本開示は、フルイド組成物(「組成物」)に関する。組成物は、I)第1の構成成分を含む。組成物は、II)第1の構成成分I)とは異なる第2の構成成分、を更に含む。様々な実施形態において、第1の構成成分は、第2の構成成分のための可塑剤として機能する。組成物は、本明細書で開示されるとおりの1種以上の追加の構成成分も含み得る。以下に示すとおり、組成物は、概して粘液様のレオロジー特性を示す。組成物は、本明細書において、「シリコーンフルイド」、「フルイド組成物」、「粘液様のシリコーン組成物」、「粘液様のシリコーンフルイド」、又は「粘液様のシリコーンフルイド組成物」とも呼称され得る。
本明細書で使用するとき、「粘液様」は、シリコーンフルイドのレオロジー特性を記し、かかるフルイドは、せん断力を継続的に増大させながら加えたときに、垂直方向において観察される垂直応力が増大するのを示す。例えば、粘液様のシリコーンフルイドは、x−y平面においてせん断応力をかけられ、力はz方向(せん断平面に対して垂直又は法線方向)において展開される。シリコーンフルイドの粘液様レオロジーは、応力制御型レオメータを使用して測定され得る。かかるレオメータは、例えば、TA Instruments AR 1000−N(109 Lukens Drive,New Castle Del.19720)などとして市販されている。
典型的には、フルイドサンプルは、(レオメータに取り付けられた)平坦なディスクと、ロードセルに装備された静的プレートとの間に保持される。ディスクに取り付けたシャフトに、大きさを調節して力(トルク)を加え、サンプルにせん断応力をかけた。トルクを増大させて、速度を漸増させながらディスクを回転させて、せん断速度として記録した。サンプルにせん断応力がかけられるにつれ、垂直応力がロードセルにより記録される。レオロジー特性の評価結果は、垂直応力(パスカル)の垂直方向のせん断速度(sec−1又は1/sec)に対するプロットとして概して記録される。
他の実施形態では、せん断速度に対する垂直応力のプロットがグラフの限界線(limited line)を下回った場合、フルイドは粘液様であるとして考えられる。限界線は、式y=3.6xを用いて作成され、式中、yは垂直応力であり、xはせん断速度である。しかしながら、結果は報告様式に制限されず、当該技術分野で認識されている任意の技術を用い報告又は評価され得る。
様々な実施形態において、組成物は、上記のとおりに応力制御型レオメータを使用して、垂直抗力(パスカル)の、垂直方向のせん断速度(sec−1)に対するプロットを測定したときに、プロットの傾きの平均が、概して>3.6(x軸に1/secをとり、y軸にPaをとる)であるようなレオロジー特性を保持する。
第1の構成成分:
第1の構成成分は、少なくとも1種のコポリマーを含む。組成物の形成には各種コポリマーを利用することができる。しかしながら、好適なコポリマーは、概してケイ素含有部分、より典型的にはシロキシ含有部分を含む。様々な実施形態において、コポリマーは、架橋シロキサン、シリコーンポリエーテルコポリマー、サッカリドシロキサンコポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
第1の構成成分は、様々な量で組成物に使用され得る。典型的には、第1の構成成分は、組成物100重量部に対し約0.1〜99.9、1〜99、5〜95、10〜90、20〜80、30〜70、40〜60、45〜55、又は50重量%の量で存在する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
好適な架橋シロキサンの非限定例
ある種の実施形態において、第1の構成成分のコポリマーは、架橋シロキサンを含む。様々な種類の架橋シロキサンを使用できる。異なる種類の反応スキームを使用して好適な架橋シロキサンを得ることができ、かつ多くは市販されている(例えば、Dow Corning Corporation of Midland,MIから)。
典型的には、架橋シロキサンは付加反応生成物、あるいはヒドロシリル化反応生成物を含む。例えば、架橋シロキサンは、当業界で認識されているアミン/エポキシ反応、無水物/アミン反応、無水物/アルコール反応、又はSiH/アルケニル反応により得ることができる。当該技術分野で認識されている、例えば、ラジカル又は縮合硬化成分/スキームなどのその他の反応スキーム/生成物も使用できる。組成物を形成するのに好適な架橋シロキサンの非限定例を以下に示す。
好適な架橋シロキサンの第1の非限定例:
架橋シロキサンは架橋アミノシロキサンであり得る。様々な種類の架橋アミノシロキサンを使用できる。ある種の実施形態において、架橋アミノシロキサンは、a)ポリオルガノシロキサンとb)架橋剤との反応生成物を含む。概して、構成成分b)の各分子に対し構成成分a)は少なくとも2分子存在する。様々な組み合わせ及び量の構成成分a)及びb)を使用して、例えば、様々な架橋密度、残存官能基(例えば、アミノ基)、異なる化学的性質(無機及び有機)などを付与することができる。
本開示の組成物に好適な架橋アミノシロキサンを形成する反応スキームの例を、図2、図3、及び図4に記す。好適な架橋アミノシロキサンの具体例は、DOW CORNING(登録商標)CE−7080 Smart Style(INCI名:シリコーンクオタニウム−16/グリシジルジメチコンクロスポリマー及びウンデセス−11及びウンデセス−5)に見られる。
様々な実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、式:(R1 3SiO1/2)w(R1R2SiO2/2)x(R1 2SiO2/2)yのシロキシ単位を含み、式中、R1は、独立して選択された置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、「w」は、≧2又は2であり、「x」は、≧1、1〜1,000、25〜750、50〜500、又は100〜250であり、「y」は、≧0、0〜1,000、1〜1,000、25〜750、50〜500、又は100〜250であり、かつ(x+y)は、≧50、50〜2,000、50〜1,500、50〜1,000、100〜1,000、100〜750、又は200〜500である。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
R1は、置換又は非置換脂肪族又は芳香族ヒドロカルビルであり得る。一価の非置換脂肪族ヒドロカルビルは、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、オクチル基、ウンデシル基及びオクタデシル基などのアルキル基、並びにシクロヘキシル基などのシクロアルキル基により例示されるが、これらに限定されない。一価の置換脂肪族ヒドロカルビルは、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基により例示されるが、これらに限定されない。芳香族ヒドロカルビルは、フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、スチリル、及び2−フェニルエチルによって例示されるが、これらに限定されない。ある種の実施形態において、各R1は、独立して選択されたC1−C6アルキル基から選択され、あるいはメチル基である。
各R2は、独立して、式:−R3−Zであり、式中、R3は、二価の基であり、Zは、少なくとも窒素含有基を含む。架橋剤は、ポリオルガノシロキサンのZ基と反応性である。
R3は、ヒドロカルビレン基、ヘテロヒドロカルビレン基、又はオルガノヘテリレン基である。R3の例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、フェニレン、ナフチレン、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2SCH2CH2−、−CH2CH2OCH2−、−CH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)C(O)OCH2−、−(CH2)3C(O)OCH2CH2−、−C6H4C6H4−、−C6H4CH2C6H4−、及び−(CH2)3C(O)SCH2CH2−が挙げられる。
様々な実施形態において、Zは、≧1のアミノ官能価を有する有機アミノ官能基である。Zについて可能性のある式の1つは、−NH(CH2)zNH2であり、式中、「z」は≧1である。Zについて可能性のある別の式は、−N(CH2)z(CH2)zzNHであり、式中、「z」と「zz」の両方は、独立して、≧1であり、この構造は、例えば、ピペラジニルなどのジアミノ環構造を包含する。
ある種の実施形態において、Zは、式:−(NH)z(CH2)zzNHR4であり、式中、「z」は、1又は0であり、「zz」は0、≧1、≧2、又は2であり、R4は、水素又は置換若しくは非置換ヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、R3は、−CH2CH(CH3)CH2−であり、「z」は、1であり、「zz」は、2であり、R4は水素である。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
架橋アミノシロキサンを形成するのに好適なアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの例を、図2、図3、及び図4に示す。架橋アミノシロキサンを形成するのに好適なポリオルガノシロキサンの具体例は、DOW CORNING(登録商標)2−8566(INCI名:アモジメチコン)である。
架橋剤は、ポリオルガノシロキサンのアミノ基と反応するものに限り様々な官能性を有するものであってよい。架橋剤の好適な官能基としては、無水物及びエポキシ官能基が挙げられるがこれらに限定されない。架橋アミノシロキサンを形成するのに好適な架橋剤の例を、図2、図3、及び図4に示す。好適な架橋剤に具体例は無水マレイン酸である。
様々な実施形態において、架橋剤は、式:(R1 3SiO1/2)j(R1R5SiO2/2)k(R1 2SiO2/2)lのシロキシ単位を含み、式中、各R1は、独立して選択された置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、各R5は、独立して、エポキシド基を含み、「j」は、≧2又は2であり、「k」は、≧2又は2であり、「l」は、≧0又は0である。好適なヒドロカルビル基は本明細書に記載されている。
構成成分a)及びb)を様々なモル比で使用して架橋アミノシロキサンを形成できる。典型的には、構成成分a)及びb)は、残存アミノ含量(R2により付与)が<2%、<1%、<0.5%、<0.25%、又は0%となるような量で使用される。
他の実施形態において、架橋アミノシロキサンは、(i)アミン官能性ポリシロキサンと、(ii)エポキシ基を少なくとも2つ含むエポキシ官能性シリコーンとを組み合わせることにより得られる。アミン官能性ポリシロキサンは、次式:
を有することができ、式中、R’は、全てのR’基のうち少なくとも50%はメチルであるという条件で、炭素原子1〜30個のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルカリール基を指し、Qは、式:−R’’Zのアミン官能性置換基を指し、R’’は、炭素原子3〜6個の二価のアルキレン基であり、Zは、−NR2’’’及び−NR’’’(CH2)bNR2’’’の群から選択された一価の基であり、R’’’は、水素又は炭素原子1〜4個のアルキル基を指し、「b」は、2〜6であり、「z」は、0又は1であり、「x」は、25〜3,000、25〜2,000、又は25〜1,000であり、「y」は、「z」が1であるとき0〜3,000、0〜2,000、若しくは0〜1,000である、又は、「z」が0であるとき1〜3,000、1〜2,000、若しくは1〜1,000である。
好適なR’基は、R’基のうち少なくとも50%はメチルであるという条件で、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基、キセニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、及びトリル基である。R’’により表されるアルキレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、−CH2CH(CH3)CH2−、及び−CH2CH2CH(CH3)CH2−を挙げることができる。
R’’’により表される、炭素原子1〜4個のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられる。有用なZ基としては、非置換アミン基−NH2、アルキル置換アミン基、例えば、−NHCH3、−NHCH2CH2CH2CH3、及び−N(CH2CH3)2など、アミノアルキル置換アミン基、例えば、−NHCH2CH2NH2、−NH(CH2)6NH2、及び−NHCH2CH2CH2N(CH3)2などが挙げられる。
「z」が0であるとき、アミン官能性ポリシロキサンは、ポリマー鎖中に、アミン官能性ペンダント置換基のみを有する。「z」が1であるとき、アミン官能性ポリシロキサンは、ポリマー鎖中に、末端アミン官能性置換基のみ、又は末端アミン官能性置換基及びペンダントアミン官能性置換基を2つとも有し得る。典型的には、「x」は、25〜500であり、yは、「z」が1であるとき0〜100であり、「z」が0であるとき1〜100である。概して、x+yは、約50〜1,000、50〜750、50〜500、又は50〜250である。
アミン含量、すなわち、アミン官能性ポリシロキサン分子中のアミン官能基の数は、概して、アミンmol%として表され、y/DP×100の関係式により求められる[式中、「y」は、上記の式におけるものであり、重合度(DP)は、(x+y+2)であり、アミン官能性ポリシロキサンの鎖長を指す]。かかるアミン官能性ポリシロキサンは、当該技術分野において周知であり、例えば、Dow Corning Corporationから市販されている。
エポキシ基を少なくとも2つ含むエポキシ官能性シリコーンの使用が望ましい場合、以下の一般構造:
の好適なエポキシ官能性シリコーンを使用でき、式中、「x」は≧1である。かかるエポキシ官能性シリコーンは、当該技術分野において周知であり、例えば、Dow Corning Corporationから市販されている。典型的には、かかるエポキシ官能性シリコーンは、約1〜200mm2/sの範囲の粘度と、約300〜6,000の分子量とを有する。他の好適なエポキシ官能性架橋剤を図4に示す。所望する場合、架橋密度、及び架橋アミノシロキサンの全体的な分子量を制御することを目的として、有機エポキシド及び単一のエポキシ基を含有するエポキシ官能性シリコーンを追加成分として含めることができる。
本開示の組成物及び/又はパーソナルケア組成物を形成するのに使用できるその他の架橋シロキサン及び/又は構成成分は、米国特許第3,046,250号、同第5,948,855号、同第6,180,117号、同第6,653,378号、同第6,803,399号、同第7,238,768号、同第7,781,505号、同第8,013,097号、及び同第8,071,079号、並びに米国特許出願公開第2002/0086935号、同第2006/0111452号、同第2006/0269506号、同第2009/0258058号、同第2010/0048795号、同第2010/0233104号、同第2011/0150818号、及び同第2013/0030131が挙げられ、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
好適な架橋シロキサンの第2の非限定例:
ある種の実施形態において、架橋シロキサンは、分枝状オルガノポリシロキサンである。分枝状オルガノポリシロキサンは、ヒドロシリル化触媒の存在下でのa)環状シロキサンとb)ポリオルガノシロキサンとの反応生成物を含む。分枝状オルガノポリシロキサンは、本明細書において「構成成分A)」又は「ヒドロシリル化反応生成物」とも呼称される。ヒドロシリル化反応生成物は、概して環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化反応から形成される。
1種又は2種以上の環状シロキサンを1種又は2種以上のポリオルガノシロキサンと反応させることができる。同様にして、様々な実施形態において、環状シロキサンを、2種(又はそれ以上)のポリオルガノシロキサンと反応させた。あるいは、2種(又はそれ以上)の環状シロキサンを1種のポリオルガノシロキサンと反応させることができる。したがって、様々な実施形態において、本明細書において「環状シロキサン」が使用されているあらゆる箇所において、2種又はそれ以上の環状シロキサンが使用され得る。他の実施形態において、本明細書において「ポリオルガノシロキサン」が使用されているあらゆる箇所において、2種又はそれ以上のポリオルガノシロキサンが使用され得る。
ヒドロシリル化反応生成物は、典型的には、アルケニル官能基又はSi−H官能基(例えば、環状シロキサンとポリオルガノシロキサンとの反応の結果として)を含む。様々な実施形態において、アルケニル官能基又はSi−H官能基は、ヒドロシリル化反応生成物及び/又は組成物の総重量に対し百万分率(ppm)又は十億分率(ppb)レベルで観察され得る。他の実施形態において、アルケニル官能基又はSi−H官能基は、アルケニルの、ヒドロシリル化反応生成物の形成に使用される反応物のSi−H官能基(例えば、環状シロキサン及びポリオルガノシロキサン)に対するモル比をもとに理解される。例えば、ヒドロシリル化反応生成物の形成に使用されるアルケニルの、Si−H単位に対する比は、1未満又は1超であり得る。
様々な実施形態において、この比は、0.01〜<1、0.1〜<1、0.2〜0.9、0.3〜0.8、0.4〜0.7、又は0.5〜0.6である。他の実施形態において、この比は、>1、>1〜100、>1〜50、>1〜25、>1〜15、>1〜10、又は>1〜5である。典型的には、アルケニルの、Si−H単位に対する比は、厳密に1ではない。しかしながら、ある実施形態において、1という比は想到される。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
様々な実施形態において、ヒドロシリル化反応生成物は、組成物100重量部に対し約0.1〜50、0.1〜40、1〜37、2〜35、3〜30、5〜25、5〜20、5〜15、5〜10、5〜9、6〜9、又は7〜8重量%の量で存在する。重量%でのこの量は、「固形分%」又は「活性成分(複数可)%」としても記載され得る。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
ヒドロシリル化反応生成物はエラストマーとしても記載でき、例えば、ゆるく(loosely)架橋されたエラストマーとしても記載できる。キャリアフルイド(下記)と組み合わせたとき(及び/又はキャリアフルイドの存在下で形成させたとき)、ヒドロシリル化反応生成物はキャリアフルイド中に完全に可溶性である。ヒドロシリル化反応生成物そのものの重合度は、環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンの重合度に応じて異なり得る。様々な実施形態において、環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンのいずれもの重合度が高いと、ヒドロシリル化反応生成物に対し付与される架橋は密(tight)になる。他の実施形態において、環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンのどちらか一方の重合度が高いと、ヒドロシリル化反応生成物に対し付与される架橋度は中程度になる。更に他の実施形態では、環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンのいずれもの重合度が低いと、ヒドロシリル化反応生成物に対し付与される架橋度は疎になり、例えば、ゆるくなる。ある種の実施形態において、ヒドロシリル化反応生成物は、当業者により認識されるとおり、架橋が軽度であるものとみなされる。
様々な種類の環状シロキサンを使用して、分枝状オルガノポリシロキサンを形成できる。環状シロキサンは、本明細書において「構成成分a)」としても呼称され得る。環状シロキサンは、ケイ素結合アルケニル基を1分子当たり少なくとも2つ有する。好適なアルケニル基を本明細書に記載する。
様々な実施形態において、環状シロキサンは、式:[R1R2SiO]gを有し、各R1は、独立して選択された置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、「g」は、≧3、3〜10、3〜8、3〜6、又は4である。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
R1は、置換又は非置換脂肪族又は芳香族ヒドロカルビルであり得る。一価の非置換脂肪族ヒドロカルビルは、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、オクチル基、ウンデシル基、及びオクタデシル基など、並びにシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基などにより例示されるがこれらに限定されない。一価の置換脂肪族ヒドロカルビルは、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基により例示されるが、これらに限定されない。芳香族ヒドロカルビルは、フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、スチリル、及び2−フェニルエチルによって例示されるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、各R1は炭化水素基である。好適な炭化水素基は本明細書に記載される。他の実施形態において、各R1は、独立して選択された、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、カルビノール基、又はアミノ基である。このような基の例を以下に更に記載する。ある種の実施形態において、各R1は、独立して選択されたC1−C6アルキル基、例えば、メチル基などである。アルケニル官能性環状シロキサンは既知であり、多く市販されている。
各R2は、R2基のうち少なくとも2つはアルケニル基であるという条件で、R1又はアルケニル基である。ある種の実施形態において、各R2は、独立して選択されたC2−C12アルケニル基である。好適なアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、及びデセニル基が挙げられる。アルケニル基は、典型的には、ビニル基又はヘキセニル基であり、より典型的には、ビニル基である。
各種ポリオルガノシロキサンを使用して、分枝状オルガノポリシロキサンを形成できる。ポリオルガノシロキサンは、本明細書において「構成成分b)」としても呼称され得る。ポリオルガノシロキサンは、ケイ素結合水素原子(又はSiH基)を1分子当たり少なくとも2つ有する。構成成分b)の、ケイ素結合水素原子は、典型的には末端原子である。
様々な実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、式:(R2HSiO1/2)v(R2SiO2/2)xのシロキシ単位を含む[式中、各Rは、独立して選択された置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、「v」は、≧2又は2であり、「x」は、≧50又は≧100であり、あるいは150〜10,000、200〜7,500、250〜5,000、300〜2,500、300〜1,000、又は350〜500である]。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
Rに好適な置換又は非置換ヒドロカルビル基としては上記R1のものなどが挙げられる。ある種の実施形態において、各Rは、独立して選択されたC1−C6アルキル基、例えば、メチル基などである。
添字「x」に関連するシロキシ単位の総数は、当業界で認識されているとおり重合度(DP)としても呼称され得る。分子量、又はDPは、「x」が≧50であるという条件で変化し得るものの、分子量は概して限定されない。しかしながら、分子量が高すぎるとき、あるいはポリオルガノシロキサンが固体である場合、構成成分b)を好適な溶媒又は低分子量のフルイド、例えば、本明細書に記載の任意のキャリアフルイドに希釈することが望ましい場合がある。
ポリオルガノシロキサンは、このような有機基を含有するホモポリマー、コポリマー又はターポリマーであってよい。例として、ジメチルシロキシ単位及びフェニルメチルシロキシ単位を含むコポリマー、ジメチルシロキシ単位及び3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキシ単位を含むコポリマー、ジメチルシロキシ単位及びジフェニルシロキシ単位を含むコポリマー、並びに、特にジメチルシロキシ単位、ジフェニルシロキシ単位及びフェニルメチルシロキシ単位のコポリマーが挙げられる。分子構造も重要ではなく、直鎖、及び部分的に分枝した直鎖構造で例示されるが、直鎖系が最も典型的である。ポリオルガノシロキサンは、SiH末端を有するポリオルガノシロキサンとしても呼称され得る。SiH官能性ポリオルガノシロキサンは既知であり、多く市販されている。
