JPH0862173A - 電気化学酵素センサ及びその製造方法 - Google Patents

電気化学酵素センサ及びその製造方法

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JPH0862173A
JPH0862173A JP6097641A JP9764194A JPH0862173A JP H0862173 A JPH0862173 A JP H0862173A JP 6097641 A JP6097641 A JP 6097641A JP 9764194 A JP9764194 A JP 9764194A JP H0862173 A JPH0862173 A JP H0862173A
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enzyme
electrode
film
electrochemical
hem
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JP6097641A
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English (en)
Inventor
Akio Kiyohara
章夫 清原
Tetsushi Deguchi
哲志 出口
Hideki Endo
英樹 遠藤
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Gunze Ltd
Omron Corp
Original Assignee
Gunze Ltd
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性(反復使用)と作業性、保全性等の改
良された電気化学酵素センサとその効率的な製造方法を
提供する。 【構成】 電極とともに電極基板の外周全面を覆うよう
にして酵素層が形成してあることを特徴とする。また複
数の電極が形成された電極基板の上端に連接部を設け、
これにより各電極板を連接した状態に保持した後、その
下部裾部を切離ししこの下部裾部に酵素等をコーティン
グすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオセンサに関し、
詳しくは電気化学酵素センサのセンサ本体部分の構造及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酵素センサは、特定の有機物質に対し選
択的に作用する性質を有する酵素を、感応素子として利
用したセンサである。このような酵素センサを応用した
測定装置は、ガスクロマトグラフィなどの分離分析方法
と異なり被検体に対する前処理を必要としないので、簡
便かつリアルタイムに目的物の検出が可能である。この
ため近年、医療、食品、工業プロセス、環境などの計測
分野において、酵素センサを応用した分析装置への期待
が一段と高まっている。
【0003】この種の酵素センサの概要を図12に基づ
いて説明する。図12は従来より知られている酵素セン
サ装置の基本構成を示す図である。この酵素センサ装置
は、鉛等の導電材からなるアノード10からなる作用極
と、白金等の導電材からなるカソード11の表面にテフ
ロン膜12を介して酸化酵素膜13(グルコースオキシ
ダーゼ膜など)を形成した作用極とを酵素センサ本体と
し、これに電気的処理部14を有して構成されている。
測定原理は、前記参照極と作用極からなる一対の電極部
をグルコースなどの測定対象物質を含有した溶液15
(例えば血液)に浸漬した場合、溶液中の測定対象物質
が酸化酵素膜33に担持されている酵素の作用により分
解物を生成するが、この酵素反応に伴って発生する酸化
還元電位変化を電極10、11で電流値の変化として検
出し、前記電気的処理部14により処理して測定対象物
質の濃度を求めるというものである。
【0004】ところで、酵素センサの識別素子を構成す
る酵素は、一般に水溶性であり、そのまま電極表面に添
着しても測定中に脱落してしまう。したがって、何らか
の手段を用い電極表面に定着させる必要がある。このた
め、従来より例えば酵素を天然高分子物質に担持させる
処理や、酵素分子を架橋化する処理を加えたのちに浸漬
法やスプレー法などにより極表面に塗布・定着させる等
の方法が採用されている。そしてこのような酵素電極作
製法において、酵素センサの製造を効率的に行うため、
電極基板上に多数の電極を並列状に形成し、この電極基
板に対し一括して酵素定着処理を行う製造方式が採用さ
れている。このような製造方式を図10に基づいて説明
すると、先ず合成樹脂等の基板200上に白金等で所定
の電極パターン(201、202)を多数形成し、この
基板200を酵素溶液206に浸漬し基板に酵素を塗着
・乾燥して酵素皮膜を形成する。これによって一枚の基
板に多数の酵素電極(電極に酵素を定着したもの)が形
成できる。その後この基板を一対の酵素電極単位(以
下、単位電極板という)で切断して酵素センサ本体部分
が完成する。なお、図8ではカソードとアノードを一対
とする電極対を多数形成した電極基板を用いたが、カソ
ードとアノードを別々に多数形成した電極基板を用いる
場合であっても同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような酵素電極
の製造方法は、一度に多数の酵素電極が製造できる点
で、極めて生産性の高い製造方式である。しかし、前記
