JP3796378B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線管電流調節方法およびX線CT(computerized tomography)装置に関し、特に、X線管の管電流を最適化するためのX線管電流調節方法、および、そのようなX線管電流調節手段を備えたX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置において、X線管を含むX線照射装置は、撮影範囲を包含する広がり(幅)を持ちそれに垂直な方向に厚みを持つX線ビーム(beam)を照射する。X線ビームの厚みはコリメータ(collimator)のX線通過開口(アパーチャ:aperture)の開度を調節することにより変更できるようになっており、これによって撮影のスライス(slice)厚が調節される。
【0003】
X線検出装置は、X線ビームの幅の方向に多数(例えば1000個程度)のX線検出素子をアレイ(array)状に配列した多チャンネル(channel)のX線検出器を有し、それによってX線を検出するようになっている。
【0004】
X線照射・検出装置を撮影対象の周りで回転(スキャン:scan)させて、撮影対象の周囲の複数のビュー(view)方向でそれぞれX線による撮影対象の投影像(プロジェクション:projection)を求め、それらプロジェクションデータ(projection data)に基づいてコンピュータ(computer)により断層像を生成(再構成)する。
【0005】
再構成画像の品質を表す指標のひとつとして標準偏差(SD:Standard Deviation)が用いられる。SDは、X線管の管電流を一定としたとき、撮像対象のプロジェクションの面積と強い相関があるので、適正なSDの断層像を得るために、プロジェクションの面積に応じて管電流を自動調節することが行われる。管電流の自動調節に当たっては、予め撮像対象をX線で透視してプロジェクションを求め、その面積に応じて適正な管電流を求める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のX線管電流調節では、撮像対象を予めX線で透視しなければならないので能率が悪いという問題があった。特に、例えば頭部や胸部等のルーチン(routine)撮像においては、事前にX線透視によるスカウト(scout)像を撮像するということがないので、予備的なX線透視行うことによるスループット(through put)の低下が大きいという問題があった。また、予備的なX線透視により撮像対象のX線の被曝量が増えるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、能率の良いX線管電流調節方法、および、そのようなX線管電流調節手段を備えたX線CT装置を実現することである。また、撮像対象のX線の被曝量が少ないX線管電流調節方法、および、そのようなX線管電流調節手段を備えたX線CT装置を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決するための第1の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて画像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記撮像対象の実質的に最初のビューのプロジェクション面積を求め、前記求めたプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0009】
(2)上記の課題を解決するための第2の観点での発明は、X線管から撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクション面積を求め、前記求めたプロジェクション面積から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0010】
(3)上記の課題を解決するための第3の観点での発明は、X線管から撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求め、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0011】
(4)上記の課題を解決するための第4の観点での発明は、X線管から撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスのプロジェクション面積を求め、前記求めたプロジェクション面積から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0012】
(5)上記の課題を解決するための第5の観点での発明は、X線管から撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求め、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0013】
(6)上記の課題を解決するための第6の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状にX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて画像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記複数のビューのプロジェクション面積をそれぞれ求め、前記求めたプロジェクション面積の変化傾向から次にX線を照射する部分のプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0014】
(7)上記の課題を解決するための第7の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状にX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて画像を生成するX線CT装置のためのX線管電流調節方法であって、前記複数のビューのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求め、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射する部分のプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線管電流調節方法である。
