JP2003098037A - 光ファイバ分布型測定方法及びその装置 - Google Patents
光ファイバ分布型測定方法及びその装置Info
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Abstract
及び被測定物理量の測定精度を高めること。 【解決手段】FM光Lをポンプ光P1とプローブ光P2
とに分配し、ポンプ光P 1をセンシング用光ファイバ7
の一端から入射し、プローブ光P2をブリルアン周波数
近傍まで変調してセンシング用光ファイバ7の他端から
入射し、ポンプ光P1とプローブ光P4とがセンシング
用光ファイバ7中を互いに対向する方向から伝搬したと
きに生じる誘導ブリルアンによって被測定物理量の情報
を受けて被測定光P6として伝搬し、この被測定光P6
とプローブ光P5との合波光P7におけるビート信号の
周波数値から被測定物理量の発生個所を特定し、かつプ
ローブ光P2の離調幅を変化させたときのビート信号の
強度変化に基づいて被測定物理量を求める。
Description
とし、光ファイバ中で発生するブリルアン散乱現象の変
化を捉えることで被測定物理量及びその位置を測定する
光ファイバ分布型測定方法及びその装置に関する。
ファイバを敷設した周囲の歪みや温度等の外乱因子に関
する物理量を測定するための光ファイバセンサー等に応
用できる。
保守管理、(b)トンネルや鉄橋等の大型構造物の保守
管理、(c)航空機等に利用されている複合材料の故
障、疲労などの不具合の自己診断である。
にそれぞれ光ファイバを埋設することで、例えば複合材
料などの材料自体に発生する故障、疲労などの不具合を
自己診断する機能を付加するスマートマテリアル・スト
ラクチャーなどに利用することができる。
基本性能が向上した場合、その適用範囲は、主に上記
(b)及び(c)の分野を中心に広く普及する。
は温度を分布測定する技術は幾つかある。これら技術の
中には、光ファイバ中のブリルアン散乱現象を利用した
方法がある。
事前に並べ置く方法に比べ、単純な構成でしかも任意の
測定個所での各物理量の分布計測が可能である。
波数の異なる2つの光波が双方向からすれ違うとき、高
周波数の光から低周波数の光へと、光ファイバ中の音響
波を介してパワーが移動する現象である。
き、移動するパワーは、近似的に次式(1)で定義され
るブリルアンゲインスペクトラムgB(ν)に比例する。
ンシフト周波数、ブリルアン線幅(ゲイン幅)と称する
パラメータである。これらパラメータからなるブリルア
ンゲインスペクトラムは、上記式(1)により示される
ようにローレンツ関数曲線に従うプロファイルになる。
象を効率よく発生させるためには、ブリルアン周波数シ
フトνBを中心としてブリルアンゲイン線幅ΔνBの周
波数範囲にある周波数差νを付加する必要がある。ブリ
ルアン周波数シフトνBは、光ファイバ中の音速vaと
したとき、次式(2)で与えられる。
ァイバ中の光の波長である。
依存して変化すると、ブリルアン周波数シフトνBは、
上記式(2)により温度、歪みの検知手段を与える結果
となる。
外線)被膜シングルモード石英ファイバのブリルアンシ
フト周波数νBの温度、歪み量に対する変化感度は、そ
れぞれ次式(3)及び(4)であることが知られてい
る。
B(ν)を光ファイバに沿った位置の関数として測定する
ことで温度又は歪みの分布を測定することができる。
定する技術としては、BOTDA(Brillouin Optical T
ime Domain Analysis)法が用いられてい。このBOTD
A法は、周波数νが可変のパルスポンプ光と連続波プロ
ーブ光とを、それぞれファイバ両端から入射し、ブリル
アン散乱現象によるプローブ光のブリルアンゲインに比
例したパワーの変化を時間の関数として測定し、その変
化量から温度、歪み分布を求めるものである。
TDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometr
y)法が用いられている。このBOTDR法は、ポンプパ
ルス光のみを被測定ファイバから入射し、自然ブリルア
ン散乱現象による後方散乱光成分パワーのブリルアンゲ
インスペクトラムgB(ν)の時間関数(ファイバ上の
位置関数)として測定し、その変化量から温度、歪みの
分布を求めるものである。
次の文献『T.Horiguchi et al. , Journal of Lightwav
e Technology. Vol. 13 , pp. 1296-1302. (1995)』に
おいて発案者らによって解説されている。
る温度、歪み発生個所の空間分解能δzは、ポンプ光の
パルス時間幅をW、光ファイバ中の光速をvとすると次
式(5)で与えられる。
光パルス時間幅Wを短くする必要がある。しかし、ブリ
ルアンゲインスペクトラムgB(ν)、特にその最大周波
数であるブリルアンシフト周波数νBを精度高く測定す
るためには、光パルス時間幅Wを次式(6)の範囲に制
約される。
幅ΔνB=30MHzと、光ファイバ中の光速v=2×
108m/sを用いると、式(5)で与えられる空間分
解能δzは3mとなる。
DA法及びBOTDR法では、空間分解能が前述した理
由により実質1〜3m程度に制限され、(b)トンネル
や鉄橋等の大型構造物の保守管理、(c)航空機等に利
用されている複合材料の故障、疲労などの不具合の自己
診断に挙げた応用例に関しては、空間分解能が足りない
といった課題がある。
は、ポンプ光と上記式(b)で示されるブリルアンシフ
ト周波数帯相当に離調(周波数シフト)したプローブ光
の二つの光波が必要である。その離調周波数は、通常1
0GHz以上の高周波数領域において1MHz以下の離
調精度が必要であり、その部分が装置全体のコストの大
半を占めている。
扱った通常の光ファイバセンサー装置に比べ非常にコス
トがかかる。このことは応用例である上記(a)光通信
網の保守管理、(b)トンネルや鉄橋等の大型構造物の
保守管理、(c)航空機等に利用されている複合材料の
故障、疲労などの不具合の自己診断の全てにおいて共通
の課題である。
置の空間分解能の向上及び被測定物理量の測定精度を高
めることができる光ファイバ分布型測定方法及びその装
置を提供することを目的とする。
物理量の空間分布を求めるセンシング用光ファイバ中で
発生するブリルアン散乱現象の変化を捉えて被測定物理
