JP2004309351A - バイオセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】電極間における短絡がなく、安定した検出出力を有し、信頼性の高いバイオセンサを提供すること。
【解決手段】多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記多孔質担体に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成ることを特徴とするバイオセンサ。
【選択図】 図1
【解決手段】多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記多孔質担体に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成ることを特徴とするバイオセンサ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はバイオセンサに関し、さらに詳しくは、電極の絶縁性を確実にし、センサー性能の安定化を図り、しかも生産性よく製造することができ、量産によるばらつきの少ないバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1により、「反応物質の移動が可能で柔軟性を有する薄膜状の多孔質固定体と、該多孔質固定体の表裏両面に一体的に形成した導電性の電極とよりなり、上記多孔質固定体には生理活物質を付加してなり、上記電極の一端には反応電極面を、他端には電極端子部を形成し、かつ、上記反応電極面と上記電極端子部との間における上記電極および上記多孔質固定体の表面は絶縁してあることを特徴とするバイオセンサ」が提案されている。
【0003】
この特許文献1における発明者が、同様の構造を有するバイオセンサを発表している(非特許文献1〜3参照)。
【0004】
上記特許文献1及び非特許文献1及び2に開示されているバイオセンサは、次のようにして製造される。定性濾紙を裁断して幅2mm、長さ70mm及び厚み0.25mmの短冊状にされた濾紙基材の両面にカーボンペーストと銀・塩化銀ペーストとをそれぞれ塗布し、乾燥することにより、長さ70mm及び幅2mmの薄膜電極を形成し、次いで、両電極の両端部が露出するように中央部に瞬間接着剤を含浸し、これを乾燥することによりモールドし、薄膜電極の両端部にセンサ感応部と端子部とをそれぞれ形成する。最後に、アルコール酸化酵素と光架橋性樹脂との混合溶液を感応部に塗布し、冷暗所にて1時間乾燥させた後に、蛍光灯照射により光架橋反応を行って前記アルコール酸化酵素を包括固定化する。カーボンペーストで形成されたカーボン電極の脆化を抑制するために、カーボンペーストのバインダは、塩ビ系樹脂から柔軟性に富むフロロエラストマーに変更し、また、不感応部分のモールド接着剤は、エポキシ系接着剤からシアノアクリレート系瞬間接着剤に変更することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3258365号公報
【非特許文献1】
“Gas−Phase Biosensor for Ethanol ” Analytical Chemistry, Vol.66,No.20,October 15,1994,p3297−3302
【非特許文献2】
“呼気アルコール計測溶簡易型酵素電極に関する研究” Journal of Advanced Science, Vol.14,No.1&2,2002,p19−20
しかしながら、前記バイオセンサには、以下のような技術的課題のあることが判明した。
(1) 前記バイオセンサは、薄膜状の多孔質固定体例えば短冊状の濾紙基材の一方の面にカーボンペーストを、また前記濾紙基材の他方の面に銀・塩化銀ペーストを塗布しているので、それらペーストの粘度、粒度及びペーストの濾紙基材への浸透程度等により、電極間の絶縁状態が安定せず、導通してしまうことがある。
(2) 上述したように、電極間おける絶縁状態が不安定であるから、製品としてのバイオセンサの品質が一定にならない。
(3) 両電極の両端部が露出するように中央部に瞬間接着剤を含浸させると、感応部及び端子部における濾紙基材にも瞬間接着剤が滲み込み、必要な感応部面積を確保することができない。
(4) 短冊状の濾紙基材の両面に、電極と成るペーストを塗布してしまうので、感応部の露出面積が小さくなってしまい、したがって、露出面積の小さい感応部に酵素を固定するのが困難に成る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記課題を解決することを目的とする。即ち、この発明の目的は、電極間を確実に絶縁し、信頼性の高いバイオセンサを提供することにある。この発明の更に具体的な目的は、電極間の絶縁性を確保し、酵素を固定化して成る感応部における感度が良好で、信頼性の高いバイオセンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段である請求項1は、
多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、絶縁材で相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記感応部に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成ることを特徴とするバイオセンサであり、
請求項2は、
前記多孔質担体、前記感応部、前記絶縁材及び前記一対の電極がシート状に形成されて成る前記請求項1に記載のバイオセンサであり、
前記請求項3は、
前記一対の電極それぞれが、前記絶縁材で挟まれて成る前記請求項2に記載のバイオセンサであり、
請求項4は、
前記一対の電極を挟む前記絶縁材のうち感応部に接する絶縁材が、前記電極と感応部とが接触する接触空間を有して成る前記請求項2又は3に記載のバイオセンサであり、
請求項5は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する感応部の表面とは反対側の表面を覆蓋した絶縁材におけるその端部から感応部における端部までの空間である前記請求項4に記載のバイオセンサであり、
請求項6は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する感応部の表面とは反対側の表面を覆蓋した絶縁材における感応部に向けて開口する貫通孔である前記請求項4に記載のバイオセンサであり、
請求項7は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する表面とは反対側の感応部の表面を覆蓋した絶縁材におけるその端部に設けられた所定面積の切り欠き部である前記請求項4に記載のバイオセンサであり、
請求項8は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材におけるその端部から感応部における端部までの空間である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項9は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材に形成された、感応部に向けて開口する貫通孔である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項10は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材おけるその端部に設けられた所定面積の切り欠き部である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項11は、
前記酵素がアルコール酸化酵素である前記請求項1〜10のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項12は、
前記一対の電極それぞれが、前記感応部の表面を被覆するように重ね合わされた二枚の絶縁シートそれぞれの内側表面に形成された薄層である前記請求項2〜11のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項13は、
前記二枚の絶縁シートそれぞれに形成された薄層からなる一対の電極が作用電極及び参照電極である前記請求項1〜12のいずれか一項に記載のバイオセンサである。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明に係るバイオセンサの一例を、図面を参照しながら、説明する。
【0009】
図1に示されるように、バイオセンサ1は、多孔質担体2aに酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部2と、第1内側絶縁材3及び第1外側絶縁材5で、また第2内側絶縁材6及び第2外側絶縁材8で相互に絶縁されると共に、前記感応部2に電気的に結合され、かつ前記感応部2に対して実質的に無積層状態に形成されて成る、第1電極4及び第2電極7からなる一対の電極とを備えて成る。
【0010】
更に言うと、図1に示されるバイオセンサ1は、略長方形のシート状をなす感応部2と、
この感応部2の一端にてこの感応部2における一方の面の一部を覆蓋するようにこの感応部2に貼付されたシート状の第1内部絶縁材3と、
この第1内部絶縁材3の前記感応部2とは反対側の表面に形成され、前記感応部2に電気的に接触する第1電極4と、
