JP6163109B2 - ホモダイン検波方式電磁波分光測定システム - Google Patents

ホモダイン検波方式電磁波分光測定システム Download PDF

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Description

本発明は、測定対象物に対するミリ波・テラヘルツ波の透過または反射スペクトルを測定する技術に関するものであり、特にホモダイン検波方式による、電磁波分光測定システム(以下、「ホモダイン検波方式電磁波分光測定システム」と記す)を構成する光学部品間の接続に用いる光ファイバの本数を削減してシステム構成を簡素化すると共に、光ファイバの温度依存性――すなわち屈折率変化および物理長の伸縮に伴う光路長の変動による検出出力のドリフト現象を軽減して安定な測定結果を得る技術に関する。
従来におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムとしては、特許文献1に記載のものがある。
特開2013−032933号公報
「テラヘルツテクノロジー」、(株)エヌ・ティー・エス、pp. 65-68、pp. 274-275、2005年7月15日発行. 「偏波保持光ファイバ」、古川電気工業(株)時報、第109号、pp. 5-10、平成14年1月.
特許文献1に記載された透過型のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成を図10に示す。これは測定対象物を透過した電磁波に含まれる分光情報を検出するものである。本システムは、レーザ等による第1の連続波光源1a、同じく第2の連続波光源1b、第1のスプリッタ14a、第2のスプリッタ14b、偏光子2a、光位相変調器3a、第1のカプラ15a、第2のカプラ15b、第1のフォトミキサ5a、検出器6、そして遅延制御信号発生器7とで主に構成される。スプリッタ14a、14b、偏光子2a、光位相変調器3a、そしてカプラ15a、15bは、本システムにおいて、ミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電磁波と参照信号(LO信号)の発生に用いる、光ビート信号の生成器として機能する。また、第1のフォトミキサ5aと第1のレンズは、測定対象物である試料の微小特定領域に電磁波を照射するエミッタ(Emitter)として機能し、第2のレンズと検出器6は、試料の微小特定領域を透過した電磁波の強度や位相情報を検出するディテクタ(Detector)として機能する。なお、分光情報は測定対象物の表面からの反射電磁波にも含まれるので、反射型のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムも用いられる。反射型の構成は、検出器6の配置が透過型と異なるだけであるので、以下では透過型を例にして構成部品の機能とシステム構成上の課題を詳述する。
図10において、第1の連続波光源1aは角周波数ω1の連続光波(以下、「第1CW光波」と記す)を出力する機能を有し、第2の連続波光源1bは角周波数ω1とは異なる角周波数ω2の連続光波(以下、「第2CW光波」と記す)を出力する機能を有する。第1スプリッタ14aは第1CW光波をふたつに分波する機能を有し、第2スプリッタ14bは第2CW光波をふたつに分波する機能を有する。第1カプラ15aは第1スプリッタ14aで分波された一方の第1CW光波と、第2スプリッタ14bで分波された一方の第2CW光波を合波する機能を有し、第2カプラ15bは第1スプリッタ14aで分波された他方の第1CW光波を偏光子2aを経由して光位相変調器3aにて遅延させた光波と、第2スプリッタ14bで分波された他方の第2CW光波とを合波する機能を有する。偏光子2aと光位相変調器3aは第1のスプリッタ14aの出力と第2のカプラ15bの入力との間の光路上に配置され、遅延制御信号発生器7からの制御信号Vcntにより、第1のスプリッタ14aで分波された他方の第1CW光波の位相を電気的に変調(遅延量を制御)する機能を有する。
偏光子2aは自然光のような非偏光や円・楕円偏光から、電界の振動方向がひとつの平面内に特化された光――すなわち直線偏光を作り出す光学部品である。電気石(トルマリン)のように一定方向の電界成分を透過し、これに垂直な電界成分を吸収する鉱物の他、ポリマー(高分子の有機化合物)が一定方向に並んだフィルムによって実現される。
光位相変調器3aは例えば、屈折率(真空中の光速を媒質中の光速――正確には位相速度で割った値であり、1より大きな値をとる)の変化量が印加電圧(電界強度)に比例するポッケルス効果(電気光学効果のひとつ)を有するLiNbO3等の電気光学結晶を用いて実現される。電気光学結晶を用いた光位相変調器の動作原理を図11を用いて説明する。電気光学結晶には屈折率に異方性があり、結晶軸(図11中のa、b、cの3軸)毎に屈折率が異なる。さらに、特定の結晶軸方向の電界に対して、屈折率変化の電界感受性が強いという性質を有する。図11の例では説明の都合により、c軸方向の電界に対して、感受性が強いものとする。電気光学結晶の上面と下面には電圧印加用の一対の電極が設けられており、この電極間の電圧を調節することにより、所望の強度の電界を結晶のc軸方向に印加できる。偏光子2aを介して成る直線偏光を光の電界の振動方向が結晶のc軸方向になるように入射すると、c軸方向の電界強度に応じて結晶中を伝搬する光に遅延が生じて、入射と反対側の結晶端面から出力される――すなわち出力端面で観測すると、出力光の位相が結晶の印加電圧に応じて変化する。出力光は直線偏光であり、出力光の電界の振動方向はc軸方向である。