従来の製造方法は、単位電極板の切離しに際し、酵素電
極の表面を傷つける恐れがあり、このため製品歩留りが
悪かった。また従来の製造方法により作製された単位電
極板は、図11に示すように電極板の側面に酵素層の断
層ができるため、この部分に横方向から力が加わると、
酵素層が基板から容易に剥がれるとともに、前記断面に
直接力が加わらなかっても、湿潤・乾燥が繰り返される
と、酵素層に基板面と反対側に反る応力が作用するの
で、基板側面が浮き上がり、ついには基板から剥がれ落
ちてしまう(図13参照)。このため、従来の酵素電極
は、精度や信頼性に問題があるとともに、繰り返し使用
すると著しく精度が低下するという問題があった。更に
上記製造方法で作製した酵素電極は、酵素膜を保護する
ためにその表面を覆ったとしても、側面断層部では酵素
層が剥き出しの状態となり、この部分から酵素の失活が
進行してしまうので、酵素電極の安定性、保存性を十分
に高めることができにくという問題があった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解消する
ことを目的としてなされたものであって、繰り返し使用
性に優れた信頼性の高い電気化学酵素センサを提供する
とともに、このような電気化学酵素センサを効率的に製
造できる電気化学酵素センサの製造方法を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明電気化学酵素センサは、下記構成を有する。請
求項1記載の発明は、検知部とリード部とからなる導電
性薄膜電極と、特定物質に特異的に反応する酵素を保持
した酵素定着部とが、電極基板上に形成されてなる電気
化学酵素センサであって、前記酵素定着部は、少なくと
も前記検知部を含みかつこの検知部が位置する電極基板
部位の外周全体を包み込んだ状態に形成されている電気
化学酵素センサであることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の電
気化学酵素センサにおいて、前記酵素定着層が、酵素と
この酵素を定着し保護する高分子物質から構成されたも
のであることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請
求項1記載の電気化学酵素センサにおいて、前記酵素定
着層が、少なくとも前記検知部を覆う酵素を主成分とす
る酵素皮膜と、この酵素皮膜の全表面を包み込むととも
に前記検知部の位置する電極基板部位の外周全体を覆う
ように形成された酵素保護皮膜とを有した層であること
を特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、検知部とリード部
とからなる導電性薄膜電極と、特定物質に特異的に反応
する酵素を保持した酵素定着部とが、電極基板上に形成
されてなる電気化学酵素センサの製造方法であって、前
記電気化学酵素センサの製造方法は、電極基板上に並列
に配列された複数の電極成形領域の各々に、同一方向に
配向する導電性薄膜電極を形成する電極形成テップと、
前記複数の電極成形領域の各境界に沿って、各電極成形
領域を繋ぎ止めるための上端連接部を残し、前記上端連
接部の下方に位置する裾部を切り離す裾部切離しステッ
プと、前記裾部が、隣合う同士で上端連接部の下端を起
端として前記基板面を含む平面より横方向に互い違いに
広がるように、スペーサを挿入するスペーサ挿入ステッ
プと、前記スペーサにより広げた裾部の外周全面に、皮
膜を形成する皮膜形成ステップと、を備える電気化学酵
素センサの製造方法であることを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の電
気化学酵素センサの製造方法において、前記皮膜形成ス
テップが、電極基板に酵素を付着させる酵素付着サブス
テップと、前記サブステップで付着させた酵素を定着し
保護する皮膜で前記裾部ごと包み込む酵素定着保護膜形
成サブステップと、からなることを特徴とする。請求項
6記載の発明は、請求項4乃至5記載の電気化学酵素セ
ンサの製造方法において、前記電極形成ステップが、カ
ソードとアノードを一対とする単位電極対を複数形成す
ることを内容とするものであることを特徴とする。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項4乃至6記
載の電気化学酵素センサの製造方法において、前記電極
形成ステップの前に、裾部切離しステップで裾部を切り
離す際に隣合う裾部同士が容易に切り離せるように、予
め電極基板に切込みを設ける切込み形成ステップを備え
ることを特徴とする。請求項8記載の発明は、検知部と
リード部とからなる導電性薄膜電極と、特定物質に特異
的に反応する酵素を保持した酵素定着部とが、電極基板
上に形成されてなる電気化学酵素センサの製造方法であ
って、電極基板上に並列に配列された複数の電極成形領
域の各々に、同一方向に配向する導電性薄膜電極を形成
する電極形成テップと、前記電極形成ステップにより電
極が複数形成された電極基板に酵素または酵素固定化剤
を含有してなる固定化酵素を付着する酵素等付着ステッ
プと、前記酵素等付着ステップの終了後、電極基板の各
電極形成領域の境界に沿って、上端連接部を残し、前記
上端連接部の下方に位置する裾部を切り離す裾部切離し
ステップと、前記裾部が、隣合う同士で上端連接部を起
端とし基板面を含む平面から横方向に互い違いに広がる
ように、スペーサを挿入するスペーサ挿入ステップと、
前記スペーサにより広げた裾部の外周全面に、前記酵素