量の空間分布を求める光ファイバ分布型測定方法におい
て、光源からの光を周波数変調してポンプ光とプローブ
光とに分配する工程と、ポンプ光をセンシング用光ファ
イバの一端から入射する工程と、プローブ光をブリルア
ン周波数近傍まで変調してセンシング用光ファイバの他
端から入射する工程と、ポンプ光とプローブ光とがセン
シング用光ファイバ中を互いに対向する方向から伝搬し
たときに生じる誘導ブリルアンによって、プローブ光は
被測定物理量の情報を受けて被測定光として伝搬し、こ
の被測定光とプローブ光とを合波する工程と、この合波
光におけるビート信号の周波数値から被測定物理量の発
生個所を特定し、かつプローブ光の離調幅を変化させた
ときのビート信号の強度変化に基づいて被測定物理量を
求める工程とを有することを特徴とする光ファイバ分布
型測定方法である。
を求めるセンシング用光ファイバ中で発生するブリルア
ン散乱現象の変化を捉えて被測定物理量の空間分布を求
める光ファイバ分布型測定方法において、光源からの光
を周波数変調してポンプ光とプローブ光とに分配する工
程と、ポンプ光をセンシング用光ファイバに入射する工
程と、プローブ光をブリルアン周波数近傍まで変調する
工程と、ポンプ光がセンシング用光ファイバ中に伝搬し
たときに自然ブリルアン散乱光が発生し、この自然ブリ
ルアン散乱光に被測定物理量が反映して後方に被測定光
として伝搬し、この被測定光とプローブ光とを合波する
工程と、この合波光におけるビート信号の周波数値から
被測定物理量の発生個所を特定し、かつプローブ光の離
調幅を変化させたときのビート信号の強度変化に基づい
て被測定物理量を求める工程とを有することを特徴とす
る光ファイバ分布型測定方法である。
明の光ファイバ分布型測定方法において、プローブ光の
周波数は、位相変調によってポンプ光の周波数に対して
周波数シフトし、この位相変調によって生じる基本変調
周波数のn次高調波周波数成分(nは整数)を被測定物
理量の測定に用いることを特徴とする。
明の光ファイバ分布型測定方法において、プローブ光の
中心周波数は、光源からの光の周波数変調に同期させて
補正変調し、ブリルアン周波数の波長依存性の影響を低
減することを特徴とする。
明の光ファイバ分布型測定方法において、ポンプ光を光
増幅してセンシング用光ファイバに送ることを特徴とす
る。
中で発生するブリルアン散乱現象の変化を捉えて被測定
物理量の空間分布を求める光ファイバ分布型測定装置に
おいて、光源からの光を周波数変調して出力する光源部
と、この光源部から出力された光をポンプ光とプローブ
光とに分配する光分配手段と、ポンプ光をセンシング用
光ファイバの一端から入射する第1の光学手段と、プロ
ーブ光をブリルアン周波数近傍まで変調する光変調手段
と、この光変調手段により変調されたプローブ光をセン
シング用光ファイバの他端から入射する第2の光学手段
と、ポンプ光とプローブ光とがセンシング用光ファイバ
中を互いに対向する方向から伝搬したときに生じる誘導
ブリルアンによって被測定物理量の情報を受けたプロー
ブ光を被測定光とし、この被測定光と第2の光学手段か
らのプローブ光とを合波する合波光学手段と、この合波
光学手段からの合波光におけるビート信号の周波数値か
ら被測定物理量の発生個所を特定し、かつプローブ光の
離調幅を変化させたときのビート信号の強度変化に基づ
いて被測定物理量を求める検出手段とを具備したことを
特徴とする光ファイバ分布型測定装置である。
中で発生するブリルアン散乱現象の変化を捉えて被測定
物理量の空間分布を求める光ファイバ分布型測定装置に
おいて、光源からの光を周波数変調して出力する光源部
と、この光源部から出力された光をポンプ光とプローブ
光とに分配する光分配手段と、ポンプ光をセンシング用
光ファイバの一端から入射する光学手段と、プローブ光
をブリルアン周波数近傍まで変調する光変調手段と、ポ
ンプ光がセンシング用光ファイバ中に伝搬したときに発
生し、被測定物理量が反映して後方に伝搬する自然ブリ
ルアン散乱光を被測定光とし、この被測定光と光変調手
段により変調されたプローブ光とを合波する合波光学手
段と、この合波光学手段からの合波光におけるビート信
号の周波数値から被測定物理量の発生個所を特定し、か
つプローブ光の離調幅を変化させたときのビート信号の
強度変化に基づいて被測定物理量を求める検出手段とを
具備したことを特徴とする光ファイバ分布型測定装置で
ある。
明の光ファイバ分布型測定装置において、光源部は、出
力する光の周波数変調が可能な光源と、この光源を所定
の時間周期で周波数変調する変調制御部とからなること
を特徴とする。
明の光ファイバ分布型測定装置において、光変調手段
は、プローブ光の周波数を、ポンプ光の周波数に対して
周波数変調する位相変調器であることを特徴とする。
発明の光ファイバ分布型測定装置において、光変調手段
は、プローブ光の中心周波数を、光源からの光の周波数
変調に同期させて補正変調する機能を有することを特徴
とする。
発明の光ファイバ分布型測定装置において、光変調手段
は、プロープ光の周波数を変調する光変調器と、この光
変調器を駆動する変調信号源と、この変調信号源をコン
トロールする制御信号源とからなることを特徴とする。
光ファイバ分布型測定装置において、変調信号源は、光
源部の周波数変調に同期して光変調器による変調を補正
させるコントロール信号を、変調信号源に対して送出す
る機能を有することを特徴とする。
発明の光ファイバ分布型測定装置において、合波光学手
段は、被測定光とプローブ光とを合波する光合波器と、
この光合波器により合波された光の中からブリルアン散
乱固有の周波数成分だけの光を選択して透過する光周波
数フィルターとからなることを特徴とする。
発明の光ファイバ分布型測定装置において、光分配手段
と第1の光学手段との間に設けられ、光分配手段からの
ポンプ光を光増幅して第1の光学手段に送る光増幅手段
を備えたことを特徴とする。
の形態について図面を参照して説明する。
である。光源部1は、光源2を有し、この光源2からの
光を周波数変調(FM)してそのFM光Lを出力するも
ので、光源2と変調制御装置3とから構成されている。
ば半導体レーザ(以降LDと称する)が用いられる。以
下、光源2をLD2と称する。このLD2は、光ファイ
バ分布型測定装置に好適である。このLD2から出力さ
れるFM光Lは、光ファイバ4の一端側から入射するも
