JP2018535240A - ベンゾピラン誘導体の精製方法、ベンゾピラン誘導体の結晶形およびベンゾピラン誘導体の結晶形の製造方法 - Google Patents

ベンゾピラン誘導体の精製方法、ベンゾピラン誘導体の結晶形およびベンゾピラン誘導体の結晶形の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、非晶質体の(2R,3R,4S)−6−アミノ−4−[N−(4−クロロフェニル)−N−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ジメトキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピランを結晶形に転換する工程を含む、(2R,3R,4S)−6−アミノ−4−[N−(4−クロロフェニル)−N−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ジメトキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピランの精製方法を提供する。また、本発明は、(2R,3R,4S)−6−アミノ−4−[N−(4−クロロフェニル)−N−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ジメトキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピランの新規結晶形およびその製造方法を提供する。

Description

本発明は、粗ベンゾピラン誘導体の精製方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、非晶形の粗ベンゾピラン誘導体を結晶形に転換する工程を含む、ベンゾピラン誘導体の精製方法に関する。また、本発明は、前記ベンゾピラン誘導体の新規結晶形およびその製造方法に関する。
以下の化学式1で表されるベンゾピラン誘導体は、その化学名が(2R,3R,4S)−6−アミノ−4−[N−(4−クロロフェニル)−N−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ジメトキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピランで表され、がん、関節リウマチなどに治療効果を有する化合物として知られている(韓国特許第10−0492252号)。また、化学式1の化合物は、低分子物質を基剤とした点眼剤としても調製することができ、抗体注射療法のように患部に直接注射することを必要とせずに、黄斑変性の予防および治療に有用に適用することができる(韓国特許公開第10−2012−0112162号)。
化学式1で表される化合物の製造方法は、韓国特許第10−0492252号に開示されている。具体的には、化学式1で表される化合物の製造方法は、以下の反応式1に示すように、化学式4aのオレフィン化合物を化学式3aのエポキシド化合物に転換する工程;化学式3aのエポキシド化合物を(4−クロロフェニル)(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミンと反応させて化学式2aの化合物を得る工程;および化学式2aの化合物を還元して化学式1の化合物を得る工程を含む。
前記製造方法で製造された化学式1の化合物は、還元によって得られた反応混合物を濾過して固体を除去し、濾液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって単離される。
本発明者らは、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造された化学式1の化合物について分析を行った結果、得られた生成物の純度が低く(無水物として97wt/wt%以下)かつ含水量が高い(1wt/wt%以上)ことを見出した。特に、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造された化学式1の化合物は、製造過程に由来する残留不純物(例えば、有機不純物、無機不純物、残留溶媒など)または製造直後に分解された分解産物を含むため、その純度は、食品医薬品安全処の医薬品認可規定に準拠した適切な範囲(例えば、99.0%以上)に合致せず、医薬有効成分として直接使用することができないという問題があった。また、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造された化学式1の化合物は、非常に高い吸湿性も示す。例えば、この化合物の含水量は、加速条件下において1日で2.30wt/wt%にまで増加するため、厳しい保存条件が要求される。さらに、製造直後の生成物自体も高い含水量を示すことから、医薬有効成分としての使用に適さない。
本発明者らは、先行技術による方法に従って製造されたベンゾピラン誘導体(すなわち、化学式1で表される粗化合物)の純度が低く、含水量が高い(さらに吸湿性も高い)という問題を根本的に解決することができる製造方法を開発するために様々な研究を行った。驚くべきことに、先行技術による方法(韓国特許第10−0492252号)に従って製造された生成物は非晶質形態で得られることが見出された。さらに、この非晶質生成物を結晶形(例えば、特定のXRPDパターン、特定のDSCサーモグラムまたは特定のTGAサーモグラムを示す結晶形A)に転換した場合、生成物の純度を顕著に増加させることができ、得られた結晶形の残留含水量を顕著に低下させて0.2wt/wt%以下にすることができることが見出された。また、得られた結晶形は実質的に吸湿性を示さないことから、吸湿性を示す非晶質形態に伴う問題を根本的に解決することができることが見出された。