等付着ステップで付着した酵素を定着保護するための皮
膜を施す酵素定着保護被膜形成ステップと、を有する電
気化学酵素センサの製造方法であることを特徴とする。
【0012】請求項9記載の発明は、請求項8記載の電
気化学酵素センサにおいて、前記電極形成ステップが、
カソードとアノードを一対とする単位電極対を複数形成
することを内容とするものであることを特徴とする。請
求項10記載の発明は、請求項8乃至9記載の電気化学
酵素センサの製造方法において、前記電極形成ステップ
の前に、裾部切離しステップで裾部を切り離す際に隣合
う裾部同士を容易に切り離せるように、予め電極基板に
切込みを設ける切込み形成ステップを備えることを特徴
とする。
【0013】
【作用】請求項1の発明によれば、酵素定着部が電極検
知部を覆うとともにこの電極検知部の位置する電極基板
外周全体を包み込むように形成されている。つまり、酵
素定着部は、電極検出部ばかりでなく電極基板の側面及
び裏面にも延設された状態で基板全周を包み込んでお
り、いわば酵素膜の帯を電極基板に巻き付けた状態で電
極基板に固着されれいる。したがって、固着力の弱い特
定箇所から酵素定着部が剥がれるといったことがない。
よって請求項1の発明によれば、電極表面またはその近
傍から酵素が失われることによる電気化学酵素センサの
性能低下がないので、信頼性の高い電気化学酵素センサ
と成すことができる。
【0014】請求項2の発明によれば、前記酵素定着部
が酵素とこの酵素を定着保護する高分子物質から構成さ
れるものである。このような構成であると、酵素を定着
保護する高分子物質が酵素を確実に電極表面や電極基板
に定着させるので、上記に記載の作用効果が一層確実に
発揮されるとともに、高分子物質が感応素子である酵素
を外部から保護するので、酵素活性が失なわれることを
抑制できる。
【0015】請求項3の発明によれば、酵素を主成分と
する酵素皮膜が電極検知部を覆い、更に酵素保護皮膜が
この酵素皮膜を覆った状態でその近傍の基板外周全体を
包み込んだ状態に形成されているので、前記酵素皮膜が
確実に電極及び基板に固着されるとともに、外部からの
物理的化学的刺激から酵素を有効に保護できる。したが
って、酵素皮膜が電極基板から剥がれ落ちることが防止
できるとともに、例えば測定時においては被検液(血液
等)中に存在する測定精度を低下させる原因となる物質
(血球等)から感応素子である酵素を守ることができる
ので、請求項3の発明によれば、電気化学酵素センサの
測定精度が向上するとともに再使用性が向上する。
【0016】請求項4の本発明製造方法によれば、電極
基板上に複数の電極を並列かつ同一方向に配向させた状
態に形成する(電極形成ステップ)ので、形成された複
数の電極に一括して酵素を定着する処理が成し易い。ま
た各単位電極板の切離しが裾部と上端連接部の切り落と
しに分けてあるので、裾部の切離しにより各単位電極板
がばらばらになることがないとともに、スペーサ挿入ス
テップがスムーズに行える。更に特に本製造方法では、
裾部を切離した後に該裾部が千鳥足状となるようにスペ
ーサで固定し、この状態で一括して皮膜を形成を行うよ
うに構成した。このような構成であると、一枚の基板に
形成された複数の電極に対し同時に皮膜形成処理を行う
場合であっても、連接された単位電極板個々の外周全体
が皮膜で包み込み込まれた状態となる。つまり、請求項
4の本発明製造方法によれば、従来の製造方法による場
合と異なり、側面に皮膜断層のない単位電極板を作製す
ることができる。このような側面に断層のない皮膜であ
ると、単位電極板に強固に固着するため剥がれ難いの
で、電気化学酵素センサの精度の向上に資することにな
る。
【0017】請求項5の本発明製造方法によれば、前記
皮膜形成ステップが、電極基板に酵素を付着させる酵素
付着サブステップと前記酵素付着サブステップで付着さ
せた酵素を定着保護する皮膜で裾部外周全体を包み込む
酵素定着保護サブステップとから構成されている。この
ような構成であれば、酵素定着保護膜形成サブステップ
で形成された酵素定着保護膜が酵素付着サブステップで
付着された酵素を定着保護するので、適当な定着化剤
(固定化剤)がない酵素であっても、電極基板に強力に
定着させるとが可能になるとともに、前記酵素定着保護
膜が酵素を外部からの物理的化学的刺激から保護するの
で、定着された酵素の安定性が向上する。
【0018】請求項6本発明製造方法によれば、上記請
求項4乃至5記載の電気化学酵素センサの製造方法にお
いて、前記電極形成ステップが、カソードとアノードか
らなる単位電極対を複数形成することを内容とする。こ
のように単位電極対を複数形成する製造方法であると、
電気化学酵素センサの必須構成部材である作用極と参照
極が同時に製造できるので、電気化学酵素センサの組立
が効率的に行えるとともに、電気化学酵素センサ装置に
おいては電気化学酵素センサ本体部は使い捨て的に使用
するものであるので、交換時に便宜を与えることができ
る。
【0019】請求項7の本発明製造方法によれば、上記
請求項4乃至6記載の電気化学酵素センサの製造方法に
おいて、前記電極形成ステップの前に切込み形成ステッ
プを備えるようにしたので、前記裾部切離しステップで
の裾部の切離しが容易となるとともに、このように電極
形成ステップに先立って行う切込みであれば、電極を傷
つけることがないので製品歩留りが向上することにな
る。
【0020】請求項8の本発明製造方法によれば、裾部
切離しステップの前に、酵素等付着ステップを実施する
