JP2009519106A - バイオセンサならびにその作製および使用方法 - Google Patents

バイオセンサならびにその作製および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態は、最適化された選択透過性膜を有する被分析物質センサ、およびそうしたセンサを作製しかつ使用するための方法を提供する。本発明の実施形態は、被分析物質感知組成物でコーティングされた多孔性マトリックスを有するものなどの被分析物質センサ、およびそうしたセンサを作製しかつ使用するための方法も提供する。例示の実施形態は、グルコースオキシダーゼコーティングを有する電気化学的グルコースセンサを含む。

Description

本発明は、グルコースや乳酸塩などの被分析物質の検出および測定のためにセンサにおいて用いられる素子、およびこれらの素子を作製および使用するための方法に関する。
本出願は、2002年10月18日出願の米国特許出願第10/273,767号(米国特許第2004−0074785−A1号として公開)および2004年6月4日出願の米国特許出願第10/861,837号に関連するものである。その両方を本願に引用して援用する。
グルコースや乳酸塩などの生化学的被分析物質のアッセイは、様々な臨床関係において重要である。例えば、人体の流体中のグルコース濃度のモニタリングは特に糖尿病管理に関係する。糖尿病を管理するため、例えば、切迫性低血糖症または実際に起こっている低血糖症の警告ならびにその回避のために、人体に埋め込まれたセンサを含む連続的または間欠的に動作するグルコースセンサが求められている。人体の流体中の乳酸塩濃度のモニタリングは、これらに限定されないが、外傷性傷害、心筋梗塞、うっ血性心不全、肺水腫および敗血症を含む多くの病状の診断や評価において有用である。
生理学的変数をモニタするのに通常用いられる生物医学的測定デバイスには、適切な酵素コーティングにより改変された電極を用いるアンペロメトリックセンサデバイスが含まれる。そうした酵素電極を有するセンサは、例えば、検出可能な共反応物質を使用しかつ/または検出可能な反応生成物を生成する、酵素と被分析物質の反応を利用することによって、種々の被分析物質の濃度を、ユーザが迅速にかつ相当な精度で測定できるようにする。例えば、図1に示すように、グルコースオキシダーゼ(GOx)によって触媒作用されるグルコースと酸素との反応を基にした複数のグルコースセンサが開発されている。この関連では、当業界で知られているセンサを用いた生理学的グルコース濃度の正確な測定には、一般に、酸素と水の両方が過剰に存在することが必要である。グルコースと酸素がセンサ上の固定化酵素層の中に拡散するのに従って、グルコースは酸素と反応してHを生成する。グルコースは、酸素および/または過酸化水素−感受性電極に結合された固定化酵素グルコースオキシダーゼを用いて電気化学的に検出することができる。反応によって、酸素の減少と、試料媒体中のグルコースの濃度に比例した過酸化水素の生成がもたらされる。典型的なデバイスは、酵素反応が存在するかまたは存在しない条件下で、酸素または過酸化水素の濃度を感知するための(これらに限定されないが)少なくとも2つの検出電極または少なくとも1つの検出電極および基準シグナル源を含む。さらに、全部そろったモニタリングシステムは、一般に、対象の物質の濃度の差を測定するための電子的感知および制御の手段を備える。この差から、グルコースなどの被分析物質の濃度を測定することができる。
そうした様々な被分析物質センサ、ならびにセンサを作製しかつ使用するための方法は当業界で周知である。このようなセンサ、センサセットおよびその作製方法の例は、例えば、米国特許第5,390,691号、同第5,391,250号、同第5,482,473号、同第5,299,571号、同第5,568,806号、ならびにPCT国際公開番号WO01/58348、WO03/034902、WO03/035117、WO03/035891、WO03/023388、WO03/022128、WO03/022352、WO03/023708、WO03/036255、WO03/036310およびWO03/074107に記載されている。それぞれの内容を本願に引用して援用する。
米国特許第5,390,691号 米国特許第5,391,250号 米国特許第5,482,473号 米国特許第5,299,571号 米国特許第5,568,806号 国際公開第01/58348号 国際公開第03/034902号 国際公開第03/035117号 国際公開第03/035891号 国際公開第03/023388号 国際公開第03/022128号 国際公開第03/022352号 国際公開第03/023708号 国際公開第03/036255号 国際公開第03/036310号 国際公開第03/074107号
本明細書で開示する本発明の実施形態は、例えば、糖尿病患者の血中グルコース濃度の皮下または経皮モニタリングに用いられるタイプの被分析物質センサで使用するための素子を提供する。本明細書で開示する本発明の実施形態は、例えば、透析および/または体外膜型人工肺プロトコールなどの様々な臨床関連で用いられるタイプの被分析物質センサをさらに提供する。より具体的には、本明細書で提供する開示は、最適化された被分析物質センサ設計、およびそうしたセンサを作製しかつ使用するための方法を教示する。
本明細書で開示する本発明はいくつかの実施形態を有する。1つの実施形態は、ポリ(ジメチルシロキサン)などの材料でできており、かつ、被分析物質の感知を容易にするようにその中に配置された複数の細孔を任意選択で含む、被分析物質センサ(例えば、グルコース制限膜)で用いるための選択透過性膜である。任意選択で、膜の中の複数の細孔の1つ以上を親水性組成物で満たす。本発明の例示的な実施形態は、埋め込み可能な被分析物質センサで用いるための膜であって、免疫グロブリンに対して非透過性であるが、酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む第1層と、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む第1層と接合された第2層とを含む膜を含む。本発明のこの実施形態では、膜は一般に、グルコースおよび/または乳酸塩よりも酸素に対して透過性が高い。任意選択で、埋め込み可能な被分析物質センサで使用するためのこの膜では、第1層および/または第2層はその中に配置された複数の細孔を備える。本発明の特定の実施形態では、第2層中に配置された複数の細孔の少なくとも1つは、その第2層の機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む。本発明のいくつかの実施形態では、接着層は第1層と第2層の間に配置することができ、その接着層は第1層と第2層の間の接着を促進する。
センサの様々な構成要素(constituent)の素子のどれも、本明細書で開示するかまたは当業界で周知の他のセンサ素子と一緒にすることができる。本発明の他の例示的実施例は、固定化酵素、例えばグルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼまたは乳酸脱水素酵素でコーティングされた表面を有する多孔性マトリックスを含む、哺乳動物内に埋め込めるように設計された組成物である。一般に、固定化酵素でコーティングされた多孔性マトリックスは、電気化学的センサの電極として作用することができる。任意選択で、電気化学的センサの電極は過酸化水素を消費する。
本発明のバイオセンサの様々な実施形態で用いる多孔性マトリックスは、様々な材料から生成させることができ、かつ、様々な組成構造に適合させることができる。本発明のいくつかの実施形態では、多孔性マトリックスは、セラミック材料および/または金属および/またはマクロ多孔性ポリマーを含む。任意選択で、多孔性マトリックスは粒子の格子を含む。一般に粒子は球状である。本発明の典型的な実施形態では、多孔性マトリックスは、同一寸法の非多孔性マトリックスの表面積の少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16または18倍の表面積を有する。本発明の特定の実施形態では、多孔性マトリックスは少なくとも1、10、100または1000μmの厚さである。
本発明の関連する実施形態は、哺乳動物内に埋め込むための被分析物質センサ装置であって、固定化酵素、例えばグルコースオキシダーゼでコーティングされた表面を有する多孔性マトリックスを含む被分析物質センサ装置である。このセンサ設計物の一実施形態では、多孔性マトリックスは作用電極を含み、作用電極上に配置された被分析物質検知層内に固定化酵素が配置されており、それによって、被分析物質の存在下で、被分析物質検知層が作用電極で電流を検出可能なように変えるようになっている。一般に、センサは、被分析物質検知層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する被分析物質調節層をさらに含む。一般に、センサは、被分析物質検知層上に配置されており、かつ被分析物質検知層と被分析物質検知層上に配置された被分析物質調節層との間の接着を促進する接着促進層をさらに含む。任意選択で、センサは、被分析物質検知層と被分析物質調節層との間に配置されたタンパク質層をさらに含む。一般に、センサは、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部を、感知される被分析物質を含む溶液に曝露するアパーチャをさらに含む被覆層をさらに含む。
本発明の関連する実施形態は、哺乳動物内に埋め込むためのセンサ装置を作製する方法であって、多孔性マトリックスを含む層を用意するステップと、多孔性マトリックス上に被分析物質検知層を形成させるステップを含み、その被分析物質検知層が、被分析物質の存在下、多孔性マトリックスの表面で電流を変え、それによって、その上に形成された被分析物質検知層を有する多孔性マトリックスが電極として機能することができるグルコースオキシダーゼなどの酵素を含む方法である。そうした方法は、被分析物質検知層上にタンパク質層を任意選択で形成するステップと、その被分析物質検知層または任意選択のタンパク質層上に接着促進層を形成するステップと、接着促進層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する組成物を含む被分析物質調節層を形成するステップと、その被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部にわたってアパーチャをさらに含む被覆層を形成するステップとをさらに含む。
本発明の他の実施形態は、哺乳動物の体内の被分析物質を感知する方法であって、その上に配置された被分析物質検知層を有する多孔性マトリックスであって、その被分析物質検知層が、被分析物質の存在下で、多孔性マトリックスの表面で電流を検出可能なように変え、それによって、その上に形成された被分析物質検知層を有する多孔性マトリックスが電極として機能する多孔性マトリックスと、被分析物質検知層上に配置された任意選択のタンパク質層と、被分析物質検知層または任意選択のタンパク質層上に配置されており、かつ被分析物質検知層と被分析物質検知層上に配置された被分析物質調節層の間の接着を促進する接着促進層と、被分析物質検知層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する被分析物質調節層と、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部にわたってアパーチャをさらに含む被覆層とを含む被分析物質センサを哺乳動物中に埋め込むステップと、電流の変化を感知し、電流の変化を被分析物質の存在と相関付け、それにより被分析物質を感知するステップとを含む方法である。
本発明のさらに他の実施形態は、タンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化する方法であって、タンパク質を、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーに結合するステップと、次いで、タンパク質の官能性部分を、剛性のマクロ多孔性ポリマーの官能性部分と架橋することによって剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化することができる架橋剤を加えるステップとを含み、それによりタンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化する方法である。本発明の特定の実施形態では、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性の多孔性ポリマーは、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーが作製されるように、反応性エポキシド部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーを求核化合物と結合することによって作製される。
本発明の他の実施形態は、剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化する方法であって、スルフヒドリル、アミン、カルボキシルまたはヒドロキシル部分を有するタンパク質を、反応性エポキシド部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーと、タンパク質上のスルフヒドリル、アミン、カルボキシルまたはヒドロキシル部分と剛性のマクロ多孔性ポリマー上のエポキシド部分との間で求核反応が起こるのを可能にする条件下で結合することを含み、それによりタンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化する方法である。本発明の特定の実施形態では、タンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマーと結合する前に、タンパク質上の少なくとも1つの求核性部分を封鎖する。
本発明は、センサ素子、センサセットおよびキットを含む他の物品も含む。本発明のそうした1つの実施形態では、上記したような被分析物質を感知するのに有用なキットおよび/またはセンサ素子もしくはセットを提供する。キットおよび/またはセンサセットは一般に、容器、ラベルおよび上記したようなセンサを備える。典型的な実施形態は、容器と、その容器内にある本明細書で説明する設計物を有する被分析物質センサ装置およびその被分析物質センサ装置を用いるための説明書とを備えるキットである。
当業者には、以下の詳細な説明から本発明の他の目的、特徴および利点は明らかであろう。しかし、本発明のいくつかの実施形態を示すが、詳細な説明および具体的な実施例は、例示的なものであり、かつ限定するものではないことを理解されたい。本発明の趣旨を逸脱することなく、本発明の範囲内で多くの変更および改変を加えることができ、本発明はそうしたすべての改変形態を含むものとする。
別段の定義のない限り、本明細書で用いる技術用語、表記法および他の科学的用語または術語はすべて、本発明が関係する当業者によって通常理解される意味を有するものとする。いくつかの場合、明確にするために、かつ/または容易に参照できるようにするために、通常理解される意味で用語を本明細書で定義するが、本明細書でのそうした定義の包含は、当業界で一般に理解されるものとの実質的な差を表すと必ずしも解釈されるべきではない。本明細書で説明または参照する技術および手順の多くはよく理解されており、従来のやり方で当業者により一般的に用いられるものである。必要に応じて、市販のキットおよび試薬の使用を伴う手順は、別段の指摘のない限り、一般に、製造業者の規定したプロトコールおよび/またはパラメータに従って実行される。
本明細書で用いる「被分析物質」という用語は広い意味の用語であり、非限定的に、分析可能な生体液中の物質または化学的成分(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液または尿)を指すことを含むその一般的な意味で用いられる。被分析物質は天然由来の物質、人工的物質、代謝産物および/または反応生成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、感知領域、デバイスおよび方法による測定のための被分析物質はグルコースである。しかし、これらに限定されないが乳酸塩を含む他の被分析物質も考えられる。特定の実施形態では、血液または間質液中に自然に存在する塩類、糖類、タンパク質、脂質、ビタミンおよびホルモンは、被分析物質を構成することができる。被分析物質は、生体液、または内生的な例えば代謝産物、ホルモン、抗原、抗体等の中に天然由来で存在することができる。あるいは、被分析物質は体内に導入するか、または、外生的なもの、例えば、画像用の造影剤、放射性同位体、化学物質、フルオロカーボンをベースとした合成血液、もしくはこれらに限定されないがインスリンを含む薬物や医薬組成物であってよい。薬物や医薬組成物の代謝産物もやはり想定される被分析物質である。
本明細書で開示する本発明の実施形態は、例えば、糖尿病患者の血中グルコース濃度の皮下または経皮モニタリングにおいて使用されるタイプのセンサを提供する。糖尿病や他の命にかかわる病気の治療のために種々の埋め込み可能な電気化学的バイオセンサが開発されている。既存の多くのセンサ設計物では、その生体特異性を実現するためにいくつかの形態の固定化酵素を使用する。例えば、第1の部類のグルコースセンサ設計物では、作用電極上に噴霧するかまたはスピンコートしてグルタルアルデヒドと架橋させたグルコースオキシダーゼ(GOx)およびウシ血清アルブミンの非常に薄い(<1μm)層を使用する。あるいは、第2の部類のグルコースセンサ設計物では、センサマトリックスタンパク質(SMP)として知られており、かつ、グルタルアルデヒドなどの架橋剤で架橋されたGOxなどの酵素およびヒト血清アルブミンから通常なる厚い(約1mm)ヒドロゲルを使用する。互いに比較して、2つの上記部類のセンサ設計物の固定化酵素構造は、使用可能なセンサ寿命を長くするように働く異なる利点を有する。固定化されたGOxが過酸化物消費電極に近接しているため、第1の部類のセンサ設計物は著しく小さい酵素不活性化速度定数を有すると考えられる。それと比べて、第2の部類のセンサ設計物で用いられる厚いSMPは、第1の部類のそれより、桁が違う程度に酵素を取り込むことができる。
多くのセンサ設計物は、酵素ヒドロゲルマトリックスなどの1つのマトリックス(または複数のマトリックス)を用いて機能させる。「マトリックス」という用語は、本明細書では、その中でまたはそれから何か別のものが生成し、成長、形を現し、かつ/または見出されるものについて、業界で受け入れられている意味に従って用いる。例としての酵素ヒドロゲルマトリックスは例えば、一般に、グルタルアルデヒドなどの架橋剤で架橋されて、ポリマーネットワークを形成しているバイオセンシング酵素(例えば、グルコースオキシダーゼまたは乳酸オキシダーゼ)およびヒト血清アルブミンタンパク質を含む。次いで、このネットワークは、水溶液で膨張して酵素ヒドロゲルマトリックスを形成する。このヒドロゲルの膨張の程度はしばしば、数週間の期間にわたって増大する。これは、多分ネットワーク架橋の分解に起因すると考えられる。その理由に関係なく、この膨張の結果として観察されるものは、外側のセンサの管に切り込まれた孔または「ウィンドウ」の外側へのヒドロゲルのはみ出しである。これは、設計仕様をセンサの大きさが上回り、その分析性能に悪影響を及ぼすことになる。
当業界では、向上した材料特性を提供するセンサ素子および設計が必要とされている。本明細書で開示する本発明の実施形態は、向上した材料特性を有するセンサ素子、およびそうした素子から構成されるセンサを提供する。本開示は、そうしたセンサを作製し、使用する方法をさらに提供する。本発明のいくつかの実施形態はグルコースおよび/または乳酸塩センサに関連するが、本明細書で開示する様々な素子(例えば、多孔性酵素マトリックス)は、当業界で周知の様々なセンサのどれにも使用されるように適合させることができる。被分析物質センサ素子、構造物、および本明細書で開示するこれらの素子を作製し使用するための方法は、様々な層状センサ構造を確立させるのに用いることができる。本発明のそうしたセンサは、広範囲の被分析物質種を試験するために広範囲のセンサ構造を設計できるようにする特徴である、驚くべき柔軟性および多用途性を示す。
本発明の典型的な実施形態では、処理可能なシグナルへの被分析物質濃度の変換は、電気化学的手段によるものである。これらのトランスデューサは、電流、電位差または電気伝導度をもとにした当業界で周知の様々なセンサのいずれをも含むことができる。さらに、本発明の微細加工センサの技術および材料は、実質的に非平面的な仕方、あるいは実質的に平面的な仕方で加工された他のタイプのトランスデューサ(例えば、音波感知デバイス、サーミスタ、ガス感知電極、電界効果トランジスタ、光学的およびエバネセント場導波等)に応用することができる。バイオセンサ、ならびに、それぞれのタイプのトランスデューサまたはバイオセンサを通常使用できる類の分析用途において利用することができるトランスデューサの有用な考察および一覧表は、クリストファーR.ラウエ(Christopher R.Lowe)による論文のTrends in Biotech.1984,2(3),59−65に記載されている。
本発明の具体的な態様を、以下の節で詳細に論じる。
I.本発明の典型的な素子、構造および被分析物質センサ:
A.最適化された本発明のセンサ素子:
本明細書で開示するセンサの実施形態は、向上した材料特性を有する1つ以上のセンサ素子を組み込む。本明細書で開示する本発明の実施形態は本発明のセンサを作製するための最適化された方法をさらに含む。この節の以下の段落はこれらの実施形態の説明を提供する。
本明細書で開示する本発明の実施形態は、上記に開示した2つのセンサの部類のそれぞれに見られる単独の利点を組み合わせたものを示す個々の素子およびセンサを提供する。例えば、本発明の第1の実施形態は、センサの電極として機能する厚い(1〜1,000μm)多孔性基体(substrate)上に酵素を固定化する。この関連では、多孔性電極は、例えば、サイズの等しい隣接球体の格子からそれを構築することによって、大きな表面積を示すように設計される。1つの例示的な実施形態では、同じサイズの隣接球体の格子から製造され、過酸化水素消費電極として機能する厚い(1〜1,000μm)多孔質金属基体上にグルコースオキシダーゼを固定化する。
薄く平らな電極マトリックスに対する、そうした厚い多孔性電極マトリックスの利点は、式(1)を用いて実証される。
Figure 2009519106

ただし、厚い多孔性電極は同じサイズの隣接球体の格子としてモデル化されており、他方、薄い電極は二次元表面としてモデル化されている。酵素またはタンパク質固定化に使用できる表面積はAavailであり、電極の投影面積はAprojである。電極の空隙率および厚さはそれぞれLおよびεである。厚い電極を作り上げる球体は半径Rであり、酵素またはタンパク質固定化に用いられる球体の表面積の部分はΦである。例えば、L=25μm、R=1μm、ε=0.5およびΦ=0.5を有する多孔性電極は、同じ投影面積を有する薄い電極と比較して、18倍を超える酵素固定化のための表面積を有することになる。
上記で論じた多孔性電極マトリックスなどの空隙率の範囲は一般に、5〜99%、10〜99%、20〜99%、30〜99%、40〜99%、50〜99%または60〜99%である。マトリックスの空隙率は、当業界で知られている様々な方法のうちのどれを用いても評価することができる。ある関連では、例えば、当業者は、水銀ポロシメトリー(例えば、米国特許第5,609,839号を参照されたい)、液体圧入ポロシメトリー(例えば、米国特許第4,660,412号を参照されたい)、ガスポロシメトリー(例えば、ドムブロウスキー(Dombrowski)らのLangmuir 16:5041−5050(2000)およびラストスキー(Lastoskie)らのJournal of Physical Chemistry 97:4786−4796(1993)を参照されたい)もしくはサイクリックボルタメトリー、および/または種々のサイズと分子量のマーカー分子(例えば、アセトン、種々の球状タンパク質、ブルーデキストラン等)を用いたサイズ排除クロマトグラフィーを含む方法によって、マトリックスの空隙率の試験をすることができる。
ナノ多孔性、ミクロ多孔性およびマクロ多孔性という用語は、本明細書で開示する多孔性マトリックスの特定の実施形態を論じる際に用いる。例えば、白金黒は、作用電極の電気化学的に効果的な表面積を増大させるために通常用いられる。標準的な白金黒電極は、非常に大きな空隙率を有しており、その細孔は、H、OおよびHOのような非常に小さい分子しか内部に入り込むことができないようなサイズである。この特徴を有する白金黒電極はナノ多孔性であるといわれる。そうしたナノ細孔は、H、OおよびHOのような小分子はその中に入ることができるが、GOxのようなより大きい分子が中に入るのは阻止するサイズ範囲を有している。本発明の特定の実施形態では、センサで用いる電極はナノ細孔とミクロ細孔の両方を有する。ミクロ細孔は、それらが、GOxなどの分子をその中に固定化させるのには十分大きいが、どのGOxの分子も作用電極の表面に比較的近接する(約0.1、1または2μm未満)のに十分小さいことを特徴とする。このミクロ細孔を有する電極はいくつかの望ましい特徴を示す。例えば、Hをベースとしたセンサの作用電極はHを消費し、Hは長期にわたって不活性化GOxに寄与すると考えられるので、H消費電極に近接して固定化されたGOxを配置させることができるミクロ多孔性電極は、センサにおけるGOxの寿命を増加させることになる。
本明細書で開示する本発明の他の実施形態では、種々の被分析物質センサにおいて通常用いられるヒドロゲルを、本質的に剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスで置き換える。この実施形態では、指定された形状に任意選択で成形された剛性のマクロ多孔性ポリマーと共有結合させることによって、バイオセンシング酵素を安定的に固定化することができる。この関連では、クロマトグラフ分離用媒体として使用するための、マクロ多孔性ポリマーでできた成形連続状ロッドが開発されている(例えば、米国特許第5,453,185号およびWO93/07945を参照されたい)。適切なポリマーは本質的に非圧縮性であり、溶媒和環境での変化に応答してその外形寸法を変えることはない。さらに、細孔の形態を制御するために重合条件の調節を用いることができる。したがって、1〜100nmと100〜3,000nm(すなわち、それぞれ20%および80%)の範囲の大きな容積割合の細孔を有する非常に多孔性(50〜70%)のポリマーを生成することができる。この種の細孔構造を有するポリマーは非常に大きな比表面積(すなわち、185m/g)を有し、高い酵素固定化密度(1〜100mg/mL)を可能にすることが期待される。上記の多孔性マトリックスならびにそうしたマトリックスを組み込んだ被分析物質センサを作製し、使用するための様々な方法および組成物を以下の節でさらに詳細に説明する。
以下の節においても論じるように、本発明のさらに他の実施形態は、ポリ(ジメチルシロキサン)などの材料から作製され、かつ、被分析物質の感知を容易にするようにその中に配置された複数の細孔を任意選択で含む被分析物質センサ(例えば、グルコース制限膜)で用いるための選択透過性膜である。膜の中の複数の細孔のうちの任意選択で1つ以上は親水性組成物で満されている。本発明の例示的実施形態は、埋め込み可能な被分析物質センサで使用するための膜であって、免疫グロブリンに対して非透過性であるが、酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である生体適合性ポリマー組成物を含む第1層と、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマー、または機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む、第1層に接合された第2層とを含む膜を含む。
本明細書で開示する本発明の最適化された実施形態は、広範囲のセンサの方法およびその設計に広く用いることができ、かつ/または適用することができる。したがって、以下の節で、本発明のこれらの実施形態を取り込むことができる例示的なセンサ素子、構造および方法を説明する。
B.典型的なセンサ構造の概略図:
