JP2013521942A - 改良された電極構成を有する分析物センサ装置、該装置の製作方法および使用方法 - Google Patents

改良された電極構成を有する分析物センサ装置、該装置の製作方法および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態は、最適化された要素および/または最適化された要素の構成を有する分析物センサ、ならびに該センサの製作方法および使用方法を提供する。本発明の一般的な実施形態は、糖尿病の管理で使用されるグルコースセンサを含み、このグルコースセンサは、第1の端部および第2の端部を有する複数のセンサワイヤ301、302、303、304を備え、それぞれのセンサワイヤは実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤは導電性であり、前記複数のセンサワイヤは、第1の電気絶縁カバー310によって実質的に覆われた第1のセンサワイヤ303、304であり、第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリア313、314を画定する第1のセンサワイヤと、第2の電気絶縁カバー310によって実質的に覆われた第2のセンサワイヤ301であり、第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリア311を画定する第2のセンサワイヤと、第3の電気絶縁カバー310によって実質的に覆われた第3のセンサワイヤ302であり、第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリア312を画定する第3のセンサワイヤとを含む。

Description

分析物センサ(例えば糖尿病の管理に使用されるグルコースセンサ)、ならびに該センサを製作し使用するための方法および材料。
関連出願の相互参照
本願は、本願に引用してそれぞれの内容を援用する米国特許出願第12/184,046号、米国特許出願第10/861,837号、米国特許出願第11/149,119号、米国特許出願第11/301,512号、米国特許出願第11/397,543号、米国特許出願第11/492,273号、米国特許出願第11/897,106号、米国特許出願第11/966,294号および米国特許出願第11/323,242号に関する。本願は、米国特許法第119条(e)の下、本願に引用してその内容を援用する、2010年3月16日に出願された米国特許仮出願第61/314,484号の恩典を主張するものである。本願はさらに、本願に引用してその内容を援用する、2011年3月14日に出願された米国特許出願第13/047,431号の恩典を主張する。
バイオセンサなどの分析物センサは、生体要素を使用して、マトリックス中の化学分析物を検出可能な信号に変換する装置を含む。多種多様な分析物に対して多くのタイプのバイオセンサが使用されている。最も研究されているタイプのバイオセンサは電流測定型のグルコースセンサ(amperometric glucose sensor)であり、このセンサは、糖尿病に関して、グルコース濃度の管理を成功させるのに極めて重要である。
一般的なグルコースセンサは以下の化学反応に基づいて機能する。
Figure 2013521942
グルコースオキシダーゼを使用してグルコースと酸素の間の反応を触媒し、グルコン酸および過酸化水素を発生させる(式1)。Hは式2に示すように電気化学的に反応し、その電流をポテンショスタットによって測定することができる。これらの反応は、当技術分野において知られているさまざまな酸化還元酵素で起こり、いくつかのセンサ設計で使用されている。
米国特許出願公開第2007/213611号明細書 国際公開第2008/017645号 米国特許出願公開第2010/025238号明細書
分析物センサ技術が成熟し、センサ技術の新たな用途が開発されるにつれ、分析物を測定することが望ましい多種多様な状況においてセンサの使用を容易にする方法および材料がますます求められている。
本明細書に開示された本発明の実施形態は、糖尿病の管理に使用される電流測定型グルコースセンサなどの分析物センサおよび分析物センサシステム、ならびに該センサおよび該センサシステムを使用して分析物を監視する最適化された方法を含む。本発明の一実施形態は分析物センサであり、この分析物センサは、第1の端部および第2の端部を有する複数のセンサワイヤを備え、それぞれのセンサワイヤは実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤは導電性であり、前記複数のセンサワイヤは、第1の電気的に絶縁するカバー(以後、電気絶縁カバー)によって実質的に覆われた第1のセンサワイヤであり、第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリアを画定する第1のセンサワイヤと、第2の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第2のセンサワイヤであり、第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリアを画定する第2のセンサワイヤと、第3の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第3のセンサワイヤであり、第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリアを画定する第3のセンサワイヤとを含む。他の実施形態では、やはり実質的に共通の向きに追加のワイヤが配列される。この追加のワイヤも、追加の電極を画定する開口部を有する電気絶縁カバーを有することができる。例えば、第2の対電極を有するワイヤを追加することができる。
他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤがリボンワイヤ構成に配列される。他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤが、束ねられた構成(以後、束構成)に配列される。他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤが、積み重ねられた構成(以後、積重ね構成)に配列される。他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤが、円筒形の心材の周りにコイル状に巻き付けられている。この円筒形の心材は、適当な生体適合材料から製作することができる。このような材料の例には、被覆されたポリマー、ヒドロゲルおよび形状記憶合金などがある。
他の実施形態では、前記複数のワイヤのうちの1本以上のワイヤが、そのワイヤの電気絶縁カバーに、第2の電極エリアを画定する第2の開口部を有する。他の実施形態では、前記複数のワイヤのうちのそれぞれのワイヤが、そのワイヤの電気絶縁カバーに画定された2つ以上の電極エリアを、センサ装置の埋入可能な部分に沿ってそれらの電極エリアが分散するような態様で有する。他の実施形態では、作用電極エリアが、対電極および参照電極エリアから見て前記複数のワイヤの反対側にある。
他の実施形態では、第1のセンサワイヤおよび第3のセンサワイヤがそれぞれ、白金、イリジウム、酸化イリジウムおよびパラジウムからなるグループから個別に選択された材料を含む。他の実施形態では、第2のセンサワイヤが、銀、塩化銀および銀と塩化銀の組合せからなるグループから選択された材料を含む。他の実施形態では、電気絶縁カバーがそれぞれ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)およびPFA(ペルフルオロアルコキシ)からなるグループから個別に選択された材料を含む。他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤのうちの少なくとも1本のセンサワイヤが形状記憶合金を含む。
本発明の実施形態では、第1のセンサワイヤの作用電極エリアのところの露出した部分が、白金黒、多孔質白金、イリジウム、酸化イリジウムおよびポリピロールからなるグループから選択された電極コーティングで被覆されている。第1のセンサワイヤの作用電極エリアのところの露出した部分を、表面積が増大するように修飾することができる。第1のセンサワイヤの作用電極エリアのところの露出した部分を、多孔質金属および多孔質ポリマーからなるグループから選択された1種類以上の成分で少なくとも部分的に被覆することができる。
本発明の実施形態では、電極エリアの上、例えば作用電極エリアの上に化学物質層を追加することができる。例えば、第1のワイヤの作用電極エリアのところの露出した部分を、グルコースオキシダーゼ含む層など、分析物を感知する層(以後、分析物感知層)で被覆することができる。この分析物感知層を、PDMSを含む層など、分析物を調節する層(以後、分析物調節層)で被覆することができる。これらの2つの層の間に、シラン化合物を含む層など、接着を促進する層(以後、接着促進層)を配置することができる。他の実施形態では、さらにタンパク質層が追加される。
本発明の実施形態では、前記複数のセンサワイヤのうちの少なくとも1本のセンサワイヤが、そのセンサワイヤの電気絶縁カバーに、第2の電極エリアを画定する第2の開口部を有する。他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤが、第1の側面およびこの第1の面の反対側の第2の側面を有し、作用電極エリアが第1の側面にあり、対電極エリアおよび参照電極エリアが第2の側面にある。他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤが、前記複数のセンサワイヤの第1の端部に先端を有し、この先端が電気絶縁カバーによって覆われておらず、この先端が、先端を被覆する層(以後、先端被覆層)によって被覆されている。先端被覆層はポリ(p−キシリレン)ポリマーを含むことができる。
他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤの、そのワイヤの前記電極エリアと電気的に連通した接点を画定する部分が、電気絶縁カバーから露出しており、接点が実質的に、前記複数のセンサワイヤの第2の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの第2の端部にあり、電極エリアが実質的に、前記複数のセンサワイヤの第1の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの第1の端部にある。
本明細書に開示された本発明の実施形態はセンサセットを含み、このセンサセットは、患者の皮膚の表面に配置されるように適合された取付けベースであり、開口およびコネクタ部分を含む取付けベースと、分析物センサとを備え、この分析物センサは、第1の端部および第2の端部を有する複数のセンサワイヤを備え、それぞれのセンサワイヤは実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤは導電性であり、前記複数のセンサワイヤは、第1の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第1のセンサワイヤであり、第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリアを画定する第1のセンサワイヤと、第2の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第2のセンサワイヤであり、第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリアを画定する第2のセンサワイヤと、第3の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第3のセンサワイヤであり、第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリアを画定する第3のセンサワイヤとを含み、分析物センサは取付けベース内に収容されており、取付けベースのコネクタ部分と電気的に連通する接点を画定するために、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤの、前記複数のセンサワイヤの第2の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの第2の端部が、そのセンサワイヤの電気絶縁カバーから露出しており、少なくとも分析物センサの第1の端部が、取付けベースの開口から、ベースから実質的に90度の角度で延出している。他の実施形態では、センサセットが、ベースから延出した分析物センサの部分を実質的に覆うカニューレを備える。
本発明の他の実施形態では、センサセットが、取付けベースのコネクタ部分に接続可能な送信器であり、分析物センサから信号を受け取るように適合された送信器を備える。この送信器は、送信器凹部およびこの凹部内の送信器ピンを含むことができ、この送信器凹部および送信器ピンは、送信器凹部に取付けベースのコネクタ部分が挿入されたときに送信器を分析物センサに電気的に接続するためのものである。取付けベースのコネクタ部分は、分析物センサの電極エリアと電気的に連通したプレス成形された導電性のピンを含むことができ、このプレス成形された導電性のピンは、送信器ピンに接続するように適合されている。
他の実施形態では、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤの、そのワイヤの電極エリアと電気的に連通した接点を画定する部分が、電気絶縁カバーから露出しており、接点が実質的に、前記複数のセンサワイヤの第2の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの第2の端部にあり、電極エリアが実質的に、前記複数のセンサワイヤの第1の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの第1の端部にあり、接点が、プレス成形された導電性のピンに電気的に接続するように適合されている。他の実施形態では、取付けベースが金属インサートをさらに含み、分析物センサが取付けベースに収容されたときに、前記複数の導電性ワイヤのうちのそれぞれの導電性ワイヤの電気絶縁カバーに、電極エリアが金属インサートと電気的に連通するような孔をあけるように、金属インサートが適合されており、金属インサートが、プレス成形された導電性ピンに電気的に接続するように適合されている。
他の実施形態では、センサ挿入部位における組織の外傷を防ぐ方法が開示され、この方法は、患者の皮膚に分析物センサを挿入することを含み、この分析物センサは、第1の端部および第2の端部を有する複数のセンサワイヤを含み、それぞれのセンサワイヤは実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤは導電性であり、前記複数のセンサワイヤは、第1の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第1のセンサワイヤであり、第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリアを画定する第1のセンサワイヤと、第2の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第2のセンサワイヤであり、第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリアを画定する第2のセンサワイヤと、第3の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第3のセンサワイヤであり、第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリアを画定する第3のセンサワイヤとを含む。
本発明の一般的な実施形態は生体適合材料からなり、かつ/または哺乳動物の体内に埋入するように設計された構造要素および要素の編成を有する。本発明の方法実施形態は、本明細書に開示されたセンサ実施形態の製作方法および使用方法を含む。本発明のある種の実施形態は、特定のセンサ要素および/またはセンサ要素の特定の集合体(constellation)を使用して、本明細書に開示されたセンサ実施形態の1つ以上の特性(例えばセンサの初期化および始動)を生み出しかつ/または容易にする方法を含む。
グルコースとグルコースオキシダーゼの間の周知の反応の略図である。段階的に示されているとおり、この反応には、グルコースオキシダーゼ(GOx)、グルコースおよび水中の酸素が関与する。この反応の還元部分では、β−D−グルコースからグルコースオキシダーゼに2つの陽子および2つの電子が移動して、d−グルコノラクトンが生じる。この反応の酸化部分では、グルコースオキシダーゼが分子酸素によって酸化されて過酸化水素が生ずる。d−グルコノラクトンは次いで水と反応してラクトン環を加水分解し、グルコン酸が生成する。本発明のある種の電気化学センサでは、この反応によって生成した過酸化水素が作用電極で酸化される(H→2H+O+2e)。 一般的な層状(layered)分析物センサ構成の略図である。 本発明に基づくワイヤセンサ構成の作用電極ワイヤの断面の略図である。 本発明に基づくワイヤ状(wired)センサの一実施形態の挿入部分の側面図である。 本発明の諸特徴を具体化する、皮下センサ挿入セット、遠隔測定された特性の監視/送信装置(以後、遠隔測定特性監視/送信装置)およびデータ受信装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に基づく皮下センサセットを示す透視図である。 図5Aに示した実施形態の分解図および本発明の一実施形態に基づく挿入ツールを示す透視図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサ送信器およびセンサセットの一実施形態を示す透視分解図である。 センサ送信器を含まない、図6Aに示した実施形態の別の透視図である。 図6Aおよび6Bに示した実施形態の非分解図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサの扁平リボン構成の透視図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサの束ワイヤ構成の透視図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサの積重ねワイヤ構成の略断面図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサの積重ねワイヤ構成の略断面図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサの円形ワイヤ扁平リボン構成の断面図である。 本発明の一実施形態に基づくセンサの扁平リボンワイヤ構成の断面図である。 電極が分散した構成(以後、分散電極構成)の本発明の一実施形態に基づくワイヤセンサの略図である。 センサがコイル状に巻かれた本発明の一実施形態に基づく構成(以後、コイルセンサ構成)の略図である。 本発明の一実施形態に基づく束ワイヤ構成センサおよびスプリット針(split needle)の断面図である。 ケーブルがコイル状に巻かれた構成(以後、コイルケーブル構成)の本発明の一実施形態に基づくセンサおよびスプリット針の断面図である。 本発明の一実施形態に基づくスプリット針の透視図である。 本発明の一実施形態に基づく送信器ピンの透視図である。 センサ上のプレス成形された本発明の一実施形態に基づくピンの透視図である。 センサ上のプレス成形された本発明の一実施形態に基づくピンの透視図である。 センサ上のプレス成形された本発明の一実施形態に基づくピンの透視図である。
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語、表記およびその他の科学用語または専門用語は、本発明が属する技術分野の技術者が共通に理解する意味を有することが意図されている。場合によっては、明確にするため、および/または即座に言及するために、共通に理解される意味を有する用語を本明細書で定義することがあるが、そのような定義が本明細書に含まれるからといって、その用語が、当技術分野で一般的に理解される定義とは大幅に異なる定義を必ず表していると解釈すべきではない。本明細書に記載しまたは本明細書で参照する技法および手順の多くは、当業者が十分に理解しているものであり、従来の方法を使用して当業者が一般的に使用しているものである。特に明記されていなければ、適当な限りにおいて、市販のキットおよび試薬の使用を含む手順は一般に、製造者が定めたプロトコルおよび/またはパラメータに従って実施される。以下に、いくつかの用語を定義する。
本明細書に引用される全ての発表物は、その発表物が引用された事由である方法および/または材料を開示し、説明するために援用される。本明細書に引用される発表物は、本願の出願日よりも前のそれらの発表物の開示に対して引用される。それらの発表物の優先日または発明の日付がより早いことをもって、本発明の発明者がそれらの発表物よりも先行することを主張する資格がないことを本発明の発明者が認めていると解釈される内容は本明細書にはない。また、実際の公開日は、示された日付とは異なることがあり、自主的な確認が必要である。
本発明の構成、方法などを説明する前に、本発明が、記載された特定の方法、プロトコルおよび試薬に限定されないことを理解されたい。当然ながら、そのような方法、プロトコルおよび試薬は変更しうるからである。さらに、例示的なある1つの実施形態に開示されたセンサおよびセンサシステムのある種の要素の代わりに、例示的な別の実施形態に開示されたセンサおよびセンサシステムの要素を使用することができること、ならびに/または例示的なある1つの実施形態に開示されたセンサおよびセンサシステムのある種の要素を、例示的な別の実施形態に開示されたセンサおよびセンサシステムの要素と組み合わせて、本発明のさらに別の実施形態を形成することができることを当業者は理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することだけが目的であり、本明細書で使用される専門用語が本発明の範囲を限定することは意図されていないことも理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
文脈からそうでないことが明らかである場合を除き、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は複数の指示物を含むことに留意しなければならない。したがって例えば、「酸化還元酵素(an oxidoreductage)」という言及には、複数のそのような酸化還元酵素、および当業者に知られているそのような酸化還元酵素の等価物などが含まれる。本明細書および関連する特許請求の範囲に挙げられた数値のうち、整数以外の数値によって特徴づけることができる値(例えば溶液中の化合物の濃度)を指す数値は全て、用語「約」によって修飾されることが理解される。
本明細書で使用される用語「分析物」は幅広い用語であり、この用語は、この用語の通常の意味で使用され、これには、限定はされないが、体液(例えば血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液または尿)などの分析することができる流体中の物質または化学成分が含まれる。分析物は、自然界に存在する物質、人工物質、代謝産物および/または反応生成物を含みうる。いくつかの実施形態では、本発明の感知領域、装置および方法によって測定する分析物がグルコースである。しかしながら、他の分析物も企図され、これには、限定はされないが、乳酸塩(lactate)が含まれる。ある種の実施形態において、血液または間質液中に自然に存在する塩、糖、タンパク質、脂肪、ビタミンおよびホルモンは分析物を構成しうる。分析物は、体液中に自然に存在することがあり、すなわち内因性であることがあり、例えば代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などであることがある。あるいは、分析物は、体内に導入されることがあり、すなわち外因性であることがあり、例えば画像化用のコントラスト剤、放射性同位元素、化学試剤、フルオロカーボンベースの合成血液、または薬物もしくは医薬品組成物であることがあり、この薬物もしくは医薬品組成物には、限定はされないが、インスリンが含まれる。薬物および医薬品組成物の代謝産物も分析物として企図される。
用語「酸化還元酵素」は、当技術分野で受け入れられた意味、すなわち1つの分子(水素供与体または電子供与体とも呼ばれる還元体)から別の分子(水素受容体または電子受容体とも呼ばれる酸化体)への電子の移動を触媒する酵素、という意味に従って使用される。一般的な酸化還元酵素にはグルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼなどがある。用語「担体ポリペプチド」または「担体タンパク質」は、ポリペプチドの安定性、例えばポリペプチドを含む組成物の物理的、化学的特性などのある種の質的特徴をある期間維持する酸化還元酵素ポリペプチドの能力(例えばグルコースを酸化する能力)を維持するために含められた添加物であるという当技術分野で受け入れられた意味に従って使用される。当技術分野で一般的に使用されている一般的な担体タンパク質はアルブミンである。
本明細書で使用される用語「センサ」は幅広い用語であり、この用語は、この用語の通常の意味で使用され、これには、限定はされないが、分析物を検出する分析物監視装置の1つ以上の部分が含まれる。一実施形態では、センサボディを貫き、センサボディ内に固定されて、ボディ上の1つの位置に電気化学的に反応性の表面を形成し、ボディ上の別の位置に電子接続を形成する作用電極、参照電極および任意選択の対電極と、センサボディに貼り付けられ、電気化学的に反応性の表面を覆う膜システムとを有する電気化学セルを、センサが含む。センサの一般的な動作中に、生体試料(例えば血液または間質液)または生体試料の一部が、酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)と(直接に、または1つ以上の膜もしくは領域を通過した後に)接触し、その生体試料(または生体試料の部分)の反応の結果、生体試料中の分析物濃度の決定を可能にする反応生成物が形成される。