ようにし、その後裾部部外周全面を酵素定着保護皮膜で
覆うように構成した。このような構成であれば、電極表
面やその近傍を除いた部分(酵素を必要としない部分)
をマスクしてスプレー法等により、必要最小の範囲に酵
素等を付着させた上、酵素定着保護皮膜形成ステップで
定着保護皮膜を裾部外周全体に施すことにより酵素の定
着性と保護を確保させることができる。このようにする
と高価な酵素を有効に活用できるとともに、該酵素の定
着性、安定性をも高めることができる。
【0021】請求項9の本発明製造方法によれば、請求
項8記載の電気化学酵素センサの製造方法において、前
記請求項6に記載した作用効果と同様な作用効果が得ら
れる。請求項10の本発明製造方法によれば、請求項8
乃至9記載の電気化学酵素センサの製造方法において、
前記請求項7に記載した作用効果と同様な作用効果が得
られる。
【0022】
〔実施例1〕
(1)酵素センサの構造 初めに本発明に係る電気化学酵素センサの概要を図1に
基づいて説明する。図1は、本発明にかかる電気化学酵
素センサを用いた電気化学酵素センサ装置で被検体溶液
中の特定成分を測定している様子を示す図である。
【0023】図1中、1は電気化学酵素センサであり、
この電気化学酵素センサ1は電極板2と電極板上に形成
された作用極3(カソード側)と参照極4(アノード
側)とを基本構成要素として構成されている。このうち
前記作用極3は、電極板2の表面に形成された導電性薄
膜電極(カソード)とこの薄膜電極を覆うように形成さ
れた酵素定着層とから構成されている。。他方、前記参
照極4は、電極板2の表面に形成された導電性薄膜電極
(アノード)を必須の要素とするが、酵素定着層は必ず
しも必要ない。但し参照極4は酵素定着層が形成された
ものであってもよく、図1の例では斜線部分2a(以
下、電極上の斜線部分を電極検知部という)が酵素定着
層であり、この酵素定着層は電極板の外周全体を包み込
む状態で、カソード及びアノードを覆うように形成され
ている。
【0024】前記各電極の上端側(電極リード部)に
は、それぞれリード線5、5’が接続され、このリード
線5、5’を介して電気化学酵素センサ1本体は外部の
電気的処理部6と電気的に結合されている。そして、こ
のような構成の電気化学酵素センサ装置は、電気的処理
部6により前記電極3、4に常に一定の電荷を付与した
状態で測定が行われれるようになっている。
【0025】前記酵素定着層にグルコースオキシダーゼ
(酵素)が定着されている場合を例として、この装置の
測定原理を説明すると、一対の電極3、4の先端部分に
設けた測定部2aが被検体溶液7に浸漬された場合、作
用極3に定着されたグルコースオキシダーゼが、被検体
溶液7中の特定成分であるグルコースを酵素的に酸化す
る。この酸化反応に際し酸素が消費されるため、電極近
傍の酸素濃度が低下し作用極3の酸素還元電流が小さく
なる。ここで電気的処理装置6は電極3、4を介してこ
の電流変化を検出し、この電流変化に基づいて被検体溶
液7中のグルコース濃度を測定できることになる。な
お、前記電気化学酵素センサ装置は電極3、4に電荷を
掛けた状態で測定する方式であるが、本発明の適用はこ
のような装置に限定されるものでない。
【0026】次に、図1のX−X線断面拡大図である図
2に基づき、本発明にかかる電気化学酵素センサの特徴
部分である2a部分の構造を説明する。なお、以下の各
図は同一の部材には同一の参照符号が付してある。図2
中、2は厚さ約50〜250μm、大きさ約5mm
(横)×65mm(縦)の絶縁性樹脂からなる単位電極
板である。この電極板の大きさや厚さ或いは材質は、酵
素センサの使用用途等に応じ適当に設定すればよいが、
材質については使用し易さや安定性の点から、無改編
性、耐薬品性、耐熱性に優れかつ柔軟性とともに機械的
強度に優れた材質のものが好ましい。このような材質の
ものとして例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチ
レンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(P
C)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルサルフ
ァイド(PES)、熱可塑性又は熱硬化性ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の合成樹脂
材料が挙げられる。
【0027】101及び102は、白金薄膜(数μm程
度)より構成されたカソード及びアノードである。この
白金薄膜は、スクリーン印刷、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の薄膜形成技術を用い作製
できる。但し、電極材料としては、良導電性でかつ薄膜
が形成し易いことから白金が好ましいものの、白金以外
の材料を使用してもよい。白金以外の電極薄膜材料を挙
げると、カソード用として例えば、金、カーボン、パラ
ジウム、オスミウム、イリジウム、ニッケル、鉄、鉛、
亜鉛、銅、白金等が使用でき、またアノード用として例
えば、銀、塩化銀、白金等が使用できる。
【0028】なお、本実施例では、同一基板に同一の導
電材料(白金)を用い一対の電極を形成したが、別々の
基板にそれぞれ形成した正負電極を組み合わせて一対の
電極101、102を構成してもよく、更にそれぞれの
電極が異なる導電性材料で形成されたものであってもよ
い。また導電性薄膜と電極板2との接着性を高めるため
に薄膜形成時に電極板を高温で熱処理してもよい。要す
