JP4939702B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置に関し、特に、被検体体軸方向に一定の幅ないしは広がりを有するX線ビームを照射可能なX線CT装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線源より発せられたX線を被検体に対し多方向から照射して、該被検体を透過するX線をX線検出器で検知し、該検知の結果に基づいて当該被検体の断層像を再構成するX線CT装置が広く知られている。
【0003】
このようなX線CT装置においては、従来、前記X線源から扇状のX線ビームを照射する「ファンビームX線CT装置」が知られている。このファンビームX線CT装置では、例えば1000チャンネル程度の検出素子を一列に並べた扇状のX線検出器によって、被検体を透過したX線データを収集する。また、このX線データ収集は、前記X線源及び前記X線検出器を被検体周囲で回転させながら実施される。一回転ごとにつき収集されるデータは、各チャンネルおのおの約1000程度である。なお、このようなX線CT装置は1回転ごとに1断面分のデータ収集を行うことから、別名、「シングルスライス」CT装置と呼称されることもある。
【0004】
また、シングルスライスX線CT装置の発展形態として、X線検出器として、検出素子を2次元(Mチャンネル×Nセグメント)に配列したものがある。これはいわば、上記したファンビームX線CT装置用のX線検出器(1000チャンネル程度×1列)を複数個、被検体体軸方向にN列積み重ねたような形態に合致し、「マルチスライスX線CT装置」と呼ばれる。X線データ収集の手法については、上記と同様である(なお、X線CT装置としてはさらに、このマルチスライスX線CT装置のX線ビーム幅よりも、被検体の体軸方向にさらに広いX線ビームを照射する「コーンビームX線CT装置」が知られている)。
【0005】
このようなシングルスライスX線CT装置、あるいはマルチスライスX線CT装置においては、いわゆる「ヘリカルスキャン」を行うことが可能である。このヘリカルスキャンとは、前記X線源及びX線検出器が被検体周囲を回転しながら体軸方向に相対的に移動して投影データを得る手法である。つまりこの場合、X線源及びX線検出器は、実質的に被検体体軸方向にその周囲で螺旋軌跡を描きながら移動していくことになり、その結果、一度に広範囲の断層像等を取得することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルチスライスX線CT装置で上記したようなヘリカルスキャンを行い、かつ、公知のいわゆる「フェルドカンプ再構成法」を用いて断層像等を生成する場合には、その再構成が可能な範囲Vは、図8におけるハッチングされた部分に示すようなものとなる。すなわち、当該範囲Vの概形は、円柱の両端それぞれに円錐を取り付けたような形となり、その全体の長さ(前記両円錐の頂点間距離)X2が、前記円柱の部分の長さをX1、X線管球111(又は天板)が移動する距離であるヘリカルスキャン距離をXとしたとき、図8に示すように、
X<X1<X2 … (1)
となる(なお、図8において符号112はX線検出器である。)。
【0007】
このような場合において、例えば図9に示すように、被検体Pの関心撮影領域直径(被検体の体軸方向に交差する方向の距離以下「FOV」という。)が異なる被検体P1(FOVが“S”に等しい。)と被検体PS(FOVが“SS(<S)” に等しい。)とに関してヘリカルスキャンを行おうとするときには、前者においては図に示すヘリカルスキャン距離Xで、過不足なく被検体P1全部に関する断層像等を再構成することが可能であるが、被検体PS(FOVが“SS(<S)”に等しい。)については、図に示すヘリカルスキャン距離Xでは、移動距離が過分であり、結果、当該被検体PSに対し余計な被曝を強いることとなるのがわかる。ちなみに、このようなFOVの相違は、大人と子どもとの間で生じると想定し得るし、また、同一の被検体であっても、その胴体と頭部との間で生じると想定しうる。なお、被検体P1もPSも撮影したい体軸方向の範囲はX1である。
【0008】
この図9のような場合においては、被検体PSに対しては、より適切なヘリカルスキャン距離を設定することが好ましいが、しかしながら、従来においては、このようなFOVの相違に応じて、ヘリカルスキャン距離を変更するという構成は存在しなかった(上記シングルスライスX線CT装置、又は2列または4列のマルチスライスX線CT装置では画像再構成法の違いからFOVによらず「一定」のヘリカルスキャン距離でよかったから、そもそもその必要がなかったのである。)。
