JP2023006563A - X線診断装置、x線診断方法、およびプログラム - Google Patents

X線診断装置、x線診断方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】1台のX線CT装置で、CT画像の撮影と、高精度のX線投影透視画像の撮影の両方を実施すること。【解決手段】実施形態に係るX線診断装置は、撮影系と、撮影処理部と、超解像処理部とを備える。撮影系は、被検体にX線を照射することにより被検体を撮影する。撮影処理部は、被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および被検体のCT(Computed Tomography)画像を得るためのCT撮影モードのうち、いずれかの撮影モードで撮影系を制御し、被検体の撮影を実行する。超解像処理部は、撮影モードに応じた超解像処理を実行する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線診断装置、X線診断方法、およびプログラムに関する。
従来、医用画像診断装置によって被検体を撮影しながら、医師が当該患者に対する手技を施すインターベンション治療等の技術が知られている。このような手技中に被検体を撮影する医用画像診断装置として、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置およびX線アンギオグラフィ(Angiography)装置の両方が使用される場合がある。また、他の例としては、X線CT装置とX線アンギオグラフィ装置が組み合わされたアンギオCT装置が用いられる場合もある。
このような場合は、一般に、X線アンギオグラフィ装置が被検体のX線透視画像、X線CT装置が被検体の断面像をそれぞれ収集するが、X線CT装置1台でX線透視画像と断面像の両方を収集することのニーズがある。しかしながら、X線アンギオグラフィ装置の方がX線CT装置よりも空間分解能が高いため、X線CT装置がX線透視画像を収集する場合、従来よりも空間分解能を高めることが求められる。
特開2019-088380号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、1台のX線CT装置で、CT画像の撮影と、高精度のX線投影透視画像の撮影の両方を実施することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係るX線診断装置は、撮影系と、撮影処理部と、超解像処理部とを備える。撮影系は、被検体にX線を照射することにより被検体を撮影する。撮影処理部は、被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および被検体のCT(Computed Tomography)画像を得るためのCT撮影モードのうち、いずれかの撮影モードで撮影系を制御し、被検体の撮影を実行する。超解像処理部は、撮影モードに応じた超解像処理を実行する。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態におけるX線投影透視画像データの一例である。 図3は、第1の実施形態におけるCT画像データの一例である。 図4は、第1の実施形態に係る撮影モード選択画面の一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係る超解像処理操作画面の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係る他の態様の操作画面の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係るX線CT装置で実行される撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図8は、第2の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。 図9は、第2の実施形態に係るX線管の構成の一例を示す図である。 図10は、第2の実施形態に係る複数の焦点位置の一例を模式的に示す図である。 図11は、第2の実施形態に係る複数の焦点位置の他の一例を模式的に示す図である。 図12は、第2の実施形態に係るX線照射タイミングの一例を示す図である。 図13は、第2の実施形態に係るX線CT装置で実行される撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図14は、第3の実施形態に係るX線照射タイミングの一例を示す図である。 図15は、第3の実施形態に係るX線CT装置で実行される撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図16は、第4の実施形態に係るX線照射タイミングの一例を示す図である。 図17は、変形例8に係るワークステーションとX線CT装置とを含むシステムの一例を示す図である。 図18は、変形例11に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、X線診断装置、X線診断方法、およびプログラムの実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)装置1(以下、X線CT装置1という)の構成の一例を示す図である。X線CT装置1は、本実施形態におけるX線診断装置の一例である。
図1に示すように、X線CT装置1は、架台装置(ガントリ)10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを備える。
なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。図1では、説明の都合上、架台装置10を複数描画しているが、実際のX線CT装置1の構成としては、架台装置10は、一つである。
架台装置10及び寝台装置30は、コンソール装置40を介したユーザからの操作、或いは架台装置10、または寝台装置30に設けられた操作部を介したユーザからの操作に基づいて動作する。架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。
架台装置10は、被検体PがX線により投影された投影データを収集する撮影系を有す
る装置である。架台装置10は、中心部に、Z軸方向に延びる略円筒形状の開口(ボア)を有する。当該開口内に、架台装置10の天板33が挿入される。なお、本実施形態において、略円筒形状という場合は、断面が正円になる形状および断面が楕円になる形状を含む。より具体的には、架台装置10は、X線管11(X線発生部)と、ウェッジ16と、コリメータ17と、X線検出器12と、X線高電圧装置14と、DAS(Data Acquisition System)18と、回転フレーム13と、制御装置15とを有する。撮影系は、少なくとも、X線管11、およびX線検出器12を含むものとする。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管11における管球焦点で発生したX線は、例えばコリメータ17を介してコーンビーム形に成形され、被検体Pに照射される。例えば、X線管11には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12によって検出された電気信号は、被検体PがX線により投影されたデータであるため、投影データという。
X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。複数の検出素子の各々は、X線の入射量を検出する。なお、X線CT装置1には、X線管11とX線検出器12とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管11のみが被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。
本実施形態のX線検出器12は、320例の検出素子を有し、被検体Pの体軸方向に広範囲の撮影が可能である。このような多列の検出素子列を有するX線検出器12を備えるX線CT装置1は、Area Detector CT(ADCT)という。なお、検出素子の列数は一例であり、これに限定されない。
また、本実施形態のX線検出器12は、エネルギー積分型(Energy Integrated)の収集方式を採用する。X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。
シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸回りに回転可能に支持する。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。回転フレーム13は、アルミニウム等の金属により形成された固定フレームに回転可能に支持される。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受け
て回転軸回りに一定の角速度で回転する。
なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とに加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に支持する。このような回転フレーム13は、撮影空間をなす開口(ボア)が形成された略円筒形状の筐体に収容されている。開口の中心軸は、回転フレーム13の回転軸に一致する。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。
回転フレーム13は架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム。図1での図示は省略している)により回転可能に支持される。回転機構は例えば回転駆動力を生ずるモータと、当該回転駆動力を回転フレーム13に伝達して回転させるベアリングとを含む。モータは例えば当該非回転部分に設けられ、ベアリングは回転フレーム13及び当該モータと物理的に接続され、モータの回転力に応じて回転フレームが回転する。
回転フレーム13と架台装置10の非回転部分にはそれぞれ、非接触方式または接触方式の通信回路が設けられ、これにより回転フレーム13に支持されるユニットと当該非回転部分あるいは架台装置10の外部装置との通信が行われる。例えば非接触の通信方式として光通信を採用する場合、DAS18が生成した投影データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、さらに送信器により当該非回転部分からコンソール装置40へと転送される。なお通信方式としては、この他に容量結合式や電波方式などの非接触型のデータ伝送の他、スリップリングと電極ブラシを使った接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。また、回転フレーム13は、回転部の一例である。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等のプロセッサにより実現されてもよい。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサはメモリに保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、メモリにプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、制御装置15は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた入
力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、コンソール装置40の処理回路44による制御の下、回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を実行しても良い。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43によって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現されてもよい。また、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線のX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。ウェッジ16は、例えばウェッジフィルタ(wedge filter)またはボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線をX線照射範囲に絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。
DAS18は、X線検出器12により検出された投影データを収集し、コンソール装置40に転送する。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、天板支持フレーム34と、フットペダル35とを備えている。基台31は、天板支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動させるモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、コンソール装置40による制御、または制御装置15による制御に従い、天板33を移動する。天板支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、天板支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
フットペダル35は、X線撮影においてX線を照射させるユーザの操作を受け付けるペダルである。例えば、ユーザがフットペダル35を踏むことにより、X線を照射させる操作を行った場合、当該操作の入力を示す信号が、フットペダル35からコンソール装置40または制御装置15へ送信される。フットペダル35は、本実施形態における操作部の一例である。なお、X線を照射させるユーザの操作を受け付ける操作部は、フットペダル35に限定されるものではなく、手で操作可能なボタンや、タッチパネル等であっても良い。また、当該操作部は、寝台装置30ではなく架台装置10またはコンソール装置40に設けられても良い。なお、寝台装置30は、天板33の高さおよび傾きを調整するユーザの操作を受け付けるための他の操作部をさらに備えても良い。当該他の操作部については、図示を省略する。
コンソール装置40は、架台装置10の制御、および架台装置10によるスキャン結果に基づくCT画像データの生成等を実行する装置である。コンソール装置40は、メモリ41(記憶部)と、ディスプレイ42(表示部)と、入力インターフェース43(入力部)と、処理回路44(処理部)とを有する。メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。また、メモリ41は、本実施形態に係る制御プログラムを記憶する。
また、メモリ41は、撮影系によって収集された投影データ、および収集データが再構成されたCT画像データを記憶する。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。本実施形態においてディスプレイ42に表示される医用画像は、CT画像データに基づく被検体Pの断面画像、および投影データに基づくX線投影透視画像である。
