JP2019020143A - 光ファイバ振動検知センサおよびその方法 - Google Patents

光ファイバ振動検知センサおよびその方法 Download PDF

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【課題】OTDRを用いて、光源の位相雑音による測定距離の制限や測定精度の劣化を補償する光ファイバ振動検知センサおよびその方法を提供すること。【解決手段】光源1からの光を分岐部2で分岐し、一方の光は光周波数変調部3に入射され、他方の光は分岐部4に入射される。周波数変調されずに分岐部4に導波された他方の光は分岐され、一方の光は光強度変調部5によりパルス変調され、光サーキュレータ6を通して被測定光ファイバ7へ入射される。分岐部4で分岐された他方の光は参照干渉計8の一方のポートへ入射される。分岐部2で分岐された一方の光は、光周波数変調部3で周波数変調された後、分岐部9で2分岐され、一方の光は参照干渉計8の他方のポートに入射される。被測定光ファイバ7からの散乱光は光サーキュレータ6を介し、分岐部9で分岐されたローカル光と合波され、バランスフォトディテクタ10で受光される。【選択図】図1

Description

本発明は、光源を用いた光ファイバ振動検知センサおよびその方法に関する。
光ファイバ技術を用いた干渉型のセンサは種々のものが研究、開発されてきた。干渉型のセンサは光の位相変化を測定し、温度や歪など様々な物理量を高感度に測定することができる。例えば、測定物の保全、異常検知を目的とした、構造物に対する振動を検知する振動センサが考えられている。
干渉型のセンサとしてはリング型のファイバでの振動検知方式が検討されている(非特許文献1参照)。この方法は、リング型ファイバの両端から光を入射し、それぞれにおける振動等での位相変化時の変化量の違いを元に振動位置を検知するものである。
この方法では位置が特定できるが、両端から光を入射する必要があり、また振動箇所を見つける方式なので、本質的に分布測定ではない。
これに対して、反射光を分布的に測定し、振動を分布測定するものとして、光ファイバでの光反射時間領域測定法(OTDR:Optical Time Domain Reflectometry)を用いたものが検討されている(非特許文献2参照)。この方法では、光ファイバ内部の各点からの反射光を測定し、それぞれの反射光を受光した時間により反射位置を特定し、また参照光と干渉させて生じたビート信号を受信し、その位相、つまり散乱光の位相変化から振動を検知する。
このように、一般的にOTDRを用いた振動センサとして、散乱光の位相を測定する位相OTDRが有力な方法として検討されている。しかし、散乱光の位相変化を正しく測定するためには、被測定光ファイバを往復した後の散乱光と、ビート信号を生成するために干渉させる参照光との位相差が定まった値である、つまり、その散乱光と参照光とがコヒーレントな状態である必要がある。
もし試験光やその反射光と参照光とで遅延時間差が長くなり、2つの光がコヒーレントではなくなると、受信した干渉光の位相はランダムなものとなり振動を検知することは不可能である。このため、被測定光ファイバの往復時間を超えたコヒーレンス時間を持った光源として、位相雑音が非常に小さくスペクトル線幅が狭い、純度の高い高級なレーザ光源を用いることが必要である。このような光源は非常に高価で、また取り扱いも難しいため、位相OTDRによる振動センサが広く普及するための障壁となっている。
さらに、そのような高コヒーレンスな光源でも、位相を定められる遅延時間、すなわちコヒーレンスを維持できる時間には限界があり、測定可能な光ファイバ長の限界が存在する。また、光源のコヒーレンス時間以内の遅延時間で測定できる位置からの散乱光であって、干渉光の位相が定まった状態だとしても、光源の位相雑音による位相の揺らぎ自体は存在し、その揺らぎによって振動の詳細な様子を解析する際の精度が悪化してしまう。
位相OTDRにおいて、光源の持つ周波数ドリフトに対する補正については既に検討されているが(非特許文献3参照)、光源の位相雑音全体を補正してはいないため、上記のコヒーレンス時間を超えた遅延時間が生じる位置からの散乱光の測定という課題は残っている。
反射光を測定する方法における遅延時間の補正という観点で、参照干渉計を測定系に加え、その干渉計の出力をモニタすることで、光源の位相雑音を補正する方法が検討されている(非特許文献4参照)。この方法では、参照干渉計の遅延ファイバの長さの任意の倍数の遅延時間を計算する方法が提案されている。
しかしながら、この方法は光反射周波数領域測定法(OFDR:Optical Frequency Domain Reflectometry)という時間的に光源の周波数を掃引した光を用いた反射測定法であり、位置を表す周波数を遠くの点において補正する目的で用いられている。そのため、参照干渉計のモニタ信号を用いて測定結果を時間的にリサンプリングする必要がある。この方法は、OTDRという時間領域反射光測定方法において、位置が遅延時間で一意に決まる測定のため、上記リサンプリングのような位置補正処理は意味を持たない。