るに本発明では、電極板や電極の材料、形状、大きさ、
厚さ等は何ら限定されるものではなく、電気化学酵素セ
ンサの用途や使用態様やに応じ適当に設定すればよい。
【0029】103〜105は、酵素定着層であり、こ
の酵素定着層は、酵素定着補助皮膜103、酵素皮膜1
04、酵素保護皮膜105から構成されている。このう
ち酵素定着補助皮膜103は、電極基板2及び電極10
1、102と酵素膜103との間にあってこれらと固定
化酵素膜103との接着性を改善して酵素の定着性を高
めるための皮膜である。よって、その材質は、白金薄膜
電極や樹脂基板と酵素の双方に対し接着性がよく、かつ
電極の電気化学的作用を妨げないような性質のものが好
ましい。このような性質の皮膜材料としては、例えばア
セチルセルロース、ポリウレタン、ポリカーボネート、
テフロン、パーフルオロカーボンスルフォン酸などの物
質が使用でき、必要に応じ作製した皮膜が多孔構造とな
るように、適当な添加剤が添加される。
【0030】なお、この実施例では酵素定着補助膜10
3を電極板外周全体を覆うように形成したが、この酵素
定着補助膜103は酵素膜の定着性を改善することを主
目的とするものであるので、酵素膜の定着し易さに応じ
て例えば、電極のみを覆うよう形成してもよく、また全
く設けない場合であってもよい。固定化酵素膜104
は、酵素を主成分とする皮膜であり、前記酵素定着補助
膜103の上から測定部2aの電極基板の外周全面を電
極101、102とともに包み込むように形成してあ
る。この酵素皮膜は、従来より知られている架橋法、包
括法、担体結合法等の固定化法を利用して固定化して皮
膜と成すのが、酵素の定着性を一層高めることができる
点で、好ましい。なお、前記架橋法とは、酵素分子同士
を共有結合で結び固定化して電極基板に定着させる方法
をいい、具体的には酵素水溶液中にグルタルアルデヒド
などのジアルデヒドを加えて酵素分子を架橋化する技術
を利用した方法である。また包括法とは、酵素を高分子
ゲルの網目構造中に閉じ込めて固定化し電極基板に定着
する方法をいい、具体的にはアルブミン、コラーゲン、
カゼインなどの高分子物質溶液に酵素を投入しPH調整
によりこれらの高分子物質の網目構造中に酵素を保持さ
せる技術を利用した方法である。更に担持結合法とは、
共有結合、吸着、イオン結合、或いは単に固着により担
体に結合させた状態で電極基板に定着する方法をいう。
なお、酵素皮膜等の作製方法の詳細は以下の「製造方
法」の部で述べる。
【0031】105は、酵素皮膜104を保護するため
の保護皮膜であり、この酵素保護皮膜105は、常に電
極基板2の測定部2aの外周全面を覆うように形成して
ある。この酵素保護皮膜105は、固定化酵素の定着性
を高め電極板から剥がれるのを防止するとともに酵素に
対する外部からの物理的化学的刺激を減じることを目的
とするものである。したがって、この皮膜は、少なくと
も検知対象物質を酵素皮膜104側に透過させるととも
に酵素反応により生成された物質を外側に透過させる機
能を有することが好ましく、また酵素皮膜104との接
着性に優れるたものであることが好ましい。更に測定対
象物以外の物質(例えば被検体が血液である場合には血
球や凝固物など)に対しフィルタ機能を有する皮膜であ
ることが好ましい。このような機能を有する皮膜は、必
要に応じ適当な添加剤を添加することにより多孔化を図
ることにより、前記酵素定着補助皮膜103の材料とし
て列挙した高分子物質を用いて作製することが可能であ
る。 (2)酵素電極の製造方法 以下、本発明電気化学酵素センサの本体である酵素電極
の製造方法を、図3、図4、図5に基づき、具体的に説
明する。
【0032】連設電極部材の作製 i)先ず、所定の大きさの一枚のステンレス板(長方形)
に5mm間隔の電極成形領域を30区画分設定し、各区
画に図3のbのような形状の一対の電極抜き型を作製
し、これを電極パターン成形用マスク板とする。他方、
上端に20mm?程度の余白107を設けた、例えば熱
硬化製ポリイミドなどの合成樹脂製の基板(厚み約12
0〜150μm、縦70mm、横150mm)を用意
し、この基板に前記マスク板に重ね合わせスパッタ法に
より白金を蒸着し、前記合成樹脂製基板上に一対の白金
薄膜電極101、102を一単位とする30個の電極対
を形成する。次に白金薄膜電極の形成された前記基板の
うち、酵素皮膜を形成する部分(電極検知部)を除いた
リード電極部分に、絶縁性物質を被着する。この絶縁物
質の被着は、センサ機能を発揮させる部位以外において
無用の短絡が生じるのを防止するとともに、リード電極
部分が無用に傷つくのを防ぐために行うものである。絶
縁物質としては、例えば紫外線硬化型樹脂などが使用で
き、リード電極部分への被着は、例えばリード電極部分
以外をマスクして印刷法により前記樹脂を塗布し硬化さ
せることにより容易になし得る。
【0033】このようにして一枚の樹脂製基板上に一対
の電極を単位とした30個の電極対を形成した。以下、
一対の電極が形成された基板領域を単位電極板(図1の
1に相当)と称し、一枚の基板上に複数の単位電極板が
形成された基板を連設電極部材(106)と称する。な
お、上記で作製した連設電極部材は、単位電極板の大き
さ;約5mm×65mm(長方形)、カソード3のリー
ド電極部分の幅;1.0mm、先端3’部分の大きさ;
1.5mm×1.5mm、全長50mmであり、またア
ノード4の幅1.0mm、全長65mmであった。更に
カソード3とアノード4のリード回路部分の間隔;1.
