JP2011167465A - X線ct装置 - Google Patents

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文雄 石山
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Abstract

【課題】X線CT装置において、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離させると共に、十分な診断画質を得ながら被検体のX線被曝を低減すること。
【解決手段】X線CT装置のX線発生器21は、陰極43a,43bと、陽極42と陰極43a,43bとの間にそれぞれ備えられるグリッド44a,グリッド44bと、陰極44aに印加された第1の管電圧に基づく電子と、陰極44bに印加された第2の管電圧に基づく電子とを択一的に陽極42に衝突させるために、グリッド44a,44bの電圧をそれぞれ制御するGCC33a,33bと、陰極43aの管電流及び陰極43bの管電流をそれぞれ制御するFHC34a,34bと、を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、医用X線CT(computed tomography)装置に関するもので、特に、エネルギー分布の異なるX線を切り替えながら行なうデュアルエナジースキャンに使用されるX線CT装置に関する。
診断用のX線CT装置では、スキャン中に低い管電圧(例えば、80[kV])と高い管電圧(例えば、140[kV])を高速に切り替えるデュアルエナジースキャンを実行し、異なったエネルギー分布をもつX線ビームによるデュアルエナジー画像を取得することができる。X線CT装置を用いて、デュアルエナジースキャンによって得られたデュアルエナジー画像を解析することによって、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を分離しようという試みがある。X線の高電圧電源の出力電圧を切り替える方法としては、管電圧を設定する手段を2つ設け、データ収集装置(DAS:data acquisition system)とタイミングを合わせて低い管電圧と高い管電圧の設定信号を切り替えることで、高電圧電源の出力電圧を変化させる。
図6は、従来のX線CT装置におけるX線発生器の構成を示すブロック図である。
図6は、従来のX線CT装置のX線発生器101、コントローラ102、及びDAS103を示す。X線発生器101は、X線管111、管電圧設定器ユニット112(低い管電圧に対応する管電圧設定器112a、及び高い管電圧に対応する管電圧設定器112b)、スイッチ113、及び高電圧電源114を備える。X線管111は、内部が高真空に保持されたインサートバルブ121を有する。X線管111は、インサートバルブ121内に、陽極122と、陰極123とを封入する。X線管111は、二極真空管(又は、図示しないグリッドを備えた三極真空管)を形成する。
管電圧設定器112aは、低い管電圧を設定する一方、管電圧設定器112bは、高い管電圧を設定する。管電圧設定器112a,112bの出力は、管電圧設定器112a又は112bを選択可能なスイッチ113を介して高電圧電源114に接続される。高電圧電源114のプラス側出力は、X線管111の陽極122に電気的に接続されると共に、接地される。また、高電圧電源114のマイナス側出力は、X線管111の陰極123に電気的に接続される。
コントローラ102は、スイッチ113の切換えを制御してデュアルエナジースキャンを実行させ、管電圧設定器112aによる低い管電圧を高電圧電源114から出力させるか、管電圧設定器112bによる高い管電圧を高電圧電源114から出力させるかを選択する。コントローラ102からの制御信号により、スイッチ113は、選択された管電圧設定信号を高電圧電源114に与える。
コントローラ102からの制御信号はDAS103にも送られる。DAS103は、デュアルエナジースキャンによって収集したデータが、低い管電圧のX線照射によるものか、また、高い管電圧のX線照射によるものかを認識する。よって、従来のX線CT装置では、異なったエネルギーにより被検体を透過したX線を検出したデータから、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像をある程度分離することができる。
