージ(charge)して出力電圧を上昇させるタイプ(type)の回路が多いため、その電荷が抜けにくく、出力電圧を上昇させる場合よりも下降させる場合の方が、より長い時間が掛かる傾向にある。そのため、第1のスキャンから第2のスキャンへの移行時は、管電圧を上昇させる方がスキャン間の時間間隔の短縮化に有利である。
第1のスキャンと第2のスキャンにおける、管電圧についての望ましい大小関係と、管電流についての望ましい大小関係との両立が難しい場合には、フィラメントの温度の下降に要する時間と電圧発生器の出力電圧の下降に要する時間とを比較して、より時間の掛からない条件を優先するようにする。例えば、V1=80kV,I1=600mA、V2=140kV,I2=400mA、すなわち、V2>V1,I2<I1として、管電圧についての望ましい大小関係を優先して行う場合が考えられる。
上記の実施形態は、本発明を実施するための最良の形態の一例であり、本発明はこれらの実施形態に限定されない。すなわち、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、あらゆる変更・追加が可能である。
また、コンピュータを本発明のX線CT装置あるいはその各手段として機能させるためのプログラムも本発明の実施形態の一例である。なお、このプログラムは、インターネット(internet)等のネットワーク(network)を介して、ダウンロード(down load)、配信等によって供給してもよいし、このプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録して供給するようにしてもよい。
本発明を実施するための最良の形態の一例であるX線CT装置のブロック図 X線管、コリメータおよびX線検出器の相対的な関係を示す図 スキャンにおける比較例のシーケンスを表す図 スキャンにおける本実施形態のシーケンスを表す図
符号の説明
1 X線CT装置
2 走査ガントリ
4 撮影テーブル
6 操作コンソール
20 X線管
22 コリメータ
24 X線検出器
26 データ収集部
28 X線コントローラ(X線管制御手段)
30 コリメータコントローラ
34 回転部
36 回転コントローラ
38 スキャンコントローラ(スキャン制御手段)
60 データ処理装置
62 制御インターフェース
64 データ収集バッファ
66 記憶装置
68 表示装置
70 操作装置

Claims (6)

  1. 被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管と該X線管から照射されたX線を検出するX線検出器とを含み、前記X線管と前記X線検出器とが前記空洞の周りを回転する回転部と、
    前記X線管の管電圧および管電流を制御するX線管制御手段と、
    前記回転部および前記X線管制御手段を制御して、前記空洞の撮影空間における同一断面について、前記X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも1つの制御パラメータが互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行うスキャン制御手段とを備えたX線CT装置であって、
    前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャン中に、前記X線管制御手段に対して、前記第2のスキャンに対応した前記少なくとも1つの制御パラメータの送信を開始するものであることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャンの終了と略同時に、前記第2のスキャンに対応した前記第1のスキャンと異なる管電流を得るための、前記X線管のフィラメントの予熱を開始させるものであることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャンと前記第2のスキャンにおける前記回転部のスキャン開始角度を同一にさせるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャンと前記第2のスキャンにおけるスキャン開始時期を前記被検体の心拍の同位相に同期させるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管と該X線管から照射されたX線を検出するX線検出器とを含み、前記X線管と前記X線検出器とが前記空洞の周りを回転する回転部と、前記X線管の管電圧および管電流を制御するX線管制御手段とを制御して、前記空洞の撮影空間における同一断面について、前記X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも1つの制御パラメータが互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行わせる、X線CT装置の制御方法であって、
    前記第1のスキャン中に、前記X線管制御手段に対して、前記第2のスキャンに対応した前記少なくとも1つの制御パラメータの送信を開始するステップを有するものであることを特徴とするX線CT装置の制御方法。
  6. コンピュータを、
    被検体が搬入される空洞を挟んで設けられた、X線管と該X線管から照射されたX線を検出するX線検出器とを含み、前記X線管と前記X線検出器とが前記空洞の周りを回転する回転部と、前記X線管の管電圧および管電流を制御するX線管制御手段とを制御して、前記空洞の撮影空間における同一断面について、前記X線管の管電圧および管電流のうち少なくとも1つの制御パラメータが互いに異なる第1のスキャンと第2のスキャンとを順次行うスキャン制御手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記スキャン制御手段が、前記第1のスキャン中に、前記X線管制御手段に対して、前記第2のスキャンに対応した前記少なくとも1つの制御パラメータの送信を開始するものであることを特徴とするプログラム。
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