ポリオルガノシロキサンは、例えば、「T」単位(RSiO3/2)及び「Q」シロキシ単位(SiO4/2)などのその他のシロキシ単位も含有し得る。様々な実施形態において、ポリオルガノシロキサンは、<1重量%、<0.5重量%、<0.1重量%、又は<0.01重量%のT単位及び/又はQ単位を含む。あるいは、ポリオルガノシロキサンは、T単位及び/又はQ単位を含まない。
一実施形態では、ポリジオルガノシロキサンは、SiH末端を有するポリジオルガノシロキサンガムから選択される。本明細書で使用するとき、ポリジオルガノシロキサンガムは、主にD単位を含む。例えば、ポリジオルガノシロキサンガム自体は、25℃にて少なくとも1,000,000、又は少なくとも2,000,000mm2/sの粘度を有する。あるいは、分子量は、米国材料試験教会(ASTM)の試験方法926により測定したときに、少なくとも40のウィリアムス可塑度をポリジオルガノシロキサンガムに付与するのに十分なものであり得る。典型的には、可塑度は、40〜200又は50〜150である。あるいは、ポリジオルガノシロキサンガムの分子量は、少なくとも600,000、少なくとも1,000,000、又は少なくとも2,000,000ダルトンである。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンは、典型的には、共に反応してヒドロシリル化反応生成物を形成する。この反応は、典型的には、ヒドロシリル化触媒の存在下で実施される。ヒドロシリル化触媒は、当技術分野において既知の任意のものであってもよい。例えば、ヒドロシリル化触媒は、白金族金属を含有する触媒であり得る。「白金族」とは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金、並びにこれらの錯体を意味する。本明細書において有用である白金族金属を含有する触媒の非限定例は、米国特許第3,419,593号、同第5,175,325号、同第3,989,668号、同第5,036,117号、同第3,159,601号、同第3,220,972号、同第3,296,291号、同第3,516,946号、同第3,814,730号、及び同第3,928,629号に記載のとおりに調製された白金錯体であり、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
ヒドロシリル化触媒は、白金金属、シリカゲル若しくは粉末木炭などの担体上に担持した白金金属、又は白金族金属の化合物若しくは錯体でよい。典型的なヒドロシリル化触媒としては、六水和物型若しくは無水物型いずれかの塩化白金酸、及び/又は、塩化白金酸を、ジビニルテトラメチルジシロキサンなどの脂肪族不飽和オルガノシリコン化合物と反応させることを含む方法により得られる白金含有触媒、又は1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本明細書に明示的に援用される米国特許第6,605,734号に記載のとおりのアルケン−白金−シリル錯体が挙げられる。例は(COD)Pt(SiMeCl2)2であり、式中、「COD」は1,5−シクロオクタジエンであり、「Me」はメチルである。これらのアルケン−白金−シリル錯体は、例えば、0.015モルの(COD)PtCl2を、0.045モルのCOD及び0.0612モルのHMeSiCl2と混合することにより調製することができる。
使用されるヒドロシリル化触媒の量は、典型的には、具体的な触媒によって異なる。ヒドロシリル化触媒は、典型的には、フルイド組成物の百万部に対し、総固形分重量%(溶媒以外の全ての原料)で少なくとも2ppm、より典型的には、4〜200ppmの白金を提供するのに十分な量で使用される。様々な実施形態において、ヒドロシリル化触媒は、同様の基準で1〜150重量ppmの白金を提供するのに十分な量で存在する。ヒドロシリル化触媒は、単一種として、又は2種以上の異なる種の混合物として添加してよい。上記のヒドロシリル化触媒及びその量は、本明細書に記載の様々なヒドロシリル化反応に使用できる。
構成成分a)及びb)の間のヒドロシリル化反応は、構成成分A)を形成するべく反応させる前の、構成成分a)のケイ素結合アルケニル基の、構成成分b)のケイ素結合水素原子に対するモル比を、約0.5/1〜約2.5/1、あるいは約0.9/1〜約2.2/1、あるいは約1.0/1〜約1.5/1として実施される。
構成成分a)及びb)間のヒドロシリル化反応は、そのままで、又は好適な溶媒の存在下で行うことができる。典型的には、ヒドロシリル化反応の溶媒は、本明細書に記載のキャリアフルイドのうちの1種から選択される。
架橋反応の化学量論は、ネットワークポリマーを生成するよう制御でき、架橋密度は、フルイドを生成するのに十分低い(架橋密度が高くなるほど、概してエラストマー固体が得られるようになる)。
他の関連する実施形態において、前述の環状シロキサン及びポリオルガノシロキサンの官能基は逆である。かかる別の方法では、環状シロキサンは、(ケイ素結合アルケニル基の代わりに)1分子当たり少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有し、ポリオルガノシロキサンは、(ケイ素結合水素原子の代わりに)1分子当たり少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基を有する。この種類の好適な化合物は、米国特許出願公開第2012/0220549号、同第2012/0156148号、及び同第2014/0249106号に記載されており、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
好適な架橋シロキサンの第3の非限定例
ある種の実施形態において、架橋シロキサンは、様々な官能基を有する構成成分を反応させることにより形成される。2つの一般的な実施形態を以下に記載する。
第1の実施形態において、この架橋シロキサンには、a1)少なくとも1つのペンダント無水物基を有する第1のシロキサン、a2)少なくとも1つのペンダント無水物基を有する第2のシロキサン、並びにb)第1のシロキサン及び第2のシロキサンの無水物基と反応する官能基を有する反応物、の反応生成物が含まれる。
反応物は、概して、有機ポリオール、有機ポリアミン、(第1及び第2のものとは異なる)第3のシロキサン、又はこれらの組み合わせの群から選択される。有機ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する。有機ポリアミンは、少なくとも2つのアミン基を有する。第3のシロキサンは、少なくとも2つのヒドロキシル基又は少なくとも2つのアミン基を有することができる。第1の実施形態では、反応物は有機ポリオールを含む。他の実施形態は、有機ポリオールに加えて、又は有機ポリオールに代えて、1つ又は複数の他の反応物を使用することができる。
典型的には、架橋シロキサンは、以下の一般式(I):
のものである。
各Xは、下記一般式(i)で示される:
W及びW*のそれぞれは、独立して酸素原子(O)又はN−Rであり、同時にRは、独立して水素原子(H)又はR1である。各Yは、二価の基である。様々な実施形態において、W及びW*のそれぞれは、独立してOであり、かつYは、二価の有機基である。R1、R11、R4、R14、R5、及びR15のそれぞれは、独立して選択された置換若しくは非置換ヒドロカルビル基である。R3及びR13のそれぞれは、独立して選択された二価の基である。「w」及び「ww」のそれぞれは独立して0〜1,000である。「x」及び「xx」のそれぞれは独立して1〜100である。「y」及び「yy」のそれぞれは独立して0〜1,000である。一般に、「w」及び「y」は、同時に0ではなく、かつ「ww」及び「yy」は、同時に0ではない。式(i)に示されるように、この架橋組成物は、全体として、少なくとも2つのカルボキシル基を有している。かかるカルボキシル基は、未結合のまま残すこともでき、あるいは例えば架橋又はキャッピングといった更なる反応に使用することもできる。
第2の一般的な実施形態において、架橋シロキサンには、a1)少なくとも1種のヒドロキシル基又はアミン基を有する第1の反応物、a2)少なくとも1種のヒドロキシル基又はアミン基を有する第2の反応物、並びにb)第1の反応物の基及び第2の反応物の基と反応する少なくとも2つの末端無水物基を有するシロキサン、の反応生成物が含まれる。
第1の反応物は、前述のシロキサンとは異なり、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第1のシロキサン基、前述のシロキサンとは異なり、少なくとも1種のアミン基を有する第1のシロキサン基、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第1の有機アルコール、少なくとも1つのアミン基を有する第1の有機アミン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
第2の反応物は、前述のシロキサンとは異なり、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第2のシロキサン基、前述のシロキサンとは異なり、少なくとも1種のアミン基を有する第2のシロキサン基、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第2の有機アルコール、少なくとも1つのアミン基を有する第2の有機アミン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
第1の実施形態では、第1の反応物は、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第1のシロキサンを含み、第2の反応物は、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第2のシロキサンを含み、すなわち、反応物はヒドロキシル官能性シロキサンである。第2の実施形態では、第1の反応物は、少なくとも1つのアミン基を有する第1のシロキサンを含み、第2の反応物は、少なくとも1つのアミン基を有する第2のシロキサンを含み、すなわち、反応物はアミン官能性シロキサンである。
第3の実施形態では、第1の反応物は第1の有機アルコールを含み、第2の反応物は第2の有機アルコールを含み、すなわち、反応物は有機アルコールである。第4の実施形態では、第1の反応物は第1の有機アミンを含み、第2の反応物は第2の有機アミンを含み、すなわち、反応物は有機アミンである。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、架橋シロキサンは、典型的には下記一般式(I)のものである:
各Xは、下記一般式(i)で示される:
各Yは次式(ii)のものである:
−SiR5 2−O−[SiR1R4−O−]w[SiR1R2−O−]x[SiR1R4−O−]ySiR5 2−(ii)。
W及びW*のそれぞれは、独立してO又はN−Rであり、同時にRは、独立してH又はR1である。Z、R3及びR13のそれぞれは、独立して選択される二価の基である。R1、R2、R4、R5、R8、R18、R10、R20、R11、及びR21のそれぞれは、独立して選択された置換若しくは非置換ヒドロカルビル基である。「a」及び「aa」のそれぞれは独立して0〜1,000である。「b」及び「bb」のそれぞれは独立して1〜200である。「c」及び「cc」のそれぞれは独立して0〜1,000である。「d」のそれぞれは、独立して0又は1である。更に、「w」は0〜1,000であり、「x」は0〜100であり、「y」は0〜1,000である。
第3の実施形態及び第4の実施形態では、架橋シロキサンは、典型的には、下記一般式(II)のものである:
各Yは次式(ii)のものである:
−SiR5 2−O−[SiR1R4−O−]w[SiR1R2−O−]x[SiR1R4−O−]ySiR5 2−(ii)。
Z1及びZ2のそれぞれは、独立して、有機アルコール又は有機アミンに由来する。W、W*、R3、R13、R1、R2、R4、R5、「w」、「x」、及び「y」のそれぞれは上記のとおりのものである。
本開示の組成物及び/又はパーソナルケア組成物を形成するのに使用できる前述の架橋シロキサン及び/又はその他の構成成分は、PCT/US2014/062873(Atty.Docket No.DC11769 PCT 1)及びPCT/US2014/062877(Atty.Docket No.DC11778 PCT 1)に記載されており、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。かかる構成成分としては、架橋組成物、シロキサン、例えば、アリルコハク酸無水物(ASA)シロキサン、及びかかる特許文献に記載の例が挙げられる。
好適な架橋シロキサンの第4の非限定例:
ある種の実施形態において、架橋シロキサンは、実質的に直鎖状の構造を有する構成成分を反応させることにより形成される。架橋シロキサンは、第1及び第2の直鎖状オルガノポリシロキサンのヒドロシリル化反応生成物である。様々な実施形態において、用語「直鎖状」は、第1の直鎖状オルガノポリシロキサン、第2の直鎖状オルガノポリシロキサン、及び/又は架橋シロキサン自体が、<1重量%、<0.5重量%、<0.1重量%、又は<0.01重量%のT単位及びQ単位、すなわち、それぞれ式(置換基−SiO3/2)及び式(SiO4/2)を有するシロキシ単位を含むことを表す。他の実施形態において、用語「直鎖状」は、第1の直鎖状オルガノポリシロキサン、第2の直鎖状オルガノポリシロキサン、及び/又は架橋シロキサン自体は分枝状ではなく、又は高度に分枝していないことを表す。更に他の実施形態では、第1の直鎖状オルガノポリシロキサン、第2の直鎖状オルガノポリシロキサン、及び/又は架橋シロキサンの主鎖は、直鎖状であるとして記載され、例えば、分枝状ではない、又は高度に分枝していないとして記載される。例えば、第1の直鎖状オルガノポリシロキサン、第2の直鎖状オルガノポリシロキサン、及び/又は架橋シロキサンそのものの主鎖は、典型的には直鎖状であり、主鎖は、主鎖に結合している1つ以上の環式、芳香族、あるいは他の非直鎖状置換基を有し得る。このような状況では、第1の直鎖状オルガノポリシロキサン、第2の直鎖状オルガノポリシロキサン、及び/又は架橋シロキサンそのものの主鎖は、本明細書で使用するとき、なおも「直鎖状」であるものとして見なされ得る。更に、上に使用した用語「分枝状」及び「高度に分枝した」は、当業者により認識されるとおりに使用される。
1つ又は2つ以上の第1の直鎖状オルガノポリシロキサンを1つ又は2つ以上の第2の直鎖状オルガノポリシロキサンと反応させることができる。同様にして、様々な実施形態において、1つの第1の直鎖状オルガノポリシロキサンを、2つ(又はそれ以上)の第2の直鎖状オルガノポリシロキサンと反応させる。あるいは、2つ(又はそれ以上)の第1の直鎖状オルガノポリシロキサンを、1つの第2の直鎖状オルガノポリシロキサンと反応させることができる。したがって、様々な実施形態において、本明細書において「第1の直鎖状オルガノポリシロキサン」が使用されているあらゆる箇所において、2つ又はそれ以上の第1の直鎖状オルガノポリシロキサンが使用され得る。他の実施形態において、本明細書において「第2の直鎖状オルガノポリシロキサン」が使用されているあらゆる箇所において、2つ又はそれ以上の第2の直鎖状オルガノポリシロキサンが使用され得る。
架橋シロキサンは、アルケニル官能基又はSi−H官能基(例えば、第1及び第2の直鎖状オルガノポリシロキサンとの反応の結果として)を含む。様々な実施形態において、アルケニル官能基又はSi−H官能基は、架橋シロキサンの総重量に対し百万分率(ppm)又は十億分率(ppb)レベルで観察され得る。他の実施形態において、アルケニル官能基又はSi−H官能基は、アルケニルの、架橋シロキサンの形成に使用される反応物のSi−H官能基(例えば、第1及び第2の直鎖状オルガノポリシロキサン)に対するモル比をもとに理解される。例えば、(例えば、第1の直鎖状オルガノポリシロキサン及び第2の直鎖状オルガノポリシロキサンからの)架橋シロキサンの形成に使用されるアルケニルの、Si−H単位に対する比は、<1又は>1であり得る。様々な実施形態において、この比は、0.01〜<1、0.1〜<1、0.2〜0.9、0.3〜0.8、0.4〜0.7、又は0.5〜0.6である。他の実施形態において、この比は、>1、>1〜100、>1〜50、>1〜25、>1〜15、>1〜10、又は>1〜5である。典型的には、アルケニルの、Si−H単位に対する比は、厳密に1ではない。しかしながら、ある実施形態において、1という比は想到される。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
様々な実施形態において、架橋シロキサンは、組成物100重量部当たり、3〜30、5〜25、5〜20、5〜15、5〜10、5〜9、6〜9、又は7〜8重量部の量で存在する。重量部でのこの量は、「固形分%」又は「活性成分(複数可)%」としても記載され得る。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
第1の直鎖状オルガノポリシロキサンは、それぞれM単位及びD単位としても知られる(R1R2R3SiO1/2)単位及び(R4R5SiO2/2)単位を含む。R1〜R5のそれぞれは、R1〜R5のうちの少なくとも1つがアルケニル基であるならば、独立して炭化水素基である。炭化水素基は、1〜20、2〜15、3〜10、5〜10個などの炭素原子を有するアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基など、シクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基、6〜12個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、及びキシリル基など、又は7〜20個の炭素原子を有するアラルキル基、例えば、ベンジル基及びフェニルエチル基などであり得る。炭化水素基は、2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、及びデセニル基であってもよく、典型的には、ビニル基又はヘキセニル基であり得る。あるいは、炭化水素基は、1つ以上のハロゲン原子を含み得る。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
第1の直鎖状オルガノポリシロキサンは、ホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーとすることができる。非限定例としては、ジメチルシロキシ単位及びフェニルメチルシロキシ単位を含むコポリマー、ジメチルシロキシ単位及び3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキシ単位を含むコポリマー、ジメチルシロキシ単位及びジフェニルシロキシ単位を含むコポリマー、並びに特にジメチルシロキシ単位、ジフェニルシロキシ単位、及びフェニルメチルシロキシ単位のコポリマーが挙げられる。第1の直鎖状オルガノポリシロキサンは、典型的には、直鎖状主鎖を有するものの、主鎖に結合している非直鎖状置換基を有してもよい。
様々な実施形態において、第1の直鎖状オルガノポリシロキサンは、<1重量%、<0.5重量%、<0.1重量%、又は<0.01重量%のT単位及び/又はQ単位を含む。あるいは、第1の直鎖状オルガノポリシロキサンは、T単位及び/又はQ単位を含まない。他の実施形態において、第1の直鎖状オルガノポリシロキサンは、100〜15,000、500〜15,000、2,000〜15,000、5,000〜15,000、7,500〜15,000、8,000〜15,000、10,000〜12,000、又は約10,000の重合度を有する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
一実施形態では、第1の直鎖状オルガノポリシロキサンはポリジオルガノシロキサンガムである。本明細書で使用するとき、ポリジオルガノシロキサンガムは、主にD単位を含む。例えば、ポリジオルガノシロキサンガムそのものは、25℃にて少なくとも1,000,000、又は少なくとも2,000,000mm2/sの粘度を有する。あるいは、分子量は、米国材料試験教会(ASTM)の試験方法926により測定したときに、少なくとも40のウィリアムス可塑度をポリジオルガノシロキサンガムに付与するのに十分なものであり得る。典型的には、可塑度は、40〜200又は50〜150である。あるいは、ポリジオルガノシロキサンガムの分子量は、少なくとも600,000、少なくとも1,000,000、又は少なくとも2,000,000ダルトンである。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
ポリジオルガノシロキサンガムの具体的な非限定例としては、トリメチルシロキシに末端ブロックされたジメチルシロキサン、トリメチルシロキシに末端ブロックされたジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシに末端ブロックされたメチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシに末端ブロックされた3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシに末端ブロックされた3,3,3−トリフルオロプロピルメチル−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシに末端ブロックされたジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシに末端ブロックされたジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシに末端ブロックされたメチルフェニルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシに末端ブロックされたメチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、及び同様のコポリマーが挙げられ、少なくとも1つの末端基はジメチルヒドロキシシロキシである。ポリジオルガノシロキサンガムは、2つ又はそれ以上のオルガノポリシロキサンの組み合わせであってもよく、又は含んでもよい。ポリジオルガノシロキサンガムの調製方法は周知であり、多くが市販されている。
他の実施形態において、第1の直鎖状オルガノポリシロキサンはフルイドである。例えば、フルイドは、25℃にて1,000〜100,000、25,000〜100,000、25,000〜75,000、50,000〜75,000、50,000〜65,000、又は55,000〜60,000mm2/sの粘度を有し得る。フルイドは、あるいは7,500〜700,000、50,000〜500,000、又は100,000〜250,000ダルトンの分子量を有し得る。他の実施形態において、DOW CORNING(登録商標)(「DC」)フルイド、4−2764、2−7891、2−7754、2−7891、及び2−7463、SFD−117、SFD−119、SFD−120、SFD−128、SFD−129、5−8709、LV、2−7038、2−7892、2−7287、2−7463、ジヘキセニル末端を有する7692、7697、併せて2−7063及び2−7748、並びにこれらの組み合わせが使用され得る。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
第2の直鎖状オルガノポリシロキサンは、(R6R7R8SiO1/2)単位及び(R9R10SiO2/2)単位を含む。R6〜R10のそれぞれは、R6〜R10のうちの少なくとも1つが水素原子であるならば、独立して炭化水素基である。炭化水素基は上記のいずれかのものであり得る。
様々な実施形態において、第2の直鎖状オルガノポリシロキサンは、<1重量%、<0.5重量%、<0.1重量%、又は<0.01重量%のT単位及び/又はQ単位を含む。あるいは、第2の直鎖状オルガノポリシロキサンは、T単位及び/又はQ単位を完全に含まなくてもよい。他の実施形態において、第2の直鎖状オルガノポリシロキサンは、4〜1,000、8〜500、25〜400、50〜300、75〜200、又は75〜100、あるいは100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、75〜150、75〜125、又は約100の重合度を有する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
第2の直鎖状オルガノポリシロキサンは、上記のとおりガム又はフルイドであり得る。第2の直鎖状オルガノポリシロキサンの非限定例は、DCフルイド、5−0210、6−3570、1−8114、1−3502、OFX−5057、OFX−5084、OFX−5625、MHX−1107、及びこれらの組み合わせである。これらは全て市販品であり、SiHペンダント、SiH末端、又はSiHホモポリマーを示す。
第1及び第2の直鎖状オルガノポリシロキサンは、典型的には、共に反応して架橋シロキサンを形成する。この反応は、典型的には、ヒドロシリル化触媒の存在下で実施される。ヒドロシリル化触媒は、当技術分野において既知の任意のものであってもよい。好適な触媒及びその量は上記のとおりであり、例えば、白金族金属含有触媒である。