また、ディスプレイ42としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。
なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。また、入力インターフェース43は、操作部または入力部の一例である。
また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。例えば、上述のフットペダル35が入力インターフェース43であっても良い。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じて、X線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、受付機能441、撮影処理機能442、取得機能443、超解像処理機能444、前処理機能445、再構成処理機能446、および表示制御機能447を備える。ここで、例えば、図1に示す処
理回路44の構成要素である受付機能441、撮影処理機能442、取得機能443、超解像処理機能444、前処理機能445、再構成処理機能446、および表示制御機能447が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41内に記録されている。処理回路44は、例えば、プロセッサであり、メモリ41から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路44は、図1の処理回路44内に示された各機能を有することとなる。受付機能441は、受付部の一例である。撮影処理機能442は、撮影処理部の一例である。取得機能443は、取得部の一例である。超解像処理機能444は、超解像処理部の一例である。前処理機能445は、前処理部の一例である。再構成処理機能446は、再構成処理部の一例である。表示制御機能447は、表示制御部、および出力部の一例である。
なお、図1においては受付機能441、撮影処理機能442、取得機能443、超解像処理機能444、前処理機能445、再構成処理機能446、および表示制御機能447が単一の処理回路44によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路44は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
受付機能441は、入力インターフェース43、フットペダル35、およびその他の操作部を介して、ユーザによる各種の操作を受け付ける。例えば、受付機能441は、ディスプレイ42に表示された操作ボタンを押下するユーザの操作を受け付ける。また、受付機能441は、ユーザによる後述の撮影モードの選択の操作、および、超解像処理の実行を指示する操作を受け付ける。また、受付機能441は、フットペダル35等を介して、ユーザによる撮影開始および終了の操作を受け付ける。
撮影処理機能442は、撮影系を制御することにより、被検体Pの撮影を実行する。具体的には、撮影処理機能442は、X線高電圧装置14、X線検出器12、制御装置15、DAS18及び寝台駆動装置32の動作を制御することで、架台装置10における被検体Pを通過したX線の収集処理を制御する。
本実施形態の撮影処理機能442は、少なくとも2つの異なる撮影モードで被検体Pの撮影を実行することができる。より詳細には、撮影処理機能442は、ユーザの選択に応じて、X線透視撮影モード、およびCT撮影モードのいずれかの撮影モードで撮影系を制御し、被検体Pの撮影を実行する。
X線透視撮影モードは、被検体PのX線投影透視画像を得るためのモードである。X線透視画像データは、規定の位置からX線管11によって照射されたX線がX線検出器12によって収集された投影データである。X線投影透視画像は、X線透視撮影モードによって収集された投影データに基づく透視画像である。本実施形態においては、再構成されていない投影データを、2次元のX線投影透視画像データとして用いる。なお、X線透視撮影モードは、第2の撮影モードの一例である。なお、X線投影透視画像を単に投影透視画像と呼んでも良い。
X線透視撮影モードにおいてX線管11が被検体Pに対してX線を照射する規定の位置は、例えば、図1に示すように被検体Pの真上の位置でもよい。X線管11の位置は、ビューポジション(View Position)ともいい、0°~360°の角度で表される。例えば、X線管11が被検体Pの真上に位置する場合、当該X線管11のビューポジションは90°である。なお、規定の位置は当該例に限定されるものではなく、ユーザ
によって設定されても良い。
なお、X線透視撮影モードにおいては、撮影中にX線CT装置1の回転フレーム13は回転せずに、X線管11が当該規定の位置で固定された状態であっても良い。また、撮影中に回転フレーム13が回転し、X線管11が規定の位置に達したタイミングでX線を照射しても良い。また、X線透視撮影モードにおいては、X線管11からのX線照射中に天板33の移動は行わない。
図2は、第1の実施形態における投影データ91の一例である。また、本実施形態においては、投影データ91が後述のディスプレイ42に表示されたものを、X線投影透視画像という。
X線透視画は、例えば、インターベンション治療において、医師が手技を施している被検体Pの体内に挿入されたデバイスの位置等を視認するために用いられる。例えば、図2に示す例では、投影データ91上に、被検体Pの骨および臓器と共に被検体Pの心臓に挿入されたカテーテル80が描出されている。本実施形態においては、X線透視画は、2次元の静止画像とする。
CT撮影モードは、被検体PのCT画像を得るためのモードである。つまり、撮影処理機能442は、CT撮影モードにおいては、一般的なCT画像データの生成のための撮影を実行する。従って、CT撮影モードにおいては、撮影方法に応じて、X線管11からのX線照射中に天板33の移動を実行することもできる。CT画像データは、後述の再構成処理機能446によって投影データが再構成されたデータである、また、CT画像は、例えば、後述の表示制御機能447によりディスプレイ42に表示された、CT画像データに基づく2次元の断面画像、または3次元画像である。
例えば、撮影処理機能442は、CT撮影モードにおいては、回転フレーム13が回転した状態で被検体Pを撮影する処理を撮影系に実行させる。なお、CT撮影モードは、第1の撮影モードの一例である。
図3は、第1の実施形態におけるCT画像データ92の一例である。CT画像データ92は、例えば、図3に示すように3次元のボリュームデータである。後述の表示制御機能447は、当該CT画像データ92からユーザの指定等により任意の断面画像または3次元画像であるCT画像をディスプレイ42に表示させる。
撮影処理機能442は、受付機能441によって受け付けられたユーザによる選択に応じて、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれかで被検体Pを撮影するように撮影系を制御する。
なお、撮影処理機能442は、CT撮影モードで撮影を実行する場合、さらに、スキャノ画像(位置決め画像)の撮影を実行しても良い。
位置決め画像は、診断用のCT画像の撮影範囲を設定するための画像である。また、位置決め画像を得るための撮影を、位置決め撮影という。一般に、位置決め画像は、2次元画像である。通常のCT画像と位置決め画像と区別する場合、通常のCT画像を「診断用CT画像」と呼ぶ場合もある。
位置決め撮影においては、撮影処理機能442は、X線透視撮影モードとは異なる撮影方式で撮影を実行する。より詳細には、上述のように、X線透視撮影モードにおいては、X線管11からのX線照射中に天板33は移動しないが、CT撮影モードのうち位置決め
撮影の場合には、X線照射中に天板33が移動する。
例えば、撮影処理機能442は、位置決め撮影の実行中に、架台装置10の回転フレーム13(ガントリ回転部)を非回転状態としながら寝台装置30の天板33を移動させる。さらに、撮影処理機能442は、位置決め撮影の際には、X線検出器12のZ軸方向の中央付近のみを用いたデータ収集を実行する。具体的には、撮影処理機能442は、X線検出器12のZ軸方向の中央付近にのみX線が照射されるよう、X線管11直下のコリメータ17を制御してX線照射範囲を絞って撮影をする。
また、他の位置決め撮影の手法として、3次元の位置決め画像を撮影する手法がある。このような手法は3Dスキャノとも呼ばれ、診断用のCT画像を撮影するためのCT撮影よりも、低線量でCTスキャンを行うものである。撮影処理機能442が3次元の位置決め撮影を実行する場合は、X線の線量以外についてはCT撮影モードにおけるCT画像の撮影と同様の撮影手法を用いる。撮影処理機能442は、このような3次元の位置決め撮影により、被検体Pの3次元の位置決め画像を得ても良い。
なお、撮影処理機能442は、位置決め撮影を実行せずに、診断用CT画像の撮影のみを実行しても良い。
図1に戻り、取得機能443は、撮影系により収集された投影データを取得する。より詳細には、取得機能443は、DAS18から転送された投影データを取得し、メモリ41に保存する。
超解像処理機能444は、投影データ91またはCT画像データ92に対して、撮影モードに応じた超解像処理を施す。より詳細には、超解像処理機能444は、撮影処理機能442がX線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれで被検体Pを撮影したかに応じて、超解像処理対象のデータを切り替える。なお、投影データ91に対する超解像処理を、投影データドメインの超解像処理、CT画像データ92に対する超解像処理を、CT画像ドメインの超解像処理ともいう。
例えば、超解像処理機能444は、撮影処理機能442がX線透視撮影モードで被検体Pの撮影を実行した場合、投影データ91に対して超解像処理を実行する。本実施形態では、超解像処理機能444は、後述の前処理機能445によって前処理が施された投影データ91を、超解像処理の対象とする。
なお、本実施形態においては、X線検出器12により検出され、前処理が施される前のデータと、後述の前処理機能445によって前処理が施されたデータの両方を投影データ91と呼ぶが、前処理前のデータは検出データと称して区別しても良い。
また、超解像処理機能444は、撮影処理機能442がCT撮影モードで被検体Pの撮影を実行した場合、CT画像データ92に対して超解像処理を実行する。
超解像処理の手法は特に限定されるものではなく、公知の手法を採用することができる。例えば、超解像処理機能444は、機械学習により低解像度データ/画像と高解像度データ/画像とを学習した学習済みモデルを用いて、投影データ91またはCT画像データ92に対して超解像処理を実行しても良い。
例えば、投影データ91に対する超解像処理を行う場合には、入力情報としての低解像度の投影データと、ターゲット(教師)情報としての高解像度の投影データとを学習ペアとして、当該学習ペアを複数用意し、CNN(Convolutional Neural Network)等の機
械学習モデルを訓練することにより投影データ91用の学習済モデルを得る。低解像度の投影データは被検体Pまたはファントムを撮影して得たものであってもよいし、被検体P又はファントムを撮影して得られた高解像度データに解像度低減処理を適用して得られたものであってもよい。高解像度の投影データもまた、被検体Pまたはファントムを撮影して得たものであってもよいし、被検体P又はファントムを撮影して得られた低解像度の投影データに解像度向上処理を適用して得られたものであってもよい。高画質な投影データは、例えば後述する焦点制御の方法を用いて得られる高画質な投影データであってもよいし、あるいは画素ピッチが小さい高精細なX線検出器を用いて撮影されたX線投影データであってもよい。
通常、Cアーム型X線撮影装置等に用いられる平面型X線検出器の画素ピッチは、CTで用いられる湾曲型X線検出器の画素ピッチよりも小さい為、当該平面型X線検出器の画像をCTの湾曲型X線検出器で撮影された画像へと変換する処理を適用したうえで、ターゲット情報として用いることもできる。この場合、実施形態の1つによれば、焦点制御を伴って撮影された高画質な投影データをターゲット情報、焦点制御を伴わずに撮影された比較的低画質な投影データを入力情報として機械学習モデルを訓練して超解像モデルを得、焦点制御を伴わずに撮影された比較的低画質な投影データに対して当該超解像モデルを適用する。
あるいは、高解像度、低解像度それぞれの投影データに焦点制御による高画質化処理を適用してもよく、その場合例えば高解像度のターゲット情報となる投影データは、上述のような高精細なX線検出器を用いて撮影された投影データを用いることができる。
また、X線投影データのみを用いた学習に代えて、転移学習の方法を用いてもよい。X線投影データではない光学画像やMRI画像等を用いて学習した超解像用モデルをベースに、X線投影データを上記の手法を用いてさらに学習させ、超解像の学習済モデルを得てもよい。さらには、例えばエンコーダネットワークとデコーダネットワークを直列接続したオートエンコーダネットワークをモデルとして用いること等により、教師情報を用いない学習アルゴリズムを用いて超解像用の学習済モデルを得てもよい。
またCT画像データ92に対する超解像処理を行う場合にも同様に、入力情報としての低解像度のCT画像データと、ターゲット情報としての高解像度のCT画像データとを学習ペアとして、当該学習ペアを複数用意し、CNN(Convolutional Neural Network)等の機械学習モデルを訓練することにより投影データ用の学習済モデルを得る。低解像度のCT画像データは被検体Pまたはファントムを撮影して得た投影データを再構成して得られるものであってもよいし、被検体P又はファントムを撮影して得られた高解像度CT画像データに解像度低減処理を適用して得られたもの、あるいは高解像度投影データに解像度低減処理を適用してから再構成したCT画像データであってもよく、また高解像度投影データからのCT画像の再構成を行う過程で解像度低減処理を組み込んでもよい。
高解像度のCT画像データもまた、被検体Pまたはファントムを撮影して得た投影データを再構成して得たものであってもよいし、被検体P又はファントムを撮影して得られた低解像度のCT画像データに解像度向上処理を適用して得られたもの、あるいは低解像度投影データに解像度向上処理を適用してから再構成したCT画像データであってもよく、また高解像度投影データからのCT画像の再構成を行う過程で解像度向上処理を組み込んでもよい。
これらCT画像データを再構成する際に用いられる投影データは、上述の投影データベースの超解像モデルの訓練方法についての説明で挙げた方法で得られるものを用いることとしてもよい。
また、X線投影データのみを用いた学習に代えて、転移学習の方法を用いることとしてもよい。CT画像データではない光学画像やMRI画像等を用いて学習した超解像用モデルをベースにCT画像データを上記の通り用いてさらにモデルを学習させ、超解像の学習済モデルを得ることとしてもよい。さらには、例えばエンコーダネットワークとデコーダネットワークを直列接続したオートエンコーダネットワークをモデルとして用いること等により、教師情報を用いない学習アルゴリズムを用いて超解像用の学習済モデルを得ることとしてもよい。
学習済みモデルは、例えばメモリ41に記憶されていても良いし、超解像処理機能444に例えばFPGA等によるハードウェア実装の形態で組み込まれていても良い。具体的には、X線透視撮影モードで用いる学習済みの超解像モデルと、CT撮影モードで用いる学習済みの超解像モデルの両方がメモリ41に記憶または超解像処理機能444に組み込まれるものとする。また、超解像処理機能444は、X線透視撮影モードとCT撮影モードとでは、適用する超解像処理の内容を変更しても良い。
