JP4208271B2 - グリッド制御回転陽極型x線管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、医用診断により有効な画像情報を提供するためのX線を発生するX線管装置ならびにこのX線管装置を用いたX線像撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線像撮像装置は、人体や物体の内部を調べるために有用であり、人体や物体に照射されたX線の透過濃度分布あるいはX線像を、電気的画像信号に変換し、例えばモニタ装置に、X線の透過濃度分布あるいはX線像をリアルタイムで表示するものである。
【0003】
X線像撮像装置は、X線を発生するX線発生器と、被撮像対象物すなわち人体を通過したX線発生器からのX線を検出するX線検出器と、X線検出器を介してX線から変換された画像信号をリアルタイムでモニタ可能とするモニタ装置と、を有している。
【0004】
X線発生器から放射されたX線は、人体を通過し、透過濃度分布またはX線像としてX線検出器に入射する。透過濃度分布またはX線像は、X線検出器により電気的画像信号に変換され、画像処理装置により所定の画像処理が施された後、モニタ装置に出力される。
【0005】
ところで、被検査対象すなわち検体としての人体に照射されるX線量は少ないほど人体への影響が少なく、また最適なタイミングでの撮影を可能とするため、カテーテル治療における患者への被爆を低減する方法として、X線源から放射されるX線のグリッド制御とX線像増強管により得られたX線像をCCDセンサにより電気信号に変換することにより、CCDセンサによる読み出し時間中は、X線照射を休止することを高速で繰り替えすパルス透視方法が実現されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高いコントラストの画像を得るためには、低エネルギーで吸収線量の多いX線を大量に照射する必要があり、患者の被爆線量が多くなる問題がある。
【0007】
また、患者の被爆線量を低減するために、エネルギーサブトラクションの技術を用い、CRスクリーンの間に挟んだ金属板の固有ろ過に基づいて、上下のCRスクリーンにエネルギー特性の異なる画像を写し、2つスクリーンのCRの像を取り出して画像処理する方法も実現されているが、エネルギーサブトラクション画像を、実時間で観ることはできない。
【0008】
この発明の目的は、より多くの画像情報を含んだX線画像を提供し、画像処理によるパルス透視画像の高画質化を可能なX線像撮像装置およびこの撮像装置に適したX線管装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、高真空中の容器に熱電子を放出するフィラメントと電子を集束する集束電極とこれに対向する陽極を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に衝突させ、制動輻射によりX線を発生させるものであって、前記フィラメントと前記集束電極との間にバイアス電圧を印加することにより、電界強度の変化でフィラメントからの熱電子放出を制御可能であるグリッド制御回転陽極型X線管において、熱電子放出用のフィラメントを回転陽極の径方向にずらして2以上配置し、前記回転陽極に、前記フィラメントのそれぞれに対応して形成された2以上の同心円上の円弧または互いに重なることのない複数の曲線状に形成され、少なくとも内側に位置する軌道面については2以上に区切られている電子衝撃軌道面を設け、それぞれのフィラメントごとに加熱用電源およびバイアス電圧発生回路を独立に接続し、全てのフィラメントのバイアス電圧を、それぞれ独立に設定可能としたことを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管を提供するものである。
【0010】
またこの発明は、高真空中の容器に熱電子を放出するフィラメントと電子を集束する集束電極とこれに対向する陽極を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に衝突させ、制動輻射によりX線を発生させるものであって、前記フィラメントと前記集束電極との間にバイアス電圧を印加することにより、電界強度の変化でフィラメントからの熱電子放出を制御可能であって、陽極を回転可能としたグリッド制御回転陽極型X線管において、回転陽極の径方向にずらして配置されたパルス透視用の焦点寸法を提供可能なフィラメントと単純撮影用の焦点寸法を提供可能なフィラメントとを有し、前記回転陽極に、前記フィラメントのそれぞれに対応して形成された同心円上の円弧または互いに重なることのない複数の曲線状に形成され、少なくとも内側に位置する軌道面については2以上に区切られている電子衝撃軌道面を設け、それぞれのフィラメントが独立にグリッド制御可能に独立したバイアス電圧発生回路と接続された電子銃を有することを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管を提供するものである。
