JP2019012134A - トナー、トナーの製造方法、及び、捺染布帛の製造方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法、及び、捺染布帛の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】捺染布帛の摩擦堅牢度を高くでき、かつ、シート基材へトナーを強固に定着させることができ、かつ、シート状基材への転写後のトナーの硬化工程を必須としない、トナー等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のトナーは、少なくとも1種の昇華性分散染料、および、バインダー樹脂を含有するトナーである。このトナーにプランジャーで4.90MPaの圧力を与えかつ5℃/minで昇温させながら直径1mmおよび長さ1mmの孔から下方に流出させる流動性試験において、トナーの半量が流出する温度T1/2が150℃〜175℃である。このトナーの130℃における損失正接tanδが0.35以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナー、トナーの製造方法、及び、捺染布帛の製造方法に関する。
従来より、昇華性染料を用いた染色布帛の製造方法が知られている。この方法では、まず、感光体上に昇華性染料を含むトナーの画像を形成し、感光体上に形成されたトナーをシート状基材に転写し、その後トナーを熱でシート状基材に固定する。その後、シート状基材と布帛とを重ね合わせ、シート状基材を加熱することにより、シート状基材のトナーに含まれる昇華性染料で布帛を染色する。
この方法においては、トナー中の昇華性染料を昇華させ布帛を染色させるのに、加熱プレス機や真空加熱機が用いられている。加熱条件としては、昇華性染料の昇華温度を考慮し、190〜210℃、300〜600g/cm、1minが一般的であり、この条件が昇華性染料を昇華させ布帛を染色する最良な条件であることが知られている。
ところで、このような捺染方法においても、捺染布帛の摩擦堅牢度を高くすることが必要である。摩擦堅牢度とは、重ね着などの衣料品同士のすれ作用による「他への色移りの程度(汚染)」を評価するものである。例えば、紺色のジーンズと白色のシャツを着ていたら、シャツの裾周辺に紺色の擦れたような色移りを経験することがある。これは着用の際の、ジーンズとシャツとの摩擦作用により、ジーンズ(紺色)からシャツ(白色)へ色が移ってしまったからである。衣類同士が擦れる部位に発生しやすい事故であり、摩擦堅牢度は高くする必要がある。
しかしながら、従来の方法では摩擦堅牢度が十分でない場合が多い。この原因の一つとして、シート状基材に固定されたトナーを加熱してトナー中の昇華性染料を昇華させて布帛を捺染する際に、トナーが溶融して布帛に付着して移行することがあげられる。トナーが布帛に移行すると、摩擦堅牢度を低下させるのみならず、布帛自体の風合いを劣化させてしまったり、捺染後に布帛からシート状基材を剥離することを困難にしたりする。
このようなシート状基材から布帛へのトナーの移行を避ける為に、特許文献1,2では、布帛への捺染前に、シート状基材に転写したトナーに、UV等を当ててトナーを硬化させることが試みられている。
米国特許8709696号 米国特許9372425号
しかしながら、シート状基材に定着されたトナーにUV照射をすることは、設備コストや手間の増加を招くので好ましくない。
また、本発明者らの知見によれば、トナーが布帛に移行しなくても、捺染後に布帛からシート状基材を剥離する際にトナーが割れて微粉が発生して布帛に付着し、摩擦堅牢度の低下を引き起こすことがあることも判明した。
さらに、シート状基材からトナーの布帛への移行を抑制することは必要ではあるが、シート状基材に対してはトナーを強固に定着させる必要がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、捺染布帛の摩擦堅牢度を高くでき、かつ、シート基材へトナーを強固に定着させることができ、かつ、シート状基材への転写後のトナーの硬化工程を必須としない、トナー等を提供することを目的とする。
本発明にかかるトナーは、少なくとも1種の昇華性分散染料、および、バインダー樹脂を含有するトナーである。そして、前記トナーにプランジャーで4.90MPaの圧力を与えかつ5℃/minで昇温させながら直径1mmおよび長さ1mmの孔から下方に流出させる流動性試験において、トナーの半量が流出する温度T1/2が150℃〜175℃である。また、前記トナーの130℃における損失正接tanδが0.35以下である。
ここで、前記バインダー樹脂は、第1の重合体と第2の重合体との反応物であり、前記第1の重合体はカルボキシル基を有し、前記第2の重合体はカルボキシル基と反応して架橋する官能基を有することができる。
また、前記第1の重合体は5KOHmg/g以上の酸価を有することができる。
また、前記第1の重合体は、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー、及び/又は、ポリエステル樹脂であることができる。
また、前記第2の重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートの重合体であることができる。
また、前記第2の重合体の重量平均分子量Mwが10000〜50000であり、前記第2の重合体の数平均分子量をMnとしたときに、Mw/Mnが5〜17であることができる。