また、低い管電圧及び高い管電圧によって得られる各X線画像の濃度を一定にするために、高い管電圧のX線照射時には低い管電圧のX線照射時と比べて管電流を小さくし設定して、各X線照射において照射されるX線の線量を等しくする技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−115272号公報 特開2007−165081号公報
しかしながら、従来技術によるデュアルエナジースキャンでは、管電圧に従って高電圧電源の出力電圧を変化させるため、低い管電圧と高い管電圧との切り替えに時間がかかり、かつ、その変化も連続的なものとなるため、1ビュー毎の管電圧の切り替えではその波形が三角波のようになってしまう。よって、X線ビームのエネルギー分布もそれに応じて連続的に変化するため、デュアルエナジー画像からの目的とする組織の分離が不完全なものになる。
また、従来技術では、X線管の陰極が1つであり、かつ、その1つの陰極の管電流によって加熱を制御しているため、管電流の高速な切り替えはできず、管電圧を切り替えると、X線管のエミッション特性に応じて管電流が決まってしまう。よって、高い管電圧の場合に、低い管電圧のときよりも大きな管電流が流れることになる。しかしながら、管電圧を変化させても照射するX線の量は一定に保つことが、十分な診断画質を得ながら被検体のX線被曝を低減する上では重要である。
ここで、X線管から照射されるX線の量は、管電流に比例し、管電圧の二乗に比例することが知られているので、従来技術の場合、低い管電圧、例えば80[kV]のときに必要とされる管電流を設定した場合、高い管電圧、例えば140[kV]のとき、必要な量の3倍以上のX線を照射していることになる。よって、十分な診断画質を得ながら被検体のX線被曝を低減することはできない。高い管電圧では低い管電圧に対して約1/3の管電流とすることができれば、照射するX線の量を両者間で一定に保つことが可能となる。
本発明は、上述のような事情を考慮してなされたもので、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離することができるX線CT装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述のような事情を考慮してなされたもので、十分な診断画質を得ながら被検体のX線被曝を低減することが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
本発明に係るX線CT装置は、上述した課題を解決するために、陽極、陰極及びグリッドを備えるX線管を有するX線CT装置において、前記陰極としての第1陰極及び第2陰極と、前記陽極と前記第1陰極及び前記第2陰極との間にそれぞれ備えられる、前記グリッドとしての第1グリッド及び第2グリッドと、前記第1陰極に印加された第1の管電圧に基づく電子と、前記第2陰極に印加された第2の管電圧に基づく電子とを択一的に前記陽極に衝突させるために、前記第1グリッド及び前記第2グリッドの電圧をそれぞれ制御する第1電圧制御手段及び第2電圧制御手段と、前記第1陰極の管電流及び前記第2陰極の管電流をそれぞれ制御する第1管電流制御手段及び第2管電流制御手段と、を有する。
本発明に係るX線CT装置によると、被検体の構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離することができる。
また、本発明に係るX線CT装置によると、管電圧を変化させても照射するX線の量を一定に保つことができるので、十分な診断画質を得ながら被検体のX線被曝を低減することが可能である。
本実施形態のX線CT装置を示すハードウェア構成図。 本実施形態のX線CT装置におけるX線発生器の第1の構成例を示すブロック図。 本実施形態のX線CT装置におけるX線発生器の第2の構成例を示すブロック図。 本実施形態のX線CT装置におけるX線発生器の第3の構成例を示すブロック図。 本実施形態におけるX線CT装置のX線発生器の構造例を示す図。 従来のX線CT装置におけるX線発生器の構成を示すブロック図。
本発明に係るX線CT装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態のX線CT装置には、X線管とX線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本発明を適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転タイプとして説明する。
また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。