図2A,図2Bは、本発明の典型的なセンサ構造100の断面図を示す。センサは、一般に、センサ構造物を作製するための本発明の方法によって、互いの上に配置された種々の導電性および非導電性の構成要素の層の形態の複数の成分から形成される。例えば、図2A,図2Bに示すようにセンサ構造の簡単な特性付けが可能になるので、本明細書ではセンサの成分は概ね層と見なすこととする。しかし、当業者は、本発明の特定の実施形態では、センサ構成要素を一緒にし、それによって複数の構成要素が1つ以上の異種層を形成することを理解されよう。構成要素のそうした組合せの例示的実施形態を図10に示す。
図2A,図2Bに示した実施形態は、センサ100を支持するためのベース層102を含む。ベース層102は、金属および/またはセラミックおよび/またはポリマー系の基体などの材料でできていてよい。これらの材料は、自立型であっても、当業界で周知の別の材料でさらに支持されていてもよい。本発明の実施形態は、ベース層102上に配置され、かつ/またはそれと接合された導電層104を含む。
一般に、導電層104は1つ以上の電極を含む。動作センサ100は一般に作用電極、対向電極および基準電極などの複数の電極を含む。他の実施形態は、複数の機能を果たす、例えば、基準電極としても対向電極としても機能する電極も含むことができる。さらに他の実施形態は、センサ上には形成されていない別個の基準素子を用いることができる。一般に、これらの電極は互いに近接して配置されているが、互いに電気的に絶縁されている。
以下に詳細に論じるように、多くの既知の技術および材料を用いてベース層102および/または導電層104を生成させることができる。本発明の特定の実施形態では、センサの電気回路は、配置された導電層104を、所望のパターンの導電性パスへエッチングすることによって画成する。センサ100のための典型的な電気回路は2つ以上の隣接した導電性パスを含み、近接端の領域では導体パッドを形成し、遠位端の領域ではセンサ電極を形成する。ポリマーコーティングなどの電気的に絶縁された被覆層106は、センサ100の一部分に任意選択で配置されている。絶縁保護被覆層106として使用できるポリマーコーティングは、これらに限定されないが、シリコーン化合物、ポリイミド、生体適合性ソルダーマスク、エポキシアクリルコポリマーなどの非毒性の生体適合性ポリマーまたは同様のものを含むことができる。本発明のセンサでは、導電層104を外部環境へ開放し、例えば、グルコースなどの被分析物質をセンサの層に浸透させ、感知素子によって感知されるようにするために、1つ以上の曝露された領域またはアパーチャ108を、被覆層106を通して作製することができる。アパーチャ108は、レーザー切断、テープマスキング、化学研磨もしくはエッチングまたはフォトリソグラフィー現像法あるいは同様のものを含むいくつかの技術によって形成させることができる。本発明の特定の実施形態では、製造の際に、第2のフォトレジストを保護層106に施用して、アパーチャ108を形成するために除去する保護層の領域を画成することもできる。曝露電極および/または導体パッドに、追加のメッキ加工などの二次加工(例えば、アパーチャ108を通して)を施して表面を作製し、かつ/または導電性領域を強化することもできる。
図2A,図2Bに示したセンサ構造では、被分析物質検知層110(これは通常センサ化学層であり、この層の材料が化学反応を受けて、導電層が感知できるシグナルを発生するということを意味する)は導電層104の1つ以上の曝露電極上に配置されている。典型的には、センサ化学層110は酵素層である。最も典型的には、センサ化学層110は、使用する酸素および/または過酸化水素を生成することができる酵素、例えば酵素グルコースオキシダーゼを含む。任意選択で、センサ化学層中の酵素はヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンまたは同様のものなどの第2の担体タンパク質と結合されている。例示的な実施形態では、センサ化学層110中のグルコースオキシダーゼなどの酵素は、グルコースと反応して電極で電流を調節する化合物である過酸化水素を生成する。この電流の変調は過酸化水素の濃度に依存し、過酸化水素の濃度はグルコースの濃度と相関するので、電流におけるこの変調をモニタすることによってグルコースの濃度を測定することができる。本発明の特定の実施形態では、過酸化水素は陽極(アノード)(本明細書では陽極作用電極とも称する)である作用電極で酸化され、得られるその電流は過酸化水素濃度に比例している。過酸化水素濃度を変えることによって引き起こされる電流の変調は、センサンペロメトリックバイオセンサ検出器などの様々なセンサ検出器装置のいずれか、またはMedtronic MiniMed製のグルコースモニタリングデバイスなどの当業界で知られている他の同様の様々なデバイスの1つでモニタすることができる。
被分析物質検知層110は、導電層の一部に、または導電層の全領域にわたって施用することができる。一般に、被分析物質検知層110は、陽極であっても陰極(カソード)であってもよい作用電極上に配置される。任意選択で、被分析物質検知層110は対向電極および/または基準電極上にも配置される。被分析物質検知層110は最大で約1000ミクロン(μm)の厚さであってよいが、一般に、被分析物質検知層は、当業界で従来記載されているセンサに見られるものと比べて比較的薄く、例えば通常、1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。以下で詳細に説明するように、薄い被分析物質検知層110を生成するためのいくつかの方法には、スピンコーティング法、浸漬乾燥法(dip and dry process)、低せん断噴霧法(low shear spraying process)、インクジェットプリント法、シルクスクリーン法などが含まれる。典型的には、薄い被分析物質検知層110はスピンコーティング法を用いて施用される。
一般に、被分析物質検知層110を1つ以上の追加の層でコーティングする。任意選択で、図2Bに示すように、その1つ以上の追加の層は被分析物質検知層110上に配置されたタンパク質層116を含む。一般に、タンパク質層116はアルブミンなどのタンパク質または同様のものを含む。一般に、タンパク質層116はヒト血清アルブミンを含む。本発明のいくつかの実施形態では、追加の層は、被分析物質検知層110との被分析物質の接触を制御するために被分析物質検知層110の上に配置された被分析物質調節層112を含む。例えば、被分析物質調節膜層112は、被分析物質検知層中にあるグルコースオキシダーゼなどと接触するグルコースの量を制御するグルコース制限膜を含むことができる。このようなグルコース制限膜は、そうした目的に適していることが知られている広範囲の材料、例えばポリジメチルシロキサンなどのシリコーン化合物、ポリウレタン、ポリ尿素酢酸セルロース、Nafion、ポリエステルスルホン酸(例えば、Kodak AQ)、ヒドロゲルまたは当業界で周知の任意の他の適切な親水性膜で作製することができる。
本発明の典型的な実施形態では、図2Aに示すように、接着促進層114は、その接触および/または接着を容易にするために、被分析物質調節層112と被分析物質検知層110との間に配置されている。本発明の他の実施形態では、図2Bに示すように、接着促進層114は、その接触および/または接着を容易にするために、被分析物質調節層112とタンパク質層116および/または被分析物質検知層110との間に配置されている。接着促進層114は、そうした層間の結合を容易にするために当業界で知られている広範囲の材料のうちのいずれかから作製することができる。一般に、接着促進層114はシラン化合物を含む。代替の実施形態では、被分析物質検知層110中のタンパク質または類似の分子を十分に架橋するかあるいは調製して、接着促進層114の存在しない下で、被分析物質調節膜層112を被分析物質検知層110と直接接触するようにすることができる。
C.典型的な被分析物質センサ構成要素:
以下の開示は、その1つ以上を本明細書に記載の他の構成要素(あるいは当業界で知られている他の構成要素)と合体して本発明のセンサを生成することができる典型的な素子/構成要素の例を提供する。これらの素子は個別的な単位(例えば、層)として説明できるが、当業者は、センサを、以下で論じる素子/構成要素(例えば、支持ベース構成要素および/または導電性構成要素、および/または被分析物質感知構成要素のためのマトリックスの両方として作用し、さらに、センサ中の電極として機能する素子)の材料特性および/または機能の一部の組合せまたはすべてを有する素子を含むように設計することができることを理解されよう。構成要素のそうした組合せの実施形態の例を図10に示す。
ベース構成要素:
本発明のセンサは一般にベース構成要素(例えば、図2A,図2Bの構成要素102を参照されたい)を含む。「ベース構成要素」という用語は本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、これは次々その頂部に積み重ねられ、かつ機能性センサを含む複数の構成要素のための支持マトリックスを一般に提供する装置中の構成要素を指す。1つの形態では、ベース構成要素は、絶縁性(例えば、電気絶縁性および/または水非浸透性)材料の薄膜シートを含む。このベース構成要素は、水非浸透性や密封性などの望ましい特性を有する様々な材料でできていてよい。いくつかの材料には、金属性セラミックおよびポリマー基体または同様のものが含まれる。任意選択で、ベースは本明細書で開示する多孔性電極マトリックスなどの電極を含むことができる。
ベース構成要素は自立性のものであっても、当業界で周知の他の材料でさらに支持されたものであってもよい。図2A,図2Bで示すセンサ構造の一実施形態では、ベース構成要素102はセラミックを含む。例示的な実施形態では、セラミックベースは大部分(例えば、96%)がAlである組成物を含む。埋め込み可能なデバイスで用いるための絶縁性ベース構成要素としてのアルミナの使用は、米国特許第4,940,858号、同第4,678,868号および同第6,472,122号に開示されている。それらを本願に引用して援用する。本発明のベース構成要素は、当業界で周知の他の構成要素、例えば密封ビアホール(例えば、WO03/023388を参照されたい)をさらに含むことができる。具体的なセンサの設計物に応じて、ベース構成要素は比較的厚い(例えば、25μmより厚い)構成要素であってよい。あるいは、例えば約25μm未満の薄い構成要素中にアルミナなどの非導電性セラミックを用いることができる。
導電性構成要素:
本発明の電気化学的センサは一般に、アッセイされる被分析物質またはその副生成物(例えば、酸素および/または過酸化水素)と接触するための少なくとも1つの電極を含むベース構成要素上に配置された導電性構成要素を含む(例えば、図2A,図2Bの構成要素104を参照されたい)。「導電性構成要素」という用語は本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、検出可能なシグナルを測定し、これを検出装置へ導くことができる電極などの電気的に導電性センサ素子を指す。この具体例は、被分析物質またはその副生成物の濃度の変化などの刺激への曝露に応答して、被分析物質、被分析物質感知構成要素110中に存在する組成物(例えば、酵素グルコースオキシダーゼ)と相互作用する際に用いられる共反応物質(例えば、酸素)、または相互作用の反応生成物(例えば、過酸化水素)の濃度の変化を経験していない基準電極と比較した電流の増減を測定できる導電性構成要素である。そうした構成要素の例には、可変濃度の過酸化水素または酸素などの分子の存在下で、可変の検出可能シグナルを生成することができる電極が含まれる。典型的には、導電性構成要素におけるこれらの電極の1つは、非腐食性金属または炭素から作製できる作用電極である。炭素作用電極はガラス質であっても黒鉛状であってもよく、固体またはペーストから作製することができる。金属性作用電極は、パラジウムもしくは金を含む白金族金属または二酸化ルテニウムなどの非腐食性金属の導電性酸化物から作製することができる。あるいは、電極は銀/塩化銀電極組成物を含むことができる。作用電極は、例えばコーティングまたはプリントにより、基体に施用されたワイヤーまたは薄い導電性フィルムであってよい。
本明細書で記載の通り、導電性構成要素は、本明細書で開示する多孔性電極マトリックスの1つ以上を含むことができる。一般に、金属性または炭素導体の表面の一部だけが、被分析物質含有溶液と電解的に接触する。この部分は電極の作用表面と称される。電極の残りの表面は通常、電気絶縁性被覆構成要素106により溶液から隔離されている。この保護被覆構成要素106を作製するのに有用な材料の例には、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどのポリマーおよびポリシロキサンなどのシリコーンが含まれる。
作用電極に加えて、本発明の被分析物質センサは一般に、基準電極または合体した基準電極および対向電極(疑似基準電極または対向/基準電極とも称される)を含む。センサが対向/基準電極を有していない場合、作用電極と同じ材料でできていても異なった材料でできていてもよい別個の対向電極を含むことができる。本発明の典型的なセンサは、1つ以上の作用電極と1つ以上の対向電極、基準電極および/または対向/基準電極を有する。本発明のセンサの一実施形態は2つ、3つもしくは4つまたはそれ以上の作用電極を有する。センサのこれらの作用電極は一体に連結されていても、別個になっていてもよい。
一般に、インビボでの使用のためには、血液などの哺乳動物の体液と直接接触するように、本発明の被分析物質センサは、哺乳動物の皮膚の皮下に埋め込まれる。あるいは、センサを、腹腔空間内などの哺乳動物の体内の他の領域に埋め込むことができる。複数の作用電極を用いる場合、それらを体内の同じ部位または異なる部位に埋め込むことができる。対向電極、基準電極および/または対向/基準電極は作用電極に近接して埋め込むか、または哺乳動物の体内の他の部位に埋め込むこともできる。
干渉拒絶構成要素:
本発明の電気化学的センサは、電極の表面と、アッセイされる環境との間に配置された干渉拒絶構成要素を任意選択で含む。具体的には、特定のセンサの実施形態は、印加された定電位での作用電極の表面上の酵素反応によって生成する過酸化水素の酸化および/または還元による。過酸化水素の直接酸化に基づくアンペロメトリック検出は比較的高い酸化電位を必要とするので、この検出スキームを用いたセンサは、アスコルビン酸、尿酸およびアセトアミノフェンなどの生体液中に存在する易酸化性種による干渉を被る可能性がある。この関連で、「干渉拒絶構成要素」という用語は本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、感知される被分析物質によって生じるシグナルの検出を妨害するそうした易酸化性種によって生じる誤ったシグナルを阻止するように機能するセンサ中のコーティングまたは膜を指す。干渉拒絶構成要素の例には、親水性ポリウレタン、酢酸セルロース(ポリ(エチレングリコール)などの薬剤を混ぜ込んだ酢酸セルロースを含む)、ポリエーテルスルホン、ポリテトラ−フルオロエチレン、過フッ素化アイオノマーNafion(商標)、ポリフェニレンジアミン、エポキシなどの1つ以上の層またはコーティングが含まれる。そうした干渉拒絶構成要素の考察の例は、例えば、ウォードらのBiosensors and Bioelectronics 17(2002)181−189およびチョイらのAnalytical Chimica Acta 461(2002)251−260に記載されている。それらを本願に引用して援用する。
被分析物質感知構成要素:
本発明の電気化学的センサはセンサの電極上に配置された被分析物質感知構成要素を含む(例えば、図2A,図2Bの構成要素110を参照されたい)。「被分析物質感知構成要素」という用語は本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、その存在が被分析物質センサ装置によって検出される被分析物質を認識することができるかまたはそれと反応することができる材料を含む構成要素を指す。一般に、被分析物質感知構成要素中のこの材料は、通常、導電性構成要素の電極を介して感知される被分析物質と相互に作用した後、検出可能なシグナルを発生する。この関係では、被分析物質感知構成要素と導電性構成要素の電極は一緒に作用して、被分析物質センサに付随する装置で読み取られる電気シグナルを生成する。一般に、被分析物質感知構成要素は、その濃度の変化を、導電性構成要素(例えば、酸素および/または過酸化水素)の電極での電流の変化を測定することによって測定できる分子と反応することができかつ/またはそれを生成することができる酵素、例えば酵素グルコースオキシダーゼを含む。過酸化水素などの分子を生成できる酵素は、当業界で周知のいくつかの方法によって電極上に配置することができる。被分析物質感知構成要素は、センサの種々の電極のすべてまたはその一部をコーティングすることができる。この関連では、被分析物質感知構成要素は、電極を同等程度にコーティングすることができる。あるいは、被分析物質感知構成要素は、例えば、その作用電極のコーティングされた表面が、対向電極および/または基準電極のコーティングされた表面より広いというように、異なる電極を異なる程度にコーティングすることができる。
本発明のこの素子の典型的なセンサ実施形態は、一定の比(例えば、グルコースオキシダーゼ安定化特性のための典型的な最適化比率)で第2タンパク質(例えば、アルブミン)と結合され、電極の表面上に施用されて薄い酵素構成要素を形成する酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)を用いる。典型的な実施形態では、被分析物質感知構成要素はGOxとHASの混合物を含む。GOxを有する被分析物質感知構成要素の典型的な実施形態では、GOxは感知環境(例えば、哺乳動物の身体)の中に存在するグルコースと反応し、図1に示す反応によって過酸化水素を発生する。生成したその過酸化水素は導電性構成要素中の作用電極において陽極で検出される。例えば米国特許出願第10/273,767(これを本願に引用して援用する)で考察されているように、極めて薄いセンサ化学構成要素が一般的であり、これをスピンコーティングなどの当業界で周知の方法で電極マトリックスの表面に施用することができる。例示的な実施形態では、グルコースオキシダーゼ/アルブミンは生理学的溶液(例えば、中性pHでのリン酸緩衝生理食塩水)中で調製され、そのアルブミンは約0.5重量%〜10重量%の範囲で存在する。任意選択で、被分析物質感知構成要素上に形成される安定化されたグルコースオキシダーゼ構成要素は、当業界で従来記載されているものと比べて非常に薄く、例えば2、1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。本発明の1つの例示的実施形態は、電極の表面をコーティングするために、安定化されたグルコースオキシダーゼ構成要素を用いる。そのグルコースオキシダーゼは構成要素内で一定の比で担体タンパク質と混合されており、グルコースオキシダーゼと担体タンパク質は、構成要素全体にほぼ均一に分布している。一般に、構成要素は2μm未満の厚さである。透明性を得るためには、これは、被分析物質感知構成要素が多孔性電極上に配置されている本発明の特定の実施形態には適用できないことに留意すべきである。例えば、100μmの厚さであり、GOxで満たされた3μmのサイズの細孔を有する多孔性電極では、酵素層は2μmより厚くてよい。
驚くべきことに、これらの極めて薄い被分析物質感知構成要素を有するセンサは、長い寿命、直線性、規則性、ならびに向上したシグナルとノイズの比を含む、より厚いコーティングを有するセンサがもつ特性を超える材料特性を有する。特定の化学的理論に拘泥するわけではないが、より厚い酵素構成要素においては、構成要素内の反応性酵素の一部だけしか、感知される被分析物質に接近することができないので、より厚い構成要素の特徴と比べて、極めて薄い被分析物質感知構成要素を有するセンサは、驚くほど優れた特徴を有すると考えられる。グルコースオキシダーゼを用いるセンサでは、電着によって作製される厚いコーティングは、厚い酵素構成要素の反応界面で発生する過酸化水素がセンサ表面と接触し、それによってシグナルを発生させる能力が妨げられるかもしれない。
上記したように、酵素と第2タンパク質を通常のように処理して、架橋したマトリックスを形成させる(例えば、タンパク質混合物に架橋剤を加えて)。当業界で周知のように、架橋条件を操作して、酵素の保持生物活性、その機械的安定性および/または操作安定性などの因子を調節することができる。架橋手順の例は、米国特許出願第10/335,506号およびPCT国際公開WO03/035891に記載されている。それらを本願に引用して援用する。例えば、これに限定されないが、グルタルアルデヒドなどのアミン系架橋剤をタンパク質混合物に加えることができる。タンパク質混合物に架橋剤を加えると、タンパク質ペーストが生成する。加える架橋剤の濃度は、タンパク質混合物の濃度に応じて変えることができる。グルタルアルデヒドは例示的な架橋剤であり、これらに限定されないが、スベリン酸ジサクシンイミジル(DSS)などのアミン反応性の単官能基架橋剤を含む他の架橋剤も用いてよく、また、それをグルタルアルデヒドの代わりに用いてもよい。他の例は1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)である。これはゼロ長架橋剤である。EDCはカルボン酸とアミン基との間のアミド結合を形成する。当業者に明らかな他の適切な架橋剤も用いることができる。
本発明の異なる実施形態について、GOxおよび/または担体タンパク質濃度は変化してよい。例えば、GOx濃度は約50mg/ml(約10,000U/ml)〜約700mg/ml(約150,000U/ml)の範囲内であってよい。典型的には、GOx濃度は約115mg/ml(約22,000U/ml)である。そうした実施形態では、HSA濃度は、GOx濃度に応じて、約0.5%〜30%(重量/体積)の範囲で変化することができる。一般に、HSA濃度は約1〜10%重量/体積であり、最も典型的には約5%重量/体積である。本発明の代替の実施形態では、コラーゲンもしくはBSA、またはこうした関連で用いられる他の構造タンパク質をHASの代わりに、またはそれに加えて用いることができる。GOxは、被分析物質感知構成要素における酵素の例として論じているが、これらに限定されないが、グルコースデヒドロゲナーゼまたはヘキソキナーゼ、ヘキソーオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼなどを含む他のタンパク質および/または酵素を用いるかまたはGOxに代えてそれを用いることもできる。当業者に明らかな他のタンパク質および/または酵素も用いることができる。さらに、例としての実施形態はHASを用いるが、BSA、コラーゲンまたは同様のものなどの他の構造タンパク質を、HASの代わりに、またはそれに加えて用いることができる。
GOx以外の酵素を用いる実施形態については、本明細書で論じた濃度以外の濃度を用いることができる。例えば、用いる酵素に応じて、約10重量/重量%〜70重量/重量%の範囲の濃度が適切である。濃度は、用いる具体的な酵素に応じてだけでなく、得られるタンパク質マトリックスの所望の特性に応じても変えることができる。例えば、タンパク質マトリックスを診断性能で用いる場合、ある特定の濃度を用いることができるが、特定の構造特性が望まれる場合、異なる濃度を用いることができる。当業者は、用いる濃度を実験全体にわたって変化させて、どの濃度(およびどの酵素またはタンパク質の)が所望の結果をもたらしてくれるかを判断することができることを理解されよう。
上記したように、本発明のいくつかの実施形態では、被分析物質感知構成要素は、導電性素子(例えば、酸素および/または過酸化水素濃度の変化を感知する電極)によって感知され得るシグナル(例えば、酸素および/または過酸化水素濃度の変化)を発生させることができる組成物(例えば、グルコースオキシダーゼ)を含む。しかし、その存在を検出しようとする標的被分析物質との相互作用後、導電性素子によって感知され得る検出可能なシグナルを発生させることができる任意の組成物から、他の有用な被分析物質感知構成要素を生成させることができる。いくつかの実施形態では、この組成物は、感知される被分析物質と反応して過酸化水素濃度を調節する酵素を含む。あるいは、組成物は、感知される被分析物質と反応して酸素濃度を調節する酵素を含む。この関連では、生理学的被分析物質との反応において過酸化水素および/または酸素を使用するか、またはそれを生成する様々な酵素は当業界で周知であり、これらの酵素は、被分析物質を感知する構成要素組成物中に容易に取り込むことができる。当業界で周知の様々な他の酵素は、その変調を、本明細書に記載のセンサ設計物中に組み込まれた電極などの導電性素子によって検出できる化合物を生成しかつ/またはそれを使用することができる。そうした酵素には、例えば、Protein Immobilization:リチャードF.テイラー(編集者):マルセル デッカーによるFundamentals and Applications(Bioprocess Technology,Vol14)Publisher;(January7,1991)の表1、15〜29頁および/または表18、111〜112頁に具体的に記載されている酵素が含まれる。上記参考文献を本願に引用して援用する。
他の有用な被分析物質感知構成要素は、標的被分析物質とのその相互作用が、その存在を検出しようとする標的被分析物質と相互作用した後で導電性素子により感知される検出可能なシグナルを発生させることができる抗体を含むように形成させることができる。例えば、米国特許第5,427,912号(これを本願に引用して援用する)は、試料中の被分析物質の濃度を電気化学的に測定するための、抗体をベースとした装置を記載している。このデバイスでは、試験される試料、酵素−受容体ポリペプチド、被分析物質類似物と結合した酵素−供与体ポリペプチド(酵素−供与体ポリペプチドコンジュゲート)、標識化された基体、および測定被分析物質に対して特異的な抗体を含む混合物が形成される。被分析物質と酵素−供与体ポリペプチドコンジュゲートは競合的に抗体と結合する。酵素−供与体ポリペプチドコンジュゲートが抗体と結合しない場合、それは、自発的に酵素受容体ポリペプチドと結合して活性酵素複合体を生成することになる。次いで、活性酵素は標識化された基体(substrate)を加水分解し、電気活性標識を生成させる。次いでこれを、電極の表面で酸化することができる。電気活性化合物の酸化によって得られる電流を測定し、試料中の被分析物質の濃度と相関付けることができる。米国特許第5,149,630号(これを本願に引用して援用する)は、成分の少なくとも1つが酵素標識化されているリガンド(例えば、抗原、ハプテンまたは抗体)の電気化学的特異結合アッセイであって、酵素基体と基体反応に付随する電極との間の電子の移動が、複合体生成によって、または任意のリガンド複合体の置換によって、非結合酵素標識化成分に対してどの程度乱れているかを測定するステップを含むアッセイを記載している。電子移動は、酵素から電子を受容し電極へ供与するか、またはその逆も可能な電子移動メディエーター(例えば、フェロセン)によって、または、それ自体形式電荷を引き受けることなく、電極と近接して酵素を保持する電子移動プロモーターによって支援される。米国特許第5,147,781号(これを本願に引用して援用する)は、酵素乳酸脱水素酵素−5(LDH5)の測定のアッセイのため、およびそうした定量のためのバイオセンサを記載している。このアッセイは、この酵素と、基体の乳酸およびニコチン−アミンアデニンジヌクレオチド(NAD)を相互作用させてピルビン酸およびNADの還元生成物を得ることに基づいている。抗LDH5抗体を適切なガラス状炭素電極に結合させ、これを、LDH5を含む基体と接触させ、濯ぎ、アンペロメトリック装置に連結されたNAD溶液中に入れ、乳酸を加え、電流の変化を測定する。これはLDH−5の量を示す。米国特許第6,410,251号(これを本願に引用して援用する)は、標識を検出するためのレドックス反応(ここでは、感知表面領域を有する酸素ミクロ−電極を用いる)と合わせて、抗原と抗体の間の結合などの特異的結合を用いることによって、特異的結合対、例えば抗原/抗体対の抗原中の1つの構成メンバーを検出またはアッセイするための装置および方法を記載している。さらに、米国特許第4,402,819号(これを本願に引用して援用する)は、事前選択したカチオンをその中に浸透(その浸透性は分析中の特定の抗体濃度の関数である)させるイオン担体がそれに結合された抗原を組み込んだ不溶性膜を用いる、希釈液体血清試料中の抗体(被分析物質として)を定量するための抗体選択的電位差滴定の電極、および対応するその分析方法を記載している。関連する開示については、米国特許第6,703,210号、同第5,981,203号、同第5,705,399号および同第4,894,253号も参照されたい。これらの内容を本願に引用して援用する。