本発明にかかる捺染布帛の製造方法は、上記のいずれか一項記載のトナーの画像をシート状基材に転写する工程、加熱により前記トナーを前記シート状基材上に定着させる工程、及び、前記シート状基材上の前記トナー中の昇華性分散染料を昇華させて染色対象物を捺染する工程を含む。
本発明にかかるトナーの製造方法は、カルボキシル基を有する第1の重合体と、カルボキシル基と反応して架橋する官能基を有する第2の重合体と、昇華性分散染料と、を加熱しながら混練する工程を含む。
本発明によれば、捺染布帛の摩擦堅牢度を高くでき、かつ、シート基材へトナーを強固に定着させることができ、かつ、シート状基材への転写後のトナーの硬化工程を必須としない、トナー等が提供される。
流動性試験装置の概略図である。 流動性試験における温度とプランジャー降下量との関係を示すグラフである。 一実施形態にかかるカラープリンタの概略図である。 他の実施形態にかかるカラープリンタの概略図である。 捺染工程を示す概略図である。
本発明の実施形態にかかるトナーについてまず説明する。
(トナー)
(流動性試験の特性)
本発明の実施形態にかかる昇華転写捺染用のトナーは、プランジャーで4.90MPaの圧力を与えかつ5℃/minで昇温させながら直径1mmおよび長さ1mmのダイから下方に流出させる流動性試験において、トナーの半量が流出する温度T1/2が150℃〜175℃を満たす。
この流動性試験は、例えば、図1に示すような降下式フローテスター(例えば島津製作所製)で行うことができる。
フローテスター1000は、下端が閉じられた円筒状のシリンダ120と、シリンダ120内に配置されるプランジャー130と、プランジャー130に荷重を負荷する錘140と、シリンダ120内のトナー16を加熱するヒーター150を備える。
シリンダ120の下端には上下に貫通する孔110が設けられている。孔110の径は1mm、孔110の長さ、すなわち、シリンダ120の下端の厚みは1mmである。
シリンダ120内にトナー16を充填し、トナー16に対してプランジャー130及び錘140で4.90MPaの圧力をかけた状態で、ヒーター150によりトナー16を加熱する。温度の上昇速度は5.0℃/minとする。加熱開始温度は、例えば、50.0℃とすることができ、加熱終了温度は例えば300.0℃とすることができる。開始時における予熱時間(温度一定の期間)は300秒とすることができる。充填するトナー16の初期の厚みは約15mmあるいは約1gに対応する量とすることが好適である。
温度の上昇によりトナー16が軟化し、孔110から下方に流出し始める。トナー16の流出に伴い、プランジャー130の位置が下がるので、このプランジャー130の位置の変化(降下量)を温度に対して記録する。記録間隔は、例えば、5℃毎とすることができる。
これにより、図2に示すように、温度Tと、プランジャー降下量Lとのグラフが得られる。孔110からの流出開始点Tに対応するプランジャー降下量Lと、プランジャー降下量が最大になったときのプランジャー降下量Lとの差がhとなり、LとLとの中間、すなわち、1/2hに対応する点の温度を、トナーの半量が流出する温度T1/2とする。
温度T1/2が150℃未満であると、シート状基材上のトナーを加熱してトナー中の昇華性染料を昇華させて布帛を捺染する際に、トナーが溶融して布帛に付着する傾向がある。温度T1/2が175℃を超えると、シート状基材上に転写したトナーの熱による定着性が低下する傾向がある。
温度T1/2が150〜175℃であると、シート状基材へのトナーの定着性が高く、かつ、捺染時にシート状基材のトナーが溶融して布帛に付着しにくくなる。
(損失正接)
本実施形態にかかるトナーは、さらに、130℃における損失正接tanδが0.35以下である。
損失正接は、市販の動的粘弾性試験装置(例えば、TAインスツルメンツ社製 型式ARES-G2)で動的粘弾性測定法の温度依存性モードで測定できる。例えば以下のような測定条件で測定することができる。
前処理:内径φ20mmのシリンダに1.0gのトナーを入れ、中実棒で200kgf/cmの圧力で加圧し、トナーをペレット化する。試料の形状は、直径φが20mm、厚みが2mmとなるようにする。
動的粘弾性試験の温度範囲は70〜200℃、昇温速度は3℃/min、測定間隔は1点/sec、測定周波数は1Hz、測定ジオメトリーは25mmφのパラレルプレート(上下2枚の平板)で試料を厚み方向に挟むことにより行うことができる。
測定歪は、初期値を0.2%に設定した後、自動測定モードにて測定する。試料の伸長補正は、自動モードにて調整される。
なお、損失正接tanδはG”/G’で表され、振動吸収性及び粘性成分比率に対応する。G’は貯蔵弾性率と呼ばれ弾性成分に対応する。G”は損失弾性率と呼ばれ粘性成分に対応する。
トナーの130℃における損失正接tanδが0.35以下であると、加熱捺染後に染色対象物からシート状基材を剥離する際に、トナーから微粒子が発生してシート状基材に付着することが抑制される。
(トナーの組成)
トナーは、昇華性分散染料、および、バインダー樹脂、を少なくとも含む。トナーは、さらに、離型剤となるワックス、荷電制御剤、外添剤などの各種添加剤を含むことができる。
(昇華性分散染料)
昇華性分散染料は、昇華性を有する分散染料であれば特段の限定はない。例えば、イエロー染料としては、C.Iディスパースイエロー54、マゼンタ染料としては、C.Iディスパースレッド4、60、シアン染料としては、C.Iディスパースブルー60,60−2、72,359、360等が好適である。ブラックトナーの場合には、イエロー、マゼンタ、及び、シアン染料を配合して黒色に調色したブラック用染料を用いることができる。ブラック染料には、さらに他のブルー、オレンジ、レッド、バイオレット等を併用添加することもできる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、トナーに対して上述の2つの特性、すなわち流動性試験の特性及び損失正接の条件を与えることができれば、特に限定されない。
