JP2018199451A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018199451A
JP2018199451A JP2017105772A JP2017105772A JP2018199451A JP 2018199451 A JP2018199451 A JP 2018199451A JP 2017105772 A JP2017105772 A JP 2017105772A JP 2017105772 A JP2017105772 A JP 2017105772A JP 2018199451 A JP2018199451 A JP 2018199451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
assist
torque
electric motor
assist torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017105772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6686967B2 (ja
Inventor
真生 上山
Masao Kamiyama
真生 上山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017105772A priority Critical patent/JP6686967B2/ja
Priority to US15/986,259 priority patent/US10759471B2/en
Priority to DE102018112322.1A priority patent/DE102018112322B4/de
Publication of JP2018199451A publication Critical patent/JP2018199451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6686967B2 publication Critical patent/JP6686967B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0463Controlling the motor calculating assisting torque from the motor based on driver input
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0409Electric motor acting on the steering column
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
    • B62D5/062Details, component parts
    • B62D5/064Pump driven independently from vehicle engine, e.g. electric driven pump
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
    • B62D5/065Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by specially adapted means for varying pressurised fluid supply based on need, e.g. on-demand, variable assist
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
    • B62D5/10Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by type of power unit
    • B62D5/12Piston and cylinder
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/02Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to vehicle speed

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】パワーステアリング装置の小型化。【解決手段】このパワーステアリング装置は、運転者による操舵が開始されてから、第2電動モータの駆動を開始させる条件である第2電動モータ駆動開始条件が成立するまでの時間である所定時間が経過するまでの間は要求アシスト力Ta*を第1電動モータのみから付与し、所定時間が経過したときは要求アシスト力Ta*を第1電動モータ及び油圧アクチュエータから付与するとともに、第1電動モータによるアシスト力Ta1*が要求アシスト力Ta*から油圧アクチュエータによるアシスト力Ta2を減じた値となるように、第1電動モータによるアシスト力を調整するように構成される。これにより、装置を小型化しつつ、操舵初期から十分な要求アシスト力を発生することができる。【選択図】図8

Description

本発明は、操舵アシスト力(以下、単に「アシスト力」又は「アシストトルク」と称呼される場合がある。)を操舵機構に付与するパワーステアリング装置に関する。
従来から、ステアリングホイールの操作(以下、「操舵」と称呼する場合がある。)を補助するアシスト力を、電動アシストモータと油圧アクチュエータとの両方から操舵機構に付与することができるパワーステアリング装置(以下、「従来装置」と称呼する。)が知られている。この油圧アクチュエータは、電動油圧ポンプから供給される作動油によって作動する。
従来装置は、要求アシスト力が所定値よりも小さい場合、電動油圧ポンプを作動させず、電動アシストモータのみによってアシスト力を発生させる。更に、従来装置は、要求アシスト力が所定値よりも大きい場合、電動アシストモータに加えて電動油圧ポンプを作動させることにより、電動アシストモータ及び油圧アクチュエータの両方によってアシスト力を発生させる(例えば、特許文献1を参照。)。これにより、電動アシストモータの駆動のみではアシスト力が不足する場合、その不足分を油圧アクチュエータが発生するアシスト力により補償できる。従って、電動アシストモータとしては、発生可能な最大トルクが比較的小さな小型モータを採用できると考えられる。
特開2008−260329号公報(図4)
しかしながら、従来装置は、要求アシスト力が所定値を超えている場合、電動アシストモータに「要求アシスト力が所定値であったときのアシスト力」を発生させ続けている。更に、従来装置は、要求アシスト力に対する不足分を油圧アクチュエータに発生させている。従って、従来装置によれば、電動アシストモータの負荷が高い状況が継続し、電動アシストモータが過熱する虞がある。その結果、従来装置は、電動アシストモータとして、大きなトルクを発生可能な比較的大型の電動モータ(比較的大きなトルクを発生し続けても過熱し難いモータ)を採用せざるを得ないので、パワーステアリング装置全体を小型化できないという問題がある。
本発明は上記課題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、装置を小型化しつつ、操舵初期から十分に要求アシスト力を発生することが可能なパワーステアリング装置を提供することにある。
そこで、本発明のパワーステアリング装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、操舵機構(20、30)、第1操舵補助機構(40)、第2操舵補助機構(50)及び制御部(70)を備える。前記操舵機構は、ステアリングホイール(11)及び当該ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフト(20)を含み、車両の運転者による前記ステアリングホイールの操作に応じて前記車両の転舵輪(FW1、FW2)を転舵させる。前記第1操舵補助機構は、前記操舵機構にトルク伝達可能に組み付けられた第1電動モータ(44)を含み、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記転舵輪の転舵を補助する第1アシスト力(Ta1)を前記第1電動モータにより前記操舵機構に付与するように構成される。前記第2操舵補助機構は、駆動されたとき作動油を吐出する油圧ポンプ(53)、前記油圧ポンプを駆動する第2電動モータ(54)及び前記油圧ポンプから吐出される作動油によって作動する油圧アクチュエータ(55)を含み、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記転舵輪の転舵を補助する第2アシスト力(Ta2)を前記油圧アクチュエータにより前記操舵機構に付与するように構成される。前記制御部は、前記ステアリングホイールの操作に基づいて要求アシスト力(Ta*)を決定し、前記第1アシスト力と前記第2アシスト力との合力が前記要求アシスト力と一致するように前記第1電動モータ及び前記第2電動モータを制御する。
上記の第1操舵補助機構は、例えば、第1電動モータの出力(回転力)を減速機を介して操舵機構(ラックアンドピニオン機構)に伝達することにより、アシスト力を付与する。このように構成された第1操舵補助機構は常時アシスト力を発生することができるので、操舵初期におけるアシスト力の応答遅れが発生することはない。その一方、特に第2操舵補助機構と併設される場合、第1操舵補助機構には小型化の要求から比較的小型の電動モータが用いられる。そのため、第1操舵補助機構は、低速走行時及び据え切り時等において要求される大きなアシスト力を発生することができない。
これに対し、第2操舵補助機構は、例えば、第2電動モータの出力(回転力)により油圧ポンプを駆動し、タンクに貯留された作動油をコントロールバルブを介してパワーシリンダのシリンダ室に圧送する。これにより、第2操舵補助機構は、ラックシャフトと一体に直線移動するパワーシリンダのピストンを押す力を付与する。このように構成された第2操舵補助機構は、低速走行時及び据え切り時等において要求される大きなアシスト力を発生することができる。しかし、第2操舵補助機構は、燃費への影響を考慮して操舵があったときにのみアシスト力を発生するように構成される。具体的には、第2電動モータは操舵がないときには停止しており、操舵があると(例えば、所定量以上の操舵トルクが発生すると)駆動するようになっている。油圧ポンプは第2電動モータの出力によって駆動されてから所定の油圧が発生するまで時間を要するので、操舵初期におけるアシスト力の応答遅れが発生する。
そこで、前記制御部は、前記要求アシスト力がゼロであるとき前記第1電動モータの駆動を停止するとともに前記第2電動モータの駆動を停止し、前記要求アシスト力の大きさがゼロから増大を開始した第1時点(t10)から、所定の特定条件が成立したと判定する第2時点(t11)まで、の期間において、前記第2電動モータの駆動を停止したまま、前記第1アシスト力が前記要求アシスト力と一致するように前記第1電動モータを駆動し、前記第2時点にて前記第2電動モータの駆動を開始する(ステップ850)ことにより前記第2アシスト力を時間の経過とともに増大させ、且つ、前記第2時点以降において前記第1アシスト力が前記要求アシスト力から前記第2アシスト力を減じた値と一致するように前記第1電動モータを駆動する(ステップ835)ことにより前記第1アシスト力を時間の経過とともに減少させるように構成される。
これによれば、本発明装置の制御部は、油圧アクチュエータによるアシスト(即ち、第2操舵補助機構によるアシスト)が追従できない操舵初期(第1時点から所定の特定条件が成立したと判定する第2時点まで)には、第1電動モータ(即ち、第1操舵補助機構)により要求アシスト力に相当するアシスト力を操舵機構に付与する。第2電動モータ駆動開始条件が成立(所定の特定条件が成立)すると、油圧アクチュエータによるアシスト力(即ち、第2操舵補助機構によるアシスト力)が発生し、そのアシスト力は油圧ポンプ内の圧力が高まるにつれて徐々に(時間の経過とともに)増加する。制御部は、第1電動モータによるアシスト力(第1アシスト力)が要求アシスト力から油圧アクチュエータによるアシスト力(第2アシスト力)を減じた値と一致するように、第1電動モータによるアシスト力を調整する(時間の経過とともに減少させる)。
このように、本発明装置は、要求アシスト力が比較的小さい操舵初期には、応答遅れのない第1操舵補助機構を用いて操舵のアシストを行い、要求アシスト力が比較的大きい操舵後期には、比較的大きいアシスト力を発生可能な第2操舵補助機構を用いて操舵のアシストを行う。これにより、本発明装置は、従来装置のように操舵の終了まで第1電動モータによるアシストを続ける必要がない。言い換えると、本発明装置は、操舵の終了まで第1電動モータに電流を流し続ける必要がない。従って、第1電動モータに求められる定格は小さく、よって第1電動モータを小型化することができる。以上より、本発明装置によれば、小型且つ操舵初期から十分に要求アシスト力を発生することが可能なパワーステアリング装置を実現することができる。
本発明の一態様に係るパワーステアリング装置において、前記制御部は、前記ステアリングホイールの操作によって前記ステアリングシャフトに生じる操舵トルクの大きさが閾値操舵トルク(Tth)未満から当該閾値操舵トルク以上に変化したとき前記特定条件が成立したと判定する(ステップ815)ように構成され得る。
例えば、運転者がステアリングホイールを操作するときに発生する操舵トルクの大きさが大きいほど要求されるアシストトルクの大きさは大きい。操舵トルクの大きさが比較的小さい範囲においては、要求されるアシスト力は第1電動モータが発生可能な最大アシスト力以下であり、第1電動モータのみで発生可能である。一方、操舵トルクの大きさが比較的大きい範囲においては、要求されるアシスト力は第1電動モータのみで発生することができず、油圧アクチュエータにより発生するアシスト力も必要となる。ところで、操舵トルクの大きさは、操舵が開始されるとゼロから徐々に増加する傾向を示す。従って、上記態様によれば、本発明装置は、操舵初期(操舵開始から特定条件が成立するまで)に第1電動モータのみでアシスト力を発生し、特定条件が成立すると油圧アクチュエータによるアシスト力を発生することができる。
