JP7040386B2 - 光ファイバ歪み及び温度測定装置並びに光ファイバ歪み及び温度測定方法 - Google Patents

光ファイバ歪み及び温度測定装置並びに光ファイバ歪み及び温度測定方法 Download PDF

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この発明は、ブリルアン散乱光を用いた、光ファイバ歪み及び温度測定装置並びに光ファイバ歪み及び温度測定方法に関する。
光ファイバ通信の発展とともに、光ファイバ自体をセンシング媒体とする分布型光ファイバセンシングが盛んに研究されている。特に、散乱光を利用する光ファイバセンシングは、点ごとに計測する電気センサとは異なり、長距離の分布としてのセンシングが可能であるため、被測定対象全体の物理量を計測することができる。
分布型光ファイバセンシングでは、光ファイバの片端から光パルスを入射し、光ファイバ中で後方散乱された光を時間に対して測定する時間領域リフレクトメトリ(OTDR:Optical Time Domain Reflectometry)が代表的である。光ファイバ中の後方散乱には、レイリー散乱、ブリルアン散乱及びラマン散乱がある。この中で自然ブリルアン散乱を測定するものはBOTDR(Brillouin OTDR)と呼ばれる(例えば、非特許文献1参照)。
ブリルアン散乱は、光ファイバに入射される光パルスの中心周波数に対して、ストークス側及び反ストークス側にGHz程度周波数シフトした位置に観測され、そのスペクトルはブリルアン利得スペクトル(BGS:Brillouin Gain Spectrum)と呼ばれる。BGSの周波数シフト及びスペクトル線幅は、それぞれブリルアン周波数シフト(BFS:Brillouin Frequency Shift)及びブリルアン線幅と呼ばれる。BFS及びブリルアン線幅は、光ファイバの材質および入射光波長によって異なる。例えば、石英系のシングルモード光ファイバの場合、波長1.55μmにおけるBFSの大きさ及びブリルアン線幅は、それぞれ約11GHz及び約30MHzとなることが報告されている。また、非特許文献1からシングルモードファイバ中の歪み、温度の変化に伴うBFSの大きさは波長1.55μmにおいて、それぞれ0.049MHz/με、1.0MHz/℃である。
このように、BFSは歪みと温度に対して依存性を持つ。このため、BOTDRは橋梁やトンネルなどに代表される大型建造物や、地滑りが発生する恐れのある箇所などの監視目的で利用可能であり、注目されている。
BOTDRでは、光ファイバ中で発生する自然ブリルアン散乱光のスペクトル波形を測定するため、別途用意した参照光とのヘテロダイン検波を行うのが一般的である。自然ブリルアン散乱光の強度はレイリー散乱光の強度に比べて2~3桁小さい。このため、ヘテロダイン検波は最小受光感度を向上させる上でも有用となる。
ここで、自然ブリルアン散乱光は非常に微弱なため、ヘテロダイン検波を適用しても十分な信号雑音比(S/N)を確保できない。その結果、S/N改善のための平均化処理が必要となる。BOTDRを行う従来の光ファイバ歪み測定装置では、時間、振幅及び周波数の3次元の情報を取得しているが、平均化処理とこの3次元情報の取得のため、測定時間の短縮が難しい。
これに対し、光の周波数変化をコヒーレント検波により与えられるビート信号の位相差として測定することにより、時間及び位相の2次元の情報を取得する、自然ブリルアン散乱光を用いた、光ファイバ歪み測定装置及び光ファイバ歪み測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7を参照して、光の周波数変化をコヒーレント検波により与えられるビート信号の位相差として測定する、従来の光ファイバ歪み測定装置の基本構成について説明する。図7は、従来の光ファイバ歪み測定装置の模式的なブロック図である。
光ファイバ歪み測定装置は、光源部10、サーキュレータ20、光増幅器30、光バンドパスフィルタ32、自己遅延ヘテロダイン干渉計41及びタイミング制御器90を備えて構成される。
光源部10は、プローブ光を生成する。光源部10は、連続光を生成する光源12と、連続光から光パルスを生成する光パルス発生器14を備えて構成される。
光パルス発生器14は、タイミング制御器90で生成された電気パルスに応じて、連続光から光パルスを生成する。この光パルスが、プローブ光として、光源部10から出力される。
この光源部10から出力されたプローブ光は、サーキュレータ20を経て、被測定光ファイバ100に入射される。
被測定光ファイバ100からの後方散乱光は、サーキュレータ20を経て、例えば、光増幅器30に送られる。光増幅器30で増幅された後方散乱光は、光バンドパスフィルタ32に送られる。光バンドパスフィルタ32は、自然ブリルアン散乱光のみを透過する。この自然ブリルアン散乱光は、自己遅延ヘテロダイン干渉計41に送られる。この光バンドパスフィルタ32から出射される自然ブリルアン散乱光の時刻tにおける信号E(t)は、以下の式(1)で表される。
Figure 0007040386000001
ここで、Aは振幅、η(t)はブリルアン散乱係数、f(t)はブリルアン散乱光の光周波数、φは初期位相を示している。なお、ブリルアン散乱係数η(t)及びブリルアン散乱光の光周波数f(t)は、光ファイバ中での局所的な歪みや温度変化により変化するため、時間tの関数としている。
自己遅延ヘテロダイン干渉計41は、分岐部42、光周波数シフタ部43、遅延部48、合波部50、コヒーレント検波部60、局発電気信号源83及びBFS取得部70を備えて構成される。
局発電気信号源83は、周波数fAOMの電気信号を生成する。
分岐部42は、プローブ光により被測定光ファイバ100で発生する後方ブリルアン散乱光を、光バンドパスフィルタ32を経て受け取り、第1光路及び第2光路に2分岐する。
光周波数シフタ部43は、第1光路に設けられている。光周波数シフタ部43は、局発電気信号源83で生成された周波数fAOMの電気信号を用いて、第1光路を伝播する光に対して、周波数fAOMの周波数シフトを与える。また、第2光路に遅延部48が設けられている。遅延部48は、第2光路を伝播する光に時間τの遅延を与える。