第1のフォトミキサ5aは第1のカプラ15aにて合波出力される第1の光ビート信号を光電変換して、差角周波数(ωTHz=|ω1−ω2|)に相当する、ミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させ、測定対象物の試料に照射する機能を有している。フォトミキサは例えば、単一走行キャリア・フォトダイオード(UTC-PD: Uni-Travelling-Carrier Photodiode)等を利用して実現される。第1のレンズは、試料の微小特定領域に照射電磁波の焦点を結ぶ機能を有している。第2のレンズは試料の微小特定領域を透過した、分光情報を有する微弱な電磁波を集めて、大きな受信電力とする機能を有している。検出器6は第2のレンズで集められた、分光情報を有する電磁波を受信し、かつ光位相変調器3aで位相変調された第1CW光波と位相変調されていない他方の第2CW光波とが合波された第2の光ビート信号を光電変換して得られるミリ波帯またはテラヘルツ波帯の参照信号(LO信号)をホモダインミキシングする機能を有する。ここで「ホモ」は「同じ(周波数)」、「ダイン」は「掛け合わせる」の意味である、
検出器6の構成例として、2例を図12および図13に示す。図12はミキサにショットキー・バリア・ダイオード11を使用する例、図13はミキサに光伝導スイッチ13を使用する例である。
図12に示す検出器6は、第2のフォトミキサ5b、合波器9、アンテナ10、ショットキー・バリア・ダイオード11、バンド・パス・フィルタ12で主に構成される。第2のフォトミキサ5bは第2のカプラ15bにて合波出力される第2の光ビート信号を光電変換して、ミリ波帯またはテラヘルツ波帯の角周波数に相当する差角周波数(ωTHz=|ω1−ω2|)の電磁波を発生させ、ホモダイン検波に必要な参照信号(LO信号)とする機能を有している。合波器9は導電性のワイヤーグリッド等で実現され、入射電磁波の一部を透過させ、残りを反射する機能を有する。図12では合波器9を透過電磁波と参照電磁波の合波に用いている。アンテナ10は合波された透過電磁波と参照電磁波を受信する機能を、ショットキー・バリア・ダイオード11(以下「ダイオード」と記す)はスイッチとしての機能を有する。アンテナ10からの入射電磁波の起電力によって、ダイオード11にしきい値電圧を超える大きな順方向バイアス電圧が印加されると当該ダイオードは導通状態、それ以外では非導通状態をとる。通常は参照電磁波の強度が透過電磁波よりも強くなるように設定されるので、参照電磁波によってダイオード11の導通/非導通が制御されて、分光情報を有する電気信号(透過電磁波の起電力に因る)と参照電気信号(参照電磁波の起電力に因る)のミキシングが行われる。バンド・パス・フィルタ12はミキシング結果から所望の周波数帯域の信号(希望波)を抽出する機能を有する。
図13に示す検出器6は、光伝導スイッチ13とバンド・パス・フィルタ12で主に構成される。光伝導スイッチ13は、光伝導性を示す半導体基板上にふたつの金属電極(図13中の太線部分)を対向させて作製したものである(非特許文献1参照)。中央の電極間隔は光ビームのスポット径程度(5〜10μm)であり、また、これらの電極は透過電磁波を受信するためのダイポール・アンテナとして働く。光ビームが対向電極部分に照射されると電極間のスイッチは導通状態に、照射が止むと当該スイッチは非導通状態になる。それ故、アンテナの一端に接続された一対の伝送線路には、受信電磁波の強度で決まるミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電気信号が当該スイッチが導通期間中のみ得られる。ここでスイッチの応答速度は高々、数十fs(フェムト秒)であるので、第2のカプラ15bにて合波出力される第2の光ビート信号を入力すると、差角周波数(ωTHz=|ω1−ω2|)に相当するミリ波帯またはテラヘルツ波帯の角周波数にて当該スイッチの開閉が行われる。それ故、ホモダイン検波に必要な参照信号(LO信号)として、当該光ビート信号を利用できる。すなわち、透過電磁波と第2の光ビート信号を同時に光伝導スイッチ13に入力することにより、分光情報を有する電気信号(透過電磁波の起電力に因る)と参照信号(LO信号)のミキシングが行われる。バンド・パス・フィルタ12はミキシング結果から所望の周波数帯域の信号(希望波)を抽出する機能を有する。
なお、本システムの構成を説明する図10、図12および図13において、破線で示す光路には光ファイバが、点線で示す電磁波の伝搬路には自由空間が使用される。