本発明の一態様に係るパワーステアリング装置において、前記制御部は、前記ステアリングホイールの回転速度である操舵速度の大きさ(|ωh|)、前記車両のヨーレートの大きさ(|Yr|)、及び、前記車両の横加速度の大きさ(|Gy|)、のうちの一つである操舵速度指標量が、所定の閾値指標量(ωhth、Yrth、Gyth)未満から当該閾値指標量以上に変化したとき前記特定条件が成立したと判定する(ステップ815A、ステップ815B、ステップ815C)ように構成され得る。
例えば、運転者がステアリングホイールを操作する速さである操舵速度が比較的低い場合としては、最終的な操舵角(以下、「目標操舵角」とも称呼される。)が小さい場合が想定される。目標操舵角が小さい場合としては、例えば、車両が中高速走行時において緩やかなカーブを走行する場合又は車線変更をする場合が考えられ得る。更に、操舵速度が比較的低い場合、操舵により車両が旋回した結果、発生するヨーレート及び横加速度は比較的小さいと想定される。これらヨーレート及び横加速度は、操舵速度自身も含め、「操舵速度指標量」と称呼される。例えば、緩やかなカーブを走行する場合又は車線変更をする場合には油圧アクチュエータによるアシストは必要なく、第1電動モータによるアシストのみで十分であることがほとんどである。従って、この態様によれば、本発明装置は、「操舵速度指標量」が閾値指標量未満であるときは、第2電動モータを駆動させない。その結果、第2電動モータの駆動機会が減少するので、燃費の向上に有効である。
本発明の一態様に係るパワーステアリング装置において、前記制御部は、前記操舵速度指標量の単位時間当たりの増加量(d|ωh|/dt、d|Yr|/dt、d|Gy|/dt)が大きいほど前記閾値指標量が小さくなるように当該増加量に基づいて当該閾値指標量を設定する(図9)ように構成され得る。
この態様によれば、本発明装置は、操舵速度指標量の単位時間当たりの増加量が比較的小さい「穏やかな操舵」に対しては、できるだけ第1電動モータのみによるアシストを行う。これに対し、本発明装置は、操舵速度指標量の単位時間当たりの増加量が比較的大きい「急激な操舵」に対しては、早期に油圧アクチュエータによるアシスト力を発生させる。従って、本発明装置によれば、要求アシスト力に対する追従性が確保される。
本発明の一態様に係るパワーステアリング装置において、前記制御部は、前記第1電動モータの温度(Temp)が高いほど前記閾値指標量が小さくなるように当該第1電動モータの温度に応じて当該閾値指標量を設定するように構成され得る。
この態様によれば、本発明装置は、第1電動モータの温度が高いほど閾値指標量を小さく設定する。言い換えると、本発明装置は、第1電動モータの消費電力が大きいほど閾値指標量を小さく設定し、消費電力が小さいほど閾値指標量を大きく設定する。従って、本発明装置は、第1電動モータに過大な負荷を与えないようにすることができる。
本発明の一態様に係るパワーステアリング装置において、前記制御部は、前記第1電動モータへの通電量を制御するための半導体素子を含む駆動回路を備え、前記半導体素子の温度が高いほど前記閾値指標量が小さくなるように当該半導体素子の温度に応じて当該閾値指標量を設定するように構成され得る。
第1電動モータへの通電量を制御するための半導体素子を含む駆動回路の温度は、第1電動モータの平均駆動電流が大きいほど高くなる。この態様によれば、本発明装置は、半導体素子の温度が高い(即ち、消費電力が大きい)ほど閾値指標量が小さく設定し、半導体素子の温度が低い(即ち、消費電力が小さい)ほど閾値指標量を大きく設定する。従って、本発明装置は、第1電動モータに過大な負荷を与えないようにすることができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパワーステアリング装置の概略構成図である。 図2は、図1に示した電動油圧パワーステアリング装置の油圧回路図である。 図3は、図1に示したパワーステアリング装置の操舵トルクと要求アシストトルクとの関係を説明するための図である。 図4は、図1に示した電動油圧パワーステアリング装置の操舵トルクとアシストトルクとの関係を説明するための図である。 図5は、図1に示した電動油圧パワーステアリング装置の動的ゲインを説明するための図である。 図6は、比較例の作動を説明するためのアシストトルクの時間変化を示した図である。 図7は、図1に示したパワーステアリング装置の作動を説明するためのアシストトルクの時間変化を示した図である。 図8は、図1に示したパワーステアリング装置のECUのCPUが実行する「操舵アシスト制御ルーチン」を示したフローチャートである。 図9は、図1に示した電動パワーステアリング装置の第1要求アシストトルクと駆動パルスデューティ比との関係を示した図である。 図10(A)は、本発明の第2実施形態に係るパワーステアリング装置(第2装置)において設定される操舵加速度の大きさと閾値操舵速度との関係を示した図である。図10(B)は、第2装置において設定されるヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量と閾値ヨーレートとの関係を示した図である。図10(C)は、第2装置において設定される横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量と閾値横加速度との関係を示した図である。 図11は、第2装置のECUのCPUが実行する「操舵アシスト制御ルーチン」を示したフローチャートである。 図12は、本発明の第3実施形態に係るパワーステアリング装置(第3装置)のECUのCPUが実行する「操舵アシスト制御ルーチン」を示したフローチャートである。 図13は、第3装置において設定される操舵加速度の大きさ及びモータ温度と閾値操舵速度との関係を示した図である。 図14は、本発明の第4実施形態に係るパワーステアリング装置(第4装置)の作動を説明するためのアシストトルクの時間変化を示した図である。 図15は、第4装置において設定される残留トルクと経過時間と油圧との関係を示した図である。 図16は、第1装置の変形例のECUのCPUが実行する「操舵アシスト制御ルーチン」を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
(構成)
本発明の第1実施形態に係るパワーステアリング装置(以下、「第1装置」とも称呼される。)10は、車両に適用される。第1装置10は、図1に示したように、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト20及びラックシャフト30を備えている。ステアリングシャフト20は、第1操舵軸21、第2操舵軸22及び中間軸23を備えている。
第1操舵軸21は、その一端にステアリングホイール11が同軸的に一体回転可能に連結されている。運転者によりステアリングホイール11の操作(回動操作)が行われると、第1の操舵軸21が軸回りに回転するようになっている。この回転は中間軸23を介して第2操舵軸22に伝達されるので、第2操舵軸22も軸回りに回転する。第1操舵軸21は、第1軸211及び第2軸212を有している。第1軸211と第2軸212との間には第1トーションバー41が設けられている。
第1軸211はその一端がステアリングホイール11に連結し、他端が第1トーションバー41の一端に連結している。第2軸212はその一端が第1トーションバー41の他端に連結し、他端が中間軸23に連結している。第1トーションバー41は、第1軸211がステアリングホイール11の操作に伴って回転すると捩れるようになっている。
第1操舵軸21には、電動パワーステアリング装置40が取り付けられている。電動パワーステアリング装置40は、第1トーションバー41、第1トーションバー41の両端に取り付けられた一対のトルクセンサ42(42a及び42b)、電動アシストモータ44及び減速機45を備えている。電動パワーステアリング装置40は、以下、「EPS40」とも「第1操舵補助機構40」とも称呼される。
より具体的に述べると、一対のトルクセンサ42は、第1のレゾルバ42a及び第2のレゾルバ42bにより構成されている。第1のレゾルバ42aによって検出される第1軸211の回転角θ1と第2のレゾルバ42bによって検出される第2軸212の回転角θ2との差に基づいて第1トーションバー41の捩れ量が検出される。更に、検出された捩れ量に基づいてステアリングホイール11に入力した操舵トルクTが計算される。
電動アシストモータ44は、減速機45を介して第2軸212に連結されており、後述の制御部(ECU)70からの制御指令に従った回転速度にて回転して、回転駆動力を発生する。電動アシストモータ44は、「第1電動モータ44」とも称呼される。
減速機45は、例えば、ウォーム減速機であり、電動アシストモータ44の回転速度を減速させるとともに回転トルクを増加する。減速機45から第2軸212に回転トルクがアシストトルクとして伝達される。
第2操舵軸22は、入力軸221及び出力軸(以下、「ピニオン軸」とも称呼される。)222を有している。入力軸221と出力軸222との間には第2トーションバー51が設けられている。
入力軸221はその一端が中間軸23に連結し、他端が第2トーションバー51の一端に連結している。出力軸222はその一端が第2トーションバー51の他端に連結し、他端にはピニオンギヤ222aが形成されている。第2トーションバー51は、入力軸221から回転トルクが加えられるとそのトルクに応じた量だけ捩れるようになっている。
ラックシャフト30は、シャフト部31を備えている。シャフト部31の両端には図示しないナックルアームを介して転舵輪FW1及びFW2が連結されている。シャフト部31にはピニオンギヤ222aと歯合するラック部32が形成されている。ピニオンギヤ222aとラック部32とによりラックアンドピニオン機構が構成されている。
このラックアンドピニオン機構によりステアリングシャフト20の回転運動がラックシャフト30の軸方向の直線運動に変換され、転舵輪FW1及びFW2が転舵する。このように、ステアリングシャフト20及びラックシャフト30が、ステアリングホイール11の操作量を転舵輪FW1及びFW2に伝達する「操舵機構」を構成する。
第2操舵軸22及びラックシャフト30には、電動油圧パワーステアリング装置50が取り付けられている。電動油圧パワーステアリング装置50は、第2トーションバー51、コントロールバルブ機構52、油圧ポンプ53、油圧ポンプ駆動用電動モータ54、パワーシリンダ55、主配管56a及びリザーバタンク57等を備えている。第2トーションバー51は、入力軸221から回転トルクが付与されると、その回転トルクによって捩れる。この捩れによって入力軸221と後述するバルブスリーブ521との間に回転方向における角度変位が生じるようになっている。電動油圧パワーステアリング装置50は、以下、「EHPS50」とも「第2操舵補助機構50」称呼される。
コントロールバルブ機構52は、油圧ポンプ53とパワーシリンダ55との間の主配管56a中に設けられ、その内部に入力軸221及び第2トーションバー51が挿通した円筒形状のバルブスリーブ521を備えている。バルブスリーブ521は、出力軸222に連結され、出力軸222と同軸的且つ一体的に回転するようになっている。
バルブスリーブ521は、その外壁に4つのポート(第1ポート521a、第2ポート521b、第3ポート521c及び第4ポート521d)が形成されている。バルブスリーブ521と入力軸221との間には、これら4つのポートを繋ぐ4つの流路が形成されている。第1流路P12は第1ポート521aと第2ポート521bとを連通する。第2流路P13は第1ポート521aと第3ポート521cとを連通する。第3流路P24は第2ポート521bと第4ポート521dとを連通する。第4流路P34は第3ポート521cと第4ポート521dとを連通する。更に、第1ポート521aは主配管56aを通じて油圧ポンプ53の吐出ポート53bと連通する。第4ポート521dはドレン配管56bを通じてリザーバタンク57に連通する。
なお、図示しないが、バルブスリーブ521と入力軸221との対向面は凹凸状に形成されており、この凹凸状の対向面間の空間が各流路に連通している。入力軸221がバルブスリーブ521に対して相対回転することにより凹凸状の対向面の配置状態が変化し、その結果、各流路の流路断面積が変化する。つまり、第1操舵軸21側から回転トルクが伝達されることによってバルブスリーブ521の内部にて入力軸221が回転すると、この回転により第2トーションバー51が捩れる。そして、第2トーションバー51が捩れた分だけバルブスリーブ521と入力軸221との間に角度変位が生じる。この角度変位量に応じて各流路の流路断面積が変化するようにバルブスリーブ521の内壁形状が形成されている。
この流路断面積の変化により、それぞれの流路に流れる油量が調整される。従って、各流路(第1流路P12、第2流路P13、第3流路P24及び第4流路P34)中には、バルブスリーブ521と入力軸221とにより形成される流量制御バルブ(以下、単に「バルブ」とも称呼される。)V1、V2、V3及びV4がそれぞれ介装されている状態と等価と言える(図2参照。)。
油圧ポンプ53は、吸入ポート53a及び吐出ポート53bを有し、油圧ポンプ駆動用電動モータ54の駆動力により回転する。油圧ポンプ53は、吸入ポート53aからリザーバタンク57内の作動油を吸入配管56cを通じて吸入し、吸入した作動油を吐出ポート53bから主配管56a内に吐出する。
油圧ポンプ駆動用電動モータ54は後述のECU70からの制御指令に従った回転速度にて回転して、油圧ポンプ53を駆動する。油圧ポンプ駆動用電動モータ54は、「第2電動モータ」54とも称呼される。
パワーシリンダ55は、油圧ポンプ53から吐出される作動油が供給され又は作動油を排出する(給排する)ことにより駆動力を発生し、発生した駆動力をラックシャフト30に付与する。パワーシリンダ55は、「油圧アクチュエータ55」とも称呼される。パワーシリンダ55は、その内部に作動油が充填される空間が形成されている。この空間にはシャフト部31が挿通されているとともに、シャフト部31に取り付けられたパワーピストン551により、空間が左室55Lと右室55Rとに区画されている。更に、パワーシリンダ55には、左室55Lに通じる左方ポート55aと右室55Rに通じる右方ポート55bとが形成されている。左方ポート55aは主配管56aを介してバルブスリーブ521の第2ポート521bに、右方ポート55bは主配管56aを介してバルブスリーブ521の第3ポート521cにそれぞれ連通している。