合波部50は、第1光路及び第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する。合波部50に入射される、第1光路を伝播する光信号E(t)及び第2光路を伝播する光信号E(t-τ)は、それぞれ、以下の式(2)及び(3)で表される。
Figure 0007040386000002
ここで、A及びAは、それぞれE(t)及びE(t-τ)の振幅であり、φ及びφは、それぞれE(t)及びE(t-τ)の初期位相である。
コヒーレント検波部60は、合波光をヘテロダイン検波してビート信号を生成する。コヒーレント検波部60は、例えば、バランス型フォトダイオード(PD)62、FET増幅器64及びアナログ-ディジタル変換器(A/D)66を備えて構成される。ヘテロダイン検波により与えられるビート信号I12は、以下の式(4)で表される。
Figure 0007040386000003
コヒーレント検波部60で生成されたビート信号I12は測定信号としてBFS取得部70に送られる。また、局発電気信号源83で生成された電気信号は局発信号としてBFS取得部70に送られる。BFS取得部70は、ミキサ72、ローパスフィルタ(LPF)74及びBFS算出手段76を備えて構成されている。
ミキサ72は、測定信号と、局発信号とをホモダイン検波して、ホモダイン信号を生成する。局発電気信号源83で生成された電気信号IAOMを以下の式(5)で表す。
Figure 0007040386000004
ミキサ72で生成されたホモダイン信号は、上式(4)及び式(5)を乗算して得られる、以下の式(6)で表される。
Figure 0007040386000005
上式(6)中の和周波成分をLPF74で除去すると、以下の式(7)で表される信号が得られる。
Figure 0007040386000006
上式(7)のφ1-φ2-φAOMと、遅延時間τは一定であるため、ブリルアン周波数f(t)の変化のみが出力強度の差として出力される。
ブリルアン周波数f(t)は、光源12の発振周波数の揺らぎと被測定光ファイバ100の歪みの2つの要因によって変化する。しかし、光源12として周波数安定化狭線幅光源を用いることで、被測定光ファイバ100の歪みによる影響が支配的となる。
図8(A)及び(B)は、ブリルアンシフトとビート信号の位相変化を示す模式図である。図8(A)は、横軸に時間tを取って示し、縦軸に周波数を取って示している。また、図8(B)は、横軸に時間tを取って示し、縦軸に、電圧を取って示している。
この横軸の時間は、ブリルアン散乱が起こった場所を示している。すなわち、プローブ光が出射された時間に対して、時間t経過後に後方ブリルアン散乱光が入射された場合、被測定光ファイバ内の光の伝播速度をvとすると、被測定光ファイバの入射端からvt/2の位置で後方ブリルアン散乱が生じたことになる。
図8(A)及び(B)では、時刻tからtまでの時間Tに対応する区間において、周波数シフトが生じた例を示している。このとき、自己遅延ヘテロダイン干渉計で遅延時間τが与えられているため、位相変化はtからt+τまでの間に変化し、時刻tからt+τまでの間に元の状態に戻る。すなわち、光ファイバ歪み測定装置で位相差を測定するには、T≧τの関係を満たす必要があり、測定可能な時間分解能(すなわち、空間分解能)がτによって定まる。
一方、特許文献1に記載の技術では、上式(7)から分かるように、位相シフト量を検出するため、検出範囲は0~πで与えられる。また、位相シフト量からBFSへの変換は遅延時間τに依存する。このように、測定可能な周波数範囲(検出範囲)もτの大きさで定まる。
すなわち、τが大きくなると、検出範囲が小さくなるが、空間分解能は大きくなる。一方、τが小さくなると、空間分解能は小さくなるが、検出範囲が大きくなる。このように、遅延時間と検出範囲の間にトレードオフの関係がある。
図9は、遅延時間と測定可能周波数の関係を示す図である。ここでは、位相変化の最小検出感度をπ/1000、最大値をπとしている。遅延時間τを1nsとすると、周波数測定範囲は1MHz~500MHzとなる。1nsの遅延時間τは20cmの空間分解能に対応し、1MHz~500MHzの検出範囲は0.002~1%の光ファイバの歪みに相当する。これらの値は、光ファイバの歪み測定として、十分な空間分解能及び測定精度を満足している。
この特許文献1に開示されている光ファイバ歪み測定装置及び光ファイバ歪み測定方法によれば、自己遅延ヘテロダイン型のBOTDR(SDH-BOTDR:Self-Delayed Heterodyne BOTDR)の技術を用いて、光の周波数変化をコヒーレント検波により与えられるビート信号の位相差として測定することにより、時間及び位相の2次元の情報を取得する。このSDH-BOTDRでは、周波数掃引を必要としないため、3次元の情報の取得が必要な従来技術に比べて、測定時間が短縮される。
特開2016-191659号公報
T.Kurashima et al.,"Brillouin Optical-fiber time domain reflectometry",IEICE Trans. Commun., vol.E76-B, no.4, pp.382-390 (1993)
ここで、上述の従来例では、LPF74の出力強度とBFSの間には、図10に示す関係がある。図10は、LPF74の出力強度とBFSの関係を示す図である。図10では、横軸にBFS[単位:MHz]を取って示し、縦軸に、LPFの出力強度を規格化した任意単位(a.u.)で取って示している。図10からも分かるように、位相シフト量πに対応する、500MHzのBFSにおいて、LPF74の出力強度の振る舞いが反転する。すなわち、LPF74の出力強度は、BFSが500MHzにおいて線対称となる。このため、実際には600MHzのBFSが加えられたとしても、測定結果は400MHzと算出されてしまう。