加えて、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本実施形態のX線CT装置では、従来からの一管球型のX線CT装置であっても、多管球型のX線CT装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型のX線CT装置として説明する。
図1は、本実施形態のX線CT装置を示すハードウェア構成図である。
図1は、本実施形態のX線CT装置1を示す。X線CT装置1は、大きくは、スキャナ装置11及び画像処理装置12から構成される。X線CT装置1のスキャナ装置11は、通常は検査室に設置され、被検体(人体)Oの撮影部位に関するX線の透過データを生成するために構成される。一方、画像処理装置12は、通常は検査室に隣接する制御室に設置され、透過データを基に投影データを生成して再構成画像の生成・表示を行なうために構成される。
X線CT装置1のスキャナ装置11は、X線発生器21、X線検出器22、絞り23、DAS(data acquisition system)24、回転部25、コントローラ26、絞り駆動装置27、回転駆動装置28、天板29、及び天板駆動装置(寝台装置)30を設ける。
X線発生器21は、大きくは、X線管31、高電圧電源ユニット32、GCC(grid control circuit)ユニット33(図2に図示)、及びFHC(filament heating circuit)ユニット34(図2に図示)によって構成される。X線管31は、高電圧電源ユニット32から供給された管電圧に応じてX線をX線検出器22に向かって照射する。X線管31から照射されるX線によって、ファンビームX線やコーンビームX線が形成される。高電圧電源ユニット32は、コントローラ26による制御によって、X線の照射に必要な電力をX線管31に供給する。なお、X線発生器21についての具体的な構成については後述する。
X線検出器22は、チャンネル方向に複数行、スライス方向(列方向)に1列のX線検出素子を有する1次元アレイ型のX線検出器である。又は、X線検出器22は、マトリクス状、すなわち、チャンネル方向に複数行、スライス方向に複数列のX線検出素子を有する2次元アレイ型のX線検出器22(マルチスライス型検出器ともいう。)である。X線検出器22は、X線発生器21のX線管31から照射され、被検体をOを透過したX線を検出する。
絞り23は、絞り駆動装置27によって、X線管31から照射されるX線のスライス方向の照射範囲を調整する。すなわち、絞り駆動装置27によって絞り23の開口を調整することによって、スライス方向のX線照射範囲を変更できる。
DAS24は、X線検出器22の各X線検出素子が検出する透過データの信号を増幅してデジタル信号に変換する。DAS24の出力データは、画像処理装置12に供給される。
回転部25は、スキャナ装置11の架台(図示しない)に収容され、X線発生器21のX線管31、X線検出器22、絞り23及びDAS24を一体として保持する。回転部25は、X線管31とX線検出器22とを対向させた状態で、X線管31、X線検出器22、絞り23及びDAS24を一体として被検体Oの周りに回転できるように構成されている。
コントローラ26は、CPU(central processing unit)、及びメモリによって構成される。コントローラ26は、画像処理装置12から入力された制御信号に基づいて、X線発生器21、DAS24、絞り駆動装置27、回転駆動装置28、及び天板駆動装置30等の制御を行なって、エネルギー分布の異なるX線を切り替えながら行なうデュアルエナジースキャン等のスキャンを実行させる。
絞り駆動装置27は、コントローラ26による制御によって、絞り23におけるX線のスライス方向の照射範囲を調整する。
回転駆動装置28は、コントローラ26による制御によって、回転部25がその位置関係を維持した状態で空洞部の周りを回転するように回転部25を回転させる。
天板29は、被検体Oを載置可能である。
天板駆動装置30は、コントローラ26による制御によって、天板29をz軸方向に沿って移動させる。回転部25の中央部分は開口を有し、その開口部の天板29に載置された被検体Oが挿入される。なお、回転部25の回転中心軸と平行な方向をz軸方向、そのz軸方向に直交する平面をx軸方向、y軸方向で定義する。
X線CT装置1の画像処理装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークNと相互通信可能である。画像処理装置12は、図示しないが、CPU、メモリ、HDD(hard disc drive)、入力装置、及び表示装置等の基本的なハードウェアから構成される。