したがって、本発明は、粗ベンゾピラン誘導体(すなわち、化学式1で表される化合物)を結晶形に転換する工程を含む、化学式1で表される化合物の精製方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、化学式1で表される化合物の結晶形を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、化学式1で表される粗化合物を結晶形に転換する工程を含む、化学式1で表される化合物の精製方法が提供される。
本発明の別の一態様によれば、化学式1で表される化合物の結晶形が提供される。一実施形態において、化学式1で表される化合物の結晶形は、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する結晶形Aであってもよい。
本発明のさらに別の一態様によれば、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、化学式1で表される非晶質化合物を有機溶媒に溶解して溶液を得る工程;前記溶液を撹拌、蒸留もしくは冷却して固体を形成させるか、または前記溶液を蒸留した後に冷却して固体を形成させる工程;および前記固体を単離する工程を含む方法が提供される。
本発明のさらに別の一態様によれば、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、化学式1で表される非晶質化合物を有機溶媒に溶解して溶液を得る工程;前記溶液を貧溶媒に加えて固体を形成させるか、または貧溶媒を前記溶液に加えて固体を形成させる工程;および前記固体を単離する工程を含む方法が提供される。
本発明のさらに別の一態様によれば、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、化学式1で表される非晶質化合物に酸を加えて水中に溶解させて溶液を得る工程;前記溶液に塩基を加えて固体を形成させる工程;および前記固体を単離する工程を含む方法が提供される。
先行技術による方法(すなわち、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法)により得られる化学式1の化合物は、純度が低く、含水量が高い(さらには吸湿性が高い)非晶質形態で得られることが本発明により見出された。本発明の精製方法によれば、純度が高くかつ含水量が低い結晶形で化学式1の化合物を提供することができる。また、本発明の精製方法は、大規模工業生産に容易に適用することができるという利点を有する。さらに、前記結晶形(例えば、化学式1の化合物の結晶形A)は、特定のXRPDパターン、特定のDSCサーモグラムまたは特定のTGAサーモグラムを示し、製造直後に優れた特性を示す(すなわち、純度が高く、かつ含水量が低い)。特に、化学式1の化合物の結晶形Aは、実質的に吸湿性を示さず、加熱加速条件下でも結晶度が変化することなく安定な形態を維持することができる。したがって、化学式1の化合物の結晶形Aは、治療投与形態への製剤化に適した特性を有しており、このことから、医薬有効成分を損失することなく長期保存可能な製剤を効率的に調製できるという利点がある。
韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造されたベンゾピラン誘導体(すなわち化学式1の化合物)のH−NMRスペクトルを示す。 韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造されたベンゾピラン誘導体(すなわち化学式1の化合物)のXRPDスペクトルを示す。 韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造されたベンゾピラン誘導体(すなわち化学式1の化合物)のDSCサーモグラムを示す。 韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造されたベンゾピラン誘導体(すなわち化学式1の化合物)のTGAサーモグラムを示す。 本発明に従って製造された化学式1で表される化合物の結晶形AのH−NMRスペクトルを示す。 本発明に従って製造された化学式1で表される化合物の結晶形AのXRPDスペクトルを示す。 本発明に従って製造された化学式1で表される化合物の結晶形AのDSCサーモグラムを示す。 本発明に従って製造された化学式1で表される化合物の結晶形AのTGAサーモグラムを示す。
本発明は、化学式1で表される粗化合物を結晶形に転換する工程を含む、化学式1で表される化合物の精製方法を提供する。
本明細書において「化学式1の粗化合物」とは、無水物としての化学式1の化合物の含量が97wt/wt%以下、好ましくは98wt/wt%未満である化合物を意味する。例えば、化学式1の粗化合物は、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って得られる化合物であってもよい。一実施形態において、化学式1の粗化合物は、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って得られる化学式1の非晶質化合物であってもよい。