また、超解像処理機能444は、ユーザによって超解像処理の実行を指示する操作がされた場合に、超解像処理を実行するものとする。
超解像処理機能444は、超解像処理を施した投影データ91またはCT画像データ92を、メモリ41に保存する。
前処理機能445は、収集された投影データ91に対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。なお、X線透視撮影モードで撮影が実行された場合と、CT撮影モードで撮影が実行された場合とでは、前処理の内容が異なっても良い。あるいは、前処理機能445は、X線透視撮影モードで撮影が実行された場合には、投影データ91に前処理を行わないものとしても良い。
再構成処理機能446は、投影データ91を再構成することによりCT画像データ92を生成する。なお、本実施形態の再構成処理機能446は、前処理機能445によって前処理が施された投影データ91を再構成するものとする。再構成処理機能446は、再構成処理として、例えば、フィルタ補正逆投影法(FBP法:Filtered Back Projection)や逐次近似再構成法等を用いる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、X線透視撮影モードでの撮影が実行された場合には、当該X線透視撮影モードで収集された投影データに基づくX線投影透視画像を表示及び解析の少なくともいずれかのために出力する。また、CT撮影モードの撮影が実行された場合には、当該CT撮影モードで収集された投影データに基づき再構成されるCT画像を表示及び解析の少なくともいずれかのために出力する。
より詳細には、表示制御機能447は、超解像処理機能444により超解像処理が施された投影データ91またはCT画像データ92に基づく医用画像をディスプレイ42に表示させる。
例えば、X線透視撮影モードで被検体Pが撮影された場合には、表示制御機能447は、超解像処理が施された投影データ91をX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる。また、CT撮影モードで被検体Pが撮影された場合には、表示制御機能447は、超解像処理が施されたCT画像データ92に基づくCT画像をディスプレイ42に表示させる。
また、表示制御機能447は、ユーザが操作可能なGUIをディスプレイ42に表示させる。
例えば、表示制御機能447は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれで被検体Pを撮影するかをユーザが選択可能な撮影モード選択画面をディスプレイ42に表示させる。
図4は、第1の実施形態に係る撮影モード選択画面421の一例を示す図である。図4に示すように、撮影モード選択画面421は、X線透視撮影モード選択ボタン71と、CT撮影モード選択ボタン72とを含む。
X線透視撮影モード選択ボタン71は、ユーザによるX線透視撮影モードの選択操作を受け付ける画像ボタンである。また、CT撮影モード選択ボタン72は、ユーザによるCT撮影モードの選択操作を受け付ける画像ボタンである。なお、表示制御機能447は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれが選択されているかを、X線透視撮影モード選択ボタン71およびCT撮影モード選択ボタン72の色等の表示態様で区別して表示してもよい。図4に示す例では、X線透視撮影モード選択ボタン71がユーザにより押下された状態であるものとする。
また、表示制御機能447は、撮影モード選択画面421に「撮影モードを選択してください」等の操作説明のメッセージM1を表示させても良い。なお、図4に示す撮影モード選択画面421の構成は一例であり、これに限定されない。また、撮影モード選択画面421は、他の入力操作画面と兼用であっても良い。
また、表示制御機能447は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのそれぞれで超解像処理の実行の有無をユーザが選択可能な超解像処理操作画面をディスプレイ42に表示させる。
図5は、第1の実施形態に係る超解像処理操作画面422の一例を示す図である。図5に示すように、超解像処理操作画面422は、例えば、画像表示エリアA1と、超解像処理実行ボタン73とを含む。
超解像処理実行ボタン73は、超解像処理を実行するか否かをユーザが選択する操作を受け付け可能な画像ボタンである。例えば、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下した場合、超解像処理機能444による超解像処理の機能がオンとなる。また、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下していない場合、超解像処理機能444による超解像処理の機能はオフとなる。なお、超解像処理機能をオンにするボタンと、オフにするボタンがそれぞれ別個に設けられても良い。また、表示制御機能447は、超解像処理機能がオンかオフかを、超解像処理実行ボタン73の色等の表示態様で区別して表示する。なお、表示制御機能447は、超解像処理実行ボタン73上または超解像処理実行ボタン73の近傍に、「オン」、「オフ」を表示しても良い。
本実施形態においては、X線透視撮影モードとCT撮影モードの両方で、超解像処理実行ボタン73の表示態様は共通とする。つまり、超解像処理実行ボタン73は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれが選択されている場合も同じ態様で表示される。
このため、ユーザによってX線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれが選択されているかによって、超解像処理実行ボタン73が示す超解像処理の対象のデータは異なる。例えば、X線透視撮影モードがユーザにより選択された状態であれば、ユーザが超解像処
理実行ボタン73を押下した場合、当該操作は、投影データ91に対する超解像処理をオンにする操作となる。また、CT撮影モードがユーザにより選択された状態であれば、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下した場合、当該操作は、CT画像データ92に対する超解像処理をオンにする操作となる。
例えば、表示制御機能447は、X線透視撮影モードが選択された状態で、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下していない場合は、画像表示エリアA1に超解像処理前の投影データ91を表示させる。また、表示制御機能447は、X線透視撮影モードが選択された状態で、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下した場合は、画像表示エリアA1に超解像処理後の投影データ91を表示させる。
また、表示制御機能447は、CT撮影モードが選択された状態で、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下していない場合は、画像表示エリアA1に超解像処理前のCT画像データ92に基づくCT画像を表示させる。また、表示制御機能447は、CT撮影モードが選択された状態で、ユーザが超解像処理実行ボタン73を押下した場合は、画像表示エリアA1に超解像処理後のCT画像データ92に基づくCT画像を表示させる。
なお、超解像処理のオン・オフは、撮影が行われる前に予めユーザにより選択されていても良い。例えば、撮影モードの選択と超解像処理のオン・オフの選択とが1つの操作画面上で可能であっても良い。
図6は、第1の実施形態に係る他の態様の操作画面の一例を示す図である。図6に示す操作画面423では、X線透視撮影モード選択ボタン71と、CT撮影モード選択ボタン72と、超解像処理実行ボタン73とが1つの画面上に表示されている。当該操作画面423の表示タイミングは、例えば、撮影の開始前である。当該操作画面423のように超解像処理実行ボタン73がX線透視撮影モード選択ボタン71およびCT撮影モード選択ボタン72と同時タイミングで表示される場合は、ユーザは、撮影開始前の撮影モードの選択の際に超解像処理のオン・オフについても選択する。
次に、以上のように構成された本実施形態のX線CT装置1で実行される撮影処理の流れについて説明する。
図7は、第1の実施形態に係るX線CT装置1で実行される撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示制御機能447は、撮影モード選択画面421をディスプレイ42に表示させる(S101)。
次に、受付機能441は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれで被検体Pを撮影するかを選択するユーザの操作を受け付ける(S102)。
例えば、撮影モード選択画面421上でX線透視撮影モード選択ボタン71がユーザにより押下された場合、受付機能441は、X線透視撮影モードがユーザにより選択されたことを受け付ける(S102“X線透視撮影モード”)。
そして、受付機能441は、フットペダル35またはタッチパネル等を介してユーザによる撮影の開始の操作を受け付けたか否かを判定する(S103)。なお、表示制御機能447により、撮影モード選択画面421上に、ユーザによる撮影の開始の指示を受け付け可能な撮影開始ボタンが表示されていても良い。
受付機能441は、ユーザによる撮影の開始の操作を受け付けていない場合(S103“No”)、ユーザの操作を待機する。
そして、受付機能441がユーザによる撮影の開始の操作を受け付けた場合(S103“Yes”)、撮影処理機能442は、X線透視撮影モードで撮影を実行する(S104)。例えば、撮影処理機能442の制御の下、制御装置15が架台装置10及び寝台装置30の動作を制御し、X線管11が規定の位置からX線を被検体Pに照射する。また、X線検出器12は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号を投影データとしてDAS18へと出力する。DAS18は、投影データ91をコンソール装置40へ送信する。取得機能443は、DAS18から送信された投影データ91を取得する。
次に、前処理機能445は、取得機能443により取得された投影データ91に対して、前処理を施す(S106)。
そして、表示制御機能447は、超解像処理操作画面422をディスプレイ42に表示させる(S107)。
そして、受付機能441は、ユーザによる超解像処理機能をオンにする操作を受け付けたか否かを判定する(S108)。なお、ユーザによる超解像処理機能のオン・オフの受け付けはS108のタイミングに限定されるものではなく、図6で説明したように、撮影処理の実行前であっても良い。
受付機能441がユーザによる超解像処理機能をオンにする操作を受け付けた場合(S108“Yes”)、超解像処理機能444は、前処理済みの投影データ91に対する超解像処理を実行する(S109)。
そして、表示制御機能447は、超解像処理後の投影データ91をディスプレイ42に表示させる(S110)。
また、受付機能441がユーザによる超解像処理機能をオンにする操作を受け付けていない場合(S108“No”)、あるいは、受付機能441がユーザによる超解像処理機能をオフにする操作を受け付けた場合、表示制御機能447は、超解像処理されていない、前処理済みの投影データ91を、X線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる(S111)。
そして、受付機能441が撮影の終了の操作を受け付けていない場合(S112“No”)、S101の処理モードの選択の処理に戻り、処理を繰り返す。あるいは、X線透視撮影モードのまま、S103の撮影開始の操作を待機する処理に戻っても良い。
また、撮影モード選択画面421上でCT撮影モード選択ボタン72がユーザにより押下された場合、受付機能441は、CT撮影モードがユーザにより選択されたことを受け付ける(S102“CT撮影モード”)。
そして、受付機能441は、フットペダル35またはタッチパネル等を介してユーザによる撮影の開始の操作を受け付けたか否かを判定する(S113)。
受付機能441は、ユーザによる撮影の開始の操作を受け付けていない場合(S113“No”)、ユーザの操作を待機する。
そして、受付機能441がユーザによる撮影の開始の操作を受け付けた場合(S113“Yes”)、撮影処理機能442は、CT撮影モードで撮影を実行する(S114)。なお、このフローチャートでは、撮影処理機能442は、位置決め撮影については実行せず、診断用のCT画像の撮影のみを実行するものとするが、診断用のCT画像の撮影の前に、位置決め撮影を実行しても良い。
次に、前処理機能445は、CT撮影モードでの撮影により収集された投影データ91に対して、前処理を施す(S115)。
再構成処理機能446は、前処理が施された投影データ91を再構成することにより、CT画像データ92を生成する(S116)。
そして、表示制御機能447は、超解像処理操作画面422をディスプレイ42に表示させる(S117)。
そして、受付機能441は、ユーザによる超解像処理機能をオンにする操作を受け付けたか否かを判定する(S118)。
受付機能441がユーザによる超解像処理機能をオンにする操作を受け付けた場合(S118“Yes”)、超解像処理機能444は、CT画像データ92に対する超解像処理を実行する(S119)。
そして、表示制御機能447は、超解像処理後のCT画像データ92に基づくCT画像をディスプレイ42に表示させる(S120)。
また、受付機能441がユーザによる超解像処理機能をオンにする操作を受け付けていない場合(S118“No”)、あるいは、受付機能441がユーザによる超解像処理機能をオフにする操作を受け付けた場合、表示制御機能447は、超解像処理されていない、CT画像データ92に基づくCT画像をディスプレイ42に表示させる(S121)。
そして、S112の処理に進み、撮影が終了しない場合は、S101の処理に戻る。また、受付機能441が撮影の終了の操作を受け付けた場合は(S112“Yes”)、このフローチャートの処理は終了する(S112)。
このように、本実施形態のX線CT装置1では、X線透視撮影モード、およびCT撮影モードの2種類の撮影モードで被検体Pを撮影可能であり、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれで被検体Pを撮影したかに応じて、超解像処理対象のデータを切り替える。このため、本実施形態によれば、1台のX線CT装置1で、CT画像の撮影と、高精度のX線投影透視画像の撮影の両方を実施することができる。
被検体を撮影しながら、医師が当該患者に対する手技を施すインターベンション治療等で用いられる撮影の手法として、従来、X線CT装置とX線アンギオグラフィ装置の2台を使用して、被検体を撮影する手法がある。このような手法では、X線CT装置とX線アンギオグラフィ装置の両方が必要となるため、広い検査室の確保が必要となる。また、被検体を2台のモダリティ間で移動させるため、X線投影透視画像とCT画像の撮影の切り替えに時間を要する場合がある。