のとなっている。
もので、駆動電源と第1変調信号源とからなる。
接続されている。この光分配器5は、FM光Lを、ポン
プ光P1とプローブ光P2とにそれぞれ分岐するもので
ある。光分配器5は、例えば光カプラー、ビームスプリ
ッター、ハーフミラー等が好適である。なお、光分配器
5の分岐出力側には、ポンプ光P1用とプローブ光P 2
用との2本の光ファイバ4が接続されている。
がポンプ光P1用の光ファイバ4の他端に接続されてい
る。この第1の光学手段6は、ポンプ光P1をセンシン
グ用光ファイバ7の一端から入射させるものである。以
下、第1の光学手段6を光サーキュレータ6と称する。
この光サーキュレータ6は、例えば光カプラー、ビーム
スプリッター、ハーフミラー等が好適である。
−1と2つの出力ポート6−2、6−3とを有し、この
うち入力ポート6−1にポンプ光P1用の光ファイバ4
が接続され、出力ポート6−2にセンシング用光ファイ
バ7が接続されている。
や温度(本発明の被測定物理量の好適な例)を検知する
ためのものである。
の光ファイバ4の他端には、光変調器部8が接続されて
いる。この光変調器部8は、プローブ光P2をブリルア
ン周波数近傍まで変調するもので、プロープ光P2の周
波数を変調する光変調器9と、この光変調器9を駆動す
る変調信号源10と、この変調信号源10を外部からコ
ントロールする制御信号源11とから構成されている。
5μmにおける石英光ファイバのブリルアンシフト周波
数νB(=10〜11GHz相当)の変調可能な電界効
果を利用した導波路型変調器が挙げられる。この光変調
器9は、他に音響効果を用いた変調素子や、両効果に基
づくバルク型の変調素子等でもよい。
光P2は、光変調器部9の変調周波数νsによってν(t)
±νsの周波数成分を有するプローブ光P3になる。
の光ファイバ4を伝搬して第2の光学手段12に入射す
る。この第2の光学手段12は、光分配器13によって
プローブ光P3をプローブ光P4とプローブ光P5とに
それぞれ分岐するものである。
光P4用の光ファイバ4とプローブ光P5用の光ファイ
バ4とが接続されている。このうちプローブ光P4用の
光ファイバ4は、センシング用光ファイバ7の他端側に
接続されている。
一端からポンプ光P1が入射して同センシング用光ファ
イバ7内を伝搬し、かつ他端からプローブ光P4が入射
してポンプ光P1の伝搬方向とは逆向きに伝搬(対向励
起)する。
では、ポンプ光P1によって発生するSBS現象を介し
てそのパワーの一部がプローブ光P4に移行する。この
プローブ光P4からみれば、それはブリルアン増幅によ
る伝搬光として振舞う。
光分配器13からのプローブ光P5用の光ファイバ4と
の間には、合波光学手段14が接続されている。
プローブ光P4とがセンシング用光ファイバ7中を互い
に対向する方向から伝搬したときに生じる誘導ブリルア
ンによって被測定物理量の情報を受けたプローブ光P6
を被測定光とし、この被測定光P6と光分配器13から
のプローブ光P5とを合波するものである。
波長フィルター16とからなっている。光合波器15
は、被測定光P6とプローブ光P5とを合波するもので
ある。この光合波器15は、例えば光カプラー、ハーフ
ミラー、ビームスプリッター等がの好適である。
の合波光P7のうちν(t)-νsの周波数成分の光波だけ
を透過するものである。
におけるビート信号の周波数値から被測定物理量の発生
個所を特定し、かつプローブ光P2の離調幅を変化させ
たときのビート信号の強度変化に基づいて被測定物理量
を求めるもので、光検出器18と周波数解析装置19と
からなる。
ィルターを透過したν(t)-νsの周波数成分の光波を受
光・干渉してその電気信号(ビート信号)に変換するも
のである。
の電気信号(ビート信号)を入力し、この電気信号(ビ
ート信号)を周波数解析して周波数成分を求め、それら
の周波数値からセンシング用光ファイバ7上の歪み又は
温度の物理量の測定個所を求め、更に、光変調器部8に
よってプローブ光P2のνsを離調操作することで変化
するビート信号の強度変化からその被測定物理量の変化
を測定する機能を有している。
ラムアナライザー等であり、その他に好適な例としてF
FT(高速フーリエ変換)、DFT(離散フーリエ変
換)、ウエーブレット変換といった周波数解析手法によ
る演算装置でもよい。
ついて説明する。
される。このLD2から出力されるFM光Lは、光ファ
イバ4の中を伝搬して光分配器5に入射する。
1とプローブ光P2とにそれぞれ分岐する。
中を伝搬して光サーキュレータ6に入射する。この光サ
ーキュレータ6では、ポンプ光P1は入力ポート6−1
から入射して出力ポート6−1から出射する。
7の一端から入射し、このセンシング用光ファイバ7の
中を伝搬する。
中を伝搬して光変調器部8に入射する。この光変調器部
8は、制御信号源11により変調信号源10を外部から
コントロールし、この変調信号源10により光変調器9
を駆動する。
を入射し、このプローブ光P2をブリルアン周波数近傍
まで変調し、プローブ光P3として出射する。このプロ
ーブ光P3は、光変調器9の変調周波数νsによってν
(t)±νsの周波数成分を有する。
射し、この光分配器13によってプローブ光P4とプロ
ーブ光P5とにそれぞれ分岐される。
光ファイバ7の他端(ポンプ光入力端とは逆の端)から
入射し、ポンプ光P1の伝搬方向とは逆向きに伝搬(対
向励起)する。その関係によってセンシング用光ファイ
バ7中ではポンプ光P1によって発生するSBS現象を
介してそのパワーの一部がプローブ光P4に移行する。
アン増幅による伝搬光として振舞う。このようにSBS
の情報を有するプローブ光P6は、再び光サーキュレー
タ6の出力ポート6−2に入射し、この出力ポート6−
2から出力ポート6−3を介して合波光学手段14に入
射する。
ブ光P6と共に、光分配器13からのプローブ光P5も
入射する。
被測定光P6とプローブ光P5とを合波する。
長フィルター16に入射し、この波長フィルター16に
よってν(t)-νsの周波数成分の光波だけが透過する。
この波長フィルター16を透過した光波は、検出部17
に入射する。
P7のうち波長フィルターを透過したν(t)-νsの周波
数成分の光波を受光・干渉してその電気信号(ビート信
号)に変換する。
の電気信号(ビート信号)を入力し、この電気信号(ビ
ート信号)を周波数解析して周波数成分を求め、それら