0mm、カソード3の先端とアノードのL部分との間
隔;0.5mm、薄膜電極の厚み;約0.15μmであ
った。
【0034】酵素定着層の形成 この実施例1の酵素定着層は、前記したように酵素定着
補助膜103、酵素皮膜104及び酵素保護皮膜膜10
5から構成されている。 i)先ず前記連設電極部材106の上端余白107を残
し、隣合う単位電極板同士を境界に沿って切り離し、切
り離した裾部108に、図4、5に示すようにスペーサ
109を挿入して、裾部が互い違い(千鳥足状)となる
ようにし、粘着テープ等でスペーサを固定し前記互い違
いの状態が保持できるようにする。
【0035】ii) 千鳥足状の裾部先端を所定の深さまで
溶液Aに浸漬し、その後乾燥する操作を3回繰り返して
行った。以下同様にして溶液B、溶液Cに対しても順次
浸漬・乾燥の操作を行い、裾部先端(図1の2aに相当
する部分)に酵素定着補助皮膜103、酵素皮膜104
及び酵素保護皮膜105で構成される酵素定着層を形成
せしめる。このようにして形成せしめた各膜の厚みは、
それぞれ10〜20μm程度であった。
【0036】但し、溶液Aとしては、パーフルオロカー
ボンスルフォン酸を主成分とした含水アルコール溶液を
使用し、溶液Bとしてグルコースオキシターゼとアルブ
ミン及びグルタルアルデヒドを主成分とした水溶液を使
用し、更に溶液Cは、前記溶液Aと同一の溶液を用い
た。なお、酵素定着層の形成に当たっては複数回の浸漬
・乾燥を繰り返すことにより各皮膜の厚みを適当に調整
するのがよい。 単位電極板の切離し 酵素定着層の形成が終了したのち、スペーサ109を外
し、連設電極部材106の上端余白部分107を切断
し、個々の単位電極板とする。電極近傍にする。この
際、切断と同時に単位電極板がバラバラになるのを防止
し、その後の取扱いを容易にするために、切離し前に粘
着テープを連設電極部材全面に張ったのちに切離しを行
うのが好ましい。なお、この単位電極板のリード電極上
端にリード線を取付けて電気化学酵素センサが完成す
る。
【0037】〔比較例〕裾部切離さないで連接電極部材
106をそのまま酵素溶液A乃至Dに浸漬した以外は、
実施例1と同様な製造方法で作製した電極基板を切断し
単位電極板とし、これを比較例酵素センサとして。図1
0に比較例製造方法における浸漬の様子を示し、図11
にこのようにして作製した比較例酵素サンサの電極検知
部分の断面図を示す。
【0038】(実験)上記比較例酵素センサと、前記実
施例1で作製した本発明にかかる電気化学酵素センサと
のについて、酵素定着層の状態を観察するとともに、粘
着テープを酵素定着層に張り付けて剥がす方法により、
酵素定着層の定着性を試験した。その結果、比較例酵素
センサでは、一枚の電極基板から作製した30個の単位
電極板の内、10個について切断面(側面近傍)付近に
部分的剥離が認められ、また粘着テープによる剥離試験
では粘着テープを張り付け剥がす操作を1回行っただけ
で、30個すべてので完全に酵素定着層が剥がれた。こ
れに対し、本発明電気化学酵素センサでは、30個すべ
てについて切断面付近の剥離が観察されなかったととも
に、比較例と同様な剥離試験では全く剥離が生じなかっ
た。
【0039】〔その他の実施例〕 上記実施例1では、酵素定着層を、酵素定着補助皮
膜、酵素皮膜、保護皮膜で構成されるものとしたが、こ
のような酵素定着層とした場合、酵素定着層が剥がれに
くくまた感応素子である酵素の安定性が良いので好まし
いが、本発明にかかる電気化学酵素センサはこのような
構造に限られず、図6a、b、図7c、dに示す様な構
造の酵素定着層であってもよい。これらの構造であって
も少なくとも最表面の皮膜が電極板を包み込んだ構造で
あるので、酵素定着層が剥離し難い電気化学酵素センサ
と成し得る。
【0040】なお、図6aでは、酵素定着補助皮膜10
3が形成されていず、固定化酵素皮膜104及び酵素保
護皮膜105が電極板の2a部分の外周全面を被覆する
よう形成した構造であり、図6bでは酵素定着層が酵素
皮膜104のみで構成されており、この酵素皮膜104
が前記外周全面を被覆するようにしてある。また図7c
では酵素定着補助皮膜103及び酵素皮膜104が電極
板表面にのみ形成されており、前記外周全体を包み込む
ようになっていないが、最表面の酵素保護皮膜105が
前記外周全面を包み込んで他の皮膜の定着を補強等する
構造にしてある。更に図7dでは酵素皮膜104が電極
板表面にのみ形成され、保護皮膜105で前記外周全面
を包み込むようにして酵素皮膜の定着を補強等する構造
にしてある。
【0041】実施例1においては、基板上に電極を形
成した後、裾部を切り離すようにしたが、予め基板の電
極成形領域の境界に沿って切り込みを設けておくことも
できる。このようにすると、裾部切離しの際にカッティ
ングを施さなくとも容易に切り離すことができるので、
一層作業効率が高まる。なお、基板に予め切込みを設け
るときには、連設電極部材の上端に余白部106を設け
なくともよく、この場合には連設電極部材の上端に粘着
テープを貼るなどして上端が連接された状態を維持でき
るようにしておけばよい。
【0042】上記実施例1では、連設電極部材が単位
電極板を一列に複数形成した形状のものとしたが、図8
に示すように、一枚の電極基板に所定の数だけ連設した