【0009】
したがって、上記のように、子どもであればFOVが小さく、より小さいヘリカルスキャン距離で十分撮影可能なところ、このような場合であっても、大人にも適用し得るヘリカルスキャン距離による撮影が行われているため、結果、そのような子どもの撮影において、無用な被曝を強いることとなる。
【0010】
このことは、必ずしもヘリカルスキャンの場合に限られず、コーンビームを用いてスキャンを行う技術の全てに生じ得る問題である。
【0011】
例えば、検出器列を更に拡大し、更に大きく広がるコーンビームを用いて、1回のスキャンで広範囲のデータを収集する方式として知られているコンベンショナルスキャンの場合にも同様な問題が生じる。
【0012】
ところで、コーンビームCTを用いたヘリカルスキャンにおいて、撮影領域の大きさとヘリカルピッチを関連付けることによって、コーン角の不連続に基づくストリークアーチファクトの発生を防止した技術が開示されている(特開平11−239577号。)。しかしながら、この技術はヘリカルピッチを制御するだけであり、スキャン範囲を制御するものではない。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被検体に無用な被曝を強いることのないX線CT装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の手段をとった。
すなわち、請求項1記載のX線CT装置は、被検体の体軸方向に広がりをもつX線を発生するX線源と、被検体の体軸方向に沿ってN列(Nは2以上の整数)配列された被検体の透過X線を収集する多チャンネル型X線検出手段と、前記X線源とX線検出手段とを対向配置した状態で回転運動を行い、被検体の透過X線データを収集するためのヘリカルスキャンを行なうスキャン手段と、収集データから画像を再構成する再構成手段とを有し、前記被検体体軸方向と直交する方向の距離を示すFOVを受けてそのFOVで定まる体軸方向の関心撮影領域の両端の角部が、前記X線の広がり角で定まる稜線であって前記関心撮影領域に対して外側の稜線に載る範囲を前記体軸方向のスキャン範囲として制御する制御手段を設け、前記FOVが小さくなった場合は該FOVに応じて前記スキャン範囲を短くすることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、請求項1における制御手段は、前記ヘリカルスキャン時の被検体載置用天板のトータルの移動量を前記スキャン範囲として制御することを特徴とすることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、請求項1における制御手段は、前記ヘリカルスキャンにおけるX線曝射開始の位置を前記関心撮影領域の体軸方向の一方の角部が前記関心撮影領域に対して外側の稜線に載る位置とし、X線曝射終了の位置を前記一方と反対側の角部が前記関心撮影領域に対して外側の稜線に載る位置として、制御することを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、請求項1における制御手段は、前記制御手段は、前記X線の広がりを絞るためのコリメータの開度を前記スキャン範囲として制御することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本第一実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す概要図である。
【0019】
図1において、X線CT装置1は、架台11及びコンソール12を備えている。架台11には空洞部11aが設けられ、該空洞部11aには図示しない寝台の天板上に載置された被検体Pが導入される。そして、この空洞部11a周囲には、X線管球(X線源)111及びX線検出器(X線検出手段)112が、図1に示すように対向配置され、かつ両者が図中矢印Aに示すように被検体Pを中心に回転可能となっている。また、X線管球111は高電圧電源等を含むX線発生装置111aと接続され、X線検出器112は、例えばシンチレータとフォトダイオードで構成される検出素子を二次元状(Mチャンネル×Nセグメント)に配列したものとして構成され、後述のデータ収集部122に接続される。
【0020】