本開示の組成物及び/又はパーソナルケア組成物を形成するのに使用できるその他の架橋シロキサン及び/又は構成成分は、PCT/US15/024905(Atty.Docket No.DC11873 PCT 1)及びPCT/US15/024886(Atty.Docket No.DC11901 PCT 1)に記載されており、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
好適なシリコーンポリエーテルコポリマーの非限定例:
ある種の実施形態において、第1の構成成分のコポリマーはシリコーンポリエーテルコポリマーを含む。様々な種類のシリコーンポリエーテルコポリマーを使用できる。異なる種類の反応スキームを使用してシリコーンポリエーテルコポリマーを得ることができ、かつ多くは市販されている(例えば、Dow Corning Corporation)。
ある種のシリコーンポリエーテルコポリマーは、ポリオキシアルキレンシロキサンコポリマー又はポリオキシアルキレン置換シリコーン(例えば、レーキ型又は(AB)n型)とも呼称される。コポリマーのポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位(C2H4O)、オキシプロピレン単位(C3H6O)、オキシブチレン単位(C4H8O)、又はこれらの混合物を含み得る。以下の組成物を形成するのに好適なシリコーンポリエーテルコポリマーの例。
好適なシリコーンポリエーテルコポリマーの第1の非限定例:
ある種の実施形態において、シリコーンポリエーテルコポリマーは(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーである。特定の実施形態において、(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーは、一般式:−[−(R2SiO)aR2SiYO(CnH2nO)bY−]c−により表され、式中、各Rは、独立して選択された水素又は一価の基であり、各Yは、独立して選択された二価の基であり、「a」は≧4であり、「b」は≧4であり、「c」は≧2であり、「n」は2〜4である。
Rの例としては、独立して、水素、一価の炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、トリル基、キシリル基、シクロヘキシル基、ポリカプロラクトン基、トリフルオロプロピル基、及びクロロプロピル基など、有機反応基、例えば、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基、メルカプト基、メタクリロ基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、アミド基、イミド基、イミノ基、アルデヒド基、ニトロ基、ニトリル基、オキシム基、アゾ基、及びヒドラゾン基など、無機反応基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、トリメトキシシリルエチル基、トリエトキシシリルエチル基、及びメチルジメトキシシリルエチル基など、並びに親水性基、例えば、ポリエーテル基及びグルコース基などが挙げられる。特定の実施形態において、各Rはメチルである。
Yは、隣接するケイ素原子及び酸素原子間に結合する。Yの例としては、独立して、以下の基:−R’−、−R’CO−、−R’NHCO−、−R’NHCONHR”NHCO−、又は−R’OOCNHR”NHCO−が挙げられ、式中、R’は、例えば、エチレン、プロピレン、又はブチレンなどの二価のアルキレン基であり、及びR”は、例えば、R’などの二価のアルキレン基、又は例えば、−C6H4−、−C6H4C6H4−、−C6H4CH2C6H4−、又は−C6H4CH(CH3)C6H4−などの二価のアリーレン基である。
Y基の具体例としては、次の基、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−(CH2)2CO−、−(CH2)3NHCO−、−(CH2)3NHCONHC6H4NHCO−、及び−(CH2)3OOCNHC6H4NHCO−が挙げられる。
好適なシリコーンポリエーテルコポリマーの第2の非限定例:
ある種の実施形態において、シリコーンポリエーテルコポリマーは、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(PEG/PPG)ポリジメチルシロキサン(PDMS)コポリマーである。典型的には、PEG及びPPGは、当該技術分野で認識される方法により、PDMS主鎖(例えば、レーキ)上にグラフトされる。
シリコーンポリエーテルコポリマーは、様々な量のPEG及びPPGを有することができ、PEG及びPPGのそれぞれは、別個に同量又は異なる量で存在し得る。ある種の実施形態において、PEG及びPPGのそれぞれは、別個にPDMS分子/主鎖毎に約1〜50個、1〜40個、5〜30個、5〜25個、10〜20個、12〜18個、14〜18個、16〜18個、又は18個の量で存在する。
シリコーンポリエーテルコポリマーは、様々な重合度であってよい。典型的には、シリコーンポリエーテルコポリマーは、約10〜1,000、50〜1,000、100〜1,000、100〜750、100〜500、200〜500、300〜500、又は400のDPを有する。好適なシリコーンポリエーテルコポリマーの具体例は、DOW CORNING(登録商標)5225C Formulation Aid:(INCI名:シクロペンタシロキサン(及び)PEG/PPG−18/18ジメチコン)である。
本開示の組成物及び/又はパーソナルケア組成物を形成するのに使用できる前述のシリコーンポリエーテルコポリマー、他のシリコーンポリエーテルコポリマー、及び/又は他の構成成分のうちのいくつかは、米国特許第4,122,029号、同第4,218,250号、同第4,311,695号、同第5,302,382号、同第5,811,487号、同第5,891,954号、同第6,133,370号、同第6,987,157号、同第7,887,834号、同第7,790,827号、同第8,008,407号、同第8,013,097号、及び同第8,734,767号、米国特許出願公開第2007/0243241号、同第2007/0166263号、同第2010/0184935号、同第2011/0189248号、及び国際公開第2005/103117号に記載されており、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
好適なサッカリドシロキサンコポリマーの非限定例:
ある種の実施形態において、第1の構成成分のコポリマーは、サッカリドシロキサンコポリマーを含む。かかるコポリマーは糖シロキサンとしても呼称され得る。多様なサッカリドシロキサンコポリマーを使用できる。異なる種類の反応スキームを使用して、サッカリドシロキサンコポリマーを得ることができる。以下の組成物を形成するのに好適なサッカリドシロキサンコポリマーの例。
特定の実施形態において、サッカリドシロキサンコポリマーは、一般式:R2 aR1 (3−a)SiO[(SiR2R1O)m(SiR1 2O)n]ySiR1 (3−a)R2 aにより表され、各R1は、独立して選択された水素、アルキル基、有機基、又はR3−Q基であり、Qはエポキシ官能基、シクロアルキルエポキシ官能基、第一級又は第二級アミノ官能基、エチレンジアミン官能基、カルボキシ官能基、ハロゲン官能基、ビニル官能基、アリル官能基、無水物官能基、又はメルカプト官能基を含み、「m」及び「n」のそれぞれは独立して0〜10,000であり、「a」のそれぞれは、独立して0〜3であり、「y」は、サッカリドシロキサンコポリマーが<100万の分子量を有するような整数であり、各R2は、独立して、式:Z(G1)b(G2)cを有し、式中、G1は、1分子当たり少なくとも1つのR2が存在するという条件で、5〜12個の炭素原子を有するサッカリド構成成分であり、「b」及び「c」のそれぞれは、独立して、(b+c)が1〜10になるという条件で0〜10であり、G2は、有機又は有機ケイ素基で追加的に置換された5〜12個の炭素原子を有するサッカリド構成成分であり、各Zは、独立して、−R3N(R8)C(O)R4−、−R3CH(OH)CH2N(R8)R4−、及び−R3CH(N(R4)(R8))CH2OHからなる群から選択され、R3及びR4は、それぞれ独立して、式:(R5)r(R6)s(R7)tであり、式中、「r」、「s」及び「t」のうち少なくとも1つは1であり、R5及びR7のそれぞれは、独立して、1〜12個の炭素原子を有するアルキレン基、又は式(R9O)pの基であり、式中、各R9は、独立して、二価の有機基であり、「p」は1〜50であり、各R6は、独立して、−N(R8)−であり、式中、R8は、R3、式Z−Xの基、不飽和炭化水素基、又は、−N(H)−とエポキシ官能基、シクロアルキルエポキシ官能基、グリシジルエーテル官能基、酸無水物官能基、若しくはラクトンとの反応生成物から選択され、並びに各Xは、独立して、二価のカルボン酸基、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基、又は第四級アンモニウム基であり、但し、R3及びR4のうち少なくとも1つがZに存在する。
本開示の組成物及び/又はパーソナルケア組成物を形成するのに使用できる前述のサッカリドシロキサンコポリマー、又は他のサッカリドシロキサンコポリマー、及び/又は、他の構成成分は、米国特許第7,834,087号、同第8,853,372号、同第8,877,216号、及び同第8,907,026号、並びに米国特許出願公開第2013/0149259号、同第2013/0149260号同第2013/0149261号、並びに同第2014/0357884号に記載されており、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
第2の構成成分:
第2の構成成分は、オルガノポリシロキサン樹脂、アクリレートコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む。組成物の形成には各種オルガノポリシロキサン樹脂を利用することができる。同様にして、組成物の形成には各種アクリレートコポリマーを利用することができる。しかしながら、好適なアクリレートコポリマーは、ケイ素含有部分、より典型的にはシロキシ含有部分を含む。
第2の構成成分は、様々な量で組成物に使用され得る。典型的には、第2の構成成分は、組成物100重量部に対し約0.1〜99.9、1〜99、5〜95、10〜90、20〜80、30〜70、40〜60、45〜55、又は50重量%の量で存在する。
第1及び第2の構成成分は、互いに対して様々な重量比で組成物中に存在し得る。様々な実施形態において、第1及び第2の構成成分は、約10:1〜約1:10、9:1〜1:9、8:1〜1:8、7:1〜1:7、6:1〜1:6、5:1〜1:5、4:1〜1:4、3:1〜1:3、2:1〜1:2、又は1:1の重量比で存在する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
好適なオルガノポリシロキサン樹脂の非限定例:
様々な実施形態において、組成物はMQ樹脂を含む。MQ樹脂は、本質的にR3SiO1/2単位及びSiO4/2単位(それぞれM単位及びQ単位)からなる高分子ポリマーであり、式中、Rは、官能性有機基又は非官能性有機基である。当業者であれば、MQ樹脂は、限られた数のD単位及びT単位も含み得ることは認識されるであろう。具体的には、MQ樹脂は、総シロキサン単位の≧80mol%、あるいは≧90mol%がM単位及びQ単位であることを条件として、D単位及びT単位を含有し得る。あるいは、MQ樹脂は、D単位及び/又はT単位を含まなくてもよい。
MQ樹脂は、式:(R1 3SiO1/2)m(SiO4/2)nのシロキシ単位を含むオルガノシロキサン樹脂であってよく、式中、各R1は、独立して選択された置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、「m」は、≧4であり、かつ「n」は、≧1である。m/nの比は様々であってよいものの、典型的には、約1.5〜1、0.6〜1、又は0.9〜1である。
好適なヒドロカルビル基は上記のものである。ある種の実施形態において、各R1は、独立して選択された、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、カルビノール基、又はアミノ基である。アルキル基は、概して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びオクチル基によって例示され、アルキル基は、典型的には、メチル基である。アリール基は、概して、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、キセニル基、メチルフェニル基、2−フェニルエチル基、2−フェニル−2−メチルエチル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基及びフルオロフェニル基によって例示され、アリール基は典型的にフェニルである。
「カルビノール」基は、概して、少なくとも1つの炭素結合ヒドロキシル(COH)基を含有する任意の基である。したがって、カルビノール基は、例えば、以下:
のようなCOH基を1超含有し得る。アリール基を含まない場合、カルビノール基は、典型的には、≧3の炭素原子を有する。かかるカルビノール基は、概して、式:R4OHにより例示され、式中、R4は、≧3個の炭素原子を有する二価の炭化水素基又は炭化水素オキシ基である。R4は、例えば、式:−(CH2)x−[式中、xは、3〜10である]のものなど、あるいは式:−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2−、又は−OCH(CH3)(CH2)x−[式中、xは1〜10である]のものなどのアルキレン基により例示される。
アリール含有カルビノール基は、典型的には、≧6個の炭素原子を有する。かかるカルビノール基は、概して、式:R5OHにより例示され、式中、R5は、6〜14個の炭素原子を有するアリーレン基である。R5は、例えば、式:−(CH2)x−[式中、xは、0〜10である]のものなど、−CH2CH(CH3)(CH2)xC6H4−[式中、xは、0〜10である]のものなど、あるいは−(CH2)xC6H4(CH2)x−[式中、xは、1〜10である]のものなどのアリーレン基により例示される。
アミノ基は、式:−R6NH2又は−R6NHR7NH2により例示され、式中、R6及びR7のそれぞれは、独立して、≧2個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、典型的には、R6及びR7のそれぞれは、独立して、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基である。R6及びR7のそれぞれは、独立して、エチレン、プロピレン、−CH2CHCH3−、ブチレン、−CH2CH(CH3)CH2−、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、3−エチル−ヘキサメチレン、オクタメチレン、及びデカメチレンにより例示される。典型的なアミノ基としては、−CH2CH2CH2NH2、−CH2(CH3)CHCH2(H)NCH3、−CH2CH2NHCH2CH2NH2、−CH2CH2NH2、−CH2CH2NHCH3、−CH2CH2CH2CH2NH2、−(CH2CH2NH)3H、及び−CH2CH2NHCH2CH2NHC4H9が挙げられる。
MQ樹脂は、ヒドロキシ基も含み得る。様々な実施形態において、MQ樹脂は、0〜15、1〜12、2〜10、又は2〜5重量%の合計ヒドロキシ含量(重量%)を有する。また、MQ樹脂を更に「キャップ」することが可能で、残存するヒドロキシ基を追加のM単位と反応させる。
MQ樹脂及びその調製方法は、当該技術分野において周知である。例えば、米国特許第2,814,601号は、酸を用いて水溶性ケイ酸塩をケイ酸モノマー又はケイ酸オリゴマーに変換することによって、MQ樹脂を製造できることを開示している。適切な重合が達成されたとき、樹脂は、トリメチルクロロシランにより末端キャップされ、MQ樹脂が生成される。MQ樹脂を調製する別の方法は、米国特許第2,857,356号に記載されており、かかる特許文献は、アルキルシリケートと加水分解性トリアルキルシランオルガノポリシロキサンとの混合物を、水を用いて共加水分解することによって、MQ樹脂を製造する方法を開示している。
他の好適なMQ樹脂及びそれらの調製方法は、米国特許第6,075,087号、同第7,452,849号、同第7,803,358号、同第8,012,544号、同第8,017,712号、並びに国際公開第2010/065712号、及び同第2013/117490号に開示されている。前述の特許及び出願公開は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により明示的に本明細書に援用される。好適なMQ樹脂は市販されており、例えば、DOW CORNING(登録商標)MQ−1600固体樹脂、MQ−1601固体樹脂、MQ−1640フレーク樹脂、217フレーク、及び5−7104などである。
使用する場合、MQ樹脂は、様々な量で組成物に含めることができる。ある種の実施形態において、MQ樹脂は、組成物100重量部に対し約0〜99、10〜90、30〜90、又は40〜80の量で存在する。2つ以上の異なるMQ樹脂を使用してもよい。
好適なアクリレートコポリマーの非限定例:
様々な実施形態において、組成物は、アクリレートコポリマーを含む。好適なアクリレートコポリマーは市販されており、例えば、DOW CORNING(登録商標)FA 4001 CM シリコーンアクリレート及びDOW CORNING(登録商標)FA 4002 IDシリコーンアクリレートなどである。
アクリレートコポリマーは、不飽和カルボン酸のエステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(ethyhexyl)メタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、及びオクタフルオロペンチルメタクリレートなど、不飽和脂肪族カルボン酸、例えば、メタクリル酸及びアクリル酸など、不飽和脂肪族カルボン酸のアミド、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN−メチロールアクリルアミドなど、不飽和脂肪族ニトリル、例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなど、不飽和脂肪族化合物、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びバーサチック酸ビニルなど、不飽和カルボン酸無水物、例えば、無水マレイン酸及び4−メタクリルオキシエチルトリメリット酸無水物(4−META)など、ハロゲン化ビニル、例えば、塩化ビニル及びフッ化ビニルなど、芳香族ビニル化合物、例えば、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、及びビニルピリジンなど、並びに脂肪族ジエン、例えば、ブタジエン及びイソプレンなどにより例示され得る、ラジカル重合可能な有機モノマーの反応により形成され得る。
コポリマーは、例えば、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本明細書に明示的に援用される米国特許第6,306,992号に記載され、調製されたものなどのカルボシロキサンデンドリマーであってよい。好適なカルボシロキサンデンドリマーの例としては、一般式:
により表されるものが挙げられ、式中、各R1は、独立して、炭素原子1〜10個のアルキル基又はアリール基であり、R2は、炭素が1〜10個のアルキレン基を除く二価の有機基であり、「b」は、1〜3であり、X1は、次の一般式(「i」=1であるとき)により表されるシリルアルキル基であり、
式中、R1は、上記のとおりに定義され、R3は、炭素が2〜10個のアルキレン基であり、R4は、炭素が1〜10個のアルキル基であり、Xi+1は、水素、炭素が1〜10個のアルキル基、アリール基、及びX1シリルアルキル基から選択され、「i」は、上記のX1シリルアルキル基の生成数であり、かつ1〜10であり、aiは、0〜3であり、Yは、ラジカル重合可能な基である。ラジカル重合可能な基は、典型的には、炭素原子2〜10個のアルケニル基、次の一般式を有する基、
又は
又は
次式の基:
から選択される[式中、R5及びR6のそれぞれは、独立して、水素又はMeであり、R7は炭素原子1〜10個のアルキル基であり、「c」は0〜4である]。
コポリマーは、例えば、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本明細書に明示的に援用される米国特許第6,420,504号に記載のものなどの分枝状シロキサン−シルアルキレン(silalkylene)コポリマーであってよい。好適な分枝状シロキサン−シルアルキレン(silalkylene)コポリマーの例としては、一般式:
[式中、R1は上記のとおりに定義され、X1は、下記一般式(「i」=1であるとき)により表されるシリルアルキル基である]、
[式中、R1は、上記のとおりに定義され、R2は、炭素が2〜10個のアルキレン基であり、R3は、炭素が1〜10個のアルキル基であり、Xi+1は、水素、炭素が1〜10個のアルキル基、アリール基、及び上記のX1シリルアルキル基から選択され、「i」は、上記のX1シリルアルキル基の生成数であり、かつ1〜10であり、aiは、0〜3である]により表されるものが挙げられる。Yは、ラジカル重合可能な基である。ラジカル重合可能な基は、典型的には、炭素原子2〜10個のアルケニル基、次の一般式により表される(メタ)−アクリル基含有有機基:
又は
次の一般式により表されるスチリル基含有有機基:
から選択される[式中、R4及びR6のそれぞれは、独立して、水素又はMeであり、R5及びR8のそれぞれは、独立して、炭素原子1〜10個のアルキレン基であり、R7は、炭素が1〜10個のアルキル基であり、「b」は0〜4であり、「c」は0又は1である]。
使用する場合、コポリマーは、様々な量で組成物に含めることができる。ある種の実施形態において、コポリマーは、組成物100重量部に対し約0〜99、10〜90、30〜90、又は40〜80の量で存在する。2つ以上の異なるコポリマーを使用してもよい。
任意選択的なキャリアフルイド:
特定の実施形態では、組成物は、キャリアフルイドを更に含む。組成物の形成には各種キャリアフルイドを使用することができる。キャリアフルイドは、典型的には、シリコーン、有機溶媒、有機油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書に記載の様々な反応生成物はキャリアフルイドの存在下で形成でき、及び/又はキャリアフルイドは組成物用の希釈剤として使用され得る。両方の目的について使用される場合、互いに同じ又は異なるキャリアフルイドを使用してよい。
好適なキャリアフルイドとしては、直鎖状及び環状の両方のシリコーン、有機油、有機溶媒、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶媒の具体例は、これらの溶媒に関係する様々な非限定的な実施形態における参照により本明細書に明示的に援用される米国特許第6,200,581号に見ることができる。一実施形態では、キャリアフルイドは、ポリジメチルシロキサンである。様々な他の実施形態において、キャリアフルイドは、25℃にて1〜1,000mm2/sであるとして測定される粘度を有する、低粘度シリコーン、又は揮発性メチルシロキサン、又は揮発性エチルシロキサン、又は揮発性メチルエチルシロキサンであり、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル−3−{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル−3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン、及びペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、及びこれらの組み合わせなどである。好適なキャリアフルイドの例としては、DOW CORNING(登録商標)200 フルイド、例えば、2 cSt及び5 cSt;並びにDOW CORNING(登録商標)FZ−3196が挙げられる。
有機溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル、芳香族ハロゲン化物、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11−C13)、Isopar H(C11−C12)、水素添加ポリデセン、及びこれらの組み合わせなどといった炭化水素も使用できる。イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアラート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチル−3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルパルミテート、及びこれらの組み合わせなどといったエーテル及びエステルも使用できる。有機脂肪(organic fats)、油、脂肪酸、脂肪族アルコール、及びこれらの組み合わせも使用できる。