一方、上述のように、遅延時間τと測定可能な周波数(位相シフト量)の間にはトレードオフの関係がある。このため、測定可能な周波数の上限を高く、すなわち、測定範囲を拡大すると、検出可能な最小周波数も高くなってしまい、検出感度が劣化する。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、自己遅延ヘテロダイン干渉計を用いたBOTDRにおいて、検出感度を劣化させることなく、測定範囲を拡大する、光ファイバ歪み及び温度測定装置並びに光ファイバ歪み及び温度測定方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の光ファイバ歪み及び温度測定装置は、光源部と、分岐部と、光周波数シフタ部と、遅延部と、合波部と、コヒーレント検波部と、電気信号生成部と、ブリルアン周波数シフト(BFS)取得部とを備えて構成される。
光源部は、プローブ光を生成する。分岐部は、プローブ光により測定対象となる光ファイバで発生する後方ブリルアン散乱光を、第1光路及び第2光路に2分岐する。光周波数シフタ部は、第1光路及び第2光路のいずれか一方に設けられていて、ビート周波数の周波数シフトを与える。遅延部は、第1光路及び第2光路のいずれか一方に設けられている。合波部は、第1光路及び第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する。コヒーレント検波部は、合波光をヘテロダイン検波して差周波を測定信号として出力する。電気信号生成部は、測定信号と同じ周波数を持つ局発信号を生成する。BFS取得部は、測定信号と局発信号とをホモダイン検波して、周波数シフト量を取得する。
BFS取得部は、第1BFS算出部、第2BFS算出部、判定部及び90°位相シフト部を備えて構成される。
BFS取得部に送られた測定信号は2分岐され、2分岐された一方の第1測定信号は第1BFS算出部に送られ、他方の第2測定信号は第2BFS算出部に送られる。
BFS取得部に送られた局発信号は2分岐され、2分岐された一方の第1局発信号は第1BFS算出部に送られる。他方の第2局発信号は、90°位相シフト部で90°の位相シフトを受けた後、第2BFS算出部に送られる。
第1BFS算出部は、第1測定信号及び前記第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の第1位相シフト量φ1に対応する第1BFSと、φ3=2π-φ1で与えられる第3位相シフト量φ3に対応する第3BFSを取得する。
第2BFS算出部は、第2測定信号及び第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2BFSと、第2位相シフト量φ2がπ以下であるときは、π-φ2で与えられ、第2位相シフト量φ2がπより大きいときは、3π-φ2で与えられる第4位相シフト量φ4に対応する第4BFSを取得する。
判定部は、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい否かを判定する。判定の結果、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい場合は、第3位相シフト量φ3に対応する第3BFSを採用する。
一方、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4のいずれかが3π/2以下の場合は、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定する。判定の結果、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2BFS又は第3位相シフト量φ3に対応する第3BFSを採用する。一方、第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1BFSを採用する。さらに、第1~3BFSに基づいてBFS波形を合成する。
上述した光ファイバ歪み及び温度測定装置の他の実施形態によれば、第1BFS算出部は、第1測定信号及び第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の位相シフト量φ1に対応する第1BFSを取得し、第2BFS算出部は、第2測定信号及び第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2BFSを取得する。
判定部は、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定し、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2BFSを採用し、第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1BFSを採用し、第1~2BFSに基づいてBFS波形を合成する。
この発明の光ファイバ歪み及び温度測定方法は、以下の過程を備えて構成される。先ず、プローブ光を生成する。次に、プローブ光により測定対象となる光ファイバで発生する後方ブリルアン散乱光を、第1光路及び第2光路に2分岐する。次に、第1光路及び第2光路のいずれか一方を伝播する光に、ビート周波数の周波数シフトを与える。また、第1光路及び第2光路のいずれか一方を伝搬する光に遅延を与える。次に、第1光路及び第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する。次に、合波光をヘテロダイン検波して差周波を測定信号として出力する。次に、測定信号と同じ周波数を持つ局発信号を生成する。次に、測定信号と局発信号とをホモダイン検波して、周波数シフト量を取得する。
周波数シフト量を取得する過程は、さらに、以下の過程を備えて構成される。まず、測定信号を、第1測定信号と第2測定信号に2分岐する。また、局発信号を、第1局発信号と第2局発信号に2分岐する。