画像処理装置12は、スキャナ装置11のDAS24から入力された生データに対して対数変換処理や、感度補正等の補正処理(前処理)を行なって投影データを生成する。また、画像処理装置12は、前処理された投影データに対して散乱線の除去処理を行なう。画像処理装置12は、X線照射範囲内の投影データの値に基づいて散乱線の除去を行なうものであり、散乱線補正を行なう対象の投影データ又はその隣接投影データの値の大きさから推定された散乱線を、対象となる投影データから減じて散乱線補正を行なう。画像処理装置12は、補正された投影データを基に再構成画像を生成する。
図2は、本実施形態のX線CT装置1におけるX線発生器21の第1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、X線発生器21のX線管31は、内部が高真空に保持されたX線管外囲器(インサートバルブ)41を有する。インサートバルブ41の素材としては、金属、ガラス、及びセラミック等が挙げられる。X線管31は、インサートバルブ41内に、陽極(アノード)42、陰極(カソード)ユニット43、及びグリッドユニット44を封入する。陰極ユニット43は、2つの陰極43a,43bを備え、グリッドユニット44は、陰極43aに対応するグリッド44aと、陰極43bに対応するグリッド44bとを備える。すなわち、X線管31は、三極真空管を形成する。
陰極ユニット43の陰極43aに真空中で電流を流すと、陰極43aは加熱され、熱電子を放出させる。このとき、陰極43aを基準にして陽極42側に正電圧を与えると、陰極43aから放出された熱電子は正電荷に引かれ陽極42に向かって飛ぶ。その結果、陰極43aから陽極42に向けて電子の流れが生じる。すなわち、陽極42から陰極43aに向かって電流が流れることになる。陰極ユニット43の陰極43bについても陰極43aと同様に作用する。
グリッドユニット44のグリッド44a,44bは、二極管間に配置される粗い網状の電極である。陰極43aに対するその電位を変化させることによって、グリッド44aは、陰極43aと陽極42と間の加速電界を増強又は抑制させる役割を有している。陰極43aと陽極42との間のグリッド44aに、陰極43aに対して負のカットオフ電圧を印加すると、陰極43aから放出される熱電子を遮断することができる。また、グリッド44aの電圧を、陰極43aに対して0[V]にすると陰極43aから熱電子が放出され、放出された熱電子が陽極42に衝突することで、X線が発生する。グリッドユニット44のグリッド44bについてもグリッド44aと同様に作用する。
GCCユニット33は、グリッド44aに対応するGCC33aと、グリッド44bに対応するGCC33bとを備える。GCC33aの出力は、グリッド44aに電気的に接続され、GCC33bの出力は、グリッド44bに電気的に接続される。コントローラ26は、陰極43aに印加された低い管電圧(80[kV])に基づく熱電子と、陰極43bに印加された高い管電圧(140[kV])に基づく熱電子とを択一的に陽極42に衝突させるために、GCC33a,33bを介してグリッド44a及びグリッド44bの電圧をそれぞれ制御する。GCC33aは、グリッド44aの電圧をカットオフ電圧又は0[V]に切り替え、GCC33bは、グリッド44bの電圧を0又はカットオフ電圧[V]に切り替える。
FHCユニット34は、陰極43aに対応するFHC34aと、陰極43bに対応するFHC34bとを備える。FHC34aは、図示しない加熱トランスを備えており、その加熱トランスの2次側が陰極43aの両端と電気的に接続され、FHC34bは、図示しない加熱トランスを備えており、その加熱トランスの2次側が陰極43bの両端と電気的に接続される。コントローラ26は、FHC34a,34bを介して、所要の管電流を陰極43a,43bにそれぞれ供給して陰極43a,43bをそれぞれ加熱させる。
高電圧電源ユニット32は、2つの高電圧電源32a,32bを備える。デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧をVLとし、高い管電圧をVHとすると、高電圧電源32aは、電圧VLを出力可能であり、高電圧電源32bは、電圧VH−VLを出力可能である。例えば、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧を80[kV]とし、高い管電圧を140[kV]とすると、高電圧電源32aによって−80[kV]が出力され、高電圧電源32a,32bによって−140[kV]が出力される。