バインダー樹脂は、カルボキシル基を有する、すなわち酸価を有する第1の重合体と、カルボキシル基と反応して架橋する官能基を有する第2の重合体との架橋反応物とすることが好適である。カルボキシル基は第1の重合体の末端(一端又は両端)にあることが好適である。
(第1の重合体)
第1の重合体は、5KOHmg/g以上の酸価(AV)を有することが好適であり、7KOHmg/g以上、10KOHmg/g以上の酸価を有することができる。第1の重合体の酸価の上限は、例えば、30KOHmg/gとすることもでき、25KOHmg/gとすることもでき、20KOHmg/gとすることもできる。
xKOHmg/gとは、1gの重合体の酸を中和するのに必要なKOHがxmgであることを示す。
酸価は以下のようにして測定できる。まず、測定サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(a(g))、ベンジルアルコール20mLを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し測定サンプルを溶解する。室温まで放冷後、クロロホルム20mL、クレゾールレッド溶液数滴を加え、0.02規定のK0H溶液にて滴定する(滴定量=b(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=c(ml))、以下の式に従って酸価を算出した。
酸価(mgKOH/g)={(b−c)×0.02×56.11×p}/a
第1の重合体は、さらに、ポリエステル樹脂、及び/又は、スチレンと(メタ)アクリル酸とのコポリマーであることが好適である。
ポリエステル樹脂の例は、多価アルコールと多価カルボン酸を原料として、重縮合反応を行うことによって得られる樹脂である。多価アルコール成分としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のような2価アルコールが挙げられる。また、3価以上のアルコールとしては、例えばグリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリンが好ましい。これらの多価アルコール成分は、1種類又は2種類以上を混合して使用しても良い。
前記の多価カルボン酸成分としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、メサコニン酸等が挙げられる。また、これらジカルボン酸の二塩基酸塩や酸無水物、炭素数1〜6の低級アルキルエステルのような誘導体を用いても良い。これらの中では、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が好ましい。これらの多価カルボン酸成分は、1種類又は2種類以上を混合して使用しても良い。
ポリエステル樹脂の原料としては、必要により、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪族モノカルボン酸;分岐や不飽和基を有する脂肪族モノカルボン酸;オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族モノアルコール;安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の芳香族モノカルボン酸を添加することもできる。
また、トリメリット酸若しくはこの酸無水物、ピロメリット酸等の多官能カルボン酸を適宜用いて主鎖同士の架橋をあらかじめしておくこともできる。
ポリエステル樹脂を製造する時は、その製造方法は特に限定されず、公知の方法であればいずれも使用することができる。一例としては、例えば、酸成分およびアルコール成分等を反応容器に投入し、加熱昇温して、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、反応で生じた水またはアルコールを除去する。その後引き続き重合反応を実施するが、このとき反応装置内を徐々に減圧し、150mmHg(20kPa)以下、好ましくは15mmHg(2kPa)以下の真空化でジオール成分を留出除去させながら重縮合を行う。
ポリエステル樹脂の例は、三菱レーヨン株式会社製のダイヤクロンFC316(Tg71℃、T156℃、Av11mgKOH/g,ゲル分<10%)、ダイヤクロンFC2509(Tg60℃、T142℃、Av9mgKOH/g,ゲル分<10%)、ダイヤクロンFC1478(Tg62℃、T142℃、Av7mgKOH/g,ゲル分<15%)、ダイヤクロンFC2754(Tg64℃、T160℃、Av9mgKOH/g,ゲル分<20%)、ダイヤクロンFC2447(Tg63℃、T160℃、Av11〜13mgKOH/g,ゲル分<25%)等が挙げられる。
スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマーとしては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体等)、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。