本明細書で使用される用語「電気化学的に反応性の表面」および「電気的に活性の表面」は幅広い用語であり、これらの用語は、これらの用語の通常の意味で使用され、これらには、限定はされないが、電気化学反応が起こる電極の表面が含まれる。一例において、作用電極は、反応して電流を生み出す検出中の分析物の酵素触媒反応によって生成した過酸化水素を測定する(例えば、グルコースオキシダーゼを利用したグルコース分析物の検出は、副生物としてHを生成させ、Hは作用電極の表面と電極を反応して、2つの陽子(2H)、2つの電子(2e)および1つの酸素分子(O)を生成させ、これが検出中の電子電流を生み出す)。対電極の場合には、作用電極によって生み出されている電流と釣合いをとるために、この電極の表面で、還元可能な種、例えばOが還元される。
本明細書で使用される用語「感知領域」は幅広い用語であり、この用語は、この用語の通常の意味で使用され、これには、限定はされないが、特定の分析物の検出を担う監視装置の領域が含まれる。例示的な一実施形態において、感知領域は、非導電性のボディと、ボディを貫き、ボディ内に固定されて、ボディ上に電気化学的に反応性の表面を形成し、ボディ上の別の位置に電子接続を形成する作用電極、参照電極および対電極と、電気化学的に反応性の表面を覆う1つ以上の層とを備えることができる。
本明細書で使用される用語「電位(electrical potentialおよびpotential)」は幅広い用語であり、この用語は、この用語の通常の意味で使用され、これには、限定はされないが、電流が流れる原因となる回路上の2点間の電位差が含まれる。本明細書で使用される用語「システム雑音」は幅広い用語であり、この用語は、この用語の通常の意味で使用され、これには、限定はされないが、欲していない電子的な雑音または拡散に関係した雑音が含まれ、これには例えば、ガウス雑音、運動に関係した雑音、フリッカ雑音、動力学的な雑音または他の白色雑音を含めることができる。
本明細書で使用される用語「干渉物(interferents)」および「干渉種(interfering species)」は幅広い用語であり、これらの用語は、これらの用語の通常の意味で使用され、これらには、限定はされないが、センサ内での関心の分析物の測定を妨害して、分析物の測定値を正確には表していない信号を生成させる効果および/または化学種/化合物が含まれる。電気化学センサの一例では、干渉種が、測定しようとしている分析物と重なる酸化電位を有する化合物である。
後に詳細に論じるが、本発明の実施形態は、流体中の関心の分析物の濃度、または関心の分析物の濃度もしくは存在を示す物質の濃度、を測定する電気化学センサの使用に関する。いくつかの実施形態では、センサが連続装置、例えば皮下、経皮または血管内装置である。いくつかの実施形態では、この装置が、複数の間欠性の血液試料を分析することができる。本明細書に開示されたセンサ実施形態は、侵襲性、低侵襲性および非侵襲性の感知技法を含む従来知られている任意の方法を使用して、関心の分析物の濃度を示す出力信号を提供することができる。このセンサは一般に、酸素の存在下での分析物と酵素の間の酵素反応の生成物または反応物を、生体内または管内の分析物の測度として感知するタイプのセンサである。このようなセンサは一般に、酵素を取り囲む膜を備え、分析物はこの膜を通して移動する。次いで、電気化学的な方法を使用して生成物を測定する。したがって電極システムの出力は分析物の測度として機能する。いくつかの実施形態において、このセンサは、電流測定型、電量測定型(coulometric)、電気伝導度測定型(conductimetric)および/または電位差測定型(potentiometric)の技法を使用して、分析物を測定することができる。
本明細書に開示された本発明の実施形態は、例えば糖尿病患者の体内の血液グルコース濃度の皮下または経皮監視において使用されるタイプのセンサを提供する。糖尿病および生命にかかわる他の病気を治療するため、埋入可能なさまざまな電気化学バイオセンサが開発されている。既存の多くのセンサ設計は、固定化されたある形態の酵素を使用して、そのセンサの生体特異性を達成する。本明細書に記載された本発明の実施形態は、知られている多種多様な電気化学センサに適合させることができ、知られている多種多様な電気化学センサを備えるように実装することができる。このように知られている電気化学センサには、例えば、本願に引用してそれぞれの内容を援用する米国特許出願第20050115832号、米国特許第6,001,067号、第6,702,857号、第6,212,416号、第6,119,028号、第6,400,974号、第6,595,919号、第6,141,573号、第6,122,536号、第6,512,939号、第5,605,152号、第4,431,004号、第4,703,756号、第6,514,718号、第5,985,129号、第5,390,691号、第5,391,250号、第5,482,473号、第5,299,571号、第5,568,806号、第5,494,562号、第6,120,676号、第6,542,765号、PCT国際公開WO01/58348号、WO04/021877号、WO03/034902号、WO03/035117号、WO03/035891号、WO03/023388号、WO03/022128号、WO03/022352号、WO03/023708号、WO03/036255号、WO03/036310号、WO08/042625号およびWO03/074107号、ならびに欧州特許出願EP1153571号に記載されている電気化学センサが含まれる。
後に詳細に論じるが、本明細書に開示された本発明の実施形態は、改良された材料特性を有するセンサ要素、ならびに/またはそのような要素を含むように構築されたアーキテクチャ構成およびセンサシステム(例えばセンサと監視装置、プロセッサなどの関連電子構成部品とを備えるアーキテクチャ構成およびセンサシステム)を提供する。本開示はさらに、このようなセンサおよび/またはアーキテクチャ構成の製作方法および使用方法を提供する。本発明のいくつかの実施形態はグルコースセンサおよび/または乳酸センサに関するが、本明細書に開示されたさまざまな要素(例えば電極および電極設計)は、当技術分野で知られている多種多様なセンサのうちの任意の1つセンサとともに使用されるように適合させることができる。本明細書に開示された分析物センサ要素、アーキテクチャならびにこれらの要素の製作方法および使用方法を使用して、さまざまな層状センサ構造を確立することができる。本発明のこのようなセンサは驚くほどの柔軟性および汎用性を示し、これらの特性は、多種多様なセンサ構成を、多種多様な分析物種を調べるように設計することを可能にする。
本発明の一般的な実施形態では、処理可能な信号への分析物濃度の変換が、電気化学的な手段によって実施される。この変換器は、当技術分野で知られている多種多様な電流測定ベース、電位差測定ベースまたは電気伝導度測定ベースのセンサのうちの任意のセンサを含むことができる。さらに、本発明のマイクロファブリケーションセンサ技法および材料を、実質的に非平面にあるいは実質的に平面に製作された他のタイプの変換手段(例えば音波感知装置、サーミスタ、ガス感知電極、電界効果トランジスタ、光学およびエバネセント場ウェーブガイドなど)に対して使用することもできる。バイオセンサ内で利用することができる変換器の有用な議論および表、ならびにそれぞれのタイプの変換器またはバイオセンサを一般に利用することができる分析用途の種類が、クリストファー R.ロウ、Trends in Biotech.1984、2(3)、59〜65の文献に出ている。
以下の項では、本発明の実施形態の特定の態様について詳細に論じる。
I.本発明の一般的な要素、構成および分析物センサ実施形態
A.本発明の実施形態に見られる一般的なアーキテクチャ
図2Aは、当技術分野においてこれまでも記述されている層状センサの一般的なセンサ実施形態100の断面を示す。このセンサ実施形態は、複数の構成部分から形成されており、それらの複数の構成部分は一般に、互いに重ねて配置されたさまざまな導電性構成要素の層および非導電性構成要素の層の形態をとる。図2Aに示した実施形態は、金属および/またはセラミックおよび/またはポリマー基板でできた、センサ100を支持するためのベース層102を含む。1つ以上の電極を一般に備える導電層104がベース層102上に配置され、かつ/またはベース層102に結合される。層状電極を有するセンサ実施形態は例えば、本願に引用して援用する、2008年7月31日に出願された米国特許第12/184,046号に出ている。
本発明では、上で論じた層状電極方式の代替方式として、ワイヤ状センサが提供される。ワイヤ状センサ構成はより小さなサイズのセンサを可能にし、より小さなサイズのセンサは、センサをより目立たなくし、より快適なものにするのに役立つ。挿入時の患者の皮膚の外傷も減るであろう。外傷が減ると、合併症、瘢痕の形成およびセンサの挿入による生理反応も減るであろう。
図2Bは、本発明に基づくワイヤ状センサの複数のワイヤのうちの1本のワイヤの断面を示す。具体的には、図2Bは、センサの作用電極部分303の断面を示す。図2Bに示した実施形態では、ワイヤ1104の大部分が、電気的に絶縁する層(以後、電気絶縁層)1106によって覆われている。電気絶縁層1106には、ワイヤ1104へのアクセスを可能にする開口部または開口を形成することにより、作用電極エリア1108が形成されている。作用電極エリア1108のワイヤを、本明細書で論じる電極コーティングで被覆して、電極の感知機能を向上させることができる。
開口部1108は、レーザアブレーション、テープマスキング、化学ミリングまたはエッチング、フォトリソグラフィ現像などの技法および後述する諸技法を含むいくつかの技法によって形成することができる。露出した電極エリアを、追加のめっき処理などの(例えば開口部を通した)2次的な処理によって処理して、表面を調製し、かつ/または導電性領域を強化することができる。
図2Bに示した構成では、ワイヤ1104の露出した複数の電極のうちの1つ以上の電極に分析物感知層110(この層は一般にセンサ化学物質層であり、このことは、この層の材料が化学反応を受けて、ワイヤが感知しうる信号を生み出すことを意味する)が配置される。図2Bでは、この化学物質層が、ワイヤ1104の電極エリア/開口部1108の上にだけ示されているが、この化学物質層を、絶縁層1106によって部分的に覆われるような態様で、ワイヤ1108の表面全体に配置することも可能である。
分析物感知層110は一般に酵素層である。最も一般的には、分析物感知層110が、酸素および/または過酸化水素を生成させかつ/または利用する能力を有する酵素、例えば酵素グルコースオキシダーゼを含む。任意選択で、分析物感知層中の酵素を、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンなどの第2の担体タンパク質と組み合わせる。例示的な一実施形態では、分析物感知層110中のグルコースオキシダーゼなどの酸化還元酵素がグルコースと反応して過酸化水素を生成させ、次いでこの化合物が電極における電流を調節する。この電流調節は過酸化水素の濃度に依存し、過酸化水素の濃度はグルコースの濃度と相関するため、この電流調節を監視することによってグルコースの濃度を決定することができる。本発明の特定の実施形態では、陽極である作用電極(本明細書では陽極作用電極とも呼ぶ)で過酸化水素が酸化され、その結果生じる電流は過酸化水素濃度に比例する。過酸化水素濃度を変化させることよって生じるこのような電流調節は、汎用電流測定型バイオセンサ−検出器などのさまざまなセンサ−検出器装置のうちの任意の1つのセンサ−検出器装置、またはMedtronic MiniMedによって製作されているグルコース監視装置など、当技術分野で知られている他のさまざまな同種の装置のうちの1つの装置によって監視することができる。
本発明の実施形態では、ワイヤの部分またはワイヤの全体に分析物感知層110を塗布することができる。分析物感知層110は一般に、陽極または陰極とすることができる作用電極上に配置される。任意選択で、対電極および/または参照電極にも分析物感知層110が配置される。分析物感知層110の厚さは最大約1000ミクロン(μm)とすることができるが、この分析物感知層は一般に、当技術分野においてこれまでに記述されたセンサに見られる分析物感知層に比べて相対的に薄く、その厚さは例えば一般に1、0.5、0.25または0.1ミクロン未満である。後に詳細に論じるが、薄い分析物感知層110を形成する方法には、基板の表面(例えば白金黒電極の反応性の表面(以後、反応面))にこの層をブラシ塗り(brushing)する方法、スピンコーティング法、浸漬/乾燥法、低剪断スプレー法、インクジェット印刷法、シルクスクリーン法などを含むいくつかの方法がある。本発明のある種の実施形態では、(1)この層の正確な局限を可能にし、(2)電極の反応面(例えば電着法によって生成させた白金黒)のアーキテクチャの深部にこの層を押し込むために、ブラシ塗りが使用される。
分析物感知層110は一般に、1つ以上の追加の層によって被覆され、かつ/または1つ以上の追加の層の隣に配置される。任意選択で、この1つ以上の追加の層が、分析物感知層110上に配置されたタンパク質層116を含む。タンパク質層116は一般に、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンなどのタンパク質を含む。タンパク質層116は一般にヒト血清アルブミンを含む。本発明のいくつかの実施形態では、追加の層が、分析物と分析物感知層110との接触を調節するために分析物感知層110の上方に配置された分析物調節層112を含む。分析物調節膜層112は例えば、分析物感知層中に存在するグルコースオキシダーゼなどの酵素と接触するグルコースの量を調節する、グルコースを制限する膜(以後、グルコース制限膜)を含むことができる。このようなグルコース制限膜は、このような目的に適していることが知られている多種多様な材料、例えばポリジメチルシロキサンなどのシリコーン化合物、ポリウレタン、ポリ尿素酢酸セルロース、Nafion、ポリエステルスルホン酸(例えばKodak AQ)、ヒドロゲルまたは当業者に知られている他の適当な親水性膜から形成することができる。
本発明の一般的な実施形態では、分析物調節層112と分析物感知層110との接触および/または接着を容易にするため、図2Bに示すように、分析物調節層112と分析物感知層110の間に接着促進層114が配置される。本発明の特定の実施形態では、分析物調節層112とタンパク質層116との接触および/または接着を容易にするため、図2Bに示すように、分析物調節層112とタンパク質層116の間に接着促進層114が配置される。接着促進層114は、このような層間の結合を容易にすることが当技術分野において知られている多種多様な材料のうちの任意の1つの材料から形成することができる。接着促進層114は一般にシラン化合物を含む。代替実施形態では、分析物感知層110中のタンパク質などの分子を十分に架橋させ、または他の方法で調製して、分析物調節膜層112を、接着促進層114を使用せずに、分析物感知層110と直接に接触した状態に配置することを可能にすることができる。
本発明のある種の実施形態では、後に論じる干渉除去層(interference rejection layer)などの追加の層を含むようにセンサが設計される。
さらに、本発明のワイヤセンサの挿入部分の一実施形態が図3に示されている。図3に示すように、このセンサは数本のワイヤ301〜304を有することができ、それらのワイヤは同じ方向に延びるように配列されていることが好ましい。それらのワイヤは、可撓性でかつ導電性のワイヤであることが好ましい。ワイヤ電極を使用すると耐久性を向上させることができ、ワイヤ電極は、生体内で使用されている際に装置が撓曲したときに生じる潜在的にもろい電子要素の揺れおよび衝撃に関連した問題を軽減しまたは解決するように設計された方法で使用することができる。具体的には、生体内に埋入された装置は、患者の日常の活動(例えば伸び、曲げ、歩行など)中にさまざまな機械的応力にさらされる。このような応力は、もろく、破損しやすいことがある装置内の要素、特に電極を損傷する能力を有することが当技術分野において知られている。本発明の実施形態は、患者の日常の活動に起因する機械的応力の結果として最適な機能を失いにくい要素(例えば可撓性のワイヤ電極)を使用することにより、問題を解決するように設計されている。
図3に示した実施形態は4本のワイヤを有するが、それよりも少ない数のワイヤまたはそれよりも多くのワイヤを有することも可能である。例えば、ある種の実施形態ではワイヤが2本だけである。それぞれのワイヤが電極に対応することが好ましいであろう。例えば、センサは一般に作用電極、参照電極および対電極を有する。それぞれの電極がワイヤに対応する場合、1本の作用電極ワイヤ、1本の参照電極ワイヤおよび1本の対電極ワイヤがあることになる。他の実施形態は、複数の作用電極および/もしくは対電極および/もしくは参照電極(および対応するワイヤ)を含むこともでき、かつ/または複数の機能を実行する1つ以上の電極を単一のワイヤ上に含むこともできる。例えば、作用電極と対電極の両方の電極として機能する単一のワイヤを有することができる。例えばワイヤが2本の実施形態では、参照電極用の単一のワイヤおよび作用電極/対電極用の単一のワイヤを有することができる。さらに、そのセンサに対する所望の作用電極数に応じて、組み合わされた2本、3本、4本またはそれ以上のワイヤを有することもできる。
図3には、4本のワイヤ、すなわち参照電極ワイヤ301、対電極ワイヤ302ならびに作用電極ワイヤ303および304が示されている。示された構成とは異なる構成にワイヤを配列することもできる。ワイヤはそれぞれ、電気絶縁材料310でできた層で被覆されている。それぞれのワイヤの表面の電極絶縁材料層310の少なくとも一部分は除去されて、電極エリア311、312、313および314として機能する開口部を形成している。図3に示すように、それぞれのワイヤ上に2つの電極エリアを形成することができる。それぞれのワイヤ上に電極エリアを1つだけ形成すること、またはそれぞれのワイヤ上に3つ以上の電極エリアを形成することもできる。それぞれのワイヤの電極エリアの数が同じである必要はない。例えば、参照電極が電極エリアを2つだけ有するのに対して、作用電極ワイヤが3つの電極エリアを有することもできる。
それぞれの電極上の電極エリアは互いに同様のサイズを有することができ、または異なるサイズを有することができる。図3に示した例では、作用電極エリア313および314ならびに対電極エリア312が同様のサイズを有するのに対して、参照電極エリア311はそれらよりも小さいサイズを有する。電極エリアの長さは例えば約10から50ミクロンとすることができる。電極エリアをより長くすることも可能だが、電極エリアが小さいほどセンササイズも小さくなり、このことは特に快適さの点から好ましい。電極エリアのサイズは全て同じでもよく、または異なっていてもよい。
ワイヤ301〜304は、押出成形された白金(Pt)、銀(Ag)などの材料とすることができ、かつ/またはワイヤ301〜304を表面強化材料で被覆することができる。作用電極および対電極用に使用することができるワイヤには白金ワイヤ、イリジウムワイヤ、酸化イリジウムワイヤおよびパラジウムワイヤが含まれる。参照ワイヤ用には、銀ワイヤもしくは銀/塩化銀ワイヤまたは酸化イリジウムワイヤを使用することができる。ワイヤに加えて電極コーティングを使用することができる。さらに、上で論じたワイヤの代わりに、金、白金、白金/イリジウム合金などの他の材料の伝統的なワイヤを、電極コーティングとともに使用することもできる。ある種の実施形態では、白金/イリジウム合金の白金とイリジウムの比率が約90/10または約80/20である。
ワイヤを被覆する電気絶縁材料に対しては、生物適合性で、可撓性で、かつ電気絶縁性の材料が使用される。これらの所望の特性を有するコーティングには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)のようなPTFEの変形物、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、熱可塑性エラストマーなどがある。このコーティングは、ピンホールを減らして電極エリアに対する流体相互作用の分離を増大させ、生体適合性を提供し、組立てを助けることが好ましい。
ワイヤの表面、特に電極エリアの表面に塗布された電極コーティングは、感知しようとしている分析物を含む流体と反応する表面積を増大させるのに役立つことがある。対電極用および作用電極用の電極コーティングは白金黒、塩化銀または酸化イリジウムを含むことができる。ワイヤのベース材料は、銀、イリジウムなどの伝統的な材料から製作することができる。表面積を増大させる他の方法は、多孔質白金、イリジウムまたは白金で被覆された多孔質ワイヤなどの多孔質ワイヤを使用する方法である。それらの細孔の表面エリアは、到来して電極エリアと接触する流体と、その表面エリアが、電極エリアを形成するために除去されたコーティングの単なる面積よりも大きくなるような態様で接触する。
酸化イリジウムで被覆された電極は追加の利点を有する。例えば、この電極は、酵素の固定に好都合な多孔質の3次元水和環境を提供する。この電極はさらに、H分解に対する触媒効果を有する。
ポリピロールなどの導電性ポリマーを電極コーティングとして使用することもできる。有利な導電性ポリマーは、電極表面積を増大させる多孔質形態を有し、付着選択性を有し、酵素固定の好適な候補であり、導電性であり、生物適合性である。
ワイヤの表面積を増大させるための表面エリアの修飾はいくつかの方法で達成することができる。ワイヤの表面積を増大させることにより、同じ体積のセンサ内の電流を測定するための表面をより大きくすることができる。多孔質金属は、電気めっき、粉末付着およびスパッタリングによって電極に付加することができる。多孔質ポリマーもコーティングとして使用することができる。さらに、レーザ微細加工またはイオンビームエッチングによってワイヤ金属を機械的および幾何学的に修飾して、追加の表面積を生み出すこともできる。機械的/幾何学的修飾を使用する利点は、絶縁コーティングのレーザアブレーションを実行して電極エリアを形成するのと同時に、表面積を約2〜5倍増大させることができる点である。コーティングは、ワイヤの上に絶縁材料を押出成形する前に付加することができ、または絶縁されたワイヤをレーザアブレーションで除去して電極エリアを形成した後に付加することもできる。
ワイヤの電極エリアの表面形態の修飾はこのほか、エレクトロスプレー付着、音波スプレー付着、およびワイヤ金属と反応しまたは反応しない超臨界流体の使用によっても達成することができる。例えば上で論じた方法を使用することによって、ポリマーコーティングの空隙率を変化させることも可能である。
ワイヤは、異なる形状の断面を有することができる。例えば、図8Aに示すように、ワイヤを円形にすることができ、そうすることによって表面積を増大させることができる。別の例として、図8Bに示すように、ワイヤを正方形のワイヤまたは扁平なワイヤとすることもでき、そうすることによってワイヤの表面の位置への材料の付着をより容易にすることが可能になる。他の実施形態では、1つのセンサ内に複数の断面形状が存在する。例えば、1本のワイヤが円形の形状を有し、別のワイヤが正方形の形状を有することができる。楕円形断面、卵形断面などの他の形状も可能である。
ワイヤをさまざまな構成に押出成形することが企図される。図7Aに示すように、使用することができる1つの構成は扁平リボンワイヤ構成である。扁平リボン構成を使用する利点は、断面が小さいこと、ワイヤへの材料の付着が容易になること、およびプレス成形された針に容易にはめ込むことができることなどである。図7Bに示すように、別の構成は束ワイヤ構成である。束構成は、非常に効率的なパッケージングを可能にし、円形の針へのワイヤのはめ込みを容易にする。図7Cおよび7Dに示す別の例示的な構成は積重ねワイヤ構成である。この構成では、扁平リボン構成で使用される針断面と同様の針断面において、より多くのワイヤ、したがってより多くの導体を使用することができる。
一般に、ワイヤを絶縁材料で覆い、次いでその絶縁材料のあるエリアを除去して電極エリアを形成することが企図される。絶縁材料は、所望の形状および所望のサイズの電極エリアを生み出す、当技術分野によって企図されている任意の方法で除去することができる。これらの方法には例えば、レーザアブレーション、機械的除去および化学ストリッピングが含まれる。レーザアブレーションを使用する利点には、レーザを使用してテクスチャを付加することもでき、それによってワイヤ上の電極エリアの表面積を増大させることができることが含まれる。レーザアブレーションでは化学物質もまたは溶媒も使用されない。このことも利点である。さらに、レーザアブレーションは絶縁材料の非常に正確な除去を可能にし、約±5ミクロンの精度で絶縁材料を除去することができる。あるいは、電極エリアを除く全てのエリアを覆うように、絶縁材料をワイヤに選択的に塗布することもできる。絶縁材料を選択的に塗布することによって、汚染を利点として使用することが可能である。絶縁材料の接着を防ぐ材料またはワイヤの表面の露出した電極エリアとなる気泡を生成させる材料を、押出成形前のワイヤに塗布する。
センサ内でのワイヤの使用は改良された電極パターンを可能にする。センサ内のワイヤのうちの1本以上のワイヤに沿って複数の電極開口があるように電極エリアを分散させることができる。これにより、たとえそれらの電極開口のうちの1つの開口に局限された生物汚損(biofouling)または損傷が生じた場合であっても感知が保証される。これは、同じワイヤ上に、生物汚損または損傷のない別の電極開口があるためである。さらに、こうすることによって、より小さな面積を横切るより均一なめっきが可能になることがある。