前記第1内部絶縁材3とで前記第1電極4を挟み込むように、しかも前記第1電極4の、感応部2とは反対側の端部における表面が露出するように形成され、前記第1内部絶縁材3と第1電極4とで積層体を形成する第1外部絶縁材5と、
前記感応部2の、前記第1内部絶縁材3が貼付されたのとは反対側の面の一部を覆蓋するように前記感応部2に貼付され、かつ、前記感応部2に貼付されていない部分全体が前記第1内部絶縁材3と貼付されてなるシート状の第2内部絶縁材6と、
前記感応部2の、前記第2内部絶縁材6が貼付された表面であって、この第2内部絶縁材6が覆蓋していない面全体を覆蓋し、かつ、前記第2内部絶縁材6の、前記第1内部絶縁材3が貼付された面とは反対側の面全体を覆蓋して成る第2電極7と、
前記第2内部絶縁材6とで前記第2電極7を挟み込むように、しかも前記第2電極7の、前記感応部2とは反対側の端部における表面が露出するように、前記第2電極7の表面に形成され、前記第2内部絶縁材6と前記第2電極7とで積層体を形成する第2外部絶縁材8と、
を備えて成る。
【0011】
図1に示される態様においては、シート状に形成された感応部2の一端側表面に第1内部絶縁材3の一端部が重なり合い、前記感応部2の一端側裏面に第2内部絶縁材6の一端部が重なり合う。この例においては、第1内部絶縁部材3と感応部2とが重なり合う長手方向長さと、第2内部絶縁部材6と感応部2とが重なり合う長手方向長さとが同じであり、また第1内部絶縁部材3と感応部2とが重なり合う面積と、第2内部絶縁部材6と感応部2とが重なり合う面積とが同一である。第2内部絶縁部材6の感応部2側の先端部から感応部2の先端部(第2内部絶縁部材6が接合する感応部2の端部とは反対側の端部)までが、第2電極7が感応部2に接触するための接触空間6aを形成する。第1内部絶縁材3が感応部2に接合している端部から先は、第1電極4が感応部2に電気的に接触し、その第1電極4が感応部2に接触している部分から先の感応部2が露出している。
【0012】
感応部2は、多孔質担体に酵素を担持してなり、酵素反応が十分に可能な程度にその表面を露出する。酵素反応が十分に可能な程度に露出するその表面の表面積は、酵素の種類、担持される酵素の量、多孔質担体の種類等により適宜に決定される。多孔質担体は、多孔質であるとともに酵素を担持可能な材質で形成される限り様々の材料を採用することができる。多孔質担体を形成することのできる材料として、例えば、セルロース、フッ素樹脂例えば親水性テフロン(「テフロン」は登録商標)、ポリオレフィン例えばポリエチレン、及びポリカーボネート等の有機高分子、セラミック等を挙げることができる。またこの多孔質担体の態様としては、紙、織布、不織布、織物及びセラミック焼結体等を挙げることができる。この多孔質担体は、このバイオセンサがガスセンサとして使用されるのであれば、親水性及び保水性を備えた材料を選択するのが、好ましい。この多孔質担体の形状については特に制限がないけれど、図1に示される感応部2を形成する多孔質担体はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.01〜2mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。このバイオセンサがガスセンサとして構成されるのであれば、図1に示される感応部2を形成する多孔質担体は、紙で、特に定性濾紙と同じ材料で形成されることが、好ましい。なお、この発明において「シート」の用語をもって表現しようとする概念に「フィルム」も包含される。
【0013】
この感応部2には、酵素が担持される。つまり、多孔質担体のうち酵素が担持されている部位を感応部と称される。酵素はこのバイオセンサで検出しようとする成分に応じて適宜に決定することができ、例えばこのバイオセンサで検出しようとする成分がアルコールであるときには、酵素としてアルコールオキシダーゼ、前記成分がグルコースであるときには、酵素としてβ−D−グルコースオキシダーゼ、前記成分がコレステロールであるときには、酵素としてコレステロールオキシダーゼ、前記成分がホスファチジルコリンであるときには、酵素としてホスホリパーゼ及びコリンオキシダーゼ、前記成分が尿素であるときには、酵素としてウレアーゼ、前記成分が尿酸であるときには、酵素としてウリカーゼ、前記成分が乳酸であるときには、酵素として乳酸デヒドロゲナーゼ、前記成分が蓚酸であるときには、酵素として蓚酸デカルボキシラーゼ、前記成分がピルビン酸であるときには、酵素としてピルビン酸オキシダーゼ、前記成分がアスコルビン酸であるときには、酵素としてアスコルビン酸オキシダーゼ、前記成分がトリメチルアミンであるときには、酵素としてフラビン含有モノオキシダーゼ等を挙げることができる。
【0014】
図1に示されるバイオセンサが、簡易に呼気中のアルコールを検出するためのアルコールセンサとして用いる場合には、前記酵素はアルコールオキシダーゼが好ましい。
【0015】
前記感応部2における多孔質担体に酵素を固定する方法としては、従来から公知の方法、例えば水不溶性の担体に酵素を結合させる所謂担体結合法、酵素を2個若しくはそれ以上の官能基を有する試薬と反応させる所謂架橋法、及び、酵素をゲルの微細な格子の中に包み込むか、半透明性のポリマーの被膜によって被覆する所謂包括法等を採用することができる。
【0016】
図1に示されるバイオセンサが、前記アルコールセンサとして用いる場合には、包括法により多孔質担体に酵素を固定するのが好ましい。この場合の包括法としては、アルコールオキシダーゼと光架橋性樹脂との混合液を前記多孔質担体に含浸させ、冷暗所にて乾燥した後に、光照射することにより、多孔質担体に酵素を固定する手法を挙げることができる。前記光架橋性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)とホルミルスチリルピリジニウム(FSbQ)塩とを含有する水溶性感光性ポリマー(PVA−SbQ)を好適例として挙げることができる。この水溶性感光性ポリマー(PVA−SbQ)は、光照射例えば蛍光灯の光照射により分子内で四員環を形成し、架橋して溶媒に不溶となり、併存する酵素を高分子格子内に取り込んでこれを好適に固定することができる。
【0017】
前記第1内部絶縁材3は、第1電極4を前記第1外部絶縁材5とで挟み込んで積層体を形成し、前記第1電極4と前記第2電極7とを絶縁状態にする機能を有する。このような機能を有する限り様々の絶縁材料を用いてこの第1内部絶縁材3を形成することができる。第1内部絶縁材3を形成することのできる好適な絶縁材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテン等のポリオレフィン等を挙げることができる。
【0018】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第1内部絶縁材3は、ポリエチレン等のポリオレフィン等の絶縁材料で形成するのが好ましい。更にこのバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第1内部絶縁材3はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0019】
図1に示されるように、この第1内部絶縁材3は、シート状をなす前記感応部2の一端部における一方の平らな面の一部に重なり合うように、前記感応部2に貼付される。感応部2とこの第1内部絶縁材3との貼付は、接着剤で接着してもよく、また第1内部絶縁材3が前記ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂であるならば、熱融着により接着しても良い。
【0020】
図1に示されるように、第1電極4は、感応部2と電気的に接触するように感応部2の一部表面を覆い、しかも前記第1内部絶縁材3の感応部2に接触する面とは反対側の面全体を覆蓋するように、形成される。この第1電極4は、導電性を有する限り様々の材料で形成することができる。第1電極4を形成することのできる材料として、金属例えばアルミニウム、ニッケル、銅、白金、金、及び銀等、導電性金属酸化物例えばITO、並びに炭素材料例えば炭素繊維及びカーボンナノチューブ等を挙げることができる。また第1電極4を前記感応部2の一部表面及び第1内部絶縁材3の表面に形成する方法としては、例えばスパッタ法、CVD法及び蒸着法等の金属薄膜形成法、金属薄膜を貼付する方法、導電性フィルムを貼付する方法、導電性ペーストを刷毛塗り、スプレイ、コータ塗布及び印刷法等により塗工する方法、並びにメッキ法などを挙げることができる。
【0021】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第1電極4は、導電性ペーストを印刷する印刷法により形成するのが、好ましい。このバイオセンサがアルコールセンサであるときには、この第1電極4を銀・塩化銀ペースト等の導電性ペーストで印刷法により形成して参照電極又は対極とするのが、好ましい。印刷法で導電性ペーストを第1内部絶縁材3に均一な厚みの導電性層を、容易に形成することができる。
【0022】
また、このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第1電極4は、具体的には、厚みが厚くても1mmに形成されるのが好ましい。第1電極4の厚みが前記範囲よりも大きいと、印刷法により均一な厚みの電極とするのが困難に成るからである。