次に、第1測定信号及び第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の第1位相シフト量φ1に対応する第1BFSと、φ3=2π-φ1で与えられる第3位相シフト量φ3に対応する第3BFSを取得する。また、第2局発信号に90°の位相シフトを与えた後、第2測定信号及び第2局発信号に基づいて、第2BFSと第4BFSを取得する。第2BFSは、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する。第4BFSは、第4位相シフト量φ4に対応する。第4位相シフト量φ4は、第2位相シフト量φ2がπ以下であるときは、π-φ2で与えられ、第2位相シフト量φ2がπより大きいときは、3π-φ2で与えられる。
次に、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい否かを判定し、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい場合は、第3位相シフト量φ3に対応する第3BFSを採用する。
一方、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4のいずれかが3π/2以下の場合は、さらに、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定する。第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2BFS又は第3位相シフト量φ3に対応する第3BFSを採用し、第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1BFSを採用する。その後、第1~3BFSに基づいてBFS波形を合成する。
上述した光ファイバ歪み及び温度測定方法の他の実施形態によれば、周波数シフト量を取得する過程は、以下の過程を備える。
先ず、測定信号を、第1測定信号と第2測定信号に2分岐する。また、局発信号を、第1局発信号と第2局発信号に2分岐する。
次に、第1測定信号及び前記第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の位相シフト量φ1に対応する第1BFSを取得する。また、第2局発信号に90°の位相シフトを与えた後、第2測定信号及び第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2BFSを取得する。
次に、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定し、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2BFSを採用し、第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1BFSを採用する。その後、第1~2BFSに基づいてBFS波形を合成する。
この発明の光ファイバ歪み及び温度測定装置並びに光ファイバ歪み及び温度測定方法によれば、従来技術に比べて、測定範囲を1.5~2倍に拡大することができる。
測定装置の構成例を示す模式的なブロック図である。 測定装置が備えるBFS取得部の模式的なブロック図である。 第1LPF及び第2LPFの出力強度とBFSの関係を示す図である。 判定部の処理フローを示す図(1)である。 第1~第4BFSのBFS波形の一例を示す図である。 判定部の処理フローを示す図(2)である。 従来の光ファイバ歪み測定装置の模式的なブロック図である。 ブリルアンシフトとビート信号の位相変化を示す模式図である。 遅延時間と測定可能周波数の関係を示す図である。 LPFの出力強度とBFSの関係を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各図は、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(構成例)
図1及び図2を参照して、この発明の、光ファイバ歪み及び温度測定装置を説明する。図1は、この発明の、光ファイバ歪み及び温度測定装置(以下、単に測定装置とも称する。)の構成例を示す模式的なブロック図である。また、図2は、測定装置が備えるBFS取得部の模式的なブロック図である。
測定装置は、光源部10、サーキュレータ20、光増幅器30、光バンドパスフィルタ32、自己遅延ヘテロダイン干渉計41及びタイミング制御器90を備えて構成される。
光源部10は、プローブ光を生成する。光源部10は、連続光を生成する光源12と、連続光から光パルスを生成する光パルス発生器14を備えて構成される。
ここで、この測定装置は、周波数変化に応じた位相差を測定する。このため、光源12の周波数揺らぎ及び周波数スペクトル線幅(以下、単に線幅とも称する。)は、ブリルアンシフトよりも十分に小さくなければならない。そこで、光源12として周波数安定化狭線幅光源が用いられる。例えば、測定対象となる光ファイバ(以下、被測定光ファイバとも称する。)100の歪みを0.008%としたとき、ブリルアンシフトは4MHzに相当する。このため、0.008%程度の歪みを測定するには、光源12の周波数揺らぎ及び線幅は4MHzより十分に小さく、数10kHz以下であることが望ましい。なお、周波数揺らぎ及び線幅が10kHz程度若しくはそれ以下の狭線幅レーザが、既製品として一般に入手可能である。
光パルス発生器14は、任意好適な従来周知の、音響光学(AO:Acoust Optical)変調器又は電気光学(EO:Electric Optical)変調器を用いて構成される。光パルス発生器14は、タイミング制御器90で生成された電気パルスに応じて、連続光から光パルスを生成する。この光パルスの繰り返し周期は、被測定光ファイバ100を光パルスが往復するのに要する時間よりも長く設定される。この光パルスが、プローブ光として、光源部10から出力される。
この光源部10から出力されたプローブ光は、サーキュレータ20を経て、被測定光ファイバ100に入射される。なお、サーキュレータ20に換えて、光カプラを用いても良い。
