JP2018535421A - 酵素センサ用の外層 - Google Patents

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Abstract

本出願は、溶液中の被検体の濃度を測定するための平面酵素センサを開示しており、導電性材料の電極層を支持している電気絶縁材料の基材を含む。基材及び電極層は、その上に配置された複数の層を有し、その層は酵素層及び酵素層を覆う微多孔質外層を含み、外層は耐水性ポリマー(例えばポリビニルアセテート又はアクリレートコポリマー)の連続相、連続相中に埋め込まれたタンパク質(例えば酵素)、及び場合によりポリテトラフルオロエチレン粒子を含む。酵素及びポリテトラフルオロエチレン粒子は外膜に対して制御された多孔性をもたらす。

Description

本発明は溶液中の被検体の濃度を測定するための平面酵素センサに関する。
バイオセンサなどの被検体センサは、マトリクス中の化学的被検体を検出可能な信号に転換するための生物学的要素を用いる装置を含む。多種多様な被検体を検出するために用いるバイオセンサには多くの種類がある。種々のバイオセンサの中で、電気化学バイオセンサは、典型的には被検体の酵素触媒酸化に基づいている。酵素は2つの膜の間に挟入され固定化され、この内の第1の膜すなわち外側膜はアッセイされる試料と接触し、試料からの被検体及び酸素が酵素に接近することを可能にする一方、タンパク質、赤血球、及び他の巨大分子の経路を制限し、センサ電極の表面に近い関係にある第2の膜は、過酸化水素の電極への接近を可能にする一方で、同時に約250g/molを超える分子量を有する干渉物質、例えばアスコルビン酸、アセトアミノフェン、及びサリチル酸、の経路を排除する。実際には、被検体及び酸素の両方を含有する、アッセイされるべき試料は、第1の膜すなわち外膜の表面と接触させられる。試料が膜を通って拡散して固定化酵素と接触することで、酸素消費反応につながり、得られた過酸化水素が第2の膜すなわち内膜中を拡散してセンサ電極と接触することで電流が発生し、次に電流は通常の手段で読み取ることができる。しかし、例えば未希釈全血又は血清においてしばしば見られるように、溶液が高濃度の被検体を有する場合に、又はセンサが利用できる酵素が内在的に低い転換速度を有するか若しくは酵素が試料中の阻害剤によって容易に影響を受ける場合に、又は試料の酸素濃度が低い場合に、先行技術のように行われる被検体アッセイは正確さに欠けていた。一貫したかつ正確な測定値を得るために、特にアッセイされる試料が高濃度の被検体を有する場合に、外膜は厚さ、細孔サイズ及び細孔分布に関して高水準の均一性を有していなければならない。
米国特許第5,696,314号は、固定化酵素層及び微多孔質層を含む酵素センサについて開示している。微多孔質層は、良好な酸素運搬を提供する一方で、被検体が固定化酵素層に到達する速度を制限し、それにより酵素層で生じる反応において酸素が律速試薬として機能しないように設計されている。微多孔質層は、ポリマー粉末、鉱物粉末、ポリマーバインダ及び少なくとも1つの界面活性剤を含む。
米国特許出願公開第2005/0009130(A1)号は、酵素ベースのセンサ用のキャスト可能な拡散膜について開示している。その膜は、ポリマー材料、及びポリマー材料中に分散された細孔形成粒子を含む。ポリマー材料は、典型的にはポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルエステル、並びに例えばブタジエン及びスチレンのコポリマー類のような非水溶性ポリマーから選択される。細孔形成粒子は、典型的には固有で規定された多孔性を有する安定な粒子であり、例えば、珪藻土(Kieselguhr)、シリカゲル、セルロース、沈降石膏、カオリン、ガラス、珪藻土(diatomeous earth)などのような無機粒子及び有機粒子である。
西独国特許出願公開第10 2004 003 793(A1)号は改善された保存安定性を有する電気化学バイオセンサについて開示している。このセンサは、例えば内部に酵素が埋め込まれた水性ポリマー分散体(ポリビニルアセテート、アクリレートコポリマー類(例えばエチルアセテート及びメチルメタクリレートのコポリマー類)など)の第1の層、及び耐水性、透過性の薄いカバー層の第2の(外側の)層、の2層膜を含む。
欧州特許第1 282 417(B1)号は、バイオセンサ(特にクレアチニンセンサ)の製造方法について開示しており、その方法では第1のステップで界面活性物質と組み合わせて第1の酵素が作用電極に付加され、次のステップで第2の酵素が作用電極上で化学的に固定化される。
先行技術の膜は一般に、被検体の移動に対して透過性が高く、又は透過性多孔度の分布が不均一であり、そのため特に被検体の濃度が高い試料の場合、酸素濃度が低い試料の場合、又はセンサにとって利用可能な酵素が内在的に低い転換速度を有する場合に、固定化酵素と接触する被検体の量は、全体又は局所のいずれかにおいて利用可能な酸素量を超える。その結果、被検体濃度よりはむしろ酸素濃度が反応の律速要素となり、そのため被検体アッセイの精度が損なわれる。
本発明者らは、驚くべきことに、水性ポリマー分散体内の細孔形成剤として酵素及び他のタンパク質が、被検体の透過性、多孔度均一性、厚さ及び使用中の安定性に関して高い再現性を有する外膜をもたらすことを見出した。
本発明の一態様は、請求項1に示すような平面酵素センサに関する。
本発明の別の態様は、請求項11に示すような酵素センサの作製方法に関する。
実施例1の詳細な説明に関する平面酵素センサの構造を示す。
本発明は、生物起源の試料などの、溶液中の種々の被検体を決定するための平面酵素センサの分野に関する。典型的な被検体には、コレステロール、ショ糖、グルタミン酸塩、エタノール、アスコルビン酸、フルクトース、ピルビン酸、アンモニウム、亜硝酸塩、硝酸塩、フェノール、NADH、グルコース、ラクテート、クレアチン、クレアチニン、ヒト血清アルブミン、IgG及びヘモグロビン(例えば糖化ヘモグロビン、HbA1c)がある。
用語「平面」は、従来のロッド状電極と対比して理解すべきである。本明細書に記載される平面酵素センサは、典型的には多重使用酵素センサとして適用可能である。本明細書で使用する場合、用語「多重使用」は、被検体測定後に、緩衝液ですすぐことで再生され、従って電流レベルを基準値に回復させて新しい試料アレイのアッセイのために準備されるセンサを意味することを意図している。