の周波数値からセンシング用光ファイバ7上の歪み又は
温度の物理量の測定個所を求め、更に、光変調器部8に
よってプローブ光P2のνsを離調操作することで変化
するビート信号の強度変化からその被測定物理量の変化
を測定する。
原理を図2及び図3を参照して説明する。図2は誘導ブ
リルアン散乱(以降SBSと呼ぶ)現象からみた場合の
図、図3は測定結果からみた場合の図である。なお、図
2(a)は光周波数領域からみたポンプ光スペクトラム
とブリルアンゲインスペクトラムとの関係であり、同図
(b)はプローブ光スペクトラムとの関係を示す図であ
る。
ルアン散乱の発生及び被測定物理量の関係についての詳
細な説明は、前項で述べているので、重複を避けるため
に、ここでは省略する。
でその概要を前述している。よって、図2及び図3を用
いた第1の実施の形態の説明は、図1で構成されている
各装置の測定パラメータが本発明の測定原理にどのよう
に関係しているのかを説明する。
ンプ光P1は、光FMを伴うポンプ光スペクトラム10
0として、周期Tでt=0〜T(101〜102)の間で
繰り返し変化(変調)している。そのポンプ光の周波数
成分νp(t)は、次式(7)で与えられる。
Δνmは光周波数変調幅(光FM幅)である。
生するブリルアンゲインスペクトラム103の中心周波
数νB(t)は、次式(8)により与えられる。
03の中心周波数νBは、センシング用光ファイバ7に
固有のブリルアンシフト周波数(通常は石英ファイバで
波長1.55μmの時10〜11GHz付近)である。
このブリルアンゲインスペクトラム103は、周期Tで
t=0〜T(104〜105)の間で繰り返し変化(変
調)している。
うプローブ光スペクトラム106として、周期Tでt=
0〜T(107〜108)の間で繰り返し変化(変調)し
ている。
の効果から最終的なプローブ光P3の周波数νS(t)
は、次式(9)により与えられる。(以降νSをプロー
ブ光のオフセット周波数と称する)
がブリルアンシフト周波数νBと等しいならば、上記式
(8)は式(9)と等しくなり、その差は変調時間に依
存しなくなる。
光FMによって変化しても、それに同期してそのプロー
ブ光も追随することを意味する。これより、相対的にみ
ればブリルアンゲインスペクトラム103とプローブ光
106との関係は常に周波数差は一定である。
オフセット周波数νSの離調(周波数可変操作)によっ
てブリルアンゲインスペクトラム周波数分布を測定する
原理を説明する。
Bのとき、ブリルアンスペクトラムの中心周波数とプロ
ーブ光の中心周波数成分は一致し、その周波数条件の時
にプローブ光P4がSBSを介して得られるブリルアン
増幅率Gは最大値Gmaxである。
を離調することで、プローブ光スペクトラム109は、
ブリルアンゲインプロファイル110に沿って、個々の
周波数におけるブリルアン増幅率G1〜Gnの情報を受
け取る。
Sとすれば、通常、ΔνS>ΔνBでそのブリルアンゲ
インプロファイルの分布を明らかにすることができる。
(通常の石英ファイバで波長1.55μm時のΔνBは
10〜30MHz付近)従って、図2では、本発明の特
徴である光FMの連続光による測定手法において、光変
調器部8の変調周波数(オフセット周波数)νSを、あ
る任意の周波数幅ΔνSの範囲で離調し、その都度プロ
ーブ光の強度変化(G1〜Gnに関係して)を測定すれ
ば、ブリルアンゲインプロファイルを求めることができ
ることを説明した。
おけるブリルアンゲインプロファイルのピーク値分布か
らその歪み(図3ではその被測定物理量を便宜上歪みと
したが温度でも同じである)分布を求める原理を説明す
る。
すセンシング用光ファイバ7に対応する。又、ポンプ光
121はポンプ光P1に対応し、プローブ光122はプ
ローブ光P6に対応する。
バ120の任意個所(Z1−Z2区間)123に歪みが
発生した時を想定した場合である。
光電界Er(t,νS)は、次式(10)のようにな
り、そのプローブ光の合波・干渉相手であるプローブ光
P5の光電界Er’(t,νS)は、次式(11)とな
る。
合波、検出部17によって受光・干渉して得られる測定
信号のAC(ビート)成分Ib(t)は、次式(12)
となる。
4、プローブ光P5の初期電界振幅、nはファイバ屈折
率、cは光速、G(νS)はプローブ光のオフセット周
波数νSにおけるブリルアン増幅率、E*はEの複素共
役項である。
ト周波数成分fbは、その歪み発生個所までの距離z固
有の値であり、振幅値はその歪み物理量に関係するG
(νS)を含んでいる。
ブリルアンゲインスペクトラムの強度最大値の周波数か
らその歪み量を特定することができる。
うに、光変調器部8のオフセット周波数νSをブリルア
ンシフト周波数νB近傍でΔνSの範囲で離調し、その
都度のIb(t)の振幅値変化を測定する。
は、図3に示すようにオフセット周波数νSごとの測定
ビート周波数信号124で構成される。そして、距離ご
とにビート信号強度の最大値をつなぐと、光ファイバ1
20上の歪み分布125が求められる。
る空間分解能Δzは、フーリエ変換時におけるサンプリ
ング定理に従い次式(13)のようになる。
変調(光FM)幅Δνm=1GHzの時の空間分解能は
10cmとなり、従来技術より空間分解能の性能が30
倍向上する。
ためにはLD2の注入電流によるFM発生法では、約1
mAの変調幅に相当し、また、外部変調法による発生で
は、市販レベルにおける高速光変調器で十分である。
は、LD2からの光を周波数変調してポンプ光P1とプ
ローブ光P2とに分配し、このうちポンプ光P1をセン
シング用光ファイバ7の一端から入射し、プローブ光P
2をブリルアン周波数近傍まで変調してプローブ光P4
としてセンシング用光ファイバ7の他端から入射し、こ
れらポンプ光P1とプローブ光P4とがセンシング用光
ファイバ7中を互いに対向する方向から伝搬したときに
生じる誘導ブリルアンによって、プローブ光P 4は被測
定物理量の情報を受けて被測定光P6として伝搬し、こ
の被測定光P6とプローブ光P5との合波光P7におけ
るビート信号の周波数値から被測定物理量の発生個所を
特定し、かつプローブ光P2の離調幅を変化させたとき
のビート信号の強度変化に基づいて被測定物理量を求め
る。
ルス光の違いを説明すれば、様々な測定時間領域におけ
る光スペクトラム幅の違いである。
化しているので、その測定時間全体(時間の積分領域)
