JP5337437B2 - X線ct装置及びx線ct装置のデータ収集方法 - Google Patents

X線ct装置及びx線ct装置のデータ収集方法 Download PDF

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本発明は、回転陽極X線管を使用したX線CT装置とデータ収集方法に関する。
従来、X線CT装置(コンピュータ断層撮影装置)は、X線管で発生させたX線を被検体に照射し、被検体を透過したX線をX線検出器で検出し、検出したデータをコンピュータ装置により再構成処理して断層像を得るようにしている。このようなX線CT装置に使用するX線管は、陰極と陽極間に直流高電圧を印加し、陰極をフィラメント電流で加熱して熱電子を放出させ、フィラメントから放出された熱電子を陽極のターゲット上に集束させることでX線を放射するようにしている。
ターゲットはタングステンが用いられ、フィラメントから放出された熱電子は集束電極で集束され、高電圧により加速されターゲットに衝突する。また陽極のターゲットは、熱電子ビームの衝突による局所的な過熱を防ぐために、回転陽極のX線管が一般に使用されている。回転陽極は、陰極に対向して傘状のターゲットを有し、このターゲットを回転可能に支持し、ターゲットの傾斜面(陰極との対向面)に熱電子を集束してターゲット上に焦点を形成するようにしている。
またX線管のターゲット上の焦点を移動させ、2つの焦点位置からX線を放射し共通のX線検出器で検出するフライング・フォーカス方式と呼ばれるX線CT装置もある。焦点を移動(振動)させることにより体軸方向の分解能を向上させることができる。
特許文献1には、ターゲット上のX線の焦点位置を移動させるために、複数の集束電極要素を設けたX線管が記載されている。
ところで、回転陽極のX線管では、ターゲットを回転することで熱電子が局所的に集束するのを避けることができるが、ターゲット上の焦点の軌跡が常に同じ位置を辿るため、ターゲットの一部の領域の温度が極端に上昇し過熱するという問題がある。この点、焦点を移動させるフライング・フォーカス方式では、周期的にターゲット上の焦点を振動させるため、ターゲット上の一部の領域が温度上昇するのをある程度軽減することができる。しかしながら焦点を移動させても、ターゲット上で焦点の軌跡が重なり合う部分が生じるため、ターゲットの特定の領域の温度が上昇するという問題点があった。
特開2004−95196号公報
従来のX線CT装置においては、ターゲットを回転させ、焦点を振動させても、ターゲット上の焦点の軌跡が特定領域で重なり合うため、熱電子がターゲットの特定の領域に局所的に集束し温度が上昇するという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑み、回転陽極のターゲットの温度上昇を低減することができるX線CT装置及びX線CT装置のデータ収集方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明のX線CT装置は、陰極のフィラメントから放出された熱電子を回転陽極のターゲットに衝突させてX線を発生するX線管と、前記X線管に対向配置し、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器を前記被検体の体軸回りに回転させる回転部と、前記ターゲットに対する前記熱電子の焦点位置を移動させる焦点移動装置と、前記ターゲットの回転角度に応じて前記熱電子の焦点を、前記ターゲットが1回転する間に第1,第2の位置間で複数回移動させ、かつ前記ターゲット上に形成される焦点の軌跡が前記ターゲットのn回転目とn+1回転目(nは正の整数)で重複しないように制御するとともに、前記回転部の回転に同期して前記ターゲットを回転させ、前記焦点位置を前記ターゲットの回転に同期して移動させる制御部と、前記熱電子の焦点が前記第1の位置及び第2の位置にあるときに前記X線検出器で検出したデータをそれぞれ収集して出力するデータ収集部と、を具備したことを特徴とする。