図2に示したように、コントロールバルブ機構52が油圧ポンプ53とパワーシリンダ55との間に設けられている。コントロールバルブ機構52は、4方向の絞り弁として構成される。コントロールバルブ機構52は、ステアリングホイール11の操作に伴う入力軸221とバルブスリーブ521との相対的な角度変位量に応じて各バルブ(V1、V2、V3及びV4)の絞り量が変更されるようになっている。
具体的には、ステアリングホイール11の操作により第2トーションバー51が捩れて入力軸221とバルブスリーブ521との回転方向位置が特定の一方向にずれた場合、コントロールバルブ機構52は、次のように作動する。第1ポート521aと第2ポート521bとを連通する第1流路P12中のバルブV1及び第3ポート521cと第4ポート521dとを連通する第4流路P34中のバルブV2が開弁する。一方、第1ポート521aと第3ポート521cとを連通する第2流路P13中のバルブV3及び第2ポート521bと第4ポート521dとを連通する第3流路P24中のバルブV4が閉弁する。
このため、油圧ポンプ53から第1ポート521aに到達した作動油は、バルブV1及びV2が開弁している第1流路P12側を主に流れて第2ポート521bに達し、この第2ポート521bから左方ポート55aを経由してパワーシリンダ55の左室55Lに流れ込む。これにより、左室55Lに油圧ポンプ53からの作動油が供給され、この供給された作動油により油圧が発生してパワーピストン551は図示左面から圧力を受ける。この圧力が、シャフト部31に伝達されることによりシャフト部31が軸方向の駆動力を発生し、この駆動力がアシスト力としてラックシャフト30に付与される。
一方、ステアリングホイール11が上記アシスト力を受けて操作され、シャフト部31及びパワーピストン551が図示左方に移動すると、パワーシリンダ55の左室55Lの容積が減少し、左室55L内の作動油が左方ポート55aから排出される。排出された作動油は、主配管56aを通って第2ポート521bに入り、第2ポート521bからバルブが開弁している第3流路P24を通って第4ポート521dに達し、第4ポート521dからドレン配管56bを通ってリザーバタンク57に到達する。
ステアリングホイール11が中立状態である場合、即ち、第2トーションバー51が捩れていない状態である場合、全てのバルブV1、V2、V3及びV4が開弁するようになっている。よって、この場合、油圧ポンプ53から第1ポート521aに流れた作動油は流路P12及び流路P13の双方に流れる。流路P12から第2ポート521bに達した作動油は流路P24を流れて第4ポート521dに達する。一方、流路P13から第3ポート521cに達した作動油は流路P34を流れて第4ポート521dに達する。つまり、第2ポート521bを経由して流れた作動油と第3ポート521cを経由して流れた作動油とは第4ポート521dにて合流し、ドレン配管56bを通ってリザーバタンク57に流れる。このように、第2トーションバー51が捩れていない場合は、油圧ポンプ53からの作動油がパワーシリンダ55内を流れることなくリザーバタンク57に達するようになっている。
ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM(又は不揮発性メモリ)及びインタフェースI/F等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUは、メモリ(ROM)に格納されたインストラクション(ルーチン)を実行することにより後述する各種機能を実現する。
ECU70は、電動アシストモータ44及び油圧ポンプ駆動用電動モータ54と電気的に接続されている。ECU70は、トルクセンサ42及び車速センサ71等と電気的に接続され、これらセンサからの出力信号を受信するようになっている。トルクセンサ42は、上述したように、ステアリングホイール11に入力した操舵トルクTを計算し、操舵トルクTを表す出力信号を発生するようになっている。車速センサ71は、第1装置10が適用される車両の走行速度(以下、「車速」とも称呼される。)Vを表す出力信号を発生するようになっている。
(作動)
以下、第1装置10の作動について説明する。第1装置10は、操舵機構(ステアリングシャフト20及びラックシャフト30)に付与すべきアシストトルクを要求アシストトルクTa*として算出する。要求アシストトルクTa*は、転舵輪FW1及びFW2の転舵に要するトルクのうち、運転者がステアリングホイール11の操作により発生させる操舵トルクTを差し引いたトルクである。要求アシストトルクTa*は、例えば、車両の旋回時に車両に発生するヨーレート及び横加速度等を考慮して、操舵トルクTが、運転者がステアリングホイール11の操作をスムーズに行うことができるようなトルクとなるように予め定められている。
第1装置10は、EPS40がステアリングシャフト20に付与するアシストトルクTa1と、EHPS50がラックシャフト30に付与するアシストトルクTa2と、の和Taが要求アシストトルクTa*と一致するように第1電動モータ44及び第2電動モータ54を駆動する。EPS40がステアリングシャフト20に付与するアシストトルクTa1は、以下、「第1アシストトルクTa1」とも称呼される。EHPS50がラックシャフト30に付与するアシストトルクTa2は、以下、「第2アシストトルクTa2」とも称呼される。
要求アシストトルクTa*について図3を参照して、より具体的に説明する。図3において、左操舵方向の操舵トルクT及び要求アシストトルクTa*は正の値、右操舵方向の操舵トルクT及び要求アシストトルクTa*は負の値、として表されている。操舵トルクTが「0」の場合、要求アシストトルクTa*は「0」である。操舵トルクTが「0」から増加し始めると(左操舵方向にステアリングホイール11を回転させると)、要求アシストトルクTa*は徐々にその増加の割合(傾き)を増し、やがて略一定の割合にて増加する。反対に、操舵トルクTが「0」から減少し始めると(右操舵方向にステアリングホイール11を回転させると)、要求アシストトルクTa*は徐々に減少の割合(傾き)を増し、やがて略一定の割合にて減少する。要求アシストトルクTa*の増加又は減少の割合は、車速Vが高いほど小さい。この操舵トルクT及び車速Vと、要求アシストトルクTa*と、の関係はルックアップテーブルMapTa*(T,V)として規定され、ECU70のROMに予め記憶されている。従って、実際のアシストトルクTa*は、ルックアップテーブルMapTa*(T,V)に取得された操舵トルクT及び車速Vを適用することにより得られる。
次に、第2操舵補助機構(EHPS)50が発生する第2アシストトルクTa2と操舵トルクTとの関係について、図4及び図5を参照して説明する。油圧ポンプ53が常時作動している状態における操舵トルクTに対する第2アシストトルクTa2の変化が図4に示される。図4において、左操舵方向の操舵トルクT及び第2アシストトルクTa2は正の値、右操舵方向の操舵トルクT及び第2アシストトルクTa2は負の値、として表されている。操舵トルクTが「0」の場合、第2トーションバー51が捩れておらず、コントロールバルブ機構52のバルブV1乃至V4が全て開弁しているので、第2アシストトルクTa2は「0」である。
操舵トルクTが「0」から増加し始めると(左操舵方向にステアリングホイール11を回転させると)、バルブV1及びV2の弁開度(第1流路P12及び第2流路P13の流路断面積)が徐々に増加する一方、バルブV3及びV4の弁開度(第3流路P24及び第4流路P34の流路断面積)が徐々に減少する。よって、左室55Lに供給される作動油が増加し、右室55Rから排出される作動油が減少する。従って、パワーピストン551が図2の左面から受ける圧力が徐々に増加する。その結果、第2アシストトルクTa2は徐々にその増加の割合(傾き)を増し、やがて略一定の割合にて増加する。反対に、操舵トルクTが「0」から減少し始めると(右操舵方向にステアリングホイール11を回転させると)、第2アシストトルクTa2は徐々にその減少の割合(傾き)を増し、やがて略一定の割合にて減少する。第2アシストトルクTa2の増加又は減少の割合は、車速Vが高いほど小さい。以上、油圧ポンプ53が常時作動している状態における第2アシストトルクTa2の操舵トルクTに対する特性は、「静特性」とも称呼される。この第2アシストトルクTa2の静特性は、操舵トルクT及び車速Vと、第2アシストトルクTa2と、の関係を規定したルックアップテーブルMapTa2(T,V)としてECU70のROMに予め記憶されている。
第2アシストトルクTa2の静特性は、図3に示した要求アシストトルクTa*の特性と一致している。言い換えると、第1装置10においては、第2アシストトルクTa2が要求アシストトルクTa*と一致するように、EHPS50の構成部品(コントロールバルブ機構52、油圧ポンプ53及びパワーシリンダ55等)が設計され、これら構成部品の制御パラメータが設定されている。つまり、第1装置10は、基本的にEHPS50のみを用いて操舵アシストを行うようになっている。
ところが、実際には、第1装置10は操舵トルクTが「0」のとき、即ち、ステアリングホイール11が中立位置にある状態において、EHPS50の第2電動モータ54を停止している。例えば、第1装置10は、操舵トルクTの大きさ(絶対値)|T|が所定の操舵トルク(閾値操舵トルク)Tth未満から閾値操舵トルクTth以上となったとき、第2電動モータ54の駆動を開始する。このように、操舵アシストが必要とされるとき(操舵トルクTの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth以上のとき)だけ油圧ポンプ53を第2電動モータ54にて駆動させるのは、常時油圧ポンプを駆動させる油圧パワーステアリング装置よりも燃費を低くすることができるからである。
油圧ポンプ53が吐出する作動油の圧力(以下、「吐出圧」と称呼される。)は、第2電動モータ54の駆動開始時刻tpsにおいて「0」である。吐出圧は電動モータ54の駆動開始時刻tpsから徐々に上昇して、所定時間経過後に定常時の吐出圧となる。例えば、図5に示したように、油圧ポンプ53の吐出圧と時間との関係は、定常時の吐出圧を「1」と表し、第2電動モータ54の駆動開始時刻tpsを時刻0に設定すると、時間に対して原点から略一定の割合にて増加し、所定時間経過後に一定となる関係として表される。この時間に対する吐出圧の変化は上記第2アシストトルクTa2の「静特性」に対する動的な「ゲイン」となる。操舵によって操舵トルクTが発生してから操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTthとなるまでは、吐出圧は「0」であるから上記ゲインは「0」である。操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth以上の範囲におけるゲインは図5に示したとおりである。このゲインが図4に示した第2アシストトルクTa2の静特性に乗算されて、最終的な第2アシストトルクTa2が算出(推定)される。従って、最終的に推定される第2アシストトルクTa2は、操舵初期において要求アシストトルクTa*と相違することになる。
次に、第1操舵補助機構(EPS)40が発生する第1アシストトルクTa1と操舵トルクTとの関係について説明する。前述したように、第1装置10は、第1アシストトルクTa1と第2アシストトルクTa2との和が要求アシストトルクTa*と一致するように制御する。従って、第1アシストトルクTa1は、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値と一致するように算出される。この算出される第1アシストトルクTa1は、以下、「第1要求アシストトルクTa1*」とも称呼される。第1要求アシストトルクTa1*は(Ta*−Ta2)である。
なお、トルクセンサ42による操舵トルクTの検出範囲は、EPS40のアシスト可能なトルク範囲にあればよく、必ずしも装置全体がアシスト可能な範囲をカバーする必要はない。その場合、EPS40のアシスト可能なトルク範囲以外において、要求アシストトルクTa*は第2アシストトルクTa2と一致しており、この場合、第1装置10は、第1要求アシストトルクTa1*を「0」であると見做すようにすればよい。
次に、第1装置10の作動を、操舵開始からのアシストトルクの時間変化に着目して説明する。第1装置の作動の説明の前に、比較例の装置の作動について説明する。図6は、比較例の装置によってステアリングホイール11の操作がなされ、操舵角θ(操舵トルクT)が増加している場合におけるアシストトルクの時間変化を表している。要求アシストトルクTa*は図中、実線81にて表される。第1アシストトルクTa1は破線82にて表され、第2アシストトルクTa2は一点鎖線83にて表される。
これによれば、時刻t00にてステアリングホイール11の操作が開始されると、比較例の装置は、ほぼ同時刻に要求アシストトルクTa*に相当するトルクを算出し、要求アシストトルクTa*に一致するように電動アシストモータを駆動して第1アシストトルクTa1を発生させる。時刻t01にて第1アシストトルクTa1がアシスト限界Ta1ulを超えると、比較例の装置は電動アシストモータの駆動を継続したまま油圧ポンプ駆動用電動モータを駆動させて油圧ポンプを駆動する。時刻t01以降、第1アシストトルクTa1はアシスト限界Ta1ulに維持される。
比較例の装置が油圧ポンプを駆動すると、リザーバタンク中の作動油が汲み上げられ、作動油は主配管を通ってポートP12から左方ポート又は右方ポートに流れ込む。これにより、パワーピストンを左方又は右方に移動させようとする力が発生する。その結果、時刻t01にて第2アシストトルクTa2が発生し、時間の経過(操舵トルクの大きさ|T|の増加)とともに増加する。
このように、比較例の装置は、第1アシストトルクTa1が、アシスト限界Ta1ulに達すると、第1アシストトルクTa1をアシスト限界Ta1ulに維持し続けるとともに、第2電動モータにより油圧ポンプを駆動して第2アシストトルクTa2を発生させる。ところで、第2電動モータの駆動開始の操舵トルクの大きさ|T|を下げるほど油圧ポンプが駆動される機会が増加するので、燃費が悪化する。つまり、アシスト限界Ta1ulを下げることは燃費の悪化につながってしまう。そこで、比較例の装置は、比較的大きなアシスト限界Ta1ulを長時間にわたって出力し続けることができる電動モータ(即ち、定格の大きな電動モータ)を必要とする。以上が、比較例の装置の作動の例である。