先行技術による方法(すなわち、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法)により得られる化学式1の化合物は、純度が低く、含水量が高い(さらには吸湿性が高い)非晶質形態で得られることが本発明により見出された。本発明の精製方法によれば、純度が高くかつ含水量が低い結晶形で化学式1の化合物を提供することができる。また、本発明の精製方法は、大規模工業生産に容易に適用することができるという利点を有する。本明細書において「純度が高い化学式1の化合物」とは、無水物としての化学式1の化合物の含量が98wt/wt%以上、好ましくは99wt/wt%以上である化学式1の化合物を意味する。また、「含水量が低い化学式1の化合物」とは、含水量が0.5wt/wt%以下、好ましくは0.3wt/wt%以下、より好ましくは0.2wt/wt%以下である化学式1の化合物を意味する。
本発明の精製方法において、前記結晶形は結晶形Aであってもよく;結晶形Aは2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置に特徴的なピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを有していてもよい。好ましくは、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、16.48°、17.89°、18.89°、19.06°、19.31°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有していてもよい。より好ましくは、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、図6に示すXRPDパターンを有していてもよい。
また、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、240℃〜250℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示すものであってもよく、例えば図7に示すDSCサーモグラムを示すものであってもよい。
また、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、300℃〜310℃で重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを示すものであってもよく、例えば図8に示すTGAサーモグラムを示すものであってもよい。
本発明は化学式1で表される化合物の結晶形を提供する。
化学式1で表される化合物の結晶形Aは、製造直後に優れた特性を示す(すなわち、純度が高く、かつ含水量が低い)。特に、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、実質的に吸湿性を示さず、加熱加速条件下でも結晶度が変化することなく安定な形態を維持することができる。したがって、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、治療投与形態への製剤化に適した特性を有しており、このことから、医薬有効成分を損失することなく長期保存可能な製剤を効率的に調製できるという利点がある。
本明細書において「実質的に吸湿性を示さない化合物」とは、加速条件下(40℃、75%RH)で2週間保存した場合における含水量の変化(Δ含水量=2週間保存後の含水量−保存開始時の含水量)が0.05wt/wt%以下、好ましくは0.03wt/wt%以下、より好ましくは0.02wt/wt%以下である化合物;または加熱条件下(100℃)で2週間保存した場合の含水量の変化(Δ含水量=2週間保存後の含水量−保存開始時の含水量)が0.05wt/wt%以下である化合物;または湿潤条件下(25℃、98%RH)で2週間保存した場合の含水量の変化(Δ含水量=2週間保存後の含水量−保存開始時の含水量)が0.3wt/wt%以下、好ましくは0.2wt/wt%以下である化合物を意味する。
化学式1で表される化合物の結晶形は、結晶形Aであってもよく;結晶形Aは、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有していてもよい。好ましくは、化学式1で表される化合物の結晶形は、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、16.48°、17.89°、18.89°、19.06°、19.31°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有していてもよい。より好ましくは、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、図6に示すXRPDパターンを有していてもよい。
また、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、240℃〜250℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示すものであってもよく、例えば図7に示すDSCサーモグラムを示すものであってもよい。
また、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、300℃〜310℃で重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを示すものであってもよく、例えば図8に示すTGAサーモグラムを示すものであってもよい。
本発明は、大規模工業生産に容易に適用することができる、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法を提供する。
