JP5613627B2 - レーザ光コヒーレンス関数測定方法及び測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光のコヒーレンス関数を測定するレーザ光コヒーレンス関数測定方法及び測定装置に関する。
従来のレーザ光のコヒーレンス長測定方法としては、非特許文献1に記載のレーザ光のスペクトル測定法が知られている。この方法では、被測定レーザを2分岐し、一方を用意した十分な長さの光ファイバによって伝送させ、もう一方を音響光学素子などに通して周波数を一定量だけシフトさせる。その後両者を合波し、受光素子により受光して、その受光信号のビートスペクトル幅を測定する。このビートスペクトル幅の1/2が、レーザ光の発振スペクトル線幅(以下、レーザ光スペクトル線幅)であることが知られており、測定したビートスペクトル幅からレーザ光スペクトル線幅を測定することができる。尚、このレーザ光スペクトル線幅をΔνとすると、レーザ光のコヒーレンス時間は1/πΔνとなる。また、このコヒーレンス時間に光速度定数を乗算すればコヒーレンス長が得られる。
但し、上記の方法では、分岐されたレーザ光の一方を十分に長い光ファイバに通して十分な時間遅延を与えてからもう一方と合波する必要があり、被測定レーザ光のコヒーレンス長よりも十分に長い遅延が要求される。このため、測定時には不明であるレーザ光のコヒーレンス長よりも長い遅延が得られていることを前提条件となっている。したがって、測定結果は、レーザ光スペクトル線幅の一定の推測を可能にするものの、その測定結果は不確実性を含んだものにならざるを得なかった。この懸念は、特にスペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光を測定する場合に顕著であり、近年においてファイバレーザなどの数KHz程度のスペクトル線幅を有するレーザが商用化されている状況では、その測定のあいまいさが問題となっている。
T. Okoshi, K. Kikuchi, and A. Nakayama, "Novel method for high resolution measurement of laser output spectrum," Electronics Letters, Vol. 16, No. 16, pp. 630-631, 1980 Y. Koshikiya, X. Fan, and F. Ito, "Long range and cm-level spatial resolution measurement using coherent optical frequency domain reflectmetry with SSB-SC modulator and narrow linewidth fiber laser", IEEE/OSA J. Lightwave Technol. Vol. 26, No. 18, pp. 3287-3294, 2008
以上述べたように、従来のレーザ光のコヒーレンス長測定技術では、レーザ光のコヒーレンス長よりも長い遅延が得られていることが前提条件となっているため、レーザ光スペクトル幅の推測は可能であるものの、その測定結果に不確実性が含まれている。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、レーザ光のスペクトル線幅が狭く、コヒーレンス時間が長いレーザ光のコヒーレンス時間をより正確に測定可能とするレーザ光コヒーレンス関数測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ光コヒーレンス測定方法は、以下のような態様の構成とする。
(1)遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τm)を測定するレーザ光コヒーレンス測定方法であって、被測定レーザ光の周波数を線形に掃引し、前記周波数掃引されたレーザ光を2系統に分岐し、分岐された一方のレーザ光を光ファイバに入射して当該光ファイバで生じたレイリー散乱光を取り込み、前記レイリー散乱光と前記分岐された他方のレーザ光とを合波し、前記合波によって生じる光電流を時間長Tの間検出し、q回目の測定において前記検出された光電流の電流値をフーリエ変換してそのパワースペクトルaqm)を算出し、s回目の測定において前記検出された光電流の電流値をフーリエ変換してそのパワースペクトルaSm) (但し、qの測定開始時刻とsの測定開始時刻は時間長T以上離れている)を算出し、前記算出された各パワースペクトルa q m ),a S m )の相互相関と前記コヒーレンス関数γ(τ m )との間に、次式
Figure 0005613627