本明細書で使用する場合、用語「生物起源の試料」は、生理液から得られた液体試料を意味することを意図している。これらの例示的実施例は、血液(例えば全血、血漿、血清、血液画分など)、尿、透析液及び胸膜のようなものである。
酵素センサ
上述のように、本発明は特に、生物起源の試料などの、溶液中の被検体の濃度を測定するための平面酵素センサを提供する。センサは、導電性材料の電極層を支持している電気的絶縁材料の基材を含み、基材及び電極層は、その上に形成された複数層を有し、複数層は少なくとも、(a)酵素層、及び(b)酵素層を覆う微多孔質外層を含む。外層は、(i)耐水性ポリマーの連続相、及び(ii)当該連続相に埋め込まれたタンパク質、を含む。外層は更に、(iii)ポリマー粒子、を含み得る。
一般に、酵素センサは、被検体を電極で検出可能な化学種に転換可能な酵素層を有することを特徴としている。
本明細書に記載される酵素センサは、多種多様な被検体、特に酵素基質及び/又は補助基質に適合させることができる。そのような酵素基質の例として、コレステロール、ショ糖、グルタミン酸塩、エタノール、アスコルビン酸、フルクトース、ピルビン酸、アンモニウム、亜硝酸塩、硝酸塩、フェノール、NADH、グルコース、ラクテート、HbA1c、クレアチン及びクレアチニンがある。特に関心があるのはグルコース、ラクテート、エタノール、クレアチン、及びクレアチニンである。従って、酵素センサの例には、クレアチニンセンサ(すなわち、クレアチニンセンサ及びクレアチンセンサからなる二重センサ構成)、グルコースセンサ、ラクテートセンサなどがある。
基材及び電極
基材及び電極は、例えば米国特許第7,195,697号に開示されているように、及びクレアチニンセンサ用の実施例1に記載のとおりの通常の方法に従って提供することができる。
典型的な基材は、酸化アルミニウム、ガラス、シリカ、プリント回路基板、プラスチックフィルム及び紙の基材であり、典型的な電極はポリマー、ガラス、並びに金、白金、パラジウム、銀(塩化物)及び炭素のような金属から作製される。
干渉除去層
電極は任意により干渉除去層(すなわち電極と酵素層との間の層)で覆われていてもよく、その機能は予想される血液中での電気化学的干渉が電極において酸化されることを防止することである。その層は、過酸化水素は通過させるが、より大きな分子は通過させないはずである。予想される干渉は、例えばアスコルビン酸又はパラセタモールであり得る。可能な干渉除去層の例には、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート及びポリ(o−フェニレンジアミン)がある。
酵素層
酵素層は少なくとも1つの酵素を含む。酵素層は例えば、グルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ又はコレステロールオキシダーゼなどの酸化酵素を含むことができる。酵素層は更に、例えばクレアチニンなどの直接検出できない被検体の検出を可能にする、例えば酵素カスケードなどの酵素混合物を含むことができる。クレアチニンは単純な酵素によって酵素的に酸化されることはできず、アンペロメトリ手段によって検出可能な被検体誘導体を生成するために、いくつかの酵素的ステップが必要である。クレアチニンの検出及び/又は決定のための好適な酵素カスケードシステムは、例えばクレアチニンアミノヒドロラーゼ(略して「クレアチニナーゼ」又は「CA」)、クレアチンアミジノヒドロラーゼ(略して「クレアチナーゼ」又は「CI」)、及びサルコシンオキシダーゼ(略して「SO」)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、酵素層は少なくとも1つの酵素が埋め込まれたポリマーマトリクスを含む。
酵素層の酵素だけで、被検体を検出可能な化学種に転換できなければならないことを理解すべきである。従って、たとえ外層が被検体を転換できる酵素を含んでいたとしても、高い感度と線形性をもたらすためには、検出可能な化学種への転換は可能な限り電極の近くで起こらなければならないため、酵素層にはこの酵素がなくてはならない。
外層
平面酵素センサ用の外層(拡散膜)は、例えば通常の酵素センサ上のトラックエッチング法による拡散制限膜とは、多孔度、モルホロジ及び層/膜を通る拡散機構に関して大きく異なる。トラックエッチング法による膜では、細孔サイズは被検体のサイズよりもずっと大きい。この場合、被検体、並びに例えばグルコース、ラクテート、クレアチニン、及びHのような関連する物質の拡散係数は、純粋な水性媒体の拡散係数とほぼ似た値である。
本明細書に記載された平面酵素センサの外層は、ずっと小さくて均一に分布した細孔からなり、その細孔において水及び物質(被検体を含む)の全ての運搬が起こるものと考えられる。細孔は曲がりくねっていると見なされるため、外層は屈曲路を有しており、すなわち有効な細孔長は層の厚さよりも大きい。細孔サイズが拡散している物質と同程度であるため、物質と細孔壁との間に部分的に摩擦が生じる。特に細孔サイズが被検体(例えばクレアチニン)とHとの間の範囲にある場合は、そのような状況ではHは外層に入り、これを通じて拡散するのが速く、一方被検体(例えばクレアチニン)は妨げられるため、問題となる。従って、被検体(例えばクレアチニン)の酵素層への拡散が制限され、その結果、検出ターゲットである、外層を出る際の拡散係数が比較的大きいHの生成は減少し、センサの感度は著しく低減することになる。被検体(例えばクレアチニン)のHに対する拡散係数の比が、水溶液中の拡散係数比と同等であることが、最適の状況である。このため、膨潤多孔質相にあるポリマー鎖の間の最小距離は、例えばクレアチニンの分子サイズ(7〜9オングストローム)よりも十分に大きいことが必要である。
被検体の拡散を妨げないようにするため、細孔の直径は被検体の直径よりも極めて大きくなければならない。従って、被検体分子と細孔壁との間の摩擦は、Hと細孔壁との間の摩擦と比較して大きすぎてはいけないが、それは大きすぎると多孔質相では被検体(例えばクレアチニン)よりもHの拡散が優勢となり感度が減少するからである。
従って酵素センサの外層は、透過性が制御されたセンサを提供する。特に、被検体の決定手段として酸素消費を用いるセンサに関連して、外層は極めて大きな利点を示す。細孔形成粒子として機能するタンパク質により作製された細孔によって、例えばクレアチニン、グルコースなどの被検体分子の外層を通じた拡散の調整が可能になり、耐水性ポリマー(及び任意のポリマー粒子)の選択は酸素の透過性に影響する。酸素の外層を通じた透過は、ポリマー粒子により形成された細孔(存在する場合)を介しても一部可能であるが、本質的には耐水性ポリマーによって、特に耐水性ポリマーが高い酸素透過性を有する場合に影響を受ける。