本発明の化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法は、出発物質として化学式1の非晶質化合物を使用するが、この非晶質化合物は、韓国特許第10−0492252号に開示されている方法に従って製造されたものであってもよい。
一実施形態において、本発明は、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、化学式1で表される非晶質化合物を有機溶媒に溶解して溶液を得る工程;前記溶液を撹拌、蒸留もしくは冷却して固体を形成させるか、または前記溶液を蒸留した後に冷却して固体を形成させる工程;および前記固体を単離する工程を含む方法(すなわち、再結晶化による製造方法)を提供する。前記有機溶媒は、化学式1で表される非晶質化合物を溶解させることができる溶媒であればどのようなものであってもよく、1種の有機溶媒を使用してもよく、2種以上の有機溶媒の組み合わせを使用してもよい。例えば、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される1種以上であってもよい。好ましくは、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびメチルエチルケトンからなる群から選択される1種以上であってもよい。前記溶解は、室温から使用溶媒の還流温度までの温度範囲で行ってもよい。前記固体の形成は、前記溶液を撹拌、蒸留もしくは冷却することによって行ってもよく、または前記溶液を蒸留して溶媒の量を減少させた後、得られた溶液を冷却することによって行ってもよい。前記固体(すなわち結晶形)の単離は、通常の濾過(例えば、減圧濾過)、乾燥(例えば、約50℃での乾燥)などによって行ってもよい。
別の一実施形態において、本発明は、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、化学式1で表される非晶質化合物を有機溶媒に溶解して溶液を得る工程;前記溶液を貧溶媒に加えて固体を形成させるか、または貧溶媒を前記溶液に加えて固体を形成させる工程;および前記固体を単離する工程を含む方法(すなわち、溶媒/貧溶媒を用いる製造方法)を提供する。前記有機溶媒は、化学式1で表される非晶質化合物を溶解させることができる溶媒であればどのようなものであってもよく、1種の有機溶媒を使用してもよく、2種以上の有機溶媒の組み合わせを使用してもよい。例えば、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される1種以上であってもよい。前記溶解は、室温から使用溶媒の還流温度までの温度範囲で行ってもよい。前記貧溶媒は、水、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルおよびトルエンからなる群から選択される1種以上であってもよいが、これらに限定されない。前記固体(すなわち結晶形)の単離は、通常の濾過(例えば、減圧濾過)、乾燥(例えば、約50℃での乾燥)などによって行ってもよい。
さらにまた別の一実施形態において、本発明は、化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、化学式1で表される非晶質化合物に酸を加えて水中に溶解させて溶液を得る工程;前記溶液に塩基を加えて固体を形成させる工程;および前記固体を単離する工程を含む方法(すなわち、pH調整による結晶化を利用した製造方法)を提供する。前記酸は、pHを酸性に調整可能な酸であればどのようなものであってもよい。例えば、前記酸は、塩酸、酢酸およびギ酸からなる群から選択される1種以上であってもよいが、これらに限定されない。また、前記塩基は、使用した酸を中和して固体を形成させることができる塩基であればどのようなものであってもよい。例えば、前記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択される1種以上であってもよいが、これらに限定されない。前記酸および/または塩基は、通常、水溶液の形態で使用することができる。
本発明の化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法により得られる結晶形は、結晶形Aで得られる。結晶形Aは、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置に特徴的なピークを有するXRPDパターンを有していてもよい。好ましくは、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、16.48°、17.89°、18.89°、19.06°、19.31°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有していてもよい。より好ましくは、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、図6に示すXRPDパターンを有していてもよい。また、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、240℃〜250℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示すものであってもよく、例えば図7に示すDSCサーモグラムを示すものであってもよい。また、化学式1で表される化合物の結晶形Aは、300℃〜310℃で重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを示すものであってもよく、例えば図8に示すTGAサーモグラムを示すものであってもよい。