酵素および抗体に加えて、本明細書で開示するセンサの被分析物質感知構成要素で用いる他の材料の例には、特殊な細胞または細胞成分(例えば、ポリペプチド、炭水化物など)と結合するポリマー;一本鎖DNA;抗原などが含まれる。検出可能なシグナルは、例えば、色変化、または所望の被分析物質(例えば、細胞)の目に見える蓄積などの光学的に検出可能な変化であってよい。感知素子は、本質的に非反応性(すなわち、コントロール)である材料から形成させることもできる。上記の代替センサ素子は、例えば、細胞選別アッセイ、およびウイルス(HIV、C型肝炎等)、バクテリア、原虫などの病原生物の存在に対するアッセイでの使用のためのセンサに含めるのが有益である。
外部環境中に存在し、かつ、それ自体、電極において測定可能な電流の変化をもたらすことができる被分析物質を測定する被分析物質センサも考慮される。そうした被分析物質を測定するセンサにおいては、被分析物質感知構成要素は任意選択であってよい。
タンパク質構成要素:
本発明の電気化学的センサは任意選択で、被分析物質感知構成要素と被分析物質調節構成要素との間に配置されたタンパク質構成要素を含む(例えば、図2A,図2Bの構成要素116を参照されたい)。「タンパク質構成要素」という用語は本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、被分析物質感知構成要素および/または被分析物質調節構成要素と適合するように選択された担体タンパク質または同様のものを含む構成要素を指す。典型的な実施形態では、タンパク質構成要素はヒト血清アルブミンなどのアルブミンを含む。HSA濃度は約0.5%〜30%(重量/体積)で変化することができる。一般に、HSA濃度は約1〜10重量/体積%であり、最も典型的には約5重量/体積%である。本発明の代替の実施形態では、コラーゲンもしくはBSAまたはこの関係で用いられる他の構造タンパク質を、HASに代えて、またはそれに加えて用いることができる。この構成要素は、通常、当業界で認められているプロトコールによって被分析物質感知構成要素上で架橋される。
接着促進構成要素:
本発明の電気化学的センサは、1つ以上の接着促進(AP)構成要素を含むことができる(例えば、図2A,図2Bの構成要素114を参照されたい)。「接着促進構成要素」という用語は、本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、センサ中の隣接する構成要素間の接着を促進するその能力のため選択される材料を含む構成要素を指す。一般に、接着促進構成要素は、被分析物質感知構成要素と被分析物質調節構成要素との間に配置される。一般に、接着促進構成要素は、任意選択のタンパク質構成要素と被分析物質調節構成要素との間に配置される。接着プロモーター構成要素は、そうした構成要素間の結合を容易にする当業界で周知の様々な材料のいずれかから作製することができ、当業界で周知の様々な方法のいずれかによって施用することができる。一般に、接着プロモーター構成要素はγ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を含む。
接着を促進するために、シランカップリング試薬、特に式R’Si(OR)(式中、R’は一般に末端アミンを有する脂肪族基であり、Rは低級アルキル基である)からなる試薬を使用することは当業界で周知である(例えば、米国特許第5,212,050号を参照されたい。これを本願に引用して援用する)。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランおよびグルタルアルデヒドを段階的な方法で使用して、ウシ血清アルブミン(BSA)とグルコースオキシダーゼ(GO)を電極表面に付着させ、かつ共架橋させた化学的に改変した電極は当業界で周知である(例えば、ヤオ(Yao),T.Analytica Chim.Acta 1983,148,27−33を参照されたい)。
本発明の特定の実施形態では、接着促進構成要素は、被分析物質調節構成要素を通してのグルコースなどの被分析物質の拡散を制限するように作用する、ポリジメチルシロキサン(PDMS)化合物などの隣接構成要素中に存在することもできる1つ以上の化合物をさらに含む。例示的な実施形態では、その配合物は0.5〜20%のPDMS、一般に、5〜15%のPDMS、最も典型的には10%のPDMSを含む。本発明の特定の実施形態では、接着促進構成要素は、被分析物質調節構成要素などの近位の構成要素中に存在するシロキサン部分を架橋する能力のため選択される薬剤を含む。本発明の密接に関連する実施形態では、接着促進構成要素は、被分析物質感知構成要素および/またはタンパク質構成要素などの近位の構成要素中に存在するタンパク質のアミンまたはカルボキシル部分を架橋する能力のため選択される薬剤を含む。
被分析物質調節構成要素:
本発明の電気化学的センサは、センサ上に配置された被分析物質調節構成要素を含む(例えば、図2A,図2Bの構成要素112を参照されたい)。「被分析物質調節構成要素」という用語は本明細書では、当業界で受け入れられている専門用語に従って用いられ、構成要素を通してのグルコースなどの1つ以上の被分析物質の拡散を調節するように動作するセンサ上に膜を形成する構成要素を指す。本発明の特定の実施形態では、被分析物質調節構成要素は、構成要素を通してのグルコースなどの1つ以上の被分析物質の拡散を阻止するかまたは制限するように動作する被分析物質制限膜である。本発明の他の実施形態では、被分析物質調節構成要素は、構成要素を通しての1つ以上の被分析物質の拡散を容易にするように動作する。任意選択で、そうした被分析物質調節構成要素は、構成要素を通しての1つの種類の分子(例えば、グルコース)の拡散を阻止するかまたは制限するように形成させ、同時に構成要素を通しての他のタイプの分子(例えば、O)の拡散を可能にするかさらには容易にするように形成させることができる。
既知の酵素電極におけるグルコースセンサに関しては、血液からのグルコースおよび酸素、ならびにアスコルビン酸や尿酸などのいくつかのインターフェラントは、センサの一次膜を通って拡散する。グルコース、酸素およびインターフェラントが被分析物質感知構成要素に到達すると、グルコースオキシダーゼなどの酵素は、過酸化水素とグルコノラクトンへのグルコースの転換の触媒作用をする。過酸化水素は、被分析物質調節構成要素を通して逆方向へ拡散するか、あるいは電極へ拡散し、そこで反応して酸素とプロトンを生成してグルコース濃度に比例した電流を生成することができる。センサ膜組立体は、その組立体を通るグルコースの通過を選択的に可能にすることを含むいくつかの機能を果たす。この関連で、例示的な被分析物質調節構成要素は、水、酸素および少なくとも1つの選択的被分析物質の通過を可能にし、かつ水吸収能を有する半浸透性膜であり、その膜は水溶性の親水性ポリマーを有する。
被分析物質調節組成物の様々な例が当業界で周知であり、例えば、米国特許第6,319,540号、同第5,882,494号、同第5,786,439号、同第5,777,060号、同第5,771,868号および同第5,391,250号に記載されている。それぞれの開示を本願に引用して援用する。本明細書で記載のヒドロゲルは、そのために、取り囲む水構成要素を提供することが有利である様々な埋め込み可能なデバイスに特に有用である。本発明のいくつかの実施形態では、被分析物質調節組成物はPDMSを含む。本発明の特定の実施形態では、被分析物質調節構成要素は、近位の構成要素中に存在するシロキサン部分を架橋する能力のため選択される薬剤を含む。本発明の密接に関連する実施形態では、接着促進構成要素は、近位の構成要素中に存在するタンパク質のアミンまたはカルボキシル部分を架橋する能力のため選択される薬剤を含む。
以下の節で説明するように、本発明の一実施形態は、ポリ(ジメチルシロキサン)などの材料から作製され、かつ、被分析物質の感知を容易にするようにその中に配置された複数の細孔を任意選択で含む被分析物質センサ(例えば、グルコース制限膜)で用いるための被分析物質調節膜である。任意選択で、膜の中の1つ以上の複数の細孔は親水性組成物で満たされている。
被覆構成要素:
本発明の電気化学的センサは、一般に電気絶縁性保護構成要素である1つ以上の被覆構成要素を含む(例えば、図2A,図2Bの構成要素106を参照されたい)。一般に、そうした被覆構成要素は、被分析物質調節構成要素の少なくとも一部の上に配置される。絶縁性保護被覆構成要素として用いるのに許容されるポリマーコーティングは、これらに限定されないが、シリコーン化合物、ポリイミド、生体適合性ソルダーマスク、エポキシアクリルコポリマーなどの非毒性の生体適合性ポリマーまたは同様のものなどを含むことができる。さらに、これらのコーティングは、それを通って導電性構成要素へ至るアパーチャのフォトリソグラフィーでの形成を容易にするために、光画像形成可能なものであってよい。典型的な被覆構成要素は、シリコーン上にスピンされものを含む。当業界で周知の通り、この構成要素は市販のRTV(室温で加硫処理した)シリコーン組成物であってよい。この関連の典型的な化合物はポリジメチルシロキサン(アセトキシをベースとした)である。
本発明の様々な例示的実施形態およびその特徴を以下の節で詳細に論じる。
D.被分析物質センサ装置の例示的実施形態および関連する特徴:
本明細書で開示する被分析物質センサ装置はいくつかの実施形態を有する。本発明の一般的な実施形態は、哺乳動物内に埋め込むための被分析物質センサ装置である。被分析物質センサは、哺乳動物の体内に埋め込み可能なように通常設計されるが、センサは特定の環境に限定されず、むしろ様々な関連、例えば全血液、リンパ液、血漿、血清、唾液、尿、大便、汗、粘液、涙、脳脊髄液、鼻汁、頸管分泌物または膣分泌物、精液、胸膜液、羊水、腹水、中耳液、滑液、胃吸引物または同様のものなどの生体液を含む大抵の液体試料分析に用いることができる。さらに、固体または乾燥された試料を適当な溶媒中に溶解して分析に適した液体混合物を提供することができる。
上記したように、本明細書で開示するセンサ実施形態は、1つ以上の生理学的環境内の対象被分析物質を感知するために用いることができる。例えば、特定の実施形態では、センサは、典型的には皮下センサで生じるように、間質液と直接接触していてよい。本発明のセンサは、間質性グルコースが皮膚を通して抽出され、センサと接触するようになっている皮膚表面系の一部であってもよい(例えば、米国特許第6,155,992号および同第6,706,159号を参照されたい。これらを本願に引用して援用する)。他の実施形態では、センサは、例えば、典型的には静脈内センサで生じるように、血液と直接接触していてよい。本発明のセンサ実施形態は、様々な関連で用いるようになされたものをさらに含む。例えば、特定の実施形態では、センサは、歩行ユーザが用いるものなどの移動できる形で用いられるように設計することができる。あるいは、センサは、臨床配置で使用するようになされたものなどのような、定置する形で用いる設計にすることができる。そうしたセンサ実施形態は、例えば、入院患者の1つ以上の生理学的環境で存在する1つ以上の被分析物質をモニタするために用いられるものを含む。
本発明のセンサは当業界で周知の様々な医療システムに組み込むこともできる。本発明のセンサは、例えば、薬剤がユーザの体内に注入される速度を制御するように設計された閉ループ輸液システムにおいて用いることができる。そうした閉ループ輸液システムは、センサ、および送達システムを動作させる制御装置(例えば、薬剤輸液ポンプで送達する用量を算出するもの)への入力を発生させる付随の計量器を含むことができる。そうした関連では、センサに付随する計量器は、指令を送達システムに送り、そのシステムを遠隔操作するのに使用することもできる。一般に、センサは、ユーザの体内のグルコース濃度をモニタするために間質液と接触している皮下センサであり、送達システムによってユーザの体内へ注入される液体にはインスリンが含まれる。例示的なシステムは、例えば、米国特許第6,558,351号、同第6,551,276号、PCT米国出願99/21703および同99/22993;ならびにWO2004/008956およびWO2004/009161に開示されている。そのすべてを本願に引用して援用する。
本発明の特定の実施形態は、過酸化物を測定するものであり、皮下の埋め込み領域および静脈内埋め込み領域ならびに様々な血管外の領域への埋め込みを含む、哺乳動物の様々な部位に埋め込むのに適した有利な特徴を有している。血管外領域への埋め込みを可能にする過酸化物センサ設計物は、血管外領域に埋め込まれた酸素センサで起こる恐れのある酸素ノイズに伴う問題のため、酸素を測定する特定のセンサ装置設計物より有利である。例えば、そうした埋め込まれた酸素センサ装置設計においては、基準センサでの酸素ノイズは、シグナルとノイズの比に悪影響を及ぼし、結果的に、この環境での安定したグルコースの読み取りを行うことを乱す可能性がある。したがって、本発明の過酸化物センサは、血管外領域でのそうした酸素センサで見られる課題を克服するものである。
本発明の特定の過酸化物センサの実施形態は、30日間を超える期間、哺乳動物に埋め込むのに適した有利な長期間用すなわち「永続的な」センサをさらに含む。具体的には、当業界で周知のように(例えば、ISO10993,Biological Evaluation of Medical Devicesを参照されたい)、本明細書に記載のセンサのような医療用デバイスは、埋め込み期間をもとに3つのグループ、すなわち(1)「限定的」(<24時間)、(2)「長時間」(24時間〜30日間)および(3)「永続的」(>30日間)に分類することができる。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の過酸化物センサの設計物は、この分類による「永続的」、すなわち>30日間の埋め込みを可能とする。本発明の関連する実施形態では、本発明の過酸化物センサの非常に安定した設計物は、埋め込まれたセンサが、この関連で、2、3、4、5、6または12カ月またはそれ以上機能し続けるようにすることができる。
一般に、被分析物質センサ装置の構造は、ベース層とそのベース層上に配置された導電層(例えば、多孔性マトリックス)を含み、1つ以上の電極として機能する。例えば、導電層は作用電極、基準電極および/または対向電極を含むことができる。これらの電極は近接した間隔で配置することができ、あるいは、特定の設計に従って間を隔てた間隔で配置される。センサ装置設計は、センサ装置において、特定の電極(例えば、作用電極)を、感知される被分析物質を含む溶液に曝露できる(例えば、アパーチャを介して)ようにする。センサ装置設計は、センサ装置において、特定の電極(例えば、基準電極)が、感知される被分析物質を含む溶液に曝露されないようにする。
本発明の一実施形態はバイオセンサで使用するための組成物である。そうした組成物は一般に、哺乳動物内に埋め込み可能なように設計され、固定化酵素、例えばグルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼまたは乳酸脱水素酵素でコーティングされた表面を有する多孔性マトリックスを含む。一般に、固定化酵素でコーティングされた多孔性マトリックスは、電気化学的センサの電極としての働きをすることができる。任意選択で、電気化学的センサ中の電極は過酸化水素を消費する。
本発明のバイオセンサの様々な実施形態で用いる多孔性マトリックスは種々の材料から作製することができ、かつ様々な組成構造に適合させることができる。本発明のいくつかの実施形態では、多孔性マトリックスはセラミック材料および/または金属および/またはマクロ多孔性ポリマーを含む。任意選択で、多孔性マトリックスは粒子の格子を含む。一般に、粒子は球状である。本発明の典型的な実施形態では、多孔性マトリックスは、同一寸法の非多孔性マトリックスの表面積の少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16または18倍の表面積を有する。本発明の特定の実施形態では、多孔性マトリックスは少なくとも1、10、100または1000μmの厚さである。本発明の特定の実施形態では、多孔性マトリックスの空隙率は任意選択で約5〜99.9%の範囲であり、一般に約40〜99%である。これらのマトリックスの空隙率は、水銀または気体ポロシメトリー、様々なサイズおよび分子量のマーカー分子(例えば、アセトン、規定のサイズの様々な球状タンパク質、ブルーデキストラン)を用いたサイズ排除クロマトグラフィーおよびサイクリックボルタンメトリーなどの当業界で一般に用いられる方式の1つで測定することができる。
本発明の関連する実施形態は、固定化酵素、例えばグルコースオキシダーゼでコーティングされた表面を有する多孔性マトリックスを含む、哺乳動物の中に埋め込むための被分析物質センサ装置である。このセンサ設計物の一実施形態では、多孔性マトリックスは作用電極を含み、固定化酵素は作用電極上に配置された被分析物質検知層内に配置されており、それによって被分析物質検知層は、被分析物質の存在下で導電層中の作用電極で電流を検出可能なように変える。一般に、センサは、被分析物質検知層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する被分析物質調節層をさらに含む。一般に、センサは、被分析物質検知層上に配置されており、かつ被分析物質検知層と、被分析物質検知層上に配置された被分析物質調節層との間の接着を促進する接着促進層をさらに含む。任意選択で、センサは、被分析物質検知層と被分析物質調節層との間に配置されたタンパク質層をさらに含む。一般に、センサは、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部を、感知される被分析物質を含む溶液に曝露させるアパーチャをさらに含む被覆層をさらに含む。
本発明の関連する実施形態は、多孔性マトリックスを含む層を用意するステップと、その多孔性マトリックス上に被分析物質検知層を形成させるステップとを含む、哺乳動物内に埋め込むためのセンサ装置を作製する方法であって、その被分析物質検知層が、被分析物質の存在下、多孔性マトリックスの表面で電流を変え、それによって、その上に形成された被分析物質検知層を有する多孔性マトリックスを電極として機能させることができるグルコースオキシダーゼなどの酵素を含む方法である。そうした方法は、被分析物質検知層上にタンパク質層を任意選択で形成するステップと、被分析物質検知層または任意選択のタンパク質層上に接着促進層を形成するステップと、接着促進層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する組成物を含む被分析物質調節層を形成するステップと、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部にわたってアパーチャをさらに含む被覆層を形成するステップをさらに含む。
本発明の他の実施形態は、哺乳動物の体内の被分析物質を感知する方法であって、その上に配置された被分析物質検知層を有する多孔性マトリックスであって、その被分析物質検知層が、被分析物質の存在下、多孔性マトリックスの表面で電流を検出可能なように変え、それによってその上に形成された被分析物質検知層を有する多孔性マトリックスが電極として機能する多孔性マトリックスと、被分析物質検知層上に配置された任意選択のタンパク質層と、被分析物質検知層または任意選択のタンパク質層上に配置されており、かつ被分析物質検知層と被分析物質検知層上に配置された被分析物質調節層の間の接着を促進する接着促進層と、被分析物質検知層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する被分析物質調節層と、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部にわたってアパーチャをさらに含む被覆層とを含む被分析物質センサを哺乳動物中に埋め込むステップと、電流の変化を感知し、電流の変化を被分析物質の存在と相関付け、それにより被分析物質を感知するステップとを含む方法である。
本発明のさらに他の実施形態は、剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化する方法であって、タンパク質を、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーと結合するステップと、次いで、タンパク質の官能性部分を剛性のマクロ多孔性ポリマーの官能性部分と架橋することによって剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化することができる架橋剤を加えるステップとを含み、それによりタンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化する方法である。本発明の特定の実施形態では、タンパク質を架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーは、タンパク質を架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーが作製されるように、反応性エポキシド部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーを求核化合物と結合することによって作製される。
本発明のさらに他の実施形態は、剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化する方法であって、スルフヒドリル、アミン、カルボキシルまたはヒドロキシル部分を有するタンパク質を、反応性エポキシド部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーと、タンパク質上のスルフヒドリル、アミン、カルボキシルまたはヒドロキシル部分と、剛性のマクロ多孔性ポリマー上のエポキシド部分との間で求核反応を起こさせる反応条件下で結合することを含み、それによりタンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化させる方法である。本発明の特定の実施形態では、タンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマーと結合する前に、タンパク質上の少なくとも1つの求核性部分を封鎖する。
本発明の被分析物質センサは一般に、本明細書で開示する多孔性マトリックスを組み込んでいる。一般に、被分析物質センサ装置は、通常作用電極の一部またはすべてを被覆するセンサの導電層上に配置された被分析物質検知層を含む。この被分析物質検知層は、感知される被分析物質の存在下、導電層中の作用電極で電流を検出可能なように変える。本明細書で開示するように、この被分析物質検知層は一般に、作用電極での電流を調節できる分子の濃度を変化させる仕方で、対象の被分析物質と反応する酵素もしくは抗体分子または同様のものを含む(例えば、図1の反応スキームに示すような酸素および/または過酸化水素を参照されたい)。例示的な被分析物質検知層は、グルコースオキシダーゼ(例えば、グルコースセンサで使用するため)または乳酸オキシダーゼ(例えば、乳酸塩センサで使用するため)などの酵素を含む。本発明のいくつかの実施形態では、被分析物質検知層は、多孔質金属および/またはセラミックおよび/またはポリマーマトリックス上に配置される。構成要素のこの組合せはセンサにおいて電極として機能する。
一般に、被分析物質検知層は、被分析物質感知化合物(例えば、酵素)と実質的に固定した比率で担体タンパク質をさらに含み、その被分析物質感知化合物と担体タンパク質は被分析物質検知層全体にわたってほぼ均一に分布している。一般に、被分析物質検知層は非常に薄く、例えば1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。特定の科学的理論に拘泥するわけではないが、電着は、被膜層内の反応性酵素の一部だけしか、感知される被分析物質にアクセスすることができない3〜5μm厚さの酵素層を生成するので、そうした薄い被分析物質検知層を有するセンサは、電着によって通常生成されるより厚い層と比較して、驚くほど向上した特性を有すると考えられる。電着プロトコールによって作製される、そうした、より厚いグルコースオキシダーゼのペレットは、低い機械的安定性(例えば、クラックが入る傾向)がさらに見られ、実際の使用の準備にさらに長い期間を必要とし、通常、埋め込みの準備ができるまでに、試験に数週間かかる。本明細書に記載の薄い層状酵素コーティングではこれらの問題は認められないため、これらの薄いコーティングは本発明の典型的な実施形態である。
例えばグルコースオキシダーゼを用いるセンサでは、電着によって生成される厚いコーティングは、3〜5μm厚さの酵素層の反応界面で生成する過酸化水素がセンサ表面と接触しそれによってシグナルを発生する能力を妨げる可能性がある。さらに、そうした厚いコーティングに起因してセンサ表面に到達できない過酸化水素は、センサが置かれている環境中に離れるようにセンサから拡散し、それによってセンサの感度および/または生体適合性を低下させる可能性がある。さらに、特定の科学的理論に拘泥するわけではないが、そうした薄い被分析物質検知層を有するセンサは、スピンコーティングまたは同様のものなどの方法が、アルブミン(酵素層中のグルコースオキシダーゼを安定化させるための担体タンパク質として用いられる)とグルコースオキシダーゼの酵素コーティング比の正確な制御を可能にするという事実からもたらされる予想外に有利な特性を有すると考えられる。具体的には、グルコースオキシダーゼとアルブミンは異なる等電点を有するので、電着法は、最適に決定された酵素と担体タンパク質の比が、電着法において不利益な方へ変えられ、さらに、グルコースオキシダーゼと担体タンパク質が、配置された酵素層全体にそれほど均一でない形で分布する表面コーティングをもたらす可能性がある。さらに、そうした薄い被分析物質検知層を有するセンサは予想外に速い応答時間を有している。特定の科学的理論に拘泥するわけではないが、薄い酵素層は、作用電極表面へのより良好なアクセスを可能にし、かつ、電極で電流を調節するより多くの割合の分子が電極表面にアクセスできるようにするという事実によって、これらの驚異的でかつ有利な特性がもたらされると考えられる。この関連で、本発明の特定のセンサ実施形態では、哺乳動物の体内にある被分析物質への曝露に応答した電流の変化は、被分析物質が被分析物質センサに接触して15、10、5または2分以内に、電流計で検出することができる。
任意選択で、被分析物質検知層は、その上に配置されたタンパク質層を有しており、そのタンパク質層は、一般にその被分析物質検知層と被分析物質調節層の間にある。タンパク質層内のタンパク質は、ウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミンからなる群から選択されたアルブミンである。通常、このタンパク質は架橋されている。特定の科学的理論に拘泥するわけではないが、センサノイズ(例えば、誤ったバックグラウンドシグナル)を減少させるコンデンサのようなものとして作用することによって、この別個のタンパク質層は、センサ機能を向上させ、驚くほどの機能的利益をもたらすと考えられる。例えば、本発明のセンサでは、被分析物質検知層の酵素に接触できる被分析物質の量を制御する層である、センサの被分析物質調節膜層の下で、ある量の水分が生成する可能性がある。この水分は、センサを用いる患者が動くのにつれてセンサ内で位置が変わる圧縮性の層を生み出す可能性がある。センサ内でのそうした層の位置変化は、グルコースなどの被分析物質が、実際の生理学的被分析物質濃度からは独立した形で被分析物質検知層を通して移動するその仕方を変え、それによってノイズを発生させる可能性がある。この関連では、タンパク質層は、GOxなどの酵素が水分層と接触するのを防ぐことによって、コンデンサ(capacitor)として作用することができる。このタンパク質層は、被分析物質検知層と被分析物質調節膜層の間の接着を促進することなどのいくつかの追加の利点を付与することができる。あるいは、この層の存在は、過酸化水素などの分子のためにより大きな拡散経路をもたらし、それによって、電極感知素子にその分子を局在化させ、センサ感度の向上に寄与することができる。