従って、本発明による酵素センサの微多孔質外層によって興味深い利点が提供される。外層は、(i)耐水性ポリマーの連続相、(ii)当該連続相に埋め込まれたタンパク質、及び所望により、(iii)ポリマー粒子、を含み、以下で更に詳細に記載される。
(i)耐水性ポリマー
耐水性ポリマーは連続相をもたらし、そこには(ii)1つ以上のタンパク質(例えば酵素)及び、場合により(iii)ポリマー粒子、も埋め込まれている。この連続相は同時に、下にある酵素層に対するバインダとして機能し、かつ外層に構造的一体性をもたらす。ポリマーの典型的に低いガラス転移温度(T)のために、構成成分が水和され又はセンサから洗い流されるにつれて、ポリマーは膨張/収縮が可能になる。
本明細書で使用する場合、用語「耐水性」は、水にさらしたときに殆ど影響を受けないという意味であることを意図しており、従って吸水率が低いためバルクポリマーは被検体、及び検出しようとする化学種、例えば過酸化水素に対して不透過性のままである。
典型的には、耐水性ポリマーのガラス転移温度(T)は100℃未満であり、0〜60℃、例えば5〜60℃などの範囲にある。
外層のための好適な耐水性ポリマー種類の例示的実施例は、ポリビニルアセテート類及びそのコポリマー類、アクリレート又はメタクリレートのコポリマー類、ポリウレタン類及びシリコーンから選択されたもの、特にポリビニルアセテート類、並びにエチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類から選択されたものである。
ポリビニルアセテート類の中には、例えば前述のポリビニルアセテートがあり得る。このようなポリマー類は、商標名Kollicoat、例えばKollicoat SRで市販されており、ポリビニルアセテートがポリビニルピロリドン(PVP)で安定化されている。安定剤のポリビニルピロリドンは、細孔形成成分としても機能するが、(ii)1つ以上のタンパク質よりも効率は低い。
アクリレートコポリマー類には、20〜99%(w/w)のメチルメタクリレートモノマー類を有するものなどの、例えば前述のエチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類があり得る。このようなポリマー類は、商標名Eudragit、例えばEudragit NM(例えば Eudragit NM30D)、Eudragit RS、及びEudragit E100で市販されている。
現時点では、市販品の耐水性ポリマーの好ましい例は、Eudragit NM30D 及びKollicoat SR30Dである。
商標名Eudragitで市販されているようなエチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類は、水系ラテックス類の形で市販されており、従って溶液は酵素層の繊細な酵素に対して可能な限り穏やかである。
低いガラス転移温度のゆえに、より興味深い水性ポリマー分散体の1つが、5.5〜8.6のpHを有し乳白色の低粘度の水性分散体として、Evonik Industriesにより供給されているEudragit NM30Dである。これは、約30%(約28.5〜31.5%)(w/w)のコポリマーのポリ(エチルアクリレート−コ−メチルメタクリレート)粒子、及び乳化剤として約0.7%(w/w)のマクロゴールステアリルエーテルを含有する。Eudragit NMは低フィルム形成温度(5℃)、低透過率、pHに依存しない膨潤を有し、高い可撓性を有し、600,000g/molの重量平均モル質量を有する。従って、Eudragit NMは室温並びに37℃において柔らかく、わずかに粘着性を有する。Eudragit NMは、膜システムにおいて連続的な結合相としての役割を担い、膜の一体性及び凝集力を改善する。濃縮及び希釈されたEudragit NM30D粒子の流体力学的サイズを測定し、約0.175μmであった。改善された被検体の透過性を有する膜を作製するために、Eudragit NM30Dが、前述のポリ(エチルアクリレート−コ−メチルメタクリレート)、すなわちタンパク質様のクレアチナーゼよりも高い水への溶解度を有する成分と混合される。
好ましくは、耐水性ポリマーは、外層の全体積を基準にして15〜80%、例えば20〜60%、特に20〜30%を構成する。
(ii)1つ以上のタンパク質
外層の特別な特徴は、(ii)1つ以上のタンパク質、の使用であり、これは細孔形成体としては半硬質粒子と考えられる。驚くべきことに、酵素層に使われているものと同じ酵素を使うことが、時間の関数として感度を安定化させる有効な方法であることが見出された。外層中の細孔形成体として、センサの酵素層に存在するものと同じ酵素を使うことの利点は、センサの使用寿命にわたって酵素活性の不足が低減されることと考えられている。驚くべきことに、クレアチナーゼは、クレアチニンセンサ用の細孔形成添加剤として良好に作用することが判明し、そのため更に外層は再現性が向上し、多孔性に関してより均一になり、時間経過に対して感度はより一定となる。
細孔形成体としてのタンパク質(酵素など)の役割は十分に理解されていないが、役割の1つはセンサ中の余剰クレアチナーゼを、従ってその使用寿命を増加させるという好ましい効果であり、別の役割は、被検体及び例えばHのような補助被検体にとって最適な拡散特性を外層にもたらすことである。これは主として酵素の3次元構造及び酵素の水分取り込み容量によるが、これはセンサの全寿命を通してセンサが機能するためには、外層中の酵素活性が必要とは見えないからである。浸出に関する研究によると、最初に外層に存在していたクレアチナーゼの大部分が、使用時の最初の24時間中に浸出し、すでに最初の数時間内に80%を越える量が浸出していることが示されている。大部分の他の親水性の細孔形成体では、時間の経過と共に感度が減少し、これは普通、細孔形成体の損失により生じる外層の多孔度の減少として解釈されるため、これは驚くべき結果である。しかし、最初に外層中に存在していた水溶性酵素のクレアチナーゼが浸出する場合、多孔質構造体は維持され、水及び塩類で充填され、それにより細孔が空いたまま維持されて外層に対する透過率が安定化される。