が成り立つことを利用して、前記コヒーレンス関数γ(τm)の絶対値|γ(τm)|を求める態様とする。
(2)(1)の方法において、前記被測定レーザ光のコヒーレンス時間は、遅延0の近傍のコヒーレンス関数と遅延τの付近でのコヒーレンス関数との解析によって求める態様とする。
本発明に係るレーザ光コヒーレンス測定装置は、以下のような態様の構成とする。
(3)遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τm)を測定するレーザ光コヒーレンス測定装置であって、前記被測定レーザ光の周波数を線形に掃引する周波数掃引手段と、前記周波数掃引されたレーザ光を2系統に分岐する光分岐手段と、前記分岐された一方のレーザ光を光ファイバに入射し当該光ファイバに生じるレイリー散乱光を取り込むレイリー散乱光取得手段と、前記光ファイバで生じたレイリー散乱光と前記光分岐手段で分岐された他方のレーザ光とを合波する光合波手段と、前記合波によって生じる光電流を時間長Tの間検出する光電流検出手段と、前記検出された光電流の電流値をフーリエ変換し、そのパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出手段と、前記光電流検出手段及びパワースペクトル算出手段それぞれの検出結果及び算出結果に基づいて前記レーザ光のコヒーレンス関数の絶対値を求める解析手段とを具備し、前記解析手段は、q回目の測定において前記パワースペクトル算出手段により算出されたパワースペクトルa q m )と、s回目の測定において前記パワースペクトル算出手段により算出されたパワースペクトルa S m ) (但し、qの測定開始時刻とsの測定開始時刻は時間長T以上離れている)との相互相関と、コヒーレンス関数γ(τ m )との間に、次式
Figure 0005613627
が成り立つことを利用して、前記コヒーレンス関数γ(τm)の絶対値|γ(τm)|を求める態様とする。
(4)(3)の装置において、前記解析手段は、前遅延0の近傍のコヒーレンス関数と、遅延τの付近でのコヒーレンス関数との解析によって前記被測定レーザ光のコヒーレンス時間を求める態様とする。
以上のように、本発明は、測定値に対して統計処理を行うことにより、従来法の測定条件のあいまいさを取り除き、測定の信頼性を向上させることを特徴とする。具体的には、C-OFDRを応用して線形に周波数掃引された被測定レーザの一方の分岐光のレイリー散乱強度を取り込んで他方の分岐光と合波し、その合波光から光電流を検出してパワースペクトルを算出する。その光電流の検出及びパワースペクトルの算出を2回連続して行うことにより、前記パワースペクトルの自己相関関数を遅延τの関数として求め、各パワースペクトルのアンサンブル平均値で当該自己相関関数を割り、当該値のアンサンブル平均から1を引いた値が遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値の4乗に比例することを利用して、遅延時間τにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める。
本発明によるレーザ光コヒーレンス関数測定では、従来技術に対して以下の優位性を持つ。
第1に、本発明によれば、コヒーレンス時間と同程度の光ファイバ長により測定が可能な上、仮にコヒーレンス時間がそれよりもはるかに長かった場合には、そのこと自体が測定により明らかにされるので、より長い光ファイバに置き換えて測定をやり直すなどの処置を取ることができる。よって、本発明は、従来技術よりも信頼性に優れた測定結果を提供するといえる。
第2に、本発明によれば、単にコヒーレンス時間が測定されるだけでなく、そのコヒーレンス関数の絶対値の全容が遅延時間τの関数として掌握される。これにより、レーザ光の性質をより詳しく調査することができる。
第3に、本発明によれば、2つの異なるパワースペクトルからコヒーレンス関数を決定することが可能になるので、リアルタイムに測定結果を提供することが可能となる。
したがって、本発明によれば、レーザ光のスペクトル線幅が狭く、コヒーレンス時間が長いレーザ光のコヒーレンス時間をより正確に測定可能とするレーザ光コヒーレンス関数測定方法及び測定装置を提供することができる。
本実施形態に係るレーザ光コヒーレンス関数測定方法を適用した測定装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す測定装置の周波数掃引装置によって与えられる周波数変調の波形を表す図である。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