【0015】
(8)上記の課題を解決するための第8の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれX線を照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて画像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記撮像対象の実質的に最初のビューのプロジェクション面積を求めるプロジェクション面積計算手段と、前記求めたプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0016】
(9)上記の課題を解決するための第9の観点での発明は、X線管から撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクション面積を求めるプロジェクション面積計算手段と、前記求めたプロジェクション面積から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0017】
(10)上記の課題を解決するための第10の観点での発明は、X線管から撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求める標準偏差計算手段と、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0018】
(11)上記の課題を解決するための第11の観点での発明は、X線管から撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスのプロジェクション面積を求めるプロジェクション面積計算手段と、前記求めたプロジェクション面積から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0019】
(12)上記の課題を解決するための第12の観点での発明は、X線管から撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求める標準偏差計算手段と、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0020】
(13)上記の課題を解決するための第13の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状にX線を照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて画像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記複数のビューのプロジェクション面積をそれぞれ求めるプロジェクション面積計算手段と、前記求めたプロジェクション面積の変化傾向から次にX線を照射する部分のプロジェクション面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0021】
(14)上記の課題を解決するための第14の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状にX線を照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、前記X線照射・検出手段が検出した信号に基づいて画像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、前記管電流制御手段は、前記複数のビューのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求める標準偏差計算手段と、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射する部分のプロジェクション面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0022】
(15)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて画像を生成するX線断層撮像方法であって、前記撮像対象の実質的に最初のビューのプロジェクション面積を求め、前記求めたプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0023】
(16)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線断層撮像方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクション面積を求め、前記求めたプロジェクション面積から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0024】
(17)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線断層撮像方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求め、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0025】
(18)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線断層撮像方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスのプロジェクション面積を求め、前記求めたプロジェクション面積から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0026】