一般に、被分析物質検知層および/または被分析物質検知層上に配置されたタンパク質層は、その上に配置された接着促進層を有する。そうした接着促進層は、被分析物質検知層と、近位の層、通常被分析物質調節層との間の接着を促進する。この接着促進層は一般に、様々なセンサ層間の最適の接着を促進する能力を有しているために選択され、かつ、センサを安定化させるように機能するγ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を含む。興味深いことには、そうしたシラン含有接着促進層を有するセンサは、高い全体的安定性を含む予想外の特性を示す。さらに、シラン含有接着促進層は、センサ安定性を高める能力に加えていくつかの有利な特性を提供し、例えば、1つ以上の所望の被分析物質の妨害拒絶ならびに物質移動を制御する上で有益な役割を果たすことができる。
本発明の特定の実施形態では、接着促進層は、グルコースなどの被分析物質が被分析物質調節層を通って拡散するのを制限するように働く、ポリジメチルシロキサン(PDMS)化合物などの隣接層中に存在することもできる1つ以上の化合物をさらに含む。例えば、センサを作製する際に、それが、穴または隙間がAP層に生じる可能性を低下させる場合、AP層へのPDMSの添加は有利な可能性がある。
一般に、接着促進層は、その上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節するように機能する被分析物質調節層を有する。一実施形態では、その被分析物質調節層は、センサ層を通る被分析物質(例えば、酸素)の拡散を高めるように働き、その結果被分析物質検知層中の被分析物質濃度を高めるように機能する組成物(例えば、ポリマーなど)を含む。あるいは、被分析物質調節層は、センサ層を通る被分析物質(例えば、グルコース)の拡散を制限するように働き、その結果被分析物質検知層中の被分析物質濃度を限定するように機能する組成物を含む。この具体例は、ポリジメチルシロキサンまたは同様のものなどのポリマーを含む親水性グルコース制限膜(すなわち、それを通るグルコースの拡散を制限するように機能する)である。以下の節で論じるように、本発明の例示的実施形態は、ポリ(ジメチルシロキサン)などの材料から作製され、かつ、被分析物質の感知を容易にするように、その中に配置された複数の細孔を任意選択で含む被分析物質調節膜(例えば、グルコース制限膜)を組み込んだセンサである。任意選択で、膜の中の複数の細孔の1つ以上は親水性組成物で満たされている。
一般に、被分析物質調節層は典型的には電気絶縁性保護層である1つ以上の被覆層をさらに含む。1つの被覆層は、センサ装置の少なくとも一部の上に配置されている(例えば、被分析物質調節層を被覆する)。絶縁保護被覆層として用いることができるポリマーコーティングには、これらに限定されないが、シリコーン化合物、ポリイミド、生体適合性ソルダーマスク、エポキシアクリルコポリマーまたは同様のものなどの非毒性の生体適合性ポリマーが含まれる。被覆層の例はシリコーン上へのスピンされたものを含む。一般に、被覆層は、感知される被分析物質を含む溶液に、センサ層(例えば、被分析物質調節層)の少なくとも一部を曝露するアパーチャをさらに含む。
図1に示すように、本明細書に記載の被分析物質センサは、陰極で分極して、例えば、グルコースがグルコースオキシダーゼと相互作用して生じる、作用陰極に近位の酸素濃度の変化によってもたらされる作用陰極での電流の変化を検出することができる。あるいは、図1に示すように、本明細書に記載の被分析物質センサは、陽極で分極して、例えば、グルコースがグルコースオキシダーゼと相互作用して生じる、作用陽極に近位の過酸化水素濃度の変化によってもたらされる作用陽極での電流の変化を検出することができる。本発明の典型的な実施形態では、作用電極での電流は基準電極(対照)での電流と比較される。これらの測定値間の差は、その後で測定被分析物質の濃度と相関付けすることができる値を提供する。これらの二重電極での電流を比較して測定値を得ることによって電流値を得る被分析物質センサ設計物は、通常、例えば二重酸素センサと称される。
本発明のいくつかの実施形態では、被分析物質センサ装置は、陽極分極を介して機能し、それによって電流の変化が被分析物質センサ装置の導電層の陽極作用電極で検出されるように設計される。陽極分極と関連付けられ得る構造的な設計の特徴は、陽極である作用電極、陰極である対向電極および基準電極を含む適切なセンサ構造を設計することと、次いで、被分析物質検知層を、この設計物構造内の陽極の表面の適切な部分の上に選択的に配置することを含む。任意選択で、この陽極分極構造設計は、異なるサイズの表面積を有する陽極、陰極および/または作用電極を含む。例えば、この構造設計は、作用電極(陽極)および/または作用電極のコーティング表面が、対向電極(陰極)および/または対向電極のコーティング表面より大きいという特徴を含む。この関連では、次いで陽極作用電極で検出できる電流の変化を、被分析物質の濃度と相関付ける。本発明のこの実施形態の特定の具体例では、作用電極は、酸化反応での過酸化水素(グルコースオキシダーゼまたは乳酸オキシダーゼなどの酵素が、それぞれグルコースまたは乳酸塩と反応して生成する過酸化水素である)を測定し利用する(例えば、図1を参照されたい)。そうした過酸化水素再循環能力を有する電気化学的グルコースおよび/または乳酸塩センサに関連する本発明のそうした実施形態は特に興味深いものである。その理由は、この分子の再循環が、センサから置かれている環境中へ逃げる恐れがある過酸化水素の量を低減させるからである。この関連では、過酸化水素などの組織刺激物質の放出を低減させるように設計された埋め込み可能なセンサは、改善された生体適合性プロファイルを有することになる。さらに、過酸化水素はグルコースオキシダーゼなどの酵素と反応し、その生物学的機能を損なう恐れがあるので、この現象を回避できるために、そうしたセンサを望むことができる。任意選択で、被分析物質調節層(例えば、グルコース制限層)は、センサが置かれている環境へ過酸化水素が拡散して行くのを阻止するように働く組成物を含むことができる。それによって、本発明のこのような実施形態は、本明細書で開示する過酸化水素再循環素子を組み込むことにより、過酸化水素を生成する酵素を組み込むセンサの生体適合性を向上させる。
ベース層、導電層、被分析物質検知層、任意選択のタンパク質層、接着促進層および被分析物質調節層ならびに被覆層を含む本発明の被分析物質センサの特定の実施形態はいくつかの予想外の特性を示す。例えば、陰極分極を介して機能するような構造にしたセンサに対して、陽極分極を介して機能するような構造にしたセンサでは、被分析物質検知層ならびに電極表面での電気化学的反応の差は、異なる化学物質を生成および/または消費し、それによって、種々のセンサ素子が異なる極性で機能する化学的環境を変える。この関連では、本明細書で開示するセンサ構造は、異なる様々な化学的および/または電気化学的条件下で、予想外の安定度で機能することを示す、驚くほど多目的性のデバイスを提供する。
本明細書で開示する本発明の特定の実施形態(例えば、過酸化水素再循環能力を有するもの)では、センサ層は、その両方がグルコースオキシダーゼまたは乳酸オキシダーゼなどの酵素を含む被分析物質検知層でコーティングされた作用電極(例えば、陽極)と対向電極(例えば、陰極)を含む複数の電極を有する。そうしたセンサ設計物は、高い感度を含む驚くべき特性を有する。理論に拘泥するわけではないが、これらの特性は、グルコース感知反応で利用できる追加の酸素を生成する、作用電極または対向電極の表面での過酸化水素の強い酸化によってもたらされる(例えば、図1を参照されたい)。したがって、この再循環効果は、本明細書で開示する特定のセンサ実施形態の酸素に依存する限度を低下させることができる。さらに、この設計物により、利用可能な過酸化水素を容易に低減させることができ、したがってより低い電極電位を有する作用電極を有するセンサを得ることができる。このタイプのセンサにおける高い電極電位は、センサを不安定化させる(加水分解反応によって生じた気泡によるセンサ層の破壊による)恐れのある気体を生成させる加水分解反応をもたらす可能性があるので、より低い電極電位で機能するように設計されたセンサは、本発明の典型的な実施形態である。さらに、対向電極が、グルコースオキシダーゼまたは乳酸オキシダーゼなどの酵素を含む被分析物質検知層からなる非常に薄い層でコーティングするように設計されたセンサの実施形態では、酵素反応で生成される過酸化水素は対向電極の反応性表面に非常に近接している。これは、例えばより狭い反応性表面を有する対向電極を含むコンパクトなセンサ設計物の作製を可能にする形で、センサの全体的効率を増大させることができる。
哺乳動物内に埋め込むための被分析物質センサ装置の具体的な例は、以下の設計物の過酸化物センサである。過酸化物センサ装置の第1層は、一般にアルミナなどのセラミックでできたベース層である。ベース層上に配置される次の層は陽極作用電極および基準電極を含む複数の電極を含む導電層である。導電層上に配置される次の層は、図1に示すように、グルコースを感知し、続いて過酸化水素を発生する架橋されたグルコースオキシダーゼを含む被分析物質検知層である。この過酸化水素の存在下で、生成した過酸化水素が導電層中のこの陽極と接触し酸化されると、陽極作用電極では測定可能な電流が増加する。基準電極は対照として働き、かつ、作用電極、および図1に示す反応により生成した過酸化水素から物理的に隔てられる。この被分析物質検知層は通常1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さであり、ほぼ一定の比での架橋ヒト血清アルブミンと架橋グルコースオキシダーゼの混合物を含み、このグルコースオキシダーゼとヒト血清アルブミンは、センサ層全体にほぼ均一に分布している。センサ層上に配置される次の層は架橋ヒト血清アルブミンを含むタンパク質層である。タンパク質層上に配置される次の層は、被分析物質検知層および/またはタンパク質層と、これらの層の上に配置された被分析物質調節層との間の接着を促進する接着促進層である。この接着促進層はシラン組成物を含む。接着促進層上に配置される次の層は、それを通るグルコースの拡散を調節するPDMSまたは同様のものを通常含む親水性グルコース制限膜の形の被分析物質調節層である。任意選択で、被分析物質調節層は、選択された分子の浸透を容易にするように設計された複数の細孔を有するプレキャストPDMSポリマーである。いくつかの実施形態では、これらの細孔の1つ以上は親水性組成物で満たされている。次の層は、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置された一般にシリコーンを含む被覆層であり、この被覆層は、被分析物質調節層の少なくとも一部を、外部グルコースを含む環境へ曝露し、それによってグルコースが作用電極上の被分析物質検知層へのアクセスできるようにするアパーチャをさらに含む。この過酸化物センサ装置は、被分析物質調節層を通って拡散し、次いで被分析物質検知層中のグルコースオキシダーゼと反応するグルコースによってもたらされる過酸化水素シグナルが、電流計で測定できるセンサの導電層中の陽極作用電極での電流の検出可能な変化を生み出すように、陽極分極を介して機能する。次いで、陽極作用電極でのこの電流の変化を、外部環境中のグルコースの濃度と相関付けることができる。したがって、この設計物のセンサは、過酸化物をベースとしたグルコースセンサとして働くことができる。
E.被分析物質センサ装置および素子の並べかえ:
上記したように、本明細書で開示する本発明は、非常に薄い酵素コーティングを有するセンサを含むいくつかの実施形態を含む。本発明のそうした実施形態では、当業者は、本明細書で開示する被分析物質センサ装置の様々な並べかえが可能である。上記したように、本明細書で開示するセンサの一般的な実施形態の例は、ベース層、被覆層、およびベース層と被覆層との間に配置された電極などのセンサ素子を有する少なくとも1つの層を含む。一般に、1つ以上のセンサ素子(例えば、作用電極、対向電極、基準電極等)の曝露された部分は、適切な電極化学品(chemistry)を有する材料からなる非常に薄い層でコーティングされている。例えば、乳酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼまたはヘキソキナーゼなどの酵素は、被覆層に画成された開口部またはアパーチャ内のセンサ素子の曝露された部分上に配置することができる。図2A,図2Bは本発明の典型的なセンサ構造100の断面図を示す。センサは、センサ構造100を作製するための本発明の方法によって、お互いの上に配置された種々の導電性構成要素と非導電性構成要素の複数の層から形成される。
上記したように、本発明のセンサでは、センサの種々の層(例えば、被分析物質検知層)は、その中に組み込まれた1つ以上の生体活性材料および/または不活性材料を有することができる。本明細書で用いる「組み込まれた(incorporated)」という用語は、それによって組み込まれた材料が、その層の固相または支持マトリックスの外面上またはその中に保持される任意の状態または状況を表すことを意味する。したがって、「組み込まれた」材料は、例えば固定化されていても、物理的に取り込まれていても、または、マトリックス層の官能基に共有結合で結合されていてもよい。さらに、その追加のステップまたは薬剤が本発明の目的に不利益ではなく、その目的に合致する場合、前記材料の「組み込み」を促進する任意のプロセス、試薬、添加剤または分子結合剤を用いることができる。この定義は、もちろん、その中に生体活性分子(例えば、グルコースオキシダーゼなどの酵素)が「組み込まれる」本発明の実施形態のいずれにも適用される。例えば、本明細書で開示するセンサの特定の層は、架橋可能なマトリックスとして作用するアルブミンなどのタンパク性物質を含む。本明細書で用いるタンパク性物質は、実際の物質が天然タンパク、不活性化タンパク質、変性タンパク質、加水分解された種であるかまたはそれから誘導された産物であるタンパク質から通常誘導される物質を包含することを意味する。適切なタンパク性材料の例には、これらに限定されないが、グルコースオキシダーゼおよび乳酸オキシダーゼなどの酵素、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン等)、カゼイン、γ−グロブリン、コラーゲンおよびコラーゲン誘導産物(例えば、魚ゼラチン、魚グルー、動物ゼラチンおよび動物グルー)が含まれる。
本発明の例示的実施形態を図2A,図2Bに示す。この実施形態は、センサ100を支持するための電気絶縁性ベース層102を含む。電気的絶縁層ベース102はセラミック基体などの材料から作製することができ、それは自立性であっても、当業界で周知の他の材料でさらに支持されていてもよい。代替の実施形態では、電気的絶縁層102は、リールから供給されるポリイミド基体、例えばポリイミドテープを含む。層102をこの形態で供給すると、清浄で高い密度の大量生産を容易にすることができる。さらに、そうしたポリイミドテープを用いたいくつかの製造方法では、センサ100をテープの両側に作製することができる。
本発明の典型的な実施形態は、ベース層102上に配置された被分析物質検知層を含む。例示的な実施形態では、図2A,図2Bに示すように、被分析物質検知層は絶縁性ベース層102上に配置された導電層104を含む。一般に、導電層104は1つ以上の電極を含む。以下で説明するように、導電層104は、多くの既知の技術および材料を用いて施用することができるが、センサ100の電気回路は一般に、配置された導電層104を所望のパターンの導電性パスにエッチングすることによって画成される。センサ100のための典型的な電気回路は、近接端に導体パッドを形成するための領域を有し、遠位端にセンサ電極を形成するための領域を有する、2つ以上の隣接する導電性パスを含む。ポリマーコーティングなどの電気絶縁性保護被覆層106は一般に、導電層104の一部に配置されている。絶縁性保護層106として使用することができるポリマーコーティングには、これらに限定されないが、ポリイミド、生体適合性ソルダーマスク、エポキシアクリルコポリマーまたは同様のものなどの非毒性の生体適合性ポリマーが含まれる。さらに、これらのコーティングは、導電層104へ通るアパーチャ108のフォトリソグラフィーによる形成を容易にするために、光画像形成可能なものであってよい。本発明の特定の実施形態では、被分析物質検知層は、センサ中の電極として機能する素子のこの組合せと一緒に、多孔質の金属および/またはセラミックおよび/またはポリマーマトリックス上に配置される。
本発明のセンサでは、センサ100の導体パッドと電極を画成するために、1つ以上の曝露された領域またはアパーチャ108を、保護層106を通って導電層104の方へ形成させることができる。フォトリソグラフィー現像法に加えて、アパーチャ108は、レーザー切断(レーザーアブレーション)、化学研磨またはエッチングまたは同様のものを含むいくつかの技術で形成させることができる。二次のフォトレジストを被覆層106に施用して、アパーチャ108を形成させるために取り除かれる保護層の領域を画成することもできる。動作センサ100は一般に、電気的に互いに隔てられた作用電極および対向電極などの複数の電極を含むが、通常互いに近接して配置される。他の実施形態は基準電極を含むこともできる。さらに他の実施形態は、センサ上には形成されていない別個の基準素子を用いることができる。曝露電極および/または導体パッドに、アパーチャ108を介して追加のメッキ加工などの二次加工を施して、表面を作製し、かつ/または導電性領域を強化することもできる。
被分析物質検知層110は一般に、アパーチャ108を介して導電層104の1つ以上の曝露電極上に配置される。一般に、被分析物質検知層110はセンサ化学層であり、最も典型的には酵素層である。一般に、被分析物質検知層110は酵素グルコースオキシダーゼまたは酵素乳酸オキシダーゼを含む。そうした実施形態では、被分析物質検知層110はグルコースと反応して、過酸化水素を生成する。その過酸化水素は電極への電流を調節するものであり、それをモニタして存在するグルコースの量を測定することができる。センサ化学層110は、導電層の一部または導電層の全領域の上に施用することができる。一般に、センサ化学層110は、導電層を含む作用電極および対向電極の一部の上に配置される。薄いセンサ化学層110を作製するためのいくつかの方法には、スピンコーティング法、浸漬乾燥法、低せん断噴霧法、インクジェットプリント法、シルクスクリーン法などが含まれる。最も典型的には、薄いセンサ化学層110はスピンコーティング法により施用される。
被分析物質検知層110は通常1つ以上の被膜層でコーティングされている。本発明のいくつかの実施形態では、そうした1つの被膜層は、被分析物質検知層の酵素と接触可能な被分析物質の量を制御することができる膜を含む。例えば、被膜層は、電極上のグルコースオキシダーゼ酵素層と接触するグルコースの量を制御するグルコース制限膜などの被分析物質調節膜層を含むことができる。そうしたグルコース制限膜は、そのような目的に適していることが分かっている様々な材料、例えばシリコーン、ポリウレタン、ポリ尿素酢酸セルロース、Nafion、ポリエステルスルホン酸(Kodak AQ)、ヒドロゲルまたは当業者に知られている他の任意の膜から作製することができる。以下の節で論じるように、本発明の例示的実施形態は、ポリ(ジメチルシロキサン)または同様のものから作製され、かつ、被分析物質の感知を容易にするためにその中に配置された複数の細孔を任意選択で含む被分析物質センサ(例えば、グルコース制限膜)で使用するための被分析物質調節膜である。任意選択で、膜の中の複数の細孔の1つ以上は親水性組成物で満たされている。
本発明のいくつかの実施形態では、被膜層は、グルコースがセンサ化学層110と接触するのを制御するために、センサ化学層110の上に配置されているグルコース制限膜層112である。本発明のいくつかの実施形態では、図2A,図2Bに示すように、その接触および/または接着を容易にするために、接着促進層114は、膜層112とセンサ化学層110との間に配置されている。接着促進層114は、そうした層間の結合を容易にするのに当業界で知られている様々な材料のいずれかで作製することができる。一般に、接着促進層114はシラン化合物を含む。代替の実施形態では、センサ化学層110中のタンパク質または同様の分子は、接着促進層114が存在しない下で、膜層112がセンサ化学層110と直接接触して配置されるように十分に架橋されているか、あるいは調製されていてよい。
上記したように、本発明の実施形態は1つ以上の官能性被膜層を含むことができる。本明細書で用いる「官能性被膜層」という用語は、センサの少なくとも1つの表面の少なくとも一部、より一般的にはセンサの表面のほぼ全体を被覆しており、かつ、センサが置かれている環境下で化合物、細胞およびその断片などの1つ以上の被分析物質と相互作用することができる層を意味する。官能性被膜層の非限定的な例には、センサ化学層(例えば、酵素層)、被分析物質制限層、生体適合性層;センサの滑りやすさを増大させる層;センサへの細胞付着を促進する層;センサへの細胞付着を低減させる層などが含まれる。一般に、被分析物質調節層は、1つ以上のグルコースなどの被分析物質がそれらの層を通って拡散するのを阻止または制限するように機能する。任意選択で、そうした層を、その層を通るある種の分子(例えば、グルコース)の拡散を阻止または制限し、同時に、その層を通る他の種類の分子(例えば、O)の拡散を可能にするか、さらには容易にするように形成させることができる。官能性被膜層の例は、米国特許第5,786,439号および同第5,391,250号に開示されているものなどのヒドロゲルである。それぞれの開示を本願に引用して援用する。そこに記載されているヒドロゲルは、取り囲む水層を備えるのが有利である様々な埋め込み可能なデバイスで特に有用である。
本明細書で開示するセンサ実施形態は、UV吸収性ポリマーを有する層を含むことができる。本発明の一態様によれば、UV吸収性ポリマーを含む少なくとも1つの官能性被膜層を備えるセンサが提供される。いくつかの実施形態では、UV吸収性ポリマーはポリウレタン、ポリ尿素またはポリウレタン/ポリ尿素コポリマーである。より一般的には、選択されるUV吸収性ポリマーは、ジイソシアナート、少なくとも1種のジオール、ジアミンまたはその混合物と多官能UV吸収性モノマーを含む反応混合物から生成させる。
UV吸収性ポリマーは、ロードらの「Transcutaneous Sensor Insertion Set」という名称の米国特許第5,390,671号;ウィルソンらの「Implantable Glucose Sensor」という名称の同第5,165,407号;およびゴッホの「Two−Dimensional Diffusion Glucose Substrate Sensing Electrode」という名称の米国特許第4,890,620号に記載されているものなどの様々なセンサ加工法において有利に用いられる。これらの特許を本願に引用して援用する。しかし、センサ素子の上かまたは下にUV吸収性ポリマー層を形成させるステップを含むいずれのセンサ製造法も、本発明の範囲内に含まれるものとする。具体的には、本発明の方法は薄膜加工法に限定されず、UVレーザーカットを用いる他のセンサ加工法を用いて加工することができる。実施形態は、厚膜状、平面状または円筒状センサ等、およびレーザーカットを必要とする他のセンサを用いて加工することができる。
本明細書で開示するように、本発明のセンサは、糖尿病患者の血中グルコース濃度をモニタする皮下または経皮グルコースセンサとして使用するために特に設計される。一般に、各センサは、複数のセンサ素子、例えば、下にある絶縁性薄膜ベース層と上にある絶縁性薄膜被覆層との間に形成された細長い薄膜導体などの導電性素子を含む。
望むなら、単一のセンサ中に複数の異なるセンサ素子を含めることができる。例えば、導電性センサ素子と反応性センサ素子の両方を1つのセンサに合体させることができる、任意選択で、各センサ素子はベース層の異なる部分に配置される。1つ以上の制御素子も備えることができる。そうした実施形態では、センサは、その被覆層に複数の開口部またはアパーチャを画成しておくことができる。センサが置かれている環境で1つ以上の被分析物質とのベース層の相互作用をもたらすために、1つ以上の開口部は、ベース層の一部のすぐ上の被覆層に画成することもできる。ベース層および被覆層は様々な材料、一般にポリマーを含むことができる。より具体的な実施形態では、ベース層および被覆層はポリイミドなどの絶縁材料を含む。開口部は、遠位端の電極および近接端の導体パッドに曝露されるように通常被覆層中に形成される。例えば、グルコースをモニタリングする用途では、センサを経皮的に配置し、それによって、遠位端電極は患者の血液または細胞外流体と接触しており、導体パッドは、モニタリングデバイスとの連結に好都合なように外部に配置されるようにすることができる。
本発明のセンサは、所望の任意の構造、例えば平面状または円筒状の構造を有することができる。ベース層102は剛性ポリマー層などの自立性の層、または軟質フィルムなどの非自立性の層とすることができる。後者の実施形態は、連続的に巻き戻され(unwound)、センサ素子や被膜層が連続的に塗布されるポリマーフィルムロールを用いて、センサを連続的に製造できるという点で望ましい。
本発明の一般的実施形態は、ベース層、複数のセンサ素子を含むベース層上に配置された被分析物質検知層、導電層上の複数の感知素子のすべてを被覆する被分析物質検知層上に配置された酵素層(一般に2μm未満の厚さ)および1つ以上の被膜層を含む、体内に埋め込むように設計されたセンサである。一般に、酵素層は、通常担体タンパク質とほぼ一定の比でグルコースオキシダーゼを含む。特定の実施形態では、グルコースオキシダーゼおよび担体タンパク質は、配置された酵素層全体にわたってほぼ均一に分布している。一般に、担体タンパク質は、通常アルブミンを約5重量%の量で含む。本明細書で用いる「アルブミン」は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンなどの、ポリペプチド組成物を安定化させるのに当業者によって通常用いられるアルブミンタンパク質を指す。本発明のいくつかの実施形態では、被膜層は、酵素層に接触できる被分析物質の量を制御するために、センサ上に配置される被分析物質接触層である。他の実施形態では、センサは酵素層と被分析物質接触層との間に配置された接着促進層を含み、その酵素層は1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。
本発明の一態様は、向上した材料特性を有する改善された電極化学品コーティング物(例えば、2μm未満の厚さの酵素コーティング)を有するセンサを作製するための方法を含む。本発明の極めて薄い酵素コーティングを作製する方法には、スピンコーティング法、浸漬乾燥法、低せん断噴霧法、インクジェットプリント法、シルクスクリーン法などが含まれる。一般に、そうしたコーティングは、塗布した後に蒸気架橋される。驚くべきことに、これらの方法で作製されたセンサは、長い寿命、直線性、規則性、ならびに向上したシグナルとノイズの比を含む、電着で作製されたコーティングを有するセンサのそれを超える材料特性を有する。さらに、このような方法で形成させたグルコースオキシダーゼコーティングを用いる本発明の特定のセンサ実施形態は、過酸化水素を再循環させ、かつ、そうしたセンサの生体適合性プロファイルを向上するように設計される。本発明の例示的実施形態は、過酸化水素を消費し、かつ酸素を再循環するように設計されたものを含む。
この関連では、本発明の例示的実施形態は、電極などのマトリックスの表面上に安定化されたグルコースオキシダーゼの約2μm未満のコーティングを作製する方法であって、グルコースオキシダーゼを一定の比(通常グルコースオキシダーゼ安定化特性を最適化させる比)でアルブミンと結合するステップと、スピンコーティング法、浸漬乾燥法、マイクロ被着法、ジェットプリンター被着法、スクリーンプリント法またはドクターブレード法からなる群から選択される方法でマトリックスの表面にグルコースオキシダーゼとアルブミンの混合物を施用するステップとを含む方法である。一般に、安定化されたグルコースオキシダーゼコーティングはスピンコーティング法により電極の表面に施用する。いくつかの実施形態では、グルコースオキシダーゼ/アルブミンは、アルブミンが約5重量%の量で存在する生理学的溶液(例えば、中性pHのリン酸緩衝生理食塩水)で調製される。任意選択で、導電層上に形成される安定化されたグルコースオキシダーゼ層は2、1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。本発明の密接に関連する実施形態は電極の表面をコーティングための安定化されたグルコースオキシダーゼ層であって、そのグルコースオキシダーゼがその層内で担体タンパク質と一定の比で混合されており、グルコースオキシダーゼと担体タンパク質が層全体にほぼ均一に分布している層である。一般に、その層は2μm未満の厚さである。