請求項記載の本発明のX線CT装置のデータ収集方法は、X線管のフィラメントから放出された熱電子を回転陽極のターゲットに衝突させてX線を発生させ、前記X線管に対向配置したX線検出器によって被検体を透過したX線を検出し、前記X線管と前記X線検出器を回転部によって前記被検体の体軸回りに回転させ、前記ターゲットの回転角度に応じて前記ターゲットに対する前記熱電子の焦点を、前記ターゲットが1回転する間に第1,第2の位置間で複数回移動させ、かつ前記ターゲット上に形成される焦点の軌跡が前記ターゲットのn回転目とn+1回転目(nは正の整数)で重複しないように制御し、前記回転部の回転に同期して前記ターゲットを回転させ、前記焦点位置を前記ターゲットの回転に同期して移動させ、前記熱電子の焦点が前記第1の位置及び第2の位置にあるときに前記X線検出器で検出したデータをそれぞれ収集することを特徴とする。
本発明によれば、ターゲットが回転した際に、n回転目とn+1回転目の焦点の軌跡が重なることがなく、ターゲット上の熱エネルギーが分散されるため温度上昇を抑えることができる。またX線の発生量を増加させたり、発生時間を長くすることができ、効率よくX線撮影を実施することができる。
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るX線CT装置の全体構成を示すブロック図である。図1において、100はX線CT装置である。X線CT装置100は、架台(ガントリ)11を有し、この架台11内には回転部12が設けられ、図示しない回転機構によって回転する。回転部12内には、X線管13と、X線検出器14が対向して配置されており、回転部12の中心部分は開口して、そこに寝台の天板15に載置された被検体Pが挿入される。
被検体Pを透過したX線はX線検出器14で電気信号に変換され、データ収集部16で増幅され、デジタルデータに変換される。このデジタルデータは、データ伝送装置17を介して投影データとして操作コンソール22(後述)に伝送される。X線検出器14は、多数のX線検出素子が被検体Pの体軸方向(スライス方向)及び体幅方向(チャンネル方向)にマトリクス状に配列されており、スライス方向に配列された検出器列毎に投影データを収集する。
また、架台11には架台制御部18、スリップリング19が設けられている。天板15は、寝台20に設けた寝台駆動装置によって架台11の開口部に進退可能であり、寝台駆動装置には寝台制御部21から駆動信号が供給される。寝台20には、天板15のスライス方向(被検体Pの体軸方向)の位置を電気的に検出する検出器を備えており、寝台20は寝台制御部21に対して寝台の位置情報を送る。
22は操作コンソールであり、コンピュータシステムを構成する。操作コンソール22は前処理部23を有し、データ伝送装置17からのデータが前処理部23に送られる。前処理部23では、信号強度の補正や信号欠落の補正等の処理を行い、投影データをバスライン221上に出力する。
バスライン221にはシステム制御部24が接続され、システム制御部24には、操作部25が接続されている。またバスライン221には、データ記憶部26、再構成処理部27、画像データ処理部28、表示部29が接続されている。
システム制御部24はホストコントローラとして機能し、操作コンソール22の各部の動作や、架台制御部18、寝台制御部21、及びX線制御/高電圧発生部30を制御する。データ記憶部26は断層画像等のデータを記憶するものであり、再構成処理部27はボリュームデータから関心領域或いは関心臓器を抽出し、3D画像データ等を再構成する。画像データ処理部28はデータ記憶部26に保存されたデータ、または再構成したあとの画像データを処理する。表示部29は画像データ処理によって得られた画像等を表示する。
操作部25はキーボード、マウス等を有し、ユーザによって操作され、データ処理する上で各種の設定を行う。また、患者の状態や検査方法等の各種情報を入力する。
X線制御/高電圧発生部30は、スリップリング19を介してX線管13に電力を供給し、X線の曝射に必要な電力(管電圧、管電流)を与える。またX線管13の回転陽極の回転制御、及びターゲット上の熱電子の焦点の位置を制御する。X線管13は、被検体Pの体軸方向に平行なスライス方向と、それに直交するチャンネル方向の2方向に広がるビームX線を発生する。
次に、X線管13の構成について図2を参照して説明する。図2(a)に示すように、X線管13は管内を真空に保つガラスバルブ31と、ガラスバルブ内に設けられた回転陽極32と、回転陽極32に対向して配置した陰極34を有する。回転陽極32は、熱電子が衝突することでX線を発生する傘状のターゲット33を含み、陰極34は、熱電子を発生するフィラメント35を含む。また陰極34は、フィラメント35から発生した熱電子をターゲット33上に集束させる集束電極36を含み、フィラメント35及び集束電極36は、陰極スリーブ37に支持されている。