また振動測定においては、測定したいパラメータと補正すべきパラメータが同じで、かつ、そのパラメータが遅延時間や散乱位置ではなく位相そのものであるという点が異なるため、非特許文献4の方法をそのまま振動センサに対して利用することはできない。
P.R.Hoffman, et al, "Position determination of an acoustic burst along a Sagnac Interferometer," Journal of Lightwave Technology, vol.22, No.2, February, 2004 Y. Lu, et al, "Distributed vibration sensor based on coherent detection of phase-OTDR," IEEE Journal of Lightwave Technology, vol. 28, No. 22, November, 2010 F. Zhu, et al, "Active Compensation Method for Light Source Frequency Drifting in Φ-OTDR Sensing System," IEEE Photonics Technology Letters, vol. 27, No. 24, December 15, 2015 X.Fan, et al., "Phase-Noise-Compensated Optical Frequency-Domain Reflectometry," IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. 45, No. 6, June, 2009
既存のOTDRによる振動センサにおいては、光の位相を測定するため、光源の位相雑音が測定精度に大きく影響する。しかしながら、OTDRで測定される散乱光の位相雑音を直接補正する技術はこれまでに考案されておらず、位相雑音を補償する方法がないため、位相雑音の発生自体を非常に小さく抑えられる、高価で取扱いの難しい光源を用いる必要があるという課題がある。また、位相雑音が0の光源は存在しないため、本質的に測定できる光ファイバの長さや振動の測定精度には限界がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、OTDRを用いて、光源の位相雑音による測定距離の制限や測定精度の劣化を補償する光ファイバ振動検知センサおよびその方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、光ファイバ振動検知センサであって、コヒーレンス性を有する光を出力する光源と、前記コヒーレンス性を有する光と、前記コヒーレンス性を有する光が被測定光ファイバに入射されて発生した後方散乱光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第1のビート信号を生成する第1の干渉計と、前記コヒーレンス性を有する光と、遅延時間τの遅延回路で遅延された前記コヒーレンス性を有する光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第2のビート信号を生成する第2の干渉計と、前記第1および第2のビート信号をそれぞれ受光して数値化処理する信号処理部と、基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1の信号処理部で得られるビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2の信号処理部で得られる参照ビート信号の位相X1から算出される
を用いて補償する位相雑音補償部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、光ファイバ振動検知センサであって、コヒーレンス性を有する光を出力する光源と、前記光源から出力された光を2分岐する第1の光分岐部と、前記第1の光分岐部で分岐された一方の分岐光を2分岐する第2の光分岐部と、前記第2の光分岐部で分岐された一方の分岐光をパルス変調する光強度変調部と、前記光強度変調部から出力されたパルス光を被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出す光サーキュレータと、前記第1の光分岐部で分岐された前記一方の分岐光又は他方の分岐光に光周波数シフトを付与する光周波数変調部と、前記光周波数変調部から出力された周波数変調光を2分岐する第3の光分岐部と、前記第3の光分岐部から出力された一方の分岐光に前記光源から出力される光のコヒーレンス時間の半分より小さい時間遅延τを付与する遅延回路と、前記後方散乱光と前記第3の光分岐部から出力された他方の分岐光とを合波した第1のビート信号および前記第2の光分岐部から出力された他方の分岐光と前記遅延回路から出力された光とを合波した第2のビート信号を受光し、数値化処理する信号処理部と、基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1ビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2ビート信号の位相X1から算出される