被測定光ファイバ100からの後方散乱光は、サーキュレータ20を経て、例えば、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)などで構成される光増幅器30に送られる。光増幅器30で増幅された後方散乱光は、光バンドパスフィルタ32に送られる。光バンドパスフィルタ32は、10GHz程度の透過帯域を有しており、自然ブリルアン散乱光のみを透過する。この自然ブリルアン散乱光は、自己遅延ヘテロダイン干渉計41に送られる。この光バンドパスフィルタ32から出射される自然ブリルアン散乱光の時刻tにおける信号E(t)は、上式(1)で表される。
ここで、Aは振幅、η(t)はブリルアン散乱係数、f(t)はブリルアン散乱光の光周波数、φは初期位相を示している。なお、ブリルアン散乱係数η(t)及びブリルアン散乱光の光周波数f(t)は、光ファイバ中での局所的な歪みや温度変化により変化するため、時間tの関数としている。
自己遅延ヘテロダイン干渉計41は、分岐部42、光周波数シフタ部43、遅延部48、合波部50、コヒーレント検波部60、電気信号生成部としての局発電気信号源83及びBFS取得部71を備えて構成される。
局発電気信号源83は、周波数fAOMの電気信号を生成する。
分岐部42は、プローブ光により被測定光ファイバ100で発生する後方ブリルアン散乱光を、光バンドパスフィルタ32を経て受け取り、第1光路及び第2光路に2分岐する。
光周波数シフタ部43は、この構成例では、第1光路に設けられている。光周波数シフタ部43は、局発電気信号源83で生成された周波数fAOMの電気信号を用いて、第1光路を伝播する光に対して、周波数fAOMの周波数シフトを与える。
また、この構成例では、第2光路に遅延部48が設けられている。遅延部48は、第2光路を伝播する光に時間τの遅延を与える。
合波部50は、第1光路及び第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する。合波部50に入射される、第1光路を伝播する光信号E(t)及び第2光路を伝播する光信号E(t-τ)は、それぞれ、上式(2)及び(3)で表される。
コヒーレント検波部60は、合波光をヘテロダイン検波してビート信号を生成する。コヒーレント検波部60は、例えば、バランス型フォトダイオード(PD)62、FET増幅器64及びA/D66を備えて構成される。ヘテロダイン検波により与えられるビート信号I12は、上式(4)で表される。
コヒーレント検波部60で生成されたビート信号I12は、測定信号としてBFS取得部71に送られる。また、局発電気信号源83で生成された電気信号は局発信号としてBFS取得部71に送られる。
BFS取得部71は、第1BFS算出部170、第2BFS算出部270、判定部80及び90°位相シフト部78を備えて構成されている。
BFS取得部71に送られた測定信号は2分岐される。2分岐された一方の第1測定信号は第1BFS算出部170に送られる。他方の第2測定信号は第2BFS算出部270に送られる。
また、BFS取得部71に送られた局発信号は2分岐される。2分岐された一方の第1局発信号は第1BFS算出部170に送られる。他方の第2局発信号は、90°位相シフト部78で90°の位相シフトを受けた後、第2BFS算出部270に送られる。局発信号がcos波である場合、第1局発信号はcos波として第1BFS算出部170に送られ、第2局発信号はsin波として第2BFS算出部270に送られる。
第1BFS算出部170は、第1ミキサ172、第1LPF174及び第1BFS算出手段176を備えて構成されている。同様に、第2BFS算出部270は、第2ミキサ272、第2LPF274及び第2BFS算出手段276を備えて構成されている。
第1ミキサ172は、第1測定信号と第1局発信号とをホモダイン検波して、ホモダイン信号を生成する。局発電気信号源83で生成された局発信号IAOMを上式(5)で表す。
第1ミキサ172で生成されたホモダイン信号は、上式(4)及び式(5)を乗算して得られる、上式(6)で表される。
上式(6)中の和周波成分を第1LPF174で除去すると、上式(7)で表される信号が得られる。
第2ミキサ272及び第2LPF274についても、第1局発信号がcos波である場合に、第2局発信号がsin波であることを除けば、第1ミキサ172及び第1LPF174と同様に動作するので、説明を省略する。
第1BFS算出手段176は、第1LPF174の出力強度から、2つのBFSを取得する。また、第2BFS算出手段276は、第2LPF274の出力強度から、2つのBFSを取得する。この例では、測定装置の周波数測定範囲を1~1000[MHz]とする。この周波数測定範囲は0~2πの位相シフト量に対応する。例えば、250[MHz]、500[MHz]、750[MHz]及び1000[MHz]の周波数は、それぞれ、π/2、π、3π/2及び2πに対応する。
第1LPF174及び第2LPF274の出力強度とBFSの間には、図3に示す関係がある。図3は、第1LPF174及び第2LPF274の出力強度とBFSの関係を示す図である。図3(A)は、第1LPF174の出力強度とBFSの関係を示す図であって、横軸にBFS[単位:MHz]を取って示し、縦軸に、第1LPF174の出力強度を規格化した任意単位(a.u.)で取って示している。また、図3(B)は、第2LPF274の出力強度とBFSの関係を示す図であって、横軸にBFS[単位:MHz]を取って示し、縦軸に、第2LPF274の出力強度を規格化した任意単位(a.u.)で取って示している。
第1BFS算出手段176は、0以上π以下の範囲内の第1位相シフト量φ1に対応する、第1BFSを算出する。次に、第1BFS算出手段176は、第3位相シフト量φ3(=2π-φ1)に対応する第3BFSを算出する。
第2BFS算出手段276は、π/2以上3π/2以下の範囲で、第2位相シフト量φ2に対応する第2BFSを取得する。次に、第2BFS算出手段276は、第2位相シフト量がπ以下であるときは、第4位相シフト量φ4(=π-φ2)に対応する第4BFSを取得する。一方、第2BFS算出手段276は、第2位相シフト量φ2がπより大きいときは、第4位相シフト量φ4(=3π-φ2)に対応する第4BFSを取得する。