また回転陽極32は、シャフト38を有し、シャフト38にはロータ39が取り付けられている。シャフト38は回転陽極32を支えるベアリング(図示せず)を含む。ロータ39は、ガラスバルブ31の外側に配置されたステータコイル40とともに電動機を構成し、回転陽極32は、ステータコイル40からの回転磁界等によって高速で回転する。
集束電極36は、図2(b)に示すように、分割型の集束電極であって、電極要素361〜364を含む。電極要素361〜364は相互に絶縁されており、端子G1〜G4を介して電極要素361〜364に印加する電圧を制御可能にしている。電極要素361〜364に印加する電圧を個別に設定することで集束電極36が形成する電界分布を調整し、フィラメント35からの熱電子を偏向することができ、ターゲット33上に集束させる熱電子の焦点位置及び焦点サイズを変更することができる。したがって、集束電極36は焦点移動装置を構成する。このような分割型の集束電極36は、特許文献1に記載された構成と同様のものを使用することができる。
また、ターゲット33の傘状部分の傾斜角度は、ターゲット33から放出されるX線がX線検出器14の各検出器列に一斉に入射するような角度に設定されている。X線管13からは大量の熱が発生するため、その周囲をアルミ製等のハウジング41で覆い、この中に冷却油を循環させて強制冷却するようにしている。
このようなX線管13において、フィラメント35で発生した熱電子は、高電圧によって加速され、電子線として集束電極36によって集束され、ターゲット33上に衝突する。これにより、ターゲット33の焦点42においてX線が発生する。一般に熱電子が衝突してX線に変換する際に、エネルギーの大半は熱に変換され、ターゲット33の焦点において高熱が発生するため、回転陽極32をシャフト38の回りに回転させることにより、ターゲット33が局所的に過熱するのを防止している。
また、集束電極36の電極要素361〜364のそれぞれに印加する電圧分布を制御することで集束電極36が形成する電界分布を調整し、ターゲット33上の焦点42の位置を傾斜面の外周側及び内周側に交互に移動させることができる。これにより、2つの焦点位置からX線を放射し共通のX線検出器で検出するフライング・フォーカス方式によるX線撮影を行うことができる。
図3は、X線管13での焦点位置の変更動作を説明する側面図である。図3(a),(b)に示すように、フィラメント35からの熱電子は、集束電極36によって集束され、ターゲット33の傾斜面に衝突する。このとき集束電極36によって熱電子は、図3(a)の矢印A方向、又は図3(b)の矢印B方向に偏向され、ターゲット33の外周方向及び内周方向に焦点を移動することができる。
そして焦点位置を交互に切り替えることにより、2つの焦点位置から放射されたX線は、X線検出器14のスライス方向における各検出器列に照射され、X線検出器14で検出したデータは体軸方向(スライス方向)のサンプリングピッチを増加させることができ、分解能を向上させることができる。
次に本発明におけるターゲット33の回転と、ターゲット33上での焦点の移動制御について、図4を参照して説明する。ターゲット33が1回転する間にフィラメント35からの熱電子の焦点位置は、図3で説明したように第1の位置(外周側)と第2の位置(内周側)に交互に切り替えられる。図4ではターゲット33の一周を9分割設定し、それぞれ40度の角度毎に焦点位置を外周から内周に、また内周から外周に交互に切り替えるようにしたものである。
したがって、図4で示すように、ターゲット33が1回転することで、焦点の軌跡は実線(数字1〜9)で示すように、外周、内周、外周…外周に移動し、2回転目になると点線(数字10〜18)で示すように、内周、外周、内周…内周に移動する。そして3回転目には再び実線(数字1〜9)で示す軌跡を辿り、4回転目には再び点線(数字10〜18)で示す軌跡を辿る。
この結果、ターゲット33の1回転目は勿論、2回転目においても焦点の軌跡が重なることがないため、ターゲット33の特定の位置のみに熱電子が当たるのを避けることができる。3回転目には再び1回転目と同じ軌跡を辿ることになるが、1回転目の終了から3回転目の開始までの間には時間があるため、熱電子によるターゲット33の加熱機会を減らすことができる。