第1の重合体の軟化温度T1/2'は140〜165℃が好適である。軟化温度T1/2'は以下のようにして測定できる。フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500D」)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N(圧力2.94MPa)、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンフル1.0g中の1/2量が流出したときの温度を測定し、これを軟化温度とした。
第1の重合体のガラス転位温度Tgは60〜73℃が好適である。ガラス転移温度は、示差走差熱量計(島津製作所社製「DSC−60」)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定することができる。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、ガラス転移温度以上の100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理したサンプルを用いて行うことができる。
(第2の重合体)
カルボキシル基と反応する官能基を有する第2の重合体の例は、グリシジル(メタ)アクリレートの重合体である。この場合エポキシ基がカルボキシル基と反応する官能基となりうる。グリシジル(メタ)アクリレート単位の含有量は、第2の重合体を構成する全ての単量体単位の合計を100質量%としたときに、特に制限されないが、10〜100質量%が好ましく、好ましくは50質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
第2の重合体は、グリシジル(メタ)アクリレート単位のみで構成されていてもよいし、その他の単量体単位を有していてもよい。グリシジル(メタ)アクリレートは、グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレートを意味する。
第2の重合体のその他の単量体単位を構成する、その他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート;スチレン、αーメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち、その他の単量体としては、メチルメタクリレートが好ましい。
その他の単量体単位の含有量は、第2の重合体を構成する全ての単量体単位の合計100質量%中、90質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。
第2の重合体の重量平均分子量Mwは5000以上が好適であり、10000以上、15000以上とすることができる。Mwは、100000以下であることが好適であり、80000以下、50000以下とすることができる。第2の重合体の数平均分子量をMnとしたときに、Mw/Mnが5〜17であることが好適である。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。例えば、テ卜ラヒドロフランや水等の溶媒を溶離液とし、ポリメチルメタクリレート換算分子量として求めることができる。
このような第2の重合体としては市販品を用いることができ、例えば、三菱レイヨン社製のグリシジルメタクリレートの単独重合体:メタブレンP−1900、P−1901などが挙げられる。
なお、第2の重合体としては、第1の重合体のカルボキシル基と反応する官能基を有し第1の重合体と架橋を形成できる重合体であれば、上記の重合体に限定されず、他の重合体を使用することもできる。例えば、カルボジイミド基を有する重合体(例えば、ポリカルボジイミド:日清紡製のカルボジライトHMV−15CA、LA−1、ポリカルボジイミド:ランクセス社製のスタバクゾールP110等)、オキサゾリン基を有する重合体(例えば、オキサゾリン基含有ポリマー:日本触媒社製のエポクロスPRS−1005)が挙げられる。
なお、第2の重合体に変えて、架橋性の低分子、例えば、グリシジルメタクリレートを使用することも考えられるが、架橋性の低分子では架橋密度が高くなりすぎる、あるいは、架橋間距離が短くなりすぎるためか、トナーの溶融が困難となり、シート状基材へのトナーの定着が困難となり好ましくない。例えば、架橋点間分子量が小さい場合は、架橋密度が高くなりすぎ、低温側でも溶融することができなくなるために電子写真用の画像形成トナーとしてのシート状基材への定着性を確保することが困難となる。
これに対して、グリシジル(メタ)アクリレートの重合体などの重合体を用いることで、シート状基材へのトナーの定着性を阻害することなく、シート状基材から布帛への昇華転写プレス時におけるトナーの移行を低減できる。
第1の重合体と第2の重合体の質量比は、例えば、第1の重合体100質量部に対して、5〜14質量部とすることができる。
第1の重合体及び第2の重合体を溶融混練などにより加熱して反応させると、本実施形態のT1/2及びtanδを実現できる樹脂バインダーが得られる。
なお、第1の重合体と第2の重合体との架橋反応物を樹脂バインダーとした場合、第1の重合体のみを樹脂バインダーとした場合と比べて、T1/2は上昇し、tanδは低下する傾向がある。第2の重合体の種類や量比を適切に調整することにより、T1/2及びtanδを上述の範囲とすることが可能である。
(その他の添加剤)