以下、実施例および試験例を参照することによって本発明をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例および試験例は、本発明を一例として説明するためのものであり、本発明の範囲はこれらによって限定されない。
以下の実施例および試験例において、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は以下の条件で行った。
−分析カラム:C18、4.6×250mm、5μm
−移動相:緩衝液/アセトニトリル=40/60(v/v)
−緩衝液:ギ酸アンモニウム(0.657g)を秤取し、1Lのメスフラスコに入れ、標線まで水を加えてギ酸アンモニウムを溶解させた。得られた溶液のpHを希ギ酸でpH5.5±0.2に調整した。
−波長:254nm
−カラム温度:30℃
−流速:1.0mL/分
−注入量:10μL
PANalytical社製のエキスパートプロ粉末X線回折装置を用いて粉末X線粉末回折(XRPD)分析を行った。40mAおよび40kVの条件で発生させたCuKα1線(λα1=1.54060Å)を使用し、2θ角走査範囲3〜80°、走査速度3°/秒の条件で測定を行った。
メトラー・トレド社製のDSC 823e示差走査熱量計を用いて示差走査熱量測定(DSC)分析を、開始温度10℃、終了温度300℃、加熱速度10℃/分、およびパージ用窒素ガスの流速50mL/分の条件で行った。
メトラー・トレド社製のTGA/SDTA 851熱重量分析計を用いて熱重量分析(TGA)を、開始温度25℃、終了温度700℃、および加熱速度10℃/分の条件で行った。
製造例:(2R,3R,4S)−6−アミノ−4−[N−(4−クロロフェニル)−N−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ジメトキシメチル−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン(化学式1の化合物)
公知の方法(韓国特許第10−0492252号の実施例23)に従って製造を行った。前記特許文献に記載のニトロ化合物(52.10g、106.56mmol)をメタノール(300mL)に溶解し、10%Pd/C(5.0g)を加えた。3気圧のH雰囲気下で12時間かけて水素化を行った。セライトパッドで反応液を濾過して固体を除去し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=5:95(v/v))で精製して、表題化合物36.52g(収率:75%)を得た。得られた生成物の融点、純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)、含水量およびH−NMRスペクトル(図1)を以下に示す。
融点:191〜195℃
純度:96.96wt/wt%
含水量:1.05wt/wt%
1H-NMR(400 MHz, CD3OD) δ (ppm) : 1.309(s. 3H), 3.509(s. 3H), 3.554(s. 3H), 4.288(m. 2H), 4.443-4.492(d. 2H), 4.964-4.988(d. 1H), 6.437-6.442(d. 1H), 6.562-6.591(m, 1H), 6.626-6.647(d, 1H), 6.727-6.746(d, 2H), 6.925(s, 2H), 7.025-7.047(d, 2H).
また、得られた生成物のXRPDスペクトル、DSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを図2〜図4にそれぞれ示す。測定したXRPDスペクトルにおいて、回折角度、結晶面間距離および相対強度を示す特徴的なピークは観察されなかったことから、得られた生成物は非晶質化合物であることがわかった。また、得られた生成物は、約148℃〜約158℃に発熱ピークを有し、約229℃〜約239℃に吸熱ピークを有するDSCパターンを示し(図3)、約100℃〜約110℃および約274℃〜約284℃において特徴的な重量減少を示すTGAパターンを示した(図4)。
実施例1:再結晶化による化学式1の化合物の精製およびその特性分析
前記製造例で得られた化学式1の化合物(5.00g)を還流下でメタノール(50mL)に溶解させた。得られた溶液を蒸留して固体を形成させ、室温まで冷却させた後、減圧下で濾過した。得られた固体を50℃で18時間真空乾燥して、化学式1の化合物3.53gを得た(収率:70.60%)。得られた生成物の融点、純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)、含水量およびH−NMRスペクトル(図5)を以下に示す。
融点:227〜231℃
純度:99.43wt/wt%
含水量:0.16wt/wt%
1H-NMR(400 MHz, CD3OD) δ (ppm) : 1.310(s. 3H), 3.508(s. 3H), 3.552(s. 3H), 4.289(m. 2H), 4.442-4.493(d. 2H), 4.966-4.989(d. 1H), 6.436-6.442(d. 1H), 6.560-6.588(m, 1H), 6.625-6.647(d, 1H), 6.727-6.746(d, 2H), 6.923(s, 2H), 7.024-7.046(d, 2H).