高電圧電源32aのマイナス側出力と、高電圧電源32bのプラス側出力とは電気的に接続され、この接続点が出力端子となり、X線管31の陰極43aに接続される。高電圧電源32aのプラス側出力は、X線管31の陽極42に電気的に接続されると共に、接地される。高電圧電源32bのマイナス側出力は、X線管31の陰極43bに電気的に接続される。図2に示すX線発生器21では、X線管31の陰極43aには高電圧電源32aから−80[kV]が、陰極43bには高電圧電源32a,32bから−140[kV]がそれぞれ出力される。
ここで、図2に示すX線発生器21によると、スキャナ装置11によるデュアルエナジースキャンにおいて、1ビュー毎に、コントローラ26による制御の下、2つのGCC33a,33bを介して2つのグリッド44a,44bの電圧を交互に切り替えることができる。その場合、1ビュー毎に、低い管電圧による低いエネルギー分布を有するX線と、高い管電圧による高いエネルギー分布を有するX線を交互に陽極42から発生させることができる。
また、図2に示すX線発生器21によると、コントローラ26による制御の下、2つのFHC34a,34bを介して2つの陰極43a,43bの各管電流をそれぞれ独立に制御することで、陰極43aの管電流と、陰極43bの管電流とを別々に設定することができる。そこで、図2に示すように、陰極43aの管電圧(80[kV])が、陰極43bの管電圧(140[kV])より低い場合、コントローラ26による制御の下、FHC34aは、陰極43bの管電流より大きくなるように陰極43aの管電流を設定する。
図2に示すX線発生器21に対するコントローラ26の制御信号(切替信号)は、DAS24にも送られる。よって、DAS24は、デュアルエナジースキャンによって収集したデータが、低い管電圧によってX線管31から照射されたX線に基づくものか、また、高い管電圧によってX線管31から照射されたX線に基づくものかを判断可能である。したがって、画像処理装置12では、異なったエネルギーにより被検体Oを透過したX線を検出したデータから、被検体Oの構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像をある程度分離することができる。
なお、図2に示すX線発生器21では、陰極43a,43bが熱陰極構造である場合を例にとって説明したが、その場合に限定されるものではなく、陰極43a,43bが冷陰極構造であってもよい。その場合、GCC33a,33bは、グリッド44a,44bの電圧をそれぞれ制御することによって、陰極43a,43bの管電流をそれぞれ制御することが可能である。また、X線CT装置1では、図3に示すように、2つの高電圧電源32a,32bを直列に接続して、低い管電圧と高い管電圧を得る方法を示した。しかし、本発明に係るX線CT装置は、その場合に限定されるものではない。
図3は、本実施形態のX線CT装置1におけるX線発生器21の第2の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、高電圧電源ユニット32は、1つの高電圧電源32cを設ける。図3では、高電圧電源32cから、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧と、高い管電圧とをそれぞれ取り出せる。デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧をVLとし、高い管電圧をVHとすると、高電圧電源32cは、電圧VL,VH−VLをそれぞれ出力可能である。例えば、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧を80[kV]とし、高い管電圧を140[kV]とすると、高電圧電源32cによって−80[kV]及び−140[kV]がそれぞれ出力される。
高電圧電源32cの−80[kV]側のマイナス側出力と、高電圧電源32cの−60[kV]側のプラス側出力とは電気的に接続され、この接続点が出力端子となり、X線管31の陰極43aに接続される。高電圧電源32cの−80[kV]側のプラス側出力は、X線管31の陽極42に電気的に接続されると共に、接地される。高電圧電源32cの−60[kV]側のマイナス側出力は、X線管31の陰極43bに電気的に接続される。図3に示すX線発生器21では、図2に示すX線発生器21と同様に、X線管31の陰極43aには高電圧電源32cから管電圧80[kV]が、陰極43bには高電圧電源32cから管電圧140[kV]がそれぞれ印加される。