埋め込まれたタンパク質は、外層の全体にわたって連続的で水で充填された多孔性をもたらすと考えられている。例えば、クレアチナーゼ酵素が外層中に含まれている場合、多孔度及びセンサ感度は外層の酵素濃度に比例する。好都合なことに、クレアチナーゼ酵素は低い活性度と安定性のために、酵素層中で最も不足する酵素の1つである。領域全体にわたる多孔度及び外層の厚さが均一ならば、酵素層中の全ての酵素分子に対して被検体の均一な拡散がもたらされ、従ってセンサはより多くの余剰酵素を有し、より長時間にわたる使用時の安定性を有するように思われる。
水溶液中で球状構造を有するタンパク質が、好適なタンパク質である。典型的には、タンパク質の分子量は30,000〜400,000g/mol、例えば100,000〜200,000g/molの範囲内にある。いくつかの実施形態では、タンパク質は(平均の)分子量が少なくとも2倍となるように架橋されている。
興味深い一実施形態では、連続相中に埋め込まれたタンパク質は酵素である。好適なタンパク質又は酵素の例は、アルブミン、クレアチナーゼ及び他の加水分解酵素から選択されたものであり、特にクレアチナーゼである。
現時点の好ましい実施形態では、細孔形成酵素はクレアチナーゼである。酵素クレアチナーゼ(CI)は水溶性であり、溶液中に二重体として存在し、分子量が47,000g/molであり、溶液中で、親水性部分及び疎水性部分の両方、並びにイオン基を有する、ほぼ球形の3次元構造を形成している。それらの等電点は約5.4であり、そのためpH7.4において正味負電荷を有するであろう。酵素が半硬質粒子からなることは、室温で酵素のヘリックス及びベータシート立体配座が破壊されず、溶液中の酵素結晶のモルホロジが維持されることを意味する。濃縮及び希釈された無架橋クレアチナーゼ酵素の流体力学的サイズを測定し、それぞれ、わずかの不純物を含み3〜5nm、及び恐らくいくらかの凝結した酵素を含み1〜3nmであった。細孔形成体として使用されるクレアチナーゼ酵素は架橋され、分子サイズはおよそ倍になり、直径は約6〜10nmになる。
好ましくは、1つ以上の酵素など、1つ以上のタンパク質は外層の全体積を基準にして1〜30%、例えば4〜25%、特に7〜15%を構成する。
(iii)ポリマー粒子
微多孔質外層は更に、連続相に埋め込まれた(iii)ポリマー粒子を含み得る。ポリマー粒子は典型的には耐水性ポリマー粒子であり、吸水率が小さく、しかも多量にあるため、最終的には外層内で菱面体結晶のようなメッシュに似た構造を構成する。これらの特徴により、センサ感度、余剰酵素及び線形性が改善する。加えて、ポリマー粒子、例えばPTFE粒子の高い酸素溶解度により、酸素依存性は減少し、直線性は更に増大する。
菱面体結晶のようなメッシュとして使われるポリマー粒子は、典型的には、水性媒体中で凝結せず互いに強く反発もしない、安定な合成ポリマー粒子である。外層にも存在する(ii)タンパク質に関連して、ポリマー粒子はタンパク質由来ではないことを理解すべきである。
菱面体結晶のようなメッシュを構成する粒子のサイズは典型的には約2〜500nmの間であり、より典型的には約50〜200nmである。
硬質PTFE粒子のようなポリマー粒子を、比較的大きな体積含有率で水性分散体に加えることにより、外層の均一性及び再現性に対して好ましい効果が生じることが見出された。それに加えて、外層での被検体の透過性は、外層の厚さの変動に対して反応しにくくなる。この理由は、充填率の高い複合材料系中の拡散は、硬質の充填材粒子とポリマーバインダ相の間の広い界面で生じ、このため外膜層中のあらゆるところで本質的に同一の形状を有する、高度の相互結合が生じるためであると、考えられている。
ポリマー粒子の量が多いと、相互結合がより少ない量又はより粗い粒子によって形成される場合と比較して、厚さの小さな変動に対する外層のモルホロジの感度がより小さくなると予想され、このことは膜の透過性に関して、より再現性の高い外層をもたらすはずである。
外層は典型的には、硬質ポリマー粒子を含み、その量は外層の全体積を基準にして0.5〜80%、より典型的には30〜70%、より典型的には40〜60%である。
耐水性ポリマーとは対照的に、ポリマー粒子は疎水性が非常に高く、吸水しないか、吸水率は多くても1%である。ポリマー粒子はバインダとしての機能は有しておらず、従って層の乾燥時点でバインダ相として機能する耐水性ポリマーよりも高いガラス転移温度(T)を有し得る。
外層において、菱面体結晶のようなメッシュ形成ポリマー粒子として使用するために、本質的に全ての安定な粒子及びそのような粒子の混合物が原理上は有用であり、それら粒子は固有で規定された多孔性を有する。所望の適用に応じて、好適な菱面体結晶のようなメッシュ形成ポリマー粒子は、天然ポリマー又は合成ポリマーを含むと考えられており、それらは水溶液中で3次元構造を有する。吸水後に(かつ予想されるタンパク質の洗い出し後に)多孔質の体積から出ることで外層に多孔性を付加する、「軟質」細孔形成タンパク質とは対照的に、「硬質」菱面体結晶のようなメッシュ形成ポリマー粒子は、その表面領域によってシステムに多孔性を付加すると考えられており、その表面領域では硬質粒子と耐水性ポリマー(分散粒子)のバインダとの間の界面に沿って、タンパク質の拡散及び細孔形成が起こる。
硬質ポリマー粒子は、例えばEudragit/PTFE疎水性ポリマーマトリクスの場合がそうであり得るように、更に優れた均一性及び良好に分散した多孔質相を得るために加えられる。この場合、外層はPTFEのゆえに低い吸水率を有し、それによりセンサの感度及び直線性は改善され、PTFEへの高い酸素溶解度は酸素依存性を低減させる。
興味深い一実施形態において、ポリマー粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフルオロエチレンプロピレン、ポリペルフルオロアルコキシエチレン及びこれらのコポリマー類からの粒子を含むフルオロカーボンポリマー類から選択される。説明を単純にするために、本明細書では、好ましいフルオロカーボンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を参照する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、元来、DuPont社によって製造された合成フルオロポリマーである。PTFEは一般に高密度(約2.2g/cm)及び高融点(約327℃)を有する。高密度であることは高融点であることと合わさり、この粒子を硬質にしている。大気圧において、結晶性の又は部分的に結晶性のポリテトラフルオロエチレン(普通、結晶化度は90〜95%である)は、周囲温度より低い温度から融点に達するまで、いくつかの相変化を経る。19℃未満ではフッ素原子の炭素主鎖のまわりへのクラウディングにより、秩序立った六方晶が得られ、そのため結晶格子中のポリマー主鎖はヘリックス立体配座を強いられる。PTFEは190℃で相変化を経て、体積が1.2%増加するであろう。塩基性pH10〜11を有する、商品名「テフロン(登録商標)PTFE 60%(w/w)水性分散体」のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマーがSigma Aldrich社より供給されている。PTFE分散体は約6%(w/w)の非イオン性界面活性剤であるエトキシ化トリメチルエーテル(Tergitol TMN−10 type、Mw 230g/mol)を含む。濃縮及び希釈されたPTFE粒子の流体力学的サイズを測定し、それぞれ0.9μm及び0.3μmであった。