【0023】
第1外部絶縁材5は、前記第1電極4を前記第1内部絶縁材3とで挟んで積層体を形成し、しかも前記第1電極4を第2電極に対して絶縁することができる限り、様々の形態を採用することができる。図1に示されるバイオセンサ1にあっては、この第1外部絶縁材5は、短冊状をしたシートに形成され、前記電極4の、前記第1内部絶縁材3が覆蓋する表面とは反対側の第1電極の表面を、感応部2側の端部から、その反対側の端部から所定の位置までを、覆蓋するように貼付されてなる。図1に示されるバイオセンサ1においては、第1外部絶縁材5で被覆されずに露出している第1電極4の表面は、電気信号の取り出しのための端子9を形成する。
【0024】
この第1外部絶縁材5は、前記第1内部絶縁材3と同様の材料で形成することができ、好ましくは前記第1内部絶縁材3と同じくポリオレフィン、特にポリエチレンで形成される。このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第1外部絶縁材5はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0025】
前記第2内部絶縁材6は、第2電極7を前記第2外部絶縁材8とで挟み込んで積層体を形成し、前記第1電極4と前記第2電極7とを絶縁状態にする機能を有する。このような機能を有する限り様々の絶縁材料を用いてこの第2内部絶縁材6を形成することができる。第2内部絶縁材6を形成することのできる好適な絶縁材料としては、前記第1内部絶縁材3と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテン等のポリオレフィン等を挙げることができる。
【0026】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第2内部絶縁材6は、ポリエチレン等のポリオレフィン等の絶縁材料で形成するのが好ましい。更にこのバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第2内部絶縁材6はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0027】
図1に示されるように、第2電極7は、感応部2と電気的に接触するように感応部2の第1内部絶縁材3が一部被覆している表面とは反対側の表面全体を被覆し、しかも前記第2内部絶縁材6の感応部2に接触する面とは反対側の面全体を覆蓋するように、形成される。この第2電極7は、導電性を有する限り様々の材料で形成することができる。この第2電極7を形成する導電性材料は前記第1電極4を形成することのできる材料と同様である。
【0028】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第2電極7は、前記第1電極4と同様に、導電性ペーストを印刷する印刷法により形成するのが、好ましい。このバイオセンサがアルコールセンサであるときには、この第2電極7をカーボンペースト等の導電性ペーストで印刷法により形成して作用電極とするのが、好ましい。印刷法で導電性ペーストを第2内部絶縁材3に塗布すると、均一な厚みの導電性層を、容易に形成することができるからである。
【0029】
また、このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第2電極7は、具体的には、厚みは大きくとも1mmに形成されるのが好ましい。第2電極7の厚みが前記範囲よりも大きいと、印刷法により均一な厚みの電極とするのが困難に成るからである。
【0030】
第2外部絶縁材8は、前記第2電極7を前記第2内部絶縁材6とで挟んで積層体を形成し、しかも前記第2電極7を第1電極4に対して絶縁することができる限り、様々の形態を採用することができる。図1に示されるバイオセンサ1にあっては、この第2外部絶縁材8は、短冊状をしたシートに形成され、前記第2外部絶縁材7の感応部2側の端部から、その反対側の端部より所定の位置までを、覆蓋するように貼付されてなる。図1に示されるバイオセンサ1においては、第2外部絶縁材8で被覆されずに露出している第2電極7の表面は、電気信号の取り出しのための端子10を形成する。
【0031】
この第2外部絶縁材8は、前記第1内部絶縁材3と同様の材料で形成することができ、好ましくは前記第1内部絶縁材3と同じくポリオレフィン、特にポリエチレンで形成される。このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第2外部絶縁材8はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0032】
以上の構成を有するところの、一例として図1に示されるバイオセンサ1は、第2外部絶縁材8、第2電極7,第2内部絶縁材6、第1内部絶縁材3、第2電極4及び第1外部絶縁材5をこの順に積層してなり、第1内部絶縁材3の一端部と第2内部絶縁材6の一端部とで多孔質担体2aの一端部を挟持し、第2電極4の一端部2の一部が感応部2の一部表面を被覆することにより第2電極4と感応部2とが電気的に結合すると共に、感応部2の表面が、酵素反応が可能な程度に露出した状態に成っており、第2電極10は、感応部2の露出表面とは反対側の表面を被覆すると共に電気的に結合して成り、一方、第1電極4及び第2電極7の感応部2とは反対側の端部表面が端子として機能するように露出して成り、全体として一本のスティック状の積層体に形成されて成る。
【0033】
図1に示されるバイオセンサ1は、例えば次のようにして製造することができる。図2に示されるように、第1内部絶縁材用長尺シート3Aと第2内部絶縁材用長尺シート6Aとを重ね合わせ、第1内部絶縁材用長尺シート3Aの端部と第2内部絶縁材用長尺シート6Aの端部との間に長尺の多孔質担体シート2Aを挟み込む。次いで、第1内部絶縁材用長尺シート3Aの表面に第1電極用薄膜4Aを形成する。第2内部絶縁材用長尺シート6Aの表面及び多孔質担体シート2Aの露出表面とに第2電極用薄膜7Aを形成する。さらに、第2電極用薄膜4Aの表面に第1外側絶縁用長尺シート5Aを形成する。また、第2電極用薄膜7Aの裏面全面に第2外側絶縁用長尺シート5Aを形成する。次いで露出する多孔質担体シート2Aの表面に、酵素を含有する液を塗布することにより、感応部用長尺シート2Bが形成される。以上のようにして形成された長尺状積層体を適宜の手段により裁断すると、バイオセンサ1が得られる。
【0034】
図1に示されるバイオセンサをアルコールセンサとして使用する場合、例えば図3及び図4に示されるようなセンサホルダーに装着される。
【0035】
図3及び図4に示されるように、このセンサホルダー11は、ケース12と、そのケース12の底面に開口するセンサ挿入口13と、ケース12の内部で相対向して配置され、前記センサ挿入口13から挿入されたバイオセンサ1における端子9,10に接触する電極端子14,15とを備えて成る。
【0036】
図5に示されるように、センサホルダー11における電極端子14,15は、例えばポテンシオスタット16に接続される。このポテンシオスタット16は、バイオセンサ1の電極に一定電位を印加し、サンプル測定時に電極に生じる電流を入力する。ポテンシオスタット16で検出された検出電流は、AD変換器17でデジタル信号に変換し、検出信号に対応するデジタル信号をコンピュータ18に取り込み、このコンピュータ18に格納されている検量線からバイオセンサ1で検出した物質の濃度を算出し、表示手段19で物質の種類及びその濃度をひょじするようにすることができる。
【0037】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサである場合、次のように動作する。
【0038】
バイオセンサ1をセンサホルダー11におけるセンサ挿入口13に挿入してセンサホルダー11内の電極端子14及び15でバイオセンサ1の端部を挟持する。この電極端子14,15は、センサ挿入口13にバイオセンサ1の感応部2とは反対側の端部から挿入すると、バイオセンサ1の端部に形成されている電極9,10を電極端子14,15が挟み、電極9,10と電極端子14,15とが電気的に導通可能に、センサホルダー11内に配置されている。したがって、このバイオセンサ1をセンサ挿入口13に挿入するだけで、このバイオセンサ1をセンサホルダー11に簡単に装着することができる。
【0039】
例えば呼気中のアルコールを検出する場合、被験者がセンサホルダー11から突出しているバイオセンサ1における感応部2に向かって息を吹きかける。
【0040】
呼気中にアルコールが含まれていると、呼気中のアルコールが感応部2に含有されている酵素であるアルコールオキシダーゼにより分解されて過酸化水素を発生させ、この過酸化水素が酸素と水素イオンとに分解する酸化反応が作用電極で生じ、その結果として作用電極(陽極)に電流が発生し、ポテンシオスタット16に入力され、AD変換器17でデジタル信号に変換され、コンピュータ18にて検量線と比較されて表示手段19でアルコールの濃度が表示される。
【0041】
なお、この発明に係るバイオセンサにおいては、電極が絶縁材で他の電極に対して十分に絶縁されているので、ゼロ濃度時(エージング時)においてはベース電流が低下していることとなり、その結果として検出対象物例えばアルコールの濃度が低くてもこのバイオセンサは高感度で検出対象物を検出することができる。
【0042】