を用いて補償する位相雑音補償部と、を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ファイバ振動検知センサにおいて、前記Nτは、前記被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出すまでの遅延時間に略等しいことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ振動検知センサにおいて、前記信号処理部における最小サンプリング時間は、前記遅延回路の遅延時間τと等しいことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、光ファイバ振動検知方法であって、コヒーレンス性を有する光を出力するステップと、前記コヒーレンス性を有する光と、前記コヒーレンス性を有する光が被測定光ファイバに入射されて発生した後方散乱光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第1のビート信号を生成する第1の干渉ステップと、前記コヒーレンス性を有する光と、遅延時間τの遅延回路で遅延された前記コヒーレンス性を有する光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第2のビート信号を生成する第2の干渉ステップと、前記第1および第2のビート信号をそれぞれ受光して数値化処理する信号処理ステップと、基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1の信号処理部で得られるビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2の信号処理部で得られる参照ビート信号の位相X1から算出される
を用いて補償する位相雑音補償ステップと、を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、光ファイバ振動検知方法であって、コヒーレンス性を有する光を出力するステップと、出力された前記コヒーレンス性を有する光を2分岐する第1の光分岐ステップと、前記第1の光分岐ステップで分岐された一方の分岐光を2分岐する第2の光分岐ステップと、前記第2の光分岐ステップで分岐された一方の分岐光をパルス変調する光強度変調ステップと、前記光強度変調ステップで変調されたパルス光を被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出すステップと、前記第1の光分岐ステップで分岐された前記一方の分岐光又は他方の分岐光に光周波数シフトを付与する光周波数変調ステップと、前記光周波数変調ステップで変調された周波数変調光を2分岐する第3の光分岐ステップと、前記第3の光分岐ステップで分岐された一方の分岐光に前記コヒーレンス性を有する光のコヒーレンス時間の半分より小さい時間遅延τを付与する遅延付与ステップと、前記後方散乱光と前記第3の光分岐ステップで分岐された他方の分岐光とを合波した第1のビート信号および前記第2の光分岐ステップで分岐された他方の分岐光と前記遅延付与ステップで時間遅延τを付与された光とを合波した第2のビート信号を受光し、数値化処理する信号処理ステップと、基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1のビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2ビート信号の位相X1から算出される
を用いて補償する計算処理ステップと、を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の光ファイバ振動検知方法において、前記Nτは、前記被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出すまでの遅延時間に略等しいことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の光ファイバ振動検知方法において、前記信号処理ステップにおける最小サンプリング時間は、前記遅延付与ステップで付与される遅延時間τと等しいことを特徴とする。
本発明の技術を用いれば、OTDRによる光ファイバ振動センサにおいて、光源の位相雑音、すなわちスペクトル線幅やドリフト等の制限をなくし、より簡易に、より長距離・高感度な測定を可能となる。これにより、光ファイバを用いた振動センサの簡易化・高度化の実現に貢献することができる。