本発明の実施形態は、被分析物質検知層が多孔質金属および/またはセラミックおよび/またはポリマーマトリックス上に配置されている設計物を含む。この素子の組合せはセンサ内の電極として機能する。本発明の関連する実施形態は、ベース層と、少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの対向電極を含むベース層上に配置された導電層と、その導電層上に配置された2μm未満の厚さの被分析物質検知層と、一般にその層を通して拡散し被分析物質検知層と接触することができる被分析物質の量を制限することによって、酵素層と接触する被分析物質の量を制御する被分析物質調節層とを含む電気化学的被分析物質センサである。本発明の任意選択の実施形態では、作用電極および/または作用電極のコーティング表面は対向電極および/または対向電極のコーティング表面より大きい。いくつかの実施形態では、酵素層は、それを作用電極と対向電極の上に、一定の比で担体タンパク質と組み合わせてコーティングすることによって安定化されたグルコースオキシダーゼを含む。一実施形態では、このグルコースオキシダーゼ酵素層は導電層を実質的に被覆する。グルコースオキシダーゼ酵素層が、導電層全体に均一なコーティングで配置されている実施形態は典型的なものである。その理由は、異なる材料特性を有する異なるコーティングの選択的層間剥離などの、単一の層上に複数の異なるコーティングを有するセンサに付随する問題を回避できるからである。一般に、このセンサは酵素層と被分析物質調節層との間に配置された接着促進層を含む。
本発明の関連する実施形態は、ベース層と、少なくとも1つの作用電極と、少なくとも1つの基準電極および少なくとも1つの対向電極を含むベース層上に配置された導電層と、その導電層上に配置された酵素層と、その酵素層と接触する被分析物質の量を制御する被分析物質調節被覆層とを含む電気化学的被分析物質センサである。いくつかの実施形態では、酵素層は2μm未満の厚さであり、作用電極、基準電極および対向電極の少なくとも一部の上にコーティングされている。例示的な実施形態では、酵素層は作用電極、基準電極および対向電極を実質的に被覆している。任意選択で、酵素層は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)と一定の比で組み合わせてグルコースオキシダーゼを含む。一般に、センサは酵素層と被分析物質調節層との間に配置された接着促進層を含む。
本発明のさらに他の実施形態は、体内に埋め込むためのグルコースセンサであって、ベース層と、そのベース層上に配置された導電層と、その導電層上に配置されたグルコースオキシダーゼを含む被分析物質検知層であって、そのグルコースオキシダーゼは、それを規定の比でアルブミンと結合することによって安定化されており、さらに、グルコースオキシダーゼとアルブミンが、配置された層全体にほぼ均一に分布している検知層と、グルコース制限層を通して拡散してグルコースオキシダーゼ層と接触するグルコースの量を制御するグルコース制限層を含むセンサを含む。いくつかの実施形態では、導電層は少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの対向電極を含む複数のセンサ素子を含む。そうしたセンサの実施形態では、グルコースオキシダーゼを含む被分析物質検知層は一般に、2、1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さであり、層中のアルブミンは約5重量%の量で存在する。一般に、センサは、グルコースオキシダーゼを含む被分析物質検知層とグルコース制限層との間に配置された接着促進層を含む。
F.被分析物質センサ装置の構造:
臨床の場において、グルコースおよび/または乳酸塩などの被分析物質のレベルの正確かつ比較的迅速な判定は、電気化学的センサを用いて血液試料から測定することができる。従来のセンサは多くの使用可能部品を含んで大きな形で加工されている。すなわち、多くの状況において、小さい平面状のセンサはより好都合である。本明細書で用いる「平面状」という用語は、例えば周知の厚膜または薄膜の技術を用いて、比較的薄い材料の層を含む実質的に平面状の構造物を加工する周知の手順を指す。例えばリューらの米国特許第4,571,292号およびパパダキスらの同第4,536,274号を参照されたい。その両方を本願に引用して援用する。以下に記すように、本明細書で開示する本発明の実施形態は、当業界の既存のセンサより広い範囲の幾何学構造(例えば、平面)を有している。さらに、本発明の特定の実施形態は、薬剤輸液ポンプなどの他の装置に連結された1つ以上の本明細書で開示するセンサを含む。
図2A,図2Bは本発明の典型的な被分析物質センサ構造の概略図を示す。図3は被分析物質センサ装置で作製することができる比較的平らな「リボン」型構造の概観図(上側)と断面図(下側)を示す。そうした「リボン」型構造は、グルコースオキシダーゼなどの感知酵素のスピンコーティング(柔軟性の高いセンサ形状物の設計および製造を可能にする極めて薄い酵素コーティングを作製する製造ステップである)によってもたらされる本明細書で開示するセンサの利点を示す。そうした薄い酵素コーティングがなされたセンサは、埋め込み可能なデバイスに非常に望ましい特性であるより小さいセンサ領域を可能にし、同時にセンサ感度を維持することなどの他の利点を提供する(例えば、より小さいデバイスは埋め込みやすい)。したがって、スピンコーティングなどの方法で形成させることができる非常に薄い被分析物質検知層を用いる本発明のセンサ実施形態は、電着などの方法によって形成された酵素層を用いたセンサより、広い範囲の幾何学構造(例えば、平面)を有することができる。
図4Aおよび図4Bは、複数の作用電極、対向電極および基準電極などの複数の導電性素子を含む様々なセンサ構造を示す。このような構造の利点には表面がより広いことが含まれ、これはより高いセンサ感度をもたらす。例えば、図4Bに示すセンサ構造では、このパターン(7つのビアホールを含む)には第3の作用センサが導入されている。このような構造の明らかな1つの利点は、3つのセンサのシグナルの平均化である。この平均化はセンサの精度を高める。他の利点には、複数の被分析物質を測定できることが含まれる。具体的には、この構成(例えば、複数の作用電極、対向電極および基準電極)で電極を含む被分析物質センサ構造を、複数の被分析物質センサの中に組み込むことができる。酸素、過酸化水素、グルコース、乳酸塩、カリウム、カルシウムおよび任意の他の生理学的に該当する物質/被分析物質などの複数の被分析物質の測定は、いくつかの利点、例えばそうしたセンサが線形応答性ならびに較正および/または再較正のしやすさをもたらすという利点を提供する。
複数のセンサデバイスの例は、陰極で分極し、グルコースがグルコースオキシダーゼと相互作用した結果として作用電極(陰極)で発生する酸素濃度の変化を測定するように設計された第1のセンサと、陽極で分極し、外部環境、およびグルコースオキシダーゼとの相互作用によりもたらされるグルコースの結果として作用電極(陽極)で発生する過酸化水素濃度の変化を測定するように設計された第2のセンサを有する単一デバイスを含む。当業界で周知のように、そうした設計物においては、酸素がセンサに接触するのに従って、第1の酸素センサでは通常、作用電極で電流の減少が起こることになり、他方、図1に示すように、発生した過酸化水素センサに接触するのに従って、第2の過酸化水素センサでは通常、作用電極で電流の増加が起こることになる。さらに、当業界で周知のように、それぞれのセンサシステムにおける、基準電極に対する作用電極で生じる電流の変化の結果は、酸素および過酸化水素分子の濃度の変化と相関しており、次いでそれは、外部環境(例えば、哺乳動物の身体)でのグルコースの濃度と相関付けすることができる。
図5Aは、本発明の被分析物質センサを、薬剤輸液ポンプなどの他の医療用デバイスとどのように連結することができるかを示す図である。図5Bはこのスキームの変更形態を示す図である。本発明の入れ替え可能被分析物質センサは、例えば、医療用デバイス(例えば、ロック用電気接続部を有する皮下ポート)に連結されたポートを使用することによって、薬剤輸液ポンプなどの他の医療用デバイスに連結することができる。
II.本発明の被分析物質センサ装置を作製するための例示的な方法および材料:
多くの文献、米国特許および特許出願は、本明細書で開示する一般的方法および材料についての先行技術の状況を記載しており、さらに、本明細書で開示するセンサ設計物で用いることができる様々な素子を記載している。それらには、例えば、米国特許第6,413,393号、同第6,368,274号、同第5,786,439号、同第5,777,060号、同第5,391,250号、同第5,390,671号、同第5,165,407号、同第4,890,620号、同第5,390,671号、同第5,390,691号、同第5,391,250号、同第5,482,473号、同第5,299,571号、同第5,568,806号;米国特許出願20020090738;ならびにPCT国際公開番号WO01/58348、WO03/034902、WO03/035117、WO03/035891、WO03/023388、WO03/022128、WO03/022352、WO03/023708、WO03/036255、WO03/036310およびWO03/074107が含まれる。そのそれぞれの内容を本願に引用して援用する。
糖尿病患者のグルコース濃度モニタするための典型的なセンサは、シチリら:「In Vivo Characteristics of Needle−Type Glucose Sensor−Measurements of Subcutaneous Glucose Concentrations in Human Volunteers」,Horm.Metab.Res.,Suppl.Ser.20:17−20(1988);ブルッケルら:「In Vivo Measurement of Subcutaneous Glucose Concentrations with an Enzymatic Glucose Sensor and a Wick Method」,Klin.Wochenschr.67:491−495(1989);およびピックアップら:「In Vivo Molecular Sensing in Diabetes Mellitus:An Implantable Glucose Sensor with Direct Electron Transfer」Diabetologia 32:213−217(1989)にさらに記載されている。他のセンサは、例えばリーチらのADVANCES IN IMPLANTABLE DEVICES,A.Turner(ed.),JAI Press,London,Chap.1,(1993)に記載されている。これらを本願に引用して援用する。
A.被分析物質センサを作製するための一般的方法:
本明細書で開示する本発明の典型的な実施形態は、哺乳動物内に埋め込むためのセンサ装置を作製する方法であって、ベース層を用意するステップと、そのベース層上に、電極(通常作用電極、基準電極および対向電極)を含む導電層を形成させるステップと、その導電層上に、被分析物質の存在下、導電層中の電極で電流を変えることができる組成物を含む被分析物質検知層を形成させるステップと、任意選択で、その被分析物質検知層上にタンパク質層を形成させるステップと、被分析物質検知層または任意選択のタンパク質層上に接着促進層を形成させるステップと、接着促進層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する組成物を含む被分析物質調節層を形成させるステップと、その被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ被分析物質調節層の少なくとも一部にわたってアパーチャをさらに含む被覆層を形成させるステップとを含む方法である。本発明の特定の実施形態では、被分析物質センサ装置は平面幾何構造で形成される。
本明細書で開示するように、センサの種々の層は、センサの特定の設計によって変えられる様々な異なる特徴を示すように作製することができる。例えば、接着促進層は、センサ構造全体を安定化させることができるその能力のため選択される化合物、典型的にはシラン組成物を含む。本発明のいくつかの実施形態では、被分析物質検知層はスピンコーティング法で形成され、1、0.5、0.25および0.1μm未満の高さからなる群から選択される厚さを有する。
一般に、センサを作製する方法は、被分析物質検知層上にタンパク質層を形成させるステップであって、そのタンパク質層内のタンパク質がウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミンからなる群から選択されるアルブミンであるステップを含む。一般に、センサを作製する方法は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼおよび乳酸脱水素酵素からなる群から選択される酵素組成物を含む被分析物質検知層を形成させるステップを含む。そうした方法では、被分析物質検知層は一般に、酵素とほぼ一定の比で担体タンパク質組成物を含み、その酵素と担体タンパク質は被分析物質検知層全体にほぼ均一に分布している。
B.多孔性酵素マトリックスを作製するための一般的方法:
本発明の一実施形態は多孔質金属マトリックスを含む。そうした材料を作製するための様々な方法は当業界で周知である。例えば、過去数年で、多孔質金属材料、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属でできた泡状物への関心が増大してきている。したがって、本発明の特定の実施形態では、マトリックスは金属性泡状物を含むことができる。多孔質金属は平滑な表面を有する多くの細孔、すなわち閉鎖した曲線状の気体空隙を含む金属である。金属(性)泡状物は多孔質金属の特殊なものである。固体泡状物は、その中で気泡が液体中に微細に分散した液体泡状物からもたらされる。金属スポンジでは、空間は、連続的なネットワークを形成しており、かつ、これも相互につながっている空間のネットワークと共存する金属のピースで満たされている。この種の例示的方法および材料は、例えば:Cellular Metals:Manufacture,Properties and Applications:J.バンハート、N.A.フレック、A.モーテンセン(編集者);およびProceedings of the 3rd International Conference on Cellular Metals and Metal Foaming Technology(MetFoam 2003)、J.バンハート、M.F.アシュビー、N.A.フレック(編集者)に記載されている。その内容を本願に引用して援用する。
特定の具体的な方法の例では、多孔質金属基体は、レーザービームまたはいくつかの他の種類の穿孔技術を用いて、金属シート、フィルム、箔、棒状物または塊状物に、小さい穴を開けることによって作製することができる。他の特定の実施形態では、多孔質金属基体として織り金網を用いることができる。例えば、3−DマイクロメッシュNi電極の加工法などの、電気メッキを用いた3−DマイクロメッシュNi構造の加工が当業界で記述されている。具体的には、多重傾斜背面曝露法(multiple inclined backside exposure)によって加工された逆マイクロメッシュフォトレジスト構造物を、Ni電気メッキの鋳型として用いることができる。この方法によって、直径約3μmのNiメッシュを有するものが得られる。
他の特定の方法では、プリント法によって所望の空隙率、細孔サイズ分布およびねじれを有する本発明の実施形態の金属基体を作製することができる。一実施形態は、多孔質金属マトリックスを作製するプリント法であって、細孔形成キャリヤ溶媒中に懸濁された微細金属粒子のインクを形成させるステップと、基体上にそのインクをプリントするステップと、任意選択で、所望の厚さのフィルムを得るためにこれを繰り返すステップと、プリントされた金属マトリックスを乾燥して細孔形成用のキャリヤ溶媒を除去するステップと、金属粒子を互いに結合させて多孔質金属マトリックスができるように、得られた金属粉末の多孔質床を焼成するステップとを含む方法である。
金属基体は、センサ組立体上かまたは暫定基体上の適当な位置に直接、フィルムとしてプリントするかまたは鋳型の枠内にプリントすることができる。インクは、細孔形成キャリヤ中に懸濁した微細金属粒子からなっていてよい。金属粒子は単一の純粋な金属または合金からなっていてよい。異なる種類の金属粒子は、同時にプリントして混合物を形成させることも、異なる時間にプリントして層を形成させることもできる。細孔形成キャリヤは、様々なポリマー、ガラス、セラミックおよび/またはフリット材料を用いるかまたは用いない溶媒からなっていてよい。鋳型は様々なセラミック、ポリマーまたは金属からなっていてよい。鋳型を満たすかまたは所望の厚さのフィルムを得るために、インクからなる多くの薄層をプリントする必要がある。溶媒を除去するために、プリントした金属マトリックスを適切な温度で乾燥することができる。次いで、得られた金属粉末の多孔質床を、おおよそ350℃〜2,000℃の範囲で焼成して金属粒子(存在する場合はセラミック粒子も)を一緒に結合させることができる。これによって、その上にGOxなどの酵素を固定化できる、高度に多孔質のねじれた金属基体を形成することができる。望むなら、金属基体の形態は、金属粒子のサイズ、ならびに細孔形成キャリヤの組成を変えることによって調節することができる。さらに、プリントされた材料から、インク中に含まれる様々なガラス、セラミックおよび/または金属粒子を、これらに限定されないが、フッ化水素酸や水酸化ナトリウムなどの材料を用いてエッチングして細孔を生成させることができる。金属基体をグルコースオキシダーゼでコーティングする前に、標準的技術を用いて白金黒メッキをしてもしなくてもよい。
酵素組成物は、当業界で周知の様々な方法のいずれかにより多孔性マトリックスに施用することができる。1つの例示的な実施形態では、グルコースオキシダーゼなどの酵素を、溶媒中に溶解し、それを多孔質金属基体上に浸漬、または噴霧またはスピンコーティングすることができる。いくつかの基体の幾何形状および形態については、上記の方法の代わりに、細孔を通して酵素溶液をポンプ輸送することが望ましいことがある。コーティング溶媒は、これらに限定されないが、種々のアルコール、ジメチルスルホキシドおよびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(「Tween(商標)20」)を含む水性緩衝液および/または種々の有機溶媒および/または界面活性剤からなってよい。多孔性基体中へのタンパク質の進入は、その組成を変えて酵素溶液の粘度を低下させ、かつ/または、コーティングした基体に真空および/または遠心分離および/または超音波震動を施すことによって促進させることができる。これらに限定されないが:ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールおよびO’,O’−ビス(2−アミノプロピル)ポリエチレングリコール(「ジェファーミン(Jeffamine)(登録商標)」)などの他のバイオポリマーおよび/または合成ポリマーを、賦形剤として、酵素と一緒にコーティングすることもできる。コーティングされた酵素および賦形剤(あるとしたら)は、適切なホモ二官能性(すなわち、グルタルアルデヒドまたはスベリン酸ジサクシンイミジル)、ヘテロ二官能性(すなわち、スクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート)、三官能性(すなわち、4−アジド−2−ニトロフェニルビオシチン−4−ニトロフェニルエステル)、および/またはゼロ長(すなわち、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)架橋剤、またはタンパク質固定化、バイオ複合体技術または高分子化学の分野によく精通した個々の技術者によって選択される薬剤を用いて金属基体上に固定化される。
代替の実施形態では、PHOTOLINK(商標)の商標でSurModics Inc.から提供されている方法を用いて、グルコースオキシダーゼなどの酵素を多孔質金属基体上に固定化することができる。そうしたPHOTOLINK(商標)の方法は、米国特許第号3,959,078号、同第4,722,906号、同第5,229,172号、同第5,308,641号、同第5,350,800号および同第5,415,938号に記載されている。
本明細書で開示するように、本発明の他の実施形態は本質的に剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスを含む。この関連では、マクロ多孔性ポリマーの成形した連続状のロッドが、クロマトグラフ分離媒体として使用するために開発されている(例えば、米国特許第5,453,185号およびPCT公開番号WO93/07945を参照されたい。その内容を本願に引用して援用する)。例としては、これらに限定されないが、ポリ(グリシジルメタクリレート−co−エチレンジメタクリレート)およびポリ(スチレン−co−ジビニルベンゼン)が含まれる。米国特許第5,453,185号に開示されているように、典型的な重合混合物は、少なくとも1種のポリビニルモノマー、フリーラジカル生成開始剤およびポロゲンを少なくとも含む。その混合物は、1つ以上のモノビニルモノマーおよび/または溶解性ポリマーまたは不溶性マクロ多孔性ポリマーの粒子を含むこともできる。適切なポリビニルモノマーには、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルピリジン、アルキレンジメタクリレート、ヒドロキシアルキレンジメタクリレート、ヒドロキシアルキレンジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、ポリカルボン酸のビニルエステル、ジビニルエーテル、ペンタエリトリトールジ−、トリもしくはテトラメタクリレートまたはアクリレート、トリメチロプロパントリメタクリレートまたはアクリレート、アルキレンビスアクリルアミドまたはメタクリルアミド、および適切な任意のポリビニルモノマーの混合物が含まれる。アルキレン基は通常約1〜6個の炭素原子を含む。用いられるモノビニルモノマーには、スチレン、環置換スチレンが含まれ、その置換基には、クロロメチル、最大で18個の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシル、t−ブチルオキシカルボニル、ハロゲン、ニトロ、アミノ基、保護されたヒドロキシルまたはアミノ基、ビニルナフタレン、アクリレート、メタクリレート、酢酸ビニル、ビニルピロリドンおよびその混合物が含まれる。ポリビニルモノマー、またはポリビニルモノマーにモノビニルモノマーを加えたものは通常、約10〜60容積%の量、より一般的には約20〜40容積%の量で重合混合物中に存在する。用いるポロゲンは様々な異なる種類の材料から選択することができる。例えば、適切な液体ポロゲンには、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコール、ケトン、エーテル、可溶性ポリマーの溶液およびその混合物が含まれる。ポロゲンは通常、約40〜90容積%、より一般的には約60〜80容積%の量で重合混合物中に存在する。可溶性ポリマーと不溶性ポリマー粒子はモノマーと組み合わせて用いることができる。これらのポリマーは、重合の前に重合混合物に加えられる。可溶性ポリマーはそれが生成した後、充填体(Plug)に溶媒を通してその充填体から溶出させる。可溶性ポリマーは、最終充填体の空隙率を増加させるためのポリマー性ポロゲンとして作用する。本明細書で用いるのに適切な可溶性ポリマーには、非架橋型ポリマー、またはスチレンもしくは環置換スチレン、アクリレート、メタクリレート、ジエン、塩化ビニルおよび酢酸ビニルのようなモノマーのコポリマーが含まれる。不溶性ポリマー粒子は、重合の際の容積収縮を少なくするために用いられる。重合混合物中のモノマーの容積が少なくなればなるほど、重合による容積の縮小は低下する。本明細書で用いる適切な不溶性ポリマー粒子には、同じモノマーの架橋コポリマーであるマクロ多孔性ポリマー粒子が含まれる。しかし、相溶性をもたせるために、それと混合される重合混合物を生成するのに用いられたのと同じモノマーから生成した不溶性ポリマー粒子を用いるのが一般的である。ポリマー粒子は、最初は約1〜1,000マイクロメートルの直径を有する。ポリマー粒子の混合物は、必ずしも同じ粒子サイズを有する必要はない。実際には、不規則サイズのポリマー粒子を用いることは、より経済的であり、したがって一般的なことである。必ずしも必要ではないが、ポリマー粒子は、重合混合物に非混和性の液体に浸漬させることができる。その液体はフリーラジカル重合を阻止する重合防止剤を含んでいてよい。これはマクロ多孔性粒子の内部での重合を防止するために行われる。その重合は、細孔の充填をもたらし、かつ分離工程からそれらを効果的に排除することになる。すると、そのロッドは分離工程に関わることのできない非多孔性プールを含むことになる。適切な重合防止剤には塩化第二銅や亜硝酸ナトリウムが含まれる。重合防止剤は通常、粒子の全重量に対して約0.001〜1重量%の量、より一般的には約0.1〜1重量%の量で存在する。ポリマー粒子は通常、重合混合物で使用する前に脱気する。この脱気は当業界で周知の慣用的な手段のいずれかによって実施することができる。しかし、それは、任意選択で重合防止剤を含有する水の中に粒子を浸漬させ、水−ポリマー粒子混合物を水ポンプによる真空下で適切な時間、例えば約5〜20分間保持することによって細孔から空気を除去するのが一般的である。次いで、ろ過して過剰の水を除去することができる。可溶性ポリマーは一般に、重合混合物の約5〜40容積%の量で存在し、不溶性ポリマー粒子はその約5〜50容積%の量で存在する。重合を開始させるために通常のフリーラジカル生成重合開始剤を用いることができる。適切な開始剤の例には、OO−t−アミル−O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、ジプロピルペルオキシジカルボネートおよびベンゾイル過酸化物などの過酸化物、ならびにアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩および2,2’−アゾビス(イソブチラミド)二水和物などのアゾ化合物が含まれる。充填体中の細孔分布を制御するための手段として、開始剤を選択することができることが分かっている。開始剤は通常、モノマーの約0.2〜5重量%の量で重合混合物中に存在する。
本質的に剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスを作製するのに有用なポリマーは本質的に非圧縮性であり、その溶媒和環境の変化に対して外形サイズを変えることはない。重合条件を調節して、細孔の形態を制御することができる。したがって、1〜100nmと100〜3,000nm(すなわち、それぞれ20%および80%)の範囲の大きな細孔容積割合を有する高度に多孔性(50〜70%)のポリマーを作製することができる。この種の細孔構造を有するポリマーは非常に大きな比表面積(すなわち、185m/g)を有し、高い酵素固定化密度(1〜100mg/mL)を可能にすることが期待される。
剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスの例示的な実施形態では、求核化合物を用いて、反応性エポキシド基を有するマクロ多孔性の剛性ポリマーを官能化させることができる。次いで、架橋剤を用いて、酵素およびポリマー基体の官能基を介してバイオセンシング酵素をポリマーに固定化することができる。図9はこの種のGOx固定化スキームの例を示す。エポキシド活性化ポリマーを官能化するのに用いられる他の求核化合物には、これらに限定されないが、アンモニア、エチレンジアミン、エタノールアミン、炭水化物、システインおよび他のアミノ酸が含まれる。所定の酵素と機能化ポリマーの組合せについて、タンパク質固定化またはバイオ複合体技術の分野によく精通した個々の技術者は、1つ以上の適切なホモ二官能性(すなわち、スベリン酸ジサクシンイミジル)、ヘテロ二官能性(すなわち、スクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート)、三官能性(すなわち、4−アジド−2−ニトロフェニルビオシチン−4−ニトロフェニルエステル)および/またはゼロ長(すなわち、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩)架橋剤を選択することができよう。
剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスの他の実施形態では、バイオセンシング酵素は、酵素に由来するか、または、遺伝子工学もしくは指向進化によって野生型ペプチド配列に加えられたスルフヒドリル、アミン、ヒドロキシル、および/またはカルボキシル基による求核攻撃によって、エポキシド活性化ポリマー上に直接固定化されることになる。望むなら、タンパク質複合体によく精通した技術者によく知られている化合物(すなわち、5,5’−ジチオ−ビス−[2−ニトロ安息香酸]またはN−エチルマレイミド)を用いて、固定化する際に、酵素の求核官能基を、可逆的または非可逆的に封鎖するかまたは保護することができる。
剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスの他の実施形態では、エポキシド基以外の(またはそれに加えて)官能基を有するモノマーを、重合反応の際に剛性のマクロ多孔性ポリマー中に混ぜ込むことになる(すなわち、アミノスチレン)。この実施形態の場合、次いで、適切なホモ二官能性、ヘテロ二官能性、三官能性および/またはゼロ長架橋剤を用いて、バイオセンシング酵素をポリマー基体上に固定化することができる。
剛性で非膨張性の多孔性酵素−ポリマーマトリックスのさらに他の実施形態では、PhotoLink(登録商標)(SurModics,Eden Prairie,MN)化学品を用いて、バイオセンシング酵素を、成形された多孔性の剛性ポリマーに固定化することができる。この実施形態では、PhotoLink(登録商標)化学品は、ほとんどどの有機ポリマーにある炭素−水素基と反応するので、ポリマー基体は官能基をまったく有していなくてよい。
C.被分析物質センサの作製に有用な一般的プロトコールおよび材料:
本明細書で提供する開示は、様々な周知の技術の組合せを用いて作製することができるセンサおよびセンサ設計物を含む。この開示は、非常に薄い酵素コーティングをこれらのタイプのセンサに施用する方法、ならびにそうした方法で作製されたセンサをさらに提供する。この関連では、本発明のいくつかの実施形態は、当業界で用いられている方法で基体の上にそうしたセンサを作製する方法を含む。特定の実施形態では、基体は、フォトリソグラフィーマスキング法およびエッチング法で用いるのに適した剛性で平らな構造を含む。この関係では、基体は通常、高度に均一な平面性を有する上部表面を画成する。研磨したガラス板を用いて平滑な上部表面を画成することができる。代替の基体材料には、例えばステンレス鋼、アルミニウムおよびデルリン(delrin)などのプラスチック材料が含まれる。他の実施形態では、基体は、非剛性であり、基体として用いられるフィルムまたは絶縁体、例えばポリイミドなどのプラスチックからなる別の層であってよい。
本発明の方法の最初のステップは一般に、センサのベース層の形成を含む。ベース層は、任意の所望の手段、例えば制御式スピンコーティングによって基体上に配置することができる。さらに、基体層とベース層との間で十分な接着がなされていない場合、接着剤を用いることができる。絶縁材料からなるベース層は、一般に、ベース層材料を液体状態で基体上に施用し、続いて基体をスピンさせて薄いほぼ均一な厚さのベース層を得ることによって基体上に形成させる。これらのステップを繰り返して十分な厚さのベース層を作り上げ、続いて、一連のフォトリソグラフィーおよび/または化学的マスキングおよびエッチングステップを実施して、以下で論じる導体を形成する。例示的な形態では、ベース層はセラミックまたはポリイミド基体などの絶縁材料からなる薄膜シートを含む。ベース層は、アルミナ基体、ポリイミド基体、ガラスシート、制御型細孔ガラスまたは平坦化プラスチック液晶ポリマーを含むことができる。ベース層は、これらに限定されないが、炭素、窒素、酸素、ケイ素、サファイア、ダイヤモンド、アルミニウム、銅、ガリウム、ヒ素、ランタン、ネオジム、ストロンチウム、チタニウム、イットリウムまたはその組合せを含む1つ以上の種々の元素等を含有する任意の材料から誘導することができる。さらに、基体は、スピンガラス、カルコゲニド、グラファイト、二酸化ケイ素、有機合成ポリマーなどの材料を用いて、化学的蒸着、物理的蒸着またはスピンコーティングを含む当業界で周知の様々な方法によって、固体支持体上にコーティングすることができる。
本発明の方法は、1つ以上の感知素子を有する導電層を生成することをさらに含む。一般に、これらの感知素子は、活性電極の幾何形状を画成するためのフォトレジスト、エッチング、およびリンシングなどの当業界で周知の様々な方法の1つによって形成される電極である。次いで電極を、例えば、作用電極および対向電極のための白金黒の電着、続く塩化銀による基準電極への銀の電着によって電気化学的に活性化させることができる。次いで、センサ化学酵素層などのセンサ層は、電気化学的被着か、または電気化学的被着以外の方法、例えばスピンコーティングし、続いて、例えばジアルデヒド(グルタルアルデヒド)またはカルボジイミドで蒸気架橋することによって、検知層上に配置することができる。
本発明の電極は、当業界で周知の様々な材料から形成させることができる。例えば、電極は後周期遷移貴金属で作製することができる。金、白金、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、パラジウムまたはオスミウムなどの金属は本発明の種々の実施形態に適している。炭素または水銀などの他の組成物も、特定のセンサ実施形態に有用である。これらの金属のうち、銀、金または白金は通常基準電極金属として用いられる。銀電極は、続いて塩素処理されて、通常基準電極として用いられる。これらの金属は、上記に引用したプラズマ蒸着法、あるいは、基体を金属塩および還元剤を含む溶液中に浸漬した際に、それまでに金属化した領域上に金属を蒸着させることを含む非電気法(electroless)を含む当業界で周知の任意の手段によって蒸着させることができる。非電気法は、導電性表面で金属塩を同時に還元しながら、還元剤が電子を導電性(金属化された)表面に供与するのに従って進行する。その結果、吸着された金属の層が得られる(非電気法に関するさらなる考察には:ワイズ,E.M.Palladium:Recovery,Properties,and Uses,Academic Press,New York,New York(1988);ウォン(Wong),K.ら.Plating and Surface Finishing 1988,75,70−76;マツオカ、M.ら.Ibid.1988,75,102−106;およびパールスタイン,F.「Electroless Plating」,Modern Electroplating,ラウエンハイム,F.A.,Ed.,Wiley,New York,N.Y.(1974),Chapter 31を参照されたい)。しかし、そうした金属蒸着法は、金属と金属がよく接着しており、かつ表面汚染が最少である構造をもたらして、高密度の活性部位を有する触媒的金属電極表面を提供するはずである。そうした高密度の活性部位は、過酸化水素などの電気活性種の効率的なレドックス転換のために必要な特性である。
本発明の例示的実施形態では、電極被着、表面スパッタリングまたは他の適切な処理ステップにより、最初にベース層を薄膜導電層でコーティングする。一実施形態では、この導電層は、ポリイミドベース層への化学的接着に適した最初のクロムベースの層、続いて順に形成された薄膜金ベースの層およびクロムベースの層などの複数の薄膜導電層として提供することができる。代替の実施形態では、他の電極層構造または材料を用いることができる。次いで、通常のフォトリソグラフィー技術によって、導電層を、選択されたフォトレジストコーティングで被覆し、適切な光画像化のためにフォトレジストコーティングの上にコンタクトマスクを施用することができる。コンタクトマスクは一般に、フォトレジストコーティングを適切に曝露させ、続くエッチングステップでベース層上に残留する複数の導電性センサトレースを得るため、1つ以上の導体トレースパターンを含む。皮下グルコースセンサとして用いるために設計された例示的なセンサ構造では、各センサトレースは、作用電極、対向電極および基準電極などの別々の3つの電極に対応する3つの平行センサ素子を含むことができる。
導電性センサ層の一部は通常、典型的にはケイ素ポリマーおよび/またはポリイミドなどの材料からなる絶縁性被覆層で覆われている。絶縁性被覆層は所望の任意の方法で施用することができる。例としての手順では、絶縁性被覆層を液体層中でセンサトレース上に施用し、次に、基体をスピンさせて、センサトレースを覆い、かつベース層と密封接触してセンサトレースの周縁縁部を超えて広がる薄膜として液体材料を分散させる。次いでこの液体材料を、当業界で周知のようにして、1つ以上の適切な放射線照射および/または化学的および/または加熱硬化ステップにかけることができる。代替の実施形態では、液体材料は、噴霧技術または他の任意の所望の施用手段を用いて施用することができる。光画像化可能なエポキシアクリレートなどの様々な絶縁性層材料を用いることができ、その材料の例には、West Paterson,N.J.のOCG,Inc.から製品番号7020として入手できる光画像化可能なポリイミドが含まれる。
上記したように、任意選択で、開口部を通したセンサチップの曝露に続いて、遠位端電極を画成する適切な電極化学品をセンサチップに施用することができる。グルコースセンサとして用いるために3つの電極を有する例示的センサ実施形態では、開口部の1つに酵素(通常グルコースオキシダーゼ)を供給し、センサチップのうちの1つをコーティングして作用電極を画成する。他の電極の1つまたはその両方に、作用電極と同じコーティングを施すことができる。あるいは、他の2つの電極には、他の酵素などの他の適切な化学品を提供し、コーティングしないままにしておくか、または、電気化学的センサ用の基準電極および対向電極を画成するための化学品を提供することができる。
本発明の重要な態様は、向上した材料特性を有する電極化学品(例えば、2μm未満の厚さの酵素コーティング)のための極めて薄いコーティングを有するセンサを作製する方法を含む。本発明の極めて薄い酵素コーティングを作製する方法には、スピンコーティング法、浸漬乾燥法、低せん断噴霧法、インクジェットプリント法、シルクスクリーン法などが含まれる。当業者は、先行技術で施用された酵素コーティングの厚さを容易に測定できるので、本発明の極めて薄いコーティングを作製できるこれらの方法を容易に特定することができる。一般に、そうしたコーティングは、施用した後、蒸気架橋する。驚くべきことに、これらの方法で作製されたセンサは、長い寿命、直線性、規則性、ならびに向上したシグナルとノイズの比を含む、電着により作製されたコーティングを有するセンサの特性を超える材料特性を有する。さらに、そうした方法で形成されたグルコースオキシダーゼコーティングを用いる本発明の実施形態は、過酸化水素を再循環し、そうしたセンサの生体適合性プロファイルが向上するように設計される。
特定の科学的理論に拘泥するわけではないが、電着法では、反応性酵素の一部だけしか、感知される被分析物質にアクセスすることができない3〜5μm厚さの酵素層ができるので、上記の方法で作製されたセンサの驚くべき特性は、電着法により作製されるものと比べて優れた特徴を有すると考えられる。さらに、グルコースオキシダーゼを用いるセンサでは、電着法により作製された厚いコーティングは、反応界面で発生した過酸化水素がセンサ表面に到達してシグナルを発生させる能力を妨害する可能性がある。さらに、そうした厚いコーティングのためセンサ表面の到達できない過酸化水素は通常センサからセンサが置かれている環境中へ拡散してしまい、そのため、そのセンサの生体適合性は低下する。さらに、グルコースオキシダーゼとアルブミンは異なる等電点を有しているので、電着法は、最適なように決定された酵素と担体タンパク質との比が不都合に変えられており、さらに、グルコースオキシダーゼと担体タンパク質が配置された酵素層全体にそれほど均一に分布していない表面コーティングをもたらす可能性がある。本明細書で開示するセンサを作製する薄くコーティングする方法は、電着に伴うこれらの問題を回避するものである。
スピンコーティング法などの方法で作製されたセンサでは、電着工程の間にセンサに加えられた材料応力に付随するものなどの電着に伴う他の問題が回避される。具体的には、電着法では、センサ上に機械的応力、例えば張力および/または圧縮力からもたらされる機械的応力を生ずることが確認されている。特定の関連では、そうした機械的応力は、ひび割れまたは層間剥離の傾向のあるコーティングを有するセンサをもたらす可能性がある。これは、スピンコーティングまたは他の低応力法によりセンサ上に配置されたコーティングでは見られない。したがって、本発明のさらに他の実施形態は、スピンコーティング法によってコーティングを施用することを含む、センサ上のコーティングの電着の影響によるひび割れおよび/または層間剥離を回避する方法である。
センサ素子の処理に続いて、次に噴霧法、浸漬法などの当業界で周知の様々な方法のいずれかによって、1つ以上の追加の機能性コーティング層または被覆層を施用することができる。本発明のいくつかの実施形態は、酵素含有層上に配置された被分析物質調節層を含む。活性センサ表面と接触する被分析物質の量の調節におけるその使用に加えて、被分析物質制限膜層を用いることによっても、外部からの物質によるセンサ汚染の問題は未然に防がれる。当業界で周知のように、被分析物質調節膜層の厚さは、活性酵素まで到達する被分析物質の量に影響を及ぼすことができる。したがって、その施用は一般に、規定された加工条件の下で実施され、その厚みは厳密に制御される。下位層の微細加工においてであるので、被分析物質調節膜層に対する厳密な寸法制御に影響を及ぼすことができる要素は、被分析物質制限膜層材料の組成物自体である。この関連では、複数の種類のコポリマー、例えばシロキサンと非シロキサン部分のコポリマーが特に有用であることが発見されている。これらの材料は、微小分注するかまたはスピンコートして制御された厚さにすることができる。その最終構造は、本明細書に記載の他の離散型構造に適したパターン化技術およびフォトリソグラフィー技術で設計することもできる。これらの非シロキサン−シロキサンコポリマーの例には、これらに限定されないが、ジメチルシロキサン−アルケンオキシド、テトラメチルジシロキサン−ジビニルベンゼン、テトラメチルジシロキサン−エチレン、ジメチルシロキサン−シルフェニレン、ジメチルシロキサン−シルフェニレンオキシド、ジメチルシロキサン−a−メチルスチレン、ジメチルシロキサン−ビスフェノールAカルボネートコポリマーまたは適切なその組合せが含まれる。そのコポリマーの非シロキサン成分重量%は有用な任意の値で予め選択することができるが、一般にその割合は約40〜80重量%の範囲にある。上記に挙げたコポリマーの中では、50〜55重量%の非シロキサン成分を含むジメチルシロキサン−ビスフェノールAカルボネートコポリマーが一般的である。これらの材料はPetrarch Systems,Bristol,Pa.(USA)から購入することができ、この会社の製品カタログに記載されている。被分析物質制限膜層の役割を果たせる他の材料には、これらに限定されないが、ポリウレタン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、シリコーンゴム、または適合すればシロキサン非シロキサンコポリマーを含むこれらの材料の組合せが含まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、センサは、センサ層の酵素と接触できる被分析物質の量を制御することができる親水性膜コーティングを含む被分析物質調節層を施用することによって作製する。例えば、本発明のグルコースセンサに加える被覆層は、電極上のグルコースオキシダーゼ酵素層と接触するグルコースの量を制御するグルコース制限膜を含むことができる。そうしたグルコース制限膜は、このような目的に適していることが知られている様々な材料、例えばポリジメチルシロキサンなどのシリコーン、ポリウレタン、酢酸セルロース、Nafion、ポリエステルスルホン酸(例えば、Kodak AQ)、ヒドロゲル、またはそうした目的に適している当業者に周知の他の任意の膜から作製することができる。過酸化水素を再循環する能力を有するセンサに関連する本発明の特定の実施形態では、グルコースオキシダーゼ酵素層上に配置される膜層は、センサが置かれている環境への過酸化水素の放出を阻止し、かつ、過酸化水素分子と電極感知素子との間の接触を容易にするように機能する。
本発明の方法のいくつかの実施形態では、接着促進層は、その接触を容易にするために被覆層(例えば、被分析物質調節膜層)とセンサ化学層との間に配置され、センサ装置の安定性を増大させる能力で選択される。本明細書で記載の通り、接着促進層の組成物は、センサ安定性を提供する能力に加えて、いくつかの所望の特徴を提供するように選択される。例えば、接着促進層で用いるためのいくつかの組成物は、妨害拒絶で役割を果たし、かつ、所望の被分析物質の物質移動を制御するように選択される。接着促進層は、そうした層間の結合を容易にするための当業界で周知の様々な材料のいずれかから作製することができ、当業界で周知の様々な方法のいずれかによって施用することができる。一般に、接着促進層はγ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を含む。本発明の特定の実施形態では、接着促進層および/または被分析物質調節層は、近位の層の中に存在するシロキサン部分を架橋する能力のため選択される薬剤を含む。本発明の他の実施形態では、接着促進層および/または被分析物質調節層は、近位の層の中に存在するタンパク質のアミンまたはカルボキシル部分を架橋する能力のため選択される薬剤を含む。任意選択の実施形態では、AP層は、グルコース制限膜などの被分析物質調節層中に通常存在するポリマーであるポリジメチルシロキサン(PDMS)をさらに含む。例示的な実施形態では、その配合物は0.5〜20%のPDMS、一般に5〜15%のPDMS、最も典型的には10%のPDMSを含む。センサが作製される際に、AP層中に生じる穴または隙間の可能性を低下させる場合、AP層へのPDMSの添加は有利である。
上記したように、センサ層間の接着を促進させるために通常用いられるカップリング試薬はγ−アミノプロピルトリメトキシシランである。シラン化合物は通常適切な溶媒と混合して液体混合物を形成させる。次いで液体混合物は、これらに限定されないが、スピンコーティング法、ディップコーティング法、噴霧コーティング法および微小分注法を含む任意の方法を含むいずれを用いてもウェハまたは平面状感知デバイス上に施用するかまたは樹立させることができる。微小分注法は、材料の微小スポットをデバイスの多くの予め選んだ領域に分注する自動的な方法で実施することができる。さらに、「リフトオフ」などか、またはフォトレジストキャップを用いるフォトリソグラフィー技術を用いて、得られる選択透過性フィルム(すなわち、選択的浸透性を有するフィルム)の幾何形状を局所化させて画成することができる。シラン混合物の形成に用いるのに適した溶媒には、水溶性有機溶媒ならびに水混和性有機溶媒およびその混合物が含まれる。アルコール系の水混和性有機溶媒およびその水性混合物は特に有用である。これらの溶媒混合物は、例えば約200〜約6,000の範囲の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤をさらに含むことができる。約0.005〜約0.2g/dLの混合物濃度で、これらの界面活性剤を液体混合物に添加すると、得られる薄膜を平坦化する助けとなる。また、シラン試薬を施用する前に、ウェハ表面をプラズマ処理しても、より平坦化された樹立層を促進する改質表面を提供することができる。シラン化合物の溶液を調製するのに水非混和性有機溶媒を用いることもできる。これらの有機溶媒の例には、これらに限定されないが、ジフェニルエーテル、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはその混合物が含まれる。プロトン性溶媒またはその混合物を用いた場合、最終的に、水がアルコキシ基の加水分解を引き起こして有機ケイ素水酸化物(特にn=1の場合)を生成する。この有機ケイ素水酸化物は、縮合してポリ(有機シロキサン)を形成する。これらの加水分解されたシラン試薬は、基体表面上に存在するヒドロキシルなどの極性基と縮合することもできる。非プロトン性溶媒を用いる場合、大気中の水分は、シラン試薬に当初存在するアルコキシ基を加水分解するのに十分である。シラン化合物のR’(n=1または2である場合)は、その後で施用される追加の層と官能基として適合するように選択される。R’基は通常、基体表面への酵素の共有結合に有用な末端アミン基を含む(ムラカミ,T.らのAnalytical Letters 1986,19,1973−86に記載されているように、例えばグルタルアルデヒドなどの化合物を結合剤として用いることができる)。
センサの特定の他の被膜層のように、接着促進層を、当業界で周知のような、1つ以上の適切な放射線照射および/または化学的および/または加熱硬化ステップにかけることができる。代替の実施形態では、酵素層を、接着促進層の存在しない下で、膜被覆層がセンサ化学層と直接接触して配置されるよう十分に架橋するかまたは調製することができる。
本発明の例示的実施形態は、ベース層を用意するステップと、そのベース層上にセンサ層を形成させるステップと、そのセンサ層上に酵素層をスピンコーティングするステップと、次いでそのセンサ上に被分析物質接触層(例えば、グルコース制限膜などの被分析物質調節層)を形成させるステップであって、その被分析物質接触層が、酵素層と接触できる被分析物質の量を制御するステップとによってセンサを作製する方法である。いくつかの方法では、酵素層をセンサ層上に蒸気架橋する。本発明の典型的な実施形態では、センサ層は、少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの対向電極を含むように形成される。特定の実施形態では、酵素層を、作用電極の少なくとも一部の上と対向電極の少なくとも一部の上に形成させる。一般に、センサ層上に形成される酵素層は2、1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。一般に、酵素層は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼまたは乳酸脱水素酵素および/または同様の酵素などの1つ以上の酵素を含む。特定の方法では、酵素層は、それを、一定の比で担体タンパク質と組み合わせてセンサ層上にコーティングすることによって安定化させたグルコースオキシダーゼを含む。一般に、担体タンパク質はアルブミンである。一般に、そうした方法は、グルコースオキシダーゼ層と被分析物質接触層との間に配置された接着促進層を形成させるステップを含む。任意選択で、接着促進層は、被分析物質接触層を形成させる前に、硬化プロセスにかける。
本発明の関連する実施形態は、ベース層を用意するステップと、少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの対向電極を含むベース層上にセンサ層を形成させるステップと、スピンコーティング法によって、そのセンサ層上にグルコースオキシダーゼ層(グルコースオキシダーゼを一定の比でアルブミンと結合することによって通常安定化されている層)を形成させるステップであって、そのグルコースオキシダーゼ層が、作用電極の少なくとも一部と対向電極の少なくとも一部をコーティングするステップと、次いで、グルコースオキシダーゼ層と接触できるグルコースの量を制御するためにグルコースセンサ上にグルコース制限層を形成させるステップとによってグルコースセンサを作製する方法である。そうした方法では、センサ層上に形成されるグルコースオキシダーゼ層は通常2、1、0.5、0.25または0.1μm未満の厚さである。一般に、グルコースオキシダーゼコーティングはセンサ層上に蒸気架橋させる。任意選択で、グルコースオキシダーゼコーティングはセンサ層全体を被覆する。本発明の特定の実施形態では、接着促進層は、グルコースオキシダーゼ層と被分析物質接触層との間に配置される。本発明の特定の実施形態では、被分析物質センサは、典型的には電気絶縁性保護層である1つ以上の被覆層をさらに含む(例えば、図2A,図2Bの構成要素106を参照されたい)。一般に、そうした被覆層は、被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されている。
そうした方法で作製された最終のセンサは、例えば、基体上の各センサを取り囲む線に沿ってカットすることによって、支持基体(それを用いる場合)から通常迅速かつ簡単に取り除かれる。カットするステップには、UVレーザーカットデバイスなどを含む当業界で一般に用いられている方法を用いることができる。そのUVレーザーカットデバイスは、通常、十分相互に結合されたベース層と被覆層材料が、最終センサの側面縁部を密封して保持するように導電性素子から少なくとも若干外側に向けて間隔をあけた形で、各センサを囲繞するすなわち取り囲む線に沿ってベース層および被覆層ならびに官能性被膜層を通してカットするのに用いられる。さらに、セラミック基体をカットするのに通常用いられるダイスカット技術を、適切なセンサ実施形態で用いることができる。ベース層は、下にある支持基体に物理的に取り付けられていないか、またはそれに直接最低に接着されているだけであるので、さらなる大幅な加工ステップの必要なく、あるいは、取り付けられたセンサを支持基体から物理的に引っぱるかまたは剥がすことにより受ける応力に起因する潜在的な損傷を与えることなく、センサを、迅速かつ簡単に支持基体から持ち上げることができる。続いて、支持基体は清浄にして再使用するか、あるいは廃棄することができる。あるいは、ベース層、センサ素子および被覆層を含むセンサを、カッティングにより支持基体から取り除いた後、官能性被膜層を施用することができる。
D.選択透過性センサ層として用いるための微細加工ポリ(ジメチルシロキサン)膜:
上記したように、特定のセンサ実施形態は、共反応物質としてグルコースまたは乳酸塩(センサ被分析物質)と共に酸素を消費するグルコースオキシダーゼ(GOx)または乳酸脱水素酵素(LDH)などの固定化酵素によって、その生体特異性を実現する。そうしたセンサにおける反応速度の酸素濃度に対する感度を最小にするために、過剰モルの酸素を必要とする。しかし、正常な生理学的条件では、グルコース(約5mM)と乳酸塩(約1mM)は、ほとんどの場合、酸素(約0.05mM)に対して過剰モル存在する。したがって、「酸素不足」問題に対処するために、ほとんどの既存のセンサ設計物は、被分析物質(例えば、グルコース制限膜)に対してより、酸素に対して著しく浸透性である膜を用いている。これらの選択透過性膜は、通常ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)を含む。その理由は、それが、生体適合性であり、一般に酸素に対して著しく高い浸透性を有しているが、グルコースまたは乳酸塩などの被分析物質に対しては実質的に浸透性がないからである。限定された被分析物質浸透性は、PDMSを親水性ポリマー(すなわち、ジェファーミン(登録商標))と共重合させるか、または巨視的「ウィンドウ」をPDMSの管またはシート中にカットすることによってPDMSベース材料に付与する。
コポリマー型選択透過性膜は、臨床的に認められている短期間用(1週間未満)の皮下グルコースセンサ(例えば、連続グルコースモニタリングシステム(「CGMS)および/または遠隔測定グルコースモニタリングシステム(「TGMS」))において首尾よく用いられている。この種の膜は、被分析物質が、その厚さの方向に横断して拡散することがとにかく必要である(図7)。これは、センサ直線性および応答時間に最も適している。親水性ポリマーのインビボでの長期(すなわち、1年)安定性が劣るため、そうした選択透過性膜を、長期間埋め込み可能なセンサに用いることができるか疑問である。一方で、巨視的ウィンドウ型選択透過性膜はインビボでの優れた長期安定性を提供する。しかし、この種の膜は、被分析物質がマクロ方向以外に拡散することが必要である(図8)。これは、センサの直線性ならびに応答時間に対してマイナスの影響を与える可能性がある。本発明の実施形態では、コポリマーとウィンドウ型バイオセンサ膜の両方の固有の利点を有する微細加工PDMSにより加工された選択透過性膜を提供する。PDMSプレポリマーを補助的微細加工レリーフパターン中へキャスティングすることによってPDMS微細構造が構築されているが(例えば、クマール(Kumar)らの1994,Langmuir10:1498−1511;ダプリッチ(Dapprich)、2003、米国特許第6,585,939号)、酵素電気化学的バイオセンサでの選択透過性膜として微細加工PDMSを使用することをこれまで誰も記載していない。