実施形態
一実施形態では、平面酵素センサ(特にクレアチンセンサ又はクレアチニンセンサ)の外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜30%の量の耐水性ポリマー、10〜20%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び50〜60%の量のポリマー粒子を含む。
別の実施形態では、平面酵素センサ(特にクレアチンセンサ又はクレアチニンセンサ)の外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された70〜80%の量の耐水性ポリマー、並びに20〜30%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)を含む。
更に別の実施形態では、平面酵素センサ(特にクレアチンセンサ又はクレアチニンセンサ)の外層は、外層の全体積を基準にして、ポリビニルアセテート(例えばKollicoat SR30D)から選択された20〜30%の量の耐水性ポリマー、10〜20%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び50〜60%の量のポリマー粒子を含む。
別の実施形態では、平面酵素センサ(特にクレアチンセンサ又はクレアチニンセンサ)の外層は、外層の全体積を基準にして、ポリビニルアセテート(例えばKollicoat SR30D)から選択された70〜80%の量の耐水性ポリマー、及び20〜30%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)を含む。
外層が硬質ポリマー粒子を含まない場合は、耐水性ポリマーとタンパク質との間の相対体積比は、好ましくは90:10〜60:40、例えば85:15〜60:40、又は80:20〜75:25である。
外層がポリマー粒子を含む場合は、耐水性ポリマー、タンパク質及びポリマー粒子の間の相対体積比は、好ましくは40:20:40〜50:10:40〜20:10:70の間にある。
外層はまた、緩衝液、塩、界面活性剤、湿潤剤、二酸化チタンのような顔料(外層の拡散反射(remission)特性の改善のため)などのような追加の成分を、外層の全体積を基準にして、最大10%、例えば最大2%含み得る。
上述の種々の材料は、共に混合した場合に多くの相互作用を生じる。コロイド粒子の相互作用においては、ファン・デル・ワールス力、静電相互作用及び立体斥力が重要な役割を担い得る。相互作用しているコロイド粒子は、凝結、軟凝集又は相分離などの安定性の問題を引き起こし得る。粒子分散体の安定性は、粒子が互いに接近した際に、粒子間に存在する斥力と引力のバランスに依存する。
本発明の外層などの複合膜では、拡散は典型的には不活性な充填剤粒子の表面に沿って起こる。これは、ポリマーマトリクス中の粒子分散体の分布が、かなりの程度まで、外層を通じた拡散経路を規定することを意味する。Eudragit NM粒子の連続相は被検体に対して不透過性であるため、被検体の拡散は、細孔形成酵素粒子によって規定される、水で充填されかつ連続な相で起こる。外層を乾燥させた時点で、乳化剤及び酵素分子はポリマー粒子間の開いた空間中に集中する傾向があり、これらが乾燥した外層中に存在することで、被検体が拡散するのに十分な量の吸水をもたらすであろう。
特定の実施形態
一実施形態では、酵素センサはクレアチンセンサである。本実施形態では、酵素層はサルコシンオキシダーゼ及びクレアチナーゼを含む。本発明のいくつかの興味深い変形形態として、外層中のタンパク質は酵素、特にクレアチナーゼである。
クレアチンセンサの一変形形態では、外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜30%(特に24〜28%)の量の耐水性ポリマー、7〜12%(特に8〜10%)の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び50〜65%(特に55〜60%)の量のPTFEポリマー粒子を含む。
細孔形成酵素の量は、外層の一方の面から他方の面まで多孔性の連結をもたらす程度に十分に大きくなければならない。浸透閾値は約15%なので、これは約9%の酵素で実現され、吸水後はほぼ15%の多孔度に値する。この量が多すぎる場合は、比較的大きすぎる過酸化水素の逆拡散のゆえに感度が減少し、酵素層からの酵素の漏れ出しのために使用時の安定性も減少する。層の全体にわたって、粒子間の物理的接触を確保するために、硬質ポリマー粒子の量は浸透閾値を上回っていなければならない。感度及び使用時安定性は、PTFE粒子の量が最大約60%v/v向上し、50〜60%v/vにおいて最高性能であることが見出された。拡散は粒子表面に沿って生じるため、PTFEは多孔性を誘導する。それに加えて、PTFEは疎水性であり使用中の膜への水分取り込みが低減され、時間経過に伴う透過性が安定化される。分散体中のポリマー粒子は比較的低いフィルム形成温度(5℃)を有し、それにより膜を室温で硬化させることができ、高い乾燥温度に耐えられない酵素にとって有益である。
別の実施形態では、酵素センサはクレアチニンセンサである。本実施形態では、酵素層はサルコシンオキシダーゼ、クレアチナーゼ及びクレアチニナーゼを含む。本発明のいくつかの興味深い変形形態として、外層中のタンパク質は酵素、特にクレアチナーゼである。