キャリアフルイドは、典型的には、25℃にて1〜1,000、2〜50、又は5〜50、あるいは2〜20、2〜15、2〜10、又は2〜5mm2/sであるとして測定される粘度を有する。上記の値間の任意の値及び全ての値又は値の範囲も用いることができることが想到される。
使用する場合、キャリアフルイドは、典型的には、組成物100重量部に対し約50〜99.9、60〜99.9、70〜99.9、又は80〜99.99、あるいは約70〜97、75〜95、80〜95、85〜95、90〜95、93〜95、91〜95、92〜94、又は92〜93重量%の量で組成物中に存在する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
キャリアフルイドと、第1の及び第2の構成成分との組み合わせにより、組成物には、パスカル秒(Pa・s)で測定され、せん断速度に対しsec−1で収集される、約0.1〜75、0.3〜15、0.5〜5、又は1〜3Pa・sの粘度が提供される。これらの粘度の値は、典型的には、TA Instruments AR 1000−Nなどの応力制御型レオメータを使用して測定される。様々な実施形態において、用語「フルイド」は、本明細書で使用するとき、重力などの力が加えられたときに、構成粒子が互いに行き交うことができ、すなわち流動し得る、液体を表す。本実施形態において、「フルイド」は、流動しない「ゲル」を包含しない。他の実施形態において、組成物は、23℃にて≧100、≧200、又は≧300mPa・sの粘度を有し、それぞれが上記の値のいずれかを最大値として有する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
任意選択的な化合物(複数可):
組成物は、1種以上の任意選択的な化合物を含んでもよい。このような任意選択的な化合物の非限定例としては、モノ末端脂肪族不飽和炭化水素基を有する化合物又は化合物の混合物が挙げられる。例えば、この任意選択的な化合物は、末端不飽和脂肪族炭化水素基を1つ有し6〜30個の炭素原子を含有する炭化水素、及び/若しくは末端不飽和脂肪族基を1つ有するポリオキシアルキレンであってよく、又は含み得る。
この任意選択的な化合物の使用は、結果として、組成物の化学特性及び物理特性を変更し得る。例えば、任意選択的な化合物が、第1及び/又は第2の構成成分に炭化水素基を付加することにより、組成物には、より疎水性が付与され得る。反対に、任意選択的な化合物が、例えば、ほとんどがエチレンオキシド単位であるポリオキシアルキレンである場合、使用により組成物はより親水性となり得る。
任意選択的な化合物中の不飽和脂肪族炭化水素基(複数可能)は、アルケニル基又はアルキニル基であり得る。アルケニル基の代表的な非限定例は、次の構造により示される;H2C=CH−、H2C=CHCH2−、H2C=C(CH3)CH2−、H2C=CHCH2CH2−、H2C=CHCH2CH2CH2−、及びH2C=CHCH2CH2CH2CH2−。アルキニル基の代表的な非限定例は、次の構造により示される;HC≡C−、HC≡CCH2−、HC≡CCH(CH3)−、HC≡CC(CH3)2−、及びHC≡CC(CH3)2CH2−。
他の実施形態において、末端不飽和脂肪族基を1つ有し6〜30個の炭素原子を含有する炭化水素は、α−オレフィン、例えば、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−デカデセン、及び同様の同族体などから選択され得る。あるいは、任意選択的な化合物は、α−メチルスチレンなどのアリール含有炭化水素からも選択され得る。
なお更に、任意選択的な化合物は、平均式:R’O−[(C2H4O)c’(C3H6O)d’(C4H8O)e]−R”を有するポリオキシアルキレンから選択され得る[式中、R’は、2〜12個の炭素原子を含む一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、c’、d’、及びeの合計が>0になるという条件で、c’は、0〜100であり、d’は、0〜100であり、「e」は、0〜100である]。R”は、水素、アシル基、又は1〜8個の炭素を含有する一価の炭化水素基である。
あるいは、任意選択的な化合物として有用なポリオキシアルキレンの代表的な非限定例としては、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’H、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’CH3、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’H、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’CH3、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’H、H2C=CHC(CH3)2O(C2H4O)c’H、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’H、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’CH3、HC≡CCH2O(C2H4O)c’H、HC≡CCH2O(C2H4O)c’CH3、HC≡CCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’H、HC≡CCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’CH3、及びHC≡CCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3が挙げられ、式中、c’及びd’は上記のとおりである。
更に他の実施形態では、任意選択的な化合物は、不飽和脂肪族基を1つ有する直鎖状又は分枝状シロキサンである。あるいは、任意選択的な化合物は、不飽和脂肪族基(例えば、アリルキシリトール又はアリルグリセリン)を1つ有するポリオールであり得る。
任意選択的なシリコーンエラストマー(複数可):
組成物は、第1及び第2の構成成分のそれぞれとは異なるシリコーンエラストマーも含み得る。シリコーンエラストマーは特に限定されず、当業者に知られるとおり、当該技術分野で既知の任意のものであってよい。シリコーンエラストマーの添加により、組成物の物理特性及び感覚特性をカスタマイズすることが可能であるものの、シリコーンエラストマーは任意選択的なものであることは認識されたい。シリコーンエラストマーを使用する場合、組成物は、本明細書において「シリコーンエラストマー組成物」又は「エラストマー組成物」と呼称され得る。
シリコーンエラストマー組成物:
シリコーンエラストマー組成物は、様々な濃度にわたり、特有のレオロジー特性、光学特性、及び感覚特性を示し得る。かかるエラストマー組成物の化学的、ひいては物理的特性は、シリコーンエラストマー組成物が、親水性又は疎水性の挙動、有機相溶性(organic compatibility)若しくは不相溶性、及び/又は皮膚上に配置されたときの視覚特性の変化を示すよう調整され得る。例えば、特定のシリコーンエラストマー組成物は、それらの構成成分の効果を累積したものよりも顕著に所望の特性を付与し得る。フルイド組成物及びシリコーンエラストマーの選択により、レオロジーを改質でき、感覚特性を改良でき、光学的効果を変化させることができ、かつシリコーンエラストマー組成物の持続性を向上させることができる。
一実施形態では、シリコーンエラストマー組成物を皮膚に塗布したときに二通りの感覚効果を提供することを目的として、「一致しない(mismatched)」キャリアフルイドが使用される。例えば、揮発性有機キャリアフルイド中のシリコーンエラストマーと、不揮発性シリコーンキャリアフルイド中のフルイド組成物とのブレンドは、感覚効果の変化を呈し得る。塗布時には、揮発性有機キャリアフルイドの効果が容易に認識され得る。しかしながら、一定時間後、揮発性有機キャリアフルイドが蒸発することにより、不揮発性シリコーンキャリアフルイドの効果が示され得る。
構成成分の選択により、エラストマー/皮膚相互作用に持続性を付与でき、耐久性を向上できる。フルイド組成物の選択により、シリコーンエラストマー組成物のレオロジーを改質でき、かつ感覚/質感が二通り(又は複数通り)の製品に使用するためにカスタマイズできる。
使用する場合、シリコーンエラストマーは、典型的には、シリコーンエラストマー組成物100重量部に対し約1〜50、2〜40、3〜30、3〜25、4〜25、5〜25、5〜20、5〜15、5〜10、5〜9、6〜9、又は7〜8重量%の量でシリコーンエラストマー組成物中に存在する。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
好適なシリコーンエラストマーの第1の非限定例:
好適なシリコーンエラストマーは、(A)ポリシロキサンを含有する≡Si−Hと、(B)白金触媒の存在下でのα,ω−ジエンと、(C)低分子量の直鎖状又は環状ポリシロキサンとの架橋反応により調製できる。シリコーンエラストマーは、せん断力下で低分子量のポリシロキサンで膨潤させることができる。65〜98重量%の低分子量ポリシロキサンを含有するエラストマーは安定であり、様々な粘度範囲で均一なシリコーンペーストを形成する。
シリコーンペーストは、明瞭性、チクソ性、ずり減粘、及び皮膚上でのなめらかな延展性を含む優れた特性を有する傾向がある。それらはベースオイルとして化粧品製品及び医薬品製品に適用できる。シリコーンエラストマーを砕いてシリコーン粉末とすることができる。シリコーン粉末は、皮膚に対し容易に擦り込まれるという特有の特性を有し、シリコーン樹脂は、皮膚中に浸透させることができ、皮膚に対し塗布される処方の持続性を改善する。これらの材料は、例えば、制汗剤及びデオドラントなどの固体化粧品に使用するのに理想的である。
構成成分(A)は、本明細書においてA1型と記載される式:R3SiO(R’2SiO)a(R”HSiO)bSiR3の化合物と、本明細書においてA2型と記載される式:HR2SiO(R’2SiO)cSiR2H又は式:HR2SiO(R’2SiO)a(R”HSiO)bSiR2Hの化合物により表される。これらの式において、R、R’、及びR”は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、「a」は、0〜250であり、「b」は、1〜250であり、及び「c」は、0〜250である。化合物A2:A1のモル比は0〜20又は0〜5である。A1型及びA2型の化合物を反応に使用できるものの、A1型の化合物のみを使用して反応を首尾よく実施することができる。
構成成分(B)は、式:CH2=CH(CH2)xCH=CH2の化合物であり、式中、xは1〜20である。好適なα,ω−ジエンの例は、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、及び1,19−エイコサジエンである。
付加反応及び架橋反応は、構成成分(A)と(B)との反応に作用する触媒を必要とする。好適な触媒は、第VIII族遷移金属、すなわち、貴金属である。かかる貴金属触媒は、米国特許第3,923,705号に記載されており、この記載は、白金触媒を示す1つ以上の非限定的な実施形態において参照により本明細書に明示的に援用される。他の好適な触媒及びその量は上記のとおりであり、例えば、白金族金属含有触媒である。
白金触媒型の1つは、1つ以上の非限定的実施形態における参照によりそれぞれ本明細書に明示的に援用される、米国特許第3,715,334号及び同第3,814,730号に記載されている、Karstedt触媒である。Karstedt触媒は、典型的には、トルエンなどの溶媒中に約1重量%の白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体である。別の白金触媒型は、塩化白金酸と末端脂肪族不飽和を含有するオルガノシリコン化合物との反応生成物である。かかる触媒は米国特許第3,419,593号に記載されており、この記載は、1つ以上の非限定的実施形態における参照により本明細書に明示的に援用される。貴金属触媒は、構成成分(A)100重量部当たり0.00001〜0.5、0.00001〜0.02、又は0.00001〜0.002部の量で使用される。
語句「低分子量シリコーン油(C)」は、(i)低分子量直鎖状及び環状揮発性メチルシロキサン、(ii)低分子量直鎖状及び環状揮発性及び不揮発性アルキル及びアリールシロキサン、並びに(iii)低分子量直鎖状及び環状官能性シロキサンを含むことを意図する。しかしながら、最も好ましいものは、低分子量直鎖状及び環状揮発性メチルシロキサン(VMS)である。
VMS化合物は、平均単位式(CH3)aSiO(4−a)/2に相当し、式中、「a」は、平均値として2〜3を有する。VMS化合物は、≡Si−O−Si≡結合により接続されたシロキサン単位を含有する。代表的なシロキサン単位は、(CH3)3SiO1/2、(CH3)2SiO2/2、CH3SiO3/2、及びSiO4/2 ,であり、後者2つのシロキサン単位を含めることで、分枝状の直鎖状又は環状VMSが形成される。
直鎖状VMSは、式:(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}ySi(CH3)3を有し、式中、yは、0〜5である。環状VMSは式:{(CH3)2SiO}zを有し、式中、zは3〜6である。典型的には、これらのVMSは、約250℃未満の沸点、及び約0.65〜5.0mm2/sの粘度を有する。
これらのVMSは、次の構造により表すことができ、式中、x及びyは0〜5である。
代表的な直鎖状VMS(I)は、100℃の沸点、0.65mm2/sの粘度、及び式Me3SiOSiMe3を有するヘキサメチルジシロキサン(MM)、152℃の沸点、1.04mm2/sの粘度、及び式Me3SiOMe2SiOSiMe3を有するオクタメチルトリシロキサン(MDM)、194℃の沸点、1.53mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)2SiMe3を有するデカメチルテトラシロキサン(MD2M)、229℃の沸点、2.06mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)3SiMe3を有するドデカメチルペンタシロキサン(MD3M)、245℃の沸点、2.63mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)4SiMe3を有するテトラデカメチルヘキサシロキサン(MD4M)、及び270℃の沸点、3.24mm2/sの粘度、及び式Me3SiO(Me2SiO)5SiMe3を有するヘキサデカメチルヘプタシロキサン(MD5M)である。
例示的な環状VMS(II)は、134℃の沸点及び式{(Me2)SiO}3を有する固体、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、176℃の沸点、2.3mm2/sの粘度、及び式{(Me2)SiO}4を有するオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、210℃の沸点、3.87mm2/sの粘度、及び式{(Me2)SiO}5を有するデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、並びに245℃の沸点、6.62mm2/sの粘度、及び式{(Me2)SiO}6を有するドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)である。
代表的な分枝状VMS(III)及び(IV)は、192℃の沸点、1.57mm2/sの粘度、式C10H30O3Si4を有するヘプタメチル−3−{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン(M3T)、222℃の沸点、2.86mm2/sの粘度、式C12H36O4Si5を有するヘキサメチル−3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン(M4Q)、並びに式C8H24O4Si4を有するペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン(MD3)である。
代表的な直鎖状ポリシロキサンは、式R3SiO(R2SiO)ySiR3の化合物であり、代表的な環状ポリシロキサンは、式(R2SiO)zの化合物である。Rは、炭素原子1〜6個のアルキル基、又は例えばフェニルなどのアリール基である。「y」の値は0〜80又は0〜20である。「z」の値は0〜9又は4〜6である。これらのポリシロキサンは、概して、約1〜100mm2/sの範囲の粘度を有する。前述の粘度は、別途記載のない限り概して25℃下でのものである。
他の代表的な低分子量不揮発性ポリシロキサンは次の一般式を有する。
「n」は、約100〜1,000センチストークスの範囲の粘度を有するポリマーを提供する値を有する。R1及びR2は、独立して、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、又は例えば、フェニルなどのアリール基である。典型的には、値「n」は、約80〜375である。例示的なポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、及びポリジフェニルシロキサンである。
低分子量の官能性ポリシロキサンは、アクリルアミド官能性シロキサンフルイド、アクリレート官能性シロキサンフルイド、アミド官能性シロキサンフルイド、アミノ官能性シロキサンフルイド、カルビノール官能性シロキサンフルイド、カルボキシ官能性シロキサンフルイド、クロロアルキル官能性シロキサンフルイド、エポキシ官能性シロキサンフルイド、グリコール官能性シロキサンフルイド、ケタール官能性シロキサンフルイド、メルカプト官能性シロキサンフルイド、メチルエステル官能性シロキサンフルイド、ペルフルオロ官能性シロキサンフルイド、及びシラノール官能性シロキサンにより表され得る。
≡SiH含有ポリシロキサン(複数可)、α,ω−ジエン、低分子量シリコーン油、又は他の溶媒、及び触媒は、室温にて組み合わせて、ゲルが形成されるまで混合することができる。所望される場合、プロセスを加速させるため、高温を使用してもよい。追加量の低分子量シリコーン油又は溶媒を次にゲルに加え、得られた混合物にせん断力をかけてペーストを形成する。バッチミキサ、遊星型ミキサ、1軸又は多軸スクリュー押出成形機、動的又は静的ミキサ、コロイドミル、ホモジナイザー、Sonolator、又はこれらの組み合わせなどの任意の種類の混合及びせん断装置を用いて、この工程を実施できる。
典型的には、モル比〜1:1で、≡Si−H含有ポリシロキサン及びα,ω−ジエンが使用される。材料は、≡Si−H含有ポリシロキサン又はα,ω−ジエンのいずれかを過剰に用いてプロセスを実施することにより調製することもできるものの、この手法は材料の利用効率が劣ると考えられる。組成物の残部は、概して組成物の約65〜98、又は約80〜98重量%の範囲内の量で低分子量シリコーン油又は他の溶媒を含む。
好適なシリコーンエラストマーの第2の非限定例:
別の好適なシリコーンエラストマーは、それぞれ構成成分(A)、(B)、及び(C)である、オルガノハイドロジェンシロキサン、α,ω−不飽和ポリオキシアルキレン、及びヒドロシリル化触媒のヒドロシリル化反応生成物として得ることができる。用語「ヒドロシリル化」とは、触媒(例えば、成分(C))の存在下、ケイ素結合水素を含有する有機ケイ素化合物(例えば、成分(A))を脂肪族不飽和を含有する化合物(例えば、成分(B))に付加することを意味する。ヒドロシリル化反応は当該技術分野において既知であり、任意のこのような既知の方法又は技術を用いて、成分(A)、(B)、及び(C)のヒドロシリル化反応を行って、シリコーン有機エラストマーを調製することができる。
シリコーン有機エラストマーは、独立して、2〜30個の炭素原子を含有する炭化水素基、ポリオキシアルキレン基、及びこれらの混合物から選択された、ペンダントの非架橋部分も含有し得る。かかるペンダント基は、ヒドロシリル化反応による、構成成分(D’)末端不飽和脂肪族基を1個有し2〜30個の炭素原子を含有する炭化水素、及び/又は構成成分(D’’)末端不飽和脂肪族基を1個有するポリオキシアルキレンの、シリコーン有機エラストマーに対する任意選択的な付加により得られる。
シリコーン有機エラストマーを調製するためのヒドロシリル化反応は、溶媒の存在下で実施してよく、かかる溶媒は、後で、既知の技術によって除去される。あるいは、ヒドロシリル化は溶媒中で実施してもよく、この場合、溶媒は、本明細書において記載されるキャリアフルイドと同じである。
構成成分(A)は、1分子当たり平均して少なくとも2つのSiH単位を有する直鎖状又は分枝状オルガノハイドロジェンシロキサンである。本明細書で使用するとき、オルガノハイドロジェンシロキサンは、ケイ素結合水素原子(SiH)を含有する任意のオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンは、独立して(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、又は(SiO2)のシロキシ単位から選択されたシロキシ単位を含むポリマーであり、Rは、任意の有機基、例えばメチル基であってよい。これらのシロキシ単位を様々な方法で組み合わせて、環状、直鎖状又は分枝状の構造を形成することができる。得られるポリマー構造の化学的及び物理的性質は多様であり得る。例えば、オルガノポリシロキサンは、揮発性又は低粘度の流体、高粘度の流体、ガム、エラストマー又はゴム、及び樹脂であり得る。
オルガノハイドロジェンシロキサンは、少なくとも1つのSiH含有シロキシ単位を有するオルガノポリシロキサンであり、すなわち、オルガノポリシロキサン中の少なくとも1つのシロキシ単位は、式(R2HSiO0.5)、(RHSiO)又は(HSiO1.5)を有する。したがって、本明細書で有用なオルガノハイドロジェンシロキサンは、分子中に平均して少なくとも2つのSiHシロキシ単位があること、及びオルガノハイドロジェンシロキサンが直鎖状又は分枝状であることを条件として、(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)、(R2HSiO0.5)、(RHSiO)、(HSiO1.5)、又は(SiO2)シロキシ単位を任意の数で含み得る。本明細書で使用するとき、「直鎖状又は分枝状」オルガノハイドロジェンシロキサンは、環状オルガノハイドロジェンシロキサン構造を除外する。成分(A)は、単一の直鎖状又は分枝状のオルガノハイドロジェンシロキサンであってもよく、又は構造、粘度、平均分子量、シロキシ単位、及び配列の特性のうちの少なくとも1つが異なる2以上の直鎖状又は分枝状のオルガノハイドロジェンシロキサンを含む組み合わせであってもよい。
オルガノハイドロジェンシロキサンは、次の平均式を有し得る:(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y[式中、R1は、水素又はR2であり、R2は、一価のヒドロカルビルであり、vは、≧2であり、xは、≧0、1〜500、又は1〜200であり、並びにyは、≧2、2〜200、又は2〜100である]。
R2は、置換又は非置換脂肪族又は芳香族ヒドロカルビルであってよい。一価の非置換脂肪族ヒドロカルビルは、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、オクチル基、ウンデシル基、及びオクタデシル基など、並びにシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基などにより例示されるがこれらに限定されない。一価の置換脂肪族ヒドロカルビルは、クロロメチル基、3−クロロプロピル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基により例示されるが、これらに限定されない。芳香族炭化水素基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、スチリル基、及び2−フェニルエチル基によって例示されるが、これらに限定されない。
一実施形態では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、追加のシロキシ単位を含有してよく、平均式:(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y(R2SiO1.5)z、(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y(SiO2)w、(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y(SiO2)w(R2SiO1.5)z、又はこれらの任意の混合物を有し得る[式中、R1は、水素又はR2であり、R2は、一価のヒドロカルビルであり、vは、≧2であり、wは、≧0であり、xは、≧0であり、yは、≧2であり、zは、≧0である]。
一実施形態では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、平均式:(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)HSiO]ySi(CH3)3を有するジメチル、メチル−ハイドロジェンポリシロキサンから選択される[式中、xは、≧0、1〜500、又は1〜200であり、yは、≧2、2〜200、又は2〜100である]。