ワイヤの使用はさらに、センサの両側面に開口を形成することを可能にする。言い換えると、層状センサ構成において許される表面積よりも大きな表面積を生み出す両側面での感知を可能にするために、ワイヤの周囲からワイヤ絶縁材料を除去することができる。あるいは、それらのワイヤのうちの一部のワイヤの一方の側面のワイヤ絶縁材料、および残りのワイヤのもう一方の側面のワイヤ絶縁材料を除去することもできる。このことは、作用電極エリアの反対側に対電極エリアおよび参照電極エリアを配置することができることを意味し、それによって、活性の感知電極を対電極および参照電極から分離することができ、作用電極における生体生成物の反応を低減させることによって安定性が向上する。
作用電極エリア上に付着させる、グルコースオキシダーゼ(GOx)または他の酵素を含む化学物質は、上で論じた層状センサ構成と同じように作用電極エリア上に配置される。ワイヤ状構成では、化学物質の付着が最小限の溶媒の使用で達成されることが好ましい。酵素にとって有害でありうる溶媒との相互作用を低減させると有利である。付着方法は、スプレーコーティング、例えば圧力ベースのスプレー付着もしくはエレクトロスプレー付着、超臨界流体の急速膨張(エレクトロスプレー付着を伴いまたは伴わない)、プラズマ(反応性または非反応性)、タンパク質のインクジェットもしくはマイクロジェット印刷、またはマイクロフルイディックノズルによるフルイディック直接界面書込みもしくは付着を含むことができる。例えば蒸気またはプラズマを使用して架橋を達成することができる。本発明で使用することができる化学物質層のタイプは、層状センサで使用することができる化学物質層のタイプと同じタイプの化学物質層であり、これについては後により詳細に論じる。
付着の選択性を可能にする化学物質の付着手順を使用すると有利である。例えば、作用電極エリア上にだけ酵素を付着させる場合、その酵素は、過酸化物の生成を、過酸化物を消費している電極の周囲のエリアだけに限定する。このことはさらに材料の効率的な使用を可能にし、製造中に使用される材料の量を最小化し、生産コストを低減させる。
ワイヤセンサの製造は、生産されたひとかたまりのセンサから個々のセンサを分離するセンサの単片化を含む。この単片化は、レーザ法または機械的な方法によって達成することができる。本発明の実施形態では、例えば絶縁材料で全体が覆われた長い一組のワイヤから完全なセンサを切り出す単片化のため、センサワイヤの先端が電気絶縁カバーによって覆われていない。次いで、覆われていない先端、特に電極エリアに近く覆われていない先端を先端被覆層によって覆うことができる。先端被覆を使用してワイヤの先端を被覆して、雑音を導入するであろう分析物に対する露出を防ぐこともできる。先端被覆は例えば、ポリ(p−キシリレン)ポリマー(Parylene)または他のコーティングを先端被覆層として使用することによって達成することができる。後に論じるが、電極エリアとは反対側のセンサの端部は電気接点を有することができる。電極エリアとは反対側の端部にワイヤの覆われていない部分が存在するとすれば、それらの電気接点は、そのようなワイヤの覆われていない部分とすることができ、絶縁カバーを切断して別個のエリアを形成したり、または他の方法で別個のエリアを画定したりする必要はない。体内へのセンサの挿入を助ける特殊な先端を形成することもできる。
ワイヤが互いに隣り合って並んで1本の直線をなし、それらのワイヤがセンサを担持した針と同じ角度で体内に入る直線構成で体内へ挿入されるように、ワイヤセンサを構成することができる。あるいは、コイルセンサ構成を使用することもできる。図10は、中央の心402の周りにワイヤ401がコイル状に巻かれたコイル設計を示す。中央の心402は次いで、センサを担持した針と同じ角度で体内に入ることが好ましい。コイル状に巻かれたセンサを使用すると電極サイズを小さくすることができる。埋入部分のサイズを最小化するため、心およびワイヤを含むコイル全体の直径は約0.013インチ未満であることが好ましい。このコイル構成は、センサの深さが同じとすると、表面積が、直線センサ構成よりも2〜3倍大きくなるという利点を提供する。この心材は、生物適合性の材料であって、ある可撓性および十分な構造をコイルに提供する任意の材料から製作することができる。心材の例には、被覆されたポリマー、ヒドロゲルまたは形状記憶合金(例えばNITINOLなどのニッケルチタン合金)が含まれる。形状記憶合金を使用する利点は、埋入中はセンサをより堅くし、続く使用中はセンサを柔軟にすることができる点である。この利点は、センサを最適な位置に直接に配置するのに役立つことがある。ワイヤは、電極エリアに化学物質を付着させる前または後に巻きつけることができる。
センサを挿入する目的に使用される挿入ツールの針設計は、層状センサシステムで使用される設計と同様の設計とすることができる。ワイヤセンサ構成の利益となるであろう追加の設計要素を使用することができる。例えば、リボンケーブル構成または積重ねケーブル構成では、プレス成形されたセンサ針を使用することができる。プレス成形されたセンサ針は細くすることができ、挿入の間、センサの良好な保護を提供する。針の中にはセンサがあるため、挿入力は小さいことが求められる。プレス成形されたセンサ針は、リボンセンサ断面または積重ねセンサ断面に容易に適合する。上で論じたコイル状に巻かれたセンサと同様に、体内へのセンサの配置を誘導するため、プレス成形されたセンサ針に形状記憶特性の追加を含めることができる。最適な位置には例えば、体からセンサが外れる可能性が低下するように選択された位置が含まれる。
束ケーブル構成またはコイルケーブル構成では、センサおよび針のサイズに応じたプレス成形された針を使用することができるが、スプリット針は追加の利益を提供することができる。図11A〜Cに示すように、スプリット針501は、内側にセンサを含む完全に1周した円形の針である。図11Aは、束ワイヤ構成のセンサを示し、図11Bは、コイルケーブル構成のセンサを示す。図11Cはスプリット針の側面図を示す。別の構成では、針の形状が、センサを一周する卵形または他の形状である。スプリット針は、引き抜いたときに「開いて」、後にセンサを残すことができる。センサの上に押出成形することを可能にし、製造を容易にするのに資するように、スプリット針は、堅いプラスチックから製作することができる。センサは完全に囲われることになるため、この針は、繊細なセンサに対する大きな保護を提供し、繊細なセンサが堅い針の中に囲われることになるため、挿入力は小さくてすむであろう。
他の実施形態ではセンサが無針設計を使用する。このような設計では、挿入を助けるようにセンサの先端を形成することができ、センサの先端を例えば尖った形状に形成することができる。コイル構成の心の特性、またはリボンケーブル構成などのより直線的な構成の押出成形されたワイヤのうちの1本以上のワイヤの特性を、挿入を助けるように設定することができる。例えば、これらの心およびワイヤは、体外ではより堅く、体内にあるときにはより柔軟になるセンサを可能にする形状記憶特性を有することができる。快適でかつ挿入しやすいセンサを形成するために、熱で柔らかくなる他の材料を使用することもできる。
B.本発明の実施形態で使用される一般的な分析物センサ構成要素
以下の開示は、本発明のセンサ実施形態で使用される一般的な要素/構成要素の例を提供する。これらの要素は別々のユニットとして説明されることがあるが、以下に論じる要素/構成要素の材料特性および/または機能のうちの一部または全部の材料特性および/または機能の組合せを有する要素(例えば、支持ベース構成要素および/または導電性構成要素および/または分析物感知構成要素のマトリックスの役目を果たし、さらにセンサの電極として機能する要素)を含むように、センサを設計することができることを当業者は理解するであろう。これらの薄膜分析物センサを、後述するものなどのいくつかのセンサシステムで使用されるように適合させることができることを当業者は理解するであろう。
導電性ワイヤ
本発明の電気化学センサは一般に、それぞれの電極に対する主構造物として、1本以上の導電性ワイヤを含む。本明細書では用語「導電性ワイヤ」が、当技術分野で受け入れられた専門用語に従って使用され、この用語は、検出可能な信号を測定し、その信号を検出装置に伝送することができる電気伝導性のワイヤを指す。導電性ワイヤの一例は、分析物の濃度の変化に遭遇していない参照電極と比べたときの分析物またはその副生物の濃度変化、分析物感知構成要素1110内に存在する組成物(例えば酵素グルコースオキシダーゼ)と分析物が相互作用するときに使用される共反応物(coreactant)(例えば酸素)の濃度変化、この相互作用の反応生成物(例えば過酸化水素)の濃度変化などの刺激にさらされたことに反応した電流の増大または低減を測定することができる導電性ワイヤである。このような要素の例には、過酸化水素、酸素などの濃度が変化する分子の存在下で変化する検出可能な信号を生成させることができるワイヤ上の電極が含まれる。電極エリアまたは電極は、ワイヤの上に押出成形された電気絶縁層の一部を除去することによってワイヤ上に形成される。あるいは、電気絶縁層の押出し成形時に、電極を形成したいワイヤのエリアに電気絶縁層が付着しないような態様で電極エリアを形成する方法を使用することもできる。
一般に、導電性ワイヤ(1本以上)上のこれらの電極のうちの1つの電極は作用電極である。上で論じたとおり、作用電極ワイヤは、白金、イリジウム、酸化イリジウムおよび/もしくはパラジウムとすることができ、そのため押出成形することができ、または、作用電極ワイヤは、電極エリア(1つ以上)またはワイヤ全体にコーティングを有する押出成形された総称ベースワイヤ(例えば金、白金または白金/イリジウム合金)とすることができる。一般に、金属導体または炭素導体の表面の一部分だけが、分析物を含む溶液と電解的に接触する。この部分は、電極または電極エリアの作用面と呼ばれる。ワイヤの残りの表面は一般に、電気絶縁層1106によって溶液から分離される。電気絶縁層1106は一般にワイヤの上に押出成形される。電気絶縁層1106を形成するのに有用な材料の例には、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、シリコーン(例えばポリシロキサン)などのポリマーが含まれる。生物適合性で、可撓性で、かつ電気絶縁性の材料が使用される。これらの所望の特性を有するコーティングには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)のようなPTFEの変形物、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリウレタン、シリコーンおよびこれらのブロックコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、熱可塑性エラストマーなどがある。このコーティングは、ピンホールを減らして電極エリアに対する流体相互作用の分離を増大させ、生体適合性を提供し、組立てを助けることが好ましい。
作用電極に加えて、本発明の分析物センサは一般に、別のワイヤ上に、参照電極または組み合わされた参照/対電極(準参照電極または対/参照電極とも呼ばれる)を含む。センサが対/参照電極を持たない場合、そのセンサは、別個の対電極ワイヤを含むことができ、その対電極ワイヤは、作用電極ワイヤと同じ材料または異なる材料から製作することができる。本発明の一般的なセンサは、1つ以上の作用電極、ならびに1つ以上の対電極、参照電極および/または対/参照電極を有する。本発明のセンサの一実施形態は、2つ、3つまたは4つ以上の作用電極を有する。センサ内のそれらの作用電極は、例えば同じワイヤ上にあることによって一体に接続されていることがあり、または、別のワイヤ上にあって別々に維持されていることがある。
生体内で使用するために、本発明の実施形態は一般に哺乳動物の皮下に埋入され、血液などの哺乳動物の体液と直接に接触する。あるいは、腹腔内空間などの哺乳動物の体内の他の領域にセンサを埋入することもできる。複数の作用電極が使用されるとき、それらは一緒に埋入することができ、または体内の異なる位置に埋入することができる。対電極、参照電極および/または対/参照電極も、作用電極(1つ以上)の近くに埋入することができ、または哺乳動物の体内の他の位置に埋入することができる。
干渉除去構成要素
本発明の電気化学センサは、任意選択で、ワイヤの電極エリアのうちの1つ以上の電極エリアの表面と分析しようとしている環境との間に配置された干渉除去構成要素を含む。具体的には、ある種のセンサ実施形態は、一定の電位が与えられた作用電極の表面での酵素反応によって生成した過酸化水素の酸化および/または還元に依存する。過酸化水素の直接酸化に基づく電流測定型の検出には比較的に高い酸化電位が必要なため、この検出方式を使用しているセンサは、体液中に存在するアスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェンなどの酸化可能な種からの干渉に悩まされることがある。この文脈において、本明細書では用語「干渉除去構成要素」が、当技術分野で受け入れられた専門用語に従って使用され、この用語は、感知しようとしている分析物によって生み出された信号の検出を妨害する、そのような酸化可能種が生み出す偽信号を抑制するように機能するセンサ内のコーティングまたは膜を指す。ある種の干渉除去構成要素は、サイズ排除によって(例えば干渉する特定のサイズの種を排除することによって)機能する。干渉除去構成要素の例には、親水性ポリウレタン、酢酸セルロース(ポリ(エチレングリコール)などの試剤を含む酢酸セルロースを含む)、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、過フッ素化イオノマーであるNafion(商標)、ポリフェニレンジアミン、エポキシなどの化合物の1つ以上の層またはコーティングが含まれる。このような干渉除去構成要素の例示的な議論は例えば、本願に引用して援用するウォード他、Biosensors and Bioelectronics 17(2002)181〜189、およびチョイ他、Analytical Chimica Acta 461(2002)251〜260に出ている。他の干渉除去構成要素には例えば、ある分子量範囲に基づいて化合物の移動を制限することが観察されている化合物、例えば、例えば本願に引用して援用する米国特許第5,755,939号に開示されている酢酸セルロースが含まれる。
本発明の実施形態に対して有用な例示的な干渉除去構成要素は、本願に引用してその内容を援用する米国特許出願第12/572,087号に開示されている。本発明の実施形態において有用な干渉除去膜(interference rejection membrane)(IRM)の一例は、100から1000キロダルトンの間の分子量を有するメタクリル酸ポリマーを含むポリマー組成物であって、それらのメタクリル酸ポリマーが、有機官能性ダイポーダル(dipodal)アルコキシシランなどの親水性架橋剤によって架橋されたポリマー組成物を含む。本発明の他のIRM実施形態は、4,000ダルトンからび500キロダルトンの間の分子量を有する第一級アミンポリマーを含み、第一級アミンポリマーが、グルタルアルデヒドなどの親水性架橋剤によって架橋されたポリマー組成物である。これらの架橋したポリマーIRM組成物は一般に、スパッタリングされた白金組成物を被覆する。例示的な実施形態では、この白金組成物が電極を構成し、この電極が、0.1μmから1.0μmの間の厚さを有する架橋したポリマー組成物の層で被覆されている。本発明の1つの関連実施形態は、架橋したメタクリル酸ポリマーの層または架橋した第一級アミンポリマーの層で被覆され、その層と直接に接触した電気的に活性な表面を有する電極(例えば電流測定型センサ内で使用されるスパッタリングされた白金電極)を含む構成である。本発明のある種の実施形態では、干渉物の分子量が少なくとも140ダルトンである場合に機能する(すなわち干渉物の拡散を抑制する)ように、IRMが設計される。IRMは一般に、アセトアミノフェン、アスコルビン酸および/または尿酸が、IRMを通り抜けて、分析物センサ内の電極の電気的に活性な表面まで拡散することを抑制する。
分析物感知構成要素
本発明の電気化学センサは、センサの電極上に配置された分析物感知構成要素を含む(例えば図2Bの要素1110を参照されたい)。本明細書では用語「分析物感知構成要素」が、当技術分野で受け入れられた専門用語に従って使用され、この用語は、分析物センサ装置によってその存在を検出しようとしている分析物を認識し、その分析物と反応することができる材料を含む構成要素を指す。分析物感知構成要素中のこの材料は一般に、感知しようとしている分析物と相互作用した後に、検出可能な信号を、一般に導電性ワイヤの電極を介して生成させる。この点に関しては、分析物感知構成要素と導電性ワイヤの電極とが組合せで機能して電気信号を生成させ、その信号が、分析物センサに関連づけられた装置によって読み取られる。分析物感知構成要素は一般に、導電性構成要素の電極における電流の変化を測定することによってその濃度の変化を測定することができる分子(例えば酸素および/または過酸化水素)と反応し、かつ/またはそのような分子を生成させることができる酸化還元酵素、例えば酵素グルコースオキシダーゼを含む。過酸化水素などの分子を生成させることができる酵素は、当技術分野において知られているいくつかの方法に従って電極上に配置することができる。分析物感知構成要素は、センサのさまざまな電極/電極エリアの全体または一部を被覆することができる。この文脈において、分析物感知構成要素は、それらの電極/電極エリアを同程度に被覆することができる。あるいは、分析物感知構成要素は、異なる電極/電極エリアを異なる程度に被覆することができ、例えば作用電極エリアの被覆された表面を、対電極エリアおよび/または参照電極エリアの被覆された表面よりも大きくすることができる。
本発明のこの要素の一般的なセンサ実施形態は、第2のタンパク質(例えばアルブミン)とある固定された比率(例えば一般的にはグルコースオキシダーゼを安定させる特性に関して最適化された比率)で組み合わされ、次いで電極の表面に塗布される酵素(例えばグルコースオキシダーゼ(GOx))を利用して、薄い酵素構成要素を形成する。一般的な実施形態では、分析物感知構成要素がGOxとHSAの混合物を含む。GOxを有する分析物感知構成要素の一般的な実施形態では、GOxが、感知環境内(例えば哺乳動物の体内)に存在するグルコースと反応し、図1に示した反応に従って過酸化水素を発生させる。そのようにして発生した過酸化水素を、陽極である導電性作用電極ワイヤ内の作用電極で検出する。
前述のとおり、一般に、酵素および第2のタンパク質(例えばアルブミン)を処理して、(例えばタンパク質混合物に架橋剤を加えることによって)架橋したマトリックスを形成する。当技術分野において知られているとおり、架橋条件を操作して、酵素が保持する生物活性、酵素の機械的安定性および/または酵素の機能上の安定性などの因子を調節することができる。例示的な架橋手順が、本願に引用して援用する米国特許出願第10/335,506号およびPCT国際公開WO03/035891号に記載されている。例えば、グルタルアルデヒドなどのアミン架橋剤をタンパク質混合物に加えることができる。ただし、アミン架橋剤はグルタルアルデヒドに限定されるわけではない。タンパク質混合物に架橋剤を加えるとタンパク質ペーストが形成される。加える架橋剤の濃度は、タンパク質混合物の濃度に応じて変更することができる。グルタルアルデヒドが例示的な架橋剤だが、グルタルアルデヒドに加えてまたはグルタルアルデヒドの代わりに、他の架橋剤を使用することもできる。その他の適当な架橋剤を使用することもでき、それらの架橋剤は当業者には明らかであろう。
本発明の異なる実施形態に対してはGOxの濃度および/または担体タンパク質の濃度を変更することができる。GOx濃度は例えば、約50mg/ml(約10,000U/ml)から約700mg/ml(約150,000U/ml)の範囲とすることができる。GOx濃度は一般に、約115mg/ml(約22,000U/ml)である。このような実施形態では、HSA濃度を、GOx濃度に応じて約0.5%〜30%(w/v)の間とすることができる。HSA濃度は一般に1〜10%w/vであり、最も一般的には約5%w/vである。本発明の代替実施形態では、HSAの代わりにまたはHSAに加えて、コラーゲンもしくはBSA、またはこの文脈で使用されている他の構造タンパク質を使用することができる。分析物感知構成要素中の例示的な酵素としてGOxについて論じたが、GOxに加えてまたはGOxの代わりに、限定はされないが、グルコースデヒドロゲナーゼまたはヘキソキナーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼなどを含む他のタンパク質および/または酵素を使用することもできる。その他のタンパク質および/または酵素を使用することもでき、それらのタンパク質および/または酵素は当業者には明らかであろう。さらに、この例示的な実施形態ではHSAを使用したが、HSAの代わりにまたはHSAに加えて、BSA、コラーゲンなどの他の構造タンパク質を使用することもできる。
前述のとおり、本発明のいくつかの実施形態では、分析物感知構成要素が、導電性ワイヤの電極エリア(例えば酸素濃度および/または過酸化水素濃度の変化を感知する電極)が感知しうる信号(例えば酸素濃度および/または過酸化水素濃度の変化)を生成させることができる組成物(例えばグルコースオキシダーゼ)を含む。しかしながら、その存在を検出しようとしているターゲット分析物と相互作用した後に導電性ワイヤの電極エリアが感知しうる検出可能信号を生成させることができる任意の組成物から、他の有用な分析物感知構成要素を形成することができる。いくつかの実施形態では、この組成物が、感知しようとしている分析物と反応したときに過酸化水素濃度を調節する酵素を含む。あるいは、この組成物は、感知しようとしている分析物と反応したときに酸素濃度を調節する酵素を含む。この文脈において、当技術分野では、生理的分析物との反応で過酸化水素および/もしくは酸素を使用し、または過酸化水素および/もしくは酸素を生成させる多種多様な酵素が知られており、それらの酵素は、分析物感知構成要素組成物に容易に組み込むことができる。当技術分野で知られている他のさまざまな酵素が、本明細書に記載されたセンサ設計に組み込まれた電極などの導電性要素によってその調節を検出することができる化合物を生成させ、かつ/またはそのような化合物を利用することができる。そのような酵素には例えば、本願に引用して援用するProtein Immobilization:Fundamentals and Applications(Bioprocess Technology、Vol14)、リチャードF.テイラー(Editor)、Publisher:Marce Dekker(January 7、1991)の15〜29ページのTable 1および/または111〜112ページのTable 18に具体的に記載されている酵素が含まれる。
その存在を検出しようとしているターゲット分析物と相互作用した後に導電性ワイヤの電極が感知しうる検出可能信号を生成させることができる抗体を含むように、他の有用な分析物感知構成要素を形成することができる。例えば(本願に引用して援用する)米国特許第5,427,912号は、試料中の分析物の濃度を電気化学的に決定する抗体ベースの装置を記載している。この装置では、検査しようとしている試料と、酵素受容体ポリペプチドと、分析物類似体に結合された酵素供与体ポリペプチド(酵素供与体ポリペプチド結合体(conjugate))と、標識された基質と、測定しようとしている分析物に対して特異的な抗体とを含む混合物が形成される。分析物と酵素供与体ポリペプチド結合体は抗体に競争的に結合する。抗体に結合していないとき、酵素供与体ポリペプチド結合体は、酵素受容体ポリペプチドと自発的に結合して活性の酵素複合体を形成する。この活性の酵素は次いで、標識された基質を加水分解し、その結果、電気的に活性な標識が生成し、次いでその標識を電極の表面で酸化することができる。この電気的に活性な化合物の酸化に起因する電流を測定し、その電流を、試料中の分析物の濃度に関係づけることができる。(本願に引用して援用する)米国特許第5,149,630号は、リガンド(例えば抗原、ハプテンまたは抗体)の電気化学的な特異的結合検定を記載しており、この検定では、成分のうちの少なくとも1つの成分が酵素で標識されており、この検定は、基質反応に関連した酵素基質と電極の間の電子の移動が、複合体形成によって乱される程度、または酵素で標識された結合していない成分に対するリガンド複合体の変位によって乱される程度を決定するステップを含む。(本願に引用して援用する)米国特許第6,410,251号は、特異的に結合する対のうちの一方の構成要素、例えば抗原/抗体対のうちの抗原を、抗原と抗体の間の結合などの特異的な結合を、標識を検出するための酸化還元反応とともに利用することによって検出しまたは検定する装置および方法を記載しており、標識の検出では、感知表面エリアを有する酸素微小電極が使用される。さらに、(本願に引用して援用する)米国特許第4,402,819号は、希釈液体血清試料中の予め選択されたカチオンの透過性に影響を及ぼすイオン担体が結合した、抗原を含む不溶性膜を使用して、希釈液体血清試料中の(分析物としての)抗体を定量する抗体選択的(antibody−selective)電位差電極を記載しており、この透過性は、分析物中の特異抗体濃度および対応する分析方法の関数である。関連する開示に関しては、本願に引用してその内容を援用する米国特許第6,703,210号、第5,981,203号、第5,705,399号および第4,894,253号も参照されたい。