図1は本実施形態のレーザ光コヒーレンス関数測定装置の構成を示すブロック図である。図1において、1は被測定レーザ光源であり、ここで発生された被測定レーザ光は周波数掃引装置2により、図2に示すように所定の期間内で規定幅の周波数掃引を受けた後、光分岐器3−1によって2系統に分岐される。分岐された一方の系統の伝送光は光サーキュレータ4によって光ファイバ5に導かれ、他方の系統の伝送光は光合波器3−2に導かれる。続いて、上記光ファイバ5内でレイリー散乱を受けた反射光は光サーキュレータ4を経て光合波器3−2に導かれ、他方の伝送光と合波された後、バランス型受光素子6に受光される。
上記バランス型受光素子6で得られた受光信号はデータ取得装置7によって所定のサンプリング周期でデータ化された後、パワースペクトル解析装置8によってビートスペクトル幅が解析されて順次メモリ装置9に蓄積される。コヒーレンス関数解析装置10は、所定の周期でメモリ装置9に蓄積されたビートスペクトル幅のデータを読み込んで被測定レーザ光のコヒーレンス関数を解析し、その解析結果からレーザ光のコヒーレンス長を求める。上記周波数掃引装置2の掃引期間及びデータ取得装置7のデータ取得期間は、いずれも制御装置11から出される指示に従って決定される。
上記構成において、以下にその測定方法とその手順について説明する。
まず、被測定レーザ光源1が発する時間長Tのレーザ光の電界振幅E’(t)を以下のように表すこととする。
Figure 0005613627
ここで、式(1)のEi(t)は
Figure 0005613627
と表される。すなわち、式(1)はレーザ光から取り出される電界振幅のi番目のアンサンブルを意味している。
本実施形態において測定されるレーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)は、
Figure 0005613627
で与えられる量である。かっこ記号の< >はアンサンブル平均を意味し、多くのアンサンブルに対する平均を表す。尚、*は位相共役を意味する。
ここで、式(2)で表される量が持つ意味を考察しておく。もともとのレーザ光の電界は式(1)で表わされるが、これは中心周波数ωiを中心として位相揺らぎθi(t)を持っている。しかるに、式(2)においては、中心周波数ωiは現われておらず、位相揺らぎθi(t)のみに関係する量であることがわかる。すなわち、電界振幅のいくつかのアンサンブルを集めたときに、仮にそのアンサンブル間で中心周波数ωiが変化(ドリフト)していたとしても、その効果は式(2)には現れず、1つのアンサンブルの中で観測される位相揺らぎθi(t)(すなわち発振周波数の揺らぎ)が測定されることになる。よって本実施形態で測量されるものは、レーザ光が一定時間Tだけ発振した時の位相もしくは周波数の揺らぎ幅を意味しており、これはレーザ光のスペクトルの広がりを評価する際には極めて有用な尺度になると考えられる。
被測定レーザ光源1から発せられた光は、周波数掃引装置2によって、図2に示すように、その周波数が時間に対してT秒間線形に掃引される。周波数掃引幅をΔFで表す。周波数掃引装置2としては、例えば非特許文献2に記載の単一側波帯変調器を用いることにより実現することができる。すなわち、周波数掃引装置2により周波数掃引された光波の電界振幅(アンサンブル)E”i(t)は、式(4)で表される。
Figure 0005613627
周波数掃引されたレーザ光は、光分岐器3−1により2分岐され、一方は光サーキュレータ4を介して光ファイバに入射される。光ファイバ5内ではレイリー散乱と呼ばれる光散乱が生じ、その散乱光は光ファイバを逆方向に伝搬してサーキュレータ4に戻り、光合波器3−2に向かって進行する。分岐されたもう一方のレーザ光は、そのまま光合波器3−2に向かって進行する。光合波器3−2ではこれらのレーザ光が合波される。
本構成は、同じく非特許文献2に説明されているコヒーレント光周波数領域反射型(Coherent Optical Frequency Domain Reflectometry:以下C-OFDR)と呼ばれる反射分布測定装置の構成を応用したものであり、光ファイバ内の1つの反射点zmまでの光の往復時間をτとすると、i番目の光電界のアンサンブルE”i(t)がこの反射点からの散乱されることによってバランス受光素子6に生じる光電流Ii,m(t)は、式(5)により表される。
Figure 0005613627
ここで複素数rmは反射点zmのレイリー反射係数であり、ランダムな値をとる確率変数である。
式(2)より、
Figure 0005613627
実際の光電流は反射点zmの近傍の多数の反射点からの散乱光の和によって生じるから、観測される光電流の大きさIi,total(t)は、
Figure 0005613627
と表される。データ取得装置7は、式(7)で表される光電流Ii,total(t)を数値化して取得し、データとして格納する。