【0011】
さらにこの発明は、所定の半径および角度が与えられた第1の電子衝撃軌道面とこの第1の電子衝撃軌道面の半径、角度あるいは材質の少なくとも一つが変化された第2の電子衝撃軌道面を一体に有し、回転可能に形成された回転陽極と、この回転陽極に向けて熱電子を放出可能、かつ回転陽極の回転軸と平行な方向に、前記回転陽極のそれぞれの電子衝撃軌道面のそれぞれに対して独立に設けられ、熱電子を放出する複数のフィラメントを一体的に有する陰極と、前記陰極と前記回転陽極との間に設けられ、前記それぞれのフィラメントから放出された熱電子が前記回転陽極の前記それぞれのフィラメントに対応する電子衝撃軌道面に到達する量を変更する制御電極と、前記フィラメントのそれぞれを独立に加熱するための電源と、前記それぞれの制御電極に独立にバイアス電圧を供給するバイアス電圧回路と、を有し、前記回転陽極の前記第1および第2の電子衝撃軌道面の内の内周側に位置する電子軌道面と対応する前記陰極のフィラメントによりパルス透視のためのX線を発生し、前記のフィラメントの内の残りのフィラメントと対応する回転陽極電子軌道面により撮像用のX線を発生することを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、この発明のX線管装置が組み込まれるX線像撮像装置を示す概略図である。
【0013】
図1に示されるように、X線像撮像装置1は、X線を発生するX線発生器11と、被検査対象としての人体Oを通過したX線発生器11からのX線すなわちX線像を可視光像に変換するX線像増強管13と、X線像増強管13により可視光像に変換された出力像をモニタ可能するモニタ装置21、並びにモニタ装置21に対してX線像増強管13により可視光像に変換された出力像を表示させるために、X線像増強管13の出力像を撮像して電気的画像信号を出力する撮像装置31を有している。
【0014】
X線発生器11から放射されたX線は、人体Oを通過し、X線像としてX線像増強管13の入力窓15に入力される。入力窓15に入力されたX線像は、X線像増強管13により増強され、X線像増強管13の出力面17により可視光像に変換されて出力面17から出力される。
【0015】
X線像増強管13の出力面17の出力像は、撮像装置31のレンズ33によりカメラ35の撮像素子37の撮像面に投影される。撮像素子37の撮像面に投影された可視光像は、撮像素子37により画像信号に変換され、画像処理装置39により所定の画像処理が施されて、モニタ装置21に表示される。
【0016】
図2は、図1に示したX線像撮像装置1に組み込まれるX線発生管を説明する概略図である。
図2に示されるように、X線発生器41は、熱電子を発生する陰極電子銃42、陰極電子銃42から発生された熱電子を加速して被撮像対象である人体に向けて連続的に放射する陽極ターゲットすなわち回転陽極43、回転陽極43を回転可能に保持するとともに回転陽極43を所定の速度で回転させるためのモータ機構の一部を構成するロータ44、ロータ44に所定方向の駆動力を与えるステータ45、及びステータ45を除く要素を真空中に維持する真空外囲器46等により構成されている。
【0017】
回転陽極43には、撮影用電子衝撃軌道面47と、パルス透視用電子衝撃軌道面48,49が設けられ、図2に示されるような位置関係で陰極電子銃42から発生された熱電子を真空外囲器46の外部に向けて放射可能に配置されている。なお、パルス透視用電子衝撃軌道面48,49は、それぞれ、例えばW(タングステン),Mo(モリブデン)あるいはRh(ロジウム)等により形成される。
【0018】
陰極電子銃42は、図3に詳述するよう、第1および第2のフィラメント51a,51bおよび第3のフィラメント52を有し、第1および第2のフィラメント51a,51bは、回転陽極43のパルス透視用電子衝撃軌道面48、49と組み合わせて、パルス透視時に利用される。なお、第1および第2のフィラメント51a,51bは、図3に示されるように、同一箇所に焦点を結ぶように設計されている。また、陰極電子銃42とフィラメント51a,51bとを電気的に絶縁し、相互間に所定のバイアス電圧を印加することで、回転陽極43に入射される電子が制御される。
【0019】