また、他の比較例として、X線CT装置とX線アンギオグラフィ装置とが組み合わされたアンギオCT装置がある。アンギオCT装置は、通常のCT装置と同様の架台装置に加えて、X線アンギオグラフィ装置と同様のCアームを備える。このようなアンギオCT装
置では、1台でX線投影透視画像とCT画像が撮影可能であるが、架台装置とCアームの両方を備えるため、通常のX線CT装置よりも大型化する。また、CT画像の撮影には架台装置、X線投影透視画像の撮影にはCアームがそれぞれ用いられるため、撮影の切り替えの際には被検体の移動が発生する。
これに対して、本実施形態のX線CT装置1では、1つの撮影系で、X線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モードと、CT画像を得るためのCT撮影モードの2種類の撮影が可能であるため、X線CT装置1の省スペース化、および撮影の切り替えの際の時間の短縮が可能となる。
また、一般に、X線アンギオグラフィ装置で用いられるX線平面検出器(Flat Panel
Detector:FPD)は、X線CT装置で用いられるX線検出器よりも空間分解能に優れている。一例として、X線アンギオグラフィ装置のX線平面検出器では、空間分解能が0.1mm以下であることが一般的であるのに対し、ADCTの空間分解能は0.3mm程度である。このため、通常のX線CT装置の投影データをX線投影透視画像として表示した場合、空間分解能が不足する場合がある。また、空間分解能の向上のためにX線CT装置のX線検出器の検出素子数をX線アンギオグラフィ装置と同程度に増加させることは、コストの面等の理由で困難な場合がある。
これに対して、本実施形態のX線CT装置1では、超解像処理の機能を備え、かつ、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれで被検体Pを撮影したかに応じて、超解像処理対象のデータを切り替えるため、X線透視撮影モードの場合に空間分解能の高いX線投影透視画像を生成することができる。
より詳細には、本実施形態のX線CT装置1は、X線透視撮影モードで被検体Pの撮影を実行した場合、投影データ91に対して超解像処理を実行し、超解像処理が施された投影データ91をX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる。このため、本実施形態のX線CT装置1は、医師が被検体Pに対する手技を施すインターベンション治療等の際に、超解像処理によって高い空間分解能を有するX線投影透視画像を提示することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、CT撮影モードで被検体Pの撮影を実行した場合、投影データ91を再構成してCT画像データ92を生成し、CT画像データ92に対して超解像処理を実行する。このため、本実施形態のX線CT装置1は、X線投影透視画像だけでなく、通常のCT画像についても、空間分解能を向上させることができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、ユーザによる選択に応じて、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれかで被検体Pを撮影するように撮影系を制御する。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザの所望の撮影モードで被検体Pを撮影することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、ユーザによるX線透視撮影モードを選択する操作を受け付け可能なX線透視撮影モード選択ボタン71と、ユーザによるCT撮影モードを選択する操作を受け付け可能なCT撮影モード選択ボタン72とをディスプレイ42に表示させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザが撮影モードを容易に選択可能である。
また、本実施形態のX線CT装置1は、ユーザによって超解像処理の実行が選択されている場合に、超解像処理を実行する。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザが所望の場合に、空間分解能を向上させたX線投影透視画像データまたはCT画像
データを生成することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれがユーザによって選択されている場合でも、同じ態様で超解像処理実行ボタン73を表示させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザが撮影モードによって超解像処理の対象のデータが異なることを意識していなくとも、超解像処理の実行操作をすることができる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、超解像処理によってX線投影透視画像の空間分解能を向上させていた。これに対して、この第2の実施形態では、FFS(flying focal spot)によってX線投影透視画像の空間分解能を向上させる。
図8は、第2の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。本実施形態のX線CT装置1は、第1の実施形態と同様に、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを備える。寝台装置30およびコンソール装置40のハードウェア構成は、第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態のX線管11は、熱電子の軌道を調整する熱電子調整部を備える。図9は、第2の実施形態に係るX線管11の構成の一例を示す図である。
図9に示すように、本実施形態のX線管11は、筐体(管球ハウジング)111と、陰極113と、熱電子調整機構114と、回転軸115と、陽極116とを備える。筐体111は、例えば、金属により作製され、内部で発生したX線を通過させるX線窓112を有している。陰極113は、熱電子を発生する。熱電子は、フィラメントに流れる電流により発生した熱によって励起され、フィラメント又は加熱された部材から飛び出す電子である。
陽極116は、陰極113から放出される熱電子の衝突を受けて、X線を発生させる。具体的には、陰極113と陽極116との間に大きな電位差が設けられる。例えば、陽極116を接地し、陰極113の電位をマイナスとすることにより、陰極113と陽極116との間に電位差が設けられる。この電位差により、陰極113から放出された熱電子は加速されて陽極116に衝突し、X線が発生する。また、陽極116は、回転軸115により回転する回転体であり、回転軸115の軸方向から見ると外周が円形となっている。陽極116は、傘状の形状を有しており、傘の先端側が陰極113側を向いている。陽極116の陰極113と対向する側はテーパ面となっており、陰極113側に対して若干の角度だけX線窓112側に傾斜する面を形成している。陽極116は、回転することにより、熱電子の衝突によって発熱する位置を分散させ、発熱による陽極116の表面の熔解を回避する。回転軸115は、図示しないベアリング等により支持され、図示しないステータコイル等により発生される回転磁界により回転駆動される。なお、図9では陰極113から陽極116に向かう熱電子の軌道(一点鎖線にて図示)が陽極116の回転軸115と平行に描かれているが、これに限られない。
熱電子調整機構114は、処理回路44による制御の下、熱電子の軌道を調整する。より詳細には、陰極113と陽極116との間の熱電子の軌道に沿って、軌道を挟むように設けられており、電界又は磁界により陰極113から放出された熱電子の軌道を変化させ、陽極116上の焦点を移動する。熱電子調整機構114は、本実施形態における熱電子調整部の一例である。
軌道の調整に電界が用いられる場合、調整極114a、114bは、例えば、平板状の
電極または電磁石の磁極である。なお、熱電子調整機構114は、筐体111の内部に設けられる場合に限られず、筐体111の外部に熱電子調整機構114が設けられるものでもよい。本実施形態においては、熱電子調整機構114は、XY方向、およびZ方向に焦点位置を変更可能なXYZ-FFSの機能を備える。また、熱電子調整機構114の数、位置、および焦点位置の変化の方向は、これらに限定されるものではない。
図8に戻り、また、本実施形態のコンソール装置40の処理回路44は、受付機能441、撮影処理機能1442、取得機能1443、前処理機能1445、再構成処理機能446、表示制御機能1447、焦点位置制御機能448、および合成機能449を備える。受付機能441は、受付部の一例である。撮影処理機能1442は、撮影処理部の一例である。取得機能1443は、取得部の一例である。前処理機能1445は、前処理部の一例である。再構成処理機能446は、再構成処理部の一例である。表示制御機能1447は、表示制御部、および出力部の一例である。焦点位置制御機能448は、焦点位置制御部の一例である。合成機能449は合成部の一例である。各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41内に記録されている。
受付機能441および再構成処理機能446は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
撮影処理機能1442は、第1の実施形態と同様に、X線透視撮影モードとCT撮影モードの2種類の撮影モードで撮影系を制御し、撮影を行う。
また、本実施形態の撮影処理機能1442は、X線透視撮影モードでの撮影の際に、回転フレーム13を回転させる。また、撮影処理機能1442は、回転フレーム13に支持されたX線管11の位置が規定の範囲にあるときに、X線管11にX線を照射させる。つまり、通常のCT撮影とは異なり、X線透視撮影モードでの撮影の際に、X線管11は連続的にX線を照射するのではなく、X線管11の位置が規定の範囲にあるときにのみ、間欠的に撮影を実行する。本実施形態におけるX線の照射タイミングの詳細については後述する。
焦点位置制御機能448は、撮影処理機能1442による撮影処理の実行中に、熱電子調整機構114を制御することにより、陽極116における熱電子の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える。なお、本実施形態においては、焦点位置制御機能448は、少なくとも、X線透視撮影モードでの撮影の際に、焦点位置の切り替えを実行する。また、焦点位置制御機能448は、CT撮影モードの際にも、焦点位置の切り替えを実行しても良い。
より詳細には、焦点位置制御機能448は、撮影処理中に回転する回転フレーム13におけるX線管11およびX線検出器12の被検体Pに対する位置の変化と同期した規定のタイミングで、熱電子の焦点位置を変化させる。
図10は、第2の実施形態に係る複数の焦点位置の一例を模式的に示す図である。図10では、X線管11から異なる焦点位置のX線が、X線検出器12の複数の検出素子に照射された場合の中心位置61~65を例示する。
例えば、図10に示す中心位置61は、焦点位置が基準位置にある状態でX線管11からX線がX線検出器12に照射された場合におけるX線の中心位置である。基準位置は、熱電子調整機構114により焦点位置が変更されていない状態の、デフォルトの焦点位置である。
そして、X線の中心位置62~65は、それぞれ、熱電子調整機構114によって基準位置からXY方向またはZ方向に焦点位置が移動した場合において、検出素子121aに照射されたX線の中心位置である。XY方向の移動は、X方向とY方向で定義されるXY平面上の焦点位置の移動である。XY方向はファン方向ともいう。また、Z方向の移動は、被検体Pの対軸方向に沿った焦点位置の移動である。
なお、図10では、X線検出器12に含まれる複数の検出素子のうち、1つの検出素子121aを例として説明したが、他の検出素子についても同様に、焦点位置の変化によって、照射されるX線の中心位置が変化する。
このように複数の焦点位置でX線が照射されることにより、オーバーサンプリング収集が可能となるため、検出素子の数が変わらなくとも、X線CT装置1の空間分解能を向上させることができる。
なお、焦点位置の数および位置は、図10に示す例に限定されるものではない。図11は、第2の実施形態に係る複数の焦点位置の他の一例を模式的に示す図である。例えば、焦点移動によるX線の中心位置66~68の位置は、図11に示す位置であっても良い。
次に、焦点位置の変化とX線照射タイミングについて説明する。
図12は、第2の実施形態に係るX線照射タイミングの一例を示す図である。焦点位置制御機能448は、複数の焦点位置が規定の順番および数で定義された組み合わせを1つのサイクルとして、焦点位置の切り替えを複数のサイクル分繰り返する。図12では第1のサイクルから第4のサイクルまでを図示するがサイクル数はこれに限定されるものではない。
図12に示す例では、焦点位置制御機能448は、“XY+”、“XY-”、“Z+”、“Z-”、“基準位置”の5つの焦点位置を1サイクルとする。
“XY+”は、“基準位置”からXY方向に移動した焦点位置である。“XY-”は“基準位置”から“XY+”とは異なる向きでXY方向に移動した焦点位置である。“Z+”は“基準位置”からZ方向に移動した焦点位置である。“Z-”は“基準位置”から“Z+”とは異なる向きでZ方向に移動した焦点位置である。図12に示す例では、規定の順番は、“XY+”、“XY-”、“Z+”、“Z-”、“基準位置”の順である。より具体的には、1サイクルに含まれる5つの焦点位置のうち、“XY+”が1番目の焦点位置、“XY-”が2番目の焦点位置、“Z+”が3番目の焦点位置、“Z-”が4番目の焦点位置、“基準位置” “基準位置”が最後の焦点位置である。
図12に示す例では、回転フレーム13が回転しているため、X線管11の位置、つまりビューポジションが変化している。ビューポジションが1°移動する期間と、焦点位置の1サイクルの期間とが同期しているものとする。具体的には、図12に示すように、ビューポジションが119°のときに焦点位置が1サイクルの先頭の“XY+”となり、ビューポジションが120°のときに、再び、焦点位置が1サイクルの先頭の“XY+”となる。つまり、ビューポジションが1°分移動する期間で、焦点位置制御機能448は、焦点位置を1サイクル分変化させる。なお、焦点位置の移動速度およびタイミングはこれに限定されるものではない。
図12の“X-ray exposure”は、撮影処理機能1442の制御により、X線管11からX線が照射されるタイミングを表す。図12に示す例では、ビューポジションが120°になってから121°になるまでの1°分の移動の間、X線管11による
X線が照射されている。ビューポジションが120°~121°である範囲は、本実施形態におけるX線管11の位置の規定の範囲の一例である。
図12に示す時刻t1はX線の照射開始タイミングで、時刻t2はX線の照射終了タイミングである。なお、X線が照射されるビューポジションは、例えば、ユーザにより被検体PのX線投影透視画像を収集するために適切な角度が設定されても良いし、予め定められても良い。時刻t1および時刻t2は、ビューポジションと同期した規定のタイミングの一例である。本実施形態においては、X線の照射開始タイミングおよび照射終了タイミングは、ビューポジションによって決まる。
なお、図12では、ビューポジションが1°分移動する期間、つまり焦点位置の移動サイクルの1サイクル分の最初から最後までの期間をX線の照射期間としているが、X線の照射期間の長さはこれに限定されるものではない。例えば、ビューポジションが2°分移動する期間がX線の照射期間であっても良い。