一実施形態では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、平均式:(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)HSiO]ySi(CH3)3を有するジメチル、メチル−ハイドロジェンポリシロキサンと、平均式:H(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]xSi(CH3)2Hを有するSiH末端ジメチルポリシロキサンとの混合物である[式中、x及びyは、上記に定義のとおりである]。混合物中の各オルガノハイドロジェンシロキサンの量を変更してもよく、あるいは、混合物中、混合物中の全SiHの0〜85重量%、あるいは10〜70重量%、あるいは20〜60重量%、あるいは30〜50重量%が、SiH末端ジメチルポリシロキサンのSiH含量であるような量にしてもよい。オルガノハイドロジェンシロキサンの調製方法は周知であり、多くが市販されている。
構成成分(B)は、平均式:R3O−[(C2H4O)c(C3H6O)d(C4H8O)e]−R3を有するポリオキシアルキレンである[式中、R3は、2〜12個の炭素原子を含有する一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、(d+e)/(c+d+e)の比が<0.5、>0.8、又は>0.95になるという条件で、「c」は、0〜50、0〜10、又は<2であり、「d」は、0〜100、1〜100、又は5〜50であり、「e」は、0〜100、0〜50、又は0〜30である]。
構成成分(B)として有用なポリオキシアルキレンは、各分子鎖末端(すなわち、α位及びω位)において、2〜12個の炭素原子を含む不飽和脂肪族炭化水素基で終結する任意のポリオキシアルキレンであってよい。ポリオキシアルキレンは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、環状エポキシド(例えば、シクロヘキセンオキシド又はエキソ−2,3−エポキシノルボルネン(epoxynorborane)など)の重合により得ることができる。ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位(C2H4O)、オキシプロピレン単位(C3H6O)、オキシブチレン単位(C4H8O)、又はこれらの混合物を含み得る。典型的には、ポリオキシアルキレン基は、モル基準で定義され、上記の式中、下付き文字[c」、「d」、及び「e」で示されるとおりの、オキシプロピレン単位又はオキシブチレン単位を大部分に含む。不飽和脂肪族炭化水素基は、アルケニル基又はアルキニル基であってよい。アルケニル基及びアルキニル基の代表的な非限定例は、上記の構造により示される。
一実施形態では、ポリオキシアルキレンは、H2C=CHCH2O[C3H6O]dCH2CH=CH2、H2C=C(CH3)CH2O[C3H6O]dCH2C(CH3)=CH2、HC≡CCH2O[C3H6O]dCH2C≡CH、及びHC≡CC(CH3)2O[C3H6O]dC(CH3)2C≡CHから選択される[式中、「d」は、上記に定義のとおりである]。
各分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオキシアルキレンは当該技術分野において既知であり、多くが市販されている。各分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオキシアルキレンは、NOF(Nippon Oil and Fat(Tokyo,Japan))及びClariant Corp.(Charlottesville,NC)から市販されている。
ヒドロシリル化反応で使用される構成成分(A)及び(B)の量は、変更してもよい。典型的に、成分(A)のSiH単位の成分(B)の脂肪族不飽和基に対するモル比は、10/1〜1/10、5/1〜1/5、又は2/1〜1/2の範囲である。1つの実施形態では、(B)中の不飽和脂肪族炭化水素基の、(A)中のSiH単位に対するモル比は、1超である。
成分(C)は、ヒドロシリル化反応に典型的に用いられる任意の触媒を含む。好適な触媒及びその量は上記のとおりであり、例えば、白金族金属含有触媒である。
シリコーン有機エラストマーは、独立して、2〜30個の炭素原子を含有する炭化水素基、ポリオキシアルキレン基、及びこれらの混合物から選択された、ペンダントの非架橋部分も含有し得る。これらの基は、末端に不飽和脂肪族炭化水素基を1つ有する有機化合物である成分(D)を添加することによって、ヒドロシリル化反応を介してシリコーン有機エラストマー上に形成される。構成成分(D)は、(D’)末端に不飽和脂肪族炭化水素基を1つ有し6〜30個の炭素原子を含有する炭化水素、及び/又は構成成分(D’’)末端に不飽和脂肪族基を1つ有するポリオキシアルキレンから選択され得る。
成分(D)の添加は、得られるシリコーン有機エラストマーの化学的及び物理的特性を変更し得る。例えば、(D’)を選択すると、シリコーン有機エラストマーに炭化水素基が付加されるので、より疎水性の特徴がシリコーン有機エラストマーに付与される。逆に、エチレンオキシド単位の大部分を有するポリオキシアルキレンを選択すると、より親水性の高いシリコーン有機エラストマーが得られ、これにより、後に、水又は親水性成分をかかるシリコーン有機エラストマーと組み合わせて、分散液又はペーストを形成することができる。
(D’)又は(D’’)中の不飽和脂肪族炭化水素基は、アルケニル基又はアルキニル基であってよい。アルケニル基及びアルキニル基の代表的な非限定例は、上記の構造により示される。
構成成分(D’)、末端に不飽和脂肪族基を1つ有し6〜30個の炭素原子を含有する炭化水素は、α−オレフィン、例えば、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−デカデセン、及び同様の同族体などから選択され得る。構成成分(D’)は、α−メチルスチレンなどのアリール含有炭化水素から選択することもできる。
構成成分(D’’)は、平均式:R3O−[(C2H4O)c’(C3H6O)d’(C4H8O)e]−R4を有するポリオキシアルキレンから選択され得る[式中、R’は、2〜12個の炭素原子を含む一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、c’、d’、及びeの合計が>0になるという条件で、c’は、0〜100であり、d’は、0〜100であり、c’、d’、及び「e」は、0〜100である]。R4は、水素、アシル基、又は1〜8個の炭素を含有する一価の炭化水素基である。構成成分(D’’)として有用なポリオキシアルキレンの代表的な非限定例としては、
H2C=CHCH2O(C2H4O)c’H、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’CH3、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’H、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’CH3、H2C=CHCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’H、H2C=CHC(CH3)2O(C2H4O)c’H、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’H、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’CH3、H2C=C(CH3)CH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、HC≡CCH2O(C2H4O)c’H、HC≡CCH2O(C2H4O)c’CH3、HC≡CCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、HC≡CCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’H、HC≡CCH2O(C2H4O)c’(C3H6O)d’CH3、HC≡CCH2O(C2H4O)c’C(O)CH3、が挙げられる(式中、c’及びd’は、上に定義したとおりである)。
ポリエーテルは、ポリエーテルの教示に関する1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本明細書において明示的に援用される米国特許第6,987,157号に記載されるものから選択されてよい。
構成成分(D’)又は(D’’)を、形成中(すなわち、第1の反応において構成成分(A)、(B)、(C)及び(D)を同時に反応させる(例えば、構成成分(A)のSiH基の一部の量を(C)及び(D)と反応させる))にシリコーン有機エラストマーに添加した後、(B)との更なる反応を続けてもよく、あるいは、SiH含量(例えば、シリコーン有機エラストマー上に存在する未反応SiH単位由来)を有する形成されたシリコーン有機エラストマーに後で添加してもよい。
ヒドロシリル化反応に用いられる構成成分(D’)又は(D)の量を変更しても良いものの、但し、構成成分(B)及び(D)の反応中に存在する脂肪族不飽和基の総モル量は、構成成分(A)のSiH単位の、構成成分(B)及び構成成分(D)の脂肪族不飽和基に対するモル比が10/1〜1/10の範囲になるような量である。
好適なシリコーンエラストマーの第3の非限定例:
(A)平均式:(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)yのシロキシ単位を含むオルガノハイドロジェンシロキサンと[式中、R1は、水素又はR2であり、R2は、一価のヒドロカルビルであり、vは、≧2であり、xは、≧0であり、yは、≧2である]、(B)平均式:R3O−[(C2H4O)c(C3H6O)d(C4H8O)e]−R3を有する第1のポリオキシアルキレンと[式中、R3は、2〜12個の炭素原子を含有する一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、(d+e)/(c+d+e)の比が>0.5であるという条件で、「c」は、0〜50であり、「d」は、0〜100であり、「e」は、0〜100である]、(C)ヒドロシリル化触媒と、(D)平均式:R3O−[(C2H4O)c’(C3H6O)d’(C4H8O)e]−R4を有する第2のポリオキシアルキレンと[式中、R3は、2〜12個の炭素原子を含有する一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、c’は、>4であり、d’及び「e」は、0〜100で変化し得るものであり、R4は、水素、アシル基、又は1〜8個の炭素原子を含有する一価の炭化水素基である]、を疎水性キャリアフルイドの存在下で反応させることにより、別の好適なシリコーンエラストマーを得ることができる。
構成成分(A)は、平均式:(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)yを有する直鎖状又は分枝状オルガノハイドロジェンシロキサンである[式中、R1は、水素又はR2であり、R2は、一価のヒドロカルビルであり、vは、≧2であり、xは、≧0、1〜500、又は1〜200であり、並びにyは、≧2、2〜200、又は2〜100である]。
R2は、置換又は非置換脂肪族又は芳香族ヒドロカルビルであってよい。一価の非置換脂肪族ヒドロカルビルは、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、オクチル基、ウンデシル基、及びオクタデシル基など、並びにシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基などにより例示されるがこれらに限定されない。一価の置換脂肪族ヒドロカルビルは、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基により例示されるが、これらに限定されない。芳香族炭化水素基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、スチリル基、及び2−フェニルエチル基によって例示されるが、これらに限定されない。
一実施形態では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、追加のシロキシ単位を含有してよく、平均式:(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y(R2SiO1.5)z、(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y(SiO2)w、(R1 3SiO0.5)v(R2 2SiO)x(R2HSiO)y(SiO2)w(R2SiO1.5)z、又はこれらの任意の混合物を有し得る[式中、R1は、水素又はR2であり、R2は、一価のヒドロカルビルであり、vは、≧2であり、wは、≧0であり、xは、≧0であり、yは、≧2であり、zは、≧0である]。
一実施形態では、オルガノハイドロジェンシロキサンは、平均式:(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]x[(CH3)HSiO]ySi(CH3)3を有するジメチル、メチル−ハイドロジェンポリシロキサンから選択される[式中、xは、≧0、1〜500、又は1〜200であり、yは、≧2、2〜200、又は2〜100である]。オルガノハイドロジェンシロキサンの調製方法は周知であり、多くが市販されている。
構成成分(B)は、平均式:R3O−[(C2H4O)c(C3H6O)d(C4H8O)e]−R3を有するポリオキシアルキレンである[式中、R3は、2〜12個の炭素原子を含有する一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、式中、(d+e)/(c+d+e)の比が>0.5、>0.8、又は>0.95になるという条件で、「c」は、0〜50、0〜10、又は<2であり、「d」は、0〜100、1〜100、又は5〜50であり、「e」は、0〜100、0〜50、又は0〜30である]。
構成成分(B)として有用なポリオキシアルキレンは、各分子鎖末端(すなわち、α位及びω位)において、2〜12個の炭素原子を含む不飽和脂肪族炭化水素基で終結する任意のポリオキシアルキレンである。ポリオキシアルキレンは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、環状エポキシド(例えば、シクロヘキセンオキシド又はエキソ−2,3−エポキシノルボルネン(epoxynorborane)など)の重合により得ることができる。ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位、又はこれらの混合物から構成されてよい。典型的には、ポリオキシアルキレン基は、モル基準で定義され、上記の式中、下付き文字[c」、「d」、及び「e」で示されるとおりの、オキシプロピレン単位又はオキシブチレン単位を大部分に含む。不飽和脂肪族炭化水素基は、アルケニル基又はアルキニル基であってよい。アルケニル基及びアルキニル基の代表的な非限定例は、上記の構造により示される。
一実施形態では、ポリオキシアルキレンは、H2C=CHCH2O[C3H6O]dCH2CH=CH2、H2C=C(CH3)CH2O[C3H6O]dCH2C(CH3)=CH2、HC≡CCH2O[C3H6O]dCH2C≡CH、及びHC≡CC(CH3)2O[C3H6O]dC(CH3)2C≡CHから選択される[式中、「d」は、上記に定義のとおりである]。
各分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオキシアルキレンは当該技術分野において既知であり、多くが市販されている。各分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオキシアルキレンは、NOF(Nippon Oil and Fat(Tokyo,Japan))及びClariant Corp.(Charlottesville,NC)から市販されている。
成分(C)は、ヒドロシリル化反応に典型的に用いられる任意の触媒を含む。好適な触媒及びその量は上記のとおりであり、例えば、白金族金属含有触媒である。
このシリコーン有機エラストマーは、ペンダント非架橋ポリオキシアルキレン基を含有する。これらの基は、平均式:R3O−[(C2H4O)c’(C3H6O)d’(C4H8O)e’]−R4を有する構成成分(D)第2のポリオキシアルキレンを付加することによるヒドロシリル化反応を介し、シリコーン有機エラストマー上に形成される[式中、R3は、2〜12個の炭素原子を含有する一価の不飽和脂肪族炭化水素基であり、c’は、>4であり、d’及びe’は、0〜100で変化し得るものであり、R4は、水素、アシル基、又は1〜8個の炭素原子を含有する一価の炭化水素基である]。
(D)中の不飽和脂肪族炭化水素基は、アルケニル基又はアルキニル基であってよい。アルケニル基及びアルキニル基の代表的な非限定例は、上記の構造により示される。構成成分(D)として有用なポリオキシアルキレンの代表的な非限定例は、(D’’)について上記に与えた構造を含む[式中、c’及びd’も上記に定義のとおりである]。
ポリエーテルは、ポリエーテルの教示に関する1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本明細書において明示的に援用される米国特許第6,987,157号に記載されるものから選択されてよい。
構成成分(D)を、第1の反応において、形成中(すなわち、構成成分(A)、(B)、(C)及び(D)を同時に反応させる)にシリコーン有機エラストマーに添加した後、(B)との更なる反応を続けてもよく、あるいは(例えば、構成成分(A)のSiH基の一部の量を(C)及び(D)と反応させる)のいずれかにしてよく、あるいはSiH含量(例えば、シリコーン有機エラストマー上に存在する未反応SiH単位由来)を有する形成されたシリコーン有機エラストマーに後で添加してもよい。
ヒドロシリル化反応に用いる構成成分(A)、(B)、及び(D)の量を変更しても良いものの、但し、構成成分(B)及び(D)の反応中に存在する脂肪族不飽和基の総モル量は、構成成分(A)のSiH単位の、構成成分(B)及び構成成分(D)の脂肪族不飽和基に対するモル比が10/1〜1/10の範囲になるような量である。しかし、典型的には、(B)及び(D)中の不飽和脂肪族炭化水素基の、(A)中のSiH単位に対するモル比は1を超え、SiHの完全な消費を確実なものとする。
ヒドロシリル化反応に用いられる(B)及び(D)の量及び構造を変更しても良い。しかし、(B)及び(D)の使用量及び構造は、2〜25重量%、あるいは3〜20重量%、あるいは4〜18重量%のエチレンオキシド含量を有するシリコーン有機エラストマーを提供するようにする。本明細書で用いるとき、エチレンオキシド含量は、シリコーン有機エラストマー構造体上に存在する「EO」基(つまり、−CH2CH2O−)の平均量を意味する。
一実施形態では、シリコーン有機エラストマーはポリオキシプロピレン鎖で架橋され、シリコーン有機エラストマーはペンダントポリオキシエチレン単位を更に含有する。この実施形態では、構成成分(B)はポリオキシアルキレン基としてプロピレンオキシドのみを含有し、構成成分(D)はポリオキシアルキレン基としてエチレンオキシドのみを含有するように選択される。したがって、この実施形態では、構成成分(B)は、式:R3O−[(C3H6O)d’]−R3を有する[式中、R3は、上記の定義と同様であり、d’は、>0、4〜50、又は10〜30でである]。構成成分(B)の十分な量を用いて、プロピレンオキシド含量が5〜50重量%であるシリコーンエラストマーを提供する。本実施形態において、構成成分(D)は、式:R3O−[(C2H4O)c’]−R4を有する[式中、R3及びR4は、上記の定義と同様であり、c’は、>4、4〜50、又は10〜30である]。十分な量の構成成分(D)を用いて、エチレンオキシド含量が2〜25重量%であるシリコーンエラストマーを提供する。
構成成分(A)、(B)、(C)及び(D)の添加順を変更しても良い。しかし、一実施形態では、シリコーンエラストマーを調製する反応は2つの工程で進む。第1に、構成成分(A)、(C)、及び(D)を反応させオルガノハイドロジェンシロキサンポリオキシエチレンコポリマーを形成し、第2には、オルガノハイドロジェンシロキサンポリオキシエチレンコポリマーを構成成分(B)及び追加量の(C)と反応させる。
更に追加の実施形態において、シリコーンエラストマーは、架橋シリコーンエラストマーであり、例えば、溶媒フルイド又は油フルイド又はキャリアフルイド中の溶液として架橋されている。一実施形態では、架橋シリコーンエラストマーは、エラストマー粒子を懸濁及び膨潤させて、弾性のあるゲル様のネットワーク又はマトリックスを提供する溶媒を含む。溶媒は、周囲条件下では液体であり、好ましくは皮膚上に広げるため低粘度を有する。液体キャリアは、有機、シリコーン含有又はフッ素含有、揮発性又は不揮発性、極性又は非極性、あるいはこれらの任意の組み合わせであってよい。
他の実施形態において、シリコーンエラストマーは、疎水性又は非乳化架橋シリコーンエラストマーである。典型的には、これらは、白金触媒及びキャリアフルイドの存在下での、SiH含有ポリシロキサン(又は樹脂)と、α,ω−ジエンとの反応生成物である。α,ω−ジエンは、典型的には、オルガノポリシロキサン(アルケニル官能性ポリシロキサン又は樹脂)及び/又は炭化水素であり、但し、通常は(架橋種又はペンダント側鎖のいずれかとして)ポリオキシアルキレン基を含有しない。これらのエラストマーは、シリコーン又は有機(炭化水素、フェニルなど)側鎖のペンダント状分枝も有し得る。
更に他の実施形態では、シリコーンエラストマーは、有機相溶性の疎水性又は非乳化架橋シリコーンエラストマーである。これらのエラストマーは、より多量又はより長鎖のペンダント側鎖又は架橋基(炭化水素又はポリオキシプロピレンジエン)の付加、及び/又は有機溶媒の使用のいずれかにより有機原料との相溶性が増大している傾向がある。これらのエラストマーは、シリコーン又は有機(炭化水素、フェニルなど)側鎖のペンダント状分枝も有し得る。典型的には、ポリオキシアルキレン又はポリグリセロール種ベースではペンダント部分又は架橋部分は存在しない。
更なる実施形態では、シリコーンエラストマーは、親水性又は乳化架橋シリコーンエラストマーである。これらのエラストマーは、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン(EO)又はポリオキシプロピレン(PO)又はポリグリセロール)、又は他のヒドロキシル基、又はもともとの特性としては疎水性である物質に水及びその他の極性溶媒/原料と相溶性にするという目的でなおも十分な親水性を提供するその他の部分、を有することにより、上記のものとは区別される傾向がある。これらのポリオキシアルキレン種は、架橋成分、又はペンダント鎖のいずれであっても、これらの両方であってもよい。加えて、これらのエラストマーは、シリコーン又は有機(炭化水素、フェニルなど)側鎖のペンダント状分枝も有し得る。組成物の好適なシリコーンエラストマーの具体例としては、DOW CORNING(登録商標)EL−7040、EL−8040、及びEL−9240に含まれるものが挙げられる。
任意選択的なエマルジョン
組成物は、エマルジョンとして提供され得る。本明細書で使用するとき、「エマルジョン」は、水を連続相とするエマルジョン(例えば、水中油型エマルジョン、又は水中シリコーン型エマルジョン)、油又はシリコーンを連続相とするエマルジョン(油中水型エマルジョン又はシリコーン中水型エマルジョン)、又は多相エマルジョン(水/油/水、油/水/油型、水/シリコーン/水、又はシリコーン/水/シリコーン)を記載する。組成物は、当該技術分野の任意の技術、例えば、撹拌、均質化、及び超音波処理などの、例えば、バッチプロセス、半連続プロセス、又は連続プロセスを使用して、エマルジョンとして提供され得る。
エマルジョンの形成に使用される組成物の量は変更してもよく、限定されない。しかしながら、その量は、典型的には、ビヒクル/エマルジョン重量比が0.1/99〜99/0.1又は1/99〜99/1となる量であり得る。
エマルジョンは、当該技術分野で既知のとおりのw/o、w/s、又は多相エマルジョンであってよく、例えば、シリコーン乳化剤を使用したものであってよい。典型的には、シリコーン中水型(water−in−silicone)乳化剤は、このような処方に使用され、典型的には、非イオン性であり、典型的には、ポリオキシアルキレン置換シリコーン、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、及びこれらの組み合わせから選択される。シリコーン系界面活性剤は、例えば、それぞれ、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される、米国特許第4,122,029号、同第5,387,417号、及び同第5,811,487号に記載のものなどのかかるエマルジョンを形成するために使用され得る。例えば、DOW CORNING(登録商標)RM 2051などの増粘剤も使用され得る。