(19)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれX線を照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出し、前記検出した信号に基づいて前記複数のスライスの断層像を生成するX線断層撮像方法であって、前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求め、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射するスライスのプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記X線管の管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0027】
(20)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状にX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて画像を生成するX線断層撮像方法であって、前記複数のビューのプロジェクション面積をそれぞれ求め、前記求めたプロジェクション面積の変化傾向から次にX線を照射する部分のプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0028】
(21)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、X線管から撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状にX線を照射して透過X線を検出し、前記検出した信号に基づいて画像を生成するX線断層撮像方法であって、前記複数のビューのプロジェクションデータの標準偏差をそれぞれ求め、前記求めた標準偏差の変化傾向から次にX線を照射する部分のプロジェクション面積を推定し、前記推定したプロジェクション面積に応じて前記管電流を調節することを特徴とするX線断層撮像方法である。
【0029】
(作用)
本発明では、透過X線による撮像対象の実質的に最初のビューのプロジェクション面積を求め、それに応じてX線管の管電流を調節する。複数スライスを順次に撮像する場合は、X線照射済みの少なくとも2つのスライスのプロジェクション面積またはデータの標準偏差の変化傾向から、次のスライスのプロジェクション面積を推定して管電流を調節する。螺旋状のX線照射を行う場合は、複数のビューのプロジェクション面積の変化傾向またはデータの標準偏差の変化傾向から、次のプロジェクション面積を推定して管電流を調節する。このため、撮像対象を予めX線で透視する必要がない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1にX線CT装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0031】
図1に示すように、本装置は、走査ガントリ(gantry)2、撮像テーブル(table)4および操作コンソール(console)6を備えている。走査ガントリ2はX線管20を有する。X線管20から放射された図示しないX線は、コリメータ22により例えば扇状のX線ビームすなわちファンビーム(fan beam)となるように成形され、検出器アレイ24に照射される。検出器アレイ24は、扇状のX線ビームの幅の方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を有する。検出器アレイ24の構成については後にあらためて説明する。
【0032】
X線管20、コリメータ22および検出器アレイ24はX線照射・検出装置を構成する。X線照射・検出装置については、後にあらためて説明する。検出器アレイ24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は検出器アレイ24の個々のX線検出素子の検出データを収集する。
【0033】
X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御される。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略する。コリメータ22は、コリメータコントローラ30によって制御される。なお、コリメータ22とコリメータコントローラ30との接続関係については図示を省略する。
【0034】
以上のX線管20からコリメータコントローラ30までのものが、走査ガントリ2の回転部34に搭載されている。回転部34の回転は、回転コントローラ36によって制御される。なお、回転部34と回転コントローラ36との接続関係については図示を省略する。
【0035】
撮像テーブル4は、図示しない撮像対象を走査ガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するようになっている。撮像対象とX線照射空間との関係については後にあらためて説明する。走査ガントリ2および撮像テーブル4からなる部分は、本発明におけるX線照射・検出手段の実施の形態の一例である。
【0036】
操作コンソール6は、中央処理装置60を有している。中央処理装置60は、例えばコンピュータ等によって構成される。中央処理装置60には、制御インタフェース(interface)62が接続されている。制御インタフェース62には、走査ガントリ2と撮像テーブル4が接続されている。中央処理装置60は制御インタフェース62を通じて走査ガントリ2および撮像テーブル4を制御する。
【0037】
走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36が制御インタフェース62を通じて制御される。なお、それら各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略する。中央処理装置60、制御インタフェース62およびX線コントローラ28からなる部分は、本発明における管電流制御手段の実施の形態の一例である。
【0038】
中央処理装置60には、また、データ収集バッファ64が接続されている。データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータがデータ収集バッファ64に入力される。データ収集バッファ64は、入力データを一時的に記憶する。
【0039】