また、このバイオセンサで検出対象物例えば呼気中のアルコールを検出しようとする場合、バイオセンサに呼気を吹きかけるようにしてもよいが、風等の雰囲気に乱されずに正確にアルコールを検出するには、呼気を一旦袋等の容器の中に入れ、その後に、その袋の中にこのバイオセンサを挿入する方法、及びあらかじめこのバイオセンサを挿入配置してある容器に呼気を吹き込む方法等を採用することもできる。
【0043】
以上に説明したバイオセンサ1は、長尺状のシート積層体に形成されているので、前記センサホルダー11に容易に装着することができ、取り扱いに便利である。また、第1電極4及び第2電極7が第1内部絶縁材3及び第2内部絶縁材6により隔絶され、電気的に絶縁されているので、第1電極4と第2電極7とが短絡することがなく、確実な絶縁状態が保持される。第1電極4と第2電極7とが確実に絶縁されているので、このバイオセンサ1は、その出力が安定したものとなる。多孔質担体に酵素を包括法により固定化することにより感応部2を形成することができるので、多孔質担体の所定面積に酵素を固定することができることになり、安定した酵素反応を生起させることができる。
【0044】
この発明に係るバイオセンサは、感応部に固定する酵素の種類を選択することにより、種々の成分を検出することのできる酵素センサにすることができる。酵素の種類とその酵素の種類により検出することのできる成分とについては、既述した。
【0045】
また、この発明に係るバイオセンサは、多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記多孔質担体に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成る限り、図1に示される構造を有するバイオセンサに限られず、種々の形態とすることができる。
【0046】
図6に示されるバイオセンサ20は、シート状に形成された内部絶縁材21と、多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出するように、前記内部絶縁材21の一端に設けられて成る感応部22と、この感応部22の表面の一部を覆蓋すると共に、前記内部絶縁材21の表面に積層された第1電極23と、この第1電極23の後端部を露出するように第1電極23の表面を覆蓋する第1外部絶縁材24と、前記感応部22の、前記第1電極23が接触する表面とは反対側の表面を覆蓋すると共に、前記内部絶縁材21の第1電極23を形成する表面とは反対側の表面を覆蓋する第2電極25と、この第2電極の後端部を露出するように第2電極25を覆蓋する第2外部絶縁材26とを積層して成る。
【0047】
図6に示す態様のバイオセンサ20も図1に示されるバイオセンサ1と同様の機能を発揮する。図6に示す態様のバイオセンサ20においても、第1電極23及び第2電極25は相互に絶縁材で絶縁されているので、第1電極23と第2電極25とが短絡することがない。しかも積層構造となっており、電極を印刷技術により形成することができ、また、多孔質担体に酵素を印刷技術により固定化することで感応部22を形成することができるので、図1に示すバイオセンサと同様に、図6に示すバイオセンサは、安定した品質で大量生産をすることができる。
【0048】
図7は、この発明に係るバイオセンサの他の例を示す。図7に示されるように、バイオセンサ30は、多孔質担体32aに酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部32と、第1内側絶縁材33及び第1外側絶縁材35で、また第2内側絶縁材36及び第2外側絶縁材38で相互に絶縁されると共に、前記感応部32に電気的に結合され、かつ前記感応部32に対して実質的に無積層状態に形成されて成る、第1電極34及び第2電極37からなる一対の電極とを備えて成る。
【0049】
このバイオセンサ30が、図1に示されるバイオセンサと異なるところは、図8に示されるように、第2内側絶縁材36の、感応部32に接する部位に、感応部32に向けて開口する貫通孔39が設けられて成ることである。この貫通孔39には、第2電極37が充填されていて、第2電極37は感応部32の裏面に電気的に接触する。したがって、この貫通孔39は、第2電極37と感応部32とが接触するために設けられた第2内側絶縁材36における接触空間である。
【0050】
第2電極37と感応部32とが接触するために設けられた接触空間は、図8に示されるように、円形に限られず、楕円形、四角形、長方形等の形状であって良い。
【0051】
さらに、図9に示されるように、この接触空間は、第2内側絶縁材36の先端から他端に向けて一定の形状、例えば長方形に切りかかれて成る切り欠き部39aであってもよい。
【0052】
このような定形の貫通孔39又は切り欠き部39aが第2内部絶縁材36に形成されていると、電極ペースト例えばカーボンペーストを第2内部絶縁材36に塗布することにより、第2電極37と感応部32との接触面積が一定になるので、感応部32で発生する電流検出感度を一定にすることができ、しかもバイオセンサを切り出しにより製造する際に、切り出し時のばらつきを抑制することができる。
【0053】
絶縁材に感応部と電極とが電気的に接触可能なように接触空間を設けることは、前記第2内部絶縁材に限定されない。
【0054】
例えば、図10及び図10に示されるように、第1内部絶縁材33の先端部に、感応部32と第1電極34とが電気的に接触可能な接触空間としての貫通孔40を形成することもできる。
【0055】
第1内部絶縁材33の先端部に形成される接触空間は、前記第2内部絶縁材36におけるのと同様に、円形に限られず、楕円形、四角形、長方形等の形状であってよい。また、第1内部絶縁材33に設けられる接触空間は、貫通孔40に限らず、前記第1内部絶縁材36におけるような、切り欠き部であってよい。
【0056】
【発明の効果】
この発明によると、電極間を確実に絶縁し、信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。また、この発明によると、電極間の絶縁性を確保し、酵素を固定化して成る感応部における感度が良好で、信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のバイオセンサの一例を示す組み立て図である。
【図2】図2は、この発明の一例であるバイオセンサを製造する方法の一例を示す斜視説明図である。
【図3】図3は、この発明の一例であるバイオセンサを装着するセンサホルダーを示す断面図である。
【図4】図4は、前記センサホルダーの底面を示す底面図である。
【図5】図5は、この発明の一例であるバイオセンサで所定成分を検出するための測定部及び表示部を原理的に示す原理説明図である。
【図6】図6は、この発明の他の例であるバイオセンサを示す断面図である。
【図7】図7は、この発明の別の例であるバイオセンサを示す断面図である。
【図8】図8は、図7に示すバイオセンサにおける第2内側絶縁材を示す平面図である。
【図9】図9は、第2内側絶縁材の他の例を示す平面図である。
【図10】図10は、この発明の更に他の例であるバイオセンサを示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示すバイオセンサにおける第1内部絶縁材を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・バイオセンサ、2・・・感応部、2A・・・多孔質担体シート、2B・・・感応部用長尺シート、3・・・第1内部絶縁材、3A・・・第1内部絶縁材用長尺シート、4・・・第1電極、4A・・・第1電極用長尺シート、5・・・第1外部絶縁材、5A・・・第1外部絶縁材用長尺シート、6・・・第1内部絶縁材、6A・・・第1内部絶縁材用長尺シート、7・・・第2電極、7A・・・第2電極用長尺シート、8・・・第2外部絶縁材、8A・・・第2外部絶縁材用長尺シート、9・・・端子、10・・・端子、11・・・センサホルダー、12・・・ケース、13・・・センサ挿入口、14,15・・・電極端子、16・・・測定部、17・・・表示部、18・・・微分回路、19・・・ピークホールド回路、20・・・バイオセンサ、21・・・内部絶縁材、22・・・感応部、23・・・第1電極、24・・・第1外部絶縁材、25・・・第2電極、26・・・第2外部絶縁材
【発明の属する技術分野】
この発明はバイオセンサに関し、さらに詳しくは、電極の絶縁性を確実にし、センサー性能の安定化を図り、しかも生産性よく製造することができ、量産によるばらつきの少ないバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1により、「反応物質の移動が可能で柔軟性を有する薄膜状の多孔質固定体と、該多孔質固定体の表裏両面に一体的に形成した導電性の電極とよりなり、上記多孔質固定体には生理活物質を付加してなり、上記電極の一端には反応電極面を、他端には電極端子部を形成し、かつ、上記反応電極面と上記電極端子部との間における上記電極および上記多孔質固定体の表面は絶縁してあることを特徴とするバイオセンサ」が提案されている。
【0003】
この特許文献1における発明者が、同様の構造を有するバイオセンサを発表している(非特許文献1〜3参照)。
【0004】