離型剤として機能するワックスとしては、融点75℃〜150℃のものが使用でき、バインダー樹脂との相溶性を確保することができるものが好適である。特に、相溶性を持たせた酸化プロピレンワックス、カルナバワックス、エステルワックス等が好適である。定着ローラへの耐オフセット性と耐久性の両立の観点から、酸化プロピレンワックスが適性を持つが、バインダー樹脂中への分散粒径が大きくなりすぎる場合があり、カルナバワックス、エステルワックスを少量添加し併用することで、酸化プロピレンワックスの分散性を向上させられる場合がある。
荷電制御剤としては、一般的に知られているものが使用可能であり、たとえば、保土谷化学工業製のTN−105、オリエント化学社製のボントロンE−304、ボントロンE−108が使用できる。これらの基本骨格は、1つの中心金属に対してサリチル酸構造が2つ配位しているもので中心金属がジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)である。中心金属とサリチル酸構造物との反応率が低いものは、上記の第2の重合体を添加した場合にはトナー製造時の溶融混練分散工程での加熱によりサリチル酸構造との反応が生じることでT1/2の上昇及びtanδの低下を促進することになる。この観点からは、保土谷化学工業製のTN−105が望ましい。
外添剤としては、一次粒径12nm〜40nmのシリカ〔SiO〕又はチタニア〔TiO〕、一次粒径75nm〜120nmのシリカ〔SiO〕又はチタニア〔TiO〕を使用可能であり、エボニック、ワッカー、キャボット、信越化学、扶桑化学、チタン工業、テイカ、石原産業等の一般的に知られているものが使用可能である。外添剤は、通常トナーの形成後に外面に付着される。
トナーは、トナー表面への昇華性染料の露出量がない、すなわち、昇華性染料を内包していることが好適である。また、トナーは粒子であり、体積平均径が6〜10μm、平均円形度が0.930〜0.960、個数分布での2.0μm以下の含有量が4.0%以下であることが好適である。体積平均径及び個数分布は、コールターカウンター法での粒度分布に基づく値である。円形度は、シスメックス社製FPIA3000での測定に基づく値である。
1成分現像トナーでは、キャリア粒子は不要であるが、2成分現像トナーではキャリア粒子が必要である。キャリア粒子の例は、フェライトキャリアに代表される磁性キャリア粒子である。キャリア粒子は、フェライトコアにアクリル樹脂をコートしたものが良い。
本実施形態にかかるトナーにおいては、光硬化剤の添加は不要である。
(トナーの製造方法)
トナーは例えば、以下のようにして製造できる。まず、バインダー樹脂の原料(第1の重合体及び第2の重合体)、昇華性分散染料、必要に応じた添加剤(ワックス、荷電制御剤等)を混合後、微粉砕機で高速せん断力にて微細化しつつさらに混合して均一化した混合物を得たのち、溶融混錬し、冷間ロールなどで急冷させ分散物を得る。
ここでの溶融混錬により、第1の重合体のカルボキシル基と第2の重合体のエポキシ機等の反応性官能基とを反応させて架橋を有する樹脂バインダーが得られ、さらに、樹脂バインダー中に昇華性分散染料及び添加剤が分散される。
架橋反応の反応効率は、反応温度が高いほど良好であるが、昇華性分散染料の昇華温度に達しないようにする必要があるため、溶融混練する分散機での混練物温度は165℃以下とすることが好適である。
例えば、2軸混練機の場合、スクリューからなる搬送部/ニーディングディスク組み合わせからなる混練物溶融部/スクリューからなる搬送部/ニーディングディスク組み合わせからなる混練物混練部/スクリューからなる搬送部/先端ダイ部からなる構成であることができ、各混練物溶融部で160〜165℃で溶融させ、その後の搬送部で80〜100℃に冷却しながら追加の混練分散を行うことを繰り返し、ダイから吐出する混練物の温度は165℃以下とすることが好適である。
得られた混練物を機械式粉砕機にて粉砕して所定の粒度分布と円形度分布をもつ微粉砕物を得ることができる。この後、所望以下の微粉を分級操作にて除去し所望の粒度分布を持つ粒子状のトナーを得ることができる。得られたトナーの表面に、必要に応じてシリカ等の外添剤の微粒子を付着させて、表面処理された最終トナーを得ることもできる。シリカは、小径及び大径の組み合わせでもよい。
(捺染布帛の製造プロセス)
つづいて、本実施形態のトナーを利用した、捺染布帛の製造方法について説明する。
(シート状基材へのトナー画像の印刷)
公知の電子写真プロセスを用いて、感光体上にトナー画像を形成し、感光体上のトナー画像を直接シート状基材に、あるいは、中間転写部材を介して、シート状基材へ転写することができる。
例えば、図3に示す第1の印刷装置100により、シート状基材1に上述の昇華性分散染料を含むトナーの画像を定着させるプロセスの一例を説明する。
予め、イエロー印刷部20Y、マゼンタ印刷部20M、シアン印刷部20C、ブラック印刷部20Kのそれぞれにおいて、クリーニング部17で感光体10上の余分なトナーを除去した後、帯電部18で感光体10の表面を一様に帯電する。次に、画像に応じた露光部12からの光の照射により感光体10の所望の部分を除電し、感光体10の表面に帯電状態の差による潜像を形成する。次に、トナー供給器14の現像ロール14b上に供給されたトナーを感光体10と当接させることにより、現像ロール14b上の一部のトナーを感光体10の潜像に転写させ、感光体10上にトナー16による画像を形成する。次に、搬送ベルト46によりシート状基材1を搬送し、感光体10と転写ロール30との間に挟み込んでトナー16をシート状基材1に転写する。なお、トナーの転写においては、適宜、転写バイアス電圧の印加が可能である。その後、シート状基材1に転写された各色のトナー16を一対の定着ロール50で熱及び圧力によりシート状基材1に定着させて、シート状基材への昇華性染料含有トナーの印刷が完了する。