中央処理装置60は、データ収集バッファ64を通じて収集した複数ビューのプロジェクションに基づいて画像再構成を行う。中央処理装置60は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。画像再構成には、例えばフィルタード・バックプロジェクション(filtered back projection)法等が用いられる。中央処理装置60には、また、記憶装置66が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや再構成画像およびプログラム(program)等を記憶する。
【0040】
中央処理装置60には、また、表示装置68と操作装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報を表示するようになっている。操作装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を中央処理装置60に入力するようになっている。
【0041】
図2に、検出器アレイ24の模式的構成を示す。検出器アレイ24は、多数のX線検出素子24(i)を配列した、多チャンネルのX線検出器となっている。多数のX線検出素子24(i)は、全体として、円筒凹面状に湾曲したX線入射面を形成する。iはチャンネル番号であり例えばi=1〜1000である。
【0042】
X線検出素子24(i)は、例えばシンチレータ(scintillator)とフォトダイオード(photo diode)の組み合わせによって構成される。なお、これに限るものではなく、例えばカドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体X線検出素子、あるいは、キセノン(Xe)ガスを利用した電離箱型のX線検出素子であって良い。
【0043】
図3に、X線照射・検出装置におけるX線管20とコリメータ22と検出器アレイ24の相互関係を示す。なお、図3の(a)は走査ガントリ2の正面から見た状態を示す図、(b)は側面から見た状態を示す図である。同図に示すように、X線管20から放射されたX線は、コリメータ22により扇状のX線ビーム400となるように成形され、検出器アレイ24に照射される。
【0044】
図3の(a)では、扇状のX線ビーム400の広がりすなわちX線ビーム400の幅を示す。X線ビーム400の幅方向は、検出器アレイ24におけるチャンネルの配列方向に一致する。(b)ではX線ビーム400の厚みを示す。
【0045】
このようなX線ビーム400の扇面に体軸を交差させて、例えば図4に示すように、撮像テーブル4に載置された撮像対象8がX線照射空間に搬入される。走査ガントリ2は、内部にX線照射・検出装置を包含する筒状の構造になっている。
【0046】
X線照射空間は、走査ガントリ2の筒状構造の内側空間に形成される。X線ビーム400によってスライスされた撮像対象8の像が検出器アレイ24に投影される。検出器アレイ24は、撮像対象8を透過したX線を検出する。撮像対象8に照射するX線ビーム400の厚みthは、コリメータ22のアパーチャの開度調節により適宜に設定される。
【0047】
このようなX線照射・検出装置を紙面に垂直な面内で回転させて撮像対象8をスキャンし、複数の方向から透視したX線検出信号を求める。撮像テーブル4を停止させた状態でスキャンすることにより、シングルスライススキャン(single slice scan)が行われる。1スキャンごとに撮像テーブル4をステップ(step)送りすることにより、マルチスライススキャン(multi−slice scan)が行われる。X線照射・検出装置を連続的に回転させながら撮像テーブル4を連続送りすることにより、螺旋状のスキャンすなわちいわゆるヘリカルスキャン(helical scan)が行われる。
【0048】
図5に、検出器アレイ24の他の構成例を示す。同図に示すように、検出器アレイ24は、多数のX線検出素子24(ik)を2列に配列した、多チャンネルのX線検出器となっている。多数のX線検出素子24(ik)は、全体として、円筒凹面状に湾曲したX線入射面を形成する。iはチャンネル番号であり例えばi=1〜1000である。kは列番号であり例えばk=1,2である。X線検出素子24(ik)は、列番号kが同一なもの同士でそれぞれ検出素子列を構成する。なお、検出器アレイ24は2列に限るものではなく、3列以上の多列であって良い。
【0049】
図6に、多列の検出器アレイを用いるX線照射・検出装置におけるX線管20とコリメータ22と検出器アレイ24の相互関係を示す。同図は、検出器アレイ24が2列になっていること以外は図3と共通である。
【0050】
このようなX線ビーム400の扇面に体軸を交差させて、例えば図7に示すように、撮像テーブル4に載置された撮像対象8がX線照射空間に搬入される。同図は、検出器アレイ24が2列になっていること以外は図4と共通である。
【0051】
図8に、管電流調節に関する中央処理装置60の構成のブロック図を示す。同図における各ブロックの機能は、例えばコンピュータプログラム等により実現される。後述する他の構成においても同様である。同図に示すように、中央処理装置60はプロジェクション面積計算ユニット(unit)502を有する。プロジェクション面積計算ユニット502は、本発明におけるプロジェクション面積計算手段の実施の形態の一例である。
【0052】
プロジェクション面積計算ユニット502は、スキャン開始時の最初のビューのプロジェクションについてその面積を計算する。すなわち、例えば図9に示すように、撮像対象8の頭部のスライスT(シングルスライス)を撮像するとした場合、スライスTについてのスキャンの最初のビューのプロジェクション面積を計算する。なお、厳密に最初のビューでなくとも実質的に最初のビューであって良い。
【0053】
プロジェクション面積計算を図10によって説明する。同図に示すように、撮像対象8のプロジェクションを得たとすると、プロジェクション面積計算ユニット502は、データ収集バッファ64から入力した各チャンネルのプロジェクションデータ−ln(I/I0)の総和を求め、これをプロジェクションの面積s1とする。
【0054】