本発明の一実施例1に係る光ファイバ振動検知センサの構成を示す図である。 (a)はtcがコヒーレンス時間よりも十分小さい場合のビート信号I(t)をフーリエ変換して算出したビート信号I(t)の周波数スペクトルを示す図であり、(b)はtcがコヒーレンス時間よりも大きい場合の上記周波数スペクトルを示す図である。 離散化されたビート信号の位相の時間変化を示す図である。 (a)は散乱光とローカル光とのビート信号の位相の時間変化を示す図であり、(b)は遅延時間τの参照ビート信号の位相X1の時間変化を示す図であり、(c)は遅延時間2τの参照ビート信号の位相X2の時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施例1に係る光ファイバ振動検知センサの構成を示す。先ず、光源1から出射された光を分岐部2で2分岐し、一方の光は光周波数変調部3に入射され、他方の光は分岐部4に入射される。周波数変調されずに分岐部4に導波された他方の光は2分岐され、一方の光は光強度変調部5によりパルス変調され、光サーキュレータ6を通して被測定光ファイバ7へ入射される。分岐部4で分岐された他方の光は参照干渉計8の一方のポートへ入射される。分岐部2で2分岐された一方の光は、光周波数変調部3で周波数変調された後、分岐部9で2分岐され、一方の光は参照干渉計8の他方のポートに入射される。分岐部9で分岐された他方の光は散乱光とのビート信号を取得するためのローカル光とされる。
被測定光ファイバ7からの散乱光は光サーキュレータ6を介し、分岐部9で分岐されたローカル光と合波され、バランスフォトディテクタ10で受光される。バランスフォトディテクタ10で生成された電気信号は、信号発生器12から発生させた、光周波数変調部3で加えた周波数と同じ周波数の信号とミキサ11で合波し、測定したい信号の周波数を直流成分に移し、低域透過フィルタ13でその他の雑音成分をカットされる。雑音成分をカットした電気信号は、数値化装置18によりデジタルデータに変換され、計算処理部19で数値計算処理される。
参照干渉計8では、光源1のコヒーレンス時間の半分よりも短い遅延時間を持つ遅延光ファイバ14を具備しており、光周波数変調部3で変調された周波数変調光と分岐部4で分岐された試験光が合波され、バランスフォトディテクタ15で参照ビート信号が受光される。バランスフォトディテクタ15で生成された電気信号は、散乱光と同じく、ミキサ16で信号発生器12からの信号と合波され、低域透過フィルタ17で不要な雑音成分をカットされる。雑音成分をカットした電気信号は、数値化装置18によりデジタルデータに変換され、計算処理部19で数値計算処理される。
ここで、パルス試験光が被測定光ファイバ7に入射されたときの散乱光は以下の式(1)で表される。
ここで、Eは光振幅、tcはパルス試験光が被測定光ファイバ7内に入射されて被測定光ファイバ7内のある位置において散乱されて散乱光として戻って来るまでの遅延時間、fは光源1の光の周波数、fAは光周波数変調部3で加えられる変調周波数、tは測定開始を0としたときの経過時間、φは測定したい光ファイバに加わっている振動による位相変化、aは振動が加わっている被測定光ファイバ7上の位置、θは光が持つ位相の雑音成分である。この散乱光が次の式(2)であらわされるローカル光と干渉しビート信号として受信される。
ローカル光は被測定光ファイバ7を通っていないため、遅延時間0として扱う。式(1)で表される散乱光と式(2)で表されるローカル光のビート信号は、
となる。計算の中で2πftcは光源1の光周波数fがtcに比べて非常に大きいのでftc=整数(1未満の値を含まない値)となり、無視できる。ここで、測定する被測定光ファイバ7内での遅延の遅延時間tcが光源1のコヒーレンス時間よりも小さくないと、式(3)内の雑音成分θの差分の項がランダムとなり、振動成分φを正しく測定することができない。
図2に、ビート信号I(t)をフーリエ変換して算出したビート信号I(t)の周波数スペクトルを示す。遅延時間tcがコヒーレンス時間よりも短い場合、ビート信号I(t)はデルタ関数的なピークを持ち、その広がり、もしくはサイドピークが振動による位相変化φによって現れる。
しかし、遅延時間tcがコヒーレンス時間よりも長い場合、雑音成分θがランダムになることによって周波数スペクトルがローレンツ関数の形を持った広がりを持ってしまい、これにより位相変化の振動成分φが測定できなくなる。また遅延時間tcがコヒーレンス時間よりも短い場合でも、厳密なデルタ関数ではなく、光源1の位相雑音による周波数スペクトルの幅を持っており、コヒーレンス時間以下の遅延の散乱光でも位相の測定に雑音が混入する。
これを解決するために、参照干渉計8で生成する参照ビート信号を利用する。参照干渉計8での受信信号を用いた位相雑音補償の方法をまず数式で定量的に説明する。式(3)と同じ計算により、参照干渉計8の参照ビート信号は以下の式(4)の形で表される。
ここで、τは遅延光ファイバ14による遅延時間である。この時、τは光源1の光周波数fに対して非常に短いためfτ=整数となり、2πfτの項は無視できる。この式(4)で表される電気信号は、ミキサ11において信号発生器12で生成された光源1と同じ周波数fの信号と合波されることにより直流付近の低い周波数に変換されて信号処理される。したがって、参照干渉計8から出力される参照ビート信号の位相として、