X線管11の位置が規定の範囲内にある場合にのみ、X線を照射することにより、ビューポジションに関わらず継続的にX線を照射する場合と比較して、照射するX線量を低減することができる。
図8に戻り、取得機能1443は、X線が照射されている間、焦点位置ごとに、DAS18から投影データ91を取得する。本実施形態においては、1サイクルに5つの焦点位置の切り替えがあるため、取得機能1443は、ビューポジションが1°変化するごとに、5つの投影データ91を取得する。
前処理機能1445は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、取得機能1443により取得された複数の投影データ91に対して、それぞれ前処理を施す。
合成機能449は、X線透視撮影モードで撮影が実行された場合、複数の異なる焦点位置で照射されたX線により被検体Pが投影された複数の投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成する。本実施形態では、合成機能449は、X線の照射の開始から終了までに、被検体Pが投影された全ての投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成する。
より詳細には、本実施形態の合成機能449は、前処理機能1445によって前処理が施された複数の投影データ91を、1つの合成投影データにする。なお、複数の投影データ91の合成の手法は、公知の技術を採用しても良い。
表示制御機能1447は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、合成投影データをX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる。
次に、以上のように構成された本実施形態のX線CT装置1で実行される撮影処理の流れについて説明する。
図13は、第2の実施形態に係るX線CT装置1で実行される撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。
S101の撮影モード選択画面421の表示から、S103のユーザによる撮影開始の操作の受け付けの処理については、第1の実施形態と同様である。
ユーザによってX線透視撮影モードが選択された場合であって、受付機能441がユー
ザによる撮影の開始の操作を受け付けた場合(S103“Yes”)、撮影処理機能1442は、X線透視撮影モードで撮影を実行する(S201)。本実施形態においては、撮影処理機能1442は、X線透視撮影モードでの撮影の際に回転フレーム13を回転させ、当該回転フレーム13の回転と共に変化するX線管11のビューポジションの変化と同期させたタイミングで、X線管11からのX線の照射を開始および終了する。また、焦点位置制御機能448は、撮影処理機能1442による撮影処理の実行中に、熱電子調整機構114を制御することにより、ビューポジションの変化と同期させたタイミングで、焦点位置を変化させる。X線検出器12は、このようなFFSによるオーバーサンプリングされた複数の投影データ91を収集する。DAS18は、X線検出器12により収集された複数の投影データ91をコンソール装置40へ送信する。取得機能1443は、DAS18から送信された複数の投影データ91を取得する。
次に、前処理機能1445は、取得機能1443により取得された複数の投影データ91の各々に対して、前処理を施す(S202)。
そして、合成機能449は、前処理が施された複数の投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成する(S203)。
そして、表示制御機能1447は、合成投影データをX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる(S204)。
また、S102の処理でユーザによってCT撮影モードが選択された場合、S113の撮影の開始の操作の受け付けから、S116の再構成処理までは、第1の実施形態と同様の処理である。
そして、表示制御機能1447は、CT画像データ92に基づくCT画像をディスプレイ42に表示させる(S205)。
S112の撮影が終了か否かの判定処理は、第1の実施形態と同様である。
このように、本実施形態のX線CT装置1では、撮影処理の実行中に、X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替え、複数の異なる焦点位置で照射されたX線により被検体Pが投影された複数の投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成し、当該合成投影データをX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、第1の実施形態の効果に加えて、複数の焦点位置によってオーバーサンプリングされた投影データ91から高精度のX線投影透視画像を生成することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1では、撮影処理の際に回転フレーム13を回転させ、回転フレーム13に支持されたX線管11の位置が規定の範囲にあるときに、X線管11にX線を照射させる。このため、撮影処理機能1442によれば、継続的にX線を照射する場合と比較して、照射するX線量を低減することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、回転する回転フレーム13におけるX線管11およびX線検出器12の被検体Pに対する位置の変化と同期した規定のタイミングで、X線の焦点位置を変化させる。このため、撮影処理機能1442によれば、X線透過画像の撮影に的したサイクルで、X線の焦点位置を変化させることができる。
また、本実施形態のX線CT装置1では、X線の照射の開始から終了までに、被検体Pが投影された全ての投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成する。
表示制御機能447は当該合成投影データをディスプレイ42に表示させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、単一の焦点位置で撮影された投影データ91をX線投影透視画像として表示する場合と比較して、X線投影透視画像の空間分解能を向上させることができる。
(第3の実施形態)
上述の第2の実施形態では、ビューポジションに基づいてX線の照射タイミングが決定されていた。この第3の実施形態では、ユーザの操作に応じてX線の照射タイミングが決定される。
本実施形態のX線CT装置1のハードウェア構成は、図8、9で説明した第2の実施形態と同様である。
また、本実施形態のコンソール装置40の処理回路44は、第2の実施形態と同様に、受付機能441、撮影処理機能1442、取得機能1443、前処理機能1445、再構成処理機能446、表示制御機能1447、焦点位置制御機能448、および合成機能449を備える。受付機能441は、受付部の一例である。撮影処理機能1442は、撮影処理部の一例である。取得機能1443は、取得部の一例である。前処理機能1445は、前処理部の一例である。再構成処理機能446は、再構成処理部の一例である。表示制御機能1447は、表示制御部、および出力部の一例である。焦点位置制御機能448は、焦点位置制御部の一例である。
取得機能1443、前処理機能1445、再構成処理機能446、表示制御機能1447、および合成機能449は、第2の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の受付機能441は、第2の実施形態と同様の機能を備えた上で、ユーザによるX線の照射開始のおよび終了の操作を受け付ける。例えば、受付機能441は、フットペダル35がユーザによって踏まれた場合に、ユーザによるX線の照射開始の操作を受け付ける。また、受付機能441は、フットペダル35がユーザによって継続して踏まれている場合、ユーザによるX線の照射の指示を継続して受け付ける。また、受付機能441は、ユーザがフットペダル35を踏むのをやめた場合、ユーザによるX線の照射の終了の操作を受け付ける。なお、フットペダル35は操作部の一例であり、操作ボタンやタッチパネル等が用いられても良い。X線の照射の開始の操作と、X線の照射の終了の操作が、別個の操作であっても良い。
本実施形態の撮影処理機能1442は、第2の実施形態と同様の機能を備えた上で、ユーザによるX線の照射開始の操作が受け付けられたタイミングに応じて、X線管11にX線を照射させる。
図14は、第3の実施形態に係るX線照射タイミングの一例を示す図である。図14では、“Time trigger”がユーザによるX線の照射の操作のタイミングを示す。図14に示す例では、時刻t10にユーザがフットペダル35を踏み始め、時刻t12にユーザがフットペダル35から足を離している。また、時刻t10から時刻t12の間は、ユーザはフットペダル35を継続して踏み続けている。なお、図14ではビューポジションの変化の図示を省略しているが、本実施形態においても、回転フレーム13は回転しているものとする。
また、本実施形態の焦点位置制御機能448は、第2の実施形態と同様の機能を備える。図14に示すように、焦点位置制御機能448は、第2の実施形態と同様に、複数の焦点位置が規定の順番および数で定義された組み合わせを1つのサイクルとして、焦点位置
の切り替えを複数のサイクル分繰り返する。
本実施形態の撮影処理機能1442は、ユーザによるX線の照射開始の操作の後、X線の焦点位置が最初にサイクル内の1番目の焦点位置である“XY+”に位置するタイミングから、X線管11にX線の照射を開始させる。図14に示す例では、ユーザによるX線の照射の操作が受け付けられた時刻t10の後、焦点位置が最初に“XY+”に位置するのは時刻t11である。このため、撮影処理機能1442は、時刻t11から、X線管11にX線の照射を開始させる。
また、撮影処理機能1442は、受付機能441がユーザによるX線の照射開始の操作を継続して受け付けている間、X線管11にX線の照射を継続させる。図14に示す例では、撮影処理機能1442は、少なくとも時刻t12までは、X線管11にX線の照射を継続させる。
そして、撮影処理機能1442は、ユーザによるX線の照射開始の操作が終了した場合、X線の焦点位置が現在のサイクル内の最後の焦点位置から次のサイクル内の1番目の焦点位置に切り替わるタイミングで、X線管11にX線の照射を終了させる。図14に示す例では、ユーザがフットペダル35から足を離した時刻t12の後、最初にサイクルが切り替わるタイミングは、時刻t13である。このため、撮影処理機能1442は、時刻t13でX線管11にX線の照射を終了させる。
次に、以上のように構成された本実施形態のX線CT装置1で実行される撮影処理の流れについて説明する。
図15は、第3の実施形態に係るX線CT装置1で実行される撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。
S101の撮影モード選択画面421の表示から、S102のユーザによる撮影モードの選択の操作の受け付けの処理については、第1の実施形態と同様である。
そして、本実施形態の受付機能441は、X線透視撮影モードが選択された場合、ユーザによるX線の照射開始の操作を受け付けるまで、待機する(S301“No”)。
本実施形態の撮影処理機能1442は、受付機能441がユーザによるX線の照射開始の操作を受け付けた場合(S301“Yes”)、当該操作を受け付けてから、X線の焦点位置が、1サイクルに含まれる複数の焦点位置のうち1番目の焦点位置になった場合(S302“Yes”)、X線管11にX線を照射させる(S303)。例えば、図14で図示した例では、撮影処理機能1442は、ユーザがX線の照射開始の操作をしてから、X線の焦点位置が“XY+”に最初に位置するタイミングで、X線の照射を開始する。
また、撮影処理機能1442は、受付機能441がユーザによるX線の照射開始の操作を受け付けてから、X線の焦点位置が、1サイクルに含まれる複数の焦点位置のうち1番目の焦点位置に達するまでは、X線管11にX線を照射させずに待機する(S302“No”)。例えば、図14で図示した例では、撮影処理機能1442は、ユーザがX線の照射開始の操作をしてから、X線の焦点位置が“XY+”に到達するまでは、X線の照射をせずに待機する。
そして、受付機能441は、X線の照射終了の操作を受け付けたか否かを判定する(S304)。例えば、ユーザがフットペダル35を継続して踏み続けている場合、受付機能441は、X線の照射終了の操作を受け付けていない判定する(S304“No”)。こ
の場合、撮影処理機能1442は、X線管11にX線の照射を継続する。
例えば、ユーザがフットペダル35から足を離した場合、受付機能441は、ユーザによるX線の照射終了の操作を受け付けたと判定する(S304“Yes”)。この場合、撮影処理機能1442は、焦点位置の次のサイクルの切り替わりのタイミングになるまでは、X線の照射を継続したままで待機する(S305“No”)。
そして、撮影処理機能1442は、ユーザによるX線の照射終了の操作を受け付けてから、最初のサイクルの切り替わりのタイミングが来ると(S305“Yes”)、X線管11にX線の照射を終了させる(S306)。
S202の前処理から、S204の合成投影データをX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる処理までは、第1の実施形態と同様である。
また、S102の処理でユーザによってCT撮影モードが選択された場合、S113の撮影の開始の操作の受け付けから、S116の再構成処理までは、第1、第2の実施形態と同様の処理である。また、S112の撮影が終了か否かの判定処理についても、第1、第2の実施形態と同様である。
このように、本実施形態のX線CT装置1は、ユーザによるX線の照射開始の操作が受け付けられたタイミングに応じて、X線管11にX線を照射させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、第1、第2の実施形態と同様の効果に加えて、ユーザによる所望のタイミングでX線投影透視画像を収集することができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、ユーザによるX線の照射開始の操作の後、X線の焦点位置が最初にサイクル内の1番目の焦点位置である“XY+”に位置するタイミングから、X線管11にX線の照射を開始させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザが焦点位置のサイクルを意識しなくとも、焦点位置の変化のサイクルと同期したタイミングでX線の照射を開始させることができる。
また、本実施形態のX線CT装置1は、ユーザによるX線の照射開始の操作が終了した場合、X線の焦点位置が現在のサイクル内の最後の焦点位置から次のサイクル内の1番目の焦点位置に切り替わるタイミングで、X線の照射を終了させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザが焦点位置のサイクルを意識しなくとも、焦点位置の変化のサイクルと同期したタイミングでX線の照射を終了させることができる。
(第4の実施形態)