また、得られた生成物のXRPDスペクトル、DSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを図6〜図8にそれぞれ示す。測定されたXRPDスペクトルにおいて観察された回折角度(2θ:°)、結晶面間距離(d)および相対強度(最大ピークの強度(I)に対する各ピークの相対強度(I)、I/I)を以下の表1に示す。
表1の結果から特徴的なピークを示す結晶パターンが確認され、前記生成物は結晶形であることがわかった。この結晶形を「化学式1で表される化合物の結晶形A」と称する。
実施例2〜8
以下の表2に示した条件に従って様々な溶媒を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で化学式1の化合物を精製した。収率および純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)を表2に示す。また、得られた生成物はいずれも、図6に示したXRPDスペクトルと実質的に同一なXRPDスペクトルを示したことから、得られた生成物はいずれも結晶形Aであることがわかった。
実施例9:溶媒/貧溶媒を用いた化学式1の化合物の精製およびその特性分析
前記製造例で得られた化学式1の化合物(5.00g)を還流下でメタノール(50mL)に溶解させた。得られた溶液に精製水(30mL)を加えた。この混合物を室温まで冷却させた後、減圧下で濾過した。得られた固体を50℃で18時間真空乾燥して、化学式1の化合物4.42gを得た(収率:88.40%)。純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)は99.61wt/wt%であった。また、得られた生成物は、図6に示したXRPDスペクトルと実質的に同一なXRPDスペクトルを示したことから、結晶形Aであることがわかった。
実施例10〜18
以下の表3に示した条件に従って様々な溶媒/貧溶媒を用いたこと以外は実施例9と同様の方法で化学式1の化合物を精製した。収率および純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)を表3に示す。また、得られた生成物はいずれも、図6に示したXRPDスペクトルと実質的に同一なXRPDスペクトルを示したことから、得られた生成物はいずれも結晶形Aであることがわかった。
実施例19:pH調整による結晶化を利用した化学式1の化合物の精製およびその特性分析
前記製造例で得られた化学式1の化合物(3.00g)を精製水に加え、1N塩酸溶液でpHを1.0に調整することによって溶解させた。得られた溶液のpHを1N水酸化ナトリウム溶液でpH7.0に調整することによって固体を形成させた。得られた混合物を減圧下で濾過した。得られた固体を50℃で18時間真空乾燥して、化学式1の化合物2.81gを得た(収率:93.67%)。純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)は99.55wt/wt%であった。また、得られた生成物は、図6に示したXRPDスペクトルと実質的に同一なXRPDスペクトルを示したことから、結晶形Aであることがわかった。
実施例20:溶媒/貧溶媒を用いた化学式1の化合物の精製およびその特性分析
前記製造例で得られた化学式1の化合物(3.00g)をジクロロメタン(30mL)に溶解させた。得られた溶液をヘキサン(300mL)に滴下し、減圧下で濾過した。得られた固体を50℃で18時間真空乾燥して、化学式1の化合物2.93gを得た(収率:97.67%)。純度(生成物中の化学式1で表される化合物の(無水物としての)含量)は99.47wt/wt%であった。また、得られた生成物は、図6に示したXRPDスペクトルと実質的に同一なXRPDスペクトルを示したことから、結晶形Aであることがわかった。
実施例21〜24
以下の表4に示した条件に従って様々な溶媒/貧溶媒を用いたこと以外は実施例20と同様の方法で化学式1の化合物を精製した。収率および純度(生成物中の化学式1で表される無水化合物の含量)を表4に示す。また、得られた生成物はいずれも、図6に示したXRPDスペクトルと実質的に同一なXRPDスペクトルを示したことから、得られた生成物はいずれも結晶形Aであることがわかった。
試験例1:加速安定性試験
実施例1で得られた化学式1の化合物の結晶形Aおよび製造例で得られた化学式1の非晶質化合物を加速条件(40℃、75%RH)で2週間保存して、その安定性を評価した。この結果を以下の表5および表6に示す。
上記の表5に示したように、化学式1の化合物の結晶形Aは、加速条件下において外観に変化は見られず、白色の結晶性粉末として安定に維持された。含水量に有意な増加傾向は見られず、0.16%〜0.18%の範囲で維持された。また、分解産物の含量も有意な増加傾向は見られず、0.030%〜0.041%の範囲で維持された。さらに、試験期間においてエナンチオマーは検出されなかった。純度は99.43%〜99.34%の範囲であり、適切とされる基準範囲内(すなわち、98.5%〜101.0%)に収まっており、実験誤差レベルの低下のみが観察された。XRPD分析では、結晶形Aのまま維持された。