が測定される。上記X1は位相であるため、実際に受信した信号に対して、ヒルベルト変換を施しsin成分を計算し、cos成分と合わせてtan成分を計算し、その逆tan関数を施すことにより算出するが、その値は−πからπまでの値のみで表される。ここで、遅延時間をN倍した場合の位相は、
となるため、N=1から順次計算しようとすると、
と表され、N倍では
と表される。これら式(7)、(8)から位相XNを位相X1と遅延時間τのみで表すと下式(9)のようになる。
この式により、遅延光ファイバ14が1本のときの受信信号の位相X1の時間波形および遅延時間τのみで、N倍(Nは任意の自然数)の遅延時間における雑音成分の位相XNが計算可能である。
以上の参照ビート信号から計算されたさまざまな遅延の場合の光源1の位相変化のデータは、以降において、散乱光とローカル光とのビート信号の位相雑音を補償するために用いられる。
次に、被測定光ファイバ7に対しての位相OTDRとしての振動測定について、式(3)に関して説明したコヒーレンス時間による制限について詳細を説明する。バランスフォトディテクタ10に入射される散乱光とローカル光のビート信号は、下式(式(3))の形で測定される。
このビート信号は被測定光ファイバ7のある位置z0からの散乱光の情報を含んでおり、位置z0は往復遅延時間tc
の関係にある。ここでVは被測定光ファイバ7中を伝搬する光の速度である。式(3)で表されるビート信号がバランスフォトディテクタ10で電気信号に変換されると、ミキサ11において信号発生器12で生成された周波数fの電気信号と合波される。合波した信号を数値化装置18で数値化するが、このとき、受信される信号はミキサ11で合波し、低域透過フィルタ13を利用することにより、直流付近のパルス幅に相当する周波数帯域の信号にする。この時の数値化装置18に入力される信号は、
となる。この式(11)で表される波形を有する電気信号は、光強度変調部5で生成した試験光パルスを繰り返し被測定光ファイバ7入射することで多数取得される。試験光パルスの入射頻度は、OTDRの動作原理からの要請により、複数のパルスにより式(3)で表されるビート信号の波形が重ないように、被測定光ファイバ7の長さを光が往復する時間より長くとる。この試験光パルスの時間間隔をTとし、被測定光ファイバ7に入射する試験光パルスの数をn、k=1、2、・・・、nとすると、式(11)で表される信号から、
と、離散化された信号を取得できる。この信号の位相を、例えばヒルベルト変換でsin成分を求めてから算出すると、図3のように時間により変化する波形として描け、この波形を高速フーリエ変換等の周波数解析手段を用いることにより、位相変動の振動成分φを求めることができるはずである。
しかし、このとき(12)式の中の雑音成分θの項が振動成分φとkに対して変化が激しい場合、正しく振動成分φが求められない。特に式(12)を見ればわかる通り、雑音成分θの項は遅延時間tcだけ時間がずれた値との差分となっているため、遅延時間tcが光源1のコヒーレンス時間よりも長い場合、雑音成分θの項が定まらず、その雑音的振る舞いにより振動測定のノイズとなる。
一方、遅延時間tcが光源1のコヒーレンス時間よりも短い場合は雑音成分θの項がある一定の値になるが、振動成分φに対して雑音となることに変わりはなく、図3の波形において、測定対象である振動による位相変化φに対するSN比の劣化につながる。
一般的に、雑音成分θを確定した値とするためには遅延時間tcをコヒーレンス時間よりも短くする必要があり、これは言い換えると被測定光ファイバ7の長さを光源1のコヒーレンス長よりも短くする必要があるということと同義である。この制限を超えるため、本発明では、参照干渉計8の出力から計算された、下式(式(8))で表される任意の遅延での参照ビート信号の位相を利用する。
式(12)で計算する遅延時間tcに対し、Nτが最も遅延時間tcに近くなるNを求め、その時の参照ビート信号の位相XNを利用する。例えば理想的なtc=Nτの場合は、
となるので、式(12)の位相に加えると、
となり、振動成分φ(と2πfAc)のみを求めることができる。尚、位相XN(tc+(k−1)T)の値は、式(9)から位相X1と遅延時間τから求めることができる。この計算は、コヒーレンス時間を超えた遅延でも計算できる遅延差であることから、I(k)での遅延がコヒーレンス時間を超えた場合でも正しく雑音成分θの差分を除去することが可能である。また、遅延がコヒーレンス時間以内の場合においてもこの計算により雑音成分θの差分を除去することができ、SN比の改善による高精度な位相の測定が可能である。
以下に本実施例の具体的な数値計算方法について説明する。
まず、測定で関係するパラメータについて整理する。数値化装置18でのサンプリング速度S(Sa/s)は、パルス幅Wで決まり、S≧2/Wとなる。参照ビート信号についても同じことが言えるため、参照ビート信号も同じサンプリング速度S(>2/W)で測定されることとなる。