で見れば、周波数変調している掃引幅(帯域)のスペク
トラム広がりがあり、従来技術のパルス幅とそれに伴う
周波数スペクトラム幅の拡大と等価である。
領域)においては、本来の単一周波数における線幅であ
る。しかし、パルス光はいずれの時間領域においても常
に光スペクトラムが拡散した状態にある。
におけるそれぞれの光スペクトラムの周波数積分なの
で、本発明は、前記理由により瞬時時間領域ではスペク
トラム広がりがないためブリルアンスペクトラムの測定
精度は劣化しない。
する時には、周波数変調幅を大きくする必要があるが、
それは積分時間領域の話であり、微分(瞬時)時間領域
でみれば、従来技術で心配しているような光スペクトラ
ム広がりへの影響はない。
(BOTDA、BOTDR)で課題となっていた空間分
解能の向上と被測定物理量(歪みや温度)の測定精度の
向上の両立が可能になり、これら基本性能が同時に向上
するという効果がある。
ブリルアン散乱現象の位置の空間分解能の向上及び被測
定物理量の測定精度を高めることができる。
(a)光通信網の保守管理、(b)トンネルや鉄橋等の
大型構造物の保守管理、(c)航空機等に利用されてい
る複合材料の故障、疲労などの不具合の自己診断の全て
において、ブリルアン散乱現象の位置の空間分解能の向
上及び被測定物理量の測定精度を高めることができる。
ついて説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を
付してその詳しい説明は省略する。
である。
の実施の形態との装置構成の違いは、センシング用光フ
ァイバ7の他端が第2光学手段12に接続されておら
ず、センシング用光ファイバ7中では上記第1の実施の
形態におけるプローブ光P4を必要としない点である。
光ファイバ7の一端だけで測定できるので、そのファイ
バ敷設方法は、より容易となり、かつその測定対象の適
用範囲も広がるという利点をもつ。
は、センシング用光ファイバ7の一端が接続されてい
る。
7の中を伝搬する。この結果、ポンプ光P1によって自
然ブリルアン散乱光とレーリー散乱光を含む後方散乱光
P1 0が発生する。この後方散乱光P10は、再び光サ
ーキュレータ6の出力ポート6−2に帰還し、出力ポー
ト6−3から光ファイバ4を伝搬して合波光学手段14
に導かれるものとなっている。
10と光変調器部8からのプローブ光P3とを合波する
もので、光合波器15と波長フィルター16とからなっ
ている。光合波器15は、被測定光P6とプローブ光P
5とを合波するものである。この光合波器15は、例え
ば光カプラー、ハーフミラー、ビームスプリッター等が
の好適である。波長フィルター16は、光合波器15か
らの合波光P7のうちν(t)-νsの周波数成分の光波だ
けを透過するものである。
ついて説明する。
される。このLD2から出力されるFM光Lは、光ファ
イバ4の中を伝搬して光分配器5に入射する。
1とプローブ光P2とにそれぞれ分岐する。
中を伝搬して光サーキュレータ6に入射する。この光サ
ーキュレータ6では、ポンプ光P1は入力ポート6−1
から入射して出力ポート6−1から出射する。
イバ7の一端から入射し、このセンシング用光ファイバ
7の中を伝搬する。
の中を伝搬すると、このポンプ光P 1によって自然ブリ
ルアン散乱光とレーリー散乱光を含む後方散乱光P10
が発生する。この後方散乱光P10は、再び光サーキュ
レータ6の出力ポート6−2に帰還し、出力ポート6−
3から光ファイバ4を伝搬して合波光学手段14に導か
れる。
中を伝搬して光変調器部8に入射する。この光変調器部
8は、制御信号源11により変調信号源10を外部から
コントロールし、この変調信号源10により光変調器9
を駆動する。
を入射し、このプローブ光P2をブリルアン周波数近傍
まで変調し、プローブ光P3として出射する。このプロ
ーブ光P3は、光変調器9の変調周波数νsによってν
(t)±νsの周波数成分を有する。このプローブ光P
3は、合波光学手段14に入射する。
より後方散乱光P10と光変調器部8からのプローブ光
P3とを合波する。
ィルター16に入射し、この波長フィルター16によっ
てν(t)-νsの周波数成分の光波だけが透過する。この
波長フィルター16を透過した合波光P12は、検出部
17に入射する。
ィルターを透過したν(t)-νsの周波数成分の合波光P
12を受光・干渉してその電気信号(ビート信号)に変
換する。
の電気信号(ビート信号)を入力し、この電気信号(ビ
ート信号)を周波数解析して周波数成分を求め、それら
の周波数値からセンシング用光ファイバ7上の歪み又は
温度の物理量の測定個所を求め、更に、光変調器部8に
よってプローブ光P2のνsを離調操作することで変化
するビート信号の強度変化からその被測定物理量の変化
を測定する。
の実施の形態の測定の原理を説明する。なお、上記第1
の実施の形態と測定の原理が同じ点については重複を避
ける上でここでの説明は省略する。ここでは、上記第1
の実施の形態との測定の原理の上で異なる点について説
明する。
定パラメータが本発明の測定原理にどのように関係して
いるのかに着目して以下に説明する。
クトラムは、図2(a)に示す103に相当し、プロー
ブ光P3のスペクトラムは、同図(a)に示す106に
相当する。
ラム103とプローブ光P3のスペクトラム106との
干渉によって生じる干渉ビートIb(t)のAC成分は、
上記式(12)と若干異なり次式(14)のようにな
る。
態における式(12)で説明した歪み発生位置z固有の
ビート周波数成分fbの他に、プローブ光のオフセット
周波数成分νSとブリルアンシフト周波数成分νBとの
差周波数成分Δfrを含む信号となるのが特徴である。
何故なら第1及び第2の実施の形態においてこれらの関
係は、全体の原理を説明しやすいように、プローブ光の
オフセット周波数の初期周波数νS0=νBと前提条件
としているが、一般的には、νS0の条件は≒νB近傍
であればよく、それは任意に設定できるパラメータであ
る。
えることができ、これは測定前の既知パラメータとして
演算上で後に補正することが容易である。また、第2の
実施の形態における空間分解能は、上記第1の実施の形
態と同じく上記式(13)のように定義できる。
は、LD2からのFM光Lをポンプ光P1とプローブ光
P2とに分配し、このうちポンプ光P1をセンシング用