次に従来のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの動作を説明する。動作概要は、角周波数ω1の第1CW光波と角周波数ω2の第2CW光波とをUTC-PD等で実現されるフォトミキサ5aを用いて相互変調させることにより、ミリ波帯もしくはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させて、これを評価対象物である試料に照射し、試料を透過した電磁波を、ミキサを主構成要素とする検出器6を用いてホモダイン検波方式にて検出することにある。遅延制御発生器7から出力される制御信号Vcntには、例えば図14に示す「のこぎり」歯状の電圧波形が用いられる。この場合、検出器6からは希望波Vsとして、角周波数ωmのcos波形が得られる。なお、Vcntには「のこぎり」歯状以外の電圧波形を用いることも可能であるが、検出結果として検出器6から出力される希望波VSが単一周波数にならないので、ホモダイン検波方式電磁波分光測定システムにおいての利用頻度は少ない。
試料を通過した電磁波に含まれる位相情報は前述のように、試料に照射される電磁波と同一周波数の参照信号(LO信号)を通過電磁波にホモダインミキシングすることによって検出される。参照信号(LO信号)の発生には幾つかの光学部品を組み合わせる必要があり、光学部品間の接続に用いる光ファイバの本数が膨らんで、システム構成が複雑化するという問題がある。さらに、照射電磁波と参照信号(LO信号)との間の位相差が一定であることが特に重要である。しかし、光学部品間の光波の伝送に用いられる光ファイバには温度依存性があり、その屈折率変化および物理長の伸縮によって光路長が僅かではあるが、変動する性質がある。それ故、図10のような用途では、照射電磁波と参照信号(LO信号)との間の位相差が時間の経過と共に不規則に変化(以下、「ドリフト」と記す)する要因になる。位相差の変動幅は、位相情報の検出感度限界を決める主因になるので、できる限り小さくする必要がある。具体的には、温度制御された測定環境が必要になることから、位相情報を検出できるというホモダイン検波方式の特長を十分に活かしきれず、当該ホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの適用領域を狭いものにしている。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを構成する光学部品間の接続に用いる光ファイバの本数を削減してシステム構成を簡素化すると共に、試料に照射される電磁波と参照信号(LO信号)との間の位相差のドリフト現象を軽減することにより、試料を透過した電磁波に含まれる位相情報をホモダイン検波方式によって高精度に測定可能なホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、第1の本発明に係るホモダイン検波方式電磁波分光測定システムは、第1の周波数の連続光波の特定方向の振動成分の位相を制御信号によって電気的に変調する光位相変調器と、前記光位相変調器の後段に配置され、位相変調された連続光波と第2の周波数の連続光波をp波成分とs波成分に分波し、かつしたp波成分同士とs波成分同士を合波する2ポート入力の偏光ビームスプリッタと、前記p波成分光電変換してミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させるフォトミキサと、測定対象物を透過または反射した前記電磁波を受信し、かつ前記s波成分光電変換して得られるミリ波帯またはテラヘルツ波帯の参照信号をホモダインミキシングする検出器と、前記光位相変調器に前記制御信号を入力することにより、前記検出器から出力される希望波の位相を1周期もしくは複数周期に亘って連続的に進めるもしくは遅らせることが可能な遅延制御信号発生器とを有することを特徴とする。
第2の本発明に係るホモダイン検波方式電磁波分光測定システムは、第1の周波数の連続光波の特定方向の振動成分の位相を制御信号によって電気的に変調する第1の光位相変調器と、第2の周波数の連続光波の特定方向の振動成分の位相を前記制御信号の相補制御信号によって電気的に変調する第2の光位相変調器と、前記第1の光位相変調器の後段に配置され、位相変調された連続光波と前記第2の光位相変調器で位相変調された連続光波をp波成分とs波成分に分波し、かつしたp波成分同士とs波成分同士を合波する2ポート入力の偏光ビームスプリッタと、前記p波成分光電変換してミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させるフォトミキサと、測定対象物を透過または反射した前記電磁波を受信し、かつ前記s波成分光電変換して得られるミリ波帯またはテラヘルツ波帯の参照信号をホモダインミキシングする検出器と、前記第1の光位相変調器に前記制御信号を入力し、かつ前記第2の光位相変調器に前記相補制御信号として入力することにより、前記検出器から出力される希望波の位相を1周期もしくは複数周期に亘って連続的に進めるもしくは遅らせることが可能な遅延制御信号発生器とを有することを特徴とする。
例えば、前記希望波の周期を2π/ωmとした場合、前記第1ないし第2の発明において制御信号および相補制御信号の周期はn・2π/ωm(ただし、nは自然数)である。
例えば、前記制御信号と前記相補制御信号の少なくとも一方を参照信号とするロックイン・アンプが前記検出器の出力に縦続接続される。