本発明の一実施形態では、硬化性PDMS官能化誘導体、コポリマーまたはその混合物をプレキャスト免疫隔離膜上にマイクロパターン化するために、フォトリソグラフィー法、リソグラフ成形法、厚膜プリンティング法、プラズマ重合法(シャドウマスキングを用いるか用いないで)または離散型ナノ分注法を用いることができる。免疫隔離膜の細孔への充填を促進させるために、真空勾配法または圧力勾配法を用いても用いなくてもよい。そうした方法で加工された複合膜は、層状化された形態(図9)、細孔を充填された形態(図10)またはそのある組合せの形態を有することができる。
本発明の他の実施形態では、上記技術を用いて、硬化性PDMS誘導体、コポリマーまたはその混合物を暫定基体上にマイクロパターン化することができる。最終のセンサ組立体では、独立型のパーツを位相反転膜(「PIM」)と共に用いることができる。その膜は別個のパーツとしてキャストされていても、PDMSの頂部にあってもよい(その細孔を満たして)。当業者は、接着を促進させるための様々な方法を用いることができる。代替の実施形態では、硬化性PDMS誘導体、コポリマーまたはその混合物を、上記技術を用いてセンサ組立体上に直接マイクロパターン化することができる。PIMは、マイクロパターン化されたPDMSの頂部に配置するかまたはキャストすることができる。当業者は、接着を促進させるための様々な方法を用いることができる。他の実施形態では、レーザーを、PDMSコポリマー(または「シリコーンゴム」などの他のポリマー組成物)の成形ピース中に穴(0.1〜1000μm)をマイクロマシン加工して、微細孔膜を形成させるのに用いることができる。この場合も、最終センサ組立体において、PIMを用いるかまたは用いないでPDMS膜を使用することができる。当業者は、接着を促進させるための様々な方法を用いることができる。
PDMSおよび/またはPDMSコポリマーを官能化させるのに用いられる化学的に活性な基の例には、これらに限定されないが、メタクリレート、アクリレート、ビニル、水素化物、シラノール、アルコキシ、アミン、エポキシド、カルビノール、およびメルカプトが含まれる。PDMSコポリマーを生成するのに用いられるモノマーの例には、これらに限定されないが、フェニルメチル−、ビニルメチル−、ジエチル、メタクリルオキシプロピルメチル−、アクリルオキシプロピルメチル−およびアルキルメチル−シロキサンが含まれる。免疫隔離膜は、例えば、バイオ材料や高分子化学の分野の技術者が最適化することができる位相反転法を用いて、ポリ(アクリロニトリル−塩化ビニル)(PAN−PVC)などの生体適合性ポリマーからプレキャストすることができる。位相反転膜(PIM)のキャスティングおよびPDMSのマイクロパターン化は、センサ組立体自体の上で、またはスライドグラスもしくはシリコンウェハなど(例えば、別個のパーツを形成させるため)の暫定基体の上で実施することができる。マイクロパターン化された暫定基体は、その中にPDMSをパターン化できるPIM中に微細ウェルを作製するのにも用いることができる。さらに、当業者は、PDMSとPIMの間の接着を促進させるための様々な化学薬品および技術を用いることができる。その例には、これらに限定されないが、官能化PDMS誘導体、シラン、シランエステル、官能化シランエステル、架橋剤、反応性ポリマーコーティング法(すなわち、ラハーン(Lahann)らの2003,Anal.Chem.75:2117−2122)、プラズマ処理法、プラズマ重合法、シャドウマスキング法および化学的蒸着法の使用が含まれる。
ポリ(ジメチルシロキサン)を含む選択透過性膜は、本発明の様々な実施形態を提供する。本発明の一実施形態は、免疫グロブリン対して非透過性であるが、酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む材料からなる第1層を形成し、次いで、第1層を機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む第2層に接合し、それにより埋め込み可能な被分析物質で使用するための膜を作製することによって、埋め込み可能な被分析物質センサで使用するための膜を作製する方法である。本発明の特定の実施形態では、免疫グロブリン対して非透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む材料からなる第1層を「免疫隔離膜」と称する。この方法で作製された膜は、グルコースおよび/または乳酸塩などのより高い分子量を有する化合物に対してより、酸素に対してより浸透性である。そうした方法で加工された複合膜は、層状化された形態(図3)、細孔を充填された形態(図4A,図4B)またはそのある組合せの形態を含む様々な形態を有するように作製することができる。
PDMSおよび/またはPDMSコポリマーを官能化するのに用いることができる化学的に活性な基の例には、これらに限定されないが、メタクリレート、アクリレート、ビニル、水素化物、シラノール、アルコキシ、アミン、エポキシド、カルビノールおよびメルカプトが含まれる。PDMSコポリマーを作製するのに用いられるモノマーの例には、これらに限定されないが、フェニルメチル−、ビニルメチル−、ジエチル、メタクリルオキシプロピルメチル−、アクリルオキシプロピルメチル−およびアルキルメチル−シロキサンが含まれる。他の層(例えば、免疫隔離膜)は、例えば、バイオ材料や高分子化学の分野の技術者が最適化することができる位相反転法を用いて、ポリ(アクリロニトリル−塩化ビニル)(PAN−PVC)などの生体適合性ポリマーからプレキャストすることができる。位相反転膜(PIM)のキャスティングおよびPDMSのマイクロパターン化は、センサ組立体自体の上で、またはスライドグラスもしくはシリコンウェハなど(例えば、別個のパーツを形成させるため)の暫定基体の上で実施することができる。マイクロパターン化された暫定基体は、その中にPDMSをパターン化するPIM中に微細ウェルを作製するのにも用いることができる。本発明の特定の実施形態は複合膜を有する被分析物質センサを含むが、PDMS膜は、最終センサ組立体において、PIMを用いるかまたは用いないで使用することができる。
これらの膜の実施形態は、様々な周知の技術を用いて作ることができる。例えば、1つの例示的な実施形態では、フォトリソグラフィー法、リソグラフ成形法、厚膜プリンティング法、プラズマ重合法(シャドウマスキングを用いるか用いないで)または離散型ナノ分注法を用いて、硬化性PDMS官能化誘導体、コポリマーまたはその混合物をプレキャスト免疫隔離膜上にマイクロパターン化する。本発明の他の実施形態では、記載されている技術を用いて、硬化性PDMS誘導体、コポリマーまたはその混合物を、暫定基体上にマイクロパターン化することができる。最終のセンサ組立体では、独立型のパーツを位相反転膜と共に用いることができる。その膜は別個のパーツとしてキャストされていても、PDMSの頂部にあってもよい(その細孔を満たして)。代替の実施形態では、硬化性PDMS誘導体、コポリマーまたはその混合物を、上記技術を用いてセンサ組立体上に直接マイクロパターン化することができる。PIMは、マイクロパターン化されたPDMSの頂部に配置するかまたはキャストすることができる。
任意選択で、第1層と第2層(ならびにそうした接着層が適切である他の任意のセンサ層)の間の接着を促進するために、膜の第1層と第2層との間に接着層を配置する。当業者は、膜の層間の接着を促進させるための様々な方法を用いることができる。例えば、マイクロパターン化された暫定基体は、その中にPDMSをパターン化するPIM中に微細ウェルを作製するのにも用いることができる。さらに、当業者は、PDMSとPIMの間の接着を促進させるための様々な化学薬品および技術を用いることができる。その例には、これらに限定されないが、官能化PDMS誘導体、シラン、シランエステル、官能化シランエステル、架橋剤、反応性ポリマーコーティング法(例えば、ラハーンらの2003,Anal.Chem.75:2117−2122を参照されたい)、プラズマ処理法、プラズマ重合法、シャドウマスキング法および化学的蒸着法の使用が含まれる。
本発明の特定の実施形態では、被分析物質センサ膜は、本明細書に記載のものなどの被分析物質センサの作製に用いられる他の組成物を有する追加の層を含むことができる。さらに、本発明のいくつかの実施形態では、膜の第1層および/または第2層が複数の細孔を含むように構築する。例えば、レーザーを、PDMSコポリマー(または「シリコーンゴム」などの他のポリマー組成物)の成形ピース中に穴(例えば、約0.1〜約1000μmのサイズの)をマイクロマシン加工して、微細孔膜を形成させるのに用いることができる。本発明のいくつかの実施形態では、第2層中に配置された複数の細孔の少なくとも1つは、第1層の機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む。
本発明の関連する実施形態は、開示した方法によって作製される膜である。本発明のそうした1つの実施形態は、埋め込み可能な被分析物質センサで用いるための膜であって、免疫グロブリン対して非透過性であるが、酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む第1層と、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む第1層に接合された第2層とを含む膜である。本発明の特定の実施形態では、膜は、グルコースおよび/または乳酸塩よりも酸素に対して透過性が高いように設計されている。本発明の特定の実施形態では、膜の中の第1層および/または第2層は複数の細孔を含む。本発明の特定の実施形態では、第1層と第2層との間に接着層が配置されており、その接着層は第1層と第2層の間の接着を促進する。任意選択で、第2層中に配置された複数の細孔の少なくとも1つは、第2層の機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマー、または機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む。本発明のさらに他の実施形態は、上記に開示した膜を有する被分析物質センサ、例えば記載した方法によって作製される膜を有する被分析物質センサである。関連する実施形態は、そうした膜を有する被分析物質センサの作製方法である。
本発明の他の実施形態は、埋め込み可能な被分析物質センサで使用するための膜であって、免疫グロブリン対して非透過性であるが、酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む第1層と、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマー、または機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む、第1層に接合された第2層とを含む膜である。本発明のこの実施形態では、膜は一般に、グルコースおよび/または乳酸塩よりも酸素に対して透過性が高い。
埋め込み可能な被分析物質センサで用いるためのこの膜では、任意選択で、第1層および/または第2層はその中に配置された複数の細孔を含む。本発明の特定の実施形態では、第2層中に配置された複数の細孔の少なくとも1つは、第2層の機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマー、または機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む。本発明のいくつかの実施形態では、第1層と第2層との間に、第1層と第2層の間の接着を促進する接着層を配置することができる。
本発明の特定の実施形態は、複数の細孔を含むように構成されたポリ(ジメチルシロキサン)グルコース制限膜または同様のものなどの組成物の1つ以上の層を含む。本発明のいくつかの実施形態では、センサ内で起こるプロセス、例えば化学的および/または電気化学的プロセスを容易にするために、細孔のサイズおよび/または幾何形状を制御することができる。そうした1つの実施形態では、FEMLABプログラムを、膜を通るグルコースおよび酸素の輸送特性を3−Dモデル化するのに用いた。FEMLABは、偏微分方程式に基づいて、科学的問題や工学的問題をモデル化し、それを解くためのプログラムである(例えば、S.リトマルク(Littmarck)ら、Solving differential equations,Industrial Physicist,American Institute of Physics,Feb/Mar 2001;およびS.リトマルクら、Math,models,motion and more,PT Design Magazine,Penton Media(Cleveland,OH),May 2000を参照されたい)。本発明の特定の実施形態では、FEMLABソフトウェアを、電極の反応性表面で、少なくとも1:1の酸素とグルコースの化学量論比、通常、酸素が過剰モルである比が得られるのを容易にするセンサ膜を特定し構築するために用いた(例えば、酸素不足の問題に対処する手段として、例えば米国特許第6,784,274号を参照されたい。これを本願に引用して援用する)。このモデル化によって、異なるグルコース濃度の下で、電流の直線性(Isig)を維持する助けとなる膜がさらに特定される。そうしたモデル化を用いて、本発明の特定の実施形態では、細孔のサイズおよび/または幾何形状を制御して、グルコースオキシダーゼと反応するグルコースおよび酸素の相対濃度を最適化する。
本発明の特定の実施形態では、センサで用いる膜の中の複数の細孔の平均直径は2μm〜40μmである。本発明の特定の実施形態では、複数の細孔の平均深さは50μm〜250μmである。本発明の特定の実施形態では、膜の中の細孔は25〜35μmの直径であり、90〜110μmの深さである。本発明の1つの最適化された実施形態は、約30μmの直径と約100μmの深さをもつ細孔を有する。特定の実施形態では、選択透過性膜中の細孔は、約0.3の直径と深さのアスペクト比の形状を有する。例えば細孔は、直径が30μmであり、深さが100μmである寸法を有する。代替の実施形態では、直径と深さのアスペクト比形状は0.25〜0.35である。
任意選択で、膜の中の複数の細孔の1つ以上はある量の生体適合性の親水性ポリマーも含む。そうした組成物はいくつかの望ましい特性を達成することができ、例えば、埋め込み可能な被分析物質センサの水和を容易にすることができる。センサを溶液中に浸漬させた場合の一般的傾向は、センサ膜上の小さな細孔が空気を捕捉し、センサが湿潤(水和)する能力を阻害する可能性があることである。これは、反応が起こる活性部位の減少をさせ、それによって非線形センサがもたらされる可能性がある。これに対処するためには、細孔を満たし、かつ迅速な水和を助けるのに用いられる材料を使用することができる。任意選択で、生体適合性の親水性ポリマーは、毛管作用によって、センサ中の成分の湿潤を増進させる。一般に、親水性ポリマーはエチレングリコールもしくはプロピレングリコールのブロックポリマーまたはその混合物を含む。任意選択で、親水性ポリマーはヒドロゲルである。そうした親水性ポリマーはさらに、センサの表面が湿潤する速度を増進させ、それによって、センサ挿入時とその使用時の間の応答時間を短くするように作用する。1つの例示的な親水性ポリマー組成物には、テトラヒドロフラン、ジェファーミン900−プロピレングリコール−ブロック−エチレングリコール−ブロック−プロピレン、1−2ジアミノシクロヘキサン、ジブチルすずビス、4,4’’−メチレンビスおよび脱イオン水が含まれる。そうした組成物は、当業界で周知の様々な方法、例えば浸漬噴霧コーティング法または充填パドルキャスティング法(filling and puddle casting)のいずれかによって、細孔を含む膜に加えることができる。これらの方法の特定の実施形態では、追加のステップを用いて、センサの形態を滑らか/平らにすることができる。例えば、これらの工程の後にIPAに曝露させると、一般に膜を平らにする(すなわち、滑らか/平らな形態にする)助けとなる。
特定の実施形態では、生体適合性の親水性ポリマーは、複数の細孔のサブセット(通常最も大きい細孔)中に選択的に配置される。典型的な実施形態では、複数の細孔のサブセットは、複数の細孔の平均直径より少なくとも10%、20%、30%、40%または50%大きいか、または複数の細孔の平均深さより少なくとも10%、20%、30%、40%または50%大きい直径または深さを有する。
本発明の関連する実施形態は、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む第1層を生成し、免疫グロブリンに対して非透過性であり、酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む、第1層に接合された第2層を生成し、それによりグルコースおよび/または乳酸塩よりも酸素に対して透過性が高い膜を作製する、埋め込み可能な被分析物質センサで使用するための膜を作製する方法である。この方法では任意選択で、第1層および/または第2層は、その中に配置された複数の細孔を含むように作製することができる。本発明の特定の実施形態では、第2層中に配置された複数の細孔の少なくとも1つは、第2層の機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含むように作製される。この方法のいくつかの実施形態では、接着層を第1層と第2層との間に配置することができる。
E.金属製鋳型の微細加工:
近年、ポリ(ジメチルシロキサン)すなわち「PDMS」などの重合した組成物の微細加工のための様々な方法が開発されており、現在、MEMSなどのデバイス(ミクロ電気機械システム)の作製のために一般に用いられており、また、自己集合型単層のミクロ−パターン化(例えば、「ソフトリソグラフィー」)において用いられている。一般に、これらの方法は、鋳型の加工を含む。その鋳型は次いで、重合性組成物(例えば、PDMSプレポリマー)で満たされ、これは硬化(重合)し、次いでリリースされて微細加工されたPDMS素子を得る。
これらの手順において用いられる鋳型は通常、2つの異なるアプローチのうちの1つを用いて加工される。その第1のアプローチでは、ネガフォトレジストをコーティングし、フォトリソグラフィーによってパターン化し、ベース基体上に現像させる。第2のアプローチでは、シリコンウェハをエッチングしてレリーフパターンを形成させる。この関連では、小さい高アスペクト比の特徴を有する鋳型の加工は重要な課題として残ったままである。例えば、これらの極端な形状を有する鋳型は一般に、機械的特性が劣っており、例えば、ポリマーリリースの際に下にある基体から引き離す恐れがある。
数学的モデル化によって、高いアスペクト比を有する微細孔PDMSの層を、例えば酵素電気化学的グルコースセンサで用いられるタイプの選択透過性膜として使用できることが予測される。そうした膜を有するセンサはグルコースに対して速い線形応答を示すことがこの数学的モデル化から予測される。さらに、インビボでのPDMSの周知の長期安定性によって、選択透過性膜は、LTGSなどの長期埋め込み可能なセンサで使用するのに魅力的なものになっている。PDMSのリリースに耐えられる十分な機械的強度を有する、小さい高アスペクト比の特徴を有する鋳型の微細加工が非常に望ましいことは明らかである。この関連では、本明細書で開示する本発明の実施形態は、当業界でこれまで記載されている方法で作製できたものより、サイズが小さいか、かつ/または、より高いアスペクト比を有する、機械的に堅牢な特徴を有する鋳型を作製する新規な微細加工法を含む。
図11は鋳型の微細加工のための方法の例の概略を示す。図11(a)に示す層状化された基体を形成するために、これらに限定されないが、ガラス、ケイ素、窒化ケイ素または酸化アルミニウムなどの材料から形成されたベース基体に、スパッタリングなどの方法により金、銀、白金、銅またはクロム(これらに限定されない)などの導電性材料をコーティングする。頂部導電層の接着を促進させるために、ベース基体を、クロムまたはチタンの層でプレコーティングすることができる。次いで、スピンコーティングかまたは微細加工の技術分野で周知の他の方法によって、AZ4620などのポジフォトレジストを施用することができる。予備焼成の後、クロムなどの金属の犠牲薄膜を、ポジフォトレジスト層上にスパッタすることができる。スピンコーティングまたは当業者に周知の他の方法によって、SU−8などのネガフォトレジストを施用することができる。標準的なフォトリソグラフィー、続くネガレジストの現像によって、図11(b)に示す層状化基体を得ることができる。クロムエッチ(etch)または他の適切なエッチャントを用いて、ネガレジストの現像により曝露された犠牲金属層の領域を除去することができる。次いで基体を、フォトマスクを用いるかまたは用いないでUV光に再曝露させることができる。次いでポジレジストを、適切な現像溶媒を用いて現像することができる。その現像溶媒は当業者が選択することができる。図11(c)は得られた基体を示す。これを、これらに限定されないが金、銀、白金、銅またはクロムなどの導電性材料で電気メッキして、図11(d)に示すような基体を得ることができる。図11(e)〜(f)は、微細加工された鋳型の作製に関わる最終ステップを示す。アセトンまたは当業者が選択できる他の溶媒に曝露させることによって、ポジレジスト、犠牲金属層およびネガレジストを基体から除くことができる。必要な場合、当業者は、他の溶媒および/またはクロムエッチおよびネガレジストストリッパーなどのエッチャントを選択し施用することもできる。PDMSや他のエラストマーを微細加工するために、得られた鋳型を繰り返し使用することができる。電気メッキされた材料を化学的エッチャントまたは電気化学的酸化により除去できる本発明の実施形態において、鋳型を、非弾力性/硬質材料の微細加工に用いることもできる。
本発明の一実施形態は上記方法によって作製した鋳型である。本発明の関連する実施形態は、選択透過性膜として用いられる重合性組成物を含むことができる金属基体を含む、所定の幾何形状を有する重合組成物を形成させるための鋳型である。本発明の他の実施形態は、重合性組成物を含むことができる金属基体を含む、所定の幾何形状を有する重合組成物を形成させるための鋳型であって、鋳型で作製された重合組成物が約1〜1000、10〜100、100〜1000、250〜1000または500〜1000μmの厚さの鋳型である。本発明の他の実施形態は、重合性組成物を含むことができる金属基体を含む、所定の幾何形状を有する重合組成物を形成させるための鋳型であって、破壊されることなく、重合したポリ(ジメチルシロキサン)組成物のリリースに耐えるのに十分な機械的強度を有する鋳型である。本発明の特定の実施形態では、鋳型はこれらの特徴の2つ以上を有している。
本発明の一実施形態は、ベース基体を用意するステップと、導電層を(少なくとも一部の)そのベース基体上に配置するステップと、ポジフォトレジスト層をその導電層上に配置するステップと、犠牲金属層をそのポジフォトレジスト層上に配置するステップと、ネガフォトレジスト層をその犠牲金属層上に配置するステップと、UVフォトリソグラフィーによってそのネガフォトレジスト層を現像する(フォトマスクを用いるかまたは用いないで)ステップと、エッチャントを用いてネガレジスト層の現像によって、曝露された犠牲金属層の領域を除去するステップと、これらの成分をUVフォトリソグラフィーにかけるステップと、現像溶媒でポジフォトレジスト層を現像するステップと、これらの成分を導電性材料の層で電気メッキするステップと、鋳型が作製されるように、溶媒を用いて、層状化した基体からポジフォトレジスト層、犠牲金属層およびネガフォトレジスト層を除去するステップとによって、所定の幾何形状の重合組成物を形成させる鋳型を作製する方法である。一般に、この方法で作製された鋳型は繰り返し使用することができる。本発明の他の実施形態は、上述の鋳型を用いて作製される重合組成物層、ならびに上述の鋳型を用いて作製される重合組成物層を含む被分析物質センサを含む。
本発明の実施形態では、ベース基体は、ガラス、ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムまたは同様のものなどの様々な材料から形成させることができる。本発明の特定の実施形態では、導電性材料は、スパッタリングなどの方法によりベース上に配置する。本発明の実施形態で用いるための導電性材料には、金、銀、白金、銅、クロムまたは同様のものが含まれる。本発明の特定の実施形態では、ベース基体は、ベース基体と導電層の接着を促進させるために、導電性材料を施用する前にクロムまたはチタンの層でコーティングする。本発明のいくつかの実施形態では、ポジフォトレジスト層上に犠牲金属層を配置する前に、基体を焼成する。これらの方法では任意選択で、ネガフォトレジスト層および/またはポジフォトレジスト層をスピンコーティングによって基体に施用する。
本発明の他の実施形態は、重合性組成物を含むことができる金属基体を含む、所定の幾何形状を有する重合組成物を形成させるための鋳型であって、その鋳型によって作製される重合組成物中の細孔が約0.3の直径と深さのアスペクト比幾何形状である(例えば、直径が30μmであり、深さが100μmの大きさを有する細孔である)鋳型である。代替の実施形態では、直径と深さのアスペクト比幾何形状は0.25〜0.35である。一般に、破壊されることなく、重合したポリ(ジメチルシロキサン)組成物のリリースに耐えるのに十分な機械的強度を有する鋳型である。本発明の関連する実施形態は、ベース基体を用意するステップと、導電層を(一部の)そのベース基体上に配置するステップと、ポジフォトレジスト層をその導電層上に配置するステップと、犠牲金属層をそのポジフォトレジスト層上に配置するステップと、ネガフォトレジスト層をその犠牲(sacrificial)金属層上に配置するステップと、UVフォトリソグラフィーによってそのネガフォトレジスト層を現像するステップと、エッチャントを用いてネガレジスト層の現像によって曝露された犠牲金属層の領域を除去するステップと、これらの成分をUVフォトリソグラフィーにかけるステップ(フォトマスクを用いるかまたは用いないで)と、現像溶媒でポジフォトレジスト層を現像するステップと、これらの成分を導電性材料の層で電気メッキするステップと、次いで、鋳型が作製されるように、溶媒を用いて、層状化した基体からポジフォトレジスト層、犠牲金属層およびネガフォトレジスト層を除去するステップと含む、所定の幾何形状の重合組成物を形成させる鋳型を作製する方法である。一般に、この方法で作製された鋳型は繰り返し使用することができる。この方法では任意選択で、ベース基体は、ベース基体と導電層の接着を促進させるために、導電層を施用する前にクロムまたはチタンの層でコーティングする。任意選択で、ポジフォトレジスト層上に犠牲金属層を配置する前に、基体を焼成する。任意選択で、スピンコーティングによって、ネガフォトレジスト層および/またはポジフォトレジスト層を基体に施用する。
III.本発明の被分析物質センサ装置の使用方法:
本発明の実施形態は、哺乳動物の体内の被分析物質を感知する方法であって、本明細書で開示する実施形態の被分析物質センサを哺乳動物の中に埋め込むステップと、次いで作用電極での電流の変化を感知し、電流の変化を被分析物質と相互に関連付け、それにより被分析物質を感知するステップを含む方法である。一般に、電流の変化を感知する作用電極が陽極であるように、被分析物質センサは陽極で分極される。あるいは、電流の変化を感知する作用電極が陰極であるように、被分析物質センサは陰極で分極される。1つのそうした方法では、被分析物質センサ装置は哺乳動物中のグルコースを感知する。代替の方法では、被分析物質センサ装置は、乳酸塩、カリウム、カルシウム、酸素、pHおよび/または生理学的に関連する哺乳動物中の任意の被分析物質を感知する。
上記に開示した構造を有する特定の被分析物質センサは、哺乳動物中の被分析物質を感知するための様々な方法を可能にするいくつかの非常に望ましい特徴を有する。例えば、そうした方法では、哺乳動物中に埋め込まれた被分析物質センサ装置は、哺乳動物の体内の被分析物質を感知するように1、2、3、4、5または6カ月以上の長い期間機能する。一般に、哺乳動物中に埋め込まれた被分析物質センサ装置は、被分析物質がセンサと接触して15、10、5または2分以内に、被分析物質に応答した電流の変化を感知する。そうした方法では、センサを、哺乳動物の体内の様々な部位、例えば血管内空間および血管外空間の両方に埋め込むことができる。