上記特許文献1及び非特許文献1及び2に開示されているバイオセンサは、次のようにして製造される。定性濾紙を裁断して幅2mm、長さ70mm及び厚み0.25mmの短冊状にされた濾紙基材の両面にカーボンペーストと銀・塩化銀ペーストとをそれぞれ塗布し、乾燥することにより、長さ70mm及び幅2mmの薄膜電極を形成し、次いで、両電極の両端部が露出するように中央部に瞬間接着剤を含浸し、これを乾燥することによりモールドし、薄膜電極の両端部にセンサ感応部と端子部とをそれぞれ形成する。最後に、アルコール酸化酵素と光架橋性樹脂との混合溶液を感応部に塗布し、冷暗所にて1時間乾燥させた後に、蛍光灯照射により光架橋反応を行って前記アルコール酸化酵素を包括固定化する。カーボンペーストで形成されたカーボン電極の脆化を抑制するために、カーボンペーストのバインダは、塩ビ系樹脂から柔軟性に富むフロロエラストマーに変更し、また、不感応部分のモールド接着剤は、エポキシ系接着剤からシアノアクリレート系瞬間接着剤に変更することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3258365号公報
【非特許文献1】
“Gas−Phase Biosensor for Ethanol ” Analytical Chemistry, Vol.66,No.20,October 15,1994,p3297−3302
【非特許文献2】
“呼気アルコール計測溶簡易型酵素電極に関する研究” Journal of Advanced Science, Vol.14,No.1&2,2002,p19−20
しかしながら、前記バイオセンサには、以下のような技術的課題のあることが判明した。
(1) 前記バイオセンサは、薄膜状の多孔質固定体例えば短冊状の濾紙基材の一方の面にカーボンペーストを、また前記濾紙基材の他方の面に銀・塩化銀ペーストを塗布しているので、それらペーストの粘度、粒度及びペーストの濾紙基材への浸透程度等により、電極間の絶縁状態が安定せず、導通してしまうことがある。
(2) 上述したように、電極間おける絶縁状態が不安定であるから、製品としてのバイオセンサの品質が一定にならない。
(3) 両電極の両端部が露出するように中央部に瞬間接着剤を含浸させると、感応部及び端子部における濾紙基材にも瞬間接着剤が滲み込み、必要な感応部面積を確保することができない。
(4) 短冊状の濾紙基材の両面に、電極と成るペーストを塗布してしまうので、感応部の露出面積が小さくなってしまい、したがって、露出面積の小さい感応部に酵素を固定するのが困難に成る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記課題を解決することを目的とする。即ち、この発明の目的は、電極間を確実に絶縁し、信頼性の高いバイオセンサを提供することにある。この発明の更に具体的な目的は、電極間の絶縁性を確保し、酵素を固定化して成る感応部における感度が良好で、信頼性の高いバイオセンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段である請求項1は、
多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、絶縁材で相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記感応部に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成ることを特徴とするバイオセンサであり、
請求項2は、
前記多孔質担体、前記感応部、前記絶縁材及び前記一対の電極がシート状に形成されて成る前記請求項1に記載のバイオセンサであり、
前記請求項3は、
前記一対の電極それぞれが、前記絶縁材で挟まれて成る前記請求項2に記載のバイオセンサであり、
請求項4は、
前記一対の電極を挟む前記絶縁材のうち感応部に接する絶縁材が、前記電極と感応部とが接触する接触空間を有して成る前記請求項2又は3に記載のバイオセンサであり、
請求項5は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する感応部の表面とは反対側の表面を覆蓋した絶縁材におけるその端部から感応部における端部までの空間である前記請求項4に記載のバイオセンサであり、
請求項6は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する感応部の表面とは反対側の表面を覆蓋した絶縁材における感応部に向けて開口する貫通孔である前記請求項4に記載のバイオセンサであり、
請求項7は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する表面とは反対側の感応部の表面を覆蓋した絶縁材におけるその端部に設けられた所定面積の切り欠き部である前記請求項4に記載のバイオセンサであり、
請求項8は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材におけるその端部から感応部における端部までの空間である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項9は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材に形成された、感応部に向けて開口する貫通孔である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項10は、
前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材おけるその端部に設けられた所定面積の切り欠き部である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項11は、
前記酵素がアルコール酸化酵素である前記請求項1〜10のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項12は、
前記一対の電極それぞれが、前記感応部の表面を被覆するように重ね合わされた二枚の絶縁シートそれぞれの内側表面に形成された薄層である前記請求項2〜11のいずれか一項に記載のバイオセンサであり、
請求項13は、
前記二枚の絶縁シートそれぞれに形成された薄層からなる一対の電極が作用電極及び参照電極である前記請求項1〜12のいずれか一項に記載のバイオセンサである。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明に係るバイオセンサの一例を、図面を参照しながら、説明する。
【0009】
図1に示されるように、バイオセンサ1は、多孔質担体2aに酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部2と、第1内側絶縁材3及び第1外側絶縁材5で、また第2内側絶縁材6及び第2外側絶縁材8で相互に絶縁されると共に、前記感応部2に電気的に結合され、かつ前記感応部2に対して実質的に無積層状態に形成されて成る、第1電極4及び第2電極7からなる一対の電極とを備えて成る。
【0010】
更に言うと、図1に示されるバイオセンサ1は、略長方形のシート状をなす感応部2と、
この感応部2の一端にてこの感応部2における一方の面の一部を覆蓋するようにこの感応部2に貼付されたシート状の第1内部絶縁材3と、
この第1内部絶縁材3の前記感応部2とは反対側の表面に形成され、前記感応部2に電気的に接触する第1電極4と、
前記第1内部絶縁材3とで前記第1電極4を挟み込むように、しかも前記第1電極4の、感応部2とは反対側の端部における表面が露出するように形成され、前記第1内部絶縁材3と第1電極4とで積層体を形成する第1外部絶縁材5と、
前記感応部2の、前記第1内部絶縁材3が貼付されたのとは反対側の面の一部を覆蓋するように前記感応部2に貼付され、かつ、前記感応部2に貼付されていない部分全体が前記第1内部絶縁材3と貼付されてなるシート状の第2内部絶縁材6と、
前記感応部2の、前記第2内部絶縁材6が貼付された表面であって、この第2内部絶縁材6が覆蓋していない面全体を覆蓋し、かつ、前記第2内部絶縁材6の、前記第1内部絶縁材3が貼付された面とは反対側の面全体を覆蓋して成る第2電極7と、
前記第2内部絶縁材6とで前記第2電極7を挟み込むように、しかも前記第2電極7の、前記感応部2とは反対側の端部における表面が露出するように、前記第2電極7の表面に形成され、前記第2内部絶縁材6と前記第2電極7とで積層体を形成する第2外部絶縁材8と、
を備えて成る。
【0011】
図1に示される態様においては、シート状に形成された感応部2の一端側表面に第1内部絶縁材3の一端部が重なり合い、前記感応部2の一端側裏面に第2内部絶縁材6の一端部が重なり合う。この例においては、第1内部絶縁部材3と感応部2とが重なり合う長手方向長さと、第2内部絶縁部材6と感応部2とが重なり合う長手方向長さとが同じであり、また第1内部絶縁部材3と感応部2とが重なり合う面積と、第2内部絶縁部材6と感応部2とが重なり合う面積とが同一である。第2内部絶縁部材6の感応部2側の先端部から感応部2の先端部(第2内部絶縁部材6が接合する感応部2の端部とは反対側の端部)までが、第2電極7が感応部2に接触するための接触空間6aを形成する。第1内部絶縁材3が感応部2に接合している端部から先は、第1電極4が感応部2に電気的に接触し、その第1電極4が感応部2に接触している部分から先の感応部2が露出している。
【0012】