光ファイバ7に入射し、プローブ光P2をブリルアン周
波数近傍まで変調し、ポンプ光P1がセンシング用光フ
ァイバ7中に伝搬したときに自然ブリルアン散乱光が発
生し、この自然ブリルアン散乱光に被測定物理量が反映
して後方に被測定光P 10として伝搬し、この被測定光
P10とプローブ光P3とを合波し、この合波光P12
におけるビート信号の周波数値から被測定物理量の発生
個所を特定し、かつプローブ光P3の離調幅を変化させ
たときのビート信号の強度変化に基づいて被測定物理量
を求める。
果を奏することは言うまでもなく、ポンプ光P1をセン
シング用光ファイバ7の一端のみから入射するので、セ
ンシング用光ファイバ7の敷設の自由度が広がり、かつ
容易となる。これよりセンシング用光ファイバ7の敷設
の制限が多い所、及び他の使用目的で敷設した既存の光
ファイバにおいても、本発明の適用範囲が広がるという
固有の効果を奏することができる。
ついて説明する。なお、図1及び図4と同一部分には同
一符号を付してその詳しい説明は省略する。
は、上記第1及び第2の実施の形態と同様に、光変調器
9と変調信号源10と制御信号源11とから構成されて
いるが、このうちの光変調器9が位相変調器であること
に特徴を有している。
変調器は、位相変調器の他に強度変調器や周波数シフタ
ー等の種類の光変調器を用いることができる。位相変調
器以外の変調方法では、プローブ光のオフセット周波数
νsがブリルアンシフト周波数νB付近(前記した条件で
は10〜11GHz)の変調信号が必要であった。
相変調器を光変調器9に置き換えた装置および変調方法
では、その変調信号の周波数νSは、νBの整数分の1
まで低周波数化することができる。
8の装置構成は容易となり、しいては本発明の装置全体
のコスト低減に役立つ。
及び変調方法によって得られるブリルアンゲインプロフ
ァイル分布の実際の測定結果を示す。
と、第3の実施の形態に基づく位相変調によるプローブ
光の電界を次式(15)に示す。
分は、νSを基本周波数とするn次(n:整数)の高調
波成分で構成される周波数コムであり、その各n次の周
波数スペクトラムの強度は、第1種のn次のベッセル関
数で決まる係数に比例する。
を印加するだけで、自動的に2νS、3νS、4νS、
…、nνSの周波数成分が1度に生成されることを意味
している。
の中間周波数帯に現れ測定することができる。nの値が
大きいほど、その基本周波数νSは小さくて済む(低周
波数化)。
測定した結果であり、プローブ光の各基本周波数νSの
1/nのオフセット周波数値におけるブリルアンゲイン
スペクトラムの比較である。
同じ中間周波数帯500MHzの値でピークを示すスペ
クトラムとなっている。そして、その強度値は上記式
(15)で示したそれぞれのベッセル関数の値に比例し
て変化している。
周波数変調に位相変調を用いることで、そのオフセット
周波数νSの値を小さくできることを実際に示してい
る。
は、光変調器9に位相変調器を用いることにより、プロ
ーブ光のオフセット周波数変調を位相変調方式にし、そ
の高次高調波の周波数成分を利用することで、オフセッ
ト周波数変調を低周波数にすることができ、そのことで
装置構成が容易になる。
体、又は同技術分野における(BOTDA、BOTD
R)の測定装置全体においても、低コスト化に貢献でき
るこという特有の効果がある。
より低周波数域にすることで、その離調装置構成を容易
にして低コスト化を実現できる。
ってブリルアン周波数νB近傍に変調されるが、その時
に位相変調器に印加される変調周波数は、そのνBの1
/n(n:整数)であり、その変調周波数可変幅も1/
nである。
/nの低周波数帯で済むことになる。つまり、本手段の
検出部17で検出される信号の周波数成分は、プローブ
光のn次高調波成分との相互作用によって発生する信号
を用いるものとなる。
ついて説明する。なお、図1及び図4と同一部分には同
一符号を付してその詳しい説明は省略する。
はその原理図である。この第4の実施の形態は、ポンプ
光の光FM化(波長変化)による影響で、ブリルアンシ
フト周波数νBがそのポンプ光の波長変化に伴い変動
し、それによって歪みや温度(被測定物理量)の測定精
度が劣化する課題に対し、プローブ光側の光変調器部8
で補正することで、その測定精度の向上を図ったもので
ある。
御型信号源VCO(Voltage Control Oscillation)1
0と、そのVCO10の発振周波数を外部から電圧制御
する外部コントローラ11と、その外部コントローラ1
1と光源部1との同期を取るための同期接続線20との
装置構成によって生成される。
フセット周波数を、外部コントローラ10のあるDC電
圧値により、ブリルアンシフト周波数近傍10〜11G
Hz程度まで変化させることができる。
アクティブな補正変調を行うためには、その外部コント
ローラ11にその補正周波数幅に相当する電圧幅δVm
のAC波形をDC成分に加えることで補正可能である。
に印加され、プローブ光P2は、FM補正されたプロー
ブ光P3として出力される。
変調によって歪み・温度の測定精度が向上する原理を説
明する。
するブリルアンシフト周波数変化(点線)201と補正
される前のFMプローブ光の周波数変化(実線)202
との関係である。
ブリルアンシフト周波数201とFMプローブ光201
との関係は時間に依存せず、その周波数差はνB一定で
あると述べているが、厳密に言えば、上記式(2)で示
しているブリルアンシフト周波数νBの波長依存性(こ
こでは、ポンプ光の波長λが時間的に変動しているた
め)によって、プローブ光の周波数ν0-νSに対して
δνB(t)の変動幅を有する。
スペクトラムの測定精度が悪くなり、最終的には歪み・
温度の測定精度が劣化する。この測定精度を向上するた
めには、その変動幅δνB(t)をその変調時間Tの領域
全てにわたり小さくしなければならず、このことは、F
Mプローブ光の周波数変化波形201とブリルアン周波
数変化(点線)201とを同じ波形にするのと等価であ
る。
(2)の関係から予測し事前に用意することができる。
補正変調波形は、図6に示すVCO10における変調信
号波形である。
は、光変調器部8において、プローブ光P2の中心周波
数を、光源部1からの光の周波数変調に同期させて補正
変調する、すなわち変調器信号源10の周波数値を外部
から制御し、その制御方法は光源部1の変調制御装置3