上記X線管球111より発せられるX線は、概ね図1における破線にて示されるように、被検体Pに対しコーン状に曝射され、該被検体Pを透過したX線がX線検出器112の前記検出素子により電気信号に変換されて、データ収集部122に送信される。
【0021】
なお、本実施形態におけるX線管球111には、図示しないコリメータが備えられており、被検体Pに照射するX線ビームの厚さを、該被検体Pの体軸方向(図1中紙面垂直方向、(なお、図2(A)参照、該図2(A)の場合紙面左右方向)に変更することが可能となっている。このことにより、X線ビームは、比較的広範な体軸方向厚さをカバーし得ることとなる(「マルチスライス」、あるいは「コーンビーム」)。
【0022】
また、本実施形態におけるX線CT装置においては、上記被検体Pを載置した寝台(天板)が、被検体Pの体軸方向に相対的に移動可能に構成されている。このことにより、上記X線管球111及びX線検出器112は、上述した図1中矢印Aに示す回転動作が可能となっている他、図2(A)に示すように、当該回転を行いながら被検体Pの体軸方向に相対的に移動することが可能となっている。つまりこの場合、X線管球111及びX線検出器112のそれぞれは、実質的に被検体Pの体軸方向に、その周囲で螺旋軌跡を描きながら、移動していくことになる(ヘリカルスキャン)。ちなみに、この移動は、図2(A)に示す「ヘリカルスキャン距離X」分だけ行われることになるが、本実施形態においては特に、この距離Xを決定する手法に関し特徴がある(後述)。なお、図2(A)においては、被検体Pの紙面手前(こちら)側の軌跡を実線で、奥(向こう)側の軌跡を破線で、それぞれ示している。また、図2(A)に示す状況は、「ヘリカルスキャン」がどのようなものであるかの例を概念的に示すものであって、実際上の螺旋軌跡が同図に示すようになるわけではない(当該螺旋軌跡は、通常、図2(A)より細かなピッチとなる等)。
【0023】
図1に戻り、コンソール12は、前記寝台(天板)並びにX線管球111及びX線検出器112の回転及び移動等を制御する制御部121、装置使用者がこの制御部121にアクセスするための入力部127及び再構成された断層像(アキシャル像)等を表示する画像表示部12D等を備えている。このうち入力部127としては、具体的には例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を採用し得、また、画像表示部12Dとしては、例えばCRT等を採用し得る。
【0024】
装置使用者は、入力部127を介して制御部121に指令を発し、該制御部121はこれを受けて、前記X線検出器112が検知したX線情報に基づき、断層像等を再構成(する指令を後記再構成部125に発)し、これを画像表示部12Dに表示する。
【0025】
より詳しくは、断層像等は、制御部121の監督・指令の下、図3に概念的に示すようなデータの流れ、ないしは処理が各部122乃至126等を通じて行われることにより再構成され、画像表示部12Dにおいて表示されることになる。図3においてまず、データ収集部122は、前記X線検出器112より上記電気信号を受け取る。このデータ収集部122では、そのX線情報たる電気信号がA/D変換器によりデジタル信号に変換される。
【0026】
前処理部123は、上記データ収集部122から送出されたデジタル信号に対し、感度補正やX線強度補正その他の適当なキャリブレーション処理を実施してこれを「投影データ」とする。
【0027】
メモリ124は、上記投影データを記憶する。再構成部125は上記メモリ124より投影データを受け取り、この投影データに基づき、例えばフェルドカンプ(Feldkamp)法と呼ばれる方法に代表される三次元画像再構成アルゴリズムによって、被検体Pの体軸方向に広い対象領域のX線吸収係数について再構成を行う。この結果は、三次元的分布データセット(以下、「ボクセルデータセット」という。)となる。なお、上記では、投影データがメモリ124に一旦記憶されるとしたが、場合によっては、該メモリ124を介さずに、投影データを前処理部123から再構成部125に直接に送るようにしてもよい。
【0028】
そして、上記ボクセルデータセットは、直接又は記憶装置12Mに一旦記憶された後、データ処理部126に送られる。このデータ処理部126では、当該ボクセルデータセットに基づき、任意断面の断層像、任意方向からの透過像又は三次元画像等が再構成される。最後に、画像表示部12Dにおいて、該再構成処理された各像等が表示される。なお、上記いずれの像を表示させるかは、入力部127による装置使用者の指示に基づく。また、図1又は図3に示す記憶装置12Dは、このように再構成された断層像に関するデータ(画像データ)や、上記投影データ、また、上記ボクセルデータセット等を、場合に応じて記憶する。その具体的構成としては、例えば周知のハードディスク等を採用すればよい。