管電流計算ユニット504は、プロジェクション面積計算ユニット502から入力したプロジェクション面積s1に基づいて管電流を計算する。管電流を計算するに当たり、先ずプロジェクション面積s1に対応するSD(Standard Deviation)を求める。プロジェクション面積SとSDの関係は、標準的な管電流の下でのファントム(phantom)計測等により予め求められており、例えば図11に示すような対応関係がメモリに記憶されている。
【0055】
そこで、このような関係からプロジェクション面積s1に対応するSDδaを求める。このSDδaを与える管電流mAaと、再構成画像に要求されるSDδbを与える管電流mAbとの間には次式のような関係がある。
【0056】
【数1】
Figure 0003796378
【0057】
そこで、この関係から、
【0058】
【数2】
Figure 0003796378
【0059】
によって所望の管電流を求める。
管電流mAbを表す信号は、制御インタフェース62を通じてX線コントローラ28に与えられる。X線コントローラ28はこの信号にしたがってX線管20の管電流を調節する。これ以降、スライスTのスキャンは管電流mAbに対応したX線によって行われる。管電流計算ユニット504、制御インタフェース62およびX線コントローラ28からなる部分は、本発明における管電流調節手段の実施の形態の一例である。
【0060】
このようにして、予め撮像対象をX線で透視することなく管電流を最適化することができる。したがって、能率の良い管電流調節を行うことができる。また、撮像対象が余分な被曝を受けることもない。なお、最初のビューは初期設定の管電流で定まるX線によって行われるので、最初のビューの管電流は必ずしも最適値とは限らないが、1ビューだけなので再構成画像への影響は無視できる。
【0061】
2列構成の検出器アレイ24を用い、例えば図12に示すように、2つのスライスT1,T2(ダブルスライス:double slice)を同時にスキャンする場合は、プロジェクション面積計算ユニット502は両スライスの最初のビューのプロジェクション面積の平均を求める。管電流計算ユニット504は平均のプロジェクション面積に基づいて上記のような管電流計算を行う。
【0062】
図13に、マルチスライススキャンを行うときの管電流調節に関する中央処理装置60の構成のブロック図を示す。同図において、図8に示したものと同様なものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
同図において、プロジェクション面積推定ユニット706は、プロジェクション面積計算ユニット502から順次に入力されるプロジェクション面積に基づいて、次にスキャンするスライスのプロジェクション面積を推定する。
【0064】
すなわち、例えば図14に示すように、n番目のスライスのプロジェクション面積が入力されたとき、このプロジェクション面積と、先に入力されているn−1番目のスライスのプロジェクション面積との外挿補間演算等により、n+1番目のスライスのプロジェクション面積を推定する。n−2番目以前のプロジェクション面積をも利用すればさらに確度の高い推定を行うことができる。プロジェクション面積推定ユニット706は、本発明におけるプロジェクション面積推定手段の実施の形態の一例である。
【0065】
管電流計算ユニット504は、切換器708を通じて入力されるプロジェクション面積計算ユニット502のプロジェクション面積計算値、または、プロジェクション面積推定ユニット706のプロジェクション面積推定値に基づいて管電流を計算する。
【0066】
切換器708は、少なくともマルチスライススキャンにおける2番目のスライスをスキャンするまではプロジェクション面積計算ユニット502の出力信号を管電流計算ユニット504に入力し、それ以降はプロジェクション面積推定ユニット706の出力信号を管電流計算ユニット504に入力に入力する。
【0067】
管電流を表す信号は、制御インタフェース62を通じてX線コントローラ28に与えられる。X線コントローラ28はこの信号にしたがって管電流を調節する。このような管電流調節により、少なくとも3番目以降のスライスについては最初のビューから最適管電流によるスキャンを行うことができる。
【0068】
2列構成の検出器アレイ24を用い、例えば図15に示すように、2スライスずつ同時にスキャンする場合は、プロジェクション面積推定ユニット706はn番目のスキャンの2スライスT1,T2のプロジェクション面積に基づき、例えば外挿補間演算等により、n+1番目のスキャンの2スライスT3,T4のプロジェクション面積をそれぞれ推定する。n−1番目以前の2スライスのプロジェクション面積をも用いれば、さらに確度の高い推定が可能なことはいうまでもない。
【0069】
プロジェクション面積計算ユニット502は、また、例えば図16に示すように、撮像対象8をヘリカルスキャンする場合は、順次に得られる複数のビューについて逐一プロジェクション面積を計算する。ヘリカルスキャンにおいてはビューごとにスライス位置が少しずつ変化するので、プロジェクション面積は撮像対象8の体軸方向の断面積の変化に応じて変化する。
【0070】
プロジェクション面積推定ユニット706は、プロジェクション面積計算ユニット502から順次に入力されるこのようなプロジェクション面積の変化傾向に基づいて、例えば外挿補間演算等により、次のビューのプロジェクション面積を逐次に推定する。
【0071】
管電流計算ユニット504は、スキャン開始直後の数ビューについては切換器708を通じて与えられるプロジェクション面積計算ユニット502の出力信号に基づいて管電流を計算し、それ以降はプロジェクション面積推定ユニット706から逐次に入力されるプロジェクション面積推定値に基づいて管電流をそれぞれ計算する。管電流を表す信号は、制御インタフェース62を通じてX線コントローラ28に与えられる。X線コントローラ28はこの信号にしたがって次ビューの管電流を逐次に調節する。
【0072】
2列構成の検出器アレイ24を用いてヘリカルスキャンを行う場合は、プロジェクション面積計算ユニット502で2つのプロジェクション面積の平均値を求めるようにする。これによって上記と同様なビューごとの管電流調節を行うことができる。
【0073】
図17に、マルチスライススキャンまたはヘリカルスキャンを行うときの管電流調節に関する中央処理装置60の他の構成のブロック図を示す。同図において、図8および図13に示したものと同様なものは同一の符号を付して説明を省略する。同図に示すように、中央処理装置60はSD計算ユニット912を有する。SD計算ユニット912は、本発明における標準偏差計算手段の実施の形態の一例である。