C-OFDRでは、光ファイバの距離zmからの散乱光の強度は、式(7)で表現される光電流のパワースペクトルにより算出される。C-OFDRの距離分解能は、遅延時間τmに換算して1/ΔFであり、典型値として例えばΔF=10GHzと仮定すると、距離分解能に相当する遅延時間差は100psとなる。これは今考えているレーザのコヒーレンス時間(典型的には1μsまたはそれ以上)と比べて非常に小さいものである。C-OFDRが観測する距離zmにおける散乱光強度は、式(7)において、この距離分解能に相当する遅延時間差1/ΔFにわたる範囲で、mについて和を取ったものである。
パワースペクトル解析装置8は、上記光電流Iim)のパワースペクトルを算出する。すなわち、
Figure 0005613627
とすると、
Figure 0005613627
式(7)の光電流のパワースペクトルは、式(10)で表される。
Figure 0005613627
制御装置11により、上記の一連の測定は2回連続して行われる。各々をq回目およびs回目とする。この連続測定の目的は、上記のパワースペクトルai)およびask)(ただし、qとsの測定間隔はT以上開ける)を取得することによって、その自己相関
Figure 0005613627
を求めることにある。
ここで、上記において求められたパワースペクトルのアンサンブル平均と、本実施形態で測定される光源のコヒーレンス関数との関係を考察する。
まず式(8)より、Iim)はEi(t)E* i(t-τm)の時間平均であることがわかる。よって、それらのアンサンブル平均は、適当な比例係数を除きお互いに等しい。すなわち、
Figure 0005613627
Kは適当な比例係数であるが、以下の説明には影響しないため、以後1とおくことにする。このことより、
Figure 0005613627
は式(14)のように表すことができる。
Figure 0005613627
ここで、ni,q,nk,sはそのアンサンブル平均(iおよびkについての平均)が0であるような、相関をもたない複素数である。すなわち、
Figure 0005613627
である。
一方、γ(τi),γ(τk)はqやsに依存しない、すなわち連続測定の間で一定の値をとる複素数である。式(13)を式(11)に代入し、Aの値は何であっても以下の説明に影響しないのでAを1とおくと、
Figure 0005613627
が求まる。ここで、ri, rk, ni,q, nk,sの位相を考慮すると、
Figure 0005613627
で表される。また、考えているτmの範囲ではコヒーレンス関数の絶対値はほとんど変化しないので、
Figure 0005613627
である。式(16)および(17)を式(15)に代入すると、
Figure 0005613627
Figure 0005613627
と表される。したがって、
Figure 0005613627
と表すことができる。
また、Re2[as)],Im 2[as)]も同様である。ここで、τ近傍におけるγ(τ)は同一とみなし、τ近傍のパワースペクトルのアンサンブル平均を求めると、
Figure 0005613627
と表される。ここで、
Figure 0005613627
であり、上記式が消え、i=j,k=lもしくは、i=l,k=j;i=k,l=jの時、
Figure 0005613627
となり、i=j,k=lの時、
Figure 0005613627
が残る。したがって、
Figure 0005613627
となる。
よって、事象のサンプル数が大きければ大きいほど精度よくアンサンブル平均を求めることがわかるが、現実的には測定回数には限度があり、許容される測定時間等の制約から決定されるものである。また、
Figure 0005613627
と表されるので、パワースペクトルの相互相関とコヒーレンス関数には、
Figure 0005613627
の関係があることがわかる。
以上の考察により、コヒーレンス関数解析装置10は、遅延τの付近でのコヒーレンス関数を測定し、遅延0の近傍のパワースペクトルのコヒーレンス関数と解析することでコヒーレンス時間を求めることができる。これより式(22)を用いて、任意の遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値γ(τ)を求めることができる。また、本発明における自己相関関数は相互相関関数においても代替することが可能である。
以上のように、本発明によるコヒーレンス関数並びにコヒーレンス時間測定方法は、従来技術に対して以下の優位性を持つ。