図5は別の実施例を示すもので、ターゲット33の一周を10分割設定し、それぞれ36度の角度毎に焦点位置を外周から内周に、また内周から外周に交互に切り替えるようにしたものである。この場合、図5で示すように、ターゲット33が1回転する間に、焦点の位置は実線(数字1〜10)のように外側、内周、外周…内週に移動するが、1回転目の最後と2回転目の最初(数字10,11)は、同じ内周部に焦点が位置するようにしている。
2回転目になると点線(数字11〜20)で示すように、内周、外周、内周、…外周に移動する。そして2回転目の最後と3回転目の最初(数字20,1)は、同じ外周部に焦点が位置するようにしている。3回転目に焦点は再び実線(数字1〜10)で示す軌跡を辿り、4回転目に焦点は再び点線(数字11〜20)で示す軌跡を辿る。
この結果、ターゲット33の1回転目は勿論、2回転目においても焦点軌跡が重なることがないため、ターゲット33の特定の位置のみに熱電子が当たるのを避けることができる。3回転目には再び1回転目と同じ軌跡を辿ることになるが、この場合も1回転目の終了から3回転目の開始までの間には時間があるため、熱電子によるターゲット33の加熱機会を減らすことができる。
図6は、ターゲット33の回転とデータ収集のタイミングを示したものである。図6(a)は、架台11の回転部12の回転周期を表し、T1は回転部12の1回転目、T2は回転部12の2回転目を示している。
図6(b)は、図4に対応し、ターゲット33が回転する間のデータ収集のタイミングを示した図である。図6(b)において、T1,T2はそれぞれターゲット33の1回転目(n回転目:nは正の整数)、2回転目(n+1回転目)を示し、A,Bはターゲット33の熱電子の焦点位置を示している。Aはターゲット33の傾斜面の外周部に焦点が移動した状態を示し、Bは内周部に焦点が移動した状態を示している。
ターゲット33が1回転目(T1)のとき、データ収集部16は、焦点がAの位置(数字1,3,5…)にあるときと、Bの位置(数字2,4,6…)にあるときにX線検出器14で検出したデータをそれぞれ収集する。またターゲット33が2回転目(T2)になると、焦点がAの位置(数字11,13,15…)にあるときと、Bの位置(数字10,12,14…)にあるときのデータをそれぞれ収集する。つまり、焦点位置に合わせてそれぞれデータ収集を行う。
図6(c)は、図5に対応し、ターゲット33が回転する間のデータ収集のタイミングを示した図である。図6(c)において、T1,T2はそれぞれターゲット33の1回転目、2回転目を示し、A,Bはターゲット33の熱電子の焦点位置を示している。Aはターゲット33の傾斜面の外周部に焦点が移動した状態、Bは内周部に焦点が移動した状態を示している。
ターゲット33が1回転目(T1)のとき、データ収集部16は、焦点がAの位置(数字1,3,5…9)にあるときと、Bの位置(数字2,4,6…10)にあるときにX線検出器14で検出したデータをそれぞれ収集する。またターゲット33が2回転目(T2)になると、焦点がAの位置(数字12,14,16…20)にあるときと、Bの位置(数字11,13,15…19)にあるときのデータをそれぞれ収集する。
こうして、図6(b)ではターゲット33の1周を奇数分割し、ターゲット33が所定の角度回転する毎に焦点を移動することで、1回転目と2回転目の焦点の軌跡が重ならないようにすることができる。また、図6(C)のようにターゲット33の1周を偶数分割した場合は、ターゲット33が所定の角度回転する毎に焦点を移動し、1回転目の最後と2回転目の最初では同じ焦点位置になるようにしている。これにより、1回転目と2回転目の焦点の軌跡が重ならないようにすることができる。つまり、ターゲット33のn回転目とn+1回転目の焦点の軌跡が重複するのを避けることができる。
尚、ターゲット33上で焦点を移動させる場合は、焦点の軌跡が重ならないように焦点のサイズと焦点の移動距離(振幅)を調整する必要がある。図7は、焦点サイズと焦点移動の振幅を説明する図である。図7おいて、Cはターゲット33がn回転目の焦点の軌跡を示し、Dはターゲット33がn+1回転目の焦点の軌跡を示している。また実線の丸42は軌跡C上の焦点を示し、点線の丸42’は軌跡D上の焦点を示している。
このときC,D間の振幅が小さいと軌跡C,D上の焦点42と42’の一部が重なり合い、重なった部分が過熱するため望ましくない。また焦点42,42’のサイズが大き過ぎる場合も焦点42と42’の一部が重なり合い、重なった部分が過熱するため望ましくない。したがって、焦点のサイズと焦点の移動距離(振幅)を適宜に設定する必要がある。焦点のサイズと焦点の移動距離は、集束電極36の各電極要素361〜364に印加する電圧を制御することで設定する。