本発明によれば、光位相変調器を分波器に前置き可能である。これにより、ホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを構成する光学部品間の接続に用いる光ファイバの本数を後述のように、10本から7本に削減できるので、システム構成が簡素になり低廉化できる。さらに、位相の検出出力のドリフト程度は分波器の出力からフォトミキサもしくは検出器の入力に至る光ファイバの長さで決まるので本発明のように、当該部分の光ファイバの長さが短くなるような構成(アーキテクチャ)を採ることにより、ドリフト現象が軽減された安定な測定結果を得られるという効果がある。
第1の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成図である。 第1の実施例における偏光子と光位相変調器の動作を説明する図である。 第1の実施例における2ポート入力の偏光ビームスプリッタの個別部品による構成例である。 第1の実施例における偏光ビームスプリッタの動作を説明する図である。 第1および第3の実施例における遅延制御信号の電圧波形を説明する図である。 第2の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成図である。 第2および第4の実施例における遅延制御信号の電圧波形を説明する図である。 第3の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成図である。 第4の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成図である。 従来のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成図である。 従来例における偏光子と光位相変調器の動作を説明する図である。 従来のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを構成する検出器6の一構成として、ミキサにダイオードを利用する例を示す図である。 従来のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを構成する検出器6の一構成として、ミキサに光伝導スイッチを利用する例を示す図である。 従来のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムにおける遅延制御信号の電圧波形を説明する図である。
本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。以下では、説明が煩雑になるのを避けるために、透過型のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを例に説明するが、反射型についても同様である。
[第1の実施例]
第1の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成を図1に示す。図10に示した従来例との主たる違いは、分波器に後述の偏光ビームスプリッタを用いることにある。これにより、光位相変調器を分波器に前置き可能になり、光学部品間の接続に用いる光ファイバの本数を従来例の10本(図10内の破線の光路が該当)から7本(図1内の光学部品間を結ぶ破線の光路が該当)に削減できる。以下では説明が[発明が解決しようとする課題]と重複するのを避けて、図10に示した従来例との違いに絞って詳述する。
図1内の偏光子2aおよび光位相変調器3aの機能は、図10内の偏光子2aおよび光位相変調器3aと同じであり、偏光子2aを介してなる直線偏光を光の電界の振動方向が電気光学結晶のc軸と一定の角度(90度の整数倍を除く)をなすように入射させることが異なる(図2参照)。上記角度(以下、「偏光角」と記す)を45度に設定した場合、結晶中を伝搬する光波のエネルギーはc軸方向の成分とc軸に垂直な方向の成分に等分配される。偏光角は自由に設定可能であるが、特に90度の整数倍を除くのは、c軸方向とc軸に垂直な方向の何れかの側に全てのエネルギーを振り分ける状態を除外するためである。
ところで、c軸方向の屈折率がc軸方向の内部電界に応じて変化する為に[発明が解決しようとする課題]で述べたように、c軸方向の光波成分には結晶中を伝搬する際に電界強度を反映した遅延が発生する。これに対して、c軸に垂直な方向の屈折率はc軸方向の内部電界の影響を受けない。それ故、c軸に垂直な方向の光波成分が結晶中を伝搬する速度――言い換えれば、結晶を通過する際の遅延量は一定である。これは光波のc軸方向の成分とc軸に垂直な方向の成分とでは、結晶中の伝搬遅延時間が異なることを意味しており、入射と反対側の結晶端面からの出力光は楕円偏光になる――出力端面で観測すると、光波の電界(磁界)ベクトルの先端は楕円を描く。なお、楕円偏光の特殊な場合として、出力光のc軸方向の成分とc軸に垂直な方向の成分の大きさが等しく、かつ位相差が90度の整数倍になる場合は円偏光になる。また、後述の偏光ビームスプリッタへの入射に際しては、c軸方向の成分をs波成分に、c軸に垂直な方向の成分をp波成分に対応させる。