酵素および抗体の他にも、本明細書に開示されたセンサの分析物感知構成要素内で使用される例示的な材料には、特定のタイプの細胞または細胞成分(例えばポリペプチド、炭水化物など)と結合するポリマー、一本鎖DNA、抗原などが含まれる。検出可能信号は例えば、所望の分析物(例えば細胞)の変色または目に見える集積など、光学的に検出可能な変化とすることができる。感知要素、本質的に非反応性の材料(すなわち対照(control))から形成することもできる。上記の代替センサ要素は例えば、細胞選別検定において使用されるセンサ、およびウイルス(HIV、C型肝炎など)、細菌、原生動物などの病原体の存在を検定する検定において使用されるセンサの中に、有益な要素として含まれている。
外部環境内に存在する分析物を測定する分析物センサであって、電極位置において測定可能な電流変化を本来的に生じさせることができる分析物センサも企図される。このような分析物を測定するセンサでは、分析物感知構成要素を任意選択とすることができる。
タンパク質構成要素
本発明の電気化学センサは任意選択で、分析物感知構成要素と分析物調節構成要素の間に配置されたタンパク質構成要素を含む(例えば図2Bの要素1116を参照されたい)。本明細書では用語「タンパク質構成要素」が、当技術分野で受け入れられた専門用語に従って使用され、この用語は、分析物感知構成要素および/または分析物調節構成要素との適合性によって選択された担体タンパク質などを含む構成要素を指す。一般的な実施形態では、タンパク質構成要素が、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンを含む。HSAの濃度は約0.5%〜30%(w/v)の間とすることができる。HSA濃度は一般に1〜10%w/vであり、最も一般的には約5%w/vである。本発明の代替実施形態では、HSAの代わりにまたはHSAに加えて、コラーゲンもしくはBSA、またはこの文脈で使用されている他の構造タンパク質を使用することができる。この構成要素は一般に、当技術分野で受け入れられたプロトコルに従って分析物感知構成要素上に架橋される。
接着促進構成要素
本発明の電気化学センサは、1つ以上の接着促進(adhesion promoting)(AP)構成要素を含むことができる(例えば図2Bの要素1114を参照されたい)。本明細書では用語「接着促進構成要素」が、当技術分野で受け入れられた専門用語に従って使用され、この用語は、センサ内の隣接する構成要素間の接着を促進するその能力によって選択された材料を含む構成要素を指す。接着促進構成要素は一般に、分析物感知構成要素と分析物調節構成要素の間に配置される。接着促進構成要素は一般に、任意選択のタンパク質構成要素と分析物調節構成要素の間に配置される。接着促進構成要素は、このような構成要素間の結合を容易にすることが当技術分野において知られている多種多様な材料のうちの任意の1つの材料から形成することができ、当技術分野で知られている多種多様な方法のうちの任意の1つの方法によって塗布することができる。接着促進構成要素は一般に、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を含む。
接着を促進するためにシランカップリング剤、特に式R’Si(OR)(R’は一般に末端アミンを有する脂肪族基、Rは低級アルキル基である)のシランカップリング剤を使用することは、当技術分野において知られている(例えば本願に引用して援用する米国特許第5,212,050号を参照されたい)。例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランおよびグルタルアルデヒドを段階的プロセスで使用してウシ血清アルブミン(BSA)およびグルコースオキシダーゼ(GOx)を電極表面に付着させ、互いに架橋させた化学修飾電極は当技術分野では周知である(例えばヤオ,T.、Analytica Chim.Acta 1983、148、27〜33を参照されたい)。
本発明のある種の実施形態では、接着促進構成要素がさらに、分析物調節構成要素を通り抜けるグルコースなどの分析物の拡散を制限する役目を果たすポリジメチルシロキサン(PDMS)化合物など、隣接する構成要素内にも存在しうる1種類以上の化合物を含む。例示的な実施形態では、製剤がPDMSを0.5〜20%含み、一般的にはPDMSを5〜15%含み、最も一般的にはPDMSを10%含む。本発明のある種の実施形態では、接着促進構成要素が、層状センサシステム内で架橋されており、それに対応して、接着促進構成要素が、分析物調節構成要素などの隣接する構成要素中に存在する部分を架橋させるその能力によって選択された試剤を含む。本発明の例示的な実施形態では、接着促進構成要素が、分析物感知構成要素および/もしくはタンパク質構成要素などの隣接する構成要素中に存在するタンパク質のアミン部分もしくはカルボキシル部分、ならびに/または分析物調節層などの隣接する層内に配置された化合物中に存在するシロキサン部分を架橋させるその能力によって選択された試剤を含む。
分析物調節構成要素
本発明の電気化学センサは、センサ上に配置された分析物調節構成要素を含む(例えば図2の要素112を参照されたい)。本明細書では用語「分析物調節構成要素」が、当技術分野で受け入れられた専門用語に従って使用され、この用語は一般に、その構成要素を通り抜けるグルコースなどの1種類以上の分析物の拡散を調節するように機能する膜をセンサ上に形成する構成要素を指す。本発明のある種の実施形態では、分析物調節構成要素が、その構成要素を通り抜けるグルコースなどの1種類以上の分析物の拡散を防ぎまたは制限するように機能する分析物制限膜である。本発明の他の実施形態では、分析物調節構成要素が、その構成要素を通り抜ける1種類以上の分析物の拡散を容易にするように機能する。任意選択で、その構成要素を通り抜けるある1つのタイプの分子(例えばグルコース)の拡散は防ぎまたは制限するが、同時に、その構成要素を通り抜ける別のタイプの分子(例えばO)の拡散は許しまたは容易にするように、このような分析物調節構成要素を形成することもできる。
グルコースセンサに関して言うと、知られている酵素電極では、血液からのグルコースおよび酸素、ならびにアスコルビン酸、尿酸などのいくつかの干渉物が、センサの1次膜を通り抜けて拡散する。グルコース、酸素および干渉物が分析物感知構成要素に到達すると、グルコースオキシダーゼなどの酵素が、グルコースの過酸化水素およびグルコノラクトンへの転化を触媒する。この過酸化水素は、分析物調節構成要素を通り抜けて再び拡散することができ、または電極まで拡散し、そこで反応して、酸素および陽子を形成し、グルコース濃度に比例した電流を生み出すことができる。このセンサ膜アセンブリは、グルコースがセンサ膜アセンブリを通り抜けることを選択的に許すことを含む、いくつかの機能を果たす。この文脈において、例示的な分析物調節構成要素は、水、酸素および少なくとも1種の選択された分析物の通過を許し、水を吸収する能力を有し、水溶性の親水性ポリマーを有する半透膜である。
当技術分野においてはさまざまな例示的な分析物調節組成物が知られており、それらは例えば、本願に引用してそれぞれの開示を援用する米国特許第6,319,540号、第5,882,494号、第5,786,439号、第5,777,060号、第5,771,868号および第5,391,250号に記載されている。これらの文献に記載されているヒドロゲルは、周囲の水成分を供給すると有利なさまざまな埋入可能な装置とともに使用すると特に有用である。本発明のいくつかの実施形態では、分析物調節組成物がPDMSを含む。本発明のある種の実施形態では、分析物調節構成要素が、隣接する構成要素中に存在するシロキサン部分を架橋させるその能力によって選択された試剤を含む。本発明の密接に関連した実施形態では、接着促進構成要素が、隣接する構成要素中に存在するタンパク質のアミン部分またはカルボキシル部分を架橋させるその能力によって選択された試剤を含む。
本発明の実施形態とともに使用すると有用な例示的な分析物調節層が、本願に引用してその内容を援用する米国特許出願第12/643,790号に開示されている。本発明のいくつかの実施形態では、重量%で1:1から1:20の間の比率で混合された線状ポリウレタン/ポリ尿素ポリマーと枝分れアクリル酸ポリマーとのブレンドされた混合物を含むように分析物調節層が形成され、このポリウレタン/ポリ尿素ポリマーは、ジイソシアナートと、親水性ジオールまたは親水性ジアミンを含む親水性ポリマーと、アミノ、ヒドロキシルまたはカルボン酸官能基を末端に有するシロキサンとを含む混合物から形成され、枝分れアクリル酸ポリマーは、アクリル酸ブチル、プロピル、エチルまたはメチルと、アミノ−アクリラートと、シロキサン−アクリラートと、ポリ(エチレンオキシド)−アクリラートとを含む混合物から形成される。分析物調節層は一般に、グルコースに対して、摂氏22から40度の温度範囲にわたって摂氏1度当たりの変化が2%未満である透過性を示すように形成される。
電気絶縁カバー
本発明の電気化学センサは、一般に導電性ワイヤの上に押出成形された電気絶縁保護材料である1つ以上のカバー構成要素を含む(例えば図2Bの要素1106を参照されたい)。ワイヤを被覆するこの電気絶縁材料に対しては、生物適合性で、可撓性で、かつ電気絶縁性の材料が使用される。これらの所望の特性を有するコーティングには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)のようなPTFEの変形物、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、熱可塑性エラストマーなどがある。このコーティングは、ピンホールを減らして電極エリアに対する流体相互作用の分離を増大させ、生体適合性を提供し、組立てを助けることが好ましい。許容される電気絶縁材料コーティングは、限定はされないが、シリコーン化合物、ポリイミド、生物適合性ソルダマスク、エポキシ−アクリル酸共重合体などの非毒性の生物適合性ポリマーを含むことができる。具体的には、これらの所望の特性を提供するコーティングには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)のようなPTFEの変形物、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、熱可塑性エラストマーなどがある。このコーティングは、ピンホールを減らして電極エリアに対する流体相互作用の分離を増大させ、生体適合性を提供し、組立てを助けることが好ましい。さらに、導電性ワイヤに達する貫通開口部のフォトリソグラフィによる形成を容易にするため、これらのコーティングを、光学イメージングが可能なコーティングとすることができる。
C.本発明の一般的な分析物センサシステム実施形態
例えばさまざまな文脈(例えば哺乳動物への埋入)において使用されるように適合させるため、センサ要素およびセンサの実施形態を、一般に分析物センサとともに使用される他のさまざまなシステム要素(例えば孔あけ部材、挿入セットなどの構造要素およびプロセッサ、監視装置、薬物注入ポンプなどの電子構成部品)に動作可能に結合することができる。本発明の一実施形態は、感知された使用者の生理的特性値に基づく信号をセンサから受け取ることができる入力要素と、受け取った信号を解析するプロセッサとを含む本発明の一実施形態を使用して、使用者の生理的特性を監視する方法を含む。本発明の一般的な実施形態では、プロセッサが、生理的特性値の動的振舞いを決定し、そのようにして決定された生理的特性値の動的振舞いに基づいて、観測可能な指標を提供する。いくつかの実施形態では、この生理的特性値が、使用者の血液グルコースの濃度の測度である。他の実施形態では、例えば、センサ機能、分析物濃度測定値、干渉の存在などに関する確証的な情報を提供するように設計された方式で、比較のための冗長性をセンサ装置に組み込むために、受け取った信号を解析し、動的振舞いを決定するこのプロセスが、生理的特性値を繰り返し測定して一連の生理的特性値を得ることを含む。
本発明の実施形態は、感知された生理的特性(例えば血液グルコース濃度)の測定値のデータを、装置の使用者が、その特性の生理的な状態を容易に監視し、必要に応じてその状態を調節する(例えばインスリン投与によって血液グルコース濃度を調節する)ことができるように調整された方式およびフォーマットで表示する装置を含む。本発明の例示的な一実施形態は、感知された使用者の生理的特性値に基づく信号をセンサから受け取ることができるセンサ入力と、センサから受け取った信号に由来する感知された使用者の生理的特性値の複数の測定値を記憶する記憶装置と、感知された生理的特性値の複数の測定値の文章表現および/または図表表現(例えば文章、線グラフなど、棒グラフなど、格子図形など、またはこれらの組合せ)を提示するディスプレイとを備える装置である。図表表現は一般に、感知された生理的特性値のリアルタイム測定値を表示する。このような装置はさまざまな文脈で使用することができ、例えば他の医療装置と組み合わせて使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、この装置を、少なくとも1つの他の医療装置(例えばグルコースセンサ)と組み合わせて使用する。
例示的なシステム実施形態は、グルコースセンサ、送信器およびポンプ受信器、ならびにグルコース計からなる。このシステムでは、送信器からの無線信号を5分ごとにポンプ受信器に送信して、リアルタイムセンサグルコース(SG)値を提供することができる。使用者が血液グルコースを自分で監視し、自分のインスリンポンプを使用してインスリンを送達することができるように、ポンプ受信器のモニタに値/グラフが表示される。本明細書に開示された装置の一実施形態は一般に、有線接続または無線接続を介して第2の医療装置と通信する。無線通信は例えば、RF遠隔測定、赤外線伝送、光伝送、音波および超音波伝送などを介して信号が伝送されたときに起こる発射された放射信号の受信を含むことができる。任意選択で、この装置は、薬物注入ポンプ(例えばインスリンポンプ)の一体の部分である。このような装置では一般に、生理的特性値が複数の血液グルコース測定値を含む。
図3は、本発明の例示的な一実施形態に基づく皮下センサ挿入システムの一般化された一実施形態の透視図およびセンサ電子装置のブロック図を示す。このようなセンサシステム実施形態とともに一般に使用される追加の要素は例えば、本願に引用してその内容を援用する米国特許出願第20070163894号に開示されている。図4は、センサ12などの活性部分を使用者の体内の選択された部位に皮下配置するために提供された皮下センサセット10を含む、遠隔測定特性監視システム1の透視図を示す。
センサセット10の皮下部分または経皮部分は、尖らせた先端44を有する溝穴が切られた中空の挿入針14とカニューレ16とを含む。カニューレ16の中には、本発明に基づくワイヤ上にある1つ以上のセンサ電極20を、カニューレ16に形成された窓22を通して使用者の体液に対して露出させるように、センサ12の感知部分18が配置されている。感知部分18は、センサ内のワイヤの一部分、またはセンサの残りの部分に接続する別個のワイヤの一部分とすることができる。感知部分は接続部分24に接合されており、接続部分24は末端に、絶縁層のうちの1つの絶縁層を通してやはり露出した導電性の接点などを有する。言い換えると、複数のセンサワイヤはそれぞれ、そのワイヤ上の電極エリアと電気的に連通した接点を画定する部分において電気絶縁カバーから露出している。電極エリアが、実質的に、複数のワイヤの第1の端部の近くまたは複数のワイヤの第1の端部にあり、接点が、実質的に、複数のワイヤのもう一方の端部、すなわち第2の端部の近くまたは第2の端部にあることが好ましい。一実施形態では、感知部分、接続部分および導電性接点が全て同じワイヤの部分である。例えば、センサ内に1本の作用電極ワイヤ、1本の参照電極ワイヤおよび1本の対電極ワイヤがある場合、互いに接合されてセンサを形成するこれらの3本のワイヤは、感知部分を含む挿入される端部から、接続部分を通って、監視装置または送信器に接続する他端(例えば接点)まで延びることになる。接続部分24および接点は一般に、センサ電極20から得られた信号に応答して使用者の状態を監視するディスプレイ214に結合された適当な監視装置280に直接に有線電気接続されるように適合されている。本願に引用して援用する「FLEX CIRCUIT CONNECTOR」という名称の米国特許第5,482,473号に示され記載されているコネクタブロック28(または他の同種の装置)によって、接続部分24を、監視装置280または特性監視/送信装置400に電気的に都合よく接続することができる。
図4に示されているように、本発明の実施形態によれば、有線または無線特性監視システムとともに動作するように、皮下センサセット10を構成しまたは形成することができる。センサ12の近位部分は、使用者の皮膚の表面に配置されるように適合された取付けベース30内に取り付けられている。取付けベース30は、適当な感圧型接着剤層32で被覆された下面を有するパッドとすることができ、下面には通常、接着剤層32を覆い、接着剤層32を保護するために、センサセット10を使用する準備が整うまで剥離紙ストリップ34が貼り付けられている。取付けベース30は上層36および下層38を含み、層36と層38の間に可撓性のセンサ12の接続部分24が挟み込まれている。接続部分24は、センサ12の活性感知部分18に接合された前方部分を有し、この前方部分は、下ベース層38に形成された穴40を通して下方へ延びるような角度に折り曲げられている。接着剤層32(または生体内組織と接触する装置の他の部分)は任意選択で、炎症反応を低減させる抗炎症薬および/または感染の可能性を低下させる抗菌薬を含む。挿入針14は、上ベース層36に形成された針ポート42、さらには下ベース層38の下穴40に滑りばめで受け取られるように適合されている。挿入後、挿入針14を引き抜いて、感知部分18とセンサ電極20とを含むカニューレ16をそのまま選択された挿入部位に残す。この実施形態では、センサセット10の接続部分24のコネクタブロック28に電気的に結合されたコネクタ204内を通るケーブル202によって、センサセット10に、遠隔測定特性監視/送信装置400が結合されている。
図4に示した実施形態では、遠隔測定特性監視装置400が、プリント回路板208、バッテリ210、アンテナ212およびコネクタ204の付いたケーブル202を支持するハウジング206を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング206が、上ケース214および下ケース216から形成され、それらのケースは、水、洗浄剤、アルコールなどを用いた浸漬(または拭取り)によって洗浄することができるように、超音波溶接で密閉されて防水(または耐水)シールを形成する。いくつかの実施形態では、上ケース214および下ケース216が医療用等級のプラスチックから形成される。しかしながら、代替実施形態では、上ケース214と下ケース216が、スナップばめ、シーリングリング、RTV(シリコーンシール材)、接着など、他の方法によって一体に接続され、または上ケース214および下ケース216が、金属、複合材料、セラミックなどの他の材料から形成される。他の実施形態では、この分離したケースを排除することができ、単に、電子部品と両立し適度な耐水性を有するエポキシまたは他の成形可能材料中にアセンブリをポッティングによって埋め込む。示されているように、下ケース216は、適当な感圧型接着剤層118で被覆された下面を有することができ、下面には通常、接着剤層118を覆い、接着剤層118を保護するために、センサセットの遠隔測定特性監視/送信装置400を使用する準備が整うまで、剥離紙ストリップ120が貼り付けられている。
図4に示した例示的な実施形態では、皮下センサセット10が、使用者の状態を表す特定の血液パラメータを監視するために使用されるタイプのワイヤ状または薄膜状の電気化学センサ12の正確な配置を容易にする。センサ12は体内のグルコース濃度を監視する。センサ12を、米国特許第4,562,751号、第4,678,408号、第4,685,903号または第4,573,994号に記載された外部型または埋入可能型の自動化または半自動化された薬物注入ポンプとともに使用して、糖尿病患者へのインスリンの送達を制御することができる。
図4に示した例示的な実施形態では、センサセット10をさまざまな感知用途で使用することができ、さまざまな様式で構成することができる。例えば、あるタイプの生体分子を触媒作用物質として使用する生理パラメータ感知用途でセンサセット10を使用することができる。例えば、センサ電極20との反応を触媒するグルコースオキシダーゼ酵素を有するグルコース/酸素センサでセンサセット10を使用することができる。センサ電極20は、生体分子または他のある触媒作用物質とともに、人体の血管環境内または非血管環境内に配置することができる。例えば、センサ電極20および生体分子を静脈内に配置し、血流にさらすことができ、またはセンサ電極20および生体分子を人体の皮下領域内もしくは腹膜領域内に配置することもできる。
図4に示した本発明の実施形態では、センサ信号の監視装置280をセンサ電子装置200と呼ぶこともある。監視装置280は、電源、センサインタフェース、処理電子部品(すなわちプロセッサ)およびデータフォーマッティング電子部品を含むことができる。監視装置280は、接続部分24のコネクタブロック28に電気的に結合されたコネクタ内を通るケーブル202によってセンサセット10に結合することができる。代替実施形態ではこのケーブルが省かれる。本発明のこの実施形態では、監視装置280が、センサセット10の接続部分204に直接に接続するための適当なコネクタを含むことができる。コネクタ部分204が異なる位置に配置されるように、例えばセンサセットの上に監視装置280を配置することを容易にするためにコネクタ部分204がセンサセットの上面に配置されるように、センサセット10を変更することができる。
図4に示したセンサセットは、取付けベースからのセンサの角度が90度よりもはるかに小さくなるような角度に配置されたセンサを有するものとして示されているが、他の実施形態では、センサが、センサセットの取付けベースから実質的に90度の角度に配置される。図5A〜6Cには、実質的に90度の角度でセンサが患者の体内に入ることができるような態様で、センサが、取付けベース30の開口70から下方へまっすぐに延びるセンサセット構成が示されている。
図5Aは、本発明の一実施形態に基づくセンサセット510を示す。センサセット510は、上で論じた構成部分のうちの任意の構成部分を含むことができ、やはり上で論じたセンサ電子部品ならびに送信器および/または監視装置に接続することができる。図5Aは、コネクタ部分524を介して送信器または他のハブに接続するように適合されたセンサセットを示す。このセンサセットは、監視装置までまっすぐに延びるハブに接続することができ、またはハブが監視装置を含むこともできる。センサセットはベース530を含み、センサセットはさらに、患者の皮膚に貼り付くことができるパッチ535を含むことができる。パッチ535はその表面に接着剤を有することができ、さらに、患者の皮膚にカニューレ516を挿入する前に剥がして接着剤を露出させることができる除去可能な紙または他の薄層を有することができる。センサ(図示せず)はカニューレ516の中にある。他の実施形態では、センサの一部が、その部分をカニューレが取り囲むことなしに患者の体内に位置するような態様で、センサがカニューレ516から延出する。他の実施形態では、カニューレなしでセンサが挿入される。
図5Bは、挿入ツール560を備えるセンサセット510を示す。図5Bに示した実施形態では、ベース530から分離したコネクタ部分524が示されている。これは一般に例示のためである。センサセット510を任意の数の別個の部片とすること、または組み合わせられた1つの部片とすることが可能であり、このことは、製造後に接続され、または分離されることを意味しない。一方、挿入ツール560は、センサセット510から分離した部片であることが意図されている。挿入ツール560は、センサセットと一緒に包装することができ、またはセンサセットとは別に包装することもできる。挿入ツールは、体内へのカニューレ516の配置を助けるためにカニューレ516に挿入された針514を有する。針516は挿入ツール560から延出することができる。最初は針が挿入ツール内に保持され、使用者から隠され、体内に針を挿入するために使用者が挿入ツールをセンサセットに接続したときにだけカニューレ内に延びるように、針を適合させることもできる。次いで、センサセットが挿入ツールから分離されるときに針を挿入ツール内へ再び後退させて、針が使用者から隠れたままにしておくことができる。本発明とともに使用することができる挿入ツールは例えば、それぞれ本願に引用して援用する、2006年12月26日に出願された米国特許出願第11/645,435号および2005年8月23日に出願された米国特許出願号第11/211,095号に開示されている。挿入ツールの他の例が、本願に引用して援用する米国特許出願公開第2002/0022855号(本発明の譲受人に譲渡されている)に記載されている。針および/もしくはカニューレを挿入するために使用することができる(または針および/もしくはカニューレを挿入するために使用するように変更することができる)針/カニューレ挿入ツールの他の例は例えば、ともに本願に引用してその全体を援用する、2003年3月14日に出願された米国特許出願第10/389,132号および/または2002年12月9日に出願された米国特許出願第10/314,653号に記載されている。他の実施形態では、上で論じたものなどの単純な針または単純化された挿入ツールを使用してセンサセットを挿入することができる。他の実施形態では、例えば体外では堅く体内では柔らかくなる記憶金属を使用することにより、センサ自体が十分に堅く、そのため針が必要ない。