回転陽極43の撮影用電子衝撃軌道面47は、第3のフィラメント52と組み合わせてX線撮影に利用される。また、回転陽極43のパルス透視用電子衝撃軌道面48,49は、それぞれ異なる角度に形成され、第1および第2のフィラメントが焦点を結ぶことで、異なる実効焦点長さを提供する。なお、2つのパルス透視用電子衝撃軌道面48,49は、必要により材質が変更されてもよい。すなわち上述したW,MoあるいはRhが、任意の組み合わせにより用いられてもよい。
【0020】
図4は、図1に示したX線像撮像装置1の制御系を概略的に示すブロック図である。
図4に示されるように、X線発生器11の陰極電子銃42の第1および第2のフィラメント51a,51bは、加熱用電源60に接続されている。
【0021】
グリッド電極を兼ねる陰極電子銃42には、パルス発生回路61に接続されたバイアス電源回路62に接続されている。なお、バイアス電源回路62はグリッドバイアス電圧を、1ミリ秒以下の時間内で、0Vないし数千Vまで任意に変化可能に形成されている。また、バイアス電源回路62は、それぞれのフィラメント毎に独立に設置されていることから、万一、一方のフィラメントが断線しても、制御装置側でこれを検知してその系統を切り離せば、残ったフィラメントは継続使用可能となり、フェイルセーフ性を提供できる。
【0022】
パルス発生回路61には、基本クロック発生回路63と分周回路64により所定の周波数に低減された透視用パルスP1,P2が供給される。なお、通常、透視用パルスP1,P2は、同一間隔すなわち同一周波数に設定され、それぞれが発生されるタイミングが1/2パルス分ずらされている。すなわち、図5(a)および図5(b)を用いて以下に説明するよう、一方のパルスがオンのとき他方のパルスがオフとなり、実質的に第1および第2のフィラメント51a,51bのそれぞれを交互に駆動するよう、設定されている。また、バイアス電源回路62は、パルスP1,P2が供給されるごとに所定期間、印加されるバイアス電圧出力を低下させることで、対応するフィラメントからの透視用X線のための熱電子を、回転陽極43のパルス透視用電子衝撃軌道面48、49に到達可能とする。これにより、X線発生器41の外部に、透視用X線が放射される。
【0023】
透視用X線が放射されると、撮像装置31のカメラ35により撮像素子37に結像されたX線像がモニタ装置21に表示される。
再び図4を参照すれば、X線発生器11の陰極電子銃42の第3のフィラメント52は、モニタ装置21の近傍に設けられた図示しない撮影スイッチがオンされたことをトリガとしてバイアス電源回路65から印加されるバイアス電圧出力所定期間を低下されることで、第3のフィラメント52からの撮影用X線のための熱電子を回転陽極43の撮影用電子衝撃軌道面47に到達可能とし、撮影用電子衝撃軌道面47から外部に向けて放射されるX線によりX線像が撮影される。なお、バイアス電源回路65はグリッドバイアス電圧を、1ミリ秒以下の時間内で、0Vないし数千Vまで任意に変化可能に形成されている。また、この撮影時には、撮像装置31による画像取り込みおよびモニタ装置21への画像の表示は停止される。
【0024】
以下、図1ないし図5に示したX線像撮像装置の動作の一例を説明する。
第1のフィラメント51aが透視用X線のための熱電子を出力するタイミングを、回転陽極43の角度の深い軌道面49の回転周期に、第2のフィラメント51bが透視用X線のための熱電子を出力するタイミングを角度が浅い軌道面48の回転周期に、それぞれに合わせ、図5に示したバイアス制御すなわちグリッド電圧制御を行えば、第1のフィラメント51aで大きな焦点、第2のフィラメント51bで小さな焦点を交互に結像させることができる。なお、同一焦点を作ることもできる。この場合、それぞれのフィラメント51a,51bからの熱電子は、電子集束電極の第1および第2の軌道面47,48に向けて加速され、陽極に衝突した時点で制動輻射によりX線を発生することは、周知の通りである。
【0025】
また、第1のフィラメント51aにより熱電子が発生される時と第2のフィラメント51bにより熱電子が発生される時の管電圧を変化させることが可能であれば、異なるエネルギーによる画像を交互に収集可能となる。
【0026】
いずれの場合も、画像取り込み系は、回転陽極43の1回転ごとに出力される同期信号に同期して画像を収集する。なお、パルス透視から撮影に移る場合は、第3のフィラメント52への電源の接続すなわちフィラメントの加熱の開始および電子集束電極の回転の起動に従いパルス透視用のX線の発生タイミングが変化してしまい、サブトラクション映像の収集が困難となるため、画像処理を停止するものとする。この場合、像影剤の陰影が見えれば問題ないので、第1および第2のフィラメント51a,51bとも、小焦点に切り換えることが望ましい。
【0027】
一方、撮影時には、第3のフィラメント52の加熱と、グリッドバイアス電圧の印加、および電子集束電極の回転を立ち上げにつづいて、所定のタイミングでグリッドバイアスを0にすることで、X潜像が撮影される。