と同期して行われ、その制御波形は上記式(2)の波長
依存性の影響がでないように、その影響と相殺される周
波数変化を変調周期時間内でリアルタイムに補正するの
で、より一層の被測定物理量の精度向上ができ、これま
でその物理量の変動が小さすぎてその分布が測定できな
かった測定対象に適用可能という特有の効果を奏するこ
とができる。
調周期時間領域に渡って発生するブリルアンゲインの中
心周波数とプローブ光の中心周波数が、相対的に全ての
変調周期時間に渡り、同じ周波数差を得ることで、ブリ
ルアンゲインの波長依存性による影響を排除でき、純粋
にその被測定物理量の変動分だけに反応した測定結果を
得ることができる。この結果、被測定物理量の測定精度
の向上が図られる。
ついて説明する。なお、図1及び図4と同一部分には同
一符号を付してその詳しい説明は省略する。
る。この第5の実施の形態は、上記第1及び第2の実施
の形態における光分配器5と光サーキュレータ6との間
に光増幅器としてエルビウムドープなどの光ファイバア
ンプ21を接続したこと特徴としている。
ンプ光P1の波長帯によってその種類が異なり、例えば
波長1.55μm帯の例としてエルビウムドープを挙げ
たが、それは好適な一例に過ぎず他の波長帯のポンプ光
P1に最適なファイバアンプならばどれでもよい。ま
た、半導体素子による光増幅器でもよい。
イバアンプ21によって光増幅され、その増幅されたポ
ンプ光P11は、光サーキュレータ6の入力ポート6−
1に入力し、そして出力ポート6−2からセンシング用
光ファイバ7へ出力される。
に比べ、センシング用光ファイバ7上でより遠方でブリ
ルアン発生に必要な出力が得られ、結果として測定範囲
が拡大できる。
ンプ光P1を光ファイバアンプ21によって光増幅する
ので、より遠方までその被測定物理量の分布を測定する
ことができるという特有の効果を奏することができる。
の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨
を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
発明が含まれており、開示されている複数の構成要件に
おける適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出でき
る。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾
つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとす
る課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で
述べられている効果が得られる場合には、この構成要件
が削除された構成が発明として抽出できる。
リルアン散乱現象の位置の空間分解能の向上及び被測定
物理量の測定精度を高めることができる光ファイバ分布
型測定方法及びその装置を提供できる。
イバの片端のみにポンプ光を入射するので、センシング
用光ファイバの敷設の自由度が広がり、かつその敷設が
容易となり、ファイバ敷設の制限が多い所及び他の使用
目的で敷設した既存の光ファイバにおいても適用範囲を
広げることができる光ファイバ分布型測定方法及びその
装置を提供できる。
ット周波数変調を位相変調方式にしたので、高次高調波
の周波数成分を利用することで、オフセット周波数変調
を低周波数にすることができ、これによって装置構成が
容易になり、測定装置全体、又は同技術分野における従
来技術のパルス方式(BOTDA、BOTDR)の測定
装置全体においても低コスト化に貢献できる光ファイバ
分布型測定方法及びその装置を提供できる。
て、プローブ光の中心周波数を光源部からの光の周波数
変調に同期させて補正変調する、すなわちプローブ光の
FMをブリルアンシフト周波数変動に合わせて補正する
ので、ブリルアンゲインの波長依存性による影響を排除
でき、純粋にその被測定物理量の変動分だけに反応した
測定結果を得ることができ、より一層の被測定物理量の
精度向上ができ、これまでその物理量の変動が小さすぎ
てその分布が測定できなかった測定対象に適用可能とす
ることができる光ファイバ分布型測定方法及びその装置
を提供できる。
るので、より遠方までその被測定物理量の分布を測定す
ることができる光ファイバ分布型測定方法及びその装置
を提供できる。
1の実施の形態を示す構成図。
1の実施の形態の測定方法の原理を誘導ブリルアン散乱
現象からみた場合の図。
1の実施の形態の測定方法の原理を測定結果からみた場
合の図。
2の実施の形態を示す構成図。
3の実施の形態に基づく装置構成及び変調方法によって
得られるブリルアンゲインプロファイル分布の実際の測
定結果を示す図。
4の実施の形態における光変調器部の構成図。
4の実施の形態における光変調器部の原理図。
5の実施の形態における光増幅器を接続した構成図。
Claims (14)
- 【請求項1】 被測定物理量の空間分布を求めるセンシ
ング用光ファイバ中で発生するブリルアン散乱現象の変
化を捉えて被測定物理量の空間分布を求める光ファイバ
分布型測定方法において、 光源からの光を周波数変調してポンプ光とプローブ光と
に分配する工程と、 前記ポンプ光を前記センシング用光ファイバの一端から
入射する工程と、 前記プローブ光をブリルアン周波数近傍まで変調して前
記センシング用光ファイバの他端から入射する工程と、 前記ポンプ光と前記プローブ光とが前記センシング用光
ファイバ中を互いに対向する方向から伝搬したときに生
じる誘導ブリルアンによって、前記プローブ光は前記被
測定物理量の情報を受けて被測定光として伝搬し、この
被測定光と前記プローブ光とを合波する工程と、 この合波光におけるビート信号の周波数値から前記被測
定物理量の発生個所を特定し、かつ前記プローブ光の離
調幅を変化させたときの前記ビート信号の強度変化に基
づいて前記被測定物理量を求める工程と、を有すること
を特徴とする光ファイバ分布型測定方法。 - 【請求項2】 被測定物理量の空間分布を求めるセンシ
ング用光ファイバ中で発生するブリルアン散乱現象の変
化を捉えて被測定物理量の空間分布を求める光ファイバ
分布型測定方法において、 光源からの光を周波数変調してポンプ光とプローブ光と
に分配する工程と、 前記ポンプ光を前記センシング用光ファイバに入射する