第1に、コヒーレンス時間と同程度の光ファイバ長により測定が可能な上、仮にコヒーレンス時間がそれよりもはるかに長かった場合には、そのこと自体が測定により明らかにされるので、より長い光ファイバに置き換えて測定をやり直すなどの処置を取ることができる。よって、本発明は、従来技術よりも信頼性に優れた測定結果を提供することができる。
第2に、単にコヒーレンス時間が測定されるだけでなく、そのコヒーレンス関数の絶対値の全容が遅延時間τの関数として掌握される。これにより、レーザ光の性質をより詳しく調査することができる。
第3に、2つの異なるパワースペクトルからコヒーレンス関数を決定することが可能になる。したがって、リアルタイムな測定結果の提供が可能といえる。
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…被測定レーザ光源、2…周波数掃引装置、3−1…光分岐器、3−2…光合波器、4…光サーキュレータ、5…光ファイバ、6…バランス型受光素子、7…データ取得装置、8…パワースペクトル解析装置、9…メモリ装置、10…コヒーレンス関数解析装置、11…制御装置。

Claims (4)

  1. 遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τm)を測定するレーザ光コヒーレンス関数測定方法であって、
    被測定レーザ光の周波数を線形に掃引し、
    前記周波数掃引されたレーザ光を2系統に分岐し、
    分岐された一方のレーザ光を光ファイバに入射して当該光ファイバで生じたレイリー散乱光を取り込み、
    前記レイリー散乱光と前記分岐された他方のレーザ光とを合波し、
    前記合波によって生じる光電流を時間長Tの間検出し、
    q回目の測定において前記検出された光電流の電流値をフーリエ変換してそのパワースペクトルaqm)を算出し、
    s回目の測定において前記検出された光電流の電流値をフーリエ変換してそのパワースペクトルaSm)(但し、qの測定開始時刻とsの測定開始時刻は時間長T以上離れている)を算出し、
    前記算出された各パワースペクトルa q m ),a S m )の相互相関と前記コヒーレンス関数γ(τ m )との間に、次式
    Figure 0005613627
    が成り立つことを利用して、前記コヒーレンス関数γ(τm)の絶対値|γ(τm)|を求めること
    を特徴とするレーザ光コヒーレンス関数測定方法。
  2. 前記被測定レーザ光のコヒーレンス時間は、遅延0の近傍のコヒーレンス関数と、遅延τの付近でのコヒーレンス関数との解析によって求めることを特徴とする請求項1に記載のレーザ光コヒーレンス関数測定方法。
  3. 遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τm)を測定するレーザ光コヒーレンス測定装置であって、
    前記被測定レーザ光の周波数を線形に掃引する周波数掃引手段と、
    前記周波数掃引されたレーザ光を2系統に分岐する光分岐手段と、
    前記分岐された一方のレーザ光を光ファイバに入射し当該光ファイバに生じるレイリー散乱光を取り込むレイリー散乱光取得手段と、
    前記光ファイバで生じたレイリー散乱光と前記光分岐手段で分岐された他方のレーザ光とを合波する光合波手段と、
    前記合波によって生じる光電流を時間長Tの間検出する光電流検出手段と、
    前記検出された光電流の電流値をフーリエ変換してそのパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出手段と、
    前記光電流検出手段及びパワースペクトル算出手段それぞれの検出結果及び算出結果に基づいて前記レーザ光のコヒーレンス関数の絶対値を求める解析手段と
    を具備し、
    前記解析手段は、
    q回目の測定において前記パワースペクトル算出手段により算出されたパワースペクトルa q m )と、s回目の測定において前記パワースペクトル算出手段により算出されたパワースペクトルa S m ) (但し、qの測定開始時刻とsの測定開始時刻は時間長T以上離れている)との相互相関と、コヒーレンス関数γ(τ m )との間に、
    次式
    Figure 0005613627
    が成り立つことを利用して、前記コヒーレンス関数γ(τm)の絶対値|γ(τm)|を求めること
    を特徴とするレーザ光コヒーレンス関数測定装置。
  4. 前記解析手段は、遅延0の近傍のコヒーレンス関数と、遅延τの付近でのコヒーレンス関数との解析によって前記被測定レーザ光のコヒーレンス時間を求めることを特徴とする請求項3に記載のレーザ光コヒーレンス関数測定装置。
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