次に、第1装置10の作動について、図7を用いて説明する。要求アシストトルクTa*は図中、実線84にて表される。第1アシストトルクTa1は破線85にて表され、第2アシストトルクTa2は一点鎖線86にて表される。図7に示した例においては、ステアリングホイール11の操作が時刻t10に開始され、その後、ステアリングホイール11の操作量が増加している。
ステアリングホイール11の操作が行われていない時刻t10以前において、要求アシストトルクTa*は「0」である。このとき、第1装置10は、第1電動モータ44の駆動を停止するとともに第2電動モータ54の駆動を停止する。
前述したように、第1装置10は、燃費を低減するために操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth以上となったときにようやく第2電動モータ54の駆動を開始する。
第1装置10は、要求アシストトルクの大きさ|T|が「0」から増大を開始した第1時点(t10)から、所定の特定条件が成立したと判定する第2時点(t11)まで、の期間(tpr)において、前記第2電動モータ54の駆動を停止したまま、第1アシストトルクTa1が要求アシストトルクTa*と一致するように第1電動モータ44を駆動する。
このように、第1装置10は、ステアリングホイール11の操作が行われると、直ちに電動アシストモータ44を駆動する。これにより、EPS40は操舵初期から必要とされる第1アシストトルクTa1を発生することができる。なお、この電動アシストモータ44には低コスト化及び省搭載スペース化の要求から、比較的小型のモータが採用されるので、電動アシストモータ44が発生させることができる最大トルクは比較的小さい。
更に、第1装置10は、第2時点(t11)にて第2電動モータ54の駆動を開始するとともに、第2時点以降において第1アシストトルクTa1が要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値と一致するように第1電動モータ44を駆動する。この第2アシストトルクTa2の単位時間当たりの増加量は、油圧ポンプ53の吐出能力(吐出圧)に相関している。
EHPS50によるアシスト開始時刻(上記時刻t11)は、操舵トルクの大きさ|T|によって規定される。操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth未満から閾値操舵トルクTth以上に変化したとき、第1装置10はEHPS50によるアシストを開始する。この操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTthとなった時刻t11が第2アシストトルクTa2によるアシスト開始時刻(以下、「EHPSアシスト開始時刻」と称呼される。)である。操舵開始時刻t10からEHPSアシスト開始時刻t11までの時間は図中、所定時間tprとして示されている。この所定時間tprは、「操舵が開始されてから、第2電動モータ駆動開始条件が成立するまでの時間」である。つまり「第2電動モータ駆動開始条件」は、「操舵トルクの大きさ(絶対値)|T|が閾値操舵トルクTth未満から閾値操舵トルクTthに変化すること」である。
第1装置10は、時刻t11にて第2アシストトルクTa2が発生すると、第1要求アシストトルクTa1*を要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値と一致するように制御する。従って、時刻t12において、第2アシストトルクTa2が要求アシストトルクTa*に達すると、第1装置10は、第1要求アシストトルクTa1*を「0」に設定する。このように、第1装置10は、第1アシストトルクTa1*の一部を第2アシストトルクTa2に移行する(置換または「すり替え」を行う)。
なお、要求アシストトルクTa*が、電動アシストモータ44によりアシスト可能なトルク範囲にある場合において、要求アシストトルクTa*を満たすように電動アシストモータ44のみを回転させるときの消費電力は、同様に第2電動モータ54のみを回転させるときの消費電力よりも小さい。
(第1装置の具体的作動)
以下、第1装置の実際の作動について、図8を参照しながら説明する。
<操舵アシスト制御>
ECU70のCPUは、一定時間が経過する毎に図8にフローチャートにより示した操舵アシスト制御ルーチンを実行するようになっている。以下、場合分けをして説明する。
(1)操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth未満である場合
CPUは所定の時点にてステップ800から処理を開始してステップ805に進み、トルクセンサ42の検出した信号及び車速センサ71の検出した信号から、それぞれ操舵トルクT及び車速Vを取得する。次いで、CPUはステップ810に進み、取得した操舵トルクT及び車速Vに基づいて要求アシストトルクTa*を算出する。より具体的には、CPUは、操舵トルクT及び車速Vと、要求アシストトルクTa*と、の関係を規定したルックアップテーブルMapTa*(T,V)に取得した操舵トルクT及び車速Vを適用することにより、要求アシストトルクTa*を演算する(図3を参照。)。
次いで、CPUはステップ815に進み、操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth以上であるか否かを判定する。上記仮定によれば操舵トルクの大きさ|T|は閾値操舵トルクTth未満である。従って、CPUはステップ815にて「No」と判定してステップ820に進み、第2電動モータ54が駆動中であるか否か(即ち、油圧ポンプ53が駆動されているか否か)を判定する。第2電動モータ54が駆動中である場合、CPUはステップ820にて「Yes」と判定してステップ825に進み、第2電動モータ54を停止させてステップ830に進む。一方、第2電動モータ54が停止中である場合、CPUはステップ820にて「No」と判定してステップ830に直接進む。
次いで、CPUはステップ830にて第2アシストトルクTa2を推定する。より具体的には、前述したように、先ず、取得した操舵トルクT及び車速VをROMに格納されているルックアップテーブルMapTa2(T,V)に適用して、静的な第2アシストトルクTa2を算出する。その後、CPUは現時点における動的な「ゲイン」を乗算する。上記仮定によれば、第2電動モータ54及び油圧ポンプ53は停止中であるので、「ゲイン」は「0」である。従って、ステップ830にて推定される第2アシストトルクTa2は「0」である。
次いで、CPUはステップ835に進む。CPUはステップ835にて第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。ステップ830にて推定したように、第2アシストトルクTa2は「0」である。従って、第1要求アシストトルクTa1*は要求アシストトルクTa*に等しい値になる。次いで、CPUはステップ840に進んで第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ840にて実行される操舵アシスト制御は、以下のとおりである。CPUは、第1要求アシストトルクTa1*を、電動アシストモータ44を駆動するための電流値に換算する。より具体的には、CPUは、設定した第1要求アシストトルクTa1*から、ECU70内の、電動アシストモータ44を駆動するドライバ回路における駆動電流パルスのデューティ比D1を次のように決定する。CPUは駆動電流パルスのデューティ比D1と第1要求アシストトルクTa1*との関係を規定したルックアップテーブルMapD1(Ta1*)に、演算された第1要求アシストトルクTa1*を適用することにより、駆動電流パルスのデューティ比D1を決定する。その結果、電動アシストモータ44を駆動する実効的な電流値が定まる。このルックアップテーブルMapD1(Ta1*)によれば、図9に示したように、第1要求アシストトルクTa1*が大きいほどデューティ比D1は高くなる。このように第1装置10は、電動アシストモータ44をPWM(Pulse Width Modulation)制御するように構成される。
(2)操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth以上である場合
上記仮定によれば、操舵トルクの大きさ|T|は閾値操舵トルクTth以上である。従って、CPUはステップ815にて「Yes」と判定してステップ845に進み、第2電動モータ54が停止中であるか否かを判定する。第2電動モータ54が停止中である場合、CPUはステップ845にて「Yes」と判定してステップ850に進み、第2電動モータ54の駆動を開始させてステップ830に進む。一方、第2電動モータ54が駆動中である場合、CPUはステップ845にて「No」と判定してステップ830に直接進む。
次いで、CPUはステップ830にて第2アシストトルクTa2を推定する。CPUは取得した操舵トルクT及び車速VをルックアップテーブルMapTa2(T,V)に適用して静的な第2アシストトルクTa2を算出する。現時点において、油圧ポンプ53は作動しているので、動的な「ゲイン」は第2電動モータ54の駆動開始時刻tpsからの経過時間に応じて算出される。従って、CPUはステップ830にて、算出された静的な第2アシストトルクTa2に動的な「ゲイン」を乗算して第2アシストトルクTa2を算出する。
次いで、CPUはステップ835に進み、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。次いで、CPUはステップ840に進み、ステップ835にて設定した第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
所定時間が経過すると、再びCPUはステップ800から処理を開始する。CPUはステップ815にて「Yes」と判定し、ステップ845を経由してステップ830に進む。第2電動モータ54の駆動開始時刻tpsを経過した現時点においては、図5に示したように前述の「ゲイン」が「0」から「1」に向かって増加又は「1」を維持している。従って、第2アシストトルクTa2は、操舵トルクの大きさ|T|が増加している場合には増加する。従って、この場合、第1要求アシストトルクTa1*は、「第2アシストトルクTa2の増加分」から「要求アシストトルクTa*の増加分」を減じた値だけ、前回値よりも小さくなる。言い換えると、ステップ835においては、第1要求アシストトルクTa1*の一部が第2アシストトルクTa2に移行される(置換又はすり替えが行われる。)。
次いで、CPUはステップ840に進んで第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、図7の時刻t12のように、第2アシストトルクTa2が要求アシストトルクTa*に一致した時点よりも後においては、操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth未満となるまでは、第1要求アシストトルクTa1*は「0」に設定される。
以上説明したように、第1装置のECU70は、ステアリングホイール11の操作に基づいて要求アシストトルクTa*を決定する。ECU70は、第1電動モータ(電動アシストモータ)44によって付与される第1アシストトルクTa1と油圧アクチュエータ55によって付与される第2アシストトルクTa2との合力が要求アシストトルクTa*に一致するように第1電動モータ(電動アシストモータ)44及び第2電動モータ(油圧ポンプ駆動用電動モータ)54を制御する。ECU70は、要求アシストトルクTa*がゼロであるとき第1電動モータ44の駆動を停止するとともに第2電動モータ54の駆動を停止する。ECU70は、要求アシストトルクTa*の大きさがゼロから増大を開始した第1時点t10から、所定の特定条件が成立したと判定する第2時点t11まで、の期間において、第2電動モータ54の駆動を停止したまま、第1アシストトルクTa1が要求アシストトルクTa*と一致するように第1電動モータ44を駆動する。ECU70は、第2時点t11にて第2電動モータ54の駆動を開始することにより第2アシストトルクTa2を時間の経過とともに増大させ、且つ、第2時点t11以降において第1アシストトルクTa1が要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値と一致するように第1電動モータ44を駆動することにより第1アシストトルクTa1を時間の経過とともに減少させる。
つまり、第1装置10は、操舵初期には、第2電動モータ54の駆動を停止し、電動アシストモータ44のみで要求アシストトルクTa*を発生する。その後、所定の特定条件の一つである操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTthを超えると、第1装置10は油圧アクチュエータ55によるアシストトルクTa2を徐々に増加させる。その一方、第1装置10は、電動アシストモータ44によるアシストトルクTa1を要求アシストトルクTa*から第2要求アシストトルクTa2を減じた値と一致するように減少させる。従って、第1装置10は、電動アシストモータ44によるアシストトルクTa1*を維持し続ける必要がない。よって、第1装置10は電動アシストモータ44として定格の小さい小型のモータを採用することができる。従って、上記構成によれば、小型且つ操舵初期から十分に要求アシスト力を発生することが可能なパワーステアリング装置を実現することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るパワーステアリング装置(以下、「第2装置」とも称呼する。)について説明する。第2装置は、第2電動モータ駆動開始条件が操舵トルクの大きさ|T|ではなく、ステアリングホイール11の操作の速さ(以下、「操舵速度」とも称呼する。)に相関する指標を用いる点において、第1装置と異なっている。以下、この第2電動モータ駆動開始条件が操舵速度に相関する指標を用いる点を中心に説明する。