電極群(図8b)を縦横に多段に形成(図8a)するこ
ともできる。このようにすると一度に大量の電極が製造
できるので生産効率が向上する。なお、このような多段
連設電極部材を使用すると場合には、上記実施例1の製
造工程に連設電極群を切り離す工程が付加されることに
なる。
【0043】実施例1では一対の電極を単位電極板と
したが、図9のように、カソードまたはアノードのみの
連接電極部材であってもよく、このような連接部材であ
っても本発明製造方法によれば、酵素定着性のよい電極
板が効率的に製造できる。また実施例1では浸漬法によ
り酵素定着を行ったが、スプレー法などの他の方法であ
ってもよい。要は、裾部切離し後に行う操作において電
極板の外周全面への被覆を実現できる塗着手段であれば
よい。
【0044】実施例1では、酵素としてグルコースオ
キシダーゼを使用したが、感応素子として種々な酵素が
使用でき、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ、乳酸オキシ
ダーゼ(乳酸)、コハク酸デヒドロゲナーゼ(コハク
酸)、アルコールオキシダーゼ(酢酸)、コレステロー
ルエステラーゼ(コレステロール)、ウリカーゼ、ウレ
アーゼ(尿酸、尿素))、リパーゼ(中性脂質)、クレ
アチナーゼ(クレアチニン)等が使用できる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明電気化学酵素センサ
によれば、電極に酵素定着層が強固に固着されているの
で、感応素子である酵素定着層が保存中に吸湿等により
反り返ることにより剥離し脱落したり、運搬中や測定中
に剥離脱落することがない。その結果、電気化学酵素セ
ンサの信頼性や精度が向上する。また本発明電気化学酵
素センサでは酵素定着層に保護皮膜が施してあるので、
外部からの物理的化学的刺激に対し安定性が高い。よっ
てセンサを長期間保存した場合であっても性能が低下し
ないとともに、被検体溶液によって酵素が劣化する程度
が小さいので、繰り返し使用性が格段に優れたものとな
る。
【0046】また本発明製造方法によれば、上記のよう
な優れた酵素サンサが簡易な製造方法により、かつ一度
に大量に製造できる。よって本発明製造方法によれば、
高信頼性、高精度の電気化学酵素センサが廉価に提供で
きるという顕著な効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気化学酵素センサを用いた電気
化学酵素センサ装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明電気化学酵素センサの酵素電極部分の構
造を示す、図1のX−X線断面模式図である。
【図3】本発明に係る連設電極部材の説明図である。
【図4】本発明に係る連設電極部材にスペーサーを挿入
した状態を示す説明図である。
【図5】本発明に係る連設電極部材にスペーサーを挿入
した状態を示す断面説明図である。
【図6】本発明の他の実施例における酵素電極部分の構
造を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施例における酵素電極部分の構
造を示す断面図である。
【図8】本発明に係る連設部材の他の態様(多段連設部
材)の説明図である。
【図9】本発明にかかる連設部材の他の態様を示す説明
図である。
【図10】連設部材に皮膜を形成する様子をを示す説明
図である。
【図11】従来例にかかる酵素電極部分の断面模式図で
ある。
【図12】従来の酵素センサ装置の概要を説明するため
の装置構成図である。
【図13】従来の酵素センサにおける酵素電極部分での
酵素層の剥離状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電気化学酵素センサ本体 2 単位電極板 3 作用極 4 参照極 101 カソード 102 アノード 103 酵素定着補助皮膜 104 酵素皮膜 105 酵素保護皮膜 106 連設電極部材 107 連接部 108 裾部 109 スペーサ 110 酵素等溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 哲志 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社滋賀研究所内 (72)発明者 遠藤 英樹 京都市右京区山ノ内山ノ下町24番地 株式 会社オムロンライフサイエンス研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知部とリード部とからなる導電性薄皮
    膜電極と、特定物質に特異的に反応する酵素を保持した
    酵素定着部とが、電極基板上に形成されてなる電気化学
    酵素センサであって、 前記酵素定着部は、前記検知部とともにこの検知部が位
    置する電極基板部位の外周全体を包み込んだ状態に形成
    されていることを特徴とする電気化学酵素センサ。
  2. 【請求項2】 前記酵素定着層は、酵素とこの酵素を定
    着し保護する高分子物質から構成されたものであること
    を特徴とする請求項1記載の電気化学酵素センサ。
  3. 【請求項3】 前記酵素定着層は、少なくとも、前記検
    知部の表面を覆う、酵素を主成分とする酵素皮膜と、前