【0029】
なお、図1等に示すX線CT装置1の構成は単なる例示に過ぎない。すなわち、図1においては、再構成部125等が、コンソール12として架台11とは別体に構成されていたが、該再構成部125等を架台11内に設置するような構成としてよい。また、データ収集部122を架台11に、前処理部123以降をコンソール12に各々設け、前者から後者に対する電気信号の送信は、図示しない非接触データ伝送手段を利用するような形態としてもよい。要するに、本発明は、このような構成について特に限定されるものではない。
【0030】
以下では、上記構成例となる本実施形態のX線CT装置1についての作用効果に関する説明を、図4に示すフローチャートに沿って行う。なお、本発明は、FOVに応じて、上記したヘリカルスキャン範囲を設定するということに関して特徴があるものであるから、以下では、この点について説明することとする。
【0031】
まず、図4ステップS1にあるように、これより撮影しようとする被検体Pに関するFOVを、入力部127を通じて入力する。このFOVは、図2に示すように被検体Pの体厚(同図(A))又は、体幅(同図(B))によって決めることとなるが、通常「体厚<体幅」の関係となるため、図2(B)のようなスキャノ像を得て、その体幅によって決めることとなる。このことから、異なる被検体間(例えば、大人と子ども)では、同一部位(例えば、胸部)であるとしも、FOVの値は異なることとなり、また、同一の被検体Pであっても、部位の相違(例えば、腹部と頭部)に応じて、FOVの値は異なることとなる。
【0032】
なお、図4ステップS1においては、FOV値の入力の他、場合に応じて、X線照射条件、等、その他種々の条件についての入力・設定等を行う。
【0033】
制御部121は、上記FOV値の入力を受けると、図4ステップS2にあるように、ヘリカルスキャン距離Xの具体的な値を決定する。これは、例えば図5に示すようになり、ヘリカルスキャン距離は、図5(a)及び(b)に示すように、被検体P1及びP2というようにそのFOV値がそれぞれ“S”及び“L(>S)”と相違するのに応じて、“X(P1)”及び“X(P2)(>X(P1))”とされる。
【0034】
これは、既に述べたように、マルチスライスX線CT装置において、ヘリカルスキャンを行い、かつフェルドカンプ再構成法を用いて断層像等を生成する場合には、図5(a)及び(b)(また、従来の技術の項で参照した図8及び図9)に示すように、その再構成可能な範囲Vの概形が、円柱の両端にそれぞれ円錐を取り付けたような形となることによるものである。すなわち、上述したように、移動距離X、円柱長さX1及び範囲全体の長さX2には、上記(1)式の関係が満たされるから、この場合においては、必要とするFOVに応じてX2−Xあるいは、X1−Xの分だけ広い領域につき再構成が可能となり、必要となるヘリカルスキャン距離Xも異なる、と考えることができるからである(一般的には、FOVが大きくなるに従い、ヘリカルスキャン距離も大きくなる)。
【0035】
本実施形態では、上述したように、FOV=S又はL(>S)となるのに応じて、ヘリカルスキャン距離X(P1)又はX(P2)(>X(P1))とすることにより、被検体P1又はP2の(画像化したい部位における)全範囲を、過不足分なく、当該範囲V内に収めることを可能とする。
【0036】
ちなみに、図5(a)及び(b)においては、当該範囲Vの具体的な大きさは、V(P1)及びV(P2)として示されている。この図示からもわかるように、ヘリカルスキャン距離Xを具体的に決定する手法としては、X線ビームの広がり角θ(上記コリメータの開度を変更することにより調整可能である。)と、入力されたFOV値から求めることのできる角部P1E又はP2Eの位置(座標)に関する情報を利用すればよい。すなわち、当該広がり角θにより定義されるX線ビームの稜線に、(図中左右両方に関する)当該角部P1E又はP2Eが載る、ということを条件として、X線管球111(又は寝台)が移動すべき距離を定めれば、これが過不足分のないヘリカルスキャン距離X(P1)及びX(P2)となる。
【0037】
後は、寝台等をを上記決定されたヘリカルスキャン距離X(P1)又はX(P2)分だけ移動させ、かつ、X線管球111及びX線検出器112を被検体P周囲で回転させながら、実際の撮影を開始すればよい(図4ステップS3)。