第1~第4BFSは、判定部80に送られる。図4を参照して判定部80の処理を説明する。図4は、判定部80の処理フローを示す図である。判定部80は、例えば、以下説明する処理を実行させるソフトウェアが搭載された、市販のパーソナルコンピュータを用いて構成することができる。
ステップ(以下、ステップをSで示す。)102において、判定部80は、第1BFS算出部170及び第2BFS算出部270から第1~4BFSを取得する。
次に、判定部80は、S112において、第3BFSに対応する第3位相シフト量φ3と第4BFSに対応する第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きいか否か、この例では、第3BFS及び第4BFSが750MHzより大きいか否かを判定する。第3BFSと第4BFSが、ともに750MHzより大きい場合(Yes)は、S114において第3BFSをBFSとして採用する。
第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4のいずれかが3π/2以下、この例では、第3BFS及び第4BFSが750MHz以下である場合(No)は、続いて、S122において、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否か、この例では第2BFSが500MHzより大きいか否かを判定する。第2BFSが500MHzより大きい場合は、S124において第2BFSをBFSとして採用する。一方、第2BFSが500MHz以下の場合は、S126において第1BFSをBFSとして採用する。なお、S124においては、第3BFSをBFSとして採用してもよい。
その後、S130において、S114、S124及びS126で採用された第1~第3BFSから、BFS波形を合成する。BFS波形を取得した後は、従来公知の方法で、歪み又は温度を取得する。
従来の測定装置では、1つのBFS算出部から得られた1つの値をBFSとしている。このため、従来の測定装置の測定範囲は、位相シフト0~πに対応する1~500MHzである。これに対し、この測定装置では、第1及び第2BFS算出部から得られた4つの値からBFSを得ている。この結果、この測定装置の測定範囲は、位相シフト0~2πに対応する1~1000MHzとなり、従来の測定装置の2倍になる。
図5を参照して、光ファイバ100のある位置で1000MHzのBFSが生じた場合の例を説明する。図5は、第1~第4BFSのBFS波形の一例を示す図である。図5(A)~(D)は、それぞれ、第1~第4BFSのBFS波形を実線で示している。図5(A)~(D)は、横軸に光ファイバの位置[m]を取って示し、縦軸にBFSの大きさ[MHz]を取って示している。また、図5(A)~(D)では、合成されるBFS波形を点線で示している。
生じたBFSの値が500MHzに達するまで、S112、S122及びS126の過程により第1BFSが採用される。生じたBFSが500MHzを超えると、750MHzに達するまで、S112、S122及びS124の過程により第2BFSが採用される。さらに、生じたBFSが750MHzを超えると、S112及びS114の過程により第3BFSが採用される。生じたBFSが1000MHzから小さくなる場合は、750MHzに達するまで、S112及びS114の過程により第3BFSが採用され、750MHz以下になると、S112、S122及びS124の過程により第2BFSが採用され、さらに、500MHzを下回るとS112、S122及びS126の過程により第1BFSが採用される。
(他の構成例)
上述の測定装置では、第1BFS算出部170及び第2BFS算出部270がそれぞれ2つのBFSを算出している。これに対し、他の構成例の測定装置では、第1BFS算出部170が1つのBFS、すなわち、第1BFSのみを取得し、第2BFS算出部270が1つのBFS、すなわち、第2BFSのみを取得する。
第1~第2BFSは、判定部80に送られる。図6を参照して判定部80の処理を説明する。図6は、判定部の処理フローを示す図である。
S102において、判定部80は、第1BFS算出部170及び第2BFS算出部270から第1~2BFSを取得する。
次に、判定部80は、S122において、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否か、この例では第2BFSが500MHzより大きいか否かを判定する。第2BFSが500MHzより大きい場合は、S124において第2BFSをBFSとして採用する。
一方、第2BFSがπ以下の場合は、S126において第1BFSをBFSとして採用する。なお、S124においては、第3BFSをBFSとして採用してもよい。
その後、S131において、S122及びS124で採用された第1~第2BFSから、BFS波形を合成する。
第1測定装置と同様に、第1BFSは、0~πの範囲内の値であり、第2BFSはπ/2~3π/2の範囲内の値である。第1BFS及び第2BFSの両者を用いるため、この構成例では、測定範囲は、従来技術の1.5倍の0~3π/2になる。
この構成例では、測定範囲は、図4を参照して説明した処理での測定範囲より狭いが、従来技術の測定範囲より広い。また、図4を参照して説明した処理に比べて、第1BFS算出部及び第2BFS算出部から出力されるBFSの数が半分である。さらに、判定部における判定回数が、図4を参照して説明した処理の2回に比べて1回になる。これらの点からBFS取得部における負荷が、図4を参照して説明した処理より軽くなる。
10 光源部
20 サーキュレータ
30 光増幅器
32 光バンドパスフィルタ
41 自己遅延ヘテロダイン干渉計
42 分岐部
43 光周波数シフタ部
48 遅延部
50 合波部
60 コヒーレント検波部
62 バランス型PD
64 FET増幅器
66 A/D
70、71 BFS取得部
72、172、272 ミキサ
74、174、274 ローパスフィルタ(LPF)
76、176、276 BFS算出手段
78 90°位相シフト部
80 判定部
83 局発電気信号源
90 タイミング制御器
170,270 BFS算出部