【0074】
SD計算ユニット912は、切換器910の切換によりデータ収集バッファ64から入力したプロジェクションデータにつき1ビューごとにSDを求める。SDは、図11に示したように、プロジェクション面積と強い相関を有するので、SDの大小はプロジェクション面積の大小に対応する。
【0075】
プロジェクション面積推定ユニット906は、SD計算ユニット912から順次に入力されるSDに基づいて、マルチスライススキャンの場合は次にスキャンするスライスのプロジェクション面積、ヘリカルスキャンの場合は次ビューのプロジェクション面積をそれぞれ推定する。
【0076】
すなわち、マルチスライススキャンの場合は、例えば図14に示したように、n番目のスライスのSDが入力されたとき、このSDと、先に入力されているn−1番目のスライスのSDとの外挿補間演算等により、n+1番目のスライスのSDを推定し、それに対応するプロジェクション面積を推定する。n−2番目以前のSDをも利用すればさらに確度の高い推定を行うことができる。プロジェクション面積推定ユニット906は、本発明におけるプロジェクション面積推定手段の実施の形態の一例である。
【0077】
ヘリカルスキャンの場合は、順次に得られる複数のビューについて逐一SDを計算する。ヘリカルスキャンにおいてはビューごとにスライス位置が少しずつ変化するので、プロジェクション面積は撮像対象8の体軸方向の断面積の変化に応じて変化し、それに対応してSDが変化する。
【0078】
プロジェクション面積推定ユニット906は、SD計算ユニット912から順次に入力されるこのようなSDの変化傾向に基づいて、例えば外挿補間演算等により、次のビューのSDを逐次に推定し、それに対応するプロジェクション面積を推定する。
【0079】
管電流計算ユニット504は、切換器708を通じて入力されるプロジェクション面積計算ユニット502のプロジェクション面積計算値、または、プロジェクション面積推定ユニット906のプロジェクション面積推定値に基づいて管電流を計算する。
【0080】
切換器910は、ビューデータを、少なくともマルチスライススキャンにおける2番目のスライスをスキャンするまでは管電流計算ユニット504に入力し、それ以降はSD計算ユニット912に入力する。また、切換器708は、少なくともマルチスライススキャンにおける2番目のスライスをスキャンするまではプロジェクション面積計算ユニット502の出力信号を管電流計算ユニット504に入力し、それ以降はプロジェクション面積推定ユニット906の出力信号を管電流計算ユニット504に入力する。
【0081】
ヘリカルスキャンの場合は、切換器910は、ビューデータを、少なくともに2番目のビューが終わるまでは管電流計算ユニット504に入力し、それ以降はSD計算ユニット912に入力する。また、切換器708は、少なくとも2番目のビューが終わるまではプロジェクション面積計算ユニット502の出力信号を管電流計算ユニット504に入力し、それ以降はプロジェクション面積推定ユニット906の出力信号を管電流計算ユニット504に入力する。
【0082】
管電流計算ユニット504は、入力されたプロジェクション面積に対応した管電流を計算する。管電流を表す信号は、制御インタフェース62を通じてX線コントローラ28に与えられる。X線コントローラ28はこの信号にしたがって管電流を調節する。このような管電流調節により、マルチスライススキャンの場合は、少なくとも3番目以降のスライスについては最初のビューから最適管電流によるスキャンを行うことができる。また、ヘリカルスキャンの場合は、少なくとも3番目以降のビューについて最適管電流によるスキャンを行うことができる。
【0083】
本装置の動作を説明する。図18に、本装置の撮像時の動作のフロー(flow)図を示す。同図に示すように、ステップ(step)922で、操作者が操作装置70を通じてスキャン計画を入力する。スキャン計画には、X線照射条件、スライス厚、スライス位置等が含まれる。ここで、X線照射条件のうち管電流はスキャン開始とともに上述のようにして自動調節される。以下、本装置は、入力されたスキャン計画にしたがい、操作者の操作および中央処理装置60による制御の下で動作する。
【0084】
ステップ924ではスキャン位置決めを行う。すなわち、操作者が操作装置70を操作して撮像テーブル4を移動させ、撮像対象8の撮像部位ないし撮像開始部位の中心をX線照射・検出装置の回転の中心(アイソセンタ:isocenter)に一致させる。
【0085】
このようなスキャン位置決めを行った後にステップ926でスキャンを行う。すなわち、X線照射・検出装置を撮像対象8の周囲で回転させて、1回転当たり例えば1000ビューのプロジェクションをデータ収集バッファ64に収集する。スキャンは、シングルスライススキャン、マルチスライススキャンまたはヘリカルスキャンにより行われる。スキャンに並行して管電流制御手段により前述のような管電流調節がリアルタイム(real time)で行われる。
【0086】
図19に、シングルスライススキャンにおける管電流調節のフロー図を示す。同図に示すように、ステップ932で最初のビュー(1st ビュー)からプロジェクション面積を計算する。次に、ステップ934でプロジェクション面積から管電流の最適値を算出する。次にステップ936で最適値に基づいて管電流を調節する。2列構成の検出器アレイを用いた場合は、同時に得られる最初の2つのビューのプロジェクション面積の平均値に基づいて同様な管電流調節を行う。
【0087】
図20に、マルチスライススキャンにおける管電流調節のフロー図を示す。同図に示すように、ステップ942でn−1番目のスキャンすなわちn−1番目のスライスのスキャンを開始したとき、ステップ944で最初のビューからプロジェクション面積Proj(n−1)を計算して保存する。
【0088】
その後ステップ946でn番目のスキャンを開始したとき、ステップ948で最初のビューからプロジェクション面積Proj(n)を計算して保存する。次に、ステップ950でn+1番目のスキャンのプロジェクション面積Proj(n+1)を推定する。
【0089】