IV.本発明のキットおよびセンサセット:
本発明の他の実施形態では、上記したような被分析物質を感知するのに有用なキットおよび/またはセンサセットを提供する。キットおよび/またはセンサセットは通常、容器、ラベルおよび上記したような被分析物質センサを含む。適切な容器は、例えば、金属箔などの材料でできた簡単に開けられる包装物、瓶類、バイアル、シリンジおよび試験管を含む。容器は金属(例えば、箔)、紙製品、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料で作ることができる。容器上につけるかまたはその中に入れたラベルは、そのセンサが、選択した被分析物質をアッセイするために用いられることを示す。いくつかの実施形態では、容器は、グルコースオキシダーゼなどの酵素の層でコーティングされた多孔性マトリックスを保持する。キットおよび/またはセンサセットは、被分析物質環境中へのセンサの導入を容易にするように設計された素子またはデバイス、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、注射針、注射器および使用指図の添付文書を含む市場やユーザの観点から望ましい他の材料をさらに含むことができる。
本明細書を通して様々な文献が参照されている(例えば、米国特許出願第20050115832号、米国特許第6,001,067号、同第6,702,857号、同第6,212,416号、同第6,119,028号、同第6,400,974号、同第6,595,919号、同第6,141,573号、同第6,122,536号、同第6,512,939号、同第5,605,152号、同第4,431,004号、同第4,703,756号、同第6,514,718号、同第5,985,129号、同第5,390,691号、同第5,391,250号、同第5,482,473号、同第5,299,571号、同第5,568,806号、同第5,494,562号、同第6,120,676号、同第6,542,765号、ならびに国際公開番号WO01/58348、WO04/021877、WO03/034902、WO03/035117、WO03/035891、WO03/023388、WO03/022128、WO03/022352、WO03/023708、WO03/036255、WO03/036310およびWO03/074107、および欧州特許出願EP1153571)。本明細書におけるすべての引用文献の開示を明確に本願に引用して援用する。
微細加工されたPDMS:
PDMS膜の微細加工のための1つの方策は、最適に微細加工された選択透過性膜を作製するのを容易にするために、実際の鋳型微細加工、PDMS成形、およびセンサのプロトタイプ作製と合わせて、三次元の有限要素モデルを用いることである。以下に記すように、第一原理および一連の典型的なモデル上の仮定により数学的モデルを構築した。以下に示すように、モデル式は、FEMLABソフトウェアを用いて数値的手法で成功裡に解かれた。
微細加工:
・ここまでは、単一反復幾何形状パターンの鋳型を微細加工した(例えば、図12Aを参照されたい)。これらの鋳型で、30μmの細孔サイズ(D)、0.05(Φ)の空隙率および約200μmの厚さ(H)を有する微細加工されたPDMSを作製した。反復する幾何形状パターンの長さ(L)は式[1]を用いて計算することができる。
Figure 2009519106
典型的なモデル上の仮定:
・PDMSはグルコース対して非透過性である。
・センサシグナルは、微細加工された膜で制限される物質移動である。したがって、グルコースと酸素は、膜の細孔の底部で即座に反応すると仮定する。
・グルコースは、反応性表面上のすべてのポイントで限界反応物質である(その濃度はほぼゼロである)。この仮定はモデル入力パラメータと設計幾何形状の有限な組合せについて有効である。数値解法によって、酸素の濃度がすべての空間およびすべての時間においてゼロより大きいことが示される限り、この仮定の有効性は保たれる。
モデル方程式:
グルコースおよび酸素のための種保存方程式:
Figure 2009519106
・PDMS/バルク流体界面のための境界条件:
Figure 2009519106
・細孔/バルク流体界面のための境界条件:
Figure 2009519106
・PDMS/細孔界面のための境界条件:
Figure 2009519106
・細孔/反応性表面界面のための境界条件:
Figure 2009519106
・PDMS/反応性表面界面のための境界条件:
Figure 2009519106
・すべての対称面および軸のための境界条件
Figure 2009519106
モデル幾何形状および入力パラメータ:
FEMLABによってモデル化された幾何形状を大幅に簡略化するために、図12Aで示すサークルの繰り返し配列の対称面および軸を用いることができる。図12Bは、微細加工されたPDMS膜をモデル化するために、FEMLABで用いた三次元くさび形幾何形状を示す。ここでは、有限素子メッシュは、PDMS細孔の底部の反応性表面近傍で微細になっていることが示されている。これは、反応性表面について0.2μmの指定された最大素子サイズとともに、「標準的な」全体的メッシュ設定(global mesh setting)を用いて達成される。図12Bには、入力パラメータ(FEMLAB「定数(constants)」ダイアログボックス)のスクリーンショットも示す。ここで、すべての単位はSI(mMでのグルコースおよび酸素の濃度)である。
モデル解:
0〜60秒の時間依存性ソルバーを用いてFEMLABモデルを解いた。初期条件は、細孔およびPDMSサブドメイン内で、グルコースはゼロであり、酸素は周囲酸素とした。ソルバー(solver)パラメータの他の詳細は、GMRES線形システムソルバー、代数的多重格子プレコンディショナーおよび弱解形(weak solution form)の使用を含む。対称性マトリックスの選択はチェックしないままにした(重要!)。60秒での解は、許容誤差範囲内で定常状態解を近似していると見なされた。図12Cは、細孔中での定常状態のグルコース濃度プロファイルを示している。予想通り、グルコース濃度は、細孔開口部から底部の反応性表面まで直線的に減少する。
図12DはPDMS内の定常状態の酸素濃度プロファイルを示す。水と比べて、PDMS中の酸素の溶解度が高いため、PDMS/バルク溶液界面に沿って、酸素濃度はバルク(0.05mM)中で見られるその濃度より10倍大きい。酸素濃度は、反応性表面と接する縁部に沿って最大に達する。酸素濃度の低下は3%未満である。これは、微細加工された膜の中の細孔を互いにより近接して配置し、それによって、グルコースの感度を増大させることもできることを示唆している。
図12Eは微細加工された細孔内の定常状態酸素濃度プロファイルを示す。ここでは、細孔の中心付近、反応性表面およびその近傍で酸素が乏しくなっていることが示されている。図12Fは、これをさらに示している。すなわち、細孔壁から中へ約7μmの反応性表面に沿って酸素濃度がゼロに達していることが示されている。FEMLABモデルでは、負の酸素濃度が算出されているが、これは物理的に明らかに非現実的なものである。それでも、この特定の幾何形状を有する微細孔PDMS膜が、酵素的バイオセンサで用いるための理想的なグルコース制限膜として挙動しそうにないことを予測している点で、このモデルは本来の目的を果たしている。細孔アスペクト比をより厳しいもの(より厚い膜および/またはより小さい細孔直径)にするか、あるいは、細孔を、グルコースの拡散をさらに制限するある種の材料(すなわち、PES位相反転膜)で満たさなければならない。
FEMLABモデル幾何形状寸法をD=10μm、Φ=0.05およびH=200μmと変えることにより、細孔幾何形状アスペクト比を増大させることの酸素濃度プロファイルへの効果を検討した。図12Gに比較的狭い細孔内での定常状態酸素濃度プロファイルを示す。ここでは、細孔幾何形状のアスペクト比を大きくすると、酸素の消耗が阻止されることが示されている。図12Hはこれをより明確に示している。すなわち、酸素濃度はバルク値(0.05mM)の50%未満には決して低下していない。したがって、酸素が、反応性表面上のすべてのポイントでグルコースに対して過剰モルで存在するというモデルの仮定は、この幾何形状および一連の入力パラメータについて当てはまるといえる。さらに、FEMLABモデルは、この幾何形状の微細孔PDMSが、酵素電気化学的グルコースセンサのパーツとして、ほぼ「理想的な」選択透過性膜として挙動するであろうことを予測している。最後に、当業界で知られている通り、有限厚さの固定化酵素層内でのグルコース、酸素および過酸化物の拡散や化学反応などの追加の因子を考慮に入れた他のモデルも作ることができる。
グルコースとグルコースオキシダーゼの周知の反応の概略を示す図であって、段階的な仕方で示すように、この反応は、水の中でグルコースオキシダーゼ(GOx)、グルコースおよび酸素が関与し、反応前半の還元段階では、2個のプロトンと電子がβ−D−グルコースから酵素へ移動してd−グルコノラクトンを生成し、反応後半の酸化段階では、酵素は分子酸素により酸化されて過酸化水素を生成する。次いで、d−グルコノラクトンは水と反応し、ラクトン環を加水分解してグルコン酸を生成する。本発明の特定の電気化学的センサでは、この反応によって生成した過酸化水素は作用電極で酸化される(H→2H+O+2e)ことを説明する図である。 本発明の典型的な被分析物質センサ構造を示す図であって、任意選択のタンパク質層を含まない実施形態を示す図であり、センサの様々な構成要素層(例えば、接着促進構成要素114)の1つ以上を、センサ内の2つ以上の他の構成要素の間に配置できることをさらに示している図である。 本発明の典型的な被分析物質センサ構造を示す図であって、任意選択のタンパク質層を含む実施形態を示す図であり、センサの様々な構成要素層(例えば、接着促進構成要素114)の1つ以上を、センサ内の2つ以上の他の構成要素の間に配置できることをさらに示している図である。 被分析物質センサ装置で作製できる比較的平らな「リボン」型センサ構造の概観(上側)と断面(下側)を示す図である。 複数の作用電極、対向電極および基準電極などの複数の導電性素子を含む様々なセンサ構造を示す図である。 複数の作用電極、対向電極および基準電極などの複数の導電性素子を含む様々なセンサ構造を示す図であって、7つのビアホール(vias)および4つの作用電極を有するセンサ設計物を示す図である。ただし、W=作用電極(+)であり、C=対向電極(−)であり、R=基準電極である。 本発明の被分析物質センサを、他の医療用デバイス、例えばインスリン送達カテーテル、センサとカテーテルヘッダーを一体にしたもの、および薬剤輸液ポンプと連結する仕方を示す図である。 このスキームの変更形態を示す図であって、例えば、医療用デバイスに連結されたポート(例えば、ロック用電気接続部を有する皮下ポート)を使用することによって、入れ替え可能な本発明の被分析物質センサを薬剤輸液ポンプなどの他の医療用デバイスに連結することができることを示す図であって、図5Bで示した設計物は、ポンプのポートと一体化された入れ替え可能なセンサを示しており、そのポートは、ロック用電気接続部を有する皮下ポートであり(ロックされた位置にセンサをねじ込むと、電気接続部が連結される)、迅速連結ロックリングとセンサを所定の位置にロックするためのキーとを備えた入れ替え可能なセンサも示されている図である。 エポキシド活性化ポリマーの官能化、続く二官能性架橋剤によるGOx固定化の概略を示す図であって、(a)リジンなどの求核種を用いてポリ(グリシジルメタクリレート−co−エチレンジメタクリレート)などのポリマーを官能化させ、(b)官能化されたポリマーをDSS(スベリン酸ジサクシンイミジル)などの二官能性架橋剤で活性化させ、(c)活性化されたポリマーはグルコースオキシダーゼ(GOx)のための固定化基体として使用されることを示す図である。 酵素的バイオセンサで用いられるコポリマー型選択透過性膜を示す図であって、この膜では、酸素と被分析物質の両方が、1つのマクロ方向でコポリマーを通して効率的に拡散することを示す図である。 酵素的バイオセンサで用いられる巨視的なウィンドウ型選択透過性膜を示す図であって、この膜では、被分析物質はマクロ方向以外に拡散する必要があることを示す図である。 層状形態を有する複合型選択透過性膜の断面図を示す図であって、この膜では、PDMS中の細孔すなわち「ウィンドウ」が微小な規模であるので、被分析物質はマクロ方向以外に拡散する必要はなく、例示した実施形態は、免疫隔離のための位相反転膜を含む(形状構成は必ずしも原寸に比例していない)ことを示す図である。 「細孔が充填された」形態を有する複合型選択透過性膜の断面図を示す図であって、この膜では、PIM中の細孔すなわち「ウィンドウ」がミクロまたはナノ規模であるので、被分析物質はマクロ方向以外に拡散する必要はなく、簡単にするために、PIMの曲がりくねった細孔は直線状で示している(形状構成は必ずしも原寸に比例していない)図である。 (a)〜(f)に示されるように鋳型の微細加工の方法を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、PDMS微細加工のためのサークルの反復配列の概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、酵素電気化学的グルコースセンサの一部としての30μm微細孔PDMS膜をモデル化するための、FEMLABで用いられる3D幾何形状および入力パラメータの概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、30μm細孔における定常状態のグルコース濃度プロファイルの概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、30μm微細孔PDMS膜における定常状態酸素濃度プロファイルの概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、30μm細孔における定常状態酸素濃度プロファイルの概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、30μm細孔の反応性表面のX軸に沿った定常状態酸素濃度プロファイルの概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、10μm細孔における定常状態酸素濃度プロファイルの概略を示す図である。 最適化された微細加工選択透過性膜を作製するための、実際の鋳型微細加工、PDMS成形およびセンサ試作と合わせて、3つのモデル化検討からのデータを示す図であって、10μm細孔の反応性表面のX軸に沿った定常状態酸素濃度プロファイルの概略を示す図である。

Claims (46)

  1. 埋め込み可能な被分析物質センサで使用するための膜であって、
    免疫グロブリンに対して非透過性であり、
    酸素、グルコースおよび乳酸塩に対して透過性である、生体適合性ポリマー組成物を含む第1層と、
    機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーまたは機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含む、前記第1層に接合された第2層と、
    を含み、
    グルコースおよび/または乳酸塩よりも酸素に対して透過性が高いことを特徴とする膜。
  2. 請求項1に記載の膜であって、前記第1層が、その中に配置された複数の細孔を含むことを特徴とする膜。
  3. 請求項1に記載の膜であって、前記第2層が、その中に配置された複数の細孔を含むことを特徴とする膜。
  4. 請求項3に記載の膜であって、前記第2層中に配置された複数の細孔の少なくとも1つが、前記第2層の機能化ポリ(ジメチルシロキサン)、機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマー、または機能化ポリ(ジメチルシロキサン)と機能化ポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーの混合物を含むことを特徴とする膜。
  5. 請求項1に記載の膜であって、前記第1層と第2層との間に配置されており、かつ前記第1層と第2層の間の接着を促進する接着層をさらに含むことを特徴とする膜。
  6. 請求項2に記載の膜であって、前記複数の細孔の平均直径が2μm〜40μmであることを特徴とする膜。
  7. 請求項2に記載の膜であって、前記複数の細孔の平均深さが50μm〜250μmであることを特徴とする膜。
  8. 請求項2に記載の膜であって、前記埋め込み可能な被分析物質センサが、グルコースオキシダーゼの層を含むグルコースセンサであり、さらに、前記細孔のサイズが、グルコースオキシダーゼと反応するグルコースと酸素の相対濃度が最適化されるように制御されることを特徴とする膜。
  9. 請求項2に記載の膜であって、前記埋め込み可能な被分析物質センサが、グルコースオキシダーゼの層を含むグルコースセンサであり、さらに、前記細孔の幾何形状が、グルコースオキシダーゼと反応するグルコースと酸素の相対濃度が最適化されるように制御されることを特徴とする膜。
  10. 請求項1に記載の膜であって、前記第1または第2層が、その中に配置された複数の細孔を含み、さらに、複数の細孔の少なくとも1つが、埋め込み可能な被分析物質センサの水和を容易にする生体適合性の親水性ポリマーを含むことを特徴とする膜。
  11. 請求項10に記載の膜であって、前記親水性ポリマーがエチレングリコールもしくはプロピレングリコールブロックポリマーまたはその混合物を含むことを特徴とする膜。
  12. 請求項10に記載の膜であって、前記親水性ポリマーがヒドロゲルであることを特徴とする膜。
  13. 請求項10に記載の膜であって、前記生体適合性の親水性ポリマーが、毛管作用によって前記センサ中の成分の湿潤を増進させることを特徴とする膜。
  14. 請求項10に記載の膜であって、前記生体適合性の親水性ポリマーが前記複数の細孔のサブセット中に選択的に配置され、前記複数の細孔のサブセットが前記複数の細孔の平均直径より少なくとも10%、20%、30%、40%または50%大きいか、または前記複数の細孔の平均深さより少なくとも10%、20%、30%、40%または50%大きい直径または深さを有することを特徴とする膜。
  15. 剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化する方法であって、
    (a)タンパク質を、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーと結合するステップと、
    (b)タンパク質の官能性部分を前記剛性のマクロ多孔性ポリマーの官能性部分と架橋することによってタンパク質を前記剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化することができる架橋剤を加えるステップと、
    を含み、
    タンパク質を前記剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化することを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーは、タンパク質と架橋できる官能性部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーが作製されるように、反応性エポキシド部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーを求核化合物と結合することによって作製されることを特徴とする方法。
  17. 剛性のマクロ多孔性ポリマー上にタンパク質を固定化する方法であって、スルフヒドリル、アミン、カルボキシルまたはヒドロキシル部分を有するタンパク質を、前記反応性エポキシド部分を有する剛性のマクロ多孔性ポリマーと、前記タンパク質上のスルフヒドリル、アミン、カルボキシルまたはヒドロキシル部分と前記剛性のマクロ多孔性ポリマー上のエポキシド部分との間の求核反応を起こす反応条件下で結合することを含み、前記タンパク質を剛性のマクロ多孔性ポリマー上に固定化することを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記タンパク質を前記剛性のマクロ多孔性ポリマーと結合する前に、前記タンパク質上の少なくとも1つの求核性部分を封鎖することを特徴とする方法。
  19. 固定化酵素でコーティングされた表面を有する多孔性マトリックスを含むことを特徴とする、哺乳動物内に埋め込み可能な組成物。
  20. 請求項19に記載の組成物であって、前記多孔性マトリックスが、電気化学的センサの電極として作用することができることを特徴とする組成物。
  21. 請求項19に記載の組成物であって、前記酵素が、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼまたは乳酸脱水素酵素であることを特徴とする組成物。
  22. 請求項21に記載の組成物であって、前記電極が電気化学的センサ中の過酸化水素を消費することを特徴とする組成物。
  23. 請求項19に記載の組成物であって、前記マトリックスがミクロ多孔性ポリマーを含むことを特徴とする組成物。
  24. 請求項19に記載の組成物であって、前記マトリックスがミクロ多孔質金属を含むことを特徴とする組成物。
  25. 請求項19に記載の組成物であって、前記マトリックスがミクロ多孔質セラミックを含むことを特徴とする組成物。
  26. 請求項19に記載の組成物であって、前記多孔性マトリックスが粒子の格子を含むことを特徴とする組成物。
  27. 請求項26に記載の組成物であって、前記粒子が球状であることを特徴とする組成物。
  28. 請求項19に記載の組成物であって、前記多孔性マトリックスが少なくとも1,10,100または1000μmの厚さであることを特徴とする組成物。
  29. 請求項19に記載の組成物であって、前記多孔性マトリックスが、同一寸法の非多孔性マトリックスの表面積の少なくとも2,4,6,8,10,12,14,16または18倍の表面積を有することを特徴とする組成物。
  30. 請求項19に記載の組成物であって、表面上にコーティングされた前記酵素が1,0.5,0.25および0.1μm未満からなる群から選択される厚さを有する被膜層中に存在することを特徴とする組成物。
  31. 請求項19に記載の組成物であって、前記多孔性マトリックスの空隙率の範囲が40%〜99%であることを特徴とする組成物。
  32. 哺乳動物内に埋め込むための被分析物質センサ装置であって、固定化酵素でコーティングされた表面を有する多孔性マトリックスを含むことを特徴とする被分析物質センサ装置。
  33. 請求項32に記載の被分析物質センサ装置であって、前記多孔性マトリックスが作用電極を含み、被分析物質の存在下で被分析物質検知層が導電層中の作用電極で電流を検出可能なように変えるように、前記固定化酵素が、作用電極上に配置された被分析物質検知層内に配置されていることを特徴とする装置。
  34. 請求項33に記載の被分析物質センサ装置であって、前記被分析物質検知層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する被分析物質調節層をさらに含むことを特徴とする装置。
  35. 請求項34に記載の被分析物質センサ装置であって、前記被分析物質検知層上に配置されており、かつ被分析物質検知層と、被分析物質検知層上に配置された被分析物質調節層との間の接着を促進する接着促進層をさらに含むことを特徴とする装置。
  36. 請求項34に記載の被分析物質センサ装置であって、被分析物質検知層と被分析物質調節層との間に配置されたタンパク質層をさらに含むことを特徴とする装置。
  37. 請求項34に記載の被分析物質センサ装置であって、作用電極の表面と被分析物質検知層との間に配置された妨害拒絶層をさらに含むことを特徴とする装置。
  38. 請求項34に記載の被分析物質センサ装置であって、前記被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ感知される被分析物質を含む溶液に、前記被分析物質調節層の少なくとも一部を曝露するアパーチャを含む被覆層をさらに含むことを特徴とする装置。
  39. 請求項33に記載の被分析物質センサ装置であって、前記被分析物質検知層が、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼおよび乳酸脱水素酵素からなる群から選択される酵素を含むことを特徴とする装置。
  40. 請求項39に記載の被分析物質センサ装置であって、前記被分析物質検知層が、酵素と実質的に一定の比で担体タンパク質をさらに含むことを特徴とする装置。
  41. 請求項40に記載の被分析物質センサ装置であって、前記酵素と担体タンパク質が前記酵素層全体にほぼ均一に分布していることを特徴とする装置。
  42. 哺乳動物の体内の被分析物質を感知する方法であって、
    作用電極として機能する導電性ミクロ−多孔性マトリックスと、
    前記ミクロ多孔性マトリックス上に配置されており、かつ被分析物質の存在下、前記ミクロ多孔性マトリックスで電流を検出可能なように変える被分析物質検知層と、
    前記被分析物質検知層上に配置された任意選択のタンパク質層と、
    前記被分析物質検知層または前記任意選択のタンパク質層上に配置されており、かつ被分析物質検知層と、被分析物質検知層上に配置された被分析物質調節層との間の接着を促進する接着促進層と、
    前記被分析物質検知層上に配置されており、かつその調節層を通る被分析物質の拡散を調節する被分析物質調節層と、
    前記被分析物質調節層の少なくとも一部の上に配置されており、かつ前記被分析物質調節層の少なくとも一部にわたってアパーチャをさらに含む任意選択の被覆層と、
    を含む被分析物質センサを哺乳動物中に組み込むステップと、
    作用電極で電流の変化を感知し、電流の変化を被分析物質の存在と相関付け、それにより被分析物質を感知するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  43. 請求項42に記載の方法であって、電流の変化が感知される作用電極が陽極であるように、前記被分析物質センサを陽極で分極させることを特徴とする方法。
  44. 容器と、前記容器内にある請求項33に記載の被分析物質センサ装置およびその被分析物質センサ装置を用いるための説明書とを備えることを特徴とするキット。
  45. 所定の幾何形状の重合組成物を形成するための金属製鋳型を作製する方法であって、
    (a)ベース基体を用意するステップと、
    (b)前記ベース基体又は前記ベース基体の一部上に導電層を配置するステップと、
    (c)前記導電層上にポジフォトレジスト層を配置するステップと、
    (d)前記ポジフォトレジスト層上に犠牲金属層を配置するステップと、
    (e)前記犠牲金属層上にネガフォトレジスト層を配置するステップと、
    (f)UVフォトリソグラフィーによって前記ネガフォトレジスト層を現像するステップと、
    (g)エッチャントを用いる前記ネガレジスト層の現像によって曝露された犠牲金属層領域を除去するステップと、
    (h)成分(a)〜(g)をUVフォトリソグラフィーにかけるステップと、
    (i)現像用溶媒で前記ポジフォトレジスト層を現像するステップと、
    (j)成分(a)〜(i)を導電性材料の層で電気メッキするステップと、
    (k)鋳型が作製されるように、ポジフォトレジスト層、犠牲金属層およびネガフォトレジスト層を、溶媒を用いて層状化基体から除去するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  46. 多孔質金属マトリックスを作製するためのプリント法であって、
    (a)細孔形成キャリヤ溶媒中に懸濁された微細金属粒子のインクを形成させるステップと、
    (b)前記インクを基体上にプリントするステップと、
    (c)任意選択でステップ(b)を繰り返して所望の厚さのフィルムを得るステップと、
    (d)プリントされた金属マトリックスを乾燥して細孔形成キャリヤ溶媒を除去するステップと、
    (e)金属粒子が一緒に結合するように得られた金属粉末の多孔質床を焼成するステップと、
    を含み、
    前記多孔質金属マトリックスを形成することを特徴とする方法。
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