振動測定では、散乱光の時間変化を測定するためパルスを多数入射する。そのため、計算処理部19で受信される波形は図4(a)のようなものとなる。なお、ここでは説明のため、縦軸の位相を、パワーのように表現しているが、実際はビート信号の位相なのでこのようなきれいな形をしていない。また参照干渉計8から同時に受信されるX1(t)の波形と、そこから計算できるX2(t)の波形も図4(b)、(c)に記載している。
ここで順次XN(t)までを計算していくことになる。X1(t)は上記のとおり、S(≧2/W)でサンプリングされるが、基準のτ(遅延光ファイバ14による遅延時間)だけ離れたX2(t)を離散的に計算するため、
でなければならない。
また、参照干渉計8での遅延光ファイバ14による遅延時間τを、前記数値化装置18の最小サンプリング間隔(サンプリング速度S(Sa/s)の逆数)と同一になるようにすれば、雑音成分θの差分で表される光源1の位相雑音除去がサンプリングされるすべての点で厳密となり、より高精度な散乱光位相分布測定が可能となる。
ここで、図4から改めて考えると、参照干渉計8からの光の波形の列それぞれについて1点ずつのみ抽出されるため、参照干渉計8の位相XNで補正されるのもそれぞれの場所について1点ずつである。したがって、位相XN(t)は上記のとおり信号光と同じくサンプリング速度Sで大量にサンプリングされていく位相X1を元に計算されることになるが、1つの散乱光波形、つまり1回のパルス試験光を入射する時間間隔Tでサンプリングされるビート信号のうち、補正されるのはその中で1点のみとなる。
つまり、参照ビート信号の位相XN(t)は式(7)、(8)から順次計算されていくことになる。例えばX1(t)はt=τ+(k−1)Tのみ、X2(t)はt=2τ+(k−1)Tの点のみが位相雑音補償に利用される。そして、式(7)での漸化式の計算から分かるように、補償に用いるXN(t)の参照データは、例えばX2(t)の場合は、X1(τ+(k−1)T)とX1(2τ+(k−1)T)の2点から計算され、X3(t)はX2(2τ+(k−1)T)とX1(3τ+(k−1)T)の2点から計算される、というように、XN(Nτ+(k−1)T)の全てのNでの値がそれぞれ2つの点XN-1((N−1)τ+(k−1)T)とX1(Nτ+(k−1)T)から計算できる。これは式(8)で表すと
である。
したがって、1回のパルス試験光を入射する時間間隔Tの間にサンプリングされる信号に対して、位相雑音補償に使用する参照ビート信号のデータ点は、自然数2以上のNにおけるXNについて、XN-1((N−1)τ+(k−1)T)とX1(Nτ+(k−1)T)の2点のみである。1つの散乱光波形のサンプリング点数は2LS/v(L:ファイバ長、v:光速)であり、サンプリングレートが上記のとおり遅延τと同等とするとS=2/W=1/τとなる。そのため式(7)で扱うXNのデータ数は、全てのtについて計算すると、計算で算出するXNの点数は2L/τv×Nの行列となり、非常に膨大な数となるが、上記のように実際使う点のみ計算すれば、X1については、2L/τv全て利用することを考慮すると、2(N−1)+2L/τvと非常に少なくなる。
また、以上より、式(7)、式(8)での参照干渉計からの任意の遅延の位相の計算において、基準の遅延光ファイバによる遅延時間τを最小サンプリング時間まで小さくしても、計算で使うデータ量は非常に少なく、一般的なプロセッサで現実的に計算できる分量となり、リアルタイムに近い性能が求められる振動センサにおいて、計算負荷の少ない信号処理を実施する上で非常に有効である。
以上の方法により、参照ビート信号から計算される任意の遅延時間での位相情報用いて、散乱光とローカル光のビート信号に重畳する位相雑音を補償でき、結果として散乱光の位相状態を高精度に測定することが可能となる。さらには、上記測定を繰り返すことで、時間的に変動する光源1の位相雑音が補償された状態において、被測定光ファイバ上の任意の位置における散乱光の位相が時間的に変動する様子を計測することが可能であり、言い換えれば、被測定光ファイバ上の任意の位置に加わる振動を詳細に解析することが可能である。
また、上記の計算で光源1の周波数はfで固定していたが、この周波数がレーザの特性としてドリフトする場合は、f(t)=f+δ(t)と書ける。この光周波数のドリフト量δ(t)は測定の経過時間で変動する周波数であることを意味している。この場合でも散乱光を表す式(3)においてドリフト量δ(t)を位相雑音の中に含めることができるので、図4に示すように、信号波形と同時間に取得された参照ビート信号の位相で補償することができる。すなわち、本発明では、光源1の位相雑音のみでなく、光源1の光周波数のドリフト現象も同時に補償可能である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、本実施例では、周波数変調をミキサ11と信号発生器12で直流に移しているが、高精度な数値化装置によりデジタル信号処理で処理をしてもよい。ミキサ11を使わない場合は式(6)〜(8)は