次に、ステップ952でプロジェクション面積Proj(n+1)から管電流の最適値を算出する。次にステップ954で最適管電流によるn+1番目のスキャンを開始する。以上を1単位として、スライスを順次1つずつずらしながらマルチスライススキャンを遂行する。
【0090】
2列構成の検出器アレイを用いた場合は、図21に示すように、ステップ962でn番目のスキャンを開始したとき、ステップ964で検出器アレイAによる最初のビューからプロジェクション面積Projaを計算して保存し、ステップ966で検出器アレイBによる最初のビューからプロジェクション面積Projbを計算して保存する。
【0091】
次に、ステップ968でプロジェクション面積Proja,bからn+1番目のスキャンのプロジェクション面積Proj(n+1)を推定する。そして、ステップ970でプロジェクション面積Proj(n+1)から管電流の最適値を算出し、ステップ972で最適管電流によるn+1番目のスキャンを開始する。以上を1単位として、スライスを順次1つずつずらしながらマルチスライススキャンを遂行する。
【0092】
ヘリカルスキャンにおける管電流調節のフロー図をそれぞれ図22に示す。同図に示すように、ステップ982でn−1番目のビューのデータ収集を行い、ステップ984でそのビューのプロジェクション面積Proj(n−1)を計算して保存する。次に、ステップ986でn番目のビューのデータ収集を行い、ステップ988でそのビューのプロジェクション面積Proj(n)を計算して保存する。
【0093】
次に、ステップ990でn+1番目のビューのプロジェクション面積Proj(n+1)を推定し、ステップ992でプロジェクション面積Proj(n+1)から管電流の最適値を算出する。次にステップ994で最適管電流によるn+1番目のビューデータを収集する。以上を1単位として、ビューを順次1つずつずらしながらヘリカルスキャンを遂行する。
【0094】
なお、前述のSDをプロジェクション面積の代わりに用いて、マルチスライススキャンまたはヘリカルスキャンにおけるn+1番目のスライスまたはn+1番目のビューの管電流を求めるフロー図については図示を省略するが、図20〜図22に示したフロー図において、プロジェクション面積の計算をSDの計算と読み替えることにより、容易に類推可能である。
【0095】
スキャン後あるいはスキャンに並行して、図18に示したフロー図のステップ928で画像再構成を行う。すなわち、データ収集バッファ64に収集した複数ビューのプロジェクションに基づき、中央処理装置60が、例えばフィルタード・バックプロジェクション法等によって画像再構成を行い断層像を再構成する。
【0096】
再構成した断層像はステップ930で表示装置68に表示する。管電流が撮像対象のプロジェクション面積に応じてリアルタイムに自動調節されているので、品質の良い断層像を得ることができる。
【0097】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、能率の良いX線管電流調節方法、および、そのようなX線管電流調節手段を備えたX線CT装置を実現することができる。また、撮像対象のX線の被曝量が少ないX線管電流調節方法、および、そのようなX線管電流調節手段を備えたX線CT装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】図1に示した装置における検出器アレイの模式図である。
【図3】図1に示した装置におけるX線照射・検出装置の模式図である。
【図4】図1に示した装置におけるX線照射・検出装置の模式図である。
【図5】図1に示した装置における検出器アレイの模式図である。
【図6】図1に示した装置におけるX線照射・検出装置の模式図である。
【図7】図1に示した装置におけるX線照射・検出装置の模式図である。
【図8】X線管電流調節に関する中央処理装置のブロック図である。
【図9】撮像対象のスライスの概念図である。
【図10】撮像対象のプロジェクションの概念図である。
【図11】プロジェクション面積とSDの関係を示すグラフである。
【図12】撮像対象のスライスの概念図である。
【図13】X線管電流調節に関する中央処理装置のブロック図である。
【図14】撮像対象のスライスの概念図である。
【図15】撮像対象のスライスの概念図である。
【図16】撮像対象のスライスの概念図である。
【図17】X線管電流調節に関する中央処理装置のブロック図である。
【図18】図1に示した装置の動作のフロー図である。
【図19】図1に示した装置の動作のフロー図である。
【図20】図1に示した装置の動作のフロー図である。
【図21】図1に示した装置の動作のフロー図である。
【図22】図1に示した装置の動作のフロー図である。
【符号の説明】
2 走査ガントリ
4 撮像テーブル
6 操作コンソール
8 撮像対象
20 X線管
22 コリメータ
24 検出器アレイ
26 データ収集部
28 X線コントローラ
30 コリメータコントローラ
34 回転部
36 回転コントローラ
60 中央処理装置
62 制御インタフェース
64 データ収集バッファ
66 記憶装置
68 表示装置
70 操作装置
502 プロジェクション面積計算ユニット
504 管電流計算ユニット
706,906 プロジェクション面積推定ユニット
912 SD計算ユニット

Claims (5)

  1. 撮像対象のまわりに回転するX線管から前記撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれ扇状X線ビームを照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、
    前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、
    前記X線照射・検出手段が検出した信号による前記複数のビューについての複数のプロジェクションのデータに基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、
    前記管電流制御手段は、
    前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスにおけるプロジェクションの面積を求めるプロジェクション面積計算手段と、