第1装置10のように第2電動モータ駆動開始条件が閾値操舵トルクTthである場合、EPS40の電動アシストモータ44の負荷状況にかかわらず、操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTthとなると、第2電動モータ駆動開始条件が成立する。
しかし、燃費(消費電力)の観点からは、油圧ポンプ53の作動開始(以下、「EHPS50によるアシストの開始」とも称呼される。)は、運転者が違和感を覚えない範囲において、できる限り遅らせることが効果的である。
そこで、第2装置は、できるだけEHPS50によるアシストの開始を遅らせるため、(1)操舵速度、(2)車両のヨーレート又は(3)車両の横加速度の3つの指標に、それぞれEHPS50によるアシストの開始の閾値を設定する。以下、上記3つの指標についてそれぞれ説明する。
(1)操舵速度を指標とする場合
操舵速度ωhは、第1軸211に備えられた図示しない操舵角センサによって検出される操舵角θhの時間微分値である。操舵角センサから出力される検出値は、左操舵方向にステアリングホイール11を回転させたときに正の値、右操舵方向にステアリングホイール11を回転させたときに負の値となるように設定されている。操舵速度の大きさ(絶対値)|ωh|が閾値操舵速度ωhth未満から閾値操舵速度ωhth以上に変化したとき、第2装置は、EHPS50によるアシストを開始する。更に、図10(A)に示したように、第2装置は、操舵速度の大きさ|ωh|の単位時間当たりの変化率(増加量)d|ωh|/dt、即ち、操舵加速度の大きさが大きいほど、閾値操舵速度ωhthが小さくなるように規定されたルックアップテーブルMapωhth(d|ωh|/dt)をROMに格納している。
これによれば、操舵加速度の大きさd|ωh|/dtが比較的小さい「穏やかな操舵」に対しては、閾値操舵速度ωhthが大きくなるので、EHPS50によるアシストの開始がより遅くなる。つまり、第2装置は、EPS40の負担するアシスト量を増大させる。その結果、第2装置はEHPS50の作動頻度を低下させ、燃費への影響を低くすることができる。一方、操舵加速度の大きさd|ωh|/dtが比較的大きい「急な操舵」に対しては、閾値操舵速度ωhthが小さくなるので、EHPS50によるアシストの開始がより遅くなる。その結果、急な操舵によって、操舵開始から比較的早い時期から大きなトルクが要求された場合であっても操舵アシストの追従性が確保される。
(2)ヨーレートを指標とする場合
ヨーレートYrは、車両に備えられた図示しないヨーレートセンサによって検出される。ヨーレートセンサから出力される検出値は、左操舵方向にステアリングホイール11を回転させたときに正の値、右操舵方向にステアリングホイール11を回転させたときに負の値となるように設定されている。ヨーレートの大きさ(絶対値)|Yr|が閾値ヨーレートYrth未満から閾値ヨーレートYrth以上に変化したとき、第2装置は、EHPS50によるアシストを開始する。更に、図10(B)に示したように、第2装置は、ヨーレートの大きさ|Yr|の単位時間当たりの変化率(増加量)d|Yr|/dtが大きいほど、閾値ヨーレートYrthが小さくなるように規定されたルックアップテーブルMapYrth(d|Yr|/dt)をROMに格納している。
これによれば、ヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量d|Yr|/dtが比較的小さい「穏やかな操舵」に対しては、閾値ヨーレートYrthが大きくなるので、EHPS50によるアシストの開始がより遅くなる。つまり、第2装置は、EPS40の負担するアシスト量を増大させる。その結果、第2装置はEHPS50の作動頻度を低下させ、燃費への影響を低くすることができる。一方、ヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量d|Yr|/dtが比較的大きい「急な操舵」に対しては、閾値ヨーレートYrthが小さくなるので、EHPS50によるアシストの開始がより早くなる。その結果、急な操舵によって、操舵開始から比較的早い時期から大きなトルクが要求された場合であっても操舵アシストの追従性が確保される。
(3)横加速度を指標とする場合
横加速度Gyは、車両に備えられた図示しない横加速度センサによって検出される。横加速度センサから出力される検出値は、左旋回時に正の値、右旋回時に負の値となるように設定されている。横加速度の大きさ(絶対値)|Gy|が閾値横加速度Gyth未満から閾値横加速度Gyth以上に変化したとき、第2装置は、EHPS50によるアシストを開始する。更に、図10(C)に示したように、第2装置は、横加速度の大きさ|Gy|の単位時間当たりの変化率(増加量)d|Gy|/dtが大きいほど、閾値横加速度Gythが小さくなるように規定されたルックアップテーブルMapGyth(d|Gy|/dt)をROMに格納している。
これによれば、横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量d|Gy|/dtが比較的小さい「穏やかな操舵」に対しては、閾値横加速度Gythが大きくなるので、EHPS50によるアシストの開始がより遅くなる。つまり、第2装置は、EPS40の負担するアシスト量を増大させる。その結果、第2装置はEHPS50の作動頻度を低下させ、燃費への影響を低くすることができる。一方、横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量d|Gy|/dtが比較的大きい「急な操舵」に対しては、閾値横加速度Gythが小さくなるので、EHPS50によるアシストの開始がより早くなる。その結果、急な操舵によって、操舵開始から比較的早い時期から大きなトルクが要求された場合であっても、操舵アシストの追従性が確保される。
以下、操舵速度の大きさ|ωh|、ヨーレートの大きさ|Yr|及び横加速度の大きさ|Gy|は、「操舵速度指標量」と称呼される。これら「操舵速度指標量」に対する閾値である閾値操舵速度ωhth、閾値ヨーレートYrth及び閾値横加速度Gythは、「閾値指標量」と称呼される。操舵加速度の大きさd|ωh|/dt、ヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量d|Yr|/dt及び横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量d|Gy|/dtは、「操舵速度指標量の単位時間当たりの増加量」と称呼される。
(第2装置の具体的作動)
以下、第2装置の実際の作動(操舵速度を指標とする場合)について、図11を参照しながら説明する。
<操舵アシスト制御>
ECU70のCPUは、一定時間が経過する毎に図11にフローチャートにより示した操舵アシスト制御ルーチンを実行するようになっている。以下、場合分けをして説明する。なお、第1装置の作動の説明で参照したステップと同一のステップには同一の符号が付されている。
(1)操舵開始初期であって第2電動モータ駆動開始条件が成立していない場合
CPUは所定の時点にてステップ1100から処理を開始してステップ805に進み、トルクセンサ42の検出した信号及び車速センサ71の検出した信号から、それぞれ操舵トルクT及び車速Vを取得する。次いで、CPUはステップ1105に進み、操舵角センサの検出した信号から操舵速度ωh(操舵角θhの時間微分値)を取得する。次いで、CPUはステップ810に進み、ルックアップテーブルMapTa*(T,V)に、取得した操舵トルクT及び車速Vを適用することにより要求アシストトルクTa*を演算し、ステップ845に進む。
上記仮定によれば、第2電動モータ駆動開始条件が成立していないので、第2電動モータ54は停止中である。従って、CPUはステップ845にて「Yes」と判定してステップ815Aに進み、操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt)以上であるか否かを判定する。閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt)は上述したように操舵加速度の大きさd|ωh|/dtの関数である。上記仮定によれば、第2電動モータ駆動開始条件が成立していない。従って、CPUはステップ815Aにて「No」と判定してステップ830に直接進み、第2アシストトルクTa2を推定する。現時点において、第2アシストトルクTa2は「0」である。
次いで、CPUはステップ835に進み、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。現時点において、第2アシストトルクTa2は「0」であるから、第1要求アシストトルクTa1*は要求アシストトルクTa*に等しい値になる。次いで、CPUはステップ840に進んで第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(2)操舵開始後第2電動モータ駆動開始条件が成立した直後である場合
CPUは所定の時点にてステップ1100から処理を開始してステップ805、ステップ1105及びステップ810を経由してステップ845に進む。上記仮定によれば、現時点においては、まだ第2電動モータ54は駆動を開始していない。従って、CPUはステップ845にて「Yes」と判定してステップ815Aに進む。上記仮定によれば、第2電動モータ駆動開始条件が成立している。即ち、操舵速度の大きさ|ωh|は閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt)以上である。従って、CPUはステップ815Aにて「Yes」と判定し、ステップ850に進み、第2電動モータ54の駆動を開始させてステップ830に進む。
CPUはステップ830にて第2アシストトルクTa2を推定する。現時点において、第2電動モータ54が駆動中であるので、第2アシストトルクTa2は発生している。次いで、CPUはステップ835に進み、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。次いで、CPUはステップ840に進み、第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(3)第2電動モータ駆動開始後(駆動中)且つ操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth以上である場合
CPUは所定の時点にてステップ1100から処理を順に実行して、ステップ845に進む。上記仮定によれば、第2電動モータ54は駆動中である。従って、CPUはステップ845にて「No」と判定してステップ1110に進み、操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt)未満且つ操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵終了トルクTthend未満であるか否かを判定する。閾値操舵終了トルクTthendは第2電動モータ54を停止するための条件の一つである。閾値操舵終了トルクTthendは閾値操舵トルクTthと同じ値に設定されてもよい。上記仮定によれば、操舵速度の大きさ|ωh|は閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt)以上である。従って、CPUはステップ1110にて「No」と判定してステップ830に直接進み、第2アシストトルクTa2を推定してステップ835に進む。
CPUはステップ835にて、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定してステップ840に進み、第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(4)第2電動モータ駆動開始後(駆動中)であり操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth未満且つ操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵終了トルクTthend未満である場合
CPUは所定の時点にてステップ1100から処理を順に実行して、ステップ845に進む。上記仮定によれば、第2電動モータ54は駆動中である。従って、CPUはステップ845にて「No」と判定してステップ1110に進む。上記仮定によれば、操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt)未満且つ操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵終了トルクTthendである。従って、CPUはステップ1110にて「Yes」と判定してステップ825に進み、第2電動モータ54を停止してステップ830に進み、第2アシストトルクTa2を推定してステップ835に進む。
CPUはステップ835にて、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定してステップ840に進み、第1要求アシストトルクTa*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
なお、図11を参照して説明した第2装置の具体的作動においては、EHPS50によるアシストの開始を遅らせる方法として「操舵速度指標量」を操舵速度の大きさ|ωh|とする方法(上記(1)の方法)について例示したが、「操舵速度指標量」を車両のヨーレートの大きさ|Yr|とする方法(上記(2)の方法)又は車両の横加速度の大きさ|Gy|を指標とする方法(上記(3)の方法)が採用されてもよい。
即ち、ECU70のCPUは、図11のステップ1105に置換されるステップ1105A(図示省略)にてヨーレートYrを取得し、図11のステップ815Aに置換されるステップ815B(図示省略)にて、ヨーレートの大きさ|Yr|が閾値ヨーレートYrth以上であるか否かを判定するように構成されてもよい。閾値ヨーレートYrthは、上述したようにヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量d|Yr|/dtの関数である。この場合、第2装置は、図10(B)に示したルックアップテーブルを予めROMに記憶している。