感応部2は、多孔質担体に酵素を担持してなり、酵素反応が十分に可能な程度にその表面を露出する。酵素反応が十分に可能な程度に露出するその表面の表面積は、酵素の種類、担持される酵素の量、多孔質担体の種類等により適宜に決定される。多孔質担体は、多孔質であるとともに酵素を担持可能な材質で形成される限り様々の材料を採用することができる。多孔質担体を形成することのできる材料として、例えば、セルロース、フッ素樹脂例えば親水性テフロン(「テフロン」は登録商標)、ポリオレフィン例えばポリエチレン、及びポリカーボネート等の有機高分子、セラミック等を挙げることができる。またこの多孔質担体の態様としては、紙、織布、不織布、織物及びセラミック焼結体等を挙げることができる。この多孔質担体は、このバイオセンサがガスセンサとして使用されるのであれば、親水性及び保水性を備えた材料を選択するのが、好ましい。この多孔質担体の形状については特に制限がないけれど、図1に示される感応部2を形成する多孔質担体はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.01〜2mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。このバイオセンサがガスセンサとして構成されるのであれば、図1に示される感応部2を形成する多孔質担体は、紙で、特に定性濾紙と同じ材料で形成されることが、好ましい。なお、この発明において「シート」の用語をもって表現しようとする概念に「フィルム」も包含される。
【0013】
この感応部2には、酵素が担持される。つまり、多孔質担体のうち酵素が担持されている部位を感応部と称される。酵素はこのバイオセンサで検出しようとする成分に応じて適宜に決定することができ、例えばこのバイオセンサで検出しようとする成分がアルコールであるときには、酵素としてアルコールオキシダーゼ、前記成分がグルコースであるときには、酵素としてβ−D−グルコースオキシダーゼ、前記成分がコレステロールであるときには、酵素としてコレステロールオキシダーゼ、前記成分がホスファチジルコリンであるときには、酵素としてホスホリパーゼ及びコリンオキシダーゼ、前記成分が尿素であるときには、酵素としてウレアーゼ、前記成分が尿酸であるときには、酵素としてウリカーゼ、前記成分が乳酸であるときには、酵素として乳酸デヒドロゲナーゼ、前記成分が蓚酸であるときには、酵素として蓚酸デカルボキシラーゼ、前記成分がピルビン酸であるときには、酵素としてピルビン酸オキシダーゼ、前記成分がアスコルビン酸であるときには、酵素としてアスコルビン酸オキシダーゼ、前記成分がトリメチルアミンであるときには、酵素としてフラビン含有モノオキシダーゼ等を挙げることができる。
【0014】
図1に示されるバイオセンサが、簡易に呼気中のアルコールを検出するためのアルコールセンサとして用いる場合には、前記酵素はアルコールオキシダーゼが好ましい。
【0015】
前記感応部2における多孔質担体に酵素を固定する方法としては、従来から公知の方法、例えば水不溶性の担体に酵素を結合させる所謂担体結合法、酵素を2個若しくはそれ以上の官能基を有する試薬と反応させる所謂架橋法、及び、酵素をゲルの微細な格子の中に包み込むか、半透明性のポリマーの被膜によって被覆する所謂包括法等を採用することができる。
【0016】
図1に示されるバイオセンサが、前記アルコールセンサとして用いる場合には、包括法により多孔質担体に酵素を固定するのが好ましい。この場合の包括法としては、アルコールオキシダーゼと光架橋性樹脂との混合液を前記多孔質担体に含浸させ、冷暗所にて乾燥した後に、光照射することにより、多孔質担体に酵素を固定する手法を挙げることができる。前記光架橋性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)とホルミルスチリルピリジニウム(FSbQ)塩とを含有する水溶性感光性ポリマー(PVA−SbQ)を好適例として挙げることができる。この水溶性感光性ポリマー(PVA−SbQ)は、光照射例えば蛍光灯の光照射により分子内で四員環を形成し、架橋して溶媒に不溶となり、併存する酵素を高分子格子内に取り込んでこれを好適に固定することができる。
【0017】
前記第1内部絶縁材3は、第1電極4を前記第1外部絶縁材5とで挟み込んで積層体を形成し、前記第1電極4と前記第2電極7とを絶縁状態にする機能を有する。このような機能を有する限り様々の絶縁材料を用いてこの第1内部絶縁材3を形成することができる。第1内部絶縁材3を形成することのできる好適な絶縁材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテン等のポリオレフィン等を挙げることができる。
【0018】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第1内部絶縁材3は、ポリエチレン等のポリオレフィン等の絶縁材料で形成するのが好ましい。更にこのバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第1内部絶縁材3はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0019】
図1に示されるように、この第1内部絶縁材3は、シート状をなす前記感応部2の一端部における一方の平らな面の一部に重なり合うように、前記感応部2に貼付される。感応部2とこの第1内部絶縁材3との貼付は、接着剤で接着してもよく、また第1内部絶縁材3が前記ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂であるならば、熱融着により接着しても良い。
【0020】
図1に示されるように、第1電極4は、感応部2と電気的に接触するように感応部2の一部表面を覆い、しかも前記第1内部絶縁材3の感応部2に接触する面とは反対側の面全体を覆蓋するように、形成される。この第1電極4は、導電性を有する限り様々の材料で形成することができる。第1電極4を形成することのできる材料として、金属例えばアルミニウム、ニッケル、銅、白金、金、及び銀等、導電性金属酸化物例えばITO、並びに炭素材料例えば炭素繊維及びカーボンナノチューブ等を挙げることができる。また第1電極4を前記感応部2の一部表面及び第1内部絶縁材3の表面に形成する方法としては、例えばスパッタ法、CVD法及び蒸着法等の金属薄膜形成法、金属薄膜を貼付する方法、導電性フィルムを貼付する方法、導電性ペーストを刷毛塗り、スプレイ、コータ塗布及び印刷法等により塗工する方法、並びにメッキ法などを挙げることができる。
【0021】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第1電極4は、導電性ペーストを印刷する印刷法により形成するのが、好ましい。このバイオセンサがアルコールセンサであるときには、この第1電極4を銀・塩化銀ペースト等の導電性ペーストで印刷法により形成して参照電極又は対極とするのが、好ましい。印刷法で導電性ペーストを第1内部絶縁材3に均一な厚みの導電性層を、容易に形成することができる。
【0022】
また、このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第1電極4は、具体的には、厚みが厚くても1mmに形成されるのが好ましい。第1電極4の厚みが前記範囲よりも大きいと、印刷法により均一な厚みの電極とするのが困難に成るからである。
【0023】
第1外部絶縁材5は、前記第1電極4を前記第1内部絶縁材3とで挟んで積層体を形成し、しかも前記第1電極4を第2電極に対して絶縁することができる限り、様々の形態を採用することができる。図1に示されるバイオセンサ1にあっては、この第1外部絶縁材5は、短冊状をしたシートに形成され、前記電極4の、前記第1内部絶縁材3が覆蓋する表面とは反対側の第1電極の表面を、感応部2側の端部から、その反対側の端部から所定の位置までを、覆蓋するように貼付されてなる。図1に示されるバイオセンサ1においては、第1外部絶縁材5で被覆されずに露出している第1電極4の表面は、電気信号の取り出しのための端子9を形成する。
【0024】
この第1外部絶縁材5は、前記第1内部絶縁材3と同様の材料で形成することができ、好ましくは前記第1内部絶縁材3と同じくポリオレフィン、特にポリエチレンで形成される。このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第1外部絶縁材5はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0025】
前記第2内部絶縁材6は、第2電極7を前記第2外部絶縁材8とで挟み込んで積層体を形成し、前記第1電極4と前記第2電極7とを絶縁状態にする機能を有する。このような機能を有する限り様々の絶縁材料を用いてこの第2内部絶縁材6を形成することができる。第2内部絶縁材6を形成することのできる好適な絶縁材料としては、前記第1内部絶縁材3と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテン等のポリオレフィン等を挙げることができる。
【0026】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第2内部絶縁材6は、ポリエチレン等のポリオレフィン等の絶縁材料で形成するのが好ましい。更にこのバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第2内部絶縁材6はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0027】