なお、図4の印刷装置200のように、各感光体10上のトナーを枚葉のシート状基材1で無く無端の中間転写ベルト70上に転写し、転写されたトナーを転写ロール35で、紙等のシート状基材1に転写し、その後、一対の定着ロール50で熱及び圧力により定着させてもよい。転写ロール35を用いたトナーの転写においても、適宜、転写バイアス電圧の印加が可能である。
定着ロール50での定着時の温度及び圧力条件の範囲は、染料の昇華を抑制しつつ、定着性を向上させる観点から、温度は145℃〜180℃、平均ニップ圧力は1.5〜2.0kgf/cmとすることが好ましい。平均ニップ圧力とは、ニップ幅を荷重で割った値であり、ニップ幅の中央での圧力はより高くなる。
(シート状基材)
トナー画像を定着させるシート状基材は、トナーが定着し、かつ、トナーから昇華した分散染料が透過しにくいものであれば特に限定されない。
染料の透過によるシートの裏面への裏抜けを抑制する観点から、密度が1g/cm以上であることが好適であり、ガレー式測定法(JIS−P8117)による透気度が350sec以上であることが好適である。また、画像の鮮明度を高める観点からBEKK平滑度が300sec以上であることも好適である。
このようなシート状基材の代表例はパルプを主成分とする紙である。具体的には、密度や弾性率を決めるパルプの材質と、叩解によるパルプの変形度合い、表面平滑化の製法、充填剤や表面塗布剤を最適にすることにより上述のような特性を有する紙を得ることができる。例えば、短繊維パルプの割合を極めて高くし、かつ、高い紙密度となるように叩解・プレスの製造条件を調節することにより、密度、透気度、平滑度を上記の範囲とできる。
例えば、日本国産の広葉樹パルプ100%をベースとし、短い繊維およびシャープなピークの繊維長分布を有する嵩高の紙材料を、十分な叩解処理を加えて加工すると、高い紙密度を与えることができる。
紙のベースとしては、たとえば、天然木材パルプ(日本国産広葉樹パルプ)をベースとした短繊維天然パルプを主として含有し、微量の炭酸カルシウムを充填剤として用いた中性紙であることができる。
抄紙、乾燥、及び、両面のサイズプレス後に必要とする表面状態を得るためにスーパーカレンダーの2連工程処理を付与して製造されることもできる。表裏に澱粉のみをサイズ剤として塗布したものであることも好適である。
(染色対象物の捺染工程)
次に、昇華性分散染料を含有するトナーが印刷されたシート状基材を用いた染色対象物の捺染方法について図5を参照して説明する。
まず、染色対象物TEを用意する。染色対象物TEの材質は特に限定されないが、昇華性分散染料を用いるため、ポリエステル製物品、又は、ポリエステルの表面層を持つ物品であることが好適である。ポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレートである。
染色対象物の形態も特に限定されず、織布、不織布等の布帛;フィルム/シート;さらに、表面にポリエステルがコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶磁器等であってもよい。
次に、シート状基材1のトナー16の付着面を布帛等の染色対象物TEに重ね合わせてから、昇華転写プレス機(たとえばアサヒ繊維機械社の製品)の加熱プレス板300間にこれらを挟み込み、190〜210℃(例えば、195〜205℃、特に200℃)程度で、1〜3分程度(例えば1分)、圧力0.36〜0.60kgf/cmで加熱処理することにより、昇華性染料を含有するトナー16の昇華染料により布帛等の染色対象物TEを染色することができる。捺染後、染色対象物TE及びシート状基材1を室温程度に冷却し、染色対象物TEからシート状基材1を剥離して、染色品が得られる。
(作用効果)
本実施形態にかかるトナーによれば、トナー画像をシート状基材へ強固に定着させつつ、捺染した布帛の摩擦堅牢度を高くでき、トナー定着後捺染前のトナーの硬化工程も不要である。
本発明者らはこの理由として以下のように考えている。
本実施形態のトナーでは、4.90MPaの圧力条件を用いた流動性試験でのT1/2が150℃〜175℃に設定されている。T1/2が175℃以下であるので、シート状基材1に転写されたトナー像を145〜180℃に加熱しつつロール(例えば、1.5〜2.0kgf/cmの平均ニップ圧力)によりシート状基材1に強固に定着させることができる。また、T1/2が150℃以上であるので、シート状基材1上のトナーを布帛等の染色対象物TEに190〜210℃に加熱したプレス板間で、例えば、0.36〜0.60kgf/cmのプレス圧力により昇華捺染する際に、トナーが染色対象物に移行しにくいため、捺染された染色対象物の摩擦堅牢度が高くなる。なお、トナーの流動性試験に適用される従来の圧力条件は1.90MPaであり、T1/2が150℃以上であるトナーは融点が従来よりも極めて高い。
さらに、トナーの130℃における損失正接tanδが0.35以下であるので、加熱捺染後に染色対象物からシート状基材を剥離する際に、トナーから微粒子が発生してシート状基材に付着することが抑制される。なお、本発明者らは、その要因の一つとして以下のように考えている。損失正接tanδが0.35以下であることは、弾性成分よりも粘性成分の寄与が少ないことを意味し、これにより、トナーが布帛などの捺染対象物と接触する際のトナーの変形が抑制されて、接触面積があまり増えずにトナーが染色対象物と密着せず、剥離時の微粉発生が抑制されることが一つの要因と考えられる。