一実施形態では、エマルジョンは水中油型エマルジョンであり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシ化トリメチルノナノール、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤、及びこれらの組み合わせなどの非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
パーソナルケア組成物:
本開示は、本明細書において「パーソナルケア製品」としても呼称され得るパーソナルケア組成物も提供する。パーソナルケア組成物は、上記のフルイド組成物を含む。パーソナルケア組成物は、クリーム、ゲル、粉末、ペースト又は注ぎやすい液体の形態であってもよい。一般に、かかるパーソナルケア組成物は、一般に、室温で固体の材料がパーソナルケア組成物中に存在しない場合、単純なプロペラミキサ、Brookfield逆回転ミキサ、又は均質化ミキサを使用して、室温で調製され得る。典型的に、特別な装置又は加工条件を必要としない。製造する形態の種類に応じて調製方法は異なるが、このような方法は当技術分野において公知である。
パーソナルケア組成物は、様々なパーソナル、家庭及びヘルスケア用途において、又は、それらに対して使用することができる。特に、本開示のフルイド組成物及び/又はパーソナルケア組成物は、米国特許第6,051,216号、米国特許第5,919,441号、米国特許第5,981,680号、国際公開第2004/060271号及び国際公開第2004/060101号に記載のパーソナルケア製品、国際公開第2004/060276号に記載の日焼け止め剤組成物、国際公開第03/105801号に記載のフィルム形成樹脂も含む化粧品組成物、米国特許出願第公開第2003/0235553号、同第2003/0072730号及び同第2003/0170188号、欧州特許第1,266,647号、同第1,266,648号及び同第1,266,653号、国際公開第03/105789号、同第2004/000247号及び同第03/106614号に記載の化粧料組成物、国際公開第2004/054523号に記載のものに対する添加剤、米国特許出願第2004/0180032号、並びに/あるいは国際公開第2004/054524号に記載の透明若しくは半透明のケア及び/又はメークアップ組成物、に使用することができ、これらの全ては、多様な非限定的な実施形態を参照することにより本発明に明示的に援用される。
パーソナルケア製品は、塗布される身体部分に対して機能的なものであってよく、美容的なもの、治療的なもの、又はこれらをある程度組み合わせたものであってもよい。このようなパーソナルケア製品の従来例としては、制汗剤及びデオドラント、スキンケアクリーム、スキンケアローション、保湿剤、及び美顔用トリートメント(例えば、ニキビ又はしわ低減剤など)、パーソナルクレンザー及びフェイシャルクレンザー、バスオイル、香料及びコロン、サシェ、日焼け止め剤、プレシェーブローション及びアフターシェーブローション、シェービングソープ、及びシェービング用の泡、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、毛髪弛緩剤(hair relaxants)、ヘアスプレー、ムース、ゲル、パーマネント、脱毛剤、及びキューティクルコート、メークアップ、カラー化粧品、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、リップスティック、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラー化粧料リムーバー、及びパウダー類、並びに予防的なもの及び/又は治療的なものであり得る薬用クリーム、ペースト、又はスプレー、例えば、抗ニキビ、歯科衛生、抗菌、治癒促進、及び栄養などのための薬用クリーム、ペースト、又はスプレーが挙げられる。一般に、パーソナルケア製品は、液体、リンス、ローション、クリーム、ペースト、ゲル、発泡体、ムース、軟膏、スプレー、エアロゾル、石鹸、スティック、軟固形、固体ゲル、及びゲルを含むがこれらに限定されない、いずれかの従来の形態での適用を可能にするキャリアと共に製剤化してもよい。何が適切なキャリアを構成するかは、当業者には容易に明らかとなろう。
パーソナルケア用のパーソナルケア組成物は、あるいは化粧品組成物と呼ぶこともでき、専ら又は主として清潔にする、香りで満たす、外観を変化させる、保護する、良好な状態に保つ、又は悪臭を改善する目的で、人体の外側部分(「ケラチン基質」とも呼ばれる、皮膚、毛髪、爪、粘膜など)、又は歯及び口腔粘膜と接触させて配置することが意図される組成物が挙げられる。場合によっては、パーソナルケア組成物は、ヘルスケア組成物を含み得る。化粧品用途、及びいくつかの例では、ヘルスケア用途としては、スキンケア用途、日焼けケア用途、ヘアケア用途、又はネイルケア用途が挙げられる。
パーソナルケア原料は、パーソナルケア又は化粧品用途に使用される構成成分である。かかる構成成分の広範な概要は、CTFA化粧品原材料ハンドブックに見出すことができる。パーソナルケア用原料の例を以下に更に記載する。これらのパーソナルケア原料は、あるいはそれらの一般的な使用法に応じ化粧品構成成分、ヘルスケア構成成分などとも呼ばれ得る。パーソナルケア原料が化粧品構成成分であるとき、パーソナルケア組成物は、化粧品組成物と呼ばれ、パーソナルケア原料がヘルスケア構成成分であるとき、パーソナルケア組成物は、ヘルスケア組成物と呼ばれるなどする。
化粧品構成成分としては、皮膚軟化剤、ワックス、保湿剤、表面活性物質(例えば、界面活性剤又は洗剤又は乳化剤)、増粘剤、水相安定剤、pH調整剤、防腐剤及び化粧品用殺生物剤、皮脂吸収剤又は皮脂調整剤、野菜又は植物の抽出物、ビタミン、タンパク質又はアミノ酸及びこれらの誘導体、顔料、着色剤、充填剤、シリコーンコンディショニング剤、カチオン性コンディショニング剤、疎水性コンディショニング剤、UV吸収剤、日焼け止め剤、ふけ防止剤、制汗剤、デオドラント剤、皮膚保護剤、毛髪染料、ネイルケア構成成分、芳香剤又は香料、酸化防止剤、酸化剤、還元剤、噴射ガス、並びにこれらの混合物が挙げられる。化粧品組成物において用いることができる追加構成成分としては、脂肪族アルコール、カラーケア添加剤、脂肪沈着防止剤、真珠光沢付与剤、キレート剤、皮膜形成剤、スタイリング剤、セラミド、懸濁剤、及びその他が挙げられる。
ヘルスケア構成成分としては、抗にきび剤、抗菌剤、抗真菌剤、治療活性剤、外用鎮痛剤、皮膚漂白剤、抗癌剤、利尿剤、胃及び十二指腸潰瘍を治療するための剤、タンパク質分解酵素、抗ヒスタミン剤又はH1ヒスタミン遮断剤、鎮静剤、気管支拡張剤、及び希釈剤などが挙げられる。ヘルスケア組成物に使用することができる追加の構成成分としては、抗生物質、防腐剤、抗菌剤、抗炎症剤、収れん剤、ホルモン類、禁煙組成物、心・血管作動薬、抗不整脈薬、α−1遮断薬、β遮断薬、ACE阻害剤、抗凝集抑制剤(antiaggregants)、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID、ジクロフェナクなど)、抗乾癬剤(クロベタゾールプロピオン酸エステル)、抗皮膚炎剤、精神安定剤、抗痙攣剤、抗凝固剤、回復因子(healing factors)、細胞増殖栄養剤、ペプチド、コルチコステロイド剤、及び鎮痒薬などが挙げられる。
ワックス及びその他などの化粧品成分をヘルスケア組成物で用いてもよく、また、抗にきび剤及びその他などのヘルスケア成分を化粧品組成物に用いてもよい。
皮膚軟化剤の例としては、揮発性又は不揮発性シリコーン油、ポリプロピルシルセスキオキサン及びフェニルトリメチコ−ンなどのシリコーン樹脂、ジメチコンクロスポリマーなどのシリコーンエラストマー、C30−45アルキルメチコンなどのアルキルメチルシロキサン、スクアレン、パラフィン油、ペトロラタム油、及びナフタレン油などの揮発性又は不揮発性の炭化水素化合物、水素添加された又は部分的に水素添加されたポリイソブテン、イソエイコサン、スクアラン、イソパラフィン、イソドデカン、イソデカン又はイソヘキサデカ、分枝C8−C16エステル、イソヘキシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、セトステアリルオクタノエート、イソプロピルミリステート、パルミチン酸誘導体、ステアラート誘導体、イソステアリルイソステアレートなどのエステル油、及び、ヘプタン酸、オクタノエート、デカン酸、又はアルコール又はポリアルコールのリシノール酸、又はこれらの混合物、コムギ胚芽、ヒマワリ、ブドウ種子、キャスター、シア、アボカド、オリーブ、ダイズ、スイートアーモンド、ヤシ、ナタネ、綿実、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ホホバ、カシス、オオマツヨイグサなどの植物起源の炭化水素油、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、オレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸などの高級脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
ろうの例としては、炭化水素ろう、例えば蜜ろう、ラノリンろう、米ろう、カルナウバろう、キャンデリラろう、ミクロクリスタリンろう、パラフィン、地ろう、ポリエチレンろう、合成ろう、セレシン、ラノリン、ラノリン誘導体、ココアバター、セラックろう、ぬかろう、カポックろう、サトウキビろう、モンタンろう、鯨ろう、ベーベリろう、シリコーンろう(例:ポリメチルシロキサンアルキル、アルコキシ及び/又はエステル、C30−C45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサン)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
保湿剤の例としては、プロピレングリコール及びブチレングリコールなどの低分子量脂肪族ジオール、ポリオール、例えば、グリセリン及びソルビトールなど、並びにポリオキシエチレンポリマー、例えば、ポリエチレングリコール200、ヒアルロン酸及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
表面活性物質の例には、アニオン性、カチオン性、又はノニオン性のものがあり、ジメチコンコポリオールなどのオルガノ変性シリコーン、グリセロールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル、セテアレス−30、C12−C15パレス−7などの脂肪族アルコールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル、PEG−50ステアレート、PEG−40モノステアレートなどのポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、スクロースステアラート、スクロースココエート、及びソルビタンステアラートなどの糖類エステル及びエーテル、並びにこれらの混合物、DEAオレス−10ホスフェートなどのリン酸エステル及びその塩類、二ナトリウムPEG−5シトレートラウリルスルホスクシネート及び二ナトリウムリシノールアミドMEAスルホスクシネートなどのスルホスクシネート、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテルサルフェート、イセチオネート、ベタイン誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の更なる例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシ化トリメチルノナノール、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ(rake)又はABnタイプ)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えば、ソルビトール又はグリセリルモノ−、ジ−、トリ−、又はセスキ−オレエート又はステアラート、グリセリル又はポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールモノステアレート又はモノラウレート)、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアラート又はオレエート)、ポリオキシエチレン化アルキル(ラウリル、セチル、ステアリール、又はオクチル)エーテルが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩(2−(2−ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸ナトリウム)、アミノ酸誘導体(N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルグリシン酸塩、又はアシルサルコシン酸塩)、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、及びこれらのオキシエチレン化誘導体、スルホン酸塩、イセチオン酸塩及びN−アシルイセチオン酸塩、タウリン酸塩及びN−アシルN−メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、リン酸塩及びアルキルリン酸塩、ポリペプチド、アルキルポリグリコシドのアニオン性誘導体(アシル−D−ガラクトシドウロン酸塩)、及び脂肪酸石鹸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
両性及び双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン、N−アルキルアミドベタイン及びこれらの誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート及びアルキルアンホアセテート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
増粘剤の例としては、アクリルアミドコポリマー、アクリレートコポリマー及びその塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム)、キサンタンガム及び誘導体、セルロースガム及びセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロース)、デンプン及びデンプン誘導体(例えば、ヒドロキシエチルアミロース及びデンプンアミラーゼ)、ポリオキシエチレン、カルボマー、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カシアガム、グアーガム及びグアーガム誘導体、コカミド誘導体、アルキルアルコール、ゼラチン、PEG−誘導体、糖類(例えば、フラクトース、グルコース)及び糖類誘導体(例えば、PEG−120メチルグルコースジオレート)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
水相安定剤の例としては、電解質(例えば、アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩、特に、塩化物、ホウ酸、クエン酸、及び硫酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩、並びにアルミニウムクロロハイドレート、及び高分子電解質、特に、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウム)、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びソルビトール)、アルコール(エチルアルコールなど)、ヒドロコロイド、及びこれらの混合物が挙げられる。
pH調整剤の例としては、任意の水溶性酸(例えば、カルボン酸)、又は鉱酸(例えば、塩酸、硫酸及びリン酸)、モノカルボン酸(例えば、酢酸及び乳酸)、及びポリカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、及びクエン酸)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
防腐剤及び化粧品用殺生物剤の例として、パラベン誘導体、ヒダントイン誘導体、クロルヘキシジン及びその誘導体、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、銀誘導体、サリチラート誘導体、トリクロサン、シクロピロクスオルアミン、ヘキサミジン、オキシキノリン及びその誘導体、PVP−ヨード、亜鉛塩及び誘導体、例えば亜鉛ピリチオンなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。
皮脂吸収剤又は皮脂調整剤の例としては、シリカシリレート、シリカジメチルシリレート、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ポリメチルメタクリレート、架橋メチルメタクリレート、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
野菜又は植物の抽出物の例は、油又は水溶性形態の植物(草本、根、花、果実、又は種子)、例えば、ココナッツ、緑茶、白茶、紅茶、ツクシ、イチョウ(ginkgo biloba)、ヒマワリ、小麦胚芽、海藻、オリーブ、ブドウ、ザクロ、アロエ、杏仁、アンズ、ニンジン、トマト、タバコ、豆、ジャガイモ、小豆、カテキュー、オレンジ、キュウリ、アボカド、スイカ、バナナ、レモン、ヤシ、又はこれらの混合物に由来する。草本抽出物の例としては、ディル、セイヨウワサビ、オートムギ、インドセンダン、ビート、ブロッコリー、茶、カボチャ、大豆、大麦、クルミ、亜麻、朝鮮人参、ケシ、アボカド、エンドウ豆、ゴマ、及びこれらの混合物が挙げられる。
ビタミンの例としては、様々な異なる有機化合物、例えば、アルコール、酸、ステロール、及びキノンなどが挙げられる。これらは、2つの溶解度群:脂溶性ビタミン及び水溶性ビタミンに分類することができる。パーソナルケア組成物において有用性である脂溶性ビタミンには、レチノール(ビタミンA)、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、フィトナジオン(ビタミンK1)及びトコフェロール(ビタミンE)がある。パーソナルケア組成物において有用性である水溶性ビタミンには、アスコルビン酸(ビタミンC)、チアミン(ビタミンB1)、ナイアシン(ニコチン酸)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、リボフラビン(ビタミンB2)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン、葉酸、ピリドキシン(ビタミンB6)及びシアノコバラミン(ビタミンB12)がある。ビタミンの追加例としては、ビタミンの誘導体、例えば、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミテート)、酢酸レチニル(ビタミンAアセテート)、リノール酸レチニル(ビタミンAリノレート)、プロピオン酸レチニル(ビタミンAプロピオネート)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、リノール酸トコフェリル(ビタミンEリノレート)、コハク酸トコフェリル(ビタミンEスクシナート)、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50(エトキシ化ビタミンE誘導体)、PPG−2トコフェレス−5、PPG−5トコフェレス−2、PPG−10トコフェレス−30、PPG−20トコフェレス−50、PPG−30トコフェレス−70、PPG−70トコフェレス−100(プロポキシル化及びエトキシル化ビタミンE誘導体)、トコフェリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸テトラヘキサデシル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、ニコチン酸トコフェリル、及びこれらの混合物が挙げられる。
タンパク質又はアミノ酸及びこれらの誘導体の例としては、小麦、大豆、米、トウモロコシ、ケラチン、エラスチン、又はシルクから抽出されたものが挙げられる。タンパク質は、加水分解エラスチン、加水分解コムギ粉末、加水分解シルクなどの加水分解された形態であってもよく、また、四級化されていてもよい。タンパク質の例としては、酵素、例えば、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、レダクターゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼなど、及びこれらの混合物が挙げられる。ヒドロラーゼの例としては、プロテアーゼ(細菌性、真菌性、酸性、中性又はアルカリ性)、アミラーゼ(アルファ又はベータ)、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、コラゲナーゼ、リゾチーム(lisozymes)、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。
顔料及び着色剤の例としては、表面処理又は未処理酸化鉄、表面処理又は未処理二酸化チタン、表面処理又は未処理雲母、酸化銀、ケイ酸塩、酸化クロム、カロチノイド、カーボンブラック、ウルトラマリン、クロロフィリン誘導体、及び黄土が挙げられる。有機顔料の例としては、D&C及びFD&C青、茶、緑、オレンジ、赤、黄色などとして指定される、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノン、及びキサンチン染料を含む芳香族型、並びにこれらの混合物が挙げられる。表面処理剤としては、レシチン、シリコーン、シラン、フッ素化合物、及びこれらの混合物に基づく処理剤が挙げられる。
充填剤の例としては、タルク、雲母、カオリン、酸化亜鉛又はチタン、炭酸カルシウム又はマグネシウム、シリカ、シリカシリレート、二酸化チタン、ガラス又はセラミックビーズ、ポリメチルメタクリレートビーズ、窒化ホウ素、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ナイロン、シルクパウダー、8〜22個の炭素原子を有するカルボン酸から誘導される金属石鹸、非発泡合成ポリマーパウダー、架橋されていても架橋されていなくてもよい天然有機化合物(例えば、穀物デンプン)由来の発泡パウダー及びパウダー、コポリマーミクロスフェア、ポリトラップ(polytrap)、シリコーン樹脂マイクロビーズ、並びにこれらの混合物が挙げられる。充填剤は、親和性又は相溶性を調節するために残りの構成成分で表面処理されてもよい。
シリコーンコンディショニング剤の例としては、ジメチコンなどのシリコーン油、ジメチコノールなどのシリコーンガム、トリメチルシロキシシリケート及びポリプロピルシルセスキオキサンなどのシリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、アルキルメチルシロキサン、アモジメチコン、アミノプロピルフェニルトリメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、シリコーンクオタニウム−16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、及びシリコーンクオタニウム−16などの有機変性シリコーンオイル、糖類官能性シロキサン、カルビノール官能性シロキサン、シリコーンポリエーテル、シロキサンコポリマー(ジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマー)、アクリレート又はアクリル官能性シロキサン、及びこれらの混合物又はエマルジョンが挙げられる。
カチオン性コンディショニング剤の例としては、グアーガムのヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム誘導体などのグアー誘導体、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性スターチ誘導体、セルロースエーテルの四級窒素誘導体、塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、アクリルアミド及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムのコポリマー、エステル又はアミド結合によってポリマーに結合するカチオン性窒素官能基を含有するアクリル酸又はメタクリル酸に由来するホモポリマー又はコポリマー、脂肪族アルキルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩、N,N’−ビス−(2,3−エポキシプロピル)−ピペラジン又はピペラジン−ビス−アクリルアミド及びピペラジンの重縮合生成物、並びにビニルピロリドンと第四級窒素官能基を有するアクリル酸エステルとのコポリマーが挙げられる。具体的な物質としては、様々なポリクアット(polyquats)、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−8、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、及びポリクオタニウム−23が挙げられる。他の分類のコンディショナーとしては、カチオン界面活性剤(例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、及び塩化ステリアルトリメチルアンモニウム)、及びその混合物が挙げられる。場合によっては、カチオン性コンディショニング剤も、疎水変性四級化ヒドロキシエチルセルロースポリマー、カチオン性疎水性変性ガラクトマンナンエーテル、及びこれらの混合物である。