図6Bは、本発明の一実施形態に基づくセンサセットの別の図を示す。図6Aおよび6Cは、本発明の実施形態に基づく送信器5400およびセンサセットを示す。送信器5400は、取付けベース530と送信器が接続されたときに分析物センサに電気的に接続するように適合されている。図6Bに示されているように、ベース530は、挟みつけたときに送信器5400を解放するように適合されたピンチレバー550を有することができる。ピンチレバー550は、ベースが送信器に接続されたときに送信器5400にスナップ式にはまることができ、次いで、挟んで締めつけると送信器から解放することができる。この分離は例えば、ピンチレバー550を挟みつけたときに送信器5400をベースから押し出す射出ばね560の使用によって達成することもできる。送信器5400は、センサからの信号を監視装置に送信すること可能にする電子部品を含む。送信器5400はさらに、それらの信号を可読データに変換する電子部品、信号および/またはデータを記憶する電子部品、データを表示する電子部品、ならびに上で論じた送信器または監視装置の他の望ましい機能および本願に引用して援用する米国特許第6,558,351号、第7,344,500号、第7,278,983号で論じられている送信器または監視装置の他の望ましい機能を実行する電子部品を含むことができる。
図6A〜Cに示した構造を使用することによって、センサセットおよび送信器が体表で占有する空間を最小化することが可能である。送信器に対するベースのアライメントを、横に並べる他の構成よりも良好にすることも可能である。
本発明に基づくセンサセットの製造では、センサセットを上から下へ製造して、センサベースをひっくり返す必要性を排除することができる。一実施形態では、センサ電子部品が、センサセットに組み付ける最後の構成部分である。ひずみ、潜在的な欠陥およびコストを低減させるために、組み立てる構成部分の数を制限すると有益である。接着剤を使用して、パッチをベースに接着し、センサに対する穴、センサの上のキャップなどの他の接合部を密封することができる。これらの接合部を接合するのに、接着剤を使用しない方法を使用することも可能である。
送信器は、センサセットのコネクタ部分の接点に接続するためのピンを有することができる。このピンは、取付けベースのコネクタ部分が送信器の凹部に挿入されたときに送信器を分析物センサに電気的に接続することができる。図5A〜6Cのセンサセット510のコネクタ524に接続する送信器5400の凹部または穴5410の中に配置されたこのようなピン5450の一実施形態が、図12に示されている。これらのピンは耐食性を有することが好ましい。より良好な耐食性を達成するため、例えば分析物中でピンの洗浄を実施することができる。このピンは、腐食を低減させるいくつかの異なる導電材料から製作することができる。例えば、金めっきされたベリリウム銅(BeCu)を使用することができる。ピンはプレス成形することができ、または表面の亀裂を低減させ、めっきを改良する他の方法で形成することもできる。接続状態からの分離、または電流の移動を妨げもしくはピンの損傷に帰着する他のひずみを防ぐため、送信器ピンは耐久性があり、堅いことが好ましい。
センサは、感知要素とは反対側の端部にある導電性接点で終わる。センサからの信号を送信器ピンへ伝えるために、接点が露出し、接点が送信器ピンと接触することができるように、ワイヤを剥ぐことができる。本明細書では用語「送信器ピン」を使用しているが、このピンは、送信器または監視装置へ通じるコネクタ上もしくはワイヤ上に配置することができ、または送信機能のない監視装置上に配置することもできることが理解される。ワイヤを剥ぐ必要性を排除するため、センサセットまたは送信器の一部であるプラスチック内に、プレス成形された金属インサートを成形することができる。プレス成形された金属インサートは次いで、センサのワイヤジャケットに孔をあけることになる。ワイヤジャケットに孔をあけることができるそのような鋭いピンの一実施形態710が図13Aに示されている。図13Bは、この鋭いピンの上に載せられたワイヤセンサ720を示す。この目的のために、送信器およびセンサセットから分離した別個のコネクタを使用することもできる。他の一切の部片を使用することなしに使用者がセンサセットと送信器を取り付けるだけでよいように、このコネクタは、組立て中に取り付けられ、センサセットの一部となることが好ましい。鋭いピン710は、折り畳まれ、送信器との接続部とインタフェースするプレス成形されたセンサピン740に電気的に接続することができる。他の実施形態では、センサセットが送信器に取り付けられたときにピンが変形して、センサセットと送信器の間の電気接続を生み出す。図13A〜Cはさらに導電性ピン730を示しており、導電性ピン730は、金属もしくは他の導電材料からプレス成形し、または他の方法で形成することができる。これらの導電性ピンは、センサ電極エリアからの信号が、導電性ピンを通って、取付けベースに取り付けられた送信器または他の接続された装置もしくはワイヤに送られるような態様で、センサのワイヤに電気的に接続される。他の実施形態では、図13Cに示すように、送信器または他の接続された装置もしくはワイヤが取付けベースに取り付けられるまで、導電性ピン730がワイヤ接点から分離されている。取付け装置が接続されると、導電性ピン730は変形し、ワイヤ接点740と接触して、電気接続を形成する。
他の実施形態では、センサ上に、互い違いに配置された開口エリアがある。例えば、リボンケーブル構成では、この互い違いに配置された開口エリアを、レーザ加工または他の機械的もしくは化学的なプロセスによって形成することができ、これらの開口エリアは次いで、送信器ピンに接続する接点またはプレス成形されたセンサピンまで延びる金属トレース、フレキシブル回路トレース、光パターニングが可能な絶縁フィルムまたはプレス成形/形成された金属コネクタと接触するように配置されることになる。これらの互い違いに配置された開口エリアは、センサからの信号が送信器に到達することができるような態様で、トレースもしくは他の接続線に接合し、またはただ単にトレースもしくは他の接続線に機械的に接触させることができる。
D.本発明の実施形態および関連特性
本明細書に開示された本発明の実施形態は、生体内でのセンサの初期化および/または始動(例えば、生体内に埋入された後に、センサがその環境になじみ、意味のある情報を送信し始めるまでのならし時間)を容易にする要素および/または要素の構成を含むように設計された埋入可能な分析物センサおよびセンサシステムに焦点を合わせる。具体的には、当技術分野では、センサを使用する前のセンサの初期化および/または始動に必要な時間は、比較的に長くなることがあることが知られており(例えば、電流測定型のグルコースセンサでは、センサの始動初期化時間が2から10時間になることがある)、このことは、医療の実施におけるこのようなセンサの使用を妨げうる1つの要因である。例えば、病院環境では、比較的に長いセンサの初期化および/または始動期間が、患者の健康に関する重要な情報(例えば糖尿病患者での高血糖または低血糖)の受取りを遅らせることがあり、それによってそのような情報の受取りに基づく治療(例えばインスリンの投与)を遅らせることがある。さらに、病院環境における比較的に長いセンサの初期化および/または始動期間は、病院職員が繰り返し監視することを要求することがあり、このことは、患者管理コストの増大の一因である。これらの理由のため、病院環境における生体内での初期化および/または始動時間が短いセンサ、ならびに長いセンサの初期化および/または始動時間を短縮する要素および/または要素の構成を含むように設計されたセンサおよびセンサシステムは非常に望ましい。例えばグルコースセンサについて言えば、センサの初期化および/または始動時間の15〜30分の短縮は非常に望ましい。これは例えば、このような初期化時間の短縮によって、(1)病院職員が患者を監視する必要性を低減させることができ(これは、そのような医療装置の費用効果に貢献する一因となる)、(2)患者の健康に関する重要な情報を受け取る際の遅れを短縮することができるからである。
非病院環境で分析物センサを使用している個人(例えばグルコースセンサを使用して糖尿病を管理している糖尿病患者)でも、比較的に長いセンサの初期化および/または始動期間は、使用者にとって不便であり、使用者の健康に関する情報の受取りが遅れるため問題である。糖尿病の管理におけるグルコースセンサ、インスリン注入ポンプなどの使用は近年増加している。これは例えば、健康な個人の生理的インシュリン濃度の上がり下がりに厳密に合致した方法で患者がインスリンを投与すると、この慢性疾患に関連した羅病率および死亡率が劇的に低下することを示す研究があるためである。その結果、糖尿病などの慢性疾患に罹っている患者は、自身の病気の管理、特に血液グルコース濃度の緊密な監視および調節において積極的な役割を演じるよう、医療職員によって指導される。この文脈では、多くの糖尿病患者が医療訓練を受けていないため、それらの患者が、血液グルコース濃度の最適な監視および調節を怠ることがある。これは、そのような管理に関連した複雑さ、例えば患者の旺盛な日常活動を考えると不便なことがある2時間の始動期間のためである。これらの理由から、センサの初期化および/または始動時間を短縮することができる要素および/または要素の構成を含むように設計されたセンサおよびセンサシステムは、医療訓練を受けていない糖尿病患者がこのようなセンサを操作する状況において非常に望ましい。これは、そのようなセンサおよびセンサシステムが、患者による糖尿病の都合のよい管理を容易にするためであり、このような都合のよい管理は、慢性糖尿病に罹っている個人において観察される羅病率および死亡率の周知の問題を軽減することが示されている振舞いである。
開示された本発明の実施形態は、センサの始動初期化時間を短縮するように機能すると識別された要素の集合体に含まれる少なくとも1つの要素を有する実施形態を含む。さらに、本明細書に開示されているとおり、本発明のある種の実施形態は、センサの始動初期化時間を相補的な方法で短縮すると出願人が識別した要素の集合体に含まれる、本明細書に開示された少なくとも2つの異なる要素を有する実施形態を含む。具体的には、当技術分野において知られている全てのセンサ材料、要素、アーキテクチャおよび/または電子部品を、センサの始動初期化時間を短縮するように機能するような形で一体に組み合わせることができるわけではない。したがって、本明細書に提供された開示は、一体に組み合わせると、個々の要素の特定の機能を相殺しかつ/または抑制することなしにセンサの始動初期化時間を短縮することができることを本発明の発明者が見出したセンサ材料、要素、アーキテクチャおよび/または電子部品に焦点を合わせる。
本明細書に開示された分析物センサおよび分析物センサシステムは一般に、哺乳動物の体内に埋入することができるように設計されているが、本明細書に開示された発明は、どの特定の環境にも限定されず、その代わりに多種多様な文脈、例えば、間質液、全血、リンパ、血漿、血清、唾液、尿、便、汗、粘液、涙、脳脊髄液、鼻分泌物、子宮頸または膣分泌物、精液、胸膜液、羊水、腹膜液、中耳液、関節滑液、胃吸引液などの体液を含む大部分の生体内および管内液体試料の分析において使用することができる。さらに、固体試料または乾燥試料を適当な溶媒に溶解して、分析に適した液体混合物を調製することもできる。
本明細書に開示された発明はいくつかの実施形態を有する。本発明の例示的な一実施形態は、第1の端部および第2の端部をそれぞれが有する複数の導電性センサワイヤを備え、それぞれの導電性センサワイヤが実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤが、第1の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第1のセンサワイヤであり、第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリアを画定する第1のセンサワイヤと、第2の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第2のセンサワイヤであり、第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリアを画定する第2のセンサワイヤと、第3の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第3のセンサワイヤであり、第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリアを画定する第3のセンサワイヤとを含む分析物センサ装置である。他の実施形態では、追加のワイヤが、やはり実質的に共通の向きに配列されている。この追加のワイヤはさらに、追加の電極を画定する開口部を有する電気絶縁カバーを有することができる。例えば、第2の対電極を有する追加のワイヤを配列することができる。本発明の一般的な実施形態は生体適合材料からなり、かつ/または哺乳動物の体内に埋入されるように設計された構造特徴を有する。本発明の方法実施形態は、本明細書に開示されたセンサ実施形態の製作方法および使用方法を含む。本発明のある種の実施形態は、特定のセンサ要素および/またはセンサ要素の特定の集合体を使用して、本明細書に開示されたセンサ実施形態の1つ以上の機能を生み出しかつ/または容易にする方法を含む。
本発明のある種の実施形態では、電極の反応面の相対的な面積/サイズが異なり、例えば参照電極が1×、作用電極が2.6×、対電極が3.6×である。本発明のある種の実施形態では、ハイドレーション(hydration)の不足(例えば長い始動初期化時間)、流体の停滞、患者の免疫応答などによって起こるセンサおよびセンサシステムの問題を解決するように設計された方法において、電極が分散した構成(以後、分散電極構成)が使用される。例えば、基板上に複数の電極が分散電極構成で配置されたセンサ実施形態は、基板上に縦一列に配置された一組の電極を有するセンサよりも良好な始動プロファイルを示すことが観察されている。さらに、ハイドレーションの不足、流体の停滞、患者の免疫応答などに起因する問題をさらに解決するため、分散電極構成を有する本発明の実施形態を、本明細書に開示されたある種の相補的な要素(例えば複数電極センサ、電圧パルシング法など)と組み合わせることができる。
やはり電極のハイドレーション不足および/または流体の停滞などに対処するように設計された本発明の他の実施形態は、例えばセンサを取り囲む管要素および/またはカバー要素を除去することによって、生体内での電極への流体の流れを容易にするように構成されたセンサであり、生体内での電極への流体の流れを容易にすると、本明細書に示されているように、埋入可能なセンサの長期にわたる機能を劣化させることなしにセンサの初期化が最適化される(例えばこの劣化は例えば露出したセンサ表面の生物汚損に起因することがある)。例えば、参照電極を取り囲む管を有するある種のセンサ実施形態では、管をトリミングしない場合の始動率が60%という低さになることがある。しかしながら、このような実施形態において参照電極を取り囲む管の側壁をトリミングした場合には、100%のセンサが始動する。本発明のこのような実施形態では、側壁を除去すると、ハイドレーションが容易になり、かつ/または組織のより近くに接近することが可能になり、かつ/または流体が停滞する可能性が低下することがある。この文脈において、本発明の実施形態は、関心の分析物を含む流体が、センサ実施形態の要素を迂回して/通り抜けて、センサ実施形態の電極の反応面へ流れることを抑制しない(任意選択で強化する)ように設計された方式で配列された要素の集合体を有する実施形態を含む。
本発明の一実施形態では、分析物を含む流体と接触するようにセンサ装置が配置されたときに(例えばハイドレーションおよび回路の容量性の始動を抑制しうる現象である参照電極のシャドーイング(shadowing)を抑制することによって)作用電極、対電極または参照電極のハイドレーションを容易にする構成で、作用電極、対電極および参照電極の位置をセンサワイヤ上で分散させる。任意選択で、センサは例えば、単一の電極の周囲の局限された有害な環境変化(例えば、気泡形成ならびに/または生物汚損および/もしくは免疫応答などの生体内反応による電極機能のある部分の非働化)の発生を抑制する、分散電極構成および/または開口部構成を含む。本発明のこのような実施形態は一般に、センサの始動または初期化を容易にする。このような電極構成の例示的な実施形態が図9に示されている。
一般的な分析物センサ装置実施形態は、複数の作用電極、対電極および参照電極を備えることができる。任意選択で、対応するそれぞれのワイヤ上の複数の作用電極、対電極および参照電極をユニットとして一緒にグループ化し、それらの電極の位置を、ユニットの繰返しパターンとしてワイヤ上に分散させる。あるいは、複数の作用電極、対電極および参照電極を一緒にグループ化し、それらの電極の位置を、ユニットの非繰返しパターンとして分散させる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極を有するセンサの一部分が生体内環境から取り出され、生体外環境にさらされた場合にもセンサが最適な機能を維持し続けることを可能にする構成に、電極がグループ化される。
本発明の関連実施形態は、本発明のさまざまなセンサ実施形態のハイドレーションおよび/または初期化を容易にするように設計された材料を開口部において使用する方法を含む。例えば、本発明のある種の実施形態では、1つ以上の開口部などのセンサ装置の一部分を親水性組成物(例えば親水性ポリマー)で被覆し、かつ/または満たして、この1つ以上の開口部を通した流体の流れを容易にする。任意選択で、この親水性組成物がさらに、抗血小板薬、抗炎症薬または抗増殖薬などの生物活性剤を含む(例えば本願に引用して援用する米国特許第6,770,729号を参照されたい)。生体内の血小板、炎症および/または増殖反応は、細胞および他の生体物質をセンサ上またはセンサの近くに付着させることができ、このことはセンサへの流体の流れを減少させうるため、これらの生物活性剤を含む親水性ポリマーを、本発明のさまざまなセンサ実施形態のハイドレーションおよび/または初期化を容易にするように設計された方法で使用することができる。本発明のある種の実施形態では、生物活性剤(例えばデキサメサゾンなどの抗炎症薬)がセンサから溶出し、生体内環境内へ移動することができる。本発明の他の実施形態では、生物活性剤(例えば金属銀、無機銀化合物、有機酸の銀塩などの作用物質)がセンサから溶出しない。
本発明のある種の実施形態では、本明細書に開示された開口部構成を備えるセンサシステムが、ハイドレーションの不足(例えば長い始動初期化時間)および/または流体の停滞が原因で埋入可能なセンサおよびセンサシステムで起こりうる問題を、気泡または停滞流体の溜まりが、センサの機能を劣化させるような形で電極の上または電極の近くに形成し、かつ/またはそこに留まる可能性を低下させるような方式で、埋入された構成部分の周囲を流れる流体の能力を高めることによって解決するように設計された方法において使用される。さらに、ハイドレーションの不足、流体の停滞、患者の免疫応答などに起因する問題をさらに解決するため、特定の開口部構成を有する本発明の実施形態を、本明細書に開示されたある種の相補的な要素(例えば分散電極構成、複数電極センサ、複数の埋入部位を有する複数センサ装置、電圧パルシング法など)と組み合わせることができる。
センサの強度、ハイドレーションおよび/または機能を容易にするために、センサ装置のさまざまな要素を、センサ装置内のある位置に配置し、かつ/またはある形状に構成し、かつ/または特定の材料から構築することができる。本発明のある種の実施形態では、作用電極および/または対電極および/または参照電極の構造特徴および/または相対位置が、センサの製造、使用および/または機能に影響するように設計される。本発明のそのような1つの実施形態は、電極上に配置された層(例えばグルコースオキシダーゼを含む分析物感知層)の層間剥離を抑制するために、丸められた1つ以上の縁を有する電極を含む。このような丸められた電極の例示的な実施形態が、本願に引用して援用する2008年7月31日に出願された米国特許出願第12/184,117号に示されている。本発明の関連実施形態は、本発明のセンサ実施形態(例えば丸められた1つ以上の縁を有する1つ以上の電極を有するセンサ実施形態)を使用してセンサ層の層間剥離を抑制する方法を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、電極上に配置された層が広がることを抑制するために、装置上に障壁要素が配置される。このような障壁/ダム構造の例示的な実施形態が、本願に引用して援用する2008年7月31日に出願された米国特許出願第12/184,117号に示されている。任意選択で、ダム構造(1つ以上)の上に、金属構造または他の構造などの要素が配置される。本発明の関連実施形態は、本発明のセンサ実施形態(例えばこのような障壁構造を有するように構築されたセンサ実施形態)上に配置された化合物の移動を抑制する方法を含む。任意選択で、電極の反応面を取り囲むため、装置上に障壁要素が配置される。このような障壁要素はさまざまな材料、例えばポリイミドから形成することができる。本発明のさまざまな実施形態では、これらの要素を、電極の一部として形成することができ、あるいは電極を形成した後に(例えばエポキシなどを使用して)電極に接着することができる。
センサは、リボンケーブル構成、束ワイヤ構成、積重ねワイヤ構成などのワイヤのベース上に配置された一連の電極を備えることができる。これらの構成は、センサの製造/生産の際、例えば漸進的なレーザアブレーションを含む方法において有用である。そのような1つの実施形態では、1つ以上の作用電極、対電極および参照電極ならびに/またはこのような複数の電極群を備える単一のワイヤを生み出すように、レーザアブレーションのパターンが制御される。任意選択で、この単一のワイヤがリールの形態をとり、センサを製造する前にこのリールをカットして複数の切片にする。この設計の例示的な一実施形態は、そのワイヤ/リボンに沿って複数の読取り点(例えば穿孔)を有するワイヤ電極を備える。このワイヤを、複数の窓を有する鞘または管の中に配置することもできる。ワイヤの一部あるいは全体を、分析物調節層などの後続の層で被覆することができる。本発明の関連実施形態は、このようなセンサを製作する方法を含み、この方法の1つのステップは、リールの形態のワイヤ電極を配置することを含み、このワイヤ電極は次いで、製造工程中に複数の切片にカットされる。
さらに、センサ装置の機能に影響を与えるため、本発明のさまざまな実施形態の電極をさまざまな材料(例えば分析物調節層)で被覆することができる。本発明のいくつかの実施形態では、電極(例えば電導性ワイヤ)の反応面の少なくとも50、75または100%が親水性の分析物調節層で被覆される。例えば、本明細書に開示された本発明のある種の実施形態(例えば電流測定型のグルコースセンサ)は、「酸素欠乏問題」として知られている問題を解決するように設計された要素および/または要素の集合体を含む。この問題は、分析物と酸素の反応を介して分析物を測定するように設計されたセンサでは酸素濃度が過剰でなくてはならないことに関係する。酸素が過剰でない場合(酸素が速度制限反応物である場合)、センサ信号は酸素濃度に比例し、センサ設計の測定対象である分析物には比例しない。この条件下でセンサは適正に機能しない。したがって、酸素の透過性と分析物の透過性の間に差がある生物適合性膜(例えばグルコース制限膜)を含み、さらに、センサの初期化始動時間をさらに短縮するように機能する要素を有するセンサが求められている。
任意選択で、本発明の実施形態は、(例えば冗長な感知能力を提供するために)複数の作用電極および/または対電極および/または参照電極を含む。本発明のこのような実施形態は、例えばGOxで被覆された作用電極における信号(1つ以上)をGOxで被覆されていない作用電極における信号と比較することによって生体内の背景信号を除去する(例えば背景を検出し、続いて信号の減算/相殺処理を実行して真の信号に到達する)ように設計されたプロセッサ(例えば信号の減算/相殺処理に対して適合されたプログラムにリンクされたプロセッサ)を含む本発明の実施形態において使用することができる。本発明のこれらの実施形態のうちのある種の実施形態は、グルコース信号曲線の上端および下端でグルコースを感知するのに特に有用である。本発明の同種の実施形態は、例えばGOxで被覆された作用電極における信号(1つ以上)をGOxで被覆されていない作用電極における信号と比較することによって干渉を除去するために使用される。本発明の実施形態は、ある電極上のある位置に、装置のある電極の電位を媒介するのに十分な量のプルシアンブルー組成物のコーティングを含むことができる。本発明の関連実施形態は、開示されたセンサ装置のある電極の電位を(例えばプルシアンブルー組成物を使用することによって)媒介する方法を含む。プルシアンブルーの組成式は当技術分野において知られており、Fe[Fe(CN))]×HO、CI番号77510番およびKFe[Fe(CN)]×HO、CI番号77520番を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、センサの特性を最適化するために、化学物質層(1つ以上)のアーキテクチャまたは厚さが使用される。本発明のいくつかの実施形態では、分析物調節層の厚さが、少なくとも6、7、8、9、10、15、20、25または30ミクロンである。本発明のある種の実施形態は、厚い分析物調節層(例えば25または30ミクロン)を使用する。そのような実施形態では、この厚い層が、ある信号範囲にわたって分析物信号(例えばグルコース濃度)の線形性を最適化することが観察されているためである。このような厚い層は、本発明のある種の実施形態において望ましい別の特性、例えば(例えば材料が余分にあるために)分析物調節層の寿命がより長いという特性を有し、この特性は、このような厚い層を、ある種の長期センサ実施形態に対して特に適したものにする。