クレアチニンセンサの一変形形態では、外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜30%(特に24〜28%)の量の耐水性ポリマー、7〜12%(特に8〜10%)の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び50〜65%(特に55〜60%)の量のPTFEポリマー粒子を含む。
上述のクレアチンセンサに対するのと同様な考慮が、クレアチニン酵素に対しても当てはまる。
更に別の実施形態では、酵素センサはグルコースセンサである。本実施形態では、酵素層はグルコースオキシダーゼを含む。本発明のいくつかの興味深い変形形態として、外層中のタンパク質は酵素、特に同一のクレアチナーゼ酵素である。グルコースセンサでは、クレアチナーゼ酵素のみが細孔形成剤として機能することに注目されたい。
特にグルコースセンサでは、外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜35%の量の耐水性ポリマー、0.5〜3.0%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び65〜80%の量のPTFEポリマー粒子を含む。
更に別の実施形態では、酵素センサはラクテートセンサである。本実施形態では、酵素層はラクテートオキシダーゼを含む。本発明のいくつかの興味深い変形形態として、外層中のタンパク質は酵素、特にクレアチナーゼである。
特にラクテートセンサでは、外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜35%の量の耐水性ポリマー、0.5〜3.0%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び65〜80%の量のPTFEポリマー粒子を含む。
更に別の実施形態では、酵素センサはアルコールセンサである。本実施形態では、酵素層はアルコールオキシダーゼを含む。本発明のいくつかの興味深い変形形態として、外層中のタンパク質は酵素、特にクレアチナーゼである。
特にアルコールセンサでは、外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜35%の量の耐水性ポリマー、0.5〜3.0%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び65〜80%の量のPTFEポリマー粒子を含む。
更に別の実施形態では、酵素センサは尿素センサである。本実施形態では、酵素層はウレアーゼを含む。本発明のいくつかの興味深い変形形態として、外層中のタンパク質は酵素、特にクレアチナーゼである。
特に尿素センサでは、外層は空間が比較的広くなければならないため、外層は、外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類(例えばEudragit NM30D)から選択された20〜35%の量の耐水性ポリマー、5〜15%の量の酵素(特にクレアチナーゼ)、及び50〜75%の量のPTFEポリマー粒子を含む。
平面酵素センサの作製方法
本発明は更に、本明細書で上述した平面酵素センサの作製方法を提供し、その方法は、
a.導電性材料の電極層を支持している電気絶縁材料の基材を提供するステップであって、基材及び電極層が、その上に配置された複数の層を有し、その最外層が少なくとも1つの酵素を含む酵素層であって、好ましくは酵素層はポリマーマトリクスを含み、かつポリマーマトリクス中に少なくとも1つの酵素が埋め込まれている、ステップと、
b.(i)耐水性ポリマー、及び(ii)タンパク質、の水性分散体又はコロイド溶液を提供するステップと、
c.分散溶液又はコロイド溶液を酵素層上に分配し、分散体又はコロイド溶液を乾燥させ、それによって外層を形成するステップと、を含む。
外層は典型的には、酵素層上にカバー層として堆積される。この場合、分散体の溶剤の蒸発後に安定なカバー膜が、典型的には酵素層上に直接形成される。酵素層上へ外層を直接コーティングしたことにより、機械的な固定、又は接着剤若しくは接着剤層を使用する必要なく、外層はその下にある酵素層に物理的接着によって結合される。
外層を最も外側のカバー層として使用した場合(これは好ましい)、外層は被検試料と直接接触しており、検知反応のために必要な被検体の拡散を外層が単独で調整する。
いくつかの重要な実施形態では、タンパク質は酵素であり、特にクレアチナーゼ及び他の加水分解酵素から選択された、最も好ましくはクレアチナーゼから選択された酵素である。
その方法は、本明細書で上述する酵素センサをもたらし、その特徴は、表題「酵素センサ」下に明記されている。
ステップa.
導電性材料の電極層を支持している電気絶縁材料の基材を提供する第1のステップであって、基材及び電極層が、その上に配置された複数の層を有し、その最外層が少なくとも1つの酵素を含む酵素層であって、好ましくは酵素層はポリマーマトリクスを含み、かつ当該ポリマーマトリクス中に少なくとも1つの酵素が埋め込まれている、ステップが、通常の手段により実現できる。このステップの一実施例が実施例1に記載されている。
ステップb.
ステップbでは、(i)耐水性ポリマー、及び(ii)タンパク質、の水性分散体又はコロイド溶液が提供される。いくつかの実施形態では、水性分散体又はコロイド溶液は更に(iii)ポリマー粒子、を含み得る。
耐水性ポリマー、タンパク質及びポリマー粒子の性質は、表題「外層」下で更に上述されている。また、これら成分の相対量は、乾燥させた外層に対して示した成分量には溶媒が全く含まれていないということを考慮に入れて、同じ表題下に記載されている。
水性分散体又はコロイド溶液は典型的には、(i)耐水性ポリマー(典型的には水性分散体として市販されている)を、(iii)ポリマー粒子(これもまた典型的には水性分散体として市販されている)、及び(ii)酵素(典型的には水性緩衝溶液として市販されている)と混合することにより作製される。加えて、分散体を分配する目的で、分散体に好適な粘性を与えるために水(例えば脱イオン水)が加えられる。典型的には、水性分散体/コロイド溶液は15〜25%(w/w)の固形分含有量を有する。
水性ポリマー分散体/コロイド溶液の凝結を防止し、分配工程がうまく行われるように、1つ以上の低分子量添加物を含ませることが一般的に望ましい。これは典型的には、低分子量の非イオン性界面活性剤、例えばTriton X−100、Tergitol TMN3、TMN6又はTMN10のようなエトキシ化炭化水素である。
ステップc.