偏光子2bの機能は、偏光子2aと同じである。動作は図2において、偏光子2aを偏光子2bで置き換え、かつ光位相変調器3aを取り除いた状態に相当する。偏光子2bの出力光の偏光状態はc軸と一定の角度(90度の整数倍を除く)をなす直線偏光である。後述の偏光ビームスプリッタへの入射に際しては、c軸方向の成分をs波成分に、c軸に垂直な方向の成分をp波成分に対応させる。
2ポート入力の偏光ビームスプリッタ4(以下、混乱のない限り「スプリッタ」と記す)は、分波と合波の機能を併せ持っており、ふたつの入射光の偏光状態に応じて、p波成分とs波成分をそれぞれ合波して出力する機能を有する。合波出力されるp波成分は第1の光ビート信号として第1のフォトミキサ5aに供給され、同じくs波成分は第2の光ビート信号として検出器6に供給される。
偏光子2aと光位相変調器3aは第1の連続波光源1aの出力とスプリッタ4の一方の入力との間の光路上に配置され、遅延制御信号発生器7からの制御信号Vcntにより、第1CW光波の特定方向の振動成分の位相を電気的に変調(遅延量を制御)する機能を有する。偏光子2bは第2の連続波光源1bの出力とスプリッタ4の他方の入力との間の光路上に配置される。他の構成は図10に示した従来例と同じである。
スプリッタ4は個別の光学部品を組み合わせても実現可能であり、その構成例を図3に示す。ふたつの入射光を合波するカプラ41と、入射光をp波成分とs波成分に分波する偏光ビームスプリッタ42から成る。同図中の偏光ビームスプリッタ42は例えば図4に示すように、一対の直角プリズムの斜面同士を貼り合わせた構造をしており斜面には、誘電体多層膜がコーティングされている。入射光は貼り合わせ面にて透過光(p波成分)と反射光(s波成分)に分波する。ここで、「p波成分」および「s波成分」という技術用語は、光波が異なる物質間の境界面――ここではプリズムと誘電体多層膜の境界面で反射/透過する際に、光波をふたつの直交成分に分解して取り扱うためのものである。境界面の法線ベクトルと入射光の波数ベクトル(向きは光波の進行方向)の両方を含む面を「入射面」とよび、電界の振動方向が入射面と並行(parallel)になる成分をp波成分、入射面と垂直(senkrecht; ドイツ語)になる成分をs波成分とよぶ。
なお、本システムの構成を説明する図1において、破線で示す光学部品間の光路には光ファイバが、点線で示す電磁波の伝搬路には自由空間が使用される。なお、偏光状態の保持が特に望ましい光路――すなわち、偏光子2aの出力と光位相変調器3aの入力との間、3aの出力とスプリッタ4の一方の入力との間、偏光子2bの出力とスプリッタ4の他方の入力との間についてはPANDA等の偏波保持光ファイバ(非特許文献2参照)を利用してもよい。
次に第1の実施例における透過型のホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの動作を説明する。動作概要は、角周波数ω1の第1CW光波と角周波数ω2の第2CW光波とをUTC-PD等で実現されるフォトミキサ5aを用いて相互変調させることにより、ミリ波帯もしくはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させて、これを評価対象物である試料に照射し、試料を透過した電磁波を、ミキサを主構成要素とする検出器6を用いてホモダイン検波方式にて検出することにある。以下、詳述するにあたり、検出器6は説明の都合により、図12の構成とする。
第1の連続波光源1aから得られる第1CW光波の電界をE1、第2の連続波光源1bから得られる第2CW光波の電界をE2とする。
E1(t)=A1 cos(ω1 t-φ1) (式1)
E2(t)=A2 cos(ω2 t-φ2) (式2)
ここで、A1とA2は電界の振幅(定数)、ω1とω2は角周波数(定数)、tは時間、φ1とφ2は初期位相遅れ(定数)である。第1の光ビート信号の電界E3、第2の光ビート信号の電界E4は次式で与えられる。
E3(t)=A1 cos(ω1 t-φ1-Δφ14-Δφ45)+ A2 cos(ω2 t-φ2-Δφ24-Δφ’45)
(式3)
E4(t)=A1 cos(ω1 t-φm(t)-φ1-Δφ14-Δφ46)+ A2 cos(ω2 t-φ2-Δφ24-Δφ’46)
(式4)
ここで、φmは光位相変調器3aによる、位相のシフト量(遅延に相当)である。シフト量は時間tの関数であり、後述する様に、遅延制御信号発生器7の出力電圧Vcntによって決まる。また、Δφ14は第1の連続波光源1aの出力からスプリッタ4の一方の入力に至る光ファイバの温度変化による位相変動分、Δφ45とΔφ’45はスプリッタ4の一方の出力からフォトミキサ5aの入力に至る光ファイバの温度変化による位相変動分、Δφ24は第2の連続波光源1bの出力からスプリッタ4の他方の入力に至る光ファイバの温度変化による位相変動分、Δφ46とΔφ’46はスプリッタ4の他方の出力から検出器6の入力に至る光ファイバの温度変化による位相変動分である。ここで、Δφ45とΔφ’45、およびΔφ46とΔφ’46は、それぞれ光ファイバの物理長は等しくても、角周波数が異なるので等しくない。