図4は、本実施形態のX線CT装置1におけるX線発生器21の第3の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、高電圧電源ユニット32は、2つの高電圧電源32a,32dを設ける。デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧をVLとし、高い管電圧をVHとすると、高電圧電源32aは、電圧VLを出力可能であり、高電圧電源32dは、電圧VHを出力可能である。例えば、デュアルエナジースキャンにおける低い管電圧を80[kV]とし、高い管電圧を140[kV]とすると、高電圧電源32aによって−80[kV]が出力され、高電圧電源32dによって−140[kV]が出力される。
高電圧電源32a,32dのプラス側出力は、X線管31の陽極42に電気的にそれぞれ接続されると共に、それぞれ接地される。高電圧電源32aのマイナス側出力は、X線管31の陰極43aに接続される。高電圧電源32dのマイナス側出力は、X線管31の陰極43bに電気的に接続される。図4に示すX線発生器21では、図2及び図3に示すX線発生器21と同様に、X線管31の陰極43aには高電圧電源32aから管電圧80[kV]が、陰極43bには高電圧電源32dから管電圧140[kV]がそれぞれ印加される。
図5は、本実施形態におけるX線CT装置1のX線管31の一部の構造例を示す図である。
図5に示すように、X線管31の陰極43aから放出される熱電子Eaと、陰極43bから放出される熱電子Ebとが陽極42の略同一位置Pに衝突するように、熱電子Ea,Ebの軌道が陽極42の垂線Vに対して角度を有するように配置される。
また、X線管31の陰極43aは、陰極43bよりも陽極42の位置Pの近くに配置される。陰極43aと陽極42との間には80[kV]の電位差が生じる一方、陰極43bと陽極42との間には140[kV]の電位差が生じるからである。よって、高い管電圧140[kV]の陰極43bと陽極42の位置Pとの間に生じる電位の勾配に従って、陰極43bと陽極42との間に陰極43aの管電圧80[kV]の電位位置を定め、定められた電位位置と位置Pとの間の距離を、低い管電圧の陰極43aと位置Pとの間の距離と設定する。
さらに、陰極43a,43b間には、絶縁板45が配置される。陰極43a,43b間には60[kV]の電位差が生じるからである。よって、絶縁板45は、陰極43bから放出された熱電子Ebが、陰極43a側に向かうことを防ぐ機能を有する。
本実施形態のX線CT装置1によると、X線発生器21に、2つの管電圧を出力する高電圧電源ユニット32と、2つの陰極43a,43bと、陰極43a,43bにそれぞれ対応する2つのグリッド44a,44bと、グリッド44a,44bにそれぞれ対応するGCC33a,33bとを備えることで、陰極43a,43bに異なる管電圧を与え、グリッド44a,44bの電圧を制御して各陰極43a,43bから放出される熱電子Ea,Ebを交互に切り替えることによって、高電圧電源ユニット32の出力を切り替える必要がない。よって、本実施形態のX線CT装置1によると、X線管31で発生するX線のエネルギーを高速に切り替えることができるので、被検体Oの構成元素の違いを映像化し、例えば、石灰化した組織部と造影剤による血管の像を十分に分離することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1によると、X線発生器21に、2つの陰極43a,43bと、陰極43a,43bにそれぞれ対応する2つのFHC34a,34bとを備えることで、FHC34a,34bを用いて各陰極43a,43bに対してそれぞれ独立して管電流を設定できるので、低い管電圧によるX線照射の場合は大きな管電流を設定し、高い管電圧によるX線照射の場合は小さな管電流を設定できる。よって、X線CT装置1によると、エネルギー分布の異なるX線を発生させるデュアルエナジースキャンを必要最小限のX線照射で行なうことができ、被検体Oに照射するX線の量を一定に保つことができるので、十分な診断画質を得ながら被検体OのX線被曝を約1/2と大幅に低減することができる。
1 X線CT装置
11 スキャナ装置
12 画像処理装置
21 X線発生器
24 DAS
31 X線管
32 高電圧電源ユニット
32a,32b,32c,32d 高電圧電源
33 GCCユニット
33a,33b GCC
34 FHCユニット
34a,34b FHC
41 インサートバルブ
42 陽極
43 陰極ユニット
43a,43b 陰極
44 グリッドユニット
44a,44b グリッド
45 絶縁板

Claims (9)

  1. 陽極、陰極及びグリッドを備えるX線管を有するX線CT装置において、
    前記陰極としての第1陰極及び第2陰極と、