更に、ECU70のCPUは、図11のステップ1105に置換されるステップ1105B(図示省略)にて横加速度Gyを取得し、図11のステップ815Aに置換されるステップ815C(図示省略)にて、横加速度の大きさ|Gy|が閾値横加速度Gyth以上であるか否かを判定するように構成されてもよい。閾値横加速度Gythは、上述したように横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量d|Gy|/dtの関数である。この場合、第2装置は、図10(C)に示したルックアップテーブルを予めROMに記憶している。
このように、第2装置は、操舵速度の大きさ|ωh|、車両のヨーレートの大きさ|Yr|及び車両の横加速度の大きさ|Gy|のうちの一つである操舵速度指標量が、所定の閾値指標量未満から当該閾値指標量以上に変化したとき特定条件が成立したと判定する。これにより、例えば、車両が緩やかなカーブを走行する場合又は車線変更をする場合には、油圧アクチュエータ55によるアシストは必要なく、操舵速度指標量が所定の閾値指標量未満であるときは、第2電動モータ54は駆動されない。その結果、第2電動モータ54の駆動機会が減少するので、燃費の向上に有効である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るパワーステアリング装置(以下、「第3装置」とも称呼する。)について説明する。第3装置は、電動アシストモータ44が過負荷状態に陥ることを回避する(防止する)機能を有する点において、第1装置10及び第2装置と異なっている。以下、電動アシストモータ44が過負荷状態に陥ることを回避する機能を中心に説明する。
車両の燃費の向上には、第2実施形態(第2装置)の説明にて述べたようにEHPS50によるアシストをできるだけ遅らせることが有効である。その一方、EHPS50によるアシストを遅らせることにより、電動アシストモータ44が過負荷状態に陥る場合も考えられる。しかし、電動アシストモータ44は定格電力の範囲内にて使用される必要がある。そこで、第3装置は、電動アシストモータ44の温度又は電動アシストモータ44の駆動回路の温度を検出し、この検出温度が高いほどEHPS50によるアシストの開始タイミングを早めるように構成される。言い換えると、第3装置は、上記検出温度が高いほど「操舵速度指標量」に対する「閾値指標量」が小さくなるように設定される。電動アシストモータ44の温度は、電動アシストモータ44の筐体に配設された温度センサにより取得される。駆動回路は電動アシストモータ44への通電量を制御するための半導体素子を含む。電動アシストモータ44の駆動回路の温度は、例えば、半導体素子上に配設され、又は半導体素子内に組み込まれた温度センサにより取得される。
EHPS50による操舵アシストが開始されると、第3装置は、既に操舵アシストを開始しているEPS40の発生する第1アシストトルクTa1を、要求アシストトルクTa*からEHPS50の発生する第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。即ち、第3装置は、EHPS50による操舵アシストが開始されると、アシストトルクを第1アシストトルクTa1から第2アシストトルクTa2に徐々に移行させる。EPS40によるアシストはこの「移行」の期間を経過した時点、即ち、第1アシストトルクTa1がゼロとなった時点で終了する。よって、EHPS50によるアシストの開始を早めると、その分だけEPS40がアシストしている時間が短くなるので、電動アシストモータ44が過熱状態(過負荷状態)に陥ることが未然に回避される。
(第3装置の具体的作動)
以下、第3装置の実際の作動について、図12を参照しながら説明する。
<操舵アシスト制御>
ECU70のCPUは、一定時間が経過する毎に図12にフローチャートにより示した操舵アシスト制御ルーチンを実行するようになっている。以下、場合分けをして説明する。なお、第2装置の作動の説明で参照したステップと同一のステップには同一の符号が付されている。
(1)操舵開始初期であって第2電動モータ駆動開始条件が成立していない場合
CPUは所定の時点にてステップ1200から処理を開始してステップ805に進み、トルクセンサ42の検出した信号及び車速センサ71の検出した信号から、それぞれ操舵トルクT及び車速Vを取得する。次いで、CPUはステップ1105に進み、操舵角センサの検出した信号から操舵速度ωh(操舵角θhの時間微分値)を取得する。次いで、CPUはステップ1205に進み、図示しない温度センサの検出した電動アシストモータ44の温度(電動アシストモータ温度)Tempを取得する。次いで、CPUはステップ810に進み、ルックアップテーブルMapTa*(T,V)に取得した操舵トルクT及び車速Vを適用して要求アシストトルクTa*を演算し、ステップ845に進む。
上記仮定によれば、第2電動モータ駆動開始条件が成立していないので、第2電動モータ54は停止中である。従って、CPUはステップ845にて「Yes」と判定してステップ815Dに進み、操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt,Temp)以上であるか否かを判定する。図13に示したように、閾値操舵速度ωhthは、操舵加速度の大きさd|ωh|/dtが大きいほど小さくなり、且つ電動アシストモータ温度Tempが大きいほど小さくなる。従って、操舵加速度の大きさd|ωh|/dt及び電動アシストモータ温度Tempと、閾値操舵速度ωhthと、の関係を規定したルックアップテーブルMapωhth(d|ωh|/dt,Temp)に、取得された操舵加速度の大きさd|ωh|/dt及び電動アシストモータ温度Tempを適用して、閾値操舵速度ωhthが演算される。
上記仮定によれば、操舵速度ωhは閾値操舵速度ωhth未満であり、第2電動モータ駆動開始条件が成立していない。従って、CPUはステップ815Dにて「No」と判定してステップ830に直接進み、第2アシストトルクTa2を推定する。現時点において、第2アシストトルクTa2は「0」である。
次いで、CPUはステップ835に進み、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。現時点において、第2アシストトルクTa2は「0」であるから、第1要求アシストトルクTa1*は要求アシストトルクTa*に等しい値になる。次いで、CPUはステップ840に進んで第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(2)操舵開始後第2電動モータ駆動開始条件が成立した直後である場合
CPUは所定の時点にてステップ1200から処理を開始してステップ805、ステップ1105、ステップ1205及びステップ810を経由してステップ845に進む。上記仮定によれば、現時点においては、まだ第2電動モータ54は駆動を開始していない。従って、CPUはステップ845にて「Yes」と判定してステップ815Dに進む。上記仮定によれば、第2電動モータ駆動開始条件が成立している。即ち、操舵速度の大きさ|ωh|は閾値操舵速度ωhth以上である。従って、CPUはステップ815Dにて「Yes」と判定し、ステップ850に進み、第2電動モータ54の駆動を開始させてステップ830に進む。
CPUはステップ830にて第2アシストトルクTa2を推定する。現時点において、第2電動モータ54が駆動中であるので、第2アシストトルクTa2は発生している。次いで、CPUはステップ835に進み、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定する。次いで、CPUはステップ840に進み、第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(3)第2電動モータ駆動開始後(駆動中)且つ操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth以上である状態
CPUは所定の時点にてステップ1200から処理を順に実行して、ステップ845に進む。上記仮定によれば、第2電動モータ54は駆動中である。従って、CPUはステップ845にて「No」と判定してステップ1210に進み、操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt,Temp)未満且つ操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵終了トルクTthend未満であるか否かを判定する。上記仮定によれば、操舵速度の大きさ|ωh|は閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt,Temp)以上である。従って、CPUはステップ1210にて「No」と判定してステップ830に直接進み、第2アシストトルクTa2を推定してステップ835に進む。
CPUはステップ835にて、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定してステップ840に進み、第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(4)第2電動モータ駆動開始後(駆動中)であり操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth未満且つ操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵終了トルクTthend未満である場合
CPUは所定の時点にてステップ1200から処理を順に実行して、ステップ845に進む。上記仮定によれば、第2電動モータ54は駆動中である。従って、CPUはステップ845にて「No」と判定してステップ1210に進む。上記仮定によれば、操舵速度の大きさ|ωh|が閾値操舵速度ωhth(d|ωh|/dt,Temp)未満且つ操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵終了トルクTthend未満である。従って、CPUはステップ1210にて「Yes」と判定してステップ825に進み、第2電動モータ54を停止する。次いで、CPUはステップ830に進み、第2アシストトルクTa2を推定してステップ835に進む。
CPUはステップ835にて、第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2アシストトルクTa2を減じた値に設定してステップ840に進み、第1要求アシストトルクTa1*に基づいて操舵アシスト制御を実行し、ステップ1295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
なお、図12を参照して説明した第3装置の具体的作動においては、EHPS50によるアシストの開始を早める方法として「操舵速度指標量」を操舵速度の大きさ|ωh|とする方法について例示したが、「操舵速度指標量」を車両のヨーレートの大きさ|Yr|とする方法又は車両の横加速度の大きさ|Gy|とする方法が採用されてもよい。
即ち、ECU70のCPUは、図12のステップ1105に置換されるステップ1105A(図示省略)にてヨーレートYrを取得し、図12のステップ815Dに置換されるステップ815E(図示省略)にて、ヨーレートの大きさ|Yr|が閾値ヨーレートYrth(d|Yr|/dt,Temp)以上であるか否かを判定するように構成されてもよい。閾値ヨーレートYrthは、ヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量d|Yr|/dt及び電動アシストモータ温度Tempの関数である。この場合、第3装置は、ヨーレートの大きさの単位時間当たりの増加量d|Yr|/dt及び電動アシストモータ温度Tempと、閾値ヨーレートYrthと、の関係を規定したルックアップテーブルを予めROMに記憶している。
更に、ECU70のCPUは、図12のステップ1105に置換されるステップ1105B(図示省略)にて横加速度Gyを取得し、図12のステップ815Dに置換されるステップ815F(図示省略)にて、横加速度の大きさ|Gy|が閾値横加速度Gyth(d|Gy|/dt,Temp)以上であるか否かを判定するように構成されてもよい。閾値横加速度Gythは、横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量d|Gy|/dt及び電動アシストモータ温度Tempの関数である。この場合、第3装置は、横加速度の大きさの単位時間当たりの増加量d|Gy|/dt及び電動アシストモータ温度Tempと、閾値横加速度Gythと、の関係を規定したルックアップテーブルを予めROMに記憶している。
このように、第3装置は、操舵速度指標量の単位時間当たりの増加量が大きいほど閾値指標量が小さくなるように当該増加量に基づいて当該閾値指標量を設定する。これにより、「穏やかな操舵」に対しては、できるだけ電動アシストモータ44のみによるアシストが行われ、「急激な操舵」に対しては、早期に油圧アクチュエータ55によるアシストトルクが発生されるので、要求アシストトルクに対する追従性が確保される。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係るパワーステアリング装置(以下、「第4装置」とも称呼する。)について説明する。第4装置は、運転者により操舵が開始された時点において、その直前に行われたステアリングホイール11の操作によって実行されていたEHPS50によるアシストの効果が残留している状態、言い換えると、第2アシストトルクTa2が残っている状態を考慮した制御を実行する点において、第1装置乃至第3装置と異なっている。以下、この点を中心に説明する。
第4装置の作動を説明するためのアシストトルクの時間変化が図14に示される。先ず、前回の操舵が終了し、時刻t30に油圧ポンプ53を駆動する電動モータ54が停止したと仮定すると、時刻t30から油圧は緩やかに低下する。このとき、油圧回路内に発生しているトルク相当量(以下、「残留トルクTa2r」とも称呼する。)は、一点鎖線89にて示したように、時刻t30から緩やかに低下する。
時刻t31(第1時点)において運転者により操舵が再び開始されると、操舵により第2トーションバー51が捩れて、油圧ポンプ53からパワーシリンダ55までの作動油の流路が形成される。作動油の流路が形成されると、油圧回路に油圧が発生している状態であるので、パワーシリンダ55に作動油が供給され、残留トルクTa2rがシャフト部31に伝達される。