フォトミキサ5a、5bとして使用されるUTC-PDは、入射光から受け取る電磁エネルギー(光波の電界(磁界)の2乗に比例)の変化を電気信号(電流)に変換する。フォトミキサ5a 内のUTC-PDを流れる電流i3、フォトミキサ5b内のUTC-PDを流れる電流i4は、それぞれ次式で与えられる。
i3(t)=A3 cos(|ω12|t-φ1-Δφ14-Δφ452+Δφ24+Δφ’45)+(直流成分)
(式5)
i4(t)=A4 cos(|ω12|t-φm(t)-φ1-Δφ14-Δφ462+Δφ24+Δφ’46)+(直流成分)
(式6)
ここで、A3とA4は電流の振幅(2 A1 A2から一意に決まる定数)である。なお、数学的には2ω1、2ω2、(ω12)等の高周波成分も生じるが、何れもUTC-PDの応答速度を超えるので、電流成分には含まれない。式5中の差角周波数|ω12|が所望の角周波数になるように、ω1とω2の組を選ぶことにより、ミリ波帯もしくはテラヘルツ帯の角周波数の電気信号を得られる。この電気信号を送信アンテナ(図示せず)に供給することにより、ミリ波帯もしくはテラヘルツ帯の電磁波が発生し、自由空間に放射される。第1のレンズを介して、試料に照射される電磁波の電界E5、試料を透過した電磁波の電界E7は次式で与えられる。
E5(t)=A5 cos(|ω12|t-φ3) (式7)
E7(t)=AS A5 cos(|ω12|t-φS3) (式8)
但し、φ3 = φ1+Δφ14+Δφ452-Δφ24-Δφ’45 (式9)
ここで、A5は電界の振幅(A3から一意に決まる定数)である。ASは透過係数、φSは位相定数と呼ばれ、それぞれ照射電磁波が試料を透過する際の減衰と遅延を表わしている。同様に図12に示す検出器6において、第2のフォトミキサ5bから得られる参照電磁波(LO信号に相当)の電界E6は次式で与えられる。
E6(t)=A6 cos(|ω12|t-φm(t)-φ4) (式10)
但し、φ4 = φ1+Δφ14+Δφ462-Δφ24-Δφ’46 (式11)
ここで、A6は電界の振幅(A4から一意に決まる定数)である。参照電磁波E6は合波器9にて透過電磁波E7と合波(加算)されてアンテナ10に入力され、電気信号(電圧)に変換される。参照電磁波による受信信号電圧V6(LO信号)と、透過電磁波による受信信号電圧V7は、それぞれ次式で与えられる。
V6(t)=A’6 cos(|ω12|t-φm(t)-φ4) (式12)
V7(t)=AS A’5 cos(|ω12|t-φS3) (式13)
ここで、A’5は電圧の振幅(A5から一意に決まる定数)、A’6も電圧の振幅(A6から一意に決まる定数)ある。
LO信号V6と、分光情報を含む受信信号V7のミキシキング(乗算)はダイオード11で行われる。ミキシングによって発生する様々な周波数の信号からバンド・パス・フィルタ12を用いて、以下の希望波を検出信号VSとして抽出する。
VS(t)=AS A7 cos(φm(t)-φS34) (式14)
ここで、A7は電圧の振幅(2 AS A’5 A’6から一意に決まる定数)である。
式14中の位相シフト量φmは遅延制御信号発生器7で制御可能な量であり、その出力電圧Vcntの波形(電圧の時間変化)から一意に定まる。具体的には、光位相変調器3aの主たる構成要素である電気光学結晶中を伝搬する光のc軸方向の成分に、その遅延量が印加電圧(Vcnt)に線形に依存する性質があるというだけで、Vcntの波形には何ら制約はない。検出器6から出力される希望波VSの位相をVcnt =V0の時が零、Vcnt =V2πnの時が2πとして、その間の時間変化を周期T=n・2π/ωm(ここで、nは自然数、ωmは定数)の「のこぎり」歯状に設定した場合(図5参照)、φm(t)は次式で表わされる。
φm(t)=ωm t (式15)
ここで、角周波数ωmと周波数fmには、ωm=2πfmの関係があること、周期が周波数の逆数であることを用いた。これを式14に代入して、次式を得る。
VS(t)=AS A7 cos(ωm t-φS34) (式16)
すなわち、ホモダイン検波の結果、希望波VSとして単一周波数の出力信号(角周波数ωm、初期位相遅れφSのcos波形)を得られる。角周波数ωmの値は、前述のω1、ω2、ωTHzの制約を受けることなく自由に設定可能であるので、特別な測定系を要しない低い周波数、例えば、数十kHzに選ぶ。
ここで、式16中の位相遅れ(φ34)は、光ファイバの温度変化による位相変動分を表わしている。式9及び式11を代入して整理すると、次式を得る。
φ34=φ1+Δφ14+Δφ452-Δφ24-Δφ’45-(φ1+Δφ14+Δφ462-Δφ24-Δφ’46)
=Δφ45-Δφ’45-Δφ46+Δφ’46
連続波光源1aの出力からスプリッタ4の一方の入力に至る光ファイバの温度変化による位相の変動分は、受信信号の位相変化分Δφ14と参照信号(LO信号)の位相変化分Δφ14との間で相殺される。同様に、連続波光源1bの出力からスプリッタ4の他方の入力に至る光ファイバの温度変化による位相の変動分は、受信信号の位相変化分Δφ24と参照信号(LO信号)の位相変化分Δφ24との間で相殺される。結果的にスプリッタ4の一方の出力から第1のフォトミキサの入力に至る光ファイバの温度変化による位相変化の差分(Δφ45-Δφ’45)とスプリッタ4の他方の出力から検出器6の入力に至る光ファイバの温度変化による位相変化の差分(Δφ46-Δφ’46)だけになる。これより、光ファイバの温度変化による、位相の検出出力の変動が軽減されることが分かる。