と、光周波数変調部3で加えられる変調周波数fAの成分が含まれる形になる。しかし変調周波数fAはあらかじめ分かっているパラメータであるため、容易に信号処理で除去可能であり、ミキサ11を利用した場合と何ら結果は変わらない。
また、ミキサ11を利用しない場合は、数値化装置18で受信される信号に変調周波数fAが残るため、サンプリング速度は2/Wではなく、2fAにすればよい。
また、本実施例では、光周波数変調部3を光分岐9の手前に配置したヘテロダイン検波構成を用いているが、光分岐4の手前でもよく、この場合は、試験光側の光周波数がシフトされるだけであって、本実施例と同様の結果を得ることができる。
また、式(5)や式(12)から位相を求めるために、ヒルベルト変換を行うのではなく、光受信部に光90度ハイブリッドを用いたコヒーレント検波を用いてcos成分、sin成分を受信する形にしてもよい。この場合は、数値化装置18で受信する前にcos、sin両方確定しているため、ヒルベルト変換が不要で計算処理が軽くなる。但し、この場合にはコヒーレント検波での光制御による雑音が加わることになる。
非特許文献4のOFDRにおける位相雑音補償の手段は、周波数掃引光を用いるため、任意の遅延時間をフーリエ変換によって計算するために掃引時間に渡る時間範囲のビート信号及び参照ビート信号の取得が必要であり、光源の位相雑音を補償するためには、上記計測が完了した後に補償のための計算処理を実施する必要がある点において、本実施例と大きく異なる。言い換えれば、非特許文献4の手段においては、掃引時間に渡る時間範囲Tでサンプリングされた参照ビート信号を全て補償に用い、同時間範囲でサンプリングされたビート信号すべてに対しこれを時間的リサンプリングによって補償するのに対して、本発明は、時間範囲Tの間にサンプリングされる信号に対して、位相雑音補償に使用する参照ビート信号のデータ点は、ビート信号Iの測定時刻をNτとすると、その時刻Nτでの遅延時間Nτ(N:自然数)の位相の雑音成分XNの値1点のみであり、さらには時間的リサンプリング処理そのものが不要であるという点において、処理そのものも異なる。さらには、非特許文献4の手段は、光源のコヒーレンス時間を超えた任意の遅延時間(被測定光ファイバの遠くの一点に該当し、波長掃引時間に渡る時間範囲Tより小さい)における位相雑音を補償し、高い距離分解能を達成することが目的であるのに対して、本発明は振動センサであり、繰り返し測定を実施する測定経過時間方向に対して安定して位相状態を取り出すことを目的としており、目的および手段も非なるものである。
また、上記実施形態例に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種種の発明を形成できる。例えば、実施形態例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。参照干渉計8の遅延τをパルス幅による分解能よりも広くとっても良いし、測定時間内でいつ数値計算を行わせるかにより、リアルタイム性・同時性の制御も自由に設定できる。
1 光源
2、4、9 分岐部
3 光周波数変調部
5 光強度変調部
6 光サーキュレータ
7 被測定光ファイバ
8 参照干渉計
10、15 バランスフォトディテクタ
11、16 ミキサ
12 信号発生器
13、17 低域透過フィルタ
14 遅延光ファイバ
18 数値化装置
19 計算処理部

Claims (8)

  1. コヒーレンス性を有する光を出力する光源と、
    前記コヒーレンス性を有する光と、前記コヒーレンス性を有する光が被測定光ファイバに入射されて発生した後方散乱光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第1のビート信号を生成する第1の干渉計と、
    前記コヒーレンス性を有する光と、遅延時間τの遅延回路で遅延された前記コヒーレンス性を有する光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第2のビート信号を生成する第2の干渉計と、
    前記第1および第2のビート信号をそれぞれ受光して数値化処理する信号処理部と、
    基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1の信号処理部で得られるビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2の信号処理部で得られる参照ビート信号の位相X1から算出される
    を用いて補償する位相雑音補償部と、
    を備えたことを特徴とする光ファイバ振動検知センサ。
  2. コヒーレンス性を有する光を出力する光源と、
    前記光源から出力された光を2分岐する第1の光分岐部と、
    前記第1の光分岐部で分岐された一方の分岐光を2分岐する第2の光分岐部と、
    前記第2の光分岐部で分岐された一方の分岐光をパルス変調する光強度変調部と、
    前記光強度変調部から出力されたパルス光を被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出す光サーキュレータと、