本発明の一般的な実施形態はさらに、分析物感知層と分析物調節層の間に配置された接着促進層などの層を含む。任意選択で、このような実施形態では、接着促進層内の第1の化合物が分析物感知層内の第2の化合物に架橋される。本発明のある種の実施形態は、干渉除去層、例えばNAFION(スルホン化されたテトラフルオロエチレン共重合体、分子式CHF13S.C、CAS番号[31175−20−9])および/または酢酸セルロース組成物からなる層を含む。NAFIONを含み、電流測定型センサ内のアセトアミノフェノールによって生み出されることがある干渉信号を抑制する効果を有する干渉除去膜(IRM)の例示的な一実施形態が図10に示されている。IRMは一般に、分析物感知層(例えばグルコースオキシダーゼを含む層)の下に配置される。本発明のある種の実施形態では、IRMが、ある電極の反応面と分析物感知層の間に配置される。本発明の関連実施形態は、本発明のさまざまなセンサ実施形態内の干渉化合物によって生み出される1つ以上の信号を(例えば干渉除去層を使用することによって)抑制する方法を含む。
本発明の一般的な実施形態では、センサが、信号を送信しかつ/または受信するように設計された要素、監視装置、ポンプ、プロセッサなどの他の要素(例えば電子構成部品)に動作可能に結合される。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、センサが、哺乳動物の体内で感知された生理的特性値に基づく信号をセンサから受け取ることができるセンサ入力、およびそのセンサ入力に結合されたプロセッサに動作可能に結合され、このプロセッサは、センサから受け取った1つ以上の信号を特徴づけることができる。このようなシステムでは、本明細書に開示された多種多様なセンサ構成を使用することができる。任意選択で、このセンサは例えば、3つの作用電極、1つの対電極および1つの参照電極を備える。ある種の実施形態では、少なくとも1つの作用電極が、グルコースオキシダーゼを含む分析物感知層で被覆され(任意選択で2つの作用電極がGOxで被覆され)、少なくとも1つの作用電極が、グルコースオキシダーゼを含む分析物感知層で被覆されない。本発明のこのような実施形態は例えば、例えばGOxで被覆された作用電極(1つ以上)における信号(1つ以上)をGOxで被覆されていない作用電極(1つ以上)における信号と比較することによって生体内の背景信号を除去する(例えば背景を検出し、続いて信号の減算/相殺処理を実行して真の信号に到達する)ように設計されたセンサ実施形態において使用することができる。
本発明の実施形態は、センサ機能の諸態様を最適化する要素の構成および/またはアーキテクチャを有するセンサおよびセンサシステムを含む。例えば、本発明のある種の実施形態は、数組のセンサ、ならびに/あるいは患者の生体内挿入部位で使用するために挿入装置上で組織化された複数の孔あけ部材(例えば針)および/またはカニューレなどの数組のセンサシステム要素など、複数のおよび/または冗長な要素を含むように構築される。本発明の一実施形態は、複式孔あけ部材センサシステム実施形態ないし「牙(fang)」型センサシステム実施形態である。本発明のこの実施形態は、患者の体の特性を監視するセンサ装置であって、装置を患者に固定するように適合されたベース要素と、ベース要素に結合され、ベース要素から延びる第1の孔あけ部材であり、第1のセンサ配置部位において患者の体の少なくとも1つの特性を決定する少なくとも1つの電極を有する少なくとも1つの第1の電気化学センサに(例えば構造支持を提供しかつ/または囲うように)動作可能に結合された第1の孔あけ部材と、ベース要素に結合され、ベース要素から延びる第2の孔あけ部材であり、第2のセンサ配置部位において患者の体の少なくとも1つの特性を決定する少なくとも1つの電極を有する少なくとも1つの第2の電気化学センサに動作可能に結合された第2の孔あけ部材とを備えるセンサ装置である。本発明のいくつかの実施形態では、このようなセンサシステムが、集中治療室などの病院環境で、(例えば糖尿病患者の間質液中または血液中の血液グルコース濃度を測定するために)使用される。本発明の他の実施形態では、この装置が、外来通院の文脈で、例えば血液グルコースを日常的に監視している糖尿病患者によって使用される。この複式孔あけ部材実施形態は、本願に引用して援用する、2008年7月31日に出願された米国特許出願第12/184,117号により詳細に開示されている。
本発明の実施形態は、生体内の単一の挿入部位に一緒に配置することができるような形で単一の孔あけ部材に結合された複数のセンサを含むことができる。例えば、本願に引用して援用する、2008年7月31日に出願された米国特許出願第12/184,117号を参照されたい。
複数のセンサを含む本発明の実施形態は、単一のセンサで起こることが観察されているさまざまな問題を、単一の挿入部位における上記の問題のうちの1つ以上の問題の発生を補償しまたは解決するような形で、複数の挿入部位における生理的特性の複数の読みを提供することによって解決することができる。例えば、これらの要素を含むように構築された本発明の実施形態を使用することによって、本発明のこのような実施形態によって提供される複数の/冗長なセンサ信号のゆえに、単一の挿入部位における免疫応答または問題のある解剖学的構造(例えば瘢痕組織)は、複数センサ装置の機能を劣化させない。さらに、複数のセンサを含む本発明の実施形態は、複数のセンサ信号を使用して、単一の挿入部位に配置された単一のセンサで生じうる「ドリフト」(すなわち測定している特性の変化とは無関係にセンサの出力信号が時間の経過とともに変化する現象)に関連した問題を特徴づけ、補償し、解決することができる。センサ機能をさらに最適化するために、複数のセンサを含む本発明の実施形態を、本明細書に開示された他のセンサ要素および/またはセンサ構成と組み合わせることができ、複数のセンサを含む本発明の実施形態は例えば、センサ構造の柔軟性を高め、かつ/またはセンサ電極のハイドレーションを容易にするある構成をとるように分散させた電極を備えることができる。同様に、本発明のこれらの実施形態を、初期化プロセスおよび/または感知プロセスの一部として電圧スイッチングおよび/または電圧パルシングを使用する後に詳細に論じる装置および方法と組み合わせることができる。
前述のとおり、本発明のある種の実施形態は、感知プロセスの一部として電圧スイッチングを使用することができる。本発明の実施形態は、電圧スイッチングを、干渉種および/または特定の分析物の濃度を検出するためだけではなく、本発明のさまざまなセンサ実施形態のハイドレーションおよび/または初期化を容易にする目的にも使用することができる。具体的には、初期化(「ならし」)にかかる時間はセンサによって異なり、数時間かかることもある。本発明の実施形態は、高周波初期化(電圧電位のスイッチング)を含むセンサ初期化方式を含む。例示的な一実施形態では、3重初期化プロファイルが使用され、このプロファイルでは、センサの電圧が、0、280、535、635または1.070ミリボルトなどの第1の電位と、0、280、535、635または1.070ミリボルトなどの第2の電位との間で、5、10、20、30もしくは45秒または1、5、10もしくは15分の期間にわたって切り換えられる。本発明のある種の電圧スイッチング実施形態はさらに、分析物信号の検出において電圧パルシングを使用する。本発明のこのような実施形態で使用されるパルスの数は一般に少なくとも2つであり、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20またはそれ以上とすることができる。それらのパルスは所定の時間持続させることができ、例えば1、3、5、7、10、15、30、45、60、90または120秒の間持続させることができる。この電圧パルシングの一例は6つのパルスを含み、それぞれのパルスの長さは数秒である。本発明のこのような実施形態を使用することによってセンサのならしが大幅に速まり、このことは、使用者によるセンサの導入および作動を最適化する1つの要因である。これらの方法のうちのある種の方法は、当技術分野で知られている同様の方法とともに使用されるように適合させることができる(例えば、本願に引用してその内容を援用する米国特許第5,320,725号、第6,251,260号および米国特許出願第2005/0161346号を参照されたい)。
本発明のいくつかの実施形態では、パルシングされた(例えば短いバーストまたはパルスで生み出され、または送信され、または調節された)電圧を使用して、センサの1つ以上の電極から信号を得る。本発明の関連実施形態では、パルス電流などが使用される。このようなパルシングを使用して、背景電流の読みを低減させ/補償することができる。このタイプのパルシングの追加の議論およびこのようなパルシングの利点は例えば、本願に引用して援用する、2008年7月31日に出願された米国特許出願第12/184,117号に出ている。
電圧をパルシングしかつ/または電圧をスイッチングする異なるさまざまなセンサ実施形態が企図される。この文脈において、センサシステムは、電圧出力および/もしくは作用電位および/もしくはパルシングおよび/もしくはスイッチングなどの因子ならびに/またはこのような因子の期間を制御するソフトウェアアルゴリズムを含むプロセッサを含むことができる。センサシステムはさらに、電圧パルシングを容易にするように設計されたさまざまなハードウェア機能、例えば放電回路要素を含むことができる。具体的には、本発明のある種の実施形態では、保持した電荷をセンサ層が放出するために(センサ層はコンデンサに似ている)、高周波スイッチングが放電回路要素を必要とすることがある。例示的な一実施形態は、特定の電位の2つの専用電極(例えば280mvおよび535mv)を有するセンサであって、センサがそれらの2つの電極間で切り換わるときに両方の電極の読みを得るように設計されたセンサである。この文脈において、当技術分野では、広い電位範囲でセンサの読みをとることが知られている(例えば米国特許第5,320,725号、第6,251,260号、第7,081,195号および米国特許出願第2005/0161346号を参照されたい)。本発明の例示的な一実施形態では、プロセッサを使用して、センサ内の2つの作用電極のうちの一方の作用電極からパルシングされた電圧(以後、パルス電圧)によって得た信号を観察し、その信号を、パルス電圧にさらされていない第2の作用電極から得た信号と比較する。
本発明のいくつかの実施形態では、第1の電圧を第1の時間の間印加してセンサ内において陽極サイクルを開始し、第2の電圧を第2の時間の間印加してセンサ内において陰極サイクルを開始し、この第1の電圧の印加と第2の電圧の印加を繰り返してセンサ内において陽極−陰極サイクルを継続することによって、センサが機能する。本発明の一実施形態では、第1の電圧を第1の時間の間印加し、所定の時間待機し(すなわち電圧を印加せず)、次いで第1の電圧の印加と所定の時間の待機との循環を何回か繰り返し、または特定の時間の間繰り返すことによって、センサが機能する。第1の電圧は正の値または負の値を有することができる。第2の電圧は正の値または負の値を有することができる。ある種の動作条件下では、ある1回の繰返しでの第1の電圧の大きさを、第2の繰返しまたは別の繰返しでの第1の電圧の大きさとは異なる大きさにすることができる。本発明の一実施形態では、第1の電圧として、傾斜波形、階段波形、正弦波形、方形波形などの電圧波形を印加することができる。上記の波形のうちの任意の波形を第2の電圧として印加することができる。ある種の動作条件下では、第1の繰返しで第1の電圧として印加する電圧波形を、第2の繰返しで第1の電圧として印加する電圧波形とは異なる波形とすることができる。第2の電圧の印加についても同じことが言えることがある。ある種の動作条件下では、第1の電圧として電圧波形をセンサに印加し、第2の電圧として電圧パルスをセンサに印加することができる。
本発明の一実施形態では、持続時間の短い複数の電圧パルスを第1の時間の間印加して、センサ内における陽極サイクルを開始する。このような実施形態では、持続時間の短い複数の電圧パルスを第2の時間の間印加して、センサ内における陰極サイクルを開始することができる。持続時間の短いこの第1の複数のパルスの大きさを、持続時間の短い第2の複数のパルスの大きさとは異なる大きさとすることができる。本発明の実施形態では、持続時間の短い第1の複数のパルスのうちの一部のパルスの大きさを、持続時間の短い第1の複数のパルスのうちの他のパルスの大きさとは異なる大きさとすることができる。持続時間のより短い電圧パルスを利用して、第1の電圧または第2の電圧あるいはその両方を印加することができる。本発明の一実施形態では、第1の電圧に対応する持続時間のより短い電圧パルスの大きさが−1.07ボルトであり、第2の電圧に対応する持続時間のより短い電圧パルスの大きさが、この大きい方の電圧の約半分、例えば−0.535ボルトである。あるいは、第1の電圧に対応する持続時間のより短い電圧パルスの大きさが0.535ボルトであり、第2の電圧に対応するこの持続時間のより短い電圧パルスの大きさが1.07ボルトである。
持続時間の短いパルスを利用する本発明の実施形態では、第1の時間の全期間にわたって電圧を連続的に印加しなくてもよい。その代わりに、第1の時間において、電圧印加装置は、持続時間の短いいくつかのパルスを第1の時間の間、送信することができる。言い換えると、幅の小さいまたは持続時間の短いいくつかの電圧パルスを第1の時間、センサの電極に印加することができる。この幅の小さいまたは持続時間の短いそれぞれの電圧パルスの幅は数ミリ秒とすることができる。このパルス幅は例えば30ミリ秒、50ミリ秒、70ミリ秒または200ミリ秒とすることができる。これらの値は例であり、それらの値に限定されることを意味するものではない。
本発明の他の実施形態では、第1の時間の間、持続時間の短いそれぞれのパルスが同じ時間を有する。例えば、持続時間の短いそれぞれのパルスの時間幅を50ミリ秒、パルス間のそれぞれのパルス遅延を950ミリ秒とすることができる。この例では、第1の時間の測定時間が2分である場合、持続時間の短い120の電圧パルスをセンサに印加することができる。本発明の一実施形態では、持続時間の短いそれぞれの電圧パルスが異なる持続時間を有する。本発明の一実施形態では、持続時間の短いそれぞれの電圧パルスが同じ振幅値を有する。本発明の一実施形態では、持続時間の短いそれぞれの電圧パルスが異なる振幅値を有する。センサに電圧を連続的に印加する代わりに持続時間の短い電圧パルスを利用することによって、同じ陽極−陰極循環を生じさせることができ、時間の経過に伴ってセンサ(例えば電極)がさらされるエネルギーまたは電荷の全量がより少なくなる。持続時間の短い電圧パルスの使用は、電極への連続電圧の印加に比べてより少ない電力を利用する。これは、センサ(したがって電極)に加えられるエネルギーがより少なくなるためである。
本発明のある種の実施形態では、本明細書に開示された電圧パルシングおよび/または電圧スイッチングを利用するセンサシステムが、ハイドレーションの不足(例えば長い始動初期化時間)および/または流体の停滞が原因で埋入可能なセンサおよびセンサシステムで起こりうる問題を、気泡または停滞流体の溜まりが、センサの機能を劣化させるような形で電極の上または電極の近くに形成し、かつ/またはそこに留まる可能性を低下させるような方式で、埋入された構成部分の周囲を流れる流体の能力を高めることによって解決するように設計された方法において使用される。さらに、ハイドレーションの不足、流体の停滞、患者の免疫応答などに起因する問題をさらに解決するため、電圧パルシングおよび/または電圧スイッチングを利用する本発明の実施形態を、本明細書に開示されたある種の相補的な要素(例えば分散電極構成、複数電極センサ、複数の埋入部位を有する複数センサ装置など)と組み合わせることができる。
本発明のいくつかの実施形態は、装置内の電流の流れを中断させる(すなわちセンサを使用不能にする)ために、所定の時間または所定の事象の後に作動させることができるヒューズ要素を含む。例えば、本発明の一実施形態は、哺乳動物の体内で感知された生理的特性値に基づく信号をセンサから受け取ることができるセンサ入力に動作可能に結合されたセンサと、センサ入力に結合されたプロセッサとを含み、このプロセッサは、センサの生体内寿命に基づく所定の期間の後にヒューズ要素を作動させて、センサを使用不能にすることができる。本発明の関連実施形態では、このプロセッサが、正常なセンサ機能に関連づけられた所定の一組の信号パラメータから外れた信号を受け取ったときにヒューズ要素を作動させることができる。本発明のそのような1つの実施形態では、正常なセンサ機能に関連づけられたパラメータから外れたパラメータが、定められた最大電流よりも大きな電流または定められた最小電流よりも小さな電流が定められた時間よりも長く続くことを含む。本発明の関連実施形態は、本発明のセンサ実施形態、例えば所定の動作期間(例えば寿命)を超過したセンサおよび/または所定の一組の動作パラメータの範囲内で動作していないセンサを(例えばヒューズ要素を使用することによって)使用不能にする方法を含む。当技術分野で知られているさまざまなヒューズ要素を、本明細書に開示されたセンサ実施形態とともに使用されるように適合させることができる。ヒューズ要素の例示的な一実施形態が、本願に引用して援用する、2008年7月31日に出願された米国特許出願第12/184,117号に示されている。
ヒューズ要素を含むある種のセンサ実施形態は、例えば異なる事象によって別々に作動させることができる複数のヒューズ要素を含むことができる。2つのヒューズ要素を備え、センサ機能を不能にするためには両方のヒューズ要素を作動させなければならない本発明の例示的な一実施形態では、センサの始動の初期化時に第1のヒューズ要素を作動させ、ある期間の後に、例えば1、3、5、7、14、21または30日後に第2のヒューズ要素を作動させる。本発明のこのような実施形態は、例えばその適正な寿命よりも長い期間、使用者が生体内でセンサを使用し続けることを防ぐのに役立つ。ヒューズ要素を有する本発明の他の実施形態は、ある回路に接続され/ある回路から分離されたときにヒューズを作動させるように構築することができ、それらの実施形態を使用して、例えば使用者がセンサを分離しかつ/または再接続することを防ぐことができる。本発明のいくつかの実施形態はさらに、センサからの放電を容易にするためにセンサに動作可能に結合された放電回路要素(例えばスイッチ)および/またはポテンショスタットを備える。本発明のある種の実施形態では、本明細書に開示されたヒューズ要素を利用するセンサシステムが、承認された寿命を過ぎたセンサの使用および/またはセンサの機能不良によって起こりうる問題を解決するように設計された方法において使用される。例示的な1つの方法実施形態は、所定の時間の後および/または所定の一組の動作パラメータから外れてセンサが動作した後に作動し、センサ機能をオフにするように設計されたヒューズ要素にセンサを結合することによって、(1)その承認された寿命を過ぎてもセンサが機能すること、および/または(2)機能不良の間にセンサが使用者に読みを提供することを防ぐ方法である。
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサが、第1の作用電位に反応した作用電極から受け取った第1の信号を、第2の作用電位に反応した作用電極から受け取った第2の信号と比較することができ、第1の作用電位における第1の信号と第2の作用電位における第2の信号の比較を使用して、干渉化合物によって生み出された信号を識別することができる。本発明のそのような1つの実施形態では、1つの作用電極がグルコースオキシダーゼで被覆されており、別の作用電極はグルコースオキシダーゼで被覆されておらず、干渉化合物が、アセトアミノフェン、アスコルビン酸、ビリルビン、コレステロール、クレアチニン、ドーパミン、エフェドリン、イブプロフェン、L−ドパ、メチルドパ、サリチル酸塩およびサリチル酸エステル、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、トリグリセリドまたは尿酸である。任意選択で、パルシングされかつ/または変更された(例えばスイッチングされた)電圧を使用して、作用電極から信号を得る。一般に、少なくとも1つの電圧が280、535または635ミリボルトである。本発明の関連実施形態は、本発明のさまざまなセンサ実施形態内において干渉化合物によって生み出された1つ以上の信号を、(例えば分析物感知化合物で被覆された電極からの信号を、分析物感知化合物で被覆されていない比較用の電極からの信号と比較することによって)識別しかつ/または特徴づける方法を含む。任意選択で、このような方法は、パルシングされかつ/または変更された作用電位を使用して電極における信号を観察する。ある電流測定型グルコースセンサは、535mVの動作電位で、アセトアミノフェンによって生み出された干渉信号を検出し、さらに、センサが動作電圧280mVに切り換えられるとこの干渉信号は抑制される。このデータは、動作電位を535mVから280mVに引き下げると、あるグルコース濃度範囲(0〜400mg/dL)にわたって、アセトアミノフェンによって生み出される信号が抑制されることを示している。さらに、このデータは、動作電位を引き下げても、このセンサが、535mVと同等の線形性を維持することができることを示している。
本発明の関連実施形態では、プロセッサが、第1の作用電位に反応した、グルコースオキシダーゼで被覆された作用電極から受け取った第1の信号を、第2の作用電位に反応した、グルコースオキシダーゼで被覆された作用電極から受け取った第2の信号と比較し、第1の作用電位における第1の信号と第2の作用電位における第2の信号の比較を使用して、分離した少なくとも1つの濃度範囲内の血液グルコース濃度を特徴づける。本発明のある種の実施形態では、約280、535または635ミリボルトの少なくとも2つの作用電位が使用される。本発明のいくつかの実施形態では、第1の作用電位における第1の信号と第2の作用電位における第2の信号の比較を使用して、50もしくは70mg/dL(すなわち一般に低血糖に関連した値)未満の濃度範囲内の血液グルコース濃度、または125もしくは150mg/dL(すなわち一般に高血糖に関連した値)を超える濃度範囲内の血液グルコース濃度を特徴づけることができる。本発明のある種の実施形態では、より低いグルコース濃度の方がより効率的に検出することができるため、280mvの電位が使用される。本発明の関連実施形態は、特定の分析物濃度または分析物濃度範囲を、本発明のさまざまなセンサ実施形態を使用して、(例えば特定の分析物濃度および/または分析物濃度範囲を特徴づけることができるその能力によって選択された異なる作用電位にある1つ以上の電極からの分析物信号を比較することによって)識別しかつ/または特徴づける方法を含む。
本発明の他の例示的な実施形態において、プロセッサは、例えばグルコースオキシダーゼで被覆された作用電極から受け取った第1の信号をグルコースオキシダーゼで被覆されていない作用電極から受け取った第2の信号と比較することによって、センサから受け取った複数の信号を特徴づけて、哺乳動物の体内で感知された生理的特性値に基づかない背景信号に関する情報を得ることができる。本発明の他の例示的な実施形態において、プロセッサは、グルコースオキシダーゼで被覆された作用電極から受け取った第1の信号をグルコースオキシダーゼで被覆されていない作用電極から受け取った第2の信号と比較することによって、センサから受け取った複数の信号を特徴づけて、干渉化合物によって生み出された信号に関する情報を得ることができる。本発明の他の実施形態では、2つの作用電極がグルコースオキシダーゼで被覆されており、プロセッサは、グルコースオキシダーゼで被覆された2つの作用電極から受け取った信号を比較することによって、哺乳動物の体内のグルコース濃度に関する情報を得ることができる。
ある種のセンサ実施形態は、(例えば3、2または1秒未満の周期で)高電位と低電位の間を切り換わる。このような実施形態では、センサが放電しないことがあり、センサ要素が例えば一種のコンデンサとして機能する。この文脈において、本発明のいくつかの実施形態は、(例えば535ミリボルトなどの特定の電位に到達するのに放電が十分でない場合に)センサ回路の放電を容易にする回路放電要素を含む。当技術分野で知られているこのようなさまざまな回路放電要素を、本発明のセンサ実施形態とともに使用されるように適合させることができる(例えば米国特許第4,114,627号、第4,373,531号、第4,858,610号、第4,991,583号、第5,170,806号、第5,486,201号、第6,661,275号および米国特許出願第20060195148号を参照されたい)。任意選択で、例えば、放電スイッチ要素および任意選択の放電抵抗器要素を介してセンサの電荷を接続することによって、センサの電荷を除去することができる。
本発明のある種の実施形態は、分析物を検出するのにセンサのハイドレーションが十分かどうかを検出するプロセッサであって、インピーダンス値を計算し、そのインピーダンス値をしきい値と比較して、分析物を検出するのにそのセンサのハイドレーションが十分かどうかを判定することができる少なくとも1つのコンピュータプログラムが埋め込まれたコンピュータ使用可能媒体を備えるプロセッサを含む。本発明の1つの関連実施形態は、分析物を検出するのにセンサのハイドレーションが十分かどうかを検出する方法であり、この方法は、センサの少なくとも2つの電極間の開路電位値を計算すること、およびその開路電位値をしきい値と比較して、分析物を検出するのにそのセンサのハイドレーションが十分かどうかを判定することを含む。開路電位値は一般にインピーダンス値である(任意選択で、開路電位値が分極抵抗と溶液抵抗の和の近似値である)。任意選択で、開路電位値を別のしきい値と比較して、分析物を検出するのにそのセンサのハイドレーションが十分かどうかを判定する。これによって、ハイドレーションが十分でないセンサを使用者が初期化しようとしたときに起こる問題(例えばセンサの正確さおよび/または寿命が損なわれる問題)を解決することができる。