これに対して、上記の表6に示したように、化学式1の非晶質化合物は、その結晶形よりも試験開始時の含水量が高く(すなわち1.05%)、保存期間を経るに従って含水量が2.64%まで増加し、非常に高い吸湿性を示した。外観、分解産物の含量、およびエナンチオマーは試験開始時の状態のまま維持されたが、試験開始時における無水物としての純度(96.96%)は基準に適合せず、保存期間を経てもこの純度のまま維持された。したがって、化学式1の非晶質化合物は2週間の加速条件下において、非常に高い吸湿性を示すことがわかる。
試験例2:熱安定性試験
実施例1で得られた化学式1の化合物の結晶形Aおよび製造例で得られた化学式1の非晶質化合物を加熱条件(100℃)で2週間保存して、その安定性を評価した。この結果を以下の表7および表8に示す。
上記の表7に示したように、化学式1の化合物の結晶形Aの外観は、加熱条件(100℃)下において1週目から淡黄色に変化した。含水量に有意な増加傾向は見られず、0.11%〜0.16%の範囲で維持された。また、分解産物の含量も有意な増加傾向は見られず、0.031%〜0.055%の範囲で維持された。さらに、試験期間においてエナンチオマーは検出されなかった。純度は99.43%〜99.25%の範囲であり、適切とされる基準範囲内(すなわち、98.5%〜101.0%)に収まっており、実験誤差レベルの低下のみが観察された。XRPD分析では、結晶形Aのまま維持された。
これに対して、上記の表8に示したように、化学式1の非晶質化合物は、その結晶形よりも試験開始時の含水量が高かったが(すなわち1.05%)、保存期間を経るに従って含水量が0.34%まで低下した。また、外観は1日目から褐色に変化したため、基準に適合しなかった。分解産物の含量は試験開始時の0.047%から1.811%まで増加した。試験期間中においてエナンチオマーは検出されなかった。試験開始時における無水物としての純度(96.96%)は基準に適合せず、92.34%まで低下し、基準に不適合であった。したがって、化学式1の非晶質化合物は2週間の加熱条件下において、その特性(特に、外観、分解産物の含量および純度)が顕著に低下することがわかる。
試験例3:湿潤条件における安定性試験
実施例1で得られた化学式1の化合物の結晶形Aおよび製造例で得られた化学式1の非晶質化合物を湿潤条件(25℃、98%RH)で2週間保存して、その安定性を評価した。この結果を以下の表9および表10に示す。
上記の表9に示したように、化学式1の化合物の結晶形Aは、湿潤条件(25℃、98%RH)下において外観に変化は見られず、白色の結晶性粉末として安定に維持された。含水量に有意な増加傾向は見られず、0.16%〜0.29%の範囲でわずかに増加した。また、分解産物の含量も有意な増加傾向は見られず、0.029%〜0.036%の範囲で維持された。さらに、試験期間中においてエナンチオマーは検出されなかった。純度は99.43%〜99.32%の範囲であり、適切とされる基準範囲内(すなわち、98.5%〜101.0%)に収まっており、実験誤差レベルの低下のみが観察された。XRPD分析では、結晶形Aのまま維持された。
これに対して、上記の表10に示したように、化学式1の非晶質化合物は、その結晶形よりも試験開始時の含水量が高く(すなわち1.05%)、保存期間を経るに従って含水量が3.90%まで増加し、非常に高い吸湿性を示した。外観はほぼ白色の粉末のまま変化しなかったが、分解産物の含量は試験開始時の0.047%から0.090%まで増加した。試験期間中においてエナンチオマーは検出されなかった。試験開始時における無水物としての純度(96.96%)は基準に適合せず、保存期間中に変化しなかった。したがって、化学式1の非晶質化合物は、2週間の湿潤条件下で吸湿性を示すことがわかる。

Claims (23)

  1. 化学式1で表される粗化合物を結晶形に転換する工程を含む、化学式1で表される化合物の精製方法。
  2. 化学式1で表される粗化合物が非晶質形態であることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  3. 前記結晶形が、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する化学式1の化合物の結晶形Aであることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  4. 前記結晶形が、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、16.48°、17.89°、18.89°、19.06°、19.31°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する化学式1の化合物の結晶形Aであることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  5. 前記結晶形が、240℃〜250℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す化学式1の化合物の結晶形Aであることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  6. 前記結晶形が、300℃〜310℃で重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す化学式1の化合物の結晶形Aであることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