これにより、染色対象物へのトナーの移行及びトナー微粒子の付着が抑制されて、染色対象物の摩擦堅牢度が高くなる。また、昇華転写後にシート上基材から布帛を容易に剥離でき、捺染された布帛の風合い、肌ざわり、硬さ等への影響も抑えられる。また、加熱によってシート状基材へトナーを強固に定着させることができ、シート状基材におけるトナーの欠損などを抑制して明瞭な画像の捺染が可能となる。
(ブラックトナー:比較例B1〜B5、実施例B1〜B5)
〔昇華転写染色用トナーの製造〕
ポリエステル樹脂FC2447(酸価Av:11KOHmg/g、三菱レーヨン社製)、ポリエステル樹脂FC2447(酸価Av:13KOHmg/g、三菱レーヨン社製)、荷電制御剤TN−105(保土谷化学社製)、昇華性分散染料CIディスパースイエロー54(紀和化学社製)、昇華性分散染料CIディスパースレッド60(紀和化学社製)、昇華性分散染料CIディスパースブルー360(紀和化学社製)、カルナバワックスTOWAX1F3(東亜合成社製)、酸化ポリプロピレンワックス100TS(三洋化成工業社製)、架橋剤メタブレンP1901(ポリグリシジルメタクリレート、Mw45000、Mn2700、三菱レーヨン社製)、架橋剤メタブレンP1900(ポリグリシジルメタクリレート、Mw15000、Mn2900、三菱レーヨン社製)、架橋剤カルボジライトHMV15CA(ポリカルボジイミド、日清紡社製)を表1の組成比となるように計量調合して、ヘンシェルミキサーに投入し、40m/sの周速で5分原料を混合し、昇華性分散染料とワックスを微細化させるとともに均一な原料混合物を得た。
次いでスクリュー搬送部、ニーディングディスクによる混練物溶融部、スクリュー搬送部、ニーディングディスクによる混練物溶融部、スクリュー搬送ニーディングディスクによる練物混練部、スクリュー搬送部、先端ダイ部をこの順で有するTEM50型二軸押し出し機を用意し、各混練物溶融部で160〜165℃で溶融させた後は、各スクリュー搬送部で80〜100℃に冷却して溶融混練分散させるように設定し、原料混合物を投入して溶融混練分散および架橋反応を生じさせ、先端ダイ部から吐出する混練分散物の温度を165℃以下に調温し吐出させた。
吐出した混練分散物を、冷間ロールで急冷し、冷間ベルトコンベアにて常温まで冷却の後、粗砕器にて粉砕し粗砕物を得た。
この粗砕物をクリプトロン機械式粉砕機にて微粉砕し、TSP分級機にて微粉を除去し、体積平均粒径が8μm、平均円形度が0.950、2μm以下の個数分率が3.0%の母体トナーを得た。
この母体トナー100重量部に小粒径疎水性SiO H−1303<ワッカー社製>、大径疎水性SiO X24<信越化学社製>、中径疎水性SiO RX50<エボニック社製>を表1の組成比となるように調合して、ヘンシェルミキサーに投入し55m/sの周速で20分混合し、目開き74μmの振動篩にて異物除去を行って、実施例B1〜B5及び比較例B1〜B5に関する表面処理された昇華転写染色用ブラックトナーを得た。
(比較例C1〜C6、実施例C1〜C4)
昇華性分散染料をCIディスパースブルー359(紀和化学社製)に変更し、表2の組成比となるようにした以外は実施例B1と同様にして、比較例C1〜C6、実施例C1〜C4の昇華転写染色用シアントナーを得た。
(比較例Y1〜Y6、実施例Y1〜Y2)
昇華性分散染料をCIディスパースイエロー54(紀和化学社製)に変更し、表3の組成比となるようにした以外は実施例B1と同様にして、比較例Y1〜Y6、実施例Y1〜Y2の昇華転写染色用イエロートナーを得た。
(比較例M1〜M6、実施例M1〜M2)
昇華性分散染料をCIディスパースレッド60(紀和化学社製)、及び、CIディスパースレッド4(紀和化学社製)に変更し、表4の組成比となるようにした以外は実施例B1と同様にして、比較例M1〜M6、実施例M1〜M2の昇華転写染色用マゼンタトナーを得た。
(トナーの特性評価)
得られた各トナーの温度T1/2およびtanδの測定を行った。結果を各表に示す。
Figure 2019012134
Figure 2019012134
Figure 2019012134
Figure 2019012134
(各トナー単独での転写紙への印刷)
転写紙への各トナー印刷には桂川電機社製KIPc7800プリンタを用いた。桂川電機KIPc7800プリンタの現像器に、各トナーを装着し、感光体上にカバレッジ100%の単色トナー像を形成し、紙に転写し、160℃及び平均ニップ圧力1.5kgf/cmの条件下でロールにより紙に定着した。
昇華転写染色用の転写紙として、三菱製紙グループ北上ハイテクペーパー社製写真用(広葉樹晒クラフト)原紙(坪量100g/m、水分7%、密度1.030、BEKK平滑度310sec、ガーレー透気度350sec、表面抵抗6.6E+09Ω/□)を用いた。
(転写紙へのトナーの定着性の評価)
転写紙上に付着したトナーの剥離性について評価した。×は布や爪で擦ったりした場合のトナーの剥離や、転写紙の表裏を重ねて擦れた時の転写紙裏への汚れが生じた場合を、〇は布や爪で擦ったりした場合のトナーの剥離や、転写紙の表裏を重ねて擦れた時の転写紙裏への汚れが生じなかった場合を意味する。
(ポリエステル系布帛への昇華転写)
昇華転写染色ポリエステル布帛として、ジャージ生地、トロピカル生地、短繊維生地、長繊維生地、ポリウレタン20%混紡ポリエステル生地を用いた。各転写紙のトナー定着面を、各ポリエステル系布帛と重ね、アサヒ繊維機械社製の昇華転写プレス機MP−1000のプレス板間に挟み込み、200℃及び0.51kgf/cmで60sec加熱処理し、室温まで冷ましたのち、ポリエステル布帛から昇華転写用転写紙を剥離することにより昇華転写染色された該各ポリエステル布帛の染色物を得た。