    前記第1の光分岐部で分岐された前記一方の分岐光又は他方の分岐光に光周波数シフトを付与する光周波数変調部と、
    前記光周波数変調部から出力された周波数変調光を2分岐する第3の光分岐部と、
    前記第3の光分岐部から出力された一方の分岐光に前記光源から出力される光のコヒーレンス時間の半分より小さい時間遅延τを付与する遅延回路と、
    前記後方散乱光と前記第3の光分岐部から出力された他方の分岐光とを合波した第1のビート信号および前記第2の光分岐部から出力された他方の分岐光と前記遅延回路から出力された光とを合波した第2のビート信号を受光し、数値化処理する信号処理部と、
    基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1ビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2ビート信号の位相X1から算出される
    を用いて補償する位相雑音補償部と、
    を備えたことを特徴とする光ファイバ振動検知センサ。
  3. 前記Nτは、前記被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出すまでの遅延時間に略等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ振動検知センサ。
  4. 前記信号処理部における最小サンプリング時間は、前記遅延回路の遅延時間τと等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ振動検知センサ。
  5. コヒーレンス性を有する光を出力するステップと、
    前記コヒーレンス性を有する光と、前記コヒーレンス性を有する光が被測定光ファイバに入射されて発生した後方散乱光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第1のビート信号を生成する第1の干渉ステップと、
    前記コヒーレンス性を有する光と、遅延時間τの遅延回路で遅延された前記コヒーレンス性を有する光とを、少なくとも一方を周波数変調して合波することにより第2のビート信号を生成する第2の干渉ステップと、
    前記第1および第2のビート信号をそれぞれ受光して数値化処理する信号処理ステップと、
    基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1の信号処理部で得られるビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2の信号処理部で得られる参照ビート信号の位相X1から算出される
    を用いて補償する位相雑音補償ステップと、
    を備えたことを特徴とする光ファイバ振動検知方法。
  6. コヒーレンス性を有する光を出力するステップと、
    出力された前記コヒーレンス性を有する光を2分岐する第1の光分岐ステップと、
    前記第1の光分岐ステップで分岐された一方の分岐光を2分岐する第2の光分岐ステップと、
    前記第2の光分岐ステップで分岐された一方の分岐光をパルス変調する光強度変調ステップと、
    前記光強度変調ステップで変調されたパルス光を被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出すステップと、
    前記第1の光分岐ステップで分岐された前記一方の分岐光又は他方の分岐光に光周波数シフトを付与する光周波数変調ステップと、
    前記光周波数変調ステップで変調された周波数変調光を2分岐する第3の光分岐ステップと、
    前記第3の光分岐ステップで分岐された一方の分岐光に前記コヒーレンス性を有する光のコヒーレンス時間の半分より小さい時間遅延τを付与する遅延付与ステップと、
    前記後方散乱光と前記第3の光分岐ステップで分岐された他方の分岐光とを合波した第1のビート信号および前記第2の光分岐ステップで分岐された他方の分岐光と前記遅延付与ステップで時間遅延τを付与された光とを合波した第2のビート信号を受光し、数値化処理する信号処理ステップと、
    基準時刻から前記時間遅延τのN倍(N:自然数)となる時間における前記第1のビート信号I(Nτ)の位相の雑音成分を、前記第2ビート信号の位相X1から算出される
    を用いて補償する計算処理ステップと、
    を有することを特徴とする光ファイバ振動検知方法。
  7. 前記Nτは、前記被測定光ファイバに入射し、前記被測定光ファイバの後方散乱光を取り出すまでの遅延時間に略等しいことを特徴とする請求項5又は6に記載の光ファイバ振動検知方法。
  8. 前記信号処理ステップにおける最小サンプリング時間は、前記遅延付与ステップで付与される遅延時間τと等しいことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の光ファイバ振動検知方法。
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