  7. 化学式1で表される化合物の結晶形。
  8. 化学式1で表される化合物の結晶形が、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する結晶形Aであることを特徴とする、請求項7に記載の結晶形。
  9. 化学式1で表される化合物の結晶形が、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、16.48°、17.89°、18.89°、19.06°、19.31°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する結晶形Aであることを特徴とする、請求項7に記載の結晶形。
  10. 化学式1で表される化合物の結晶形が、240℃〜250℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す結晶形Aであることを特徴とする、請求項7に記載の結晶形。
  11. 化学式1で表される化合物の結晶形が、300℃〜310℃で重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す結晶形Aであることを特徴とする、請求項7に記載の結晶形。
  12. 化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、
    化学式1で表される非晶質化合物を有機溶媒に溶解して溶液を得る工程;
    前記溶液を撹拌、蒸留もしくは冷却して固体を形成させるか、または前記溶液を蒸留した後に冷却して固体を形成させる工程;および
    前記固体を単離する工程
    を含む方法。
  13. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
  14. 化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、
    化学式1で表される非晶質化合物を有機溶媒に溶解して溶液を得る工程;
    前記溶液を貧溶媒に加えて固体を形成させるか、または貧溶媒を前記溶液に加えて固体を形成させる工程;および
    前記固体を単離する工程
    を含む方法。
  15. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記貧溶媒が、水、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルおよびトルエンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項14に記載の製造方法。
  17. 化学式1で表される化合物の結晶形の製造方法であって、
    化学式1で表される非晶質化合物に酸を加えて水中に溶解させて溶液を得る工程;
    前記溶液に塩基を加えて固体を形成させる工程;および
    前記固体を単離する工程
    を含む方法。
  18. 前記酸が、塩酸、酢酸およびギ酸からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項17に記載の製造方法。
  19. 前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項17に記載の製造方法。
  20. 化学式1で表される化合物の結晶形が、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、19.06°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する結晶形Aであることを特徴とする、請求項12〜19のいずれかに記載の製造方法。
  21. 化学式1で表される化合物の結晶形が、2θ=12.27°、12.65°、16.07°、16.48°、17.89°、18.89°、19.06°、19.31°および26.48°±0.2°の位置にピークを有するXRPDパターンを有する結晶形Aであることを特徴とする、請求項12〜19のいずれかに記載の製造方法。
  22. 化学式1で表される化合物の結晶形が、240℃〜250℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す結晶形Aであることを特徴とする、請求項12〜19のいずれかに記載の製造方法。
  23. 化学式1で表される化合物の結晶形が、300℃〜310℃で重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す結晶形Aであることを特徴とする、請求項12〜19のいずれかに記載の製造方法。
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