またX線CT装置においては、架台11の回転部12が1回転する毎に所定のスライス厚のデータを収集するため、3次元的に連続性のあるデータを収集するには、回転部12の回転とターゲット33の回転、及びデータ収集部16でのデータ収集を同期化させる必要がある。
図8は同期化のための制御部50を示すブロック図である。図8において、24はシステム制御部であり、同期制御部51を含む。制御部50はさらに陽極回転制御部52、位置検出部53、電極制御部54、及びスイッチ55を有している。尚、11は架台、18は架台制御部、16はデータ収集部である。
同期制御部51は、架台制御部18を制御して架台11の回転部12を回転するとともに、陽極回転制御部52を制御して回転部12の回転に同期して回転陽極32を回転する。位置検出部53は、ターゲット33上の焦点の位置、即ちターゲット33の1周を複数に分割設定したとき、ターゲット33のどの位置に陰極34が対向しているかを検出し、焦点の位置情報を同期制御部51に送る。
電極制御部54は、集束電極36のそれぞれの電極要素361〜362に印加する電圧を制御して、フィラメント35からの熱電子ビームを偏向し、ターゲット33の回転に応じて焦点位置を移動させる。このため同期制御部51は、位置検出部53からの位置情報を基に電極制御部54を制御し、集束電極36を制御する。
また同期制御部51は、位置検出部53からの位置情報を基にスイッチ55を制御し、X線検出器14で検出したデータのうち、焦点位置AでX線を照射したときの検出データと、焦点位置BでX線を照射したときの検出データをそれぞれデータ収集部16に送る。
こうして同期制御部51は、架台制御部18、陽極回転制御部52、電極制御部53及びスイッチ55を回転部12の回転に合わせて制御し、図6で示したように、回転部12が1回転する間(期間t0〜t1)に、ターゲット33を整数倍回転させる。ターゲット33の回転数が低いとX線検出器14で検出したデータの分解能が低下するため、ある程度高い周波数、例えば120Hz〜180Hzでターゲット33を回転させると良い。
ターゲット33の回転に合わせて電極制御部54は、焦点の位置を外周から内周又は内周から外周(AからB又はBからA)に交互に移動(振動)させる。焦点の振動周波数は、ターゲット33の1周の分割数とターゲット33の回転数によって決まる。
またX線検出器14でのデータ収集は、焦点の移動タイミングに合わせて切り替えられ、第1の焦点位置及び第2の焦点位置でX線を照射したときのデータがそれぞれスイッチ55を介して収集される。したがってデータ収集のタイミングも、回転部12の回転に合わせて同期制御される。
回転部12が1回転して初期位置に戻ると、図6で示したようにターゲット33及び焦点位置は、初期状態(タイミングt0)と同じ状態になり、回転部12は2回転目に入り、以降同様の動作を繰り返す。尚、ターゲット33の回転速度を高めるほどデータ収集のサンプリングピッチを増加することができる。
このように、本発明の実施形態ではフライング・フォーカス方式のX線CT装置に適しており、2つの焦点位置から照射したX線を共通のX線検出器で検出することができる。しかもターゲット33が回転し焦点を移動させても、ターゲット上での焦点の軌跡がn回転目とn+1回転目で重複しないため、ターゲットの熱エネルギーを分散することができ、温度上昇を抑えることができる。また温度上昇を抑えることで、従来よりもX線の発生量を増やしたり、発生時間を長くすることができるため、効率よくX線撮影を実施することができる。
尚、図4,図5では、ターゲット33の一周を9分割或いは10分割設定して40度或いは36度回転する毎に焦点を移動させたが、6分割、8分割、12分割して、60度、45度、30度回転する毎に焦点を移動させるようにしてもよい。また以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態に係るX線CT装置の全体構成図。 本発明のX線CT装置に使用するX線管の一例を示す断面図、及び集束電極(焦点移動装置)の正面図。 X線管の焦点移動の動作を説明する側面図。 本発明の一実施例によるターゲット上の焦点の軌跡を説明する説明図。 他の実施例によるターゲット上の焦点の軌跡を説明する説明図。 本発明のデータ収集の動作を説明するタイミングチャート。 X線管の焦点移動の振幅と焦点サイズを説明する説明図。 本発明のX線CT装置の制御部を示すブロック図。
符号の説明
100…X線CT装置