【0038】
このように、本実施形態におけるX線CT装置では、従来のように、ヘリカルスキャン距離Xが固定されているために、FOVの小さな被検体に対して、余分な被曝を強いるようなことがない(例えば、図5で言えば、FOV=Sであるような被検体P1について、それよりも大きなFOV=Lに対して固定されたヘリカルスキャン距離X(P2)を適用する等というような場合がない)。
【0039】
なお、上記実施形態においては、寝台等が移動することにより、ヘリカルスキャンが実現されるような記載となっていたが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、X線管と検出器を対向配置して回転させながら架台の方が移動するような構成であっても、当然にヘリカルスキャンを実現することはできる。結局、本発明においては、ヘリカルスキャン距離Xの「移動」を達成するため、具体的にいずれの構成(架台11又は天板等)が移動可能に構成されていてもよく、要すれば、被検体Pに対するX線管球111及びX線検出器112の「相対的移動」が可能であればよい。
【0040】
また、上記でも少し触れたが、上記実施形態において決定されるヘリカルスキャン距離Xは、X線ビームの広がり角θの大きさがどのようであるかに応じて、適宜変わり得る。このことを逆にいえば、ヘリカルスキャン距離Xがたとえ一定値として準備されている場合であっても、場合により、当該X線ビームの広がり角θを変更すること、すなわち上記コリメータの開度を調整することにより、上記と同様な作用効果(小さい又は大きい被検体に応じた過不足分ない範囲Vの設定等)を達成し得る場合がある。
【0041】
さらに、本発明をより広く捉えれば、ヘリカルスキャン距離Xが一定値として準備されている場合であっても、X線曝射開始時間及び終了時間を制御することにより、上記と同様な作用効果が達成されることがわかる。すなわち、例えば図6に示すように、ヘリカルスキャン距離が、どのような(FOVとなる)被検体であっても対応可能なように、最大値“Xmax”として一義に定められている場合(すなわち、再構成可能な範囲が“Vmax”として一義に定められている場合)において、その範囲Vmaxでは大きすぎる被検体P3を撮影するときには、移動開始直後から角部P3EがX線ビーム稜線に載るところまでは、X線を曝射せず、そのような条件が満たされたとき初めて、X線ビームを発生させるような構成ないし作用とすることが可能である(終了時(図中右の角部P3E)についても同様に考えればよい。)。
【0042】
本発明は、これらのような形態もその範囲内に含めるものである。なお、これらの場合においては、本発明にいう「距離を決定する」という字義から若干外れる感じを与えることを懸念するが、しかしながら、図6に示すようにX線曝射開始時間及び終了時間の間だけ被検体P3に対しX線が曝射されるというような形態にあっては、いわば「実質的な」ヘリカルスキャン距離X(P3)が決定される、といって相違なく、このように解すれば、上記のような場合も、本発明にいう「距離を決定する」という観念ないし技術的思想から何ら外れるものではない。
【0043】
またさらに、上記では入力部127を通じて入力されたFOV値に基づき、スキャン距離が決定されていたが、場合によっては、FOV値を自動的に検知するような構成とすることも可能であろう。
【0044】
前記第1の実施の形態では、ヘリカルスキャン方式を用いたマルチスライスX線CT装置について述べたが、次に第2の実施の形態としてのコンベンショナルスキャン方式を用いたマルチスライスX線CT装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0045】
このコンベンショナルスキャン方式というのは、前述した如く、図7に示すようにX線管111に対向させてX線検出器を体軸方向に多数列(例えば600列)のX線検出器DETを配置し、X線管111から広角のコーンビーム(コーン角、ファン角共に広角となる)を放射した状態で被検体Pの周りを回転させることによりマルチスライスデータを収集するものである。このときのコーンビームBMIによって覆われる被検体Pの撮影領域をスキャン範囲と称する。このとき、被検体Pの撮影領域が厚みが厚い(又は直径が大きい)範囲P1の場合(例えば大人の場合)と、小さい範囲PSの場合(例えば小供)とでは、同じスキャン範囲であれば、小範囲PSのときには無用な被曝を強いることとなる。