図1に示されるように、第2電極7は、感応部2と電気的に接触するように感応部2の第1内部絶縁材3が一部被覆している表面とは反対側の表面全体を被覆し、しかも前記第2内部絶縁材6の感応部2に接触する面とは反対側の面全体を覆蓋するように、形成される。この第2電極7は、導電性を有する限り様々の材料で形成することができる。この第2電極7を形成する導電性材料は前記第1電極4を形成することのできる材料と同様である。
【0028】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、この第2電極7は、前記第1電極4と同様に、導電性ペーストを印刷する印刷法により形成するのが、好ましい。このバイオセンサがアルコールセンサであるときには、この第2電極7をカーボンペースト等の導電性ペーストで印刷法により形成して作用電極とするのが、好ましい。印刷法で導電性ペーストを第2内部絶縁材3に塗布すると、均一な厚みの導電性層を、容易に形成することができるからである。
【0029】
また、このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第2電極7は、具体的には、厚みは大きくとも1mmに形成されるのが好ましい。第2電極7の厚みが前記範囲よりも大きいと、印刷法により均一な厚みの電極とするのが困難に成るからである。
【0030】
第2外部絶縁材8は、前記第2電極7を前記第2内部絶縁材6とで挟んで積層体を形成し、しかも前記第2電極7を第1電極4に対して絶縁することができる限り、様々の形態を採用することができる。図1に示されるバイオセンサ1にあっては、この第2外部絶縁材8は、短冊状をしたシートに形成され、前記第2外部絶縁材7の感応部2側の端部から、その反対側の端部より所定の位置までを、覆蓋するように貼付されてなる。図1に示されるバイオセンサ1においては、第2外部絶縁材8で被覆されずに露出している第2電極7の表面は、電気信号の取り出しのための端子10を形成する。
【0031】
この第2外部絶縁材8は、前記第1内部絶縁材3と同様の材料で形成することができ、好ましくは前記第1内部絶縁材3と同じくポリオレフィン、特にポリエチレンで形成される。このバイオセンサがアルコールセンサとして用いられる場合には、図1に示される第2外部絶縁材8はシート状又は短冊状をなし、具体的には、厚み0.001〜1mm、及び横(幅)0.05〜20mmの寸法を有し、縦の寸法はバイオセンサの種類、規模及びコスト等の観点から任意に決定される薄片である。
【0032】
以上の構成を有するところの、一例として図1に示されるバイオセンサ1は、第2外部絶縁材8、第2電極7,第2内部絶縁材6、第1内部絶縁材3、第2電極4及び第1外部絶縁材5をこの順に積層してなり、第1内部絶縁材3の一端部と第2内部絶縁材6の一端部とで多孔質担体2aの一端部を挟持し、第2電極4の一端部2の一部が感応部2の一部表面を被覆することにより第2電極4と感応部2とが電気的に結合すると共に、感応部2の表面が、酵素反応が可能な程度に露出した状態に成っており、第2電極10は、感応部2の露出表面とは反対側の表面を被覆すると共に電気的に結合して成り、一方、第1電極4及び第2電極7の感応部2とは反対側の端部表面が端子として機能するように露出して成り、全体として一本のスティック状の積層体に形成されて成る。
【0033】
図1に示されるバイオセンサ1は、例えば次のようにして製造することができる。図2に示されるように、第1内部絶縁材用長尺シート3Aと第2内部絶縁材用長尺シート6Aとを重ね合わせ、第1内部絶縁材用長尺シート3Aの端部と第2内部絶縁材用長尺シート6Aの端部との間に長尺の多孔質担体シート2Aを挟み込む。次いで、第1内部絶縁材用長尺シート3Aの表面に第1電極用薄膜4Aを形成する。第2内部絶縁材用長尺シート6Aの表面及び多孔質担体シート2Aの露出表面とに第2電極用薄膜7Aを形成する。さらに、第2電極用薄膜4Aの表面に第1外側絶縁用長尺シート5Aを形成する。また、第2電極用薄膜7Aの裏面全面に第2外側絶縁用長尺シート5Aを形成する。次いで露出する多孔質担体シート2Aの表面に、酵素を含有する液を塗布することにより、感応部用長尺シート2Bが形成される。以上のようにして形成された長尺状積層体を適宜の手段により裁断すると、バイオセンサ1が得られる。
【0034】
図1に示されるバイオセンサをアルコールセンサとして使用する場合、例えば図3及び図4に示されるようなセンサホルダーに装着される。
【0035】
図3及び図4に示されるように、このセンサホルダー11は、ケース12と、そのケース12の底面に開口するセンサ挿入口13と、ケース12の内部で相対向して配置され、前記センサ挿入口13から挿入されたバイオセンサ1における端子9,10に接触する電極端子14,15とを備えて成る。
【0036】
図5に示されるように、センサホルダー11における電極端子14,15は、例えばポテンシオスタット16に接続される。このポテンシオスタット16は、バイオセンサ1の電極に一定電位を印加し、サンプル測定時に電極に生じる電流を入力する。ポテンシオスタット16で検出された検出電流は、AD変換器17でデジタル信号に変換し、検出信号に対応するデジタル信号をコンピュータ18に取り込み、このコンピュータ18に格納されている検量線からバイオセンサ1で検出した物質の濃度を算出し、表示手段19で物質の種類及びその濃度をひょじするようにすることができる。
【0037】
図1に示されるバイオセンサがアルコールセンサである場合、次のように動作する。
【0038】
バイオセンサ1をセンサホルダー11におけるセンサ挿入口13に挿入してセンサホルダー11内の電極端子14及び15でバイオセンサ1の端部を挟持する。この電極端子14,15は、センサ挿入口13にバイオセンサ1の感応部2とは反対側の端部から挿入すると、バイオセンサ1の端部に形成されている電極9,10を電極端子14,15が挟み、電極9,10と電極端子14,15とが電気的に導通可能に、センサホルダー11内に配置されている。したがって、このバイオセンサ1をセンサ挿入口13に挿入するだけで、このバイオセンサ1をセンサホルダー11に簡単に装着することができる。
【0039】
例えば呼気中のアルコールを検出する場合、被験者がセンサホルダー11から突出しているバイオセンサ1における感応部2に向かって息を吹きかける。
【0040】
呼気中にアルコールが含まれていると、呼気中のアルコールが感応部2に含有されている酵素であるアルコールオキシダーゼにより分解されて過酸化水素を発生させ、この過酸化水素が酸素と水素イオンとに分解する酸化反応が作用電極で生じ、その結果として作用電極(陽極)に電流が発生し、ポテンシオスタット16に入力され、AD変換器17でデジタル信号に変換され、コンピュータ18にて検量線と比較されて表示手段19でアルコールの濃度が表示される。
【0041】
なお、この発明に係るバイオセンサにおいては、電極が絶縁材で他の電極に対して十分に絶縁されているので、ゼロ濃度時(エージング時)においてはベース電流が低下していることとなり、その結果として検出対象物例えばアルコールの濃度が低くてもこのバイオセンサは高感度で検出対象物を検出することができる。
【0042】
また、このバイオセンサで検出対象物例えば呼気中のアルコールを検出しようとする場合、バイオセンサに呼気を吹きかけるようにしてもよいが、風等の雰囲気に乱されずに正確にアルコールを検出するには、呼気を一旦袋等の容器の中に入れ、その後に、その袋の中にこのバイオセンサを挿入する方法、及びあらかじめこのバイオセンサを挿入配置してある容器に呼気を吹き込む方法等を採用することもできる。
【0043】
以上に説明したバイオセンサ1は、長尺状のシート積層体に形成されているので、前記センサホルダー11に容易に装着することができ、取り扱いに便利である。また、第1電極4及び第2電極7が第1内部絶縁材3及び第2内部絶縁材6により隔絶され、電気的に絶縁されているので、第1電極4と第2電極7とが短絡することがなく、確実な絶縁状態が保持される。第1電極4と第2電極7とが確実に絶縁されているので、このバイオセンサ1は、その出力が安定したものとなる。多孔質担体に酵素を包括法により固定化することにより感応部2を形成することができるので、多孔質担体の所定面積に酵素を固定することができることになり、安定した酵素反応を生起させることができる。
【0044】
この発明に係るバイオセンサは、感応部に固定する酵素の種類を選択することにより、種々の成分を検出することのできる酵素センサにすることができる。酵素の種類とその酵素の種類により検出することのできる成分とについては、既述した。
【0045】
また、この発明に係るバイオセンサは、多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記多孔質担体に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成る限り、図1に示される構造を有するバイオセンサに限られず、種々の形態とすることができる。
【0046】