【0028】
以上説明したように、医用X線管装置に利用する場合、小焦点による高周波成分の多い画像、大焦点による低周波成分の多い画像、さらにターゲット材質の違いにより、高エネルギー成分による画像、低エネルギー成分による画像を、所定の順で収集可能となり、これらの画像を高周波強調、低周波強調画像の足し算、引き算や、高エネルギー成分の多いX線と低エネルギー成分の多いX線による画像の足し算、引き算(エネルギーサブトラクション)により、邪魔になる骨、または臓器陰影の消去、ガン病巣部の種留陰影、微小石灰像の強調、血管内カテーテル治療の場合は、カテーテル陰影の強調等、より高度な画像処理を行える画像情報の収集が実時間で可能となる。
【0029】
また、造影剤を用いた血管撮影でパルス透視からフィルム撮影への切り替え時、単純撮影用焦点をグリッド制御することで、造影剤投入前に電子集束電極の陽極回転速度を低速回転から高速回転へ起動すると同時に、高電圧を維持したままで単純撮影用フィラメントの本加熱が可能で、フィラメントの加熱立ち上がり時間が短縮し、造影剤が流れる瞬間の撮影タイミングを逃すことがない。
【0030】
なお、上述したX線発生器においては、少なくとも2個以上設けられた熱電子放出用フィラメントの陽極に対する取り付け位置を互いに電子集束電極の径方向にずらし、個々のフィラメントに合わせて異なった電子衝撃軌道面を形成する、あるいは電子衝撃軌道面の角度を軌道面毎に変えることにより、任意のX線を得ることができる。また、特性X線の利用が有効な場合は、軌道面の材質を変えることも可能である。
【0031】
さらに、電子衝撃軌道面の一部、特に内側の軌道面については2分割、またはそれ以上に区切り、各分割位置ごとに角度、さらに必要であれば材質を変えることも可能である。
【0032】
またさらに、陽極の回転位置を光学的、または磁気的、電気的方法にて検出し、陽極の回転に同期して電子銃のグリッドバイアス電圧を制御し、電子集束電極の電子衝撃軌道面の場所により異なる角度を選ぶことで焦点の長さ方向寸法を変化させることも可能である。
【0033】
さらにまた、幅方向寸法について弱いグリッドバイアス電圧をかけることで制御し、同一のフィラメントで軌道面の角度とグリッドバイアス電圧を変化させることで2種類以上の焦点寸法を作り出すことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のX線管装置は、陽極の回転に同期した任意のグリッドバイアス電圧制御と、軌道面の角度、材質を2種類とすることで、線質と焦点寸法の異なるX線を高速で切り替えながら発生させることができる。
【0035】
これによるX線像を、X線像増強管とCCDカメラによりデジタル画像として取り込み、画像情報の高周波成分と低周波成分、エネルギーの高いX線による画像と、低いX線による画像とで、サブトラクション等の画像処理を行うことにより、邪魔になる骨、または臓器陰影の消去、ガン病巣部の種留陰影、微小石灰像の強調、血管内カテーテル治療の場合は、カテーテル陰影の強調等、より高度な画像処理を行える画像情報の収集が実時間で可能となり、より質の高い診断画像を得ることができる。
【0036】
また、造影剤を用いた血管撮影においては、パルス透視からフィルム撮影への切り替え時、単純撮影用焦点をグリッド制御することで、造影剤投入前に電子集束電極の陽極回転速度を低速回転から高速回転へ起動すると同時に、単純撮影用フィラメントの本加熱が可能で、フィラメントの加熱立ち上がり時間が短縮し、造影剤が流れる瞬間の撮影タイミングを逃すことを低減できる。
【0037】
さらに、パルス透視用のフィラメントは、従来タイプのX線管の電子銃によく見られる様に、V溝型の電子収束電極構造とすれば、同じ構造のフィラメントを2個備えることも可能で、どちらのフィラメントでも2種類の焦点寸法を構成できる。この場合、左右交互に使用することでフィラメント寿命の延長をはかったり、あるいは片方が断線しても、片方の焦点で使用を継続したりすることが可能となる。
【0038】
グリッドバイアス電源を独立して持っているため、片方のフィラメントが断線して電子収束電極と接触しても、システム側でこれを検知してその系統を切り離せば、残った焦点はグリッド制御が可能でありフェイルセーフ性を提供できる。
これにより、被撮像対象である人体の患部に、不所望なX線が照射される時間およびX線エネルギー量を低減でき、患者をX線被爆から保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態であるX線発生管が組み込まれるX線像撮影装置を示す概略図。
【図2】図1に示したX線像撮像装置に組み込まれるX線発生管を説明する概略図。