疎水性コンディショニング剤の例としては、グアー誘導体、ガラクトマンナンガム誘導体、セルロース誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。
UV吸収剤及び日焼け止め剤としては、約290〜320ナノメートルの紫外線(UV−B領域)を吸収するもの、及び320〜400ナノメートルの紫外線(UV−A領域)を吸収するものが挙げられる。
日焼け防止剤のいくつかの例は、アミノ安息香酸、シノキサート、ジエタノールアミンメトキシシンナマート、ジガロイルトリオレアート、ジオキシベンゾン、エチル−4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノベンゾアート、グリセリルアミノベンゾアート、ホモサラート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、メンチルアントラニラート、オクトクリレン、エチルヘキシルメトキシシンナマート、オクチルサリチラート、オキシベンゾン、パラジマートO、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、赤色ワセリン、スリソベンゾン、二酸化チタン、トロラミンサリチラート、及びそれらの混合物である。
UV吸収剤のいくつかの例は、アセトアミノサロール、アラントインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1−12,3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、ベンジルサリチレート、ボルネロン(bornelone)、ブメトリオゾール(bumetriozole)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、シノキセート、DEA−メトキシシンナメート、ジベンゾオキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、ジガロイルトリオレエート、ジイソプロピルメチルシンナメート、ジメチルPABAエチルセテアリールジモニウムトシレート、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、エチルジイソプロピルシンナメート、エチルメトキシシンナメート、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、グリセリルオクタノエートジメトキシシンナメート、グリセリルPABA、グリコールサリチレート、ホモサラート、イソアミルp−メトキシシンナメート、イソプロピルベンジルサリチレート、イソプロピルジベンゾリルメタン、イソプロピルメトキシシンナメート、メンチルアントラニレート、メンチルサリチレート、4−メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、エチルヘキシルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オクチルトリアゾン、PABA、PEG−25PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイ皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、赤色ワセリン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、TEA−フェニルベンズイミダゾールスルホネート、TEA−サリチレート、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、VA/クロトネート/メタクリルオキシベンゾフェノン−1コポリマー、及びこれらの混合物である。
ふけ防止剤の例としては、ピリジンチオン塩、セレン化合物(例えば、二硫化セレン)、及び可溶性ふけ防止剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
制汗剤及びデオドラントの例としては、塩化アルミニウム、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスPEG、アルミニウムクロロハイドレックス、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスPG、アルミニウムクロロハイドレックスPEG、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイドレックスPG、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスGLY、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、炭酸水素ナトリウム、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、クロロフィリン−銅錯体、トリクロサン、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、リシノール酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
皮膚保護剤の例としては、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、カカオバター、タラ肝油、コロイド状オートミール、ジメチコン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱物油、ワセリン、サメ肝油、炭酸水素ナトリウム、タルク、ウィッチヘーゼル、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
毛髪染料の例としては、1−アセトキシ−2−メチルナフタレン、酸性染料、5−アミノ−4−クロロ−o−クレゾール、5−アミノ−2,6−ジメトキシ−3−ヒドロキシピリジン、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、2−アミノ−5−エチルフェノールHCl、5−アミノ−4−フルオロ−2−メチルフェノールサルフェート、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソールサルフェート、2−アミノ−5−ニトロフェノール、4−アミノ−2−ニトロフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノールサルフェート、m−アミノフェノールHCl、p−アミノフェノールHCl、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−m−フェニレンジアミンHCl、2,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ピリジンジアミンHCl、2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチルp−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、3,4−ジアミノ安息香酸、4,5−ジアミノ−1−((4−クロロフェニル)メチル)−1H−ピラゾール−サルフェート、2,3−ジアミノジヒドロピラゾロピラゾロンジメトスルホネート、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)アゾ)ピリジン、ジヒドロキシインドール、ジヒドロキシインドリン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミンサルフェート、直接染料、4−エトキシ−m−フェニレンジアミンサルフェート、3−エチルアミノ−p−クレゾールサルフェート、N−エチル−3−ニトロPABA、グルコンアミドプロピルアミノプロピルジメチコン、ヘマトキシロン・ブラジレット(Haematoxylon brasiletto)木材抽出物、HC染料、ローソニア・イネルミス(Lawsonia inermis)(ヘナ)抽出物、ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシアニリンHCl、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンサルフェート、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸、ヒドロキシピリジノン、ヒドロキシスクシンイミジルC21〜C22イソアルキルアシデート(acidate)、イサチン、アイサティス・ティンクトリア(Isatis tinctoria)葉粉末、2−メトキシメチル−p−フェニレンジアミンサルフェート、2−メトキシ−p−フェニレンジアミンサルフェート、6−メトキシ−2,3−ピリジンジアミンHCl、4−メチルベンジル4,5−ジアミノピラゾールサルフェート、2,2’−メチレンビス4−アミノフェノール、2,2’−メチレンビス−4−アミノフェノールHCl、3,4−メチレンジオキシアニリン、2−メチルレゾルシノール、メチルロザニリニウムクロリド、1,5−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール、3−ニトロ−p−クレゾール、2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン、4−ニトログアイアコール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2−ニトロ−N−ヒドロキシエチル−p−アニシジン、ニトロフェノール、4−ニトロフェニルアミノエチルウレア、4−ニトロ−o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、2−ニトロ−p−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、4−ニトロ−o−フェニレンジアミンHCl、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミンサルフェート、4−ニトロ−o−フェニレンジアミンサルフェート、2−ニトロ−p−フェニレンジアミンサルフェート、6−ニトロ−2,5−ピリジンジアミン、6−ニトロ−o−トルイジン、PEG−3 2,2’−ジ−p−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンHCl、p−フェニレンジアミンサルフェート、フェニルメチルピラゾロン、N−フェニル−p−フェニレンジアミンHCl、ピグメントブルー15:1、ピグメントバイオレット23、ピグメントイエロー13、ピロカテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ピクラミン酸ナトリウム、スルファニル酸ナトリウム、ソルベントイエロー85、ソルベントイエロー172、テトラアミノピリミジンサルフェート、テトラブロモフェノールブルー、2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノールサルフェート、並びに1,2,4−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
ネイルケア構成成分の例としては、酢酸ブチル、酢酸エチル、ニトロセルロース、アセチルトリブチルシトレート、イソプロピルアルコール、アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸(trimelitic anhydride)コポリマー、ステアラルコニウムベントナイト、アクリレートコポリマー、パントテン酸カルシウム、セトラリア・イスランディカ(Cetraria islandica)抽出物、コンドラス・クリスプス(Chondrus crispus)、スチレン/アクリレートコポリマー、トリメチルペンタンジイルジベンゾエート−1、ポリビニルブチラール、N−ブチルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、雲母、シリカ、酸化スズ、ホウケイ酸カルシウム、合成フッ素金雲母、ポリエチレンテレフタレート、ラウリン酸ソルビタン誘導体、タルク、ホホバ抽出物、ダイアモンド粉末、イソブチルフェノキシエポキシ樹脂、シルクパウダー、及びこれらの混合物が挙げられる。
芳香剤又は香料の例としては、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、メチル−2−n−ヘキシル−3−オキソ−シクロペンタンカルボキシレート、ドデカラクトンガンマ、メチルフェニルカルビニルアセテート、4−アセチル−6−tert−ブチル−1,1−ジメチルインダン、パチョリ、オリバナム樹脂状物質、ラブダナム、べチベル、コパイババルサム、バルサムモミ、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、メチルアントラニレート、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール、シトロネロール、酢酸テルピニル、サリチル酸ベンジル、2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロパナール、フェノキシエチルイソブチレート、セドリルアセタール、オーベピン、ムスク芳香剤、大環状ケトン、マクロラクトンムスク芳香剤、エチレンブラシレート、並びにこれらの混合物が挙げられる。更なる香料構成成分は、例えばPerfume and Flavour Chemicals,1969,S.Arctander,Montclair,New Jerseyなどの標準的な教本参考文献に詳細に記載されている。
酸化防止剤の例は、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、ペクチニン酸アスコルビルメチルシラノール、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン、コーヒー酸、チャノキ(Camellia sinensis)油、アスコルビン酸キトサン、グリコール酸キトサン、サリチル酸キトサン、クロロゲン酸、システイン、塩酸システイン、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾールコポリマー、トリオレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、塩酸ヒドロキシアミン、硫酸ヒドロキシアミン、チオグリコール酸イソオクチル、コウジ酸、マデカシコシド(madecassicoside)、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、メラトニン、メトキシ−PEG−7コハク酸ルチニル、メチレンジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログリシノール、アスコビルトコフェロールリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ロスマリン酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、ティーツリー(Melaleuca aftemifolia)油、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノール酸/オレイン酸トコフェロール、チオジグリコール、コハク酸トコフェロール、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノール酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、トコキノン、o−トリルビグアニド、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、ユビキノン、及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、及びこれらの混合物である。
酸化剤の例は、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン、臭素酸カリウム、カロ酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ素酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素、過酸化亜鉛、及びこれらの混合物である。
還元剤の例には、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システアミンHCl、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレート、及びそれらの混合物がある。
噴射ガスの例としては、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、ブタン、イソブタン、又はプロパンなどの揮発性炭化水素、並びにジクロロジフルオロメタン及びジクロロテトラフルオロエタンなどの塩素化又はフッ素化炭化水素、又はジメチルエーテル;並びにこれらの混合物が挙げられる。
抗にきび剤の例としては、サリチル酸、ベンゾイル硫黄、過酸化物、トレチノイン、及びこれらの混合物が挙げられる。
抗菌剤の例としては、グルコン酸クロロヘキサジエン、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー188、ポビドンヨード、及びこれらの混合物が挙げられる。
抗真菌剤の例としては、硝酸ミコナゾール、ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
治療活性剤の例としては、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツレート、カテコールアミン、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルヒネ、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール(ticonazole)、ペルブテロール(perbuterol)、フロサミド(furosamide)、プラゾシン、ホルモン、プロスタグランジン、カルベニシリン、サルブタモール、ハロペリドール、スラミン、インドメチカン(indomethicane)、ジクロフェナク、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、ヒドロコルチゾン、ステロイド、スコポラミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
外用鎮痛剤の例は、ベンジルアルコール、カプシカムオレオレジン(キダチ唐辛子(Capsicum frutescens)含油樹脂)、サリチル酸メチル、カンファー、フェノール、カプサイシン、ジュニパータール(ケードネズ(Juniperus oxycedrus)タール)、ナトリウムフェノラート(ナトリウムフェノキシド)、カプシカム(キダチ唐辛子)、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、テレビン油(テルペンチン)、及びこれらの混合物である。皮膚漂白剤の例はヒドロキノンである。
希釈剤の例としては、ケイ素含有希釈剤、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及びその他の短鎖直鎖状シロキサン、例えば、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデアメチルヘプタシロキサン(hexadeamethylheptasiloxane)、ヘプタメチル−3−{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、環状シロキサン、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、有機希釈剤、例えば、酢酸ブチル、アルカン、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、及びハイドロフルオロカーボンが挙げられる。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11−C13)、Isopar H(C11−C12)、水素添加ポリデセンが挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアラート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールnブチルエーテル、エチル−3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、及びオクチルパルミテートが挙げられる。更なる有機希釈剤としては、脂肪、油、脂肪酸、及び脂肪族アルコールが挙げられる。
上記のパーソナルケア組成物中のフルイド組成物の量は、パーソナルケア組成物の100重量部に対し約0.1〜95、0.2〜50、又は0.5〜25重量%の範囲で変更することができる。パーソナルケア原料は、一般的に、パーソナルケア組成物の100重量部に対し約0.01〜99.99重量%の範囲の量で存在する。異なるパーソナルケア原料の組み合わせを使用することもできる。上記の値間に含まれる任意の値及びあらゆる値又は値範囲も利用できることが想到される。
パーソナルケア組成物は、クリーム、ゲル、粉末(自由流動粉末又は圧縮粉末)、ペースト、固体、自由に注入可能な液体、又はエアゾールの形態であってよい。パーソナルケア組成物は、単相系、二相系若しくは多相系、例えば、水中油型、油中水型、水中シリコーン型、シリコーン中水型のエマルジョン、例えば、油中水中油型、水中シリコーン中ポリオール型、シリコーン中水中油型の多重エマルジョンの形態であってよい。
スキンケア組成物としては、シャワーゲル、石鹸、ヒドロゲル、クリーム、ローション及びバーム、制汗剤及びデオドラント、例えば、スティック、軟固体、ロールオン、エアゾール、及びポンプスプレーなど、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、しわ調節又はしわ低減トリートメントなどのフェイシャルトリートメント、角質除去剤、ボディ及びフェイシャルクレンザー、バスオイル、香料、コロン、サシェ、日焼け止め剤、ムース、パッチ、プレシェーブローション及びアフターシェーブローション、シェービングソープ、シェービング用の泡、脱毛剤、メークアップ類、カラー化粧料、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、リップスティック、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラー化粧料リムーバー、パウダー類、及びこれらのキット類が挙げられる。
ヘアケア組成物としては、シャンプー、リンスオフコンディショナー(rinse−off conditioner)、リーブインコンディショナー(leave−in conditioner)、及びスタイリング助剤、ゲル、スプレー、ポマード、ムース、ワックス、染毛剤、毛髪軟化剤(hair relaxants)、毛髪縮毛矯正剤(hair straighteners)、パーマメント、及びこれらのキットが挙げられる。
ネイルケア組成物としては、カラーコート、ベースコート、キューティクルコート、ネイルハードナー、及びこれらのキットが挙げられる。
ヘアケア組成物は、軟膏、クリーム、ゲル、ムース、ペースト、パッチ、密封包帯(spray on bandages)、フォーム、及び/又はエアゾールなど、にきび予防、歯科衛生、抗生物質、治癒促進を含む医薬クリーム、ペースト、スプレー(これらは、予防及び/又は治療用医薬であってよい)、並びにこれらのキットの形態であってよい。
パーソナルケア組成物は、標準的な方法、例えば、組成物をヒト又は動物の身体、例えば、皮膚又は毛髪に、アプリケータ、ブラシを用いて塗布する、手によって塗布する、流しかける、及び/又は場合によっては組成物を身体上若しくは体内に擦り込む若しくはマッサージすることによって使用することができる。
パーソナルケア組成物は、典型的に、皮膚又は毛髪の所望の領域に、皮膚又は毛髪に十分な洗浄又はコンディショニングをもたらすのに十分な量で塗布され得る。パーソナルケア組成物は、局所塗布の前、中、又は後に水で希釈してもよく、次いで、塗布された領域からすすぎ落とす又は拭き取るが、例えば、水を用いて又は水と水不溶性基剤とを併用して塗布された表面からすすぎ落とす。