上述の第3の実施形態では、X線透視撮影モードによる撮影の際に、ユーザによる操作のタイミングと、複数の焦点位置の組み合わせのサイクルの切り替えのタイミングとに沿って、X線の照射タイミングが定められていた。この第4の実施形態では、サイクルの切り替えのタイミングに関わらず、ユーザによる操作のタイミングと、焦点位置単位の切り替えのタイミングとに合わせてX線の照射タイミングが定められる。
本実施形態のX線CT装置1のハードウェア構成は、第2、第3の実施形態と同様である。
また、本実施形態のコンソール装置40の処理回路44は、第2、第3の実施形態と同様に、受付機能441、撮影処理機能1442、取得機能1443、前処理機能1445、再構成処理機能446、表示制御機能1447、焦点位置制御機能448、および合成機能449を備える。受付機能441は、受付部の一例である。撮影処理機能1442は
、撮影処理部の一例である。取得機能1443は、取得部の一例である。前処理機能1445は、前処理部の一例である。再構成処理機能446は、再構成処理部の一例である。表示制御機能1447は、表示制御部、および出力部の一例である。焦点位置制御機能448は、焦点位置制御部の一例である。
取得機能1443、前処理機能1445、再構成処理機能446、表示制御機能1447、および焦点位置制御機能448は、第2の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の撮影処理機能1442は、ユーザによるX線の照射開始の操作の後、X線管11がX線の照射が可能となった時点以降、最初にX線の焦点位置が切り替わるタイミングで、X線管11にX線の照射を開始させる。
図16は、第4の実施形態に係るX線照射タイミングの一例を示す図である。図16に示すように、本実施形態では、複数の焦点距離の組み合わせのサイクルの切り替えタイミングに関わらず、サイクルの途中でもX線の照射が開始または終了する。
例えば、図16に示す例では、時刻t20の時点でユーザがフットペダル35を踏むなどの、X線照射の開始を指示する操作をする。そして、ユーザが、時刻t24の時点でフットペダル35から足を離す。
ユーザによるX線照射の開始を指示する操作がされてから、X線管11がX線の照射が可能となるまでには、タイムラグが生じる場合がある。図16に示す例では、ユーザによるX線照射の開始を指示する操作がされた時刻t20の後、時刻t21の時点でX線管11がX線の照射が可能になったとする。しかしながら、時刻t21は、焦点位置の切り替わりタイミングとは一致しない。この場合、ユーザによるX線の照射開始の操作の後、X線管11がX線の照射が可能となった時点以降、最初にX線の焦点位置が切り替わるタイミングは、時刻t23である。このため、撮影処理機能1442は、時刻t23において焦点位置が“Z-”から“基準位置”に切り替わるタイミングで、X線管11にX線の照射を開始させる。
また、撮影処理機能1442は、ユーザによるX線の照射終了の操作の後、最初にX線の焦点位置が切り替わるタイミングで、X線管11にX線の照射を開始させる。ユーザによるX線の照射終了の操作は、第3の実施形態と同様に、例えば、ユーザが、フットペダル35から足を離す操作である。ユーザが、フットペダル35から足を離した時刻t24から、最初にX線の焦点位置が切り替わるタイミングは、時刻t25である。このため、撮影処理機能1442は、X線管11のX線の照射を時刻t25で終了させる。
本実施形態の合成機能449は、第2、第3の実施形態と同様の機能を備えた上で、X線管11によるX線の照射期間が、複数のサイクルを跨ぐ場合、サイクルに含まれる複数の焦点位置のうちX線の照射期間に対応する焦点位置で照射されたX線による複数の投影データ91を合成する。
より詳細には、X線の照射期間がX線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、合成機能449は、第1のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち、X線の照射期間の最初の焦点位置に相当する投影データ91から、第2のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち、X線の照射期間の最後の焦点位置に相当する他の投影データ91までの連続する複数の投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成する。なお、ここで第1のサイクルおよび第2のサイクルというのは連続する複数のサイクルの例示であり、サイクル数を限定する意図ではない。
図16に示す例では、X線の照射期間は第1のサイクルの最後の焦点位置“基準位置”から、第3のサイクルの4番目の焦点位置“Z-”までとなっている。この場合、合成機能449は、第1のサイクルの最後の焦点位置“基準位置”、第2のサイクルの第1の焦点位置~最後の焦点位置、および第3のサイクルの第1の焦点位置から4番目の焦点位置の各々に相当する合計10個の投影データ91を合成することにより、合成投影データを生成する。
このように、本実施形態のX線CT装置1によれば、ユーザによるX線の照射開始の操作の後、X線管11がX線の照射が可能となった時点以降、最初にX線の焦点位置が切り替わるタイミングで、X線管11にX線の照射を開始させる。このため、本実施形態のX線CT装置1によれば、第2、第3の実施形態と同様の効果に加えて、複数の焦点位置の組み合わせのサイクルの切り替えのタイミングに関わらず、X線の照射期間を変更可能であるため、ユーザによるX線の照射期間の自由度を向上させることができる。
(変形例1)
上述の第1の実施形態と、第2~4の実施形態を組み合わせても良い。例えば、第1の実施形態のX線CT装置1が、第2~4の実施形態のX線CT装置1と同様に、FFSの機能を有しても良い。具体的には、第1の実施形態のX線CT装置1の第2~4の実施形態のX線CT装置1と同様に、熱電子調整機構114と、当該熱電子調整機構114を制御する焦点位置制御機能448、および複数の投影データ91を合成する合成機能449を備えても良い。本変形例の超解像処理機能444は、合成投影データに対して超解像処理を実行する。この場合、表示制御機能447,1447は、超解像処理が施された合成投影データをディスプレイ42に表示させる。
本変形例のX線CT装置1によれば、異なる焦点位置に対応する複数の投影データ91が合成された合成投影データに対して、超解像処理を施すことにより、さらにX線投影透視画像の解像度をさらに向上させることができる。
(変形例2)
上述の第4の実施形態では、X線の照射期間がX線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、合成機能449は、第1のサイクルと第2のサイクルとを区別せず、X線の照射期間中に収集された投影データ91を合成していた。X線の照射期間が複数のサイクルに及ぶ場合の投影データ91の合成の処理の手法はこれに限定されるものではない。
例えば、合成機能449は、X線の照射期間が複数のサイクルに及ぶ場合、サイクルごとに投影データ91を合成したあと、合成投影データ同士をさらに合成するように、段階的に合成処理を実行しても良い。
具体的には、合成機能449は、X線管11によるX線の照射期間が、X線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、第1のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうちX線の照射期間に該当する1以上の焦点位置に相当する1以上の投影データ91を合成することにより第1の合成投影データを生成する。また、合成機能449は、第2のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうちX線の照射期間に該当する1以上の焦点位置に相当する1以上の投影データを合成することにより第2の合成投影データを生成する。そして、合成機能449は、第1の合成データと第2の合成データとを合成することにより第3の合成投影データを生成する。
本変形例の表示制御機能1447は、第3の合成投影データをX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる。
このような段階的な画像処理により、先に終了したサイクルに対応する投影データ91の合成処理を、X線の照射期間が終了する前に開始するなど、処理の効率化をすることができる。
(変形例3)
また、上述の各実施形態では、X線CT装置1により撮影されるX線投影透視画像が静止画である場合を例として説明したが、X線投影透視画像が動画であっても良い。例えば、X線CT装置1の撮影処理機能442,1442、は、被検体PをX線透視撮影モードで連続的に撮影することにより、動画のように時系列に連続した複数の投影データ91を収集しても良い。
この場合、表示制御機能447,1447は、撮影された複数の投影データ91を、時系列に連続したX線投影透視画像としてディスプレイ42に表示させる。時系列に連続したX線投影透視画像は、例えば複数のフレームを含む動画である。
(変形例4)
また、上述の第2~4の実施形態では、X線透視撮影モードによる撮影中に、回転フレーム13が回転するものとして説明したが、X線透視撮影モードによる撮影中は回転フレーム13が停止していても良い。
本変形例の撮影処理機能1442は、例えば、CT撮影モードの場合には回転フレーム13が回転した状態で被検体Pを撮影し、X線透視撮影モードの場合には回転フレーム13が停止した状態で被検体Pを撮影する。CT撮影モードは第1の撮影モードの一例であり、X線透視撮影モードは第2の撮影モードの一例である。
また、本変形例では、X線透視撮影モードにおいて、焦点位置制御機能448、は、X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替えるFFSの技術を採用する。つまり、第1の実施形態のように、X線透視撮影モードによる撮影中は回転フレーム13が停止する構成と、第2~4の実施形態のFFSの構成を組み合わせても良い。
(変形例5)
また、上述の第1の実施形態では、超解像処理実行ボタン73は、X線透視撮影モードとCT撮影モードのいずれが選択されている場合も同じ態様で表示されるものとしたが、X線透視撮影モードが選択された場合とCT撮影モードが選択された場合とで超解像処理実行ボタン73の表示態様が異なっても良い。
(変形例6)
また、上述の第1の実施形態では、超解像処理機能444が超解像処理を実行するか否かをユーザが選択するものとしたが、X線透視撮影モードの場合は常に超解像処理が実行されるものとしても良い。
(変形例7)
また、上述の各実施形態では、X線CT装置1をX線診断装置の一例としたが、他のモダリティをX線診断装置の一例としても良い。例えば、PET(Positron Emission Tomography)-CT装置がX線診断装置であっても良い。
また、上述の各実施形態においては、X線検出器12は、エネルギー積分型であるものとしたが、X線検出器12は、光子計数型のX線検出器であっても良い。すなわち、上述の各実施形態の構成は、X線CT装置1がフォトンカウンティングCT装置である場合に
も適用可能である。
(変形例8)
また、上述の各実施形態においてX線CT装置1の処理回路44が備える機能の一部または全てを、ワークステーション等の情報処理装置が備えても良い。
図17は、変形例8に係るワークステーション100とX線CT装置1とを含むシステムSの一例を示す図である。図17に示すように、X線CT装置1とネットワークNにより通信可能に接続したワークステーション100が、上述の各実施形態における処理回路44の各機能を実行しても良い。当該システムSは、医用画像診断システムの一例である。X線CT装置1は、撮影装置の一例である。また、ワークステーション100は、医用画像処理装置の一例である。
ワークステーション100が処理回路44を備える場合、例えば、当該処理回路44は、被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モードにより生成された投影データと、前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードにより生成されたCT画像データとをX線CT装置1から取得する取得機能を備える。取得機能は、取得部の一例である。また、本実施形態のワークステーション100の処理回路44は、X線CT装置1から取得された投影データまたはCT画像データに対して、超解像処理を実行する超解像処理機能444を備える。なお、ワークステーション100が備える機能はこれらに限定されるものではない。
また、医用画像処理装置の例は、ワークステーション100に限定されるものではない。ワークステーション100以外の情報処理装置、例えば、画像処理サーバ、またはクラウド環境に設けられたサーバ装置等が、上述の各実施形態の処理回路44が備える機能の一部を実行しても良い。
(変形例9)
上述の第3、4の実施形態では、ユーザによる操作によってX線の照射期間が決定されていたが、X線の照射時間はユーザの操作の継続時間に関わらず一定であっても良い。この場合、ユーザの操作はX線照射の開始のタイミングを入力する操作であり、開始のタイミングから規定の時間が経過後にX線の照射が終了する。また、開始のタイミングから、焦点位置制御機能448による規定のサイクル数分、または規定の数の焦点位置の移動が行われた場合に、撮影処理機能1442がX線の照射を終了しても良い。
(変形例10)
上述の実施形態に代えてまたは加えて、X線透視撮影モードにおいてもCT撮影モードにおいても、投影データに対する高画質化処理(超解像処理または焦点制御による高画質化処理)を適用することとしてもよい。この場合において、超解像処理を行う場合には、最終的に出力される画像(X線投影透視画像またはCT画像)に求められる要求が異なるため、超解像処理に用いる学習済みモデルを異ならせてもよい。実施形態の1変形例としては、X線投影透視画像用の撮影で得られた投影データ91に適用する超解像モデルは、X線投影透視画像を撮影するための撮影条件(管電流、管電圧、X線検出器のゲイン、画素束ねの設定、画像処理条件等々)で得られる画像を入力情報及び/またはターゲット情報として用い、訓練された学習済みモデルである。また、X線CT画像用の撮影で得られた投影データに適用する超解像モデルは、X線CT画像を得るための撮影条件/スキャン条件(管電流、管電圧、X線検出器のゲイン、画素束ねの設定、投影データへの処理条件等々)で得られる投影データを入力情報及び/またはターゲット情報として用い、訓練された学習済みモデルである。それぞれの投影データ向け学習済みモデルは別々のモデルとしてメモリに記憶またはハードウェア実装され、X線透視撮影モードとCT撮影モードと
で使い分けられることとなる。
本変形例のX線CT装置1の超解像処理機能444は、撮影モードに応じて超解像処理に用いる超解像モデルを変更する。より詳細には、本変形例のX線CT装置1の超解像処理機能444は、撮影処理機能442がX線透視撮影モードで被検体Pを撮影した場合には、上述のX線投影透視画像用の撮影で得られた投影データ91に適用する超解像モデルを用いて投影データ91に対する超解像処理を実行する。また、本変形例のX線CT装置1の超解像処理機能444は、撮影処理機能442がCT撮影モードで被検体Pを撮影した場合には、上述のX線CT画像用の撮影で得られた投影データに適用する超解像モデルを用いて投影データに対する超解像処理を実行する。
これに加えて、さらにCT撮影モードでは、上述したCT画像ドメインでの超解像モデルを適用することとしてもよい。
(変形例11)