前述のとおり、ある種の架橋剤を使用して、例えば構造特性および化学特性の集合体を有する架橋されたポリペプチド層を生成させることができることが分かっており、そのため、ある種の文脈では(例えば重なり合った複数の機能層を有するセンサ装置のある層内でアルブミンなどの担体タンパク質とグルコースオキシダーゼなどの酵素とを架橋させるのに使用するときには)架橋剤は驚くほどに有用である。当技術分野で知られているとおり、架橋は、2つ以上の分子を共有結合によって化学的に接合するプロセスである。架橋化合物は一般に、架橋された化合物間をつなぐ鎖として機能するリンカ「アーム」と、タンパク質上または他の分子上の特定の官能基(例えば第一級アミン、スルフヒドリルなどを参照されたい)と反応する(一般にその化合物のアームの遠位端にある)少なくとも2つの化学部分とを含む。後に詳細に論じるが、さまざまな架橋剤が知られており、Pierce Biotechnology Inc.(米イリノイ州Rockford)などの供給会社からさまざまな架橋剤が販売されている(例えばビスN−スクシンイミジル−[ペンタエチレングリコール]エステル、Pierce Product No.21581を参照されたい)。
架橋剤は、ホモ二官能性またはヘテロ二官能性であることがある。ホモ二官能性架橋剤は全く同じ2つの反応基を有し、しばしばワンステップ反応手順で使用されて、タンパク質を互いに架橋させ、または四次構造を安定させる。2つの異なるタンパク質の結合が目標であるときであっても、ホモ二官能性試薬を用いたワンステップ架橋は、自己結合、分子内架橋および/または重合に帰着することがある。ヘテロ二官能性架橋剤は、逐次(2段階)結合を可能にしうる2つの異なる反応基を有し、このことが例えば、重合、自己結合などの望ましくない架橋反応を最小限に抑えるのに役立つことがある。ヘテロ二官能性試薬は例えば、アミンの修飾が問題となるときに使用することができる。これは例えば、アミンは時にタンパク質の活性部位に存在することがあり、アミンの修飾が活性の損失につながることがあるためである。スルフヒドリル、カルボキシル、フェノール、炭水化物などの他の部分がより適当なターゲットであることがある。
この文脈におけるツーステップ(すなわち逐次)架橋戦略は、そのアミンの修飾を許容しうるタンパク質を、アクセス可能な異なる基を有するタンパク質または他の分子に結合させることを可能にすることができる。逐次架橋手順では、ヘテロ二官能性試薬の最も不安定な基を最初に使用して、その架橋剤を一方のタンパク質と反応させることができる。反応していない過剰の架橋剤を除去した後、修飾された第1のタンパク質を、第2のタンパク質を含む溶液に加える。その溶液中で、架橋剤の第2の反応基による反応が起こる。一般的に使用されているヘテロ二官能性架橋剤には、アミン反応性のスクシンイミジルエステル(すなわちNHSエステル)を一端に有し、スルフヒドリル反応基を他端に有する二官能性架橋剤が含まれる。スルフヒドリル反応基は通常、マレイミド、ピリジルジスルフィドおよびα−ハロアセチルである。NHSエステルの反応性は水溶液中でより不安定であり、逐次架橋手順では通常、NHSエステルを最初に反応させる。NHSエステルはアミンと反応してアミド結合を形成する。
カルボジイミドは長さがゼロの架橋剤であり(例えばEDC、Pierce Product #22980、22981を参照されたい)、カルボン酸(−COOH)と第一級アミン(−NH)との間の直接結合を達成し、タンパク質−タンパク質結合において使用されている。他のヘテロ二官能性試薬には、熱反応性ではなく光反応性の1つの反応基を有するヘテロ二官能性化合物が含まれる。この化合物は、タンパク質:タンパク相互作用の研究において、およびターゲットとすることができる熱反応性官能基の可用性が分からない場合に有利なことがある。この反応性は、最初に、不安定な熱反応性基を特異的に付着させ、続いて、UV光による活性化によって、光反応性基を介した隣接するN−HまたはC−H部位への結合を開始させることを可能にする。光化学試薬の反応性は、基特異性の試薬では不可能なことがある結合体の形成を可能にする。
特定の文脈で使用する架橋剤は、その架橋剤の化学反応性(すなわち特定の官能基に対する特異性)、およびその反応と用途との間の適合性(例えば官能性グルコースオキシダーゼポリペプチドをアルブミンポリペプチドと架橋させることを参照されたい)に基づいて選択される。特定の用途に使用する特定の架橋剤は経験的に決定することができる。しかしながら、架橋剤は、これまでに特徴づけられている特性、例えば以下の特性のうちの1つまた複数の特性によって選択することができる:化学特異性、スペーサアームの長さ、試薬の水溶性および細胞膜透過性、反応基が同じ(ホモ二官能性)なのかまたは異なる(ヘテロ二官能性)のか、反応基が熱反応性なのかまたは光反応性なのか、試薬の架橋が切断可能かまたは否か、放射性同位元素または他の標識で標識することができる部分を試薬が含むかどうか。例示的な架橋化合物は例えば本願に引用して援用する米国特許出願第12/184,046号に示されている。
前述のとおり、本発明の実施形態は、本明細書に開示されたセンサ実施形態を製作する方法を含む。本明細書に開示されたセンサ実施形態を製作するある種の方法は、その形態、機能などを達成するために構成要素の濃度を正確に制御するステップを含む。例えば、GOxを使用するセンサでは、GOx層の形態を最適化するために、約20〜40KUの濃度範囲(および5%のヒト血清アルブミン)を使用することができる。本明細書に開示されたセンサ実施形態を製作する方法は、電極の表面に酸化還元酵素(例えばGOx組成物)をブラシ塗り法によって塗布するステップを含む。ブラシ塗り法は、反応面の近くに酸化還元酵素を配置することを容易にする。この文脈では、溶液の小滴を付着させるのではなしに、(例えばごく小さな絵筆と同等のブラシを用いて)電極の表面にGOxをブラシ塗りすること、および/またはペン型の装置を使用して電極の表面にGOxを書き入れることを使用することができる。溶液の小滴を付着させる手順は、(例えば小滴の表面張力によって)一様でない付着を生み出す恐れのある手順である。さらに、このようなブラシ塗りステップでは、電極のPt黒の入り組んだ反応面深くに組成物溶液を押し込むことができる。さらに、ブラシ塗りは、組成物を限局された位置により正確に付着させることができるため、スピンコーティングなどの方法よりも容易である。この文脈では、ブラシ塗りが、例えば、他の手段(例えばピペット法および/またはスピンコーティング法)による被覆になじまない小さな反応面の容易な被覆を可能にする。本発明のセンサを製作するある種の実施形態は、例えば空気を追い出し、基板への層の塗布を容易にするために、真空下で実行することができる。本発明のセンサを製作するある種の実施形態は、空気を追い出し塗布を容易にするために、架橋反応を真空下で実行するステップを含む。
前述のとおり、本明細書に開示されたセンサ実施形態を使用して、1つ以上の生理的環境内の関心の分析物を感知することができる。ある種の実施形態では例えば、皮下センサで一般的に実施されているように、センサを間質液と直接に接触させることができる。本発明のセンサを、間質液中のグルコースを皮膚を通して抽出し、センサと接触させる皮膚表面システムの部分とすることもできる(例えば、本願に引用して援用する米国特許第6,155,992号および第6,706,159号を参照されたい)。他の実施形態では、例えば静脈内センサで一般的に実施されているように、センサを血液と接触させることができる。本発明のセンサ実施形態はさらに、さまざまな文脈で使用されるように適合されたセンサ実施形態を含む。ある種の実施形態では例えば、外来通院している使用者(例えば日常活動を行っている糖尿病患者)によって使用されるセンサなどのように、センサを、使用者が移動する文脈で使用されるように設計することができる。あるいは、例えば臨床環境内で使用されるように適合されたセンサなどのように、センサを、使用者が動かない文脈で使用されるように、設計することもできる。このようなセンサ実施形態は例えば、入院患者(例えばPCT国際公開WO2008042625号に記載された状況などの状況で病院のベッドを利用している患者)の1つ以上の生理的環境内に存在する1種以上の複数の分析物を監視する目的に使用されるセンサ実施形態を含む。
さらに、本発明のセンサを、当技術分野で知られている多種多様な医療システムに組み込むことができる。例えば、使用者の体内に薬物が注入される速度を制御するように設計された閉ループ注入システム内で、本発明のセンサを使用することができる。このような閉ループ注入システムは、センサと、送達システムを操作するコントローラ(例えば薬物注入ポンプによって送達する投与量を計算するコントローラ)への入力を生み出す関連する計器とを含むことができる。このような文脈では、センサに関連づけられた計器がさらに送達システムにコマンドを送信することができ、センサに関連づけられた計器を使用して送達システムを遠隔制御することができる。このセンサは一般に、間質液と接触して使用者の体内のグルコース濃度を監視する皮下センサであり、送達システムによって使用者の体内に注入される液体はインスリンを含む。例示的なシステムが例えば、いずれも本願に引用して援用する米国特許第6,558,351号および第6,551,276号、PCT出願US99/21703号およびUS99/22993号、ならびにPCT国際公開WO2004/008956号およびWO2004/009161号に開示されている。
本発明のある種の実施形態は過酸化物を測定し、皮下および静脈内領域ならびにさまざまな非血管領域を含む、哺乳動物の体内のさまざまな部位に埋入するのに適しているという有利な特性を有する。非血管領域への埋入を可能にする過酸化物センサ設計は、非血管領域に埋入された酸素センサで生じうる酸素雑音の問題のため、酸素を測定するある種のセンサ装置設計よりも有利である。例えば、埋入されたこのような酸素センサ装置設計では、参照センサにおける酸素雑音が信号対雑音比を低下させることがあり、この低い信号対雑音比は結果的に、この環境内においてグルコースの安定した読みを得るセンサの能力を不安定にする。本発明のセンサはしたがって、非血管領域内の酸素センサで観察される困難を克服する。
本発明のある種のセンサ実施形態はさらに、哺乳動物の体内に30日を超える期間の間埋入するのに適した有利な長期または「永久(permanent)」センサを含む。具体的には、当技術分野で知られているとおり(例えばISO10993、Biological Evaluation of Medical Devicesを参照されたい)、本明細書に記載されたセンサなどの医療装置は、埋入継続時間に基づいて、(1)「Limited」(<24時間)、(2)「Prolonged」(24時間〜30日))および(3)「Permanent」(>30日)の3つのグループに分類することができる。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の過酸化物センサの設計が、この分類に基づく「Permanent」埋入(すなわち>30日)を可能にする。本発明の関連実施形態では、本発明の過酸化物センサの非常に安定した設計が、埋入されたセンサが、この点に関して、2、3、4、5、6または12カ月間機能し続けることを可能にする。
分析物センサ装置は一般に、センサの少なくとも作用電極エリアのワイヤ上に配置され、一般にその電極の一部または全部を覆う分析物感知層を含む。この分析物感知層は、感知しようとしている分析物の存在下で、ワイヤ内の作用電極における電流を検出可能に変更する。本明細書に開示されているとおり、この分析物感知層は一般に、作用電極における電流を調節しうる分子の濃度が変化するような態様で関心の分析物と反応する酵素または抗体分子などを含む(例えば図1の反応機構に示された酸素および/または過酸化水素を参照されたい)。例示的な分析物感知層は、グルコースオキシダーゼ(例えばグルコースセンサで使用される)、乳酸オキシダーゼ(例えば乳酸センサで使用される)などの酵素を含む。本発明のいくつかの実施形態では、分析物感知層が、センサの電極として機能する要素と組み合わされた多孔質の金属および/またはセラミックおよび/またはポリマーマトリックス上に配置される。丈夫な設計(例えば長期センサ)を必要とする本発明のある種の実施形態では、その比較的に強い材料特性のため、(ポリイミドではなく)セラミックベースが誘電体として使用される。
一般に、分析物感知層はさらに、担体タンパク質を、分析物感知化合物(例えば酵素)との実質的に固定された比率で含み、分析物感知化合物および担体タンパク質は分析物感知層の全体を通じて実質的に均一に分散される。分析物感知層は一般に非常に薄く、分析物感知層の厚さは例えば1、0.5、0.25または0.1ミクロン未満である。特定の科学的理論に縛られるものではないが、このような薄い分析物感知層を有するセンサは、一般に電着によって生み出されるより厚い層に比べて驚くほどに向上した特性を有すると考えられる。これは、電着が厚さ3〜5ミクロンの酵素層を生み出し、そのコーティング層内の反応性酵素の一部分だけが、感知しようとしている分析物にアクセスすることができるためでる。さらに、電着プロトコルによって生み出されたこのようなより厚いグルコースオキシダーゼペレットは、不十分な機械的安定性(例えば亀裂を生じやすい傾向)を有し、実際に使用する準備により長い時間がかかり、埋入する準備が整うまでに一般に数週間の試験が必要となることが観察されている。本明細書に記載された薄層状酵素コーティングではこれらの問題は観察されないため、これらの薄いコーティングは本発明の典型的な実施形態である。
任意選択で、分析物感知層は、分析物感知層上に配置されたタンパク質層を有し、タンパク質層は一般に、この分析物感知層と分析物調節層の間に配置される。タンパク質層内のタンパク質は、ウシ血清アルブミンとヒト血清アルブミンとからなるグループから選択されたアルブミンである。このタンパク質は一般に架橋される。特定の科学的理論に縛られるものではないが、この別個のタンパク質層は、センサ雑音(例えば背景偽信号)を減らす一種のコンデンサとして機能することによって、センサ機能を強化し、驚くべき機能上の利点を提供すると考えられる。例えば、本発明のセンサでは、分析物感知層の酵素と接触しうる分析物の量を調節するセンサの分析物調節膜層の下に、少量の水分が蓄積することがある。この水分が、センサを使用している患者が動いたときにセンサ内に移動する圧縮可能な層を形成することがある。このようなセンサ内への層の移動は、グルコースなどの分析物が分析物感知層内を移動する方法を、分析物の実際の生理的濃度とは無関係に変化させることがあり、それによって雑音が発生することがある。この文脈では、GOxなどの酵素がこの水分層と接触することを防ぐことにより、タンパク質層がコンデンサの働きをすることがある。このタンパク質層は、分析物感知層と分析物調節膜層の間の接着を促進するなど、いくつかの追加の利点を提供することもある。あるいは、この層が存在する結果、過酸化水素などの分子の拡散経路がより大きくなることがあり、それによって過酸化水素が電極の感知要素に局在し、センサ感度が向上することがある。
分析物感知層および/または分析物感知層上に配置されたタンパク質層は一般に、それらの層の上に配置された接着促進層を有する。このような接着促進層は、分析物感知層と隣接する層の間、一般に分析物感知層と分析物調節層の間の接着を促進する。この接着促進層は一般に、さまざまなセンサ層間の最適化された接着を促進するその能力によって選択されたγ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を含み、センサを安定させるように機能する。興味深いことに、シランを含むこのような接着促進層を有するセンサは、向上した全体安定性を含む予想外の特性を示す。さらに、シランを含む接着促進層は、センサの安定性を向上させることができることに加え、いくつかの有利な特性を提供し、例えば、干渉除去において、および1種類以上の所望の分析物の物質移動の制御において有益な役割を演じうる。本発明のある種の実施形態では、接着促進層がさらに、分析物調節層を通り抜けるグルコースなどの分析物の拡散を制限する役目を果たすポリジメチルシロキサン(PDMS)化合物など、隣接する層にも存在しうる1種類以上の化合物を含む。例えば接着促進層へのPDMSの添加は、センサが製造されるときに接着促進層に孔またはギャップが生じる可能性をPDMSが減らす文脈において有利であることがある。
接着促進層は一般に、接着促進層上に配置された分析物調節層を有し、分析物調節層は、分析物調節層を通り抜ける分析物の拡散を調節するように機能する。一実施形態では、分析物調節層が、センサの諸層を通り抜ける分析物(例えば酸素)の拡散を強化する役目を果たし、その結果として分析物感知層内の分析物濃度を高めるように機能する組成物(例えばポリマーなど)を含む。あるいは、分析物調節層は、センサの諸層を通り抜ける分析物(例えばグルコース)の拡散を制限する役目を果たし、その結果として分析物感知層内の分析物濃度を制限するように機能する組成物を含む。分析物調節層の例は、ポリジメチルシロキサンなどのポリマーを含む親水性グルコース制限膜(すなわちその膜を通り抜けるグルコースの拡散を制限するように機能する膜)である。本発明のある種の実施形態では、分析物調節層が、中心鎖と中心鎖に結合された複数の側鎖とを有し、少なくとも1つの側鎖がシリコーン部分を含む親水性の櫛形共重合体(comb−copolymer)を含む。
II.本発明の分析物センサ装置を製作するための例示的な方法および材料
いくつかの論文、米国特許および米国特許出願は、本明細書に開示された一般的な方法および材料を含む現状技術を記載しており、さらに、本明細書に開示されたセンサ設計内で使用することができるさまざまな要素(およびそれらの要素を製造する方法)を記載している。それらの論文、米国特許および米国特許出願には例えば、本願に引用してそれぞれの内容を援用する米国特許第6,413,393号、第6,368,274号、第5,786,439号、第5,777,060号、第5,391,250号、第5,390,671号、第5,165,407号、第4,890,620号、第5,390,671号、第5,390,691号、第5,391,250号、第5,482,473号、第5,299,571号、第5,568,806号、米国特許出願第20020090738号、ならびにPCT国際公開WO01/58348号、WO03/034902号、WO03/035117号、WO03/035891号、WO03/023388号、WO03/022128号、WO03/022352号、WO03/023708号、WO03/036255号、WO03/036310号およびWO03/074107号が含まれる。
さらに、糖尿病患者のグルコース濃度を監視する一般的なセンサは、シチリ他、「In Vivo Characteristics of Needle−Type Glucose Sensor−Measurements of Subcutaneous Glucose Concentrations in Human Volunteers」、Horm.Metab.Res.,Suppl.Ser.20:17〜20(1988)、ブラッケル他、「In Vivo Measurement of Subcutaneous Glucose Concentrations with an Enzymatic Glucose Sensor and a Wick Method」、Klin.Wochenschr.67:491〜495(1989)、およびピックアップ他、「In Vivo Molecular Sensing in Diabetes Mellitus:An Implantable Glucose Sensor with Direct Electron Transfer」、Diabetologia 32:213〜217(1989)に記載されている。他のセンサは例えば、本願に引用して援用するリーチ他のADVANCES IN IMPLANTABLE DEVICES、A.ターナー(ed.)、JAI Press、London、Chap.1、(1993)に記載されている。
A.分析物センサを製作する一般的な方法
本明細書に開示された本発明の一般的な一実施形態は、哺乳動物の体内に埋入するセンサ装置を製作する方法であり、この方法は、複数のワイヤを実質的に共通の方向に向けるステップと、ワイヤ上に電気絶縁カバー層を押出成形するステップと、それぞれのワイヤの絶縁カバー層の一部を除去して、電極エリア(一般に作用電極、参照電極および対電極)を形成するステップと、作用電極エリアのワイヤ上に分析物感知層を形成するステップであり、分析物感知層が、分析物の存在下で電極エリアのワイヤ上の電流を変更しうる組成物を含むステップと、任意選択で分析物感知層上にタンパク質層を形成するステップと、分析物感知層上または任意選択のタンパク質層上に接着促進層を形成するステップと、接着促進層上に分析物調節層を形成ステップであり、分析物調節層が、分析物調節層を通り抜ける分析物の拡散を調節する組成物を含むステップとを含む。
本明細書に開示したとおり、センサのこれらのさまざまな層は、さまざまな異なる特性を示すように製造することができ、それらの特性は、センサの特定の設計に従って操作することができる。例えば、接着促進層は、センサの構造全体を安定させるその能力によって選択された化合物、一般にシラン組成物を含む。本発明のいくつかの実施形態では、分析物感知層がスピンコーティング法によって形成され、高さ1、0.5、0.25および0.1ミクロン未満からなるグループから選択された厚さを有する。
センサを製作する方法は一般に、分析物感知層上にタンパク質層を形成するステップを含み、タンパク質層内のタンパク質は、ウシ血清アルブミンとヒト血清アルブミンとからなるグループから選択されたアルブミンである。センサを製作する方法は一般に、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼからなるグループから選択された酵素組成物を含む分析物感知層を形成するステップを含む。このような方法では、分析物感知層が一般に、担体タンパク質組成物を、酵素との実質的に固定された比率で含み、酵素および担体タンパク質を、分析物感知層の全体を通じて実質的に均一に分散させる。
B.分析物センサの製造において有用な一般的なプロトコルおよび材料
本明細書に提供された開示は、周知のさまざまな技法の組合せを使用して生み出すことができるセンサおよびセンサ設計を含む。
本発明のセンサは一般に、実質的に同じ方向に向けられた複数のワイヤの上に電気絶縁カバー層を押出成形することによって製作される。この絶縁カバーを適当ないくつかの方法によって除去して、それぞれのワイヤ上に電極エリアを形成することができる。適当な方法には例えば、レーザアブレーション、機械的除去および化学ストリッピングが含まれる。あるいは、ワイヤの電極エリアを除く部分に電気絶縁カバー層を付着させることができる選択的コーティング法を、絶縁カバー層の押出し成形時に使用することもできる。
本開示はさらに、ワイヤの電極エリアのところの表面エリアを、例えば電気めっき、粉末付着またはスパッタリングによって修飾することを提供する。レーザ微細加工、イオンビームエッチングなどの機械的/幾何学的修飾を使用することもできる。
本開示はさらに、これらのタイプのセンサに非常に薄い酵素コーティングを塗布する方法、および該方法によって製作されたセンサを提供する。本発明のこの極めて薄い酵素コーティングを形成する方法には、スピンコーティング法、浸漬/乾燥法、低剪断スプレー法、インクジェット印刷法、シルクスクリーン法などがある。当業者は、当技術分野の方法によって塗布された酵素コーティングの厚さを容易に決定することができるため、当業者は、本発明のこの極めて薄いコーティングを形成することができる方法を容易に識別することができる。このようなコーティングは一般に塗布後に蒸気架橋される。驚くべきことに、これらの方法によって製作されたセンサは、電着によって形成されたコーティングを有するセンサの材料特性よりも優れた材料特性を有し、そのような材料特性には、改良された耐用寿命、線形性、規則性および改良された信号対雑音比が含まれる。さらに、このような方法によって形成されたグルコースオキシダーゼコーティングを利用する本発明の実施形態は、過酸化水素を再循環させ、このようなセンサの生体適合性プロファイルを改良するように設計される。
スピンコーティング法などの方法によって生み出されたセンサはさらに、電着法中にセンサ上に生じる材料応力に関連する問題など、電着に関連した他の問題を回避する。具体的には、電着法は、機械的応力、例えば引張力および/または圧縮力に起因する機械的応力をセンサ上に生じさせることが観察されている。ある種の文脈では、このような機械的応力の結果、センサのコーティングが、亀裂または層間剥離を生じやすいある傾向を示すことがある。スピンコーティング法または他の低応力法によってセンサ上に配置されたコーティングでは、この問題は観察されていない。したがって、本発明の他の実施形態は、電着の影響によるセンサ上のコーティングの亀裂および/または層間剥離を回避する方法であり、この方法は、スピンコーティング法によってコーティングを塗布することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、酵素を含む層の上に付着させた分析物調節層を含む。分析物制限膜層を利用することにより活性センサ表面と接触する分析物(1種以上)の量を調節するのに使用されるのに加えて、外来物質によるセンサの汚損の問題も回避される。当技術分野で知られているとおり、分析物調節膜層の厚さは、活性の酵素に到達する分析物の量に影響を与えうる。したがって、分析物調節層の塗布は一般に、規定された処理条件下で実行され、分析物調節層の厚さは綿密に制御される。いくつかのタイプの共重合体、例えばシロキサンと非シロキサン部分の共重合体が特に有用であることが分かっている。これらの材料は、マイクロディスペンシングまたはスピンコーティングによって、制御された厚さに塗布することができる。さらに、パターニング技法およびフォトリソグラフィ技法によって、それらの材料の最終的なアーキテクチャを、本明細書に記載された不連続なその他の構造に合わせて設計することができる。これらの非シロキサン−シロキサン共重合体の例には、限定はされないが、ジメチルシロキサン−酸化アルケン共重合体、テトラメチルジシロキサン−ジビニルベンゼン共重合体、テトラメチルジシロキサン−エチレン共重合体、ジメチルシロキサン−シルフェニレン共重合体、ジメチルシロキサン−酸化シルフェニレン共重合体、ジメチルシロキサン−α−メチルスチレン共重合体、ジメチルシロキサン−炭酸ビスフェノールA共重合体、またはこれらの適当な組合せが含まれる。この共重合体の非シロキサン成分の重量パーセントは、有用な値を予め選択することができるが、この割合は一般に約40〜80wt%の範囲にある。上に挙げた共重合体の中では、非シロキサン成分を50〜55wt%含むジメチルシロキサン−炭酸ビスフェノールA共重合体が一般的である。これらの材料は、Petrarch Systems(米ペンシルバニア州Bristol)から購入することができ、この会社の製品カタログに記載されている。分析物制限膜層の役目を果たしうる他の材料には、限定はされないが、ポリウレタン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、シリコーンゴム、またはシロキサン−非シロキサン共重合体を含む適合するこれらの材料の組合せが含まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、センサ層の酵素と接触しうる分析物の量を調節することができる親水性膜コーティングを含む分析物調節層を塗布する方法によってセンサが製作される。例えば、電極上のグルコースオキシダーゼ酵素層と接触するグルコースの量を調節するグルコース制限膜を使用することができる。このようなグルコース制限膜は、このような目的に適していることが知られている多種多様な材料、例えばポリジメチルシロキサンなどのシリコーン、ポリウレタン、酢酸セルロース、Nafion、ポリエステルスルホン酸(例えばKodak AQ)、ヒドロゲルまたはこのような目的に適していることが当業者に知られている他の任意の膜から形成することができる。本発明のある種の実施形態では、分析物調節層が、中心鎖と中心鎖に結合された複数の側鎖とを有し、少なくとも1つの側鎖がシリコーン部分を含む親水性の櫛形共重合体を含む。過酸化水素の再循環機能を有するセンサに関する本発明のいくつかの実施形態では、グルコースオキシダーゼ酵素層上に配置された膜層が、センサが配置された環境への過酸化水素の放出を抑制し、過酸化水素分子と電極の感知要素の間の接触を容易にするように機能する。