    記酵素皮膜の表面を覆うとともに前記検知部の位置する
    電極基板部位の外周全体を包み込んだ状態に形成した酵
    素保護皮膜と、 を有することを特徴とする請求項1記載の電気化学酵素
    センサ。
  4. 【請求項4】 検知部とリード部とからなる導電性薄膜
    電極と、特定物質に特異的に反応する酵素を保持した酵
    素定着部とが、電極基板上に形成されてなる電気化学酵
    素センサの製造方法であって、 前記電気化学酵素センサの製造方法は、電極基板上に並
    列に配列された複数の電極成形領域の各々に、同一方向
    に配向する導電性薄膜電極を形成する電極形成テップ
    と、 前記複数の電極成形領域の各境界に沿って、各電極成形
    領域を繋ぎ止めるための上端連接部を残し、前記上端連
    接部の下方に位置する裾部を切り離す裾部切離しステッ
    プと、 前記裾部が、隣合う同士で上端連接部の下端を起端とし
    て前記基板面を含む平面より横方向に互い違いに広がる
    ように、スペーサを挿入するスペーサ挿入ステップと、 前記スペーサにより広げた裾部の外周全面に、皮膜を形
    成する皮膜形成ステップと、 を備えることを特徴とする電気化学酵素センサの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記皮膜形成ステップが、電極基板に酵
    素を付着させる酵素付着サブステップと、前記サブステ
    ップで付着させた酵素を定着し保護する皮膜で前記裾部
    ごと包み込む酵素定着保護膜形成サブステップと、から
    なることを特徴とする請求項4記載の電気化学酵素セン
    サの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電極形成ステップが、カソードとア
    ノードを一対とする単位電極対を複数形成することを内
    容とするものである、ことを特徴とする請求項4乃至5
    記載の電気化学酵素センサの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6記載の電気化学酵素セン
    サの製造方法において、 前記電極形成ステップの前に、裾部切離しステップで裾
    部を切り離す際に隣合う裾部同士が容易に切り離せるよ
    うに、予め電極基板に切込みを設ける切込み形成ステッ
    プを備える、ことを特徴とする電気化学酵素センサの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 検知部とリード部とからなる導電性薄膜
    電極と、特定物質に特異的に反応する酵素を保持した酵
    素定着部とが、電極基板上に形成されてなる電気化学酵
    素センサの製造方法であって、 電極基板上に並列に配列された複数の電極成形領域の各
    々に、同一方向に配向する導電性薄膜電極を形成する電
    極形成テップと、 前記電極形成ステップにより電極が複数形成された電極
    基板に酵素または酵素固定化剤を含有してなる固定化酵
    素を付着する酵素等付着ステップと、 前記酵素等付着ステップの終了後、電極基板の各電極形
    成領域の境界に沿って、上端連接部を残し、前記上端連
    接部の下方に位置する裾部を切り離す裾部切離しステッ
    プと、 前記裾部が、隣合う同士で上端連接部を起端とし基板面
    を含む平面から横方向に互い違いに広がるように、スペ
    ーサを挿入するスペーサ挿入ステップと、 前記スペーサにより広げた裾部の外周全面に、前記酵素
    等付着ステップで付着した酵素を定着保護するための皮
    膜を施す酵素定着保護被膜形成ステップと、 を有することを特徴とする電気化学酵素センサの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記電極形成ステップが、カソードとア
    ノードを一対とする単位電極対を複数形成することを内
    容とするものであることを特徴とする請求項8記載の電
    気化学酵素センサ。
  10. 【請求項10】 請求項8乃至9記載の電気化学酵素セ
    ンサの製造方法において、 前記電極形成ステップの前に、裾部切離しステップで裾
    部を切り離す際に隣合う裾部同士を容易に切り離せるよ
    うに、予め電極基板に切込みを設ける切込み形成ステッ
    プを備えることを特徴とする電気化学酵素センサの製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10267887A (ja) * 1997-01-23 1998-10-09 Daikin Ind Ltd センサ装置
KR100508114B1 (ko) * 2002-10-22 2005-08-19 한국전자통신연구원 효소 전극 센서의 외부막 형성 방법
US11629368B2 (en) 2015-11-27 2023-04-18 Radiometer Medical Aps Outer layer for enzyme sensors

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