図6に示されるバイオセンサ20は、シート状に形成された内部絶縁材21と、多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出するように、前記内部絶縁材21の一端に設けられて成る感応部22と、この感応部22の表面の一部を覆蓋すると共に、前記内部絶縁材21の表面に積層された第1電極23と、この第1電極23の後端部を露出するように第1電極23の表面を覆蓋する第1外部絶縁材24と、前記感応部22の、前記第1電極23が接触する表面とは反対側の表面を覆蓋すると共に、前記内部絶縁材21の第1電極23を形成する表面とは反対側の表面を覆蓋する第2電極25と、この第2電極の後端部を露出するように第2電極25を覆蓋する第2外部絶縁材26とを積層して成る。
【0047】
図6に示す態様のバイオセンサ20も図1に示されるバイオセンサ1と同様の機能を発揮する。図6に示す態様のバイオセンサ20においても、第1電極23及び第2電極25は相互に絶縁材で絶縁されているので、第1電極23と第2電極25とが短絡することがない。しかも積層構造となっており、電極を印刷技術により形成することができ、また、多孔質担体に酵素を印刷技術により固定化することで感応部22を形成することができるので、図1に示すバイオセンサと同様に、図6に示すバイオセンサは、安定した品質で大量生産をすることができる。
【0048】
図7は、この発明に係るバイオセンサの他の例を示す。図7に示されるように、バイオセンサ30は、多孔質担体32aに酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部32と、第1内側絶縁材33及び第1外側絶縁材35で、また第2内側絶縁材36及び第2外側絶縁材38で相互に絶縁されると共に、前記感応部32に電気的に結合され、かつ前記感応部32に対して実質的に無積層状態に形成されて成る、第1電極34及び第2電極37からなる一対の電極とを備えて成る。
【0049】
このバイオセンサ30が、図1に示されるバイオセンサと異なるところは、図8に示されるように、第2内側絶縁材36の、感応部32に接する部位に、感応部32に向けて開口する貫通孔39が設けられて成ることである。この貫通孔39には、第2電極37が充填されていて、第2電極37は感応部32の裏面に電気的に接触する。したがって、この貫通孔39は、第2電極37と感応部32とが接触するために設けられた第2内側絶縁材36における接触空間である。
【0050】
第2電極37と感応部32とが接触するために設けられた接触空間は、図8に示されるように、円形に限られず、楕円形、四角形、長方形等の形状であって良い。
【0051】
さらに、図9に示されるように、この接触空間は、第2内側絶縁材36の先端から他端に向けて一定の形状、例えば長方形に切りかかれて成る切り欠き部39aであってもよい。
【0052】
このような定形の貫通孔39又は切り欠き部39aが第2内部絶縁材36に形成されていると、電極ペースト例えばカーボンペーストを第2内部絶縁材36に塗布することにより、第2電極37と感応部32との接触面積が一定になるので、感応部32で発生する電流検出感度を一定にすることができ、しかもバイオセンサを切り出しにより製造する際に、切り出し時のばらつきを抑制することができる。
【0053】
絶縁材に感応部と電極とが電気的に接触可能なように接触空間を設けることは、前記第2内部絶縁材に限定されない。
【0054】
例えば、図10及び図10に示されるように、第1内部絶縁材33の先端部に、感応部32と第1電極34とが電気的に接触可能な接触空間としての貫通孔40を形成することもできる。
【0055】
第1内部絶縁材33の先端部に形成される接触空間は、前記第2内部絶縁材36におけるのと同様に、円形に限られず、楕円形、四角形、長方形等の形状であってよい。また、第1内部絶縁材33に設けられる接触空間は、貫通孔40に限らず、前記第1内部絶縁材36におけるような、切り欠き部であってよい。
【0056】
【発明の効果】
この発明によると、電極間を確実に絶縁し、信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。また、この発明によると、電極間の絶縁性を確保し、酵素を固定化して成る感応部における感度が良好で、信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のバイオセンサの一例を示す組み立て図である。
【図2】図2は、この発明の一例であるバイオセンサを製造する方法の一例を示す斜視説明図である。
【図3】図3は、この発明の一例であるバイオセンサを装着するセンサホルダーを示す断面図である。
【図4】図4は、前記センサホルダーの底面を示す底面図である。
【図5】図5は、この発明の一例であるバイオセンサで所定成分を検出するための測定部及び表示部を原理的に示す原理説明図である。
【図6】図6は、この発明の他の例であるバイオセンサを示す断面図である。
【図7】図7は、この発明の別の例であるバイオセンサを示す断面図である。
【図8】図8は、図7に示すバイオセンサにおける第2内側絶縁材を示す平面図である。
【図9】図9は、第2内側絶縁材の他の例を示す平面図である。
【図10】図10は、この発明の更に他の例であるバイオセンサを示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示すバイオセンサにおける第1内部絶縁材を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・バイオセンサ、2・・・感応部、2A・・・多孔質担体シート、2B・・・感応部用長尺シート、3・・・第1内部絶縁材、3A・・・第1内部絶縁材用長尺シート、4・・・第1電極、4A・・・第1電極用長尺シート、5・・・第1外部絶縁材、5A・・・第1外部絶縁材用長尺シート、6・・・第1内部絶縁材、6A・・・第1内部絶縁材用長尺シート、7・・・第2電極、7A・・・第2電極用長尺シート、8・・・第2外部絶縁材、8A・・・第2外部絶縁材用長尺シート、9・・・端子、10・・・端子、11・・・センサホルダー、12・・・ケース、13・・・センサ挿入口、14,15・・・電極端子、16・・・測定部、17・・・表示部、18・・・微分回路、19・・・ピークホールド回路、20・・・バイオセンサ、21・・・内部絶縁材、22・・・感応部、23・・・第1電極、24・・・第1外部絶縁材、25・・・第2電極、26・・・第2外部絶縁材
Claims (13)
- 多孔質担体に酵素を担持して成り、酵素反応が可能な程度にその表面を露出する感応部と、絶縁材で相互に絶縁されると共に、前記感応部に電気的に結合され、かつ前記感応部に対して実質的に無積層状態に形成されてなる一対の電極とを備えて成ることを特徴とするバイオセンサ。
- 前記多孔質担体、前記感応部、前記絶縁材及び前記一対の電極がシート状に形成されて成る前記請求項1に記載のバイオセンサ。
- 前記一対の電極それぞれが、前記絶縁材で挟まれて成る前記請求項2に記載のバイオセンサ。
- 前記一対の電極を挟む前記絶縁材のうち感応部に接する絶縁材が、前記電極と感応部とが接触する接触空間を有して成る前記請求項2又は3に記載のバイオセンサ。
- 前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する感応部の表面とは反対側の表面を覆蓋した絶縁材におけるその端部から感応部における端部までの空間である前記請求項4に記載のバイオセンサ。
- 前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する感応部の表面とは反対側の表面を覆蓋した絶縁材における感応部に向けて開口する貫通孔である前記請求項4に記載のバイオセンサ。
- 前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する表面とは反対側の感応部の表面を覆蓋した絶縁材におけるその端部に設けられた所定面積の切り欠き部である前記請求項4に記載のバイオセンサ。
- 前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材におけるその端部から感応部における端部までの空間である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
- 前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材に形成された、感応部に向けて開口する貫通孔である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
- 前記接触空間が、前記酵素反応が可能な程度に露出する前記感応部の表面の一部を覆蓋した絶縁材おけるその端部に設けられた所定面積の切り欠き部である前記請求項4〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
- 前記酵素がアルコール酸化酵素である前記請求項1〜10のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
- 前記一対の電極それぞれが、前記感応部の表面を被覆するように重ね合わされた二枚の絶縁シートそれぞれの内側表面に形成された薄層である前記請求項2〜11のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
- 前記二枚の絶縁シートそれぞれに形成された薄層からなる一対の電極が作用電極及び参照電極である前記請求項1〜12のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
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