一方、要求アシストトルクTa*は、図14において実線87にて示したように、時刻t31後から徐々に大きくなり、時刻t32にて減少中の残留トルクTa2rと一致する(交差する)。従って、時刻t32以降、残留トルクTa2rは要求アシストトルクTa*を下回る。そこで、第4装置は、時刻t32から、EPS40によるアシストを開始して(アシストトルクを発生させて)、残留トルクTa2rの不足分を補う。言い換えると、第4装置は、時刻t31から時刻t32の間は、EPS40によるアシストを実行しない(第1アシストトルクTa1を発生させない。)。時刻t32以降、破線88にて示される第1要求アシストトルクTa1*は、要求アシストトルクTa*から残留トルクTa2rを差し引いた値として算出され、出力される。
残留トルクTa2rは予め実験等により求められる。例えば、残留トルクTa2rは、第2電動モータ54を停止してからの経過時間te及び第2電動モータ54停止直後の吐出ポート53bの油圧Pstと、残留トルクTa2rと、の関係を規定したルックアップテーブルとして、第4装置のROMに格納されている。このルックアップテーブルMapTa2r(te,Pst)によれば、図15に示したように、経過時間teが長いほど小さく且つ油圧Pstが低いほど小さく設定される。第4装置は、このルックアップテーブルMapTa2r(te,Pst)に、実際の経過時間te及び油圧Pstを適用することにより残留トルクTa2rを算出する。
時刻t33にて、残留トルクTa2rは「0」となる。従って、第1要求アシストトルクTa1*は要求アシストトルクTa*と一致する。第4装置は 、時刻t34にて第2電動モータ54の駆動を開始し、油圧ポンプ53の作動が開始される。時刻t34から第2アシストトルクTa2は上昇し、時刻t35にて要求アシストトルクTa*と一致する。これに対し、第1要求アシストトルクTa1*は、第2アシストトルクTa2の増加に伴って時刻t34から減少を始める。つまり、第4装置は、第1要求アシストトルクTa1*と第2アシストトルクTa2との合計が要求アシストトルクTa*に維持されるように第1要求アシストトルクTa1*を減少させる。
これによれば、運転者による操舵が開始されたとき、油圧回路内に、直前の操舵によって発生したアシスト力(残留トルクTa2r)があった場合であっても、EPS40による操舵アシストが過剰となることを防止することができる。従って、このような場合であっても、運転者に違和感を与えることがなくなる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
第1装置10は、駆動電流パルスのデューティ比D1を変えることにより電動モータの実効的な駆動電流を変化させ、電動モータの出力を変更していた(即ち、PWM制御を行っていた)が、電動モータの直流電流値の大きさを変えることにより電動モータの出力を変更するように構成されてもよい。
第1装置10は、EHPS50がトーションバーの捩れによって流路を変更するとともにトルクを変更する装置であったが、電動油圧パワーステアリング装置は、ECU70が第2電動モータ54の回転速度(即ち、ポンプの吐出圧力)及び第2電動モータ54の回転方向(即ち、油圧ポンプが圧力を発生する方向)を変更するように制御する装置であってもよい。このような電動油圧パワーステアリング装置を用いた場合を第1装置の変形例として、図16を参照しながら、その具体的作動を説明する。
(1)操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth以上である場合
CPUはステップ1600から処理を開始して、ステップ815に進む。上記仮定によれば、操舵トルクの大きさ|T|は閾値操舵トルクTth以上である。従って、CPUはステップ815にて「Yes」と判定してステップ1605に進む。第2要求アシストトルクTa2*が要求アシストトルクTa*未満である場合(図7の時刻t11乃至t12の期間)、CPUはステップ1605にて「Yes」と判定してステップ1610に進む。そして、CPUは第1要求アシストトルクTa1*を、要求アシストトルクTa*から第2要求アシストトルクTa2*を減じた値に設定するとともに、第2要求アシストトルクTa2*を所定量Aだけ増加させる。この所定量Aは、EHPS50のアシスト能力に応じた値であり、例えば、定格の大きい(発生可能なトルクの大きい)第2電動モータ54を用いると、所定量Aを大きくすることができる。
このように、第1要求アシストトルクTa1*と第2要求アシストトルクTa2*の和は要求アシストトルクTa*となる。言い換えると、要求アシストトルクTa*は、第1要求アシストトルクTa1*と第2要求アシストトルクTa2*とに分配される。
次いで、CPUはステップ1615に進み、ステップ1610にて設定された第1要求アシストトルクTa1*及び第2要求アシストトルクTa2*に基づいて操舵アシスト制御を実行する。第1要求アシストトルクTa1*及び第2要求アシストトルクTa2*は、ステップ1615にて電動アシストモータ44及び第2電動モータ54を駆動するための電流値に換算される。次いで、CPUはステップ1695に進んで、本ルーチンを一旦終了する。
一方、第2要求アシストトルクTa2*が要求アシストトルクTa*と一致している場合(図7の時刻t12以降)、CPUはステップ1605にて「No」と判定してステップ1625に進む。CPUは、第1要求アシストトルクTa1*を「0」に、第2要求アシストトルクTa2*を要求アシストトルクTa*にそれぞれ設定して、ステップ1615に進む。CPUはステップ1615にて設定された第1要求アシストトルクTa1*及び第2要求アシストトルクTa2*に基づいて操舵アシスト制御を実行してステップ1695に進み、本ルーチンを一旦終了する。
(2)操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth未満である場合
操舵トルクの大きさ|T|が閾値操舵トルクTth未満である場合、CPUはステップ815にて「No」と判定してステップ1620に進み、第1要求アシストトルクTa1*を要求アシストトルクTa*に、第2要求アシストトルクTa2*を「0」に設定する。次いで、CPUはステップ1615に進み、設定された第1要求アシストトルクTa1*及び第2要求アシストトルクTa2*に基づいて操舵アシスト制御を実行してステップ1695に進み、本ルーチンを一旦終了する。
10…パワーステアリング装置、11…ステアリングホイール、20…ステアリングシャフト、21…第1操舵軸、22…第2操舵軸、221…入力軸、222…出力軸、222a…ピニオンギヤ、23…中間軸、30…ラックシャフト、31…シャフト部、32…ラック部、40…第1操舵補助機構(電動パワーステアリング装置:EPS)、41…第1トーションバー、42…トルクセンサ、44…第1電動モータ(電動アシストモータ)、45…減速機、50…第2操舵補助機構(電動油圧パワーステアリング装置:EHPS)、51…第2トーションバー、52…コントロールバルブ機構、521…バルブスリーブ、53…油圧ポンプ、54…第2電動モータ(油圧ポンプ駆動用電動モータ)、55…油圧アクチュエータ(パワーシリンダ)、551…パワーピストン、55L…左室、55R…右室、57…リザーバタンク、70…電子制御装置(ECU)、71…車速センサ。

Claims (6)

  1. ステアリングホイール及び当該ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトを含み、車両の運転者による前記ステアリングホイールの操作に応じて前記車両の転舵輪を転舵させる操舵機構と、
    前記操舵機構にトルク伝達可能に組み付けられた第1電動モータを含み、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記転舵輪の転舵を補助する第1アシスト力を前記第1電動モータにより前記操舵機構に付与するように構成された第1操舵補助機構と、
    駆動されたとき作動油を吐出する油圧ポンプ、前記油圧ポンプを駆動する第2電動モータ及び前記油圧ポンプから吐出される作動油によって作動する油圧アクチュエータを含み、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記転舵輪の転舵を補助する第2アシスト力を前記油圧アクチュエータにより前記操舵機構に付与するように構成された第2操舵補助機構と、
    前記ステアリングホイールの操作に基づいて要求アシスト力を決定し、前記第1アシスト力と前記第2アシスト力との合力が前記要求アシスト力と一致するように前記第1電動モータ及び前記第2電動モータを制御する、制御部と、
    を備えたパワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記要求アシスト力がゼロであるとき前記第1電動モータの駆動を停止するとともに前記第2電動モータの駆動を停止し、
    前記要求アシスト力の大きさがゼロから増大を開始した第1時点から、所定の特定条件が成立したと判定する第2時点まで、の期間において、前記第2電動モータの駆動を停止したまま、前記第1アシスト力が前記要求アシスト力と一致するように前記第1電動モータを駆動し、
    前記第2時点にて前記第2電動モータの駆動を開始することにより前記第2アシスト力を時間の経過とともに増大させ、且つ、前記第2時点以降において前記第1アシスト力が前記要求アシスト力から前記第2アシスト力を減じた値と一致するように前記第1電動モータを駆動することにより前記第1アシスト力を時間の経過とともに減少させる、
    ように構成された、パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記ステアリングホイールの操作によって前記ステアリングシャフトに生じる操舵トルクの大きさが閾値操舵トルク未満から当該閾値操舵トルク以上に変化したとき前記特定条件が成立したと判定するように構成された、
    パワーステアリング装置。
  3. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記ステアリングホイールの回転速度である操舵速度の大きさ、前記車両のヨーレートの大きさ、及び、前記車両の横加速度の大きさ、のうちの一つである操舵速度指標量が、所定の閾値指標量未満から当該閾値指標量以上に変化したとき前記特定条件が成立したと判定するように構成された、
    パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記操舵速度指標量の単位時間当たりの増加量が大きいほど前記閾値指標量が小さくなるように当該増加量に基づいて当該閾値指標量を設定するように構成された、
    パワーステアリング装置。
  5. 請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記第1電動モータの温度が高いほど前記閾値指標量が小さくなるように当該第1電動モータの温度に応じて当該閾値指標量を設定するように構成された、
    パワーステアリング装置。
  6. 請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記第1電動モータへの通電量を制御するための半導体素子を含む駆動回路を備え、
    前記半導体素子の温度が高いほど前記閾値指標量が小さくなるように当該半導体素子の温度に応じて当該閾値指標量を設定するように構成された、
    パワーステアリング装置。
JP2017105772A 2017-05-29 2017-05-29 パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP6686967B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017105772A JP6686967B2 (ja) 2017-05-29 2017-05-29 パワーステアリング装置
US15/986,259 US10759471B2 (en) 2017-05-29 2018-05-22 Power steering device
DE102018112322.1A DE102018112322B4 (de) 2017-05-29 2018-05-23 Servolenkvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017105772A JP6686967B2 (ja) 2017-05-29 2017-05-29 パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018199451A true JP2018199451A (ja) 2018-12-20
JP6686967B2 JP6686967B2 (ja) 2020-04-22

Family

ID=64109296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017105772A Expired - Fee Related JP6686967B2 (ja) 2017-05-29 2017-05-29 パワーステアリング装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10759471B2 (ja)
JP (1) JP6686967B2 (ja)
DE (1) DE102018112322B4 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020134621A1 (zh) * 2018-12-24 2020-07-02 南京航空航天大学 一种汽车电液智能转向系统及其多目标优化方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11691666B2 (en) * 2016-09-20 2023-07-04 Knorr-Bremse Steering System Japan Ltd. Power steering apparatus
JP6568559B2 (ja) * 2017-09-13 2019-08-28 株式会社Subaru 車両の走行制御装置
KR102005900B1 (ko) * 2017-11-30 2019-08-01 주식회사 만도 차량의 전방 및 측방 충돌 가능성을 기초로 어시스트 토크를 조정하는 전동식 조향 장치 및 방법