以上まとめると本発明の第1の実施例では、光位相変調器の主たる構成要素である電気光学結晶の入射光に「90度の整数倍以外」の一定の偏光角を設定し、かつ分波器に偏光ビームスプリッタを利用することにより、光位相変調器を分波器に前置き可能にしている。これにより、分波器の出力からフォトミキサもしくは検出器の入力に至る光ファイバの長さを測定システム構成上――言い換えれば、アーキテクチャの観点から短くできる。具体的には、図10に示した従来構成の場合、スプリッタ14aの一方の出力からカプラ15aを経由して第1のフォトミキサ5aの入力に至る区間、スプリッタ14aの他方の出力から偏光子2a、光位相変調器3a、そしてカプラ15bを経由して検出器6の入力に至る区間、スプリッタ14bの一方の出力からカプラ15aを経由して第1のフォトミキサ5aの同入力に至る区間、スプリッタ14bの他方の出力からカプラ15bを経由して検出器6の同入力に至る区間が、それぞれ分波後の光ファイバの長さに該当する。これに対して図1の実施例の場合、分波後の光ファイバの長さに該当するのは、スプリッタ4の一方の出力から第1のフォトミキサ5aの入力に至る区間、およびスプリッタ4の他方の出力から検出器6の入力に至る区間である――何れも第1もしくは第2の光ビート信号の伝送に用いられる区間だけに限定されているので、クリティカルな光ファイバ長は従来構成よりも短くなる。それ故、光ファイバの温度依存性――すなわち屈折率変化および物理長の伸縮に伴う光路長の変動による検出出力のドリフト現象を軽減した安定な、ホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを提供できる。
[第2の実施例]
第2の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成を図6に示す。3aは第1の光位相変調器、3bは第2の光位相変調器、7’は相補出力(VcntとV’cnt)を有する遅延制御信号発生器である。第1の光位相変調器3aは、図1に示した第1の実施例中の3aと同じである。第1の実施例とは、第2の光ビート信号の生成に関して、第2CW光波の光路上――具体的には偏光子2bの出力とスプリッタ4の他方の入力との間に第2の光位相変調器3bを設けて、第1の光位相変調器3aの制御信号Vcntと相補関係にある相補制御信号V’cntを用いて当該光位相変調器3bを制御することが異なる。遅延制御信号発生器7’の相補出力(Vcnt とV’cnt)の電圧波形を図7に示す。Vcntの波形は図5と同じであり、その相補信号となるV’cntは、電圧の掃引方向が逆向き――すなわち、V2πnからV0の向きになる。光位相変調器3bによる位相のシフト量は符号を除いて光位相変調器3aのそれと等量に設定されるので、これをφmとすると、第2の光ビート信号の電界E’4は次式で与えられる。
E’4(t)=
A1 cos(ω1 t-φm(t)-φ1-Δφ14-Δφ46)+ A2 cos(ω2 t+φm(t)-φ2-Δφ24-Δφ’46)
(式4’)
第2項にφm(t)が含まれることが、式4と異なる。以下、[第1の実施例]の説明と同様の計算により、検出器6中のバンド・パス・フィルタ12から出力される検出信号V’S(希望波)は、次式で表わされる。
V’S(t)=AS A7 cos(2φm(t)-φS34) (式14’)
これは式14に対応する計算結果である。φm(t)に係数2が掛かるので、位相のシフト量は第1の実施例の2倍になる。以下同様の計算にて、次式を得る。
V’S(t)=AS A7 cos(2ωm t-φS34) (式16’)
これは式16に対応する計算結果である。ωmに係数2が掛かるので、ホモダイン検波の結果、角周波数2ωm、初期位相遅れφSのcos波形を得られる。第2の実施例では、2ωmが希望波の角周波数になる。また、式16’中の位相遅れ(φ34)は、光ファイバの温度変化による位相の変動分を表わしている。
以上まとめると本発明の第2の実施例では、第2の光ビート信号の生成に関して、第1CW光波の光路上に設けられた第1の光位相変調器3aに加えて、第2CW光波の光路上に第2の光位相変調器3bを設けて、かつ第1の光位相変調器3aの制御信号Vcntと相補関係にある相補制御信号V’cntを用いて光位相変調器3bを制御する。これにより、第1の実施例と同等の効果を得られる他に、遅延制御信号の周期Tを第1の実施例の2倍(周波数では1/2倍)にできるので、高速な電子部品が不要になりシステムを低廉化できる。
[第3および第4の実施例]
第3の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成を図8に、第4の実施例におけるホモダイン検波方式電磁波分光測定システムの構成を図9に示す。第3の実施例を示す図8は、遅延制御信号発生器7の出力信号Vcntを参照信号とするロックイン・アンプ8が検出器6の出力に縦続接続されていることが、第1の実施例を示す図1と異なる。第4の実施例を示す図9は、遅延制御信号発生器7’の出力信号のひとつ(VcntまたはV’cnt)を参照信号とするロックイン・アンプ8が検出器6の出力に縦続接続されていることが、第2の実施例を示す図6と異なる。なお、図9中のロックイン・アンプ8は、VcntとV’cntの両方を参照信号に用いてもよい。