工程と、 前記プローブ光をブリルアン周波数近傍まで変調する工
程と、 前記ポンプ光が前記センシング用光ファイバ中に伝搬し
たときに自然ブリルアン散乱光が発生し、この自然ブリ
ルアン散乱光に前記被測定物理量が反映して後方に被測
定光として伝搬し、この被測定光と前記プローブ光とを
合波する工程と、 この合波光におけるビート信号の周波数値から前記被測
定物理量の発生個所を特定し、かつ前記プローブ光の離
調幅を変化させたときの前記ビート信号の強度変化に基
づいて前記被測定物理量を求める工程と、を有すること
を特徴とする光ファイバ分布型測定方法。 - 【請求項3】 前記プローブ光の周波数は、位相変調に
よって前記ポンプ光の周波数に対して周波数シフトし、
この位相変調によって生じる基本変調周波数のn次高調
波周波数成分(nは整数)を被測定物理量の測定に用い
ることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ分
布型測定方法。 - 【請求項4】 前記プローブ光の中心周波数は、前記光
源からの光の周波数変調に同期させて補正変調し、ブリ
ルアン周波数の波長依存性の影響を低減することを特徴
とする請求項1又は2記載の光ファイバ分布型測定方
法。 - 【請求項5】 前記ポンプ光を光増幅して前記センシン
グ用光ファイバに送ることを特徴とする請求項1又は2
記載の光ファイバ分布型測定方法。 - 【請求項6】 センシング用光ファイバ中で発生するブ
リルアン散乱現象の変化を捉えて被測定物理量の空間分
布を求める光ファイバ分布型測定装置において、 光源からの光を周波数変調して出力する光源部と、 この光源部から出力された前記光をポンプ光とプローブ
光とに分配する光分配手段と、 前記ポンプ光を前記センシング用光ファイバの一端から
入射する第1の光学手段と、 前記プローブ光をブリルアン周波数近傍まで変調する光
変調手段と、 この光変調手段により変調された前記プローブ光を前記
センシング用光ファイバの他端から入射する第2の光学
手段と、 前記ポンプ光と前記プローブ光とが前記センシング用光
ファイバ中を互いに対向する方向から伝搬したときに生
じる誘導ブリルアンによって前記被測定物理量の情報を
受けた前記プローブ光を被測定光とし、この被測定光と
前記第2の光学手段からの前記プローブ光とを合波する
合波光学手段と、 この合波光学手段からの合波光におけるビート信号の周
波数値から前記被測定物理量の発生個所を特定し、かつ
前記プローブ光の離調幅を変化させたときの前記ビート
信号の強度変化に基づいて前記被測定物理量を求める検
出手段と、を具備したことを特徴とする光ファイバ分布
型測定装置。 - 【請求項7】 センシング用光ファイバ中で発生するブ
リルアン散乱現象の変化を捉えて被測定物理量の空間分
布を求める光ファイバ分布型測定装置において、 光源からの光を周波数変調して出力する光源部と、 この光源部から出力された前記光をポンプ光とプローブ
光とに分配する光分配手段と、 前記ポンプ光を前記センシング用光ファイバの一端から
入射する光学手段と、 前記プローブ光をブリルアン周波数近傍まで変調する光
変調手段と、 前記ポンプ光が前記センシング用光ファイバ中に伝搬し
たときに発生し、前記被測定物理量が反映して後方に伝
搬する自然ブリルアン散乱光を被測定光とし、この被測
定光と前記光変調手段により変調された前記プローブ光
とを合波する合波光学手段と、 この合波光学手段からの合波光におけるビート信号の周
波数値から前記被測定物理量の発生個所を特定し、かつ
前記プローブ光の離調幅を変化させたときの前記ビート
信号の強度変化に基づいて前記被測定物理量を求める検
出手段と、を具備したことを特徴とする光ファイバ分布
型測定装置。 - 【請求項8】 前記光源部は、出力する光の周波数変調
が可能な光源と、 この光源を所定の時間周期で周波数変調する変調制御部
と、からなることを特徴とする請求項6又は7記載の光
ファイバ分布型測定装置。 - 【請求項9】 前記光変調手段は、前記プローブ光の周
波数を、前記ポンプ光の周波数に対して周波数変調する
位相変調器であることを特徴とする請求項6又は7記載
の光ファイバ分布型測定装置。 - 【請求項10】 前記光変調手段は、前記プローブ光の
中心周波数を、前記光源からの光の周波数変調に同期さ
せて補正変調する機能を有することを特徴とする請求項
6又は7記載の光ファイバ分布型測定装置。 - 【請求項11】 前記光変調手段は、前記プロープ光の
周波数を変調する光変調器と、 この光変調器を駆動する変調信号源と、 この変調信号源をコントロールする制御信号源と、から
なることを特徴とする請求項6又は7記載の光ファイバ
分布型測定装置。 - 【請求項12】 前記変調信号源は、前記光源部の周波
数変調に同期して前記光変調器による変調を補正させる
コントロール信号を、前記変調信号源に対して送出する
機能を有することを特徴とする請求項11記載の光ファ
イバ分布型測定装置。 - 【請求項13】 前記合波光学手段は、前記被測定光と
前記プローブ光とを合波する光合波器と、 この光合波器により合波された光の中からブリルアン散
乱固有の周波数成分だけの光を選択して透過する光周波
数フィルターと、からなることを特徴とする請求項6又
は7記載の光ファイバ分布型測定装置。 - 【請求項14】 前記光分配手段と前記第1の光学手段
との間に設けられ、前記光分配手段からの前記ポンプ光
を光増幅して前記第1の光学手段に送る光増幅手段を備
えたことを特徴とする請求項6又は7記載の光ファイバ
分布型測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001294865A JP3553534B2 (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 光ファイバ分布型測定方法及びその装置 |
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JP2001294865A JP3553534B2 (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 光ファイバ分布型測定方法及びその装置 |
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