US10768075B2 (en) * 2018-06-14 2020-09-08 GM Global Technology Operations LLC Rack disturbance test for determining the frequency response of an electric power steering system
JP7117233B2 (ja) * 2018-12-14 2022-08-12 日本電産モビリティ株式会社 電子制御装置、制御方法、及び電子制御プログラム
SE543540C2 (en) * 2018-12-17 2021-03-23 Scania Cv Ab Method for controlling a steering system of a vehicle, control device, computer program and computer-readable medium
JP7256062B2 (ja) * 2019-04-15 2023-04-11 トヨタ自動車株式会社 ステアリングシステム
US20210016826A1 (en) * 2019-07-17 2021-01-21 Steering Solutions Ip Holding Corporation Steer by wire drift compensation
DE102019133025A1 (de) * 2019-12-04 2021-06-10 Zf Automotive Germany Gmbh Verfahren zur Positionsregelung für ein Lenksystem
US11332187B1 (en) * 2020-11-18 2022-05-17 Ford Global Technologies, Llc Electric motor and control unit cooling system
JP7200210B2 (ja) * 2020-12-25 2023-01-06 本田技研工業株式会社 移動体

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11255134A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Kayaba Ind Co Ltd 電動油圧パワーステアリング装置
JP2002120740A (ja) * 2000-10-11 2002-04-23 Koyo Seiko Co Ltd パワーステアリング装置
JP2006264622A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp パワーステアリング装置
JP2007055276A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Hitachi Ltd 液圧制御装置及びその製造方法
US20070095598A1 (en) * 2005-10-14 2007-05-03 Trw Automotive U.S. Llc Hydraulic steering system with a variable flow device
JP2007230460A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Hitachi Ltd パワーステアリング装置
JP2008062699A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2008184049A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toyota Motor Corp ステアリング装置
JP2008260329A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Jtekt Corp 動力舵取装置
JP2009248643A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Toyota Motor Corp 車両の操舵制御装置
KR20100072906A (ko) * 2008-12-22 2010-07-01 영신정공 주식회사 Mdps와 ehps 병행형 차량용 조향장치
JP2010143242A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Hitachi Automotive Systems Ltd 操舵制御装置
JP2010247579A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Toyota Motor Corp 車両の制御システム
JP2013241025A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Isuzu Motors Ltd パワーステアリングシステム、それを搭載した車両、及びその制御方法
JP2016150644A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 パワーステアリング装置
CN106043419A (zh) * 2016-07-11 2016-10-26 南京航空航天大学 电‑液复合动力转向系统控制装置及其控制方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0710600B1 (en) * 1994-11-04 2001-10-24 Trw Inc. Method and apparatus for controlling an electric motor
US5743351A (en) * 1996-05-29 1998-04-28 Trw Inc. Method and apparatus for controlling an electric assist steering sysem by linearizing system input-output torque gain
US6122912A (en) * 1997-10-16 2000-09-26 Techco Corporation Electro-hydraulic power steering systems having improved efficiency
US7004279B2 (en) * 2003-08-28 2006-02-28 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle steering system
JP4349309B2 (ja) * 2004-09-27 2009-10-21 日産自動車株式会社 車両用操舵制御装置
JP2008049968A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Hitachi Ltd パワーステアリング装置
JP2010014242A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Nabtesco Corp 偏心型減速機
DE102009010878A1 (de) 2009-02-27 2009-10-08 Daimler Ag Betreiben eines hybriden Lenksystems eines Kraftfahrzeuges
JP5692569B2 (ja) * 2010-08-23 2015-04-01 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP5591837B2 (ja) * 2012-01-25 2014-09-17 本田技研工業株式会社 車両及び操舵装置
KR20130090527A (ko) * 2012-02-06 2013-08-14 주식회사 만도 하이브리드 파워 스티어링 시스템

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11255134A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Kayaba Ind Co Ltd 電動油圧パワーステアリング装置
JP2002120740A (ja) * 2000-10-11 2002-04-23 Koyo Seiko Co Ltd パワーステアリング装置
JP2006264622A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp パワーステアリング装置
JP2007055276A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Hitachi Ltd 液圧制御装置及びその製造方法
US20070095598A1 (en) * 2005-10-14 2007-05-03 Trw Automotive U.S. Llc Hydraulic steering system with a variable flow device
JP2007230460A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Hitachi Ltd パワーステアリング装置
JP2008062699A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2008184049A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toyota Motor Corp ステアリング装置
JP2008260329A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Jtekt Corp 動力舵取装置
JP2009248643A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Toyota Motor Corp 車両の操舵制御装置
JP2010143242A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Hitachi Automotive Systems Ltd 操舵制御装置
KR20100072906A (ko) * 2008-12-22 2010-07-01 영신정공 주식회사 Mdps와 ehps 병행형 차량용 조향장치
JP2010247579A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Toyota Motor Corp 車両の制御システム
JP2013241025A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Isuzu Motors Ltd パワーステアリングシステム、それを搭載した車両、及びその制御方法
JP2016150644A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 パワーステアリング装置
CN106043419A (zh) * 2016-07-11 2016-10-26 南京航空航天大学 电‑液复合动力转向系统控制装置及其控制方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020134621A1 (zh) * 2018-12-24 2020-07-02 南京航空航天大学 一种汽车电液智能转向系统及其多目标优化方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10759471B2 (en) 2020-09-01
DE102018112322A1 (de) 2018-11-29
DE102018112322B4 (de) 2021-07-08
JP6686967B2 (ja) 2020-04-22
US20180339727A1 (en) 2018-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6686967B2 (ja) パワーステアリング装置
JP4629533B2 (ja) 液圧制御装置及びその製造方法
JP5418056B2 (ja) 操舵制御装置
JP2014227042A (ja) パワーステアリング装置
US20110282551A1 (en) Power steering apparatus
US20050224276A1 (en) Steering device
JP5772294B2 (ja) パワーステアリング装置
CN109476338B (zh) 动力转向装置
JP2016150645A (ja) パワーステアリング装置
JPWO2017159107A1 (ja) パワーステアリング装置
JP2011126477A (ja) パワーステアリング装置
WO2016031058A1 (ja) ステアバイワイヤ方式の操舵システム
JP6511673B2 (ja) パワーステアリング裝置
JP2006248395A (ja) パワーステアリング装置
JP2019014382A (ja) パワーステアリング装置
JP6279338B2 (ja) パワーステアリング装置
JP2019001241A (ja) パワーステアリング装置
JP6482437B2 (ja) パワーステアリング装置
JP5276578B2 (ja) パワーステアリング装置
JP7256062B2 (ja) ステアリングシステム
JP2008213669A (ja) ステアリング装置
JP6922508B2 (ja) パワーステアリング装置
JP6307985B2 (ja) 油圧パワーステアリング装置
JP2022067147A (ja) 操舵装置
JP6209930B2 (ja) 油圧パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200316

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6686967

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees