JP3538619B2 - 光変調器の特性評価方法、およびそれを用いた高周波発振装置の制御方法 - Google Patents

光変調器の特性評価方法、およびそれを用いた高周波発振装置の制御方法

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JP3538619B2
JP3538619B2 JP2001041191A JP2001041191A JP3538619B2 JP 3538619 B2 JP3538619 B2 JP 3538619B2 JP 2001041191 A JP2001041191 A JP 2001041191A JP 2001041191 A JP2001041191 A JP 2001041191A JP 3538619 B2 JP3538619 B2 JP 3538619B2
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光変調器の特性
評価方法、およびそれを用いた高周波発振装置の制御方
法に関し、特にマッハ・ツェンダ−干渉計型変調器のチ
ャープパラメータを得ることのできる測定方法と、この
測定方法を高周波発振装置の制御に用いる方法に関して
いる。
【0002】
【従来の技術】多大な情報伝送の需要に応えるため、光
ファイバーが既に広く用いられており、光ファイバーを
用いて高速で長距離の伝送を行なう際には、1)構造分
散、2)屈折率分散、あるいは3)モード分散などの分
散が障害となることが知られている。多モードの光ファ
イバーにおいては、その影響は、一般に、構造分散<屈
折率分散<モード分散、の順で大きいことも、既に知ら
れている。そこで、モード分散による伝送帯域や伝送距
離の制限をなくすために、光ファイバーのコアを十分に
細くした単一モード光ファイバーが主に用いられてい
る。
【0003】上記の様に、単一モード光ファイバーによ
って、伝送帯域や伝送距離は大幅に改善されたが、さら
に伝送帯域や伝送距離を改善する努力が行なわれてい
る。このためには、光ファイバーの特性のみではなく、
送信装置、特に変調器の特性を含めた改善が行なわれて
いる。
【0004】光ファイバーで伝送される信号は、強度変
調あるいは位相変調されることが多い。強度変調の方法
としては、レーザーダイオードに流す電流を変調信号と
する方法や、光吸収型の半導体変調器を用いた方法など
が知られている。また、位相変調の方法としては、電気
光学結晶を用いたマッハ・ツェンダ−干渉計型変調器を
用いる方法が知られている。
【0005】このような、方法により変調された光パル
ス信号を、光ファイバーで伝送する際に、「チャープ」
と呼ばれる周波数シフトがあり、単一モード光ファイバ
ーを用いる場合でも、その屈折率分散により伝送帯域や
伝送距離が制限されることも知られている。
【0006】この制限による伝送帯域や伝送距離を改善
する方法として、幾つかの発明が開示されている。例え
ば、チャープのない送信機を使って、最小スペクトルの
幅でパルスを作り出すもので、ごく僅かなスペクトルの
広がりに抑えるものがある。これは、文献1(Koyamaet
al., J. Lightwave Technol., Vol. 6, No. 1, pp. 87
et seq. (1988) andNamiki et al., Proc. of Seventh
International Conf.on Integrated Opticsand Optical
Fiber Communication, paper 19D4-2 (1989))に記載
されている。
【0007】また、負のチャープ特性を用いてパルス圧
縮する方法が、文献2( Okiyamaetal., J. Lightwave
Technol., Vol. 6, No. 11, p. 1686, 1691 (1988))に
記載されている。
【0008】また、例えばマッハ・ツェンダー干渉計型
光変調器の2つの導波路で、それぞれの導波路に独立し
た電極を設け、変調と、変調によるチャープパラメータ
(振幅をI、位相をψ、とするとき、Δψ/(ΔI/2
I))の調整とを行なった後、それらを合波することに
より、伝送系を含めて最適化する方法が、文献3(アメ
リカ合衆国特許US5303079号公報)に記載されている。
【0009】以上のように、チャープの調整を行なうこ
とによって、伝送帯域や伝送距離が改善されることは、
よく知られているが、この際、変調器のチャープ特性、
あるいはチャープパラメータを把握しておくことが望ま
しいことは、容易に理解できる。
【0010】チャープパラメータを測定する構成や方法
は、例えば、文献4(F. Devaux,etal., J. Lightwave
Technol., Vol. 11, No. 12, p. 1937‐1940 (199
3))、に記載されている。ここに記載されたチャープパ
ラメータの測定法は、概略、次のようなものである。
【0011】文献4に記載された測定装置のブロック図
を図5に示す。図5に示す光源は、強度変調された光を
発生するものである。変調により、基本波の両側に側帯
波が生じている。これらの側帯波における位相は、チャ
ープパラメータにより決まる分だけ、基本波とは、ずれ
た値を持っている。これらの側帯波と基本波が、分散特
性のある媒体(導波路)を通過することにより、2つの
側帯波は、導波路の分散によりそれぞれ異なった位相変
化を受ける。これらの光は、光検出器により検出され
る。この際、この側帯波と基本波は干渉するが、導波路
の分散に依存した干渉となり、従って、変調周波数に依
存した光強度が検出される。このようにして得られる光
強度は、変調度や、変調周波数、あるいはチャープパラ
メータ、また導波路の分散特性などにより決まる。この
ことから、周波数軸上で決められた点のチャープパラメ
ータについては、導波路の長さを変えることにより導波
路の分散特性を変え、チャープパラメータの値を求める
ことができる。また、この文献には、変調周波数に対す
る光強度のグラフにおいて、周期的に光強度が減少する
点を用いて、容易にチャープパラメータの値を求める方
法が提案されている。しかし、この方法では、周波数軸
上で決められた点のチャープパラメータについては、求
めることができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の文献4
に示されたチャープパラメータを測定する構成や方法で
は、周波数軸上で決められた点での測定のためには、導
波路の分散量を変えるために、複数の長さの光ファイバ
ーを用意する必要があった。しかも、注目する波長によ
っては、光ファイバーの分散特性が停留点となる場合が
あり、これを避けるため、それとは異なる分散特性の光
ファイバーを用意しなくてはならない場合もあった。
【0013】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
その目的のひとつは、周波数軸上で決められた点での測
定のために、複数の長さの光ファイバーを用いなくて
も、マッハ・ツェンダ−干渉計型変調器のチャープパラ
メータや位相情報を導出できる構成とその測定方法を提
案することであり、他の目的は、得られた位相情報を用
いて高周波発振器の発振状態を制御することのできる構
成とその制御方法を実現することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、光変調器の特性評価方法に関してお
り、レーザ光線を分岐した後に、分岐された光線の位相
を高周波信号により変化させ、その位相の変化した光線
を他の分岐の光線と合波することによって強度変調され
た光信号を発生させる光変調器について、その光信号の
パワースペクトルを測定し、そのパワースペクトルの比
から変調指数あるいは位相を導出することを特徴として
いる。
【0015】また、2入力のマッハ・ツェンダ−干渉計
型変調器を用いた場合には、入力する2つの高周波信号
について、それぞれの変調指数や位相特性なども測定値
から導くことができることから、第2の発明は、光変調
器の特性評価方法に関しており、レーザ光線を2股に分
岐した後に、それぞれに分岐された光線の位相をそれぞ
れの高周波信号により変化させる光変調器について、そ
の位相の変化した2筋の光線を、合波し、その合波され
た光信号のパワースペクトルを測定し、そのスペクトラ
ムの複数のピークの比から、それぞれの高周波信号によ
るそれぞれの変調指数あるいは位相を導出することを特
徴としている。
【0016】また、第2の発明において、光信号のパワ
ースペクトルを測定し、そのスペクトラムの複数のピー
クの比から、それぞれの高周波信号によるそれぞれの変
調指数あるいは位相を導出すること、によっては、複数
の解が得られる場合があるが、この場合に解を絞り込む
ために、第3の発明は、第2の発明に記載の光変調器の
特性評価方法において、そのスペクトラムの複数のピー
クの比から、それぞれの高周波信号によるそれぞれの変
調指数あるいは位相を導出する方法は、変調指数あるい
は位相を導出できる上記のスペクトラムの複数のピーク
の比の組を複数用意し、異なる組についての解を求め、
その異なる組に共通の解の少なくともひとつを、求める
解とすることを特徴としている。
【0017】また、マッハ・ツェンダ−干渉計型変調器
では、直流バイアス電圧を印加することにより、その位
相を変えることができ、逆にまた、位相の漂動が起きや
すいことから、その影響を除くために、第4の発明は、
第1あるいは第2の発明に記載の光変調器の特性評価方
法において、位相をπラジアン変化させる電圧をVπと
するとき、その振動数が、高周波信号よりも小さく、そ
のパワースペクトル測定器の繰り返し振動数よりも大き
い振動数で振動する2Vπのバイアス電圧を与えること
を特徴としている。
【0018】また、第4の発明で、振動するバイアス電
圧の振幅を自動調整するために、第5の発明は、第4の
発明に加えて、2Vπのバイアス電圧に合わせこむ方法
は、その振動数が、振動するバイアス電圧の信号よりも
小さく、そのパワースペクトル測定器の繰り返し振動数
よりも大きい振動数で振動する微小振動電圧を、その振
動するバイアス電圧に重ね合わせ、光変調器の出力に含
まれる上記の微小振動電圧成分を最小化させるように、
振動するバイアス電圧の振幅を調整することを特徴とし
ている。
【0019】光変調器の特性評価を行なって、変調指数
や位相情報を取得できる様になったことにより、この情
報を元にして高周波発振器の制御を行なえるようになっ
た。このため、第6の発明は、高周波発振装置の制御方
法に関しており、レーザ光線を2股に分岐した後に、分
岐された一方の光線の位相を高周波信号源1からの信号
により変化させ、また、他方の光線の位相を高周波信号
源2からの信号により変化させる光変調器について、そ
の位相の変化した2筋の光線を、合波し、その合波され
た光信号のパワースペクトルを測定し、そのスペクトラ
ムの複数のピークの比から、それぞれの高周波信号によ
るそれぞれの変調指数あるいは位相を導出し、導出され
た変調指数情報あるいは位相情報に基づいて、上記の高
周波信号源の少なくとも一方を制御することを特徴とし
ている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を実
施例1〜4として図面に基づいて詳細に説明する。先ず
実施例1を、本発明の原理とともに図1を用いて説明す
る。
【0021】[実施例1]図1に示す構成では、レーザ
光源からの単色光は、光ファイバにより偏波コントロー
ラに導かれ、偏波状態の制御された光が、マッハ・ツェ
ンダ−干渉計型変調器へ入力される。そのマッハ・ツェ
ンダ−干渉計型変調器内部では、レーザ光は、2股に分
岐され、それぞれの電極下の導波路に印加される電界が
異なることから、お互いに異なった位相変調を受ける。
その後、これらのレーザ光は合波され、光スペクトラム
アナライザでそのスペクトルが計測される。この計測デ
ータは、コンピュータに送られ、後に示す方法に従って
計算され、チャープパラメータが評価される。この計算
においては、高周波信号のスペクトルデータが、上記の
スペクトルデータと共に用いられる。
【0022】次に、この計算方法を示す。マッハ・ツェ
ンダ−干渉計型変調器には、次の振動電場を持った光が
入射するものとする。
【0023】
【数1】
【0024】この光が次の光に分割され、図10のアー
ム1とアーム2を伝播する。
【0025】
【数2】
【0026】この伝搬において、それぞれの光は変調さ
れ、合波される直前の位置において次の様な振動電場と
なる。ここで、Eは、入射光の電界強度、ω0は光の角
周波数、A1、A2は変調の深さを表わすパラメータ(変
調指数)、ωmは変調信号の角周波数、φ1、φ2はアー
ムにより異なる変調信号の位相、φB1、φB2は導波路の
構造や状態による位相、を表すものとする。
【0027】
【数3】
【0028】これらの光波は、合波されることにより、
ベッセル関数を使って、次の様になる。
【数4】
【0029】ここで、φm=φ2‐φ1、また、φ=φB2
‐φB1、とするとき、光のエネルギー、P=EE*、の
スペクトルは、次の様になる。
【数5】
【0030】また、チャープパラメータは、前記の式、
Δψ/(ΔI/2I)で定義されるが、位相変調におい
ては、任意のA1およびA2に対しては定義できず、それ
らが十分小さい時に、上記の数3を整理することにより
次の様に求められる。まず、φ1=φ2=0、の場合に、
数3から、次の関係式を得る事ができる。
【0031】
【数6】
【0032】これを用いて、
【数7】 と書けるので、チャ‐プパラメータは次の様になる。
【0033】
【数8】 ここで、A1、A2<<1、とし、φ=φB2‐φB1=π/
2、とすると、次の様になる。
【0034】
【数9】
【0035】従って、A1、A2、を求めることにより、
変調指数の小さい場合のチャープパラメータαを得る事
ができる事がわかる。A1、A2、を求めるためには、変
調指数の大きい場合について、数4のパワースペクトル
である数6のPn(n=0〜4)を用いる。
【0036】
【数10】 (n=0〜4)
【0037】例えば、これらの比、P0/P1、P1
2、P2/P3、P3/P4、を光スペクトラムアナライ
ザで測定して求め、数値解析により、上記の、A1
2、φm、およびφ、を求めることができる。また、上
記の比の代わりに、他の比、例えば、P1/P0、P2
0、P3/P0、P4/P0、を用いる事ができるのは明
らかである。
【0038】ここで、変調信号の位相差が分かっている
場合、例えば、変調信号に位相差が無く、φ=0、であ
ることが分かっている場合には、上記の比の数を減ずる
ことができる。
【0039】上記の説明においては、変調信号は、単一
の角周波数を持つのみであったが、変調信号にその高調
波成分が含まれる場合でも、図1のスペクトラムアナラ
イザのデータを用いて、チャープパラメータを求めるこ
とができる。この方法を以下に示す。
【0040】変調信号が基本波と高調波から成り立って
いない場合の変調信号は、次の様に表わすことができ
る。
【数11】 ここでkは、高調波の次数を示し、hは、変調器のアー
ム番号を示す。
【0041】また、各アームの光は、次の様に書く事が
できる。
【数12】 これは、高調波の振幅が小さいものとするとき、次の近
似が成り立つ。
【0042】
【数13】
【0043】これから、変調による第n次の側帯波成分
は、次の様に表わされる。
【数14】
【0044】これから、前記の変調信号にその高調波成
分が含まれない場合と同様にパワースペクトルを導出
し、但し、その比の数は、未知数の数に合わせて調整し
たものとして、測定値から求めた比と比較することによ
って、A(1) 1、A(1) 2、A(2) 1、A(2) 2、A(3) 1、A
(3) 2、φm、およびφ等を求めることができる。
【0045】この解を求める際に、複数の解の組が得ら
れる場合があり、この場合には、求めるべき解を絞り込
む手続きが必要である。このためには、光スペクトラム
アナライザで測定して求めた比、P0/P1、P1/P2
2/P3、P3/P4、の複数の解の組を求め、また、例
えば、P1/P0、P2/P0、P3/P0、P4/P0、の複
数の解の組を求め、これらの解の共通要素を用いて、求
めるべき解を絞り込むことができる。光スペクトラムア
ナライザで測定して求めうる比としては、上記の比以外
にも、容易にそれらの比を見出すことができるので、必
要に応じた組数を用いれば良い。
【0046】また、一般に、高調波成分は、基本波成分
より、その振幅が小さいので、次の方法により、漸近的
に求めることもできる。以下では、基本波に加えて、1
次の高調波を含む場合について説明する。以下におい
て、n=1とする。また0次高調波は、基本波を表わす
ものとする。
【0047】1)光スペクトラムアナライザによる測定
値と、スペクトラムアナライザによる測定値とを用意す
る。 2)まず、変調信号には、n−1次の高調波までがある
ものとして、上記の方法により、上記の、A1、A2、φ
m、およびφ、を求める。 3)上記で得られた値を用いて、上記の基本波に相当す
るパワースペクトルを計算し、光スペクトラムアナライ
ザによる測定値から差し引く。 4)残りのパワースペクトルを、高調波によるパワース
ペクトルによるものとして、高調波に対応するA(n) 1
(n) 2、を導く。 5)変調波のスペクトラムアナライザによる測定値と、
上記の4)で得たA(n) 1、A(n) 2、を用いて、高調波に
相当するパワースペクトルとを計算する。 6)光スペクトラムアナライザによる測定値から、前記
した高調波に相当するパワースペクトルを差し引き、残
りのパワースペクトルを、改めて上記の基本波に相当す
るパワースペクトルとする。 7)上記6)で求めた基本波に相当するパワースペクト
ルから、基本波に相当するA1、A2、φm、およびφ、
を再び求める。 8)上記の3)に戻り、測定したパワースペクトルと、
得られた係数を用いて再現したパワースペクトルとの差
の2次モーメントが、予め決めた値以下に収束するまで
繰り返す。
【0048】n次の高調波を含む場合は、まずn-1次
の高調波までを含むものとして、その一連の係数を求
め、次にn次の高調波までを含むものとして、その一連
の係数を求めることによって、それらの係数を決定する
ことができる。
【0049】[実施例2]次に、第2の実施例として、
光変調器にみられる直流成分のドリフトによる影響を除
去する例を以下に示す。これは、直流バイアスを半波長
電圧(位相を180゜変えるために要する電圧)の2倍
の振幅で掃引しながら測定するもので、その構成を図2
に示す。図2に示した構成は、上記の実施例1の構成に
加えて、半波長電圧直流の2倍の振幅をもった正弦波を
出力する信号源2と、信号源2の出力を正確に半波長電
圧直流の2倍の振幅とするための、信号源1と光検波器
と2つの乗算器と加算器とを含む回路を備えている。
【0050】上記の数6で示したパワースペクトルは、
変調器に印加するバイアス電圧によってφを変えること
により、周期的に変動することが分かる。そこで、この
φを含む項を次の様に変化させる。
【0051】
【数15】
【0052】ここで、fBは、光の位相を2πずらすた
めに印加する周期的なバイアス電圧信号の周波数であ
る。この周期よりも長い時間に渡って、数6を平均化す
ると、次の様になり、φmあるいはφに依存しないパワ
ースペクトルが得られる。
【0053】
【数16】
【0054】特に信号源2の出力は、信号源1の周波数
よりも低く、振幅も小さい。この信号は、信号源1の出
力と加算され、上記の変調器に直流バイアスとして印加
される。従って、変調器からの出力光は、この信号によ
っても変調されている。この出力光は、その変調器と光
スペクトラムアナライザの間に分波器をおいて分波さ
れ、分波された光は、変調周波数よりもずっと低い帯域
幅のフォトダイオードを用いて検波される。従って、検
波された信号には、信号源1と信号源2からの信号が含
まれる。これらの信号は、信号源2からの信号と乗じら
れ、信号源2からの信号について濾波器を通過すること
により、2乗検波が行われる。ここで、2乗検波された
信号が最小になるように、信号源1の出力信号を調整す
る。この調整は、非線形に行なう必要があるので、論理
回路を用いた回路を併用する必要がある。また、一般
に、位相をπだけずらすのに必要な変調器に印加する電
圧差V πの変動は少ないため、前記の非線形の調整につ
いては、操作者がおこなっても何ら不便はない。
【0055】[実施例3]次に第3の実施例として、図
3に示す装置について説明する。図3の装置は、それぞ
れのアームに位相変調器をもったマッハ・ツェンダ−干
渉計型変調器を用いたもので、参照用の高周波信号源か
らの信号の光スペクトルと、比測定信号の光スペクトル
とを比較して、被測定信号の位相あるいは強度を測定す
る構成を持っている。位相あるいは強度を測定するため
には、まず、高周波信号源のスペクトルをスペクトラム
アナライザにより測定しコンピュータに入力しておく、
また、被測定信号を入力せず、高周波信号源のみを入力
したときの光スペクトルもコンピュータに入力して、上
記に説明した様に、高周波信号源のA1、A2、φm、お
よびφを求めておく。次に、被測定信号を入力し、被測
定信号のA1、A2、φ m、およびφを求めて、参照用の
高周波信号源からの信号のパラメータと比較するもので
ある。
【0056】[実施例4]次に、フェーズロックループ
(PLL)を構成した実施例4を図4に示す。図4の装
置は、図3の装置に光濾波器と光検波器とを追加し、光
検波器からの信号を用いて、被測定信号を発する高周波
信号源2の発振周波数を、高周波信号源1の発振周波数
に一致させるものである。
【0057】この際、変調された光信号における高周波
信号源1および2の信号により変調した光信号のパワー
スペクトルは、数4から明らかな様に、変調指数A1
2や、導波路の構造や状態による位相であるφB1、φ
B2に依存している。このため、高周波信号源1からの信
号が振幅が時間的に変動する場合、光検波器からの出力
のみでは、高周波信号源2の発振信号と、高周波信号源
1の発振信号とを一致させることは、できない。
【0058】このため、まず、高周波信号源1のA1
2、φm、およびφを求めておき、高周波信号源2のA
1、A2、φm、およびφを求めて、参照用の高周波信号
源1からの信号のパラメータと比較する。制御回路で
は、これらのパラメータの違いが、無くなるように高周
波信号源2を制御する。しかし、この制御系は、応答速
度が遅いので、変調指数を制御するが、発振周波数につ
いては、光フィルタと光検出器を用いたループを用いて
制御するものである。
【0059】
【発明の効果】この発明は上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。
【0060】第1の発明では、マッハ・ツェンダー干渉
計型光変調器のチャープパラメータを得るために、複数
の長さの光ファイバーを用意する必要がなくなった。
【0061】また、第2および第3の発明では、入力す
る2つの高周波信号について、マッハ・ツェンダー干渉
計型光変調器のそれぞれの変調指数や位相特性を取得で
きるようになった。
【0062】また、第4の発明では、変調器の位相特性
の漂動を抑制することができる様になった。
【0063】さらに、第5の発明では、変調器の位相特
性の漂動を抑制する調整を自動的に行なえるようにな
り、長時間に渡って、安定に測定できる様になった。
【0064】さらに、第6の発明では、マッハ・ツェン
ダー干渉計型光変調器の出力が一致する様に、2つの高
周波信号源を同期させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】光変調器の特性評価方法適用する装置のブロッ
ク図である。
【図2】光変調器の特性評価方法適用する、位相の漂動
が少ない装置のブロック図である。
【図3】参照信号を用いて、高周波信号源の特性を評価
するためのブロック図である。
【図4】高周波信号源1に、高周波信号源2を同期させ
るためのPLL回路を示すブロック図である。
【図5】従来の、光変調器のチャープパラメータなどの
特性を評価するためのブロック図である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光線を分岐した後に、分岐された
    光線の位相を高周波信号により変化させ、その位相の変
    化した光線を他の分岐の光線と合波することによって強
    度変調された光信号を発生させる光変調器について、そ
    の光信号のパワースペクトルを測定し、そのパワースペ
    クトルの比から変調指数あるいは位相を導出することを
    特徴とする光変調器の特性評価方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光線を2股に分岐した後に、それ
    ぞれに分岐された光線の位相をそれぞれの高周波信号に
    より変化させる光変調器について、その位相の変化した
    2筋の光線を、合波し、その合波された光信号のパワー
    スペクトルを測定し、そのスペクトラムの複数のピーク
    の比から、それぞれの高周波信号によるそれぞれの変調
    指数あるいは位相を導出することを特徴とする光変調器
    の特性評価方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光変調器の特性評価方
    法において、そのスペクトラムの複数のピークの比か
    ら、それぞれの高周波信号によるそれぞれの変調指数あ
    るいは位相を導出する方法は、変調指数あるいは位相を
    導出できる上記のスペクトラムの複数のピークの比の組
    を複数用意し、異なる組についての解を求め、その異な
    る組に共通の解の少なくともひとつを、求める解とする
    ことを特徴とする光変調器の特性評価方法。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは2に記載の光変調器の
    特性評価方法において、位相をπラジアン変化させる電
    圧をVπとするとき、その振動数が、高周波信号よりも
    小さく、そのパワースペクトル測定器の繰り返し振動数
    よりも大きい振動数で振動する2Vπのバイアス電圧を
    与えることを特徴とする光変調器の特性評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光変調器の特性評価方
    法において、2Vπのバイアス電圧に合わせこむ方法
    は、その振動数が、振動するバイアス電圧の信号よりも
    小さく、そのパワースペクトル測定器の繰り返し振動数
    よりも大きい振動数で振動する微小振動電圧を、その振
    動するバイアス電圧に重ね合わせ、光変調器の出力に含
    まれる上記の微小振動電圧成分を最小化させるように、
    振動するバイアス電圧の振幅を調整することを特徴とす
    る光変調器の特性評価方法。
  6. 【請求項6】 レーザ光線を2股に分岐した後に、分岐
    された一方の光線の位相を高周波信号源1からの信号に
    より変化させ、また、他方の光線の位相を高周波信号源
    2からの信号により変化させる光変調器について、その
    位相の変化した2筋の光線を、合波し、その合波された
    光信号のパワースペクトルを測定し、そのスペクトラム
    の複数のピークの比から、それぞれの高周波信号による
    それぞれの変調指数あるいは位相を導出し、導出された
    変調指数情報あるいは位相情報に基づいて、上記の高周
    波信号源の少なくとも一方を制御することを特徴とする
    高周波発振装置の制御方法。
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