また、上述の各実施形態では、X線透視撮影モードでの撮影が実行された場合には、該X線透視撮影モードで収集された投影データに基づく投影透視画像が表示制御機能447によりディスプレイ42に表示され、CT撮影モードの撮影が実行された場合には、当該CT撮影モードで収集された投影データに基づき再構成されるCT画像が表示制御機能447によりディスプレイ42に表示されるものとしたが、表示処理は必須ではない。
図18は、変形例11に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。例えば、図18に示すように、X線CT装置1の処理回路44は、さらに送信機能450を備えても良い。送信機能450は、送信部、および出力部の一例である。
例えば他の情報処理装置において投影透視画像またはCT画像が解析される場合、送信機能450は、当該他の情報処理装置に、投影透視画像またはCT画像を送信する。あるいは、送信先の他の情報処理装置において投影透視画像またはCT画像が表示されても良い。また、表示制御機能447による表示と、送信機能450による送信の両方が実行されても良い。
なお、表示制御機能447による表示と、送信機能450による送信とを総称する場合、出力という。
(変形例12)
上述の第1の実施形態では、X線CT装置1の撮影処理機能442は、CT撮影モードで撮影をする場合に、X線透視撮影モードとは異なる撮影方式で位置決め撮影を実行すると記載したが、このような位置決め撮影は必須ではない。
例えば、X線透視撮影モードで得られたX線投影透視画像を、一般的な位置決め画像の代わりに、位置決めのための画像として利用しても良い。あるいは、位置決めのための画像が使用されなくとも良い。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、1台のX線CT装置で、CT画像の撮影と、高精度のX線投影透視画像の撮影の両方を実施することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、
発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
被検体にX線を照射することにより前記被検体を撮影する撮影系と、
前記被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT(Computed Tomography)画像を得るためのCT撮影モードのうち、いずれかの撮影モードで前記撮影系を制御し、前記被検体の撮影を実行する撮影処理部と、
前記撮影モードに応じた超解像処理を実行する超解像処理部と、
を備えるX線診断装置。
(付記2)
前記超解像処理部は、前記X線透視撮影モードで前記撮影が実行された場合、前記撮影系が収集した投影データに対して前記超解像処理を実行するしてもよい。
(付記3)
前記X線診断装置は、前記撮影系が収集した投影データを再構成しCT画像データを生成する再構成処理部をさらに備えてもよく、
前記超解像処理部は、前記CT撮影モードで前記撮影が実行された場合、前記CT画像データに対して前記超解像処理を実行してもよい。
(付記4)
前記X線診断装置は、前記X線透視撮影モードでの撮影が実行された場合には、当該X線透視撮影モードで収集された投影データに基づく投影透視画像を表示及び解析の少なくともいずれかのために出力し、前記CT撮影モードの撮影が実行された場合には、当該CT撮影モードで収集された投影データに基づき再構成されるCT画像を表示及び解析の少なくともいずれかのために出力する出力部、をさらに備えてもよい。
(付記5)
前記X線診断装置は、前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれで前記被検体を撮影するかを選択するユーザの操作を受け付ける受付部、をさらに備えてもよく、
前記撮影処理部は、前記ユーザによる選択に応じて、前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれかで前記被検体を撮影するように前記撮影系を制御してもよい。
(付記6)
前記X線診断装置は、前記ユーザによる前記X線透視撮影モードを選択する操作を受け付け可能なX線透視撮影モード選択ボタンと、前記ユーザによる前記CT撮影モードを選択する操作を受け付け可能なCT撮影モード選択ボタンとを表示部に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
(付記7)
前記受付部は、前記ユーザによる前記超解像処理を実行するか否かを選択する操作を受け付けてもよく、
前記超解像処理部は、前記ユーザによって前記超解像処理の実行が選択されている場合に、前記超解像処理を実行してもよい。
(付記8)
前記X線診断装置は、前記超解像処理を実行するか否かをユーザが選択する操作を受け付け、前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれが選択されている場合も同じ態様で表示される超解像処理実行ボタンを、表示部に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
(付記9)
前記撮影系は、
熱電子を発生する陰極と、
前記陰極から照射される熱電子を受けて、X線を発生する陽極と、
前記熱電子の軌道を調整する熱電子調整部と、を含んでも良い。
前記X線診断装置は、前記撮影処理部による撮影処理の実行中に、前記熱電子調整部を制御することにより、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御部、をさらに備えてもよい。
(付記10)
熱電子を発生する陰極と、前記陰極から照射される熱電子を受けてX線を発生する陽極と、前記熱電子の軌道を調整する熱電子調整部と、を含むX線管と、
前記X線管から照射され、被検体を通過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線管および前記X線検出器を制御することにより前記被検体の撮影を実行する撮影処理部と、
前記撮影処理部による撮影処理の実行中に、前記熱電子調整部を制御することにより、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御部と、
複数の異なる焦点位置で照射された前記X線により前記被検体が投影された複数の投影データを合成することにより、合成投影データを生成する合成部と、
前記合成投影データをX線投影透視画像として表示部に表示させる表示制御部と、
を備えるX線診断装置。
(付記11)
前記X線管および前記X線検出器は回転可能な回転フレームに支持されてもよく、
前記撮影処理部は、
撮影処理の際に前記回転フレームを回転させ、
前記回転フレームに支持された前記X線管の位置が規定の範囲にあるときに、前記X線管に前記X線を照射させてもよい。
(付記12)
前記焦点位置制御部は、回転する前記回転フレームにおける前記X線管および前記X線検出器の前記被検体に対する位置の変化と同期した規定のタイミングで、前記X線の焦点位置を変化させてもよい。
(付記13)
前記X線診断装置は、ユーザによる前記X線の照射開始の操作を受け付ける受付部、をさらに備えてもよく
前記X線管および前記X線検出器は回転可能な回転フレームに支持されてもよく、
前記撮影処理部は、
撮影処理の際に前記回転フレームを回転させてもよく、
前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作が受け付けられたタイミングに応じて、前記X線管に前記X線を照射させてもよい。
(付記14)
前記焦点位置制御部は、複数の焦点位置が規定の順番および数で定義された組み合わせ
を1つのサイクルとして、前記X線の焦点位置の切り替えを複数のサイクル分繰り返してもよい。
前記撮影処理部は、
撮影処理の際に前記回転フレームを回転させてもよく、
前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作の後、前記X線の焦点位置が最初に前記サイクル内の1番目の焦点位置に位置するタイミングから、前記X線管に前記X線の照射を開始させてもよい。
(付記15)
前記撮影処理部は、
前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作の後、前記X線管が前記X線の照射が可能となった時点以降、最初に前記X線の焦点位置が切り替わるタイミングで、前記X線管に前記X線の照射を開始させてもよい。
(付記16)
前記撮影処理部は、
前記受付部が前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作を継続して受け付けている間、前記X線管に前記X線の照射を継続させてもよく、
前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作が終了した場合、前記X線の焦点位置が現在のサイクル内の最後の焦点位置から次のサイクル内の1番目の焦点位置に切り替わるタイミングで、前記X線の照射を終了させてもよい。
(付記17)
前記X線管および前記X線検出器は回転可能な回転フレームに支持されてもよく、
前記撮影処理部は、前記回転フレームが回転した状態で前記被検体を撮影する第1の撮影モードと、前記回転フレームが停止した状態で前記被検体を撮影する第2の撮影モードとを実行してもよく、
前記第2の撮影モードにおいて、前記焦点位置制御部は、前記X線の焦点位置を前記複数の異なる位置に切り替えてもよい。
(付記18)
前記合成部は、前記X線の照射の開始から終了までに、前記被検体が投影された全ての投影データを合成することにより、前記合成投影データを生成してもよい。
(付記19)
前記合成部は、前記X線管による前記X線の照射期間が、前記X線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、前記第1のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち、前記X線の照射期間の最初の焦点位置に相当する投影データから、前記第2のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち、前記X線の照射期間の最後の焦点位置に相当する投影データまでの連続する複数の投影データを合成することにより、前記合成投影データを生成してもよい。
(付記20)
前記合成部は、
前記X線管による前記X線の照射期間が、前記X線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、前記第1のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち前記X線の照射期間に該当する1以上の焦点位置に相当する1以上の投影データを合成することにより第1の合成投影データを生成してもよく、
前記第2のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち前記X線の照射期間に該当する1以上の焦点位置に相当する1以上の投影データを合成することにより第2の合成投影デ
ータを生成してもよく、
前記第1の合成投影データと前記第2の合成投影データとを合成することにより第3の合成投影データを生成してもよく、
前記表示制御部は、前記第3の合成投影データを前記X線投影透視画像として前記表示部に表示させてもよい。
(付記21)
前記撮影処理部は、前記被検体の撮影を連続的に実行してもよく、
前記表示制御部は、前記撮影処理部によって撮影された複数のX線投影透視画像データを時系列に連続した前記X線投影透視画像として前記表示部に表示させてもよい。
(付記22)
前記X線診断装置は、前記合成投影データに対して超解像処理を実行する超解像処理部、をさらに備えてもよく、
前記表示制御部は、超解像処理が施された前記合成投影データを前記表示部に表示させてもよい。
(付記23)
前記撮影処理部は、前記CT撮影モードで撮影を実行する場合、診断用のCT画像の撮影範囲を設定するための位置決め画像を得るための位置決め撮影を行っても良い。
位置決め撮影においては、前記撮影処理部は、前記X線透視撮影モードとは異なる撮影方式で撮影を実行する。
(付記24)
被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードで撮影系を制御することにより、前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれで前記被検体を撮影したかに応じた超解像処理対象を実行する超解像処理ステップと、
を含むX線診断方法。
(付記25)
被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードで撮影系を制御することにより、前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれで前記被検体を撮影したかに応じた超解像処理対象を実行する超解像処理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記26)
撮影系を制御することにより被検体にX線を照射して前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
撮影処理の実行中に、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御ステップと、
複数の異なる焦点位置で照射された前記X線により前記被検体が投影された複数の投影データを合成することにより、合成投影データを生成する合成ステップと、
前記合成投影データをX線投影透視画像として表示部に表示させる表示ステップと、
を含むX線診断方法。
(付記27)
撮影系を制御することにより被検体にX線を照射して前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
撮影処理の実行中に、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御ステップと、
複数の異なる焦点位置で照射された前記X線により前記被検体が投影された複数の投影データを合成することにより、合成投影データを生成する合成ステップと、
前記合成投影データをX線投影透視画像として表示部に表示させる表示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記28)
被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モードにより生成された投影データと、前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードにより生成されたCT画像データとを取得する取得部と、
前記投影データまたは前記CT画像データに対して、前記撮影モードに応じた超解像処理を実行する超解像処理部と、
を備える医用画像処理装置。
(付記29)
被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モードにより生成された投影データと、前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードにより生成されたCT画像データとを取得する取得ステップと、
前記投影データまたは前記CT画像データに対して、前記撮影モードに応じた超解像処理を実行する超解像処理ステップと、
を備える医用画像処理方法。
(付記30)
撮影装置と、医用画像処理装置とを備え、