11…架台
12…回転部
13…X線管
14…X線検出器
15…天板
16…データ収集部
17…データ伝送装置
18…架台制御部
19…スリップリング
20…寝台
21…寝台制御部
22…操作コンソール
24…システム制御部
30…X線制御/高電圧発生部
31…ガラスバルブ
32…回転陽極
33…ターゲット
34…陰極
35…フィラメント
36…集束電極(焦点移動装置)
37…陰極スリーブ
38…シャフト
39…ロータ
40…ステータコイル
50…制御部
51…同期制御部
52…陽極回転制御部
53…位置検出部
54…電極制御部
55…スイッチ

Claims (6)

  1. 陰極のフィラメントから放出された熱電子を回転陽極のターゲットに衝突させてX線を発生するX線管と、
    前記X線管に対向配置し、被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管と前記X線検出器を前記被検体の体軸回りに回転させる回転部と、前記ターゲットに対する前記熱電子の焦点位置を移動させる焦点移動装置と、
    前記ターゲットの回転角度に応じて前記熱電子の焦点を、前記ターゲットが1回転する間に第1,第2の位置間で複数回移動させ、かつ前記ターゲット上に形成される焦点の軌跡が前記ターゲットのn回転目とn+1回転目(nは正の整数)で重複しないように制御するとともに、前記回転部の回転に同期して前記ターゲットを回転させ、前記焦点位置を前記ターゲットの回転に同期して移動させる制御部と、
    前記熱電子の焦点が前記第1の位置及び第2の位置にあるときに前記X線検出器で検出したデータをそれぞれ収集して出力するデータ収集部と、を備え、
    を具備したことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記制御部は、前記ターゲットの1周を等間隔の角度毎に奇数に分割設定し、前記ターゲットが前記設定した角度回転する毎に前記熱電子の焦点を第1,第2の位置間で交互に移動させることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  3. 前記制御部は、前記ターゲットの1周を等間隔の角度毎に偶数に分割設定し、前記ターゲットが前記設定した角度回転する毎に前記熱電子の焦点を前記第1,第2の位置間で交互に移動させ、かつ前記ターゲットのn回転目の最後とn+1回転目の最初においては、前記焦点位置が同じになるように制御することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  4. X線管のフィラメントから放出された熱電子を回転陽極のターゲットに衝突させてX線を発生させ
    記X線管に対向配置したX線検出器によって被検体を透過したX線を検出し、
    前記X線管と前記X線検出器を回転部によって前記被検体の体軸回りに回転させ、
    前記ターゲットの回転角度に応じて前記ターゲットに対する前記熱電子の焦点を、前記ターゲットが1回転する間に第1,第2の位置間で複数回移動させ、かつ前記ターゲット上に形成される焦点の軌跡が前記ターゲットのn回転目とn+1回転目(nは正の整数)で重複しないように制御し、
    前記回転部の回転に同期して前記ターゲットを回転させ、前記焦点位置を前記ターゲットの回転に同期して移動させ
    前記熱電子の焦点が前記第1の位置及び第2の位置にあるときに前記X線検出器で検出したデータをそれぞれ収集することを特徴とするX線CT装置のデータ収集方法。
  5. 前記ターゲットの1周を等間隔の角度毎に奇数に分割設定し、前記ターゲットが前記設定した角度回転する毎に前記熱電子の焦点を第1,第2の位置間で交互に移動させることを特徴とする請求項記載のX線CT装置データの収集方法。
  6. 前記ターゲットの1周を等間隔の角度毎に偶数に分割設定し、前記ターゲットが前記設定した角度回転する毎に前記熱電子の焦点を前記第1,第2の位置間で交互に移動させ、かつ前記ターゲットのn回転目の最後とn+1回転目の最初においては、前記焦点位置が同じになるように制御することを特徴とする請求項記載のX線CT装置のデータ収集方法。
JP2008234751A 2008-09-12 2008-09-12 X線ct装置及びx線ct装置のデータ収集方法 Active JP5337437B2 (ja)

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