本発明の方法のいくつかの実施形態では、分析物調節層と分析物感知層の間に、それらの層の接触を容易にするために接着促進層が配置され、接着促進層は、センサ装置の安定性を増大させるその能力によって選択される。本明細書で述べたとおり、接着促進層の組成物は、センサの安定性を提供する能力に加えて、いくつかの望ましい特性を提供するように選択される。例えば、接着促進層内で使用されるいくつかの組成物は、干渉除去においてある役割を演じるように、また、所望の分析物の物質移動を制御するように選択される。接着促進層は、このような層間の結合を容易にすることが当技術分野において知られている多種多様な材料のうちの任意の1つの材料から形成することができ、当技術分野で知られている多種多様な方法のうちの任意の1つの方法によって塗布することができる。接着促進層は一般に、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を含む。本発明のある種の実施形態では、接着促進層および/または分析物調節層が、隣接する層中に存在するシロキサン部分を架橋させるその能力によって選択された試剤を含む。本発明の他の実施形態では、接着促進層および/または分析物調節層が、隣接する層中に存在するタンパク質のアミン部分またはカルボキシル部分を架橋させるその能力によって選択された試剤を含む。任意選択の実施形態では、AP層がさらに、グルコース制限膜などの分析物調節層中に一般的に存在するポリマーであるポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。例示的な実施形態では、製剤がPDMSを0.5〜20%含み、一般的にはPDMSを5〜15%含み、最も一般的にはPDMSを10%含む。AP層へのPDMSの添加は、センサが製造されるときにAP層に孔またはギャップが生じる可能性をPDMSが減らす文脈において有利であることがある。
前述のとおり、センサ層間の接着を促進するために一般的に使用されているカップリング剤はγ−アミノプロピルトリメトキシシランである。通常は、このシラン化合物を適当な溶媒と混合して液体混合物を形成する。次いで、この液体混合物を、限定はされないが、スピンコーティング、浸漬コーティング、スプレーコーティングおよびマイクロディスペンシングを含む方法によって、ウェーハまたは平らな感知装置上に塗布しまたは確立することができる。マイクロディスペンシング法は、装置の予め選択された複数のエリアに材料の微小スポットを分配する自動化された方法として実施することができる。さらに、「リフトオフ」法、フォトレジストキャップの使用などのフォトリソグラフィ技法を使用して、結果として生じる選択透過膜(すなわち選択的な透過性を有する膜)の幾何形状を限局し画定することもできる。このシラン混合物を形成する際に使用するのに適した溶媒には、水性および水混和性有機溶媒、ならびにそれらの混合物が含まれる。アルコール性水混和性有機溶媒およびそれらの水性混合物は特に有用である。これらの溶媒混合物はさらに、例えば約200から約6,000の範囲の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含むことができる。この液体混合物にこの界面活性剤を、混合物1dL当たり約0.005から約0.2gの濃度で添加すると、結果として生じる薄膜を平坦にするのに役立つ。さらに、このシラン試薬を塗布する前のウェーハ表面にプラズマ処理を施すと、より平らな確立された層を促進する修飾された表面を得ることができる。このシラン化合物の溶液を調製する際に、水不混和性有機溶媒を使用することもできる。これらの有機溶媒の例には、限定はされないが、ジフェニルエーテル、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはこれらの混合物が含まれる。プロトン性溶媒またはその混合物を使用するときには、水は最終的にアルコキシ基の加水分解を引き起こして、縮合してポリ(有機シロキサン)を形成する有機ケイ素水酸化物を生ずる(特にn=1のとき)。これらの加水分解されたシラン試薬はさらに、基板表面に存在することがあるヒドロキシル基などの極性基と縮合することができる。非プロトン溶媒を使用するときには、大気中の水分だけで、シラン試薬上に当初存在するアルコキシ基を十分に加水分解することができることがある。このシラン化合物のR’基(n=1または2)は、続いて塗布する追加の層と機能上両立するように選択される。このR’基は通常、基板表面に酵素を共有結合させるのに有用な末端アミン基を含む(ムラカミ、T.他、Analytical Letters 1986、19、1973〜86に記載されているように、例えばグルタルアルデヒドなどの化合物を結合剤として使用することができる)。
センサの他のある種のコーティング層と同様に、接着促進層を、当技術分野で知られている1つ以上の適当な放射硬化ステップおよび/または化学硬化ステップおよび/または熱硬化ステップにかけることができる。代替実施形態では、接着促進層がなくても分析物調節膜層を、分析物感知層と直接に接触した状態に配置することを可能にするため、酵素層を十分に架橋させ、または他の方法で調製することができる。
本発明の例示的な一実施形態は、押出成形された絶縁コーティング層であって、電極エリアを形成するためにいくつかの部分が除去された絶縁コーティング層を有する数本のワイヤを用意し、少なくとも作用電極ワイヤの電極エリア上にスピンコーティングによって酵素層を塗布し、次いで分析物と接触する層(以後、分析物接触層)(例えばグルコース制限膜などの分析物調節層)をセンサ上に形成することによって、センサを製作する方法である。この分析物接触層は、酵素層と接触しうる分析物の量を調節する。いくつかの方法では、電極エリア上に酵素層を蒸気架橋させる。本発明の一般的な実施形態では、電極エリアが、少なくとも1つの作用電極および少なくとも1つの対電極を含む。ある種の実施形態では、作用電極の少なくとも一部分および対電極の少なくとも一部分に酵素層を形成する。センサ上に形成する酵素層の厚さは一般に、2、1、0.5、0.25または0.1ミクロン未満である。酵素層は一般に、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼもしくは乳酸デヒドロゲナーゼ、および/または同種の酵素などの1種類以上の酵素を含む。特定の方法では、酵素層が、ある固定された比率で組み合わされた担体タンパク質とともにセンサ層を被覆することによって安定化されたグルコースオキシダーゼを含む。この担体タンパク質は一般にアルブミンである。このような方法は一般に、グルコースオキシダーゼ層と分析物接触層の間に配置された接着促進層を形成するステップを含む。任意選択で、分析物接触層を形成する前に、接着促進層を硬化プロセスにかける。
上記の方法を使用していくつかのセンサを製作し、次いでレーザ法または機械的方法によって個々のセンサに単片化することができる。次いで、雑音の原因となるワイヤ先端の分析物に対する露出を防ぐため、ワイヤの先端を被覆することができる。ポリピロールなどのポリ(p−キシリレン)ポリマーまたは他の同種のコーティングを使用することができる。
III.本発明の分析物センサ装置を使用する方法
本発明の関連実施形態は、哺乳動物の体内の分析物を感知する方法であり、この方法は、本明細書に開示された分析物センサ実施形態を哺乳動物の体内に、例えば哺乳動物/患者の皮膚にセンサを挿入することにより埋入し、次いで作用電極における電流の変化などの1つ以上の電気的変動を感知し、この電流の変化を分析物の存在に関係づけて、分析物が感知されるようにすることを含む。この分析物センサは一般に、電流の変化を感知する作用電極が陽極であるように、陽極極性が付与されている。そのような1つの方法では、分析物センサ装置が哺乳動物の体内のグルコースを感知する。代替法では、分析物センサ装置が、乳酸塩、カリウム、カルシウム、酸素、pHならびに/または哺乳動物の体内の生理的に意義のある任意の分析物を感知する。
上で論じた構造を有するある種の分析物センサは、哺乳動物の体内の分析物を感知するさまざまな方法を可能にする非常に望ましいいくつかの特性を有する。例えば、そのような方法では、哺乳動物の体内に埋入された分析物センサ装置が、1、2、3、4、5または6カ月を超える期間にわたって哺乳動物の体内の分析物を感知するように機能する。哺乳動物の体内にそのように埋入された分析物センサ装置は一般に、分析物に応答した電流の変化を、分析物がセンサと接触してから15、10、5または2分以内に感知する。このような方法では、哺乳動物の体内のさまざまな位置、例えば血管空間と非血管空間の両方にセンサを埋入することができる。
本発明の他の実施形態では、本発明に基づくワイヤ状センサを挿入することによってセンサ挿入部位における組織の外傷を防ぐ方法が開示される。上で論じたとおり、本発明に基づくワイヤ状センサは、層状センサよりも小さくし、層状センサよりも目立たないようにすることができる。ある種の実施形態では、針を使用してセンサを挿入する。この針はセンサと接触し、針とセンサは一緒に挿入されることが好ましい。次いで、針を取り出して、センサを患者の体内に残す。外傷をさらに減らすため、本発明に従って、本明細書で論じたように、無針挿入を使用することができる。針を使用せずにセンサを挿入すると、実際の針を使用することによって起こる外傷を防ぐことができ、挿入点が非常に小さくなる。センサの信号を監視装置、送信器または他の電子部品に送信することができるように、挿入法と一緒に、上で論じた取付けベースを使用することもできる。
VI.本発明のキットおよびセンサセット
本発明の他の実施形態では、前述の分析物を感知するのに役立つキットおよび/またはセンサセットが提供される。このキットおよび/またはセンサセットは一般に、容器、ラベルおよび前述の分析物センサを含む。適当な容器には例えば、金属箔、瓶、バイアル瓶、注射器、試験管などの材料から製作された開けやすいパッケージが含まれる。容器は、金属(例えば箔)、紙製品、ガラス、プラスチックなど、さまざまな材料から形成することができる。容器上の、または容器に関連づけられたラベルは、そのセンサが選択の分析物を検定するために使用されることを示す。いくつかの実施形態では、容器が、グルコースオキシダーゼなどの酵素の層で被覆された多孔質のマトリックスを保持する。このキットおよび/またはセンサセットはさらに、商業的視点および使用者の視点から望ましい他の材料を含むことができ、これには、分析物環境へのセンサの導入を容易にするように設計された要素または装置、他の緩衝液、希釈液、フィルタ、針、注射器、および使用説明書を含む添付文書が含まれる。
本明細書の全体を通じて、さまざまな発表物の引用を参照した。さらに、本発明のさまざまな実施形態をより明確に記述するために、関連技術からのある種の文章を本明細書に転載した。本明細書の全ての引用の開示は、参照によって本明細書に明白に組み込まれる。

Claims (33)

  1. 第1の端部および第2の端部を有する複数のセンサワイヤを備え、それぞれのセンサワイヤが実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤが導電性であり、前記複数のセンサワイヤが、
    第1の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第1のセンサワイヤであり、前記第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリアを画定する第1のセンサワイヤと、
    第2の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第2のセンサワイヤであり、前記第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリアを画定する第2のセンサワイヤと、
    第3の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第3のセンサワイヤであり、前記第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリアを画定する第3のセンサワイヤと
    を含むことを特徴とする分析物センサ。
  2. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤがさらに、
    第4の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第4のセンサワイヤであり、前記第4の電気絶縁カバーの開口部が第2の作用電極エリアを画定する第4のセンサワイヤを含むことを特徴とする分析物センサ。
  3. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤがリボンワイヤ構成に配列されていることを特徴とする分析物センサ。
  4. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤが束構成に配列されていることを特徴とする分析物センサ。
  5. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤが積重ね構成に配列されていることを特徴とする分析物センサ。
  6. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤが、円筒形の心材の周りにコイル状に巻き付いていることを特徴とする分析物センサ。
  7. 請求項6に記載の分析物センサであって、前記円筒形の心材が、被覆されたポリマー、ヒドロゲルおよび形状記憶合金からなるグループから選択された材料であることを特徴とする分析物センサ。
  8. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記第1のセンサワイヤおよび前記第3のセンサワイヤがそれぞれ、白金、イリジウム、酸化イリジウムおよびパラジウムからなるグループから個別に選択された材料を含むことを特徴とする分析物センサ。
  9. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記第2のセンサワイヤが、銀、塩化銀および銀と塩化銀の組合せからなるグループから選択された材料を含むことを特徴とする分析物センサ。
  10. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記第1の電気絶縁カバー、前記第2の電気絶縁カバーおよび前記第3の電気絶縁カバーがそれぞれ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)およびPFA(ペルフルオロアルコキシ)からなるグループから個別に選択された材料を含むことを特徴とする分析物センサ。
  11. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤのうちの少なくとも1本のセンサワイヤが形状記憶合金を含むことを特徴とする分析物センサ。
  12. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記第1のセンサワイヤの前記作用電極エリアのところの露出した部分が、白金黒、多孔質白金、イリジウム、酸化イリジウムおよびポリピロールからなるグループから選択された電極コーティングで被覆されていることを特徴とする分析物センサ。
  13. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記第1のセンサワイヤの前記作用電極エリアのところの露出した部分が、表面積が増大するように修飾されていることを特徴とする分析物センサ。
  14. 請求項13に記載の分析物センサであって、前記第1のセンサワイヤの前記作用電極エリアのところの露出した部分が、多孔質金属および多孔質ポリマーからなるグループから選択された1種類以上の成分で少なくとも部分的に被覆されていることを特徴とする分析物センサ。
  15. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記第1のワイヤの前記作用電極エリアのところの露出した部分が、グルコースオキシダーゼを含む分析物感知層で被覆されていることを特徴とする分析物センサ。
  16. 請求項15に記載の分析物センサであって、前記分析物感知層が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む分析物調節層で被覆されていることを特徴とする分析物センサ。
  17. 請求項16に記載の分析物センサであって、前記分析物感知層が、前記分析物調節層の下にある接着促進層で被覆されており、前記接着促進層がシラン化合物を含むことを特徴とする分析物センサ。
  18. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤのうちの少なくとも1本のセンサワイヤが、そのセンサワイヤの電気絶縁カバーに、第2の電極エリアを画定する第2の開口部を有することを特徴とする分析物センサ。
  19. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤが、第1の側面および前記第1の面の反対側の第2の側面を有し、前記作用電極エリアが前記第1の側面にあり、前記対電極エリアおよび前記参照電極エリアが前記第2の側面にあることを特徴とする分析物センサ。
  20. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤが、前記複数のセンサワイヤの前記第1の端部に先端を有し、前記先端が前記電気絶縁カバーによって覆われておらず、前記先端が先端被覆層によって被覆されていることを特徴とする分析物センサ。
  21. 請求項20に記載の分析物センサであって、前記先端被覆層がポリ(p−キシリレン)ポリマーを含むことを特徴とする分析物センサ。
  22. 請求項1に記載の分析物センサであって、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤの、そのワイヤの前記電極エリアと電気的に連通した接点を画定する部分が、前記電気絶縁カバーから露出しており、前記接点が実質的に、前記複数のセンサワイヤの前記第2の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの前記第2の端部にあり、前記電極エリアが実質的に、前記複数のセンサワイヤの前記第1の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの前記第1の端部にあることを特徴とする分析物センサ。
  23. 患者の皮膚の表面に配置されるように適合された取付けベースであり、開口およびコネクタ部分を含む取付けベースと、
    前記取付けベース内に収容された請求項1に記載の分析物センサであり、前記取付けベースの前記コネクタ部分と電気的に連通する接点を画定するために、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤの、前記複数のセンサワイヤの前記第2の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの前記第2の端部が、そのセンサワイヤの電気絶縁カバーから露出している分析物センサと
    を備え、
    少なくとも前記分析物センサの前記第1の端部が、前記取付けベースの前記開口から、前記ベースから実質的に90度の角度で延出している
    ことを特徴とするセンサセット。
  24. 請求項23に記載のセンサセットであって、前記取付けベースから延出した前記分析物センサの部分を実質的に覆うカニューレをさらに備えることを特徴とするセンサセット。
  25. 請求項23に記載のセンサセットであって、前記取付けベースの前記コネクタ部分に接続可能な送信器であり、前記分析物センサから信号を受け取るように適合された送信器をさらに備えることを特徴とするセンサセット。
  26. 請求項25に記載のセンサセットであって、前記送信器が、送信器凹部および前記凹部内の送信器ピンを含み、前記送信器凹部および前記送信器ピンが、前記送信器凹部に前記取付けベースの前記コネクタ部分が挿入されたときに前記送信器を前記分析物センサに電気的に接続するためのものであることを特徴とするセンサセット。
  27. 請求項26に記載のセンサセットであって、前記取付けベースの前記コネクタ部分が、前記分析物センサの前記電極エリアと電気的に連通した導電性のピンを含み、前記導電性ピンが、前記送信器ピンに接続するように適合されていることを特徴とするセンサセット。
  28. 請求項27に記載のセンサセットであって、前記複数のセンサワイヤのうちのそれぞれのセンサワイヤの、そのワイヤの前記電極エリアと電気的に連通した接点を画定する部分が、前記電気絶縁カバーから露出しており、前記接点が実質的に、前記複数のセンサワイヤの前記第2の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの前記第2の端部にあり、前記電極エリアが実質的に、前記複数のセンサワイヤの前記第1の端部の近くまたは前記複数のセンサワイヤの前記第1の端部にあり、前記接点が、前記導電性ピンに電気的に接続するように適合されていることを特徴とするセンサセット。
  29. 請求項27に記載のセンサセットであって、前記取付けベースが金属インサートをさらに含み、前記分析物センサが前記取付けベースに収容されたときに、前記複数の導電性ワイヤのうちのそれぞれの導電性ワイヤの前記電気絶縁カバーに、前記電極エリアが前記金属インサートと電気的に連通するような孔をあけるように、前記金属インサートが適合されており、前記金属インサートが、前記導電性ピンに電気的に接続するように適合されていることを特徴とするセンサセット。
  30. センサ挿入部位における組織の外傷を防ぐ方法であって、患者の皮膚に分析物センサを挿入することを含み、前記分析物センサが、
    第1の端部および第2の端部を有する複数のセンサワイヤを含み、それぞれのセンサワイヤが実質的に共通の向きに配列されており、前記複数のセンサワイヤが導電性であり、前記複数のセンサワイヤが、
    第1の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第1のセンサワイヤであり、前記第1の電気絶縁カバーの開口部が作用電極エリアを画定する第1のセンサワイヤと、
    第2の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第2のセンサワイヤであり、前記第2の電気絶縁カバーの開口部が参照電極エリアを画定する第2のセンサワイヤと、
    第3の電気絶縁カバーによって実質的に覆われた第3のセンサワイヤであり、前記第3の電気絶縁カバーの開口部が対電極エリアを画定する第3のセンサワイヤと
    を含むことを特徴とする方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、前記分析物センサを挿入することが、
    前記患者の皮膚に、前記分析物センサと接触した針を挿入すること、および
    前記患者の皮膚内に前記センサが残るような態様で、前記患者の皮膚から針を取り出すこと
    を含むことを特徴とする方法。
  32. 請求項30に記載の方法であって、前記分析物センサを挿入することが針を使用せずに実施されることを特徴とする方法。
  33. 請求項30に記載の方法であって、
    前記患者の皮膚の表面に取付けベースを配置することをさらに含み、前記取付けベースが開口およびコネクタ部分を含み、前記取付けベース内には前記分析物センサが収容されており、少なくとも前記分析物センサの前記第1の端部が、前記取付けベースの前記開口から、前記ベースから実質的に90度の角度で延出し、前記患者の皮膚内へ延びる
    ことを特徴とする方法。
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