    前記陽極と前記第1陰極及び前記第2陰極との間にそれぞれ備えられる、前記グリッドとしての第1グリッド及び第2グリッドと、
    前記第1陰極に印加された第1の管電圧に基づく電子と、前記第2陰極に印加された第2の管電圧に基づく電子とを択一的に前記陽極に衝突させるために、前記第1グリッド及び前記第2グリッドの電圧をそれぞれ制御する第1電圧制御手段及び第2電圧制御手段と、
    前記第1陰極の管電流及び前記第2陰極の管電流をそれぞれ制御する第1管電流制御手段及び第2管電流制御手段と、
    を有することを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記電子を選択する場合、前記第1電圧制御手段は、前記第1グリッドの電圧をカットオフ電圧又は0に変更すると共に、前記第2電圧制御手段は、前記第2グリッドの電圧を0又はカットオフ電圧に変更することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記第1管電流制御手段は、前記第1の管電圧が前記第2の管電圧より低い場合、前記第2陰極の管電流より大きくなるように前記第1陰極の管電流を制御する一方、前記第1の管電圧が前記第2の管電圧より高い場合、前記第2陰極の管電流より小さくなるように前記第1陰極の管電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線CT装置。
  4. 前記第1の管電圧を出力可能な第1高電圧電源と、前記第1の管電圧と前記第2の管電圧との差分電圧を出力可能な第2高電圧電源と、
    前記第1高電圧電源及び前記第2高電圧電源を直列に接続し、前記第1高電圧電源のプラス側出力を前記陽極に、前記第1高電圧電源のマイナス側出力と前記第2高電圧電源のプラス側出力とを前記第1陰極に、前記第2高電圧電源のマイナス側出力を前記第2陰極にそれぞれ接続する接続手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
  5. 前記第1の管電圧及び前記第2の管電圧を出力可能な高電圧電源と、前記高電圧電源における前記第1の管電圧のプラス側出力を前記陽極に、前記第1の管電圧のマイナス側出力と前記第2の管電圧のプラス側出力とを前記第1陰極に、前記第2の管電圧のマイナス側出力を前記第2陰極にそれぞれ接続する接続手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
  6. 前記第1の管電圧を出力可能な第1高電圧電源と、前記第2の管電圧を出力可能な第2高電圧電源と、
    前記第1高電圧電源のプラス側出力と前記第2高電圧電源のプラス側出力とを前記陽極に、前記第1高電圧電源のマイナス側出力を前記第1陰極に、前記第2高電圧電源のマイナス側出力を前記第2陰極にそれぞれ接続する接続手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
  7. 前記第1陰極及び前記第2陰極は冷陰極構造を有し、前記第1電圧制御手段及び前記第2電圧制御手段は、前記第1グリッド及び前記第2グリッドの電圧をそれぞれ制御することによって、前記第1陰極及び前記第2陰極の管電流をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
  8. 前記第1陰極及び前記第2陰極からそれぞれ放出された電子が前記陽極上の略同一位置に衝突するように、前記第1陰極及び前記第2陰極は、前記陽極の垂線に対して角度を付けて配置したことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
  9. 前記第1陰極が前記第2陰極より管電圧が大きい場合、前記第1陰極と前記陽極の衝突点との間に生じる電位の勾配に従って、前記第1陰極と前記陽極との間に前記第2陰極の管電圧の電位位置を定め、定められた電位位置と前記衝突点との間の距離を、前記第2陰極と前記衝突点との距離と設定することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載のX線CT装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7391633B2 (ja) 2019-11-25 2023-12-05 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線撮影装置、およびx線発生装置

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