前記撮影装置は、
被検体にX線を照射することにより前記被検体を撮影する撮影系と、
前記被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードのうち、いずれかの撮影モードで前記撮影系を制御し、前記被検体の撮影を実行する撮影処理部と、を備え、
前記医用画像処理装置は、前記撮影装置から取得した前記投影データまたは前記CT画像データに対して、前記撮影モードに応じた超解像処理を実行する、
医用画像診断システム。
(付記31)
中心部に略円筒形状の開口を有し、被検体にX線を照射することにより前記被検体を撮影する撮影系を備えるガントリと、
前記被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードのうち、いずれかの撮影モードで前記撮影系を制御し、前記被検体の撮影を実行する撮影処理部と、
前記撮影モードに応じた超解像処理を実行する超解像処理部と、
を備えるX線CT装置。
1 X線CT装置
10 架台装置
11 X線管
12 X線検出器
13 回転フレーム
14 X線高電圧装置
15 制御装置
30 寝台装置
35 フットペダル
40 コンソール装置
41 メモリ
42 ディスプレイ
43 入力インターフェース
44 処理回路
61~66 中心位置
71 X線透視撮影モード選択ボタン
72 CT撮影モード選択ボタン
73 超解像処理実行ボタン
80 カテーテル
91 投影データ
92 CT画像データ
100 ワークステーション
113 陰極
114 熱電子調整機構
116 陽極
121a 検出素子
421 撮影モード選択画面
422 超解像処理操作画面
423 操作画面
441 受付機能
442,1442 撮影処理機能
443,1443 取得機能
444 超解像処理機能
445,1445 前処理機能
446 再構成処理機能
447,1447 表示制御機能
448 焦点位置制御機能
449 合成機能
450 送信機能
P 被検体
S システム

Claims (26)

  1. 被検体にX線を照射することにより前記被検体を撮影する撮影系と、
    前記被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT(Computed Tomography)画像を得るためのCT撮影モードのうち、いずれかの撮影モードで前記撮影系を制御し、前記被検体の撮影を実行する撮影処理部と、
    前記撮影モードに応じた超解像処理を実行する超解像処理部と、
    を備えるX線診断装置。
  2. 前記超解像処理部は、前記X線透視撮影モードで前記撮影が実行された場合、前記撮影系が収集した投影データに対して前記超解像処理を実行する、
    請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記撮影系が収集した投影データを再構成しCT画像データを生成する再構成処理部をさらに備え、
    前記超解像処理部は、前記CT撮影モードで前記撮影が実行された場合、前記CT画像データに対して前記超解像処理を実行する、
    請求項1または2に記載のX線診断装置。
  4. 前記X線透視撮影モードでの撮影が実行された場合には、当該X線透視撮影モードで収集された投影データに基づく投影透視画像を表示及び解析の少なくともいずれかのために出力し、前記CT撮影モードの撮影が実行された場合には、当該CT撮影モードで収集された投影データに基づき再構成されるCT画像を表示及び解析の少なくともいずれかのために出力する出力部、をさらに備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  5. 前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれで前記被検体を撮影するかを選択するユーザの操作を受け付ける受付部、をさらに備え、
    前記撮影処理部は、前記ユーザによる選択に応じて、前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれかで前記被検体を撮影するように前記撮影系を制御する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  6. 前記ユーザによる前記X線透視撮影モードを選択する操作を受け付け可能なX線透視撮影モード選択ボタンと、前記ユーザによる前記CT撮影モードを選択する操作を受け付け可能なCT撮影モード選択ボタンとを表示部に表示させる表示制御部をさらに備える、
    請求項5に記載のX線診断装置。
  7. 前記受付部は、前記ユーザによる前記超解像処理を実行するか否かを選択する操作を受け付け、
    前記超解像処理部は、前記ユーザによって前記超解像処理の実行が選択されている場合に、前記超解像処理を実行する、
    請求項5または6に記載のX線診断装置。
  8. 前記超解像処理を実行するか否かをユーザが選択する操作を受け付け、前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれが選択されている場合も同じ態様で表示される超解像処理実行ボタンを、表示部に表示させる表示制御部をさらに備える、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  9. 前記撮影系は、
    熱電子を発生する陰極と、
    前記陰極から照射される熱電子を受けて、X線を発生する陽極と、
    前記熱電子の軌道を調整する熱電子調整部と、を含み、
    前記撮影処理部による撮影処理の実行中に、前記熱電子調整部を制御することにより、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御部、をさらに備える、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  10. 熱電子を発生する陰極と、前記陰極から照射される熱電子を受けてX線を発生する陽極と、前記熱電子の軌道を調整する熱電子調整部と、を含むX線管と、
    前記X線管から照射され、被検体を通過したX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管および前記X線検出器を制御することにより前記被検体の撮影を実行する撮影処理部と、
    前記撮影処理部による撮影処理の実行中に、前記熱電子調整部を制御することにより、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御部と、
    複数の異なる焦点位置で照射された前記X線により前記被検体が投影された複数の投影データを合成することにより、合成投影データを生成する合成部と、
    前記合成投影データをX線投影透視画像として表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えるX線診断装置。
  11. 前記X線管および前記X線検出器は回転可能な回転フレームに支持され、
    前記撮影処理部は、
    撮影処理の際に前記回転フレームを回転させ、
    前記回転フレームに支持された前記X線管の位置が規定の範囲にあるときに、前記X線管に前記X線を照射させる、
    請求項10に記載のX線診断装置。
  12. 前記焦点位置制御部は、回転する前記回転フレームにおける前記X線管および前記X線検出器の前記被検体に対する位置の変化と同期した規定のタイミングで、前記X線の焦点位置を変化させる、
    請求項11に記載のX線診断装置。
  13. ユーザによる前記X線の照射開始の操作を受け付ける受付部、をさらに備え、
    前記X線管および前記X線検出器は回転可能な回転フレームに支持され、
    前記撮影処理部は、
    撮影処理の際に前記回転フレームを回転させ、
    前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作が受け付けられたタイミングに応じて、前記X線管に前記X線を照射させる、
    請求項10に記載のX線診断装置。
  14. 前記焦点位置制御部は、複数の焦点位置が規定の順番および数で定義された組み合わせを1つのサイクルとして、前記X線の焦点位置の切り替えを複数のサイクル分繰り返し、
    前記撮影処理部は、
    撮影処理の際に前記回転フレームを回転させ、
    前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作の後、前記X線の焦点位置が最初に前記サイクル内の1番目の焦点位置に位置するタイミングから、前記X線管に前記X線の照射を開始させる、
    請求項13に記載のX線診断装置。
  15. 前記撮影処理部は、
    前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作の後、前記X線管が前記X線の照射が可能となった時点以降、最初に前記X線の焦点位置が切り替わるタイミングで、前記X線管
    に前記X線の照射を開始させる、
    請求項13に記載のX線診断装置。
  16. 前記撮影処理部は、
    前記受付部が前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作を継続して受け付けている間、前記X線管に前記X線の照射を継続させ、
    前記ユーザによる前記X線の照射開始の操作が終了した場合、前記X線の焦点位置が現在のサイクル内の最後の焦点位置から次のサイクル内の1番目の焦点位置に切り替わるタイミングで、前記X線の照射を終了させる、
    請求項13から15のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  17. 前記X線管および前記X線検出器は回転可能な回転フレームに支持され、
    前記撮影処理部は、前記回転フレームが回転した状態で前記被検体を撮影する第1の撮影モードと、前記回転フレームが停止した状態で前記被検体を撮影する第2の撮影モードとを実行し、
    前記第2の撮影モードにおいて、前記焦点位置制御部は、前記X線の焦点位置を前記複数の異なる位置に切り替える、
    請求項10に記載のX線診断装置。
  18. 前記合成部は、前記X線の照射の開始から終了までに、前記被検体が投影された全ての投影データを合成することにより、前記合成投影データを生成する、
    請求項10から17のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  19. 前記合成部は、前記X線管による前記X線の照射期間が、前記X線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、前記第1のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち、前記X線の照射期間の最初の焦点位置に相当する投影データから、前記第2のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち、前記X線の照射期間の最後の焦点位置に相当する投影データまでの連続する複数の投影データを合成することにより、前記合成投影データを生成する、
    請求項10に記載のX線診断装置。
  20. 前記合成部は、
    前記X線管による前記X線の照射期間が、前記X線の焦点位置の第1のサイクルの途中から開始して第2のサイクルの途中で終了した場合、前記第1のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち前記X線の照射期間に該当する1以上の焦点位置に相当する1以上の投影データを合成することにより第1の合成投影データを生成し、
    前記第2のサイクルに含まれる複数の焦点位置のうち前記X線の照射期間に該当する1以上の焦点位置に相当する1以上の投影データを合成することにより第2の合成投影データを生成し、
    前記第1の合成投影データと前記第2の合成投影データとを合成することにより第3の合成投影データを生成し、
    前記表示制御部は、前記第3の合成投影データを前記X線投影透視画像として前記表示部に表示させる、
    請求項10に記載のX線診断装置。
  21. 前記撮影処理部は、前記被検体の撮影を連続的に実行し、
    前記表示制御部は、前記撮影処理部によって撮影された複数のX線投影透視画像データを時系列に連続した前記X線投影透視画像として前記表示部に表示させる、
    請求項10から20のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  22. 前記合成投影データに対して超解像処理を実行する超解像処理部、をさらに備え、
    前記表示制御部は、超解像処理が施された前記合成投影データを前記表示部に表示させる、
    請求項10から21のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  23. 被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードで撮影系を制御することにより、前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
    前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれで前記被検体を撮影したかに応じた超解像処理対象を実行する超解像処理ステップと、
    を含むX線診断方法。
  24. 被検体のX線投影透視画像を得るためのX線透視撮影モード、および前記被検体のCT画像を得るためのCT撮影モードで撮影系を制御することにより、前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
    前記X線透視撮影モードと前記CT撮影モードのいずれで前記被検体を撮影したかに応じた超解像処理対象を実行する超解像処理ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  25. 撮影系を制御することにより被検体にX線を照射して前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
    撮影処理の実行中に、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御ステップと、
    複数の異なる焦点位置で照射された前記X線により前記被検体が投影された複数の投影データを合成することにより、合成投影データを生成する合成ステップと、
    前記合成投影データをX線投影透視画像として表示部に表示させる表示ステップと、
    を含むX線診断方法。
  26. 撮影系を制御することにより被検体にX線を照射して前記被検体の撮影を実行する撮影処理ステップと、
    撮影処理の実行中に、前記X線の焦点位置を複数の異なる位置に切り替える焦点位置制御ステップと、
    複数の異なる焦点位置で照射された前記X線により前記被検体が投影された複数の投影データを合成することにより、合成投影データを生成する合成ステップと、
    前記合成投影データをX線投影透視画像として表示部に表示させる表示ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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