ステップcでは、分散体又はコロイド溶液を酵素層上に分配し、分散体/コロイド溶液を乾燥させ、それにより外層が形成される。
水性ポリマー分散体からキャストされた外層で得られるフィルム形成及びモルホロジは、溶媒系の溶液をキャストしたものから得られる膜のモルホロジとは非常に異なっている。溶媒系のポリマー溶液では、種々の種類のマクロ分子が溶液全体にわたって均質に混合されランダムに分布している。溶媒蒸発時点で、ポリマー鎖は互いに接近し、最終的に高度のポリマー間の相互侵入を有するフィルムを形成する。これとは対照的に、水性のポリマー分散体が用いられた場合、フィルム形成工程の初期に、一定サイズの、分離された純粋な耐水性ポリマー(例えばEudragit)及びタンパク質(クレアチナーゼ酵素のような)ドメインが存在する。コロイド粒子内のマクロ分子の移動度は制限されているゆえに、ポリマー鎖は完全には相互拡散することはできない。粒子表面に近接した領域においてのみ、多少の密接なポリマー間の混合が期待できる。従って、水の蒸発時点で、純粋な耐水性ポリマー及び純粋なタンパク質(例えば酵素)ドメインを有するポリマーフィルムが形成され、その結果得られる多孔性はポリマー分散体中のタンパク質(例えば酵素)粒子の分布によって規定される。ポリマー間の相互侵入は、耐水性ポリマーの粒子が密着している所でのみ生じ、この密着度は有機溶液から作製されたフィルムの場合よりもかなり低い。外層の透過性を安定化するために、タンパク質の相(例えば酵素相)が外層の一面から他面に相互接続するためには、タンパク質の含有量は、最も好ましくは浸透閾値を超えなければならず、これは理論的には外層の約15%v/v程度である。水分取り込み及びタンパク質の浸出の後で、サイズ5〜15nmの細孔は水で充填され、これらを通して被検体及びHの拡散が起こる。
外層はステップbで作製した水性分散体/コロイド溶液から作製される。
いくつかの実施形態では、水性分散体/コロイド溶液は更にポリマー粒子を含む。耐水性ポリマーと細孔形成ポリマー粒子は物理的に不適合であるため、分散体/コロイド溶液が乾燥した時点で共連続な二相膜モルホロジが形成される。細孔形成ポリマー粒子は、ポリマー相の全体にわたって均一に分布しており、それによりポリマーバインダ相全体にわたる接続性をもたらす。
外層の多孔性、従って透過性は、タンパク質によって与えられる多孔性に加えて、細孔形成硬質ポリマー粒子によって与えられ得る。従って、透過性の観点では、ポリマー粒子を選ぶ際に制限はない。硬質ポリマー粒子用に用いられるポリマー材料は、一般に任意のポリマー分散体材料又はポリマー材料の混合物とすることができる。しかし好ましくは、非毒性又は容易に適用可能な材料が使用される。
外層は水性コロイド溶液又は分散体から作製され、これは普通、平面代謝物センサで使われる溶媒系の外層よりも酵素との親和性がより良く、従って外層の分配中に生じる酵素の失活という課題はクレアチニンセンサにおいて克服される。
外層の厚さは、所望の使用及び/又は透過度に関して柔軟に選択することができる。好適な厚さは0.5〜1000μmの範囲内、典型的には3〜500μmの範囲内、より典型的には5〜50μmの範囲内にある。
従って、外層の透過性は(細孔形成)タンパク質のコーティング厚さ及び/又は濃度を変化させることで容易に調整することができる。
外層の透過性は所望に応じて調整可能なので、外層はセンサの速い再生をもたらす。例えば酸素の消費に基づき反応をセンシングする場合には、酸素の透過性と量は、センサの再生、例えば酸素リザーバの再生が非常に速くなるように調整することができる。従ってそのセンサは多重使用酵素センサに対して特に有用である。
本方法では、下層、例えば酵素層を損傷することなく外層の適用が可能である。
外層は、例えば酵素層の酵素に影響することなく又は別の方法で損傷することなく、酵素層上に直接適用することができる。
分散体/コロイド溶液は典型的には、酵素層上に分配した後に乾燥させる。本質的に、本技術分野で公知のあらゆる乾燥方法、特に室温近くで稼働させる方法を用いることができる。
酵素センサの利用
本明細書で記載された方法に従い作製された、本明細書に記載された酵素センサは、通常の装置(例えば血液ガス測定装置)内の任意の通常の酵素センサを代替することができる。従って、本明細書で規定された酵素センサは主として、外側の微多孔質層の特徴によって特徴付けられ、既存のセンサアレイ及びカートリッジに容易に実装することができる。
従って、本発明による酵素センサの使用は、当事者が通常の方法を参照して容易に実現することができる。
以上のことから、外層の特徴は、通常の標準が確立されていない酵素センサの概念を含む、任意の種類の酵素センサに利点をもたらすと考察される。
総論
本発明の記載及び特許請求の範囲は、場合によりポリマー、センサ、酵素などを参照しているが、本明細書で規定した生成物及び方法は1つ、2つ、又は3つ以上の種類の単独の成分又は要素を含み得ると理解すべきである。2つ以上の種々の成分が存在する実施形態では、各成分の総量を、本明細書で個別の成分に対して規定された量に対応させるべきである。
ポリマー(複数)、センサ(複数)、酵素(複数)などの表現中の「(複数)」は、1つ、2つ又は3つ以上の種類の個別の成分又は要素が存在し得ることを示す。これに対して、「1つ」という表現が使われた場合、各成分又は要素は1つだけが存在する。
本明細書の全体にわたって、単語「含む(comprise)」、又は「含んでいる(comprising)」若しくは「含む(comprises)」などの変形は、述べられた要素、整数若しくはステップ、又は要素(複数)、整数(複数)若しくはステップ(複数)の群を含むことを意味するが、しかし他のあらゆる要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群を除外することは意味しない、と理解すべきである。
材料
リン酸緩衝液中のクレアチナーゼ酵素(約30w/w%)、BBI
脱イオン水
Eudragit NM30D:ポリ(エチルアクリレート−コ−メタクリレート)2:1の30w/w%水性分散体
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン60w/w%の水分散体、Aldrich 66580
Kollicoat SR30D:30w/w%水性分散体(約27%のポリビニルアセテート、2.7%のポビドン及び0.3%のラウリル硫酸ナトリウム)、BASF
実施例1 クレアチニン二重センサシステムの構成
一実施形態では、平面酵素センサは、生理液の試料中のクレアチニンの測定に好適な厚膜センサである。厚膜センサは、各々が図1に示すように形成されたクレアチンセンサ及びクレアチニンセンサを含む二重センサシステムで構成される。
図1を参照すると、厚さ200μmの電気的に絶縁されたアルミナ基材110が一表面に提供され、そこには直径1000μm、厚さ10μmの円形の白金作用電極120、作用電極の外周の角度範囲30〜330°を覆う、外径3000μm、内径2000μm、厚さ10μmの環状の白金対極130、及び作用電極の外周の0°に配置された、直径50μmの円形の銀/塩化銀参照電極140がある。3つの電極構造はそれぞれ、基材を通過する白金仕上げされた貫通孔(図示せず)を介して、アルミナ基材110を通ってセンサの電子回路(図示せず)に接続される。動作時には、作用電極120は参照電極140に対して+675mVとなるように分極される。