Claims (4)

  1. プローブ光を生成する光源部と、
    前記プローブ光により測定対象となる光ファイバで発生する後方ブリルアン散乱光を、第1光路及び第2光路に2分岐する分岐部と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方に設けられた、ビート周波数の周波数シフトを与える光周波数シフタ部と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方に設けられた遅延部と、
    前記第1光路及び前記第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する合波部と、
    前記合波光をヘテロダイン検波して差周波を測定信号として出力するコヒーレント検波部と、
    前記測定信号と同じ周波数を持つ局発信号を生成する電気信号生成部と、
    前記測定信号と前記局発信号とをホモダイン検波して、周波数シフト量を取得するブリルアン周波数シフト取得部と
    を備え、
    前記ブリルアン周波数シフト取得部は、第1ブリルアン周波数シフト算出部、第2ブリルアン周波数シフト算出部、判定部及び90°位相シフト部を備え、
    前記ブリルアン周波数シフト取得部に送られた測定信号は2分岐され、2分岐された一方の第1測定信号は前記第1ブリルアン周波数シフト算出部に送られ、他方の第2測定信号は前記第2ブリルアン周波数シフト算出部に送られ、
    前記ブリルアン周波数シフト取得部に送られた局発信号は2分岐され、2分岐された一方の第1局発信号は前記第1ブリルアン周波数シフト算出部に送られる。他方の第2局発信号は、前記90°位相シフト部で90°の位相シフトを受けた後、前記第2ブリルアン周波数シフト算出部に送られ、
    前記第1ブリルアン周波数シフト算出部は、前記第1測定信号及び前記第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の第1位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトと、φ3=2π-φ1で与えられる第3位相シフト量φ3に対応する第3ブリルアン周波数シフトを取得し、
    前記第2ブリルアン周波数シフト算出部は、前記第2測定信号及び前記第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフトと、第2位相シフト量φ2がπ以下であるときは、π-φ2で与えられ、第2位相シフト量φ2がπより大きいときは、3π-φ2で与えられる第4位相シフト量φ4に対応する第4ブリルアン周波数シフトを取得し、
    前記判定部は、
    第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい否かを判定し、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい場合は、第3位相シフト量φ3に対応する第3ブリルアン周波数シフトを採用し、
    第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4のいずれかが3π/2以下の場合は、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定し、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフト又は第3位相シフト量φ3に対応する第3ブリルアン周波数シフトを採用し、第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトを採用し、
    第1~3ブリルアン周波数シフトに基づいてブリルアン周波数シフト波形を合成する
    ことを特徴とする光ファイバ歪み及び温度測定装置。
  2. プローブ光を生成する光源部と、
    前記プローブ光により測定対象となる光ファイバで発生する後方ブリルアン散乱光を、第1光路及び第2光路に2分岐する分岐部と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方に設けられた、ビート周波数の周波数シフトを与える光周波数シフタ部と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方に設けられた遅延部と、
    前記第1光路及び前記第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する合波部と、
    前記合波光をヘテロダイン検波して差周波を測定信号として出力するコヒーレント検波部と、
    前記測定信号と同じ周波数を持つ局発信号を生成する電気信号生成部と、
    前記測定信号と前記局発信号とをホモダイン検波して、周波数シフト量を取得するブリルアン周波数シフト取得部と
    を備え、
    前記ブリルアン周波数シフト取得部は、第1ブリルアン周波数シフト算出部、第2ブリルアン周波数シフト算出部、判定部及び90°位相シフト部を備え、
    前記ブリルアン周波数シフト取得部に送られた測定信号は2分岐され、2分岐された一方の第1測定信号は前記第1ブリルアン周波数シフト算出部に送られ、他方の第2測定信号は前記第2ブリルアン周波数シフト算出部に送られ、
    前記ブリルアン周波数シフト取得部に送られた局発信号は2分岐され、2分岐された一方の第1局発信号は前記第1ブリルアン周波数シフト算出部に送られる。他方の第2局発信号は、前記90°位相シフト部で90°の位相シフトを受けた後、前記第2ブリルアン周波数シフト算出部に送られ、
    前記第1ブリルアン周波数シフト算出部は、前記第1測定信号及び前記第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトを取得し、
    前記第2ブリルアン周波数シフト算出部は、前記第2測定信号及び前記第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフトを取得し、