【0046】
そこで本発明は、X線管の下方近傍に配置されたコリメータCM(X線ビーム絞り)を矢印の如く移動(間隔を狭めて)コーンビーム幅をBM2の如く狭めるようにしたものである(いわゆるスキャン範囲の制御)。この制御も前記第1の実施の形態で説明したように、コンソールの入力手段を用いて、撮影領域の直径(FOV)の大きさを設定して、前記コリメータの開度量を制御するという手法を用いている。この場合にも第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の実施形態が適用可能であることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のX線CT装置によれば、FOVの相違に応じてヘリカルスキャン距離が決定されることから、例えば子どもに対して無用な被曝を強いることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す概要図である。
【図2】 ヘリカルスキャンの概要と、FOVの設定例を示す図であり、(A)は体厚方向、(B)は体幅方向を示す図である。
【図3】 図1に示すX線CT装置におけるデータの流れを概念的に示す説明図である。
【図4】 FOVの相違に応じたヘリカルスキャン距離自動決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 決定されたヘリカルスキャン距離の決定例を示す図であって、(a)はFOVが小さい場合(FOV=S)、(b)はFOVが大きい場合(FOV=L)、をそれぞれ示す図である。
【図6】 本発明の別の実施形態に係り、X線曝射開始時間及び終了時間を制御する例を説明する説明図である。
【図7】 コンベンショナルスキャンに本発明を適用した場合の概略説明図である。
【図8】 マルチスライスX線CT装置で、ヘリカルスキャンを行い、かつフェルドカンプ再構成法を行う場合に、再構成可能な範囲を示す概要図である。
【図9】 従来例における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
P 被検体
1 X線CT装置
11 架台
111 X線管球
112 X線検出器
12 コンソール
121 制御部
122 データ収集部
123 前処理部
124 メモリ
125 再構成部
126 データ処理部
127 入力部
12D 画像表示部
12M 記憶装置
X、X(P1)、X(P2)、X(P3) ヘリカルスキャン距離

Claims (4)

  1. 被検体の体軸方向に広がりをもつX線を発生するX線源と、被検体の体軸方向に沿ってN列(Nは2以上の整数)配列された被検体の透過X線を収集する多チャンネル型X線検出手段と、前記X線源とX線検出手段とを対向配置した状態で回転運動を行い、被検体の透過X線データを収集するためのヘリカルスキャンを行なうスキャン手段と、収集データから画像を再構成する再構成手段とを有し、
    前記被検体体軸方向と直交する方向の距離を示すFOVを受けてそのFOVで定まる体軸方向の関心撮影領域の両端の角部が、前記X線の広がり角で定まる稜線であって前記関心撮影領域に対して外側の稜線に載る範囲を前記体軸方向のスキャン範囲として制御する制御手段を設け、前記FOVが小さくなった場合は該FOVに応じて前記スキャン範囲を短くすることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記制御手段は、前記ヘリカルスキャン時の被検体載置用天板のトータルの移動量を前記スキャン範囲として制御することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記制御手段は、前記ヘリカルスキャンにおけるX線曝射開始の位置を前記関心撮影領域の体軸方向の一方の角部が前記関心撮影領域に対して外側の稜線に載る位置とし、X線曝射終了の位置を前記一方と反対側の角部が前記関心撮影領域に対して外側の稜線に載る位置として、制御することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  4. 前記制御手段は、前記X線の広がりを絞るためのコリメータの開度を前記スキャン範囲として制御することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
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