(昇華転写染色されたポリエステル布帛の摩擦堅牢度試験)
各ポリエステル系布帛の染色物をJIS L 0849のII形の試験方法により摩擦堅牢度(乾)と(湿)を試験し判定した。II形は、別名「学振形」とも呼ばれる。
摩擦試験機はテーブルを有しており、試験対象となる布帛をこのテーブルに取り付け、綿布を摩擦試験機上部のアーム先端(摩擦子)に取り付けた。約200gの荷重で綿布を有するアームを100mmの長さで試験対象布帛の上を100回往復摩擦し、摩擦が終わったら綿布をアームから取り外して、汚染用のグレースケールを使用して「汚染」の判定をすることにより摩擦堅牢度の数値を決めた。数値は級で表され、級が大きいほど摩擦堅牢度が高いことを意味する。
摩擦堅牢度試験として、「乾燥試験」及び「湿潤試験」を行った。「乾燥試験」は、乾燥した綿布で摩擦した。「湿潤試験」では濡らした綿布で摩擦した。湿潤試験では、JIS規格に従って、濡らす程度を約100%の湿潤状態とした。湿潤試験では、摩擦が終わったらアームから取り外した綿布を乾燥させ、乾燥したら汚染用のグレースケールを使用して「汚染」の判定をした。
結果を表1〜表4に示す。
表中のトナー物性の欄の太字は良好な範囲であることを示し、堅牢性試験及びトナー定着性の欄の太字は効果が優れていることを示す。
(混合トナーの転写紙への転写:実施例Mix−R(赤色)、Mix−G(緑色)、Mix−B(青色)、Mix−FB(フルブラック))
桂川電機KIPc7800プリンタにおいて、それぞれ、カバレッジ100%の実施例M2のトナー及びカバレッジ100%の実施例Y2のトナーの組み合わせ、カバレッジ100%の実施例C2及びカバレッジ100%の実施例Y2の組み合わせ、カバレッジ100%の実施例C2及びカバレッジ100%の実施例M2の組み合わせ、及び、カバレッジ100%の実施例B2及びカバレッジ50%の実施例C2及びカバレッジ50%の実施例M2及びカバレッジ50%の実施例Y2の組み合わせとする以外は、実施例B1と同様にして、それぞれ、赤色、緑色、青色、フルブラックの混合トナーを上述の紙に転写し、定着した後、各ポリエステル系布帛に昇華転写し、堅牢度試験を行った。
結果を表5に示す。
Figure 2019012134
これらの結果から、昇華転写染色用のトナーのT1/2が150〜175℃であり、130℃におけるtanδが0.35以下であれば、摩擦堅牢度(乾)・(湿)において染色物の要求基準である3級以上が確保され、かつ、シート状基材に対するトナーの定着性も昇華転写染色工程での取り扱いにおいてトナーの剥離等が問題とならない程度に高めることができることが判明した。
一方、tanδが0.35超では、染色対象物からシート状基材を剥離する際にトナーの微粉が発生し、シート状基材に付着し、摩擦堅牢度を低下させた。
また、T1/2が175℃超未満ではシート状基材からのトナーの剥離が顕著となり、また、T1/2が150℃未満では布帛へのトナーの移行が顕著となった。
16…トナー、130…プランジャー、110…孔、1…シート状基材、TE…染色対象物。

Claims (8)

  1. 少なくとも1種の昇華性分散染料、および、バインダー樹脂を含有するトナーであって、
    前記トナーにプランジャーで4.90MPaの圧力を与えかつ5℃/minで昇温させながら直径1mmおよび長さ1mmの孔から下方に流出させる流動性試験において、トナーの半量が流出する温度T1/2が150℃〜175℃であり、
    前記トナーの130℃における損失正接tanδが0.35以下である、トナー。
  2. 前記バインダー樹脂は、第1の重合体と第2の重合体との反応物であり、前記第1の重合体はカルボキシル基を有し、前記第2の重合体はカルボキシル基と反応して架橋する官能基を有する、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記第1の重合体は5KOHmg/g以上の酸価を有する、請求項2に記載のトナー。
  4. 前記第1の重合体は、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー、及び/又は、ポリエステル樹脂である、請求項2又は3に記載のトナー。
  5. 前記第2の重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートの重合体である、請求項2〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記第2の重合体の重量平均分子量Mwが10000〜50000であり、前記第2の重合体の数平均分子量をMnとしたときに、Mw/Mnが5〜17である、請求項2〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載のトナーの画像をシート状基材に転写する工程、
    加熱により前記トナーを前記シート状基材上に定着させる工程、及び、
    前記シート状基材上の前記トナー中の昇華性分散染料を昇華させて染色対象物を捺染する工程を含む、捺染布帛の製造方法。
  8. カルボキシル基を有する第1の重合体と、カルボキシル基と反応して架橋する官能基を有する第2の重合体と、昇華性分散染料と、を加熱しながら混練する工程を含む、トナーの製造方法。
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