    前記判定部は、
    第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定し、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフトを採用し、 第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトを採用し、
    第1~2ブリルアン周波数シフトに基づいてブリルアン周波数シフト波形を合成する
    ことを特徴とする光ファイバ歪み及び温度測定装置。
  3. プローブ光を生成する過程と、
    前記プローブ光により測定対象となる光ファイバで発生する後方ブリルアン散乱光を、第1光路及び第2光路に2分岐する過程と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方を伝播する光に、ビート周波数の周波数シフトを与える過程と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方を伝搬する光に遅延を与える過程と、
    前記第1光路及び前記第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する過程と、
    前記合波光をヘテロダイン検波して差周波を測定信号として出力する過程と、
    前記測定信号と同じ周波数を持つ局発信号を生成する過程と、
    前記測定信号と前記局発信号とをホモダイン検波して、周波数シフト量を取得する過程と
    を備え、
    前記周波数シフト量を取得する過程は、
    前記測定信号を、第1測定信号と第2測定信号に2分岐する過程と、
    前記局発信号を、第1局発信号と第2局発信号に2分岐する過程と、
    前記第1測定信号及び前記第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の第1位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトと、φ3=2π-φ1で与えられる第3位相シフト量φ3に対応する第3ブリルアン周波数シフトを取得する過程と、
    前記第2局発信号に90°の位相シフトを与えた後、前記第2測定信号及び前記第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフトと、第2位相シフト量φ2がπ以下であるときは、π-φ2で与えられ、第2位相シフト量φ2がπより大きいときは、3π-φ2で与えられる第4位相シフト量φ4に対応する第4ブリルアン周波数シフトを取得する過程と、
    第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい否かを判定し、第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4が、ともに3π/2より大きい場合は、第3位相シフト量φ3に対応する第3ブリルアン周波数シフトを採用し、
    第3位相シフト量φ3と第4位相シフト量φ4のいずれかが3π/2以下の場合は、第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定し、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフト又は第3位相シフト量φ3に対応する第3ブリルアン周波数シフトを採用し、
    第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトを採用する過程と
    第1~3ブリルアン周波数シフトに基づいてブリルアン周波数シフト波形を合成する過程と
    を備えることを特徴とする光ファイバ歪み及び温度測定方法。
  4. プローブ光を生成する過程と、
    前記プローブ光により測定対象となる光ファイバで発生する後方ブリルアン散乱光を、第1光路及び第2光路に2分岐する過程と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方を伝播する光に、ビート周波数の周波数シフトを与える過程と、
    前記第1光路及び前記第2光路のいずれか一方を伝搬する光に遅延を与える過程と、
    前記第1光路及び前記第2光路を伝播する光を合波して合波光を生成する過程と、
    前記合波光をヘテロダイン検波して差周波を測定信号として出力する過程と、
    前記第1電気信号と同じ周波数を持つ局発信号を生成する過程と、
    前記測定信号と前記第2電気信号とをホモダイン検波して、周波数シフト量を取得する過程と
    を備え、
    前記周波数シフト量を取得する過程は、
    前記測定信号を、第1測定信号と第2測定信号に2分岐する過程と、
    前記局発信号を、第1局発信号と第2局発信号に2分岐する過程と、
    前記第1測定信号及び前記第1局発信号に基づいて、0~πの範囲の位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトを取得する過程と、
    第2局発信号に90°の位相シフトを与えた後、前記第2測定信号及び前記第2局発信号に基づいて、π/2~3π/2の範囲の第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフトを取得する過程と、
    第2位相シフト量φ2がπより大きいか否かを判定し、第2位相シフト量φ2がπ以上である場合は、第2位相シフト量φ2に対応する第2ブリルアン周波数シフトを採用し、第2位相シフト量φ2がπより小さい場合は、第1位相シフト量φ1に対応する第1ブリルアン周波数シフトを採用する過程と
    第1~2ブリルアン周波数シフトに基づいてブリルアン周波数シフト波形を合成する過程と
    を備えることを特徴とする光ファイバ歪み及び温度測定方法。
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