なお、本発明の第1ないし第4の実施例には種々の変形例が考えられる。例えば、図1に示す第1の実施例および図8に示す第3の実施例では、第1の光位相変調器3aの挿入位置は、偏光子2bの出力からスプリッタ4の他方の入力に至る光路でもよく、さらには制御信号にVcntと相補関係にあるV’cnt(図7参照)をVcntの代わりに用いてもよく、またスプリッタ4のs波成分出力を第1の光ビート信号に、かつスプリッタ4のp波成分出力を第2の光ビート信号に用いてもよく、それぞれ第1の実施例もしくは第3の実施例と同等の効果を得られる。
図6に示す第2の実施例および図9に示す第4の実施例では、Vcntにて制御される光位相変調器3aとV’cntにて制御される光位相変調器3bを入れ替えてもよく、またスプリッタ4のs波成分出力を第1の光ビート信号に、かつスプリッタ4のp波成分出力を第2の光ビート信号に用いてもよく、それぞれ第2の実施例もしくは第4の実施例と同等の効果を得られる。
また、第1の連続波光源1aおよび第2の連続波光源1bに偏光型の光源――例えば、分布帰還型半導体レーザを利用する場合は、偏光角が第1の偏光子2aもしくは第2の偏光子2bで実現される偏光角となるように光源からの出力光を調整する限り、第1の偏光子2aおよび第2の偏光子2bを不要とする構成も可能であり、第1〜第4の実施例と同等の効果を得られる。
1a ・・・第1の連続波光源(角周波数:ω1)
1b ・・・第2の連続波光源(角周波数:ω2)
2a、2b ・・・偏光子
3a、3b ・・・光位相変調器
4 ・・・2ポート入力の偏光ビームスプリッタ
5a、5b ・・・フォトミキサ
6 ・・・検出器
7、7’ ・・・遅延制御信号発生器
8 ・・・ロックイン・アンプ
9 ・・・合波器(ワイヤーグリッド等)
10 ・・・アンテナ
11 ・・・ショットキー・バリア・ダイオード
12 ・・・バンド・パス・フィルタ
13 ・・・光伝導スイッチ
14a、14b ・・・スプリッタ
15a、15b、41 ・・・カプラ
42 ・・・偏光ビームスプリッタ

Claims (4)

  1. 第1の周波数の連続光波の特定方向の振動成分の位相を制御信号によって電気的に変調する光位相変調器と、
    前記光位相変調器の後段に配置され、位相変調された連続光波と第2の周波数の連続光波をp波成分とs波成分に分波し、かつしたp波成分同士とs波成分同士を合波する2ポート入力の偏光ビームスプリッタと、
    前記p波成分を光電変換してミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させるフォトミキサと、
    測定対象物を透過または反射した前記電磁波を受信し、かつ前記s波成分を光電変換して得られるミリ波帯またはテラヘルツ波帯の参照信号をホモダインミキシングする検出器と、
    前記光位相変調器に前記制御信号を入力することにより、前記検出器から出力される希望波の位相を1周期もしくは複数周期に亘って連続的に進めるもしくは遅らせることが可能な遅延制御信号発生器と
    を有することを特徴とするホモダイン検波方式電磁波分光測定システム。
  2. 第1の周波数の連続光波の特定方向の振動成分の位相を制御信号によって電気的に変調する第1の光位相変調器と、
    第2の周波数の連続光波の特定方向の振動成分の位相を前記制御信号の相補制御信号によって電気的に変調する第2の光位相変調器と、
    前記第1の光位相変調器の後段に配置され、位相変調された連続光波と前記第2の光位相変調器で位相変調された連続光波をp波成分とs波成分に分波し、かつしたp波成分同士とs波成分同士を合波する2ポート入力の偏光ビームスプリッタと、
    前記p波成分を光電変換してミリ波帯またはテラヘルツ波帯の電磁波を発生させるフォトミキサと、
    測定対象物を透過または反射した前記電磁波を受信し、かつ前記s波成分を光電変換して得られるミリ波帯またはテラヘルツ波帯の参照信号をホモダインミキシングする検出器と、
    前記第1の光位相変調器に前記制御信号を入力し、かつ前記第2の光位相変調器に前記相補制御信号として入力することにより、前記検出器から出力される希望波の位相を1周期もしくは複数周期に亘って連続的に進めるもしくは遅らせることが可能な遅延制御信号発生器と
    を有することを特徴とするホモダイン検波方式電磁波分光測定システム。
  3. 前記希望波の周期を2π/ωmとした場合、前記制御信号および前記相補制御信号の周期はn・2π/ωm(ただし、nは自然数)であることを特徴とする請求項2に記載のホモダイン検波方式電磁波分光測定システム。
  4. 前記制御信号と前記相補制御信号の少なくとも一方を参照信号とするロックイン・アンプを前記検出器の出力に縦続接続したことを特徴とする請求項2又は3に記載のホモダイン検波方式電磁波分光測定システム。
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