    前記求めたプロジェクションの面積から次に扇状X線ビームを照射するスライスにおけるプロジェクションの面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、
    管電流をパラメータとしプロジェクションの面積を変数とする標準偏差の関数の関係に基づいて、所望の標準偏差となるように前記推定したプロジェクションの面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段と、
    を具備することを特徴とするX線CT装置。
  2. 撮像対象のまわりに回転するX線管から前記撮像対象の複数のスライスに順次に複数のビュー方向からそれぞれ扇状X線ビームを照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、
    前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、
    前記X線照射・検出手段が検出した信号による前記複数のビューについての複数のプロジェクションのデータに基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、
    前記管電流制御手段は、
    前記撮像対象のX線照射済みの少なくとも2つのスライスにおけるプロジェクションのデータの標準偏差をそれぞれ求める標準偏差計算手段と、
    管電流をパラメータとしプロジェクションの面積を変数とする標準偏差の関数の関係に基づいて、前記求めた標準偏差の変化傾向から次に扇状X線ビームを照射するスライスにおけるプロジェクションの面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、
    前記標準偏差の関数の関係に基づいて、所望の標準偏差となるように前記推定したプロジェクションの面積に応じて前記X線管の管電流を調節する管電流調節手段と、
    を具備することを特徴とするX線CT装置。
  3. 撮像対象のまわりに回転するX線管から前記撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれ扇状X線ビームを照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出するX線照射・検出手段と、
    前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、
    前記X線照射・検出手段が検出した信号による前記複数のビューについての複数のプロジェクションのデータに基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、
    前記管電流制御手段は、
    前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスにおけるプロジェクションの面積を求めるプロジェクション面積計算手段と、
    前記求めたプロジェクションの面積から次に扇状X線ビームを照射するスライスにおけるプロジェクションの面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、
    管電流をパラメータとしプロジェクションの面積を変数とする標準偏差の関数の関係に基づいて、所望の標準偏差となるように前記推定したプロジェクションの面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段と、
    を具備することを特徴とするX線CT装置。
  4. 撮像対象のまわりに回転するX線管から前記撮像対象に同時に少なくとも2スライスずつ複数のビュー方向からそれぞれ扇状X線ビームを照射して複数のスライスの透過X線を順次に検出するX線照射・検出手段と、
    前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、
    前記X線照射・検出手段が検出した信号による前記複数のビューについての複数のプロジェクションのデータに基づいて前記複数のスライスの断層像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、
    前記管電流制御手段は、
    前記撮像対象のX線照射済みの前記少なくとも2スライスにおけるプロジェクションのデータの標準偏差をそれぞれ求める標準偏差計算手段と、
    管電流をパラメータとしプロジェクションの面積を変数とする標準偏差の関数の関係に基づいて、前記求めた標準偏差の変化傾向から次に扇状X線ビームを照射するスライスにおけるプロジェクションの面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、
    前記標準偏差の関数の関係に基づいて、所望の標準偏差となるように前記推定したプロジェクションの面積に応じて前記X線管の管電流を調節する管電流調節手段と、
    を具備することを特徴とするX線CT装置。
  5. 撮像対象のまわりに回転するX線管から前記撮像対象に複数のビュー方向から螺旋状に扇状X線ビームを照射して透過X線を検出するX線照射・検出手段と、
    前記X線管の管電流を制御する管電流制御手段と、
    前記X線照射・検出手段が検出した信号による前記複数のビューについての複数のプロジェクションのデータに基づいて画像を生成する画像生成手段とを有するX線CT装置であって、
    前記管電流制御手段は、
    前記複数のビューのプロジェクションのデータの標準偏差をそれぞれ求める標準偏差計算手段と、
    管電流をパラメータとしプロジェクションの面積を変数とする標準偏差の関数の関係に基づいて、前記求めた標準偏差の変化傾向から次に扇状X線ビームを照射する部分のプロジェクションの面積を推定するプロジェクション面積推定手段と、
    前記標準偏差の関数の関係に基づいて、所望の標準偏差となるように前記推定したプロジェクションの面積に応じて前記管電流を調節する管電流調節手段と、
    を具備することを特徴とするX線CT装置。
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