パーソナルケア組成物は、従来の方法で毛髪に使用することができる。毛髪の洗浄又はコンディショニング用の組成物の有効量を毛髪に塗布する。有効量は、一般的には約1〜50グラムの範囲である。毛髪への適用は、典型的には、毛髪の大部分又は全てをパーソナル組成物と接触させるように、毛髪全体にパーソナルケア組成物を作用させる工程を含む。これらの工程は、所望の効果を達成するために必要に応じて多数回繰り返すことができる。
毛髪にパーソナルケア組成物を使用することから得られる利点は、以下の利点のうちの1つ以上を含む:保色、着色工程での改善、ヘアコンディショニング、柔らかさ、もつれた髪のほぐし易さ、シリコーン付着、静電防止、縮れ防止、なめらかさ、光沢、強度増加、粘度、触感、濡れた髪の櫛通り、乾燥時の櫛通り、縮毛矯正、熱保護、スタイリング、及びカール保持。
パーソナルケア組成物は、従来の方法で皮膚に使用することができる。目的にかなうパーソナルケア組成物の有効量を皮膚に塗布する。有効量は、一般的には約1〜3mg/cm2の範囲である。皮膚に対する塗布は、一般的には、所望の効果を達成するのに望ましい回数で、パーソナルケア組成物を皮膚に作用させることを含む。
皮膚に対しパーソナルケア組成物を使用することにより得られる効果には、次の効果のうちの1種以上が含まれる:様々な処方の安定化(o/w、w/o、無水)、乳化剤としての使用、疎水性の程度、有機物とのなじみ、持続性/耐久性、洗い流し耐性、皮脂との相互作用、顔料の性能発揮、pH安定化、皮膚軟化、柔軟性、保湿、肌ざわり、長期安定化、もちがよくなる、色均一性の長期安定化、発色強化、泡形成、光学効果(ソフトフォーカス)、及び活性剤の安定化。
パーソナルケア組成物は、毛髪を洗浄し、コンディショニングし、リフレッシュし、メークアップし、メークアップを除去し、整えるために、ケラチン基質の手入れに使用することができる。
任意選択的な追加の構成成分(複数可):
パーソナルケア組成物及び/又は組成物は、(i)有機化合物、(ii)ケイ素原子含有化合物、(iii)有機化合物の混合物、(iv)ケイ素原子含有化合物の混合物、又は(v)有機化合物とケイ素原子含有化合物との混合物などの、他の材料を溶解し、懸濁し、又はその物理特性を変更するために工業規模で使用される溶媒も含んでもよい。
一般的に、有機化合物は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、アルキルハロゲン化物、又は芳香族ハロゲン化物である。いくつかの一般的な有機溶媒の代表例は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセロールなど、脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン、VM&P溶剤、及びミネラルスピリットなど、アルキルハロゲン化物、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、パークロロエチレン、塩化エチル、及びクロロベンゼンなど、アミン、例えば、イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、及びジエタノールアミンなど、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレンなど、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセト酢酸エチル、酢酸アミル、イソ酪酸イソブチル、及び酢酸ベンジルなど、エーテル、例えば、エチルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、及び1,4−ジオキサンなど、グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びプロピレングリコールモノフェニルエーテルなど、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、メチルアミルケトン、及びジイソブチルケトンなど、石油系炭化水素、例えば、鉱物油、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、及び原油など、並びに脂肪油、例えば、トウモロコシ油、大豆油、オリーブ油、菜種油、綿実油、イワシ油、ニシン油、及び鯨油などである。
アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、プロピレンオキシド、リン酸トリオクチル、ブチロラクトン、フルフラール、松根油、テレビン油、及びm−クレオソールなどの、「他の」種々の有機溶媒もまた使用することができる。
溶媒はまた、揮発性の着香料を含んでもよく、これには、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、メントール、バニラ、桂皮油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグ油、セージ油、カッシア油、ココア、カンゾウ、高フルクトースコーンシロップ、レモン、オレンジ、ライム、及びグレープフルーツなどの柑橘油、フルーツエッセンス、例えば、リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、及びアンズなど、並びに、酢酸シンナミル、桂皮アルデヒド、ギ酸オイゲニル、p−メチルアニソール、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、シトラル、ネラール、デカナール、バニリン、トリルアルデヒド、2,6−ジメチルオクタナール、及び2−エチルブチルアルデヒドなどのアルデヒド及びエステルを含む他の有用な着香料が含まれる。
更に、溶剤はまた、天然物及び香油などの揮発性の芳香剤を含んでよい。天然物及び香油のいくつかの代表例は、アンバーグリース、ベンゾイン、シベット、クローブ、葉油、ジャスミン、マテ、ミモザ、ジャコウ、ミルラ、オリス、ビャクダン油、及びベチバー油、香料、例えば、アミルサリチレート、アミルシンナムアルデヒド、ベンジルアセタート、シトロネロール、クマリン、ゲラニオール、イソボルニルアセタート、アンブレット、及びテルピニルアセテート、並びに様々な伝統的な分類(classic family)の香油、例えば、フローラルブーケファミリー、オリエンタルファミリー、シプレーファミリー、ウッディファミリー、シトラスファミリー、カヌーファミリー(canoe family)、レザーファミリー、スパイスファミリー、及びハーバルファミリーである。
本開示の組成物及び/又はパーソナルケア組成物を形成するのに使用できるその他の架橋シロキサン及び/又は構成成分は、米国特許第5,505,937号、同第6,071,503号、同第6,074,654号、同第6,139,823号、同第6,180,117号、同第6,967,024号、同第6,991,782号、同第7,871,633号、同第8,557,230号、同第8,586,013号、同第8,673,282号、同第8,603,444号、同第8,673,283号、同第8,673,284号、同第8,758,739号、及び同第8,778,323号、米国特許出願公開第2003/0235552号、同第2009/0036615号、並びに同第2012/0171137号、特許出願第61−161211号及び同第61−158913号、特許第61−18708号、欧州特許第0709083号、並びに国際公開第2010/149493号及び国際公開第2013/103832号に記載されており、これらの特許文献の各々は、1つ以上の非限定的な実施形態における参照により本願に明示的に援用される。
パーソナルケア組成物の形成方法:
本開示は、パーソナルケア組成物を形成する方法も提供する。方法は、上記のとおりのパーソナルケア製品又は任意のその他の同様の化合物を組成物と組み合わせることを含む。パーソナルケア製品は、第1の構成成分と、第2の構成成分と、所望によりキャリアフルイドとを組み合わせる前、組み合わせている間、並びに組み合わせられたときに存在してよいことも想到される。一実施形態において、組成物は、個別に調製された後で、パーソナルケア組成物原料と組み合わせられる。ある種のパーソナルケア原料をフルイドの反応工程(すなわち、使用する場合、ヒドロシリル化反応生成物の形成)時に含ませることができるものの、反応抑制、原料の温度感受性などの様々な因子を制御する必要があり得る。パーソナルケア組成物の形成を容易にするための混合技術、コールドブレンド、又は加熱が挙げられるがこれらに限定されない、パーソナルケア処方の形成について当業界で公知の技術を使用することができる。本明細書で使用する添加順は当業界で公知のものであってもよい。
本開示のフルイド組成物を示す以下の実施例は、本発明を説明するものであり、本発明を限定するものではない。
粘液様フルイドを区別するレオロジー挙動としては、一般的に、例えば、少量のフルイドを指と指の間にはさみ、それらの指を離したときに、フルイドが長い糸を形成する、「曳糸」挙動が挙げられる。これにより、破断するまでに非常に長い距離を伸長し得るフルイドの糸が生成されることから、このタイプの挙動には用語「粘液様」が最初に使用されるようになった(かかる用語は、粘液(mucus又はphlegm)に似ている材料を指す)。
粘液様フルイドの別のレオロジー挙動には、これらのフルイドにせん断応力をかけたときの垂直抗力の生成がある。垂直抗力は、せん断応力の方向に対し垂直な方向に生成される力である。この挙動を図1に例示する。
図1は、第1の粘液様フルイド組成物及び第1のポリジメチルシロキサン(「PDMS」)のせん断速度の関数として垂直応力を示す折れ線グラフである。このデータは、平板(レオメータに取り付けられている)と、ロードセルに取り付けられた固定プレートと、の間にフルイドが保持される応力制御型レオメータにより作製された。ディスクサンプルに取り付けたシャフトに、大きさを調節して力(トルク)を加え、せん断応力をかけた。試験中、トルクを増大させて、速度を漸増させながらディスクを回転させて、せん断速度として記録した。フルイドサンプルにせん断応力がかけられるにつれ、垂直抗力はロードセルにより記録される。
このデータは、PDMS(1,000cSt)と、粘液様フルイド(D5に分散させた15%の粘液様フルイド)との間の差を明確に示す。粘液様フルイドは、加えるせん断応力量を増大させたときに顕著な垂直抗力を展開したのに対し、PDMSは展開しなかった。
このレオロジー挙動は、これらの粘液様フルイドを皮膚に対し擦り込んだときに観察される、著しい潤滑効果に関連すると考えられる。擦り込み動作によりフルイドフィルムには高レベルのせん断応力が加えられ、かかるせん断応力により、フルイドフィルムの、刷り込まれるにつれ薄くなっていくという性質に抵抗する垂直抗力が生成される。フィルムが厚くなるほど、潤滑効果は強くなる。
摩擦試験の準備及び手順
様々な例のフルイド組成物処方を調製した。処方は、第1の成分及び第2の成分を異なる比で含む。処方は、キャリアフルイドも含み、多くの処方は顔料も含む。試験手順は下記のものである。
摩擦手順:
試験方法を以下のステップにより簡潔に記載する:1)水和させたコラーゲンフィルムを3x2.5インチのポリカーボネートブロックにしっかりと固定する。2)〜0.15から0.2グラムの各サンプル材料/処方を、水和させたそれぞれのコラーゲンフィルムに対し指で塗り広げる。塗布したフィルムを終夜乾燥させる。3)例えば、皮脂耐性について評価する。〜0.04gの合成皮脂を各乾燥フィルムに滴下して、フィルムを合成皮脂により処理する。この皮脂は、小型のローラー(〜1インチ)を使用して優しく塗り広げる。処理したフィルムは、摩擦試験前に周囲条件で3〜4時間放置する。4)処理した全てのフィルムに対し、調整したGardner Abrasion Testerを使用して摩擦試験を実施する。各サンプルに対し、最大で100サイクルの摩擦を適用することができる。摩擦サイクルを通し、サンプル及び摩擦クロスの両方のL*a*b値を記録することができる。5)摩擦後、サンプル及び摩擦クロスの両方の外観をデジタルカメラにより記録することができる。
コポリマー及びオルガノポリシロキサン樹脂:
下表Iに従って様々な処方を調製する。
例に合わせて、キャリアフルイドはイソドデカン又は2 cSt PDMSとすることができる。顔料はUnipure Red LC381AS−EM Sensientである。目視検査及び摩擦結果の比色計系検査のため、顔料を使用する。
フルイド組成物は、更に以下に示すとおり、第1の成分及び第2の成分を様々な割合で含む。27.6重量%は、フルイド組成物の不揮発性含量(NVC)をベースとする。例えば、実施例が1:1(又は50:50)の配合比を有する場合、処方は、第1の成分と第2の成分をそれぞれ13.8重量%と、残部としてキャリアフルイド及び顔料とを有する。同様にして、実施例が3:1(又は75:25)の配合比を有する場合、処方は、20.7重量%の第1の成分と6.9重量%の第2の成分と、残部としてキャリアフルイド及び顔料とを有し得る。図5〜8は、表I中の量に従った様々な成分配合の摩擦結果を示す。
図5は、様々な配合の架橋アミノシロキサン(シリコーンクオタニウム−16/グリシジルジメチコンクロスポリマー)及びオルガノポリシロキサン樹脂(100% トリメチルシロキシシリケート樹脂)の、処理フィルムの摩擦結果を示す。架橋アミノシロキサンは、図4に示す一般的な反応スキームに従って調製され得る。左から右に向かい、それぞれ架橋アミノシロキサン及びオルガノポリシロキサン樹脂の配合比は、重量%で3:1、1:1、1:3、及び1:5である。
図6A及び6Bは、それぞれ、図5に示す実施例に使用した摩擦クロスに対する比色計の読み取り値を示す。当該技術分野で認識されるとおり、L*a*bの「a」値は赤色に関係し、処理したフィルムから摩擦クロスへの移動量を測定するのに最も有用である。同様にして、「a」値は、赤色顔料の代わりに緑色顔料を使用した場合にも有用であり、一方、青色顔料又は黄色顔料を使用した場合には「b」値が有用である。好適な比色計は、様々な供給元(例えば、BYK Gardner)から入手可能である。
図7は、他の架橋アミノシロキサン(無水マレイン酸で架橋されており、3,500cStの粘度を有するアミノ官能性PDMS)とオルガノポリシロキサン樹脂との様々な配合物で処理したフィルムの摩擦結果を示す。架橋アミノシロキサンは、図3に示す一般的な反応スキームに従って調製され得る。左から右に向かい、それぞれ架橋アミノシロキサン及びオルガノポリシロキサン樹脂の配合比は、重量%で100:0(比較例)、75:25、50:50、及び27:73である。
図8は、3,500cStの粘度を有するアミノ官能性PDMSと、オルガノポリシロキサン樹脂との様々な配合物で処理したフィルムの摩擦結果を示す。左から右に向かい、それぞれアミノ官能性PDMS及びオルガノポリシロキサン樹脂の配合比は、重量%で50:50、40:60、及び25:75である。これらは比較例である。
コポリマー及びアクリレートコポリマー:
下表IIに従って様々な処方を調製する。
例に合わせて、キャリアフルイドはイソドデカン又は2 cSt PDMSとすることができる。顔料はUnipure Red LC381AS−EM Sensientである。
フルイド組成物は、第1の成分及び第2の成分を様々な割合で含む。27.6重量%は、フルイド組成物のNVCをベースとする。以下の処方の全てにおいて、第1の構成成分は、シリコーンポリエーテルコポリマー(PEG/PPG−18/18ジメチコン)であり、第2の構成成分は、アクリレートコポリマー(アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー)である。
様々な配合比で、第1の成分及び第2の成分の混合物をスライドガラス(顔料なし)に塗布した。処理したスライドガラスを乾燥させた。乾燥後、全ての場合で透明なフィルムが形成された。透明なフィルムのタックを試験し、以下のとおり判定した(それぞれ第1の成分及び第2の配合比をベースとする):8:2=「粘着性」、7:3=「強力なタック」、6:4=「軽いタック」、並びに5:5、4:6、及び3:7のそれぞれで「タックなし」。
様々な配合比で、第1の成分及び第2の成分の混合物をステンレススチール(顔料なし)に塗布した。処理したステンレススチールを乾燥させた。乾燥後、特に、第1の成分と第2の成分との重量%比が1:1であるNVCに関しては、独立している(freestanding)フィルムをステンレススチール表面から剥離することができる。
図に戻ると、図9は、示差走査熱量測定(DSC)試験の結果を示す。温度の上昇に応じ、アクリレートコポリマーは、80℃付近で顕著なガラス転移を示す。シリコーンポリエーテルコポリマーをアクリレートコポリマーに加えることで、ガラス転移温度(Tg)は低くなり、かつガラス転移はより広域(より不明瞭)に及ぶ。
アクリレートコポリマー:シリコーンポリエーテルコポリマーの7:3NVC重量%比のブレンドは、約65℃にて、より不明瞭なガラス転移温度を有する。6:4NVC重量%比のアクリレートコポリマー:シリコーンポリエーテルコポリマーは、〜59℃にて、更に明瞭なガラス転移温度を有する。
図10は、シリコーンポリエーテルコポリマー及びアクリレートコポリマーの様々な配合物により処理したフィルムの摩擦結果を示す。左から右に向かい、それぞれ第1の成分及び第2の成分の配合比は、重量%で6:4、5:5、4:6、3:7、及び0:100(比較例)である。
図11は、図10に示す実施例に使用した摩擦クロスに対する比色計の読み取り値を示す。赤色に関係する、L*a*bの「a」値は、処理したフィルムから摩擦クロスへの移動量を測定するのに最も有用である。
図12は、乾燥試験結果及び割れ試験結果を示す。配合比3:7のシリコーンポリエーテルコポリマー及びアクリレートコポリマーを、指によりコラーゲンフィルムに対し塗り広げる(左側の写真に対応)。アクリレートコポリマー(シリコーンポリエーテルコポリマーなし)を、指により別のコラーゲンフィルムに対し塗り広げる(右側の写真に対応)。処理したフィルムを乾燥させ、割れについて観察する。図12に示すとおり、シリコーンポリエーテルコポリマーを含有させると、アクリレートコポリマーの割れが防止される。
図13は、乾燥、伸長、及び割れ試験の結果を示す。様々な配合比の第1の成分及び第2の成分、並びに第2の構成成分(第1の成分なし)を同じゴムバンドに対して塗布し、乾燥させる。乾燥後、次にゴムバンドを16回伸長させた後、更に9回伸長させ、すなわち合計25回伸長させる。図13に示すとおり、シリコーンポリエーテルコポリマーを含有させると、完全に予防されない場合にもアクリレートコポリマーの割れは少なくとも最小限に抑えられる。これらの結果から、シリコーンポリエーテルコポリマーを組み込むことにより、アクリレートコポリマーフィルムが柔軟なものになることが示される。
本願明細書で使用される用語「含む」(comprising又はcomprise)は、これらの広い意味で、「含む」(including、include)、「実質的に...からなる」(consist(ing)essentially of)、及び「...からなる」(consist(ing)of)を包含する。説明的な実例を列挙するための「例えば」(for example)、「など」(e.g.)、「などの」(such as)、及び「を含む」(including)の使用によって、列挙された例だけに限定するものではない。したがって、「例えば」(for example)又は「などの」(such as)は、「例えば...だが、...に限定されない」(for example, but not limited to)又は「...などの...だが、...に限定されない」(such as, but not limited to)という意味であり、他の同様又は同などの例を包含する。本願明細書で使用される用語「約」(about)は、機器分析によって測定された数値のわずかな変動、又はサンプルの取扱いの結果による数値のわずかな変動を、合理的に包含又は表すためのものである。このようなわずかな変動は、数値の±0〜10、±0〜5、又は±0〜2.5%であり得る。更に、用語「約」(about)は、数値の範囲が関係する場合は、両方の数値に適用される。また、用語「約」(about)は、明示的に言及されない場合でも、数値に適用される。
本明細書で使用するとき、用語「周囲温度」又は「室温」は、約20〜30℃の温度を指す。通常、「室温」は、約20〜25℃の範囲である。本明細書で言及される全ての粘度測定値は、別途記載のない限り25℃下で測定されたものである。一般的に、本明細書で使用するとき、値の範囲において、ハイフン「−」又はダッシュ「−」は、「〜」、又は「から」である。「超(>)」は「を超える」(above)又は「より大きい」(greater−than);「≧」は「少なくとも」(at least)又は「以上」(greater−than or equal to);「未満(<)」は「より小さい」(below)又は「未満」(less−than);並びに、「≦」は「最大」(at most)又は「以下」(less−than or equel to)である。
本明細書で使用するとき、用語「分枝」は、ポリマーが末端基を2つよりも多く有することを示す。別の基、例えば炭化水素基に関し使用されるとき、用語「置換された」は、別途記載のない限り、炭化水素基中の1個以上の水素原子が別の置換基により置き換えられていることを意味する。このような置換基の例としては、ハロゲン原子、例えば、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素、ハロゲン原子含有基、例えば、クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロヘキシル、酸素原子、酸素原子含有基、例えば、(メタ)アクリル酸及びカルボキシル、窒素原子、窒素原子含有基、例えば、アミン、アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基、硫黄原子、並びにメルカプト基などの硫黄原子含有基が挙げられる。
前述の特許出願、特許、及び/又は特許出願公開のそれぞれは、個別に、その全体が、本願明細書において参照により1つ以上の非限定的実施形態において明示的に援用される。
添付の請求項が、発明を実施するための形態に記述された、明示かつ特定の化合物、組成物、又は方法に限定されることはなく、それらが添付の請求の範囲内に含まれる特定の実施形態間で変化できることを理解するべきである。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を記載するために本明細書が依拠するマーカッシュ群に関して、他の全てのマーカッシュ要素から独立したそれぞれのマーカッシュ群の各要素から、異なる、特別な及び/又は予期しない結果が得られる可能性があることが理解されるべきである。マーカッシュ群の各要素は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別に及び/又は組み合わせて依拠することがあり、適切な根拠を提供する。
また、本発明の種々の実施形態を記載する際に依存する任意の範囲及び部分範囲が、添付の特許請求の範囲内に個別かつ集合的に入ることも理解されるべきであり、またかかる値が明白に記載されていない場合でも、全体及び/又は部分値を含む全ての範囲を記載し、考慮することが理解される。計数範囲及び部分範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に記述しかつ可能にし、かかる範囲及び部分範囲が、更に、関連する2分の1、3分の1、4分の1、5分の1などに詳述されてよいことを当業者は容易に理解する。ほんの一例として、範囲「0.1〜0.9」は、下の方の3分の1、即ち、0.1〜0.3、中間の3分の1、即ち、0.4〜0.6、及び上の方の3分の1、すなわち、0.7〜0.9に更に詳述でき、これらは、個別的かつ集合的に添付の特許請求の範囲内であり、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠することがあり、適切な根拠を提供し得る。更に、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「以下」などの範囲を定義又は修飾する用語に関して、かかる用語が部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、本質的に、少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、25〜35の部分範囲などを含み、各部分範囲は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠することがあり、適切な根拠を提供する。最終的には、開示された範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠することがあり、適切な根拠を提供する。例えば、範囲「1〜9」は、様々な個々の整数、例えば、3、並びに小数点(又は分数)を含む個別の数、例えば、4.1を含み、これは添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠することがあり、適切な根拠を提供する。
本発明は、本明細書に例示的な方法にて記述されており、使用された用語は限定よりもむしろ説明的な言葉の性質を持つことを意図していると理解すべきである。本発明の多くの修正及び変更が上記教示から可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されているものとは別の方法で実施されてもよい。独立請求項、並びに単一及び複数の従属の両方の従属請求項の全ての組み合わせの主題が、本明細書において明示的に企図される。