【図3】図2に示したX線発生管の電子集束電極と陰極電子銃の相対位置関係を示す概略図。
【図4】図1に示したX線像撮像装置の制御系を概略的に示すブロック図。
【図5】図2に示したX線発生管の各フィラメントの出力を電子集束電極に到達させるためのバイアス電圧の制御タイミングを示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 …X線像撮像装置、
11 …X線発生器、
13 …X線像増強管、
21 …モニタ装置、
31 …撮像装置、
42 …陰極電子銃、
43 …電子集束電極、
47 …撮影用電子衝撃軌道面、
48 …パルス透視用電子衝撃軌道面、
49 …パルス透視用電子衝撃軌道面、
51a…第1のフィラメント、
51b…第2のフィラメント、
52 …第3のフィラメント、
60 …加熱用電源、
61 …パルス発生回路、
62 …バイアス電源回路、
65 …バイアス電源回路。

Claims (4)

  1. 高真空中の容器に熱電子を放出するフィラメントと電子を集束する集束電極とこれに対向する陽極を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に衝突させ、制動輻射によりX線を発生させるものであって、前記フィラメントと前記集束電極との間にバイアス電圧を印加することにより、電界強度の変化でフィラメントからの熱電子放出を制御可能であるグリッド制御回転陽極型X線管において、
    熱電子放出用のフィラメントを回転陽極の径方向にずらして2以上配置し、前記回転陽極に、前記フィラメントのそれぞれに対応して形成された2以上の同心円上の円弧または互いに重なることのない複数の曲線状に形成され、少なくとも内側に位置する軌道面については2以上に区切られている電子衝撃軌道面を設け、それぞれのフィラメントごとに加熱用電源およびバイアス電圧発生回路を独立に接続し、全てのフィラメントのバイアス電圧を、それぞれ独立に設定可能としたことを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管。
  2. 前記フィラメントは、2以上の焦点寸法を提供可能であることを特徴とする請求項1記載のグリッド制御回転陽極型X線管。
  3. 高真空中の容器に熱電子を放出するフィラメントと電子を集束する集束電極とこれに対向する陽極を設け、熱電子を高電圧で加速して陽極に衝突させ、制動輻射によりX線を発生させるものであって、前記フィラメントと前記集束電極との間にバイアス電圧を印加することにより、電界強度の変化でフィラメントからの熱電子放出を制御可能であって、陽極を回転可能としたグリッド制御回転陽極型X線管において、
    回転陽極の径方向にずらして配置されたパルス透視用の焦点寸法を提供可能なフィラメントと単純撮影用の焦点寸法を提供可能なフィラメントとを有し、前記回転陽極に、前記フィラメントのそれぞれに対応して形成された同心円上の円弧または互いに重なることのない複数の曲線状に形成され、少なくとも内側に位置する軌道面については2以上に区切られている電子衝撃軌道面を設け、それぞれのフィラメントが独立にグリッド制御可能に独立したバイアス電圧発生回路と接続された電子銃を有することを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管。
  4. 所定の半径および角度が与えられた第1の電子衝撃軌道面とこの第1の電子衝撃軌道面の半径、角度あるいは材質の少なくとも一つが変化された第2の電子衝撃軌道面を一体に有し、回転可能に形成された回転陽極と、
    この回転陽極に向けて熱電子を放出可能、かつ回転陽極の回転軸と平行な方向に、前記回転陽極のそれぞれの電子衝撃軌道面のそれぞれに対して独立に設けられ、熱電子を放出する複数のフィラメントを一体的に有する陰極と、
    前記陰極と前記回転陽極との間に設けられ、前記それぞれのフィラメントから放出された熱電子が前記回転陽極の前記それぞれのフィラメントに対応する電子衝撃軌道面に到達する量を変更する制御電極と、
    前記フィラメントのそれぞれを独立に加熱するための電源と、
    前記それぞれの制御電極に独立にバイアス電圧を供給するバイアス電圧回路と、
    を有し、
    前記回転陽極の前記第1および第2の電子衝撃軌道面の内の内周側に位置する電子軌道面と対応する前記陰極のフィラメントによりパルス透視のためのX線を発生し、前記のフィラメントの内の残りのフィラメントと対応する回転陽極電子軌道面により撮像用のX線を発生することを特徴とするグリッド制御回転陽極型X線管。
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