更にアルミナ基材110上には、ガラス及びポリマーの封止材の2層構造がある。これら2層構造は、作用電極120を取り囲んでいる、外径1800μm、内径1200μm及び厚さ50μmの環状構造160、161、並びに電極システム全体を取り囲んでいる厚さ50μmの構造150、151を含む。これら2層構造は両方とも、イギリスのESL Europe製のESL glass 4904のアルミナ基材110に面している厚さ20μmの内層150、160、並びに28.1重量%のポリエチルメタクリレート(Elvacite、製品番号2041、DuPont製)、36.4重量%のカルビトールアセテート、34.3重量%のシラン化カオリン(Engelhard製の製品番号HF900)、0.2重量%のヒュームドシリカ及び1.0重量%のトリメトキシシランを含む、SenDx Medical Inc.製(California、USA)の国際特許出願第WO97/43634号に開示されたようなSenDx Medical Inc.製(California、USA)のポリマー封止材の外層151、161からなる。
直径1200μm及び厚さ10μmの、セルロースアセテート及びセルロースアセテートブチレートの円形内層170が、作用電極120を覆っている。
クレアチニンセンサの場合、直径1200μm及び厚さ12μmを有する、クレアチニナーゼ、グルタルアルデヒド処理されたクレアチナーゼ及びサルコシンオキシダーゼの円形の酵素層180が内層170を覆っている。
クレアチンセンサの場合、直径1200μm及び厚さ12μmを有する、グルタルアルデヒド処理されたクレアチナーゼ及びサルコシンオキシダーゼの円形の酵素層180が内層170を覆っている。
本発明の外層190(実施例2参照)は、酵素層180、対極130及び参照電極140を含む構造を覆う。
実施例2 外層材料の試験
好適な外層としての種々の候補を調べる目的で、以下の成分を混合して3種の異なる外層材料(A、B及びC)が作製された。
A:400μLのクレアチナーゼ酵素のリン酸緩衝液分散体、2150μLの脱イオン水、1020μLのEudragit NM30D、1200μLのPTFE分散体
B:2000μLの脱イオン水、1000μLのKollicoat SR30D、2000μLのPTFE分散体
C:2350μLの脱イオン水、1110μLのEudragit NM、1310μLのPTFE分散体
上述の実施例で説明したように、異なる外層材料が構造(図1の190のような)上に適用された。
センサは、既知の濃度のクレアチン及びクレアチニンを含有する校正溶液を使用して、再設定されたRadiometer ABL90 flex analyzersで試験された。データが収集され分析された。
以下の試験は、酵素層の利用可能性、そしてそれにより外層の均一性に対処するために設計された。この試験では、クレアチナーゼ阻害剤を含有した溶液及び含有しない溶液における、センサの応答を比較している。2つの溶液の測定値が似ているほど、より多くの酵素が利用可能であり、外層としてより好適である。阻害剤として、血液と関連があり内因性成分であることから重炭酸塩が使われた。
結果は以下の表1にまとめられており、ここでB及びCは参照層である。
外層材料Bを有するセンサは、外層材料Aを有するセンサよりも低い感度を示し、感度間の比も小さい。この結果は、センサBでは活性及び/又は利用可能な酵素の量がより少なく、血液試料中の重炭酸塩の変動にさらされ易いことを示している。
外層材料Cを有するセンサは非常に小さい感度を有し、細孔形成用のクレアチナーゼ酵素が無いことと相関している。
別の回の試験において、以下の成分を有する2つの外層材料(D及びE)が比較された。
D:400μLのクレアチナーゼ酵素のリン酸緩衝液分散体、3350μLの脱イオン水、1020μLのEudragit NM30D
E:400μLのクレアチナーゼ酵素のリン酸緩衝液分散体、2150μLの脱イオン水、1020μLのEudragit NM30D、1200μLのPTFE分散体
結果は以下の表2にまとめられている。
PTFEを含まない外層Dと比較して、外層EにPTFEを含むセンサの感度はより高いが、阻害剤の存在下で絶え間なく測定する能力は外層Eがより高い。従って、O濃度が低い試料に対する高い安定性を与えること以外に、PTFE粒子は恐らく、より均一な外層の作製をも促進する。
種々の外層材料(乾燥量基準)中の成分の相対量

Claims (12)

  1. 溶液中の被検体の濃度を測定するための平面酵素センサであって、前記センサは導電性材料の電極層を支持している電気絶縁材料の基材を含み、前記基材及び前記電極層が、前記基材及び前記電極層上に配置された複数の層を有しており、前記複数の層は少なくとも、
    a.少なくとも1つの酵素を含む酵素層と、
    b.前記酵素層を覆う微多孔質外層であって、前記外層が(i)耐水性ポリマーの連続相、及び前記連続相に埋め込まれた(ii)タンパク質、を含む、外層とを含む、センサ。
  2. 前記連続相に埋め込まれた前記タンパク質が酵素である、請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記酵素が加水分解酵素から選択される、請求項2に記載のセンサ。
  4. 前記外層の前記連続相を形成する前記耐水性ポリマーが、ポリビニルアセテート、並びにエチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類、から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ。
  5. 前記微多孔質外層が更に、前記連続相に埋め込まれたポリマー粒子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ。
  6. 前記ポリマー粒子がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子から選択される、請求項5に記載のセンサ。
  7. 前記酵素層がサルコシンオキシダーゼ及びクレアチナーゼを含み、前記外層中の前記タンパク質がクレアチナーゼである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ。
  8. 前記酵素層が、前記少なくとも1つの酵素が埋め込まれたポリマーマトリクスを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ。
  9. 前記外層が、前記外層の全体積を基準にして、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー類から選択された20〜30%の量の耐水性ポリマー、10〜20%の量の酵素、及び50〜60%の量のポリマー粒子を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ。
  10. 前記外層が、前記外層の全体積を基準にして、ポリビニルアセテートから選択された20〜30%の量の耐水性ポリマー、10〜20%の量の酵素、及び50〜60%の量のポリマー粒子を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の酵素センサの作製方法であって、前記方法が
    a.導電性材料の電極層を支持している電気絶縁材料の基材を提供するステップであって、前記基材及び前記電極層が、前記基材及び前記電極層上に配置された複数の層を有し、前記最外層が酵素層であるステップと、
    b.(i)耐水性ポリマー、及び(ii)タンパク質、の水性分散体又はコロイド溶液を提供するステップと、
    c.前記分散体又はコロイド溶液を前記酵素層上に分配し、前記分散体又はコロイド溶液を乾燥させ、それによって外層を形成するステップと、を含む方法。
  12. ステップ(b)における前記分散体又はコロイド溶液が更に、(iii)ポリマー粒子、を含む、請求項11に記載の方法。
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